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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019773
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】直動装置及び施錠装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 19/02 20060101AFI20250131BHJP
   E05B 71/00 20060101ALI20250131BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
F16H19/02 Z
E05B71/00 K
E05B47/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123579
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 好徳
(72)【発明者】
【氏名】八重口 公一
(72)【発明者】
【氏名】小畑 泰敏
(72)【発明者】
【氏名】今井 悠
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA01
3J062AB02
3J062AC07
3J062BA11
3J062CA00
(57)【要約】
【課題】構造を簡略化する。
【解決手段】直動装置は、第1の位置と第2の位置との間で直動可能に形成される直動部材と、前記直動部材を前記第1の位置に向かう方向に付勢する付勢部材と、第1回動部材とを備える。前記直動部材は、前記第1回動部材が第1の方向に回動することにより、前記第1の位置から前記第2の位置に移動するとともに、前記第1回動部材が前記第1の方向に回動することに伴い、前記第2の位置から前記第1の位置に移動する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の位置と第2の位置との間で直動可能に形成される直動部材と、
前記直動部材を前記第1の位置に向かう方向に付勢する付勢部材と、
第1回動部材と、
を備え、
前記直動部材は、前記第1回動部材が第1の方向に回動することにより、前記第1の位置から前記第2の位置に移動するとともに、前記第1回動部材が前記第1の方向に回動することに伴い、前記第2の位置から前記第1の位置に移動する、
直動装置。
【請求項2】
前記直動部材が前記第1の位置にある状態において、前記第1回動部材は第1の角度に位置し、
前記第1回動部材は、前記第1の角度から第2の角度に向かって、前記第1の方向に回動し、
前記第1回動部材は、前記第2の角度で静止することにより、前記直動部材を前記第2の位置に固定させ、
前記第1回動部材が前記第2の角度から前記第1の方向に回動することに伴い、前記直動部材は前記第2の位置から前記第1の位置に移動する、
請求項1に記載の直動装置。
【請求項3】
前記第1回動部材は、前記直動部材の一部と、前記直動部材が直動する方向において当接する突出部を備え、
前記直動部材の一部の幅は、前記第1回動部材の突出部のピッチ円直径以上である、
請求項1に記載の直動装置。
【請求項4】
前記第1回動部材を、前記突出部が前記直動部材の一部と当接しない位置に移動させる移動部材をさらに備える、請求項3に記載の直動装置。
【請求項5】
前記第1回動部材を回動させるモータと、
前記モータを制御する制御装置と、
前記モータに電力を供給する電源を備え、
前記制御装置は前記電源から前記モータへの電力の供給の開始信号と停止信号のみを出力する、
請求項1に記載の直動装置。
【請求項6】
前記直動部材を前記第2の位置に向かう方向に押圧する第2回動部材を備える、請求項1に記載の直動装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1つに記載の直動装置と、
前記直動部材の前記第1の位置と前記第2の位置との間の遷移に対応して、施錠状態と開錠状態とを切り替える施錠部材と、
を備える施錠装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直動装置及び施錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車等に用いられるロック構造において、モータの回転により、ロッキング可能状態とロッキング不可状態とを切り替える技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-11708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術においては、ロッキング状態(施錠状態)からロッキング解除状態(開錠状態)に移行する場合と、ロッキング可能状態からロッキング不可状態に移行する場合とで、モータの回転方向を反転させている。かかる構成によれば、モータの回転方向を反転させる制御のために、駆動回路等が複雑化する場合がある。
【0005】
一つの側面では、構造を簡略化できる直動装置及び施錠装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様において、直動装置は、第1の位置と第2の位置との間で直動可能に形成される直動部材と、前記直動部材を前記第1の位置に向かう方向に付勢する付勢部材と、第1回動部材とを備える。前記直動部材は、前記第1回動部材が第1の方向に回動することにより、前記第1の位置から前記第2の位置に移動するとともに、前記第1回動部材が前記第1の方向に回動することに伴い、前記第2の位置から前記第1の位置に移動する。
【0007】
一つの態様によれば、構造を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態における直動装置の動作の一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態における直動装置の一例を示す分解斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態におけるカンヌキの一例を示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態における直動装置の内部構造の一例を示す拡大斜視図である。
図5図5は、第1の実施形態における直動装置の動作の一例を示す側面図である。
図6図6は、第1の実施形態における直動装置の状態遷移の一例を示す側面図である。
図7図7は、第1の実施形態におけるカンヌキ及び第1ロータの状態遷移の一例を示す断面図である。
図8図8は、第1の実施形態における第2ロータの動作の一例を示す斜視図である。
図9図9は、第1の実施形態におけるキーボックスの一例を示す背面斜視図である。
図10図10は、第1の実施形態におけるキーボックスの一例を示す正面斜視図である。
図11図11は、第1の実施形態における施錠装置の動作の一例を示す側面図である。
図12図12は、第1の実施形態における直動装置の手動操作における動作の一例を示す斜視図である。
図13図13は、第1の実施形態における直動装置の手動操作状態の一例を示す側面図である。
図14図14は、第2の実施形態におけるサークル錠の一例を示す側面図である。
図15図15は、第3の実施形態におけるバッテリ錠の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願の開示する直動装置及び施錠装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0010】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態における直動装置について、図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態における直動装置の動作の一例を示す斜視図である。図1に示すように、第1の実施形態における直動装置1は、第1ケース10と、第2ケース20と、カンヌキ60とを備える。第1ケース10と第2ケース20とは、筐体100を形成する。なお、カンヌキ60は、直動部材の一例である。
【0011】
図1に示すように、筐体100には、カンヌキ60が突出する開口106と、配線99が挿通される貫通孔109とが形成される。図1に示すように、配線99は、バッテリ800及び制御装置900に接続される。なお、以下の各図面において、説明を分かりやすくするために、カンヌキ60が筐体100から突出する方向をX軸における正方向とし、第1ケース10が第2ケース20に対して配置される方向をY軸における正方向とし、配線99が筐体100から突出する方向をZ軸における正方向とする座標系を図示する場合がある。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0012】
直動装置1は、カンヌキ60がX軸方向に直動することにより、図1に示すように、筐体100の開口106からカンヌキ60がX軸における正方向側に突出した状態(a)と、カンヌキ60がX軸における負方向側に移動して、筐体100内に収容された状態(c)との間で遷移する。すなわち、第1の実施形態におけるカンヌキ60は、図1の状態(a)に示す第1の位置と、状態(c)に示す第2の位置との間で直動可能に形成される。
【0013】
例えば、カンヌキ60は、図2に示すコイルバネ6によってX軸における正方向側に押圧されることにより、開口106から突出する。また、カンヌキ60は、図2に示す第1ロータ50がモータ3と連動して回動することにより、X軸における負方向側に押圧され、筐体100内に収容される。図2は、第1の実施形態における直動装置の一例を示す分解斜視図である。図2に示すように、第1ケース10と第2ケース20とはパッキン2により防水性が担保された状態で、ネジ13により固定されることにより、筐体100を形成する。
【0014】
第1の実施形態において、第1ロータ50によりカンヌキ60がX軸における負方向側に押圧される場合を除き、カンヌキ60は、コイルバネ6によりX軸における正方向側に押圧され、図1の状態(a)に示す第1の位置に固定される。以下において、直動装置1の動作を、図1の状態(a)を初期状態として説明する。
【0015】
図2に示すように、筐体100には、モータ3と、ギアユニット40と、第1ロータ50と、カンヌキ60と、コイルバネ6と、センサ90と、第2ロータ120と、シリンダ130とが収容される。第2ロータ120及びシリンダ130については、後に詳しく説明する。なお、第1ロータ50は、第1回動部材の一例であり、コイルバネ6は、付勢部材の一例である。
【0016】
センサ90は、カンヌキ60のX軸方向における位置を検出する。センサ90は、図2に示すように、接触部91と、センサ基板92とを備える。センサ90は、図1及び図2に示す配線99により、バッテリ800等の外部の電源や制御装置900等と接続される。また、センサ90は、図2に示す配線93により、モータ3と接続される。
【0017】
接触部91は、他の部材に接することでX軸方向における正方向側又は負方向側に傾き、他の部材に接していない場合、中立状態(Z軸における負方向側を向いた状態)に戻る。センサ基板92は、接触部91の傾きに基づいて、カンヌキ60のX軸方向における位置を検出する。
【0018】
バッテリ800は、モータ3に電力を供給する。制御装置900は、モータ3を制御する。より具体的には、制御装置900は、バッテリ800からモータ3への電力の供給を制御する。第1の実施形態において、制御装置900は、バッテリ800からモータ3に対する、電力の供給の開始信号と停止信号のみを出力する。
【0019】
モータ3は、センサ90に対する外部からの制御信号、又はセンサ90の検出結果に基づいて、Y軸を回転軸として回動又は停止する。第1の実施形態におけるモータ3は、例えば一方向にのみ回動するように制御され、第1ロータ50を回動させる。
【0020】
カンヌキ60は、図3に示すように、被当接面61と、突出部62と、凹部66と、フランジ67と、被当接部69と、ガイド71とを備える。図3は、第1の実施形態におけるカンヌキの一例を示す斜視図である。被当接部69については、後に詳しく説明する。
【0021】
被当接面61は、図4に示す第1ロータ50の当接部51と当接する。図4は、第1の実施形態における直動装置の内部構造の一例を示す拡大斜視図である。図4は、カンヌキ60が、第1ロータ50の当接部51により、X軸における負方向側に押圧された状態(図1に示す状態(c))を示す。なお、当接部51は、突出部の一例である。
【0022】
突出部62は、図1に示す状態(a)において、筐体100の外側に突出する部分である。凹部66には、図4に示すように、コイルバネ6が挿入される。コイルバネ6は、カンヌキ60を、X軸における正方向側、すなわち第1の位置に向かう方向に押圧する。
【0023】
フランジ67には、図3及び図4に示すように、パッキン7が装着される。これにより、カンヌキ60が開口106から筐体100の外側へ突出した状態において、開口106の防水性が担保される。ガイド71は、図2に示す第1ケース10に形成されるレール19に対して摺動することにより、カンヌキ60をX軸方向に直動可能に筐体100に収容させる。なお、以下において、パッキン7の図示を省略する場合がある。
【0024】
また、カンヌキ60は、図4に示すように、被接触部64,65をさらに備える。被接触部64,65は、後に説明するように、カンヌキ60の移動に応じて、センサ90の接触部91と接触する。
【0025】
ギアユニット40は、モータ3の回転を減速し、また回転方向を変更して、第1ロータ50に伝達する。ギアユニット40は、図2に示すフレーム49と、図4に示すウォーム41と、複数の伝達ギア42,43,44と、回転軸48とを備える。なお、図4では、図2に示すギアユニット40のフレーム49の図示を省略している。また、各図面において、ウォーム41及び伝達ギア42,43の歯の図示を省略する場合がある。
【0026】
ウォーム41は、モータ3の回転軸に装着され、Y軸を回転軸として回動する。伝達ギア42,43,44は、Z軸を回転軸として回動し、ウォーム41の回転を第1ロータ50に伝達する。
【0027】
第1ロータ50は、伝達ギア44と同一の回転軸48に装着され、伝達ギア44と連動して、Z軸を回転軸として回動する。第1ロータ50は、Z軸における正方向側に突出する当接部51を備える。当接部51は、カンヌキ60の被当接面61と、カンヌキ60が直動する方向において当接する。なお、被当接面61は、直動部材の一部の一例である。
【0028】
当接部51は、図4及び図5に示すように、カンヌキ60の被当接面61と、X軸方向において当接する。図5は、第1の実施形態における直動装置の動作の一例を示す側面図である。図5は、カンヌキ60の初期状態(図1に示す状態(a))を示す。
【0029】
カンヌキ60は、第1ロータ50によりX軸における負方向側に押圧されていない状態においては、コイルバネ6により付勢されることで、図4の矢印に示すように、X軸における正方向側に移動する。これにより、カンヌキ60は、初期状態(図6に示す状態(a))の位置に移動する。図6は、第1の実施形態における直動装置の状態遷移の一例を示す側面図である。初期状態において、カンヌキ60の突出部62は、筐体100の開口106からX軸における正方向側に突出する。なお、図6に示す破線は、筐体100の開口106の位置を示す。また、図6の状態(a)及び状態(c)においては、直動装置1の断面を図示している。
【0030】
図1及び図6の状態(a)に示す初期状態において、第1ロータ50は、図6及び図7に示すように、当接部51がX軸における正方向側に位置する状態で停止している。図7は、第1の実施形態におけるカンヌキ及び第1ロータの状態遷移の一例を示す断面図である。図7は、図6のA-A線で切断した断面を示す。なお、図6及び図7の状態(a)は、直動部材が第1の位置にある状態の一例であり、図6及び図7の状態(a)に示す第1ロータ50の角度は、第1の角度の一例である。
【0031】
初期状態において、センサ90の接触部91は、図6に示すように、カンヌキ60のX軸における負方向側の被接触部65に接触している。この場合、接触部91は、図6に示すように、X軸における正方向側に傾いた状態で停止している。なお、図6においては、センサ基板92及びその他の一部の部材の図示を省略している。
【0032】
第1の実施形態における直動装置1は、例えば図1に示す制御装置900が操作信号を受信した場合に動作する。制御装置900は、例えばカードキーやスマートフォン、スイッチ等の外部の装置(不図示)から無線信号又は有線信号を受信する。
【0033】
初期状態において、制御装置900は、操作信号を受信すると、バッテリ800から直動装置1への電力の供給開始信号を送信する。これにより、バッテリ800から配線93を介して、モータ3に電力が供給される。この場合において、モータ3が動作を開始することにより、第1ロータ50は、図6及び図7に示す初期状態(a)から、図7の破線の矢印に示す方向に回動を開始する。なお、図7の破線の矢印に示す方向は、第1の方向の一例である。
【0034】
第1ロータ50が図7の破線の矢印に示す方向に回動すると、第1ロータ50の当接部51は、カンヌキ60の被当接面61を、ブロック矢印に示す方向(X軸における負方向側)に押圧する。これに伴い、図6の状態(b)に示すように、カンヌキ60の突出部62が、筐体100の開口106の内側に収容されるように、X軸における負方向側に移動する。また、センサ90の接触部91は、カンヌキ60の被接触部65と接触しなくなることに伴い、図6(b)に示すように中立状態(Z軸における負方向側を向いた状態)に戻る。
【0035】
その後、第1ロータ50が図7の破線の矢印に示す方向にさらに回動することにより、図6の状態(c)に示すように、カンヌキ60の突出部62が、筐体100の開口106の内側に完全に収容される。
【0036】
状態(c)においては、センサ90の接触部91は、図6(c)に示すように、カンヌキ60のX軸における正方向側の被接触部64に接触することにより、X軸における負方向側に傾く。この場合において、センサ基板92は、カンヌキ60が図6の状態(c)に示す第2の位置に移動したことを検出する。その際、センサ基板92が、制御装置900に対して信号を出力することにより、制御装置900は停止信号をバッテリ800に出力する。これにより、バッテリ800からモータ3への電力の供給が停止されるので、モータ3が停止する。
【0037】
この場合において、第1ロータ50は、当接部51がX軸における負方向側に位置する状態で停止する。これにより、コイルバネ6によりX軸における正方向側に移動しようとするカンヌキ60は、被当接面61が第1ロータ50の当接部51に押圧されることにより、状態(c)に示す第2の位置で静止する。なお、図6及び図7の状態(c)に示す第1ロータ50の角度は、第2の角度の一例である。すなわち、第1ロータ50は、図6及び図7の状態(a)に示す角度から状態(c)に示す角度に向かって、図7の破線の矢印に示す方向に回動する。また、第1ロータ50は、第2の角度で静止することにより、カンヌキ60を前記第2の位置に固定させる。
【0038】
また、第1の実施形態における直動装置1は、例えば制御装置900から操作信号を受信することにより、図7に示す状態(c)から、状態(a)に示す初期状態へ復帰するために動作を開始する。その際、第1ロータ50は、図7の破線の矢印に示す方向、すなわち第1の方向に回動を開始する。
【0039】
この場合において、カンヌキ60をX軸における負方向側に押圧していた第1ロータ50の当接部51が、X軸における正方向側に移動する。これにより、カンヌキ60は、コイルバネ6の付勢力により、図7に示す状態(d)のブロック矢印に示すように、X軸における正方向側に移動する。また、センサ90の接触部91は、カンヌキ60の被接触部64と接触しなくなることに伴い、図6(d)に示すように中立状態(Z軸における負方向側を向いた状態)に戻る。
【0040】
その後、第1ロータ50が図7の破線の矢印に示す方向にさらに回動することにより、図6の状態(a)に示す初期状態に戻る。すなわち、カンヌキ60の突出部62が、筐体100の開口106から、X軸における正方向側に突出する。すなわち、第1ロータ50が第2の角度から第1の方向に回動することに伴い、カンヌキ60は第2の位置から第1の位置に移動する。
【0041】
この場合において、センサ90の接触部91は、図6(a)に示すように、カンヌキ60のX軸における正方向側の被接触部65に再び接触することにより、X軸における正方向側に傾く。この場合において、センサ基板92は、カンヌキ60が図6の状態(a)に示す第1の位置に移動したことを検出する。その際、センサ基板92が、制御装置900に対して信号を出力することにより、制御装置900は停止信号をバッテリ800に出力する。これにより、バッテリ800からモータ3への電力の供給が停止されるので、モータ3が停止する。
【0042】
第1の実施形態において、第1ロータ50は、状態(c)から状態(d)を経て状態(a)に遷移する場合においても、図7の破線の矢印に示す方向、すなわち状態(a)から状態(b)を経て状態(c)に遷移する場合と同じ方向に回動する。すなわち、カンヌキ60は、第1ロータ50が第1の方向に回動することにより、第1の位置から第2の位置に移動するとともに、第1ロータ50が第1の方向に回動することに伴い、第2の位置から第1の位置に移動する。かかる構成においては、カンヌキ60をX軸における反対の方向に移動させる場合にも、第1ロータ50を反対の方向に回動させる必要がなく、また直動装置1の動作の開始及び停止を、モータ3への電力供給のON/OFFだけで制御できるため、モータ3を制御する構造を簡略化することができる。
【0043】
この場合において、図7に示すように、被当接面61の幅W1は、第1ロータ50の当接部51のピッチ円半径(PCD)以上であればよい。また、被当接面61のY軸方向における中央位置は、第1ロータ50のY軸方向における中心軸と略同一である。かかる構成によれば、図7の状態(b)に示すように、当接部51がY軸方向における負方向側に位置する場合も、図7の状態(d)に示すように、当接部51がY軸方向における正方向側に位置する場合も、当接部51と被当接面61とを各部品の最小サイズにて当接させることができる。
【0044】
以上説明したように、第1の実施形態における直動装置1は、第1の位置と第2の位置との間で直動可能に形成される直動部材60と、直動部材60を第1の位置に向かう方向に付勢する付勢部材6と、第1回動部材50とを備える。直動部材60は、第1回動部材50が第1の方向に回動することにより、第1の位置から第2の位置に移動するとともに、第1回動部材50が第1の方向に回動することに伴い、第2の位置から第1の位置に移動する。かかる構成によれば、第1回動部材50を反対方向に回動させる必要がないため、制御回路等の構造を簡略化できる。
【0045】
また、第1の実施形態における直動装置1においては、図8に示すように、シリンダ130と連動して回動する第2ロータ120を回動させることにより、モータ3以外の方法、例えば手動によりカンヌキ60を直動させることができる。図8は、第1の実施形態における第2ロータの動作の一例を示す斜視図である。図8の状態(a)は、図6及び図7に示す初期状態(a)と同様に、第1ロータ50がX軸における正方向側に移動することに伴い、カンヌキ60が第1の位置に移動した状態を示す。この状態において、第1ロータ50の当接部51と、カンヌキ60の被当接面61とは、図7に示すようにX軸方向において当接する。
【0046】
シリンダ130は、図1に示すように、鍵穴131を備える。シリンダ130は、例えば鍵穴131に、図1に示すカギ700が挿入されることにより、Y軸を回転軸として回転する。第2ロータ120は、シリンダ130に固定されており、シリンダ130の回転と連動して、Y軸を回転軸として回転する。
【0047】
第2ロータ120は、図8に示すように、Y軸における負方向側に突出する当接部121を備える。当接部121は、図8に示すように、カンヌキ60の被当接部69と、X軸方向において当接する。
【0048】
当接部121は、第2ロータ120がシリンダ130と連動して回転することにより、カンヌキ60の被当接部69を押圧する。例えば、当接部121は、図8に示す初期状態(a)において、実線の矢印に示す方向に回転することにより、被当接部69をX軸における負方向側に押圧する。すなわち、第2ロータ120は、カンヌキ60を、第2の位置に向かう方向に押圧する。
【0049】
これにより、カンヌキ60は、図6及び図7に示す状態(c)と同様に、第2の位置に移動する。この状態において、第1ロータ50の当接部51とカンヌキ60の被当接面61とは、図7の状態(p)に示すように、X軸方向において離間している。
【0050】
第1の実施形態において、シリンダ130は、図8に示す状態(p)、すなわちカンヌキ60が第2の位置に移動した状態で回転を停止する。また、シリンダ130は、図8に示す状態(p)の実線の矢印に示す方向に力を加えている状態では、状態(p)において静止し、力を加えるのを停止した時点で、第2ロータ120は破線の矢印に示す方向に回転することにより、図8に示す初期状態(a)に復帰する。なお、第1ロータ50と同様に、第2ロータ120も、同一の方向、すなわち図8の実線の矢印に示す方向に引き続き回転することにより、カンヌキ60を図8の初期状態(a)に示す第1の位置に復帰させるような構成であってもよい。
【0051】
第1の実施形態における直動装置1は、例えば図9及び図10に示すようなキーボックス200に用いられる。図9は、第1の実施形態におけるキーボックスの一例を示す背面斜視図である。図10は、第1の実施形態におけるキーボックスの一例を示す正面斜視図である。図9及び図10に示すように、第1の実施形態におけるキーボックス200は、表ケース211と、裏ケース212と、施錠装置300とを備える。なお、施錠装置300が透過して視認されるようにするため、図9においては、裏ケース212を透明に図示しており、図10においては、表ケース211を透明に図示している。
【0052】
図10に示すように、直動装置1は、シリンダ130の鍵穴131が表ケース211からY軸における負方向側に突出するように、施錠装置300に収容される。
【0053】
第1の実施形態における施錠装置300は、直動部材の第1の位置と第2の位置との間の遷移に対応して、施錠状態と開錠状態とを切り替える。例えば、第1の実施形態におけるキーボックス200は、図11に示すように、直動装置1のカンヌキ60が突出している(第1の位置にある)状態において施錠状態(g)となり、カンヌキ60が収容されている(第2の位置にある)状態において開錠状態(h)となる。図11は、第1の実施形態における施錠装置の動作の一例を示す側面図である。図11に示すように、施錠装置300は、直動装置1と、ハウジング310と、操作軸320と、ジョイント330と、スライダ340と、アーム350と、カバープレート360と、保持プレート370と、ロックプレート390とを備える。なお、ロックプレート390は、施錠部材の一例である。
【0054】
ハウジング310は、直動装置1を収容する。ハウジング310は、土台ベース311と、ガイド312とを備える。土台ベース311は、表ケース211に固定される。
【0055】
保持プレート370は、直動装置1をハウジング310に固定する。操作軸320は、直動装置1のカンヌキ60と連動して、X軸方向に直動する。ジョイント330は、操作軸320の動作をスライダ340に伝達する。スライダ340は、ジョイント330と連動してガイド312上を直動し、アーム350をX軸方向に直動させる。なお、図9及び図11において、ガイド312はスライダ340に隠れており、視認されない。
【0056】
アーム350がX軸における負方向側に移動すると、アーム350とロックプレート390とを連結するピン351が、カバープレート360の開口361の形状に沿って、図11に示すように回転する。かかる構成により、直動装置1のカンヌキ60の直線動作が、キーボックス200の施錠装置300のロックプレート390の回転動作に変換される。
【0057】
そして、図11に示すようにピン351に連結されたロックプレート390が回転することにより、施錠装置300が施錠状態(g)から開錠状態(h)に切り替わる。開錠状態(h)においては、図11の破線に示すように、直動装置1のカンヌキ60は、筐体100に収容されている。
【0058】
また、第1の実施形態における直動装置1を施錠装置300に用いる場合、例えばバッテリ切れ等の理由により、施錠装置300の操作ができなくなる場合がある。この場合において、図6図7及び図8に示すにおける状態(a)、すなわち、図11に示す施錠状態(g)であれば、直動装置1の電動操作ができない状態においても、前述したようにシリンダ130を手動で操作することによる第2ロータ120の回動によって開錠が可能である。
【0059】
一方、図6図7及び図8における状態(a)以外の状態、すなわち、図11に示す開錠状態(h)などで直動装置1の電動操作ができなくなった場合、手動操作でカンヌキ60を動かそうとすると、例えば図12の状態(c)に示すように、第1ロータ50の当接部51が動作の妨げとなる場合がある。図12は、第1の実施形態における直動装置の手動操作における動作の一例を示す斜視図である。図12の状態(c)は、例えば図6及び図7に示す状態(c)、すなわち、図11に示す開錠状態(h)を示す。図12に示すように、状態(c)において電動操作ができなくなると、第1ロータ50の当接部51がカンヌキ60の被当接面61と当接することにより、カンヌキ60の動作を妨げる。
【0060】
そこで、第1の実施形態における直動装置1は、図2及び図12に示すように、第1ロータ50を移動させる切り替えレバー110をさらに備えてもよい。切り替えレバー110は、第1ロータ50を、Z軸における正方向側から支持する。この場合において、切り替えレバー110を、例えば図12及び図13の矢印に示すように、Z軸における負方向側に移動させることにより、第1ロータ50が、Z軸における負方向側に移動する。図13は、第1の実施形態における直動装置の手動操作状態の一例を示す側面図である。かかる状態において、第1ロータ50の当接部51は、図13に示すように、カンヌキ60の被当接面61と当接しなくなる状態(q-1)となる。すなわち、切り替えレバー110は、第1ロータ50を、当接部51がカンヌキ60の被当接面61と当接しない位置に移動させる。かかる状態において、カンヌキ60は、コイルバネ6の付勢力によりX軸における正方向側に移動することで、状態(q-1)から、図12に示す状態(r)、すなわち、施錠状態(g)に移行する。なお、切り替えレバー110は、移動部材の一例である。
【0061】
なお、第1の実施形態における第1ロータ50は、図5に示すコイルバネ119により、Z軸における正方向側に付勢されることで、当接部51が被当接面61と当接する位置に支持される。そこで、切り替えレバー110は、コイルバネ119の付勢力に対抗して、第1ロータ50の位置を固定させる突起111をさらに備えてもよい。突起111は、例えば図2に示す第1ケース10の突出部18と係合することにより、第1ロータ50を、当接部51が被当接面61と当接しない位置に固定させる。
【0062】
シリンダ130は、図1及び図2に示すように、第2ケース20に形成された開口29を介して、Y軸における負方向側に突出する。シリンダ130は、例えば鍵穴131に図示しない鍵等を挿入して操作されることにより回動する。シリンダ130の鍵穴131は、例えば図10に示すキーボックス200において、Y軸における負方向側に位置する。
【0063】
第1の実施形態における直動装置1において、第2ロータ120が図12に示す破線の矢印に示す方向に回転することにより、カンヌキ60の被当接部69が、第2ロータ120の当接部121により、X軸における負方向側に押圧される。これにより、カンヌキ60は、図12に示す状態(r)、すなわち図11に示す施錠状態(g)から、から、図12に示す状態(q-2)、すなわち図11に示す開錠状態(h)に移行する。なお、状態(q-2)は、図13に示す状態(q-1)と、第1ロータ50及びカンヌキ60の位置は同一であるが、シリンダ130及び第2ロータ120の回転角度が異なる。
【0064】
以上説明したように、第1の実施形態に示す直動装置1によれば、電動操作ができなくなった場合においても、カンヌキ60のX軸における位置にかかわらず、カギ700を用いてカンヌキ60を手動にて操作することができる。なお、カンヌキ60が、図6及び図7に示す初期状態(a)及び状態(c)以外の任意の位置にあるとき、すなわち、図11に示す開錠状態(h)と図11に示す施錠状態(g)との間での移行中に電動操作ができなくなった場合にも同様である。
【0065】
なお、切り替えレバー110を、図13に示す状態からZ軸における正方向側に移動させることにより、第1ロータ50の当接部51は、カンヌキ60の被当接面61に再び当接する。これにより、直動装置1は、手動操作状態から電動操作状態に復帰する。
【0066】
しかし、第1ロータ50とカンヌキ60とが、図12の状態(r)に示すような位置関係にある場合等において、当接部51のZ軸における正方向側の面と、カンヌキ60のZ軸における負方向側の面とが接触し、第1ロータ50がZ軸における正方向側に移動できないことがある。
【0067】
そこで、直動装置1の電動操作が可能になった場合に、制御装置900が、第1ロータ50を図7に示す状態(p)の位置まで回動させるために、電力の供給開始信号を送信するような構成であってもよい。かかる構成によれば、カンヌキ60が、X軸においてどの位置にあるかに関係なく、直動装置1を電動操作が可能な状態に復帰させることができる。
【0068】
[第2の実施形態]
また、第1の実施形態に示す直動装置1は、キーボックス200以外にも適用させることができる。例えば、直動装置1を、図14に示すようなサークル錠400に適用させてもよい。図14は、第2の実施形態におけるサークル錠の一例を示す側面図である。なお、以下の各実施形態及び各変形例において、先に説明した図面に示す部位と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0069】
図14に示すサークル錠400は、例えば図示しない自転車のホイール等を固定する。サークル錠400は、直動装置1と、本体部410と、ラッチ420と、バネ430とを備える。本体部410は、略馬蹄状に形成され、直動装置1とラッチ420とバネ430とを収容する。本体部410は、2つの開口411及び412を備える。
【0070】
ラッチ420は、略弧状に形成され、本体部410内に周方向において回動可能に収容される。ラッチ420は、反時計回り方向(図14の破線の矢印に示す方向)に移動することにより、一部が開口411から突出し、さらに開口412から先端部が本体部410に突入する。これにより、サークル錠400は図14に示す施錠状態(i)となる。また、ラッチ420が、時計回り方向(図14の実線の矢印に示す方向)に回転し、全体が本体部410に収容されることにより、サークル錠400は図14に示す開錠状態(j)となる。
【0071】
また、ラッチ420は、被係合部421と、施錠用ツマミ422とを備える。施錠用ツマミ422は、手動によりラッチ420を操作する際に用いられる。被係合部421は、例えばラッチ420の径方向における外側に形成される凹部であり、直動装置1のカンヌキ60と係合することにより、ラッチ420の移動を抑制する。なお、図14に示す被係合部421は一例であり、例えば貫通孔等であってもよい。
【0072】
バネ430は、ラッチ420を、図14のブロック矢印に示す方向に付勢する。バネ430の付勢力は、図14に示すように、ラッチ420が施錠状態(i)である場合において大きくなり、ラッチ420が開錠状態(j)である場合には小さくなる。この場合において、ラッチ420は、外部から操作されておらず、また他の部材により固定されていない場合、バネ430の付勢力により実線の矢印方向にラッチ420が移動し、開錠状態(j)に移行する。この時、施錠用ツマミ422が本体部410に設けられた壁部などに突き当たるなどによって、開錠状態を保持するストッパの役割を果たしてもよい。
【0073】
第2の実施形態においても、直動装置1のカンヌキ60は、コイルバネ6に付勢されることにより、X軸における正方向側に突出しようとする、すなわち図1の状態(a)に示す第1の位置に移動しようとする。しかし、図14に示す開錠状態(j)においては、カンヌキ60は、ラッチ420の外周面により、X軸における正方向側に突出することが抑制される。なお、開錠状態(j)において、ラッチ420の被係合部421は、周方向において直動装置1と離れたところに位置する。
【0074】
一方、ラッチ420が、例えば施錠用ツマミ422により反時計回り方向に移動する場合、周方向において、被係合部421が、直動装置1のカンヌキ60と対向する位置に移動する。この場合、カンヌキ60がX軸における正方向側に突出することで、被係合部421と係合する。これにより、ラッチ420が図14に示す施錠状態(i)で固定される。
【0075】
施錠状態(i)において、例えば制御装置900のからの操作信号に基づき、直動装置1が図1の状態(a)に示す第1の位置から、状態(c)に示す第2の位置に移動すると、カンヌキ60と被係合部421との係合が外れる。この場合、ラッチ420は、バネ430の付勢力により、図14の実線の矢印に示す方向に移動する。これにより、サークル錠400は開錠状態(j)へ移行する。すなわち、第2の実施形態において、カンヌキ60は、施錠装置を移動させるのではなく、ラッチ420を移動可能な状態と固定された状態とに切り替える。
【0076】
[第3の実施形態]
また、図15に示すように、第1の実施形態における直動装置1のカンヌキ60そのものを施錠に用いるような構成であってもよい。図15は、第3の実施形態におけるバッテリ錠の一例を示す断面図である。図15に示すバッテリ錠500は、例えば電動自転車のバッテリ600の取り外しを抑止する。
【0077】
図15の施錠状態(k)に示すように、バッテリ600がバッテリ取付部510に取りつけられた状態において、直動装置1のカンヌキ60は、X軸における正方向側に突出すると、バッテリ600に形成される被係合溝660と係合する。これにより、バッテリ600がバッテリ取付部510から取り外されることが抑制される。
【0078】
一方、図15に示す開錠状態(l)においては、第1の実施形態と同様に、直動装置1が制御装置900からの操作信号に基づき、図2に示す第2ロータ120が回転し、カンヌキ60は直動装置1の筐体100に収容される。この場合、バッテリ600が図15の矢印に示す方向に移動可能となるので、バッテリ600をバッテリ取付部510から取り外し可能となる。
【0079】
なお、図14に示すサークル錠400及び図15に示すバッテリ錠500のいずれにおいても、制御装置900からの操作信号に基づく電動操作に加えて、図15に示すようにカギ700を用いた手動操作も可能である。
【0080】
[変形例]
以上、各実施形態における構成について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、例えば、センサ90が、配線99を介して、外部の電源に接続され、また外部の制御装置900等から制御信号を受信する構成について説明したが、実施の形態はこれに限られない。例えば、筐体30内にバッテリ800や制御装置900が収容されるような構成であってもよい。
【0081】
また、カンヌキ60が、図1の状態(a)に示す第1の位置にある場合に施錠状態となり、状態(c)に示す第2の位置にある場合に開錠状態となる構成について説明したが、これに限られず、状態(a)において開錠状態となるような構成であってもよい。
【0082】
また、各実施形態又は各変形例におけるバネは付勢力を有する物であればよく、ゴム等のその他の弾性体であってもよい。
【0083】
また、図1に示すように、開口106は第1ケース10及び第2ケース20にそれぞれ形成される切り欠きを組み合わせて形成され、貫通孔109は第2ケース20に形成される切り欠きを第1ケース10の端面と組み合わせることにより形成されるが、実施の形態はこれに限られない。例えば、開口106が第2ケース20に形成される貫通孔であってもよく、貫通孔109が他の面に形成されていてもよい。また、筐体100が1つの部材により形成されていてもよく、3つ以上の部材を備えていてもよい。
【0084】
例えば開口106にシャッター等が形成されてもよい。これにより、カンヌキ60が筐体100内に収容された状態においても、筐体100内の防水性を担保できる。
【0085】
また、直動装置1が、図6及び図7に示す状態(c)において、制御装置900から操作信号を受信した場合に、状態(a)へ復帰するための動作を開始する構成について説明したが、実施の形態はこれに限られない。例えば、制御装置900がタイマ機能を保持しており、状態(c)に移行後、所定の時間が経過した場合に、状態(a)への復帰動作を開始させるような構成であってもよい。これにより、施錠装置における閉め忘れを防止できる。
【0086】
また、バッテリ800は電源の一例であり、第3の実施形態におけるバッテリ600や、外部の交流電源等からモータ3に電力が供給されてもよい。
【0087】
以上、本発明を各実施形態及び各変形例に基づき説明したが、本発明は各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能であることも言うまでもない。そのような要旨を逸脱しない範囲での種々の変更を行ったものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0088】
1 直動装置、2,7 パッキン、3 モータ、6 コイルバネ、10 第1ケース、13 ネジ、20 第2ケース、30 筐体、40 ギアユニット、41 ウォーム、42,43,44 伝達ギア、48 回転軸、49 フレーム、50 第1ロータ、51 当接部、60 カンヌキ、61 被当接面、62 突出部、64,65 被接触部、66 凹部、67 フランジ、69 被当接部、71 ガイド、90 センサ、91 接触部、92 センサ基板、93,99 配線、100 筐体、106 開口、109 貫通孔、110 切り替えレバー、120 第2ロータ、121 当接部、130 シリンダ、131 鍵穴、200 キーボックス、300 施錠装置、400 サークル錠、500 バッテリ錠、600,800 バッテリ、700 カギ、900 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15