(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019752
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/66 20060101AFI20250131BHJP
【FI】
H04L12/66
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123550
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】磯部 昭吾
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA11
5K030HD03
(57)【要約】
【課題】高負荷時においても信頼性の高い音声、あるいは映像による通話が可能な、通信装置、通信方法、及びプログラムの提供。
【解決手段】特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを保持する特定通信先保持部と、通信先の識別番号である通信先IDを取得する通信先ID取得部と、通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが特定通信先保持部に含まれるか否かを判断する第1の判断部と、第1の判断部の判断結果に応じて、アプリケーションソフトウエア又はハードウエアの制御を行う制御部と、を有する通信装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを保持する特定通信先保持部と、
通信先の識別番号である通信先IDを取得する通信先ID取得部と、
前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先保持部に含まれるか否かを判断する第1の判断部と、
前記第1の判断部の判断結果に応じて、アプリケーションソフトウエア又はハードウエアの制御を行う制御部と、
を有する通信装置。
【請求項2】
特定のアプリケーションソフトウエアのリストを保持する特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部と、
実行中のアプリケーションソフトウエアが前記特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部に含まれるか否かの判断を行う第2の判断部と、
を更に有し、
前記制御部は、前記第1の判断部、及び前記第2の判断部、のそれぞれの判断結果に応じて、実行するアプリケーションソフトウエアの制御を行う、
請求項1の通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の判断部の判断結果が、前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先保持部に含まれるとの結果である場合、
かつ、
前記第2の判断部の判断結果が、実行中のアプリケーションソフトウエアが前記特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部に含まれるとの結果である場合に、
前記特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部に含まれている実行中のアプリケーションソフトウエアを停止させる、
請求項2の通信装置。
【請求項4】
前記特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部は更に、特定のアプリケーションソフトウエアと、アプリケーションソフトウエア実行の優先度であるアプリケーションソフトウエア優先度と、を関連付けて保持し、
前記制御部は、前記アプリケーションソフトウエア優先度に基づいて実行中のアプリケーションソフトウエアを停止させる、
請求項3の通信装置。
【請求項5】
前記アプリケーションソフトウエア優先度を受付けるアプリケーションソフトウエア優先度受付部を更に有し、
前記特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部は、前記アプリケーションソフトウエア優先度受付部が受付けた優先度を更新して保持する、
請求項4の通信装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の判断部の判断結果が、前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先保持部に含まれるとの結果である場合、
特定のアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源を所定の割合で専有させる、
請求項1の通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の判断部の判断結果が、前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先保持部に含まれるとの結果である場合、
音声又は映像を取り扱うアプリケーションソフトウエア以外による通信の帯域制限を行う、
請求項1の通信装置。
【請求項8】
前記制御部は、通信の帯域制限を、制限を超過した通信データを記憶域によりバッファリングすることで実行する、
請求項7の通信装置。
【請求項9】
以下のステップをコンピュータに実行させる通信方法であって、
特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを取得するステップと、
通信先の識別番号である通信先IDを取得するステップと、
前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先リストに含まれるか否かを判断するステップと、
判断結果に応じて、アプリケーションソフトウエア又はハードウエアの制御を行うステップと、
を有する通信方法。
【請求項10】
特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを取得する処理と、
通信先の識別番号である通信先IDを取得する処理と、
前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先リストに含まれるか否かを判断する処理と、
判断結果に応じて、アプリケーションソフトウエア又はハードウエアの制御を行う処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声等による通話の品質を一定の水準に維持可能な通信装置、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音声通話がVoIP(Voice over Internet Protocol)によるものに置き換わろうとしているが、他のアプリケーションソフトウエアによる通信データと同じ通信経路を通るため、全体的な通信量が増大するに連れて音声通話に使用する帯域が相対的に逼迫するケースも増えてきている。コアネットワークにおいては優先制御など、事業者による手当てが可能であるが、家庭内を含むアクセスネットワークにおいてはIPによる通信の性質上、中央による制御は難しく、緊急時の通話の信頼性の確保等が課題となっている。
【0003】
なかでも家庭用ゲートウェイ機器(Home GateWay、以降HGWと記載)は、パーソナルコンピュータ(以降PCと記載)以外でも、スマートホン、タブレット、家庭電化製品など様々な通信端末が接続し、高画質の動画サービスなど通信量が増加する傾向にある。HGWは、インターネットを通じて、VoIPにより音声通話を行う機能を搭載している装置が多い。
【0004】
特許文献1には、次のような通信装置等が開示されている。同装置等は、宅内ネットワークと宅外ネットワークを接続するHGWである。同装置は特定の番号を制御情報と関連付けて保持している。同装置に接続されている宅内装置において通信のための特定の番号をダイアルすると、そのダイアル信号が、保持されている特定の番号と一致しているか否かを判定し、一致している場合には、ダイアルされた特定の番号に関連付けて保持されている制御情報に基づいて宅外との通信を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0007】
上記の通り、特許文献1に開示されている発明によると、宅内側に接続されている宅内装置から発信されたダイアル信号により、予め保持されている制御情報に基づいて、宅内装置と宅外装置との通信を制御することが可能である。例えば、宅内装置から特定の番号をダイアルすると、番号に関連付けられた制御情報に含まれるURLに、HGWに接続されているWebTVが接続するといった制御を実行することが可能である。また、上記特定の番号に含まれない番号、例えば「03-XXXX-〇〇〇〇」にダイアルすると、VoIPアプリケーションにより、ダイアル先へ接続を行うといった処理が可能である。
【0008】
しかしながら、上記処理は特定の番号と所定の制御情報が関連付けられているものの、制御情報としては、例えばVoIPアプリケーションを起動させるといった処理に留まっており、特定の番号をダイアルすると、VoIPアプリケーションを起動させ、他のアプリケーションの実行を抑制させる等といった、他のアプリケーションソフトウエアやハードウエアとの連携に関する制御までは念頭に置いていない。
【0009】
更に、現状のHGWの多くは、VoIPによる音声通信をソフトウエア制御により行っている。そのため、配下の通信端末から転送性能を超える過負荷通信が行われた場合、HGWのCPU使用率が高くなり一部のフレームが廃棄され、VoIPの音声通話にも影響を及ぼすという問題も存在する。
【0010】
そこで、本発明の一視点において、高負荷時においても信頼性の高い音声、あるいは映像による通話が可能な、通信装置、通信方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の視点によれば、特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを保持する特定通信先保持部と、通信先の識別番号である通信先IDを取得する通信先ID取得部と、前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先保持部に含まれるか否かを判断する第1の判断部と、前記第1の判断部の判断結果に応じて、アプリケーションソフトウエア又はハードウエアの制御を行う制御部と、を有する通信装置が提供される。
【0012】
本発明の第二の視点によれば、以下のステップをコンピュータに実行させる通信方法であって、特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを取得するステップと、通信先の識別番号である通信先IDを取得するステップと、前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先リストに含まれるか否かを判断するステップと、判断結果に応じて、アプリケーションソフトウエア又はハードウエアの制御を行うステップと、を有する通信方法が提供される。
【0013】
本発明の第三の視点によれば、特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを取得する処理と、通信先の識別番号である通信先IDを取得する処理と、前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先リストに含まれるか否かを判断する処理と、判断結果に応じて、アプリケーションソフトウエア又はハードウエアの制御を行う処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0014】
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の各視点によれば、高負荷時においても信頼性の高い音声、あるいは映像による通話が可能な、通信装置、通信方法、及びプログラムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態の通信装置における構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態の通信装置における構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態の通信装置における特定通信先リストの一例を示すための図である。
【
図4】第1の実施形態の特定アプリケーションソフトウエアリストの一例を示すための図である。
【
図5】第1の実施形態の通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図6】第1の実施形態の通信装置におけるハードウエア構成の一例を示す概略図である。
【
図7】第2の実施形態の通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】第3の実施形態の通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】実施例のHGWの構成を示すブロック図である。
【
図10】実施例のHGWの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図11】緊急電話番号記憶領域のイメージを表した概念図である。
【
図12】アプリケーション優先度記憶領域のイメージを表した概念図である。
【
図13】アプリケーション優先度記憶領域の状態遷移を説明するための図である。
【
図14】CPUが4Coreの構成において、CPUアサイン変更手段により通信抑制を行う場合の例を説明するための図である。
【
図15】ソフトウエアによる転送のフローと、VoIP通信による転送のフローと、Hardware Offloading機能による転送のフローについて説明するための概略図である。
【
図16】他の実施例にかかるHGWの構成を示すブロック図である。
【
図17】HGWのGUIにおける緊急電話登録手段の設定画面イメージを説明するための図である。
【
図18】実施例における緊急電話番号記憶領域のイメージを説明するための図である。
【
図19】HGWのGUIにおける停止アプリケーション変更手段の設定画面イメージを説明するための図である。
【
図20】アプリケーション優先度記憶領域のイメージを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0018】
図1に一実施形態の通信装置の構成の一例を示したブロック図を示す。一実施形態の通信装置10は、特定通信先保持部11と、通信先ID取得部12と、第1の判断部13と、制御部14と、を有する。
【0019】
特定通信先保持部11は、特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを保持する。通信先ID取得部12は、通信先の識別番号である通信先IDを取得する。第1の判断部13は、通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが特定通信先保持部11に含まれるか否かを判断する。制御部14は、第1の判断部の判断結果に応じて、アプリケーションソフトウエア又はハードウエアの制御を行う。
【0020】
このように一実施形態の通信装置は、配下の端末等から発信があった場合において、通信先を特定する識別番号が、特定通信先IDを含むリストに含まれるか否かを判断し、含まれると判断した場合には、制御部14によりアプリケーションソフトウエア又はハードウエアの制御を実行する事が可能である。例えば、特定通信先IDに緊急通報のための番号が含まれており、その番号でVoIPアプリケーションソフトウエアによる発信があった場合において、その際に起動している他のアプリケーションソフトウエアを停止させたり、VoIPアプリケーションソフトウエアのCPU占有率を上げたり等の処理を実行することが可能である。これにより、緊急時において信頼性の高い安定した音声通話等を提供することが可能である。
【0021】
[第1の実施形態]
[装置の構成]
図2は、第1の実施形態の通信装置の構成の一例を示すブロック図である。第1の実施形態の通信装置10は、一実施形態と同様に、特定通信先保持部11と、通信先ID取得部12と、第1の判断部13と、制御部14と、を有する。本実施形態の特徴点は、更に特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部15と、第2の判断部16と、を有し、制御部14は、第1の判断部13、及び第2の判断部16、のそれぞれの判断結果に応じて、実行するアプリケーションソフトウエアの制御を行う点である。
【0022】
特定通信先保持部11は、特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを保持する。「識別番号」とは、電話番号、SIP(Session Initiation Protocol)アドレス、IPアドレス、FQDN(Fully Qualified Domain Name)等の通信先を特定可能な数文字列を指す。当部は、これらの識別番号をデータベース等に保持する。「特定の通信先」とは、任意の通信先を指定可能であるが、例えば警察や救急等の緊急通報先等、発信時に通信の信頼性を確保するために何らかの制御が必要となる通信先であって良い。
【0023】
図3は本実施形態の通信装置における特定通信先リストの一例を示すための概念図である。この図にあるように、特定通信先IDとして、緊急通報電話番号である119又は110番や、特定の電話番号、SIPアドレスや、IPアドレスをリスト化している。特定通信先IDは後述する制御部14の制御内容に関連付けられていても良い。
【0024】
通信先ID取得部12は、通信先の識別番号である通信先IDを取得する。自身又は配下の端末等により発信されるパケット等の通信データを参照し、通信先IDを取得する。「識別番号」とは上記で述べたとおりである。取得された通信先IDは後述する第1の判断部13に送られる。
【0025】
第1の判断部13は、通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先保持部に含まれるか否かを判断する。具体的には通信先ID取得部12で取得された通信先IDをキーとして特定通信先保持部11の特定通信先リストを検索し、該当項目があるか否かを判断する。通信先IDと「対応する」特定通信先IDとは必ずしも数文字列が完全に一致するものでなく、例えばIPアドレスとFQDNのように事実上同一と取り扱うことのできる関係も含まれることを意味している。第1の判断部13の判断結果が、後述する制御部14に対して送られる。
【0026】
特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部15は、特定のアプリケーションソフトウエアのリストを保持する。「特定の」とは、任意に指定可能であるが、例えば、VoIPによる通話を実行する際に、同様に音声を取り扱うために干渉が生ずるアプリケーション等、通信時に何らかの制御が必要となるアプリケーションソフトウエア等が該当する。
【0027】
図4は本実施形態の特定アプリケーションソフトウエアリストの一例を示すための概念図である。この図にあるように特定アプリケーションソフトウエアが列挙されている。特定アプリケーションソフトウエアリストは図のようにアプリケーション名が挙げられても良いし、具体的にパスで特定されていても良い。また、特定アプリケーションソフトウエアは後述する「優先度」に関連付けられていても良い。
【0028】
第2の判断部16は、実行中のアプリケーションソフトウエアが特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部15に含まれるか否かの判断を行う。具体的には、所定のタイミングで、実行中のアプリケーションソフトウエア名を取得し、これをキーとして、特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部15中の特定アプリケーションソフトウエアリストを検索し、該当する特定アプリケーションソフトウエアがあるか否かを判断する。なお検索キー及び検索対象となるのはアプリケーションソフトウエアを特定する識別子であっても良い。判断の結果、該当するとの判断結果であった場合には、後述する制御部14に対して該当するアプリケーションソフトウエアの名称又は識別子を渡す。
【0029】
制御部14は、第1の判断部13、及び第2の判断部16、のそれぞれの判断結果に応じて、実行するアプリケーションソフトウエアの制御を行う。具体的には、第1の判断部13から判断結果として、通信先IDが特定通信先保持部11に該当があるか否か、第2の判断部16から該当する場合のアプリケーションソフトウエアの名称又はその識別子を受け取り、制御を実行する。「制御」とは、本発明では主に、安定した通信・通話を可能とするために、アプリケーションソフトウエア相互間の連携を取ることを指す。例えば、第1の判断部13の判断結果が、通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが特定通信先保持部11に含まれるとの結果である場合、かつ、第2の判断部16の判断結果が、実行中のアプリケーションソフトウエアが特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部15に含まれるとの結果である場合に、特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部15に含まれている実行中のアプリケーションソフトウエアを選択的に停止、あるいは実行の優先度を下げる、といった処理が含まれる。
【0030】
すなわち、特定通信先保持部11内の特定通信先リストに「119」が掲載されている場合に、端末において通信先ID「119」がダイアルされると、実行中のアプリケーションソフトウエアに特定アプリケーションソフトウエアの動画再生ソフトが含まれているため、当該動画再生ソフトの実行を停止させるといった処理が可能である。これにより動画再生による下りの通信帯域を確保することが可能となり、緊急性の高い通信を安定した通信状態で遂行することが可能となる。
【0031】
特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部15は特定のアプリケーションソフトウエアと、アプリケーションソフトウエア実行の優先度であるアプリケーションソフトウエア優先度と、を関連付けて保持していても良い。この場合において制御部14は、アプリケーションソフトウエア優先度に基づいて実行中のアプリケーションソフトウエアを停止させる処理を行っても良い。具体的には、制御部14は、アプリケーションソフトウエア優先度が所定の値よりも低い実行中のアプリケーションソフトウエアを停止させるといった制御を行っても良い。
【0032】
通信装置10は、上記アプリケーションソフトウエア優先度を受付け、編集可能であっても良い。すなわち、アプリケーションソフトウエア優先度を受付けるアプリケーションソフトウエア優先度受付部(図示せず)を更に有し、特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部15は、前記アプリケーションソフトウエア優先度受付部が受付けた優先度を更新して保持する構成であっても良い。
【0033】
[動作の説明]
図5は第1の実施形態の通信装置10の動作を説明するためのフローチャートである。この図にあるように、通信装置10は動作を開始すると、特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを取得する(ステップS51)。次に特定のアプリケーションソフトウエアのリストを保持する特定アプリケーションソフトウエアリストを取得する(ステップS52)。次に、通信先の識別番号である通信先IDを取得する(ステップS53)。その後、通信先IDと同一又は対応する特定通信先IDが特定通信先リストに含まれるか否かを判断する(ステップS54)。含まれるとの判断結果の場合(ステップS54、Y)には更に、実行中のアプリケーションソフトウエアが特定アプリケーションソフトウエアリストに含まれるか否かを判断する(ステップS55)。含まれるとの判断結果の場合(ステップS55、Y)には、特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部に含まれている実行中のアプリケーションソフトウエアを停止し(ステップS56)、一連のアプリケーションソフトウエアの制御処理については処理を終了する。ステップS54及びステップS55のいずれかが含まれないとの判断結果((ステップS54、N)又は(ステップS55、N))の場合には一連の制御処理は終了する。
【0034】
[ハードウエア構成]
次に、第1の実施形態に係る通信装置10のハードウエア構成を説明する。
図6は、第1の実施形態に係る通信装置10のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
通信装置を構成する通信装置10は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、
図6に例示する構成を備える。例えば、通信装置10は、それぞれ、内部バス65により相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)61、メモリ62、入出力インタフェース63,及び通信手段であるNIC(Network Interface Card)64等を備える。
【0036】
但し、
図6に示す構成は、通信装置を構成する各装置のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。通信装置10は、それぞれ、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース63を備えていなくともよい。また、通信装置10に含まれるCPU等の数も
図6の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUが各装置に含まれていてもよい。
【0037】
メモリ62は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0038】
入出力インタフェース63は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受付ける装置である。
【0039】
通信装置10の機能は、処理モジュールである通信先ID取得プログラムと、第1の判断プログラムと、第2の判断プログラムと、制御プログラムと、メモリ62に格納された特定通信先リストと、特定アプリケーションソフトウエアリストと、により実現される。
【0040】
上記処理モジュールは、例えば、それぞれメモリ62に格納されたプログラムをCPU61が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、及び/又は、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0041】
[ハードウエアの動作]
通信装置10は動作を開始すると、メモリ62から通信先ID取得プログラムが呼び出され、CPU61にて実行状態となる。同プログラムは通信開始時において端末から送信されるパケットを走査して、端末の通信先IDである識別番号データを取得する。
【0042】
次に第1の判断プログラムがメモリ62から呼び出され、CPU61にて実行状態となる。同プログラムはメモリ62に格納されている特定通信先リストデータを読み込み、取得した通信先IDデータをキーとしてリスト内を検索する。
【0043】
検索の結果、該当する特定通信先リストIDがあった場合には、第2の判断プログラムがメモリ62から呼び出され、CPU61にて実行状態となる。同プログラムはメモリ62に格納されている特定アプリケーションソフトウエアリストデータを読み込み、該当する実行中のアプリケーションソフトウエアが存在するか否かを判断する。ここでは、アプリケーションソフトウエアの識別子(ID)を用いても良いし、実行されているアプリケーションソフトウエアの名称が一致するか否かの判断を行っても良い。
【0044】
判断の結果、特定アプリケーションソフトウエアリストに該当する実行中のアプリケーションソフトウエアが存在する場合には、第2の判断プログラムはその識別子又はアプリケーションソフトウエアを特定するためのトークンを値として返す。
【0045】
次に制御プログラムがメモリ62から呼び出され、CPU61にて実行状態となる。同プログラムは値として返されたトークン又は識別子にかかるアプリケーションソフトウエアのプロセスを終了させる。
【0046】
特定アプリケーションソフトウエアリストに優先度が関連付けられている場合には、優先度の値をも取得して、所定の優先度より低いか否かを判断し、低い場合にはプロセスを終了するといった処理をしても良い。また所定の優先度より高い場合にあっては、プロセスの優先度の値を下げるといった処理を行っても良い。
【0047】
[効果の説明]
上記の通り、本実施形態の通信装置10は、通信先が特定通信先に該当する場合に、特定アプリケーションソフトウエアリストに該当する実行中のアプリケーションソフトウエアを停止するなどの処理を行う事により、実行中のアプリケーションソフトウエアに処理資源を奪われること無く、安定して特定通信先との通信を実行することが可能である。
【0048】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、安定した通信のために、端末等が特定の通信先と通信を行う場合に、特定のアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源を専有させる制御が可能な通信装置について述べる。
【0049】
[装置の構成]
第2の実施形態の通信装置10の構成の一例は
図1と同様である。
図1にあるように、本実施形態の通信装置10は、特定通信先保持部11と、通信先ID取得部12と、第1の判断部13と、制御部14と、を有する。特定通信先保持部11と、通信先ID取得部12と、第1の判断部13と、は既に上記実施形態にて説明済みであるので記載は省略する。本実施形態の通信装置10の特徴点は、制御部14が第1の判断部の判断結果が、前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが前記特定通信先保持部に含まれるとの結果である場合、特定のアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源を所定の割合で専有させる点である。
【0050】
制御部14は、第1の判断部の判断結果が、前記通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが特定通信先保持部11に含まれるとの結果である場合、特定のアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源を所定の割合で専有させる。
【0051】
「特定のアプリケーションソフトウエア」とは、利用に当たり、安定動作するために、使用するハードウエア資源の調整が必要な場合があるソフトウエアを指す。ここでは、例えば映像通信又は音声通話に関するアプリケーションソフトウエア等が該当し、好ましくはVoIPアプリケーションソフトウエアが特定のアプリケーションソフトウエアに該当する。「調整」とは例えば使用するハードウエア資源を所定の割合で専有させる等の制御を行うことを指す。「ハードウエア資源」とは、CPUやメモリ、NIC等の通信モジュール等を指す。「所定の割合で専有」とは、例えば緊急通報時に、全体の20%のメモリ空間の割当てを維持したり、音声通話中にVoIPアプリケーションソフトウエア以外のソフトウエアに対するハードウエア割り込みの全てを制限したりといった制御が考えられる。
【0052】
また通信装置10が複数のCPUを有するマルチプロセッサ環境においては、複数のCPUの内の一以上のCPUを特定のアプリケーションソフトウエアに専有して動作させる等の制御等が考えられる。
【0053】
上記の特定のアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源の専有割合の変更等の制御については通信装置10の動作中に実行可能であると望ましい。
【0054】
[動作の説明]
図7は第2の実施形態における通信装置10の動作を説明するためのフローチャートである。この図にあるように、まず特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを取得する(ステップS71)。次に、通信先の識別番号である通信先IDを取得する(ステップS72)。その後、通信先IDと同一又は対応する特定通信先IDが特定通信先リストに含まれるか否かを判断する(ステップS73)。含まれるとの判断結果の場合(ステップS73、Y)には、特定のアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源を所定の割合で専有させる(ステップS74)。含まれないとの判断結果の場合(ステップS73、N)には一連の制御処理については終了する。
【0055】
[ハードウエア構成]
次に、第2の実施形態に係る通信装置10のハードウエア構成を説明する。第2の実施形態に係る通信装置10のハードウエア構成は
図6に示す構成と同様である。
【0056】
通信装置を構成する通信装置10は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、
図6に例示する構成を備える。例えば、通信装置10は、それぞれ、内部バス65により相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)61、メモリ62、入出力インタフェース63、及び通信手段であるNIC(Network Interface Card)64等を備える。
【0057】
[ハードウエアの動作]
通信装置10は動作を開始すると、メモリ62から通信先ID取得プログラムが呼び出され、CPU61にて実行状態となる。同プログラムは通信開始時において端末から送信されるパケットを走査して、端末の通信先IDである識別番号データを取得する。
【0058】
次に第1の判断プログラムがメモリ62から呼び出され、CPU61にて実行状態となる。同プログラムはメモリ62に格納されている特定通信先リストデータを読み込み、取得した通信先IDデータをキーとしてリスト内を検索する。
【0059】
検索の結果、該当する特定通信先リストIDがあった場合には、制御プログラムがメモリ62から呼び出されCPU61にて実行状態となる。同プログラムは通信のために実行中のアプリケーションソフトウエア、例えばVoIPアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源を所定の割合で専有させる。具体的には、例えばメモリ空間の内、物理メモリ内に所定の割合でメモリ領域を確保し、そこをVoIPアプリケーションの使用領域とする等の処理を実行する。なお必要であれば、メモリ62を使用している他のアプリケーションのプロセスを停止する処理をしても良い。また、例えばVoIPアプリケーションのNIC64のデバイス設定を変更し、チップの利用割合や優先度を変更するなどの制御を行っても良い。
【0060】
[効果の説明]
本実施形態の通信装置10によると、特定の通信先への発信があった場合に、特定のアプリケーションソフトウエアを実行するハードウエアを専有させる事が可能である。これにより、例えば音声通話のアプリケーションに所定の割合でハードウエア資源を専有させることで安定した音声通話が可能となる。
【0061】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、制御部14が通信の帯域制限を行うことで音声通話の信頼性を向上させる通信装置10の構成について説明する。
【0062】
[装置の構成]
第3の実施形態の通信装置10の構成の一例は
図1と同様である。
図1にあるように、本実施形態の通信装置10は、特定通信先保持部11と、通信先ID取得部12と、第1の判断部13と、制御部14と、を有する。特定通信先保持部11と、通信先ID取得部12と、第1の判断部13と、は既に上記実施形態にて説明済みであるので記載は省略する。本実施形態の通信装置10の特徴点は、制御部14が、第1の判断部13の判断結果が、通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが特定通信先保持部11に含まれるとの結果である場合、音声又は映像を取り扱うアプリケーションソフトウエア以外による通信の帯域制限を行う点である。
【0063】
例えば制御部14は特定通信先との音声通話中に、VoIPアプリケーションソフトウエア以外に実行されているアプリケーションソフトウエアの通信の帯域を絞るといった制御を行っても良い。
【0064】
通信の帯域制限は、制限を超過した通信データを通信装置でバッファリングすることで、ピークを回避する方法と、制限を超過した通信データについてはパケットを破棄して削除する方法とがあり、いずれも適用可能である。
【0065】
バッファリングやパケットの破棄の処理はCPUにてソフトウエアの命令を実行することにより処理が可能であるが、バッファリングや破棄するデータ量が多くなるとCPUに高い負荷がかかることとなる。このような事態を回避するために、ハードウエアでバッファリングや、パケットの破棄の処理を代行する制御を行っても良い。具体的にはNICのチップセットやバッファメモリを用いて、バッファリングやパケットの廃棄等の処理を実行しても良い。
【0066】
[動作の説明]
図8は第3の実施形態における通信装置10の動作を説明するためのフローチャートである。この図にあるように、まず特定の通信先の識別番号である特定通信先IDを含むリストである特定通信先リストを取得する(ステップS81)。次に、通信先の識別番号である通信先IDを取得する(ステップS82)。その後、通信先IDと同一又は対応する特定通信先IDが特定通信先リストに含まれるか否かを判断する(ステップS83)。含まれるとの判断結果の場合(ステップS83、Y)には、音声又は映像を取り扱うアプリケーションソフトウエア以外による通信の帯域制限する(ステップS84)。含まれないとの判断結果の場合(ステップS83、N)には一連の制御処理については終了する。
【0067】
[効果の説明]
本実施形態の通信装置10によると、特定の通信先への通信を行う際に、特定のアプリケーションソフトウエア以外の、実行されているアプリケーションソフトウエアのネットワーク使用帯域を制限する。これにより特定の通信先との通話中は十分なネットワーク帯域が確保され、安定した通話を実行することが可能である。
【0068】
[実施例]
実施例では、上記実施形態の通信装置10の適用例としてHGWを例に挙げて説明する。
【0069】
[実施例の構成]
図9は本実施例のHGW100の構成を示すブロック図である。
図9に示されるように、HGW100は、データ処理装置101と、記憶装置102と、を含む。
【0070】
データ処理装置101は、VoIP発信手段111、緊急電話判断手段112、停止アプリケーション選定手段113、アプリケーション制御手段114、CPUアサイン変更手段115、シェーピング実施手段116を備えている。
【0071】
VoIP発信手段111は、HGWがSIPにより上位ネットワークのSIPサーバ及びVoIP対向となる電話機とSIP通信及びVoIP通話を行う。
【0072】
緊急電話判断手段112は、SIP通信に含まれる電話番号情報が情報を参照し、緊急電話番号記憶領域121に登録されている緊急電話と一致するか判定を行う。
【0073】
停止アプリケーション選定手段113は、アプリケーション優先度記憶領域122を参照し、現在実行中のアプリケーション情報及び優先度の取得を行い、停止するアプリケーションの選定を行う。
【0074】
アプリケーション制御手段114は、アプリケーションを停止又は停止したアプリケーションの再開を行う。
【0075】
CPUアサイン変更手段115は、アプリケーションが使用するCPUの選択を行う。
【0076】
シェーピング実施手段116は、送信又は受信した通信を指定した通信量に上限を設け、それを超えるデータをバッファに蓄積し、送信を遅延させることで、一定の通信速度になるように通信の抑制を行う。
【0077】
記憶装置102は、緊急電話番号記憶領域121、アプリケーション優先度記憶領域122を備えている。
【0078】
緊急電話番号記憶領域121には、HGWで緊急電話として扱う電話番号情報を記憶している。
図11は緊急電話番号記憶領域121のイメージを表した概念図である。
【0079】
アプリケーション優先度記憶領域122は、現在実行中のアプリケーション情報及びアプリケーションごとに優先度を記憶する。HGWは緊急電話番号記憶領域121に記憶した情報を参照し、抑制するアプリケーションの判断を行う。
図12はアプリケーション優先度記憶領域122のイメージを表した概念図である。
【0080】
[動作の説明]
図10は本実施例のHGWの動作を説明するためのフローチャートである。始めに、ユーザがHGWに接続された電話機を操作してVoIPによる発信を行うものとする。HGWは電話機からの発信がされた場合、VoIP発信手段111により指定された電話番号に対してSIPプロトコルによりVoIPの発信を行う(
図10のステップS1001)。
【0081】
図10のステップS1001において、HGWは緊急電話番号記憶領域121に登録されている緊急電話番号の情報を参照し、ユーザが発信した電話番号宛先が、緊急電話番号のリストに存在するかチェックを行う(ステップS1002)。
図10のステップS1002において、ユーザが発信した電話番号宛先が、緊急電話番号に該当した場合、通信抑制を行う(ステップS1003)。各通信抑制方法の詳細に関しては、後程具体例と合わせて記載する。
図10のステップ1002において、ユーザが発信した電話番号宛先が、緊急電話番号に該当しない場合、通信抑制は行わず、通常のVoIP通話処理を行う。次に、緊急電話が終了した場合に、
図10のステップS1003で行った通信抑制及び電話優先設定の解除を行う(ステップS1004)。
【0082】
次に、具体例を用いて本実施例の動作について詳細に説明する。始めに、ユーザがHGWに接続された電話機を操作してVoIPによる発信を行うものとする。この時、ユーザは電話番号「110」に発信したものとする。HGWは電話機からの発信がされた場合、VoIP発信手段111により指定された電話番号に対してSIPプロトコルによりVoIPの発信を行う(
図10のステップS1001)。本実施例では、VoIPの発信時に送信されるSIPプロトコルのINVITEフレームのRequest-URIを解析し、HGWが送信する電話番号宛先の情報(本実施例では「110」)を取得する。
【0083】
図10のステップS1001において、HGWは緊急電話番号記憶領域121に登録されている緊急電話番号の情報を参照し、ユーザが発信した電話番号宛先が、緊急電話番号のリストに存在するかチェックを行う(ステップS1002)。
図10のステップS1002において、本実施例では、ユーザは「110」の電話番号に発信しており、緊急電話番号記憶領域121に登録されている緊急電話番号と一致するため、次にステップS1003の処理を行う。
図10のステップS1003において、以下の通信抑制を行うものとする。
1)アプリケーション抑制手段
2)CPUアサイン変更手段
3)シェーピングによるLAN通信抑制手段
【0084】
本実施例では、各通信抑制方法をすべて実施することにより、緊急電話時の負荷軽減を行うものとするが、一部の抑制方法を選択して使用することも可能とする。VoIP通話が終了した場合に、通話を終了した端末からSIPプロトコルのBYEフレームが送信される。本装置では、BYEフレームを送信又は受信した際に、通信抑制を解除する(
図10のステップS1004)。通信抑制で変更する各設定を通常起動するのと同じ手段にて再度設定又はアプリケーション起動することにより、通信抑制の解除を行うものとする。
【0085】
次に各通信抑制方法の詳細に関して記載する。
【0086】
1)アプリケーション抑制手段
アプリケーションを抑制手段では、始めに、停止アプリケーション選定手段113により、抑制するアプリケーションを決定する。予めアプリケーション優先度記憶領域122に、各アプリケーションの優先度及び状態を記憶しておくものとする。アプリケーション優先度記憶領域122の状態遷移に関しては
図13に記載する。アプリケーション優先度記憶領域122に記憶されている状態がactiveのアプリケーションを抑制の対象とし、standby、stop、disableのアプリケーションは動作していない状態のため、抑制対象外とする。
【0087】
停止アプリケーション選定手段113では、動作しているアプリケーションのうち特定の優先度以下のものを抑制対象のアプリケーションと判断する。本実施例では、優先度2以下のものを抑制対象として停止するものとする。次に、アプリケーション制御手段114により、停止アプリケーション選定手段113で選定したアプリケーションを停止する。
【0088】
本実施例では、優先度2以下のアプリケーションであるtelnetd、httpd、ftpdを停止するものとし、優先度3以上のtv_service、routing_service、wlan_serviceは停止しないものとする。なお、停止は、例えばkillコマンドのようなプロセス停止する機能を使用することにより停止する。現在動作するアプリケーションで通信を伴うものを選定して一部停止することにより、特定のアプリケーションが緊急電話の通信を阻害することを防ぐことが可能になる。
【0089】
2)CPUアサイン変更手段
次に、CPUアサイン変更手段に関して記載する。
前提としてHGWは、複数のCPUを所有したマルチプロセッサで構成されているものとする。更にHGWは、CPU Affinityの設定を変更することにより、各アプリケーション(プロセス)やスレッド単位で使用するCPUを指定する機能を有しているものとする。通常アプリケーションは複数のCPUを効率的に使用できるように複数のCPUと紐づけられている。しかし、その場合特定のCPUが過負荷状態になった場合に一時的に通信をロスすることなどにより阻害されてしまう可能性がある。
【0090】
本実施例では、CPUが4Coreの構成において、CPUアサイン変更手段115により通信抑制を行う場合の例を
図14に示す。
図14に示した通り、通常時は全アプリケーションがCPU0からCPU3のすべてのCPUを使っているが、緊急電話を検出した場合に、CPU3をVoIPアプリケーションが占有するようにCPU Affinityの設定を変更することにより切り替えを動的に行うことが可能となる。通常時は、リソースの有効活用及び負荷分散のためすべてのCPUを使うが、緊急電話時のみVoIPが使用しているCPUをVoIPアプリケーションが占用することにより、VoIP通話が他アプリケーションの動作により阻害されることを防ぐことが可能となる。
【0091】
3)シェーピングによるLAN通信抑制手段
次に、シェーピングによるLAN通信抑制手段について説明する。
前提条件として、HGWはHardware Offloading機能を有しているものとし、ハードウエア制御によるシェーピング機能を有しているものとする。本実施例におけるHardware Offloading機能及びシェーピング機能のイメージ図を
図15に記載する。
【0092】
図15には、ソフトウエアによる転送のフロー(SWパスフローと記載)と、VoIP通信による転送のフロー(VoIPフローと記載)と、Hardware Offloading機能による転送のフロー(HWパスフローと記載)を記載している。宅内のLAN端末を接続するLAN Port及び上位回線を接続するWAN Port間の通信を行う際にハードウエアの制御部(HW制御部と記載)を経由するものとする(
図15における152及び154)。なお、シェーピング機能はHW制御部で行うものとする。SWパスフローでは、ソフトウエア制御による転送を行うため、CPUを経由してLAN端末とインターネット間での通信を行う(157)。
【0093】
VoIPフローでは、ソフトウエア制御による転送を行うため、CPUを経由してHGWとインターネット間での通信を行う(158)。HWパスフローでは、ハードウエア側の制御で転送を行い、CPUを経由せずにLAN端末とインターネット間での通信を行う(156)。
図15にはシェーピング実施個所を示している。通常ソフトウエア転送制御において廃棄する場合は、ソフトウエア制御により廃棄を行うため、大量にフレーム廃棄を伴う場合は、CPUに対する負荷も高くなり過負荷状態になる。
【0094】
しかし本実施例では、CPUに送信する前段のHW制御部(LAN)(152)でシェーピング機能を行うことにより、ソフトウエア制御による廃棄を伴わずハードウエア側の制御によりシェーピングを行うため、CPU負荷を大幅に軽減することが可能となる。
通常時は、基本的にシェーピングを実施しないが、緊急電話を検出した場合に、CPUへの通信に対してシェーピング設定を動的に行うことにより、緊急電話中のみLAN端末から送信される端末からの負荷を軽減することが可能となる。
【0095】
[効果の説明]
本実施例のHGWにおける第1の効果は、VoIP通話時の内部アプリケーションによるCPU負荷軽減である。その理由は、本実施例によるアプリケーション抑制手段やCPUアサイン変更手段により、HGWがVoIP通話時に、他のアプリケーションが動作することによるCPUへの影響を大幅に軽減することが可能になるからである。第2の効果は、VoIP通話時の外部端末による負荷軽減である。その理由は、本実施例によるシェーピングによるLAN通信抑制手段により、HGWがVoIP通話時に、LAN側端末からの過剰な通信負荷があった場合にCPUに対する負荷を大幅に軽減することが可能になるからである。
【0096】
[他の実施例]
図16に本発明における他の実施例の構成を記載する。
図16における本実施例は、
図9における実施例とは緊急電話宛先及び停止アプリケーションを変更できる点が異なる。
図16を参照すると、HGWにおけるデータ処理装置101と、HGWにおける情報を記憶する記憶装置102とを含む。
【0097】
データ処理装置101は、VoIP発信手段111、緊急電話判断手段112、停止アプリケーション選定手段113、アプリケーション制御手段114、CPUアサイン変更手段115、シェーピング実施手段116、緊急電話登録手段117、停止アプリケーション変更手段118を備えている。本実施例は、
図9における実施例とは緊急電話登録手段117、停止アプリケーション変更手段118が追加されている点が異なる。
【0098】
VoIP発信手段111、緊急電話判断手段112、停止アプリケーション選定手段113、アプリケーション制御手段114、CPUアサイン変更手段115、シェーピング実施手段116は、
図9における実施例と同等のため説明を省略する。
【0099】
緊急電話登録手段117は、ユーザが指定した電話番号を緊急電話番号記憶領域121に登録を行う。
【0100】
停止アプリケーション変更手段118は、アプリケーション優先度記憶領域122に登録されている一部のアプリケーションの動作優先度をユーザの指定に従い変更を行う。
【0101】
記憶装置102は、緊急電話番号記憶領域121、アプリケーション優先度記憶領域122を備えている。
【0102】
緊急電話番号記憶領域121、アプリケーション優先度記憶領域122は、
図9における実施例と同等のため説明を省略する。
【0103】
次に、
図17~
図20を参照して具体例を用いて本発明の実施例の動作について説明する。前提として、HGWはユーザに各種設定を行うためのGraphical User Interface(以降GUIと記載)を搭載しているものとし、HGWに接続しているパーソナルコンピュータやタブレットなどのブラウザ操作により、Hyper Text Transfer Protocol(以降HTTPと記載)などのプロトコルで各種設定を行うことができるものとする。
【0104】
図17は、HGWのGUIにおける緊急電話登録手段117の設定画面イメージを説明するための図である。ユーザは、HGWに接続した端末のブラウザを操作して緊急宛先―1に「09012345678」を入力し設定ボタンを押下したものとする。HGWは緊急電話登録手段117により、ユーザから指定された緊急宛先―1から緊急宛先―3の電話番号を緊急電話番号記憶領域121に登録を行う。
【0105】
図18は、本実施例における緊急電話番号記憶領域121のイメージを説明するための図である。本実施例では、システムで予め登録した緊急電話番号をSystem Reserved table に、ユーザが指定した緊急電話番号をUser Defined table に登録を行うものとする。本実施例では、ユーザから緊急宛先―1に「09012345678」の登録指示があったため、HGWは緊急電話登録手段117によりUser Defined tableの No.1に「09012345678」の登録を行う。なお本実施例では指定はしていないが、緊急宛先―2はNo.2、緊急宛先―3はNo.3に登録するものとする。
【0106】
本実施例のように、ユーザが定義した電話番号においても緊急電話として扱うことが可能となり、緊急電話同様に他の通信の影響を抑制して、音声品質の劣化を軽減することが可能となる。
【0107】
図19は、HGWのGUIにおける停止アプリケーション変更手段118の設定画面イメージを説明するための図である。
図20はアプリケーション優先度記憶領域122のイメージを説明するための図である。
【0108】
本実施例では、停止対象のアプリケーションの一部をユーザが変更可能とし、本実施例では、routing_serviceはインターネットサービス、wlan_serviceは無線サービス、tv_serviceはTVサービスと対応しているものとする。ユーザは、HGWに接続した端末のブラウザを操作して緊急電話時のサービス設定を行う。
【0109】
本実施例では、ユーザがインターネットを有効、無線を有効、TVを無効で指定し、設定ボタンを押下したものとする。HGWは停止アプリケーション変更手段118により、アプリケーション優先度記憶領域122のユーザが指定したアプリケーションの優先度の変更を行う。
【0110】
本実施例では、インターネットサービスは有効を指定されたため、routing_serviceの優先度を「3」に、無線サービスは有効を指定されたためwlan_serviceの優先度を「3」に、TVサービスは無効を指定されたためtv_serviceの優先度を「2」に変更を行うものとする
【0111】
次に、本実施例の緊急電話時のフローに関して説明する。
図16における実施例の構成でも、
図1の実施例と同様に、
図10のフローチャートの通り処理を行うものとする。
【0112】
始めに、ユーザがHGWに接続された電話機を操作してVoIPによる発信を行うものとする。この時、ユーザは電話番号「09012345678」に発信したものとする。HGWは電話機からの発信がされた場合、VoIP発信手段111により指定された電話番号に対してSIPプロトコルによりVoIPの発信を行う(
図10のステップS1001)。本実施例では、VoIPの発信時に送信されるSIPプロトコルのINVITEフレームのRequest-URIを解析し、HGWが送信する電話番号宛先の情報(本実施例では、「09012345678」)を取得する。
【0113】
図10のステップS1001において、HGWは緊急電話番号記憶領域121に登録されている緊急電話番号の情報を参照し、ユーザが発信した電話番号宛先が、緊急電話番号リストに該当する番号があるかチェックを行う(
図10のステップS1002)。
図10のステップS1002において、本実施例では、ユーザは「09012345678」の電話番号に発信しているため、緊急電話番号記憶領域121に登録されている緊急電話番号と一致するため、次にステップS1003の処理を行う。ステップ1003において、以下の通信抑制を行うものとする。
1)アプリケーション抑制手段
2)CPUアサイン変更手段
3)シェーピングによるLAN通信抑制手段
【0114】
本実施例では、各通信抑制方法をすべて実施することにより、緊急電話時の負荷軽減を行うものとするが、一部の抑制方法を選択して使用することも可能とする。また、GUIにより各通信抑制方法の有効無効の切り替えを許可してもよい。VoIP通話が終了した場合に、通話を終了した端末からSIPプロトコルのBYEフレームが送信される。本装置では、BYEフレームを送信又は受信した際に、通信抑制を解除する(ステップS1004)。通信抑制した各機能を通常起動するのと同じ手段にて再度設定又はアプリケーション起動することにより、通信抑制の解除を行うものとする。
【0115】
1)アプリケーション抑制手段
アプリケーションを抑制手段では、停止アプリケーション選定手段113により、抑制するアプリケーションを決定する。優先度、状態に関しては、
図9における実施例と同等のため説明を省略する。本実施例では、優先度2以下のアプリケーションであるtv_service、telnetd、httpd、ftpdを停止するものとし、優先度3以上のrouting_service、wlan_serviceは停止しないものとする。なお、停止は、例えばkillコマンドのようなプロセス停止する機能を使用することにより停止する。
【0116】
本実施例では、tv_service、routing_service、wlan_serviceの停止可否をユーザが指定することが可能となるため、ユーザが意図しないアプリケーションの停止を抑制することが可能となる。また、現在動作するアプリケーションで通信を伴うものを一部停止することにより、緊急電話の通信を阻害しないようにすることが可能になる。
【0117】
2)CPUアサイン変更手段
CPUアサイン変更手段に関しては、
図9における構成の実施例と同等のため説明を省略する。
【0118】
3)シェーピングによるLAN通信抑制手段
シェーピングによるLAN通信抑制手段に関しては、
図9における構成の実施例と同等のため説明を省略する。
【0119】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[形態1]
上述の第一の視点に係る通信装置のとおりである。
[形態2]
特定のアプリケーションソフトウエアのリストを保持する特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部と、実行中のアプリケーションソフトウエアが特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部に含まれるか否かの判断を行う第2の判断部と、を更に有し、制御部は、第1の判断部、及び第2の判断部、のそれぞれの判断結果に応じて、実行するアプリケーションソフトウエアの制御を行う、好ましくは形態1の通信装置。
[形態3]
制御部は、第1の判断部の判断結果が、通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが特定通信先保持部に含まれるとの結果である場合、かつ、第2の判断部の判断結果が、実行中のアプリケーションソフトウエアが特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部に含まれるとの結果である場合に、特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部に含まれている実行中のアプリケーションソフトウエアを停止させる、好ましくは形態2の通信装置。
[形態4]
特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部は更に、特定のアプリケーションソフトウエアと、アプリケーションソフトウエア実行の優先度であるアプリケーションソフトウエア優先度と、を関連付けて保持し、制御部は、アプリケーションソフトウエア優先度に基づいて実行中のアプリケーションソフトウエアを停止させる、好ましくは形態3の通信装置。
[形態5]
制御部は、アプリケーションソフトウエア優先度が所定の値よりも低い実行中のアプリケーションソフトウエアを停止させる、好ましくは形態4の通信装置。
[形態6]
アプリケーションソフトウエア優先度を受付けるアプリケーションソフトウエア優先度受付部を更に有し、特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部は、アプリケーションソフトウエア優先度受付部が受付けた優先度を更新して保持する、好ましくは形態4又は5の通信装置。
[形態7]
制御部は、第1の判断部の判断結果が、通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが特定通信先保持部に含まれるとの結果である場合、特定のアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源を所定の割合で専有させる、好ましくは形態1の通信装置。
[形態8]
制御部は、映像通信又は音声通信に関するアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源を所定の割合で専有させる、好ましくは形態7の通信装置。
[形態9]
複数のCPUを備え、制御部は、複数のCPUの内、少なくとも一のCPUを、特定のアプリケーションソフトウエアに専有させて実行させる、好ましくは形態8の通信装置。
[形態10]
特定のアプリケーションソフトウエアは、VoIPアプリケーションソフトウエアである、好ましくは形態7から9のいずれか一の通信装置。
[形態11]
制御部は、特定のアプリケーションソフトウエアが使用するハードウエア資源の専有割合を動作中に変更することが可能な、好ましくは形態7から10のいずれか一の通信装置。
[形態12]
制御部は、第1の判断部の判断結果が、通信先IDと同一の又は対応する特定通信先IDが特定通信先保持部に含まれるとの結果である場合、音声又は映像を取り扱うアプリケーションソフトウエア以外による通信の帯域制限を行う、好ましくは形態1の通信装置。
[形態13]
制御部は、VoIPアプリケーションソフトウエア以外による通信の帯域制限を行う、好ましくは形態12の通信装置。
[形態14]
制御部は、通信の帯域制限を、制限を超過した通信データを記憶域によりバッファリングすることで実行する、好ましくは形態13の通信装置。
[形態15]
制御部は、通信の帯域制限を、制限を超過した通信データを破棄することで実行する、好ましくは形態14の通信装置。
[形態16]
制御部は、通信の帯域制限のために、ソフトウエア資源を用いて実行されていた処理を、ハードウエア資源を用いて代行する、好ましくは形態14又は15の通信装置。
[形態17]
制御部は、通信の帯域制限を、通信の動作中に実行することの可能な、好ましくは形態12から16のいずれか一の通信装置。
[形態18]
通信装置はホームゲートウエイ装置である好ましくは形態1から17のいずれか一の通信装置。
[形態19]
上述の第二の視点に係る通信方法のとおりである。
[形態20]
上述の第三の視点に係るプログラムのとおりである。
なお、形態19及び20は、形態1と同様に、形態2~形態18に展開することが可能である。
【0120】
引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、更にその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想に従って当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0121】
10 :通信装置
11 :特定通信先保持部
12 :通信先ID取得部
13 :第1の判断部
14 :制御部
15 :特定アプリケーションソフトウエアリスト保持部
16 :第2の判断部
61 :CPU
62 :メモリ
63 :入出力インタフェース
64 :NIC
65 :内部バス
100:HGW
101:データ処理装置
102:記憶装置
111:VoIP発信手段
112:緊急電話判断手段
113:停止アプリケーション選定手段
114:アプリケーション制御手段
115:CPUアサイン変更手段
116:シェーピング実施手段
117:緊急電話登録手段
118:停止アプリケーション変更手段
121:緊急電話番号記憶領域
122:アプリケーション優先度記憶領域