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特開2025-19711情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019711
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20250131BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20250131BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G01C21/26 C
G09B29/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123466
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】永森 枝里子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐悟
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC08
2C032HC22
2C032HC27
2F129AA02
2F129AA03
2F129BB03
2F129EE02
2F129EE59
2F129FF02
2F129FF37
2F129FF43
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB15
5H181DD01
5H181EE07
5H181FF05
5H181FF22
5H181FF32
5H181FF35
(57)【要約】
【課題】ある交通手段の走行状態について、他の交通手段の走行状態による影響や他の交通手段の走行状態への影響を評価することが可能となる情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムは、所定のエリア内において、複数の交通手段の走行データを取得する手段と、前記複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態を交通手段ごとに指定する表示条件を取得する手段と、前記複数の交通手段の走行データに基づいて、前記エリア内の各道路区間または地点における前記複数の交通手段のそれぞれの走行状態を分析し、前記表示条件を満たす道路区間または地点を抽出して地図上で強調表示する手段とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリア内において、複数の交通手段の走行データを取得する手段と、
前記複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態を交通手段ごとに指定する表示条件を取得する手段と、
前記複数の交通手段の走行データに基づいて、前記エリア内の各道路区間または地点における前記複数の交通手段のそれぞれの走行状態を分析し、前記表示条件を満たす道路区間または地点を抽出して地図上で強調表示する手段と、
を備えた情報処理システム。
【請求項2】
前記強調表示する手段は、前記表示条件で指定された走行状態の中での段階に応じて異なる態様で強調表示する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記強調表示する手段は、前記表示条件で指定された走行状態の中での段階に応じて異なる色、濃度および/または線の太さで強調表示する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表示条件は、交通手段ごとに交通量および速度のうちの一方または両方を指定する情報を含む、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記交通手段は、複数の属性を含み、前記表示条件は、属性ごとに交通量および速度のうちの一方または両方を指定する情報を含む、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示条件は、交通量および速度のうちの一方または両方を数値または重みづけで指定する情報を含む、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記表示条件は、表示すべき道路区間または地点の種別、幅、車線数、制限速度、自転車道の有無、歩道の有無のうちの少なくとも1つを指定する情報をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示条件は、表示すべき道路区間または地点における交通違反の履歴の有無を指定する情報をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記表示条件は、表示すべき交通手段として自転車が選択されている場合に、表示すべき道路区間または地点での自転車の走行区分を指定する情報をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記表示条件は、表示すべき道路区間または地点における交通事故の履歴の有無を指定する情報をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記表示条件は、表示すべき道路区間または地点の整備予定の有無を指定する情報をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記表示条件は、表示すべき道路区間または地点における路線バスの運行状況を指定する情報をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項13】
地図上で強調表示された道路区間または地点の中から一の道路区間または地点を指定する情報を受け付ける手段と、
指定された道路区間または地点における前記複数の交通手段のそれぞれの走行状態の詳細情報を表示する手段と、
をさらに備えた、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記詳細情報を表示する手段は、予め定められた条件を満たす走行状態の詳細情報を強調表示する、請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記一の道路区間または地点を指定する情報を受け付ける手段は、前記表示条件のうち、選択された1または複数の交通手段の各々の走行状態を、指定された道路区間または地点におけるそれぞれの走行状態で上書きし、
前記強調表示する手段は、上書きされた表示条件を満たす道路区間または地点を抽出して地図上で強調表示する、請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段をユーザが選択する際に当該ユーザに対して表示される交通手段の選択候補を設定する情報を管理者側から取得する手段をさらに備えた、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項17】
コンピュータを、
所定のエリア内において、複数の交通手段の走行データを取得する手段と、
前記複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態を交通手段ごとに指定する表示条件を取得する手段と、
前記複数の交通手段の走行データに基づいて、前記エリア内の各道路区間または地点における前記複数の交通手段のそれぞれの走行状態を分析し、前記表示条件を満たす道路区間または地点を抽出して地図上で強調表示する手段と、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項18】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
所定のエリア内において、複数の交通手段の走行データを取得する手段と、
前記複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態を交通手段ごとに指定する表示条件を取得する手段と、
前記複数の交通手段の走行データに基づいて、前記エリア内の各道路区間または地点における前記複数の交通手段のそれぞれの走行状態を分析し、前記表示条件を満たす道路区間または地点を抽出して地図上で強調表示する手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
前記コンピュータの少なくとも1つを、前記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項19】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
前記コンピュータのうちの少なくとも1つを、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項20】
コンピュータを、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項21】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
所定のエリア内において、複数の交通手段の走行データを取得するステップと、
前記複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態を交通手段ごとに指定する表示条件を取得するステップと、
前記複数の交通手段の走行データに基づいて、前記エリア内の各道路区間または地点における前記複数の交通手段のそれぞれの走行状態を分析し、前記表示条件を満たす道路区間または地点を抽出して地図上で強調表示するステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車活用推進法は、自転車の活用を総合的かつ計画的に推進することを目的に、平成29年5月に施行された法律である。この法律では、自転車道の整備やルール等の啓発、観光への利用などを基本方針とし、これら方針に則った自転車活用推進計画を制定することが定められている。
【0003】
自転車活用推進計画とは、自転車の活用を総合的・計画的に推進するため制定される国としての基本計画である。令和3年5月に閣議決定された二次計画では、自転車交通がもたらす効率的かつ安全安心な都市計画や観光面における基本方針が設定されている。自転車活用推進法では、この自転車活用推進計画を上位とし、各都市における地方版自転車活用推進計画を設定することが努力義務として定められている。
【0004】
自転車活用推進計画に関連し、各都市において、自転車道整備の新規計画時または既設路線の評価時には、自転車通行の現状評価が必要となる。しかし、従来、自転車通行の現状評価を行うためには、その都度、交通量調査を行う必要があり、また、交通量調査は特定の地点かつ特定の時点での評価に限定され、連続性を考慮した評価が難しいという問題があった。
【0005】
また、従来は、自転車に影響する他の交通手段からの影響(たとえば大型車による影響)や、自転車が影響を及ぼす他の交通手段への影響(たとえば歩行者への影響)を評価できないという問題もあった。
【0006】
特許文献1には、車両のプローブ情報と、信号機を含む交差点情報から、交差点周辺における車両の走行状況を分析し、結果を表示する技術が提案されている。しかし、この技術は、1つの交通手段(特に自動車)のプローブ情報を分析するものであるから、ある交通手段の走行状態について、他の交通手段の走行状態による影響や他の交通手段の走行状態への影響を評価することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-133876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、ある交通手段の走行状態について、他の交通手段の走行状態による影響や他の交通手段の走行状態への影響を評価することが可能となる情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る情報処理システムは、
所定のエリア内において、複数の交通手段の走行データを取得する手段と、
前記複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態を交通手段ごとに指定する表示条件を取得する手段と、
前記複数の交通手段の走行データに基づいて、前記エリア内の各道路区間または地点における前記複数の交通手段のそれぞれの走行状態を分析し、前記表示条件を満たす道路区間または地点を抽出して地図上で強調表示する手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ある交通手段の走行状態について、他の交通手段の走行状態による影響や他の交通手段の走行状態への影響を評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施の形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図2図2は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図4図4は、図3に示す画面のうち表示条件を設定する部分を拡大して示す図である。
図5図5は、図3に示す画面のうち表示条件を設定する部分の一変形例を示す図である。
図6図6は、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図7図7は、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図8図8は、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図9図9は、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図10図10は、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図11図11は、管理者側の端末に表示される画面であって、交通手段の選択候補をユーザごとに設定する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0013】
(情報処理システムの構成)
図1は、一実施の形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0015】
まず、端末装置2について説明する。端末装置2は、ユーザ(たとえば各自治体において地方版自転車活用推進計画の策定または改定業務を担当する担当者など)が使用するものであり、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末、ノートブックコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの電子機器である。
【0016】
図1に示すように、端末装置2は、端末通信部21と、端末制御部22と、端末記憶部23と、端末入力部24と、端末表示部25とを有している。各部21~25は、互いに通信可能に接続されている。
【0017】
端末通信部21は、端末装置2とネットワーク4との間の通信インターフェースである。端末通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0018】
端末制御部22は、端末装置2の各種処理を行う制御手段である。端末制御部22は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0019】
端末記憶部23は、たとえば内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。端末記憶部23には、端末制御部22が取り扱う各種データが記憶される。端末記憶部23は、必ずしも端末装置2内に設けられていなくてもよく、端末記憶部23の一部または全部は、ネットワーク4を介して端末装置2と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0020】
端末入力部24は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、ノートブックコンピュータにおけるタッチパッド、キーボードまたはマウスなどである。
【0021】
端末表示部25は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。具体的には、たとえば、端末出力部25は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示してもよい。
【0022】
次に、サーバ3について説明する。図1に示すように、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ制御部32と、サーバ記憶部33とを有している。各部31~33は、互いに通信可能に接続されている。
【0023】
このうちサーバ通信部31は、サーバ3とネットワーク4との間の通信インターフェースである。サーバ通信部31は、ネットワーク4を介してサーバ3と端末装置2との間で情報を送受信する。
【0024】
サーバ記憶部33は、たとえばハードディスク等の固定型データストレージである。サーバ記憶部33には、サーバ制御部32が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、サーバ記憶部33は、交通ネットワーク情報を含む経路ネットワーク情報データベース33aと、地図情報を含む地図情報データベース33bと、走行データ記憶部33cと、表示条件記憶部33dとを含んでいる。
【0025】
交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのデータと、ノード間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0026】
地図情報は、全国および各地方の道路地図などの地図データと、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報を含む。地図オブジェクト情報とは、地図上に表示される施設の形状についての形状情報、地図上に表示される注記についての注記情報、地図上に表示される記号についての記号情報などである。また、地図情報は公共交通機関の路線図に関する路線図情報を含んでいてもよい。
【0027】
上記の交通ネットワーク情報および地図情報は、所定のタイミングでアップデートされてもよい。
【0028】
走行データ記憶部33cには、複数の交通手段(たとえばトラック、普通車、バイク、自転車、歩行者、路線バス、特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)など)の走行データ(プローブデータ)が、交通手段の種別とともに記憶されている。たとえば、走行データ記憶部33cは、自動車用ナビゲーションアプリを起動して地図画面を表示したりルート案内機能を利用している(または一般のナビゲーションアプリで自動車用ルートの案内機能を利用している)モバイル端末または車載端末から取得される測位データ(たとえばGPSデータ)を、「普通車」の走行データとして記憶してもよい。また、走行データ記憶部33cは、トラック用ナビゲーションアプリを起動して地図画面を表示したりルート案内機能を利用している(または一般のナビゲーションアプリでトラック用ルートの案内機能を利用している)モバイル端末または車載端末から取得される測位データ(たとえばGPSデータ)を、「トラック」の走行データとして記憶してもよい。また、走行データ記憶部33cは、バイク用ナビゲーションアプリを起動して地図画面を表示したりルート案内機能を利用している(または一般のナビゲーションアプリでバイク用ルートの案内機能を利用している)モバイル端末から取得される測位データ(たとえばGPSデータ)を、「バイク」の走行データとして記憶してもよい。また、走行データ記憶部33cは、自転車用ナビゲーションアプリを起動して地図画面を表示したりルート案内機能を利用している(または一般のナビゲーションアプリで自転車用ルートの案内機能を利用している)モバイル端末から取得される測位データ(たとえばGPSデータ)を、「自転車」の走行データとして記憶してもよい。また、走行データ記憶部33cは、歩行者用ナビゲーションアプリで地図画面を表示したりルート案内機能を利用している(または一般のナビゲーションアプリで歩行者用ルートの案内機能を利用している)モバイル端末から取得される測位データ(たとえばGPSデータ)を、「歩行者」の走行データとして記憶してもよい。走行データ記憶部33cは、路線バスの車載端末から取得される測位データ(たとえばGPSデータ)を、「路線バス」の走行データとして記憶してもよく、特定小型原動機付自転車の車載端末から取得される測位データ(たとえばGPSデータ)を、「特定小型原動機付自転車」の走行データとして記憶してもよい。あるいは、たとえば、走行データ記憶部33cは、交通手段の種別を、(ユーザが選択しているアプリやルートからだけでなく、)走行データが示す情報(走行しているルート(道路種別)、走行スピード等)から推定(判別)して記憶してもよい。
【0029】
1つの交通手段の種別が複数の属性を含む場合には、走行データ記憶部33cは、当該交通手段の走行データを、当該交通手段の種別および属性とともに記憶してもよい。たとえば、歩行者の属性(たとえば、小学生~中学生、高校生、高齢者、その他など)がナビゲーションアプリに予め設定されており、歩行者とともに移動するモバイル端末から測位データとともにその歩行者の属性の情報を取得できる場合には、走行データ記憶部33cは、歩行者のモバイル端末から取得される測位データを、「歩行者」という交通手段の種別およびその属性の情報とともに記憶してもよい。あるいは、たとえば、走行データ記憶部33cは、交通手段の属性を、走行データが示す情報(走行しているルート(道路種別)、走行スピード等)から推定(判別)して記憶してもよい。走行データ記憶部33cは、自動車の走行データを、自動車の属性(たとえば、大型車、普通車など)に分けて記憶してもよい。
【0030】
表示条件記憶部33dには、複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態(たとえば交通量および速度のうちの一方または両方)を交通手段ごとに指定するための表示条件が記憶されている。1つの交通手段の種別が複数の属性を含む場合には、表示条件は、属性ごとにその走行状態(たとえば交通量および速度のうちの一方または両方)を指定する情報を含んでいてもよい。
【0031】
図3は、端末表示部25に表示される画面5の一例を示す図であり、図4は、端末表示部25に表示される画面5のうち表示条件を設定する部分51を拡大して示す図である。図3および図4に示す例では、表示すべき交通手段として、「普通車」、「トラック」、「自転車」および「歩行者」という4種類の交通手段が選択されている。また、「普通車」については、通行量が50~900台、平均速度が30~80km/hという走行状態が指定されている。「トラック」については、通行量が100~1000台、平均速度が40km/h以下という走行状態が指定されている。「自転車」については、通行量が150~300台、平均速度が10~30km/hという走行状態が指定されている。「歩行者」については、通行量が10~300人という走行状態が指定されており、さらに、「小学生~中学生」という属性について、通行量が50~100人という走行状態が指定され、「高校生」という属性について、通行量が10~100人という走行状態が指定され、「高齢者」という属性について、通行量が30~100人でという走行状態が指定されている。図4を参照し、表示条件を設定する部分51に最初に(ユーザが指定する前に)表示される通行量や平均速度の数値については、表示するエリアを切り替えると都度変わる(そのエリアの最低値/最高値に切り替わる等)ようになっていてもよい。
【0032】
なお、図4に示す例では、表示条件は、交通量および速度のうちの一方または両方を具体的な数値で指定する情報を含んでいたが、これに限定されるものではなく、たとえば、図5に示すように、表示条件は、交通量および速度のうちの一方または両方を、どのくらい重要視したいかの重みづけ(度合い)で指定する情報を含んでいてもよい。図5に示す例では、表示すべき交通手段として、「普通車」、「トラック」、「自転車」および「歩行者」という4種類の交通手段が選択されている点は、図4に示す例と同様であるが、「トラック」の通行量および平均速度についてはそれぞれ「多い」、「やや速い」という度合いで指定されている。また、「普通車」の通行量および平均速度についてはそれぞれ「普通」、「やや速い」という度合いで指定されている。「自転車」の通行量および平均速度についてはそれぞれ「非常に多い」、「普通」という度合いで指定されている。「歩行者」の通行量については「やや多い」という度合いで指定されており、さらに、「歩行者」のうち「小学生~中学生」の通行量については「非常に多い」という度合いで指定され、「高校生」の通行量については「普通」という度合いで指定され、「高齢者」の通行量については「多い」という度合いで指定されている。
【0033】
図示は省略するが、表示条件は、表示すべき道路区間または地点の種別(たとえば、国道、県道、市町村道など)、幅員、車線数、制限速度、自転車道(自転車専用道)の有無、歩道の有無のうちの少なくとも1つを指定する情報をさらに含んでいてもよい。また、表示条件は、表示すべき道路区間または地点における交通違反(たとえば、一時不停止、急加速/減速、ながらスマホ、逆走、右側通行など)の履歴の有無を指定する情報をさらに含んでいてもよい。
【0034】
図示は省略するが、表示条件は、表示すべき交通手段として自転車が選択されている場合に、表示すべき道路区間または地点での自転車の走行区分(車道、自転車道、歩道、路側帯など)を指定する情報をさらに含でいてもよい。また、表示条件は、表示すべき道路区間または地点における交通事故の履歴の有無を指定する情報をさらに含んでいてもよい。また、表示条件は、表示すべき道路区間または地点における整備予定(たとえば自転車道の整備予定)の有無を指定する情報をさらに含んでいてもよい。また、表示条件は、表示すべき道路区間または地点における路線バスの運行状況を指定する情報をさらに含んでいてもよい。
【0035】
端末装置2のユーザが表示条件を設定する部分51を操作することにより入力される表示条件は、端末装置2からサーバ3へと送信され、後述する表示条件取得部32bにより取得されて表示条件記憶部25に記憶される。
【0036】
なお、サーバ記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられていなくてもよく、サーバ記憶部33の一部または全部は、ネットワーク4を介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0037】
サーバ制御部32は、走行データ取得部32aと、表示条件取得部32bと、表示制御部32cと、道路区間または地点指定受付部32dと、第2表示制御部32eと、管理者設定情報取得部32fとを有している。これらの各部32a~32fは、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0038】
走行データ取得部32aは、所定のエリア内において、複数の交通手段の走行データを取得する。たとえば、図3を参照し、端末装置2のユーザが、端末表示部25に表示される画面5のうちメッシュを選択する部分52を操作して1または複数のメッシュを選択すると、走行データ取得部32aは、選択されたメッシュに対応するエリア内での複数の交通手段の走行データを、走行データ記憶部33cから抽出して取得してもよい。なお、対象とするエリアは、メッシュ番号で指定される態様に限定されるものではなく、たとえば住所エリアなどで指定できるようになっていてもよい。
【0039】
図3を参照し、端末装置2のユーザが、端末表示部25に表示される画面5のうち日付を選択する部分53を操作して、1または複数の日付または期間(および/または時間帯)を指定すると、走行データ取得部32aは、指定された日付または期間(および/または時間帯)における所定のエリア内での複数の交通手段の走行データを、走行データ記憶部33cから抽出して取得してもよい。日付を選択する部分53において、時間帯は、具体的な数値(たとえば6時~12時など)で指定できるようになっていてもよいし、朝/日中/夕方/深夜などの区分で指定できるようになっていてもよい。また、日付を選択する部分53において、平日/休日などの種別が指定できるようになっていてもよい。
【0040】
表示条件取得部32bは、複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態を交通手段ごとに指定する表示条件を取得する。たとえば、図3および図4を参照し、端末装置2のユーザが、端末表示部25に表示される画面5のうち表示条件を設定する部分51を操作して、1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態(たとえば通行量や平均速度など)を指定すると、表示条件取得部32aは、選択された交通手段およびその指定された走行状態の情報を、表示条件として端末装置2から取得して表示条件記憶部25に記憶してもよい。
【0041】
表示制御部32cは、走行データ取得部32aにより取得された走行データに基づいて、対象とするエリア内の各道路区間または地点における複数の交通手段のそれぞれの走行状態を分析し(たとえば、対象とするエリア内の道路区間または地点ごとに、複数の交通手段のそれぞれの通行量や平均速度などを計算し)、表示条件取得部32bにより取得された表示条件を満たす道路区間または地点を特定(抽出)する。たとえば、図3に示す例では、表示制御部32cは、「普通車」の通行量が50~900台、平均速度が30~80km/hであり、「トラック」の通行量が100~1000台、平均速度が40km/h以下であり、「自転車」の通行量が150~300台、平均速度が10~30km/hであり、「歩行者」の通行量が10~300人であり、さらに、「小学生~中学生」の通行量が50~100人であり、「高校生」の通行量が10~100人であり、「高齢者」の通行量が30~100人である1または複数の道路区間または地点を、対象とするエリア内で特定(抽出)する。
【0042】
そして、表示制御部32cは、抽出された道路区間または地点を地図上で強調表示するための制御信号を端末装置2に送信し、図3を参照し、端末表示部25に表示される画面5内の地図54上において、抽出された道路区間または地点61~63を強調表示(たとえば他の道路区間または地点とは異なる色、濃度および/または線の太さで表示)する。
【0043】
図3に示すように、表示制御部32cは、抽出された道路区間または地点61~63を、表示条件で指定された走行状態の中での段階(大小)に応じて異なる態様(たとえば異なる色、濃度および/または線の太さ)で強調表示してもよい。図3に示す例では、普通車の通行量が200台未満の道路区間または地点63が、普通車の通行量が200~500台の道路区間または地点61よりも薄い濃度で強調表示されており、普通車の通行量が500台以上の道路区間または地点62が、普通車の通行量が200~500台の道路区間または地点61よりも濃い濃度で強調表示されている。
【0044】
道路区間または地点指定受付部32dは、地図上で強調表示された道路区間または地点の中から一の道路区間または地点を指定する情報を受け付ける。たとえば、図9を参照し、端末装置2のユーザが端末入力部24を操作して、地図上で強調表示された道路区間または地点の中から一の道路区間または地点64を指定(クリックまたはタッチ)すると、道路区間または地点指定受付部32dは、指定された道路区間または地点の情報を端末装置2から取得して受け付ける。
【0045】
第2表示制御部32eは、指定された道路区間または地点における複数の交通手段のそれぞれの走行状態の詳細情報(各項目の具体的な数値など)を表示するための制御信号を端末装置2に送信し、図9を参照し、端末表示部25の画面5内に(たとえばポップアップ65で)表示する。
【0046】
図9に示すように、第2表示制御部32eは、予め定められた条件(たとえば「自転車の通行量が150台以上」「小学生~中学生の通行量が50%以上」など)を満たす走行状態の詳細情報を特定し、特定した詳細情報を強調表示(たとえば、他の項目の数値とは異なる色、文字の大きさおよび/または太さで表示)してもよい。
【0047】
図10を参照し、道路区間または地点指定受付部32dは、表示条件記憶部33cに記憶された表示条件(すなわち表示条件を設定する部分51に入力された表示条件)のうち、選択された1または複数の交通手段の各々の走行状態を、指定された道路区間または地点におけるそれぞれの走行状態の値で上書きしてもよい。この場合、第2表示制御部32eは、上書きされた表示条件を満たす道路区間または地点66a~66cを抽出して地図54上で強調表示(たとえば他の道路区間または地点とは異なる色、濃度および/または線の太さで表示)してもよい。
【0048】
管理者設定情報取得部32fは、複数の交通手段の中から表示条件として1または複数の交通手段をユーザが選択する際に、当該ユーザに対して表示される交通手段の選択候補を設定する情報を管理者側から取得する。図11は、管理者側の端末に表示される画面であって、交通手段の選択候補をユーザごとに設定する画面の一例を示す図である。図11に示す例では、ユーザAについて、複数の交通手段のうち「普通車」、「トラック」、「バイク」、「自転車」および「歩行者」のみが選択候補として指定されている(「路線バス」および「特定小型原動機付自転車」は選択候補から外されている)。管理者設定情報取得部32fは、選択候補として指定された交通手段(「普通車」、「トラック」、「バイク」、「自転車」および「歩行者」)の情報を管理者側の端末から取得する。この場合、ユーザAの端末装置2に表示される画面5のうち、表示条件を設定する部分51には、図3に示すように、「普通車」、「トラック」、「バイク」、「自転車」および「歩行者」のみが、表示条件して選択可能な交通手段の候補として表示される(「路線バス」および「特定小型原動機付自転車」は表示条件を設定する部分51に表示されない)。これにより、たとえばユーザAが、路線バスが運行しておらず、特定小型原動機付自転車のシェアリングサービスも提供されていない自治体の担当者である場合に、担当する自治体に関係がない交通手段が画面5に表示されないことで、画面5の表示がシンプルで見やすくなり、表示条件を入力しやすくなるという利点がある。
【0049】
(動作の一例)
次に、このような構成からなる情報処理システム1の動作の一例について、図2を参照して説明する。図2は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0050】
図2に示すように、まず、サーバ3の走行データ取得部32aが、所定のエリア内において、複数の交通手段の走行データを取得する(ステップS10)。たとえば、図3を参照し、端末装置2のユーザが、端末表示部25に表示される画面5のうちメッシュを選択する部分52を操作して1または複数のメッシュ(図3に示す例では4つのメッシュ)を選択すると、走行データ取得部32aは、選択されたメッシュに対応するエリア内での複数の交通手段の走行データを、走行データ記憶部33cから抽出して取得する。
【0051】
次に、表示条件取得部32bが、複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態を交通手段ごとに指定する表示条件を取得する(ステップS11)。たとえば、図3および図4を参照し、端末装置2のユーザが、端末表示部25に表示される画面5のうち表示条件を設定する部分51を操作して、1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態(たとえば通行量や平均速度など)を指定すると、表示条件取得部32aは、選択された交通手段およびその指定された走行状態の情報を、表示条件として端末装置2から取得する。
【0052】
なお、ステップS11において、交通手段の選択候補を設定する情報が、管理者設定情報取得部32fにより管理者側の端末からあらかじめ取得されており、端末装置2のユーザが、端末表示部25に表示される画面5のうち、表示条件を設定する部分51を操作して表示条件を設定する際には、管理者により指定された交通手段のみが、表示条件して選択可能な交通手段の候補として当該部分51に表示されていてもよい。
【0053】
次に、表示制御部32cが、走行データ取得部32aにより取得された走行データに基づいて、対象とするエリア内の各道路区間または地点における複数の交通手段のそれぞれの走行状態を分析する(たとえば、対象とするエリア内の道路区間または地点ごとに、複数の交通手段のそれぞれの通行量や平均速度などを計算する)(ステップS12)。
【0054】
次いで、表示制御部32cは、表示条件取得部32bにより取得された表示条件を満たす道路区間または地点を特定(抽出)し、図3を参照し、抽出された道路区間または地点61~63を、端末表示部25に表示される画面5内の地図54上で強調表示する(ステップS13)。図3に示すように、表示制御部32cは、抽出された道路区間または地点61~63を、表示条件で指定された走行状態の中での段階に応じて異なる態様(たとえば異なる色、濃度および/または線の太さ)で強調表示してもよい。
【0055】
端末装置2のユーザが、端末表示部25に表示される画面5のうち表示条件を設定する部分51を操作して表示条件を変更すると(ステップS14:YES)、表示条件取得部32bは、変更後の表示条件を端末装置2から取得し(ステップS15)、表示制御部32cは、変更後の表示条件を満たす道路区間または地点を改めて特定(抽出)して地図54上で強調表示する(ステップS16)。
【0056】
たとえば、図6に示すように、端末装置2のユーザが、表示条件を設定する部分51を操作して、「普通車」および「トラック」を選択するとともに、それぞれの交通状態(交通量および平均速度)について全範囲を指定すると、表示制御部32cは、変更後の表示条件を満たす道路区間または地点を特定(抽出)して地図54上で強調表示する。図6に示す例では、「普通車」および「トラック」が走行可能な道路全体が地図54上で強調表示されている。
【0057】
次に、図7に示すように、端末装置2のユーザが、表示条件を設定する部分51を操作して、「トラック」の平均速度を40km/h以上に限定すると、表示制御部32cは、変更後の表示条件を満たす道路区間または地点を特定(抽出)して地図54上で強調表示する。図7に示す例では、細街路がフィルタリングされ、交通量の多い国道が目立つようになっている。
【0058】
次に、図8に示すように、端末装置2のユーザが、表示条件を設定する部分51をさらに操作して、「普通車」の通行量を500台以下に限定するとともに、「トラック」の通行量を100台以上、平均速度を40km/h以上に限定すると、表示制御部32cは、変更後の表示条件を満たす道路区間または地点を特定(抽出)して地図54上で強調表示する。図8に示す例では、交通量の多い国道がフィルタリングされ、県道などを中心にトラックの速度が速い道路が強調表示されている。
【0059】
次に、道路区間または地点指定受付部32dが、地図54上で強調表示された道路区間または地点61~63の中から一の道路区間または地点を指定する情報を受け付ける(ステップS17)。たとえば、図9を参照し、端末装置2のユーザが端末入力部24を操作して、地図上で強調表示された道路区間または地点の中から一の道路区間または地点64を指定(クリックまたはタッチ)すると、道路区間または地点指定受付部32dは、指定された道路区間または地点の情報を端末装置2から取得して受け付ける。
【0060】
次いで、第2表示制御部32eが、指定された一の道路区間または地点における複数の交通手段のそれぞれの走行状態の詳細情報(各項目の具体的な数値など)を、端末表示部25の画面5内に(たとえばポップアップ65で)表示する(ステップS18)。図9に示すように、第2表示制御部32eは、表示する詳細情報のうち、予め定められた条件(たとえば「自転車の通行量が150台以上」「小学生~中学生の通行量が50%以上」など)を満たす走行状態の詳細情報については強調表示してもよい。
【0061】
次に、図10を参照し、道路区間または地点指定受付部32dが、表示条件記憶部33cに記憶された表示条件(すなわち表示条件を設定する部分51に入力された表示条件)のうち、選択された1または複数の交通手段の各々の走行状態の値を、指定された道路区間または地点におけるそれぞれの走行状態の値で上書きする(ステップS19)。そして、第2表示制御部32eが、上書きされた表示条件を満たす道路区間または地点66a~66cを抽出して地図54上で強調表示する(ステップS20)。
【0062】
以上のような本実施の形態によれば、複数の交通手段の中から表示すべき1または複数の交通手段を選択するとともにその走行状態を交通手段ごとに指定する表示条件を取得し、複数の交通手段の走行データに基づいて、前記表示条件を満たす道路区間または地点を抽出して地図上で強調表示することで、複数の交通手段のデータを地図上で重ね合わせて表示することが可能であり、かつ、表示する交通手段を自由に選択・変更することが可能である。これにより、ある交通手段の走行状態について、他の交通手段の走行状態による影響や他の交通手段の走行状態への影響を評価することが可能となる。
【0063】
なお、上述した実施形態で説明した情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ハードウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0064】
また、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0065】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システム1を機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム1の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0066】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0067】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や様々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 情報処理システム
2 端末装置
21 端末通信部
22 端末制御部
23 端末記憶部
24 端末入力部
25 端末表示部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ制御部
32a 走行データ取得部
32b 表示条件取得部
32c 表示制御部
32d 道路区間または地点指定受付部
32e 第2表示制御部
32f 管理者設定情報取得部
33 サーバ記憶部
33a 経路ネットワーク情報データベース
33b 地図情報データベース
33c 走行データ記憶部
33d 表示条件記憶部
4 ネットワーク
5 画面
51 表示条件を設定する部分
52 メッシュを選択する部分
53 日付を選択する部分
54 地図
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11