(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020087
(43)【公開日】2025-02-12
(54)【発明の名称】荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁、弁部材、および荷電粒子ビーム顕微鏡
(51)【国際特許分類】
H01J 37/18 20060101AFI20250204BHJP
F16K 51/00 20060101ALI20250204BHJP
F16K 51/02 20060101ALI20250204BHJP
F16K 3/18 20060101ALI20250204BHJP
【FI】
H01J37/18
F16K51/00 D
F16K51/02 B
F16K3/18 Z
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024109713
(22)【出願日】2024-07-08
(31)【優先権主張番号】10 2023 118 986.7
(32)【優先日】2023-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】521126944
【氏名又は名称】カール ツァイス マルティセム ゲゼルシヤフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン バルリング
(72)【発明者】
【氏名】ベルント シンドラー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シュワルツ
(72)【発明者】
【氏名】カタリーナ グリース
(72)【発明者】
【氏名】マーリオン バッツ
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィト レムレ
(57)【要約】
【課題】荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁、弁部材、および荷電粒子ビームを提供すること。
【解決手段】一実施態様において、荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁(65)が提供され、弁は、開口(11)を備える弁座(12)と、弁部材本体(13)および弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材とを備える。弁部材は、シール用リング(14)が開口(11)の周りをシールする第1の位置と、弁部材が開口(11)から離間される第2の位置との間で可動である。弁部材は、第2の位置において開口(11)に向く弁部材本体(13)の少なくとも側部表面において延在する電気伝導性シールド用部材(15)をさらに備える。
【選択図】
図1A-1D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビーム顕微鏡(60)のための弁(65)であって、
開口(11)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材とを備え、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)の周りをシールする第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間される第2の位置との間で可動であり、
前記弁部材は、前記第2の位置において前記開口(11)に向く前記弁部材本体(13)の少なくとも側部表面において延在する電気伝導性シールド用部材(15)をさらに備える、弁(65)。
【請求項2】
前記シールド用部材(15)は、前記第2の位置において前記弁部材本体(13)の前記第1の表面の上方に前記シール用リング(14)の高さに少なくとも対応する高さまで延在する、請求項1に記載の弁(65)。
【請求項3】
前記シールド用部材(15)は、前記第1の表面とは反対の前記弁部材本体(13)の第2の表面に取り付けられる、請求項1または2に記載の弁(65)。
【請求項4】
前記弁部材の下方に延在する弁ハウジング部材(17)をさらに備え、前記シールド用部材(15)は、前記第2の位置において前記弁ハウジング部材(17)の伝導性部分に電気接触するように構成される、請求項3に記載の弁(65)。
【請求項5】
前記弁ハウジング部材(17)の前記伝導性部分は、前記弁部材が前記第2の位置に少なくともあるときに、第1の電位に設定されるように構成される、請求項4に記載の弁(65)。
【請求項6】
前記シールド用部材(15)は、前記弁部材が前記第1の位置にあるときに、前記弁座(12)の伝導性部分に電気接触するように構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の弁(65)。
【請求項7】
前記弁座(12)の前記伝導性部分は、前記弁部材が前記第1の位置に少なくともあるときに、第2の電位に設定されるように構成される、請求項6に記載の弁(65)。
【請求項8】
前記弁部材は、前記弁部材のさらなる側部表面に電気接点ばね(18)を備え、前記電気接点ばね(18)は、前記第1の位置における第1の電圧および前記第2の位置における第2の電圧を受け取るように構成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の弁(65)。
【請求項9】
前記弁座(12)は、前記開口の周りにさらなるシールド用部材(21)を備え、前記シール用リング(14)は、前記第1の位置において前記さらなるシールド用部材(21)に当接し、前記第2の位置において前記さらなるシールド用部材(21)によってシールドされるように構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載の弁(65)。
【請求項10】
前記弁部材は、前記弁部材本体(13)に取り付けられ、前記弁部材をバイアシングするために構成される可撓性の電気伝導性ワイヤをさらに備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の弁(65)。
【請求項11】
前記第2の位置においてバイアシングするために前記第1の表面において前記弁部材本体(13)に接触するように構成される電気接点(33)を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の弁(65)。
【請求項12】
前記弁座(12、32)は、前記第2の位置において少なくとも前記シール用リング(14)を収容する凹所(31)を備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の弁(65)。
【請求項13】
前記弁部材と弁のさらなる部分との間の少なくとも1つの摺り接触点(40、41)に潤滑剤をさらに備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の弁(65)。
【請求項14】
潤滑剤はフルオロポリマーを含む、請求項13に記載の弁(65)。
【請求項15】
荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁(65)であって、
開口(11)および前記開口(11)の周りのシールド用部材(21)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材とを備え、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)をシールするために前記シールド用部材(21)に当接する第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間され、前記シール用リング(14)が前記シールド用部材(21)によってシールされる第2の位置との間で可動であり、
前記弁部材は、前記第2の位置において前記開口(11)に向く前記弁部材本体(13)の少なくとも側部表面において延在する電気伝導性シールド用部材(15)をさらに備える、弁(65)。
【請求項16】
荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁(65)であって、
開口(11)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材であって、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)の周りをシールする第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間される第2の位置との間で可動である、弁部材と、
前記弁部材と前記弁のさらなる部分との間の少なくとも1つの摺り接触点(40、41)における潤滑剤とを備える、弁(65)。
【請求項17】
荷電粒子ビーム顕微鏡(60)のための弁(65)であって、
開口(11)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材とを備え、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)の周りをシールする第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間される第2の位置との間で可動であり、
前記弁座(12、32)は、前記第2の位置において少なくとも前記シール用リング(14)を収容する凹所(31)を備える、弁(65)。
【請求項18】
荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁(65)であって、
開口(11)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材であって、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)の周りをシールする第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間される第2の位置との間で可動である、弁部材と、
前記第2の位置においてバイアシングするために前記第1の表面において前記弁部材本体(13)に接触するように構成される電気接点(33)とを備える、弁(65)。
【請求項19】
荷電粒子ビーム顕微鏡(60)の弁(65)のための弁部材であって、
弁部材本体(13)と、
前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)と、
前記弁部材本体(13)の少なくとも側部表面において延在し、前記第1の表面の上方で前記シール用リング(14)よりも高い高さまで延在する電気伝導性シールド用部材(15)とを備える、弁部材。
【請求項20】
荷電粒子ビーム顕微鏡(60)の弁(65)のための弁部材であって、
弁部材本体(13)と、
前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)と、
前記弁部材本体(13)に取り付けられ、弁部材をバイアシングするために構成される電気伝導性部材とを備える、弁部材。
【請求項21】
請求項1~18のいずれか1項に記載の弁(65)または請求項19または20の弁部材を備える弁(65)を備える、荷電粒子ビーム顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、独国特許出願公開第10 2023 118 986.7号の優先権を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁、そのような弁の弁部材、および対応する荷電粒子ビーム顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0003】
荷電粒子ビーム顕微鏡は、荷電粒子ビーム、例えば電子ビームまたはイオンビームが、サンプルまで誘導され、荷電粒子ビームとサンプルとの間の相互作用が、像を生成するために使用される顕微鏡のタイプである。荷電粒子ビーム顕微鏡についての例は、透過電子顕微鏡(TEM:transmission electron microscope)および走査電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)である。スループットを増加させるために、そのような顕微鏡はまた、例えば、いわゆるマルチビームSEM(MSEM:Multi-SEM)において、2つ以上の荷電粒子ビームを使用してもよい。
【0004】
一般に、そのような荷電粒子ビーム顕微鏡は、荷電粒子ビームを発生するための荷電粒子ビーム源、荷電粒子ビームをサンプルに収束させるコンポーネント、例えば、磁石、および、応答を検出する1つまたは複数の検出器を含み、応答は、例えば、反射荷電粒子ビーム、散乱荷電粒子ビーム、オージェ電子のような2次荷電粒子、または同様に、発生されたx線放射のような他の種類の放射を含んでもよい。
【0005】
ほとんどのタイプの荷電粒子ビーム顕微鏡において、荷電粒子ビームは、少なくともほとんどの場合、真空を通してサンプル上に誘導される。荷電粒子ビーム源においては、通常、超高真空(UHV:ultra high vacuum)が使用される(1×10
-9mbar以上)一方、他の部分においては、ビームは高真空(例えば、1×10
-6mbar以上)を通過し、高真空(例えば、1×10
-6mbar以上)で充分である。弁は、幾つかの構成において、荷電粒子ビームが発生される第1の部分を、サンプルが存在する第2のチャンバから分離するために使用される。一例として、
図6は、上チャンバ61および下チャンバ62を含む荷電粒子ビーム顕微鏡60の柱状配置を示す。矢印で示すように、上チャンバ61および下チャンバ62は共に、内部で真空を発生するために排気され得る。
【0006】
上チャンバ61は、荷電粒子ビーム、例えば、電子を発生するカソード63を含む。荷電粒子ビームは、上段61から出て、チャネル(圧力段)64を介して下段62に入る。下段62の圧力は、上記で述べたように、上段61の場合よりも高い(例えば、上段61ではUHV、下段62では高真空)。
【0007】
荷電粒子ビームは、対物レンズ67を介してサンプル68に収束される。検出器66は、上記で述べたように、信号、例えば、散乱粒子、2次粒子および/または放射を検出するのに役立つ。検出器66の周りで、圧力は、再び、下段62の場合よりも高くてもよく、例えば、1×10-5mbar以下である。本明細書の圧力が、単に例として与えられ、実施態様に応じて変動する場合があることが留意されるべきである。
【0008】
弁65が設けられ、弁65は、上チャンバ61を下チャンバ62から分離するために使用され得る。例えば、下チャンバ62で真空が喪失する場合、弁65は、閉鎖されて、上チャンバ61内の真空を維持し、カソード63を保護してもよい。同様に、荷電粒子ビーム顕微鏡が使用中でないとき、または、サンプルが帯電すると、弁65は閉鎖され得る。
【0009】
本出願は、一般に、エリア、例えば、
図6の上チャンバ61および下チャンバ62を互いから気密方法で分離するために、荷電粒子ビーム顕微鏡において使用され得るそのような弁に関する。そのような荷電粒子ビーム顕微鏡の他の部分は、任意の従来の方法で実施され得、
図6は、単純な非制限的な例を示すだけである。
【0010】
図5Aおよび
図5Bは、そのような荷電粒子ビーム顕微鏡で使用される従来の弁を、比較のために略側面図で示す。
図5Aは、開放位置の弁を示し、
図5Bは、閉鎖位置の弁を示す。
図5Aおよび
図5Bに示す弁は、開口11を有する弁座12を含む。動作時、荷電粒子ビーム16、例えば、電子ビームは、上記で述べたチャンバ間の開口11を通過する。さらに、弁は、弁部材本体13および弁部材本体13の第1の表面上のOリングのようなシール用リング14を有する弁部材を含む。開放位置において、弁部材本体13は、開口11が開放するように引っ込められる。閉鎖位置において、弁部材本体13は、シール用リング14を開口11の外周に押し付け、したがって、開口をシールする。
【0011】
電気接点ばね(示さず)は、弁部材本体13の側部表面に設けられる。閉鎖位置において、電気伝導性である電気接点ばねは、弁座12と電気接触状態にあり、開放位置において、電気接点ばねは、部分であって、時として「バルブガレージ(valve garage)」と呼ばれ、本明細書で弁ハウジング部材と一般に呼ばれ、弁部材のためのある種のハウジングを提供する、部分と電気接触状態にある。これは、閉鎖位置において、特定の電位、例えば、グラウンドに、または、開放位置において、例えば、キロボルト範囲内の荷電粒子ビームのための加速電圧に、弁部材をもたらすのに役立つ。
【0012】
しかしながら、この電気接点ばねは、例えば、腐食および/または機械的摩耗によって、経時的に劣化する場合があり、弁部材の未規定の電位をもたらす。さらに、
図5Aに示す開放位置において、シール用リング14は、荷電粒子ビーム16によって帯電する場合がある。そのような効果は、荷電粒子ビーム16の特定の偏向をもたらす場合があり、それは、像質を劣化させる、または、不安定な像位置、すなわち、像ドリフトをもたらす場合がある。さらに、電気接点ばねは、例えば、腐食する場合がある。さらに、粒子は、電気接点ばねと、弁座12またはハウジングとの間の移動および移動接触によってそれぞれ発生する場合がある。
【発明の概要】
【0013】
第1の態様によれば、荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁が提供され、弁は、
開口を備える弁座と、
弁部材本体および弁部材本体の第1の表面上のシール用リングを備える弁部材とを備え、弁部材は、シール用リングが開口の周りをシールする第1の位置と、弁部材が開口から離間される第2の位置との間で可動であり、
弁部材は、第2の位置において開口に向く弁部材本体の少なくとも側部表面において延在する電気伝導性シールド用部材をさらに備える。
【0014】
幾つかの実施形態において、シールド用部材は、第2の位置におけるシール用リングの帯電を防止してもよい。
【0015】
第2の位置は、開口が設けられる平面に平行な方向に第1の位置からオフセットされ得る。シールド用部材は、例えば、金属から作られ得る。
【0016】
シールド用部材は、第2の位置において第1の表面の上方にシール用リングの高さに少なくとも対応する高さまで延在してもよい。幾つかの実施形態において、これは、シール用リングの良好なシールドを提供してもよい。
【0017】
シール用リングは、例えば、ゴム材料で作られているOリングであってもよい。
【0018】
シールド用部材は、第1の表面とは反対の弁部材本体の第2の表面に取り付けられ得る。幾つかの実施形態において、これは、弁部材本体に結合されたシールド用部材の配置に対する或る程度の強靭性を与えてもよい。
【0019】
弁は、弁部材の下方に延在する弁ハウジング部材をさらに備えてもよい。そのような実施形態において、シールド用部材は、第2の位置において弁ハウジング部材の少なくとも伝導性部分に電気接触するように構成され得る。これは、弁ハウジング部材およびシールド用部材によって第2の位置において弁部材のバイアシングを可能にしてもよい。例えば、弁ハウジング部材は、弁部材が第2の位置に少なくともあるときに、高電圧電位に設定されるように構成され得、それにより、弁部材は、シールド用部材によって第2の位置において高電圧電位でバイアシングされる。
【0020】
さらに、シールド用部材は、弁部材が第1の位置にあるときに、弁座の伝導性部分に電気接触するように構成され得る。こうして、弁が第1の位置に少なくともあるときに、弁座がグラウンド電位に設定されるように構成される場合、第1の位置において、弁部材は、弁座を介して、例えば、グラウンド電位にバイアシングされ得る。
【0021】
さらに、弁部材は、弁部材のさらなる側部表面に電気接点ばねを含んでもよく、電気接点ばねは、第1の位置における第1の電圧および第2の位置における第2の電圧、例えば、上記で述べた高電圧およびグラウンド電位を受け取るように構成される。第1の電圧は高電圧であってもよく、第2の電圧はグラウンドに対応してもよい。
【0022】
弁座は、開口の周りにさらなるシールド用部材を備えてもよく、シール用リングは、第1の位置においてさらなるシールド用部材に当接し、第2の位置においてさらなるシールド用部材によってシールドされるように構成される。このさらなるシールド用部材は、幾つかの実施形態において、シール用リングのためのさらなるシールドを提供してもよい。
【0023】
このさらなるシールド用部材は、同様に、シールド用部材と独立に使用され得、それにより、第2の態様において、荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁が提供され、弁は、開口および開口の周りのシールド用部材を備える弁座を備え、
弁部材は、弁部材本体および弁部材本体の第1の表面上のシール用リングを備え、弁部材は、開口の周りをシールするためにシール用リングがシールド用部材に当接する第1の位置と、弁部材が開口から離間される第2の位置との間で可動であり、シール用リングはシールド用部材によってシールドされる。
【0024】
弁は、弁部材本体に結合された可撓性の電気伝導性ワイヤをさらに備えてもよく、可撓性の電気伝導性ワイヤによって、弁部材は、例えば、上記で述べた第1および/または第2の電圧にバイアシングされ得る。これは、同様に、上記特徴と独立にまたは上記特徴と組み合わせて使用され得、それにより、第3の態様において、荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁が提供され、弁は、
開口を備える弁座と、
弁部材本体および弁部材本体の第1の表面上のシール用リングを備える弁部材であって、弁部材は、シール用リングが開口の周りをシールする第1の位置と、弁部材が開口から離間される第2の位置との間で可動である、弁部材と、弁部材をバイアシングするための、弁部材本体に取り付けられた電気伝導性に取り付けられた可撓性の電気伝導性とを備える。
【0025】
さらに、電気接点は、弁部材が、第2の位置において電気接点に接触するように、弁座に隣接して設けられ得る。これは、第2の位置において弁部材をバイアシングするのに同様に役立ち、上記特徴の一部と独立に同様に使用され得る。この点において、電気接点は、弁部材が、第2の位置にあるときに位置決めされる凹所の一部を形成してもよい。したがって、第4の態様によれば、荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁が提供され、弁は、開口を備える弁座と、弁座に隣接する電気接点と、弁部材本体および弁部材本体の第1の表面上のシール用リングを備える弁部材とを備え、弁部材は、シール用リングが開口の周りをシールする第1の位置と、弁部材が開口から離間され、電気接点に接触する第2の位置との間で可動である。
【0026】
摩擦および摩擦による粒子発生を低減するために、適切な真空適合潤滑剤が、弁ハウジング部材のような他の部分と弁部材が滑り接触する部分に設けられ得る。例えば、潤滑剤は、シールド用部材が弁ハウジング部材の伝導性部分に電気接触するところに、または、さらなる側部表面の電気接触ばねが他の要素と接触するところに設けられ得る。潤滑剤は、フルオロポリマーまたはシリコーングリースに基づいてもよい。潤滑剤は、非常に不活性である、すなわち、化学反応を起こす傾向がなくてもよく、したがって、幾つかの実施形態において、腐食に対して保護してもよい。例えば、適切な潤滑剤は、20℃で250~300mm2/秒のオーダーの粘度、2分間、200℃でGC-MS(ガスクロマトグラフィと質量分析法を組み合わせる)によって分析されると、20ng/mg以下のTOC(脱気)値を有するポリフルオロエチレン(PFE:polyfluoroethylene)に基づいてもよい。
【0027】
これは、上記と独立であってもよく、それにより、第5の態様によれば、
荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁が提供され、弁は、
開口を備える弁座と、
弁部材本体および弁部材本体の第1の表面上のシール用リングを備える弁部材であって、弁部材は、シール用リングが開口の周りをシールする第1の位置と、弁部材が開口から離間される第2の位置との間で可動である、弁部材と、
弁部材と弁のさらなる部分との間の少なくとも1つの摺り接触点における潤滑剤とを備える。
【0028】
さらなる態様によれば、対応する弁部材が提供される。さらなる態様によれば、上記で論じた弁の任意の弁を備える荷電粒子ビーム顕微鏡が提供される。
【0029】
種々の実施形態は、添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A-1D】実施形態による弁および弁部材の種々の図である。
【
図1E-1F】実施形態による弁および弁部材の種々の図である。
【
図2A-2B】さらなる実施形態による弁および弁部材の側面図である。
【
図3A-3B】さらなる実施形態による弁および弁部材の側面図である。
【
図4A-4B】幾つかの実施形態による潤滑剤の使用を示す弁の図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下において、荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁および弁部材の種々の実施形態が論じられる。論じられる弁および弁部材は、例えば、真空を維持するために、電子ビームのような荷電粒子ビームが発生される第1のチャンバを、サンプルが設けられる第2のチャンバから、特に分離してもよい。一例として、論じられる弁は、上記で説明した
図6の荷電粒子ビーム顕微鏡内の弁65として使用され得る。
【0032】
異なる実施形態からの特徴は、さらなる実施形態を形成するために組み合わされ得る。例えば、異なる実施形態は、
図5Aおよび
図5Bに関する導入部分で論じられる比較例と比較して、異なる修正を含んでもよく、これらの変形は、独立にまたは互いとの種々の組み合わせで使用され得る。一方、図に示され、本明細書で説明される単一の実施形態において、2つ以上のそのような変形が存在してもよく、同様にこの場合、変形は、互いに独立にまたは組み合わせて使用され得る。
【0033】
図において、同様のコンポーネントは、同じ参照数字で指定され、繰り返し説明されないことになる。
【0034】
【0035】
図1A、1Bの弁は、開口11を有する弁座12を含む。動作時、荷電粒子ビーム16、例えば、電子ビームは、開口11を通過する。
【0036】
弁は、弁部材本体13、弁部材本体13の第1の面上に配設されたシール用リング14、およびシールド用部材15を含む。
図1Bに見ることができるように、閉鎖位置(本明細書で第1の位置とも呼ばれる)において、シール用リング14は、例えば、真空喪失を防止するために、開口11の周りをシールする。
【0037】
シールド用部材15は、電気伝導性材料、例えば、金属または金属合金で作られ、
図1Aの弁部材の開放位置(本明細書で第2の位置とも呼ばれる)において、開口11および荷電粒子ビーム16に向く弁部材本体13の面上に延在する。シールド用部材15は、シール用リング14が荷電粒子ビーム16からシールドされるように、第1の表面の上方に延在し、シールド用部材15は、幾つかの実施形態において、シール用リング14の帯電を防止してもよい。
【0038】
図1Aおよび1Bに見ることができるように、シールド用部材15は、ばねに似た方法で固定されるように、第1の面(シール用リング14が設けられる)とは反対の弁部材本体13の第2の面に取り付けられ得る。
図1Bの閉鎖位置において、示すように、シールド用部材15は、その後、弁座12に当接し、弁座12に対する電気接触を確立する。閉鎖位置における弁座12は、例えば、グラウンド電位に設定され得、シールド用部材15と弁座12とのこの接触は、弁部材を同様にグラウンド電位に設定することに寄与する。
【0039】
従来のシステムの場合と同様に、
図1Cおよび1Dに示すように、弁は、図において弁部材の下方に延在する弁ハウジング部材17を含んでもよい。
図1Cに示すように、同様にこの場合、閉鎖位置において、シールド用部材15は、弁座12に当接する。
【0040】
さらに、幾つかの実施形態において、
図1Dに示すように、開放位置において、シールド用部材15は、弁ハウジング部材17を押し付けてもよく、それにより、開放位置において、シールド用部材15は、弁ハウジング部材17によって、例えば、高電圧電位にバイアシングされ得る。他の実施形態において、開放位置において、シールド用部材15は、開放位置にある弁ハウジング部材17と接触状態にない。
【0041】
さらに、
図1Eおよび1Fの弁部材は、弁部材の側面に、電気ばね接点18を有し、電気ばね接点18は、
図1Eおよび1Fの実施形態において、シールド用部材15と共に一体で形成される。他の実施形態において、シールド用部材15のために別個のピースまたは要素を使用する実施態様が使用され得る。電気ばね接点18は、
図5Aおよび5Bに関して導入部分で説明したように、弁部材をバイアシングするために従来の接触をさらに提供するのに役立つ、電気ばね接点18参照。この場合、弁座に対する接触のための
図1B、1Cにおいて、および、弁ハウジング部材17に対する接触のための
図1Dにおいて示されるシールド用部材15によるバイアシングは、従来の接点に対する電気ばね接点18によるさらなる接触を提供する。
【0042】
図2Aおよび2Bは、さらなる実施形態による弁を示し、
図2Aは、弁部材が第2の位置にある開放の場合を示し、
図2Bは、開口11がシールされる閉鎖の場合を示す。
【0043】
図1A~
図1Fの実施形態において設けられるシールド用部材15の代わりに、ここでは、弁座12から延在し、開口11を囲むさらなるシールド用部材21が設けられる。
図2Aに示す位置において、さらなるシールド用部材21は、シール用リング14と荷電粒子ビーム16との間に挿入され、それにより、シール用リング14の帯電が、防止されるまたは少なくとも低減される。
図2Bに示す第1の状態において、シール用リング14は、さらなるシールド用部材21に当接し、したがって、開口11をシールする。
【0044】
幾つかの実施形態において、さらなるシールド用部材21は、上記で論じたシールド用部材15と組み合わされ得る。
【0045】
さらに、
図2Aおよび2Bの実施形態において、電気伝導性部材20は、弁部材本体13に取り付けられる。電気伝導性部材20を使用して、弁部材は、幾つかの実施形態において、高電圧にまたはグラウンドに確実にバイアシングされ得る。幾つかの実施形態において、電気伝導性部材20は、ワイヤのような可撓性部材またはリボンケーブルのようなケーブルであってもよい。他の実施形態において、電気伝導性部材20は、完全にまたは部分的に硬質であってもよく、例えば、弁部材から遠隔の可撓性接点またはころがり接点を有する。
【0046】
図3Aおよび3Bは、さらなる実施形態による弁を示す。
図3Aは、第2の位置(開放位置)を示し、
図3Bは、第1の位置(閉鎖位置)を示す。
【0047】
ここで、
図3Aの開放の場合に、シール用リング14がその中に位置決めされる凹所31を有する弁座32が設けられ、それにより、シール用リング14は、荷電粒子ビーム16からシールドされる。さらに、電気伝導性要素33が設けられ、弁部材本体13は、第2の位置において、電気伝導性要素33に当接し、したがって、弁部材をバイアシングするための電気接点を提供する。
図3Aおよび3Bの実施形態において、シールド用部材15が、設けられ、
図1A~
図1Fを参照して説明される機能を有し、特に、シール用リング14が弁座32に押し付けられる
図3Bの第1の位置において、弁座32に当接して、開口11のまわりをシールすることに留意されたい。それでも、
図3Aおよび3Bの凹所および電気接点要素33は、シールド用部材15と独立に設けられ得る。
【0048】
さらなる実施形態において、上記で論じた実施形態と共にまたはそれと独立に、潤滑剤が、滑り電気接触が確立される地点で使用される。これは、
図4Aおよび4Bに示される。
図4Aは
図1Dを複製する。参照数字40は、シールド用部材15が、弁ハウジング部材17と滑り接触する場所を示し、その場所は、
図1Hおよび1Jに示すように、突出部19によって確立される接点に対応してもよい。
図4Bは、電気ばね接点18が、弁ハウジング部材17または任意の他の地点と接触する上面図を示し、参照数字41によって示されるように、ここで同様に、潤滑剤が使用され得る。潤滑剤は、機械的摩滅および粒子の発生から保護してもよい。そのような摩滅は、荷電粒子ビーム顕微鏡自身内の自由粒子によって発生され得る問題に加えて、電気ばね接点18またはシールド用部材15のような対応する接点要素の表面を増加させる場合があり、それは、次に、酸化または他の化学反応を増加させる場合があり、それは、電気接点の品質を低下させる場合がある。例えば、シールド用部材15は、銅、青銅、または(クロームメッキ真ちゅうのような)真ちゅうで作られ得、荷電粒子ビーム顕微鏡において、NOClガスは、そのような金属と反応して、塩化銅を形成してもよく、塩化銅は、電気絶縁を提供してもよい。そのようなNOClガスは、電子ビームによって、サンプル内の構造を局所的にエッチングする処理ガスとして使用されるが、デバイス内の他のコンポーネントと不注意に反応する場合もある。
【0049】
適切な潤滑剤は、いわゆるTEMオイルのようなフルオロポリマー、または、シリコーングリースベース潤滑剤を含む。例は、アピエゾン(APIEZON)(登録商標)高真空グリースまたはPlano GmbHによるシリコーン高真空グリースあるいはZeiss材料カタログからのLit-Oil 300または500オイルを含む。
【0050】
したがって、本明細書の種々の実施形態は、弁部材のバイアシングの信頼性を上げてもよく、および/または、シール用リングのためのシールドを提供してもよく、それは、幾つかの実施形態において、荷電粒子ビーム顕微鏡の像質の劣化または像位置ドリフトを防止または軽減してもよい。
【0051】
特定の実施形態が、本明細書で示され説明されたが、種々の代替のおよび/または等価な実施態様が、本発明の範囲から逸脱することなく、示され説明された特定の実施形態に置換され得ることが当業者によって認識されるであろう。本出願は、本明細書で論じる特定の実施形態の任意の適合または変形をカバーすることを意図される。したがって、本発明が、特許請求項およびその均等物によってのみ制限されることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
11 開口
12、32 弁座
13 弁部材本体
14 シール用リング
15 シールド用部材
16 荷電粒子ビーム
17 弁ハウジング部材
18 電気ばね接点
19 突出部
20 電気伝導性部材
21 シールディング
31 凹所
33 電気接点要素
40、41 滑り接触点
60 荷電粒子ビーム顕微鏡
61 上チャンバ
62 下チャンバ
63 カソード
64 チャネル
65 弁
66 検出器
67 対物レンズ
68 サンプル
【手続補正書】
【提出日】2024-11-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビーム顕微鏡(60)のための弁(65)であって、
開口(11)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材とを備え、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)の周りをシールする第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間される第2の位置との間で可動であり、
前記弁部材は、前記第2の位置において前記開口(11)に向く前記弁部材本体(13)の少なくとも側部表面において延在する電気伝導性シールド用部材(15)をさらに備える、弁(65)。
【請求項2】
前記シールド用部材(15)は、前記第2の位置において前記弁部材本体(13)の前記第1の表面の上方に前記シール用リング(14)の高さに少なくとも対応する高さまで延在する、請求項1に記載の弁(65)。
【請求項3】
前記シールド用部材(15)は、前記第1の表面とは反対の前記弁部材本体(13)の第2の表面に取り付けられる、請求項1または2に記載の弁(65)。
【請求項4】
前記弁部材の下方に延在する弁ハウジング部材(17)をさらに備え、前記シールド用部材(15)は、前記第2の位置において前記弁ハウジング部材(17)の伝導性部分に電気接触するように構成される、請求項3に記載の弁(65)。
【請求項5】
前記弁ハウジング部材(17)の前記伝導性部分は、前記弁部材が前記第2の位置に少なくともあるときに、第1の電位に設定されるように構成される、請求項4に記載の弁(65)。
【請求項6】
前記シールド用部材(15)は、前記弁部材が前記第1の位置にあるときに、前記弁座(12)の伝導性部分に電気接触するように構成される、請求項1または2に記載の弁(65)。
【請求項7】
前記弁座(12)の前記伝導性部分は、前記弁部材が前記第1の位置に少なくともあるときに、第2の電位に設定されるように構成される、請求項6に記載の弁(65)。
【請求項8】
前記弁部材は、前記弁部材のさらなる側部表面に電気接点ばね(18)を備え、前記電気接点ばね(18)は、前記第1の位置における第1の電圧および前記第2の位置における第2の電圧を受け取るように構成される、請求項1または2に記載の弁(65)。
【請求項9】
前記弁座(12)は、前記開口の周りにさらなるシールド用部材(21)を備え、前記シール用リング(14)は、前記第1の位置において前記さらなるシールド用部材(21)に当接し、前記第2の位置において前記さらなるシールド用部材(21)によってシールドされるように構成される、請求項1または2に記載の弁(65)。
【請求項10】
前記弁部材は、前記弁部材本体(13)に取り付けられ、前記弁部材をバイアシングするために構成される可撓性の電気伝導性ワイヤをさらに備える、請求項1または2に記載の弁(65)。
【請求項11】
前記第2の位置においてバイアシングするために前記第1の表面において前記弁部材本体(13)に接触するように構成される電気接点(33)を備える、請求項1または2に記載の弁(65)。
【請求項12】
前記弁座(12、32)は、前記第2の位置において少なくとも前記シール用リング(14)を収容する凹所(31)を備える、請求項1または2に記載の弁(65)。
【請求項13】
前記弁部材と弁のさらなる部分との間の少なくとも1つの摺り接触点(40、41)に潤滑剤をさらに備える、請求項1または2に記載の弁(65)。
【請求項14】
潤滑剤はフルオロポリマーを含む、請求項13に記載の弁(65)。
【請求項15】
荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁(65)であって、
開口(11)および前記開口(11)の周りのシールド用部材(21)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材とを備え、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)をシールするために前記シールド用部材(21)に当接する第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間され、前記シール用リング(14)が前記シールド用部材(21)によってシールされる第2の位置との間で可動であり、
前記弁部材は、前記第2の位置において前記開口(11)に向く前記弁部材本体(13)の少なくとも側部表面において延在する電気伝導性シールド用部材(15)をさらに備える、弁(65)。
【請求項16】
荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁(65)であって、
開口(11)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材であって、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)の周りをシールする第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間される第2の位置との間で可動である、弁部材と、
前記弁部材と前記弁のさらなる部分との間の少なくとも1つの摺り接触点(40、41)における潤滑剤とを備える、弁(65)。
【請求項17】
荷電粒子ビーム顕微鏡(60)のための弁(65)であって、
開口(11)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材とを備え、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)の周りをシールする第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間される第2の位置との間で可動であり、
前記弁座(12、32)は、前記第2の位置において少なくとも前記シール用リング(14)を収容する凹所(31)を備える、弁(65)。
【請求項18】
荷電粒子ビーム顕微鏡のための弁(65)であって、
開口(11)を備える弁座(12、32)と、
弁部材本体(13)および前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)を備える弁部材であって、前記弁部材は、前記シール用リング(14)が前記開口(11)の周りをシールする第1の位置と、前記弁部材が前記開口(11)から離間される第2の位置との間で可動である、弁部材と、
前記第2の位置においてバイアシングするために前記第1の表面において前記弁部材本体(13)に接触するように構成される電気接点(33)とを備える、弁(65)。
【請求項19】
荷電粒子ビーム顕微鏡(60)の弁(65)のための弁部材であって、
弁部材本体(13)と、
前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)と、
前記弁部材本体(13)の少なくとも側部表面において延在し、前記第1の表面の上方で前記シール用リング(14)よりも高い高さまで延在する電気伝導性シールド用部材(15)とを備える、弁部材。
【請求項20】
荷電粒子ビーム顕微鏡(60)の弁(65)のための弁部材であって、
弁部材本体(13)と、
前記弁部材本体(13)の第1の表面上のシール用リング(14)と、
前記弁部材本体(13)に取り付けられ、弁部材をバイアシングするために構成される電気伝導性部材とを備える、弁部材。
【請求項21】
請求項1に記載の弁(65)または請求項19の弁部材を備える弁(65)を備える、荷電粒子ビーム顕微鏡。
【外国語明細書】