(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020012
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】運動するボールのスピンを把握する方法、これを利用する仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフシステム
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20250131BHJP
【FI】
A63B69/36 541W
A63B69/36 522A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024111950
(22)【出願日】2024-07-11
(31)【優先権主張番号】10-2023-0098905
(32)【優先日】2023-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0098913
(32)【優先日】2023-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0098917
(32)【優先日】2023-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】323014764
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(72)【発明者】
【氏名】クァク,ジェフン
(57)【要約】
【課題】本発明は運動するボールのスピンを把握する方法、これを利用する仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフシステムを提供する。
【解決手段】上記運動するボールのスピンを把握する方法は、識別部が具備されまたスピンを持って運動しているボールに対して、第1時点に第1イメージを獲得し、第2時点に第2イメージを獲得するイメージ獲得ステップと、前記第1イメージから前記識別部の第1識別情報を獲得し、前記第2イメージから前記識別部の第2識別情報を獲得する識別情報獲得ステップと、累積スピンデータを利用して予想スピンを選定した後、前記予想スピンを前記第1及び第2識別情報に適用して前記運動しているボールのスピンを把握するスピン把握ステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別部が具備されまたスピンを持って運動しているボールに対して、第1時点に第1イメージを獲得し、第2時点に第2イメージを獲得するイメージ獲得ステップと、
前記第1イメージから前記識別部の第1識別情報を獲得し、前記第2イメージから前記識別部の第2識別情報を獲得する識別情報獲得ステップと、
累積スピンデータを利用して予想スピンを選定した後、前記予想スピンを前記第1及び第2識別情報に適用して前記運動しているボールのスピンを把握するスピン把握ステップとを
含む
運動するボールのスピンを把握する方法。
【請求項2】
前記ボールはゴルフボールであり、ユーザがゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃することで前記ゴルフボールはスピンを持って運動することになり、
前記累積スピンデータは、現在スピンを把握しようとする前記ゴルフボールを打撃したユーザ及び当該ユーザと同一レベルのゴルフ実力を有する他のユーザが過去にゴルフボールを打撃したときにゴルフボールが持つスピンに関する情報を利用して形成されることができる、請求項1に記載の運動するボールのスピンを把握する方法。
【請求項3】
前記ボールはゴルフボールであり、ユーザがゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃することで前記ゴルフボールはスピンを持って運動することになり、
前記第1及び第2時点の間の前記ゴルフボールの運動による状態変化を感知するステップをさらに含み、
前記累積スピンデータは、前記ゴルフボールの状態変化に付合するスピンデータを選別した後、前記選別されたスピンデータを利用して形成されることができる、請求項1に記載の運動するボールのスピンを把握する方法。
【請求項4】
前記スピン把握ステップでは、前記第1識別情報に前記予想スピンを適用した適用結果を前記第2識別情報と比較し、前記第2識別情報との比較結果に応じて前記予測スピンを前記運動しているボールのスピンとして決定したり、または新しい予想スピンを選定しながら前記スピン把握ステップを再実行する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の運動するボールのスピンを把握する方法。
【請求項5】
前記累積スピンデータはガウス分布を示し、
前記予想スピンは前記ガウス分布で互いに異なる位置にある複数の任意のスピンを抽出することで複数個に選定されることができる、請求項4に記載の運動するボールのスピンを把握する方法。
【請求項6】
前記累積スピンデータはガウス分布を示し、
前記予想スピンは最初前記ガウス分布において平均を中心にして-標準偏差と+標準偏差との間の範囲で選定されることができる、請求項4に記載の運動するボールのスピンを把握する方法。
【請求項7】
前記第1識別情報に前記予想スピンを適用した適用結果を前記第2識別情報と比較した結果値が大きいほど、前記予想スピンと前記新しい予測スピンとの差異が大きくなるように前記新しい予想スピンが選定される、請求項4に記載の運動するボールのスピンを把握する方法。
【請求項8】
第3時点に前記ボールに対する第3イメージを獲得するステップと、前記第3イメージから前記識別部の第3識別情報を獲得するステップと、前記第3識別情報を利用して前記把握されたスピンについて検証するステップを含む追加ステップをさらに実行する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の運動するボールのスピンを把握する方法。
【請求項9】
前記スピン把握ステップで把握されるスピンは複数であり、
前記第1識別情報または前記第2識別情報に前記複数のスピンを適用した適用結果を前記第3識別情報と比較し、前記第3識別情報との比較結果に応じて前記複数のスピンの中のいずれかを前記運動しているボールのスピンとして確定したり、または新しい予想スピンを選定しながら前記スピン把握ステップと前記追加ステップを再実行する、請求項8に記載の運動するボールのスピンを把握する方法。
【請求項10】
ユーザが実際ゴルフボールを打撃すると、前記実際ゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行う算出部と、
仮想ゴルフコース及び前記仮想ゴルフコースで前記算出過程で算出された通り動く仮想ゴルフボールを表示する表示部とを
含み、
ユーザが前記実際ゴルフボールを打撃した後に、
識別部が具備されまたスピンを持って運動しているボールに対して、第1時点に第1イメージを獲得し、第2時点に第2イメージを獲得するイメージ獲得ステップと、
前記第1イメージから前記識別部の第1識別情報を獲得し、前記第2イメージから前記識別部の第2識別情報を獲得する識別情報獲得ステップと、
累積スピンデータを利用して予想スピンを選定した後、前記予想スピンを前記第1及び第2識別情報に適用して前記運動しているボールのスピンを把握するスピン把握ステップとを
含む運動するボールのスピンを把握する方法に従って、前記実際ゴルフボールのスピンを把握する、
仮想ゴルフ装置。
【請求項11】
前記算出過程には前記実際ゴルフボールのスピンを把握した結果が反映されることができる、請求項10に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項12】
サービス装置と、
前記サービス装置と通信上に連結される少なくとも1つ以上の仮想ゴルフ装置とを
含み、
前記仮想ゴルフ装置は、
ユーザが実際ゴルフボールを打撃すると、前記実際ゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行う算出部と、
仮想ゴルフコース及び前記仮想ゴルフコースで前記算出過程で算出された通り動く仮想ゴルフボールを表示する表示部とを
含み、
また、前記仮想ゴルフ装置ではユーザが前記実際ゴルフボールを打撃した後に、
識別部が具備されまたスピンを持って運動しているボールに対して、第1時点に第1イメージを獲得し、第2時点に第2イメージを獲得するイメージ獲得ステップと、
前記第1イメージから前記識別部の第1識別情報を獲得し、前記第2イメージから前記識別部の第2識別情報を獲得する識別情報獲得ステップと、
累積スピンデータを利用して予想スピンを選定した後、前記予想スピンを前記第1及び第2識別情報に適用して前記運動しているボールのスピンを把握するスピン把握ステップとを
含む運動するボールのスピンを把握する方法に従って、前記実際ゴルフボールのスピンを把握する、
仮想ゴルフシステム。
【請求項13】
前記サービス装置はユーザ情報を貯蔵する貯蔵部を含み、
前記ユーザ情報は、前記実際ゴルフボールのスピンを把握する過程において累積スピンデータの形成に使用されることができる、請求項12に記載の仮想ゴルフシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運動するボールのスピンを把握する方法、これを利用する仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ゴルフの人気が高まりながらゴルフをプレイする人口が増加している。ゴルフは屋外ゴルフ場でのゴルフだけでなく、仮想ゴルフ装置などを利用してゴルフをプレイすることができるスクリーンゴルフ(仮想ゴルフ)の人気も高まっている。スクリーンゴルフではスクリーンを介してゴルフ場の映像が表示されるので、屋外で実際の競技をしているような感じを与えることができる。また、屋外のフィールドで試合することに比べて時間とコストがセーブされるので、スクリーンゴルフは時間や経済的な理由などで屋外のフィールドでプレイし難い現代人に人気が高い。
【0003】
スクリーンゴルフと実際のゴルフとを比較すると、スクリーンゴルフは密閉された室内空間でサービスされる特性上、オープンな屋外空間で行われる実際のゴルフで提供しにくい技術的サービスをユーザに提供することができる利点がある。例えば、実際ゴルフではユーザがゴルフボールを打撃するときに打撃されたゴルフボールの速度や発射角などのようなゴルフボールの物理的状態を把握することができないが、スクリーンゴルフでは様々なセンシング手段などを用いて打撃されたゴルフボールの物理的な状態を把握してユーザに提供することができる。ユーザが興味を持っているゴルフボールの物理的状態中には、ゴルフボールの「スピン」がある。スピンは3次元空間で回転するゴルフボールの回転状態を示し、これを感知するためには高価のセンサなどのような装備が必要である。しかし、スピン感知のために高価装備を使用することは経済的に非効率的であるため、低コストで正確にスピンを把握することができる技術の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような事情を勘案して発明されたものであり、高価装備なしで簡単な方式でスピンを感知することができる運動するボールのスピンを把握する方法を提供することをその目的とする。
また、本発明は、高価装備なしで簡単な方式でユーザが打撃したゴルフボールのスピンを感知することができる仮想ゴルフ装置を提供することをその目的とする。
また、本発明は、高価装備なしで簡単な方式でユーザが打撃したゴルフボールのスピンを感知することができる仮想ゴルフシステムを提供することをその目的とする。
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するのために、本発明の実施例による運動するボールのスピンを把握する方法は、識別部が具備されまたスピンを持って運動しているボールに対して、第1時点に第1イメージを獲得し、第2時点に第2イメージを獲得するイメージ獲得ステップと、前記第1イメージから前記識別部の第1識別情報を獲得し、前記第2イメージから前記識別部の第2識別情報を獲得する識別情報獲得ステップと、累積スピンデータを利用して予想スピンを選定した後、前記予想スピンを前記第1及び第2識別情報に適用して前記運動しているボールのスピンを把握するスピン把握ステップとを含む。
【0006】
上記運動するボールのスピンを把握する方法において、前記ボールはゴルフボールであり、ユーザがゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃することで前記ゴルフボールはスピンを持って運動することになり、前記累積スピンデータは、現在スピンを把握しようとする前記ゴルフボールを打撃したユーザ及び当該ユーザと同一レベルのゴルフ実力を有する他のユーザが過去にゴルフボールを打撃したときにゴルフボールが持つスピンに関する情報を利用して形成されることができる。
【0007】
上記運動するボールのスピンを把握する方法において、前記ボールはゴルフボールであり、ユーザがゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃することで前記ゴルフボールはスピンを持って運動することになり、前記第1及び第2時点の間の前記ゴルフボールの運動による状態変化を感知するステップをさらに含み、前記累積スピンデータは、前記ゴルフボールの状態変化に付合するスピンデータを選別した後、前記選別されたスピンデータを利用して形成されることができる。
上記運動するボールのスピンを把握する方法において、前記スピン把握ステップでは、前記第1識別情報に前記予想スピンを適用した適用結果を前記第2識別情報と比較し、前記第2識別情報との比較結果に応じて前記予測スピンを前記運動しているボールのスピンとして決定したり、または新しい予想スピンを選定しながら前記スピン把握ステップを再実行する。
【0008】
上記運動するボールのスピンを把握する方法において、前記累積スピンデータはガウス分布を示し、前記予想スピンは前記ガウス分布で互いに異なる位置にある複数の任意のスピンを抽出することで複数個に選定されることができる。
上記運動するボールのスピンを把握する方法において、前記累積スピンデータはガウス分布を示し、前記予想スピンは最初前記ガウス分布において平均を中心にして-標準偏差と+標準偏差との間の範囲で選定されることができる。
【0009】
上記運動するボールのスピンを把握する方法において、前記第1識別情報に前記予想スピンを適用した適用結果を前記第2識別情報と比較した結果値が大きいほど、前記予想スピンと前記新しい予測スピンとの差異が大きくなるように前記新しい予想スピンが選定される。
上記運動するボールのスピンを把握する方法において、第3時点に前記ボールに対する第3イメージを獲得するステップと、前記第3イメージから前記識別部の第3識別情報を獲得するステップと、前記第3識別情報を利用して前記把握されたスピンについて検証するステップを含む追加ステップをさらに実行する。
【0010】
上記運動するボールのスピンを把握する方法において、前記スピン把握ステップで把握されるスピンは複数であり、前記第1識別情報または前記第2識別情報に前記複数のスピンを適用した適用結果を前記第3識別情報と比較し、前記第3識別情報との比較結果に応じて前記複数のスピンの中のいずれかを前記運動しているボールのスピンとして確定したり、または新しい予想スピンを選定しながら前記スピン把握ステップと前記追加ステップを再実行する。
【0011】
本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、ユーザが実際ゴルフボールを打撃すると、前記実際ゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行う算出部と、仮想ゴルフコース及び前記仮想ゴルフコースで前記算出過程で算出された通り動く仮想ゴルフボールを表示する表示部とを含み、ユーザが前記実際ゴルフボールを打撃した後に、識別部が具備されまたスピンを持って運動しているボールに対して、第1時点に第1イメージを獲得し、第2時点に第2イメージを獲得するイメージ獲得ステップと、前記第1イメージから前記識別部の第1識別情報を獲得し、前記第2イメージから前記識別部の第2識別情報を獲得する識別情報獲得ステップと、累積スピンデータを利用して予想スピンを選定した後、前記予想スピンを前記第1及び第2識別情報に適用して前記運動しているボールのスピンを把握するスピン把握ステップとを含む運動するボールのスピンを把握する方法に従って、前記実際ゴルフボールのスピンを把握する。
上記仮想ゴルフ装置において、前記算出過程には前記実際ゴルフボールのスピンを把握した結果が反映されることができる。
【0012】
本発明の実施例による仮想ゴルフシステムは、サービス装置と、前記サービス装置と通信上に連結される少なくとも1つ以上の仮想ゴルフ装置とを含み、前記仮想ゴルフ装置は、ユーザが実際ゴルフボールを打撃すると、前記実際ゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行う算出部と、仮想ゴルフコース及び前記仮想ゴルフコースで前記算出過程で算出された通り動く仮想ゴルフボールを表示する表示部とを含み、また、前記仮想ゴルフ装置ではユーザが前記実際ゴルフボールを打撃した後に、識別部が具備されまたスピンを持って運動しているボールに対して、第1時点に第1イメージを獲得し、第2時点に第2イメージを獲得するイメージ獲得ステップと、前記第1イメージから前記識別部の第1識別情報を獲得し、前記第2イメージから前記識別部の第2識別情報を獲得する識別情報獲得ステップと、累積スピンデータを利用して予想スピンを選定した後、前記予想スピンを前記第1及び第2識別情報に適用して前記運動しているボールのスピンを把握するスピン把握ステップとを含む運動するボールのスピンを把握する方法に従って、前記実際ゴルフボールのスピンを把握する。
【0013】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記サービス装置はユーザ情報を貯蔵する貯蔵部を含み、前記ユーザ情報は、前記実際ゴルフボールのスピンを把握する過程において累積スピンデータの形成に使用されることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高価装備なしで簡単な方式で運動するボールのスピンを正確に把握することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例による運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程を例示的に示すフローチャートである。
【
図2】
図1の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図3】
図1の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図4】
図1の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図5】
図1の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図6】
図1の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図7】
図1の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図8】本発明の他の実施例による運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程を例示的に示すフローチャートである。
【
図9】
図8の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図10】
図8の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図11】
図8の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図12】
図8の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図13】
図8の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図14】本発明の他の実施例による運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程を例示的に示すフローチャートである。
【
図15】
図14の運動するボールのスピンを把握する方法に使用される累積スピンデータを形成するための様々な方式を説明するための図である。
【
図16】
図14の運動するボールのスピンを把握する方法に使用される累積スピンデータを形成するための様々な方式を説明するための図である。
【
図17】
図14の運動するボールのスピンを把握する方法に使用される累積スピンデータを形成するための様々な方式を説明するための図である。
【
図18】
図14の運動するボールのスピンを把握する方法に使用される累積スピンデータを形成するための様々な方式を説明するための図である。
【
図19】本発明の他の実施例による運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程を例示的に示すフローチャートである。
【
図20】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図21】
図20の仮想ゴルフ装置においてゴルフボールの動きを算出する方法の一例を示す図である。
【
図22】
図20の仮想ゴルフ装置においてゴルフプレイ情報を提供するスクリーン画面の一例を示す図である。
【
図23】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図24】本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0017】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0018】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0019】
図1は本発明の実施例による運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程を例示的に示すフローチャートであり、
図2乃至
図7は
図1の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図1を参照すると、ボールのスピンを把握するための動作過程は第1乃至第4ステップ(S11‐S14)を含む。第1ステップ(S11)では運動中のボールのイメージを取得し、第2ステップ(S12)では前記イメージから情報を取得し、第3ステップ(S13)では予想スピンを選定し、第4ステップ(S14)では予想スピンを第2ステップ(S12)で得られた情報に適用して運動中のボールのスピンを把握する。
【0020】
図2を参照すると、運動中のボールがスピンで回転しながら約2時方向に移動しているとする時に、第1ステップ(S11)では、第1時点(T1)でボールを撮影して第1イメージ(I1)を獲得し、また第1時点(T1)以降の第2時点(T2)でボールを撮影して第2イメージ(I2)を獲得する。上記ボールは、ゴルフボール、野球ボール、卓球ボールなどのようにスポーツに使用される様々な種類のボールを含み、ボールの表面には識別部(A)が形成されている。識別部(A)はボールの回転状態を把握するために用いることができるボールの表面に形成されたマーカーと言える。例えば、野球ボールには投手が様々な球種のボールを投げることができるように複数の縫い目が形成されており、運動中の野球ボールで前記縫い目の状態変化をチェックして野球ボールのスピンを把握することができるので、野球ボールの縫い目は識別部(A)の役割をすることができる。また、ほとんどのスポーツボールにはボールを製造したメーカーの名前やブランドが表示されており、上記ブランドなどの状態変化を通じてスピンを把握することができるので、これらのブランドなども識別部(A)として作用することができる。
【0021】
図3を参照すると、第2ステップ(S12)では、第1イメージ(I1)から識別部(A)に関する第1情報を獲得し、第2イメージ(I2)から識別部(A)に関する第2情報を獲得する。ボールのイメージからボールの情報を取得する方法はいろいろある。一例として、第1イメージ(I1)にはボール以外の部分(ボールが飛ぶ場所が背景としてボールのイメージに含まれることがあり得る)があり、このようなボール以外の部分を除去してボールとボール表面の識別部(A)のみを抽出するようにイメージを処理した後、ボールと識別部(A)との間の関係を分析して識別部(A)に関する情報を取得することができる。第2イメージ(I2)についても同一方法を適用することができる。ここで、識別部(A)に関する情報である識別情報(便宜上、単に「情報」と命名する場合もある)は、ボールにおける識別部(A)の位置情報を含む。ボールがスフィアの形状を有する場合、ボールの表面の各点はスフィアの中心から異なる位置情報を有する。したがって、スフィアの表面に形成された識別部(A)もスフィアであるボールの中心から特定の位置情報を有することができ、ボールと識別部(A)のイメージを抽出した後にボールの中心と識別部(A)との間の位置関係を分析することにより、識別部(A)の位置情報を把握することができる。
【0022】
識別部(A)の第1及び第2識別情報はそれぞれA1(i1、j1、k1)及びA2(i2、j2、k2)で表示される。ここで、A1(i1、j1、k1)およびA2(i2、j2、k2)は、それぞれが1つの地点に対する位置情報または複数の地点に対する位置情報を示す。すなわち、識別部(A)が一つの地点からなる場合に、A1(i1、j1、k1)及びA2(i2、j2、k2)は単一地点に対する位置情報となり、識別部(A)が複数地点からなる場合、A1(i1、j1、k1)およびA2(i2、j2、k2)は複数地点に対する位置情報となる。通常識別部(A)は単一点ではなく複数地点からなるケースが多い。
【0023】
ボールと識別部(A)は三次元空間に存在するため、識別部(A)の位置情報は三次元を表す三つの独立成分で表示され、i、j、kは前記三つの独立成分を示す。例えば、i、j、kは、直交座標系におけるx成分、y成分、z成分を示すことができる。あるいは、i、j、kは、球座標系におけるr成分、φ成分、θ成分を示すことができる。ボールを撮影したイメージから識別部(A)の3次元位置情報を把握するために、ボールを撮影する際にステレオカメラやデプスカメラを用いることができる。また、3次元情報を得ることができるカメラを複数個使用することもできる。あるいは、ステレオカメラなどを使用せずに2次元イメージを生成するカメラを用いることも可能である。2次元カメラで撮影したイメージからは識別部(A)の2次元位置情報が得られる。もし2次元位置情報が得られて識別部(A)におけるi、j、k成分中にi、j成分に対する位置情報のみが得られても、ボールが特定要件(例えば、上記k成分に関するボールのスピン値がゼロである場合またはほぼ無視することができる場合)の下で運動していれば、2次元位置情報だけでボールのスピンを把握することもできる。
【0024】
図4を参照すると、i軸、j軸、k軸からなる3次元空間でボールがスピンを有して特定軸を中心として回転すると仮定する。ここで、スピンはボールの回転における基準となる軸とどの程度で回転するかを示す回転量とによって特定することができる。例えば、ボールのスピンを「S」とするときに、これはi軸成分のスピンSiとj軸成分のスピンSjとk軸成分のスピンSkで次のように表現することができる。
S = Si
i + Sj
j + Sk
k
(
i 、
j 、
kはそれぞれi軸、j軸、k軸の基本単位ベクトルを示す)
このとき、スピン(S)の回転量(S1)と回転軸(S2)は、Si、Sj、Skによって次のように算出することができる。
【数1】
【0025】
現在運動中のボールが有しているスピンを対象スピン(S*)と命名すると、識別部(A)は第1時点(T1)にボールの第1位置に位置し、前記対象スピン(S*)によって第2時点(T2)にボールの第2位置に位置することになる。このように対象スピン(S*)はボールにおける識別部(A)の位置を変換させる役割をし、対象スピン(S*)の回転量(S1*)と回転軸(S2*)とを把握すれば行列等のような形態で対象スピン(S*)による位置変換ファクタを数学的に導出することができる。一方、識別部(A)が複数地点(複数画素)によって表現される場合、第1及び第2情報(A1(i1、j1、k1)、(A2(i2、j2、k2))はそれぞれ複数地点に対する位置情報の集合体とすることができる。これをA1set及びA2setとし、またボールが持っている対象スピン(S*)による位置変換行列をSm*とすると、次の式(1)が成立することができる。
[Sm*][A1set] = [A2set] ------- 式(1)
【0026】
式(1)によれば、識別部(A)の第1識別情報([A1set])に対象スピン(S*)に応じた位置変換ファクタ([Sm*])を適用すると、第2識別情報([A2set])が得られる。現在第1及び第2識別情報([A1set]、[A2set])が知られている状態で未知の対象スピン(S*)を把握しようとする状況であり、本発明の実施例によれば、式(1)を活用して現在運動中のスピンを把握することができる。具体的には、本実施例では任意のスピンを仮定し、上記任意のスピンによる位置変換ファクタを式(1)に適用して式(1)の成立の可否をチェックした後、式(1)が成立すると上記任意のスピンを対象スピン(S*)と決定し、式(1)が不成立すると式(1)が成立するまで繰り返して新たな任意のスピンを仮定する方法を用いる。
【0027】
上述したように、本実施例では式(1)を利用するために任意のスピンを仮定し、これに関して第3ステップ(S13)では対象スピン(S
*)の候補である予想スピンを選定する。
図5を参照すると、予測スピンを選択する際にスピンに対して累積された累積スピンデータを利用することができる。累積スピンデータは、複数のユーザが過去に自分のプレイでボールがスピンを有して運動するようにしたときに記録したすべてのスピンに関するデータを収集したものを含む。例えば、現在運動中のボールがスクリーンゴルフなどのような仮想ゴルフプレイで使用されるゴルフボールであると仮定すると、スクリーンゴルフ場にはスピンを測定することができるレーザーセンサーなどのようなセンシング手段が設けられており、前記センシング手段を利用することでスクリーンゴルフをプレイするすべてのユーザがゴルフボールを打撃したたびに打撃されたゴルフボールのスピンを測定することができる。測定されたスピンはスクリーンゴルフ場に設けられたメモリやハードディスクなどの記憶装置に貯蔵されることができる。あるいは、スクリーンゴルフ場が複数であり複数のスクリーンゴルフ場が中央サーバによって管理されている場合、測定されたスピンは中央サーバの記憶装置に貯蔵されることもできる。このように、ユーザがゴルフボールを打撃したたびに該当打撃に応じたスピンが貯蔵されると、貯蔵されたデータを蓄積して全てのユーザの全てのゴルフボールの打撃に対する累積スピンデータを形成することができる。データ量が十分に蓄積されると、累積スピンデータはガウス分布曲線の形態を示すことができる。
図5に図示されたように、ガウス分布曲線は平均(m)を中心に左右対称の形態になり、ほとんどのデータが平均を中心にしてm-σ(σは標準偏差)とm+σの範囲に集中されている。第3ステップ(S13)では累積スピンデータのガウス分布で任意のスピンを予想スピン(
図5に「ES」と表記)に選定する。一例として最初の予想スピンは平均(m)または平均(m)の近傍で選定することができる。平均(m)は累積統計で該当スピンになる確率が最も高い場合を示すため、平均(m)近傍で予想スピンを選定する場合に選定された予想スピンが運動中のゴルフボールが有するスピン(対象スピン(S
*))に決定される可能性が高い。
【0028】
第4ステップ(S14)では予測スピンを識別部(A)に対する第1及び第2識別情報に適用して運動中のボールのスピンを把握する。具体的には、まず予想スピンを上記式(1)に次のように適用する。
[ESm][A1set] = [EA2set] ------- 式(2)
【0029】
ここで、[ESm]は予想スピンによる位置変換行列を示し、 [A1set]は第1時点における識別部(A)に関する第1識別情報であり、[EA2set]は予想スピンを第1識別情報に適用して得られた結果(便宜上「予備情報」と命名する)を示す。式(2)によって予備情報が得られると、これを第2識別情報と比較する。予備情報と第2情報とを比較した結果、予備情報と第2情報との間に差がある場合、これは予想スピンが正しいスピン(対象スピン(S
*))ではないことを意味し、新たなスピンを選定することになる。ここで予備情報と第2情報との間に差があることは、
図6に図示されたように、第1時点(T1)における識別部(A)に予想スピンが適用されると仮定したときの識別部(A)の形態が、実際の第2時点(T2)における識別部(A)の形態と互いに差があることを意味する。予想スピンが正しいスピンではないことが判明されると、新たな予想スピンを選定し、第1情報に上記新たな予想スピンに応じた位置変換ファクタを適用して新しい予備情報を計算し、上記新しい予備情報と第2情報とを比較して新たな予想スピンが正しいスピンであるか否かを判断する。予備情報と第2情報が同一または非常に類似すると、選定されたスピンを現在運動中のボールの対象スピンとして確定する。ここで予備情報と第2情報が非常に類似するということは、[EA2set]と[A2set]との間の差が小さく所定の値以下であるという意味である(位置情報は+、-がある場合があり、ここで差が小さいという意味は絶対値が小さいという意味である)。
【0030】
最初に選定された予想スピンが正しいスピンではないと判明されて新たな予想スピンを選定する際にも累積スピンデータを利用する。
図7を参照すると、最初に選定された予想スピンを便宜上最初予想スピン(ES)とし、第2に選定された予想スピンをセカンド予想スピン(ES'、ES”)とするときに、最初予想スピンとセカンド予測スピン(ES'、ES”) は一定の規則により選定することができる。
例えば、最初予想スピン(ES)は平均(m)または平均(m)の近傍で選定することができる。平均(m)は累積統計で該当スピンが出る確率が最も高い場合を示すため、平均(m)または平均(m)の近傍で予想スピン(ES)を選定する場合に選定された予想スピン(ES)が運動中のゴルフボールが有しているスピンに決定される可能性が高い。最初予想スピン(ES)が正しいスピンでない場合には、 セカンド予測スピン(ES'、ES”)を選定する。セカンド予測スピン(ES'、ES”)として最初予想スピン(ES)と第1差異(Δ1)があるもの(ES')又は最初予想スピン(ES)と第2差異(Δ2)があるもの(ES”)を選定する。前述したように、最初予想スピン(ES)を識別部(A)に関する第1情報に適用すると第2時点(T2)における識別部(A)に対する「予備情報」が得られる。上記「予備情報」と識別部(A)に対する第2情報とを比較した結果、その差が小さい場合、これは最初予想スピン(ES) が正しいスピンとあまり差が大きくないことを意味するので、最初予想スピン(ES)との差が比較的小さい範囲でセカンド予想スピン(ES')を選定することが好ましい。また、上記「予備情報」と識別部(A)に関する第2情報とを比較した結果、その差が大きい場合、これは最初予想スピン(ES)が正しいスピンと差が大きいことを意味するので、最初予想スピン(ES)との差が比較的大きい範囲でセカンド予想スピン(ES”)を選定することが好ましい。
【0031】
図8は本発明の他の実施例による運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程を例示的に示すフローチャートであり、
図9乃至
図13は
図8の運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図8を参照すると、ボールのスピンを把握するための動作過程は、第1乃至第5ステップ(S21‐S25)を含む。第1ステップ(S21)では運動中のボールのイメージを取得し、第2ステップ(S22)では前記イメージから情報を取得し、第3ステップ(S23)では予想スピンを選定し、第4ステップ(S24)では予想スピンを第2ステップ(S22)で得られた情報に適用して運動中のボールのスピンを把握し、第5ステップ(S25)では把握したスピンを検証する。
【0032】
図9を参照すると、運動中のボールがスピンで回転しながら所定方向に移動しているとする時に、第1ステップ(S21)では、第1時点(T1)でボールを撮影して第1イメージ(I1)を獲得し、第1時点(T1)以降の第2時点(T2)でボールを撮影して第2イメージ(I2)を獲得し、また第2時点(T2)以降の第3時点(T3)でボールを撮影して第3イメージ(I3)を獲得する。上記ボールは、ゴルフボール、野球ボール、卓球ボールなどのようにスポーツに使用される様々な種類のボールを含み、ボールの表面には外部から識別可能な標識である識別部(A)が形成されている。
【0033】
図10を参照すると、第2ステップ(S22)では、第1イメージ(I1)から識別部(A)に関する第1情報を獲得し、第2イメージ(I2)から識別部(A)に関する第2情報を獲得し、第3イメージ(I3)から識別部(A)に関する第3情報を獲得する。ボールの情報は、撮影されたイメージからボール以外の部分を除去し、ボールとボール表面の識別部(A)のみを抽出するように処理した後、ボールと識別部(A)との間の関係を分析して獲得することができる。ここで、識別部(A)に関する情報である識別情報(便宜上、単に「情報」と命名する場合もある)は、ボールにおける識別部(A)の位置情報を含む。具体的には、第1乃至第3識別情報はそれぞれA1(i1、j1、k1)、A2(i2、j2、k2)、A3(i3、j3、k3)で表示される。ここで、A1(i1、j1、k1)、A2(i2、j2、k2)、A3(i3、j3、k3)は、それぞれが1つの地点に対する位置情報または複数の地点に対する位置情報を示す。
【0034】
第3ステップ(S23)では予想スピンを任意に選定する。
図11を参照すると、予想スピンを選定する際に前述の実施例と同様にスピンに対して累積された累積スピンデータを利用することができる。累積スピンデータは、複数のスピンに関する過去記録を蓄積して形成することができ、データ量が十分に蓄積されると、累積スピンデータはガウス分布曲線の形態を示すことができる。
図11に図示されたように、ガウス分布曲線は平均(m)を中心に左右対称の形態になり、ほとんどのデータが平均を中心にしてm-σ(σは標準偏差)とm+σの範囲に集中されている。第3ステップ(S23)では累積スピンデータのガウス分布で任意のスピンを単数または複数に選定する。単数の場合は一度に1つの予想スピンに対して後続ステップ(第4及び第5ステップ(S24、S25))を実行し、複数の場合は一度に複数の予想スピンについて後続ステップ(第4及び第5ステップ(S24、S25))を実行する。正しいスピンを発見するまで予想スピンを選定する回数が非常に多い場合には、効率的なプロセスの進行のために一度に複数の予想スピンを選定して後続のステップを実行することが好ましい。複数の予想スピン(ES1、ES2、ES3)を選定するときに、これらは任意の位置で選定することができる。又は、これらは最初の選定時に平均(m)や標準偏差(σ)の近傍で選定することができる。平均(m)や標準偏差(σ)は累積統計で該当スピンになる確率が相対的に高い場合を示すため、平均(m)や標準偏差(σ)の近傍で予想スピン(ES1、ES2、ES3)を選定する場合に選定された予想スピン(ES1、ES2、ES3)が運動中のゴルフボールが有するスピンに決定される可能性が高い。
【0035】
第4ステップ(S24)では予想スピン(ES1、ES2、ES3)を識別部(A)に対する第1及び第2識別情報に適用して運動中のボールのスピンを把握する。具体的には、まず予想スピン(ES1、ES2、ES3)を下記の式(3-1)、(3-2)、(3-3)に次のように適用する。
[ES1m] [A1set] = [E1A2set] ------- 式(3-1)
[ES2m] [A1set] = [E2A2set] ------- 式(3-2)
[ES3m] [A1set] = [E3A2set] ------- 式(3-3)
【0036】
説明の便宜上、予想スピン(ES1、ES2、ES3)をそれぞれ第1予想スピン(ES1)、第2予想スピン(ES2)、第3予想スピン(ES3)と命名すると、上記式で [A1set]は第1時点(T1)における識別部(A)の位置情報(第1情報)を示し、[ES1m]、[ES2m]、[ES3m] はそれぞれ第1乃至第3予想スピン(ES1、ES2、ES3)による位置変換ファクタを示し、[E1A2set]は第1予想スピン(ES1)を第1情報に適用して得られた予備情報(「第1予備情報」と命名する)であり、[E2A2set]は第2予想スピン(ES2)を第1情報に適用して得られた予備情報(「第2予備情報」と命名する)であり、[E3A2set]は第3予想スピン(ES3)を第1情報に適用して得られた予備情報(「第3予備情報」と命名する)である。第1乃至第3予備情報が得られると、これを第2情報と比較する。第1乃至第3予備情報と第2情報とを比較した結果、第1乃至第3予備情報と第2情報との間に差がある場合、第1乃至第3予想スピン(ES1、ES2、ES3)は全て正しいスピンではないので、第3ステップ(S23)が再実行される。すなわち、第3ステップ(S23)で複数の予想スピンを選定し、このときには以前に選定された第1乃至第3予想スピン(ES1、ES2、ES3)以外の他の予想スピンが選定される。
【0037】
図12に図示されたように、第1及び第2予想スピン(ES1、ES2)を適用した第1及び第2予備情報は、第2時点(T2)における識別部情報(第2情報([A2set]))と相当な差があり、第3予想スピン(ES3)を適用した第3予備情報は第2時点(T2)における識別部情報(第2情報([A2set]))と同一/類似した場合、 第3予想スピン(ES3)を現在運動中のボールが持っているスピンとして決定する。
【0038】
第5ステップ(S25)では第3情報を用いて第4ステップ(S24)で把握されたスピンを検証する。
図13に図示されたように、第5ステップ(S25)では第3予想スピン(ES3)を識別部(A)に対する第2情報に適用する(又は第3予想スピン(ES3)を第1情報に適用することも可能である)。このために第3予想スピン(ES3)を下記の式(4)に次のように適用する。
[ES3m] [A2set] = [E3A3set] ------- 式(4)
【0039】
式(4)において、[ES3m]は第3予想スピン(ES3)による位置変換ファクタを示し、[A2set]は第2時点(T2)における識別部(A)の位置情報(第2情報)を示し、[E3A3set]は第3予想スピン(ES3)を第2情報に適用して得られた結果(「検証情報」と命名する)である。検証情報が得られると、これを第3情報([A3set])と比較する。検証情報と第3情報とを比較した結果、検証情報と第3情報との間に差がある場合、第3予想スピンは正しいスピンではないので、第3ステップ(S23)に戻って予想スピン選定のステップが再実行される。検証情報と第3情報とを比較した結果、検証情報と第3情報とが同一または非常に類似した場合、第3予想スピンを現在運動中のボールのスピンとして決定し、スピンを把握する全過程が終了する。ここで、検証情報と第3情報とが非常に類似するということは、[E3A3set]と[A3set]との差が所定の値以下に小さい場合を意味する。このように検証ステップを追加する理由は、識別部(A)を第1時点での状態(第1情報の状態)から第2時点での状態(第2情報の状態)に変換するスピンは、複数のスピンがあり得るので(説明の便宜のために、二次元状態での簡単な例を挙げると、識別部(A)が第1時点でボールの9時方向に位置し第2時点でボールの12時方向に位置する場合、第1時点と第2時点との間の状態変化は、ボールが時計方向に90度回転するスピンとボールが反時計方向に270度回転するスピンとの両方によって発生することができる)、検証ステップを通じて上記複数のスピンの中で現在運動中のボールが持っているスピンを正確に確認するためである。
【0040】
図14は本発明の他の実施例による運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程を例示的に示すフローチャートであり、
図15乃至
図18は
図14の運動するボールのスピンを把握する方法に使用される累積スピンデータを形成するための様々な方式を説明するための図である。
【0041】
図14を参照すると、ボールのスピンを把握するための動作過程は、第1乃至第5ステップ(S31‐S35)を含む。第1ステップ(S31)では運動中で表面に識別部が形成されたボールのイメージを取得し、第2ステップ(S32)では前記イメージから識別部の識別情報を取得し、第3ステップ(S33)では複数の累積スピン分布データ中でいずれかの一つを選択し、第4ステップ(S34)では選択したスピン分布データを用いて予想スピンを選定し、第5ステップ(S35)では選定された予想スピンを用いて運動中のボールのスピンを把握する。
【0042】
第1乃至第5ステップ(S31-S35)の各ステップを詳細に見ると、第1ステップ(S31)では、表面に識別部が形成されたボールに対して、第1時点でボールを撮影して第1イメージを獲得し、第1時点以降の第2時点でボールを撮影して第2イメージを獲得する。第2ステップ(S32)では、第1イメージから識別部に関する第1情報を獲得し、第2イメージから識別部に関する第2情報を獲得する。上記第1及び第2情報はボールにおける識別部の位置情報を含む。第3ステップ(S33)では、複数のスピン分布データ中でいずれかの一つを選択する選択ステップが実行され、これについては後述する。第4ステップ(S34)では、第3ステップ(S33)で選択されたスピン分布データを用いて予想スピンを任意に選定する。上記予想スピンは単数または複数に選定することができる。第5ステップ(S35)では、第4ステップ(S34)で選定された単数または複数の予想スピンを第1情報に適用して予備情報を取得した後、上記予備情報を第2情報と比較する。予備情報と第2情報とを比較した結果、予備情報と第2情報との間に差がある場合、予想スピンは正しいスピンではないので、第4ステップ(S34)に戻って第4、5ステップ(S34、S35)が再実行される。本実施例の第1乃至第5ステップ(S31‐S35)の中で第1、2、4、5ステップ(S31、S32、S34、S35)は
図1乃至
図7を参照して説明した実施例における第1乃至第4ステップ(S11、S12、S13、S14)に対応するので、これらの詳細な説明は省略する。
【0043】
第3ステップ(S33)に関して
図15を参照すると、累積スピンデータは所定の記憶装置に貯蔵されている。例えば、現在運動中のボールがスクリーンゴルフなどのような仮想ゴルフプレイで使用されるゴルフボールであると仮定すると、スクリーンゴルフ場にはスピンを測定することができるレーザーセンサーなどのようなセンシング手段が設けられており、前記センシング手段を利用してスクリーンゴルフをプレイするすべてのユーザがゴルフボールを打撃するたびに打撃されたゴルフボールのスピンを測定することができる。測定されたスピンはスクリーンゴルフ場に設けられたコンピュータのメモリやハードディスクなどの記憶装置に貯蔵することができる。あるいは、スクリーンゴルフ場が複数であり複数のスクリーンゴルフ場が中央サーバによって管理されている場合、測定されたスピンは中央サーバの記憶装置に貯蔵することができる。このように、ユーザがゴルフボールを打撃するたびに該当打撃によるスピンを貯蔵すると、貯蔵されたデータを蓄積してユーザの全てのゴルフボールの打撃に対する累積スピンデータを形成することができる。ここで、記憶装置に貯蔵される累積スピンデータはユーザのゴルフ実力に応じて区分された複数で構成することができる。例えば、前記累積スピンデータは、全てのユーザがスクリーンゴルフ場でプレイしながらゴルフボールを打撃したときに打撃されたゴルフボールのスピン情報に基づいて形成されるALLUser用累積スピンデータ、1級のゴルフ実力を有するユーザがスクリーンゴルフ場でプレイしながらゴルフボールを打撃したときに打撃されたゴルフボールのスピン情報に基づいて形成される1LevelUser用累積スピンデータ、2級のゴルフ実力を有するユーザがスクリーンゴルフ場でプレイしながらゴルフボールを打撃したときに打撃されたゴルフボールのスピン情報に基づいて形成される2LevelUser用累積スピンデータ、3級のゴルフ実力を有するユーザがスクリーンゴルフ場でプレイしながらゴルフボールを打撃したときに打撃されたゴルフボールのスピン情報に基づいて形成される3LevelUser用累積スピンデータなどに区分することができる。上記ALLUser用累積スピンデータ、1LevelUser用累積スピンデータ、2LevelUser用累積スピンデータ、3LevelUser用累積スピンデータなどは、異なるガウス分布曲線を示す。このようにユーザのゴルフ実力のレベルにより累積スピンデータが区分されている場合、予想スピンを選定する際に、前述の実施例と同様にALLUser用累積スピンデータを用いることができる。または、現在スピンを把握しようとするゴルフボールを打撃したユーザが2級レベルのゴルフ実力を持っている場合、予想スピンを選定する際に、該当ユーザと同一レベルのゴルフ実力を持つユーザのデータ(2LevelUser用累積スピンデータ)に基づくガウス分布曲線を使用して予想スピンを選定することができる。このように、ユーザのゴルフ実力のレベルにより区分された複数の累積スピンデータを具備し、運動中のゴルフボールのスピンを把握しようとするときに当該ゴルフボールを打撃したユーザのゴルフ実力のレベルと同一または類似のゴルフ実力を有するユーザの累積スピンデータを使用すると、スピンを把握する動作にかかる時間を短縮することができるという利点がある。
【0044】
ゴルフ実力はさまざまな要因によって決定することができるが、特に打撃の正確性が重要である。ゴルフボールを正確に打撃すると目標地点に向かってゴルフボールがまっすぐ飛ぶが、そうでない場合にはゴルフボールが目標地点に向かう方向から左右に外れてフックやスライスが発生する可能性が高い。フックやスライスが発生するゴルフボールはそうでない場合に比べて大きなサイドスピンを持つ。したがって、打撃の正確性が高くてゴルフの実力が良いユーザがゴルフボールを打撃する場合、該当ゴルフボールは概してサイドスピンが小さくて正面に飛び、これに比べて打撃の正確性が低くてゴルフの実力が良くないユーザがゴルフボールを打撃する場合、該当ゴルフボールは概して左側のサイドスピンが大きいフックが発生したり又は右側のサイドスピンが大きいスライスが発生したりする可能性がある。打撃の正確性以外に飛距離やパッティングなどのようなゴルフの実力を決める要素はいろいろある。ゴルフの実力が低いからといって必ずフックやスライスが発生するとは言えないが、複数ユーザによって累積された大量のデータから見るとゴルフの実力に応じてスピンデータの分布にはある程度の差が明らかにあり得る。ユーザ全体のスピンが(Sa、Sb)という範囲を有し、特定のレベルに属するユーザのスピンが(Sa、Sb)の範囲内に属する(Sa’、Sb’)という範囲を有すると仮定する。上記特定レベルのユーザが打撃したゴルフボールのスピンを把握するためにALLUser用累積スピンデータを使用する場合、(Sa、Sb)の範囲内に属するが(Sa’、Sb’)の範囲外にあるスピンを予想スピンとして選定することができ、この予想スピンは正しいスピンではない可能性が高い。この場合、該当予想スピンに対して第4及び第5ステップ(S34、S35)を進行する時間により全体動作に要する時間が増加する。これに比べて、上記特定レベルのユーザが打撃したゴルフボールのスピンを把握するためにALLUser用累積スピンデータの代わりに上記特定レベルユーザ用スピンデータを使用すると、(Sa’、Sb’)の範囲内にあるスピンを予想スピンとして選定することができ、この予想スピンは少なくとも(Sa’、Sb’)の範囲外にあるスピンに比べて正しいスピンである可能性が高い。その結果、ALLUser用累積スピンデータを使用する場合に比べて全体動作に要する時間が減少することができる。
【0045】
以上、第3ステップ(S33)において全体累積スピンデータ中に特定の累積スピンデータを選択する過程について説明した。
図15を参照して説明した実施例において全体データから特定データを選択する基準は「ユーザのゴルフ実力」である。これと同一の原理を適用して、第3ステップ(S33)では「ユーザのゴルフ実力」以外の他の「基準」に応じて全体データから特定データのみを選択することも可能である。以下、他の「基準」の例としてボールの運動特性について説明する。前述のように、現在運動中のボールがスクリーンゴルフなどのような仮想ゴルフプレイで使用されているゴルフボールであると仮定し、またユーザが仮想ゴルフプレイでゴルフボールを打撃するたびに該当打撃によるスピンが記憶装置に貯蔵され、貯蔵されたデータを蓄積してユーザの全てのゴルフボールの打撃に対する累積スピンデータが形成されていると仮定する。ここで、記憶装置に貯蔵される累積スピンデータは打撃されたゴルフボールの移動特性に応じて区分された複数で構成することができる。例えば、
図16に図示されたように、前記累積スピンデータは、全てのユーザがスクリーンゴルフ場でプレイしながらゴルフボールを打撃したときに打撃されたゴルフボールのスピン情報に基づいて形成されるALL累積スピンデータ、打撃されたゴルフボールがサイドスピンがほとんどなく正面に飛ぶ移動特性を有する場合のスピン情報に基づいて形成されるNoSideSpin用累積スピンデータ、打撃されたゴルフボールが左方向のサイドスピンがあって左側に曲がりながら飛ぶ移動特性を有する場合のスピン情報に基づいて形成されるLeftSideSpin用累積スピンデータ、打撃されたゴルフボールが右方向のサイドスピンがあって右側に曲がりながら飛ぶ移動特性を有する場合のスピン情報に基づいて形成されるRightSideSpin用累積スピンデータなどに区分することができる(ここで、サイドスピンのサイズに応じて、NoSideSpin用累積スピンデータ/LeftSideSpin用累積スピンデータ/RightSideSpin用累積スピンデータは、さらに細分化された多数項目で構成することができる。例えば、LeftSideSpin用累積スピンデータは第1範囲のLeftSideSpin用累積スピンデータと第2範囲のLeftSideSpin用累積スピンデータなどのように、より多くの項目に区分されるように形成することができる)。
図16に図示されたように、上記ALL累積スピンデータ/NoSideSpin用累積スピンデータ/LeftSideSpin用累積スピンデータ/RightSideSpin用累積スピンデータ等は、異なるガウス分布曲線を示す。このように打撃されたゴルフボールの移動特性により累積スピンデータが区分されている場合、予想スピンを選定する際に、前述の実施例と同様にALL累積スピンデータを用いることができる。または、現在スピンを把握しようとするゴルフボールが運動中にどのような状態変化があるかをまず感知し、前記感知結果でゴルフボールが右に曲がって飛行する移動特性を示す場合、前記移動特性に合致するデータ(RightSideSpin用累積スピンデータ)に基づくガウス分布曲線を使用して予想スピンを選定することができる。このように、ゴルフボールの移動特性により区分された複数の累積スピンデータを具備し、運動中のゴルフボールのスピンを把握しようとするときに当該ゴルフボールの移動特性に付合する項目の累積スピンデータを使用すると、スピンを把握する動作にかかる時間を短縮することができるという利点があり、その理由はユーザのゴルフ実力のレベルにより区分された複数の累積スピンデータを使用する場合(
図15関連説明内容を参照)について説明したのと同一である。
【0046】
以上、累積スピンデータが打撃されたゴルフボールが移動する経路における特性により複数に区分される例を説明したが、上記移動特性に加えて他の基準がさらにあり得る。例えば、ユーザが打撃したゴルフボールの発射速度や発射角などにより累積スピンデータが複数に区分されていることも可能である。また、前記移動特性/発射速度/発射角などのような運動特性に対する変数は、これら中のいずれかの一つのみを基準にして累積スピンデータが複数の累積スピンデータで構成されることができる。または、前記様々な変数中の少なくとも二つ以上を基準にして累積スピンデータが複数の累積スピンデータで構成されることもできる。二つ以上の複合の変数を適用する場合、打撃されたゴルフボールが有する前記二つ以上の複合変数を把握し、これに合致する項目の累積スピンデータを選択した後、選択された累積スピンデータから予想スピンを選定することができる。
【0047】
図15及び
図16を参照して説明した実施例で累積スピンデータは特定の基準により区分された複数で構成されているが、複数の累積スピンデータを必ずしもそれぞれ別々に予め用意しなければならないわけではない。予想スピンを選定する際に使用される「特定基準」に付合する累積スピンデータは、予想スピンを選定する前に直ちに生成されるようにすることができる。これについては
図17及び
図18を参照して説明する。
【0048】
前述のようにスクリーンゴルフなどのような仮想ゴルフプレイで使用されるゴルフボールを仮定すると、ユーザがスクリーンゴルフでプレイした記録はスクリーンゴルフ場の仮想ゴルフ装置に具備されたコンピュータのメモリやハードディスクなどの記憶装置に貯蔵される。あるいは、スクリーンゴルフ場が複数であり複数のスクリーンゴルフ場が中央サーバによって管理されている場合、ユーザのプレイ記録は中央サーバの記憶装置に貯蔵される。
図17を参照すると、記憶装置は複数のストレージ領域に区分されており、複数のストレージ領域のそれぞれには異なるユーザのプレイ記録が貯蔵される。前記ストレージ領域には、ユーザが記録したプレイスコア、ユーザが打撃したときのスピンや飛距離などのようなゴルフボールの状態に関する情報、平均打数/平均飛距離/フェアウェイ安着率などのようなユーザの個人記録などが貯蔵されている。また、前記ストレージ領域にはユーザのゴルフ実力のレベルに関する情報が貯蔵されている。ここで、ユーザのゴルフ実力はユーザが過去にプレイしたときの様々なプレイ情報を用いて判断することができる。例えば、「平均打数」を用いてユーザのゴルフ実力を判断することができる。平均打数とは、通常18ホールからなるゴルフコースにおいて18ホールプレイを完了したときの総打数の平均を意味する。ゴルフにおいて18ホールでの規定打数を全て加えれば72打となり、ユーザが18ホールプレイで記録した打数が低ければ低いほどゴルフ実力が良いといえる。プロゴルファーは60代または70代前半の打数を記録し、一般人は80打以内に入ると上級者と言え、また100打を基準にして2桁打数を記録するか又は3桁打数を記録するかにより初心者の可否を判断することができる。このように、平均打数はユーザのゴルフ実力のレベルを判断する指標の一例であり、本人と同一の平均打数を有するユーザ又はほぼ数打程度で本人と平均打数が若干差がある程度のユーザであれば、これらは全て同一レベルのゴルフ実力を持っていると判定することができる。
【0049】
2級のゴルフ実力を持つユーザがプレイしているときに、該当ユーザが打撃したゴルフボールのスピンを把握する場合を仮定する。
図14および
図15を参照して説明した実施例によれば、複数のスピン分布データ中でプレイ中のユーザと同一ゴルフ実力を有するユーザに対するスピン分布データからなるガウス分布曲線を選択して該当ガウス分布曲線から予想スピンを選定することができる。しかし、本実施例によれば、プレイ中のユーザと同一ゴルフ実力を有するユーザに対するガウス分布曲線が別途具備されていない。本実施例では、
図17に図示されたように、現在プレイしているユーザと当該ユーザと同一ゴルフ実力を持つユーザ(User1、User3、User4)のプレイ記録が貯蔵されている領域から、これらのユーザ(User1、User3、User4)のスピン情報(S1、S3、S4)を抽出した後、抽出されたスピン情報に基づいてガウス分布曲線を有する累積スピンデータを生成することができる。このように、特定のゴルフ実力を有するユーザの累積スピンデータは予想スピンを選定するステップの直前に生成されるようにすることができ、この場合にユーザのゴルフ実力に応じた複数の累積スピンデータを予め生成して別途に貯蔵する必要はない。
【0050】
「特定基準」に合致するデータを抽出した後、それらを収集して予想スピンを選定する前に累積スピンデータを生成する際に、上記「特定基準」として前述のユーザのゴルフ実力以外に他のものがさらにあり得る。例えば、ボールの運動特性があり得る。前述のようにスクリーンゴルフなどのような仮想ゴルフプレイで使用されるゴルフボールを仮定すると、ユーザがスクリーンゴルフでプレイした記録はスクリーンゴルフ場の仮想ゴルフ装置又は複数のスクリーンゴルフ場を管理する中央サーバに具備された記憶装置に貯蔵される。
図18を参照すると、記憶装置は複数のストレージ領域に区分されており、複数のストレージ領域のそれぞれにはユーザが打撃したゴルフボールが打撃後に有する物理的状態に対する記録が貯蔵される。例えば、上記ストレージ領域には、ユーザがゴルフボールを打撃した時に打撃されたゴルフボールの移動速度、移動方向、スピン、発射角などのようなゴルフボールの状態に関する情報が、ユーザの各打撃ケース別に区分されて貯蔵される。予想スピンを選定するための累積スピンデータは、記憶装置に貯蔵されている情報中で現在運動中のゴルフボールの運動特性に合致する一部の情報を抽出した後、抽出された情報に基づいて形成することができる。例えば、
図18に図示されたように、ユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態を貯蔵するストレージ領域は複数で区分されており、前記複数の各ストレージ領域にはゴルフボールが有する運動特性(例:ゴルフボールが曲がらず正面に飛行、ゴルフボールが若干右に曲がりながら飛行、ゴルフボールが大きく右に曲がりながら飛行など)と該当運動特性を有するときのスピンなどに関する情報が貯蔵されていると仮定する。また、現在ユーザが打撃したゴルフボールが右に曲がりながら飛行する移動特性を示していると仮定する。このとき、前記記憶装置において、Motion1、Motion2及びMotion5がゴルフボールが右に曲がる運動特性を示すケースであり、Motion3及びMotion4はゴルフボールが右に曲がる運動特性とは無関係のケースであるとすれば、Motion1、Motion2、Motion5などの運動特性を示すときのスピン情報(S1、S2、S5)を抽出した後、抽出したスピン情報に基づいてガウス分布曲線を有する累積スピンデータを生成することができる。このように特定の運動特性を示すケースの累積スピンデータは予想スピンを選定するステップの直前に生成されるようにすることができ、この場合にゴルフボールの運動特性に応じた複数の累積スピンデータを事前に予め用意して別途に貯蔵する必要はない。
【0051】
図19は本発明の他の実施例による運動するボールのスピンを把握する方法の動作過程を例示的に示すフローチャートである。
図19を参照すると、ボールのスピンを把握するための動作過程は、第1乃至第6ステップ(S41‐S46)を含む。第1ステップ(S41)では運動中のボールのイメージを取得し、第2ステップ(S42)では前記イメージから情報を取得し、第3ステップ(S43)では複数のスピン分布データ中のいずれかの一つを選択し、第4ステップ(S44)では選択されたスピン分布データを用いて予想スピンを選定し、第5ステップ(S45)では上記予想スピンを第2ステップ(S42)で得られた情報に適用して運動中のボールのスピンを把握し、第6ステップ(S46)では把握したスピンを検証する。
【0052】
本実施例を
図14乃至
図18を参照して説明した実施例と比較すると、本実施例では第1及び第2ステップ(S41、S42)で獲得するイメージと識別部情報の数が1つ追加される点と第6ステップ(S46)でスピンを検証するステップが追加される点とに違いがある。すなわち、本実施例において前の実施例と異なる内容は第3イメージをさらに生成してスピン検証用に使用することであり、これは
図8乃至
図13を参照して説明した実施例における第1、2、5ステップ(S21、S22、S25)に対応する。従って、本実施例は
図8乃至
図13を参照して説明した実施例と
図14乃至
図18を参照して説明した実施例とを組み合わせたものであるとすることができ、本実施例を構成する各ステップについては、前述の実施例における対応するステップの説明で十分に理解することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0053】
本実施例でも、
図15及び
図16に図示されたような貯蔵情報を用いて、現在運動中のゴルフボールに関する特定要件(ユーザのゴルフ実力、ゴルフボールの運動特性など)に合致する累積スピンデータを選択し、これを利用して予想スピンを選定することができる。あるいは、本実施例でも、
図17及び
図18に図示されたような貯蔵情報を用いて、特定要件(ユーザのゴルフ実力、ゴルフボールの運動特性など)を満たすケースのスピンデータを抽出した後、抽出したデータを利用して累積スピンデータを生成することができ、生成された累積スピンデータを用いて予想スピンを選定することができる。
以上、運動するボールのスピンを把握する様々な方法を説明したが、前述したスピンを把握する方法は様々な装置に適用して使用することができる。スピンを把握することはゴルフ、野球、サッカーなどのようなスポーツ装置などで必要であり、特に屋内でユーザが仮想スポーツをプレイする場合に必要性が増加する。以下では、スピンを把握する動作を用いるスポーツ装置の一例として仮想ゴルフ装置について説明する。
【0054】
図20は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図であり、
図21は
図20の仮想ゴルフ装置においてゴルフボールの動きを算出する方法の一例を示す図であり、
図22は
図20の仮想ゴルフ装置においてゴルフプレイ情報を提供するスクリーン画面の一例を示す図である。
図20を参照すると、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、打撃プレート(10)、制御部(20)、感知部(30)、入力部(40)、サウンド部(50)、表示部(60)を含む。
【0055】
打撃プレート(10)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域である。打撃プレート(10)は別途具備されているプレート状物体から構成されたり、又は別途の物体ではなく仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアとしてユーザが位置する部分から構成されたりすることができる。図面に図示されていないが、打撃プレート(10)には打撃用ゴルフボールが置かれる打撃マットが具備され、前記打撃マットには上下に移動可能な構造のオートティーが設けられる。前記オートティーを通じてユーザに打撃用ゴルフボールが自動的に提供されることができる。
【0056】
制御部(20)は仮想ゴルフ装置の構成要素の間の全体的な動作を制御する。例えば、制御部(20)は打撃マットに設けられたオートティーを制御して、ユーザが打撃する時点に合わせてオートティーが打撃用ゴルフボールを提供するように動作する。例えば、ユーザが打撃マットに置かれるゴルフボールを打撃した直後、制御部(20)は打撃が行われたことを感知してオートティーでネクスト打撃のためのゴルフボールが提供されるようにすることができる。
【0057】
制御部(20)は算出部(21)とスピン算出部(22)と貯蔵部(23)とを備えている。算出部(21)はユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態等に基づいて、前記物理的状態でゴルフボールが実際のゴルフ場で移動すると仮定したときの軌跡を算出する算出過程を行う。スピン算出部(22)はユーザが打撃したゴルフボールのスピンを算出する役割をし、スピン算出過程には先に
図1乃至
図19等を参照して説明した方法等を用いることができ、それにより高価のセンサなどのような装備なしで簡単な方式でゴルフボールのスピンを正確に把握することができる。スピン算出部(22)はゴルフボールの軌跡を算出する算出部(21)とは別個に構成することができるが、図面に図示したものと違うように、スピン算出部(22)なしで算出部(21)がスピンを算出する役割までするように構成することも可能である。貯蔵部(23)はメモリやハードディスクなどのような記憶装置を含み、制御部(20)、算出部(21)、スピン算出部(22)などの動作に必要な各種プログラム及び/又はデータを貯蔵している。スピン算出に用いられるユーザのプレイ記録及び/又は累積スピンデータなどは貯蔵部(23)に貯蔵されている。又は、算出部(22)が自体貯蔵手段を有しており、スピン算出に用いられるユーザのプレイ記録及び/又は累積スピンデータなどが上記自体貯蔵手段に貯蔵されるようにしてもよい。
【0058】
感知部(30)はゴルフボールの打撃時にゴルフクラブの動き及び/又はユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して算出過程に必要な情報を把握するためのものであり、感知部(30)としてゴルフクラブやゴルフボールの動きを撮影することができるカメラや感知センサーなどのような感知手段を使用することができる。前記感知手段には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザセンシングなど様々なセンシング方式を適用することができ、このようなセンシング方式でゴルフクラブやユーザが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは、単独に使用されたり又は一緒に使用されたりすることができ、一個のみが使用されたり又は複数個が使用されたりすることもできる。感知部(30)で感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)の算出部(21)は感知部(30)からの情報に基づいて算出過程を行う。また、スピン算出部(22)で打撃されたゴルフボールのスピンを把握するためには、特定時点でユーザが打撃したゴルフボールを撮影したイメージが必要であり、感知部(30)としてカメラを用いる場合に前記イメージは感知部(30)で生成することができる。この場合、感知部(30)は軌跡算出用情報を取得する動作とスピン算出用情報を取得する動作とを共に行う。ここで、スピン算出用情報を取得する動作はゴルフボールの並進運動やゴルフボールの移動経路などのようなゴルフボールの運動特性を感知する動作を含んでもよい。ゴルフボールの運動特性を感知する動作は、
図16または
図18を参照して説明した実施例による方法を適用してスピンを把握する場合に必要である。感知部(30)がスピン算出用情報を取得する動作をすることができない場合には、その動作ための別個のカメラが具備されるように構成することも可能である。
【0059】
入力部(40)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。仮想ゴルフ装置を利用するためにまずログインが必要な場合にユーザがログインのための自分のIDやパスワードを入力するとき、ユーザがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度などを選択するときなどに入力部(40)を用いることができる。
サウンド部(50)はスピーカなどのような音響機器を含み、これを通じてユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する。
【0060】
表示部(60)はプロジェクターとスクリーンなどのような表示動作用の機器を含む。プロジェクターはゴルフコースとゴルフボールがスクリーンに表示されるようにゴルフ関連映像をスクリーンに投射し、スクリーンは投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザに提供する。図面に図示されていないが、表示部(60)はスクリーン以外に補助ディスプレイの役割をするキオスクなどのような表示装置をさらに含むことも可能である。
【0061】
本明細書では、スクリーンに表示される一部の対象に対して「仮想」という用語を付けて表現する場合がある。これは現実世界に存在する対象物との混同を避けるための目的であり、現実の世界に存在するものではなくスクリーンの映像に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーンに表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーンに表示されるゴルフボールという意味である。
【0062】
仮想ゴルフ装置は、スクリーンゴルフ場に設置されてスクリーンゴルフをプレイすることができるようにする装置であり、ユーザがスクリーンゴルフをプレイする際の仮想ゴルフ装置の動作過程は次の通りである。ユーザがゴルフボールを打撃すると、感知部(30)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的状態を感知する。感知部(30)によって感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)における算出部(21)は伝達された情報に基づいてゴルフボールの軌跡を算出する算出過程を行う。表示部(60)では算出過程によって算出された軌跡の通り仮想ゴルフボールが動く映像を表示し、このときに仮想ゴルフボールは算出された軌跡により移動した後にスクリーンに表示される仮想ゴルフコースの特定地点に着地し、ユーザは仮想のゴルフボールが着地した地点からネクスト打撃を継続する。ユーザのネクスト打撃では上記動作過程を繰り返す。
【0063】
算出部(21)でゴルフボールの軌跡を算出する算出過程を行う際には様々な方式を適用することができ、上記様々な方式中の一つ方式では打撃後のゴルフボールの物理的状態を示すパラメータ値を感知してそれから軌跡を算出することができる。
図21を参照すると、上記パラメータの例としてゴルフボールの速度(V)、打撃によって飛ぶゴルフボールの水平面上での方向を示す左右方向角(φ)、ゴルフボールが水平面に対して傾いた角度を示す発射角(θ)、ゴルフボールの回転状態を示すスピン(S)などがある。速度(V)、左右方向角(φ)、発射角(θ)、スピン(S)などのパラメータに基づいて物理法則を用いた計算モデルを適用すれば、ゴルフボールの軌跡を算出することができる。上記物理パラメータのうち、スピン(S)はスピン算出部(22)等により打撃されたゴルフボールが飛んでいる間に撮影された複数のゴルフボールイメージを分析して把握することができ、ゴルフボールの軌跡を算出する過程はスピンの把握後に把握されたスピンを反映して行うことができる。図面に図示されていないが、ゴルフボールの物理的状態だけでなく、ユーザがゴルフボールを打撃するときのゴルフクラブの動きを感知しゴルフクラブについて感知された情報を活用してゴルフボールの軌跡を算出することも可能である。
ユーザがゴルフボールを打撃した後、打撃されたゴルフボールの物理的状態について感知された情報はスクリーンに表示することができる。
図22を参照すると、ユーザがゴルフをプレイしている間、スクリーンにはユーザがプレイしているゴルフコースが表示され、スクリーンの一方の端部には打撃されたゴルフボールの物理的状態について把握された情報が表示される。例えば、ユーザが打撃したゴルフボールの速度、スピン、発射角などについて把握された情報がスクリーンに表示されることができる。スピンに関してユーザが関心を持っているのはゴルフボールの軌跡に影響を与えるサイドスピンとバックスピンであるため、スクリーンにはサイドスピンとバックスピンが区別されて表示されてもよい。サイドスピンはゴルフボールのスピン中でゴルフボールの飛行方向に対して左右の方向のスピン成分を示し、サイドスピンはゴルフボールが飛ぶ経路に影響を与えることができる。また、バックスピンはゴルフボールのスピン中でゴルフボールが飛ぶ方向とは反対方向のスピン成分を示し、バックスピンはゴルフボールが飛ぶ飛距離に影響を与えることができる。
【0064】
図23は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図23を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は複数のブース(101、102、103)を含む。各ブース(101、102、103)はすべて同一に構成されている。例えば、最初のブース(101)は、打撃プレート(101a)、キオスク画面が具備されており前述の実施例において制御部の役割をすることができるコンピューター機器(101b)、スクリーン(101c)などを備えており、他のブース(102、103)も同一のコンポーネントを持っている。図面に図示されていないが、各ブース(101、102、103)には打撃時にゴルフクラブ/ゴルフボールの動きを感知するためのカメラなどの他の機器がさらに具備されている。各ブース(101、102、103)では多数のユーザが交互にゴルフをプレイすることができる。あるいは、各ブース(101、102、103)ではユーザ一人で他のブースのユーザと離隔している状態でソロでプレイすることができる。本実施例による仮想ゴルフ装置には前述の実施例におけるスピン算出部が具備されており、上記スピン算出部は
図1乃至
図19等を参照して説明した方法等を用いてユーザが打撃したゴルフボールのスピンを把握することができる。
【0065】
図24は本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図24を参照すると、仮想ゴルフシステムは仮想ゴルフ装置(100)とサービス装置(200)とを含む。仮想ゴルフ装置(100)として
図20乃至
図23などに図示されたような仮想ゴルフ装置などが使用されることができる。仮想ゴルフ装置(100)はスクリーンゴルフをプレイすることができる家庭用または公共用などのスクリーンゴルフ場に設置され、スクリーンゴルフ場が複数の場所にある場合に仮想ゴルフ装置(100)は各スクリーンゴルフ場ごとに設置されて全体的に複数個が具備される。仮想ゴルフ装置(100)には前述の実施例におけるスピン算出部が具備されており、上記スピン算出部は
図1乃至
図19等を参照して説明した方法等を用いてユーザが打撃したゴルフボールのスピンを把握することができる。
【0066】
仮想ゴルフ装置(100)はサービス装置(200)と有無線通信網などを介して連結されている。サービス装置(200)は複数のスクリーンゴルフ場を運営するサービス業者が、複数のスクリーンゴルフ場に具備されている仮想ゴルフ装置(100)を管理するために使用する中央サーバを含む。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザが上記サービスの提供を受けるためにまずログインをする場合、サービス装置(200)はユーザの身元を確認してログインの承認可否を決定する。上記ログイン動作のためにサービス装置(200)に貯蔵部(210)が具備され、貯蔵部(210)はユーザの身元を確認するための情報を貯蔵している。また、貯蔵部(210)はユーザの身元確認用情報だけでなく様々な他の情報を貯蔵する。上記他の情報として、貯蔵部(210)はユーザのプレイ記録情報、スピンを算出する際に使用される累積スピンデータ及び/又は累積スピンデータを形成するための情報などを貯蔵する(例えば、貯蔵部(210)は
図15乃至
図18に図示されている記憶装置を含むことができる)。このように貯蔵部(210)に様々なユーザ情報、スピン情報等が貯蔵されることにより、サービス装置(200)に有線及び/又は無線で連結されている複数の仮想ゴルフ装置(100)は貯蔵部(210)に貯蔵されている情報を利用することができ、各仮想ゴルフ装置(100)はユーザ情報、スピンデータ情報等を別途貯蔵する必要がない。
【0067】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0068】
10:打撃プレート
20:制御部
30:感知部
40:入力部
50:サウンド部
60:表示部
100:仮想ゴルフ装置
200:サービス装置