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特開2025-1979カテーテルシステム及びカテーテルシステムの操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001979
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】カテーテルシステム及びカテーテルシステムの操作方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/01 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A61B1/01 511
A61B1/01 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101818
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】原田 尚実
(72)【発明者】
【氏名】岩切 智佐▲都▼
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA02
4C161AA07
4C161AA15
4C161AA22
4C161AA24
4C161FF35
4C161FF36
4C161GG22
4C161GG25
4C161JJ11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バルーンカテーテルを用いた内視鏡下卵管形成術において、バルーンカテーテルの基端から内視鏡を挿入する際、湾曲した先端部が操作部内で引っ掛かったり、操作部から外部に露出したりすることを防ぎ、内視鏡を安定的に先端方向に向けて進行させる。
【解決手段】カテーテルシステム10は、可撓性を有する外管本体28と、外管本体の第1内腔に移動可能に設けられる内管本体42と、外管本体28の先端部と内管本体42の先端部とを互いに繋ぐ管状のバルーンと、内管本体42の基端に設けられ、バルーンの内腔に挿入される内視鏡22を進退動作させる操作部24とを備える。操作部24のケース50には、ケース50内における内視鏡22の先端部22Aを外部から視認可能にする視認部54を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の管腔内に挿入され前記管腔に沿って進行可能なカテーテルシステムであって、
可撓性を有する外管と、
前記外管の内腔に前記外管の軸線方向に移動可能に設けられる内管と、
前記外管の先端部と前記内管の先端部とを互いに繋ぐと共に前記外管の径方向内方で拡張する管状のバルーンと、
前記内管の基端に設けられ、前記内管を通じて前記バルーンの内腔に挿入される内視鏡を前記内管に沿って進退動作させる操作部と、
を備え、
前記操作部は、前記内視鏡が内部に挿通されるケースと、
前記ケース内で前記内視鏡と接触し、前記ケースに対して前記内視鏡を前記内管に沿って移動させる送出部材と、
を有し、
前記ケースは、前記ケース内における前記内視鏡の先端部を外部から視認可能にする視認部を備える、カテーテルシステム。
【請求項2】
請求項1記載のカテーテルシステムにおいて、
前記ケースの内部には、前記内視鏡が挿通される挿通部を有し、
前記視認部は、前記ケースにおいて前記挿通部に向かい合う、カテーテルシステム。
【請求項3】
請求項1又は2記載のカテーテルシステムにおいて、
前記視認部は、前記ケースの透明部又は半透明部である、カテーテルシステム。
【請求項4】
請求項1記載のカテーテルシステムにおいて、
前記視認部は、前記ケースに設けられた開口部である、カテーテルシステム。
【請求項5】
請求項1記載のカテーテルシステムにおいて、
前記視認部は、透明又は半透明の部材からなる窓部である、カテーテルシステム。
【請求項6】
請求項4又は5記載のカテーテルシステムにおいて、
前記視認部は、前記内視鏡の送出方向に沿って形成される、カテーテルシステム。
【請求項7】
請求項2記載のカテーテルシステムにおいて、
前記送出部材は、前記ケースの内部に設けられ前記挿通部に向かい合い、前記内視鏡を前記内管に向けて送出する際に前記内視鏡と当接する当接部を備え、
前記視認部は、前記当接部に向かい合って配置される、カテーテルシステム。
【請求項8】
請求項7記載のカテーテルシステムにおいて、
前記送出部材は、前記挿通部を挟んで前記内視鏡の送出方向と直交する方向に配置される一組の回転体からなり、
前記一組の回転体は、前記当接部を介して前記内視鏡を挟んで保持し、
前記操作部は、前記ケースの内部に設けられ前記回転体を収容する収容空間と、
前記収容空間に設けられ、前記当接部に向かい合い、且つ前記ケースの内面から前記当接部に向けて膨出した膨出部と、
を有し、
前記膨出部は、前記挿通部において最も前記当接部に向けて突出した頂部と、
前記頂部で開口し前記膨出部を貫通して前記内視鏡が挿通されるガイド孔と、
を備える、カテーテルシステム。
【請求項9】
請求項1記載のカテーテルシステムにおいて、
前記カテーテルシステムは、前記外管の前記内腔における前記外管と前記内管との間の空間に拡張用流体を供給し、前記拡張用流体によって前記バルーンを拡張させて前記管腔内に沿って先端方向に向けて進行させ、前記内管と前記内視鏡との間に灌流液を供給し、前記内管及び前記バルーンに対して前記内視鏡を後退させ、
前記バルーンの前記先端方向への進行動作と、前記内管と前記内視鏡との間に対する前記灌流液の供給と、前記内管及び前記バルーンに対する前記内視鏡の後退動作とが、前記拡張用流体によって前記空間を5~7気圧の範囲で加圧した状態で行われる、カテーテルシステム。
【請求項10】
生体の管腔内に挿入され前記管腔に沿って進行可能なカテーテルシステムの操作方法であって、
前記カテーテルシステムは、可撓性を有する外管と、
前記外管の内腔に前記外管の軸線方向に移動可能に設けられる内管と、
前記外管の先端部と前記内管の先端部とを互いに繋ぐと共に前記外管の径方向内方で拡張する管状のバルーンと、
前記内管の基端に設けられ、前記内管を通じて前記バルーンの内腔に挿入される内視鏡を前記内管に沿って進退動作させる操作部と、
を備え、
前記操作部は、前記内視鏡が内部に挿通されるケースと、
前記ケース内で前記内視鏡と接触し、前記ケースに対して前記内視鏡を前記内管に沿って移動させる送出部材と、
を有し、
前記ケースは、前記ケース内における前記内視鏡の先端部を外部から視認可能にする視認部を備え、
前記操作方法は、前記外管の先端部を前記管腔内に挿入して先端方向に向けて進行させ、且つ前記操作部によって前記内視鏡の先端部を前記バルーンの先端部まで進行させる挿入工程と、
前記外管の前記内腔において前記外管と前記内管との間の空間に拡張用流体を供給し、前記空間を5~7気圧の範囲で加圧することで前記バルーンの先端部を拡張させる加圧工程と、
5~7気圧の範囲で前記空間を加圧した状態で、前記バルーンの先端部を前記管腔内で前記先端方向に向けて進行させる前進工程と、
さらに5~7気圧の範囲で前記空間を加圧した状態で、前記バルーンと前記内視鏡との間に灌流液を供給する供給工程と、
前記灌流液を供給した状態で、前記操作部を操作することで前記内管に対して前記内視鏡を後退させる後退工程と、
を有する、カテーテルシステムの操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルシステム及びカテーテルシステムの操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、卵管の病変部(狭窄部又は閉塞部)を治療するためのバルーンカテーテルが開示されている。このバルーンカテーテルは、可撓性を有する外管と、外管に対して軸線方向に移動可能なように外管の内腔に配設された内管と、外管の先端部と内管の先端部とを互いに繋ぐ管状のバルーンと、外管の途中に設けられる操作部とを備える。バルーンの内側には、内視鏡が挿入される。ユーザが操作部を操作することで、外管に沿って内視鏡が先端方向に向けて進行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3921112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バルーンカテーテルを用いた内視鏡下卵管形成術では、バルーンを内視鏡と共に外管の先端開口から先端方向に突出させて生体の卵管口に挿入する。外管の先端部は、内視鏡の進行方向に対して湾曲しており、卵管口も進行方向に対して湾曲している。そのため、内視鏡を繰り返し使用すると、内視鏡の先端部が湾曲状に塑性変形した状態のままとなる。バルーンカテーテルの基端から内視鏡を挿入する際、湾曲した先端部が操作部内で引っ掛かったり、操作部から外部に露出したりすることで、内視鏡を安定的に先端方向に向けて進行させることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の第1態様は、生体の管腔内に挿入され前記管腔に沿って進行可能なカテーテルシステムであって、可撓性を有する外管と、前記外管の内腔に前記外管の軸線方向に移動可能に設けられる内管と、前記外管の先端部と前記内管の先端部とを互いに繋ぐと共に前記外管の径方向内方で拡張する管状のバルーンと、前記内管の基端に設けられ、前記内管を通じて前記バルーンの内腔に挿入される内視鏡を前記内管に沿って進退動作させる操作部と、を備え、前記操作部は、前記内視鏡が内部に挿通されるケースと、前記ケース内で前記内視鏡と接触し、前記ケースに対して前記内視鏡を前記内管に沿って移動させる送出部材と、を有し、前記ケースは、前記ケース内における前記内視鏡の先端部を外部から視認可能にする視認部を備える、カテーテルシステムである。
【0007】
このカテーテルシステムによれば、操作部のケースに挿通された内視鏡を内管に向けて進行させるとき、視認部を通じて操作部内における内視鏡の先端部をユーザが確認できる。そのため、リユースによって内視鏡の先端部が湾曲した状態であっても、操作部内における先端部の進行状況を確認することで、誤った方向に先端部が進行することによる内視鏡の破損リスクを効果的に低減できる。
【0008】
(2)上記の(1)記載のカテーテルシステムにおいて、前記ケースの内部には、前記内視鏡が挿通される挿通部を有し、前記視認部は、前記ケースにおいて前記挿通部に向かい合ってもよい。
【0009】
この構成により、視認部によって、操作部の挿通部における内視鏡の進行を効果的に確認することができる。
【0010】
(3)上記の(1)又は(2)記載のカテーテルシステムにおいて、前記視認部は、前記ケースの透明部又は半透明部であってもよい。
【0011】
この構成により、操作部のケースに透明部又は半透明部を設けることで、容易且つ低コストで視認部を実現することができる。
【0012】
(4)上記の(1)又は(2)記載のカテーテルシステムにおいて、前記視認部は、前記ケースに設けられた開口部であってもよい。
【0013】
この構成により、操作部のケースに開口部を設けることで、容易且つ低コストで視認部を実現することができる。
【0014】
(5)上記の(1)又は(2)記載のカテーテルシステムにおいて、前記視認部は、透明又は半透明の部材からなる窓部であってもよい。
【0015】
この構成により、操作部のケースに透明又は半透明の部材からなる窓部を設けることで、容易且つ低コストで視認部を実現することができる。
【0016】
(6)上記の(4)又は(5)記載のカテーテルシステムにおいて、前記視認部は、前記内視鏡の送出方向に沿って形成されてもよい。
【0017】
この構成により、操作部の内部における内視鏡の進行を、視認部を通じて内視鏡の送出方向の広範囲で確認することができる。
【0018】
(7)上記の(1)~(6)のいずれか1つに記載のカテーテルシステムにおいて、前記送出部材は、前記ケースの内部に設けられ前記挿通部に向かい合い、前記内視鏡を前記内管に向けて送出する際に前記内視鏡と当接する当接部を備え、前記視認部は、前記当接部に向かい合って配置されてもよい。
【0019】
この構成により、ユーザが操作部を操作して内視鏡を送出させるとき、内視鏡と当接する送出部材の当接部を視認部を通じて確認することで、内視鏡の先端部が当接部に対して所定の状態で当接しているか否かを効果的に確認できる。
【0020】
(8)上記の(7)記載のカテーテルシステムにおいて、前記送出部材は、前記挿通部を挟んで前記内視鏡の送出方向と直交する方向に配置される一組の回転体からなり、前記一組の回転体は、前記当接部を介して前記内視鏡を挟んで保持し、前記操作部は、前記ケースの内部に設けられ前記回転体を収容する収容空間と、前記収容空間に設けられ、前記当接部に向かい合い、且つ前記ケースの内面から前記当接部に向けて膨出した膨出部と、を有し、前記膨出部は、前記挿通部において最も前記当接部に向けて突出した頂部と、前記頂部で開口し前記膨出部を貫通して前記内視鏡が挿通されるガイド孔と、を備えてもよい。
【0021】
この構成により、内視鏡を挟んだ一組の回転体を回転させ内視鏡を送出方向に進行させるとき、当接部に向けて突出した膨出部の頂部によって、内視鏡の先端部が進行方向とは異なる方向へ進行することが防止され、しかも膨出部のガイド孔に挿入されることで内視鏡が進行方向に効果的に導かれる。
【0022】
(9)上記の(1)~(8)のいずれか1つに記載のカテーテルシステムにおいて、前記カテーテルシステムは、前記外管の前記内腔における前記外管と前記内管との間の空間に拡張用流体を供給し、前記拡張用流体によって前記バルーンを拡張させて前記管腔内に沿って先端方向に向けて進行させ、前記内管と前記内視鏡との間に灌流液を供給し、前記内管及び前記バルーンに対して前記内視鏡を後退させ、前記バルーンの前記先端方向への進行動作と、前記内管と前記内視鏡との間に対する前記灌流液の供給と、前記内管及び前記バルーンに対する前記内視鏡の後退動作とが、前記拡張用流体によって前記空間を5~7気圧の範囲で加圧した状態で行われてもよい。
【0023】
この構成により、空間内において5~7気圧の圧力が継続的に内視鏡に対して付与されることで、内視鏡の先端部に曲がり癖がつきやすくなるが、視認部を介してケース内の内視鏡の先端部を視認できるため、操作部において先端部が誤った方向に送出されることによる破損リスクを効果的に低減できる。
【0024】
(10)本発明の第2態様は、生体の管腔内に挿入され前記管腔に沿って進行可能なカテーテルシステムの操作方法であって、前記カテーテルシステムは、可撓性を有する外管と、前記外管の内腔に前記外管の軸線方向に移動可能に設けられる内管と、前記外管の先端部と前記内管の先端部とを互いに繋ぐと共に前記外管の径方向内方で拡張する管状のバルーンと、前記内管の基端に設けられ、前記内管を通じて前記バルーンの内腔に挿入される内視鏡を前記内管に沿って進退動作させる操作部と、を備え、前記操作部は、前記内視鏡が内部に挿通されるケースと、前記ケース内で前記内視鏡と接触し、前記ケースに対して前記内視鏡を前記内管に沿って移動させる送出部材と、を有し、前記ケースは、前記ケース内における前記内視鏡の先端部を外部から視認可能にする視認部を備え、前記操作方法は、前記外管の先端部を前記管腔内に挿入して先端方向に向けて進行させ、且つ前記操作部によって前記内視鏡の先端部を前記バルーンの先端部まで進行させる挿入工程と、前記外管の前記内腔において前記外管と前記内管との間の空間に拡張用流体を供給し、前記空間を5~7気圧の範囲で加圧することで前記バルーンの先端部を拡張させる加圧工程と、5~7気圧の範囲で前記空間を加圧した状態で、前記バルーンの先端部を前記管腔内で前記先端方向に向けて進行させる前進工程と、さらに5~7気圧の範囲で前記空間を加圧した状態で、前記バルーンと前記内視鏡との間に灌流液を供給する供給工程と、前記灌流液を供給した状態で、前記操作部を操作することで前記内管に対して前記内視鏡を後退させる後退工程と、を有する、カテーテルシステムの操作方法である。
【0025】
このカテーテルシステムの操作方法によれば、加圧工程から前進工程、供給工程にかけて、5~7気圧の圧力が継続的に内視鏡に対して付与されることで、内視鏡の先端部に曲がり癖がつきやすくなるが、操作部内における内視鏡の先端部をユーザが視認部を通じて確認することができるため、先端部の進行状況を確認することで誤った方向に先端部が進行して内視鏡が破損するリスクを効果的に回避できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、カテーテルシステムにおいて、操作部のケースに挿通された内視鏡を内管に向けて進行させるとき、視認部を通じてケース内における内視鏡の先端部をユーザが効果的に確認できる。そのため、リユースによって内視鏡の先端部が湾曲した状態であっても、操作部のケース内における先端部の進行状況を確認することで誤った方向に先端部が進行することに起因する内視鏡の破損リスクを効果的に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の実施形態に係るカテーテルシステムの概略構成図である。
図2図2は、図1のカテーテルシステムの一部省略断面図である。
図3図3は、図1のカテーテルシステムにおける操作部の拡大正面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、図3の操作部の拡大断面図である。
図6図6は、図1のカテーテルシステムを用いた内視鏡下卵管形成術の第1説明図である。
図7図7は、図6に示す内視鏡下卵管形成術の第2説明図である。
図8図8は、図7に示す内視鏡下卵管形成術の第3説明図である。
図9図9は、図8に示す内視鏡下卵管形成術の第4説明図である。
図10図10は、図9に示す内視鏡下卵管形成術の第5説明図である。
図11図11は、図10に示す内視鏡下卵管形成術の第6説明図である。
図12図12は、第1変形例に係る操作部を有したカテーテルシステムの拡大正面図である。
図13図13は、図12のXIII-XIII線に沿った断面図である。
図14図14は、第2変形例に係る操作部を有したカテーテルシステムの拡大正面図である。
図15図15は、図14のXV-XV線に沿った断面図である。
図16図16は、窓部を有した操作部を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示されるように、本実施形態に係るカテーテルシステム10は、生体の管腔内に挿入され管腔に沿って進行可能である。カテーテルシステム10は、例えば、管腔である卵管202の病変部204(狭窄部又は閉塞部等)を治療する内視鏡下卵管形成術に用いられる(図6参照)。なお、カテーテルシステム10は、卵管以外のもの、例えば、血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器等の生体器官内の病変部を治療するためのものであってもよい。以下の説明では、図1中におけるカテーテルシステム10の左方向(矢印X1方向)を「先端方向」、図1中におけるカテーテルシステム10の右方向(矢印X2方向)を「基端方向」という。
【0029】
カテーテルシステム10は、カテーテル12を備える。カテーテル12は、外管14と、スライダ16と、内管18と、バルーン20と、内管18に挿入される内視鏡22を操作する操作部24と、ハンドル部26とを備える。従って、カテーテル12は、バルーンカテーテルである。
【0030】
図2に示すように、外管14は、可撓性を有する外管本体28と、外管ハブ30と、固定ねじ32とを有する。外管本体28は、管体34と、先端部材36(先端チップ)とを含む。管体34と先端部材36との各々の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、エラストマー樹脂、可撓性を有する高分子材料、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、フッ素樹脂等が挙げられる。外管14は、外側カテーテルである。
【0031】
管体34は、第1内腔341を有する。第1内腔341は、管体34の軸線方向における全長に亘って貫通する。管体34の先端部は、管体34の軸線方向に円弧状に湾曲するように形状付けられている。管体34は、軸線方向における全長に亘って略一定の外径を有する。
【0032】
先端部材36は、管体34の先端部に設けられる。カテーテル12の進行方向に対して湾曲した卵管口202a(図6参照)の形状に対応して、先端部材36の外周面は湾曲している。先端部材36は、バルーン導出孔38を有する。バルーン導出孔38は、外管本体28の先端開口281を含む。バルーン20は、バルーン導出孔38を通り、先端部材36よりも先端方向(矢印X1方向)に導出する。
【0033】
外管ハブ30は、外管本体28の基端部に固定される。外管ハブ30の構成材料は、例えば、硬質樹脂又は金属材料が用いられる。外管ハブ30を構成する硬質樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、スチレン系樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド等が挙げられる。外管ハブ30を構成する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタン、チタン合金等が挙げられる。
【0034】
外管ハブ30は、中空状に形成されている。外管ハブ30は、ユーザによって操作し易い大きさに形成されている。外管ハブ30は、第1空間301と、第1挿通孔302と、第1導入ポート部303とを有する。第1空間301は、外管本体28(管体34)の第1内腔341に連通する。第1挿通孔302は、第1空間301の矢印X2方向に位置している。第1挿通孔302には、内管18が挿通する。第1導入ポート部303は、第1空間301に拡張用流体を導入する。
【0035】
拡張用流体は、バルーン20を外管本体28の径方向内方に膨らませる。拡張用流体は、例えば、生理食塩水である。なお、拡張用流体は、滅菌水であってもよい。外管ハブ30の第1空間301には、第1シール部材40を備える。第1シール部材40は、第1空間301内の拡張用流体が第1挿通孔302から外部に漏出することを防止する。
【0036】
固定ねじ32は、外管ハブ30に螺合している。ユーザが固定ねじ32を締めることによって内管18が外管ハブ30に固定される。ユーザが固定ねじ32を緩めることによって内管18が外管ハブ30に対して移動可能となる。
【0037】
スライダ16は、外管14に取り付けられる。スライダ16は、管体34の外周面を外管本体28の軸線方向にスライドする。スライダ16の軸線方向における全長は、外管本体28の軸線方向における全長よりも短い。スライダ16は、スライダ本体161と、スライダハブ162とを有する。スライダ本体161は、管状部材である。スライダハブ162は、スライダ本体161の基端部に固定される。スライダハブ162は筒状に形成される。
【0038】
管体34に対してスライダ16を最も矢印X1方向に移動させた状態(スライダ16の初期状態)で、管体34の先端部は、スライダ本体161の形状に沿って直線状に延在する。前記とは反対に、管体34に対してスライダ16を矢印X2方向に移動させると、管体34の先端部は、スライダ16よりも矢印X1方向に露出する。このとき、管体34の先端部は、円弧状に湾曲する。カテーテルシステム10の使用前において、管体34の先端部が湾曲した状態でカテーテルシステム10が保管される。
【0039】
内管18は、内管本体42と、内管ハブ44とを備える。内管本体42の構成材料としては、比較的硬質な樹脂材料又は金属材料が挙げられる。内管本体42は、内管本体42の軸線方向における全長に亘って貫通した第2内腔421を有する。内管18は、内側カテーテルである。
【0040】
内管本体42は、管体34の第1内腔341に外管本体28の軸線方向に移動可能に設けられる。内管本体42は、外管ハブ30を挿通する。内管本体42の先端は、管体34の先端よりも矢印X2方向に配置される。内管本体42の外周面と管体34の内周面との間には、拡張用流体が流通する外側ルーメンSaが設けられる。
【0041】
内管本体42の第2内腔421には、内視鏡22の挿入部221が挿入される。内管本体42の第2内腔421に挿入部221が挿入された状態で、内管本体42と挿入部221との間には灌流液が流通する内側ルーメンSbが設けられる。
【0042】
内管ハブ44は、内管本体42の基端部に固定される。内管ハブ44は、中空状に形成される。内管ハブ44は、第2空間441と、第2挿通孔442と、第2導入ポート部443とを有する。第2空間441は、内管本体42の第2内腔421に連通する。第2挿通孔442は、第2空間441の矢印X2方向に位置している。第2挿通孔442には、内視鏡22の挿入部221が挿通する。第2導入ポート部443は、第2空間441に灌流液を導入する。
【0043】
灌流液は、例えば、生理食塩水である。内管ハブ44の第2空間441には、第2シール部材46が設けられる。第2シール部材46は、第2空間441内の灌流液が第2挿通孔442から外部に漏出することを防止する。
【0044】
バルーン20は、外管本体28の先端部と内管本体42の先端部とを互いに繋ぐ管状部材である。バルーン20は、拡張用流体によって外管本体28の径方向内方に膨らむ。換言すれば、バルーン20は、径方向に弾性変形可能に形成される。バルーン20は、ポリオレフィン、ポリエステル、エラストマー樹脂、可撓性を有する高分子材料、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイソプレン、ポリエステル、フッ素樹脂等で構成するのが好ましい。
【0045】
バルーン20の一端部は、外管本体28の先端部に図示しない接着剤によって接着される。なお、バルーン20の一端部は、例えば、外管本体28の先端部に溶着されてもよい。バルーン20の一端部は、管体34の先端と先端部材36との間に挟持される。
【0046】
バルーン20の他端部は、バルーン固定部材48によって内管本体42の先端部の外周面に固定される。なお、バルーン20の他端部は、内管本体42の内周面の先端部に接着剤によって接着されてもよい。バルーン20の他端部は、内管本体42の内周面の先端部に溶着されてもよい。
【0047】
バルーン20は、内視鏡22の挿入部221が挿入可能な内腔201を有する。バルーン20の外周面と管体34の内周面との間には、先端が閉じた袋状の外側空間Scが設けられる。
【0048】
バルーン20が径方向内方に膨らんだ状態で、内管本体42からバルーン20へと押込み力(先端方向の押込み力)が伝達されることにより、外管本体28の先端開口281から先端方向にバルーン20が突出する(図8参照)。このとき、バルーン20の先端部は、バルーン20の内面が外側を向くように捲り返される。すなわち、バルーン20のうち外管本体28の先端開口281よりも矢印X1方向に突出した突出部分は、バルーン20の壁部が径方向に二重に折り重なった部分を含む。
【0049】
図2に示すように、内視鏡22は、卵管202を観察するための内視鏡である。内視鏡22は、可撓性を有する挿入部221を備える。挿入部221は、内管本体42の第2内腔421及びバルーン20の内腔201に挿入される。
【0050】
挿入部221は、図示しないライトガイドと、レンズユニットと、イメージガイド及び被覆部とを含む。ライトガイドは、挿入部221の基端部に接続された図示しない光源からの光を挿入部221の先端に導く。レンズユニットは、挿入部221の先端部に位置する対物レンズである。イメージガイドは、レンズユニットにより得られた像を挿入部221の基端方向に導く。被覆部は、ライトガイドと、レンズユニットと、イメージガイドとを保護するチューブ部材である。内視鏡22は、ディスプレイ等の表示部と、撮像した画像(内視鏡画像)を表示部に表示させるための撮像制御装置と共に使用される。なお、図2では、挿入部221の構成を簡略化して示している。
【0051】
図1に示すように、操作部24は、内管本体42の基端の外側に設けられる。操作部24は、内視鏡22の挿入部221を内管18に対してカテーテル12の軸線方向(矢印X方向)に移動させる。すなわち、操作部24は、内管本体42を通じてバルーン20の内腔201に挿入される内視鏡22を内管本体42に沿って進退動作させる。
【0052】
図3に示すように、操作部24は、ケース50と、送出部材52とを有する。
【0053】
ケース50は、樹脂材料から中空状に形成される。ケース50は、ケース本体56と、第1接続部58と、第2接続部60と、内視鏡22が挿通される挿通部62とを有する。図4に示すように、ケース本体56は、一対の分割体561、562から構成される。一対の分割体561、562は、内管18の軸線方向(矢印X方向)と直交する幅方向(矢印Y方向)に分割可能である。ケース本体56は、内管18の軸線方向(矢印X方向)と直交し、且つ、幅方向(矢印Y方向)と直交する上下方向に延びている。
【0054】
平面視においてケース本体56は、矩形状である。なお、ケース本体56は、平面視において矩形状に形成される場合に限定されない。図5に示すように、ケース本体56は、底部641と、一対の側壁642(図4参照)と、前方壁643及び後方壁644とを有する。底部641は、ケース本体56の下部に設けられる。底部641によってケース本体56の内部が覆われる。
【0055】
図4に示すように、一対の側壁642は、ケース本体56の幅方向(矢印Y方向)に離間して配置される。側壁642は、ケース本体56の上下方向と平行に形成される。一対の側壁642は、各分割体561、562にそれぞれ設けられる。各側壁642の内面には、第1及び第2シャフト孔661、662を備える。第1及び第2シャフト孔661、662は、分割体561、562に向かい合って配置される。第1及び第2シャフト孔661、662は、側壁642の内面に対して幅方向外方に窪んだ円形状である。第1シャフト孔661と第2シャフト孔662は、ケース本体56の上下方向に離間して並列する。第1シャフト孔661が、第2シャフト孔662の上方に配置される。
【0056】
図5に示すように、前方壁643は、ケース本体56の先端側に配置される。前方壁643は、ケース本体56の上下方向に延在する。前方壁643の中央部には、第1接続部58が設けられる。後方壁644は、ケース本体56の基端側に配置される。後方壁644は、ケース本体56の上下方向に延在する。後方壁644の中央部には、第2接続部60が設けられる。
【0057】
さらにケース本体56は、収容空間68と、開放部70とを有する。収容空間68は、底部641、一対の側壁642、前方壁643及び後方壁644によって囲まれた空間であり、送出部材52を収容可能に形成される。開放部70は、ケース本体56の上部に設けられ収容空間68の上部に開口する。収容空間68は開放部70を通じて外部と連通する。
【0058】
第1接続部58は、環状に形成され前方壁643から先端方向(矢印X1方向)に突出する。第1接続部58の中心には、第1装着孔581を有する。第1装着孔581は、内管18の軸線方向(矢印X方向)に延在する。第1装着孔581は、第1接続部58の先端からケース本体56の内部まで貫通する。第1装着孔581には、第1アタッチメント72が接続される。
【0059】
第1アタッチメント72は、筒状に形成される。第1アタッチメント72は、第1本体部721と、第1エンド部722と、第1膨出部723とを備える。第1本体部721は、第1装着孔581に挿入され保持される。第1エンド部722は、第1本体部721の先端方向(矢印X1方向)に配置される。第1エンド部722は、第1本体部721より大径に形成される。第1エンド部722は、第1接続部58の端部に当接する。第1エンド部722の先端は、内管ハブ44の基端部に接続される。
【0060】
第1膨出部723は、第1本体部721の基端方向(矢印X2方向)に配置される。第1膨出部723は、収容空間68に配置される。第1膨出部723は、略円錐状に形成される。第1膨出部723は、先端が最も大径に形成され、基端方向に向けて徐々に縮径する第1ガイド面74を有する。第1膨出部723の先端は、第1アタッチメント72の軸線と直交する鉛直面を有し、環状面が前方壁643の内面に当接することで保持される。第1膨出部723の基端は、頂部761を有する。頂部761は、第1膨出部723において最も小径であり、且つ後述する送出部材52の当接部941、942に最も隣接して配置される。頂部761は、第1アタッチメント72の軸線と直交する面を有する。
【0061】
第1アタッチメント72は、内視鏡22が挿通可能な第1ガイド孔78を有する。第1ガイド孔78は、第1アタッチメント72の中心に配置され軸線方向(矢印X方向)に沿って延在する。第1ガイド孔78は、第1アタッチメント72の頂部761(基端)から先端まで貫通する。第1ガイド孔78は、基端から先端に向けてテーパ状である。第1ガイド孔78に内視鏡22が挿入されるとき、内視鏡22が第1ガイド孔78の基端から先端方向(矢印X1方向)に向けて挿入される。
【0062】
第2接続部60は、環状に形成され後方壁644から基端方向(矢印X2方向)に突出する。第1及び第2接続部58、60が、内管18の軸線上に配置される。第2接続部60の中心には、第2装着孔601を有する。第2装着孔601は、内管18の軸線方向(矢印X方向)に延在する。第2装着孔601は、第2接続部60の先端からケース本体56の内部まで貫通する。第2装着孔601には、第2アタッチメント79が接続される。
【0063】
第2アタッチメント79は、筒状に形成される。第2アタッチメント79は、第2本体部801と、第2エンド部802と、第2膨出部803とを備える。第2本体部801は、第2装着孔601に挿入され保持される。第2エンド部802は、第2本体部801の基端方向に配置される。第2エンド部802は、第2本体部801より大径に形成される。第2エンド部802は、第2接続部60の端部に当接する。第2エンド部802の基端の内部に、ハンドル部26の先端が挿入される。
【0064】
第2膨出部803は、第2本体部801の先端方向(矢印X1方向)に配置される。第2膨出部803は、収容空間68に配置される。すなわち、収容空間68において、第1アタッチメント72の第1膨出部723と第2膨出部803とが向かい合う。第2膨出部803は、略円錐状に形成される。第2膨出部803は、基端が最も大径に形成され、先端方向(矢印X1方向)に向けて徐々に縮径する第2ガイド面82を有する。第2膨出部803の基端は、第2アタッチメント79の軸線と直交する鉛直面を有し、鉛直面が後方壁644の内面に当接することで保持される。第2膨出部803の先端は、頂部762を有する。頂部762は、第2膨出部803において最も小径であり、且つ後述する送出部材52の当接部941、942に最も隣接して配置される。頂部762は、第2アタッチメント79の軸線と直交する面を有する。
【0065】
第2アタッチメント79は、ハンドル部26の先端が挿入される挿入孔83と、内視鏡22が挿通可能な第2ガイド孔84とを有する。挿入孔83は、第2アタッチメント79の基端に開口する。第2ガイド孔84は、第2アタッチメント79の中心に配置され軸線方向(矢印X方向)に沿って延在する。第2ガイド孔84は、挿入孔83の先端から第2アタッチメント79の先端(頂部762)まで貫通する。第2ガイド孔84は、例えば第2アタッチメント79の軸線方向に沿って略一定径で形成される。第2ガイド孔84に内視鏡22が挿入されるとき、内視鏡22が第2ガイド孔84の基端から先端方向(矢印X1方向)に向けて挿入される。
【0066】
挿通部62は、収容空間68に設けられる。収容空間68において、第1ガイド孔78の基端と第2ガイド孔84の先端との間に挿通部62が配置される。挿通部62は、ケース50の軸線方向に沿って内視鏡22が挿通可能な空間である。
【0067】
送出部材52は、ケース50の内部に設けられる。送出部材52は、第1及び第2回転体861、862を備える。第1回転体861と第2回転体862とがケース本体56の上下方向に互いに並んで配置される。第1回転体861と第2回転体862とが挿通部62を挟んで互いに向かい合う。第1及び第2回転体861、862は同一形状である。なお、第1回転体861と第2回転体862とが同一形状で形成される場合に限定されない。第1回転体861と第2回転体862とが異なる形状であってもよい。
【0068】
第1回転体861は、ローラ本体88と、シャフト90とを含む。ローラ本体88は、円環状に形成されている。シャフト90は、ローラ本体88の中心部に固定されている。図4に示すように、シャフト90は、ケース本体56の幅方向(矢印Y方向)に延在する。シャフト90の両端は、ケース本体56の第1シャフト孔661に挿入される。シャフト90を介して第1回転体861がケース本体56の内部に回転可能に支持される。ローラ本体88の上部が、開放部70を介してケース50の上方に露出する。ローラ本体88の上部をローラ本体88の周方向に移動させることで、第1回転体861を回転させることが可能である。
【0069】
ローラ本体88は、第1及び第2歯部921、922と、内視鏡22に当接する当接部941と、嵌合部96とを有する。第1及び第2歯部921、922は、ローラ本体88の外周部に設けられる。第1及び第2歯部921、922は、ローラ本体88の周方向に沿ってそれぞれ設けられる。第1歯部921は、ローラ本体88の幅方向における一方側に配置される。第2歯部922は、ローラ本体88の幅方向における他方側に配置される。第1歯部921と第2歯部922とが、シャフト90の軸線方向において互いに離間して並列する。第1及び第2歯部921、922の各々は複数の噛合歯を有し、噛合歯の数量及び周方向におけるピッチは同一である。ローラ本体88の幅方向において、第1歯部921の幅が第2歯部922の幅よりも大きい。なお、第1歯部921の幅と第2歯部922の幅とを同一としてもよいし、第1歯部921の幅が第2歯部922の幅よりも小さくてもよい。
【0070】
嵌合部96及び当接部941は、ローラ本体88の幅方向において第1歯部921と第2歯部922との間に設けられる。
【0071】
当接部941は、径方向内方に向けて窪んだ環状溝である。当接部941は、ローラ本体88の幅方向中央に配置される。当接部941は、断面半円状に形成される。当接部941の断面形状は、内視鏡22の断面形状に対応して形成される。当接部941は、第1膨出部723及び第2膨出部803に向かい合う。第1膨出部723は、ケース50の前方壁643から当接部941に向けて膨出している。第2膨出部803は、ケース50の後方壁644から当接部941に向けて膨出している。
【0072】
嵌合部96は、ローラ本体88の幅方向に並列する環状凹部981及び環状凸部982を備える。ローラ本体88の幅方向(矢印Y方向)において、第1歯部921と当接部941との間に環状凹部981が配置される。環状凹部981は、当接部941よりも径方向内方に窪んで形成される。ローラ本体88の幅方向において、第2歯部922と当接部941との間に環状凸部982が配置される。環状凸部982は、当接部941よりも径方向外方に突出して形成される。環状凸部982は、第1及び第2歯部921、922よりも径方向外方に突出する。
【0073】
第2回転体862は、第1回転体861の下方に配置される。第2回転体862は、ケース本体56の底部641に向かい合う。第2回転体862は、ケース本体56に覆われる。第2回転体862におけるシャフト90の両端が、ケース本体56の第2シャフト孔662に挿入される。第2回転体862の第1歯部921が、ローラ本体88の幅方向における他方側に配置され、第1回転体861の第2歯部922に噛合される。第2回転体862の第2歯部922は、ローラ本体88の幅方向における一方側に配置され、第1回転体861の第1歯部921に噛合される。すなわち、送出部材52の幅方向において、第1回転体861と第2回転体862とが互い違いに配置される。ユーザが第1回転体861を回転させることで、第1回転体861とは反対方向に第2回転体862が回転可能である。なお、図3に示すように、操作部24の第1回転体861が上方、第2回転体862が下方に配置される場合に限定されない。例えば、カテーテルシステム10を使用するとき、第1アタッチメント72の中心軸線に対して操作部24を回転させることで、第1回転体861及び第2回転体862を上下方向と交差する左右方向に配置して用いることも可能である。以下の説明では、第1回転体861が上方、第2回転体862が下方に配置される場合について説明する。
【0074】
第2回転体862の当接部942は、第1回転体861の当接部941に向かい合う。第2回転体862の当接部942と第1回転体861の当接部941とによって、内視鏡22の外周面が挟持され保持される。第1及び第2回転体861、862が回転することで内管本体42に向けて内視鏡22を送出可能である。
【0075】
第2回転体862の環状凸部982が第1回転体861の環状凹部981に嵌合される。第2回転体862の環状凹部981が第1回転体861の環状凸部982に嵌合される。環状凸部982と環状凹部981とが嵌合される。第1回転体861の当接部941と第2回転体862の当接部942とが向かい合う。
【0076】
図5に示すように、ケース本体56の収容空間68において、第1回転体861の外周部は、第1膨出部723の第1ガイド面74に向かい合う。第1回転体861の外周部は、第2膨出部803の第2ガイド面82に向かい合う。第2回転体862の外周部は、第1膨出部723の第1ガイド面74に向かい合う。第2回転体862の外周部は、第2膨出部803の第2ガイド面82に向かい合う。第1回転体861の外周部は、第1及び第2ガイド面74、82から離間している。第2回転体862の外周部は、第1及び第2ガイド面74、82から離間している。第1回転体861の外周部と第1膨出部723との間の隙間と、第1回転体861の外周部と第2膨出部803との間の隙間とが略同一である。第2回転体862の外周部と第1膨出部723との間の隙間と、第2回転体862の外周部と第2膨出部803との間の隙間とが略同一である。
【0077】
図3に示すように、視認部54は、ケース本体56に設けられ収容空間68内における内視鏡22の先端部22Aを外部から視認可能にする。視認部54は、ケース本体56の全体に亘って透明部100を有する。すなわち、ケース本体56の全体が透明部100である。視認部54は、挿通部62及び当接部941、942に向かい合う。なお、視認部54は、ケース本体56の全体に亘って設けられる場合に限定されない。視認部54は、ケース本体56において少なくとも内視鏡22の先端部22A(当接部941、942)を視認可能な範囲に設けられていればよい。透明部100は、無色透明であってもよいし有色透明であってもよい。視認部54は、透明部100を有する場合に限定されない。視認部54は、半透明部を有してもよい。視認部54は、ケース本体56の外部から内視鏡22の先端部22Aを視認可能な構成であればよい。
【0078】
図1に示すように、ハンドル部26は、管状部材102と、保護管部104とを備える。管状部材102は管状に形成される。管状部材102の先端は、操作部24における第2接続部60の基端に接続される。保護管部104は、管状部材102の基端に固定される。
【0079】
次に、カテーテルシステム10を用いた内視鏡下卵管形成術について説明する。
【0080】
内視鏡下卵管形成術は、カテーテルシステム10を準備する準備工程を有する。準備工程において、内管本体42を外管本体28に対して矢印X2方向に完全に引いた状態で固定ねじ32を締める。これにより、内管本体42は、外管本体28に固定される。スライダ16を初期状態にすることで、管体34の先端部がスライダ本体161によって真直ぐに延在する。
【0081】
続いて、挿入工程において、カテーテル12を経頸管的に子宮底200まで挿入する。図6に示すように、スライダ16を外管本体28に対して外管本体28の基端方向(矢印X2方向)に引き戻す。これにより、管体34の先端部は、スライダ16から露出して湾曲する。この際、卵管口202aの近傍に外管本体28の先端開口281を位置させる。
【0082】
挿入工程において、ハンドル部26の保護管部104を通じて、内管本体42の第2内腔421に内視鏡22が挿入される。内視鏡22の先端部をハンドル部26の管状部材102の内部に挿入した後、ユーザが内視鏡22を先端方向(矢印X1方向)に向けて進行させる。内視鏡22の先端部22Aは、第2接続部60の第2ガイド孔84から操作部24の収容空間68内に挿入される。
【0083】
図5に示すように、操作部24の第1回転体861を時計回りに回転させることで、第2回転体862が第1回転体861とは反対方向となる反時計回りに回転し、第1及び第2回転体861、862の回転に伴って、挿通部62において当接部941、942の間に内視鏡22の先端部22Aが挿入されて挟持される。さらに第1回転体861を回転させることで、当接部941、942に挟持された内視鏡22が先端方向(進行方向、矢印X1方向)に送出される。
【0084】
挿入工程において、内視鏡22の先端部22Aは、当接部941、942から収容空間68内に送出された後、第1アタッチメント72の第1ガイド孔78を通じて内管本体42の第2内腔421へと進行する。さらに操作部24の第1回転体861を操作することで、内管本体42の第2内腔421に沿って内視鏡22を前進させ、内視鏡22の先端部22Aをバルーン20の先端部まで進行させる。
【0085】
その後、確認工程において、ユーザは、内視鏡22の先端が外管本体28の先端(バルーン導出孔38の先端開口部)に位置するように内視鏡22を前進させることにより、内視鏡22の画像で卵管口202aを確認する。次いで、固定ねじ32の締付を緩めることにより、外管14に対する内管本体42の固定を解除する。
【0086】
次に、バルーン導出工程を行う。図7に示すように、バルーン導出工程の加圧工程では、第1導入ポート部303に拡張用流体を供給して加圧を行う。拡張用流体は、第1導入ポート部303から外側ルーメンSaを介して外管本体28の内腔において外管本体28と内管本体42との間となるバルーン20の外側空間Scに供給される。加圧工程において、外側空間Scが拡張用流体で5~7気圧の範囲で加圧される。外側空間Scが6気圧に加圧されるとさらに好ましい。
【0087】
外側空間Scに供給された拡張用流体によって、バルーン20は、径方向内方に押圧されて弾性変形する。すなわち、バルーン20のうち、挿入部221の径方向外方に位置する部位は、挿入部221の外周面に密着する。バルーン20のうち挿入部221の先端よりも矢印X1方向に位置する部位は、内面同士が互いに接触する。
【0088】
その後、ユーザは、固定ねじ32を緩め、且つ外側空間Scを拡張用流体によって加圧した状態で内管ハブ44を操作して内管本体42を外管本体28に対して前進させる(前進工程)。この前進工程において、外側空間Scは、拡張用流体によって5~7気圧の範囲で継続的に加圧されている。そうすると、図8に示すように、内管本体42によって先端方向(矢印X1方向)に押されたバルーン20は外管本体28に対して前進する。つまり、バルーン20は、押込み力が内管本体42からバルーン20に伝達されることにより、挿入部221と一緒に外管本体28の先端開口281から矢印X1方向に突出する。
【0089】
前進工程では、バルーン20の一端部が外管本体28の先端部に固定されている。そのため、バルーン20が前進する際に、バルーン20は、バルーン20の先端部(突出端部)で捲り返される。すなわち、バルーン20の内面は、バルーン20の先端部で外側を向く。
【0090】
続いて、ユーザは、内視鏡画像に基づいて内視鏡22がバルーン20の先端まで到達したか否かを判断する。バルーン20が病変部204の手前に位置していた場合には、図9に示すように、第2導入ポート部443に灌流液を供給する(供給工程)。これにより、内側ルーメンSbを介してバルーン20と内視鏡22の挿入部221との間に灌流液が流通する。灌流液によって、挿入部221に対してバルーン20が径方向外方に離間する。灌流液の供給工程において、バルーン20の外側空間Scが、5~7気圧の範囲内で継続的に加圧された状態で灌流液の供給が行われる。
【0091】
次に、ユーザは、図10に示すように、内視鏡22を所定距離だけ後退させる(後退工程)。後退工程では、ユーザが、操作部24の第1回転体861を反時計回りに回転させる。第1回転体861の回転に伴って、第2回転体862が時計回りに回転し、当接部941、942に挟持された内視鏡22の挿入部221が基端方向(矢印X2方向)に向けて後退する。後退工程において、バルーン20の外側空間Scが、5~7気圧の範囲内で継続的に加圧された状態で内視鏡22の後退が行われる。その後、上述した加圧工程及び前進工程を再度行う。
【0092】
すなわち、カテーテルシステム10を用いた内視鏡下卵管形成術において、バルーン導出工程におけるバルーン20の先端方向への進行動作(前進動作)と、供給工程における内管本体42と内視鏡22との間に対する灌流液の供給と、後退工程における内管本体42及びバルーン20に対する内視鏡22の後退動作との各々が、拡張用流体によって空間を5~7気圧の範囲で加圧した状態で行われる。
【0093】
図10に示すように、前進工程において、バルーン20の先端部が前進して病変部204に接触する。その後、前進工程を続けることにより、図11に示すように、バルーン20が病変部204を完全に通過すると、バルーン20によって病変部204が押し広げられる。すなわち、卵管202の狭窄又は閉塞が改善される。
【0094】
バルーン20によって病変部204を径方向外方に向けて広げた後、カテーテル12と内視鏡22とを子宮から抜去する(抜去工程)。抜去工程では、第2導入ポート部443を介して灌流液を注入しつつ内管本体42を引いてバルーン20を後退させ、同時に内視鏡22をバルーン20の先端部に位置するよう操作してもよい。これにより、卵管202内を内視鏡22で観察しながらカテーテル12及び内視鏡22を子宮から抜去することができる。抜去工程の後、内視鏡下卵管形成術は終了する。
【0095】
本実施形態は、以下の効果を奏する。
【0096】
図1に示すように、外管本体28、内管本体42、外管本体28の先端部と内管本体42の先端部とを互いに繋ぎ外管本体28の径方向内方で拡張するバルーン20とを備えたカテーテルシステム10において、内管本体42を通じてバルーン20の内腔201に挿入される内視鏡22を進退動作させる操作部24を備える。図3に示すように、操作部24は、ケース50に対して内視鏡22を内管本体42に沿って移動させる送出部材52を有し、ケース50には、内視鏡22の先端部22Aを外部から視認可能にする視認部54を備えている。
【0097】
これにより、ケース50に挿通された内視鏡22を送出部材52によって内管本体42に向けて進行させるとき、ケース50内における内視鏡22の先端部22Aの進行状況を視認部54を通じてユーザが確認できる。リユースによる内視鏡22の先端部22Aの曲がり癖によって、図5の二点鎖線形状で示すように、先端部22Aが所定の方向に進行せず、先端部22Aが異なる方向に進行した場合には、ユーザが内視鏡22の進行動作を停止させ、内視鏡22を操作部24から基端方向に一旦引き抜いた後、再び先端部22Aを操作部24の挿通部62へ挿入することが行われる。すなわち、リユースによって内視鏡22の先端部22Aに曲がり癖がついて湾曲した状態であっても、操作部24内における先端部22Aの進行状況を確認することで、誤った方向に先端部22Aが進行することによる内視鏡22の破損リスクを効果的に低減できる。
【0098】
図5に示すように、ケース50の内部には、内視鏡22が挿通される挿通部62を有し、視認部54が、ケース50において挿通部62に向かい合って配置される。これにより、視認部54によって、ユーザがケース50内の挿通部62における内視鏡22の進行を効果的に確認することができる。
【0099】
図3に示すように、視認部54は、ケース50の透明部100(半透明部)であるため、透明部100(半透明部)をケース50とは別に設ける構成に比べ、容易且つ低コストで視認部54を実現することができる。
【0100】
図4に示すように、送出部材52は、ケース50の内部に設けられ、内視鏡22を内管本体42に向けて送出する際に内視鏡22と当接する当接部941、942を備える。視認部54が、送出部材52の当接部941、942に向かい合って配置される。これにより、ユーザが送出部材52を操作して内視鏡22を内管18に向けて送出させるとき、視認部54を通じて内視鏡22と当接する送出部材52の当接部941、942を確認することで、内視鏡22の先端部22Aが当接部941、942に対して所定の状態で当接しているか否かを効果的に確認できる。
【0101】
図5に示すように、送出部材52は、第1及び第2回転体861、862からなり、第1及び第2回転体861、862が当接部941、942を介して内視鏡22を挟んで保持する。第1及び第2回転体861、862は、例えば樹脂材料又は弾性材料から形成される。操作部24は、ケース50の内部に設けられケース50の内面から当接部941、942に向けて膨出した第1及び第2膨出部723、803を備える。第1及び第2膨出部723、803は、挿通部62において最も当接部941、942に向けて突出した頂部761、762と、頂部761、762で開口して第1及び第2膨出部723、803を貫通して内視鏡22が挿通される第1及び第2ガイド孔78、84とを備える。
【0102】
これにより、第1及び第2回転体861、862を回転させ内視鏡22を送出方向に進行させるとき、当接部941、942に向けて突出した第1膨出部723の頂部761によって、内視鏡22の先端部22Aが進行方向(矢印X1方向)とは異なる方向へ進行することが効果的に防止される。進行方向とは異なる方向とは、具体的には、第1回転体861又は第2回転体862の外周部に沿った方向、収容空間68における基端方向(矢印X2方向)等である。第1膨出部723の第1ガイド孔78に内視鏡22が挿入されることで内視鏡22が進行方向に効果的に導かれる。なお、送出部材52は、一組の回転体から構成される場合に限定されない。送出部材52が1つの回転体から構成されてもよいし、軸線方向にスライドする移動体であってもよい。
【0103】
カテーテルシステム10は、バルーン20の先端方向(矢印X1方向)への進行動作と、内管本体42と内視鏡22との間に対する灌流液の供給と、内管本体42及びバルーン20に対する内視鏡22の後退動作とが、拡張用流体によって外側空間Scを5~7気圧の範囲で加圧した状態で行われる。これにより、外側空間Sc内において5~7気圧の圧力が継続的に内視鏡22に対して付与されることで、内視鏡22の先端部22Aに曲がり癖がつきやすくなる。しかしながら、視認部54を介してケース50内の内視鏡22の先端部22Aを視認できるため、操作部24において先端部22Aが誤った方向に送出されることによる内視鏡22の破損リスクを効果的に低減できる。
【0104】
カテーテルシステム10の操作方法において、バルーン導出工程が、外管本体28の内腔において外管本体28と内管本体42との間の外側空間Scに拡張用流体を供給し、外側空間Scを5~7気圧の範囲で加圧することでバルーン20の先端部を拡張させる加圧工程と、5~7気圧の範囲で外側空間Scを加圧した状態で、バルーン20の先端部を卵管202内で先端方向に向けて進行させる前進工程とを有する。カテーテルシステム10の操作方法は、さらに5~7気圧の範囲で外側空間Scを加圧した状態で、バルーン20と内視鏡22との間に灌流液を供給する供給工程と、灌流液を供給した状態で、操作部24を操作することで内管本体42に対して内視鏡22を後退させる後退工程とを有する。
【0105】
カテーテルシステム10を操作する際、バルーン導出工程の加圧工程から前進工程、供給工程にかけて、5~7気圧の圧力が継続的に内視鏡22に対して付与されることで、内視鏡22の先端部22Aに曲がり癖がつきやすくなる。しかしながら、操作部24内における内視鏡22の先端部22Aをユーザが視認部54を通じて確認することができるため、先端部22Aの進行状況を確認することで誤った方向に先端部22Aが進行し、内視鏡22が破損してしまうリスクを効果的に回避できる。
【0106】
図12に示す第1変形例に係るカテーテルシステム120は、視認部122を有した操作部124を備える。
【0107】
操作部124は、第1回転体1261及び第2回転体1262を有する送出部材128を備える。第1回転体1261及び第2回転体1262は同一形状で形成される。第1回転体1261及び第2回転体1262は、ローラ本体130と、シャフト90とを含む。ローラ本体130は、円環状に形成されている。ローラ本体130の外周部は、環状の外周面1321、1322を有する。
【0108】
ケース本体56において第1回転体1261と第2回転体1262とが上下方向に並列に配置される。図13に示すように、第1回転体1261の外周面1321と第2回転体1262の外周面1322とが当接する。これにより、ユーザが第1回転体1261を回転させることで、第1回転体1261の外周面1321に当接した第2回転体1262が第1回転体1261とは反対方向に回転する。視認部122は、ケース本体56に設けられる。
【0109】
カテーテルシステム120を用いた内視鏡下卵管形成術において、ユーザが送出部材128を操作して内視鏡22の先端部22Aを内管本体42に向けて進行させるとき、透明部100を有した視認部122を通じて、ユーザが内視鏡22の先端部22Aの進行状況をユーザが効果的に確認できる。
【0110】
図14に示す第2変形例に係るカテーテルシステム140は、視認部142を有した操作部144を備える。視認部142は、ケース本体56の側壁642に設けられる。視認部142は、側壁642に開口した開口部146である。図15に示すように、開口部146は、一対の分割体561、562にそれぞれ設けられる。開口部146は、ケース50の幅方向(矢印Y方向)において側壁642を貫通する。図14に示すように、開口部146は、挿通部62に向かい合う位置に開口する。開口部146は、内視鏡22の進行方向に沿って長尺に形成される。例えば、開口部146の両端が、第1及び第2膨出部723、803の頂部761、762を視認可能な位置まで開口する。なお、開口部146は、挿通部62に向かい合う位置に開口していれば、内視鏡22の進行方向に沿って長尺な形状に限定されない。なお、開口部146は、一対の分割体561、562の各々に設けられる場合に限定されない。一対の分割体561、562のいずれか一方に開口部146を設けてもよい。
【0111】
カテーテルシステム140を用いた内視鏡下卵管形成術において、ユーザが送出部材52を操作して内視鏡22の先端部22Aを内管本体42に向けて進行させるとき、視認部142である開口部146を通じて、内視鏡22の先端部22Aの進行状況をユーザが効果的に確認できる。
【0112】
第2変形例は、以下の効果を奏する。
【0113】
図14に示すように、視認部142を、ケース本体56の側壁642に設けられた開口部146とすることで、容易且つ低コストで視認部142を実現することができる。
【0114】
視認部142を、内視鏡22の送出方向(矢印X方向)に沿って形成することで、ケース50内における内視鏡22の進行を、視認部142を通じて内視鏡22の送出方向の広範囲で確認することができる。
【0115】
図14に示す第2変形例では、送出部材52が、第1及び第2歯部921、922を有する構成について説明しているが、この構成に限定されない。図12に示すように、第1及び第2歯部921、922を有しておらず、第1回転体1261及び第2回転体1262の外周面1321、1322同士が当接可能な送出部材128であってもよい。
【0116】
なお、視認部142は、開放された開口部146に限定されない。図16に示すように、視認部150は、透明又は半透明のカバー部材152から形成され開口部146を塞ぐ窓部154であってもよい。窓部154を通じて、ケース50内における内視鏡22の先端部22Aの進行状況をユーザが確認できる。操作部144のケース50に透明又は半透明のカバー部材152からなる窓部154を設けることで、容易且つ低コストで視認部150を実現することができる。
【0117】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0118】
10、120、140…カテーテルシステム
12…カテーテル
14…外管
18…内管
20…バルーン
22…内視鏡
24、124、144…操作部
28…外管本体
42…内管本体
44…内管ハブ
50…ケース
52…送出部材
54、122、142、150…視認部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16