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特開2025-19789情報管理システム、および、情報管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019789
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】情報管理システム、および、情報管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0633 20230101AFI20250131BHJP
【FI】
G06Q10/0633
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123609
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊也
(72)【発明者】
【氏名】高原 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】山根木 明子
(72)【発明者】
【氏名】高柳 佳幸
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】 作業エリアにおける車両に関する情報を収集できる情報管理システムおよび情報管理方法を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、情報管理システムは、カメラと画像処理部と制御部とを有する。カメラは、車両が走行する作業エリアにおける所定の撮影範囲を撮影する。画像処理部は、表示器が車両に対応する所定の表示面に表示する車両に関する情報をコード化したコード画像をカメラが撮影する撮影画像から検出し、撮影画像から検出したコード画像が示す情報を認識する。制御部は、画像処理部によりコード画像から認識した情報を車両に関する情報として出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する作業エリアにおける所定の撮影範囲を撮影するカメラと、
表示器が前記車両に対応する所定の表示面に表示する前記車両に関する情報をコード化したコード画像を前記カメラが撮影する撮影画像から検出し、前記撮影画像から検出したコード画像が示す情報を認識する画像処理部と、
前記画像処理部により前記コード画像から認識した情報を前記車両に関する情報として出力する制御部と、
を有する情報管理システム。
【請求項2】
前記コード画像は、当該車両の識別情報と当該車両の運転者を示す情報とを含む情報をコード化した画像である、
請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記撮影画像の撮影範囲と前記撮影画像における車両の位置とに基づいて前記作業エリアにおける前記車両の位置を特定し、
前記制御部は、前記画像処理部が特定した前記作業エリアにおける前記車両の位置を示す情報と前記コード画像から認識した情報とを含む情報を出力する、
請求項2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
さらに、前記制御部が出力する情報を記憶装置に記憶する管理装置を有する、
請求項3に記載の情報管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記記憶装置に記憶した情報を車両ごとに収集した情報に基づく車両ごとの稼働状況を示す情報を前記記憶装置に記憶する、
請求項4に記載の情報管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記記憶装置に記憶した情報を車両の運転者ごとに収集した情報に基づく運転者ごとの作業状況を示す情報を前記記憶装置に記憶する、
請求項4に記載の情報管理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記画像処理部が前記コード画像を検出した場合、前記コード画像が検出された撮影画像の撮影範囲に対応する位置に設置された警報器に警報を発出させる、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報管理システム。
【請求項8】
作業エリアを走行する車両に対応する所定の表示面に前記車両に関する情報をコード化したコード画像を表示する表示器と、
前記作業エリアにおける所定の撮影範囲を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影する撮影画像からコード画像を検出し、前記撮影画像から検出したコード画像が示す情報を認識する画像処理部と、
前記画像処理部により前記コード画像から認識した情報を前記車両に関する情報として出力する制御部と、
を有する情報管理システム。
【請求項9】
前記表示器は、前記所定の表示面に前記コード画像を投影するプロジェクタである、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報管理システム。
【請求項10】
作業エリアを走行する車両に対応する所定の表示面に前記車両に関する情報をコード化したコード画像を表示器により表示し、
前記作業エリアにおける所定の撮影範囲をカメラにより撮影し、
前記カメラが撮影する撮影画像から前記コード画像を検出し、
前記撮影画像から検出した前記コード画像が示す情報を認識し、
前記コード画像から認識した情報を前記車両に関する情報として出力する、
を有する情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報管理システムおよび情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場などの作業エリア内を走行するフォークリフトなどの車両は、安全が最優先となるように運用される。仮に、工場などの作業エリアにおいて事故が発生すると、直接的な被害だけでなく、検証および再発防止対策などのためのダウンタイムが発生することで生産性の低下を招く。このため、作業エリア内においてフォークリフトなどの車両に関する情報を収集することにより車両の運行を監視するシステムが要望されている。従来の技術としては、工場の天井などに設置される照明装置とカメラとが一体的に構成されるカメラ付き照明装置を用いてカメラの撮影範囲内に存在する人物や車両を検出することができるシステムが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-56585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムでは、天井などに設置したカメラで撮影した撮影画像から車両を検出することはできても当該車両に関する情報を収集することは難しい。例えば、二次元コードなどの技術を適用すれば、車両に固有な情報をコード化したコード画像を印刷した媒体を車両の車体(本体)に貼り付けることにより車体に固定したコード画像を天井に設置したカメラで撮影し、カメラの撮影画像からコード画像を示す情報を認識することが考えられる。しかしながら、車両の車体に固定したコード画像は、大きさなどの表示状態を変更することができないため、天井に設置したカメラではコード画像を示す情報を認識し難くなることがあるという問題がある。また、車両に固定したコード画像は、容易に変更することができないため、車両に固有の情報以外の情報を表示することが容易ではないという問題もある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、作業エリアにおける車両に関する情報を収集できる情報管理システムおよび情報管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、情報管理システムは、カメラと画像処理部と制御部とを有する。カメラは、車両が走行する作業エリアにおける所定の撮影範囲を撮影する。画像処理部は、表示器が車両に対応する所定の表示面に表示する車両に関する情報をコード化したコード画像をカメラが撮影する撮影画像から検出し、撮影画像から検出したコード画像が示す情報を認識する。制御部は、画像処理部によりコード画像から認識した情報を車両に関する情報として出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業エリアにおける車両に関する情報を収集できる情報管理システムおよび情報管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報管理システムの構成例を概略的に説明するための図である。
図2図2は、実施形態に係る情報管理システムにおける表示器としてのプロジェクタが車両の屋根にコード画像を表示する構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報管理システムにおける表示器としてのプロジェクタが車両の近傍の床にコード画像を表示する構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報管理システムにおけるカメラとしてのカメラ付き照明装置の配置例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報管理システムにおける各装置の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る情報管理システムにおける表示器としてのプロジェクタの構成例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係る情報管理システムにおけるカメラ付き照明装置の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態に係る情報管理システムにおける管理装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
図9図9は、実施形態に係る情報管理システムにおける端末装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
図10図10は、実施形態に係る情報管理システムにおける端末装置がプロジェクタに表示させるコード画像を作成する処理の例を説明するためのフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る情報管理システムにおける表示器としてのプロジェクタがコード画像を表示する動作例を説明するためのフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る情報管理システムにおけるカメラを含むカメラ付き照明装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
図13図13は、実施形態に係る情報管理システムにおける管理装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
図14図14は、実施形態に係る情報管理システムにおける記憶装置に設ける車両に関する情報を保存するデータベースの例を示す図である。
図15図15は、実施形態に係る情報管理システムにおける記憶装置に設ける車両ごとの稼働状況を示す情報を格納するデータテーブルの例を示す図である。
図16図16は、実施形態に係る情報管理システムにおける記憶装置に設ける運転者ごとの運転状況を示す情報を格納するデータテーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の情報管理システム(1)は、カメラ(46)と画像処理部(45)と制御部(41)とを有する。カメラ(46)は、車両が走行する作業エリアにおける所定の撮影範囲を撮影する。画像処理部(45)は、表示器(12)が車両に対応する所定の表示面に表示する車両に関する情報をコード化したコード画像をカメラ(46)が撮影する撮影画像から検出し、撮影画像から検出したコード画像が示す情報を認識する。制御部(41)は、画像処理部(45)によりコード画像から認識した情報を車両に関する情報として出力する。これにより、実施形態の情報管理システム(1)は、作業エリアにおける車両に対応する所定の表示面に表示されたコード画像をカメラ(46)が撮影でき、コード画像が示す車両に関する情報をカメラ(46)が撮影する撮影画像から取得できる。この結果、作業エリアを走行する車両に関する情報を容易に収集することができる。
【0010】
実施形態の情報管理システム(1)は、前記コード画像が当該車両の識別情報と当該車両の運転者を示す情報とを含む情報をコード化した画像である。これにより、実施形態の情報管理システム(1)は、車両に対応する所定の表示面に表示されたコード画像から車両の識別情報と車両の運転者の識別情報とをカメラが撮影する撮影画像から取得できる。
【0011】
実施形態の情報管理システム(1)は、前記画像処理部(45)が前記撮影画像の撮影範囲と前記撮影画像における車両の位置とに基づいて前記作業エリアにおける前記車両の位置を特定し、前記制御部(41)が前記画像処理部が特定した前記作業エリアにおける前記車両の位置を示す情報と前記コード画像から認識した情報とを含む情報を出力する。これにより、実施形態の情報管理システム(1)は、車両に対応する所定の表示面に表示されたコード画像が示す情報だけでなく、車両の位置を示す情報もカメラ(46)が撮影する撮影画像から取得できる。
【0012】
実施形態の情報管理システム(1)は、さらに、前記制御部(41)が出力する情報を記憶装置(52)に記憶する管理装置(15)を有する。これにより、実施形態の情報管理システム(1)は、カメラ(46)が撮影する撮影画像から取得した情報を記憶装置(52)に保存することができる。
【0013】
実施形態の情報管理システム(1)は、前記管理装置(15)が前記記憶装置(52)に記憶した情報を車両ごとに収集した情報に基づく車両ごとの稼働状況を示す情報を前記記憶装置(52)に記憶する。これにより、実施形態の情報管理システム(1)は、カメラ(46)が撮影する撮影画像から取得した情報を車両ごとの稼働状況を示す情報として保存でき、車両ごとの稼働状況を評価することができる。
【0014】
実施形態の情報管理システム(1)は、前記管理装置(15)が前記記憶装置(52)に記憶した情報を車両の運転者ごとに収集した情報に基づく運転者ごとの作業状況を示す情報を前記記憶装置(52)に記憶する。これにより、実施形態の情報管理システム(1)は、カメラ(46)が撮影する撮影画像から取得した情報を運転者ごとの作業状況を示す情報として保存でき、運転者ごとの作業状況を評価することができる。
【0015】
実施形態の情報管理システム(1)は、前記制御部(41)が、前記画像処理部(45)が前記コード画像を検出した場合に前記コード画像が検出された撮影画像の撮影範囲に対応する位置に設置された警報器(14)に警報を発出させる。これにより、実施形態の情報管理システム(1)は、カメラ(46)が撮影する撮影画像から車両に対応するコード画像を検出した場合に警報を発することができ、作業エリアにおける安全性を向上させることができる。
【0016】
実施形態の情報管理システム(1)は、表示器(12)とカメラ(46)と画像処理部(45)と制御部(41)とを有する。表示器(12)は、作業エリアを走行する車両に対応する所定の表示面に前記車両に関する情報をコード化したコード画像を表示する。カメラ(46)は、前記作業エリアにおける所定の撮影範囲を撮影する。画像処理部(45)は、前記カメラ(46)が撮影する撮影画像からコード画像を検出し、前記撮影画像から検出したコード画像が示す情報を認識する。制御部(41)は、前記画像処理部(45)により前記コード画像から認識した情報を前記車両に関する情報として出力する。これにより、実施形態の情報管理システム(1)は、車両に対応する所定の表示面に表示するコード画像を容易に差替えることができ、前記コード画像が示す車両に関する情報をカメラ(46)が撮影する撮影画像から取得できる。
【0017】
実施形態の情報管理システム(1)は、前記表示器(12)が前記所定の表示面に前記コード画像を投影するプロジェクタである。これにより、実施形態の情報管理システム(1)は、車両に対応する所定の表示面に表示するコード画像を容易に差替えることができるだけでなく、表示面に表示するコード画像の表示調整も容易に実施できる。
【0018】
実施形態の情報管理方法は、作業エリアを走行する車両に対応する所定の表示面に前記車両に関する情報をコード化したコード画像を表示器(12)により表示し、前記作業エリアにおける所定の撮影範囲をカメラ(46)により撮影し、前記カメラ(46)が撮影する撮影画像から前記コード画像を検出し、前記撮影画像から検出した前記コード画像が示す情報を認識し、前記コード画像から認識した情報を前記車両に関する情報として出力する。これにより、実施形態の情報管理方法は、差し替えが容易なコード画像を車両に対応する所定の表示面に表示でき、前記コード画像が示す車両に関する情報をカメラ(46)が撮影する撮影画像から取得できる。
【0019】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る情報管理システム1は、工場などの作業エリア内を走行するフォークリフトなどの作業用の車両11に関する情報を管理するシステムである。情報管理システム1は、カメラが撮影する撮影画像から車両11に関する情報を取得し、車両11および車両11の運転者(作業者)に関する情報などを管理したり、作業エリア内における人間の安全を確保するための警報を発出したりする。
【0020】
図1は、実施形態に係る情報管理システム1の構成例を模式的に説明するための図である。また、図2は、実施形態に係る情報管理システム1全体の構成例を概略的に示すブロック図である。
図1および図2に示すように、情報管理システム1は、車両11、プロジェクタ12、カメラ付き照明装置13、警報器14、管理装置15、端末装置16および外部メモリ装置17などにより構成される。
【0021】
車両11は、作業エリア内を走行する。車両11は、運転者による運転操作に応じて作業エリア内を走行する。車両11は、自動運転又は遠隔による運転操作によって走行するものであっても良い。また、車両11は、作業エリア内を走行するだけでなく、作業エリア内を移動しながら特定の作業を実施する作業用の車両であっても良い。
【0022】
例えば、車両11は、荷物をピックアップする機能を備えるフォークリフトである。車両11としてのフォークリフトは、集積場所にある荷物をピックアップし、当該荷物の指定の移動場所へ移動し、ピックアップした荷物を指定の移動場所に載置する作業を行う。以下、実施形態において、車両11は、運転者によって運転操作されるフォークリフトであることを想定して説明するものとする。
【0023】
プロジェクタ12は、カメラ付き照明装置13のカメラが撮影可能なコード画像を表示する。プロジェクタ12は、車両11に対応づけた表示面(表示位置)にコード画像を表示する。例えば、プロジェクタ12は、車両11に搭載され、車両11の屋根などの車体面にコード画像を表示する。また、プロジェクタ12は、車両11の近傍の床面にコード画像を表示するようにしても良い。
【0024】
プロジェクタ12は、表示器の一例であり、例えば、カメラが撮影可能なコード画像を車両11に設けたディスプレイに表示する表示装置に置き換えても良い。具体的には、車両11の屋根にコード画像を表示する場合、プロジェクタ12は、車両11の屋根に設けた表示画面にカメラが撮影可能なコード画像を表示する表示装置に置き換えても良い。
【0025】
プロジェクタ12が車両11に対応づけて表示するコード画像は、当該車両11に関する情報をコード化した画像である。コード画像は、例えば、二次元コードの画像である。コード画像が示す車両に関する情報としては、車両の識別情報および車両の運転者を示す情報(運転者の識別情報)が含まれる情報である。また、コード画像が示す情報には、当該車両11に割り当てた作業内容(例えば、移動する荷物、荷物の移動場所)を示す情報を含んでも良い。例えば、プロジェクタ12は、端末装置16で生成されたコード画像を外部メモリ装置17を介して取り込む。
【0026】
カメラ付き照明装置13は、カメラを搭載した照明装置である。カメラ付き照明装置13は、作業エリアを照明するように作業エリアとなる工場内の天井などに設置される。カメラ付き照明装置13は、照明部33(図7参照)の点灯状態を制御する制御ユニット31(図7参照)だけでなく、カメラが撮影した画像を処理する画像処理部を含む制御モジュールであるモジュールカメラ32(図7参照)を備える。
【0027】
また、カメラ付き照明装置3は、通信機能を有し、ネットワークを介して管理装置15と通信する。また、カメラ付き照明装置13は、カメラが撮影する撮影範囲に対応する場所に設定された警報器14と通信するように構成しても良い。また、カメラ付き照明装置13は、撮影範囲内にあるプロジェクタ12と通信する機能を備えるようにしても良い。
【0028】
警報器14は、作業エリアの各所に設置される。警報器14は、管理装置15又はカメラ付き照明装置13からの指令に応じて警報(アラート)を発出する。警報器14は、周囲の人物に注意喚起を促すアラートを出力するものであれば良い。警報器14は、例えば、回転灯であっても良いし、ブザーを鳴動するスピーカであっても良い。
【0029】
管理装置15は、サーバ装置などの情報処理装置である。管理装置15は、ネットワークを介してカメラ付き照明装置13と通信する。管理装置15は、カメラ付き照明装置13から情報を取得し、取得した情報を記憶装置に保存して管理する。例えば、管理装置15は、カメラ付き照明装置13から取得した情報を記憶装置に設けたデータベースに保存する。また、管理装置15は、カメラ付き照明装置13などから取得した情報に基づいて作業エリア内における各車両11および車両の運転者に関する情報を集計又は分析した結果を記憶装置に保存する。また、管理装置15は、ネットワークを介して警報器14と通信するようにしても良い。この場合、管理装置15は、カメラ付き照明装置13から取得した情報に基づいて警報器14にアラートを発出させるようにしても良い。
【0030】
端末装置16は、コード画像を作成する。端末装置16は、操作部などを用いて入力される情報に基づいてコード画像を作成する。例えば、端末装置16は、コード画像を表示する車両の識別情報および当該車両を運転する運転者を示す情報を取得し、車両の識別情報および運転者を示す情報を含む情報をコード化したコード画像を作成する。端末装置16は、作成したコード画像を外部メモリ装置17に書き込む。また、端末装置16は、他の装置で作成したコード画像を取得し、取得したコード画像を外部メモリ装置17に書き込むようにしても良い。
【0031】
外部メモリ装置17は、プロジェクタ12および端末装置16が備えるメモリインターフェースに対応するインターフェースを備える。外部メモリ装置17は、端末装置16に接続した場合に端末装置16によってコード画像が書き込まれる。また、外部メモリ装置17は、プロジェクタ12に接続された場合に端末装置によって書き込まれたコード画像をプロジェクタ12に出力する。なお、情報管理システム1としては、外部メモリ装置17を介さずに、端末装置16からプロジェクタ12へコード画像を転送できるように構成しても良い。
【0032】
次に、実施形態に係る情報管理システム1におけるプロジェクタ12が車両11に対応づけた表示面(表示位置)にコード画像Cを表示するための構成例を説明する。
図3は、実施形態に係る情報管理システム1におけるプロジェクタ12が車両11の車体にコード画像Cを表示するための第1の構成例を示す図である。
図3に示す第1の構成例において、プロジェクタ12は、車両11を形成する車体の屋根11aにコード画像Cを表示する。すなわち、図3に示す第1の構成例において、車両11に対応する所定の表示面は、車両11の屋根11aの上面である。例えば、プロジェクタ12は、至近距離であってもコード画像Cを表示可能な短焦点の投影部を備える投影装置とし、車両11の屋根11aの端部に設置する。また、第1の構成例において、プロジェクタ12は、屋根11aに設けたディスプレイ(表示画面)にコード画像を表示する表示装置に置き換えても良い。
【0033】
図4は、実施形態に係る情報管理システム1におけるプロジェクタ12が車両11に近傍にコード画像Cを表示するための第2の構成例を示す図である。
図4に示す第2の構成例では、プロジェクタ12は、車両11の近傍に床面にコード画像Cを表示する。すなわち、図4に示す第2の構成例において、車両11に対応する所定の表示面は、車両11の近傍の床面である。図4に示す例では、車両11としてのフォークリフトにおける荷役用のつめ(フォーク)を前方として車両11の後方の床面にコード画像Cを投影する。コード画像Cを投影する床面は、車両11の近傍(又は車両11との対応づけられる位置)であれば良く、例えば、車両11の側方の床面にコード画像を投影しても良い。
【0034】
次に、実施形態に係る情報管理システム1におけるカメラ付き照明装置13の設置例について説明する。
図5は、実施形態に係る情報管理システム1における複数のカメラ付き照明装置13の設置例を示す図である。
図5に示すように、複数のカメラ付き照明装置13は、各カメラの撮影範囲A11~33が監視対象とする作業エリアA全体をカバーするように設置される。例えば、図5の左上に示すカメラ付き照明装置13は、カメラが撮影範囲A11における画像を撮影し、撮影画像に存在するコード画像Cを検出する。カメラ付き照明装置13は、撮影画像から検出したコード画像の認識結果を撮影範囲(検知エリア)A11に存在する車両11に関する情報として取得する。
【0035】
言い換えると、図5に示す設定例では、複数のカメラ付き照明装置13は、作業エリアAを分割した各検知エリアが撮影範囲となるように設置される。これにより、情報管理システム1としては、複数のカメラ付き照明装置13によって作業エリアA全体を撮影でき、作業エリアA全体を監視することができる。
【0036】
次に、実施形態に係る情報管理システム1における表示器としてのプロジェクタ12の構成について説明する。
図6は、実施形態に係わる情報管理システム1における表示器としてのプロジェクタ12の制御系の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、プロジェクタ12は、制御部21、記憶部22、通信部23、メモリインターフェース(I/F)24、および、投影部25などを備える。
【0037】
制御部21は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどを備える。制御部21において、プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成される。制御部21のメモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NVM(Non-Volatile Memory)などの記憶装置により構成される。制御部21は、プロセッサが制御部21内のメモリや記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。
【0038】
記憶部22は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの書き換え可能な不揮発メモリにより構成される。例えば、記憶部22は、外部メモリなどから取り込んだコード画像などの表示データなどを記憶する。また、記憶部22は、各種のプログラムや設定データなどを記憶するようにしても良い。
【0039】
通信部23は、外部装置と通信するための通信インターフェースである。通信部23は、カメラ付き照明装置13と通信するものであっても良いし、管理装置15と通信するものであっても良い。なお、プロジェクタ12が外部装置との通信が不要な装置として運用される場合、通信部23は省略しても良い。
【0040】
メモリインターフェース24は、コード画像などを記憶する外部メモリ装置17を接続するためのインターフェースである。メモリインターフェース24は、外部メモリ装置17のインターフェースが接続された場合に外部メモリ装置17からコード画像などの情報を取り込む。なお、通信部23は、コード画像を生成する端末装置16と通信可能としても良く、その場合にはメモリインターフェース24を省略しても良い。
【0041】
投影部25は、コード画像などの画像を投影(表示)する。投影部25は、所定の投影面に対してコード画像が表示できるように投影装置が用いられる。例えば、プロジェクタ12を車両11に搭載し、車両11の屋根11aをコード画像の投影面とする場合、投影部25は、短焦点の投影装置で構成される。また、投影部25は、投影する画像の表示状態を制御する調整機能を有する。例えば、投影部25は、制御部21の指示に応じて投影する画像の明るさや大きさなどを調整する。
【0042】
次に、実施形態に係る情報管理システム1におけるカメラ付き照明装置13の構成について説明する。
図7は、実施形態に係わるカメラ付き照明装置13における制御系の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、カメラ付き照明装置13は、制御ユニット31、モジュールカメラ32、および、照明部33などで構成される。
【0043】
制御ユニット31は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどを備える。制御ユニット31において、プロセッサは、例えば、CPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、および、DSP(Digital Signal processor)などで構成される。
【0044】
制御ユニット31において、CPUなどのプロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより制御ユニットとしての各種の処理を実現する。
制御ユニット31において、メモリは、ROM、RAM、NVMなどの記憶装置により構成される。また、制御ユニット31は、モジュールカメラ32に接続する内部インターフェースなどを含む。
【0045】
照明部33は、照明用電源から供給される電力により発光する。照明部33は、例えば、LEDなどで構成される。照明部33は、制御ユニット31により点灯状態が制御される。制御ユニット31および照明部33は、照明器具として機能する。
【0046】
モジュールカメラ32は、制御部41、記憶部(メモリ)42、通信部43、インターフェース44、画像処理部45および撮像部(カメラ)46などを備える。
モジュールカメラ32における制御部41および画像処理部45は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどで構成される処理部である。例えば、制御部41および画像処理部45は、同一のハードウエアで実現される機能であっても良い。また、制御部41又は画像処理部45は、専用のハードウエアなどで実現しても良い。
【0047】
制御部41は、CPUなどのプロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することにより各種の制御およびデータ処理などの処理を行う。記憶部42は、各種のメモリで構成される。通信部43は、外部装置と通信するための通信インターフェースである。通信部43は、例えば、ネットワークを介して管理装置15と通信する。インターフェース44は、制御ユニット31と接続するためのインターフェースである。撮像部46は、所定の撮影範囲における画像を撮像するカメラである。
【0048】
画像処理部45は、撮像部46が撮影した撮影画像を解析することにより各種の情報を取得する画像処理を行う。画像処理部45は、撮影画像からコード画像を検出し、検出したコード画像が示す情報を認識(デコード)する機能(コード画像の処理機能)を有する。
【0049】
また、画像処理部45は、撮影画像における人物を検知する機能(人物の検出機能)を有する。また、画像処理部45は、撮影画像から検出した車両11の状態(例えば、荷物の有無など)を検出する機能(状態検出機能)を有する。さらに、画像処理部45は、撮影画像から撮影範囲における光の照度を検出する機能(照度センサとしての機能)などを備えていても良い。
【0050】
画像処理部45は、各機能による処理結果を示す情報を制御部41へ供給する。これにより、制御部41は、画像処理部45による処理結果に応じて各部を制御したり、画像処理部45による処理結果を管理装置15へ送信したりできる。
なお、画像処理部45としての各種の機能は、管理装置15が実行するようにしても良い。この場合、制御部41は、撮像部46が撮影した撮影画像を管理装置15へ送信し、管理装置15から画像処理の結果を取得するようにすれば良い。
【0051】
次に、実施形態に係る情報管理システム1における管理装置15の制御系の構成について説明する。
図8は、実施形態に係わる情報管理システム1における管理装置15の制御系の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、管理装置15は、制御部51、記憶部(記憶装置)52および通信部53などを備える。また、管理装置15は、ユーザインターフェースとしての表示部および操作部などを備える構成であっても良い。
【0052】
制御部51は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどを備える。制御部51において、プロセッサは、例えば、CPUなどで構成される。制御部51のメモリは、例えば、ROM、RAM、NVMなどの記憶装置により構成される。制御部51のプロセッサは、制御部51内のメモリや記憶部52に記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を実現する。
【0053】
記憶部52は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの書き換え可能な不揮発メモリにより構成される記憶装置である。記憶部52は、カメラ付き照明装置などの装置から取得する情報、および、所定の処理によって得られた情報を記憶する。また、記憶部52は、プログラムおよび設定データなどを記憶するようにしても良い。ただし、管理装置15は、通信接続される外部装置の記憶装置に情報を記憶するようにしても良い。この場合、本実施形態で説明する記憶部52に記憶する情報の一部又は全部は、管理装置15に接続される外部装置の記憶装置に記憶するようにしても良い。
【0054】
図8に示す構成例において、記憶部52は、カメラ付き照明装置13などから取得する情報を記憶するデータベース52aを有する。また、記憶部52は、車両ごとに収集した情報に基づく各車両の稼働状況などを示す情報を記憶するデータテーブル52bを有する。また、記憶部52は、運転者ごとに収集した情報に基づく運転者の作業(運転)状況などを示す情報を記憶するデータテーブル52cを有する。
【0055】
通信部53は、外部装置と通信するための通信インターフェースである。例えば、通信部53は、ネットワークを介して外部装置とする通信するネットワークインターフェースである。図2に示す構成例において、通信部53は、カメラ付き照明装置13と通信するための通信インターフェース、警報器14と通信する通信インターフェースおよび端末装置16と通信する通信インターフェースを有する。
【0056】
次に、実施形態に係る情報管理システム1における端末装置16の制御系の構成について説明する。
図9は、実施形態に係わる情報管理システム1における端末装置16の制御系の構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、端末装置16は、制御部61、記憶部62、通信部53、表示部64、操作部65およびメモリインターフェース66などを備える。
【0057】
制御部61は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどを備える。制御部61において、プロセッサは、例えば、CPUなどで構成される。制御部61のメモリは、例えば、ROM、RAM、NVMなどの記憶装置により構成される。制御部61のプロセッサは、制御部61内のメモリや記憶部62に記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を実現する。
【0058】
記憶部62は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの書き換え可能な不揮発メモリにより構成される。
通信部63は、外部装置と通信するための通信インターフェースである。図2に示す構成の情報管理システム1において、通信部63は、管理装置15と通信するための通信インターフェースを有する。
【0059】
表示部64は、情報を表示するディスプレイである。表示部64は、例えば、液晶ディスプレイあるいは有機ELデバイスなどで構成される。操作部65は、オペレータが操作指示を入力するための入力機器などで構成される。表示部64および操作部65は、タッチパネル付きの表示装置によって構成しても良い。
【0060】
メモリインターフェース66は、コード画像などを記憶する外部メモリ装置17を接続するためのインターフェースである。メモリインターフェース66に接続された外部メモリ装置17には、制御部61などで作成したコード画像を書き込む。なお、通信部63は、コード画像を表示するプロジェクタ12と通信可能としても良く、その場合にはメモリインターフェース66を省略しても良い。
【0061】
次に、実施形態に係る情報管理システム1における端末装置16によるコード画像の作成処理について説明する。
図10は、実施形態に係る情報管理システム1における端末装置16によるコード画像の作成処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
情報管理システム1による監視対象とする車両11を稼働させる場合、運転者又は管理者などのユーザは、端末装置16のメモリインターフェース66に外部メモリ装置17をセット(接続)し、コード画像を作成するためのアプリケーションプログラムの起動指示を入力する。
【0062】
端末装置16の制御部61は、起動指示に応じてコード画像を作成するための記憶部62にインストールされているアプリケーションプログラムを起動する。制御部61は、アプリケーションプログラムが起動すると、コード画像の作成に必要な情報の入力を受け付ける(ステップST11)。
【0063】
例えば、ユーザは、操作部65を用いて車両11に対応づけて表示するコード画像で示す情報を入力する。具体的には、ユーザは、車両11の車両識別情報および運転者を示す情報(運転者の識別情報)を操作部65により入力する。車両識別情報は、車両11の車体番号の一覧などからユーザが選択する車両11の車両識別情報を端末装置16の制御部61が特定するようにしても良い。また、ユーザは、車両識別情報および運転者の識別情報以外の情報(例えば、作業内容など)を入力するようにしても良い。
【0064】
端末装置16の制御部61は、コード画像の作成に必要な情報が入力されると、入力された情報をコード化することによりコード画像を作成する(ステップST12)。コード画像は、例えば、所定のフォーマットの二次元コードなどである。制御部61は、車両識別情報および運転者の識別情報を含む情報を所定のフォーマットの二次元コードにコード化することによりコード画像を作成する。
【0065】
端末装置16の制御部61は、コード画像を作成すると、作成したコード画像をメモリインターフェース66にセットされている外部メモリ装置17に書き込む(ステップST13)。制御部61は、外部メモリ装置17にコード画像を書き込むと、コード画像の書込み完了を示すメッセージを表示部64に表示し、コード画像の作成処理を終了する。制御部61は、コード画像の作成処理を終了する場合、外部メモリ装置17に運転する車両11のプロジェクタ12にセットする旨の案内を表示部64に表示するようにして良い。
【0066】
次に、実施形態に係る情報管理システム1におけるプロジェクタ12によるコード画像の表示処理について説明する。
図11は、実施形態に係る情報管理システム1におけるプロジェクタ12によるコード画像の表示処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
ユーザは、運転する車両11に対応するプロジェクタ12のメモリインターフェース24にコード画像を書き込んだ外部メモリ装置17を接続(セット)する。プロジェクタ12の制御部21は、メモリインターフェース24に外部メモリ装置17がセットされたことを検出すると(ステップST31、YES)、外部メモリ装置17からコード画像を取り込む(ステップST32)
プロジェクタ12の制御部21は、外部メモリ装置17からコード画像を取得すると、取得したコード画像を投影部25が所定の表示面(投影面)に投影することによりコード画像を表示する(ステップST33)。例えば、記憶部22には、カメラ付き照明装置13の設置位置(例えば、作業エリアとなる工場の天井)から所定の表示面(例えば、車両の屋根又は床面)までに距離などに応じてコード画像を表示するための初期設定値を保存しておく。制御部21は、記憶部22に記憶する初期設定値によって設定した投影部25によりコード画像を所定の表示面に投影する。
【0067】
具体例としては、図3に示す第1の構成例である場合、プロジェクタ12の制御部21は、外部メモリ装置17から取り込んだコード画像を投影部25によって当該車両11の屋根11aの上面に表示させる。また、図4に示す第2の構成例である場合、プロジェクタ12の制御部21は、外部メモリ装置17から取り込んだコード画像を投影部25によって車両11の近傍の床面に表示させる。
【0068】
プロジェクタ12の制御部21は、投影部25により所定の表示面にコード画像を表示した後、表示調整指示を受け付ける(ステップST34)。例えば、制御部21は、通信部23により通信するカメラ付き照明装置13からの表示調整の指示を受け付けるようにしても良い。また、制御部21は、図示しない操作部に入力される表示調整指示を受け付けるようにしても良い。
【0069】
プロジェクタ12の制御部21は、表示調整指示を受けた場合(ステップST34、YES)、指示内容に応じて投影部25を制御することによりコード画像の表示状態を調整(更新)する(ステップST35)。例えば、制御部21は、カメラ付き照明装置13からコード画像の表示サイズ(又は、明るさ、コントラストなど)の変更が指示された場合、投影部25を制御することによりコード画像の表示サイズ(又は、明るさ、コントラストなど)を変更する。
【0070】
プロジェクタ12の制御部21は、コード画像の表示終了の指示がなければ(ステップST36、NO)、ステップST34-36の繰り消し実行することによりコード画像を表示する。例えば、制御部21は、外部メモリ装置17が取り外された場合にコード画像の表示を終了すると判断するようにしても良い。この場合、制御部21は、外部メモリ装置17が取り外されると、コード画像の表示を終了する。また、制御部21は、図示しない操作部に入力される表示終了の指示に応じてコード画像の表示を終了するようにしても良い。
【0071】
上述した処理によれば、プロジェクタは、車両識別情報および運転者の識別情報を含む情報をコード化した二次元コードなどのコード画像を所定の表示面に投影することができる。プロジェクタは、コード画像を撮影するカメラを備えるカメラ付き照明装置の設置位置に応じて表示サイズでコード画像を表示することができる。また、プロジェクタは、コード画像を差し替えだけで別の情報を示すコード画像を表示面に表示できるため、車両に固定するコード画像を印刷した媒体の交換などの物理的な変更が発生しないようにできる。この結果、運転者の変更などに応じて車両に表示するコード画像の変更を簡便に実現できる。
【0072】
次に、実施形態に係る情報管理システム1におけるカメラ付き照明装置13による車両に関する情報などの情報の収集処理について説明する。
図12は、実施形態に係る情報管理システム1におけるカメラ付き照明装置13による情報の収集処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
カメラ付き照明装置13におけるモジュールカメラ32は、撮像部46により所定の撮影範囲を撮影する(ステップST50)。例えば、モジュールカメラ32の制御部41は、所定の周期で撮像部46に撮影範囲の画像を撮影させる。
【0073】
モジュールカメラ32の制御部41は、撮像部46が撮影した撮影画像を画像処理部45へ供給し、画像処理部45による撮影画像に対する画像解析を行う(ステップST51)。画像処理部45は、撮影画像に対する画像解析において撮影画像からコード画像を検出する。また、画像処理部45は、画像解析として撮影画像から撮影範囲における人物の有無を検出する。
【0074】
また、画像処理部45は、画像解析において、撮影画像からコード画像を検出した場合にコード画像を対応する車両11の状態を検出するようにしても良い。具体的には、車両がフォークリフトであれば、画像処理部45は、車両としてのフォークリフトが荷物を保持しているか否かを検出する。さらに、画像処理部45は、車両11が荷物を保持している場合、荷物の画像から荷物を識別するようにしても良い。
【0075】
画像処理部45は、撮影画像からコード画像を検出した場合(ステップST52、YES)、撮影画像において検出したコード画像が示す情報を認識する(ステップST53)。例えば、画像処理部45は、撮影画像からコード画像を抽出し、抽出したコード画像をデコードすることによりコード画像が示す情報を取得する。また、画像処理部45は、撮影画像中に複数のコード画像が存在する場合、複数のコード画像をそれぞれ抽出し、抽出した各コード画像を認識する。
【0076】
画像処理部45は、撮影画像中のコード画像が示す情報を認識すると、当該コード画像が対応する車両11の位置を推定する(ステップST54)。例えば、画像処理部45は、撮像部46が所定の撮影範囲(検知エリア)を撮影するものとし、所定の撮影範囲の撮影画像に映っている車両の位置から作業エリアにおける車両の位置を推定する。
【0077】
モジュールカメラ32の制御部41は、画像処理部45が車両の位置を推定すると、画像解析によって撮影画像において人物が検出されたか否かを判断する(ステップST55)。制御部41は、撮影画像において人物が検出された場合(ステップST55、YES)、当該撮影画像の撮影範囲に対応する位置(例えば、撮影範囲内および撮影範囲の周辺)に設置されている警報器14にアラートを発出させる(ステップST56)。
【0078】
ただし、制御部41は、撮像部46の撮影画像から人物が検出されたか否かによらずに警報器14にアラートを発出させるようにしても良い。この場合、制御部41は、撮影画像から車両11に対応するコード画像を検出すると、当該撮影画像の撮影範囲に対応する位置に設置されているアラートを発出させる。
【0079】
また、制御部41は、撮像部46の撮影画像からコード画像を検出した場合、コード画像の認識結果を含む撮影画像から得られた情報を管理装置15へ送信する(ステップST57)。例えば、制御部41は、コード画像の認識結果として、車両識別情報および運転者の識別情報を含む情報が得られる。また、制御部41は、画像処理部45による撮影画像に対する画像解析の結果として、作業エリアにおける車両の位置(推定位置)、および、撮影範囲(検知エリア)内における人物の在不在、車両の状態(荷物の保持の有無など)などの情報を取得する。これにより、制御部41は、コード画像の認識結果と画像解析の結果とを含む情報を撮影画像から検出したコード画像が対応する車両に関する情報として管理装置15へ送信する。
【0080】
なお、上述した図12に示す処理の一部は、管理装置15が実行するようにしても良い。例えば、管理装置15は、通信部53によりカメラ付き照明装置13の撮像部46で撮影した撮影画像を取得し、上述したステップST51~56の処理を制御部51で実行するようにしても良い。
【0081】
上述した処理によれば、カメラ付き照明装置は、カメラが撮影する所定の撮影範囲の撮影画像から撮影範囲に進入した車両を識別することができ、撮影範囲内および撮影範囲の近傍に設置した警報器によってアラートを発出することができる。この結果、撮影範囲および撮影範囲の周囲にいる作業者に注意喚起を促すことができ、作業エリアにおける車両の安全な運用を実現できる。
【0082】
また、上述した処理によれば、カメラ付き照明装置は、撮影画像から撮影範囲に進入した車両に対応するコード画像を認識することにより当該車両に関する情報を取得できる。さらに、カメラ付き照明装置は、コード画像の認識結果だけでなく、撮影画像における人物の在不在や車両の状態などの検出結果を得ることができ、それらの情報を撮影範囲にある車両に関する情報として出力することができる。この結果、車両の稼働状況や運転者の作業状況を示す情報を可視化でき、作業エリアにおける車両の稼働管理および運転者の作業管理を行うことが可能となる。
【0083】
次に、実施形態に係る情報管理システム1における管理装置15による車両11に関する情報などの情報の管理処理について説明する。
図13は、実施形態に係る情報管理システム1における管理装置15による情報の管理処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
管理装置15は、通信部53によるカメラ付き照明装置13と通信状態を維持し、カメラ付き照明装置13から送出される情報を受け付ける(ステップST71)。管理装置15の制御部51は、カメラ付き照明装置13からの情報を受信すると(ステップST72、YES)、受信した情報を記憶部52に設けたデータベース52aに保存する(ステップST73)。
【0084】
図14は、カメラ付き照明装置13などから取得(収集)した情報を格納するデータベース52aの例を示す図である。
図14に示すデータベース52aが設定される場合、制御部51は、カメラ付き照明装置13からの情報に基づいて、車両識別情報、運転者の識別情報、荷物情報(荷物保持の有無、保持している荷物の識別情報など)、撮影範囲(検知エリア)、車両の推定位置(車両の位置)、および、人物の在不在を示す情報を特定し、図14に示すデータベース52aに記憶する。
【0085】
管理装置15の制御部51は、新たな情報をデータベース52aに保存すると、車両ごとの情報を格納するデータテーブル52bを更新する(ステップST74)。例えば、制御部51は、新たに情報を取得した車両に関する情報をデータベース52aから収集し、収集した情報に基づいて当該車両のデータを格納するデータテーブル52bを更新する。車両ごとのデータを格納するデータテーブル52bには、データベース52aに登録したデータだけでなく、収集したデータから生成(特定)される当該車両の稼働状況を示す情報なども記憶する。
【0086】
図15は、車両ごとの情報を集計した情報を格納するデータテーブル52bの例を示す図である。
図15に示すデータテーブル52bが設定される場合、制御部51は、車両ごとに収集した情報から車両ごとに、移動経路、荷物搬送(荷物の搬送状況)、移動速度、稼働時間などを集計する。制御部51は、車両ごとに集計した情報を各車両の車両識別情報に対応づけてデータテーブル52bに保存する。
【0087】
具体例として、「移動経路」は、個々の車両ごとに位置情報を連結することにより想定される車両の移動経路を示す情報である。「荷物搬送」は、車両11が荷物を保持するか否かを示す情報を時系列で並べることにより、荷物を保持(搬送)した時間、荷物を保持して移動した距離(荷物の移動距離)、および、荷物の搬送を実施した回数などの当該車両による荷物の搬送状況を示す情報である。「移動速度」は、車両11が移動した速度の平均値(平均移動速度)、あるいは、車両11が最も速く移動した独度(最高移動速度)などを示す情報である。「稼働時間」は、車両11が運転者によって操作されていた時間などを示す情報である。
【0088】
例えば、制御部51は、新たな情報をデータベース52aに登録するごとに、データテーブル52bにおいて新たに登録した情報に含まれる車両に関する情報を更新する。また、制御部51は、管理者が指定するタイミング又は所定のタイミング(作業エリアでの作業が終了したとき)で車両ごとのデータを収集し、収集したデータに基づいて各車両に関する情報を集計してデータテーブル52bを更新するようにしても良い。
【0089】
また、管理装置15の制御部51は、新たな情報をデータベース52aに保存すると、運転者(作業者)ごとの情報を格納するデータテーブル52cを更新する(ステップST75)。例えば、制御部51は、新たに取得した情報に含まれる運転者に関する情報をデータベース52aから収集し、収集した情報に基づいて当該運転者のデータを格納するデータテーブル52cを更新する。運転者ごとのデータを格納するデータテーブル52cには、データベース52aに登録したデータだけでなく、収集したデータから生成(特定)される当該運転者の作業状況を示す情報なども記憶する。
【0090】
図16は、運転者ごとの情報を集計した情報を格納するデータテーブル52cの例を示す図である。
図16に示すデータテーブル52cが設定される場合、制御部51は、運転者ごとに収集した情報に基づいて、運転者ごとに、作業日数、車両操作時間、運転経路、荷物搬送(荷物の搬送状況)、移動速度などを集計する。制御部51は、運転者ごとに集計した情報を各車両の車両識別情報に対応づけてデータテーブル52cに保存する。
【0091】
例えば、制御部51は、新たな情報をデータベース52aに登録するごとに、データテーブル52bにおいて新たに登録した情報に含まれる運転者に関する情報を更新する。また、制御部51は、管理者が指定するタイミング又は所定のタイミング(作業エリアでの作業が終了したとき)で運転者ごとのデータを収集し、収集したデータに基づいて各運転者に関する情報を集計してデータテーブル52cを更新するようにしても良い。
【0092】
具体例として、「作業日数」は、運転者が車両を運転した(車両を用いて作業を実行した)日数を示す情報である。「車両操作時間」は、運転者が車両を操作(運転)した時間であり、運転者ごとの取集した情報を時系列で並べることにより算出する車両を操作した総時間などを示す情報である。「運転経路」は、運転者ごとに収集した情報における車両の位置情報を連結することにより想定される車両の運転経路を示す情報である。
【0093】
「荷物搬送」は、運転者ごとに収集した情報のうち各車両が荷物を保持する情報を時系列で並べることにより荷物を車両で保持して移動(搬送)した時間、荷物を車両で保持して移動した距離(荷物の移動距離)、および、車両で荷物の搬送を実施した回数などの当該運転者による荷物の搬送状況を示す情報である。「移動速度」は、運転者が運転した車両の移動速度の平均値(平均移動速度)、あるいは、運転者が運転した車両が最も速く移動した独度(最高移動速度)などを示す情報である。
【0094】
管理装置15の制御部51は、車両ごとのデータテーブル52b又は運転者ごとのデータテーブル52cを更新すると、管理者に報告(警告)すべき情報があるか否かを判断する(ステップST76)。例えば、制御部51は、データテーブル52b又はデータテーブル52cに所定の基準値を超えた項目がある場合に管理者に対して警告すると判断する。具体的には、車両操作時間が所定の基準値を超えた運転者が存在する場合、制御部51は、車両操作時間が基準値を超えた運転者を示す情報を管理者に報知する。管理者への報告(報告)としては、例えば、予め設定した管理者のメールアドレスに報告内容を示すテキスト情報を含むメールを送信する。
【0095】
なお、上述した図13に示す処理の一部又は全部は、カメラ付き照明装置13が実行するようにしても良い。例えば、カメラ付き照明装置13のモジュールカメラ32の制御部41は、通信部43により外部装置としての記憶装置と通信し、記憶装置に設けたデータベース52aに撮影画像から得た情報を登録するようにしても良い。
【0096】
以上のように、例えば、フォークリフトによる運搬の頻度を計測するといった運用も実現できる。すなわち、上述した実施形態に係る情報管理システムは、カメラの撮影範囲を検知エリアとし、作業エリアにおける各フォークリフトの稼働状況を示す情報を車両ごとのデータテーブルに格納することができる。この結果、各フォークリフトの稼働状況を評価することができ、効率的なフォークリフトの運用指針や運用計画を作成することが可能となる。
【0097】
また、上述した実施形態に係る情報管理システムは、カメラの撮影範囲を検知エリアとし、作業エリアにおける運転者ごとの車両を用いた作業状況(作業実績)を示す情報を車両ごとのデータテーブルに格納することができる。この結果、運転者が任意の車両を運転する運用であっても、運転者ごとに車両を用いた作業を評価することができる。例えば、運転者ごとの荷物の運搬の頻度や車両の移動経路などを特定することができ、各運転者による車両を用いた作業の特性などを知ることが可能となる。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1…情報管理システム、
12…プロジェクタ、
13…カメラ付き照明装置(カメラ)、
14…警報器、
15…管理装置(コンピュータ)、
16…端末装置、
17…外部メモリ装置、
21…制御部、
22…記憶部、
23…通信部、
24…メモリインターフェース、
25…投影部、
31…制御ユニット、
32…モジュールカメラ、
33…照明部、
41…制御部、
42…記憶部、
43…通信部、
44…インターフェース、
45…画像処理部、
46…撮像部、
51…制御部、
52…記憶部、
53…通信部、
61…制御部、
62…記憶部、
63…通信部、
64…表示部、
65…操作部、
66…メモリインターフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16