(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020032
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】顔認証ポイント付与システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20250131BHJP
【FI】
G06Q30/0207 372
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024119302
(22)【出願日】2024-07-25
(31)【優先権主張番号】P 2023123320
(32)【優先日】2023-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】507292438
【氏名又は名称】株式会社アビリティアソシエーション
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】朝里 勇人
【テーマコード(参考)】
5L030
【Fターム(参考)】
5L030BB07
(57)【要約】
【課題】 顔認証で支払いを容易にして支払い者にポイントを付与すると共に、店舗への支払いをしていない来店者にもポイントを付与して、広く来店者の情報を店舗側が利用してサービスを向上させることができる顔認証ポイント付与システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】 顔認証サーバ1が、支払いを行った来店者だけでなく、支払いを行っていない来店者もユーザとしてユーザ端末2から顔写真データとユーザ情報の登録を受け付けて記憶し、当該ユーザにポイントを付与し、ユーザの2回目以降の来店では、店舗カメラ4で撮影したユーザの顔写真データと登録されたユーザの顔写真データとを照合して顔認証し、該当ユーザ情報を店舗端末3に表示出力する顔認証ポイント付与システム及びプログラムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔認証を行ってユーザにポイントを付与する顔認証サーバを有する顔認証ポイント付与システムであって、
前記顔認証サーバは、支払いを行った来店者だけでなく、支払いを行っていない来店者もユーザとしてユーザ端末から顔写真データとユーザ情報の登録を受け付けて記憶し、当該ユーザにポイントを付与し、前記ユーザの2回目以降の来店では、店舗カメラで撮影したユーザの顔写真データと前記登録されたユーザの顔写真データとを照合して顔認証し、該当ユーザ情報を店舗端末に表示出力することを特徴とする顔認証ポイント付与システム。
【請求項2】
顔認証サーバは、ユーザの来店の履歴情報を記憶し、ユーザの来店の際に、店舗端末にユーザ情報と来店の履歴情報を表示出力し、当該ユーザにポイントを付与することを特徴とする請求項1記載の顔認証ポイント付与システム。
【請求項3】
顔認証サーバは、店舗端末から入力されたユーザの決済方法を当該ユーザ情報と対応付けて記憶することを特徴とする請求項1又は2記載の顔認証ポイント付与システム。
【請求項4】
顔認証サーバは、ユーザの2回目以降の決済で当該ユーザ情報に対応付けられて記憶されている決済方法とは異なる場合に、店舗端末に前記決済方法が異なることを表示出力することを特徴とする請求項3記載の顔認証ポイント付与システム。
【請求項5】
顔認証サーバは、ユーザに付与されたポイントを来店した店舗以外で利用可能とするためにポイントのレート変換を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の顔認証ポイント付与システム。
【請求項6】
顔認証を行ってユーザにポイントを付与する顔認証サーバで動作する処理プログラムであって、
前記顔認証サーバを、支払いを行った来店者だけでなく、支払いを行っていない来店者もユーザとしてユーザ端末から顔写真データとユーザ情報の登録を受け付けて記憶し、当該ユーザにポイントを付与し、前記ユーザの2回目以降の来店では、店舗カメラで撮影したユーザの顔写真データと前記登録されたユーザの顔写真データとを照合して顔認証し、該当ユーザ情報を店舗端末に表示出力するよう機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
顔認証サーバを、ユーザの来店の履歴情報を記憶し、ユーザの来店の際に、店舗端末にユーザ情報と来店の履歴情報を表示出力し、当該ユーザにポイントを付与するよう機能させることを特徴とする請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
顔認証サーバを、店舗端末から入力されたユーザの決済方法を当該ユーザ情報と対応付けて記憶するよう機能させることを特徴とする請求項6又は7記載のプログラム。
【請求項9】
顔認証サーバを、ユーザの2回目以降の決済で当該ユーザ情報に対応付けられて記憶されている決済方法とは異なる場合に、店舗端末に前記決済方法が異なることを表示出力するよう機能させることを特徴とする請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
顔認証サーバを、ユーザに付与されたポイントを来店した店舗以外で利用可能とするためにポイントのレート変換を行うよう機能させることを特徴とする請求項6又は7記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、来店者の顔認証を行ってポイントを付与するシステムに係り、特に、来店者の顔認証で過去のお客様の情報を店舗側が瞬時に把握してお客様へのサービスを向上させることができる顔認証ポイント付与システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来、ユーザの顔を撮影してキャッシュレスでユーザが支払いを行う場合に、ユーザの顔と支払い方法を関連付け、その後は、顔の撮影とユーザ本人の承認だけで支払いを済ませることが考えられている。
【0003】
また、ユーザの支払いに対して当該ユーザにポイントを付与するものがあった。
例えば、飲食店を利用するグループでは、割り勘であっても、代表者が電子マネーで支払いを済ませ、他のメンバーがその代表者に割り勘分の現金を払うことが多く、他のメンバーにポイントが付与されないことがあった。
【0004】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2001-351032号公報「携帯型通信装置を用いた決済方法および本人認証方法ならびにこれらの方法に用いる携帯型通信装置」(特許文献1)、特開2020-166638号公報「無人店舗システムおよび無人店舗管理方法」(特許文献2)、特許第6798539号公報「認証サーバ、ユーザ端末、決済システム、決済方法およびプログラム」(特許文献3)がある。
【0005】
特許文献1には、支払い時に携帯に本人の顔を表示して本人認証を行い、支払い額を入力して支払い処理を行うことが示されている。
【0006】
特許文献2には、入店時に来店者の顔画像の撮影を行い、顔認証により入店を許可し、決済時にも顔認証を行い、退店時にも顔認証を行うことが示されている。
【0007】
特許文献3には、店舗の端末で店員の顔データを取得し、店員の顔認証が成功した場合に、店員に対応付けられた決済情報を処理して、不正決済を防止することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001-351032号公報
【特許文献2】特開2020―166638号公報
【特許文献3】特許第6798539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の技術では、顔認証によって店舗への支払いを行った本人にポイントを付与するものであり、ポイントが付与されない来店者の情報を利用して店舗でのサービスを向上させることができないという問題点があった。
【0010】
尚、特許文献1~3には、店舗への支払いをしていない来店者にもポイントを付与して、店舗側が広く来店者の情報を利用してサービスを向上させる構成についての記載がない。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、顔認証で支払いを容易にして支払い者にポイントを付与すると共に、店舗への支払いをしていない来店者にもポイントを付与して、広く来店者の情報を店舗側が利用してサービスを向上させることができる顔認証ポイント付与システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、顔認証を行ってユーザにポイントを付与する顔認証サーバを有する顔認証ポイント付与システムであって、顔認証サーバが、支払いを行った来店者だけでなく、支払いを行っていない来店者もユーザとしてユーザ端末から顔写真データとユーザ情報の登録を受け付けて記憶し、当該ユーザにポイントを付与し、ユーザの2回目以降の来店では、店舗カメラで撮影したユーザの顔写真データと登録されたユーザの顔写真データとを照合して顔認証し、該当ユーザ情報を店舗端末に表示出力することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記顔認証ポイント付与システムにおいて、顔認証サーバが、ユーザの来店の履歴情報を記憶し、ユーザの来店の際に、店舗端末にユーザ情報と来店の履歴情報を表示出力し、当該ユーザにポイントを付与することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記顔認証ポイント付与システムにおいて、顔認証サーバが、店舗端末から入力されたユーザの決済方法を当該ユーザ情報と対応付けて記憶することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記顔認証ポイント付与システムにおいて、顔認証サーバが、ユーザの2回目以降の決済で当該ユーザ情報に対応付けられて記憶されている決済方法とは異なる場合に、店舗端末に決済方法が異なることを表示出力することを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記顔認証ポイント付与システムにおいて、顔認証サーバが、ユーザに付与されたポイントを来店した店舗以外で利用可能とするためにポイントのレート変換を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明は、顔認証を行ってユーザにポイントを付与する顔認証サーバで動作する処理プログラムであって、顔認証サーバを、支払いを行った来店者だけでなく、支払いを行っていない来店者もユーザとしてユーザ端末から顔写真データとユーザ情報の登録を受け付けて記憶し、当該ユーザにポイントを付与し、ユーザの2回目以降の来店では、店舗カメラで撮影したユーザの顔写真データと登録されたユーザの顔写真データとを照合して顔認証し、該当ユーザ情報を店舗端末に表示出力するよう機能させることを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記プログラムにおいて、顔認証サーバを、ユーザの来店の履歴情報を記憶し、ユーザの来店の際に、店舗端末にユーザ情報と来店の履歴情報を表示出力し、当該ユーザにポイントを付与するよう機能させることを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記プログラムにおいて、顔認証サーバを、店舗端末から入力されたユーザの決済方法を当該ユーザ情報と対応付けて記憶するよう機能させることを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記プログラムにおいて、顔認証サーバを、ユーザの2回目以降の決済で当該ユーザ情報に対応付けられて記憶されている決済方法とは異なる場合に、店舗端末に当該決済方法が異なることを表示出力するよう機能させることを特徴とする。
【0021】
本発明は、上記プログラムにおいて、顔認証サーバを、ユーザに付与されたポイントを来店した店舗以外で利用可能とするためにポイントのレート変換を行うよう機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、顔認証サーバが、支払いを行った来店者だけでなく、支払いを行っていない来店者もユーザとしてユーザ端末から顔写真データとユーザ情報の登録を受け付けて記憶し、当該ユーザにポイントを付与し、ユーザの2回目以降の来店では、店舗カメラで撮影したユーザの顔写真データと登録されたユーザの顔写真データとを照合して顔認証し、該当ユーザ情報を店舗端末に表示出力する顔認証ポイント付与システム及びプログラムとしているので、接客に利用できると共にマーケティングにも利用できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】ユーザの2回目以降の来店処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る顔認ポイント付与システム(本システム)は、システム運営者が提供する2次元バーコードをユーザ(来店者)が自分のスマートフォン等のユーザ端末で読み取り、初回登録サイトに移行すると、ユーザは自分のユーザ端末のカメラで自分の顔を複数枚撮影し、お気に入りの数枚をエントリーしてもらってユーザにポイントを付与し、2回目以降の利用では、店舗に設置されたカメラでユーザを撮影し、顔認証を行って、サイトに登録されたユーザであれば、過去の利用履歴(過去の来店日時、利用内容等)のデータが店舗側の端末(店舗端末)に表示され、接客に利用できると共にマーケティングにも利用できるものである。
【0025】
更に、ユーザ端末から支払いに用いられる電子マネー、クレジットカード等の情報との紐付けが行われて、決済時に電子マネー等が使用されると、ユーザの顔写真データと決済方法との関係が確定し、2回目以降の支払いでは、店舗のカメラで撮影されたユーザの顔データとサイトに登録された顔写真データとの認証を行うことで、決済に使用する決済方法が特定され、決済を容易に安全に行うことができるものである。
【0026】
[本システム:
図1]
本システムの構成について
図1を参照しながら説明する。
図1は、本システムの概略構成図である。
本システムは、
図1に示すように、顔認証サーバ1と、ユーザのスマートフォン等のユーザ端末2と、店舗端末3と、店舗カメラ4と、ネットワーク5とを有している。
顔認証サーバ1と、ユーザ端末2と、店舗端末3と、店舗カメラ4とは、ネットワーク5に接続される。また、ユーザ端末2,店舗端末3,店舗カメラ4は、本来、多数存在するが
図1では説明を簡単にするために各1台で描いている。
【0027】
[顔認証サーバ1]
顔認証サーバ1は、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13とを備え、記憶部12に記憶された処理プログラムが制御部11で実行されるところで、以下の特徴的な処理を実現するものである。
また、記憶部12には、処理に必要なデータを記憶しており、ユーザ情報の顔写真データ、ユーザ名、ユーザID(メールアドレス)、パスワード、決済方法、利用実績の履歴情報等を記憶している。
インタフェース部13は、顔認証サーバ1をネットワーク5に接続するインタフェースである。
【0028】
顔認証サーバ1は、本システムの運営者が管理するサーバで、ユーザに顔写真データの登録を行わせ、決済方法との紐付けを行い、次回移行の利用の際に支払いを容易にするものである。
具体的には、店舗に2次元バーコードを印刷した紙を配布しておき、ユーザ端末2にその2次元バーコードを読み込ませて、顔認証サーバ1のサイトに誘導する。
【0029】
誘導は、初回登録の場合が、自ら顔写真を複数枚撮影してもらい、お気に入りの数枚を登録してもらう。登録のインセンティブは、ポイント付与とし、金銭に交換可能なポイント(期限付きのクーポンでのポイントでもよい)として、氏名、生年月日、メールアドレス等も登録してもらう。
【0030】
決済(支払い)方法は、ユーザによって予め設定してもらってもよいが、実際の支払いが発生した場合に、ユーザの顔写真データと決済方法(クレジットカード、デビットカード、コード決済系電子マネー、交通系電子マネー、流通系電子マネー、クレジットカード系電子マネーによる決済、銀行ネット決済、キャリア決済等)を紐付ける。また、決済方法だけでなく、ユーザのID番号等も紐付けて記憶する。
また、実際に支払いを行わないユーザであっても顔認証のユーザ登録を行うことができ、この場合もポイントが付与される。
【0031】
ユーザが本システムを導入するチェーン店等の別の店に来店した場合は、店舗の紙に印刷された2次元バーコードから顔認証サーバ1のサイトにアクセスし、既登録のチェックを入れて顔を撮影して、顔写真データを顔認証サーバ1に送信して顔認証処理が為されると、当該店舗でも本システムのサービスを受けられるようになる。無論、初回登録のみで全ての店舗で本システムを利用可能にしてもよい。
【0032】
ユーザが2回目以降に来店すると、顔認証サーバ1は、店舗カメラ4で撮影されたユーザの顔写真データを入力し、ユーザ登録された顔写真データと照合し、認証されたユーザの情報及び過去の利用履歴の情報を店舗端末3に表示出力する。
2回目以降の決済時は、前回支払いを行った電子マネー等のアプリの起動を促して、容易に支払いを行わせる。
【0033】
[ユーザ端末2]
ユーザ端末2は、ユーザが使用するスマートフォン、タブレット、ノートPC等のカメラを備えた情報処理装置である。
ユーザ端末2は、店舗に置いてある2次元バーコードを読み込むと、顔認証サーバ1にアクセスし、初回登録の処理に移行する。初回登録の際に、顔認証サーバ1にアクセスする専用アプリをユーザ端末2にダウンロードし、その専用アプリで、メールアドレス等のユーザID、パスワード、決済方法等の設定を行う。
【0034】
尚、本システムでは、ユーザ端末2に初回登録を行わせるようにしているが、スマートフォン等を所持しないお客様には、店舗端末3を用いて、店舗カメラ4で来店者を撮影して顔写真データを初回登録してもよい。
【0035】
また、ユーザ端末2は、支払いを行う場合に、スマートフォンの電子マネーを利用すると、当該電子マネーと顔写真データとの関連(紐付け)が確立され、次回の支払いの際に前回の電子マネーの利用を促すことになる。
【0036】
[店舗端末3]
店舗端末3は、店舗カメラ4で撮影されたユーザについて顔認証サーバ1で認証されたユーザの情報と過去の利用履歴の情報(利用日時、利用金額、決済方法、注文内容等)を表示する。この表示により、店舗側のスタッフが来店者に対してきめ細かいサービスを提供することができ、過去に利用した決済方法を参照して支払いの準備を進めることができる。
【0037】
また、店舗端末3は、会計処理を行い、ユーザに対して利用金額を請求する。
また、店舗端末3は、顔認証サーバ1からユーザの店舗利用実績の情報を取得して、マーケティングに利用して、有効なDMを配信することができる。
【0038】
[店舗カメラ4]
店舗カメラ4は、店内、特に入り口に設置されたカメラであり、来店したユーザを撮影し、顔写真データを取得し、顔認証サーバ1に取得した顔写真データを送信する。
【0039】
本システムでは、自分のユーザ端末2で撮影した顔写真データを登録できるようにしているので、飲食店でオーダーした料理が提供される隙間時間で登録作業が容易に完了でき、ユーザは抵抗なく顔写真データを提供するものである。
【0040】
本システムでは、支払いの有無に関係なく、来店したユーザであれば、顔写真データをユーザ登録ができ、2回目以降の来店では、店舗カメラ4で顔認証によりユーザを特定して当該ユーザの情報及び履歴情報を店舗端末3に表示できるので、登録されたユーザに対してきめ細かいサービスを提供できるものである。
【0041】
また、本システムでは、特定の決済の方法を利用した場合に、例えば、クレジットカードを利用した場合に、その利用時のユーザが顔写真データで特定されるので、なりすましを防止できる。
また、同じクレジットカードの利用(決済)が異なるユーザで為された場合には、顔認証サーバ1は、店舗端末3に来店したユーザが当該クレジットカードを利用した前回のユーザとは異なることを表示するようにしてもよいし、決済の金融機関(例えば、クレジットカード会社)に通知するようにしてもよい。
【0042】
更に、顔認証サーバ1は、2回目以降のユーザの決済において、当該ユーザ情報に対応付けられて記憶されている決済方法と異なる場合に、店舗端末3に前回の決済方法とは異なることを表示出力して、店舗スタッフに決済方法を確認させるようにしてもよい。
具体的には、前回の決済方法とは異なる場合だけでなく、決済方法は同じクレジットカードであっても、ユーザのID番号(クレジットカード番号)等が異なる場合も店舗端末3に表示出力する、
【0043】
[本システムでのユーザ登録処理:
図2]
本システムにおけるユーザ登録処理について
図2を参照しながら説明する。
図2は、ユーザ登録処理のフロー図である。
ユーザ端末2が店舗の2次元バーコードを読み取ると、顔認証サーバ1は、登録サイトにユーザを誘導する(S1)。
【0044】
そして、顔認証サーバ1は、ユーザ端末2から撮影されたユーザの顔写真データを複数枚入力して登録する(S2)。
更に、ユーザへのポイントを付与する条件で、顔認証サーバ1は、ユーザ端末2からのユーザ名、メールアドレス(ユーザID)、パスワード、決済方法等のユーザ情報を登録する(S3)。
顔認証サーバ1は、ユーザ情報の登録が完了すると、上記ユーザIDにポイントを付与して(S4)、処理を終了する。
【0045】
[本システムでのユーザの2回目以降の来店処理:
図3]
本システムにおけるユーザの2回目以降の来店処理について
図3を参照しながら説明する。
図3は、ユーザの2回目以降の来店処理を示すフロー図である。
顔認証サーバ1は、店舗カメラ4で撮影された来店者の顔写真データを入力し(S11)、登録されたユーザであるかどうかを照合する(S12)。
【0046】
そして、来店者が登録されたユーザか否かを顔認証で判定し(S13)、登録されたユーザでなければ(Noの場合)、処理を終了する。
登録されたユーザであれば(Yesの場合)、顔認証サーバ1は、蓄積されたユーザ情報を取得して店舗端末3に表示出力し(S14)、更にユーザの履歴情報を取得して店舗端末3に表示出力し(S15)、当該ユーザにポイントを付与して(S16)、処理を終了する。
【0047】
[応用例]
[ユーザのポイント確認]
ユーザ端末2で、顔認証サーバ1にアクセスし、ユーザIDとパスワード入力により、ユーザの獲得ポイントを表示させ、当該ポイントを確認でき、そのポイントが利用可能になっている。
【0048】
[チェーン店でのポイント確認]
ユーザ端末2で、顔認証サーバ1にアクセスし、ユーザIDとパスワード入力により、チェーン店の店舗毎に獲得したポイントを一覧表示させて確認できる。
また、チェーン店内の特定の店舗で取得したポイントを他の店舗で利用可能にポイントを移動できる。但し、移動元から移動先にポイントを移動する際に、ポイントが変換レートに基づいて割り引かれる、レート変換を行うようにしてもよい。レート変換は、割り引かれるだけでなく、割り増しされるようにしても構わない。
【0049】
[本システムで利用した店舗におけるポイント確認]
ユーザ端末2で、顔認証サーバ1にアクセスし、ユーザIDとパスワード入力により、チェーン店ではない、異なる店舗で獲得したポイントを一覧表示させて確認できる。
異なる店舗でも店舗間でのポイント移動を許容する場合は、ポイント移動が可能となる。店舗によって変換レートを任意に設定可能にしている。
【0050】
[国内外のチェーン店でのポイント確認]
ユーザ端末2で、顔認証サーバ1にアクセスし、ユーザIDとパスワード入力により、ワールドワイドに展開するチェーン店で獲得したポイントを店舗毎に一覧表示させて確認できる。
国内外のチェーン店でもポイント移動を可能にする。国内外では為替の影響があるため、変換レートは為替のレートを反映させる。
【0051】
[利用サービス]
本システムは、様々の店舗で利用でき、例えば、飲食店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、花屋、書店、レコード店、クリーニング店、美容室、家電量販店、デパート、酒屋、ペットショップ、スポーツ施設、スタジオ、宅配業者、食品デリバリーサービス、交通サービス(電車、バス、タクシー、飛行機等)などの商業全般で利用可能である。
【0052】
上記サービスのいくつかでは、予め登録された決済方法により利用時の顔認証で自動決済を行うようにしてもよい。例えば、交通サービスの電車、バス等では顔認証の自動決済を利用することで、乗客の利便性が大幅に向上できる。
【0053】
また、顔認証の専用アプリでは、予め登録された決済方法に対応する決済アプリに連動して、決済処理を開始すると決済方法に紐付けられた決済アプリに移行して、決済を容易に実行することができるものである。
【0054】
つまり、顔認証の専用アプリは、様々な決済方法を管理し、様々な決済方法への移行を容易にして不正を監視すると共に、様々な店舗、サービスで取得ポイントを移動させて利用可能としている。
【0055】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、支払いを行うユーザだけでなく、支払いを行わないユーザも顔写真データを登録すると、ポイントが付与され、登録されたユーザが来店すると、顔認証でユーザ情報を取得して店舗端末3に表示して、店舗スタッフは接客できるので、サービスを向上させることができる。
【0056】
また、本システムによれば、ユーザ端末2で自分の顔を撮影してもらい、気に入った顔写真データを顔認証サーバ1に登録して決済方法との紐付けを行ものとしているので、店舗又は決済を行う金融機関では、ユーザが予め顔認証されているため、なりすましを排除して利用の安全性を向上させることができ、ユーザと店舗では、支払いを容易に行うことができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、顔認証で支払いを容易にして支払い者にポイントを付与すると共に、店舗への支払いをしていない来店者にもポイントを付与して、広く来店者の情報を店舗側が利用してサービスを向上させることができる顔認証ポイント付与システム及びプログラムに好適である。
【符号の説明】
【0058】
1…顔認証サーバ、 2…ユーザ端末、 3…店舗端末、 4…店舗カメラ、 5…ネットワーク、 11…制御部、 12…記憶部、 13…インタフェース部