(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019792
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】作業機械走行システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/22 20060101AFI20250131BHJP
【FI】
E02F9/22 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123612
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】秋山 将貴
(72)【発明者】
【氏名】小岩井 一茂
(72)【発明者】
【氏名】関▲塚▼ 良太
(72)【発明者】
【氏名】沖本 翔
(72)【発明者】
【氏名】洪水 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】山下 耕治
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB01
2D003AB03
2D003AB04
2D003AC06
2D003BA01
2D003BA07
2D003CA02
2D003DA02
2D003DB01
2D003DB02
2D003DB04
2D003FA02
(57)【要約】
【課題】作業機械の走行面に傾斜の変化があっても、作業機械が安定して走行できるようにする。
【解決手段】コントローラ60は、走行前支持力Fa0を取得する。走行前支持力Fa0は、アタッチメント15が支持面S5に接した状態、かつ、機械本体10aが走行する前に、支持力センサ31に検出された支持力Fである。コントローラ60は、走行前支持力Fa0に基づいて、目標支持力Ftを設定する。コントローラ60は、アタッチメント15が支持面S5に接するとともに機械本体10aが走行している時に、支持力センサ31に検出される支持力(Fa)が目標支持力Ftに保たれるように、アタッチメント駆動装置23を制御する。
【選択図】
図4D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の本体部であり、走行可能である機械本体と、
前記機械本体に起伏可能に取り付けられたアタッチメントと、
前記アタッチメントを駆動させるアタッチメント駆動装置と、
前記アタッチメントが支持面に接したときに前記アタッチメントから前記支持面に作用する力である支持力を検出する支持力センサと、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記アタッチメントが前記支持面に接した状態、かつ、前記機械本体が走行する前に、前記支持力センサに検出された前記支持力である走行前支持力を取得し、
前記走行前支持力に基づいて、目標支持力を設定し、
前記アタッチメントが前記支持面に接するとともに前記機械本体が走行している時に、前記支持力センサに検出される前記支持力が前記目標支持力に保たれるように、前記アタッチメント駆動装置を制御する、
作業機械走行システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械走行システムであって、
前記目標支持力は、前記走行前支持力である、
作業機械走行システム。
【請求項3】
請求項1に記載の作業機械走行システムであって、
前記コントローラは、前記機械本体が走行している時に、前記アタッチメントのうち前記支持面に接している部分の前記支持面に対する位置が保たれるように、前記アタッチメント駆動装置を制御する、
作業機械走行システム。
【請求項4】
請求項1に記載の作業機械走行システムであって、
前記コントローラは、さらに、前記アタッチメントの姿勢の情報、前記機械本体の走行速度の情報、および、前記機械本体が走行する走行面の傾斜の情報、のうち1つの情報または複数の情報に基づいて、前記目標支持力を設定する、
作業機械走行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行可能な機械本体を備える作業機械の作業機械走行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、作業機械の姿勢安定度を監視しながら、作業機械をトレーラに積み込む技術が記載されている。同文献に記載の技術では、作業機械の姿勢安定度に基づいて、トレーラへの自動積込制御(走行制御)が中止または継続される(同文献の[0198]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業機械が走行する走行面に傾斜の変化があっても、作業機械を安定して走行させることが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、作業機械の走行面に傾斜の変化があっても、作業機械が安定して走行できる、作業機械走行システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
作業機械走行システムは、機械本体と、アタッチメントと、アタッチメント駆動装置と、支持力センサと、コントローラと、を備える。前記機械本体は、作業機械の本体部であり、走行可能である。前記アタッチメントは、前記機械本体に起伏可能に取り付けられる。前記アタッチメント駆動装置は、前記アタッチメントを駆動させる。前記支持力センサは、前記アタッチメントが支持面に接したときに前記アタッチメントから前記支持面に作用する力である支持力を検出する。前記コントローラは、走行前支持力を取得する。前記走行前支持力は、前記アタッチメントが前記支持面に接した状態、かつ、前記機械本体が走行する前に、前記支持力センサに検出された前記支持力である。前記コントローラは、前記走行前支持力に基づいて、目標支持力を設定する。前記コントローラは、前記アタッチメントが前記支持面に接するとともに前記機械本体が走行している時に、前記支持力センサに検出される前記支持力が前記目標支持力に保たれるように、前記アタッチメント駆動装置を制御する。
【発明の効果】
【0007】
上記の作業機械走行システムにより、作業機械の走行面に傾斜の変化があっても、作業機械が安定して走行できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】作業機械走行システム1の作業機械10を横から見た図である。
【
図2】作業機械走行システム1を示すブロック図である。
【
図3】
図2に示すコントローラ60の処理のフローチャートである。
【
図4A】
図1に示す作業機械10が平地Saで停止しているときの、作業機械10および検出支持力Faなどを示す図である。
【
図5】
図1に示す作業機械10が、前進し、斜面Sbを上るときの作業機械10などを示す図である。
【
図6】
図1に示す作業機械10が、後進し、斜面Sbを下るときの、作業機械10などを示す図である。
【
図7】
図1に示す作業機械10が、後進し、斜面Sbを上るときの、作業機械10などを示す図である。
【
図8】
図1に示す支持面S5に対する支持面接触部15dの位置を保持しながら、機械本体10aが走行するときの、作業機械10などを示す図である。
【
図9】
図1に示すアタッチメント15の重心、および、作業機械10の転倒支点11tなどを示す図である。
【
図10】
図1に示すアタッチメント15の自重による転倒モーメントMと、目標支持力Ftと、の関係を示すグラフである。
【
図11】
図1に示す機械本体10aの走行速度Vと、目標支持力Ftと、の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図11を参照して、作業機械走行システム1について説明する。
【0010】
作業機械走行システム1は、
図1に示す作業機械10を安定して走行させるためのシステムである。作業機械走行システム1は、作業機械10が走行する走行面S1(走行路)の傾斜が変化したときの作業機械10の揺動および転倒を抑制する。作業機械走行システム1は、作業機械10と、
図2に示す撮像装置51と、入力装置53と、コントローラ60と、を備える。
【0011】
作業機械10は、
図1に示すように、作業を行う機械である。作業機械10は、例えば建設作業を行う建設機械であり、例えばショベルである。作業機械10は、自動運転可能に構成されてもよい。作業機械10は、運転室13c(後述)内の作業者(オペレータ)に操作される場合があってもよく、遠隔操作される場合があってもよい。作業機械10は、機械本体10aと、アタッチメント15と、アクチュエータ20と、
図2に示すアクチュエータ制御部28と、支持力センサ31と、姿勢センサ40と、を備える。
【0012】
機械本体10aは、
図1に示すように、作業機械10の本体部分である。機械本体10aは、走行可能である。機械本体10aは、下部走行体11と、上部旋回体13と、を備える。
【0013】
下部走行体11は、走行面S1を走行可能である。下部走行体11は、クローラを備えてもよく、ホイールを備えてもよい。走行面S1は、地面でもよく、コンクリートの面でもよく、金属の面でもよい。
【0014】
上部旋回体13は、下部走行体11に旋回可能に搭載される。下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回の中心軸を、旋回中心軸13aとする。上部旋回体13は、運転室13cを備える。運転室13cは、作業者(オペレータ)が作業機械10を操作することが可能な部分である。
【0015】
(方向)
旋回中心軸13aが延びる方向を、「機械上下方向」とする。上部旋回体13に対してアタッチメント15が突出する側(向き)を、機械前後方向Xの機械前側X1とする。機械前後方向Xにおける機械前側X1とは逆側を、機械後側X2とする。
図4Aに示すように、機械本体10aが(詳しくは、下部走行体11が)走行しているときの機械本体10aの進行方向を、走行前後方向Dの走行前側D1とする。走行前後方向Dにおける走行前側D1とは逆側を、走行後側D2とする。
【0016】
アタッチメント15は、
図1に示すように、機械本体10aに起伏可能(すなわち機械上下方向に回転可能)に取り付けられる。アタッチメント15は、作業を行う部分である。アタッチメント15は、作業機械10の走行時に、作業機械10を支持する(詳細は後述)。アタッチメント15は、例えば、ブーム15aと、アーム15bと、先端アタッチメント15cと、を備える。アタッチメント15は、支持面接触部15dを備える。
【0017】
ブーム15aは、上部旋回体13に起伏可能(詳しくは、機械上下方向および機械前後方向Xに回転可能)に取り付けられる。アーム15bは、ブーム15aに回転可能(詳しくは、機械上下方向および機械前後方向Xに回転可能)に取り付けられる。
【0018】
先端アタッチメント15cは、アタッチメント15の先端部に設けられる。先端アタッチメント15cは、アーム15bに回転可能(詳しくは、機械上下方向および機械前後方向Xに回転可能)に取り付けられる。先端アタッチメント15cは、例えば作業対象物をすくう作業および掘削などを行うバケットでもよい。先端アタッチメント15cは、作業対象物を挟む装置(グラップル、ニブラなど)でもよく、作業対象物の破砕などを行う装置(ブレーカなど)でもよく、金属の作業対象物を吸着するマグネットでもよい。以下では、主に、先端アタッチメント15cがバケットである場合について説明する。この場合、先端アタッチメント15cは、バケット先端部15c1と、バケット開口部15c3と、バケット底部15c5と、を備える。
【0019】
バケット先端部15c1は、先端アタッチメント15cの先端部である。バケット先端部15c1は、先端アタッチメント15cのうち、アーム15bへの取り付け部分(基端部)とは反対側の端部である。バケット開口部15c3は、先端アタッチメント15cの開口面である。バケット底部15c5は、先端アタッチメント15cの先端側部分(アーム15bから遠い側の部分)に設けられる。バケット底部15c5は、バケット開口部15c3が上および機械本体10aを向くように先端アタッチメント15cが配置されたときに、先端アタッチメント15cの底部(下部)に配置される部分である。バケット底部15c5は、平面状である。
【0020】
支持面接触部15dは、支持面S5に接する部分である。支持面S5は、走行面S1と同様に、地面でもよく、コンクリートの面でもよく、金属の面でもよい。支持面接触部15dが支持面S5に接することを、「接地」ともいう。支持面接触部15dは、例えば先端アタッチメント15cであり、例えばバケット底部15c5である。なお、支持面接触部15dは、アタッチメント15のうちバケット底部15c5以外の部分でもよい。
【0021】
アクチュエータ20は、作業機械10を動かす装置である。アクチュエータ20は、油圧により駆動する油圧アクチュエータを備えてもよく、電力により駆動する電動アクチュエータを備えてもよい。アクチュエータ20は、モータを備えてもよく、伸縮可能なシリンダを備えてもよい。具体的には、アクチュエータ20は、走行モータ21と、アタッチメント駆動装置23と、を備える。
【0022】
走行モータ21は、下部走行体11を駆動し、下部走行体11を走行させる。走行モータ21は、例えば油圧モータでもよく、電動モータでもよい。
【0023】
アタッチメント駆動装置23は、アタッチメント15を駆動させる装置である。アタッチメント駆動装置23は、アタッチメント15の各関節の角度を変える。具体的には、アタッチメント駆動装置23は、ブームシリンダ23aと、アームシリンダ23bと、先端アタッチメントシリンダ23cと、を備える。ブームシリンダ23aは、上部旋回体13に対してブーム15aを起伏させる。ブームシリンダ23aは、例えば油圧により駆動するシリンダ(油圧シリンダ)である(アームシリンダ23bおよび先端アタッチメントシリンダ23cも同様)。アームシリンダ23bは、ブーム15aに対してアーム15bを回転させる。先端アタッチメントシリンダ23cは、アーム15bに対して先端アタッチメント15cを回転させる。先端アタッチメント15c自体が、例えば物を挟む装置などのように駆動可能である場合、アタッチメント駆動装置23は、先端アタッチメント15cを駆動させるためのシリンダまたはモータを備えてもよい。
【0024】
アクチュエータ制御部28(
図2参照)は、アクチュエータ20を制御する。アクチュエータ制御部28は、油圧アクチュエータを制御する油圧回路を備えてもよい。アクチュエータ制御部28は、電動アクチュエータを制御する電気回路を備えてもよい。
【0025】
支持力センサ31(
図2参照)は、支持力Fを検出する。支持力センサ31が検出した支持力Fを、検出支持力Fa(
図4A参照)とする。支持力Fは、アタッチメント15が支持面S5に接したときに、アタッチメント15から支持面S5に作用する力である。支持力Fは、支持面接触部15dが支持面S5に接したときに、支持面S5から支持面接触部15dに作用する力である。支持力Fは、支持面接触部15dが支持面S5を、例えば押し下げる力である。支持力Fは、アタッチメント15から支持面S5に作用する力に換算可能な量(以下「換算可能量」という)でもよい。
【0026】
例えば、支持力センサ31は、アタッチメント15の歪み量(変形量)(換算可能量の一例)を検出することで、支持力Fを検出してもよい。例えば、支持力センサ31は、ブーム15aの歪み量、アーム15bの歪み量、および、先端アタッチメント15cの歪み量の、少なくともいずれかの歪み量を検出してもよい。
【0027】
例えば、支持力センサ31は、アタッチメント駆動装置23に作用する力(換算可能量の一例)を検出することで、支持力Fを検出してもよい。例えば、支持力センサ31は、ブームシリンダ23a、アームシリンダ23b、および、先端アタッチメントシリンダ23cのそれぞれ(以下「各シリンダ」ともいう)に作用する力(換算可能量の一例)を検出してもよい。例えば、支持力センサ31は、各シリンダの歪み量(変形量)(換算可能量の一例)を検出してもよい。支持力センサ31は、各シリンダの油圧(換算可能量の一例)を検出してもよい。この場合、
図2に示すように、支持力センサ31は、ブーム圧力センサ31aと、アーム圧力センサ31bと、先端アタッチメント圧力センサ31cと、を備える。なお、
図2では「アタッチメント」を「ATT」と記載した。
【0028】
ブーム圧力センサ31aは、
図1に示すブームシリンダ23aを伸縮させる作動油の圧力(ブームシリンダ23aの油圧、ブーム圧力)を検出する。アーム圧力センサ31b(
図2参照)は、アームシリンダ23bを伸縮させる作動油の圧力(アームシリンダ23bの油圧、アーム圧力)を検出する。先端アタッチメント圧力センサ31c(
図2参照)は、先端アタッチメントシリンダ23cを伸縮させる作動油の圧力(先端アタッチメントシリンダ23cの油圧、先端アタッチメント圧力)を検出する。先端アタッチメント15cがバケットである場合、先端アタッチメント圧力センサ31cは、「バケット圧力センサ」である。
【0029】
この例では、支持力センサ31は、各シリンダの油圧を検出する。この場合、
図2に示すコントローラ60は、ブーム圧力センサ31a、アーム圧力センサ31b、および、先端アタッチメント圧力センサ31c、のそれぞれの検出値を取得する。そして、コントローラ60は、取得した検出値から、力のつり合いの関係に基づいて、
図1に示す支持面接触部15dから支持面S5に作用する力を算出する。コントローラ60は、算出した力を、検出支持力Faとしてもよい。コントローラ60が支持力Fを算出する場合は、コントローラ60は、支持力センサ31に含まれてもよい。
【0030】
姿勢センサ40は、作業機械10の姿勢を検出する。姿勢センサ40は、基準位置センサ41と、傾斜センサ43と、アタッチメント姿勢センサ45と、を備える。
【0031】
基準位置センサ41は、作業機械10の基準となる部位の、作業現場に対する位置および向きを検出する。作業機械10の基準となる部位は、例えば上部旋回体13または下部走行体11の特定の部位でもよく、例えば旋回中心軸13a上の特定の部位でもよく、例えば上部旋回体13へのブーム15aの取付部(ブームフット)でもよい。基準位置センサ41は、光または電波を用いた測位システムにより検出を行うものでもよい。例えば、測位システムは、衛星測位システムでもよく、例えばGNSS(global navigation satellite system)でもよく、衛星を用いない(地上の)発信機と受信機とを用いたシステムでもよい。例えば、測位システムは、トータルステーションを用いたものでもよい。なお、
図1では、基準位置センサ41が測位システムにより検出を行う場合に用いられるアンテナ(例えばGNSSアンテナ)に、基準位置センサ41の符号を付した。
【0032】
傾斜センサ43は、水平面に対する機械本体10aの傾斜角度である本体角度θ(
図9参照)を検出する。傾斜センサ43は、例えば、慣性計測装置などである。
【0033】
アタッチメント姿勢センサ45は、アタッチメント15の姿勢を検出する。アタッチメント姿勢センサ45は、ブームセンサ45aと、アームセンサ45bと、先端アタッチメントセンサ45cと、を備える。ブームセンサ45aは、ブーム15aの姿勢を検出する。ブームセンサ45aは、水平方向に対するブーム15aの角度(傾斜)を検出してもよく、上部旋回体13に対するブーム15aの角度(ブーム角、回転角度)を検出してもよい。具体的には、ブームセンサ45aは、上部旋回体13に対するブーム15aの回転軸または回転支持部に取り付けられる角度センサ(例えばロータリエンコーダなど)を備えてもよい。ブームセンサ45aは、水平方向に対するブーム15aの角度(傾斜)を検出するセンサ(例えば慣性計測装置など)を備えてもよい。ブームセンサ45aは、ブームシリンダ23aのストローク(伸縮の位置)を検出するストロークセンサを備えてもよい。ブームセンサ45aは、二次元画像および距離画像の少なくともいずれかに基づいてブーム15aの姿勢を検出するものでもよい。この場合、二次元画像および距離画像の少なくともいずれかは、撮像装置51(
図2参照)により撮像されてもよい。アームセンサ45bは、アーム15bの姿勢を検出する。先端アタッチメントセンサ45cは、先端アタッチメント15cの姿勢を検出する。アームセンサ45bおよび先端アタッチメントセンサ45cの具体例は、ブームセンサ45aの具体例と同様である。
【0034】
撮像装置51は、撮像対象物を撮像する。撮像装置51の撮像対象物は、作業機械10の周辺物でもよい。例えば、撮像装置51の撮像対象物は、走行面S1を含んでもよく、支持面S5を含んでもよく、平地Sa(
図4A参照)(後述)を含んでもよく、斜面Sb(
図4A参照)(後述)を含んでもよい。撮像装置51の撮像対象物は、作業機械10の少なくとも一部を含んでもよい。撮像装置51の撮像対象物は、支持面接触部15dの周辺物(例えば先端アタッチメント15c)を含んでもよい。撮像装置51がアタッチメント姿勢センサ45として用いられる場合は、撮像装置51の撮像対象物は、アタッチメント15を含んでもよい。
【0035】
この撮像装置51は、撮像対象物の二次元情報(例えば画像における位置や形状)を検出してもよい。撮像装置51は、二次元情報を検出するカメラ(単眼カメラ)を備えてもよい。撮像装置51は、距離画像を取得してもよく、距離画像に基づいて撮像対象物の三次元情報(例えば三次元座標や三次元形状)を検出してもよい。撮像装置51は、ステレオカメラを備えてもよい。撮像装置51は、撮像対象物に電磁波などの波を照射し、反射波を検出することで、撮像対象物までの距離を検出してもよい。撮像装置51は、波の照射から反射波が返ってくるまでの時間に基づいて距離を検出するTOF(Time Of Flight)センサを備えてもよく、反射波の周波数に基づいて距離を検出するセンサを備えてもよい。撮像装置51は、光(例えばレーザー光)を用いて三次元の情報を検出する装置を備えてもよく、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging)を備えてもよい。撮像装置51は、電波を用いて三次元の情報を検出する装置(例えばミリ波レーダなど)を備えてもよい。撮像装置51は、距離画像と二次元画像とに基づいて、撮像対象物の三次元情報を検出してもよい。撮像装置51は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。撮像装置51は、作業機械10に搭載されてもよく、作業機械10の外部(例えば作業現場)に配置されてもよい。作業機械10に搭載されてもよく、作業機械10の外部(例えば作業現場)に配置されてもよい点は、入力装置53(
図2参照)およびコントローラ60についても同様である。
【0036】
入力装置53(
図2参照)は、作業者に操作される装置である。例えば、入力装置53は、運転室13c内に配置されてもよく、作業機械10を遠隔操作するための遠隔操作装置に配置されてもよい。入力装置53は、パーソナルコンピュータ、タブレット、または、スマートフォンなどの一部でもよい。入力装置53は、レバーを含んでもよく、ペダルを含んでもよく、スイッチなどを含んでもよい。
【0037】
コントローラ60は、信号の入出力、演算(処理)、情報の記憶などを行うコンピュータである。例えば、コントローラ60の機能は、
図2に示す記憶部60aに記憶されたプログラムが演算部60bで実行されることにより実現される。コントローラ60と他の機器とは、無線通信により接続されてもよく、有線通信により接続されてもよい。例えば、コントローラ60には、支持力センサ31、姿勢センサ40、撮像装置51、および入力装置53から信号が入力される。例えば、コントローラ60は、作業機械10(
図1参照)を作動させるための指令を、アクチュエータ制御部28に出力することで、アクチュエータ20を制御する。アクチュエータ制御部28が油圧アクチュエータを制御する油圧回路を備える場合は、コントローラ60は、弁(比例弁など)を制御することで、アクチュエータ20を制御する。アクチュエータ制御部28が電動アクチュエータを制御する電気回路を備える場合は、コントローラ60は、電気回路を制御することで、アクチュエータ20を制御する。コントローラ60は、自動運転制御部61と、支持力処理部63と、を備える。
【0038】
自動運転制御部61は、作業機械10(
図1参照)を自動的運転させる。例えば、自動運転制御部61は、予め設定された作業計画に従って作業機械10が自動的に作動するように、アタッチメント駆動装置23に指令を出力する。自動運転制御部61は、姿勢センサ40の検出値に基づいて、作業機械10の作動を制御する。
【0039】
支持力処理部63は、支持力F(
図1参照)に関する処理(演算)を行う。
【0040】
(作動)
作業機械走行システム1(主に支持力処理部63)は、以下のように作動するように構成される。
【0041】
作業機械走行システム1の作動の概要は、次の通りである。コントローラ60(詳しくは支持力処理部63)は、
図4Aに示すように、作業機械10の走行前の検出支持力Faである走行前支持力Fa0を取得する。コントローラ60(
図2参照)は、走行前支持力Fa0に基づいて、目標支持力Ftを設定する。コントローラ60は、アタッチメント15が支持面S5に接するとともに機械本体10aが走行する時に(アタッチメント接地走行の時に)、検出支持力Faが目標支持力Ftに保たれるように、アタッチメント駆動装置23(
図2参照)を制御する。なお、
図4A、
図4B、
図4C、および
図4Dのそれぞれに、支持力Fと時間Tとの関係を表すグラフを示した。
【0042】
作業機械走行システム1の作動の詳細を、
図3に示すフローチャートを参照して説明する。以下では、作業機械10(アタッチメント15などの作業機械10の構成要素を含む)については
図1を参照し、コントローラ60については
図2を参照して説明する。フローチャートの各ステップ(S11~S50)については
図3を参照して説明する。なお、各ステップの順序は様々に変更可能である。
【0043】
コントローラ60は、以下の処理(支持力処理)を、
図1に示す作業機械10の作動中に常に実行してもよい。また、コントローラ60は、所定の条件を満たす場合にのみ、支持力処理を実行してもよい。例えば、作業機械10がアタッチメント接地走行を行うモード(アタッチメント接地走行モード)がオンかオフかを設定可能に構成されてもよい。この場合、コントローラ60は、アタッチメント接地走行モードがオンの場合にのみ、支持力処理を実行してもよい。
【0044】
ステップS11では、コントローラ60は、アタッチメント15の姿勢を取得する。コントローラ60は、アタッチメント姿勢センサ45が検出したアタッチメント15の姿勢を取得する。例えば、コントローラ60は、作業機械10が作動しているときに、アタッチメント15の姿勢を取得し続ける。
【0045】
ステップS12では、コントローラ60は、アタッチメント15の接地状態を取得する。上記「アタッチメント15の接地状態」は、アタッチメント15が接地しているか否かを判定するための情報である(判定についてはステップS21を参照)。コントローラ60は、アタッチメント15の接地状態として、支持力センサ31(
図2参照)の検出値を取得してもよい。コントローラ60は、アタッチメント15の接地状態として、撮像装置51が撮像した画像を取得してもよい。
【0046】
ステップS13では、コントローラ60は、機械本体10aの走行状態を取得する。コントローラ60は、少なくとも、機械本体10aの走行の有無(機械本体10aが走行しているか否か)の情報を取得する。コントローラ60は、さらに、機械本体10aの走行速度Vを取得してもよい(後述)。例えば、コントローラ60は、下部走行体11の駆動状態を取得することで、機械本体10aの走行状態を取得してもよい。具体的には、コントローラ60は、走行モータ21の駆動状態(例えば、回転の有無、回転数など)を取得してもよい。例えば、コントローラ60は、下部走行体11を駆動させるための走行指令の情報(例えば、走行指令の有無、走行指令の指令値の大きさなど)を取得することで、機械本体10aの走行状態を取得してもよい。コントローラ60が取得する走行指令は、コントローラ60からアクチュエータ制御部28(
図2参照)に出力される指令でもよい。また、作業者(オペレータ)が作業機械10を手動で操作する場合は、コントローラ60が取得する走行指令は、入力装置53(
図2参照)からコントローラ60に入力される指令でもよい。例えば、コントローラ60は、機械本体10aの移動の情報を取得することで、機械本体10aの走行状態を取得してもよい。この場合、コントローラ60は、基準位置センサ41(
図2参照)の検出値を取得することで、機械本体10aの移動の情報を取得してもよい。
【0047】
ステップS21およびステップS22では、コントローラ60は、作業機械10が走行前支持力Fa0(
図4A参照)を取得できる状態であるか否かを判定する。
【0048】
ステップS21では、コントローラ60は、アタッチメント15が接地しているか否かを判定する。コントローラ60は、ステップS12で取得したアタッチメント15の接地状態に基づいて、アタッチメント15が接地しているか否かを判定する。例えば、コントローラ60は、検出支持力Fa(
図4A参照)に基づいて、アタッチメント15が接地しているか否かを判定してもよい。この場合、コントローラ60は、検出支持力Faが接地閾値以上の場合に、アタッチメント15が接地していると判定し、検出支持力Faが接地閾値未満の場合に、アタッチメント15が接地していないと判定してもよい。上記「接地閾値」は、コントローラ60に予め(この判定前に)設定される。コントローラ60は、撮像装置51が撮像した画像に基づいて、アタッチメント15が接地している否かを判定してもよい。
【0049】
アタッチメント15が接地しているとコントローラ60が判定した場合(ステップS21でYESの場合)、コントローラ60は、処理をステップS22に進ませる。アタッチメント15が接地していないとコントローラ60が判定した場合(ステップS21でNOの場合)、コントローラ60は、今回の処理を終了させる(フローは「エンド」に進む)。コントローラ60は、今回の処理を終了させた後、次回の処理を開始してもよい(フローは「スタート」に戻ってもよい)。
【0050】
ステップS22では、コントローラ60は、機械本体10aが走行停止中か否かを判定する。コントローラ60は、ステップS13で取得した機械本体10aの走行状態に基づいて、機械本体10aが走行停止中か否かを判定する。
【0051】
機械本体10aが走行中であるとコントローラ60が判定した場合(ステップS22でNOの場合)、コントローラ60は、今回の処理を終了させる(フローは「エンド」に進む)。
【0052】
コントローラ60は、アタッチメント15が接地し(ステップS21でYES)、かつ、機械本体10aが走行停止中である(ステップS22でYES)の場合、走行前支持力Fa0を取得できる状態であると判定する。この場合、コントローラ60は、処理をステップS31に進ませる。
【0053】
ステップS31では、コントローラ60は、走行前支持力Fa0(
図4A参照)を取得する。走行前支持力Fa0は、作業機械10がアタッチメント接地走行を行う前の、検出支持力Fa(
図4A参照)である。詳しくは、走行前支持力Fa0は、アタッチメント15が接地した状態、かつ、機械本体10aが走行する前(すなわち走行停止中)に、支持力センサ31(
図2参照)に検出された支持力Fである。
【0054】
コントローラ60が走行前支持力Fa0(
図4A参照)を取得する条件は、少なくとも、アタッチメント15が接地することと、機械本体10aが走行停止中であることと、を含む。コントローラ60が走行前支持力Fa0を取得する条件は、これらの条件とは異なる条件をさらに含んでもよい。例えば、コントローラ60が走行前支持力Fa0を取得する条件は、走行前支持力Fa0を取得するモードが選択されていることを含んでもよい。この「走行前支持力Fa0を取得するモード」であるか否かは、作業者が入力装置53(
図2参照)の操作により選択可能でもよく、コントローラ60が何らかの条件に基づいて自動的に選択可能でもよい。
【0055】
ステップS32では、コントローラ60は、目標支持力Ft(
図4A参照)を設定する。コントローラ60は、走行前支持力Fa0に基づいて、目標支持力Ftを設定する。目標支持力Ftは、支持力Fの目標値である。目標支持力Ftは、ある1つの目標値(目標支持力値Fta)でもよく、上限値および下限値の一方または両方を有する目標範囲(目標支持力範囲Ftb)でもよい。目標支持力Ftは、走行前支持力Fa0でもよい(すなわち走行前支持力Fa0と一致してもよい)。目標支持力Ftは、走行前支持力Fa0でなくてもよい。コントローラ60は、走行前支持力Fa0と、走行前支持力Fa0以外の情報と、に基づいて目標支持力Ftを設定してもよい。上記「走行前支持力Fa0以外の情報」は、作業機械10の状態を示す情報でもよく、作業機械10の周囲の状態を示す情報でもよい(詳細は後述)。コントローラ60は、設定した目標支持力Ftを記憶する(目標支持力Ftは記憶部60aに記憶される)。
【0056】
上記のステップS31で走行前支持力Fa0(
図4a参照)がコントローラ60に取得された後、作業者の手動操作または自動運転により、機械本体10aが走行を開始する。このとき、アタッチメント15が接地した状態のままで、機械本体10aが走行を開始する(
図4aおよび
図4bを参照)。すなわち、作業機械10は、アタッチメント接地走行を開始する。
【0057】
ステップS41では、コントローラ60は、作業機械10がアタッチメント接地走行をしているか否かを判定する。詳しくは、コントローラ60は、アタッチメント15が接地するとともに機械本体10aが走行している状態か否かを判定する。作業機械10がアタッチメント接地走行している場合(ステップS41でYESの場合)、コントローラ60は、処理をステップS50に進ませる。作業機械10がアタッチメント接地走行していない場合(ステップS41でNOの場合)、コントローラ60は、今回の処理を終了させる(フローは「エンド」に進む)。具体的には、目標支持力Ft(
図4A参照)が設定された後(ステップS32より後)に、アタッチメント15が支持面S5から離れた場合は、コントローラ60は、作業機械10がアタッチメント接地走行していないと判定する。また、目標支持力Ft(
図4A参照)が設定された後に、機械本体10aが走行停止した場合は、コントローラ60は、作業機械10がアタッチメント接地走行していないと判定する。
【0058】
ステップS50では、コントローラ60は、支持力センサ31(
図2参照)に検出される支持力F(すなわち検出支持力Fa(
図4D参照))が目標支持力Ftに保たれるように、アタッチメント駆動装置23を制御する。この制御を「支持力制御」とする。
図4Dに示すように、目標支持力Ftが1つの値(目標支持力値Fta)である場合、コントローラ60は、検出支持力Faと目標支持力Ftとの偏差が0になるように、アタッチメント駆動装置23を制御する。目標支持力Ftが目標範囲(目標支持力範囲Ftb)である場合、コントローラ60は、検出支持力Faが、目標支持力範囲Ftbの範囲内に収まるように、アタッチメント駆動装置23を制御する。コントローラ60は、検出支持力Faが目標支持力Ftから外れた場合は、検出支持力Faが目標支持力Ftに近づくように、アタッチメント駆動装置23を制御する。例えば、コントローラ60は、フィードバック制御を行ってもよく、例えばPID(Proportional Integral Differential)制御を行ってもよい。例えば、コントローラ60は、フィードフォワード制御を行ってもよい。コントローラ60は、フィードバック制御、フィードフォワード制御、および、その他の制御を、様々に組み合わせて行ってもよい。
【0059】
コントローラ60は、目標支持力Ftに基づいて、
図1に示すアタッチメント駆動装置23の各シリンダの目標とする力(各シリンダの目標力)を算出する。この各シリンダの目標力は、各シリンダの推力(目標推力)でもよく、各シリンダの油圧(目標油圧)でもよい。コントローラ60は、各シリンダの目標力を、目標支持力Ft(
図4D参照)と、アタッチメント15の姿勢の情報と、に基づいて算出する。このとき、コントローラ60は、各シリンダの目標力を、数理手法を用いた解法(例えば、数理モデルを用いた解法)により算出してもよい。コントローラ60は、各シリンダの目標力を、アタッチメント15の各部の運動方程式(状態方程式)を用いて算出してもよく、逆運動学を用いて算出してもよく、収束計算を用いて算出してもよい。そして、コントローラ60は、アタッチメント駆動装置23の各シリンダの力(例えば推力、油圧)が、算出した目標力(例えば目標推力、目標圧力)になるように、各シリンダを制御する。
【0060】
このように、コントローラ60は、検出支持力Fa(
図4D参照)が目標支持力Ft(
図4D参照)に保たれるように、アタッチメント駆動装置23を制御する。よって、アタッチメント15が(具体的には支持面接触部15dが)支持面S5に接し、目標支持力Ftで作業機械10を支持しながら、機械本体10aが、走行面S1を走行する。ここで、
図4Cおよび
図4Dに示すように、走行面S1の傾斜が変化すると、機械本体10aの傾きが変化(例えば急変)する。この場合でも、アタッチメント15が目標支持力Ftで作業機械10を支持するので、作業機械10の揺動および転倒が抑制される。
【0061】
上記のように、
図1に示す作業機械10は、運転室13cに搭乗した作業者に手動操作されてもよく、遠隔操作により作業者に手動操作されてもよく、
図2に示すコントローラ60(自動運転制御部61)により自動操作(自動運転)されてもよい。
図4Aに示すように、作業機械10がアタッチメント接地走行する前に、アタッチメント15を接地させる操作は、手動操作でも自動操作でもよい。
図4Bに示すように、作業機械10がアタッチメント接地走行するときの走行の操作は、手動操作でも、自動操作でもよい。作業機械10がアタッチメント接地走行するときのアタッチメント15の操作量は、コントローラ60に自動操作(制御)される。作業機械10がアタッチメント接地走行するときのアタッチメント15の回転の向きの操作は、自動操作でも、手動操作でもよい。作業機械10がアタッチメント接地走行するときのアタッチメント15の回転の向きが手動操作される場合、コントローラ60は、手動操作可能な方向を制限してもよい。
【0062】
(アタッチメント接地走行などの具体例)
作業機械10がアタッチメント接地走行するときの、走行面S1および支持面S5の傾斜、および、機械本体10aの走行の向きは、様々である。機械本体10aは、傾斜を下ってもよく(
図4D、
図6、
図8、および
図9などを参照)、傾斜を上ってもよい(
図5および
図7参照)。機械本体10aの走行の向きは、前進(
図4Aおよび
図5などを参照)でもよく、後進(
図6および
図7参照)でもよい。
図4Aに示すように、前進は、走行前側D1が、機械前側X1(上部旋回体13に対してアタッチメント15が突出する側)となる、機械本体10aの走行の向きである。
図6に示すように、後進は、走行前側D1が機械後側X2となる、機械本体10aの走行の向きである。
図4Aに示すように、走行面S1は、平地Saを含んでもよく、斜面Sbを含んでもよい(支持面S5も同様)。平地Saは、水平方向または略水平方向に延びる面である。斜面Sbは、平地Saよりも、水平方向に対する傾斜が大きい面である。以下では、作業機械10がアタッチメント接地走行するときの作業機械走行システム1の作動の具体例を説明する。
【0063】
(例1-1:下り前進)
図4A、
図4B、
図4C、および
図4Dを参照して、機械本体10aが、前進し、平地Saを走行した後、斜面Sbを下る例(例1-1)について説明する。
【0064】
(アタッチメント接地走行前(状態1-1A))
図4Aに示すように、作業機械10がアタッチメント接地走行する前の状態(状態1-1A)の具体例は、次の通りである。下部走行体11は、平地Saに接地する。なお、支持面接触部15dが支持面S5に接することを「接地」というのと同様に、下部走行体11が走行面S1(ここでは平地Sa)に接することも「接地」という。支持面接触部15dは、斜面Sbに接地する。支持面接触部15dは、下部走行体11が接地する位置よりも低い位置で接地する。この状態で、コントローラ60は、走行前支持力Fa0に基づいて、目標支持力Ftを算出する。
【0065】
(支持力減少パターン(状態1-1B))
図4Bに示すように、作業機械10が平地Saをアタッチメント接地走行するときの状態(状態1-1B)の具体例は、次の通りである。アタッチメント15が支持面S5に接した状態で、機械本体10aが走行面S1を前進(詳しくは、走行前側D1かつ機械前側X1に走行)する。ここでは、作業機械10の重心が、平地Saの真上にある。このとき、アタッチメント15(具体的には支持面接触部15d)は、支持面S5(この例では斜面Sb)から離れようとする。すると、検出支持力Faは、目標支持力Ftに対して小さくなる(支持力減少パターン)。このとき、コントローラ60は、検出支持力Faが大きくなるようにアタッチメント駆動装置23(
図2参照)を制御(支持力制御)する。その結果、検出支持力Faは、目標支持力Ftに近づく。
【0066】
この制御により、アタッチメント15の姿勢は、変化する。具体的には、アタッチメント15が支持面S5(この例では斜面Sb)から離れないように、アタッチメント15の姿勢が制御される。よって、アタッチメント15は、支持面S5に接した状態を維持する。このとき、アタッチメント15の各部(ブーム15a、アーム15b、および先端アタッチメント15c)の移動の向きは、アタッチメント15の構造(寸法および形状)、支持面S5の傾斜、および、走行面S1の傾斜などによって異なる。例えば、ブーム15aは、上げ側(
図4B参照)または下げ側(
図4C参照)に回転させられる。アーム15bは、機械本体10aに近づく側(引き側)に回転させられる。なお、
図4Bでは、作業機械10の走行時に、上部旋回体13に対してアタッチメント15が動かないと仮定したときの、アタッチメント15の位置を、二点鎖線で示した(
図4C、
図4D、
図5~
図8も同様)。
【0067】
(支持力増加パターン(状態1-1C、状態1-1D))
図4Cに示すように、機械本体10aは、上記の状態1-1Bの状態(
図4B参照)から、さらに前進する。すると、作業機械10の重心は、平地Saよりも走行前側D1に移動し、斜面Sbの真上に移動する(状態1-1C)。すると、機械本体10aは、前下がりに回転しようとする。詳しくは、機械本体10aは、上部旋回体13の機械前側X1部分が下(鉛直下向き)に移動する向きに回転しようとする。すると、作業機械10の自重は、アタッチメント15から支持面S5(この例では斜面Sb)に伝わる。このとき、アタッチメント15は、支持面S5を押し下げるとともに、支持面S5から反力を受ける。すると、検出支持力Faは、目標支持力Ftに対して大きくなる(支持力増加パターン)。このとき、コントローラ60は、検出支持力Faが小さくなるようにアタッチメント駆動装置23を制御する。その結果、検出支持力Faは、目標支持力Ftに近づく(
図4D参照)。
【0068】
この制御により、
図4Dに示す機械本体10aは、アタッチメント15に支持されながら、徐々に前下がりに回転する。このとき、機械本体10aの水平方向に対する傾斜角度(本体角度θという)は、徐々に大きくなる。下部走行体11の走行前側D1部分は、徐々に斜面Sbに近づき、斜面Sbに接する(状態1-1D)。機械本体10aが前下がりに回転するとき、アタッチメント15の姿勢は、変化する。
図4Dに示す例では、ブーム15aは上げ側に回転させられ、アーム15bは引き側に回転させられる。
【0069】
(揺動などの抑制)
ここで、仮に、コントローラ60が支持力制御を行わないとする。この仮定では、
図4Cにおいて二点鎖線で示すアタッチメント15のように、アタッチメント15が機械本体10aを支持しない。この状態で、機械本体10aが走行する走行面S1の傾斜が、変化する。
図4Cに示す例では、機械本体10aが、平地Saから斜面Sbに移動する。すると、機械本体10aが不安定になる場合がある。具体的には、機械本体10aが、揺動または転倒する場合がある。一方、本実施形態では、コントローラ60は、上記の支持力制御を行う。よって、アタッチメント15が目標支持力Ft(または略目標支持力Ft)で機械本体10aを支持しながら、機械本体10aが走行する。よって、走行面S1の傾斜が変化し、機械本体10aの本体角度θ(
図4D参照)が変化しても(この例では前下がりに傾いても)、機械本体10aは安定して走行することができる。具体的には、機械本体10aの揺動および転倒が抑制される。
【0070】
上記のように、検出支持力Faは、走行面S1の傾斜の変化に伴って、支持力減少パターンから支持力増加パターンに(またはその逆の順に)変化する。このパターンの変化時に、アタッチメント15の各部の回転の向きが変化する場合がある。例えば、ブーム15aが、下げ側に回転している状態から、上げ側に回転している状態(
図4D参照)に変化する場合がある(または上げ側から下げ側に変化する場合がある)。また、例えば、アーム15bが、引き側に回転している状態から、押し側に回転している状態に変化する場合がある(または押し側から引き側に変化する場合がある)。コントローラ60は、目標支持力Ftと検出支持力Faとの関係(どちらが大きいか)に基づいて、このアタッチメント15の各部の回転の向きの切り換えを制御してもよい。また、アタッチメント15の回転の向きを作業者が手動操作する場合、コントローラ60は、アタッチメント15の各部の回転の操作の向きを制限(指定、限定)してもよい。
【0071】
後述するように、作業機械10がアタッチメント接地走行するときに、支持面S5に対する支持面接触部15dの位置が変わらないように、アタッチメント15の動きが制御されてもよい。作業機械10がアタッチメント接地走行するときに、支持面S5に対する支持面接触部15dの位置が変わってもよい。
【0072】
(例1-2:上り前進)
図5を参照して、機械本体10aが、前進し、平地Saを走行した後、斜面Sbを上る例(例1-2)について説明する。この例1-2について、上記の例1-1(下り前進)(
図4A~
図4D参照)との相違点を説明する。
【0073】
(アタッチメント接地走行前(状態1-2A))
作業機械10がアタッチメント接地走行する前の状態(状態1-2A)では、作業機械10は、上記の状態1-1A(
図4A参照)と同様の状態とされる。
【0074】
(支持力増加パターン(状態1-2B))
作業機械10がアタッチメント接地走行するときの状態の具体例は、次の通りである。アタッチメント15が支持面S5に接しながら、機械本体10aが走行面S1を前進する(状態1-2B)。この前進により、アタッチメント15は、支持面S5(この例では斜面Sb)を押す。すると、検出支持力Faは、目標支持力Ftに対して大きくなる(
図4C参照)(支持力増加パターン)。そこで、コントローラ60は、検出支持力Faが小さくなるようにアタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御する。その結果、検出支持力Faは、目標支持力Ftに近づく(
図4D参照)。この制御により、アタッチメント15の姿勢は、変化する。
図5に示す例では、状態1-2Aから状態1-2Bに変化するときに、ブーム15aは、上げ側に回転させられ、アーム15bは、引き側に回転させられる。
【0075】
(支持力減少パターン(状態1-2C))
機械本体10aは、上記の状態1-2Bの状態から、さらに前進する。すると、機械本体10aは、斜面Sbを上る(状態1-2C)。このとき、機械本体10aは、前上がりに回転する。詳しくは、機械本体10aは、上部旋回体13の機械前側X1部分が上(鉛直上向き)に移動する向きに回転する。この回転により、アタッチメント15は、支持面S5(この例では斜面Sb)から離れようとする。すると、検出支持力Faは、目標支持力Ftに対して小さくなる(
図4B参照)(支持力減少パターン)。このとき、コントローラ60は、検出支持力Faが大きくなるようにアタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御する。その結果、検出支持力Faは、目標支持力Ftに近づく(
図4B参照)。
【0076】
この制御により、アタッチメント15の姿勢は、変化する。具体的には、アタッチメント15が支持面S5(この例では斜面Sb)から離れないように、アタッチメント15の姿勢が制御される。よって、アタッチメント15は、支持面S5に接した状態を維持する。
図5に示す例では、状態1-2Bから状態1-2Cに変化するときに、ブーム15aは、下げ側に回転させられ、アーム15bは、引き側に回転させられる。
【0077】
(揺動などの抑制)
ここで、アタッチメント15が機械本体10aを支持することなく、機械本体10aが、平地Saから斜面Sbに走行すれば、機械本体10aが不安定になる場合がある。一方、本実施形態では、アタッチメント15が目標支持力Ft(または略目標支持力Ft)で機械本体10aを支持しながら、機械本体10aが走行する。よって、走行面S1の傾斜が変化し、機械本体10aの本体角度θ(
図4D参照)が変化しても(この例では前上がりに傾いても)、機械本体10aは安定して走行することができる。具体的には、機械本体10aの揺動および転倒が抑制される。
【0078】
(例1-3:下り後進)
図6を参照して、機械本体10aが、後進し、平地Saを走行した後、斜面Sbを下る例(例1-3)について説明する。この例1-3について、上記の例1-1(下り前進)および例1-2(上り前進)との相違点を説明する。
【0079】
(アタッチメント接地走行前(状態1-3A))
作業機械10がアタッチメント接地走行する前の状態(状態1-3A)では、作業機械10は、上記の状態1-1A(
図4A参照)と同様の状態とされる。
【0080】
(アタッチメント接地走行(状態1-3B))
アタッチメント15が支持面S5に接した状態で、機械本体10aが走行面S1を後進(すなわち走行前側D1かつ機械後側X2に走行)する(状態1-3B)。ここでは、作業機械10の重心が、平地Saの真上にある。
【0081】
(支持力減少パターン(状態1-3C))
機械本体10aは、上記の状態1-3Bの状態から、さらに後進する。すると、作業機械10の重心は、平地Saよりも走行前側D1に移動し、斜面Sbの真上に移動する。すると、機械本体10aは、後下がりに回転する。詳しくは、機械本体10aは、上部旋回体13の機械後側X2部分が下(鉛直下向き)に移動する向きに回転する。この回転により、下部走行体11の機械後側X2部分は、斜面Sbに接する(状態1-3C)。このとき、アタッチメント15は、支持面S5(この例では平地Sa)から離れようとする。すると、検出支持力Faは、目標支持力Ftに対して小さくなる(
図4B参照)(支持力減少パターン)。このとき、コントローラ60は、検出支持力Faが大きくなるようにアタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御する。その結果、検出支持力Faは、目標支持力Ftに近づく(
図4B参照)。
【0082】
この制御により、アタッチメント15の姿勢は、変化する。具体的には、アタッチメント15が支持面S5(この例では平地Sa)から離れないように、アタッチメント15の姿勢が制御される。よって、アタッチメント15は、支持面S5に接した状態を維持する。
図6に示す例では、状態1-3Bから状態1-3Cに変化するときに、ブーム15aは、下げ側に回転させられ、アーム15bは、押し側に回転させられる。
【0083】
(揺動などの抑制)
この例では、アタッチメント15が目標支持力Ft(または略目標支持力Ft)で機械本体10aを支持しながら、機械本体10aが走行する。よって、走行面S1の傾斜が変化し、機械本体10aの本体角度θ(
図4D参照)が変化しても(この例では後下がりに傾いても)、機械本体10aは安定して走行することができる。具体的には、機械本体10aの揺動および転倒が抑制される。
【0084】
(例1-4:上り後進)
図7を参照して、機械本体10aが、後進し、平地Saを走行した後、斜面Sbを上る(例1-4)について説明する。この例1-4について、上記の例1-1(下り前進)、例1-2(上り前進)、および例1-3(下り後進)との相違点を説明する。
【0085】
(アタッチメント接地走行前(状態1-4A))
作業機械10がアタッチメント接地走行する前の状態(状態1-4A)では、作業機械10は、上記の状態1-1A(
図4A参照)と同様の状態とされる。
【0086】
(アタッチメント接地走行(状態1-4B))
アタッチメント15が支持面S5に接した状態で、機械本体10aが走行面S1を後進する(状態1-4B)。
【0087】
(支持力増加パターン(状態1-4C))
機械本体10aは、上記の状態1-4Bの状態から、さらに後進する。すると、機械本体10aは、斜面Sbを上る。このとき、機械本体10aは、後上がりに回転する。詳しくは、機械本体10aは、上部旋回体13の機械後側X2部分が上(鉛直上向き)に移動する向きに回転する。この回転により、アタッチメント15は、支持面S5を押し下げ、作業機械10を支持する。すると、検出支持力Faは、目標支持力Ftに対して大きくなる(
図4C参照)(支持力増加パターン)。そこで、コントローラ60は、検出支持力Faが小さくなるようにアタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御する。その結果、検出支持力Faは、目標支持力Ftに近づく(
図4D参照)。この制御により、アタッチメント15の姿勢は、変化する。
図7に示す例では、状態1-4Bから状態1-4Cに変化するときに、ブーム15aは、上げ側に回転させられ、アーム15bは、押し側に回転させられる。
【0088】
(揺動などの抑制)
この例では、アタッチメント15が目標支持力Ft(または略目標支持力Ft)で機械本体10aを支持しながら、機械本体10aが走行する。よって、走行面S1の傾斜が変化し、機械本体10aの本体角度θ(
図4D参照)が変化しても(この例では後上がりに傾いても)、機械本体10aは安定して走行することができる。具体的には、機械本体10aの揺動および転倒が抑制される。
【0089】
(例1-5:その他の例)
上記の各例(例1-1、例1-2、例1-3、および例1-4)では、機械本体10aは、平地Saから斜面Sbに走行した。機械本体10aは、斜面Sbから平地Saに走行してもよく、斜面Sbから、この斜面Sbとは傾斜の異なる斜面Sbに走行してもよい。
【0090】
作業機械10がアタッチメント接地走行するとき、支持面接触部15dは、下部走行体11の走行前側D1の正面または走行後側D2の正面に配置されることが好ましい。作業機械10がアタッチメント接地走行するとき、走行前後方向Dと機械前後方向Xとができるだけ一致することが好ましい。この場合、作業機械10の走行前後方向Dの揺動が抑制される。
【0091】
(例2:支持面接触部15dの位置を保つ制御)
図8に示す作業機械10がアタッチメント接地走行するときに、支持面接触部15dは、支持面S5に対して移動してもよい(図示なし)。例えば、走行面S1と支持面S5とが平行または略平行である場合に、上部旋回体13に対してアタッチメント15を動かすことなく、機械本体10aが走行するとする。この場合、支持面接触部15dは、支持面S5に接しながら、支持面S5に対して移動する(支持面S5で引きずられる)。このとき、走行面S1と支持面S5とが平行または略平行であるため、検出支持力Fa(
図4A参照)が一定または略一定のままで、検出支持力Faが目標支持力Ft(
図4A参照)に保たれたままで、機械本体10aが走行し得る。しかし、支持面接触部15dが支持面S5に対して移動すると、アタッチメント15が、支持面S5以外の物体(例えば障害物など)に接触する場合がある。そのため、アタッチメント15およびアタッチメント駆動装置23(
図1参照)に過剰な負荷がかかる場合がある。また、支持面接触部15dが支持面S5に対して移動する場合は、支持面S5が変形(例えば削れるなど)する場合がある。支持面S5の変形が好ましくない場合がある。
【0092】
そのため、作業機械10がアタッチメント接地走行するときに、アタッチメント15が地面で引きずられないように、機械本体10aが走行することが好ましい。具体的には、コントローラ60は、作業機械10がアタッチメント接地走行するときに、支持面S5に対する支持面接触部15dの位置が保たれるようにアタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御することが好ましい。この制御を「支持位置保持制御」という。コントローラ60は、アタッチメント接地走行の前から、アタッチメント接地走行の最中にわたって、支持位置保持制御を行うことが好ましい。支持面S5に対する支持面接触部15dの位置は、厳密に保たれる必要はない。コントローラ60は、支持面S5に対する支持面接触部15dの位置が保たれる向きに、支持面S5に対して支持面接触部15dが移動するように、アタッチメント駆動装置23を制御してもよい。
【0093】
支持位置保持制御の具体例は、次の通りである。コントローラ60は、機械本体10aが走行した走行距離L1に基づいて、上部旋回体13に対する支持面接触部15dの位置を制御する。具体的には、コントローラ60は、走行距離L1に基づいて、アタッチメント距離L2を変える。
【0094】
走行距離L1は、機械本体10aが走行した距離である。例えば、走行距離L1は、走行前後方向Dにおける距離でもよく、水平方向における距離などでもよい。例えば、走行距離L1は、単位時間に機械本体10aが走行した距離などである。上記「単位時間」は、コントローラ60の制御の周期(制御周期)でもよく、制御周期と所定の数との積でもよく、特定の秒数(1秒など)でもよい。コントローラ60は、下部走行体11が駆動された量に基づいて走行距離L1を取得してもよい。具体的には、コントローラ60は、走行モータ21(
図1参照)の駆動の量(回転数など)に基づいて走行距離L1を取得(計算)してもよい。計算は、取得に含まれる(以下同様)。コントローラ60は、基準位置センサ41(
図1参照)の検出結果から走行距離L1を取得してもよい。コントローラ60は、撮像装置51(
図1参照)が撮像した、走行面S1および下部走行体11を含む画像に基づいて、走行距離L1を取得してもよい。
【0095】
アタッチメント距離L2は、上部旋回体13の特定位置から、先端アタッチメント15cの特定位置(詳しくは、アタッチメント15のうち支持面接触部15dを含む要素の特定位置)までの距離である。例えば、アタッチメント距離L2は、走行前後方向Dにおける距離でもよく、水平方向における距離などでもよい。上記「上部旋回体13の特定位置」は、例えば、旋回中心軸13aの位置でもよく、上部旋回体13へのブーム15aの取り付け位置(ブームフットの位置)でもよい。上記「先端アタッチメント15cの特定位置」は、例えば、バケット先端部15c1でもよく、バケット底部15c5(
図1参照)の特定位置(中央部など)でもよく、先端アタッチメント15cのアーム15bへの接続部でもよい。コントローラ60は、姿勢センサ40(
図2参照)に検出されたアタッチメント15の姿勢から、アタッチメント距離L2を取得してもよい。コントローラ60は、撮像装置51(
図2参照)が撮像した、上部旋回体13およびアタッチメント15を含む画像に基づいて、アタッチメント距離L2を取得してもよい。
【0096】
機械本体10aが前進する場合(走行前側D1が機械前側X1である場合)、コントローラ60は、次の制御を行う。この場合、コントローラ60は、アタッチメント距離L2が走行距離L1だけ小さくなるように、上部旋回体13に対して支持面接触部15dを機械後側X2に移動させる(すなわち上部旋回体13に近づける)。具体的には、コントローラ60は、ある時点(例えば走行前)での、アタッチメント距離L2(走行前距離L2aとする)を取得する。この時点から、機械本体10aが走行距離L1だけ前進する。このとき、コントローラ60は、走行前距離L2aから走行距離L1を減算した距離を、アタッチメント距離L2の目標距離L2bとする。そして、コントローラ60は、実際のアタッチメント距離L2が、この目標距離L2bになるように、アタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御する。
【0097】
機械本体10aが前進する場合とは逆に、機械本体10aが後進する場合は、コントローラ60は、アタッチメント距離L2が走行距離L1だけ大きくなるように、支持面接触部15dを機械前側X1に移動させる(すなわち上部旋回体13から遠ざける)。
【0098】
作業機械10がアタッチメント接地走行をすると、機械本体10aが走行する走行面S1の傾斜が変化する。例えば、
図8に示す例では、機械本体10aは、平地Saから斜面Sbに移動する(状態2Aから状態2Bに変化する)。走行面S1の傾斜が変化した後も、コントローラ60は、支持面S5に対する支持面接触部15dの位置が保たれるように、アタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御する。例えば、機械本体10aが斜面Sbを走行するときは、コントローラ60は、走行前後方向Dにおける走行距離L1に基づいて、走行前後方向Dにおけるアタッチメント距離L2を制御してもよい。また、コントローラ60は、本体角度θに基づいて、走行前後方向Dにおける走行距離L1を水平方向における走行距離L1に変換し、水平方向におけるアタッチメント距離L2を制御してもよい。
【0099】
コントローラ60は、撮像装置51(
図2参照)が撮像した、支持面S5と支持面接触部15dとを含む画像に基づいて、支持面S5に対する支持面接触部15dの位置のずれ(移動)を検出してもよい。コントローラ60は、支持面S5に対する支持面接触部15dの位置がずれた場合(例えば、所定量以上ずれた場合)に、次の処理を行ってもよい。この場合、コントローラ60は、支持面S5に対する支持面接触部15dのずれを無くす、または、減らすように、アタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御してもよい。
【0100】
(例3:付加情報に基づく目標支持力Ftの設定)
上記のように、コントローラ60は、走行前支持力Fa0に基づいて目標支持力Ftを設定する(
図4A参照)。コントローラ60は、
図10に示すように、走行前支持力Fa0と、走行前支持力Fa0以外の情報と、に基づいて、目標支持力Ftを設定してもよい。走行前支持力Fa0以外の情報(以下「付加情報」ともいう)は、
図9に示す作業機械10の状態を含んでもよく、作業機械10の周囲の走行面S1の状態を含んでもよい。例えば、付加情報は、アタッチメント15の姿勢の情報を含んでもよい。付加情報は、機械本体10aの走行速度V(
図11参照)の情報を含んでもよい。付加情報は、走行面S1の傾斜の情報を含んでもよく、機械本体10aの傾斜(本体角度θ)の情報を含んでもよい。付加情報は、上記の各情報のうち、1つの情報でもよく、複数の情報でもよい。
【0101】
コントローラ60が、走行前支持力Fa0と付加情報とに基づいて、目標支持力Ftを設定することにより、コントローラ60は、作業機械10の状態または作業機械10の周囲の走行面S1の状態に応じた、適切な目標支持力Ftを設定できる。その結果、支持力Fが高すぎること、および支持力Fが低すぎることが抑制される。ここで、支持力Fが高すぎる場合、アタッチメント15が機械本体10aを走行面S1から持ち上げる(機械本体10aの浮き上がりが生じる)場合がある。また、支持力Fが高すぎる場合、作業機械10の安定走行に必要な動力を超える動力(不要な動力、無駄な動力)が必要になる。また、支持力Fが低すぎる場合、走行面S1の傾斜が変化するときの機械本体10aの揺動を抑制する効果が限定される。また、支持力減少パターンにおいて支持力Fが低すぎる場合、アタッチメント15が支持面S5から離れる場合がある。
【0102】
一方、この例3では、コントローラ60が、走行前支持力Fa0と付加情報とに基づいて、目標支持力Ftを設定する。よって、支持力Fが高すぎること、および支持力Fが低すぎることが抑制される。よって、支持力Fが高すぎること、および支持力Fが低すぎることによる問題が抑制される。
【0103】
具体的には例えば、コントローラ60は、走行前支持力Fa0を、「補正前の目標支持力Ft」(目標支持力値Ftaの一例)としてもよい(
図4A参照)。コントローラ60は、付加情報に基づいて「補正前の目標支持力Ft」を補正し、「補正後の目標支持力Ft」とする。そして、コントローラ60は、「補正後の目標支持力Ft」を、支持力制御(
図3のステップS50)で用いる目標支持力Ftとしてもよい。
【0104】
コントローラ60が、走行前支持力Fa0と付加情報とに基づいて目標支持力Ftを設定する場合の具体例は、以下の通りである。
【0105】
(例3-1:アタッチメント15の姿勢)
コントローラ60は、走行前支持力Fa0(
図4A参照)と、アタッチメント15の姿勢(付加情報の一例)と、に基づいて目標支持力Ftを設定してもよい。
【0106】
コントローラ60が、
図9に示すアタッチメント15の姿勢に基づいて目標支持力Ftを設定する理由は、次の通りである。ここで、アタッチメント15の自重(質量)による転倒モーメントMについて検討する。この転倒モーメントMは、アタッチメント15の自重が、下部走行体11の機械前側X1の端部(転倒支点11t)を中心として、作業機械10を機械前側X1に回転させるモーメントである。転倒モーメントMの大きさは、距離L3と、アタッチメント15の自重(質量)と、の積である。距離L3は、転倒支点11tから、アタッチメント15の重心(アタッチメント重心G15という)までの水平方向における距離である。アタッチメント重心G15が上部旋回体13に近いほど(すなわち機械後側X2ほど)、転倒モーメントMは小さくなる。そのため、転倒モーメントMが小さいほど、作業機械10を支持するのに必要な支持力Fは小さくなる。
【0107】
例えば、作業機械10がアタッチメント接地走行を行うことで、支持面接触部15dが上部旋回体13に近づく場合、距離L3が短くなる(例えば、状態3Aから状態3Bに変化する)。その結果、転倒モーメントMが小さくなり、作業機械10を支持するのに必要な支持力Fは小さくなる。また、例えば、作業機械10がアタッチメント接地走行を行うことで、支持面接触部15dが上部旋回体13から遠ざかる場合(
図6および
図7参照)、距離L3が長くなる(例えば、状態3Bから状態3Aに変化する)。その結果、転倒モーメントMが小さくなり、作業機械10を支持するのに必要な支持力Fは大きくなる。
【0108】
そこで、コントローラ60は、アタッチメント15の姿勢に基づいて、目標支持力Ftを設定することが好ましい。詳しくは、コントローラ60は、転倒モーメントMに基づいて、目標支持力Ftを設定することが好ましい。具体的には、コントローラ60は、
図10に示すように、転倒モーメントMが第1の値(M1)のときの目標支持力Ft(Ft-M1)よりも、転倒モーメントMが第2の値(M2)のときの目標支持力Ft(Ft-M2)を大きくする。ここで、第2の値(M2)は、第1の値(M1)よりも大きい。例えば、コントローラ60は、転倒モーメントMが小さくなるにしたがって、目標支持力Ftを小さい値に設定する。例えば、コントローラ60は、転倒モーメントMが大きくなるにしたがって、目標支持力Ftを大きい値に設定する。具体的には例えば、コントローラ60は、目標支持力Ftを、転倒モーメントMの一次関数としてもよい。
【0109】
図10に示す例では、コントローラ60は、転倒モーメントMが特定の範囲内のときに、転倒モーメントMが小さくなるにしたがって目標支持力Ftを小さくする。この場合、コントローラ60は、転倒モーメントMが特定の範囲外のときに、目標支持力Ftを一定としてもよい。
【0110】
図10には、機械本体10aが前進する場合、かつ、支持面S5に対する支持面接触部15dの位置が保たれる場合の例(例えば
図4A~
図4D、
図5、
図9参照)を示した。詳しくは、作業機械10がアタッチメント接地走行する前の走行前支持力Fa0(補正前の目標支持力Ft)が、目標支持力Ftの最大値である。そして、コントローラ60は、
図9に示すように、機械本体10aが前進し、距離L3が小さくなり、転倒モーメントMが小さくなるにしたがって、
図10に示すように、目標支持力Ftを小さくする。なお、機械本体10aが後進する場合、かつ、支持面S5に対する支持面接触部15dの位置が保たれる場合(
図6および
図7参照)は、走行前支持力Fa0が、目標支持力Ftの最小値とされる。なお、
図10に示す転倒モーメントMと目標支持力Ftとの関係は、一例であり、様々に変更可能である。
【0111】
(例3-2:走行速度V)
コントローラ60は、
図11に示すように、走行前支持力Fa0と、機械本体10aの走行速度V(付加情報の一例)と、に基づいて目標支持力Ftを設定してもよい。
【0112】
コントローラ60が走行速度Vに基づいて目標支持力Ftを設定する理由は、次の通りである。
図8に示すように、機械本体10aが走行(前進または後進)する走行面S1の傾斜が変化すると、機械本体10aが揺動する場合がある。機械本体10aの揺動により、支持面接触部15dは、支持面S5を押し、支持面S5から反力(動的な支持反力)を受ける。走行速度V(
図11参照)が速いほど機械本体10aが揺動しやすい。そのため、走行速度Vが速いほど、作業機械10の揺動を抑制するのに必要な支持力Fは、大きくなる。
【0113】
また、機械本体10aが前進する場合に、走行面S1と支持面S5との角度によっては、支持面接触部15d(
図8参照)が支持面S5を走行前側D1に押す場合がある。この場合、支持面接触部15dは、支持面S5から反力(走行による支持反力)を受ける。走行速度Vが速いほど、この走行による支持反力が大きくなる。そのため、走行速度Vが速いほど、支持面S5から受ける反力に対して(抗して)作業機械10を支持するのに必要な支持力Fは、大きくなる。
【0114】
そこで、コントローラ60は、
図11に示すように、走行速度Vに基づいて、目標支持力Ftを設定することが好ましい。具体的には、コントローラ60は、走行速度Vが第1の値(V1)のときの目標支持力Ft(Ft-V1)よりも、走行速度Vが第2の値(V2)のときの目標支持力Ft(Ft-V2)を大きくする。ここで、第2の値(V2)は、第1の値(V1)よりも大きい。例えば、コントローラ60は、走行速度Vが大きくなるにしたがって、目標支持力Ftを大きい値に設定する。例えば、コントローラ60は、走行速度Vが小さくなるにしたがって、目標支持力Ftを小さい値に設定する。具体的には例えば、コントローラ60は、目標支持力Ftを走行速度Vの一次関数としてもよい。
【0115】
図11に示す例では、コントローラ60は、走行前支持力Fa0(補正前の目標支持力Ft)を目標支持力Ftの最小値とする。コントローラ60は、走行速度Vが0から所定速度までの範囲内のときに、走行速度Vが大きくなるにしたがって目標支持力Ftを大きくする。コントローラ60は、走行速度Vが所定速度より大きい場合に、目標支持力Ftを一定としてもよい。なお、
図11に示す走行速度Vと目標支持力Ftとの関係は、一例であり、様々に変更可能である。
【0116】
(例3-3:傾斜角度)
コントローラ60は、
図10に示すように、走行前支持力Fa0と、機械本体10aの傾斜角度(本体角度θという)と、に基づいて目標支持力Ftを設定してもよい。
【0117】
コントローラ60が本体角度θに基づいて目標支持力Ftを設定する理由は、次の通りである。
図9に示す本体角度θによって、支持面接触部15dが支持面S5を押す力が変わる。具体的には、機械本体10aが前下がりの場合、本体角度θが大きいほど(大きく傾いているほど)、支持面接触部15dが支持面S5を押す力が大きくなり、支持面接触部15dが支持面S5から受ける反力が大きくなる。そのため、本体角度θが大きいほど、支持面S5から受ける反力に対して(抗して)作業機械10を支持するのに必要な支持力Fは、大きくなる。
【0118】
一方、機械本体10aが前上がりの場合(
図5および
図6参照)、本体角度θが大きいほど(大きく傾いているほど)、支持面接触部15dが支持面S5を押す力が小さくなり、支持面接触部15dが支持面S5から受ける反力が小さくなる。そのため、本体角度θが大きいほど、支持面S5から受ける反力に対して(抗して)作業機械10を支持するのに必要な支持力Fは、小さくなる。
【0119】
そこで、コントローラ60は、
図10に示すように、傾斜センサ43に検出された本体角度θに基づいて、目標支持力Ftを設定することが好ましい。
【0120】
例えば、機械本体10aが前下がりの場合、コントローラ60は、本体角度θが第1の値(θ1)のときの目標支持力Ft(Ft-θ1)よりも、本体角度θが第2の値(θ2)のときの目標支持力Ft(Ft-θ2)を大きくする。ここで、第2の値(θ2)は、第1の値(θ1)よりも大きい。例えば、コントローラ60は、
図9に示すように、機械本体10aが前下がりの場合、本体角度θが大きくなるにしたがって、目標支持力Ftを大きい値に設定する。
【0121】
また、コントローラ60は、機械本体10aが前上がりの場合(
図5および
図6参照)、本体角度θが第1の値(θ1)のときの目標支持力Ftよりも、本体角度θが第2の値(θ2)のときの目標支持力Ftを小さくする(図示なし)。例えば、コントローラ60は、機械本体10aが前上がりの場合、本体角度θが大きくなるにしたがって、目標支持力Ftを小さい値に設定する。
【0122】
図10および
図11では、付加情報が、本体角度θ、および、本体角度θ以外の付加情報(具体的には、転倒モーメントMまたは走行速度V)である場合の例を示した。一方、付加情報は、本体角度θのみでもよい。コントローラ60は、走行前支持力Fa0および本体角度θのみに基づいて、目標支持力Ftを設定してもよい。
【0123】
(第1の発明の効果)
図1に示す作業機械走行システム1による効果は、次の通りである。作業機械走行システム1は、機械本体10aと、アタッチメント15と、アタッチメント駆動装置23と、支持力センサ31(
図2参照)と、コントローラ60と、を備える。機械本体10aは、作業機械10の本体部であり、走行可能である。アタッチメント15は、機械本体10aに起伏可能に取り付けられる。アタッチメント駆動装置23は、アタッチメント15を駆動させる。
【0124】
[構成1]支持力センサ31(
図2参照)は、支持力Fを検出する。支持力Fは、アタッチメント15が支持面S5に接したときに、アタッチメント15から支持面S5に作用する力である。コントローラ60は、
図4Aに示す走行前支持力Fa0を取得する(
図3のステップS31を参照)。走行前支持力Fa0は、アタッチメント15が支持面S5に接した状態、かつ、機械本体10aが走行する前に、支持力センサ31(
図2参照)に検出された支持力Fである。コントローラ60は、走行前支持力Fa0に基づいて、目標支持力Ftを設定する(
図3のステップS32を参照)。コントローラ60は、アタッチメント15が支持面S5に接するとともに機械本体10aが走行している時(アタッチメント接地走行の時)に、次の処理を行う。
図4Dに示すように、コントローラ60は、アタッチメント接地走行の時に、支持力センサ31に検出される支持力F(検出支持力Fa)が目標支持力Ftに保たれるように、アタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御する(
図3のステップS50を参照)。
【0125】
上記[構成1]により、作業機械10がアタッチメント接地走行している時の支持力Fを、目標支持力Ftまたは略目標支持力Ftに保つことができる。よって、アタッチメント15が、機械本体10aを、目標支持力Ftまたは略目標支持力Ftで支持しながら、機械本体10aが走行することができる。よって、作業機械10が走行する走行面S1に傾斜の変化があっても、作業機械10は、安定して走行できる。具体的には、作業機械10が走行する時の、作業機械10の揺動および転倒を抑制することができる。
【0126】
(第2の発明の効果)
[構成2]目標支持力Ftは、走行前支持力Fa0である(
図4Dの目標支持力値Ftaを参照)。
【0127】
上記[構成2]では、コントローラ60は、簡素な処理により目標支持力Ftを設定することができる。例えば、走行前支持力Fa0と上記の付加情報とに基づいてコントローラ60が目標支持力Ftを設定する場合に比べ、コントローラ60は、簡素な処理により目標支持力Ftを設定することができる。
【0128】
(第3の発明の効果)
[構成3]コントローラ60は、機械本体10aが走行している時に、次の処理を行う。コントローラ60は、
図8に示すように、アタッチメント15のうち支持面S5に接している部分(支持面接触部15d)の、支持面S5に対する位置が保たれるように、アタッチメント駆動装置23(
図1参照)を制御する。
【0129】
上記[構成3]により、アタッチメント15は、走行中の作業機械10を確実に支持することができる。また、上記[構成3]により、支持面S5以外の物体(障害物)にアタッチメント15が接触することが抑制される。よって、アタッチメント15が障害物に接触し、アタッチメント15およびアタッチメント駆動装置23(
図1参照)に過剰な負荷がかかる、という問題を抑制することができる。
【0130】
(第4の発明の効果)
[構成4]コントローラ60は、走行前支持力Fa0に加えて、次の情報のうち1つの情報または複数の情報に基づいて、目標支持力Ftを設定する。
図9に示すアタッチメント15の姿勢の情報。機械本体10aの走行速度V(
図11参照)の情報。機械本体10aが走行する走行面S1の傾斜(本体角度θ)の情報。
【0131】
上記[構成4]により、次の効果が得られる。支持力Fは、アタッチメント15の姿勢、走行速度V(
図11参照)、および、走行面S1の傾斜(本体角度θ)に応じて変わる(詳細は上記の通り)。そこで、上記[構成4]では、コントローラ60は、アタッチメント15の姿勢の情報、走行速度Vの情報、および走行面S1の傾斜の情報、のうち1つの情報または複数の情報に基づいて、目標支持力Ftを設定する(
図10および
図11参照)。よって、コントローラ60は、これらの情報に基づくことなく目標支持力Ftを設定する場合に比べ、これらの情報に応じた適切な目標支持力Ftを設定することができる。
【0132】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の変形例どうしが様々に組み合わされてもよい。例えば、上記実施形態の構成要素(変形例を含む)の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、
図2に示す各構成要素の接続は変更されてもよい。例えば、構成要素の配置は変更されてもよい。例えば、構成要素の包含関係は様々に変更されてもよい。例えば、ある上位の構成要素に含まれる下位の構成要素として説明したものが、この上位の構成要素に含まれなくてもよく、他の構成要素に含まれてもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。例えば、
図3に示すフローチャートのステップの順序が変更されてもよく、ステップの一部が行われなくてもよい。例えば、コントローラ60(
図2参照)の制御に用いられる各種パラメータは、この各種パラメータと同一でなくてもよく、各種パラメータに換算可能なパラメータでもよい。例えば、コントローラ60は、上記実施形態(変形例を含む)の各種処理(計算、判定など)と実質的に同一の処理を行ってもよい。コントローラ60は、各種処理を様々に組み合わせて行ってもよい。例えば、各構成要素は、各特徴(作用機能、配置、形状、作動など)の一部のみを有してもよい。
【符号の説明】
【0133】
1 作業機械走行システム
10 作業機械
10a 機械本体
15 アタッチメント
23 アタッチメント駆動装置
31 支持力センサ
60 コントローラ
F 支持力
Fa0 走行前支持力
Ft 目標支持力
S1 走行面
S5 支持面