(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020058
(43)【公開日】2025-02-10
(54)【発明の名称】ラバーマグネット碁石、碁盤及び製造方法
(51)【国際特許分類】
A63F 3/02 20060101AFI20250203BHJP
A63F 3/00 20060101ALI20250203BHJP
【FI】
A63F3/02 512A
A63F3/02 512E
A63F3/02 511N
A63F3/00 513L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123901
(22)【出願日】2023-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】522045028
【氏名又は名称】加島 主税
(74)【代理人】
【識別番号】100205523
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩也
(72)【発明者】
【氏名】加島 主税
(57)【要約】
【課題】碁石に関する発明や考案は、携帯性もあまり考慮されていない。
【解決手段】磁粉を、ゴム又はプラスチックといった高分子素材を用いて成形したシート、いわゆるラバーマグネットシートを3mm程度の厚さとし、手ごろな大きさの円形に打ち抜いて成形することを特徴とする方法で製造された碁石とスチールラバーシート製の碁盤を用いることによって、碁石と碁盤が互いに吸着するため、気軽に携帯可能な囲碁セットの提供が可能となり、囲碁の普及に大いに貢献できることとなる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁粉を、高分子素材を用いて接着させ成形する、
ことを特徴とする碁石
【請求項2】
前記高分子素材はゴム又はプラスチックである、
ことを特徴とする請求項1の碁石
【請求項3】
厚さ3mmシート状、縦幅36.4mm及び横幅34.0mmであり、
鉄粉を、高分子素材を用いて接着させ成形する、
ことを特徴とする碁盤
【請求項4】
磁粉を、高分子素材を用いて厚さ3mmシート状に成形し、
直径17.76mmの円形で打ち抜く、
ことを特徴とする黒色碁石製造方法
【請求項5】
磁粉を、白色の塗料と高分子素材を用いて厚さ3mmシート状に成形し、
直径17.52mmの円形で打ち抜く、
ことを特徴とする白色碁石製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用に特化した碁石及び碁盤並びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
碁石とは、囲碁、連珠に使用する用具であり、黒・白2色の円盤形状のものである。黒白2色で一揃いとなり、碁笥又は碁器と呼ばれる容器に入れる。囲碁を行う上では単に「石」と呼ばれることもある。また碁盤は、囲碁の用具の一つで碁石を打つ板のことであり、盤の上面には縦横に直線が描かれ、縦横に直線は直角に交わる。
【0003】
黒の碁石は、黒色の石を用い、那智黒石が名品とされている。白の碁石は、ハマグリの貝殻を型抜きして磨いたものが一般的であるが、ハマグリの碁石は、非常に高価であり、明治期には陶器や竹製の碁石が存在していた。大正時代にガラスの碁石が試作されたが、当時は硬化ガラスではなく普通のガラスだったので、脆く割れやすかった。その後、プラスチックや硬質ガラス製の製品が出回り、安価な用具のも現れている。一方、碁盤は、主に樹齢数百年の大木の木材を用いることが多く、カヤ、桂、イチョウ、ヒノキ、ヒバ、アガチス、スプルース材などが使用される。
【0004】
近年では、持ち運び用の軽量の碁石、碁盤や、マグネット製の囲碁セットも登場し、移動先で気軽な囲碁対戦が可能となり、囲碁の普及に大いに貢献している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-67863号公報
【特許文献2】実用新案登録第3202785号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし碁石に関する発明や考案も、特許文献1や特許文献2に記載の通り、スチールシートを付着させたり、原料に鉄粉を混入する碁石など、携帯性はあまり考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、碁石であって、磁粉を、高分子素材を用いて接着させ成形することを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、碁盤であって、厚さ3mmシート状、縦幅36.4mm及び横幅34.0mmであり、磁粉を、高分子素材を用いて接着させ成形することを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、黒色碁石製造方法であって、磁粉を、高分子素材を用いて厚さ3mmシート状に成形し、直径17.76mmの円形で打ち抜くことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、軽量で、碁石に含まれる磁粉と、碁盤に含まれる鉄粉によって、多少の振動でも碁石の位置がずれない囲碁セットの生産が可能となる。本発明にかかる囲碁セットを気軽に携帯できることによって、さらに囲碁の普及に大いに貢献できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る碁石1のa)平面図、及びb)側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る碁石2のa)平面図、及びb)側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る碁石の製造行程のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
<実施形態1>
まず実施形態1である黒色の碁石1を構成する材料について説明する。碁石1は磁粉11を含む高分子素材21が主成分となる。
図1は、本発明の実施形態に係る碁石1のa)平面図、及びb)側面図である。
【0014】
高分子素材21は、例えばゴム、又はプラスチックであり、実施形態1は、磁粉を、高分子素材で接着させ、シート状に成形したいわゆるラバーマグネットシートを円形で打ち抜いて成形する。ラバーマグネットシートの厚さH1は特に定めないが、囲碁を打つ手の大きさと携帯性を考慮すると、3mmであることが好ましい。また碁石1の直径D1も特に定めないが、携帯性を考慮すると17.76mmであることが好ましい。
【0015】
実施形態1の黒色碁石1は、1つの囲碁セットで、301個、予備として2個追加することが好ましい。
【0016】
<実施形態2>
まず実施形態2である白色の碁石2を構成する材料について説明する。碁石2は、碁石1同様に、磁粉11を含む高分子素材22が主成分となる。
図2は、本発明の実施形態に係る碁石2のa)平面図、及びb)側面図である。
【0017】
高分子素材22は、例えばゴム、又はプラスチックであり、実施形態2は、磁粉を、白色の塗料と高分子素材で接着させ、シート状に成形したいわゆるラバーマグネットシートを円形で打ち抜いて成形する。ラバーマグネットシートの厚さH2は特に定めないが、囲碁を打つ手の大きさと携帯性を考慮すると、3mmであることが好ましい。また碁石2の直径D2も特に定めないが、携帯性を考慮すると、黒色碁石である実施形態1より若干小さい、17.52mmであることが好ましい。
【0018】
実施形態2の白色碁石2は、1つの囲碁セットで、300個、予備として2個追加することが好ましい。
【0019】
<実施形態3>
次に、3つ目の実施形態である碁盤3を構成する材料について説明する。碁盤3は、鉄粉12を含む高分子素材23が主成分となる。
【0020】
高分子素材23は、例えばゴム、又はプラスチックであり、実施形態3は、鉄粉を高分子素材で接着させ、シート状に成形した、いわゆるスチールラバーシートである。スチールラバーシートの厚さは特に定めないが、携帯性を考慮すると、3mmであることが好ましい。また碁石2の直径も特に定めないが、携帯性を考慮すると、厚さ3mmシート状、縦幅36.4mm及び横幅34.0mmが好ましい。
【0021】
碁盤3の盤面には罫線が印刷される。罫線の本数等は特に定めないが、19×19であることが好ましい。
【0022】
<製造方法>
次に、碁石の製造方法について例を示す。
図3は、本発明の実施形態に係る碁石1及び2の製造行程のフローチャート図である。
【0023】
(ステップS11)
磁粉11と高分子素材21、例えばゴム、又はプラスチックを高温で混ぜ、シート状(ラバーマグネットシート)とする。
【0024】
(ステップS12)
ラバーマグネットシートを円形で打ち抜く。
【符号の説明】
【0025】
1 碁石(黒色)
2 碁石(白色)
3 碁盤
11 磁粉
21 高分子素材
22 高分子素材
23 高分子素材