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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019673
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/08 20060101AFI20250131BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
F25D21/08 A
F25D11/00 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123404
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】元井 啓順
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 功博
【テーマコード(参考)】
3L045
3L046
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA03
3L045DA02
3L045EA01
3L045GA04
3L045HA02
3L045LA06
3L045LA10
3L045LA13
3L045LA14
3L045MA02
3L045MA04
3L045NA01
3L045NA17
3L045NA22
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L046AA02
3L046BA04
3L046CA06
3L046FA02
3L046FB01
3L046GA02
3L046JA06
3L046JA10
3L046KA02
3L046KA04
3L046MA01
3L046MA02
3L046MA03
3L046MA04
(57)【要約】
【課題】冷却器の着霜劣化に起因した貯蔵室の冷却に関する不具合を効率的に防止できる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫は、貯蔵室と、貯蔵室を冷却するための冷気を生成する冷却器と、冷却器に対する除霜能力が異なる複数の加熱部と、複数の加熱部を個別に駆動して冷却器の除霜を行うことが可能な制御部と、を備え、複数の加熱部は、第1加熱部と、第1加熱部よりも除霜能力が低い第2加熱部とを含み、制御部は、着霜によって冷却器の冷却機能が低下する所定の条件が満たされた場合に第2加熱部を駆動して第1加熱部の駆動を抑制する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室と、
前記貯蔵室を冷却するための冷気を生成する冷却器と、
前記冷却器に対する除霜能力が異なる複数の加熱部と、
複数の前記加熱部を個別に駆動して前記冷却器の除霜を行うことが可能な制御部と、を備え、
複数の前記加熱部は、第1加熱部と、前記第1加熱部よりも除霜能力が低い第2加熱部とを含み、
前記制御部は、着霜によって前記冷却器の冷却機能が低下する所定の条件が満たされた場合に前記第2加熱部を駆動して前記第1加熱部の駆動を抑制する、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記貯蔵室内の温度を検知する庫内温度検知部と、
前記冷却器の温度を検知する冷却器温度検知部と、を更に備え、
着霜によって前記冷却器の冷却機能が低下する所定の条件は、前記庫内温度検知部の検知温度と前記冷却器温度検知部の検知温度との温度差が閾値を超えていることを含む、
請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
着霜によって前記冷却器の冷却機能が低下する所定の条件は、前記貯蔵室内の冷却中における今回の前記温度差が前記貯蔵室内の冷却中における前回の前記温度差よりも大きくなっていることを含む、
請求項2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記制御部は、着霜によって前記冷却器の冷却機能が低下する所定の条件が満たされた場合において、前記貯蔵室内の冷却を停止してから待機時間経過後に前記第2加熱部を駆動する、
請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記貯蔵室の冷却に用いられる冷媒を圧縮する圧縮機を更に備え、
前記制御部は、着霜によって前記冷却器の冷却機能が低下する所定の条件が満たされた場合において、前記圧縮機の駆動を停止してから前記第2加熱部を駆動する場合に、前記第2加熱部を駆動してから駆動時間が経過又は前記冷却器温度検知部の検知温度が停止温度を超えると前記第2加熱部の駆動を停止する、
請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記制御部は、前記貯蔵室内の冷却を停止してから前記第1加熱部を駆動させた後に所定時間又は前記冷却器温度検知部の検知温度が所定温度に到達すると前記第2加熱部を駆動する、
請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記制御部は、前記貯蔵室内の冷却を停止してから前記第1加熱部を駆動させた後に前記所定時間又は前記冷却器温度検知部の検知温度が前記所定温度に到達すると前記第2加熱部を駆動する場合、前記第1加熱部を停止する、
請求項6記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記冷却器によって生成される前記冷気を送風する送風機を更に備え、
前記第2加熱部は、前記第1加熱部よりも前記冷却器から離れた位置に設けられており、
前記制御部は、前記第2加熱部を駆動するとともに前記送風機を駆動する、
請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記第2加熱部を駆動するとともに前記送風機を駆動する場合、前記制御部は、前記送風機の回転数を前記貯蔵室内の冷却中における前記送風機の最も低い回転数以下に設定する、
請求項8記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却器に付着した霜をヒータで除霜する冷蔵庫に関して、着霜検知信号に応じて除霜ヒータと樋ヒータに電力を供給して、冷却器および排水樋、排水管を加熱し、除霜完了信号に応じて除霜ヒータへの電力供給を停止するとともに、除霜ヒータへの電力供給停止後も樋ヒータへの電力供給を所定時間継続することで、ヒータによる消費電力を低減し、経済化を図る技術が知られている。従来構成において、除霜ヒータは、冷却器の除霜を行うためのものであり、樋ヒータは、排水樋で受け取った冷却器からの融解水による排水樋での凍結を防止するためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-167896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来構成は、2つのヒータを用いて冷却器の除霜や排水樋の凍結防止が図られており、このうち冷却器の除霜は、冷却器に対して接触または近接して配設された除霜ヒータのみで行うことが前提とされている。そのため、例えば冷却器に生じた軽度な着霜による冷却性能の低下つまり着霜劣化を緩和する場合であっても、除霜ヒータの加熱によって冷却器の霜を融解することになる。そのため、冷却器周辺の空間内に過度に熱が伝わる可能性があり、貯蔵室内の冷却に不具合が生じる場合がある。このように、従来構成では、冷却器の着霜劣化の状態に応じて柔軟に対応できないという課題があった。
【0005】
そこで、本実施形態は、冷却器の着霜劣化に起因した貯蔵室の冷却に関する不具合を効率的に防止できる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の冷蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室を冷却するための冷気を生成する冷却器と、前記冷却器に対する除霜能力が異なる複数の加熱部と、複数の前記加熱部を個別に駆動して前記冷却器の除霜を行うことが可能な制御部と、を備え、複数の前記加熱部は、第1加熱部と、前記第1加熱部よりも除霜能力が低い第2加熱部とを含み、前記制御部は、着霜によって前記冷却器の冷却機能が低下する所定の条件が満たされた場合に前記第2加熱部を駆動して前記第1加熱部の駆動を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による冷蔵庫の構成の一例を示す正面図
図2】第1実施形態による冷蔵庫の構成の一例を示す断面図
図3】第1実施形態による冷蔵庫の電気的構成の一例を示すブロック図
図4】第1実施形態による冷蔵庫について、除霜ヒータ及び樋ヒータの設置位置の一例を示す斜視図
図5】第1実施形態による冷蔵庫について、除霜ヒータ及び樋ヒータの設置位置の一例を示す断面図
図6】第1実施形態による冷蔵庫について、除霜ヒータ及び樋ヒータの駆動制御の一例を示すタイムチャート
図7】第1実施形態による冷蔵庫について、部分除霜制御が行われる際の制御内容の一例を示すフローチャート
図8】第2実施形態による冷蔵庫について、部分除霜制御が行われる際の制御内容の一例を示すフローチャート
図9】第3実施形態による冷蔵庫について、除霜ヒータ及び樋ヒータの駆動制御の一例を示すタイムチャート
図10】第4実施形態による冷蔵庫について、樋ヒータ及び冷凍用送風機の駆動制御の一例を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、以下の実施形態において、構成要素等に付された「第1」、「第2」との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣等を意味するものではない。
【0009】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
冷蔵庫1は、図1及び図2に示すように、前面が開口した縦長矩形箱状の冷蔵庫本体10内に複数の貯蔵室を有して構成されている。以下の説明では、冷蔵庫本体10の開口側を冷蔵庫1の前側とし、開口とは反対側を冷蔵庫1の後側とする。また、冷蔵庫1を図1の姿勢で床面に設置した場合における重力方向に対する上下方向を、冷蔵庫1の上下方向とする。冷蔵庫1を前方から見た場合における左右方向を、冷蔵庫1の左右方向つまり幅方向とし、冷蔵庫1の前後方向を、冷蔵庫1の奥行方向とする。
【0010】
冷蔵庫1は、冷蔵庫本体10を主体に構成されている。冷蔵庫本体10は、前面が開口した断熱性を有する矩形の箱体で構成されている。冷蔵庫本体10は、箱体を構成する各壁部の内部に例えば硬質発泡ウレタン等の発泡断熱材や真空断熱パネル等の断熱部材で構成される断熱材が設けられている。
【0011】
冷蔵庫本体10は、貯蔵物を貯蔵するための複数の貯蔵室で区分されている。冷蔵庫1は、貯蔵室として、例えば冷蔵室11、野菜室12、製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15を備えている。冷蔵室11及び野菜室12は、いずれも冷蔵温度帯の貯蔵室であり、例えば1~5℃程度に冷却される。一方、製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15は、冷凍温度帯の貯蔵室であり、例えば-18℃以下に冷却される。冷蔵温度帯及び冷凍温度帯は、貯蔵物を冷蔵又は冷凍して収容するのに適した温度帯である。
【0012】
冷蔵室11は、冷蔵庫本体10の最上段に設けられている。野菜室12は、冷蔵室11の下方に設けられている。製氷室13及び小冷凍室14は、野菜室12の下方にあって、左右に並べて設けられている。そして、冷凍室15は、製氷室13及び小冷凍室14の下方、つまり冷蔵庫本体10の最下段に設けられている。
【0013】
冷蔵庫1は、右側冷蔵室扉21a、左側冷蔵室扉21b、野菜室扉22、製氷室扉23、小冷凍室扉24、及び冷凍室扉25を備えている。各扉21a~25は、例えば金属製又は合成樹脂製の枠部材の内部に断熱材を充填して構成されている。右側冷蔵室扉21a及び左側冷蔵室扉21bは、例えば観音開きのヒンジ開閉式扉であって、冷蔵室11の前側の開口を開閉する。冷蔵庫1は、観音式の扉21a、21bを備える構成に限らず、いわゆる片開き式の扉を備える構成であってもよい。野菜室扉22、製氷室扉23、小冷凍室扉24、及び冷凍室扉25は、いずれも引出し式であって、それぞれ野菜室12、製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15の前側の開口を開閉する。詳細は図示しないが、野菜室12、製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15は、それぞれ野菜室扉22、製氷室扉23、小冷凍室扉24、及び冷凍室扉25と一体的に出し入れ可能な容器を有している。
【0014】
冷蔵室11は、特別室16が設けられている。特別室16は、冷蔵室11内において、冷蔵室11内の大部分の温度帯である冷蔵温度帯とは異なる温度帯に維持可能に構成されている。特別室16は、例えば内部を例えば0℃前後のいわゆるチルド温度帯に維持可能なチルド室として構成できる。特別室16は、冷蔵室11内の最下段に設けられている。
【0015】
また、冷蔵庫本体10は、図2に示すように、断熱仕切り壁17及び非断熱仕切り壁18を有している。断熱仕切り壁17は、冷蔵温度帯の貯蔵室11、12と、冷凍温度帯の貯蔵室13、14、15とを断熱した状態で上下方向に仕切っている。非断熱仕切り壁18は、冷蔵温度帯の貯蔵室11、12内において、冷蔵室11と野菜室12とを断熱せずに上下方向に仕切っている。そのため、冷蔵室11と野菜室12とは、それぞれ熱的に相互に繋がっている。
【0016】
冷蔵庫1は、冷凍サイクル30を備えている。冷凍サイクル30は、図2及び図3に示すように、冷蔵冷却器31、冷凍冷却器32、圧縮機33、切替弁34、及び図示しない凝縮器や膨張弁等を含んで構成されている。冷蔵冷却器31は、冷蔵用送風機35とともに、冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室11及び野菜室12の後方に設けられている。冷蔵冷却器31及び冷蔵用送風機35は、冷蔵室11及び野菜室12を冷却するための冷気を生成し、その冷気を冷蔵室11及び野菜室12内へ供給する機能を有する。
【0017】
冷凍冷却器32は、冷凍用送風機36とともに、冷凍温度帯の貯蔵室である製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15の後方に設けられている。冷凍冷却器32及び冷凍用送風機36は、製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15を冷却するための冷気を生成し、その冷気を製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15内へ供給する機能を有する。冷凍サイクル30、冷蔵用送風機35、及び冷凍用送風機36は、冷却機構として機能する。図2に示すように、冷凍冷却器32の下方には、排水樋37が設けられている。排水樋37は、冷凍冷却器32の除霜時に発生する除霜水を受ける。排水樋37で受けた除霜水は、排水樋37に接続された図示しない排水ホースを介して庫外の機械室に排出される。
【0018】
圧縮機33は、例えば冷蔵庫1の底部の図示しない機械室に設けられている。圧縮機33は、各貯蔵室11~15の冷却に用いられる冷媒を圧縮する。圧縮機33によって圧縮された冷媒は、冷蔵冷却器31及び冷凍冷却器32に供給される。また、圧縮機33の駆動が停止した状態では、いずれの冷却器31、32にも冷媒が供給されないため、各貯蔵室11~15の冷却が停止した状態となる。
【0019】
切替弁34は、冷蔵冷却器31及び冷凍冷却器32に対する冷媒の供給を切り替えるためのものである。冷凍サイクル30は、切替弁34を冷蔵冷却器31側に切り替えて冷蔵冷却器31側へ冷媒を供給することで、冷蔵温度帯の貯蔵室11、12を冷却するための冷気を生成させる。冷蔵冷却器31側へ冷媒が供給された場合、冷凍冷却器32の冷却が停止した状態つまり製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15の冷却が停止した状態となる。一方、冷凍サイクル30は、切替弁34を冷凍冷却器32側に切り替えて冷凍冷却器32側へ冷媒を供給することで、冷凍温度帯の貯蔵室13、14、15を冷却するための冷気を生成させる。冷凍冷却器32側へ冷媒が供給された場合、冷蔵冷却器31の冷却が停止した状態つまり冷蔵室11及び野菜室12の冷却が停止した状態となる。なお、冷蔵庫1は、2つの冷却器31、32を備える構成に限らず、1つの冷却器で各貯蔵室11~15を冷却するための冷気を生成する構成としてもよい。
【0020】
冷蔵庫1は、図3に示すように、制御部40、扉開閉センサ41、庫内温度センサ42、冷却器温度センサ43、計時部44、除霜ヒータ51、及び樋ヒータ52を備えている。扉開閉センサ41、庫内温度センサ42、冷却器温度センサ43、計時部44、除霜ヒータ51、及び樋ヒータ52は、それぞれ制御部40に電気的に接続されている。制御部40は、例えばCPUや、ROM、RAM及び書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶領域を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部40は、冷蔵庫1の動作全般の制御を行う。
【0021】
扉開閉センサ41は、各扉21a~25に対応して複数設けられており、各扉21a~25の開閉状態を検知する機能を有する。扉開閉センサ41は、扉開閉検知部として機能する。庫内温度センサ42及び冷却器温度センサ43は、例えばサーミスタで構成されている。庫内温度センサ42は、冷凍温度帯の貯蔵室13、14、15の温度を検知する。庫内温度センサ42は、例えば冷凍室15内に設けられ、冷凍室15内の温度を検知する。庫内温度センサ42は、庫内温度検知部として機能する。冷却器温度センサ43は、例えば冷凍冷却器32の周辺に設けられ、冷凍冷却器32の温度を検知する。冷却器温度センサ43は、冷却器温度検知部として機能する。計時部44は、基準となるある時点からの経過時間を測定する機能を有している。時間とは、ある一点の時刻からある一点の時刻までの時の長さを意味する。
【0022】
除霜ヒータ51及び樋ヒータ52は、図示しない外部の電源からの電力供給を受けて発熱することで、冷凍冷却器32の除霜を行う機能を有する。除霜ヒータ51は、第1加熱部として機能し、樋ヒータ52は、第2加熱部として機能する。除霜ヒータ51は、例えばパイプヒータやガラス管ヒータ等で構成されており、冷凍冷却器32の周囲この場合冷凍冷却器32の前方、後方、及び下方に設けられている。本実施形態では、除霜ヒータ51は、図4及び図5に示すように、冷凍冷却器32の一部を構成する冷却フィン32aに接触又は近接して設けられている。このため、除霜ヒータ51は、冷凍冷却器32に付着した霜を直接的に除霜する。
【0023】
樋ヒータ52は、図4及び図5に示すように、例えばプレートヒータで構成されており、排水樋37の下部に設けられている。本実施形態では、樋ヒータ52は、排水樋37の底面に沿う形状に形成されている。樋ヒータ52は、冷凍冷却器32に付着した霜を間接的に除霜する。ここで、冷凍冷却器32に霜が付着する場合、冷凍冷却器32の下部から霜が付着し始める傾向がある。樋ヒータ52は、冷凍冷却器32の下方に位置しているため、冷凍冷却器32に対する着霜の初期段階で冷凍冷却器32の下部に生じる霜を融解するのに有効である。また、樋ヒータ52は、排水樋37で受けた冷凍冷却器32の除霜時に発生する除霜水が、排水樋37で凍結することを防止して当該除霜水が液体の状態で排水樋37から排出されるようにする。
【0024】
樋ヒータ52は、上述したように、冷凍冷却器32から下方に離れた位置に設けられている。つまり、樋ヒータ52は、除霜ヒータ51よりも冷凍冷却器32から離れた位置に設けられている。また、本実施形態では、樋ヒータ52の定格出力は、除霜ヒータ51の定格出力よりも小さく設定されている。換言すれば、除霜ヒータ51の定格出力は、樋ヒータ52の定格出力よりも大きく設定されている。このため、除霜ヒータ51と樋ヒータ52とは、冷凍冷却器32に対する除霜能力が異なっている。つまり、冷蔵庫1は、冷凍冷却器32に対する除霜能力が異なる複数のヒータ51、52を備えている。そして、除霜ヒータ51は、樋ヒータ52よりも冷凍冷却器32に対する除霜能力が高い。換言すれば、樋ヒータ52は、除霜ヒータ51よりも冷凍冷却器32に対する除霜能力が低い。除霜能力とは、冷凍冷却器32に付着した霜を融解する能力を意味し、例えば単位時間当たりの冷凍冷却器32に付着した霜を融解する量で表すことができる。なお、除霜ヒータ51と樋ヒータ52の定格出力は、同一で設定されていてもよい。
【0025】
制御部40は、除霜ヒータ51及び樋ヒータ52を個別に駆動して冷凍冷却器32の除霜を行う。制御部40は、冷凍冷却器32の除霜において、図6に示すように、完全除霜制御と部分除霜制御とを実行可能である。なお、図6において符号Tfで例示する波形は、冷凍室15内の温度つまり庫内温度センサ42が検知する温度の経時的な変化を示している。また、図6において符号Teで例示する波形は、冷凍冷却器32の温度つまり冷却器温度センサ43が検知する温度の経時的な変化を示している。以下の説明では、便宜的に、冷凍冷却器32によって生成される冷気は、冷凍温度帯の貯蔵室13、14、15のうち冷凍室15に供給されるものとして説明する。
【0026】
完全除霜制御とは、例えば積算した圧縮機33の稼働時間が基準時間に到達した場合に実行される周知の制御である。完全除霜制御は、冷凍冷却器32に付着した霜を完全に取り除くことを想定した制御である。完全除霜制御は、例えば圧縮機33及び冷凍用送風機36の駆動を停止した状態で、冷却器温度センサ43の検知温度Teが除霜温度Tdに到達するまで、除霜ヒータ51及び樋ヒータ52を同時に駆動させる制御を含む。除霜温度Tdは、例えば3℃~15℃の範囲で設定される。
【0027】
部分除霜制御は、例えば冷凍冷却器32が着霜劣化する所定の条件が満たされた場合に、当該所定の条件が解消されるまで実行される制御である。部分除霜制御は、冷凍冷却器32に付着した霜による着霜劣化を緩和することつまり冷凍冷却器32に付着した霜を部分的に除霜することを想定した制御である。着霜劣化とは、冷凍冷却器32に対する着霜が進行することで、冷却機能が低下する状態を意味する。
【0028】
部分除霜制御における冷凍室15内への冷気の供給と冷気の供給の停止のサイクルは、通常時において冷凍室15の冷却で行われる制御つまり通常制御のサイクルと同様に行われる。また、本実施形態では、部分除霜制御は、完全除霜制御が実行された後に一定期間例えば数時間経過後に実行される。つまり、部分除霜制御は、完全除霜制御が実行された後に一定期間内では実行されないように構成されている。
【0029】
ここで、冷凍冷却器32に着霜劣化が生じると、冷凍冷却器32の温度が経時的に下降する。そして、冷凍冷却器32に霜が付着することで冷却機能が低下することに伴い冷凍室15内の温度は上昇していく。そこで、冷凍冷却器32が着霜劣化する所定の条件は、冷凍室15内の冷却中におけるの庫内温度センサ42の検知温度Tfと冷却器温度センサ43の検知温度Teとの温度差ΔTが閾値例えば7℃を超えていることを含む。このようにして、温度差ΔTを着霜劣化の進行具合を判断するための指標として用いることができる。そして、部分除霜制御は、例えば温度差ΔTが閾値以下になるまで実行される。温度差ΔTは、例えば冷凍室15内の各回の冷却における冷却開始時あるいは冷却終了時に取得してもよいし、所定回数の冷却期間ごとに取得してもよい。
【0030】
また、冷凍冷却器32が着霜劣化する所定の条件は、冷凍室15内の冷却中における今回の温度差ΔTtが冷凍室15内の冷却中における前回の温度差ΔTlよりも大きくなっていることを含めることができる。冷凍室15内の冷却中とは、例えば冷凍冷却器32に圧縮機33から供給された冷媒が流れている状態を意味する。今回の温度差ΔTtと前回の温度差ΔTlの比較は、所定周期つまり予め設定した時間間隔で取得した前回及び今回の温度差ΔTt、ΔTlを用いてもよいし、冷凍冷却器32に圧縮機33から供給された冷媒が流れている各期間内における同じタイミングで取得した前回及び今回の温度差ΔTt、ΔTlを用いてもよい。
【0031】
部分除霜制御では、例えば冷凍冷却器32側への冷媒の供給が停止した状態で、樋ヒータ52を駆動して除霜ヒータ51の駆動を抑制する。除霜ヒータ51の駆動を抑制する態様には、例えば除霜ヒータ51の駆動を停止することが含まれる。つまり、部分除霜制御では、樋ヒータ52の総駆動時間を、除霜ヒータ51の総駆動時間よりも長くする。総駆動時間は、1回の駆動時間に駆動回数を乗じて算出できる。部分除霜制御における樋ヒータの1回の駆動時間tdは、例えば冷凍室15内への冷気の供給と冷気の供給の停止との1サイクルにおける冷凍室15内への冷気の供給を行う時間と同一に設定できる。この場合、駆動時間tdは、例えば20分~40分程度に設定される。駆動時間tdは、1サイクルにおける冷凍室15内への冷気の供給を行う時間と異なっていてもよい。
【0032】
また、部分除霜制御は、扉開閉センサ41の検知結果に基づいて実行されるようにしてもよい。この場合、制御部40は、扉開閉センサ41によって冷凍室扉25の開放が所定時間tc例えば30分検知されないことを条件に、部分除霜制御を実行する。これにより、冷凍室扉25の開閉による影響を受けていない状態で温度差ΔTを求めることができるため、冷凍冷却器32の着霜劣化の有無を正確に判断できる。
【0033】
制御部40は、部分除霜制御において、冷凍室15内の冷却を停止してから待機時間tw例えば1分経過後に樋ヒータ52を駆動することができる。これにより、冷凍室15内の冷却を停止して待機時間twの経過後つまり冷凍冷却器32から冷媒がある程度抜けるのを待ってから、樋ヒータ52の熱によって冷凍冷却器32の除霜をすることで、霜の融解を早めることができる。
【0034】
なお、制御部40は、例えば温度差ΔTが閾値を超えているとして冷凍冷却器32の除霜開始を決定した場合、除霜の前準備として、切替弁34を閉じた状態で圧縮機33をしばらく稼働して冷媒を圧縮機33側に集める運転つまり冷媒を回収するための運転であるポンプダウンを実行できる。そして、制御部40は、ポンプダウンの実行後に圧縮機33の駆動を停止する。ポンプダウンが実行されている期間は、切替弁34が閉鎖しているため、冷凍室15内の冷却が停止している期間に該当する。ポンプダウンが実行されている期間は、例えば20秒~3分程度の範囲内に設定される。このため、待機時間twには、ポンプダウンが実行されている期間を含めることができる。また、部分除霜制御は、冷凍冷却器32側への冷媒の供給が停止した状態で実行される構成に限らず、例えば冷凍室15内の冷却の終盤等の冷却終了前に実行される構成にしてもよい。
【0035】
次に、図7を参照して、部分除霜制御が行われる際の制御内容の一例について説明する。制御部40は、処理を開始すると(スタート)、ステップS11において、扉開閉センサ41の検知結果に基づいて冷凍室扉25の閉鎖時間が所定時間tcを超えたか否かを判断する。冷凍室扉25の閉鎖時間が所定時間tcを超えていた場合(ステップS11でYES)、制御部40は、ステップS12に処理を移行し、温度差ΔTが閾値例えば7℃を超えているか否かを判断する。
【0036】
制御部40は、温度差ΔTが閾値を超えていない場合(ステップS12でNO)、処理をステップS13に移行し、部分除霜制御の実行を解除し通常制御に制御内容を切り替えて、ステップS11に処理を戻す。一方、制御部40は、温度差ΔTが閾値を超えている場合(ステップS12でYES)、ステップS14に処理を移行し、予め設定された時期になると、例えば切替弁34を動作して冷凍冷却器32側への冷媒の供給を停止して、冷凍室15内の冷却を停止する。
【0037】
次に、制御部40は、ステップS15において、冷凍室15内の冷却を停止してから待機時間twを経過したか否かを判断する。待機時間twを経過した場合(ステップS15でYES)、制御部40は、ステップS16に処理を移行し、樋ヒータ52を駆動する。その後、制御部40は、ステップS17において、樋ヒータ52を駆動してから駆動時間tdが経過したか否かを判断する。駆動時間tdを経過した場合(ステップS17でYES)、制御部40は、ステップS18に処理を移行し、樋ヒータ52の駆動を停止する。
【0038】
次に、制御部40は、ステップS19において、予め設定された時期になると、例えば切替弁34を動作して冷凍冷却器32側への冷媒の供給を開始して、冷凍室15内の冷却を再開する。その後、制御部40は、処理をステップS12に戻して、以降の処理を繰り返す。
【0039】
以上説明した実施形態によれば、冷蔵庫1は、冷凍室15と、冷凍冷却器32と、複数のヒータ51、52と、制御部40と、を備える。冷凍冷却器32は、冷凍室15を冷却するための冷気を生成する。複数のヒータ51、52は、冷凍冷却器32に対する除霜能力が異なる。制御部40は、複数のヒータ51、52を個別に駆動して冷凍冷却器32の除霜を行うことが可能である。複数のヒータ51、52は、除霜ヒータ51と、除霜ヒータ51よりも除霜能力が低い樋ヒータ52を含んでいる。そして、制御部40は、着霜によって冷凍冷却器32の冷却機能が低下する所定の条件が満たされた場合に樋ヒータ52を駆動して除霜ヒータ51の駆動を抑制する。
【0040】
これによれば、冷凍冷却器32の除霜に伴う冷凍温度帯の貯蔵室13、14、15内の温度上昇を抑えつつ、効率的に冷凍冷却器32の着霜劣化を緩和できる。これにより、冷凍冷却器32の着霜劣化に起因した貯蔵室13、14、15の冷却に関する不具合を効率的に防止できる。
【0041】
冷蔵庫1は、庫内温度センサ42及び冷却器温度センサ43を更に備える。庫内温度センサ42は、冷凍室15内の温度を検知する。冷却器温度センサ43は、冷凍冷却器32の温度を検知する。着霜によって冷凍冷却器32の冷却機能が低下する所定の条件は、庫内温度センサ42の検知温度Tfと冷却器温度センサ43の検知温度Teとの温度差ΔTが閾値を超えていることを含む。これによれば、温度差ΔTに基づいて着霜劣化の進行具合を判断することで、効率良く冷凍冷却器32の着霜劣化を緩和できる。
【0042】
また、着霜によって冷凍冷却器32の冷却機能が低下する所定の条件は、冷凍室15内の冷却中における今回の温度差ΔTtが冷凍室15内の冷却中における前回の温度差ΔTlよりも大きくなっていることを含む。これによれば、温度差ΔTが拡大しているか否かによって着霜劣化の度合いを判断つまり着霜の成長を推定することで、より精度良く冷凍冷却器32の着霜劣化の緩和を実現できる。更に、温度差ΔTが縮小つまり着霜が成長していないと推定される場合には樋ヒータ52を用いた冷凍冷却器32の除霜が行われないので、当該除霜による冷凍室15内の温度上昇をより一層抑制できる。
【0043】
制御部40は、着霜によって冷凍冷却器32の冷却機能が低下する所定の条件が満たされた場合において、冷凍室15内の冷却を停止してから待機時間tw経過後に樋ヒータ52を駆動する。これによれば、待機時間twの経過によって冷凍冷却器32から冷媒が抜けている状態で樋ヒータ52を用いて冷凍冷却器32を加熱することで、冷凍冷却器32に付着した霜を溶かしやすくすることができる。これにより、短時間で冷凍冷却器32に対する着霜を早期に解消できる。
【0044】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図8を参照して説明する。この第2実施形態では、部分除霜制御が行われる際の制御内容が上記第1実施形態と異なる。第2実施形態では、制御部40は、図7に示す制御内容に代えて、図8に示す制御内容を実行する。図8に示す制御内容は、図7に示す制御内容のうちステップS14~S19に代えて、ステップS21~S27が追加されたものである。第2実施形態では、制御部40は、切替弁34を動作して冷凍冷却器32側への冷媒の供給を停止してポンプダウンを実行後、圧縮機33を停止してから樋ヒータ52を駆動する。具体的には、温度差ΔTが閾値を超えている場合(図8のステップS12でYES)、制御部40は、ステップS21に処理を移行して、切替弁34を動作して冷凍冷却器32側への冷媒の供給を停止した後にポンプダウンを実行する。
【0045】
次に、制御部40は、ステップS22において、圧縮機33を停止する。その後、制御部40は、ステップS23において、樋ヒータ52を駆動する。次に、制御部40は、ステップS24において、樋ヒータ52を駆動してから駆動時間tdが経過したか否かを判断する。駆動時間tdを経過していない場合(ステップS24でNO)、処理をステップS25に移行し、冷却器温度センサ43の検知温度Teが停止温度Ts例えば15℃を超えているか否かを判断する。
【0046】
検知温度Teが停止温度Tsを超えている場合(ステップS25でYES)、制御部40は、ステップS26に処理を移行し、樋ヒータ52の駆動を停止する。つまり、制御部40は、圧縮機33を停止してから樋ヒータ52を駆動する場合に、冷却器温度センサ43の検知温度Teが停止温度Tsを超えると樋ヒータ52の駆動を停止する。なお、停止温度Tsは、除霜温度Tdよりも低い温度に設定される。好ましくは、停止温度Tsは、マイナス温度帯に設定される。
【0047】
一方、駆動時間tdを経過した場合(ステップS24でYES)、制御部40は、ステップS26に処理を移行し、樋ヒータ52の駆動を停止する。次に、制御部40は、ステップS27において、予め設定された時期になると、例えば切替弁34を動作して冷凍冷却器32側への冷媒の供給を開始して、冷凍室15内の冷却を再開する。その後、制御部40は、処理をステップS12に戻して、以降の処理を繰り返す。
【0048】
このような第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を得られる。また、樋ヒータ52を用いた冷凍冷却器32に対する除霜の終了タイミングを、冷凍冷却器32の温度に基づいて行うことができる。これにより、樋ヒータ52からの熱を受けて冷凍冷却器32が過度に熱くなることを抑制できる。よって、部分的な除霜後に冷凍冷却器32によって生成される冷気が高温になることを回避できる。したがって、貯蔵室13、4、15内が温度上昇してしまうことを回避しつつ、冷凍冷却器32の除霜を円滑に行うことできる。
【0049】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図9を参照して説明する。この第3実施形態では、部分除霜制御の内容が、上記各実施形態と異なる。第3実施形態では、図9に示すように、部分除霜制御において、樋ヒータ52に加えて除霜ヒータ51を用いて、冷凍冷却器32に対する除霜を行う。具体的には、部分除霜制御において、制御部40は、冷凍室15内の冷却を停止してから除霜ヒータ51を駆動させた後に、所定時間tj例えば1分間又は冷却器温度センサ43の検知温度Teが所定温度例えば6℃~10℃に到達すると、除霜ヒータ51の駆動を停止して樋ヒータ52を駆動する。そして、樋ヒータ52を駆動する場合、除霜ヒータ51を停止する。なお、除霜ヒータ51が駆動している期間と樋ヒータ52が駆動している期間が重なっていてもよい。
【0050】
このような第3実施形態によれば、除霜能力が高い除霜ヒータ51で除霜を行った後に、樋ヒータ52での除霜に切り替えることで、短時間かつ効率的に冷凍冷却器32に対する除霜を行うことができる。
【0051】
次に、第4実施形態について、図10を参照して説明する。この第4実施形態では、部分除霜制御の内容が、上記各実施形態と異なる。第4実施形態では、図10に示すように、部分除霜制御において、樋ヒータ52に加えて冷凍用送風機36を用いて、冷凍冷却器32に対する除霜を行う。つまり、本実施形態では、部分除霜制御において、制御部40は、樋ヒータ52を駆動するとともに冷凍用送風機36を駆動する。冷凍用送風機36を駆動する期間は、樋ヒータ52を駆動する期間と少なくとも一部が重なるように設定されている。この場合、冷凍用送風機36を駆動する期間は、樋ヒータ52を駆動する期間と同じ時間であってもよいし、短い時間であってもよい。
【0052】
また、樋ヒータ52を駆動するとともに冷凍用送風機36を駆動する場合、制御部40は、冷凍用送風機36の回転数を冷凍室15内の冷却中における冷凍用送風機36の最も低い回転数以下に設定する。ここで、樋ヒータ52とともに冷凍用送風機36を最も低い回転数以下で駆動すると、貯蔵室13、14、15に伝わる熱量は除霜ヒータ51を駆動した場合に比べて少なくできる。そして、樋ヒータ52とともに冷凍用送風機36を最も低い回転数以下で駆動した場合の冷凍冷却器32の除霜を促進するメリットは、貯蔵室13、14、15内の温度上昇のデメリットよりも顕著である。このため、樋ヒータ52とともに冷凍用送風機36を最も低い回転数以下で駆動することで、貯蔵室13、14、15内の温度上昇を抑えつつ、冷凍冷却器32の除霜を促進できる。
【0053】
このような第4実施形態によれば、冷凍用送風機36によって空気の流れを形成することで、冷凍冷却器32が設けられた空間内の温度の均一化を図り、冷凍冷却器32の除霜を促進できる。
【0054】
なお、上記各実施形態は、相互に組み合わせることができる。また、2以上の実施形態の特徴部分のみを抽出して組み合わせることもできる。
冷蔵庫1は、冷凍冷却器32の重量を計測できる図示しない重量計を備える構成としてもよい。そして、冷凍冷却器32が着霜劣化する所定の条件に、当該重量計の計測結果を含めることができる。この場合、制御部40は、当該重量計によって計測される冷凍冷却器32の重量に基づいて霜の付着量つまり着霜量を検知することで、部分除霜制御を実行するか否かの判断を行ってもよい。
【0055】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1…冷蔵庫、13…製氷室(貯蔵室)、14…小冷凍室(貯蔵室)、15…冷凍室(貯蔵室)、32…冷凍冷却器(冷却器)、40…制御部、51…除霜ヒータ(第1加熱部)、52…樋ヒータ(第2加熱部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10