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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020055
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 11/00 20060101AFI20250131BHJP
   B65H 1/04 20060101ALI20250131BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
B65H11/00 A
B65H1/04 324
B65H11/00 D
B65H1/26 312J
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024191942
(22)【出願日】2024-10-31
(62)【分割の表示】P 2023548040の分割
【原出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(72)【発明者】
【氏名】下坂 喜一郎
(72)【発明者】
【氏名】森川 修一
(57)【要約】
【課題】着脱可能に設けられた載置台を良好にセットすること及び媒体を良好にガイドすることが可能な媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】媒体搬送装置は、被係合部が設けられ且つ媒体のガイド面を有する筐体と、筐体に着脱可能に、被係合部に係合可能な係合部が設けられ且つ筐体に固定されたときにガイド面と第1角度をなすように配置される媒体の載置面を有する載置台と、サイドガイドと、を有し、被係合部は、載置台を筐体に取り付ける際に又は筐体から取り外す際に、載置面がガイド面と第1角度をなす場合に係合部の進入又は抜去を制限し、且つ、載置面がガイド面と第2角度をなす場合に係合部の進入又は抜去を許容するように構成され、サイドガイドの媒体搬送方向の下流側の端部は、載置台を筐体に取り付ける際に又は筐体から取り外す際に、載置面がガイド面と第2角度をなす場合にガイド面と交差しないように設けられる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被係合部が設けられ、且つ、媒体のガイド面を有する筐体と、
前記筐体に着脱可能に、前記被係合部に係合可能な係合部が設けられ、且つ、前記筐体に固定されたときに前記ガイド面と第1角度をなすように配置される媒体の載置面を有する載置台と、
前記載置台より媒体搬送方向の下流側に突出するように前記載置面上に設けられ、且つ、媒体の幅方向を規制するサイドガイドと、を有し、
前記被係合部は、前記載置台を前記筐体に取り付ける際に又は前記筐体から取り外す際に、前記載置面が前記ガイド面と前記第1角度をなす場合に前記係合部の進入又は抜去を制限し、且つ、前記載置面が前記ガイド面と前記第1角度と異なる第2角度をなす場合に前記係合部の進入又は抜去を許容するように構成され、
前記サイドガイドの媒体搬送方向の下流側の端部は、前記載置台を前記筐体に取り付ける際に又は前記筐体から取り外す際に、前記載置面が前記ガイド面と前記第2角度をなす場合に、媒体搬送方向と直交する幅方向から見て前記ガイド面と交差しないように設けられる、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記筐体の前記被係合部への進入口は、前記載置面と前記ガイド面が前記第2角度をなす状態で前記係合部が進入又は抜去可能であり、前記載置面と前記ガイド面が前記第2角度に対して所定範囲外の角度をなす状態では前記係合部が進入又は抜去できない形状を有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記係合部は、前記載置面より媒体搬送方向の下流側に突出する長さが、前記サイドガイドの媒体搬送方向の下流側の端部が前記載置面より媒体搬送方向の下流側に突出する長さより大きくなるように設けられる、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記載置面及び前記ガイド面は、前記載置台が前記筐体に固定されたときに、150°以上且つ180°以下の範囲の角度をなすように設けられる、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記第2角度は、前記第1角度より小さい、請求項1~4の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記係合部及び前記被係合部のうちの一方に設けられた突起部が、前記係合部及び前記被係合部のうちの他方に設けられた凹部に係合することによって、媒体搬送方向と直交する方向において前記載置台が前記筐体に対して位置決めされる、請求項1~5の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記載置台が前記筐体に固定された状態で、前記サイドガイドの媒体搬送方向の下流側に突出する部分の下面は、媒体搬送方向の下流側ほど、前記ガイド面から離れるように設けられる、請求項1~6の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、媒体搬送装置に関し、特に、載置台を有する媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体を搬送しながら撮像するスキャナ等の媒体搬送装置において、未使用時にコンパクトに棚等に収納できるように、媒体を載置する載置台が筐体に着脱可能に設けられている場合がある。
【0003】
原稿を保持するための原稿保持部と、装置本体に設けられた係合部材に差し込んで原稿保持部を装置本体に係合するための差し込み部を有する板材からなる原稿給紙テーブルが開示されている(特許文献1を参照)。この原稿給紙テーブルでは、原稿保持部と差し込み部との間に切り込み部を設け、差し込み部に柔軟性を持たせている。
【0004】
装置本体に着脱可能に設けられ、給送される媒体を載置する載置面を備える媒体載置部と、媒体載置部に設けられ、幅方向の側縁をガイドするガイド面を備える一対のエッジガイドと、を備える媒体給送装置が開示されている(特許文献2を参照)。この媒体給送装置において、エッジガイドは、ガイド面の少なくとも一部が媒体載置部に対して給送方向の下流側に突出する突出部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2940216号
【特許文献2】特開2018-127331号公報
【発明の概要】
【0006】
載置台が着脱可能に設けられた媒体搬送装置では、載置台を良好にセットすることを可能としつつ、媒体を良好にガイドすることを可能とすることが求められている。
【0007】
媒体搬送装置の目的は、着脱可能に設けられた載置台を良好にセットすることを可能としつつ、媒体を良好にガイドすることを可能とすることにある。
【0008】
実施形態の一側面に係る媒体搬送装置は、被係合部が設けられ、且つ、媒体のガイド面を有する筐体と、筐体に着脱可能に、被係合部に係合可能な係合部が設けられ、且つ、筐体に固定されたときにガイド面と第1角度をなすように配置される媒体の載置面を有する載置台と、載置台より媒体搬送方向の下流側に突出するように載置面上に設けられ、且つ、媒体の幅方向を規制するサイドガイドと、を有し、被係合部は、載置台を筐体に取り付ける際に又は筐体から取り外す際に、載置面がガイド面と第1角度をなす場合に係合部の進入又は抜去を制限し、且つ、載置面がガイド面と第1角度と異なる第2角度をなす場合に係合部の進入又は抜去を許容するように構成され、サイドガイドの媒体搬送方向の下流側の端部は、載置台を筐体に取り付ける際に又は筐体から取り外す際に、載置面がガイド面と第2角度をなす場合に、媒体搬送方向と直交する幅方向から見てガイド面と交差しないように設けられる。
【0009】
本実施形態によれば、媒体搬送装置は、着脱可能に設けられた載置台を良好にセットすることを可能としつつ、媒体を良好にガイドすることを可能とする。
【0010】
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図2】(A)、(B)は、載置台103について説明するための模式図である。
図3】(A)、(B)は、係合部103cについて説明するための模式図である。
図4】下側筐体101等について説明するための模式図である。
図5】係合部103cと被係合部101cについて説明するための模式図である。
図6】係合部103cと被係合部101cについて説明するための模式図である。
図7】係合部103cと被係合部101cについて説明するための模式図である。
図8】係合部103cと被係合部101cについて説明するための模式図である。
図9】係合部103cと被係合部101cについて説明するための模式図である。
図10】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図11】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図12】記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
図13】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図14】他の被係合部201c等について説明するための模式図である。
図15】他の被係合部201c等について説明するための模式図である。
図16】他の被係合部301c等について説明するための模式図である。
図17】他の被係合部301c等について説明するための模式図である。
図18】他の被係合部401c等について説明するための模式図である。
図19】他の処理回路550の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の一側面に係る媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、薄紙、厚紙、カード、複写紙又は封筒等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。図1において矢印A1は媒体搬送方向を示し、矢印A2は媒体搬送方向と直交する幅方向を示し、矢印A3は、媒体搬送方向A1及び幅方向A2と直交する高さ方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0014】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、サイドガイド104、排出台105、操作装置106及び表示装置107等を備える。
【0015】
下側筐体101は、筐体の一例である。下側筐体101及び上側筐体102は、PS(ポリスチレン)又はABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等の樹脂部材で形成される。上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0016】
載置台103は、水平方向に対して傾斜するように、下側筐体101に係合している。なお、載置台103は、水平方向に対して略平行に配置されてもよい。載置台103は、PS又はABS等の樹脂部材で形成される。載置台103は、媒体の載置面103aを有し、給送及び搬送される媒体を載置する。載置台103は、下側筐体101に着脱可能に設けられる。
【0017】
サイドガイド104は、載置台103の載置面103a上に、媒体搬送方向と直交する幅方向A2に移動可能に設けられる。サイドガイド104は、載置台103に載置された媒体の幅に合わせて位置決めされ、媒体の幅方向を規制する。図1に示す例では、二つのサイドガイド104が、幅方向A2に間隔を空けて並べて配置されている。サイドガイド104の数は一つでもよい。
【0018】
排出台105は、上側筐体102に係合し、排出された媒体を載置する。なお、排出台105は、下側筐体101に係合してもよい。
【0019】
操作装置106は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置107は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0020】
図2(A)、(B)は、載置台103について説明するための模式図である。図2(A)は、下側筐体101から取り外された載置台103を上方から見た斜視図であり、図2(B)は、下側筐体101から取り外された載置台103を側方から見た側面図である。
【0021】
図2(A)、(B)に示すように、載置台103において下側筐体101と対向する下流側の側面103bには、下側筐体101に設けられた、後述する被係合部に係合可能な係合部103cが設けられる。図2(A)に示す例では、二つの係合部103cが、幅方向A2に間隔を空けて並べて配置されている。係合部103cの数は一つでもよく、三つ以上でもよい。
【0022】
サイドガイド104は、載置台103より媒体搬送方向A1の下流側に突出するように設けられる。サイドガイド104が下流側に突出することにより、媒体搬送装置100は、搬送中の媒体が傾くことを抑制でき、媒体のスキューの発生を抑制できる。係合部103cの下流側の端部103dは、サイドガイド104の下流側の端部104aより下流側に配置される。特に、係合部103cは、載置面103aの下流側の端部103eより下流側に突出する長さが、サイドガイド104の下流側の端部104aが載置面103aの下流側の端部103eより下流側に突出する長さより突出する長さより大きくなるように設けられる。係合部103cは、載置面103aの下流側の端部103eから十分に離れた位置(例えば5mm以上、より好ましくは15mm以上離れた位置)に配置される。また、係合部103cの下流側の端部103dは、上方に向けて、即ち載置面103a側に向けて突出するように形成される。
【0023】
サイドガイド104の突出部分の下面104bは、載置台103の載置面103aの延長面に対して傾斜するように設けられる。サイドガイド104の突出部分の下面104bは、下流側ほど、上方に位置するように、即ち載置面103aの延長面から離れるように設けられる。サイドガイド104の突出部分の下面104bが載置面103aとなす角度は、例えば0°より大きく且つ30°以下の角度に設定される。
【0024】
図3(A)、(B)は、係合部103cについて説明するための模式図である。図3(A)は、図2(A)における係合部103cの周辺の拡大図であり、図3(B)は、係合部103cを下方から見た斜視図である。
【0025】
図3(A)、(B)に示すように、係合部103cの内部には、弾性を有する爪部103fが設けられる。爪部103fは、上流側の端部が載置台103の下流側の側面に配置され、その上流側の端部を揺動軸として、揺動可能に設けられる。図3(B)に示すように、爪部103fの下面103gは、下方に向けて、即ち載置面103aの反対側に向けて突出するように形成される。係合部103c及び爪部103fは、柔軟性を有する可撓性部材により、載置台103の下流側の側面と一体で形成される。爪部103fは、下面103gが上方に(載置面103a側に)向けて押圧されることにより上方に揺動する。
【0026】
また、係合部103cの下流側の端部103dには、下側筐体101に設けられた、後述する突起部に係合可能な凹部103hが設けられる。
【0027】
図4は、下側筐体101及び上側筐体102について説明するための模式図である。図4は、載置台103が取り外された下側筐体101及び上側筐体102を上流側から見た斜視図である。
【0028】
図4に示すように、下側筐体101及び上側筐体102は、それぞれ、搬送される媒体を案内するための下側ガイド面101a及び上側ガイド面102aを有する。下側ガイド面101aは、媒体のガイド面の一例である。
【0029】
下側筐体101において載置台103と対向する上流側の側面101bには、載置台103に設けられた係合部103cに係合可能な被係合部101cが設けられる。被係合部101cの数は、係合部の数と同じであり、図4に示す例では、二つの係合部103cに係合する二つの被係合部101cが、幅方向A2に間隔を空けて並べて配置されている。
【0030】
被係合部101cには、係合部103cに設けられた凹部103hに係合可能な突起部101dが設けられる。突起部101dが凹部103hに係合することによって、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において載置台103が下側筐体101に対して位置決めされる。媒体搬送装置100は、位置決め用の特別な部材を用いることなく、載置台103を下側筐体101に係合させるための係合部103c及び被係合部101cを用いて、載置台103を位置決めすることができるため、装置の構造を単純化することが可能となる。なお、係合部103cに突起部が設けられ、被係合部101cに凹部が設けられてもよい。その場合、係合部103cに設けられた突起部が被係合部101cに設けられた凹部に係合することによって、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において載置台103が下側筐体101に対して位置決めされる。
【0031】
図5図9は、係合部103cと被係合部101cの関係について説明するための模式図である。図5図9は、係合部103c及び被係合部101cの周辺を側方から見た断面図である。
【0032】
図5は、下側筐体101に載置台103が取り付けられて固定された状態を示している。以下では、図5に示すように、載置台103が下側筐体101に固定されて媒体を載置する位置を固定位置と称する場合がある。
【0033】
図5に示すように、下側筐体101に設けられた被係合部101cは、第1被係合部101e及び第2被係合部101fを含む。第1被係合部101eは、被係合部101c内に配置された係合部103cの上方に、係合部103cの延伸方向と略平行に延伸するように設けられる。第1被係合部101eの下流側の端部には、壁部101i及び凹部101jが形成される。第2被係合部101fは、被係合部101c内に配置された係合部103cの下方に、高さ方向A3と略平行に延伸するように設けられる。第1被係合部101e及び第2被係合部101fは、係合部103cの被係合部101cへの進入口を形成する。第1被係合部101eの上流端101gは、第2被係合部101fの上端101hより下流側且つ上方に配置されるため、進入口は、上流側且つ上方に向かって開口するように形成される。
【0034】
係合部103cの下流側の端部103dが、被係合部101c内に設けられた壁部101iに突き当たって凹部101jに嵌合した状態で、係合部103cの上面は第1被係合部101eに当接し、係合部103cの下面は第2被係合部101fに当接する。これにより、係合部103cが、被係合部101cに係合する。係合部103cが被係合部101cに係合した状態で、載置台103の下流側の側面103bと、下側筐体101の上流側の側面101bとが当接する。これにより、載置台103は、下側筐体101に支持されて固定される。
【0035】
載置台103の載置面103aは、載置台103が固定位置に配置され、下側筐体101に固定されたときに、下側筐体101の下側ガイド面101aと第1角度θ1をなすように配置される。第1角度θ1は例えば180°である。即ち、載置面103a及び下側ガイド面101aは、載置台103が下側筐体101に固定されたときに、面一となるように設けられる。これにより、媒体搬送装置100は、媒体を載置面103a及び下側ガイド面101aに沿ってスムーズに搬送することが可能となり、媒体の搬送性を向上させることが可能となる。
【0036】
なお、第1角度θ1は、180°に限定されず、媒体を搬送可能な範囲の角度(例えば150°以上且つ180°以下の範囲)に設定される。
【0037】
また、載置台103が固定位置に配置された状態で、サイドガイド104の突出部分の下面104bは、下側筐体101の下側ガイド面101aに対して傾斜するように設けられる。サイドガイド104の突出部分の下面104bは、下流側ほど、上方に位置するように、即ち下側ガイド面101aから離れるように設けられる。サイドガイド104の突出部分の下面104bが下側ガイド面101aとなす角度は、例えば0°より大きく且つ30°以下の角度に設定される。
【0038】
図6は、下側筐体101に載置台103を取り付ける途中の状態を示している。図6に示す状態では、載置面103aと下側ガイド面101aは、載置台103が下側筐体101に固定されたときに載置面103aと下側ガイド面101aがなす第1角度θ1をなすように配置されている。
【0039】
図6に示すように、載置面103aと下側ガイド面101aが第1角度θ1をなす状態における係合部103cの延伸方向と直交する厚さ方向A4において、下側筐体101の被係合部101cへの進入口の大きさH1は、係合部103cの厚さTより小さい。そのため、係合部103cは、被係合部101cへの進入口に引っ掛かって、被係合部101c内へ進入することができない。このように、被係合部101cは、載置台103を下側筐体101に取り付ける際に、載置面103aが下側ガイド面101aと第1角度θ1をなす場合に、即ち固定位置と同じ傾きを有する場合に、係合部103cの進入を制限するように構成される。
【0040】
図7は、図6と同様に、下側筐体101に載置台103を取り付ける途中の状態を示している。但し、図7に示す状態では、載置台103は、固定位置に対して傾けられている。即ち、載置面103aと下側ガイド面101aは、載置台103が下側筐体101に固定されたときに載置面103aと下側ガイド面101aがなす第1角度θ1と異なる第2角度θ2をなすように配置されている。特に、第2角度θ2は、第1角度θ1より小さく、例えば120°~150°の範囲に設定される。
【0041】
上記したように、第1被係合部101eの上流端101gは、第2被係合部101fの上端101hより下流側且つ上方に、即ち高さ方向A3に対して斜め方向に配置される。そのため、第1被係合部101eの上流端101gと第2被係合部101fの上端101hの間のユークリッド距離は、高さ方向A3における距離より十分に大きい。特に、図7に示すように、載置面103aと下側ガイド面101aが第2角度θ2をなす状態における係合部103cの延伸方向と直交する厚さ方向A5において、下側筐体101の被係合部101cへの進入口の大きさH2は、係合部103cの厚さT以上である。そのため、係合部103cは、被係合部101cへの進入口を通って、被係合部101c内へ進入することが可能となる。
【0042】
図8は、図7に示す状態から、係合部103cを被係合部101c内へ進入させた状態を示している。以下では、図7及び図8に示すように、載置台103が、下側筐体101に取り付けるために固定位置に対して傾斜した位置を傾斜位置と称する場合がある。
【0043】
図8に示すように、載置面103aが下側ガイド面101aと第2角度θ2をなす場合、係合部103cは、被係合部101cへの進入口を通って、被係合部101c内へ進入する。このように、被係合部101cは、載置台103を下側筐体101に取り付ける際に、載置面103aが下側ガイド面101aと第1角度θ1と異なる第2角度θ2をなす場合に、即ち傾斜位置に配置された場合に係合部103cの進入を許容するように構成される。
【0044】
即ち、下側筐体101の被係合部101cへの進入口は、載置面103aと下側ガイド面101aが第2角度θ2をなす状態で係合部103cが進入可能な形状を有する。一方、図6に示したように、下側筐体101の被係合部101cへの進入口は、載置面103aと下側ガイド面101aが第2角度θ2に対して所定範囲外の角度(第1角度θ1を含む)をなす状態で係合部103cが進入できない形状を有する。これにより、媒体搬送装置100は、シンプルな構造で、係合部103cの被係合部101cへの進入を許容又は制限することが可能となり、媒体搬送装置100の設計工数及び製造工数の増大を抑制しつつ、載置台103を良好にセットさせることが可能となる。
【0045】
図9は、図8に示す状態から、係合部103cを被係合部101c内へさらに進入させた状態を示している。
【0046】
図9に示すように、載置台103は、載置面103aと下側ガイド面101aがなす角度が第2角度θ2から第1角度θ1に近付くように倒されながら、下流側へ移動される。これにより、係合部103cは、被係合部101c内へさらに進入する。上記したように、爪部103fの下面103gは、上方に揺動可能に設けられ、且つ、下方に向けて突出するように形成されている。下面103gは、第2被係合部101fを通過している間、第2被係合部101fの上端101hによって押し上げられ、その後、第2被係合部101fを通過したときに、元の位置に戻って第2被係合部101fと係合する。
【0047】
利用者は、載置台103の係合部103cを下側筐体101の被係合部101cに進入させる際に、爪部103fが第2被係合部101fに係合する時の振動により、係合部103cが被係合部101cに係合したことを感じることができる。これにより、媒体搬送装置100は、載置台103が下側筐体101に完全に挿入されていない状態で、利用者による載置台103の挿入操作が終了されることを抑制でき、載置台103の落下等による損傷の発生を抑制できる。
【0048】
図9に示す状態から、載置台103は、係合部103cの下流側の端部103dが壁部101iに突き当たるまで下流側へ移動され、その後、載置面103aと下側ガイド面101aがなす角度が第1角度θ1にさらに近付くように倒される。これにより、図5に示すように、係合部103cの下流側の端部103dが、被係合部101c内に設けられた凹部101jに嵌合し、係合部103cは被係合部101cと係合する。端部103dが凹部101jに嵌合することにより、載置台103に対して誤って抜去方向に力が加えられた場合でも、載置台103が下側筐体101から抜去されることが抑制される。また、係合部103cの上面及び下面がそれぞれ第1被係合部101e及び第2被係合部101fに当接し、載置台103の側面103bと下側筐体101の側面101bとが当接することにより、載置台103は下側筐体101に安定して支持されて固定される。
【0049】
載置台103が傾斜位置に配置されたときの載置面103aの第2角度θ2は、載置台103が固定位置に配置されたときの載置面103aの第1角度θ1より小さくなるように設定される。これにより、載置台103が傾斜位置から固定位置に移動(揺動)したときに、載置面103aの角度は水平に近付き、載置台103の下流側の側面103bは、下側筐体101の上流側の側面101bに近付く。そして、載置台103が固定位置に配置されたときに、載置台103の下流側の側面103bが下側筐体101の上流側の側面101bと当接して、載置台103は下側筐体101に安定して支持される。
【0050】
載置台103を下側筐体101から取り外す動作は、下側筐体101に取り付ける動作の反対の手順で行われる。図5に示すように載置台103が下側筐体101に取り付けられた状態では、係合部103cの下流側の端部103dが凹部101jに嵌合しており、係合部103cは被係合部101cから抜去されない。
【0051】
なお、図6に示したように、載置面103aと下側ガイド面101aが第1角度θ1をなす状態における係合部103cの厚さ方向A4において、被係合部101cへの進入口の大きさH1は、係合部103cの厚さTより小さい。そのため、係合部103cの下流側の端部103dが凹部101jに嵌合していない場合でも、係合部103cは、被係合部101cへの進入口に引っ掛かって、被係合部101cから抜去されない。このように、下側筐体101の被係合部101cへの進入口は、載置面103aと下側ガイド面101aが第2角度θ2に対して所定範囲外の角度(第1角度θ1を含む)をなす状態で係合部103cが抜去できない形状を有している。この進入口の形状により、被係合部101cは、載置台103を下側筐体101から取り外す際に、載置面103aが下側ガイド面101aと第1角度θ1をなす場合に、係合部103cの抜去を制限するように構成される。
【0052】
載置台103は、下側筐体101に取り付けられた状態から、載置面103aと下側ガイド面101aがなす角度が第1角度θ1から第2角度θ2に近付くように傾けられる。これにより、図9に示すように、係合部103cの下流側の端部103dと凹部101jの嵌合が解かれ、係合部103cは被係合部101cから離間する。この状態から、図8に示すように、載置台103は、載置面103aと下側ガイド面101aがなす角度が第2角度θ2となるように傾けられ、図7に示すように、係合部103cが被係合部101cから引き抜かれる。このように、下側筐体101の被係合部101cへの進入口は、載置面103aと下側ガイド面101aが第2角度θ2をなす状態で係合部103cが抜去可能な形状を有している。この進入口の形状により、被係合部101cは、載置台103を下側筐体101から取り外す際に、載置面103aが下側ガイド面101aと第2角度θ2をなす場合に、係合部103cの抜去を許容するように構成される。
【0053】
このように、媒体搬送装置100では、載置台103は、使用時(媒体搬送時)の配置位置である固定位置に対して傾けられた場合に限り、下側筐体101から着脱可能に設けられる。利用者は、載置台103を、固定位置に対して傾けた状態で下側筐体101に進入させてから倒すことにより、容易に下側筐体101に取り付けることが可能となる。また、利用者は、固定位置に配置された載置台103を傾けることにより、容易に下側筐体101から取り外すことが可能となる。逆に、固定位置に配置された載置台103は、傾けられない限り、下側筐体101から取り外されない。そのため、媒体搬送装置100は、利用者の手が媒体搬送装置100に誤ってぶつかった場合、利用者が媒体搬送装置100を運ぶ場合等に、載置台103が誤って落下することを抑制できる。
【0054】
例えば、媒体搬送装置は、何らかのロック機構を有することにより、載置台を筐体に固定させることができる。しかしながら、その場合、利用者は、載置台を筐体に取り付けた後に載置台を筐体にロックするロック操作を行う必要があり、利用者の利便性が低減する。また、利用者がロック操作を忘れてしまった場合に、載置台が筐体から落下して破損する可能性がある。
【0055】
一方、媒体搬送装置100では、利用者は、載置台103を傾けた状態で下側筐体101に進入させてから固定位置に配置することにより、載置台103を下側筐体101に取り付けると同時に下側筐体101にロックさせる。利用者は、一連の取り付け動作の中で載置台103を下側筐体101にロックさせるため、容易にロック操作を行うことができる。したがって、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。また、利用者が、一連の取り付け動作の中で、載置台103を下側筐体101に進入させつつ固定位置に配置することを忘れる可能性は極めて低い。したがって、媒体搬送装置100は、利用者による載置台103のロック操作忘れの発生を抑制し、載置台103の落下等による落下の発生を抑制できる。
【0056】
また、媒体搬送装置は、載置台側の係合部を、筐体側の被係合部に密着する(圧入する)ように形成することによっても、着脱可能な載置台を筐体に固定させることができる。しかしながら、その場合、係合部及び被係合部には、載置台の自重に加えて、係合部全体と被係合部全体とを接合させて載置台を支持するための応力がかかる。これにより、利用者が載置台に媒体をセットする時、又は、利用者の手が載置台に誤ってぶつかった時等に、係合部又は被係合部に多大な力がかかり、係合部又は被係合部が破損する可能性がある。また、利用者が筐体側の被係合部に載置台側の係合部を挿入するために多大な力が必要となり、載置台が、筐体に固定される位置まで挿入されない可能性がある。載置台が固定されていない場合、媒体が浮き上がり又はスキューが発生し、その結果、媒体のジャムが発生する可能性がある。また、利用者が筐体側の被係合部から載置台側の係合部を抜去する際にも多大な力が必要となる。
【0057】
一方、媒体搬送装置100では、係合部103c及び被係合部101cには、載置台103の自重のみがかかる。そのため、媒体搬送装置100では、利用者が載置台103に媒体をセットする時、又は、利用者の手が載置台103に誤ってぶつかった時等でも、係合部103c及び被係合部101cにかかる力は十分に小さく、載置台103が破損する可能性は低い。また、上記したように、利用者は、一連の取り付け動作の中で載置台103を下側筐体101にロックさせるため、利用者による載置台103のロック操作忘れが発生する可能性は低い。したがって、媒体搬送装置100は、載置台103が固定されない状態で使用されて、媒体の浮き上がり又はスキューが発生することを抑制でき、その結果、媒体のジャムが発生することを抑制できる。また、媒体搬送装置100では、載置台103側の係合部103c及び下側筐体101側の被係合部101cは、密着するように形成されておらず、利用者は、小さい力で載置台103を下側筐体101に挿入し、下側筐体101から抜去することができる。
【0058】
上記したように、載置台103の係合部103cの下流側の端部103dは、載置面103aの下流側の端部103eに対して、サイドガイド104の下流側の端部104aより突出するように設けられる。即ち、サイドガイド104の下流側の端部104aの突出量は、載置台103の係合部103cの下流側の端部103dの突出量より十分に小さい。さらに、係合部103cは、載置面103aの下流側の端部103eから十分に離れた位置に配置される。また、サイドガイド104の突出部分の下面104bは、下流側ほど、下側ガイド面101aから離れるように設けられる。
【0059】
これにより、図5及び図7図9に示すように、サイドガイド104の下流側の端部104aは、載置台103を下側筐体101に取り付ける際に、又は、下側筐体101から取り外す際に、下側ガイド面101aと当接しない。即ち、サイドガイド104の媒体搬送方向の下流側の端部104aは、載置台103を下側筐体101に取り付ける際に又は下側筐体101から取り外す際に、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て下側ガイド面101aと交差しないように設けられる。特に、図8に示すように、サイドガイド104の媒体搬送方向の下流側の端部104aは、載置面103aが下側ガイド面101aと第2角度θ2をなす場合に、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て下側ガイド面101aと交差しないように設けられる。
【0060】
したがって、媒体搬送装置100では、下側ガイド面101aに、載置台103を下側筐体101に取り付ける際にサイドガイド104の下流側の端部104aを退避させるための穴が形成される必要がない。そのため、媒体搬送装置100は、下側ガイド面101aをフラットに形成して、フラットな下側ガイド面101aに沿って媒体を良好にガイドすることが可能となる。
【0061】
図10は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0062】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、撮像装置116、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118等を有している。
【0063】
なお、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117及び/又は第2排出ローラ118のそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数の給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117及び/又は第2排出ローラ118は、それぞれ幅方向A2に間隔を空けて並べて配置される。
【0064】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド面101aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド面102aを形成する。
【0065】
媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。なお、媒体センサ111は接触検知センサに限定されず、媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0066】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に分離して給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112と対向して配置され、媒体給送方向の反対方向に回転する。
【0067】
第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115は、給送ローラ112より下流側に、相互に対向して配置され、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像装置116に搬送する。
【0068】
撮像装置116は、第1搬送ローラ114より下流側に配置され、第1搬送ローラ114によって搬送された媒体を撮像する。撮像装置116は、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを含む。第1撮像装置116aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置116aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置116aは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0069】
同様に、第2撮像装置116bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置116bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置116bは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0070】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0071】
第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118は、撮像装置116より下流側に、相互に対向して配置され、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115によって搬送され、撮像装置116によって撮像された媒体を排出台105に排出する。
【0072】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図10の矢印A6の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド面101aと上側ガイド面102aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体給送時、矢印A7の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0073】
媒体は、下側ガイド面101aと上側ガイド面102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115がそれぞれ矢印A8及び矢印A9の方向に回転することによって、第1撮像装置116aと第2撮像装置116bの間に送り込まれる。撮像装置116により読み取られた媒体は、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118がそれぞれ矢印A10及び矢印A11の方向に回転することによって排出台105上に排出される。
【0074】
図11は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0075】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ131、インタフェース装置132、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0076】
モータ131は、一又は複数のモータを有し、処理回路150からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118を回転させて媒体を搬送させる。なお、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115のうちの一方のローラは他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。また、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118のうちの一方のローラは、他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。
【0077】
インタフェース装置132は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置132の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。通信部は、有線LAN等の通信プロトコルに従って、有線通信回線を通じて信号の送受信を行うための有線通信インタフェース装置を有してもよい。
【0078】
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0079】
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0080】
処理回路150は、操作装置106、表示装置107、媒体センサ111、撮像装置116、モータ131、インタフェース装置132及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、媒体センサ111から受信した媒体信号に基づいて、モータ131の駆動制御、撮像装置116の撮像制御等を行い、撮像装置116から入力画像を取得し、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信する。
【0081】
図12は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0082】
図10に示すように、記憶装置140には、制御プログラム141及び画像取得プログラム142等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路150は、制御部151及び画像取得部152として機能する。
【0083】
図13は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0084】
以下、図13に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0085】
最初に、制御部151は、利用者により操作装置106又は情報処理装置を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置106又はインタフェース装置132から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0086】
次に、制御部151は、媒体センサ111から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部151は、一連のステップを終了する。
【0087】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部151は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117及び/又は第2排出ローラ118を回転させる(ステップS103)。制御部151は、モータ131を駆動して、各ローラを回転させ、媒体を搬送させる。
【0088】
次に、制御部151は、撮像装置116に媒体を撮像させて、撮像装置116から入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信することにより出力する(ステップS104)。
【0089】
次に、制御部151は、媒体センサ111から受信する媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS105)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部151は、処理をステップS104へ戻し、ステップS104~S105の処理を繰り返す。
【0090】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部151は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117及び/又は第2排出ローラ118を停止させる(ステップS106)。制御部151は、各ローラを停止させるように、モータ131を制御し、一連のステップを終了する。
【0091】
以上詳述したように、媒体搬送装置100では、傾けた状態に限り下側筐体101に挿入されるように載置台103が設けられ、載置台103が傾けられた際にサイドガイド104の下流側の端部104aが下側ガイド面101aに当接しないように設けられる。これにより、媒体搬送装置100では、着脱可能に設けられた載置台103が良好にセットされることが可能となり、且つ、媒体が良好にガイドされることが可能となった。
【0092】
特に、媒体搬送装置100では、利用者は、複雑な操作、及び、過剰な挿し込み力を用いることなく、容易に載置台103を下側筐体101にセットすることが可能となった。同様に、媒体搬送装置100では、利用者は、載置台103を容易に取り外すことが可能となり、未使用時に載置台103を取り外してコンパクトに収納すること、及び、媒体のジャム発生時に載置台103を取り外して復旧させることを容易に行えるようになった。
【0093】
また、媒体搬送装置100は、利用者の手が媒体搬送装置100に誤ってぶつかった時、利用者が媒体搬送装置100を運ぶ時、又は、利用者が載置台103に媒体をセットする時等のユーザ操作時に、載置台103の損傷の発生を抑制することが可能となった。特に、載置台103は、上方に向けて傾けられることにより、取り外されるように設けられる。そのため、媒体搬送装置100は、載置台103に媒体をセットするために下方に向けて力が加えられた場合、又は、載置台103に下側ガイド面101aと平行な方向に力が加えられた場合に、載置台103が落下して損傷することを抑制することが可能となった。
【0094】
図14及び図15は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における被係合部201c及び係合部203cについて説明するための模式図である。図14及び図15は、被係合部201c及び係合部203cの周辺を側方から見た断面図である。
【0095】
図14及び図15に示すように、本実施形態における媒体搬送装置では、載置台103の下流側の側面103bには、係合部103cの代わりに、係合部203cが設けられる。また、下側筐体101の上流側の側面101bには、被係合部101cの代わりに、係合部203cに係合可能な被係合部201cが設けられる。
【0096】
係合部203cは、係合部103cと同様の構成を有する。但し、係合部203cは、下流側ほど上方に位置するように側面103bから突出し、係合部203cの下流側の端部203dは、下方に突出するように形成される。係合部203cの内部には、弾性を有する爪部203fが設けられる。
【0097】
被係合部201cは、被係合部101cと同様の構成を有する。但し、被係合部201cは、第1被係合部201e及び第2被係合部201fを含む。第1被係合部201eは、被係合部201c内に配置された係合部203cの下方に、係合部203cの延伸方向と略平行に延伸するように設けられる。第1被係合部201eの下流側の端部には、壁部201i及び凹部201jが形成される。第2被係合部201fは、被係合部201c内に配置された係合部203cの上方に、高さ方向A3と略平行に延伸するように設けられる。第1被係合部201e及び第2被係合部201fは、係合部203cの被係合部201cへの進入口を形成する。第1被係合部201eの上流端201gは、第2被係合部201fの下端201hより下流側且つ下方に配置されるため、進入口は、上流側且つ下方に向かって開口するように形成される。
【0098】
図14に示すように、係合部203cの下流側の端部203dが壁部201iに突き当たって凹部201jに嵌合することにより、係合部203cが被係合部201cに係合する。但し、載置台103は、端部203d及び凹部201jによってのみ、下側筐体101に支持されるため、媒体搬送装置100の載置台103と比較して、本実施形態の載置台103の安定性は低い。
【0099】
載置台103の載置面103aは、載置台103が下側筐体101に固定されたときに、下側筐体101の下側ガイド面101aと第1角度θ1をなすように配置される。被係合部201cは、載置台103を下側筐体101に取り付ける際に、又は、下側筐体101から取り外す際に、載置面103aが下側ガイド面101aと第1角度θ1をなす場合に、係合部203cの進入又は抜去を制限するように構成される。
【0100】
一方、図15に示す状態では、載置面103aと下側ガイド面101aは、第1角度θ1と異なる第2角度θ3をなすように配置されている。第2角度θ3は、第1角度θ1より大きく、例えば210°~240°の範囲に設定される。図15に示すように、被係合部201cは、載置台103を下側筐体101に取り付ける際に又は下側筐体101から取り外す際に、載置面103aが下側ガイド面101aと第2角度θ3をなす場合に、係合部203cの進入又は抜去を許容するように構成される。
【0101】
以上詳述したように、媒体搬送装置では、第2角度θ3が第1角度θ1より大きくなるように設定された場合でも、着脱可能に設けられた載置台103が良好にセットされることが可能となり、且つ、媒体が良好にガイドされることが可能となった。
【0102】
図16及び図17は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における被係合部301c及び係合部303cについて説明するための模式図である。図16及び図17は、被係合部301c及び係合部303cの周辺を側方から見た断面図である。
【0103】
図16及び図17に示すように、本実施形態における媒体搬送装置では、載置台103の下流側の側面103bには、係合部103cの代わりに、係合部303cが設けられる。また、下側筐体101の上流側の側面101bには、被係合部101cの代わりに、係合部303cに係合可能な被係合部301cが設けられる。
【0104】
係合部303cは、係合部103cと同様の構成を有する。但し、係合部303cには、弾性を有する爪部103fが設けられておらず、その代わりに、係合部303cの下面に凹部303iが設けられている。
【0105】
被係合部301cは、被係合部101cと同様の構成を有する。但し、被係合部301cは、第2被係合部101fの代わりに、第2被係合部301fを含む。第2被係合部301fは、第1面301k及び第2面301lを含む。第1面301k及び第2面301lは、被係合部301c内に配置された係合部303cの下方に設けられる。第1面301k及び第2面301lは、それぞれ高さ方向A3及び係合部303cの延伸方向と略平行に延伸し、L字形状を有するように設けられる。第2面301lは、弾性を有し、第1面301kと接続する上流側の端部を揺動軸として、揺動可能に設けられる。第2面301lは、係合部303cによって上方から押圧されることにより、下方に揺動する。また、第2面301lの下流側の端部301mは、上方に向けて突出するように形成される。
【0106】
図17に示すように、載置台103が下側筐体101に取り付けられる際に又は下側筐体101から取り外される際に、係合部303cは、傾けられた状態で被係合部301cに進入又は被係合部301cから抜去される。係合部303cが第2面301lに沿って移動している間、第2面301lは係合部303cによって押し下げられる。載置台103が下側筐体101に取り付けられる際、係合部303cの下面に設けられた凹部303iは、第2被係合部301fの下流側の端部301mと対向する位置まで移動すると、図16に示すように端部301mと係合する。
【0107】
利用者は、係合部303cを被係合部301cに進入させる際に、端部301mが凹部303iに係合する時の振動により、係合部303cが被係合部301cに係合したことを感じることができる。これにより、媒体搬送装置は、載置台103が下側筐体101に完全に挿入されていない状態で、利用者による載置台103の挿入操作が終了されることを抑制でき、載置台103の落下等による損傷の発生を抑制できる。
【0108】
以上詳述したように、媒体搬送装置では、下側筐体101側の被係合部301cが弾性を有するように設けられる場合も、着脱可能に設けられた載置台103が良好にセットされることが可能となり、且つ、媒体が良好にガイドされることが可能となった。
【0109】
図18は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における被係合部401c及び係合部403cについて説明するための模式図である。図18は、被係合部401c内部を上方から見た断面図である。
【0110】
図18に示すように、本実施形態における媒体搬送装置では、載置台103には、係合部103cの代わりに、係合部403cが設けられる。また、下側筐体101には、被係合部101cの代わりに、係合部403cに係合可能な被係合部401cが設けられる。
【0111】
係合部403cは、係合部103cと同様の構成を有する。但し、係合部403cの内部には、弾性を有する爪部103fが設けられておらず、その代わりに、係合部403cの外側に、弾性を有する爪部403fが設けられている。爪部403fは、上流側の端部が載置台103の下流側の側面に配置され、その上流側の端部を揺動軸として、揺動可能に設けられる。爪部403fの下面403gは、下方に向けて突出するように形成される。爪部403fは、下面403gが上方に向けて押圧されることにより、上方に揺動する。
【0112】
被係合部401cは、被係合部101cと同様の構成を有する。また、下側筐体101には、被係合部401cの外側に、爪部403fと係合する受け部401nが設けられる。
【0113】
利用者は、載置台103の係合部403cを下側筐体101の被係合部401cに進入させる際に、爪部403fが受け部401nに係合する時の振動により、係合部403cが被係合部401cに係合したことを感じることができる。これにより、媒体搬送装置は、載置台103が下側筐体101に完全に挿入されていない状態で、利用者による載置台103の挿入操作が終了されることを抑制でき、載置台103の落下等による損傷の発生を抑制できる。
【0114】
以上詳述したように、媒体搬送装置では、係合部403cの外側に爪部403fが設けられる場合も、着脱可能に設けられた載置台103が良好にセットされることが可能となり、且つ、媒体が良好にガイドされることが可能となった。
【0115】
図19は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路550の概略構成を示す図である。処理回路550は、媒体搬送装置100の処理回路150の代わりに使用され、処理回路150の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路550は、制御回路551及び画像取得回路552等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0116】
制御回路551は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路551は、操作装置106又はインタフェース装置132から操作信号を、媒体センサ111から媒体信号を受信する。制御回路551は、受信した各情報に基づいてモータ131を制御する。
【0117】
画像取得回路552は、画像取得部の一例であり、画像取得部152と同様の機能を有する。画像取得回路552は、撮像装置116から入力画像を取得し、インタフェース装置132に出力する。
【0118】
以上詳述したように、媒体搬送装置では、処理回路550が用いられる場合も、着脱可能に設けられた載置台103が良好にセットされることが可能となり、且つ、媒体が良好にガイドされることが可能となった。
【0119】
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、媒体搬送装置において、下側筐体101の上流側の側面101bに設けられる被係合部が側面101bから突出する突起形状を有し、載置台103の下流側の側面103bに設けられる係合部が凹形状を有してもよい。この場合も、係合部及び被係合部は相互に係合し、載置台103は下側筐体101に支持される。
【符号の説明】
【0120】
100 媒体搬送装置、101 下側筐体、101a 下側ガイド面、101c、201c、301c、401c 被係合部、101d 突起部、103 載置台、103a 載置面、103c、203c、303c、403c 係合部、103h 凹部、104 サイドガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
実施形態の一側面に係る媒体搬送装置は、被係合部が設けられ、且つ、媒体のガイド面を有する筐体と、筐体に着脱可能に、被係合部に係合可能な係合部が設けられ、且つ、筐体に固定されたときにガイド面と第1角度をなすように配置される媒体の載置面を有する載置台と、媒体の幅方向を規制するサイドガイドであって、前記載置面上に設けられ、前記載置台より前記筐体側に突出し、前記載置台が前記筐体に着脱されるときに前記ガイド面に当接しないように構成されるサイドガイドと、を有し、被係合部は、載置台を筐体に取り付ける際に又は筐体から取り外す際に、載置面がガイド面と第1角度をなす場合に係合部の進入又は抜去を制限し、且つ、載置面がガイド面と第1角度と異なる第2角度をなす場合に係合部の進入又は抜去を許容するように構成され、係合部は、弾性を有する爪部を有する
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被係合部が設けられ、且つ、媒体のガイド面を有する筐体と、
前記筐体に着脱可能に、前記被係合部に係合可能な係合部が設けられ、且つ、前記筐体に固定されたときに前記ガイド面と第1角度をなすように配置される媒体の載置面を有する載置台と、
媒体の幅方向を規制するサイドガイドであって、前記載置面上に設けられ、前記載置台より前記筐体側に突出し、前記載置台が前記筐体に着脱されるときに前記ガイド面に当接しないように構成されるサイドガイドと、を有し、
前記被係合部は、前記載置台を前記筐体に取り付ける際に又は前記筐体から取り外す際に、前記載置面が前記ガイド面と前記第1角度をなす場合に前記係合部の進入又は抜去を制限し、且つ、前記載置面が前記ガイド面と前記第1角度と異なる第2角度をなす場合に前記係合部の進入又は抜去を許容するように構成され、
前記係合部は、弾性を有する爪部を有する、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記爪部は、柔軟性を有する可撓性部材により、前記載置台と一体で形成される、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記爪部は、前記被係合部内に配置される第2被係合部と係合するように構成され、前記第2被係合部と係合する際に振動を発生する、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記爪部の自由端側は、上向きに突出する、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記第2角度は、前記第1角度より小さい、請求項1~4の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記係合部及び前記被係合部のうちの一方に設けられた突起部が、前記係合部及び前記被係合部のうちの他方に設けられた凹部に係合することによって、媒体搬送方向と直交する方向において前記載置台が前記筐体に対して位置決めされる、請求項1~5の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記載置台が前記筐体に固定された状態で、前記サイドガイドの前記突出する部分の下面は、媒体搬送方向の下流側ほど、前記ガイド面から離れるように設けられる、請求項1~6の何れか一項に記載の媒体搬送装置。