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特開2025-2022管理装置、管理方法および管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002022
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241226BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101920
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】516140214
【氏名又は名称】booost technologies株式会社
(72)【発明者】
【氏名】金子 将人
(72)【発明者】
【氏名】平原 匡哲
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA38
3C100BB13
3C100BB33
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【解決手段】通信部、記憶部および制御部を備える管理装置であって、前記通信部は生産対象物の投入量を含む主入力データ、生産用物の使用量を含む副入力データ、および生産副産物の発生量を含む副出力データのうち少なくとも1つを含む第1データ、ならびに、生産成果物の生産量を含む主出力データを含む第2データを受信し、前記第1データおよび前記第2データは前記記憶部に格納され、前記制御部は指定受付部および表示制御部を含み、前記指定受付部は、表示される前記第1データおよび前記第2データの期間の指定を受け付け、前記表示制御部は、前記期間における前記第1データを第1時間間隔で、および、前記第2データを第2時間間隔で表示する制御を行う、前記管理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部、記憶部および制御部を備える管理装置であって、
前記通信部は生産対象物の投入量を含む主入力データ、生産用物の使用量を含む副入力データ、および生産副産物の発生量を含む副出力データのうち少なくとも1つを含む第1データ、ならびに、生産成果物の生産量を含む主出力データを含む第2データを受信し、
前記第1データおよび前記第2データは前記記憶部に格納され、
前記制御部は指定受付部および表示制御部を含み、
前記指定受付部は、表示される前記第1データおよび前記第2データの期間の指定を受け付け、
前記表示制御部は、前記期間における前記第1データを第1時間間隔で、および、前記第2データを第2時間間隔で表示する制御を行う、
前記管理装置。
【請求項2】
前記制御部はさらに導出部を含み、
前記導出部は、前記記憶部に格納された換算データを用いて、前記第1データに含まれる前記副入力データの前記使用量を副出力データの発生量に換算し、前記第1データに含まれる前記副出力データの前記発生量と合算し、
前記表示制御部は、前記合算された前記発生量を前記第1時間間隔で表示する制御を行う、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記通信部は、生産設備に関する第3データを受信し、
前記表示制御部は、前記第3データを前記第1データおよび前記第2データと比較可能に表示する制御を行う、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記第1データが電気、水道、油およびガスの少なくとも1つの使用量を含み、前記第2データが製品の生産量を含み、
前記第1時間間隔および前記第2時間間隔はいずれも10分間隔である、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記指定受付部は、対象とする工場、製品、工程、集計方法、および第1データの種類のうち少なくとも1つの指定を受け付け、
前記表示制御部は、指定された工場、製品、工程、集計方法、および第1データの種類のうち少なくとも1つに応じて前記第1データおよび前記第2データの表示の制御を行う、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
前記制御部はさらに特定部および対応指示部を備え、
前記特定部は、前記表示制御部による表示または前記導出部による導出結果に対し、あらかじめ定められたフローまたはユーザーによる操作に基づいて一部のデータを特定し、
前記対応指示部は、あらかじめ定められたフローまたはユーザーによる操作に基づいて、前記特定部による前記特定に対する対応を指示する信号を送信する、
請求項2に記載の管理装置
【請求項7】
コンピュータが、生産対象物の投入量を含む主入力データ、生産用物の使用量を含む副入力データ、および生産副産物の発生量を含む副出力データのうち少なくとも1つを含む第1データ、ならびに、生産成果物の生産量を含む主出力データを含む第2データを受信する段階と、
前記第1データおよび前記第2データを記憶部に格納する段階と、
表示される前記第1データおよび前記第2データの期間の指定を受け付ける段階と、
前記期間における前記第1データを第1時間間隔で、および、前記第2データを第2時間間隔で表示する制御を行う段階と、
を備える、管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
請求項7に記載の管理方法を実行させるための管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、温室効果ガス排出量管理装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
【0003】
[特許文献1] 特開2012-247954
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る管理装置は、通信部、記憶部および制御部を備える。前記通信部は生産対象物の投入量を含む主入力データ、生産用物の使用量を含む副入力データ、および生産副産物の発生量を含む副出力データのうち少なくとも1つを含む第1データ、ならびに、生産成果物の生産量を含む主出力データを含む第2データを受信する。前記第1データおよび前記第2データは前記記憶部に格納される。前記制御部は指定受付部および表示制御部を含む。前記指定受付部は、表示される前記第1データおよび前記第2データの期間の指定を受け付ける。前記表示制御部は、前記期間における前記第1データを第1時間間隔で、および、前記第2データを第2時間間隔で表示する制御を行う。
【0005】
上記管理装置において、前記制御部はさらに導出部を含む。前記導出部は、前記記憶部に格納された換算データを用いて、前記第1データに含まれる前記副入力データの前記使用量を副出力データの発生量に換算し、前記第1データに含まれる前記副出力データの前記発生量と合算する。前記表示制御部は、前記合算された前記発生量を前記第1時間間隔で表示する制御を行う。
【0006】
上記管理装置において、前記通信部は、生産設備に関する第3データを受信する。前記表示制御部は、前記第3データを前記第1データおよび前記第2データと比較可能に表示する制御を行う。
【0007】
上記管理装置において、前記第1データが電気、水道、油およびガスの少なくとも1つの使用量を含む。前記第2データが製品の生産量を含む。前記第1時間間隔および前記第2時間間隔はいずれも10分間隔である。
【0008】
上記管理装置において、前記指定受付部は、対象とする工場、製品、工程、集計方法、および第1データの種類のうち少なくとも1つの指定を受け付ける。前記表示制御部は、指定された工場、製品、工程、集計方法、および第1データの種類のうち少なくとも1つに応じて前記第1データおよび前記第2データの表示の制御を行う。
【0009】
上記管理装置において、前記制御部はさらに特定部および対応指示部を備える。前記特定部は、前記表示制御部による表示または前記導出部による導出結果に対し、あらかじめ定められたフローまたはユーザーによる操作に基づいて一部のデータを特定する。前記対応指示部は、あらかじめ定められたフローまたはユーザーによる操作に基づいて、前記特定部による前記特定に対する対応を指示する信号を送信する。
【0010】
本発明の一態様に係る管理方法は、コンピュータが、生産対象物の投入量を含む主入力データ、生産用物の使用量を含む副入力データ、および生産副産物の発生量を含む副出力データのうち少なくとも1つを含む第1データ、ならびに、生産成果物の生産量を含む主出力データを含む第2データを受信する。前記第1データおよび前記第2データを記憶部に格納する。表示される前記第1データおよび前記第2データの期間の指定を受け付ける。前記期間における前記第1データを第1時間間隔で、および、前記第2データを第2時間間隔で表示する制御を行う。
【0011】
本発明の一態様に係る管理プログラムは、コンピュータに上記管理方法を実行させる。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る管理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る管理装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る管理装置の動作フローの一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る入力、工程および出力の関係の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る受信された第1データおよび第2データの一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る指定受付画面の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る第1データ、第2データ、第1時間間隔および第2時間間隔の表示の例を示す図である。
図9】本実施形態に係る第1データ、第2データ、第1時間間隔および第2時間間隔の表示の他の例を示す図である。
図10】本実施形態に係る表示画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
近年、企業や団体等においては従来の物の生産やサービス提供等にかかるコスト削減の観点から効率的な設備の稼働や素材・エネルギーの使用、サービス提供等に加えて、喫緊の課題である気候変動への対応や生物多様性の保全、循環型経済への移行等を含む環境問題への対応、労働環境や人権、男女平等、人的資本等を含む社会問題への対応、企業倫理や説明責任等を含むガバナンス問題への対応など持続可能な成長に向けた各種対応が求められている。こうした各種問題への対応において、企業や団体等が行う物の生産やサービス提供等の活動に関するデータの活用のニーズが高まっている。
【0016】
本実施形態に係る管理装置100は、データの活用に資する管理を実現する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る管理システム10の全体構成の一例を示す。管理システム10は、管理装置100と、端末200と、複数の送信装置300とを備える。管理装置100は、ネットワーク50を介して端末200および送信装置300と通信する。管理装置100は、直接操作を受け付けてもよいし、端末200を通じて操作を受け付けてもよい。管理装置100は、複数の送信装置300の少なくとも1つから受信したデータを管理する。本実施形態では、管理システム10が、1つの管理装置100を備える例について説明する。しかし、管理システム10は、例えば、異なる企業ごとに管理装置100を備えてよい。複数の管理装置100間でデータのやり取りを行ってよい。また、管理システム10は1つの施設内において構成されてもよいし、異なる施設(異なる組織)の間で構成されてもよい。
【0018】
図2は、管理装置100の機能ブロックの一例を示す。管理装置100はハードウェアとしてコンピュータで構成されてよい。また、当該コンピュータは、管理プログラムによって本願明細書に記載する管理方法を実行してよい。管理装置100は、制御部110と、通信部120と、記憶部130とを備える。制御部110は、CPUまたはMPU等のマイクロプロセッサ、MCU等のマイクロコントローラ等により構成されてよい。通信部120は、管理装置100内の各コンポーネント間の通信を管理する。加えて、通信部120は、インターネットなどのネットワーク50を介して、端末200および送信装置300などの外部のコンピュータと通信する。記憶部130は、それぞれの端末200から受け付ける情報および送信装置300から受信するデータ等を記憶する。
【0019】
制御部110は、指定受付部112、表示制御部114および導出部116を含む。指定受付部112は、データの表示に関する指定を受け付け、当該指定に関する情報を記憶部130に記憶させる。表示制御部114は、当該指定に従って、送信装置300から受信したデータを管理装置100に接続されたディスプレイなどの出力装置または管理装置100が通信する端末200などの外部のコンピュータの出力装置に表示させる。導出部116は、後述するとおり送信装置300から受信したデータおよび記憶部130に格納されたデータから他のデータを導出し記憶部130に記憶させる。導出部116は記憶部130に格納された換算データを用いて、後述する第1データに含まれる副入力データの使用量を副出力データの発生量に換算し、第1データに含まれる副出力データの前記発生量と合算してよい。
【0020】
図3は、本実施形態に係る管理装置100の動作フローの一例を示す図である。
【0021】
通信部120は、生産対象物の投入量を含む主入力データ、生産用物の使用量を含む副入力データ、および、生産副産物の発生量を含む副出力データのうち少なくとも1つを含む第1データ、ならびに、生産成果物の生産量を含む主出力データを含む第2データを受信し、第1データおよび第2データは記憶部130に格納される(S100)。
【0022】
ここで図4を参照して主入力データ、副入力データ、主出力データおよび副出力データの具体的な例について説明をする。図4は、本実施形態に係る入力、工程および出力の関係の一例を示す図である。
【0023】
図4は製品Aの生産工程1~3を示す。各工程には加工や組立等を行う設備401~設備403がそれぞれ設置されている。本図では設備401および402が素材から部品を製造する加工、設備403が部品から製品を組み立てる組立を行うものとする。なお、設備には加工、組立に用いられる製造機器のほか、クリーンルーム、ベルトコンベアなど製造機器に付属する各種機械器具等が含まれてよい。
【0024】
工程1では素材a1および素材a2等が設備401に投入され(主入力1)、電気、ガスおよび水等(副入力1)の使用により加工後の部品a6(主出力1)が生産されると同時に、当該加工の過程で温室効果ガス(GHG)、廃棄物および副産物等(副出力1)が生じていることが示される。工程2においても同様に素材a3~a5等が設備402に投入され(主入力2)、電気、ガスおよび水等(副入力2)の使用により加工後の部品a7(主出力2)が生産されると同時に、当該加工の過程で温室効果ガス(GHG)、廃棄物および副産物等(副出力2)が生じていることが示される。工程3においては工程1および工程2で生産された部品a6(主出力1)および部品a7(主出力2)が主入力3として設備403に投入され、工程1および工程2と同様に電気、ガスおよび水等(副入力3)の使用により組立後の製品A(主出力3)が生産されると同時に、当該組立の過程で温室効果ガス(GHG)、廃棄物および副産物等(副出力3)が生じていることが示される。
【0025】
なお、図4では主入力および主出力において素材、部品および製品という用語を用いたがこれらに限られない。例えば素材は原料、主成分等でもよく、部品は単一部品、構成部品、加工物、中間材等でもよく、製品は完成品、最終材、合成物、化合物等でもよい。製造対象となる各種原料、素材、部品等の物に関する情報は、各業界のデータベース等に連携させて取得してよい。当該データベースとして、例えば自動車業界向けの材料データベースであるIMDS(商標)が利用されてよい。また、図4では設備401~403が加工や組立等を行う機械設備として示されたがこれに限られない。例えば本実施形態において設備401~403は化学や生物工学等で用いられる器具や媒体等でもよく、工程1~3は化学反応や細胞培養等の手法により行われてよい。同様に図4では副入力および副出力において機械設備に関する一部の例を示したがこれに限られない。他の実施形態において各入力および出力は他の活動に関するものでもよい。例えば、各入力および出力はサービス提供における活動の入力(人や車両等の移動、労働時間等)および出力(移動等のサービス内容、賃金や料金等)であってもよい。以下「生産」は主に物の生産について説明するが、サービス提供など物の生産ではない組織の活動も含むものとする。
【0026】
ここで、主入力データ、副入力データ、主出力データおよび副出力データは、設備に設置された計測器による測定、あらかじめ設備の性能として定められた値、または操作者による入力等により取得されてよい。主入力データは加工や組立等が行われる素材、原料等の対象物(生産対象物)に関するデータである。特に、主入力データは一定時間において投入された物等の生産対象物の投入量を含んでよい。副入力データは加工や組立等を行う設備に使用される電気、ガス、水、蒸気または油等の動力源、エネルギー、その他生産に用いられる物(生産用物)に関するデータである。特に、副入力データは一定時間において使用されたエネルギー等の生産用物の使用量を含んでよい。主出力データは設備の加工や組立等により生じた物のうち製品の生産に直接関連する部品、中間材、製品、最終材等の物(生産成果物)に関するデータである。特に、主出力データは一定時間において生産された生産成果物の生産量を含んでよい。生産量には生産個数のほか生産ロット数など生産された物に関する所定の数量が含まれてよい。副出力データは設備の加工や組立等により生じた物のうち生産成果物以外の温室効果ガス、廃棄物、副産物等の物(生産副産物)に関するデータである。特に、副出力データは一定時間において生じた生産副産物の発生量を含んでよい。なお、上記投入量・使用量・生産量・発生量という用語は便宜的に使い分けているが、例えば生産対象物において「投入」ではなく単に使用という場合が適切な場合であっても本明細書では「投入量」と示す。
【0027】
また、各データには投入量・使用量・生産量・発生量等に対し減算・相殺等をする相殺データも含まれてよい。例えば副出力データとして温室効果ガスの発生量が含まれる場合、副出力データにはさらに当該発生した温室効果ガスを回収・吸収・貯留・固定等する設備により当該回収等した量の計測値またはあらかじめ定められた性能としての回収量が相殺データとして含まれてよく、当該副出力データの表示において当該発生量および回収量は個別に表示されてもよいし、当該発生量から当該回収量を減算した値として表示されてもよい。
【0028】
図3のS100に戻り、第1データおよび第2データは記憶部130に格納される。
【0029】
ここで図5を参照し、受信された第1データおよび第2データの一例を示す。なお、本実施形態において第1データおよび第2データは送信装置300から送信されてよい。図5において「受信日時」の列は送信装置300から送信された各行のデータを管理装置100の通信部120が受信した日時を表す。また、「取得元」は各行のデータがどのように取得されたかを示す。例えば「メーター1~10」は各設備に設置された各種計測器(例えばスマートメーター、電流計、電圧計、時計、周波数計、気圧計、温度計、分光光度計、半導体検出器、レーダー等)のうちメーター1、メーター2、…メーター10として付番された計測器から取得されたデータであることを示す。一方、「(手入力)」は例えば生産された物の個数を作業員等が目視で確認した結果をデータとして取得し入力したことを示す。「取得間隔」各行のデータがどのくらいの間隔で取得されたかを示す。例えば「10分」は各データが10分間隔で取得されたことを示す。
【0030】
「取得データ1」「取得データ2」はデータの内容を示す。ここで「取得データ1」は「メーター1~10」のデータのうちメーター1のデータ、または、「(手入力)」のデータを表す。「取得データ2」は「メーター1~10」のデータのうちメーター2のデータを表す。本図では省略しているが、メーター3~10のデータも取得データ3~10として各行に取得されている。そして、「受信日時」および「取得元」を照らし合わせると「メーター1~10」および「(手入力)」から取得されたデータはいずれも約1時間おきに受信され、いずれも「取得間隔」が10分である。したがって「取得データ1」は、受信日時の直前の1時間において10分ごとに取得されたデータが配列として示されている。例えば受信日時が「2023-04-01 14:01:12」の「メーター1~10」の取得データ1[13, 15, 14, 16, 18, 10]は、メーター1で2023年4月1日13時から10分おき(すなわち13時00分、13時10分、13時20分、13時30分、13時40分、13時50分の6コマ)で取得されたデータがそれぞれ13、15、14、16、18、10であることを示す。なお、本図では各データの単位が示されていないが、各種計測器等で取得されたデータの単位を各データに添えて送受信がされてもよいし、送受信の対象データの単位があらかじめ定まっている場合は上記のように数値のみ送受信して単位は受信側で補足してもよい。
【0031】
図3に戻り、指定受付部112は、表示される第1データおよび第2データの期間の指定を受け付ける(S102)。
【0032】
ここで図6を参照して指定受付部112の動作を説明する。図6は本実施形態に係る指定受付画面の一例を示す図である。当該画面は管理装置100に接続される表示装置に表示されてもよいし、ネットワーク50を介して管理装置100に接続される端末200の表示装置に表示されてもよい。そして指定受付部112は、当該画面を通じて入力された指定を受け付けてよい。
【0033】
図6において指定受付部112は、第1データおよび第2データを表示する表示期間を「開始日」および「終了日」の指定により受け付ける。図6では開始日および終了日がいずれも「2023年4月1日」で指定されているため、指定受付部112は表示期間を2023年4月1日(1日分のデータの表示)として受け付ける。
【0034】
なお、図6には指定受付部112が受け付ける他の項目も示されている。「集計方法」は表示期間において同じ時間間隔で表示されるデータの集計方法の指定を示す。例えば「合計」を指定した場合、当該表示期間において同じ時間間隔で表示されるデータは合計値で示される。また、「平均」の場合、当該表示期間において同じ時間間隔で表示されるデータは平均値で示される。同様に集計方法には中央値、最頻値、最小値、最大値、標準偏差、分散等の統計的方法が指定されてよい。また、「工場」、「製品」および「工程」は第1データおよび第2データを表示する工場、製品および工程の指定を示す。例えば図6ではK工場のP製品のF工程が指定されていることを示す。なお、図6では工場、製品および工程が1つずつ指定されているが、複数の工場、製品および工程がそれぞれ指定されてもよい。工場は施設として表されてもよく、月に任意の稼働日で稼働し、各稼働日で異なる製品を生産してもよいし単一の製品を生産してもよい。製品は日用品、電化製品、化学製品、工業製品、車両、食料品など任意の製品でよい。工程は加工・組立・焼成・仕分け・包装等を含んでよく、また化学・生物工学等の分野においては生成・反応・分離・播種・培養・保管等を含んでよい。
【0035】
また、図6には示されていないが、指定受付部112は他の項目の指定を受け付けてもよい。例えば上記工場等を所有する「組織」(企業または団体を含み、各企業または団体においてグループ会社・関連会社等を含んでよく、団体には公的団体(政府・省庁・自治体等)または民間団体を含んでよい、またサプライチェーンを構成する組織間の関係としてサプライヤーとバイヤー、Tier0・Tier1・Tier2…等でもよい)、「拠点」(例えば1つの工場内で複数の区分けを行った場合の単位、または電力における供給地点または受電地点等の地点単位等)、「製造ライン」(例えば共通する工程を1つのまとまりとした単位等)、「工程区分」(生産工程、附帯工程、準備工程等)、「活動区分」(生産に直接関連する区分、生産に間接的に関連する区分等)、「製品割当」(例えば各工程、製造ライン等をいずれの製品の生産に使用したかの割当)、「製品状態」(例えば良品、不良品、テスト品等)、「稼働状態」(例えば稼働(テスト稼働、本番稼働等を含む)、休止、停止(一時停止、計画停止等を含む)、準備、段取、冷却、メンテナンス、交換等を含む)、「データ品質」(1次データ、2次データ、直接計測データ、算出データ、算定者や物品等で固有のデータ、代替データ等)、「カットオフ」(取得したデータのうち一定の割合以下の量の入出力について集計から排除するかどうか等)、および図7について説明するとおり「第1時間間隔」および「第2時間間隔」等の指定が受け付けられてよい。
【0036】
表示制御部114は、上述の各指定に従って表示の制御をしてよい。ここで、表示制御部114は、量的データについては各種の絵グラフ、棒グラフ、ヒストグラム、折れ線グラフ、曲線グラフ、箱ひげ図、散布図、レーダーチャート等により量的関係を示す表示制御をしてよく、質的データについては各種の円グラフ、帯グラフ等により質的関係を示す表示制御をしてよい。また、表示制御部114は、量的・質的データの区別に限らず指定されたグラフを使用して各データの表示制御をしてよい。一例として上記「製品状態」の指定に対し、表示制御部114は第1データまたは第3データとして受信した「製品状態」の所定の期間における割合を歩留り率として第1時間間隔における積み上げ棒グラフ、または、製品状態の割合として円グラフで表示する制御を行ってよい。
【0037】
図3に戻り、表示制御部114は、指定された期間における第1データを第1時間間隔で、および、第2データを第2時間間隔で表示する制御を行う(S104)。
【0038】
ここで図7図10を参照して表示制御部114による表示制御の例を説明する。図7は本実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。本画面は管理装置100に接続される表示装置に表示されてもよいし、ネットワーク50を介して管理装置100に接続される端末200の表示装置に表示されてもよい。表示制御部114は、記憶部130に格納されたデータを表示装置に表示させる制御を行う。また、図7に示される上下の2つのグラフのうち上のグラフ702が第1データのグラフ、および下のグラフ704が第2データのグラフを示すものとする。なお、図7において第1データおよび第2データはヒストグラムで値が示されるがこれに限られない。本実施形態において、第1データおよび第2データは量的関係もしくは質的関係またはこれらの両方を示す他のグラフで示されてもよいし、図5に示した表のように示されてもよいし、その他の比較可能な形態でそれぞれの値が示されてよい。また、図7において第1データおよび第2データは上下に並べる形で比較可能に表示されているがこれに限られない。本実施形態において第1データおよび第2データは同一表示内、左右、前後、時間変化等の他の比較可能な形態でそれぞれの値が示されてよい。以下図8図10においても同様である。
【0039】
図7において第1データの第1時間間隔および第2データの第2時間間隔はいずれも1時間で設定されている。図7の各グラフの横軸の下に記載された数字は時間を表し、「0」は0時、「1」は1時、…「23」は23時を表す(「…」は他の同様の時間・場合等があることを示す。以下同様)。また、各グラフのデータ(値)はヒストグラムで示されるが、例えば0と1の間のヒストグラムは0時から1時の間のデータの値(高さが各データの直接の値、および面積が各データの各時間間隔における総量の値等)を示す。なお、図示されていないが、図7において指定された期間は1日であってよいし、複数の日数でもよい。指定された期間が1日の場合、0時から1時、1時から2時、…23時から24時(0時)の間の各データは当該1日について取得されたデータの値を示す。一方、指定された期間が複数の日数の場合、0時から1時、1時から2時、…23時から24時(0時)の間の各データは当該複数の日数について取得されたデータの値の合計、平均、中央値、最頻値、最小値、最大値、標準偏差、分散等の統計的方法で処理された値を示してよい。
【0040】
図7において第1データの第1時間間隔および第2データの第2時間間隔はいずれも1時間で設定されているが、本実施形態において第1時間間隔および第2時間間隔はこれに限られない。例えば第1時間間隔および第2時間間隔は0.X秒(小数点以下は任意。以下も任意の小数点以下を含む)、…1秒、…2秒、…3秒、…4秒、…5秒、…6秒、…10秒、…30秒、…1分、…2分、…3分、…4分、…5分、…6分、…10分、…20分、…30分、…40分、…50分、…1時間、…2時間、…3時間、…4時間、…5時間、…6時間、…8時間、…10時間、…12時間、…24時間、…2日、…3日、…4日、…5日、…6日、…7日、…10日、…20日、…30日、…1ヶ月、…2ヶ月、…1年、…2年、その他の時間間隔でもよい。また、図7において第1データの第1時間間隔および第2データの第2時間間隔は同一の時間間隔で設定されているが、後の図8および図9で示すとおり異なる時間間隔で設定されてよい。なお、図示されていないが、第1時間間隔および第2時間間隔は管理装置100に対する直接操作で設定されてもよいし、図6に示した指定受付画面等から指定受付部112が各時間間隔の指定受け付けをすることにより設定されてもよい。
【0041】
図7に示されるとおり、表示制御部114は、上のグラフ702である第1データの第1時間間隔によるヒストグラムと、下のグラフ704である第2データの第2時間間隔によるヒストグラムとによって両データの関係を視認性よく表示する制御を行うことができる。これにより、例えば第2データの値がない1時から7時までの間に第1データの値があり、この間に第1データが示す値について無駄が生じていないかを確認することができる。また、例えば16時から17時の間に第1データがピークとなっている一方、第2データはその前後も含めてピークがないことから当該時間帯に第1データまたは第2データのいずれかが示す値に異常値が含まれていないかを確認することができる。なお、後述するとおり制御部は特定部(不図示)をさらに備えてよく、特定部は上記第2データの値がない間の第1データもしくは上記ピークとなっている第1データまたはこれらの第1データ(および第2データ)の時間間隔をあらかじめ定められたフローまたはユーザーの操作に従い特定してもよい。
【0042】
図8は本実施形態に係る第1データ、第2データ、第1時間間隔および第2時間間隔の表示の例を示す図である。図8(a)は第1時間間隔および第2時間間隔が同一であり、第1データおよび第2データがそれぞれ単一の値のヒストグラムで示される。これにより、第1データおよび第2データの関係を同一の第1時間間隔および第2時間間隔によって視認性よく確認することができる。一方、図8(b)は第1時間間隔が第2時間間隔の1/2で設定されている。これにより、第2データに対してより細かな粒度での第1データを確認することができる。また、図8(c)は第1時間間隔が第2時間間隔の2倍で設定されている。これにより、第2データに対してより大きな粒度での第1データを確認することができる。なお、図8(b)および図8(c)についてそれぞれ1/2および2倍を例にしたが、本実施形態において倍率はこれらに限られない。例えば1/3、1/4、…および3倍、4倍、…など任意の倍率で設定されてよい。
【0043】
図8(d)は第1時間間隔および第2時間間隔が同一だが起点(および終点)が異なる例を示す。例えば第1時間間隔および第2時間間隔がいずれも10分である場合、第1データが0時00分、0時10分、…を起点にする一方、第2データは0時05分、0時15分、…を起点にしてもよい。なお、図8(d)では第1時間間隔および第2時間間隔が同一の例を示したが、異なる時間間隔でもよい。第1データおよび第2データの取得時間および時間間隔が異なる場合、表示制御部114はそれぞれの取得時間および時間間隔で両データを表示制御することができる。
【0044】
図9は本実施形態に係る第1データ、第2データ、第1時間間隔および第2時間間隔の表示の他の例を示す図である。図9(e)は第1データおよび第2データが1つのグラフで示される。例えば図9(e)は第1データの値を第2データの値で除算した値(第2データの値の単位あたりの第1データの値)を示してよい。また、図9(e)は第1データの値および第2データの値の加算、減算もしくは乗算または平均、中央値、最頻値、最小値、最大値、標準偏差、分散等の統計的方法で処理された値あるいはこれらの組合せによる値でもよい。第1時間間隔および第2時間間隔は同一でもよく、異なっていてもよい。第1時間間隔および第2時間間隔が異なる場合、第1時間間隔または第2時間間隔のいずれかを基準として設定されてよい。例えば第1時間間隔が10分、第2時間間隔が5分であり、図9(e)の時間間隔は第1時間間隔の10分で設定し、第1データに対する第2データの割合の値をグラフで示す場合、第2データを2つの時間間隔(5分×2=10分)の合計値について第1データの1つの時間間隔(10分)に対する割合を求めてグラフで表示されてよい。これにより第1データと第2データとの関係をより簡単に把握することができる。
【0045】
図9(f)は第1データの第1時間間隔が非常に小さな時間または時点で設定された例である。第1データは曲線で示されているが、他の例において線形など他の形態で示されてよい。ここで、図9(f)における第1データは取得された第1データの値を連続値で示すための処理(例えば関係式を計算し関数としてグラフを描画等)がされていることを想定しているが、第1データは連続値ではなく離散値(ドットプロット)で示されてもよい。この場合、取得された第1データの時刻についてのみ第1データの値が示される。また、図9(f)では第1データの第1時間間隔のみが非常に小さな時間または時点で設定されているが、第2データの第2時間間隔のみ、または第1データの第1時間間隔および第2データの第2時間間隔の両方が同様に設定されてもよい。これによりデータの連続性または離散状況を踏まえて第1データおよび第2データの関係性を視認性よく確認することができる。
【0046】
図9(g)は第1データに異なる2種類の値が含まれる例である。例えば図5で示した取得データ1および取得データ2を同一の第1時間間隔において重ねて表示してよい。図9(g)は第1データのみに異なる2種類の値が含まれる例であるが、図9(h)のように第2データにも異なる2種類の値が含まれてもよい。また、異なる種類のデータの数は2に限られず、例えば図5で示したメーター1~10のように10種類のデータが同一の時間間隔で示されてよいし、その他の任意の数の種類のデータが示されてよい。
【0047】
図10は、本実施形態に係る表示画面の他の例を示す図である。ここで、通信部120は、生産設備に関するデータ(第3データ)を受信してよく、表示制御部114は、第3データを第1データおよび第2データと比較可能に表示する制御を行ってよい。第3データは、図6に関連して上述した指定受付部112が受け付ける項目のデータを含んでよい。第3データは、例えば生産設備が属する組織・工場・拠点・製造ライン・活動区分、生産する製品の内容・製品割当・製品状態・データ品質、利用される工程・カットオフ、稼働状態、第1時間間隔および第2時間間隔を含んでよい。例えば通信部120は、生産設備の稼働状態を含む第3データを受信し、表示制御部114は、期間における設備の稼働状態の割合を表示する制御を行ってよい。図10は、指定された期間における設備の稼働状態の割合を示す円グラフ1002を含む。図10に示されるとおり、第1データを示す上のグラフ702および第2データを示す下のグラフ704の期間において設備は大半が稼働状態であるが、約2/3は休止である。なお、表示制御部114は、第3データについて各種の表示制御をしてよい。例えば上述のとおり量的データについては各種の絵グラフ、棒グラフ、ヒストグラム、折れ線グラフ、曲線グラフ、箱ひげ図、散布図、レーダーチャート等により量的関係を示す表示制御をしてよく、質的データについては各種の円グラフ、帯グラフ等により質的関係を示す表示制御をしてよい。また、表示制御部114は、量的・質的データの区別に限らず指定されたグラフを使用して各データの表示制御をしてよい。このように、本実施形態によれば、指定された期間における第1データおよび第2データと生産設備に関するとを視認性よく確認することができる。
【0048】
本発明は以上の実施形態のほか以下の複数の他の実施形態においても実現される。
【0049】
他の実施形態の1つとして、導出部116は、第1データに含まれる電気、水道、油およびガスの少なくとも1つの使用量に対し、記憶部130に格納されている変換データを乗じることで副出力データを導出してよい。例えば副出力データとして温室効果ガス排出量を導出する場合、第1データの各使用量に対し、各使用量の単位あたりの温室効果ガス排出量を示す原単位(変換データ)を乗じることで温室効果ガス排出量を導出してよい。また、副出力データとして廃棄物量を導出する場合、第1データの各使用量に対し、各使用量の単位あたりの廃棄物量を示す原単位(変換データ)を乗じることで廃棄物量を導出してよい。また、副出力データとして副産物量を導出する場合、第1データの各使用量に対し、各使用量の単位あたりの廃棄物量を示す原単位を乗じることで副産物量を導出してよい。そのほか、導出部116は、副出力データとしてCO2、SO2、NOx、BOD、COD等の物質量、大気汚染、空気室汚染、有害化学物質、オゾン層破壊、酸性化、騒音、地球温暖化、光化学オキシダント、富栄養化、資源消費、生態毒性、燃料消費、土地利用等の影響領域、被害評価による人間健康、社会試算、生物多様性、一次生産等の保護対象など、各副出力への各使用量の単位あたりの量を示す原単位を変換データとして用いて各副出力データの量を導出してよい。
【0050】
なお、上記副入力には設備の稼働には燃料の消費が含まれてよい。燃料には固体燃料(原料炭、一般炭、無煙炭、コークス、石油コークス、練炭又は豆炭、木材、木炭、その他の固体燃料)、液体燃料(コールタール、石油アスファルト、コンデンセート、原油(コンデンセート(NGL)を除く。)、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油、B・C重油、潤滑油、その他の液体燃料)、および気体燃料(液化石油ガス(LPG)、石油系炭化水素ガス、液化天然ガス(LNG)、天然ガス(液化天然ガス(LNG)を除く。)、コークス炉ガス、高炉ガス、転炉ガス、都市ガス、その他の気体燃料)が含まれてよい製品の製造に関して行われる活動は、熱および蒸気の少なくとも1つを消費する活動であってよい。
【0051】
また、管理装置100が管理するデータは生産に関する温室効果ガス排出量、人権問題対策及び災害リスク対策の少なくとも1つを含んでよい。人権問題対策は、例えば製品の製造(製品自体の組立等の加工に限らず、製品を構成する部品の組立等の加工、各部品を構成する素材(原材料等を含む)に対する加工など製品の製造に関するすべての工程を含む)において、児童労働が行われないような対策を行っているか否を示してよい。災害リスク対策は、災害が発生した場合に、製品の製造に影響を与えないような対策を行っているか否かを示してよい。また、管理装置100が管理するデータには以上に挙げたもののほか、自社が関連企業に入力を要求することを望む他のあらゆるものが含まれてよい。例えば、各種の被害算定型の環境影響評価、環境について、気候変動に関する製品カーボンフットプリント、自然資源に関する生物多様性・土地利用・原材料調達、廃棄物処理に関する有害物資・廃棄物管理・包装材および家電等の廃棄物、環境規制物質に関する含有化学物質・大気汚染物質・水質および土壌汚染、その他環境に関する技術・エネルギー・騒音・振動・悪臭等のデータが含まれてよい。また、社会について、人的資源に関する人権(児童労働・強制労働・労働時間・賃金・労働権・差別等)・労働管理および安全衛生・人的資本、製品サービスの安全性に関する安全品質・各物質の安全性・プライバシーおよびデータセキュリティ、地域との関係、ダイバーシティ・エクイティとインクルージョン、ウェルビーイングとエンゲージメント、コンプライアンスと倫理、その他社会に関するデータが含まれてよい。また、ガバナンスについて、企業行動に関する倫理・法令遵守、腐敗防止、リスクマネジメント・災害対策、税の透明性、その他ガバナンスに関するデータが含まれてよい。また、上述の各項目のデューデリジェンスに関するデータが含まれてよい。
【0052】
他の実施形態の1つとして、第1データが電気、水道、油およびガスの少なくとも1つの使用量を含み、第2データが製品の生産量を含み、第1時間間隔および第2時間間隔はいずれも10分間隔であってよい。指定受付部112は、表示期間を受け付けてよく、表示制御部114は、通信部120が受信した第1データおよび第2データのうち当該表示期間におけるデータを表示する制御を行ってよい。また、通信部120は上記第1データおよび第2データに関する設備の稼働状態を含む第3データを受信してよい。また、指定受付部112は、対象とする工場、製品、工程、集計方法、および第1データの種類のうち少なくとも1つの指定を受け付け、表示制御部114は、指定された工場、製品、工程、集計方法、および第1データの種類のうち少なくとも1つに応じて第1データおよび第2データの表示の制御を行ってよい。請求項1に記載の管理装置。例えば指定受付部112は、K2工場、P2製品、F2工程、集計方法として合計、および第1データの種類として電気の指定を受け付け、表示制御部114は当該指定された工場、製品、工程、集計方法、および第1データの種類の値を表示する制御を行ってよい。これにより、10分ごとに生産成果物と当該生産に用いられた生産用物との関係を細かな粒度および指定された任意の範囲で確認することができる。また、当該生産成果物および生産用物の量的推移と設備の稼働状態とを視認性よく確認することができる。
【0053】
表示制御部114は、導出部116が導出した副出力データを第1データとして第1時間間隔で表示する制御をしてよい。例えば導出部116が電気、油およびガスの使用量からそれぞれ温室効果ガス排出量を導出し、表示制御部114はこれらの温室効果ガス排出量の合計を第1データとして第1時間間隔で表示する制御をしてよい。また、これに加えて通信部120が同一工程における温室効果ガス排出量を第1データとして受信していた場合、表示制御部114は、当該受信した温室効果ガス排出量を前記導出部116が導出した温室効果ガス排出量に合計した値を第1データとして第1時間間隔で表示する制御をしてよい。また、表示制御部114は、導出部116が変換データを用いて導出した副出力データを「2次データ」、通信部120が受信した副出力データを「1次データ」(または当該副出力データにデータ品質の情報が含まれ、当該情報として「1次データ」または「2次データ」が識別されている場合には当該識別されたもの)として表示制御してよい。
【0054】
他の実施形態の1つとして、管理装置100は特定部(不図示)および対応指示部(不図示)を備えてよい。特定部は、表示制御部114による表示または導出部116による導出結果に対し、あらかじめ定められたフローまたはユーザーによる操作に基づいて一部のデータを特定する。対応指示部は、あらかじめ定められたフローまたはユーザーによる操作に基づいて、上記特定部による特定に対する対応を各種システム、装置、機器等に指示する信号を送信する。例えば、図7において上のグラフがある指定された期間における第1データとして電気の使用量を示し、下のグラフが第2データとして製品の生産量を示すものとする。特定部は、第1データで電気の使用量が最も多い時間間隔を特定するものとしてあらかじめ定めておく。対応指示部は、特定部により特定された時間間隔に対し、次の期間から空調等の他の機器等の使用を抑制する(例えば空調設備の設定温度を外気温に近く設定し電気の使用量を抑制する)フローをあらかじめ定めておく。この場合、対応指示部は、図7において電気の使用量が最も多い時間間隔である16時から17時について、次の期間では他の機器等の使用を抑制する指示を当該他の機器等の制御装置に対し行ってよい。
【0055】
他の例として、例えば対応指示部は、製品の生産用に蓄積された再生可能エネルギー(例えば水力、太陽光、風力、地熱、バイオマス等)由来の電気を、第2データで生産量が最も多い時間間隔において使用するように他の制御装置等に指示してもよい。電気の蓄積において蓄電装置、電気自動車等の蓄電池を利用してよい。同様に、特定された設備について太陽光発電装置から供給される電力を使用するように他の制御装置(分電盤、制御盤)等に指示してよい。太陽光発電装置は、太陽光発電モジュール(太陽光パネル、ペロブスカイト太陽電池等)によって発電された電力を、インバータを介して電力会社の電力系統と連携し、太陽光発電モジュールによって発電された電力を優先的に当該設備に供給する。なお、対応指示部は、太陽光発電モジュールによって発電された電力のみでは賄えなかった電力不足分を電力系統側から供給(買電)を受けて当該設備を稼働させ、または余った電力を電力系統側に逆潮流または電力需要家に供給(売電)させる指示を他の制御装置等に対し行ってよい。そのほか、対応指示部は異常報知、削減行動(旧式の設備の最新式への入れ替え、省エネ活動、再生可能エネルギー導入、エネルギーマネジメント、デマンドレスポンス、電力取引等)のレコメンドおよび業者選定におけるリバースオークション、ユーザーへの特定の時間帯における行動(例えば節電、省エネ、自家用車ではなく公共交通機関の利用等)への特典付与、環境価値やクレジット等の購入・創出事業者への出資等による環境価値やクレジット等の購入予約、目標と現状との差分の表示等の指示を他の機器等に対し行ってよい。
【0056】
他の実施形態の1つとして、導出部116は、第2データの単位あたりの第1データの値を導出してもよい。例えば、図7において上のグラフがある指定された期間における第1データとして生産用物の使用量を示し、下のグラフが第2データとして生産成果物の生産量を示し、第1時間間隔および第2時間間隔はいずれも1つの生産成果物の生産に要する時間間隔で設定されているものとする。この場合、第1データの1つの時間間隔で使用された生産用物の使用量は、当該時間間隔の次の時間間隔における第2データの生産成果物の生産のために使用された使用量を表す。したがって、例えば図9(e)は、生産成果物の生産の第2時間間隔に対応する生産用物の使用の第1時間間隔(すなわち、第2時間間隔に対し1つ前の第1時間間隔)について前記生産量を前記使用量で除算した値を示してよい。以上のとおり、導出部116は、第1データの第1時間間隔の1つにおける値を、第2データの第2時間間隔であって当該第1時間間隔の1つの次の時間間隔にあたる時間間隔における値で除算することによって、第2データの単位あたりの第1データの値を導出することができる。これにより、例えば生産成果物1つあたりのカーボンフットプリント(副出力データのうち温室効果ガス排出量)を視認性よく示すことができる。
【0057】
以上の説明では第1データおよび第2データが主に量的データ、第3データが主に質的データとして説明したが、各データは量および質のいずれを含んでもよい。また、量的データについては数量のほか、重量、質量、密度、比重量、仕事量、長さ、距離、時間、面積、体積、角度、角速度、加速度、モーメント、応力、圧力、エネルギー、動力、電流量、熱量、温度、光度等の物理量、円などの経済価値、その他の単位でもよく、各単位は機能単位または宣言単位など人為的に定められた単位でもよい。機能単位の場合、当該製品の意図された機能の提供に関する定量化された性能または効用の度合いとして定義されてよい。また、宣言単位の場合、所定の機能を実現するための製品の個数または量等として定義されてよい。また、質的データは設備の稼働状態のほか、設備の耐用年数、メーカー、定格電力、使用年数、熱効率、連続運転時間、断熱性等の性能等を含んでよい。
【0058】
他の実施形態の1つとして、管理装置100は推定部(不図示)を備えてよい。本実施形態では表示制御部114および導出部116は記憶部130に格納されたデータの表示制御または変換等の計算処理を行う例を示した。一方、推定部は、当該データをもとに各種の推定を実行してよい。例えば推定部は、記憶部130に格納されたデータに対し回帰分析等の統計処理を行うことによりデータの補間、予測等を行ってよい。また、推定部は、記憶部130に格納されたデータに基づく機械学習(深層学習、強化学習等)を行い各種の推定、分類、予測等を行ってよい。記憶部130には学習モデルが格納されていてよく、当該学習モデルは各データを教師データとして機械学習により生成された学習モデルであってよい。予測については、例えば電力需要の予測は天気、気温、発電所の停止情報、電源の供給予備率、連系線空容量、フォワードカーブ(電力、石炭、原油およびLNGに関するものを含む)、石炭輸入価格、原油輸入価格、LNG輸入価格、電力スポット市場における電力の取引価格の過去の変動などの情報に基づいて生成された学習モデルや、これらの情報を基にした統計学手法などにより実現されてよい。また分類については、機械学習のモデルまたはアルゴリズムは、分類の問題を解決するものであって、例えばロジスティック回帰(リッジ正則化およびラッソ正則化を含む)、ランダムフォレスト、サポートベクタマシン、ニューラルネットワーク(多層パーセプトロンを含む)などを含んでよい。また、これらの分類予測の精度の評価は、推定された条件付き確率の平均二乗誤差、ROC(Receiver Operating Characteristic)曲線下の面積として定量化されるAUC(Area Under the Curve)、カルバック・ライブラーダイバージェンスの最小化問題における対数損失、および実測値と予測値とをプロットするキャリブレーションプロット等のうち1または複数により行われてよい。ここで、機械学習のアルゴリズムまたはモデルの分類予測の精度は、教師データの数および特徴量(例えば学習に用いられる電力使用量のデータの取得日数や付加する属性情報)等により変動する。したがって、学習モデルの選択は、予め定められた条件において各機械学習のアルゴリズムまたはモデルによる分類精度の評価結果を比較することにより行われてよい。また、学習モデルの選択においては、学習および分類に要する計算コストの低いものが優先されてよい。以上のとおり、推定部によって管理装置は通信部が受信したデータとは異なる関連データについても予測、分類等により表示制御、特定、導出、対応指示等を行うことができる。
【0059】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0060】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0061】
また、各実施形態の態様はコンピュータによって全体的または部分的に具現化され得る。当該コンピュータの一例として、当該コンピュータにインストールされたプログラムは、コンピュータに、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータに当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータに、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータに、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPUによって実行されてよい。
【符号の説明】
【0062】
10 管理システム
50 ネットワーク
100 管理装置
110 制御部
112 指定受付部
114 表示制御部
116 導出部
120 通信部
130 記憶部
200 端末
300 送信装置
702 第1データを示すグラフ
704 第2データを示すグラフ
1002 第3データを示すグラフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10