(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019744
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 41/275 20180101AFI20250131BHJP
F21S 41/265 20180101ALI20250131BHJP
F21S 41/43 20180101ALI20250131BHJP
F21S 41/32 20180101ALI20250131BHJP
F21S 41/148 20180101ALI20250131BHJP
F21W 102/14 20180101ALN20250131BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250131BHJP
【FI】
F21S41/275
F21S41/265
F21S41/43
F21S41/32
F21S41/148
F21W102:14
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123533
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 政輝
(57)【要約】
【課題】有害光及び分光の発生を抑制することが可能な車両用灯具を提供する。
【解決手段】車両用灯具は、車両搭載状態における左右方向に配置され、発光面が下方に向けて配置された複数の光源と、複数の光源の下方に配置され、複数の光源からの光を車両前方へ反射する複数の反射部が左右方向に配置されたリフレクタと、複数の反射部で反射された光を車両前方に出射して照射パターンを形成する複数のレンズ部が左右方向に配置された投影レンズとを備え、投影レンズにおいて、複数のレンズ部の出射面は、左右方向に連なるように形成され、複数のレンズ部の入射面は、複数の光源からの光が直接照射される部分の少なくとも一部に光拡散部を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両搭載状態における左右方向に配置され、発光面が下方に向けて配置された複数の光源と、
複数の前記光源の下方に配置され、複数の前記光源からの光を車両前方へ反射する複数の反射部が前記左右方向に配置されたリフレクタと、
複数の前記反射部で反射された光を車両前方に出射して照射パターンを形成する複数のレンズ部が前記左右方向に配置された投影レンズと
を備え、
前記投影レンズにおいて、
複数の前記レンズ部の出射面は、左右方向に連なるように形成され、
複数の前記レンズ部の入射面は、複数の前記光源からの光が直接照射される部分の少なくとも一部に光拡散部を有する
車両用灯具。
【請求項2】
前記入射面は、前記リフレクタからの光の配光を制御する光制御部を有し、
前記光拡散部は、前記光制御部の外側に形成される
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
複数の前記光源の前方に配置され、複数の前記光源から前方に向かう光の一部が前記光制御部に直接入射しないように当該光の一部を遮光する遮光部を更に備え、
前記遮光部は、複数の前記光源の上側から下方に延びるように形成され、
前記光拡散部は、前記光制御部の下側に配置される
請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記投影レンズは、正面視において車両内側から車両外側にかけて上方に傾くように形成される
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記光拡散部は、前記レンズ部の下端に配置され、車両内側から車両外側にかけて上下方向に先細りとなるように形成される
請求項4に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
ADBパターンを車両前方に形成する車両用灯具が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、例えば複数の光源と、光源ごとに設けられ各光源からの光を車両前方へ反射する反射面を有するリフレクタと、各反射面で反射された光を出射する投影レンズとを備える車両用灯具により、ADBパターンを車両前方に形成する構成が検討されている。このような車両用灯具では、有害光及び分光の発生を抑制することが求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、有害光及び分光の発生を抑制することが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用灯具は、車両搭載状態における左右方向に配置され、発光面が下方に向けて配置された複数の光源と、複数の前記光源の下方に配置され、複数の前記光源からの光を車両前方へ反射する複数の反射部が前記左右方向に配置されたリフレクタと、複数の前記反射部で反射された光を車両前方に出射して照射パターンを形成する複数のレンズ部が前記左右方向に配置された投影レンズとを備え、前記投影レンズにおいて、複数の前記レンズ部の出射面は、左右方向に連なるように形成され、複数の前記レンズ部の入射面は、複数の前記光源からの光が直接照射される部分の少なくとも一部に光拡散部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、有害光及び分光の発生を抑制することが可能な車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、車両用灯具を正面側(前方)から見た構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、車両用灯具を正面側(前方)から見た構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
【
図5】
図5は、車両用灯具の一例を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、車両用灯具の一例を示す縦断面図である。
【
図9】
図9は、車両用灯具による照射パターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下の説明において、前後(前方、後方)、上下(上方、下方)、左右(左方、右方)の各方向は、車両用灯具が車両に取り付けられた状態における方向であって、運転席に座った状態で正面を見た場合における方向を示す。なお、本実施形態では、上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向であるとする。
【0010】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を示す平面図である。
図2及び
図3は、車両用灯具100を正面側(前方)から見た構成の一例を示す図である。なお、
図3は、
図2において投影レンズ30を省略した状態を示している。
図4は、
図2におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
図5は、車両用灯具100の一例を示す斜視図である。
図5は、車両用灯具100を後方かつ上方から見た状態を示している。
【0011】
図1から
図5に示す車両用灯具100は、車両のヘッドランプとして用いられる。車両用灯具100は、例えば車両の左右の前部に取り付けられる。以下、車両の前部右側に搭載される車両用灯具100を例に挙げて説明する。したがって、車両用灯具100において、左右方向の左側が車両内側であり、左右方向の右側が車両外側である。なお、車両の前部左側に取り付けられる車両用灯具については、車両用灯具100に対して左右が対称の構成とすることができる。
【0012】
図1に示すように、車両用灯具100は、光源10と、リフレクタ20と、投影レンズ30と、放熱部材40とを有する。車両用灯具100は、車両前方に照射パターンを形成する。車両用灯具100は、いわゆる片側配光の構成である。つまり、車両用灯具100は、ADBパターンの右側部分を照射パターンとして形成する。なお、ADBパターンは、車両の前部右側に取り付けられる車両用灯具と、車両の前部左側に取り付けられる車両用灯具とで合成されることで形成される。この場合、車両の前部右側の車両用灯具が車両前方のADBパターンの中央部分から右側部分を形成し、車両の前部左側の車両用灯具が車両前方のADBパターンの中央部分から左側部分を形成する。
【0013】
光源10は、例えばLED等の半導体型光源である。光源10は、左右方向に複数設けられる。光源10は、光を出射する発光面11を有する。車両用灯具100が車両に取り付けられた場合、発光面11は例えば下方に向けられ、水平面に平行に配置される。光源10は、基板12に取り付けられる。基板12は、放熱部材40に保持される。基板12には、光源10に電力及び電気信号等を供給するための回路等が形成される。
【0014】
リフレクタ20は、反射部21及びダミー反射部22を有する。反射部21は、例えば光源10ごとに設けられる。反射部21は、それぞれ光源10に対応して左右方向に並んだ状態で配置される。
【0015】
ダミー反射部22は、光源10からの光を車両前方とは異なる方向へ反射する。ダミー反射部22は、ADBパターンを形成するための明暗境界形成部として機能すると共に、光をレンズ部31に入射させないように反射することで有害光及び分光を抑制する。
【0016】
投影レンズ30は、反射部21で反射された光を車両前方に出射して照射パターンを形成する。投影レンズ30は、正面(前方)から見て、例えば四角形状に形成される。なお、投影レンズ30の正面視における形状は、四角形状に限定されない。投影レンズ30は、車両内側から車両外側にかけて後方に傾いた形状となっている(
図1参照)。また、投影レンズ30は、正面視において、車両内側から車両外側にかけて上方に傾いた形状となっている(
図2参照)。投影レンズ30は、複数のレンズ部31を有する。複数のレンズ部31は、左右方向に並んだ状態で配置される。
【0017】
投影レンズ30の最も車両内側に配置されるレンズ部31は、出射光の内側拡散が最も少なくなるように設定される。この構成により、投影レンズ30の前方かつ車両内側のスペースに他の構造物を配置する等、当該スペースを有効活用することができ、レイアウトの自由度が高くなる。投影レンズ30の最も車両外側に配置されるレンズ部31は、出射光の外側拡散が最も少なくなるように設定される。この構成により、投影レンズ30の前方かつ車両外側のスペースに他の構造物を配置する等、当該スペースを有効活用することができ、レイアウトの自由度が高くなる。
【0018】
また、上記の反射部21は、左右方向の両側から中央部にかけて下方に凹んだ反射面21aを有する。反射部21は、レンズ部31に対応して設けられる。具体的には、反射部21は、反射面21aにより、対応するレンズ部31に向けて光を反射するように配置される。
【0019】
反射部21は、対応するレンズ部31の光軸AXに対して車両内側となる位置に配置される。このため、車両前方において車両外側に向けて照射するようにADBパターンを形成することができる。本実施形態において、反射部21は、1つのレンズ部31について2つ設けられる。2つの反射部21は、左右に連なった状態で配置される。
【0020】
上記のダミー反射部22は、左右方向の両側から中央部にかけて下方に凹んだ反射面22aを有する。ダミー反射部22は、1つのレンズ部31について1つ設けられる。ダミー反射部22は、反射面22aにより、レンズ部31に入射させないように光を反射する。
【0021】
ダミー反射部22は、後端部22bが反射部21側から後方に向かう形状である。この構成により、ダミー反射部22の反射面22aによる反射光がレンズ部31に入射しにくくなる。後端部22bは、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。ダミー反射部22は、車両外側の側部にローレット部22cを有する。ローレット部22cは、光を散乱させる。
【0022】
隔壁24は、底板23から上方に突出するように設けられる。隔壁24は、左右方向に隣り合うレンズ部31同士の間に前後方向に沿って配置される。隔壁24は、前方に向けて前後方向の高さが高くなるように形成される。
【0023】
外枠部26は、リフレクタ20のうち左右方向の両端に配置される。外枠部26は、底板23から上方に屈曲するように形成される。
【0024】
複数のレンズ部31は、一体に連結される。各レンズ部31は、反射部21で反射された光が入射する入射面31aを有する。複数のレンズ部31は、各入射面31aから入射した光を出射する、段差のない連続した出射面31bを有する。投影レンズ30において、複数のレンズ部31は、出射面31b同士が左右方向に連なった面となるように形成される。本実施形態では、各出射面31bが1つの滑らかな曲面上に設けられた構成である。複数のレンズ部31は、入射面31aにそれぞれ光制御部31c(
図5、
図6、
図7等参照)を有する。光制御部31cは、出射面31bから出射される光の配光を制御する。光制御部31cは、レンズ部31毎に設けられ、左右方向に沿って配置される。投影レンズ30の他の構成については、後述する。
【0025】
放熱部材40は、光源10で発生した熱を放出する。放熱部材40は、光源10の基板12を保持する。
【0026】
放熱部材40には、遮光部45が設けられる。遮光部45は、複数の光源10の上方から下方側に突出するように設けられる。遮光部45は、複数の光源10から前方に向かう光の一部を遮光する。遮光部45は、複数の光源10からの光が投影レンズ30の光制御部31cに直接入射しないように遮光範囲が設定される。
【0027】
図6及び
図7は、投影レンズ30の一例を示す図である。
図8は、車両用灯具100の一例を示す縦断面図である。
図6は後方の左上から見た斜視図であり、
図7は後方から見た図である。
図8は、1つのレンズ部31(例えば、最も車両内側のレンズ部31)について、光源10を通りかつ水平面に垂直で前後方向に沿った面による断面構成を示している。
図6から
図8に示すように、投影レンズ30において、複数のレンズ部31は、それぞれ入射面31aに光拡散部31dを有する。
【0028】
光拡散部31dは、入射面31aのうち、光源10からの光が直接照射される部分の少なくとも一部に設けられる。本実施形態において、遮光部45は、光源10からの光が光制御部31cに直接入射しないように遮光範囲αが設定される(
図8参照)。この構成では、光源10から出射されて遮光部45を通過した光の一部は、入射面31aのうち光制御部31cの下側の部分に到達する。光拡散部31dは、入射面31aのうち当該光制御部31cの下側の部分に設けることができる。本実施形態では、光制御部31cの下端と光拡散部31dの上端とが一致した構成となっているが、この構成に限定されない。光制御部31cの下端と光拡散部31dの上端とが上下方向に離れた構成であってもよい。
【0029】
光拡散部31dは、光源10から直接照射される光を拡散する。光拡散部31dは、例えば光制御部31cとは曲率が異なる湾曲面とすることができる。
図8に示すように、入射面31aのうち光制御部31cの上側は、光拡散部31dが設けられず、光制御部31cの上端から後方に屈曲するように形成される。これに対して、入射面31aのうち光制御部31cの下側は、光拡散部31dが設けられるため、光制御部31cの下端から当該光拡散部31dの形状に応じて後方に湾曲するように形成される。なお、光拡散部31dは、光を拡散可能な形状であれば、例えば平面状等、他の形状であってもよい。遮光部45を通過して光制御部31cの下側に到達した光は、光拡散部31dに照射されて拡散される。
【0030】
また、本実施形態において、投影レンズ30は正面視で車両内側から外側にかけて上方に傾くように形成される。
図7に示すように、光制御部31cは、左右方向に沿って配置される。このため、入射面31aのうち光制御部31cの下方側の領域は、車両内側から車両外側にかけて先細りとなる。したがって、当該光制御部31cの下方側に配置される光拡散部31dは、当該入射面31aの形状に応じて、車両内側から車両外側にかけて先細りとなるように形成される。
【0031】
次に、上記のように構成された車両用灯具100の動作を説明する。車両用灯具100における光源10を点灯させることにより、発光面11から光が出射される。
図8に示すように、発光面11から出射される光のうち遮光部45により遮光されなかった一部の光L1は、反射部21の反射面21aに到達する。反射面21aに到達した光L1は、対応するレンズ部31に向けて前方に反射される。レンズ部31に到達した光L1は、入射面31aの光制御部31cに入射し、出射面31bから出射されて、車両前方にADBパターンを形成する。
【0032】
遮光部45を透過した一部の光L2は、反射面21aを超えてレンズ部31に到達する。当該光L2は、光源10からレンズ部31の入射面31aのうち光制御部31cの下側に直接照射される光となる。本実施形態では、光制御部31cの下側に光拡散部31dが設けられる。したがって、光L2は、光拡散部31dに入射し、当該光拡散部31dにより拡散されて、車両前方とは異なる方向(例えば、下方等)に出射される。このように、光L2が車両前方に出射されることが抑制されるため、有害光及び分光の発生が抑制される。
【0033】
図9は、車両用灯具100による照射パターンPの一例を示す図である。
図9において、H-H線は水平線を示し、V-V線は鉛直方向に平行な線(以下、鉛直線と表記する)を示す。投影レンズ30の出射面31bから出射された光L1は、
図9に示すように、車両前方に照射パターンPを形成する。照射パターンPは、個々の光源10に対応するパターンP1~P6が左右方向に一部重複しつつ並んだ状態で配置される。なお、
図4には、パターンP1、P2、P3、P4、P5、P6に対応する光源10の符号をそれぞれS1、S2、S3、S4、S5、S6として示している。本実施形態に係る車両用灯具100はいわゆる片側配光である。したがって、照射パターンPは、ADBパターンのうち右側部分に相当する。ADBパターンは、車両の左側前部に配置される車両用灯具の照射パターンと合成されることで形成される。
【0034】
以上のように、本実施形態に係る車両用灯具100は、車両搭載状態における左右方向に配置され、発光面11が下方に向けて配置された複数の光源10と、複数の光源10の下方に配置され、複数の光源10からの光を車両前方へ反射する複数の反射部21が左右方向に配置されたリフレクタ20と、複数の反射部21で反射された光を車両前方に出射して照射パターンPを形成する複数のレンズ部31が左右方向に配置された投影レンズ30とを備え、投影レンズ30において、複数のレンズ部31の出射面31bは、左右方向に連なるように形成され、複数のレンズ部31の入射面31aは、複数の光源10からの光が直接照射される部分の少なくとも一部に光拡散部31dを有する。
【0035】
この構成によれば、複数のレンズ部31の入射面31aが、複数の光源10からの光が直接照射される部分の少なくとも一部に光拡散部31dを有するため、光源10からの光がレンズ部31の入射面31aに直接照射される場合に、当該光を車両前方とは異なる方向に拡散することができる。このため、出射面31bから車両前方に意図しない態様で光が出射されることを抑制できるため、有害光及び分光の発生を抑制できる。
【0036】
本実施形態に係る車両用灯具100において、入射面31aは、リフレクタ20からの光の配光を制御する光制御部31cを有し、光拡散部31dは、光制御部31cの外側に形成される。
【0037】
この構成によれば、光拡散部31dを光制御部31cの外側に配置することで、光制御部31cを確保しつつ、有害光及び分光の発生を抑制できる。
【0038】
本実施形態に係る車両用灯具100において、複数の光源10の前方に配置され、複数の光源10から前方に向かう光の一部が光制御部31cに直接入射しないように当該光の一部を遮光する遮光部45を更に備え、遮光部45は、複数の光源10部の上側から下方に延びるように形成され、光拡散部31dは、光制御部31cの下側に配置される。
【0039】
この構成によれば、遮光部45を通過して光制御部31cの下方に直接照射される光が、出射面31bから車両前方に意図しない態様で出射されることを抑制できる。
【0040】
本実施形態に係る車両用灯具100において、投影レンズ30は、正面視において車両内側から車両外側にかけて上方に傾くように形成される。
【0041】
この構成によれば、正面視において車両内側から車両外側にかけて上方に傾くように形成される投影レンズ30において、出射面31bから車両前方に意図しない態様で光が出射されることを抑制することで、意匠性を確保しつつ、有害光及び分光の発生を抑制できる。
【0042】
本実施形態に係る車両用灯具100において、光拡散部31dは、レンズ部31の下端に配置され、車両内側から車両外側にかけて上下方向に先細りとなるように形成される。
【0043】
この構成によれば、光拡散部31dがレンズ部31の下端において投影レンズ30の形状に形成されるため、光源10からレンズ部31の入射面31aに直接照射される光をより確実に拡散することができる。
【0044】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、光拡散部31dが光制御部31cの下側に配置された構成を例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。光拡散部31dは、光制御部31cの上側に配置された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
AX…光軸、L1,L2…光線、P…照射パターン、10…光源、11…発光面、12…基板、20…リフレクタ、21…反射部、21a,22a…反射面、22…ダミー反射部、22b…後端部、22c…ローレット部、23…底板、24…隔壁、26…外枠部、30…投影レンズ、31…レンズ部、31a…入射面、31b…出射面、31c…光制御部、31d…光拡散部、40…放熱部材、45…遮光部、100…車両用灯具