(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020083
(43)【公開日】2025-02-12
(54)【発明の名称】折り畳み翼端航空機の異常な翼端拡張を検出するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B64C 3/56 20060101AFI20250204BHJP
B64D 25/00 20060101ALI20250204BHJP
B64D 45/00 20060101ALI20250204BHJP
B64F 5/40 20170101ALN20250204BHJP
【FI】
B64C3/56
B64D25/00
B64D45/00 A
B64F5/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024095534
(22)【出願日】2024-06-13
(31)【優先権主張番号】18/357,550
(32)【優先日】2023-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マコーミック, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ブイノフスキ, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】モイ, ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】シェーリー, サラ
(72)【発明者】
【氏名】ケルチ, エンドリ
(72)【発明者】
【氏名】シャンツ, オースティン
(72)【発明者】
【氏名】レオナール, ポール ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ボクセル, ケイトリン
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル, エリン
(72)【発明者】
【氏名】ガンダーソン, ジョン ダブリュ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】折り畳み翼端航空機の異常な翼端拡張を検出することに関する。
【解決手段】電子コントローラ316Aにおける、拡張コマンドの実行中に翼端344の回転が飛行位置の前で停止したとの第1の判定に応じて、航空機を地上に留めて航空機の整備を予定させるために、電子コントローラ316Aから飛行制御コンピュータに第1の通知信号を送信することを含む。第1の通知信号は、1つ以上の第1のエラーコードを含む。第1の通知信号は、電子コントローラ316Aの判定が、翼の主要部分に対する翼端344の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあることを示していることに応じて、整備に翼端344からラッチピン358までの落下整備を含ませる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(100)であって、
主要部分(106)及び翼端(102)を含む翼(104)と、
前記主要部分に対して前記翼端を回転させるように構成された折り畳み翼端システム(230)であって、電子コントローラ(316)を含む折り畳み翼端システムと
を備え、前記電子コントローラ(316)は、
折り畳み位置から飛行位置まで前記翼端を回転させるために、飛行制御コンピュータ(202)から受信された拡張コマンド(604~632)を実行すること、及び
前記拡張コマンド(620)の実行中に前記翼端の回転が前記飛行位置の前で停止したとの判定に応じて、前記航空機を地上に留めて前記航空機の整備を予定するために、前記飛行制御コンピュータに第1の通知信号を送信すること(614)
を行なうように構成されており、前記第1の通知信号は1つ以上の第1のエラーコード(612)を含み、前記第1の通知信号は、前記電子コントローラの判定が、前記翼の前記主要部分に対する前記翼端の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあることを示していることに応じて、前記整備に翼端からラッチピンまでの落下整備を含ませる、航空機(100)。
【請求項2】
前記翼端からラッチピンまでの落下整備は、
前記翼端の1つ以上の特定のラグ(354)によって接触された1つ以上の特定のラッチピン(358)を識別することと、
前記1つ以上の特定のラッチピンを交換することと、
目に見える損傷のある前記1つ以上の特定のラッチピンの第1のサブセットをスクラップとして識別することと、
目に見える損傷のない前記1つ以上の特定のラッチピンの第2のサブセットに、目に見えない損傷がないか試験を受けさせることと
を実行する指示を含む、請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記翼端からラッチピンまでの落下整備は、さらに、
1つ以上の翼端ラグ(354)を交換することと、
目に見える損傷のある前記1つ以上の翼端ラグの第1のサブセットをスクラップとして識別することと、
目に見える損傷のない前記1つ以上の翼端ラグの第2のサブセットに、目に見えない損傷がないか試験を受けさせることと
を実行する指示を含む、請求項2に記載の航空機。
【請求項4】
前記第1の通知信号はまた、前記飛行制御コンピュータに、前記航空機の翼端作動システムの整備を予定させる、請求項1に記載の航空機。
【請求項5】
前記第1の特定の角度が前記ラッチピン干渉範囲内にないことを前記電子コントローラによる前記判定が示すときに、前記第1の通知信号は、前記整備が翼端アクチュエータの整備を含むことを示す、請求項1に記載の航空機。
【請求項6】
前記電子コントローラは、さらに、
前記飛行制御コンピュータから、前記主要部分に対する前記翼端の角度に関連する位置データのリクエストを受信すること(404)と、
ヒンジラインセンサ(310)から受信されたデータに基づいて、前記飛行制御コンピュータに前記位置データを送信することであって、前記位置データによって示された前記翼端の位置が前記折り畳み位置内にないときに、前記飛行制御コンピュータは、前記航空機を地上に留めて(414)前記航空機の整備を予定する(416)、前記位置データを送信することと
を実行するように構成される、請求項1に記載の航空機。
【請求項7】
前記整備は、前記翼端を前記折り畳み位置内に維持するように構成されたブレーキシステム(308)のブレーキシステム整備を含む、請求項6に記載の航空機。
【請求項8】
前記整備は、前記主要部分に対する前記翼端の前記角度が前記ラッチピン干渉範囲内にあるときに、翼端からラッチピンまでの落下整備を含む、請求項6に記載の航空機。
【請求項9】
前記整備は、前記翼端が前記飛行位置内又は前記飛行位置の近くにあるときに、翼端から止め具までの落下整備を含む、請求項6に記載の航空機。
【請求項10】
前記翼端から止め具までの落下整備は、
前記翼端の翼端ラグを交換することと、
前記主要部分のラグ止め具(360)を交換することと、
目に見える損傷のある前記翼端ラグの第1のサブセットをスクラップとして識別することと、
目に見える損傷のない前記翼端ラグの第2のサブセットに、目に見えない損傷がないか試験を受けさせることと
を実行する指示を含む、請求項9に記載の航空機。
【請求項11】
方法であって、
折り畳み位置から飛行位置まで翼の翼端を回転させるために、航空機(100)の折り畳み翼端システム(230)の電子コントローラ(316)を介して、前記電子コントローラによって飛行制御コンピュータ(202)から受信された拡張コマンドを実行すること(604~632)と、
前記電子コントローラにおける、前記拡張コマンド(620)の実行中に前記翼端の回転が前記飛行位置の前で停止したとの第1の判定に応じて、前記航空機を地上に留めて前記航空機の整備を予定するために、前記電子コントローラから前記飛行制御コンピュータに第1の通知信号を送信すること(614)と
を含み、前記第1の通知信号は1つ以上の第1のエラーコードを含み、前記第1の通知信号は、前記電子コントローラの判定が、前記翼の主要部分に対する前記翼端の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあることを示していることに応じて、前記整備に翼端からラッチピンまでの落下整備を含ませる、方法。
【請求項12】
前記主要部分に対する前記翼端の回転が前記飛行位置で停止するときに示されるような、前記拡張コマンドの実行の開始から前記拡張コマンドの実行の完了までの前記拡張コマンドの実行時間が、閾値実行時間よりも短いとの第2の判定に応じて、前記1つ以上の第1のエラーコードは、翼端から止め具までの落下を示し、前記1つ以上の第1のエラーコードは、前記航空機の前記整備に翼端から止め具までの落下整備を含ませるように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
さらに、翼端位置リクエスト(404)に応じて、翼端位置データを前記飛行制御コンピュータに提供することを含み、前記飛行制御コンピュータは、前記翼端が折り畳み位置(416)内にないとの第1の判定に基づいて、かつ前記折り畳み翼端システムによる最後の実行コマンドが折り畳みコマンドであったとの第2の判定に基づいて、前記航空機が地上に留まること(414)を示すために設定を変更し、かつ前記航空機の特定の整備を予定するように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記特定の整備は、前記翼端が前記ラッチピン干渉範囲内の特定の角度にあることを前記翼端位置データが示すときに、翼端からラッチピンまでの落下整備を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記特定の整備は、前記翼端が前記飛行位置にある又は実質的に前記飛行位置にあることを前記翼端位置データが示すときに、翼端から止め具までの落下整備を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
さらに、
第1の位置から第2の位置まで前記翼端を移行させるための第2のコマンドを、前記飛行制御コンピュータから前記電子コントローラにおいて、受信すること(602、702)と、
前記第2のコマンドを実行するために、ドライブトレインアクチュエータ、油圧制御モジュール、又はその両方に制御信号を送信すること(606、706)と、
ドライブトレインアクチュエータセンサからのドライブトレインアクチュエータデータ及びドライブトレイン位置センサからのドライブトレイン位置データに基づく、ラッチピンアクチュエータのロックシステムが正しく機能しなかった(608、708)との電子コントローラによる判定に応じて、前記飛行制御コンピュータに特定の通知信号を送信することと
を含み、前記特定の通知信号は、ロックシステム故障に関連する1つ以上の特定のエラーコードを含み、前記特定の通知信号により、前記航空機を地上に留めて、前記航空機の特定の整備を予定させ、前記特定の整備は、ラッチピンシステムの整備を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
非一過性のコンピュータ可読媒体(1006)であって、該コンピュータ可読媒体(1006)は、
折り畳み位置から飛行位置までヒンジ軸(214)の周囲で翼(104)の翼端(102)を回転させるために、飛行制御コンピュータ(202)から受信された拡張コマンド(604-632)を実行することと、
前記拡張コマンド(620)の実行中に前記翼端の回転が前記飛行位置の前で停止したとの第1の判定に応じて、航空機を地上に留めて前記航空機の整備を予定するために、前記飛行制御コンピュータに第1の通知信号を送信すること(614)と
を行なうために、航空機(100)の電子コントローラ(316)の1つ以上のプロセッサ(1004)によって実行可能な指示を含み、前記第1の通知信号は1つ以上の第1のエラーコードを含み、前記通知信号は、前記電子コントローラの判定が、前記翼の主要部分に対する前記翼端の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあることを示していることに応じて、前記整備に翼端からラッチピンまでの落下整備を含ませる、非一過性のコンピュータ可読媒体(1006)。
【請求項18】
前記指示が、さらに、
前記飛行位置から前記折り畳み位置まで前記翼端を移行させるための折り畳みコマンド(704-732)を実行することと、
前記折り畳みコマンドの実行の終了時に前記主要部分に対する前記翼端の位置が前記折り畳み位置にないと判定することと、
前記飛行制御コンピュータに第2の通知信号を送信することであって、前記第2の通知信号は、前記位置に関連する1つ以上の第2のエラーコードを含み、前記第2の通知信号は、前記1つ以上の第2のエラーコードに基づいて、前記航空機を地上に留めさせ、前記航空機の特定の整備を予定させる、第2の通知信号を送信することと
を行なうために前記1つ以上のプロセッサによって実行可能である、請求項17に記載の航空機。
【請求項19】
前記特定の整備は、前記位置が前記ラッチピン干渉範囲内にあるときに、翼端からラッチピンまでの落下整備を含む、請求項18に記載の航空機。
【請求項20】
前記整備は、前記位置が前記飛行位置内又は前記飛行位置の近くにあるときに、翼端から止め具までの落下整備を含む、請求項18に記載の航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、折り畳み翼端航空機の異常な翼端拡張を検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]一般的に、大型の航空機及び翼幅の広い航空機は、人、貨物、又はこの両方の輸送に対してより効率的な傾向にある。例えば、概して、2つの目的地の間を小型航空機で複数回飛行するよりも、より多くの乗客及び貨物を運ぶことができる大型航空機を運航する方が効率的である。一部の空港(例えば、タイプFの空港)では翼幅が大きい航空機を収容できるが、ほとんどの空港の誘導路間隔とゲート位置は、翼幅が広い航空機のために十分な間隔を設けずに設置されてきた。
【0003】
[0003]大きな翼幅を有し、一部の空港(例えば、タイプEの空港)に関連する翼幅制限に対応するために、一部の航空機は、折り畳み翼端航空機である。航空機の各翼は、航空機の胴体に接続された主要部分と、主要部分に対して折り畳む(例えば、回転させる)ように構成された翼端と、主要部分に対して翼端を折り畳むように構成された折り畳み翼端システムとを含む。翼端が飛行位置にあるときには、航空機の飛行効率を向上させるために、航空機の翼幅は大きく、翼端が折り畳み位置にあるときには、航空機の翼幅は、空港の翼幅制限に準拠する、より小さなものになる。
【0004】
[0004]翼端を上げ下げするように、折り畳み翼端システム(即ち、航空機の翼ごとに1つの折り畳み翼端システム)が設計される。折り畳み翼端システムの異常な動作(人為的ミス、部品の故障、又はその両方による)が発生する可能性は非常に低いが、そのような異常が発生したかどうかを検出し、適切な対応を詳述する指示を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
[0005]特定の実施態様では、航空機は翼を含む。翼は、主要部分及び翼端を含む。航空機はまた、主要部分に対して翼端を回転させるように構成された折り畳み翼端システムを含む。折り畳み翼端システムは、電子コントローラを含む。電子コントローラは、折り畳み位置から飛行位置まで翼端を回転させるために、飛行制御コンピュータから受信された拡張コマンドを実行するように構成される。また電子コントローラは、拡張コマンドの実行中に翼端の回転が飛行位置の前で停止したとの判定に応じて、折り畳み翼端航空機を地上に留めて、航空機の整備を予定させるために、飛行制御コンピュータに第1の通知信号を送信するように構成される。第1の通知信号は、1つ以上の第1のエラーコードを含む。第1の通知信号は、電子コントローラの判定が、翼の主要部分に対する翼端の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあることを示していることに応じて、整備に翼端からラッチピンまでの落下整備(wingtip-to-latch pin drop maintenance)を含ませる。
【0006】
[0006]別の特定の実施態様では、方法は、折り畳み位置から飛行位置まで翼の翼端を回転させるために、航空機の電子コントローラを介して、電子コントローラによって飛行制御コンピュータから受信された拡張コマンドを実行することを含む。本方法は、電子コントローラにおける、拡張コマンドの実行中に翼端の回転が飛行位置の前で停止したとの第1の判定に応じて、航空機を地上に留めて航空機の整備を予定させるために、電子コントローラから飛行制御コンピュータに第1の通知信号を送信することを含む。第1の通知信号は、1つ以上の第1のエラーコードを含む。第1の通知信号は、電子コントローラの判定が、翼の主要部分に対する翼端の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあることを示していることに応じて、整備に翼端からラッチピンまでの落下整備(wingtip-to-latch pin drop maintenance)を含ませる。
【0007】
[0007]別の特定の実施態様では、非一過性のコンピュータ可読媒体は、航空機の電子コントローラの1つ以上のプロセッサによって実行可能な指示を含む。本指示は、折り畳み位置から飛行位置まで翼の翼端を回転させるために飛行制御コンピュータから受信された拡張コマンドを実行するように、1つ以上のプロセッサによって実行可能である。本指示はまた、拡張コマンドの実行中に翼端の回転が飛行位置の前で停止したとの第1の判定に応じて、航空機を地上に留めて航空機の整備を予定させるために、飛行制御コンピュータに第1の通知信号を送信するように、1つ以上のプロセッサによって実行可能である。第1の通知信号は、1つ以上の第1のエラーコードを含む。第1の通知信号は、電子コントローラの判定が、翼の主要部分に対する翼端の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあることを示していることに応じて、整備に翼端からラッチピンまでの下降整備を含ませる。
【0008】
[0008]本明細書に記載された特徴、機能、及び利点は、様々な実施態様において単独で実現することが可能であり、又は、さらに別の実行形態において組み合わせることもできる。これらの更なる詳細は、以下の明細書記載及び添付図面を参照することで理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】[0009]翼端が飛行位置にある状態での、翼端拡張異常検出器を含む折り畳み翼端航空機の図を示す。
【
図1B】[0010]翼端が折り畳み位置にある状態での、
図1Aの折り畳み翼端航空機の図を示す。
【
図2】[0011]翼端拡張異常検出器を含む折り畳み翼端航空機のブロック図である。
【
図3】[0012]翼端拡張異常検出器を含む折り畳み翼端航空機の折り畳み翼端システムの図である。
【
図4】[0013]翼端拡張異常検出を含む航空機の折り畳み翼端システム使用の第1の方法を実行するフローチャートである。
【
図5】[0014]翼端拡張異常検出を含む航空機の折り畳み翼端システム使用の第2の方法を実行するフローチャートである。
【
図6】[0015]翼端拡張異常検出を含む航空機の折り畳み翼端システム使用の第3の方法を実行するフローチャートである。
【
図7】[0016]翼端拡張異常検出を含む航空機の折り畳み翼端システム使用の第4の方法を実行するフローチャートである。
【
図8】[0017]
図1Aの翼端拡張異常検出器を含む航空機のライフサイクルを示すフローチャートである。
【
図10】[0019]本開示によるコンピュータ実装方法及びコンピュータ実行可能プログラム指示(又はコード)の態様をサポートするように構成された計算装置を含む計算環境のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0020]折り畳み翼端航空機は、航空機の各翼のための折り畳み翼端システムを含む。折り畳み翼端システムにより、飛行位置から折り畳み位置までの、かつその逆の、翼の回転が可能になる。折り畳み翼端システムは、飛行制御コンピュータから折り畳み翼端システムを使用するためのコマンドを受信する。
【0011】
[0021]折り畳み翼端システムは、翼端の動きが制御され、翼端が折り畳み位置にあるときにはブレーキシステムによって所定の場所に固定され、翼端が飛行位置にあるときにはラッチピンシステムによって所定の場所に固定されるように、設計される。航空機の折り畳み翼端システムが、折り畳み翼端システムをモニタするセンサによって提供されるデータに基づいて、翼端を第1の位置(例えば、折り畳み位置)から第2の位置(例えば、飛行位置)まで変更するためのコマンドを実行するために正しく動作しない場合に、航空機は地上に留まり、整備が予定される。折り畳み翼端システムの故障原因を判定し、折り畳み翼端システムを機能させ、故障によって引き起こされる問題に対処して修正する、又はこれらの組み合わせを実行するために、故障分離マニュアル、航空機整備マニュアル航空機の飛行制御コンピュータにより提供される情報が整備担当者によって使用される。
【0012】
[0022]発生する可能性は非常に低いが、翼端が折り畳み位置から落下する、又は折り畳み翼端システムが翼端の位置を変更するために使用されているときに、翼端が落下する可能性がある。翼端落下は、人為的ミス(例えば、不適切な整備)、折り畳み翼端システムの1つ以上のコンポーネントの故障(例えば、翼端がある位置から他の位置に回転する際に翼端を支持するトルクチューブ故障)、その他の原因、又はこれらの組み合わせに起因する可能性があろう。万が一翼端が落下すれば、翼端の翼端ラグが翼端の回転の停止を制限する翼の主要部分の止め具に接触する可能性があり、これにより、翼端ラグの1つ以上、止め具の1つ以上、若しくはこの両方に損傷が引き起こされうるか、又は1つ以上の翼端の翼端ラグがラッチピンシステムの1つ以上のラッチピンに接触する可能性があり、これにより、翼端ラグの1つ以上、1つ以上のラッチピン、若しくはこの両方に損傷が引き起こされうる。
【0013】
[0023]本開示は、翼端が落下する場合などの異常な翼端拡張を判定し、航空機を再び運航するために必要な整備の種類を判定することができるようにするシステム及び方法を記載する。本開示の技術的な利点は、折り畳み翼端システムの故障の結果として航空機に予定されている整備(折り畳み翼端システムの故障の考えられる原因に対処するための特定の整備を含む)により、効率が向上し、折り畳み翼端航空機が整備のために運航されない時間が短縮され、整備に関連するコストが削減されることである。航空機に予定される整備は、折り畳み翼端システムの使用中に取得されたセンサデータに基づいて識別された折り畳み翼端システムの考えられる故障原因に対処するために実行される特定の整備を含む。もう1つの技術的な利点は、航空機に予定される整備が、翼端が落下したかどうかを識別するため、整備担当者が、翼端が落下したかどうかを判定する必要がなくなり、効率が向上しうることである。航空機に予定された整備で翼端が落下したことが示される場合、センサデータに基づいて翼端の落下によって損傷した可能性があると識別される折り畳み翼端システムの特定のコンポーネント(例えば、1つ以上のラッチピン、1つ以上の翼端ラグなど)は、落下によって損傷した可能性のあるすべてのコンポーネントの目に見えない損傷を検査する代わりに、目に見えない損傷を識別し検査することができ、また、これにより効率が向上し、折り畳み翼端の航空機が運航されない時間が短縮され、整備に関連するコストが削減される。
【0014】
[0024]図面及び以下の説明により、具体的で例示的な実施態様が示される。本明細書に明示的に記載又は図示されていなくとも、当業者には、本明細書に記載の原則を具現化し明細書の記載の後の特許請求の範囲に含まれる様々な構成を考案できることが認識されよう。さらに、本明細書に記載のいかなる実施例も、本開示の原則を理解することを助けるためのものであり、限定を含まないものであると解されるべきである。結果として、本開示は、後述する具体的な実施形態又は実施例に限定されるものではいが、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【0015】
[0025]本明細書では、特定の実施態様について図面を参照して説明する。説明の中で、共通の特徴には、図面全体を通して共通の参照番号が付される。一部の図面では、特定の種類の特徴の複数の例が使用される。これらの特徴は、物理的及び/又は論理的に異なるが、それぞれに同じ参照番号が使用され、異なる例が、参照番号に文字を追加することで区別される。グループ又は種類としての特徴が本明細書で言及される場合(例えば、特徴の特定の1つが参照されていない場合)、参照番号は識別文字がない状態で使用される。しかし、同じ種類の複数の特徴のうちの1つの特定の特徴が本明細書で言及される場合、参照番号は識別文字とともに使用される。例えば、
図3を参照すると、複数の電子コントローラが図示されており、これらは参照番号316A及び316Bに関連している。これらの電子コントローラのうちの特定の1つ(電子コントローラ316Aなど)に言及する場合、識別文字「A」が使用される。しかし、これらの電子コントローラの任意の1つ又はこれらの電子コントローラをグループとして参照する場合、参照番号316は識別文字なしで使用される。
【0016】
[0026]本開示は、折り畳み翼端航空機を対象とする。本明細書で使用される「航空機」という用語は、折り畳み翼端航空機を指す。本明細書では、様々な用語が、特定の実施態様を説明するためだけに使用され、限定することは意図されていない。例えば、単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限りは、複数形も含むことが意図されている。さらに、本明細書に記載されるいくつかの特徴は、いくつかの実施態様では単数形であり、他の実施態様においては複数形である。説明するために、
図2は1つ以上のプロセッサ(
図2の「1つ以上のプロセッサ」216)を含む飛行制御コンピュータ202を示している。いくつかの実施態様では、飛行制御コンピュータ202は単一のプロセッサ216を含み、他の実施態様では、飛行制御コンピュータ202は複数のプロセッサ216を含む。本明細書での参照を容易にするために、このような特徴は、概して「1つ以上の(one or more)」特徴として導入され、それ以降は、複数の特徴に関する態様が記載されていない限り、単数のものとして参照される。
【0017】
[0027]さらに、「備える(comprise、comprises、comprising)」という用語は、「含む(include、includes、including)」と交換可能に使用される。さらに、「ここで(wherein)」という用語は、「その場合に(where)」という用語と交換可能に使用される。本明細書では、「例示的な(exemplary)」という用語は、実施態様、及び/又は態様を示し、好み又は好ましい実施態様を限定し又は指し示すと解釈すべきではない。本明細書では、構造、コンポーネント、動作などの要素を修飾する序数の用語(例えば、「第1の」、「第2の」、「第3の」など)は、これ自体が他の要素に対する上記要素の何らかの優先度又は順序を示すものではなく、(序数用語の使用は別にして)同じ名称の他の要素を単に区別しているにすぎない。本明細書では、「セット(set)」という用語は、1つ以上の要素のグループ化を指し、「複数の(plurality)」という用語は、複数の要素のことを指す。本明細書で使用されているA「及び/又は」Bは、「A及びB」、「A又はB」のいずれか、又は「A及びB」と「A又はB」の両方が適用可能又は許容可能であることを意味しうる。
【0018】
[0028]本明細書では、「生成する(generating)」、「計算する(calculating)」、「使用する(using)」、「選択する(selecting)」、「アクセスする(accessing)」、及び「判定する(determining)」は、文脈がそうでないことを示さない限り交換可能である。例えば、パラメータ(又は信号)を「生成する」、「計算する」、若しくは「判定する」ことは、パラメータ(又は信号)を能動的に生成、計算、若しくは判定することを指し、又は、例えば他のコンポーネント又はデバイスによって、既に生成されているパラメータ(又は信号)を使用、選択、若しくはアクセスすることを指しうる。本明細書で使用される「接続(coupled)」は、「通信可能に接続」、「電気的に接続」、又は「物理的に接続」を含むことができ、さらに(又は代替的に)その任意の組み合わせを含むことができる。2つのデバイス(又はコンポーネント)は、1つ以上の他のデバイス、コンポーネント、ワイヤ、バス、ネットワーク(例えば、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はその組み合わせ)などを介して直接的又は間接的に接続(通信可能に接続、電気的に接続、又は物理的に接続)することができる。電気的に接続される2つのデバイス(又はコンポーネント)は、同じデバイス又は異なるデバイスに含めることができ、例示的な非限定的実施例として、電子機器、1つ以上のコネクタ、又は誘導結合を介して接続することができる。いくつかの実施態様において、電気通信などで通信可能に接続された2つのデバイス(又はコンポーネント)は、1以上のワイヤ、バス、ネットワークなどを介して直接的又は間接的に電気信号(デジタル信号又はアナログ信号)を送受信することができる。本明細書では、「直接的に接続される(directly coupled)」という表現は、構成要素を介在させることなく接続された(例えば、通信可能に接続された、電気的に接続された、又は物理的に接続された)2つのデバイスを説明するために使用される。
【0019】
[0029]
図1Aは、航空機100の翼端102が飛行位置にある、折り畳み翼端航空機100の図を示す。
図1Bは、翼端102が折り畳み位置にある、航空機100の図を示す。航空機100の各翼104は、航空機100の胴体108に接続された主要部分106と、翼端102とを含む。航空機100の折り畳み翼端システムは、飛行位置から折り畳み位置まで及びその逆に、翼端102を回転させることができる。1つの実施態様では、翼端の端部からヒンジ軸までの翼端102の水平長さは、約11フィートである。他の実施態様では、翼端102の水平長さは、より短くてもより長くてもよい。いくつかの実施態様では、翼端102の端部はウィングレットを含みうる。
【0020】
[0030]翼端102を適切な位置(例えば、折り畳み位置又は飛行位置)に位置決めするために、折り畳み翼端システムが正しく動作したかを判定するように、折り畳み翼端システムの1つ以上のコンポーネントに関連するセンサデータが翼端拡張異常検出器110によって処理される。
図1A及び
図1Bにおいて、翼端拡張異常検出器110は、航空機100の外部からは通常見えないことを示すために破線を使用して示されている。翼端拡張異常検出器110の動作の例が、
図2~7を参照して以下で説明される。
【0021】
[0031]
図2は、航空機100のブロック図を示す。航空機100は、翼104と、飛行制御コンピュータ202と、データ、コマンド、及び飛行乗務員及び外部ソースからの他の情報を受信するための入力デバイス204(例えば、ステアリングヨーク、サイドスティック、レバー、ボタン、ダイヤル、キーボード、タッチスクリーンなど)と、航空機100に関連する運航状況についての情報を飛行乗務員及び外部ソースに提供するための出力デバイス206(例えば、ディスプレイ、ゲージ、スピーカ、ヘッドフォン、触覚デバイスなど)と、航空機100に動力を供給するためのエンジン208と、オペレーティングシステム210と、飛行制御コンピュータ202、オペレーティングシステム210、又はその両方が航空機100に関連する運航状況を判定できるようにするためのセンサシステム212と、他のコンポーネントとを含む。各翼104は、主要部分106と、ヒンジ軸214の周りで主要部分106に対して回転するように構成される翼端102とを含む。
【0022】
[0032]飛行制御コンピュータ202は、乗務員及び外部ソースから受信された入力と使用条件とに基づいて、航空機100の動作を制御する。飛行制御コンピュータ202は、1つ以上のプロセッサ216とメモリ218とを含む。メモリ218は、航空機100の動作に関連するデータ220と、動作を実行するためにプロセッサ216によって実行可能な指示222とを記憶する。指示222は、航空機100を動作させるための飛行指示224と、1つ以上の異常な状態が発生したことを示すための警告システム226、航空機100の整備を予定するための整備スケジューラ228、翼端拡張異常検出器110A、他のアプリケーション、又はこれらの組み合わせを含みうる。整備スケジューラ228により予定される整備は、定期的な整備、飛行制御コンピュータ202によって検出された問題に対処するための特定の整備、又はこれらの組み合わせを含みうる。
【0023】
[0033]オペレーティングシステム210は、飛行制御コンピュータ202により送信される制御コマンド、入力デバイス204を介して乗務員により提供される制御コマンド、又はこれらの両方を実行するように構成される。オペレーティングシステム210は、折り畳み翼端システム230、ナビゲーションシステム、通信システム、及び航空機100の使用中に利用される他のシステムを含む。各折り畳み翼端システム230は、翼104に関連しており、折り畳み位置から飛行位置まで及びその逆方向に、翼の主要部分106に対して翼104の翼端102を回転させるように構成される。各折り畳み翼端システム230はまた、飛行位置及び折り畳み位置内に翼端102を固定するように構成される。
【0024】
[0034]飛行指示224によって、折り畳み翼端システム230の使用が制御される。飛行指示224は、折り畳み翼端システム230がいつ使用可能であるかを判定するロジックを含む。例えば、航空機100が離陸フェーズ又は飛行フェーズにあり、着陸中に飛行制御コンピュータ202の折り畳みコマンド送信を阻止する場合に、航空機100が地上に着陸し閾値速度未満の速度で走行するまで、飛行指示224は、飛行位置から折り畳み位置まで翼端102を折り畳むための折り畳みコマンドを飛行制御コンピュータ202が送信するのを禁止する。閾値速度は、航空機100が飛行を再開させるために必要な速度未満である。いくつかの実施態様では、閾値速度はタキシング速度(taxi speed)である。別の例として、航空機100が飛行中ではなく、タキシングインフェーズ(taxi-in phase)、タキシングアウトフェーズ(taxi-out phase)にある、又はスタンド(例えば、ゲート)に位置する場合に、飛行指示224は、航空機100の現在位置と航空機100の翼幅制限データの比較に基づき、飛行制御コンピュータ202が、折り畳み位置から飛行位置まで翼端102を拡張するための拡張コマンドを送信することを禁止する。
【0025】
[0035]翼端拡張異常検出器110Aは、飛行制御コンピュータ202に実装され、センサシステム212、折り畳み翼端システム230、又はその両方からの入力に基づいて動作する翼端拡張異常検出器110の一部を表しうる。翼端拡張異常検出器110Aは、飛行制御コンピュータ202から折り畳み翼端システム230に送信されたコマンドに応じて、折り畳み翼端システム230の動作に関する通知信号を受信する。受信された通知信号が1つ以上のエラーコードを含む場合、翼端拡張異常検出器110Aは、航空機100が地上に留まることを示すために設定を変更するように構成され、乗務員に、折り畳み翼端システム230の1つ以上の問題を通知し、かつ航空機が地上に留まることを通知することができるようにするために、警告システム226に情報を提供するように構成され、また、1つ以上の問題に対処するための特定の整備を実行できるように、1つ以上のエラーコードを整備スケジューラ228に提供するように構成される。
【0026】
[0036]飛行制御コンピュータ202は、折り畳み翼端システム230によって最後に完了したコマンドが折り畳みコマンドであったと判定しうる。航空機100がアイドル状態又は低動力状態(low power state)から動力供給状態(powered state)に移行する場合に、周期的に、飛行制御コンピュータ202が、折り畳み位置から飛行位置まで翼端102を動かすために1つ以上の拡張コマンドを実行すると判定するときに、又はこれらの組み合わせで、判定が行なわれうる。例えば、1つ以上の拡張コマンドが折り畳み翼端システム230に送信される前に、翼端拡張異常検出器110Aが翼端102の位置のリクエストを折り畳み翼端システム230に送信し、データ220から、折り畳み翼端システム230の最後に実行されたコマンドを判定する。翼端102が折り畳み位置内にあり、折り畳み翼端システム230の最後に実施されたコマンドが折り畳みコマンドであったと翼端位置のリクエストへの応答が示す場合、翼端拡張異常検出器110Aは、異常がないと判定し、1つ以上の拡張コマンドを折り畳み翼端システム230に送信する。
【0027】
[0037]翼端102の一方又は両方が折り畳み位置内になく、折り畳み翼端システムによる最後に実行されたコマンドが折り畳みコマンドであったと翼端拡張異常検出器110Aが判定する場合、翼端拡張異常検出器110Aは、異常があると判定する。翼端拡張異常検出器110Aは、航空機100を地上に留める設定を行い、異常に関連するエラーコードを設定する。エラーコードは、航空機100を再び運航させるために実行すべき特定の整備を指定するために、整備スケジューラ228によって使用される1つ以上のコードを含む。エラーコードは、翼端102を折り畳み位置内に維持し、翼端102が折り畳み位置から意図せずに動いてしまうのを防止するように構成されたブレーキシステム(例えば、
図3のブレーキシステム308)の問題を示すコードと、折り畳み翼端システム230の翼端作動システム(例えば、
図3の翼端作動システム304)に関連するエラーコードと、折り畳み位置内にない翼端102の位置に関連するエラーコードとを含む。例えば、翼端102の1つが飛行位置又はその付近の位置内にある場合、翼端102の位置に関連するエラーコードにより、整備スケジューラ228は、折り畳み位置から飛行位置まで落下する翼端102に関連する問題に対処する特定の整備(例えば、翼端から止め具までの落下整備)を指定することができる。
【0028】
[0038]
図3は、航空機100の翼104のための折り畳み翼端システム230のブロック図である。折り畳み翼端システム230は、制御システム302と、折り畳み位置と飛行位置との間で翼端102を回転させるための翼端作動システム304と、翼端102を飛行位置内にロックするためのラッチピンシステム306と、翼端102を折り畳み位置内にロックするためのブレーキシステム308と、センサシステム212(例えば、ヒンジラインセンサ310、ドライブトレインアクチュエータ位置センサ312、及びドライブトレイン位置センサ314)の一部と、他のコンポーネント、又はこれらの組み合わせを含む。
【0029】
[0039]制御システム302は、電子コントローラ316Aと、電子コントローラ316Aに接続された油圧コントローラ318Aと、冗長電子コントローラ316Bと、電子コントローラ310Bに接続された冗長油圧コントローラ318Bと、電子コントローラ316に通信可能に接続される遮断バルブ320とを含む。電子コントローラ316は、飛行制御コンピュータ202に通信可能に接続される。
【0030】
[0040]いくつかの実施態様では、電子コントローラ316A、316Bは、飛行制御コンピュータ202から受信されるコマンドに応じて電子コントローラ310A、310Bの1つを介して両方の折り畳み翼端システム230を同時に制御できるように、他の航空機100の翼104の折り畳み翼端システム230によって共有される。折り畳み翼端システム230によって電子コントローラ316A、316Bを共有することで、各折り畳み翼端システム230がそれ自身の電子コントローラ316A、316Bを含む場合などに、折り畳み翼端航空機100は、4つの電子コントローラ316A、316Bではなく、2つの電子コントローラ316A、316Bを有することが可能になる。同様に、いくつかの実施態様では、油圧コントローラ318A、318Bは、他の航空機100の翼104の折り畳み翼端システム230によって共有される。コンポーネントと結合システム(例えば、電子コントローラ316の配線、及び油圧コントローラ318の油圧ライン)の間隔とシステム重量の考慮は、2つの電子コントローラ316A、316Bを使用するか4つの電子コントローラ316A、316Bを使用するか、2つの油圧コントローラ318A、318Bを使うか4つの油圧コントローラ318A、318Bを使うか、を判定する際に使用される航空機100の設計段階での考慮でありうる。
【0031】
[0041]各電子コントローラ316は、1つ以上のプロセッサ322とメモリ324とを含む。メモリ324は、データ及び指示を記憶するように構成される。指示は、拡張指示326、折り畳み指示328、及び翼端拡張異常検出器110Bを含む。特定の電子コントローラ316が飛行制御コンピュータ202から拡張コマンドを受信すると、1つ以上のプロセッサ322は、折り畳み翼端システム230に、折り畳み位置から飛行位置まで翼端102を回転させ、飛行位置内に翼端102を固定させる手順を実行するための拡張指示326を実行する。特定の電子コントローラ316が飛行制御コンピュータ202から折り畳みコマンドを受信すると、1つ以上のプロセッサ322は、折り畳み翼端システム230に、飛行位置から折り畳み位置まで翼端102を回転させ、折り畳み位置内に翼端102を固定させる手順を実行するための折り畳み指示328を実行する。
【0032】
[0042]翼端拡張異常検出器110Bは、電子コントローラ316に実装され、拡張指示326又は折り畳み指示328を介して飛行制御コンピュータ202から受信される特定のコマンドの実行をモニタする翼端拡張異常検出器110の一部を表しうる。コマンドが正しく実行されると、翼端拡張異常検出器110Bは、飛行制御コンピュータ202の翼端拡張異常検出器110Aに、受信されたコマンドが正常に実行されたことを示す通知を提供する。センサデータに基づいて、受信されたコマンドの実行が完了前に停止することを翼端拡張異常検出器110Bが検出する場合、翼端拡張異常検出器110Bは、指示(例えば、拡張指示326又は折り畳み指示328)のさらなる実行を停止し、遮断バルブ320を閉じ、折り畳み翼端システム230に関連する1つ以上のエラーコードを設定し、1つ以上のエラーコードを含む通知信号を翼端拡張異常検出器110Aに送信し、又はこれらの組み合わせを実行する。
【0033】
[0043]各電子コントローラ316は、対応する油圧コントローラ318に通信可能に接続される。各油圧コントローラ318は、油圧流体システム330から加圧された油圧流体を受け取るために、油圧供給ラインによって遮断バルブ320に接続される。油圧流体システム330は、航空機100の各翼104の折り畳み翼端システム230に油圧流体を供給する集中型システムでありうる。各油圧コントローラ318は、戻る油圧流体を油圧流体システム330に方向付ける油圧戻りラインに接続される。油圧コントローラ318は、多数のポートを含む。油圧供給ライン及び油圧戻りラインは、折り畳み翼端システム230のポート及び油圧ユニット(例えば、動力駆動ユニット(power drive unit)332、ラッチピンアクチュエータ334、ブレーキシステム308など)に連結される。電子コントローラ316が第1のコマンド(例えば、拡張コマンド又は折り畳みコマンド)を実行しているときに、電子コントローラ316は、遮断バルブ320に開放信号を送信し、第1のコマンドの実行中に対応する油圧コントローラ318に様々な信号を送信し、油圧コントローラ318に、加圧された油圧流体を適切な時間に適切な油圧ユニットに方向付けさせ、油圧流体を特定の時間に特定のユニットに供給することを停止させる。第1のコマンドの実行中に電子コントローラ316によって送信される最後の又は最後に近い信号は、遮断バルブ320を閉じるための閉鎖信号であり、これにより、電子コントローラ316の1つが飛行制御コンピュータ202から折り畳み翼端システム230を使用するための第2のコマンド信号(例えば、折り畳みコマンド又は拡張コマンド)を受信し、電子コントローラ316が前記第2のコマンドを実行するための手順の一部として遮断バルブ320を開く信号を送信するまで、折り畳み翼端システム230の機能を停止させる。
【0034】
[0044]遮断バルブ320は、遮断バルブ320を開閉するように第1の電子コントローラ316Aによって制御される第1のバルブコイル、遮断バルブ320を開閉するように第2の電子コントローラ316Bによって制御される第2のバルブコイル、及びバルブコイルの動作をモニタするように構成された1つ以上のバルブセンサに関連する。バルブを開くコマンド又はバルブを閉じるコマンドが実行されたかを判定するために、バルブセンサからのデータが、電子コントローラ316によって使用される。特定の電子コントローラ316が特定のコマンド(即ち、バルブを開くコマンド又はバルブを閉じるコマンド)を実行し、特定のコマンドが完了しなかったことをバルブセンサデータが示すときに、特定のコントローラに関連する第1の遮断バルブエラーコードが設定され、特定の電子コントローラ316は、特定のコマンドを他の電子コントローラ316によって実行させる。他の電子コントローラ316によって特定のコマンドが完了したことをバルブセンサデータが示す場合、飛行制御コンピュータ202に送信された通知信号は、第1の遮断バルブエラーコードを含む。他の電子コントローラ316に関連する第2の遮断バルブエラーコードが存在せずに、通知信号内に第1の遮断バルブエラーコードが存在すると、飛行制御コンピュータ202は、航空機の運航を続け、航空機100の整備を予定して、特定の電子コントローラ316、特定の電子コントローラ316に関連するバルブセンサ、又はその両方についての問題に対処することができる。
【0035】
[0045]また特定のコマンドも他の電子コントローラ316によって完了しなかったことをバルブセンサデータが示す場合、他の電子コントローラに関連する第2の遮断バルブエラーコードが設定され、飛行制御コンピュータ202に、第1の遮断バルブエラーコード及び第2の遮断バルブエラーコードを含む通知信号が送信される。飛行制御コンピュータ202は、第1の遮断バルブエラーコード及び第2の遮断バルブエラーコードが通知信号内に存在することに応じて、航空機100が地上に留まることを示すように設定を変更させ、バルブセンサ、遮断バルブ320、又はこの両方に関連する1つ以上の問題に対処するために、整備を予定させる。
【0036】
[0046]翼端作動システム304は、第1のトルクチューブ336を回転させる動力駆動ユニット332と、第1のトルクチューブ336によって駆動されるアングルギアボックス338と、アングルギアボックス338によって駆動される第2のトルクチューブ340と、第2のトルクチューブ340によって駆動される回転式折り畳みアクチュエータ342とを含む。回転式折り畳みアクチュエータ342は、ヒンジ軸214上で位置合わせされ、翼端構造344に接続される。第2のトルクチューブ340の回転により、回転式折り畳みアクチュエータ342がヒンジ軸214の周囲で回転するようになり、これが翼端102をヒンジ軸214周囲で回転させることになる。動力駆動ユニット332は、翼104の主要部分106の主要部分構造346に接続される。動力駆動ユニット332は、第1のトルクチューブ336を第1の方向に回転させることで、翼端102を、回転式折り畳みアクチュエータ342によってヒンジ軸214の周囲で飛行位置に向かって回転させるように構成された第1のユニットと、第1のトルクチューブ336を第2の方向に回転させることで、翼端102を、回転式折り畳みアクチュエータ342によってヒンジ軸214の周囲で第2の方向に折り畳み位置に向かって回転させるように構成された第2のユニットとを備える油圧ユニットでありうる。動力駆動ユニット332の第1のユニット及び第2のユニットは、油圧供給ライン及び油圧戻りラインによって、油圧コントローラ318に各々が結合される。
【0037】
[0047]ラッチピンシステム306は、複数のラッチピンアクチュエータ334と、ラッチピンアクチュエータ334のロックシステム350のドライブシャフトに接続されたドライブトレイン348と、ドライブトレイン348を回転させるように構成されたドライブトレインアクチュエータ352と、回転式折り畳みアクチュエータ342がヒンジ軸214周囲で回転することで複数の翼端ラグ354が回転するような、翼端構造344に構造的に接続された複数の翼端ラグ354と、主要部分構造346の一部である複数の主要部分のラグ356とを含む。ラグ354,356は、開口部が位置合わせされて翼端102が飛行位置内にあるときに、ラッチピンアクチュエータ334のラッチピン358を受け入れるようにサイズ決定された開口部を備えた支持構造を含む。
【0038】
[0048]ラッチピンアクチュエータ334は、主要部分のラグ356内の開口部と連動する主要部分構造346に接続される。ラッチピンアクチュエータは、米国特許第5,427,329号に図示及び説明されているラッチピンアクチュエータでありうるか、又はこれに類似しうる。
図3は、4つのラッチピンアクチュエータ334を示している。他の実施態様では、各折り畳み翼端システム230は、異なる数のラッチピンアクチュエータ334を含みうる。各ラッチピンアクチュエータ334は、翼端102を飛行位置内に固定するためにラッチピンアクチュエータ334に関連するラグ354、356の開口部を通してラッチピンアクチュエータ334のラッチピン358を拡張するように構成された油圧ユニットでありうる。各ラッチピンアクチュエータ334はまた、ラグ354、356の開口部からラッチピン358を引き込み、翼端作動システム304が翼端102を折り畳み位置まで回転できるように構成される。
【0039】
[0049]各ラッチピンアクチュエータ334は、第1の油圧流体ポート、第2の油圧流体ポート、ラッチピン358、及びロックシステム350を含む。油圧流体が油圧コントローラ318の1つによって第1の油圧ラインを通してラッチピンアクチュエータ334の第1の油圧流体ポートに供給されると、油圧流体が、ラッチピンアクチュエータ334の第1のチャンバを満たし拡張させ、ラッチピン358をラッチピンアクチュエータ334のハウジングから拡張させる。第1のチャンバが拡張すると、ラッチピンアクチュエータ334の第2のチャンバが縮小する。第2のチャンバからの油圧流体は、第2の油圧ポートと第2の油圧ラインを通って油圧コントローラ318に流れる。油圧流体が油圧コントローラ318の1つによって第2の油圧ラインを通って第2の油圧流体ポートに供給されると、油圧流体は、ラッチピンアクチュエータ334の第2のチャンバを満たし拡張させ、ラッチピン358をハウジング内に引き込ませる。第2のチャンバが拡張すると、第1のチャンバが縮小する。第1のチャンバからの油圧流体は、第1の油圧ポートと第1の油圧ラインを通って油圧コントローラ318に流れる。
【0040】
[0050]ドライブトレインアクチュエータ352は、ドライブトレイン348を第1の方向にロックされる位置まで回転させ、ロックシステム350に、ラッチピンアクチュエータ334のラッチピン358の引き込みを阻止する位置にロック部材を配置させるように構成され、かつドライブトレイン348を第2の方向にロック解除される位置まで回転させ、ロックシステム350に、ラッチピン358がラッチピンアクチュエータ334のハウジング内に引き込まれうる位置までロック部材を移動させるように構成される。ドライブトレインアクチュエータ352は、油圧ユニット又は電気駆動ユニットでありうる。
【0041】
[0051]折り畳み翼端システム230を使用するための、電子コントローラ316の1つによって飛行制御コンピュータ202から受信されるコマンドを実行する間に、電子コントローラ316は、コマンド次第で拡張指示326又は折り畳み指示328を実行する。指示326又は指示328を実行すると、電子コントローラ316が、ラッチピンシステム306を使用するための信号を送信する。信号は、ドライブトレイン348をロック解除される位置まで回転させるために、又はドライブトレイン348をロックされる位置まで回転させるために、ドライブトレインアクチュエータ352をアイドル状態にする、ドライブトレインアクチュエータ352への信号を含む。翼端拡張異常検出器110Bは、対応するドライブトレインアクチュエータ位置センサ312及び対応するドライブトレイン位置センサ314からセンサデータを受信する。翼端拡張異常検出器110Bは、センサデータを分析する。ラッチピンシステム306が正しく機能しなかったと分析が示す場合、翼端拡張異常検出器110Bは、手順の実行を停止させ、1つ以上のエラーコードを設定し、コマンドの失敗を示す通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信する。通知信号は、1つ以上のエラーコードを含む。通知信号に応じて、飛行制御コンピュータ202は、航空機100は地上に留まることを示すように設定を変更し、1つ以上のエラーコードに基づいて航空機100の整備を予定しうる。
【0042】
[0052]例えば、電子コントローラ316Aが、ドライブトレインアクチュエータ352に、ドライブトレイン348をロックされる位置まで回転させるために、信号をドライブトレインアクチュエータ352に送信し、ドライブトレイン348がアイドル状態であることをドライブトレインアクチュエータ位置センサ312Aからのデータが示し、ドライブトレイン348がロックされる位置内にないことを電子コントローラ316Aに関連するドライブトレイン位置センサ314Aからのデータが示す場合、翼端拡張異常検出器110Bによって飛行制御コンピュータ202に送信される通知信号は、航空機100に予定される整備にドライブトレインアクチュエータの整備を含ませる1つ以上の第1のエラーコード(例えば、1つ以上の数、1つ以上の特性、又はその両方)を含む。別の例として、電子コントローラ316Aが、ドライブトレインアクチュエータ352に、ドライブトレイン348をロック解除される位置まで回転させるために、信号をドライブトレインアクチュエータ352に送信し、ドライブトレイン348がドライブトレイン348をロック解除される位置まで回転させるように設定されることをドライブトレインアクチュエータ位置センサ312Aからのデータが示すが、閾値時間の経過後にドライブトレイン348がロック解除される位置内にないことをドライブトレイン位置センサ314Aからのデータが示す場合、通知信号は、航空機100に予定される整備にラッチピンアクチュエータの整備を含ませ、正しく機能していない1つ以上のラッチピンアクチュエータ334を特定する1つ以上の第2のエラーコードを含む。
【0043】
[0053]ブレーキシステム308は、翼端102を折り畳み位置内に固定する。いくつかの実施態様では、ブレーキシステム308は、動力駆動ユニット332の出力部に接続された油圧ユニットである。ブレーキシステム308は、トルクリミッタとクラッチとを含む。ブレーキシステム308がロックされた構成内にある場合、ブレーキシステム308には油圧流体が供給されず、トルクリミッタは、動力駆動ユニット332の出力に対して付勢され、翼端102を所定の場所に固定して翼端102の移動を防止する。油圧流体がブレーキシステム308に供給される場合、ブレーキシステム308は、ロック解除された構成に移行する。油圧流体は、クラッチを作動させ、トルクリミッタを係合解除し、動力駆動ユニット332によって第1のトルクチューブ336を回転可能にして、翼端102を回転させる。
【0044】
[0054]航空機100の使用中に、飛行制御コンピュータ202は、折り畳みコマンドを折り畳み翼端システム230に関連する1つ以上の電子コントローラ316に送信し、航空機100の翼端102を飛行位置から折り畳み位置まで回転させるように構成される。折り畳みコマンドは、航空機100の動作に関連する1つ以上の条件(例えば、着陸後のタキシングイン飛行フェーズ、及び閾値速度未満の速度)に基づいて自動的に送信されてもよく、又は飛行位置から折り畳み位置まで翼端102を移動させるために、折り畳み翼端システム230の使用に関連する1つ以上の条件に違反しない乗務員の入力に応じて送信されてもよい。乗務員の入力が折り畳み翼端システム230の使用に関連する1つ以上の条件に違反する場合、警告システム226は、いかなる違反をも表示し、飛行制御コンピュータ202は、折り畳みコマンドを電子コントローラ316のうちの1つには送信しない。
【0045】
[0055]翼端102に関連する電子コントローラ316が折り畳みコマンドを受信すると、電子コントローラ316は開放信号を遮断バルブ320に送信する。電子コントローラ316は、複数の信号を、ドライブトレインアクチュエータ352と電子コントローラ316に関連する油圧コントローラ318に送信し、ラッチピンアクチュエータ334のラッチピン358を主要部分のラグ356及び翼端ラグ354から引き込ませる。ラッチピン358が引き込まれていることを、電子コントローラ316に関連するドライブトレインアクチュエータ位置センサ312及びドライブトレイン位置センサ314から受信されたセンサデータが示す場合、電子コントローラ316は、ブレーキシステム308をロックされた構成からロック解除された構成に変更させる信号を、ブレーキシステム308に送信し、油圧コントローラ318に翼端作動システム304を作動させて翼端102を折り畳み位置まで回転させる信号を、油圧コントローラ318に送信する。ヒンジラインセンサ310からのデータが、翼端102が折り畳み位置内にあることを示していると電子コントローラが判定すると、電子コントローラ316は、ドライブトレインアクチュエータ352の動作を停止させドライブトレイン348を回転させるための信号を送信し、ブレーキシステム308をロック解除された構成からロックされた構成に変更させ、翼端102を折り畳み位置内にロックし、動力駆動ユニット332の動作を停止させ、ラッチピン358を引き込み位置内に維持するラッチピンアクチュエータ334への油圧流体の供給を停止させる複数の信号を油圧コントローラ318に送信する。翼端拡張異常検出器110Bは、飛行制御コンピュータ202に折り畳みコマンドの完了を示す通知信号を送信する。遮断バルブ320には、閉鎖信号が送信される。
【0046】
[0056]折り畳み指示328の実行中に折り畳みコマンドが完了していないと翼端拡張異常検出器110Bが判定する場合、翼端拡張異常検出器110Bは、折り畳み指示328の更なる実行を停止し、飛行制御コンピュータ202に折り畳みコマンドの失敗を示す通知信号を送信する。通知信号は、特定の整備を予定し、折り畳み翼端システム230の考えられる故障原因に対処して、航空機100が飛行可能になるように折り畳み翼端システム230を修理するために、整備スケジューラ228によって使用可能な1つ以上のエラーコードを含む。
【0047】
[0057]例えば、翼端102が最初に飛行位置から折り畳み位置に移動し、次に飛行位置に戻ったことを、翼端拡張異常検出器110Bが電子コントローラ116に関連するヒンジラインセンサ310からのデータに基づいて検出する場合、翼端拡張異常検出器110Bは、折り畳み指示328の更なる実行を停止し、飛行制御コンピュータ202に送信される通知信号は、翼端102の落下を示すエラーコードを含む。エラーコードは、航空機100に翼端作動システム304の整備を予定させ、翼端102の落下を許容した翼端作動システム304の1つ以上の部分(例えば、第1のトルクチューブ336、第2のトルクチューブ340など)を特定し修理する1つ以上の第1のコードと、翼端102の位置に基づいた1つ以上の第2のコードとを含む。
【0048】
[0058]翼端102の位置が飛行位置又はその付近にある場合、1つ以上の第2のコードは、航空機に翼端から止め具までの落下整備を予定するよう飛行制御コンピュータ202に指示する1つ以上の特定のコードを含む。翼端から止め具までの落下整備は、翼端102の回転範囲を制限する主要部分106の翼端ラグ354及びラグ止め具360を除去し、除去された翼端ラグ354及びラグ止め具360を交換する指示を含む。目に見える損傷(例えば、反り、ひび割れなど)のある、除去された翼端ラグ354の第1のセットは、スクラップとして識別される。目に見える損傷のない、除去された翼端ラグ354の第2のセットは、翼端ラグ354が目に見えない損傷を受けているかどうかを判定するために、試験(例えば、X線画像、超音波画像、又はその他の非破壊検査方法)の対象となる。目に見えない損傷がある翼端ラグ354は、スクラップとして識別され、いくつかの実施態様では、目に見える又は目に見えない損傷のない翼端ラグ354は、再利用されうる。
【0049】
[0059]翼端102の位置がラッチピン干渉範囲内にある場合、1つ以上の第2のコードは、航空機100が翼端からラッチピンまでの落下整備を予定するよう飛行制御コンピュータ202に指示する1つ以上のコードを含む。ラッチピン干渉範囲は、ヒンジラインセンサ310からのデータに示されるように、主要部分に対する翼端102の角度範囲に対応し、1つ以上の翼端ラグ354がラッチピンアクチュエータ334の1つ以上のラッチピン358と接触する可能性がある。ラッチピン干渉範囲は、ラッチピン358の中心軸がヒンジ軸214に対して位置合わせされているラッチピンシステム306では、狭い範囲(例えば、14度~15度又はその他の範囲)であり、1つ以上のラッチピン358の中心軸がヒンジ軸214に対して位置合わせされていないラッチピンシステム306では、広い範囲(例えば、10度~20度又はその他の範囲)でありうる。1つ以上のラッチピン358の中心軸は、翼104内の間隔制限により、ヒンジ軸214に対して位置合わせされない可能性があり、翼端102の角度に基づき、1つ以上の翼端ラグ354によって接触された1つ以上の特定のラッチピン358を判定可能となり、又はその両方でありうる。
【0050】
[0060]翼端からラッチピンまでの落下整備は、1つ以上の特定の翼端ラグ354によって接触された1つ以上の特定のラッチピン358を識別し、1つ以上の特定のラッチピン358の各々を交換用ラッチピン358と交換する指示を含む。ラッチピン358を交換することは、ラッチピンアクチュエータ334からラッチピン358を除去こと、及びラッチピン358を交換用ラッチピン358と交換すること、又はラッチピンアクチュエータ334を他のラッチピンアクチュエータ334と交換することを伴うことがある。目に見える損傷(例えば、へこみ又はひび割れ)のある接触したラッチピン358の第1のサブセットは、スクラップとして識別される。目に見える損傷を含まない接触したラッチピン358の第2のサブセットは、目に見えない損傷があるか判定するために試験の対象となる。試験に基づき、いくつかの実施態様では、目に見える損傷及び目に見えない損傷がない接触したラッチピン358は再利用されうる。そして、目に見える損傷又は目に見えない損傷がある接触したラッチピン358は、スクラップとして識別される。
【0051】
[0061]また、翼端からラッチピンまでの落下整備は、ラッチピン358と接触した1つ以上の特定の翼端ラグ354を識別し、1つ以上の特定の翼端ラグ354の各々を交換用翼端ラグ354と交換する指示を含む。ラッチピン358と接触し目に見える損傷を含む翼端ラグ354の第1のサブセットは、スクラップとして識別される。ラッチピン358と接触し目に見える損傷を含まない翼端ラグ354の第2のサブセットは、目に見えない損傷があるか判定するために試験の対象となる。試験に基づき、いくつかの実施態様では、目に見える損傷及び目に見えない損傷のない翼端ラグ354は再利用されうる。そして、目に見える損傷又は目に見えない損傷のある翼端ラグ354は、スクラップとして識別される。
【0052】
[0062]航空機100の使用中に、飛行制御コンピュータ202は、航空機100の翼端102を折り畳み位置から飛行位置まで移動させるために、折り畳み翼端システム230に関連する1つ以上の電子コントローラ316に拡張コマンドを送信するように構成される。1つ以上の条件(例えば、航空機100の位置は、飛行位置内に翼端102を有することが許容されている領域内にあり、航空機100の飛行フェーズはタキシングアウト又はタキシングインであるなど)の発生に基づいて、又は実行される場合に飛行位置内に翼端102を有することを禁止する1つ以上の条件に違反しない乗務員の入力に応じて、飛行制御コンピュータ202は自動的に拡張コマンドを送信しうる。
【0053】
[0063]拡張コマンドを送信する前に、飛行制御コンピュータ202の翼端拡張異常検出器110Aは、翼端102の位置を示す電子コントローラ316の1つ以上から受信されたデータに基づいて、折り畳み翼端システム230が機能しているかどうかを判定する。翼端拡張異常検出器110Aが、折り畳み翼端システム230が機能していると判定する場合、翼端拡張異常検出器110Aは、拡張コマンドを1つ以上のコントローラ316に送信する。
【0054】
[0064]拡張コマンドに応じて、電子コントローラ316は、拡張指示326を実行し、開放信号を遮断バルブ320に送信する。電子コントローラ316は、複数の信号をドライブトレインアクチュエータ352、電子コントローラ316に関連する油圧コントローラ318、及びラッチピンシステム306に送信し、翼端ラグ354が、ラッチピン358のいずれとも接触せずに、主要部分のラグ356に対して所定の位置内に回転できるように、ラッチピンアクチュエータ334のラッチピン358を引き込ませる。ラッチピン358が引き込まれていることを、電子コントローラ316に関連するドライブトレインアクチュエータ位置センサ312及びドライブトレイン位置センサ314から受信されたセンサデータが示す場合、電子コントローラ316は、ブレーキシステム308をロックされた構成からロック解除された構成に変更させる信号を送信し、油圧コントローラ318に翼端作動システム304を作動させて翼端102を飛行位置まで回転させる信号を、油圧コントローラ318に送信する。翼端102が飛行位置内にあることをヒンジラインセンサ310からのデータが示すと電子コントローラ316が判定すると、電子コントローラ316は、ドライブトレインアクチュエータ352に、ドライブトレイン348をロックされる位置に向かって回転させるために、信号をドライブトレインアクチュエータ352に送信し、かつラッチピンアクチュエータ334に、ラッチピン358を主要部分のラグ356及び翼端ラグ354の開口部を通って拡張させ、動力駆動ユニット332の動作を停止させ、ロック解除された構成からロックされた構成にブレーキシステム308を変更する複数の信号を油圧コントローラ318に送信する。ドライブトレイン位置センサ314からのデータが、ロックシステム350が完全にロックされていることを示す場合、翼端拡張異常検出器110Bは、拡張コマンドの完了を示す通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信する。閉鎖信号は遮断バルブ320に送信される。
【0055】
[0065]翼端拡張異常検出器110Bが、拡張コマンドが完了前に停止すると判定すると、翼端拡張異常検出器110Bは、拡張指示326の更なる実行を停止し、拡張コマンドの失敗を示す通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信する。通知信号は、特定の整備を予定し、拡張コマンド失敗の考えられる原因に対処して、航空機100を修理するために、整備スケジューラ228によって使用可能な1つ以上のエラーコードを含む。
【0056】
[0066]例えば、翼端拡張異常検出器110Bが、電子コントローラ116に関連するヒンジラインセンサ310からのデータに基づいて、翼端102が最初に折り畳み位置から飛行位置に向かって移動し、飛行位置に達する前に停止したことを検出する場合、翼端拡張異常検出器110Bは、拡張指示328のさらなる実行を停止し、飛行制御コンピュータ202に、1つ以上の特定のエラーコードと共に通知信号を送信する。1つ以上の特定のエラーコードは、主要部分106に対する翼端102の角度に依存する。翼端102の角度がラッチピン干渉範囲内にない場合、1つ以上の特定のエラー信号は、翼端102の運動が停止した原因を判定し、翼端作動システム304を修理するために、飛行制御コンピュータ202に、翼端作動システム304のコンポーネントの試験を含む航空機100の整備を予定させる1つ以上の第1のエラーコードを含む。翼端102の角度がラッチピン干渉範囲内にある場合、1つ以上の特定のエラーコードは、飛行制御コンピュータ202に、1つ以上の翼端ラグ354が対応するラッチピン358に接触したかを判定し、接触した場合には、翼端からラッチピンまでの落下整備を実行することを含む航空機100の整備を予定させる1つ以上の第2のエラーコードを含む。また、1つ以上の第2のエラーコードは、1つ以上の翼端ラグ354と対応するラッチピン358との接触がなかった場合には、整備が、翼端102の運動が停止した原因を判定し、翼端作動システム304を修理するような1つ以上のエラーコードを含む。
【0057】
[0067]別の例として、翼端拡張異常検出器110Bが、翼端102が閾値時間よりも早い時間内に飛行位置又は飛行位置付近に到着したと判定する場合、飛行制御コンピュータ202に送信された信号は、翼端から止め具までの落下があったことを示す1つ以上の第3のエラーコードを含む。飛行制御コンピュータ202は、1つ以上の第3のエラーコードに基づいて、翼端作動システムを修理するために、航空機100が地上に留まり、翼端から止め具までの落下及び翼端作動システムの整備を含む航空機100の整備を予定することを示すために特定の設定を変更する。
【0058】
[0068]
図4は、折り畳み翼端システム230を使用する第1の方法400の実施態様のフローチャートを示す。方法400は、整備スケジューラ228及び翼端拡張異常検出器110Aを含む飛行制御コンピュータ202によって実行されうる。方法400は、ブロック402において、折り畳み翼端システム230により最後に完了したコマンドが折り畳みコマンドであったと判定することを含む。判定は、折り畳み翼端システム230によって最後に実行されたコマンドが飛行制御コンピュータ202のメモリ218内に記憶されたデータ220に基づく折り畳みコマンドであったことをチェックすることを含みうる。判定は、航空機100がアイドル状態又は動力が供給されない状態(unpowered state)から動力供給状態に移行したときに行われる。また、判定は、航空機100のエンジン208によって、又は外部電源への接続によって、航空機100に動力供給されるときに、定期的に行うことができる。
【0059】
[0069]この判定はまた、折り畳み翼端システム230を使用して折り畳み位置から飛行位置まで翼端102を移動させるための拡張コマンドを送信するとの判定に応じて行うことができる。折り畳み翼端システム230を使用するかの判定は、センサシステム212からのセンサデータ、飛行位置に対する変更に関連する1つ以上の条件に違反しない拡張コマンドを実行するために乗務員から受信された入力、又はこれらの組み合わせに基づき飛行制御コンピュータ202によって判定された航空機100の使用条件(例えば、航空機100がタキシングインフェーズにあり、飛行位置内に翼端102を有することが禁止されている空港のセクション内にない)に基づいて、自動的に実行されうる。乗務員からの入力が1つ以上の条件に違反しない場合、警告システム226は、拡張コマンドに関連する問題について乗務員に知らせる出力を提供し、飛行制御コンピュータ202は、拡張コマンドを実行させない。
【0060】
[0070]方法400は、ブロック404において、翼端102の翼端位置を判定することを含む。翼端位置を判定することは、翼端位置リクエストを折り畳み翼端システム230に送信することと、ヒンジラインセンサ310から位置データを受信することと含みうる。位置データは、翼104の主要部分106に対する翼端102の角度に対応する。
【0061】
[0071]方法400は、決定ブロック406において、翼端位置が折り畳み位置内にあるか判定する。決定ブロック406において、翼端102が折り畳み位置内にあると判定され、方法400が拡張コマンドを折り畳み翼端システム230に送信する判定に基づいて実行されると、方法400は、オプションのブロック408で、拡張コマンドを翼端102に関連する折り畳み翼端システム230の電子コントローラ316に送信することを含み、方法400はブロック410で終了する。決定ブロック406において、翼端102が折り畳み位置内にあると判定され、方法が拡張コマンドを折り畳み翼端システム230に送信する判定に基づいて実行されないと、方法400はブロック410で終了する。
【0062】
[0072]決定ブロック406において、翼端102が折り畳み位置内にないと判定されると、方法400は、ブロック412において、折り畳み翼端システム230のエラーコードを設定することを含む。エラーコードは、ブレーキシステム308の故障に関連するエラーコードと、翼端作動システム304の故障に関連するエラーコードとを含む。ブレーキシステム308の故障に関連するエラーコードにより、飛行制御コンピュータ202の整備スケジューラ228は、ブレーキシステム整備を予定し、ブレーキシステム308が故障した原因を判定し、ブレーキシステム308を修理する。翼端作動システム304の故障に関連するエラーコードにより、整備スケジューラ228は、翼端作動システムの整備を予定し、翼端作動システム304の1つ以上のどのコンポーネントが故障して翼端102が落下することになったのかを判定し、翼端作動システム304を修理する。
【0063】
[0073]エラーコードはまた、位置データに基づいて決定された翼端102の角度に依存する1つ以上の追加のエラーコードを含む。例えば、翼端102の角度がラッチピン干渉範囲内にある場合、エラーコードは、翼端102が落下し、ラッチピン358に接触した可能性があることを示す1つ以上の追加のエラーコードを含み、整備は、翼端からラッチピンまでの落下整備を含むことになる。そして、翼端が飛行位置に又は実質的に飛行位置に(例えば、1度、2度、又はその他の小さな度数の範囲内に)ある場合、エラーコードは、翼端102が落下したことを示す1つ以上の追加のエラーコードを含み、整備は、翼端から止め具までの落下整備を含むことになる。
【0064】
[0074]方法400は、ブロック414において、航空機100が地上に留まることを示すように設定を変更することを含む。その設定により、飛行制御コンピュータ202は、航空機100の飛行を許可しなくなる。方法400はまた、ブロック416において、航空機100の整備を予定することを含む。航空機に予定される整備の種類は、エラーコードに基づいている。次いで、方法400は410で終了する。
【0065】
[0075]
図5は、折り畳み翼端システム230を使用する第2の方法500の実施態様のフローチャートを示す。方法500は、飛行制御コンピュータ202によって実行されうる。方法500は、ブロック502において、翼端102を第1の位置から第2の位置まで移動させるために、折り畳み翼端システム230の第1の電子コントローラ316Aにコマンドを送信することを含む。コマンドは、翼端102を飛行位置から折り畳み位置まで移動させるための折り畳みコマンドであってもよく、又はコマンドは、翼端102を折り畳み位置から飛行位置まで移動させるための拡張コマンドであってもよい。
【0066】
[0076]方法500は、ブロック504において、コマンドを実行することに関して第1の電子コントローラ316Aから第1の通知信号を受信することを含む。方法500は、決定ブロック506において、通知の内容に基づきコマンドが正常に完了したかを判定することを含む。決定ブロック506において、コマンドが正常に完了したと判定されると、方法500はブロック508で終了する。決定ブロック506において、コマンドが正常に完了しなかったと判定されると、方法500は、ブロック510において、航空機100が地上に留まることを示すように設定を変更することを含む。方法500は、ブロック512において、航空機100の整備を予定することを含み、整備の種類は、第1の通知信号に含まれる1つ以上のエラーコードに基づいている。
【0067】
[0077]決定ブロック506において、コマンドが正常に完了しなかったと判定されると、折り畳み翼端システム230についての問題は、第1の電子コントローラ316Aに関連する1つ以上のセンサについての問題であって、折り畳み翼端システム230の仕組みについての問題ではない可能性がある。折り畳み翼端システム230の冗長制御システム316Bは、折り畳み翼端システム230についての問題が第1の電子コントローラ316Aに関連するセンサの1つ以上についての問題であるかを判定するために使用されうる。問題が1つ以上のセンサについての問題である場合、航空機100は、整備のために地上に留まる必要はないが、都合の良い時間に電子コントローラ316Aに関連するセンサに整備を予定することができ、航空機100が1つ以上の追加飛行に使用されてもよい。
【0068】
[0078]第1の電子コントローラ316Aに関連する1つ以上のセンサに起因してコマンドが正常に完了しなかったかどうかを判定することと併せて、方法500は、ブロック514において、コマンドを第2の電子コントローラ316Bに送信することを含む。方法500は、ブロック516において、コマンドを実行することに関して第2のコントローラ316Bから第2の通知信号を受信することを含む。
【0069】
[0079]方法500は、決定ブロック518において、第2の通知の内容に基づきコマンドが正常に完了したかを判定することを含む。決定ブロック518において、コマンドが正常に完了したと判定されるとき、方法500は、ブロック520において、航空機100が地上に留まらないことを示すように設定を変更することを含む。方法500は、ブロック522において、第1の電子コントローラ316Aに関連するセンサシステムの整備を含むように予定された整備を変更することを含む。次いで、方法500は508で終了する。
【0070】
[0080]決定ブロック518において、コマンドが正常に完了しなかったと判定されると、方法500は、決定ブロック524において、通知信号のエラーコードが同じであるかを判定することを含む。決定ブロック518において、通知信号が同じエラーコードを含むと判定されると、方法500は508で終了する。決定ブロック524において、通知信号が異なるエラーコードを含むと判定されると、方法500は、ブロック526において、通知信号内のすべてのエラーコードに基づく整備を含むように、航空機に予定された整備を修正することを含む。次いで、方法500は508で終了する。
【0071】
[0081]
図6は、拡張コマンドを実行するために、折り畳み翼端システム230を使用する第3の方法600の実施態様のフローチャートを示す。方法600は、翼端102の位置を折り畳み位置から飛行位置に変更するために使用されうる。方法600は、飛行制御コンピュータ202からの拡張コマンドの受信に応じて、電子コントローラ316の1つによって実行されうる。方法600は、拡張指示326及び翼端拡張異常検出器110Bを使用することを含む。方法600は、ブロック602において、遮断バルブ320に開放信号を送信することを含む。遮断バルブを開くと、電子コントローラ316に関連する油圧コントローラ318から油圧流体が供給されるときに、折り畳み翼端システム230の油圧動力供給コンポーネント(hydraulic powered components)が機能可能となる。
【0072】
[0082]方法600は、決定ブロック604において、遮断バルブ320が開いたかを判定する。判定は、バルブセンサからのデータに基づいている。決定ブロック604において、遮断バルブが開かなかったと判断されると、方法600は、ブロック606において、遮断バルブエラーコードを設定することを含む。方法600は、ブロック608において、通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信することを含む。通知信号は、遮断バルブエラーコードを含み、これにより、遮断バルブ、バルブセンサ、又はその両方に関連する1つ以上の問題を修正する(fix)ために、航空機100を地上に留まらせ、航空機100に整備を予定させる。方法600は、ブロック610で終了する。
【0073】
[0083]決定ブロック604において、遮断バルブ320が開いたと判定されると、方法600は、ブロック612において、ラッチピンアクチュエータ334のラッチピン358を完全に引き込ませる第1のシリーズの信号を送信することを含む。第1の信号は、ラッチピンシステム306に油圧流体を供給させるための油圧コントローラ318への信号と、ドライブトレイン348を回転させるためのドライブトレインアクチュエータ352への信号とを含みうる。
【0074】
[0084]方法600は、決定ブロック614において、ラッチピンアクチュエータ334のロックシステム350が正しく動作したかを判定する。判定は、ドライブトレインアクチュエータ位置センサ312及びドライブトレイン位置センサ314からのセンサデータに基づきうる。決定ブロック614において、ロックシステム350が正しく動作しなかったと判定されると、方法600は、ブロック616において、閉鎖信号を遮断バルブ320に送信することによって遮断バルブ320を閉じることを含む。
【0075】
[0085]方法600は、決定ブロック618において、遮断バルブ320を閉じるために、遮断バルブ320が正しく動作したかを判定する。決定ブロック618において、遮断バルブ320が正しく動作しなかったと判定されると、方法は、ブロック620において、1つ以上の遮断バルブエラーコードを設定することを含む。方法600は、ブロック622において、1つ以上のエラーコードを設定することを含む。また、決定ブロック618において、遮断バルブ320を閉じるために遮断バルブが正しく動作したと判定されると、方法600は、ブロック622に移動し、1つ以上のエラーコードを設定する。エラーコードは、ロックシステム350の1つ以上が正しく機能しなかったことを示しうる。方法600は、ブロック608に進み、通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信する。通知信号は、エラーコード、任意の遮断バルブエラーコードを含み、拡張コマンドの失敗を示す。次いで、方法600はブロック610で終了する。
【0076】
[0086]決定ブロック614において、ロックシステム350が正しく動作したと判定されると、方法600は、ブロック624で、ブレーキシステム308をロックされた構成からロック解除された構成に変更させ、翼端作動システム304を作動させ、 折り畳み位置から飛行位置まで翼端102を移動させる第2のシリーズの信号を送信することを含む。
【0077】
[0087]方法600は、決定ブロック626で、翼端102が飛行位置に達したかを判定する。判定は、翼104の主要部分106に対する翼端102の角度を示すヒンジラインセンサ310からのヒンジラインセンサデータに基づきうる。
【0078】
[0088]決定ブロック626において、翼端102が飛行位置に達しなかったと判定されると、方法600はブロック616に進み、次いで決定ブロック618に進む。方法600は、決定ブロック618又は決定ブロック618及びブロック620の実行後に、1つ以上のエラーコードを設定するためにブロック622に戻る。1つ以上のエラーコードは、ヒンジラインセンサデータ、クロックデータ、又はこれらの両方の分析に基づく特定のエラーコードを含みうる。翼端102が折り畳み位置から移動しなかったことをヒンジラインセンサデータが示す場合、ブレーキシステム308及び翼端作動システム304に関連する問題を示す特定のエラーコードが設定される。
【0079】
[0089]翼端102がラッチピン干渉範囲の外側の位置で停止したことをヒンジラインセンサデータが示す場合、翼端作動システム304に関連する問題を示す特定のエラーコードが設定される。翼端102がラッチピン干渉範囲内で停止したことをヒンジラインセンサデータが示す場合、翼端からラッチピンまでの落下の発生を示す特定のエラーコードが設定される。翼端102が、ラッチピン358の1つ以上に接触することなく、翼端作動システム304の故障によりラッチピン干渉範囲内で停止した場合、翼端作動システム304が故障し、翼端ラグ354が落下して、ラッチピン358の1つ以上と接触しうる場合、又は翼端作動システム304は故障せず、翼端ラグの1つ以上354が、翼端作動システム304によってラッチピン358の1つ以上に対して駆動された場合に、特定のエラーコードによって、発生した可能性のある問題を判定し対処するための予定された整備が可能になる。
【0080】
[0090]翼端が飛行位置又はその付近の位置に達したのが速すぎる(例えば、閾値時間よりも速い)ことをクロックデータが示す場合、特定のエラーコードは、翼端から止め具までの落下が発生したことを示す。エラーコードにより、翼端102を落下させた可能性のある翼端作動システム304による問題に対処し、かつ翼端102の落下により発生した可能性のある損傷に対処するための、予定された整備が可能になる。
【0081】
[0091]決定ブロック626において、翼端102が飛行位置に達したと判定されると、方法600は、ブロック628で、翼端作動システム304の動作を停止させ、油圧流体をラッチピンアクチュエータ334に供給して、翼端ラグ354及び主要部分のラグを通してラッチピン358を拡張し、ブレーキシステム308をロックされた構成に変更するために、第3のシリーズの信号を送信することを含む。ラッチピン358が翼端ラグ及び主要部分のラグを通して拡張されると、翼端が主要部分106に固定され、航空機100が飛行用に構成される。
【0082】
[0092]方法600は、決定ブロック630において、第3のシリーズの信号に基づくアクションが正常に完了したかを判定することを含む。ブロック630において、第3のシリーズの信号に基づくアクションが正常に完了しなかったと判定されると、方法600はブロック616に進み、次いで決定ブロック618に進む。方法600は、決定ブロック618から、又は決定ブロック618及びブロック620からブロック622に進み、1つ以上のエラーコードを設定する。例えば、ドライブトレイン位置センサ314からのデータが、ドライブトレイン348が完全にロックされる位置に達しなかったことを示す場合、1つ以上のエラー信号は、ロックシステム150、ドライブトレイン348、又はこれらの両方の故障を示す特定のエラーコードを含む。
【0083】
[0093]決定ブロック630において、第3のシリーズの信号に基づくアクションが正常に完了したと判定されると、方法600は、ブロック632において、遮断バルブ320を閉じることを含む。方法600は、決定ブロック634で、遮断バルブが閉じたかを判定する。決定ブロック634において、遮断バルブ320が閉じなかったと判定されると、方法600は、ブロック636で、遮断バルブエラーコードを設定することを含む。方法は、ブロック608に進み、通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信し、方法600はブロック610で終了する。通知信号は、拡張コマンドが失敗し、遮断バルブエラーコードを含むことを示す。飛行制御コンピュータ202は、航空機100を地上に留め、通知信号に応じて遮断バルブ320に関する問題に対処するための適切な整備を予定する。
【0084】
[0094]決定ブロック634において、遮断バルブ320が閉じたと判定されると、方法600は、ブロック638で、拡張コマンドの完了を示す通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信することを含む。次いで、方法はブロック610で終了する。ブロック638で飛行制御コンピュータ202に送信された通知信号は、ブロック602で遮断バルブ320に送信された開放信号、ブロック632で遮断バルブに送信された閉鎖信号、又はこれらの両方が、拡張指示326を実行する電子コントローラ316によってではなく、冗長電子コントローラ316によって実行された場合に、1つ以上のバルブセンサに関する問題を示す1つ以上の遮断バルブエラーコードを含みうる。拡張コマンドの完了を示す通知信号内に少なくとも1つの遮断バルブエラーコードが存在することに応じて、飛行制御コンピュータ202は、バルブセンサについての問題に対処するために整備を予定する。
【0085】
[0095]
図7は、折り畳みコマンドを実行するために、折り畳み翼端システム230を使用する第4の方法700の実施態様のフローチャートを示す。方法700は、翼端102の位置を飛行位置から折り畳み位置に変更するために使用されうる。方法700は、飛行制御コンピュータ202からの折り畳みコマンドの受信に応じて、電子コントローラ316の1つによって実行されうる。方法700は、折り畳み指示328及び翼端拡張異常検出器110Bを使用することを含む。方法700は、ブロック702において、遮断バルブ320に開放信号を送信することを含む。
【0086】
[0096]方法700は、決定ブロック704において、遮断バルブ320が開いたかを判定する。判定は、バルブセンサからのデータに基づいている。決定ブロック704において、遮断バルブが開いていなかったと判定されると、方法700は、ブロック706において、遮断バルブエラーコードを設定することを含む。方法700は、ブロック708において、通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信することを含む。通知信号は、遮断バルブエラーコードを含み、これにより、遮断バルブ、バルブセンサ、又はその両方に関連する1つ以上の問題を修正する(fix)ために、航空機100を地上に留まらせ、航空機100に整備を予定させる。方法700は710で終了する。
【0087】
[0097]決定ブロック704において、遮断バルブが開いたと判定されると、方法700は、ブロック712において、ブレーキシステム308をロック解除された構成にし、ラッチピンシステム306に、翼端ラグ354内の開口部及び主要部分のラグ356内の開口部からラッチピン358を引き込ませるための第1のシリーズの信号を送信することを含む。信号は、電子コントローラ316から対応する油圧コントローラ318への信号、及びドライブトレイン348を回転させるためのドライブトレインアクチュエータ352への信号を含みうる。
【0088】
[0098]方法700は、決定ブロック714において、ラッチピンアクチュエータ334のロックシステム350が正しく動作したかを判定する。判定は、ドライブトレインアクチュエータ位置センサ312及びドライブトレイン位置センサ314からのセンサデータに基づきうる。決定ブロック714において、ロックシステム350が正しく動作しなかったと判定されると、方法700は、ブロック716において、遮断バルブ320を閉じることを含む。
【0089】
[0099]方法700は、決定ブロック718において、遮断バルブ320を閉じるために、遮断バルブ320が正しく動作したかを判定する。決定ブロック718において、遮断バルブ320が正しく動作しなかったと判定されると、方法は、ブロック720において、1つ以上の遮断バルブエラーコードを設定することを含む。方法700は、ブロック722において、1つ以上のエラーコードを設定することを含む。また、決定ブロック718において、遮断バルブ320を閉じるために遮断バルブが正しく動作したと判定されると、方法700は、ブロック722に移動し、1つ以上のエラーコードを設定する。エラーコードは、ロックシステム350の1つ以上が正しく機能しなかったことを示しうる。方法700は、ブロック708に進み、通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信する。通知信号は、エラーコード、任意の遮断バルブエラーコードを含み、折り畳みコマンドの失敗を示す。エラーコードは、航空機100を地上に留めるよう飛行制御コンピュータ202に通知し、飛行制御コンピュータ202が、航空機100の適切な整備を予定できるようにし、航空機100が運航に戻ることを許容する。方法700は、ブロック710で終了する。
【0090】
[0100]決定ブロック714において、ロックシステム350が正しく動作したと判定されると、方法700は、ブロック724で、翼端102を折り畳み位置に移動させるために、第2のシリーズの信号を翼端作動システム304に送信することを含む。方法700は、決定ブロック726で、翼端102が折り畳み位置に到達したかを判定する。判定は、翼104の主要部分106に対する翼端102の角度を示すヒンジラインセンサ310からのヒンジラインセンサデータに基づきうる。
【0091】
[0101]決定ブロック726において、翼端102が折り畳み位置に達しなかったと判定されると、方法700はブロック716に進み、次いで決定ブロック718に進む。方法700は、決定ブロック718から、又はブロック718及びブロック720から、ブロック722に進み、1つ以上のエラーコードを設定する。例えば、1つ以上の特定のエラーコードは、ヒンジラインセンサデータの分析に基づきうる。ヒンジラインセンサデータが、翼端102が上昇しなかったことを示す場合、特定のエラーコードは、翼端作動システム304のトルクチューブ336、340の1つ以上についての問題を示す1つ以上のエラーコードを含みうる。ヒンジラインセンサデータが、翼端102が最初に上昇し、特定の角度で停止したことを示す場合、特定のエラーコードは、動力駆動ユニット332、アングルギアボックス338、回転式折り畳みアクチュエータ342、又はこれらの組み合わせについての問題を示す1つ以上のエラーコードでありうる。翼端102が最初に上昇し、次に再び行位置まで又はその近くまで落下した場合、特定のエラーコードは、翼端作動システム304のトルクチューブ336、340の1つ以上についての問題を示すエラーコード、及び翼端102の翼端から止め具までの落下が発生したことを示すエラーコードでありうる。翼端102が最初に上昇し、次に落下してラッチピン干渉範囲内で停止する場合、特定のエラーコードは、翼端作動システム304のトルクチューブ336、340についての問題を示すエラーコード、及び翼端からラッチピンまでの落下が発生したことを示すエラーコードでありうる。ヒンジラインセンサデータ又は他のセンサデータに基づいて、追加のエラーコードを設定することができるだろう。
【0092】
[0102]決定ブロック726において、翼端102が折り畳み位置に達したと判定されると、方法700は、ブロック728において、油圧流体供給を停止してラッチピン358を引き込み、翼端作動システム304の動作を停止させ、ブレーキシステム308をロックされた構成に設定するために第3のシリーズの信号を送信することを含む。方法700は決定ブロック730に進み、第3のセットの信号によって実行されるアクションが正常に完了したかを判定する。
【0093】
[0103]決定ブロック730において、第3のセットの指示によって実行されるアクションが正常に完了しなかったと判定されると、方法700はブロック716に進み、次に決定ブロック718に進む。方法700は、決定ブロック618から、又は決定ブロック及びブロック720から、ブロック722に進み、決定ブロック718後に1つ以上のエラーコードを設定する。例えば、ブレーキシステムセンサからのデータが、ブレーキシステム308ロックされた構成に変更されなかったことを示す場合に、特定のエラーコードは、ブレーキシステム308又はブレーキシステムセンサについての問題を示すように設定される。
【0094】
[0104]決定ブロック730において、第3のシリーズの信号に基づくアクションが正常に完了したと判定されると、方法700は、ブロック732において、遮断バルブ320を閉じることを含む。方法700は、決定ブロック734において、遮断バルブ320が閉じたかを判定する。決定ブロック734において、遮断バルブ320が閉じなかったと判定されると、方法700は、ブロック736で、遮断バルブエラーコードを設定することを含む。方法は、ブロック708に進み、通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信し、方法700はブロック710で終了する。通知信号は、拡張コマンドが失敗し、遮断バルブエラーコードを含むことを示す。飛行制御コンピュータ202は、航空機100を地上に留め、通知信号に応じて遮断バルブ320に関する問題に対処するための適切な整備を予定する。
【0095】
[0105]決定ブロック734において、遮断バルブ320が閉じたと判定されると、方法700は、ブロック738で、折り畳みコマンドの完了を示す通知信号を飛行制御コンピュータ202に送信することを含む。次いで、方法はブロック710で終了する。ブロック738で飛行制御コンピュータ202に送信された通知信号は、ブロック702で遮断バルブ320に送信された開放信号、ブロック732で遮断バルブに送信された閉鎖信号、又はこれらの両方が、折り畳み指示328を実行する電子コントローラ316によってではなく、冗長電子コントローラ316によって実行された場合に、1つ以上のバルブセンサに関する問題を示す1つ以上の遮断バルブエラーコードを含みうる。折り畳みコマンドの完了を示す通知信号内に少なくとも1つの遮断バルブエラーコードが存在することに応じて、飛行制御コンピュータ202は、バルブセンサについての問題に対処するために整備を予定する。
【0096】
[0106]
図8は、翼端拡張異常検出器110Aを備えた飛行制御コンピュータ202と
図2の折り畳み翼端システム230とを含む航空機のライフサイクルを表す方法800を示すフローチャートである。折り畳み翼端システム230は、翼端拡張異常検出器110Bを含む(又は別様に翼端拡張異常検出器110Bに接続されている)。製造前の段階で、例示的な方法800は、802において、
図1A~3を参照して説明される航空機100といった航空機の仕様及び設計を含む。航空機の仕様及び設計中に、方法800は、飛行制御コンピュータ202及び折り畳み翼端システム230の仕様及び設計を含みうる。ブロック804において、方法800は、材料の調達を含む。材料の調達は、飛行制御コンピュータ202及び折り畳み翼端システム230のコンポーネントを調達することを含みうる。
【0097】
[0107]製造段階において、方法800は、ブロック806において、コンポーネント及びサブアセンブリの製造を含み、ブロック808において、航空機のシステムインテグレーションを含む。例えば、方法800は、飛行制御コンピュータ202及び折り畳み翼端システム230のコンポーネント及びサブアセンブリの製造を含みうる。方法800は、ブロック810において、航空機の認可及び納品、ブロック812において、航空機の運航開始を含む。認可及び納品は、飛行制御コンピュータ202及び折り畳み翼端システム230を運航に供するために飛行制御コンピュータ202及び折り畳み翼端システム230の認可を含みうる。顧客によって運航される間、航空機は、定期的な整備及び保守(改造、再構成、改修等も含みうる)が予定されうる。ブロック814では、方法800は、航空機での整備及び保守を実行することを含む。整備及び保守は、飛行制御コンピュータ202及び折り畳み翼端システム230での整備及び保守を実行することを含みうる。
【0098】
[0108]方法800のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実行又は実施されうる。本明細書の目的のために、システムインテグレータは、限定しないが、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダ、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0099】
[0109]航空機の実施例の文脈において、本開示の態様が記載されうる。
図9には、
図1A~3の航空機100の特定の例が示される。
【0100】
[0110]
図9の例では、航空機100は、複数のシステム904及び内装906を含む機体902を含む。複数のシステム904の例は、推進システム908、電気システム910、環境システム912、及び油圧システム914のうちの1つ以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれてよい。
図9に示される例では、電気システム910に、
図2の折り畳み翼端システム230のいくつかのコンポーネントが含まれ、油圧システム914に、折り畳み翼端システム230の他のコンポーネントが含まれる。電気システム910には、
図2の飛行制御コンピュータ202が含まれる。
【0101】
[0111]
図10は、本開示によるコンピュータに実装される方法及びコンピュータで実行可能なプログラム指示(又はコード)の実施態様をサポートするよう構成された計算装置1002を含む、計算環境1000のブロック図を示している。例えば、計算装置1002又はその一部は、
図2~9を参照して説明される工程を実行するための又は機器に実行させるための指示を実行しうる。実施態様では、計算装置1002は、
図1A~3の航空機100、飛行制御コンピュータ202、折り畳み翼端システム230、及び電気コントローラ316であるか、又はこれらのコンポーネントである。
【0102】
[0112]計算装置1002は、1つ以上のプロセッサ1004を含む。プロセッサ1004は、システムメモリ1006、1つ以上の記憶デバイス1008、1つ以上の入力/出力インターフェース1010、1つ以上の通信インターフェース1012、又はこれらの組み合わせと通信する。システムメモリ1006は、非一過性のコンピュータ可読媒体を含み、この非一過性のコンピュータ可読媒体は、揮発性メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス)、不揮発性メモリデバイス(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)デバイス、プログラマブル読み出し専用メモリ、及びフラッシュメモリ)、又はこの両方を含む。システムメモリ1006は、計算装置1002をブート処理するための基本入力/出力システムを含みうるオペレーティングシステム1014と共に、計算装置1002がユーザ、他のプログラム、及び他の装置と相互作用できるようにするためのフルオペレーティングシステムを含む。システムメモリ1006は、プロセッサ1004によって実行可能な1つ以上のアプリケーション1016(例えば、指示)を含む。例えば、計算装置1002が飛行制御コンピュータ202であるとき、1つ以上のアプリケーション1016は、飛行指示224、警告システム226、整備スケジューラ228、及び翼端拡張異常検出器110Aを含み、計算装置が電子コントローラ316であるとき、1つ以上のアプリケーション1016は、拡張指示326、折り畳み指示328、及び翼端拡張異常検出器110Bを含む。
【0103】
[0113]いくつかの構成では、プロセッサ1004は、1つ以上の記憶デバイス1008と通信する。例えば、記憶デバイス1008は、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリデバイスなどの不揮発性記憶デバイスを含みうる非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。記憶デバイス1008は、取り外し可能なメモリデバイス及び取り外し不可能なメモリデバイスの両方を含みうる。記憶デバイス1008は、オペレーティングシステム、オペレーティングシステムの画像、アプリケーション、及びプログラムデータを記憶するように構成されうる。特定の実施態様では、システムメモリ1006、記憶デバイス1008、又はこの両方は、ハードウェアに組み込まれ、かつ信号ではない有形のコンピュータ可読媒体を含む。
【0104】
[0114]いくつかの構成では、プロセッサ1004は、ユーザとの相互作用を促進するために、計算装置1002が1つ以上の入力/出力デバイス1018と通信できるようにする1つ以上の入力/出力インターフェース1010と通信する。入力/出力インターフェース1010は、シリアルインターフェース(例えは、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース又は米国電気電子学会(IEEE)インターフェース)、パラレルインターフェース、ディスプレイアダプタ、オーディオアダプタ、及びその他のインターフェースを含む(「IEEE」は、ニュージャージー州ピスカタウェイの米国電気電子学会の登録商標である)。入力/出力デバイス1018は、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ(1つ以上のモニタ、1つ以上のゲージなど)、スピーカ、マイク、タッチスクリーン、回転式セレクタ、レバー、ノブ、スライド、スイッチ、及びその他のデバイスを含む。プロセッサ1004は、入力/出力インターフェース1010を介して受信したユーザ入力に基づいて相互作用イベント(interaction event)を検出する。加えて、プロセッサ1004は、入力/出力インターフェース1010を介してディスプレイデバイスに表示を送信する。
【0105】
[0115]いくつかの構成では、プロセッサ1004は、1つ以上の通信インターフェース1012を介して1つ以上のデバイス1020と通信しうる。1つ以上のデバイス1020は、通信ネットワークを介して接続される外部計算装置、及び有線又は無線のローカル接続を介して計算装置1002に接続されたコントローラ、センサ、及びその他のデバイスを含みうる。例えば、計算装置1002が
図3の電子コントローラ316であるとき、計算装置1002は、インターフェース1012を介して、
図2の飛行制御コンピュータ202及び折り畳み翼端システム230の特定のセンサと通信するように構成される。1つ以上の通信インターフェース1012は、有線イーサネットインターフェース、IEEE802無線インターフェース、その他の無線通信インターフェース、アナログ信号をデジタル信号に、電気信号を光信号に変換する1つ以上のコンバータ、受信した光信号を電気信号に変換する1つ以上のコンバータ、又はその他のネットワークインターフェースを含みうる。
【0106】
[0116]いくつかの実施態様では、非一過性のコンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、上記機能の一部又は全てを実行するための動作を開始させ、実行させ、又は制御させる指示を記憶する。例えば、指示は、
図1A~10の動作又は方法の1つ以上を実現するために、実行可能でありうる。いくつかの実施態様では、
図1A~10に関連する動作又は方法の1つ以上の一部又は全てが、専用のハードウェア回路により指示を実行する1つ以上のプロセッサ(例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、1つ以上のグラフィックス処理ユニット(GPU)、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP))、又はこれらの任意の組み合わせによって、実行されうる。
【0107】
[0117]本開示の特定の態様が、以下の相互に関連する一連の実施例において記載される。
【0108】
[0118]実施例1によれば、航空機は、主要部分及び翼端を含む翼と、主要部分に対して翼端を回転させるように構成された折り畳み翼端システムであって、電子コントローラを含む折り畳み翼端システムとを備え、電子コントローラは、折り畳み位置から飛行位置まで翼端を回転させるために飛行制御コンピュータから受信された拡張コマンドを実行すること、及び拡張コマンドの実行中に翼端の回転が飛行位置の前で停止したとの判定に応じて、折り畳み翼端の航空機を地上に留めさせ、折り畳み翼端の航空機の整備を予定させるために、飛行制御コンピュータに第1の信号を送信することを実行するように構成されており、第1の信号は、主要部分に対する翼端の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあるとの制御ユニットによる判定に応じて、整備が翼端からラッチピンまでの落下整備を含むことを示す。
【0109】
[0119]実施例2は、翼端からラッチピンまでの落下整備が、翼端の1つ以上の特定のラグによって接触された1つ以上の特定のラッチピンを識別することと、1つ以上の特定のラッチピンを交換することと、目に見える損傷のある1つ以上の特定のラッチピンの第1のサブセットをスクラップとして識別することと、目に見える損傷のない1つ以上の特定のラッチピンの第2のサブセットに、目に見えない損傷がないか試験を受けさせることとを実行する指示を含む、実施例1に記載の航空機を含む。
【0110】
[0120]実施例3は、翼端からラッチピンまでの落下整備が、さらに、1つ以上の翼端ラグを交換することと、目に見える損傷のある翼端ラグの第1のサブセットをスクラップとして識別することと、目に見える損傷のない翼端ラグの第2のサブセットに、目に見えない損傷がないか試験を受けさせることとを実行する指示を含む、実施例2に記載の航空機を含む。
【0111】
[0121]実施例4は、また第1の信号が、飛行制御コンピュータに、航空機の翼端作動システムの整備を予定させる、実施例1から実施例3のいずれか一例に記載の航空機を含む。
【0112】
[0122]実施例5は、電子コントローラによる判定が、第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にないことを示す場合に、第1の信号は、整備が翼端アクチュエータの整備を含むことを示す、実施例1から実施例4のいずれか一例に記載の航空機を含む。
【0113】
[0123]実施例6は、電子コントローラが、さらに、飛行制御コンピュータから、主要部分に対する翼端の角度に関連する位置データのリクエストを受信することと、ヒンジラインセンサから受信されたデータに基づいて、飛行制御コンピュータに位置データを送信することであって、位置データによって示された翼端の位置が折り畳み位置内にないときに、飛行制御コンピュータは、航空機を地上に留めて航空機の整備を予定させる、位置データを送信することとを実行するように構成される、実施例1から実施例5のいずれか一例に記載の航空機を含む。
【0114】
[0124]実施例7は、整備が翼端を折り畳み位置内に維持するように構成されたブレーキシステムのブレーキシステム整備を含む、実施例6に記載の航空機を含む。
【0115】
[0125]実施例8は、主要部分に対する翼端の角度がラッチピン干渉範囲内にあるときに、整備は翼端からラッチピンまでの落下整備を含む、実施例6又は実施例7に記載の航空機。
【0116】
[0126]実施例9は、翼端が飛行位置内又は飛行位置の近くにあるときに、整備が翼端から止め具までの落下整備を含む、実施例6又は実施例7に記載の航空機。
【0117】
[0127]実施例10は、翼端から止め具までの落下整備が、翼端ラグを交換することと、主要部分のラグ止め具を交換することと、目に見える損傷のある翼端ラグの第1のサブセットをスクラップとして識別することと、目に見える損傷のない翼端ラグの第2のサブセットに、目に見えない損傷がないか試験を受けさせることとを含む、実施例9に記載の航空機を含む。
【0118】
[0128]実施例11によれば、方法は、折り畳み位置から飛行位置まで翼の翼端を回転させるために、航空機の折り畳み翼端システムの電子コントローラを介して、電子コントローラによって飛行制御コンピュータから受信された拡張コマンドを実行することと、電子コントローラにおける、拡張コマンドの実行中に翼端の回転が飛行位置の前で停止したとの第1の判定に応じて、航空機を地上に留めて航空機の整備を予定させるために、電子コントローラから飛行制御コンピュータに第1の通知信号を送信することであって、第1の通知信号は1つ以上の第1のエラーコードを含み、第1の通知信号は、電子コントローラの判定が、翼の主要部分に対する翼端の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあることを示していることに応じて、整備に翼端からラッチピンまでの落下整備を含ませる、第1の通知信号を送信することとを含む。
【0119】
[0129]実施例12は、主要部分に対する翼端の回転が飛行位置で停止するときに示されるような、拡張コマンドの実行の開始から拡張コマンドの実行の完了までの拡張コマンドの実行時間が、閾値実行時間よりも短いとの第2の判定に応じて、1つ以上の第1のエラーコードが翼端から止め具までの落下を示し、1つ以上の第1のエラーコードが航空機の整備に翼端から止め具までの落下整備を含ませるように構成される、実施例11に記載の方法を含む。
【0120】
[0130]実施例13は、さらに、制御ユニットにおいて、航空機が動力ダウン状態(power-down state)から動力アップ状態(power-up state)に移行したことを検出することと、制御ユニットにおいて、主要部分に対する翼端の特定の角度を判定することと、制御ユニットにおいて、折り畳み翼端システムに対して最後に実行されたコマンドが翼端を折り畳み位置内に位置決めしたと判定することと、特定の角度が折り畳み位置に関連する第1の角度と異なる場合に、航空機を地上に留め、航空機の整備を予定させる信号を飛行コンピュータに送信することとを含む、実施例11又は実施例12に記載の方法を含む。
【0121】
[0131]実施例14は、翼端がラッチピン干渉範囲内の特定の角度にあることを翼端位置データが示すときに、特定の整備が翼端からラッチピンまでの落下整備を含む、実施例13に記載の方法を含む。
【0122】
[0132]実施例15は、翼端が飛行位置にある又は実質的に飛行位置にあることを翼端位置データが示すときに、整備が翼端から止め具までの落下整備を含む、実施例13に記載の方法を含む。
【0123】
[0133]実施例16は、さらに、第1の位置から第2の位置まで翼端を移行させるための第2のコマンドを、飛行制御コンピュータからコントロールユニットにおいて、受信することと、第2のコマンドを実行するために、ドライブトレインアクチュエータ、油圧制御モジュール、又はその両方に制御信号を送信することと、ドライブトレインアクチュエータセンサからのドライブトレインアクチュエータデータ及びドライブトレイン位置センサからのドライブトレイン位置データに基づく、ラッチピンアクチュエータのロックシステムが正しく機能しなかったとの制御ユニットによる判定に応じて、飛行制御コンピュータに特定の通知信号を送信することであって、特定の通知信号は、ロックシステム故障に関連する1つ以上の特定のエラーコードを含み、特定の通知信号により、航空機を地上に留めて、航空機の特定の整備を予定させ、特定の整備が、ラッチピンシステムの整備を含む、特定の通知信号を送信することとを含む、実施例11から実施例15のいずれか一例に記載の方法を含む。
【0124】
[0134]実施例17によれば、デバイスは、指示を記憶するように構成されたメモリと、実施例11から実施例16のいずれか一例に記載の方法を実行するために、指示を実行するように構成されたプロセッサとを含む。
【0125】
[0135]実施例18によれば、非一過性のコンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、実施例11から実施例16のいずれか一例に記載の方法を実行させる指示を記憶する。
【0126】
[0136]実施例19によれば、装置は、実施例11から実施例16のいずれか一例に記載の方法を実行するための手段を含む。
【0127】
[0137]実施例20によれば、非一過性のコンピュータ可読媒体は、折り畳み位置から飛行位置までヒンジ軸の周囲で翼の翼端を回転させるために、飛行制御コンピュータから受信された拡張コマンドを実行することと、拡張コマンドの実行中に翼端の回転が飛行位置の前で停止したとの第1の判定に応じて、航空機を地上に留め、折り畳み翼端の航空機の整備を予定させる第1の信号を飛行制御コンピュータに送信することであって、第1の信号は、翼の主要部分に対する翼端の第1の特定の角度がラッチピン干渉範囲内にあることを示す第2の判定に応じて、整備に翼端からラッチピンまでの落下整備を含ませる、第1の信号を送信することとを実行させるための、航空機の電子コントローラの1つ以上のプロセッサによって実行可能な指示を含む。
【0128】
[0138]実施例21は、前記指示がさらに、飛行位置から折り畳み位置まで翼端を移行させるための折り畳みコマンドを実行することと、折り畳みコマンドの実行の終了時に主要部分に対する翼端の位置が折り畳み位置にないと判定することと、飛行制御コンピュータに第2の通知信号を送信することであって、第2の通知信号が位置に関連する1つ以上の第2のエラーコードを含み、第2の通知信号が、1つ以上の第2のエラーコードに基づいて、航空機を地上に留めさせ、航空機の特定の整備を予定させる、第2の通知信号を送信することとを実行するように1つ以上のプロセッサによって実行可能である、実施例20に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。
【0129】
[0139]実施例22は、位置がラッチピン干渉範囲内にあるときに、特定の整備が翼端からラッチピンまでの落下整備を含む、実施例21に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。
【0130】
[0140]実施例23は、位置が前記飛行位置内又は前記飛行位置の近くにあるときに、整備が翼端から止め具までの落下整備を含む、実施例21に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。
【0131】
[0141]実施例24によれば、航空機は、主要部分及び翼端を含む翼と、主要部分に対して翼端を回転させるように構成された折り畳み翼端システムと、飛行制御コンピュータとを備え、飛行制御コンピュータは、折り畳み翼端システムによる最後に完了したコマンドが折り畳みコマンドであったと第2の判定が示す場合に、翼端の翼端位置が折り畳み位置内にないとの第1の判定に応じて、折り畳み翼端システムの第1のエラーコードを設定することと、第1のエラーコードに基づいて航空機が地上に留まることを示すように設定を変更することとを実行するように構成される。
【0132】
[0142]実施例25は、飛行制御コンピュータがさらに第1のエラーコードに基づいて航空機の整備を予定するように構成される、実施例24に記載の航空機を含む。
【0133】
[0143]実施例26は、整備が翼端を折り畳み位置内に維持するように構成されたブレーキシステムの整備を含む、実施例25に記載の航空機を含む。
【0134】
[0144]実施例27は、整備が翼端作動システムの整備を含む、実施例25又は実施例26に記載の航空機を含む。
【0135】
[0145]実施例28は、整備が、翼端位置がラッチピン干渉範囲内にあるとの第3の判定に応じて、翼端からラッチピンまでの落下整備を含む、実施例25から実施例27のいずれか一例に記載の航空機を含む。
【0136】
[0146]実施例29は、翼端からラッチピンまでの落下整備が、翼端の1つ以上の特定のラグによって接触された1つ以上の特定のラッチピンを識別することと、1つ以上の特定のラッチピンを交換することと、目に見える損傷のある1つ以上の特定のラッチピンの第1のサブセットをスクラップとして識別することと、目に見える損傷のない1つ以上の特定のラッチピンの第2のサブセットに、目に見えない損傷がないか試験を受けさせることとを実行する指示を含む、実施例28に記載の航空機を含む。
【0137】
[0147]実施例30は、翼端からラッチピンまでの落下整備がさらに、1つ以上の翼端ラグを交換することと、目に見える損傷のある翼端ラグの第1のサブセットをスクラップとして識別することと、目に見える損傷のない翼端ラグの第2のサブセットに、目に見えない損傷がないか試験を受けさせることとを実行する指示を含む、実施例29に記載の航空機を含む。
【0138】
[0148]実施例31は、翼端位置が飛行位置又はその付近にあるとの第3の判定に応じて、整備が翼端から止め具までの落下整備を含む、実施例25から実施例27のいずれか一例に記載の航空機を含む。
【0139】
[0149]実施例32は、翼端から止め具までの落下整備が、翼端のラグを交換することと、主要部分のラグ止め具を交換することと、目に見える損傷のある翼端ラグの第1のサブセットをスクラップとして識別することと、目に見える損傷のない翼端ラグの第2のサブセットに、目に見えない損傷がないか試験を受けさせることとを実行する指示を含む、実施例31に記載の航空機を含む。
【0140】
[0150]実施例33は、飛行制御コンピュータがさらに、翼端が折り畳み位置内にあることを翼端位置が示し、折り畳み位置から飛行位置まで翼端を移動させるための拡張コマンドを送信するとの判定に応じて、折り畳み翼端システムの電子コントローラに、拡張コマンド送信するように構成される、実施例24から実施例32のいずれか一例に記載の航空機を含む。
【0141】
[0151]実施例34は、飛行制御コンピュータがさらに、第1の電子コントローラに、折り畳み位置から飛行位置に翼端位置を変更するための第1の拡張コマンドを送信することと、第1の電子コントローラから、第1の拡張コマンドが失敗したことを示す第1の通知信号を受信することと、航空機が第1の通知信号に基づいて地上に留まることを示すように設定を変更することと、第1の通知信号内に含まれる1つ以上の第2のエラーコードに基づいて航空機の整備を予定することとを行うように構成される、実施例24から実施例33のいずれか一例に記載の航空機を含む。
【0142】
[0152]実施例35は、飛行制御コンピュータがさらに、第1の通知信号に応じて、第2の電子コントローラに第2の拡張コマンドを送信することと、第2の電子コントローラから第2の拡張コマンドの正常な完了を示す第2の通知信号を受信することと、第2の通知信号に基づいて、航空機が地上に留まっていないことを示すために設定を変更することと、第2の通知信号に基づいて、航空機に予定される整備の種類を変更することとを実行するように構成される、実施例34に記載の航空機を含む。
【0143】
[0153]実施例36は、飛行制御コンピュータがさらに、第1の通知信号に応じて、第2の電子コントローラに第2の拡張コマンドを送信することと、第2の電子コントローラから第2の拡張コマンドの失敗を示す第2の通知信号を受信することと、第2の通知信号が第1の通知信号に含まれない1つ以上の追加のエラーコードを含むことに応じて、追加の整備を含むように、航空機に予定される整備を修正することとを実行するように構成される、実施例34に記載の航空機を含む。
【0144】
[0154]実施例37によれば、方法は、航空機の飛行制御コンピュータにおいて、折り畳み翼端システムによる最後に完了したコマンドが折り畳みコマンドであるとの判定に応じて、翼端の翼端位置を判定することと、翼端が折り畳み位置内にないと示す翼端位置に応じて、飛行制御コンピュータを介して、折り畳み翼端システムの第1のエラーコードを設定することと、飛行制御コンピュータを介して、航空機が地上に留まることを示すために設定を変更することと、第1のエラーコードに基づいて航空機の整備を予定することとを含む。
【0145】
[0155]実施例38は、航空機のアイドル状態又は低動力状態から動力供給状態までの移行に応じて、該翼端の翼端位置を判定することが行なわれる、実施例37に記載の方法を含む。
【0146】
[0156]実施例39は、折り畳み翼端システムに拡張コマンドを送信するとの特定の判定を行うことに応じて、該翼端の翼端位置を判定することが行なわれる、実施例37に記載の方法を含む。
【0147】
[0157]実施例40によれば、デバイスは、指示を記憶するように構成されたメモリと、実施例37から実施例39のいずれか一例に記載の方法を実行するために、指示を実行するように構成されたプロセッサとを含む。
【0148】
[0158]実施例41によれば、非一過性のコンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、実施例37から実施例39のいずれか一例に記載の方法を実行させる指示を記憶する。
【0149】
[0159]実施例42によれば、装置は、実施例37から実施例39のいずれか一例に記載の方法を実行するための手段を含む。
【0150】
[0160]実施例43によれば、非一過性のコンピュータ可読媒体は、折り畳み翼端システムにより最後に完了したコマンドが折り畳みコマンドであったとの判定に応じて、航空機の翼端の翼端位置を判定することと、翼端が折り畳み位置内にないことを示す翼端位置に応じて、折り畳み翼端システムの第1のエラーコードを設定することと、航空機が地上に留まることを示すために設定を変更することと、第1のエラーコードに基づいて航空機の整備を予定することとを実行するために、1つ以上のプロセッサによって実行可能な指示を含む。
【0151】
[0161]実施例44は、指示がさらに、第1の電子コントローラに、飛行位置から折り畳み位置に翼端位置を変更するための第1の拡張コマンドを送信することと、第1の電子コントローラから、第1の拡張コマンドが失敗したことを示す第1の通知信号を受信することと、航空機が第1の通知信号に基づいて地上に留まることを示すように設定を変更することと、第1の通知信号内の1つ以上の第2のエラーコードに基づいて航空機の整備を予定することとを行うために、1つ以上のプロセッサによって実行可能である、実施例42に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。
【0152】
[0162]実施例45は、指示がさらに、第1の通知信号に応じて、第2の電子コントローラに第2の折り畳みコマンドを送信することと、電子コントローラから、第2の折り畳みコマンドの正常な完了を示す第2の第2の通知信号を受信することと、第2の通知信号に基づいて航空機が地上に留まらないことを示すように設定を変更することと、第2の通知信号に基づいて航空機に予定される整備の種類を変更することとを実行するように、1つ以上のプロセッサによって実行可能である、実施例44に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。
【0153】
[0163]実施例46は、指示がさらに、第1の通知信号に応じて、第2の電子コントローラに第2の折り畳みコマンドを送信することと、第2の電子コントローラから第2の折り畳みコマンドの失敗を示す第2の通知信号を受信することと、第2の通知信号が第1の通知信号に含まれない1つ以上の追加のエラーコードを含むことに応じて、追加の整備を含むように、航空機に予定される整備を修正することとを実行するように、1つ以上のプロセッサによって実行可能である、実施例44に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。
【0154】
[0164]本明細書に記載された実施例の例示は、様々な実施態様の構造の概略的な理解をもたらすことが意図されている。これらの例示は、本明細書に記載された構造又は方法を利用する装置及びシステムの全ての要素及び特徴を網羅的に説明することを意図していない。本開示を精査することで、当業者には、他の多くの実施態様が明らかになりうる。本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更が行われうるように、他の実施態様が利用され、本開示から引き出されうる。例えば、図面に示す順序とは異なる順序で方法の工程を実施してもよく、又は1つ以上の方法の工程を省略してもよい。これに対応して、本開示及び図面は、限定的というより例示的なものと見なすべきである。
【0155】
[0165]更に、本明細書では具体的な実施例を例示して記載してきたが、同じ又は類似の結果を実現するよう設計された任意の後続の構成が、図示された特定の実施態様と置換されてもよいと理解されたい。本開示は、様々な実施態様のあらゆる後続の適合例又は変形例を対象とすることが意図されている。上記の実施態様の組み合わせ、及び、本明細書には具体的に記載されない他の実施態様が、本明細書の記載を精査することで当業者に明らかになろう。
【0156】
[0166]本開示の要約書は、特許請求の範囲又は意味を解釈したり又は限定したりするために使用されるものではないとの理解のもとに提出される。加えて、上記の発明を実施するための形態においては、本開示を簡潔にする目的で、様々な特徴が1つにまとめられたり、又は1つの実施態様として説明されたりする場合がある。上述した例は、本開示を例示しているが、本開示を限定するものではない。本開示の原則にしたがって数多くの修正例及び変形例が可能であることも理解されたい。以下の特許請求の範囲に反映されているように、特許請求される発明の主題は、開示される実施例のいずれかの全ての特徴よりも少ない特徴を対象としている場合がある。これに対応して、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される。
【外国語明細書】