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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019846
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】歯車の嵌合い構造
(51)【国際特許分類】
   F16H 55/17 20060101AFI20250131BHJP
   F04C 18/16 20060101ALI20250131BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
F16H55/17 A
F04C18/16 Z
F04C29/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123695
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】521362885
【氏名又は名称】コベルコ・コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100218132
【弁理士】
【氏名又は名称】近田 暢朗
(72)【発明者】
【氏名】大賀 順平
【テーマコード(参考)】
3H129
3J030
【Fターム(参考)】
3H129AA03
3H129AA15
3H129BB32
3H129CC16
3J030BD00
3J030BD06
(57)【要約】
【課題】軸と歯車の嵌合い構造において、組付性の向上と動作性の向上とを両立する。
【解決手段】嵌合い構造1が、歯車2に設けられ、軸方向の両端で開口し、軸3が挿通される軸穴20と、軸3に設けられ、軸穴20の内部に位置付けられる挿入部40と、を備える。軸方向において同じ位置における軸穴20の内径R2の挿入部40の外径R3に対する差分がクリアランスδである。軸穴20の軸方向の一端側開口21における第1のクリアランスδaが、一端側開口21よりも軸方向の他方側の所定位置における第2のクリアランスδbよりも大きい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸と一体に回転する歯車の嵌合い構造であって、
前記歯車に設けられ、軸方向の両端で開口し、前記軸が挿通される軸穴と、
前記軸に設けられ、前記軸穴の内部に位置付けられる挿入部と、
を備え、
前記軸方向において同じ位置における前記軸穴の内径の前記挿入部の外径に対する差分をクリアランスとしたとき、
前記軸穴の前記軸方向の一端側開口における第1のクリアランスが、前記一端側開口よりも前記軸方向の他方側の所定位置における第2のクリアランスよりも大きい、
歯車の嵌合い構造。
【請求項2】
前記クリアランスが、前記一端側開口から前記所定位置に向かって前記第1のクリアランスで一定であり、前記所定位置で前記第1のクリアランスから前記第2のクリアランスに切り替わる、
請求項1に記載の歯車の嵌合い構造。
【請求項3】
前記クリアランスが、前記一端側開口から前記所定位置に向かって、前記第1のクリアランスから前記第2のクリアランスまで漸次減少する、
請求項1に記載の歯車の嵌合い構造。
【請求項4】
前記クリアランスが、前記所定位置から前記軸穴の前記軸方向の他端側開口に向かって前記第2のクリアランスで一定である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の歯車の嵌合い構造。
【請求項5】
前記挿入部の前記外径が前記軸方向において一定であり、前記クリアランスが、前記軸穴の前記内径の変化に応じて変わる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の歯車の嵌合い構造。
【請求項6】
前記軸方向の一端側で前記軸穴及び前記挿入部により構成される第1嵌合い部と、
前記第1嵌合い部よりも前記軸方向の他端側で前記軸穴及び前記挿入部により構成される第2嵌合い部と、
を備え、
前記第1嵌合い部が隙間嵌めであり、前記第2嵌合い部が中間嵌め又は締まり嵌めである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の歯車の嵌合い構造。
【請求項7】
前記軸が、スクリュ圧縮機のロータ軸であり、前記歯車が、前記スクリュ圧縮機において前記ロータ軸と一体に回転するピニオンである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の歯車の嵌合い構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸と歯車の嵌合い構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、モータにより駆動されるスクリュ圧縮機を開示している。モータで発生された駆動力をスクリュロータのロータ軸に伝達すべく、ロータ軸の端部に取り付けられたピニオンが、モータ出力軸に取り付けられたプルギヤと噛み合わされている。ロータ軸は、ピニオンの中心部に形成された軸穴に挿通されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-040294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記例においては、ロータ軸の外径(外周面の径)と、ピニオンの内径(軸穴の内周面の径)との双方が、軸方向において一定である。両者の嵌合いに締まり嵌めを適用すると隙間嵌めを適用する場合に比べて組付性が低下し、隙間嵌めを適用すると締まり嵌めを適用する場合に比べて動作性が低下する。
【0005】
本発明は、軸と歯車との嵌合い構造において、組付性の向上と動作性の向上とを両立することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、軸と一体に回転する歯車の嵌合い構造であって、前記歯車に設けられ、軸方向の両端で開口し、前記軸が挿通される軸穴と、前記軸に設けられ、前記軸穴の内部に位置付けられる挿入部と、を備え、前記軸方向において同じ位置における前記軸穴の内径の前記挿入部の外径に対する差分をクリアランスとしたとき、前記軸穴の前記軸方向の一端側開口における第1のクリアランスが、前記一端側開口よりも前記軸方向の他方側の所定位置における第2のクリアランスよりも大きい、歯車の嵌合い構造を提供する。
【0007】
ここで、用語「クリアランス」は、軸穴の内径の挿入部の外径に対する差分として定義され、軸穴の内径から軸の挿入部の外径を減算することによって得られる。クリアランスは、嵌合いのきつさの程度を定量的に示す指標の一例である。クリアランスが大きいほど、嵌合いの程度は緩い。軸が軸穴に挿入される前の段階において、「クリアランス」は、正値のみならず、負値も取り得る。言い換えると、「クリアランス」は、軸穴の内径が軸の外径よりも大きい場合に一般に使用されている用語「隙間」のみならず、軸の外径が軸穴の内径よりも大きい場合に一般に使用されている用語「締め代」の意味も含む。締め代の数値は一般に正値又は絶対値であるのに対し、「クリアランス」に関しては、負値が許容されたうえでその大小関係が特定される。また、「軸方向において同じ位置」とは、軸を挿入し終えた状態、すなわち、嵌合い構造が完成した状態における、軸方向における同じ位置である。
【0008】
上記構成によれば、一端側開口でのクリアランスが、第1のクリアランスである。一端側開口よりも軸方向他方側の所定位置でのクリアランスが、第2のクリアランスである。第2のクリアランスは、第1のクリアランスよりも小さい。軸が一端側開口を介して軸穴に挿入されれば、軸は軸穴に簡便に挿入されていく。軸が所定位置に達した後の挿入では、クリアランスが小さくなるため、挿入のためにより大きな力を必要とする。しかし、嵌合いの程度が軸方向全体にわたって一様にきつい場合と対比すれば、組付けの省力化は実現される。軸方向一端側では組付性確保の代償として、軸が歯車に対して偏心する可能性もある。しかし、挿入作業の後半でクリアランスが小さくなるため、挿入作業の前半で生じ得る偏心は解消される。歯車及び挿入部を軸方向全体にわたって調心でき、組付後の動作性が向上する。
【0009】
前記クリアランスが、前記一端側開口から前記所定位置に向かって前記第1のクリアランスで一定であり、前記所定位置で前記第1のクリアランスから前記第2のクリアランスに切り替わってもよい。
【0010】
上記構成によれば、軸方向においてクリアランスが異なる嵌合い構造を簡便に製作できる。
【0011】
前記クリアランスが、前記一端側開口から前記所定位置に向かって、前記第1のクリアランスから前記第2のクリアランスまで漸次減少してもよい。
【0012】
上記構成によれば、軸が挿入されていくに従って、軸の中心が歯車の軸穴の中心に一致していき、組付性が一層向上する。
【0013】
前記クリアランスが、前記所定位置から前記軸穴の前記軸方向の他端側開口に向かって前記第2のクリアランスで一定であってもよい。
【0014】
上記構成によれば、軸方向においてクリアランスが異なる嵌合い構造を簡便に製作できる。
【0015】
前記挿入部の前記外径が前記軸方向において一定であり、前記クリアランスが、前記軸穴の前記内径の変化に応じて変わってもよい。
【0016】
上記構成によれば、軸方向においてクリアランスが異なる嵌合い構造を簡便に実現できる。
【0017】
前記歯車の嵌合い構造が、前記軸方向の一端側で前記軸穴及び前記挿入部により構成される第1嵌合い部と、前記第1嵌合い部よりも前記軸方向の他端側で前記軸穴及び前記挿入部により構成される第2嵌合い部と、を備え、前記第1嵌合い部が隙間嵌めであり、前記第2嵌合い部が中間嵌め又は締まり嵌めであってもよい。
【0018】
ここで、「隙間嵌め」とは、JIS B 0401に規定され、例えば、軸穴の内径の最大許容寸法よりも軸の外径の最小許容寸法が小さい場合の嵌合い方式である。「締まり嵌め」とは、JIS B 0401に規定され、例えば、軸穴の内径の最小許容寸法よりも軸の外径の最大許容寸法が大きい場合の嵌合い方式である。「中間嵌め」とは、JIS B 0401に規定され、嵌め合わせたときに、軸穴と軸との間に隙間又は締め代のいずれかができる嵌合い方式である。
【0019】
上記構成によれば、軸を軸穴に一端側から挿入することで、第1嵌合い部において組付性が高くなる。第2嵌合い部では組付性が多少低下するが、嵌合い構造の全体が締まり嵌めである場合と比べれば、組付性の低下は緩和される。そのうえで、嵌合い構造の全体が隙間嵌めである場合に生じ得る課題、すなわち動作性の低下を解消できる。
【0020】
前記軸が、スクリュ圧縮機のロータ軸であり、前記歯車が、前記スクリュ圧縮機において前記ロータ軸と一体に回転するピニオンであってもよい。
【0021】
上記構成によれば、組付性が良好であり且つ動作性が良好なスクリュ圧縮機を提供できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、軸と歯車との嵌合い構造において、組付性の向上と動作性の向上とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る嵌合い構造の適用例の一つとしての、オイルフリースクリュ圧縮機を示す断面図。
図2】第1実施形態に係る嵌合い構造を組立状態で示す断面図。
図3】第1実施形態に係る嵌合い構造を分解状態で示す断面図。
図4】第1実施形態に係る嵌合い構造における軸挿入作業の前半段階の一例を示す断面図。
図5】第1実施形態に係る嵌合い構造における軸挿入作業の後半段階の一例を示す断面図。
図6】第2実施形態に係る嵌合い構造を分解状態で示す断面図。
図7】第2実施形態に係る嵌合い構造を組立状態で示す断面図。
図8】第3実施形態に係る嵌合い構造を分解状態で示す断面図。
図9】第3実施形態に係る嵌合い構造における軸挿入作業の前半段階の一例を示す断面図。
図10】第3実施形態に係る嵌合い構造における軸挿入作業の後半段階の一例を示す断面図。
図11】第4実施形態に係る嵌合い構造を組立状態で示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、同一の又は対応する要素には全図を通じて同一の符号を付し、詳細説明の重複を省略する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る嵌合い構造1が適用された圧縮機80を示す。圧縮機80は、一例として、オイルフリースクリュ圧縮機である。圧縮機80は、圧縮機本体81及びギヤボックス82を備える。圧縮機本体81は、互いに噛み合わされた雄ロータ83及び雌ロータ(不図示)で構成されるロータ対を有する。なお、図1ではスクリュロータ軸84の軸線を軸線Aで表している。
【0026】
圧縮機本体81は、ケーシング81A、ケーシング81B、及びカバー81Cを有し、これらは軸方向他方側(図1紙面右側)からこの順番で順次に連結されている。ケーシング81Aは、軸方向他方側でギヤケーシング82Aと連結されている。ケーシング81Aは、ロータ対を収容するロータ室86を形成する。ケーシング81Bは、スクリュロータ軸84を支承するベアリング87と、ロータ室86とベアリング87との間に配置された軸封部88とを保持する。
【0027】
スクリュロータ軸84の一端部は、ケーシング81Bから突出し、カバー81Cで覆われる。この一端部(すなわち、スクリュロータ軸84の吸込側軸端)に、駆動タイミングギヤ90が固定されている。不図示の雌ロータのスクリュロータ軸の端部には、駆動タイミングギヤ90と噛み合う従動タイミングギヤが固定されている。
【0028】
モータ(図示しない)が作動すると、雄ロータ83のスクリュロータ軸84が回転駆動される。スクリュロータ軸84の回転は駆動タイミングギヤ90及び従動タイミングギヤを介して雌ロータのスクリュロータ軸に伝達される。雌ロータのスクリュロータ軸が、雄ロータ83のスクリュロータ軸84と同期して回転し、ロータ対が噛み合った状態で回転する。気体は、圧縮機本体81の吸込口89aから吸い込まれ、ロータ室86内で圧縮され、圧縮機本体81の吐出口89bから吐出される。
【0029】
本実施形態に係る嵌合い構造1は、雄ロータ83のスクリュロータ軸84及び駆動タイミングギヤ90に適用され得る。詳細図示を省略するが、雌ロータのスクリュロータ軸及び従動タイミングギヤにも適用可能である。また、詳細図示を省略するが、雄ロータ83のスクリュロータ軸84、及び雄ロータ83のスクリュロータ軸84の吐出側軸端に設けられるピニオンギヤにも適用可能である。
【0030】
駆動タイミングギヤ90は、一例としてピニオンであり、円盤状の基部11と、基部11の端面から突出するボス部12とを有する。歯13は、基部11の外周縁部に切られている。駆動タイミングギヤ90は、スクリュロータ軸84が挿通される軸穴20を有する。基部11とボス部12とは、同軸状に配置されている。軸穴20は、駆動タイミングギヤ90の中心部に設けられている。軸穴20は、基部11及びボス部12を貫通し、軸方向両側で開口する。
【0031】
スクリュロータ軸84は、カバー81Cに突出した突出端部を有する。突出端部は、ジャーナル部31、挿入部40、及び雄ねじ部32を有し、これらは、軸方向他方側から軸方向一方側に向かってこの順番で並ぶ。ジャーナル部31は、ボールベアリング38の内部に位置付けられる。挿入部40は、軸穴20の内部に位置付けられる。雄ねじ部32には、ナット39が螺合する。駆動タイミングギヤ90は、ボールベアリング38の端面とナット39とにより軸方向に挟持される。ただし、突出端部は、雄ねじ部32を有していなくてもよい。
【0032】
以下、図2以降を参照して、歯車2の嵌合い構造1について説明する。嵌合い構造1は、一体に回転する歯車2及び軸3によって構成される。前述した駆動タイミングギヤ90としてのピニオンは、歯車2の好適例の一つである。前述したスクリュロータ軸84は、歯車2に挿通される軸3の好適例の一つである。
【0033】
図2及び図3を参照して、歯車2は、前述したとおり、基部11、ボス部12、歯13、及び軸穴20を有する。ボス部12は、基部11の軸方向一方側に設けられている。軸穴20の一端側開口21は、ボス部12の端面に形成され、軸穴20の他端側開口22は、基部11の端面に形成されている。
【0034】
軸3は、前述したとおり、挿入部40を有する。挿入部40は、軸穴20の内部に位置付けられる。一端側開口21から他端側開口22までの軸方向における距離が、軸穴20の長さL20である。挿入部40の軸方向の長さL40は、軸穴20の長さL20と等しい。歯車2の軸線A2と軸3の軸線A3とは、互いに同軸であり、それにより共通の軸線Aを成す。
【0035】
軸穴20及び挿入部40の軸方向一方側では、隙間嵌めが適用される。軸穴20及び挿入部40の軸方向他方側では、中間嵌め又は締まり嵌めが適用される。
【0036】
ここで、本開示においては図示の便宜上、軸穴20の「内径R2」とは、歯車2の軸穴20の内周面23の、直径ではなく半径である。同様に、挿入部40の「外径R3」とは、軸3の挿入部40の外周面41の半径である。「クリアランスδ」とは、軸方向において同じ位置における、軸穴20の内径R2の挿入部40の外径R3に対する差分であり(δ=R2-R3)、正値のみならず負値も取り得る。
【0037】
本実施形態において、「隙間嵌め」とは、軸穴20の内径R2の最大許容寸法よりも挿入部40の外径R3の最小許容寸法が小さい場合の嵌合い方式である。本実施形態において、「締まり嵌め」とは、軸穴20の内径R2の最小許容寸法よりも挿入部40の外径R3の最大許容寸法が大きい場合の嵌合い方式である。本実施形態において、「中間嵌め」とは、軸穴20の内径R2と挿入部40の外径R3との大小関係が、隙間嵌めにも締まり嵌めにも該当しうる場合の嵌合い方式である。嵌合い方式が中間嵌めの場合、クリアランスδは正値にも負値にもなり得る。
【0038】
軸穴20の一端側開口21におけるクリアランスδが、第1のクリアランスδaである。第1のクリアランスδaは正値であり、軸穴20の内径R2が挿入部40の外径R3よりも大きい。更に言えば、内径R2の最大許容寸法が、外径R3の最小許容寸法よりも小さい。一端側開口21での嵌合い方式は、隙間嵌めである。
【0039】
一方、軸穴20の一端側開口21よりも軸方向他方側の所定位置20aにおいてクリアランスが切り替わる。所定位置20aよりも軸方向他方側におけるクリアランスδが、第2のクリアランスδbである。第2のクリアランスδbは負値である。負値の長さを二次元平面上で表すことは困難であるため、図示の便宜上、第2のクリアランスδbは、絶対値(|δb|)として図示されている。軸穴20の一端側開口21よりも軸方向他方側の所定位置20aにおける嵌合い方式は、締まり嵌めである。
【0040】
本実施形態では、クリアランスδが、一端側開口21から所定位置20aに向かって第1のクリアランスδaで一定である。クリアランスδは、所定位置20aで第1のクリアランスδaから第2のクリアランスδbに切り替わる。クリアランスδは、所定位置20aから他端側開口22に向かって第2のクリアランスδbで一定である。
【0041】
軸3の外径R3は、少なくとも挿入部40および挿入部40よりも軸方向他方側の部位において、軸方向全体にわたって一定である。これに対し、軸穴20の内径R2は、軸方向において異なる値を取る。クリアランスδは、この軸穴20の内径R2の変化に応じて、軸方向において異なる値を取る。
【0042】
本実施形態において、軸穴20の中心線は、歯車2の軸線A2と同軸である。軸穴20は、一端側開口21から所定位置20aまでの区間において一定の第1内径R2aを有する。軸穴20は、所定位置20aから他端側開口22までの区間において一定の第2内径R2bを有する。第2内径R2bは、第1内径R2aよりも小さい。
【0043】
軸穴20の内周面は、第1内径R2aを有する一端側内周面23aと、第2内径R2bを有する他端側内周面23bと、一端側内周面23aと他端側内周面23bとを接続する段差面23cとを含む。一端側内周面23aも他端側内周面23bも、軸方向において一様な円形断面を有する。
【0044】
一端側内周面23aの他方側端縁は、所定位置20aにおいて、軸方向に見て円環状の段差面23cを介し、他端側内周面23bの一方側端縁と連続する。段差面23cは、軸方向一方側に向けられる。段差面23cの内径は第2内径R2bに相当し、段差面23cの外径は第1内径R2aに相当する。なお、作業性向上のため、所定位置20aにおいて逃がし溝を軸穴20の内周面に設けてもよい。所定位置20aにおいて逃がし溝が軸穴20の内周面に設けられている場合、段差面23cがない。
【0045】
なお、所定位置20aは、一端側開口21と他端側開口22との丁度中央の位置であってもよい。すなわち、一端側開口から所定位置までの軸方向長さL20aが、所定位置から他端側開口までの軸方向長さL20bと等しくてもよい。所定位置20aは、中央の位置から軸方向一方側に位置していてもよい。所定位置20aは、中央の位置から軸方向他方側に位置していてもよい。所定位置20aは、軸穴20のボス部12に対応する位置に位置していてもよいし、軸穴20の基部11に対応する位置に位置していてもよい。
【0046】
このように構成される嵌合い構造1においては、図4に示すように、まず、軸3が、一端側開口21を介して軸穴20に挿入される。軸3の先端、すなわち、挿入部40よりも軸方向他方側の部位が挿入される。当該部位は、挿入部40と同径又は小径である。そのため、当該部位は、特段の抵抗なく、軸穴20内に進入できる。
【0047】
軸3の挿入が進行すると、挿入部40として機能することが期待されている部位(以下、単に挿入部40という)が、一端側開口21を通過する。挿入部40の外径R3は、第1内径R2aよりも小さい。そのため、挿入部40を軸穴20に挿入する前半においては、隙間嵌めの要領で、軸3の挿入が進行していく。つまり、軸穴20の内周面23(一端側内周面23a)と挿入部40の外周面41との間には、正値のクリアランスδが設定される。図4に示すように、このクリアランスδの範囲内において、軸線A3が、軸線A2に対して偏心又は傾斜することも許容される。そのため、軸3が軸穴20の内周面23に傷(いわゆるカジリ)を発生させることなく、円滑に軸方向他方側に進行していく。軸3の先端が所定位置20aに達すると、軸3の先端は段差面23cに突き当たる。
【0048】
図5に示すように、軸3の挿入を進行するためには、軸3が、自身の外径R3よりも小さな第2内径R2bを有する部位に圧入されることが求められる。すなわち、挿入部40を軸穴20に挿入する後半においては、締まり嵌めの要領で、軸3の挿入が進行していく。締まり嵌めにより、軸3は歯車2に対して調心される。それにより、挿入の前半で生じていた軸線A3の軸線A2に対する偏心又は傾斜は解消される。
【0049】
図2に戻り、挿入部40が軸穴20の内部に位置付けられて軸3の軸穴20への挿入が完了した状態において、軸穴20及び挿入部40は、軸方向の一端側では第1嵌合い部1Aを構成する。軸穴20及び挿入部40は、軸方向の他端側では第2嵌合い部1Bを構成する。本実施形態に係る嵌合い構造1は、このような2種の嵌合い部を備える。
【0050】
第1嵌合い部1Aは、所定位置20aよりも軸方向一方側にあり、隙間嵌めである。第1嵌合い部1Aは、一端側内周面23aと外周面41とで構成される。第1内径R2aは外径R3よりも大きく、第1のクリアランスδaは正値である。
【0051】
これに対し、第2嵌合い部1Bは、所定位置20aよりも軸方向他方側にあり、締まり嵌めである。第2嵌合い部1Bは、他端側内周面23bと外周面41とで構成される。挿入が完了した状態においては、他端側内周面23bと外周面41と密着され、軸穴20の内径R2が見かけ上は挿入部40の外径と等しくなる。しかし、挿入を開始する前の状態において、第2内径R2bは外径R3よりも小さく、第2のクリアランスδbは負値である(図面ではその絶対値を示す)。
【0052】
本実施形態に係る嵌合い構造1によれば、組付けの前半において、隙間嵌めの要領で軸3が軸穴20内に挿入されていくため、組付性が良好となる。軸3が所定位置20aに達した後の挿入では、クリアランスδが詰まるため、挿入のためにより大きな推力を必要とする。しかし、軸方向の全体にわたって締まり嵌めが適用される場合と対比すれば、組付けの省力化を実現できる。また、軸方向一端側では組付性向上の代償として、軸3が歯車2に対して偏心又は傾斜し得る。組付けの後半において、締まり嵌めの要領で軸3が軸穴20内に挿入されていくため、偏心又は傾斜を解消できる。そのため、作動時に歯車2の振動を抑制できる。歯車2のバックラッシュがなくなり、作動時に焼き付きを生じるおそれを低減できる。
【0053】
このように、本実施形態に係る歯車2の嵌合い構造1によれば、組付性の向上と動作性の向上とを両立できる。特に、嵌合い構造1が、圧縮機80のスクリュロータ軸84、及びこれに固定される駆動タイミングギヤ90に適用されると(図1を参照)、バックラッシュの解消によってロータ対の同期性が高くなる。
【0054】
また、挿入部40の外径が一定である。軸方向一方側と他方側とでクリアランスδを異ならせるため、軸穴20の内径R2は、軸方向一方側の第1内径R2aと、軸方向他方側の第2内径R2bとで異なる。第1内径R2aは、一端側開口21から所定位置20aまでの一端側内周面23aに設定されるが、一定である。第2内径R2bも、他端側開口22から所定位置20aまでの他端側内周面23bに設定されるが、一定である。そのため、一端側内周面23a及び他端側内周面23bを簡便に成形できる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、図6及び図7を参照して、上記実施形態との相違を中心に第2実施形態に係る嵌合い構造について説明する。
【0056】
上記実施形態では、一端側内周面23aが一定の内径を有していたが、本実施形態では、一端側内周面23aが、円錐面を形成しており、第1内径R2aが一端側開口21から所定位置20aに向かって縮径している。第1内径R2aは、一端側開口21において最大であり、所定位置20aにおいて最小である。本実施形態では、第1内径R2aが所定位置20aにおいて、第2内径R2bと同じ値となっており、一端側内周面23aは段差を介さず他端側内周面23bと連続している。ただし、これは一例であり、一端側内周面23aが円錐面である場合においても、一端側内周面23aが段差を介して他端側内周面23bと連続していてもよい。
【0057】
このようにして、クリアランスδは、一端側開口21から所定位置20aに向かって、第1のクリアランスδaから第2のクリアランスδbまで漸次減少していく。この場合においても、上記実施形態と同様にして、組付性の向上と動作性の向上とを両立できる。特に、本実施形態においては、所定位置20aよりも軸方向一方側の第2所定位置20bにおいて軸3の外径R3が第1内径R2aと等しくなる。このため、軸3の挿入が進むほど、軸3の軸線A3が歯車2の軸線A2と徐々に一致させることができ、軸3が所定位置20aに達した後、軸3を歯車2に圧入しやすい。
【0058】
(第3実施形態)
次に、図8図10を参照して、第1実施形態との相違を中心に第3実施形態に係る嵌合い構造について説明する。なお、図8図10においては、軸方向一方側が、上記実施形態を示す図2図9とは異なり、紙面右側に示される。
【0059】
第1実施形態では、クリアランスδを軸方向の位置によって異ならせるために、軸穴20の内径R2が軸方向の位置によって異なる一方、挿入部40の外径R3は一定である。これに対し、本実施形態では、軸穴20の内径R2が一端側開口21から他端側開口22に至るまで一定である。挿入部40が段付きであり、挿入部40の外周面41は、軸方向一方側の一端側外周面41a、及び軸方向他方側の他端側外周面41bを有する。
【0060】
一端側外周面41aの第1外径R3aは、他端側外周面41bの第2外径R3bよりも小さい。一端側外周面41aは、所定位置40aにおいて段差面41cを介し、他端側外周面41bと連続する。一端側外周面41aにおいて第1外径R3aは軸方向において一定である。他端側外周面41bにおいて第2外径R3bは軸方向において一定である。
【0061】
第1外径R3aは、内径R2よりも小さい。第2外径R3bは、内径R2と等しく又は内径R2よりも僅かに大きい。
【0062】
なお、図8に示す例では、挿入部40の一端から所定位置40aまでの長さL40a(すなわち、一端側外周面41aの軸方向の長さ)が、挿入部40の他端から所定位置40aまでの長さL40b(すなわち、他端側外周面41bの軸方向の長さ)よりも短い。これは単なる一例であり、2つの長さL40a,L40bの大小関係は特に限定されない。長さL40bの方が短い場合、挿入時の摩擦が小さくなる点で有益である。
【0063】
組付けに際し、軸3の一端が他端側開口22を介して軸穴20の内部に挿入される。挿入部40の軸方向一方側は、相対的に小径であるため、軸3は円滑に軸穴20の内部を軸方向に進行していく。挿入が進むと、挿入部40の段差面41cが、歯車2の他端側端面(他端側開口の周縁)に当接する。その後は、軸3が軸穴20に圧入されていく。
【0064】
これにより、挿入部40が軸穴20の内部に位置付けられて軸3の軸穴20への挿入が完了した状態において、軸穴20及び挿入部40は、軸方向の一端側では第1嵌合い部1Aを構成する。軸穴20及び挿入部40は、軸方向の他端側では第2嵌合い部1Bを構成する。本実施形態に係る嵌合い構造1も、2種の嵌合い部を備える。
【0065】
第1嵌合い部1Aは、所定位置40aよりも軸方向一方側にあり、隙間嵌めである。第1嵌合い部1Aは、内周面23と一端側外周面41aとで構成される。内径R2は第1外径R3aよりも大きく、第1のクリアランスδaが正値である。
【0066】
これに対し、第2嵌合い部1Bは、所定位置40aよりも軸方向他方側にあり、中間嵌めである。第2嵌合い部1Bは、内周面23と他端側外周面41bとで構成される。挿入を開始する前の状態において、内径R2は第2外径R3bよりも小さく、第2のクリアランスδbは負値である(図面ではその絶対値を示す)。本実施形態においても、上記実施形態と同様にして、組付性の向上と動作性の向上とを両立できる。
【0067】
(第4実施形態)
次に、図11を参照して、第1実施形態との相違を中心に第4実施形態に係る嵌合い構造について説明する。
【0068】
本実施形態においては、軸穴20の内径R2が、軸方向の位置によって異なる。歯車2は、軸穴20の軸方向一方側を画定する一端側内周面23aと、軸方向他方側を画定する他端側内周面23bを有する。更に、歯車2は、軸穴20の軸方向所定位置において、一端側内周面23aに対しても他端側内周面23bに対しても、径方向内周側に突出するフランジ部24を有する。図11では、フランジ部24は、一端側開口21よりも他端側開口22に近い所定位置に設けられているが、フランジ部24が設けられる位置は、組み付け性や、軸3の長さ、嵌合い構造1の用途等により適宜決定できる。フランジ部24は、軸穴20の内周面23の一部として、フランジ内周面23dを有する。フランジ内周面23dは、フランジ部24の一方側の端面23c1を介して一端側内周面23aと連続する。また、フランジ内周面23dは、フランジ部24の他方側の端面23c2を介して他端側内周面23bと連続する。
【0069】
軸穴20の内径R2は、一端側内周面23aの第1内径R2a、他端側内周面23bの第2内径R2b、及びフランジ内周面23dの第3内径R2cを含む。第1内径R2a及び第2内径R2bは、第3内径R2cよりも大きい。図11に示す例では、第2内径R2bが第1内径R2aよりも大きいが、第1内径R2a及び第2内径R2bの大小関係は特に限定されない。
【0070】
これに対し、挿入部40は軸方向の全体にわたって一定の外径R3を有する。外径R3は、第1内径R2aに対しても第2内径R2bに対しても小さい。外径R3は、第3内径R2cと等しく又は第3内径R2cよりも大きい。
【0071】
組付けに際し、軸3は、一端側開口21を介して軸穴20に挿入されてもよいし、他端側開口22を介して軸穴20に挿入されてもよい。いずれにしても、隙間嵌めの要領で、軸3を軸穴20に挿入できる。軸3がフランジ部に達した後は、軸3は、フランジ内周面を通過すべく、軸穴20に圧入される。フランジ部24の軸方向の長さは、一端側内周面及び他端側内周面よりも短い。そのため、圧入で生じる抵抗が小さくて済み、挿入作業の後半における組付性の低下を抑制できる。
【0072】
これにより、挿入部40が軸穴20の内部に位置付けられて軸3の軸穴20への挿入が完了した状態において、軸穴20及び挿入部40は、軸方向の一端側では第1嵌合い部1Aを構成する。軸方向の中央部では第2嵌合い部1Bを構成する。軸方向の他端側では第3嵌合い部1Cを構成する。
【0073】
第1嵌合い部1Aは、隙間嵌めである。第2嵌合い部1Bは、中間嵌め又は締まり嵌めである。第3嵌合い部1Cは、第1嵌合い部1Aと同様に、隙間嵌めである。中間嵌め又は湿り嵌めが適用される第2嵌合い部1Bは、必ずしも他端側開口まで形成されている必要はない。本実施形態においても、上記実施形態と同様にして、組付性の向上と動作性の向上とを両立できる。
【0074】
(変形例)
これまで、実施形態について説明したが、上記構成は、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更、又は削除可能である。
【0075】
上記実施形態においては、軸穴20及び挿入部40の一方については、軸方向の位置によって径が変化する一方、他方については、軸方向の全体にわたって径が一定である。これは単なる一例であり、両方の径が変化してもよい。軸3の外径R3を変化させる場合において、第2実施形態と同様に、一端側外周面41aが円錐面であってもよい。
【0076】
嵌合い構造1は、オイルフリースクリュ圧縮機に適用されると、圧縮機の生産効率の向上と圧縮機の動作性能の向上とを両立でき、有益である。しかし、嵌合い構造は、圧縮機以外の動力伝達に適用されてもよい。
【0077】
第4実施形態において、第3嵌合い部1Cにおいて、歯車2および軸3とは別体の嵌合部材(図示しない)が設けられ、歯車2と軸3との嵌合い構造が実現してもよい。すなわち、第3嵌合い部1Cにおいては、歯車2の軸穴20の他端側内周面23bと軸3の外周面41とが嵌合い構造を実現しているのではなく、嵌合部材(図示しない)を介して歯車2と軸3とが嵌合されている。それゆえ、歯車2の軸穴20の他端側内周面23bと軸3の外周面41との差分は嵌合部材を設けることができるくらいに十分に大きい。なお、第4実施形態と同様、第1嵌合い部1Aは、隙間嵌めであり、第2嵌合い部1Bは、中間嵌め又は締まり嵌めである。
【0078】
なお、本開示は以下の態様を含み得る。
(態様1)
軸と一体に回転する歯車の嵌合い構造であって、
前記歯車に設けられ、軸方向の両端で開口し、前記軸が挿通される軸穴と、
前記軸に設けられ、前記軸穴の内部に位置付けられる挿入部と、
を備え、
前記軸方向において同じ位置における前記軸穴の内径の前記挿入部の外径に対する差分をクリアランスとしたとき、
前記軸穴の前記軸方向の一端側開口における第1のクリアランスが、前記一端側開口よりも前記軸方向の他方側の所定位置における第2のクリアランスよりも大きい、
歯車の嵌合い構造。
(態様2)
前記クリアランスが、前記一端側開口から前記所定位置に向かって前記第1のクリアランスで一定であり、前記所定位置で前記第1のクリアランスから前記第2のクリアランスに切り替わる、
態様1に記載の歯車の嵌合い構造。
(態様3)
前記クリアランスが、前記一端側開口から前記所定位置に向かって、前記第1のクリアランスから前記第2のクリアランスまで漸次減少する、
態様1に記載の歯車の嵌合い構造。
(態様4)
前記クリアランスが、前記所定位置から前記軸穴の前記軸方向の他端側開口に向かって前記第2のクリアランスで一定である、
態様1から3のいずれか1項に記載の歯車の嵌合い構造。
(態様5)
前記挿入部の前記外径が前記軸方向において一定であり、前記クリアランスが、前記軸穴の前記内径の変化に応じて変わる、
態様1から4のいずれかに記載の歯車の嵌合い構造。
(態様6)
前記軸方向の一端側で前記軸穴及び前記挿入部により構成される第1嵌合い部と、
前記第1嵌合い部よりも前記軸方向の他端側で前記軸穴及び前記挿入部により構成される第2嵌合い部と、
を備え、
前記第1嵌合い部が隙間嵌めであり、前記第2嵌合い部が中間嵌め又は締まり嵌めである、
態様1から5のいずれかに記載の歯車の嵌合い構造。
(態様7)
前記軸が、スクリュ圧縮機のスクリュロータ軸であり、前記歯車が、前記スクリュ圧縮機において前記スクリュロータ軸と一体に回転するピニオンである、
態様1から6のいずれかに記載の歯車の嵌合い構造。
【符号の説明】
【0079】
1 嵌合い構造
1A 第1嵌合い部
1B 第2嵌合い部
1C 第3嵌合い部
2 歯車
3 軸
11 基部
12 ボス部
13 歯
20 軸穴
20a 所定位置
21 一端側開口
22 他端側開口
23 内周面
23a 一端側内周面
23b 他端側内周面
23c 段差面
23c1,23c2 端面
23d フランジ内周面
24 フランジ部
31 ジャーナル部
32 雄ねじ部
40 挿入部
40a 所定位置
41 外周面
41a 一端側外周面
41b 他端側外周面
41c 段差面
80 圧縮機
81 圧縮機本体
81A,81B ケーシング
81C カバー
82 ギヤボックス
82A ギヤケーシング
83 雄ロータ
84 スクリュロータ軸
86 ロータ室
87 ベアリング
88 軸封部
89a 吸込口
89b 吐出口
90 駆動タイミングギヤ
A 軸線
A2 軸線
A3 軸線
L20 軸穴の長さ
L20a 一端側開口から所定位置までの長さ
L20b 所定位置から他端側開口までの長さ
L40 挿入部の長さ
L40a 挿入部一端から所定位置までの長さ
L40b 所定位置から挿入部他端までの長さ
R2 内径
R2a 第1内径
R2b 第2内径
R2c 第3内径
R3 外径
R3a 第1外径
R3b 第2外径
δ クリアランス
δa 第1のクリアランス
δb 第2のクリアランス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11