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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020419
(43)【公開日】2025-02-12
(54)【発明の名称】端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0457 20230101AFI20250204BHJP
   H04W 72/1268 20230101ALI20250204BHJP
   H04W 72/21 20230101ALI20250204BHJP
   H04W 8/22 20090101ALI20250204BHJP
【FI】
H04W72/0457 110
H04W72/1268
H04W72/21
H04W8/22
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024199513
(22)【出願日】2024-11-15
(62)【分割の表示】P 2022511448の分割
【原出願日】2020-04-01
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 翔平
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(57)【要約】      (修正有)
【課題】多数のコンポーネントキャリアが設定される場合において通信制御の柔軟性の向上を実現する端末を提供する。
【解決手段】無線通信システムにおいて、端末200は、1以上のコンポーネントキャリアを介してデータの通信を実行する通信装置を備え、通信装置は、1以上の物理上りリンク制御チャネルの設定に基づいて、1以上のコンポーネントキャリアを用いて、上りリンク制御情報をネットワークに送信する所定送信を実行する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンポーネントキャリアを介してデータの通信を実行する通信部を備え、
前記通信部は、1以上の物理上りリンク制御チャネルの設定に基づいて、前記複数のコンポーネントキャリアに跨る物理上りリンク制御チャネルリソースを用いて、前記複数のコンポーネントキャリアに跨る上りリンク制御情報をネットワークに送信する所定送信を実行する、端末。
【請求項2】
前記所定送信を実行する能力があるか否かを示す情報要素を前記ネットワークに送信する送信部を備える、請求項1に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信を実行する端末、特に、多数のコンポーネントキャリアを用いて無線通信を実行する端末に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR)またはNext Generation(NG)とも呼ばれる)を仕様化し、さらに、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる次世代の仕様化も進めている。
【0003】
3GPPのRelease 15及びRelease 16(NR)では、複数の周波数レンジ、具体的には、FR1(410 MHz~7.125 GHz)及びFR2(24.25 GHz~52.6 GHz)を含む帯域の動作が仕様化されている。
【0004】
また、52.6GHzを超え、71GHzまでをサポートするNRについても検討が進められている(非特許文献1)。さらに、Beyond 5G、5G Evolution或いは6G(Release-18以降)は、71GHzを超える周波数帯もサポートすることを目標としている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】"New WID on Extending current NR operation to 71 GHz", RP-193229, 3GPP TSG RAN Meeting #86, 3GPP, 2019年12月
【発明の概要】
【0006】
上述したように、使用可能な周波数帯が拡張されると、より多くのコンポーネントキャリア(CC)が設定される可能性が高まると想定される。
【0007】
キャリアアグリゲーション(CA)では、設定できるCC数が規定されている。例えば、3GPPのRelease 15及びRelease 16では、端末(User Equipment, UE)に対して設定できるCCの最大数は、下りリンク(DL)及び上りリンク(UL)において、それぞれ16である。
【0008】
このような背景下において、発明者等は、鋭意検討の結果、多数のCCに関するチャネル品質が類似するという想定に着目し、複数のCCを用いる通信制御の柔軟性を向上することが可能であることを見出した。
【0009】
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、多数のコンポーネントキャリア(CC)が設定される場合において通信制御の柔軟性の向上を実現し得る端末の提供を目的とする。
【0010】
本開示の一態様は、端末であって、1以上のコンポーネントキャリアを介してデータの通信を実行する通信部を備え、前記通信部は、1以上の物理上りリンク制御チャネルの設定に基づいて、1以上のコンポーネントキャリアを用いて、上りリンク制御情報をネットワークに送信する所定送信を実行することを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
図2図2は、無線通信システム10において用いられる周波数レンジを示す図である。
図3図3は、無線通信システム10において用いられる無線フレーム、サブフレーム及びスロットの構成例を示す図である。
図4図4は、UE200の機能ブロック構成図である。
図5図5は、PUCCHのリソース設定について説明するための図である。
図6図6は、PUCCHのリソース設定について説明するための図である。
図7図7は、PUCCHのリソース設定について説明するための図である。
図8図8は、動作例1を示す図である。
図9図9は、動作例2を示す図である。
図10図10は、変更例1を説明するための図である。
図11図11は、UE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0013】
[実施形態]
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、5G New Radio(NR)に従った無線通信システムであり、Next Generation-Radio Access Network 20(以下、NG-RAN20)、及び端末200(以下、UE200)を含む。
【0014】
なお、無線通信システム10は、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる方式に従った無線通信システムでもよい。
【0015】
NG-RAN20は、無線基地局100A(以下、gNB100A)及び無線基地局100B(以下、gNB100B)を含む。なお、gNB及びUEの数を含む無線通信システム10の具体的な構成は、図1に示した例に限定されない。
【0016】
NG-RAN20は、実際には複数のNG-RAN Node、具体的には、gNB(またはng-eNB)を含み、5Gに従ったコアネットワーク(5GC、不図示)と接続される。なお、NG-RAN20及び5GCは、単に「ネットワーク」と表現されてもよい。
【0017】
gNB100及びgNB100Bは、5Gに従った無線基地局であり、UE200と5Gに従った無線通信を実行する。gNB100、gNB100B及びUE200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームBMを生成するMassive MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)、複数のコンポーネントキャリア(CC)を束ねて用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。
【0018】
また、無線通信システム10は、複数の周波数レンジ(FR)に対応する。図2は、無線通信システム10において用いられる周波数レンジを示す。
【0019】
図2に示すように、無線通信システム10は、FR1及びFR2に対応する。各FRの周波数帯は、次のとおりである。
【0020】
・FR1:410 MHz~7.125 GHz
・FR2:24.25 GHz~52.6 GHz
FR1では、15, 30または60kHzのSub-Carrier Spacing(SCS)が用いられ、5~100MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。FR2は、FR1よりも高周波数であり、60,または120kHz(240kHzが含まれてもよい)のSCSが用いられ、50~400MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。
【0021】
なお、SCSは、numerologyと解釈されてもよい。numerologyは、3GPP TS38.300において定義されており、周波数ドメインにおける一つのサブキャリア間隔と対応する。
【0022】
さらに、無線通信システム10は、FR2の周波数帯よりも高周波数帯にも対応する。具体的には、無線通信システム10は、52.6GHzを超え、114.25GHzまでの周波数帯に対応する。このような高周波数帯は、便宜上「FR2x」と呼ばれてもよい。
【0023】
このような問題を解決するため、52.6GHzを超える帯域を用いる場合、より大きなSub-Carrier Spacing(SCS)を有するCyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM)/Discrete Fourier Transform - Spread(DFT-S-OFDM)を適用してもよい。
【0024】
図3は、無線通信システム10において用いられる無線フレーム、サブフレーム及びスロットの構成例を示す。
【0025】
図3に示すように、1スロットは、14シンボルで構成され、SCSが大きく(広く)なる程、シンボル期間(及びスロット期間)は短くなる。SCSは、図3に示す間隔(周波数)に限定されない。例えば、480kHz、960kHzなどが用いられてもよい。
【0026】
また、1スロットを構成するシンボル数は、必ずしも14シンボルでなくてもよい(例えば、28、56シンボル)。さらに、サブフレーム当たりのスロット数は、SCSによって異なっていてよい。
【0027】
なお、図3に示す時間方向(t)は、時間領域、シンボル期間またはシンボル時間などと呼ばれてもよい。また、周波数方向は、周波数領域、リソースブロック、サブキャリア、BWP (Bandwidth part)などと呼ばれてもよい。
【0028】
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、UE200の機能ブロック構成について説明する。
【0029】
図4は、UE200の機能ブロック構成図である。図4に示すように、UE200は、無線信号送受信部210、アンプ部220、変復調部230、制御信号・参照信号処理部240、符号化/復号部250、データ送受信部260及び制御部270を備える。
【0030】
無線信号送受信部210は、NRに従った無線信号を送受信する。無線信号送受信部210は、Massive MIMO、複数のCCを束ねて用いるCA、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うDCなどに対応する。
【0031】
アンプ部220は、PA (Power Amplifier)/LNA (Low Noise Amplifier)などによって構成される。アンプ部220は、変復調部230から出力された信号を所定の電力レベルに増幅する。また、アンプ部220は、無線信号送受信部210から出力されたRF信号を増幅する。
【0032】
変復調部230は、所定の通信先(gNB100または他のgNB)毎に、データ変調/復調、送信電力設定及びリソースブロック割当などを実行する。変復調部230では、Cyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM)/Discrete Fourier Transform - Spread(DFT-S-OFDM)が適用されてもよい。また、DFT-S-OFDMは、上りリンク(UL)だけでなく、下りリンク(DL)にも用いられてもよい。
【0033】
制御信号・参照信号処理部240は、UE200が送受信する各種の制御信号に関する処理、及びUE200が送受信する各種の参照信号に関する処理を実行する。
【0034】
具体的には、制御信号・参照信号処理部240は、gNB100から所定の制御チャネルを介して送信される各種の制御信号、例えば、無線リソース制御レイヤ(RRC)の制御信号を受信する。また、制御信号・参照信号処理部240は、gNB100に向けて、所定の制御チャネルを介して各種の制御信号を送信する。
【0035】
制御信号・参照信号処理部240は、Demodulation Reference Signal(DMRS)、及びPhase Tracking Reference Signal (PTRS)などの参照信号(RS)を用いた処理を実行する。
【0036】
DMRSは、データ復調に用いるフェージングチャネルを推定するための端末個別の基地局~端末間において既知の参照信号(パイロット信号)である。PTRSは、高い周波数帯で課題となる位相雑音の推定を目的した端末個別の参照信号である。
【0037】
なお、参照信号には、DMRS及びPTRS以外に、Channel State Information-Reference Signal(CSI-RS)、Sounding Reference Signal(SRS)、及び位置情報用のPositioning Reference Signal(PRS)が含まれてもよい。
【0038】
また、チャネルには、制御チャネルとデータチャネルとが含まれる。制御チャネルには、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、RACH(Random Access Channel)、Random Access Radio Network Temporary Identifier(RA-RNTI)を含むDownlink Control Information (DCI))、及びPhysical Broadcast Channel(PBCH)などが含まれる。
【0039】
また、データチャネルには、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)などが含まれる。データとは、データチャネルを介して送信されるデータを意味する。データチャネルは、共有チャネルと読み替えられてもよい。
【0040】
実施形態では、制御信号・参照信号処理部240は、1以上のCCを介してデータの通信を実行する通信部を構成する。制御信号・参照信号処理部240は、1以上のCCを用いて、上りリンク制御情報(UCI: Uplink Control Information)をネットワーク(例えば、NG-RAN20)に送信する所定送信を実行する。UCIは、1以上のTBに対する確認応答(HARQ-ACK)を含んでもよい。UCIは、リソースのスケジューリングを要求するSR(Scheduling Request)を含んでもよく、チャネルの状態を表すCSI(Channel State Information)を含んでもよい。UCIは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control Channel)を介して送信されてもよく、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH: Physical Uplink Shared Channel)を介して送信されてもよい。
【0041】
符号化/復号部250は、所定の通信先(gNB100または他のgNB)毎に、データの分割/連結及びチャネルコーディング/復号などを実行する。
【0042】
具体的には、符号化/復号部250は、データ送受信部260から出力されたデータを所定のサイズに分割し、分割されたデータに対してチャネルコーディングを実行する。また、符号化/復号部250は、変復調部230から出力されたデータを復号し、復号したデータを連結する。
【0043】
データ送受信部260は、Protocol Data Unit (PDU)ならびにService Data Unit (SDU)の送受信を実行する。具体的には、データ送受信部260は、複数のレイヤ(媒体アクセス制御レイヤ(MAC)、無線リンク制御レイヤ(RLC)、及びパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル・レイヤ(PDCP)など)におけるPDU/SDUの組み立て/分解などを実行する。また、データ送受信部260は、ハイブリッドARQ(Hybrid automatic repeat request)に基づいて、データの誤り訂正及び再送制御を実行する。
【0044】
制御部270は、UE200を構成する各機能ブロックを制御する。特に、本実施形態では、制御部270は、所定のCCを介して受信する1以上のDCIを用いて、1以上のCCの通信を制御する。所定のCCは、複数のCCに含まれる1以上のCCであってもよい。1以上のCCの通信は、1以上のCCを用いたUCIの送信を含んでもよい。
【0045】
(3)PUCCHリソース設定
図5図7は、UCIがPUCCH又はPUSCHを介して送信されるケースにおけるPUCCHのリソース設定について示す図である。図5図7では、CC#0及びCC#1を介してUCIが送信されるケースが例示されている。PUCCHに用いるリソース(以下、PUCCH resource)は、上位レイヤによって設定される。PUCCH resourceは、RRCメッセージに含まれる情報要素によって設定される。このような情報要素は、PUCCH-Config.と呼称されてもよい。PUCCH-Config.には、1以上のPUCCH resource set及び1以上のPUCCH resourceが設定され、1以上のPUCCH resource setは、1以上のPUCCH resourceを指定する情報要素を含む。SR、CSI送信用のPUCCH resourceを設定する上位レイヤパラメータが上記PUCCH resource setと別に設定されてもよい。本開示において、PUCCH-Config.又はPUCCH resourceは、PUCCH resource setに置き換えられてもよい。
【0046】
第1に、図5に示すように、PUCCH-Config.は、複数のCCに跨るPUCCH resourceを指定可能な情報要素であってもよい。PUCCH-Config.には、1以上のPUCCH resource setが設定され、また、1以上のPUCCH resourceが設定されてもよい。各PUCCH resourceは、複数のCCのいずれか1以上のCCについて設定されてもよく、複数のCCに跨るPUCCH resourceを指定可能である。図5に示す例では、PUCCH-Config.は、CC#0のPUCCH resourceを対象とする設定であってもよく、CC#1のPUCCH resourceを対象とする設定であってもよい。PUCCH-Config.は、CC#0及びCC#1の双方に跨るPUCCH resourceを対象とする設定であってもよい。このようなケースにおいて、UCIは、CC#0及びCC#1に跨がるPUCCHを介して送信される。なお、本開示において、複数のCCにPUCCHが跨がるとは、あるPUCCHが複数のCCにマッピングされることであってもよく、複数のCCを介して送信又は受信されてもよい。
【0047】
第2に、図6に示すように、PUCCH-Config.は、複数のCCに跨がるPUCCH resourceを指定できない情報要素であってもよい。PUCCH-Config.には、1以上のPUCCH resource setが設定され、また、1以上のPUCCH resourceが設定されてもよい。各PUCCH resourceは、複数のCCのいずれか1つのCCについて設定されてもよく、複数のCCに跨り得なくてもよい。複数のCCのいずれか1つのCCは、いずれのCCであってもよく、特定のCCに限定されてもよい。図6に示す例では、PUCCH-Config.は、CC#0のPUCCH resourceを対象とする設定である。PUCCH resourceの設定において、PUCCH resourceが複数のCCに跨ることは許容されていないが、UCIの送信においては、当該PUCCH resourceに基づくPUCCHが複数のCCに跨ってもよい。例えば、UE200及びNG-RAN20は、UCIのペイロードサイズ、UCIのコーディングレート、UCIの変調順序、及び、複数のCCに跨がった送信を示すIndicationの中から選択された1以上のパラメータに基づいて、複数のCCに跨がるか否かを決定してもよい。
【0048】
第3に、図7に示すように、PUCCH-Config.は、複数のCCに跨がるPUCCH resourceを指定できない情報要素であってもよい。PUCCH-Config.には、1以上のPUCCH resource setが設定され、また、1以上のPUCCH resourceが設定されてもよい。各PUCCH resourceは、複数のCCのいずれか1つのCCについて設定されてもよく、複数のCCに跨り得なくてもよい。複数のCCのいずれか1つのCCは、いずれのCCであってもよく、特定のCCに限定されてもよい。図7に示す例では、PUCCH-Config.は、CC#0のPUCCH resourceを対象とする設定である。PUCCH resourceの設定においてPUCCH resourceが複数のCCに跨ることは許容されなくてもよい。このようなケースにおいて、CC#0及びCC#1に跨がるPUCCHを介したUCIの送信が許容されなくてもよい。すなわち、UCIは、CC#0にマッピングされるPUCCHを介して送信される。
【0049】
ここで、複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceを適用するか否かは、RRCメッセージに含まれる情報要素によってUE200に適用されてもよく、DCIに含まれる情報要素によってUE200に適用されてもよい。適用は、enable又はactivateと称されてもよい。非適用は、disable又はinactivateと称されてもよい。
【0050】
また、2つの上位レイヤパラメータ群が設定されてもよい。例えば、一方の上位レイヤパラメータ群は、複数のCCに関連するPUCCH-Config.であって、異なるCCにおけるPUCCH resourceを指定するパラメータを含んでもよく、複数のCCに跨るPUCCH resourceを指定するパラメータを含んでもよい。もう一方の上位レイヤパラメータ群は、単一のCCに関連するPUCCH-Config.であって、単一のCCにおけるPUCCH resourceを指定するパラメータを含んでもよい(すなわち、従来のPUCCH-Config.と同様)。
【0051】
なお、複数のCCは、intra-bandにおいて連続するCCであってもよい。複数のCCは、スケジューリングセルに含まれるCCであってもよく、PDCCHのsearch spaceに含まれるCCであってもよい。PDCCHのsearch spaceは、SI(System Information)-RNTI(Radio Network Temporary Identifier)、RA(Random Access)-RNTI、TC(Temporary Cell)-RNTI、C(Cell)-RNTI、P(Paging)-RNTI、INT(Interruption)-RNTI、SFI(Slot Format Indication)-RNTI、TPC(Transmit Power Control)-PUSCH-RNTI、TPC-PUCCH-RNTI、TPC-SRS-RNTI, SP(Semi Persistent)-CSI(Channel State Information)-RNTIなどのRNTIによって定義されてもよい。複数のCCは、サービングセルの設定が共通して適用されるCCであってもよい。サービングセルの設定は、TDD DL/UL Configuration、SCS specific carrier listを含んでもよい。
【0052】
このような背景下において、UE200は、複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceの適用を指示する情報要素を含むRRCメッセージをNG-RAN20から受信してもよい。複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceの適用を指示する情報要素は、PUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceが適用されるCCの識別情報及び複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceを適用する旨(例えば、enable)を含んでもよい。UE200は、複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceの非適用を指示する情報要素を含むRRCメッセージをNG-RAN20から受信してもよい。複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceの非適用を指示する情報要素は、PUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceが非適用とされるCC及び複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceを非適用とする旨(例えば、disable)を含んでもよい。PUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceの適用又は非適用を指示する上表要素は、ビット位置によってCCを特定可能なビットマップ情報であり、各ビットは、ビット位置に対応するCCが複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceを適用可能であるか否かを示す情報要素であってもよい。
【0053】
UE200は、DCIに含まれる情報要素に基づいて、複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceを適用するCCを特定してもよい。例えば、UE200は、DCIに含まれるCI(Channel Indicator)フィールドに格納されるCIに基づいて、PUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceを適用するCCを特定する。例えば、図5に示すケースを例に挙げると、CIがCC#0及びCC#1を示す値である場合には、PUCCH-Config.及び/又はPUCCH resourceが適用されるCCは、CC#0及びCC#1である。
【0054】
さらに、複数のCCに含まれる2つのCCが周波数ドメインにおいて隣り合っている場合には、2つのCCの間のGuard Subcarrier(s)についてPUCCHのマッピングが実行されてもよい。言い換えると、連続するCC間のGuard Subcarrier(s)がリソースとして用いられてもよい。或いは、2つのCCの間のGuard Subcarrier(s)は、Rate Matchingされてもよい。すなわち、PUCCHは、Guard Subcarrier(s)にマッピングされず、Guard Subcarrier(s)を超えて順番にマッピングされてもよい。
【0055】
(4)TDD設定
複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又は複数のCCに跨がるPUCCH resourceが適用され得るケースにおいては、TDD設定は以下のように定められてもよい。
【0056】
第1に、同一のTDD(Time Division Duplex)設定が複数のCCに適用されていることが期待されてもよい。すなわち、同一のTDD(Time Division Duplex)設定が複数のCCに適用されている場合にのみ、複数のCCに関連するPUCCH-Config.及び/又は複数のCCに跨がるPUCCH resourceが適用されてもよい。TDD設定は、RRCメッセージの情報要素(上位レイヤパラメータ)の一例であり、TDD UL/DL Common Configurationと呼称されてもよく、TDD UL/DL Dedicated Configurationと呼称されてもよい。または、TDD設定は特定のDCI(例えば、SFI)によって指示されてもよい。
【0057】
第2に、時間ドメインにおいてDL及びULが割り当てられるシンボルのパターン(以下、D/U Type)が複数のCC間で同一であってもよい。使用できるPUCCHは、D/U Typeが同一である1以上のCCに跨がったリソースに限定されてもよい。なお、異なるD/U TypeのCCが複数のCCに含まれる場合には、PUCCHを1つのCCにマッピングする既存の制御が実行されてもよい。
【0058】
(5)マッピング
PUCCHを複数のCCにマッピングする順序は、時間ドメインに含まれるn番目の単位においてPUCCHを複数のCCに跨がって周波数ドメインにマッピングした後に、時間ドメインに含まれるn+1番目の単位においてPUCCHを複数のCCに跨がって周波数ドメインにマッピングする順序であってもよい(例えば、図9を参照)。或いは、PUCCHを複数のCCにマッピングする順序は、m番目のCCにおいて時間ドメインに含まれるn番目の単位においてPUCCHを周波数ドメインにマッピングした後に、時間ドメインに含まれるn+1番目の単位においてPUCCHを周波数ドメインにマッピングし、m+1番目のCCにおいてこれを繰り返す順序であってもよい。
【0059】
PUCCHが複数のCCにマッピングされる場合において、異なるUCI typeが異なるCCにマッピングされてもよい。UCI typeは、HARQ-ACK、SR、CSIなどのタイプを含んでもよい。例えば、CC#0およびCC#1にマッピングされるPUCCHにおいて、HARQ-ACKがCC#0を介して送信され、SR及びCSIがCC#1を介して送信されてもよい。
【0060】
(6)周波数ホッピング
PUCCH-Config.が複数のCCに関連するケース及び/又はPUCCH resourceが複数のCCに跨がるケースにおいて、周波数ホッピング(FH)が設定されなくてもよい。また、FHが設定されたとしても、FHが適用されなくてもよい。FHを設定する情報要素は、RRCメッセージに含まれる情報要素(上位レイヤパラメータ)の一例である。
【0061】
PUCCH-Config.が複数のCCに関連するケース及び/又はPUCCH resourceが複数のCCに跨がるケースにおいて、FHがサポートされている場合には、PRB Indexは複数のCCを跨がった形式で定義されてもよい。例えば、図8に示すケースにおいて、CC#0及びCC#1に含まれるPRB Indexは、CC毎に独立するのではなく、CC間で連続する形式で定義されてもよい。或いは、FHを開始するPRBは、CCのCC Index及びCC内のPRB Indexによって定義されてもよい。
【0062】
(7)動作例
(7.1)動作例1
図8に示すように、ステップS10において、UE100は、複数のCCに関連するPUCCH-Config.を含むRRCメッセージをNG-RAN20から受信する。RRCメッセージは、複数のCCに関連するPUCCH-Config.の適用を指示する情報要素を含んでもよい(図5を参照)。
【0063】
ステップS11において、UE200は、所定のCCにマッピングされるPDCCHを介して1以上のDCIをNG-RAN20から受信する。
【0064】
ステップS12において、UE200は、ステップS11で受信したDCIに基づいて、1以上のCCにマッピングされるPDSCHを介してデータを受信する。
【0065】
ステップS13において、UE200は、ステップS11で受信したDCIに基づいて、PUCCHを介してデータを送信する。実施形態では、UE200は、複数のCCに跨がるPUCCHを介してUCIを送信する。例えば、UCIは、PDSCHを介して受信するデータに対するHARQ-ACKを含んでもよい。
【0066】
図8では、PUCCH-Config.が複数のCCに跨がる1つのPUCCH resourceを指定可能なケースについて例示した(図5を参照)。しかしながら、PUCCH-Config.は、図6に示すように、複数のCCに跨がる1つのPUCCH resourceを指定できない情報要素であってもよい。
【0067】
(7.2)動作例2
図9に示すように、ステップS20において、UE100は、複数のCCに関連するPUCCH-Config.を含むRRCメッセージをNG-RAN20から受信する(図5を参照)。
【0068】
ステップS21において、UE200は、所定のCCにマッピングされるPDCCHを介して1以上のDCIをNG-RAN20から受信する。UE200は、DCIに含まれる情報要素に基づいて、複数のCCに関連するPUCCH-Config.を適用するCCを特定してもよい。例えば、UE200は、DCIに含まれるCIフィールドに格納されるCIに基づいて、PUCCH-Config.を適用するCCを特定する。
【0069】
ステップS22において、UE200は、ステップS21で受信したDCIに基づいて、1以上のCCにマッピングされるPDSCHを介してデータを受信する。
【0070】
ステップS23において、UE200は、ステップS21で受信したDCIに基づいて、PUCCHを介してデータを送信する。実施形態では、UE200は、複数のCCに跨がるPUCCHを介してUCIを送信する。例えば、UCIは、PDSCHを介して受信するデータに対するHARQ-ACKを含んでもよい。
【0071】
図9では、PUCCH-Config.が複数のCCに跨がる1つのPUCCH resourceを指定可能なケースについて例示した(図5を参照)。しかしながら、PUCCH-Config.は、図6に示すように、複数のCCに跨がる1つのPUCCH resourceを指定できない情報要素であってもよい。
【0072】
(8)作用・効果
実施形態では、UE200は、一又は複数のCCを用いてUCIをネットワークに送信する所定送信を実行する。このような構成によれば、多数のCCが設定される場合において、通信制御の柔軟性の向上を実現することができる。また、UCIに適用されるコーディングレートの低減、bit数が増大したUCIの短時間送信などを実現することができる。
【0073】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について説明する。
【0074】
具体的には、UE200は、所定送信を実行する能力があるか否かを示す情報要素をネットワーク(NG-RAN20)に送信する。具体的には、図10に示すように、ステップS30において、UE200は、所定送信を実行する能力があるか否かを示す情報要素を含むUE capabilityをNG-RAN20に送信(報告)する。
【0075】
特に限定されるものではないが、UE200は、NG-RAN20とRRCコネクションが設定された場合に、ステップS30を実行してもよい。言い換えると、ステップS30は、図8又は図9に示す処理よりも前に実行されてもよい。
【0076】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について説明する。変更例2では、所定送信が適用される所定条件について説明する。
【0077】
所定条件は、複数のCCに含まれる所定のCCを介して受信する1以上のDCIに基づいて複数のCCが制御されることであってもよい。
【0078】
所定条件は、所定のCCを介して受信する1以上のDCIが所定送信を適用する旨を指示することであってもよい(第1所定条件)。所定送信を適用する旨を指示するDCIの受信に用いられる複数のCCについて所定送信が適用されてもよい。DCIは、所定送信を適用する旨を示す情報要素(enable)を含んでもよい。DCIは、所定送信を非適用とする旨を示す情報要素(disable)を含んでもよい。所定送信が適用され得る複数のCCは、RRCメッセージによって設定されてもよく、予め定められていてもよい。
【0079】
所定条件は、RRCメッセージが所定送信を適用する旨を指示することであってもよい(第2所定条件)。RRCメッセージは、所定送信を適用する旨を示す情報要素(enable)を含んでもよい。RRCメッセージは、所定送信を非適用とする旨を示す情報要素(disable)を含んでもよい。RRCメッセージは、ビット位置によってCCを特定可能なビットマップ情報であり、各ビットは、ビット位置に対応するCCに所定送信が適用されるか否かを示す情報要素を含んでもよい。RRCメッセージは、所定送信が適用されるCCの識別情報を含んでもよい。所定送信が適用され得る複数のCCは、RRCメッセージによって設定されてもよく、予め定められていてもよい。
【0080】
上述したように、UE200(制御部270)は、所定送信を適用するか否かを示す情報要素を含むRRCメッセージに基づいて、所定条件(例えば、上述した第1所定条件)が満たされているか否かを判断してもよい。UE200(制御部270)は、所定送信を適用するか否かを示す情報要素を含むRRCメッセージに基づいて、所定条件(例えば、上述した第2所定条件)が満たされているか否かを判断してもよい。
【0081】
さらに、UE200(制御部270)は、RRCメッセージ及びDCIに基づいて、所定条件が満たされているか否かを判断してもよい。例えば、UE200は、RRCメッセージによって所定送信が適用され得る複数のCCを設定し、設定されたCCの中からDCIに基づいて所定送信を適用するCCを特定してもよい。
【0082】
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について説明する。
【0083】
実施形態では、UCIがPUCCHを介して送信されるケースについて例示した。これに対して、変更例3では、UCIが複数のCCに跨るPUSCHを介して送信されるケースについて説明する。UCIが複数のCCに跨るPUSCHを介して送信されるケースは、UCIの送信に用いられる予定のPUCCHがPUSCHと時間領域で衝突し、UCIがPUSCHに多重されるケースであってもよく、PUSCHを介してUCIを送信するよう指示されたケースであってもよい。
【0084】
第1オプションとしては、UCIは、当該PUSCHのうちの特定のCCにマッピングされ、送信されてもよい。特定のCCは、1つのCCであってもよい。
【0085】
第2オプションとしては、UCIは、当該PUSCHのうちの複数のCCに跨がってマッピングされ、送信されてもよい。
【0086】
第2オプションにおいて、UCI(UCIの送信に用いるPUSCHのRE)を複数のCCにマッピングする順序は、PUCCH(UCI)を複数のCCにマッピングする順序と同様に考えてもよい。すなわち、UCIを複数のCCにマッピングする順序は、時間ドメインに含まれるn番目の単位においてUCIを複数のCCに跨がって周波数ドメインにマッピングした後に、時間ドメインに含まれるn+1番目の単位においてUCIを複数のCCに跨がって周波数ドメインにマッピングする順序であってもよい。或いは、UCIを複数のCCにマッピングする順序は、m番目のCCにおいて時間ドメインに含まれるn番目の単位においてUCIを周波数ドメインにマッピングした後に、時間ドメインに含まれるn+1番目の単位においてUCIを周波数ドメインにマッピングし、m+1番目のCCにおいてこれを繰り返す順序であってもよい。
【0087】
第2オプションにおいて、UCIの送信に用いるPUSCHの各CCにおけるREの数は所定数以下に制限されてもよい。UCIの送信に用いるPUSCHのREは、複数のCCに含まれる周波数ドメインにおいて、離散的にマッピングされてもよく、局所的にマッピングされてもよい。
【0088】
第1オプション及び第2オプションは、上位レイヤパラメータによって切り替えられてもよい。例えば、第1オプション及び第2オプションのいずれかを指定する情報要素を含むRRCメッセージによって、第1オプション及び第2オプションが切り替えられてもよい。
【0089】
第1オプション及び第2オプションは、UCIの送信に用いられる予定のPUCCHがPUSCHと時間領域で衝突し、UCIがPUSCHに多重されるケースにおいて、PUCCHが複数のCCに跨がっているか否かに基づいて切り替えられてもよい。例えば、複数のCCに跨がったPUCCHのマッピングが適用されていない場合に、PUSCHについて第1オプションが採用され、複数のCCに跨がったPUCCHのマッピングが適用されている場合に、PUSCHについて第2オプションが採用されてもよい。
【0090】
第1オプション及び第2オプションは、UCI typeに基づいて切り替えられてもよい。UCI typeは、HARQ-ACK、SR、CSIなどのタイプを含んでもよい。例えば、HARQ-ACKについて第1オプションが適用され、SR及びCSIについて第2オプションが適用されてもよい。
【0091】
第1オプション及び第2オプションについて、PUSCHを介して送信されるUCIに適用されるbeta-offsetとして異なる値が設定されてもよい。beta-offsetは、UCIのcoding rateの決定に用いる値であってもよい。
【0092】
[その他の実施形態]
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0093】
上述した実施形態では、RRCメッセージ及びDCIを中心に説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、UE200は、MAC CE(Control Element)で用いる情報要素に基づいて、複数のCCに跨がったUCIの所定送信を適用してもよい。
【0094】
実施形態では簡単に触れたが、UCIが複数のCCを用いて送信されるケースで用いるRRCメッセージに含まれる情報要素(上位レイヤパラメータ)は、UCIが1つのCCを用いて送信されるケースで用いるRRCメッセージに含まれる情報要素(上位レイヤパラメータ)と別に定義されてもよい。
【0095】
実施形態では特に触れていないが、複数のCCが1つのBWPに含まれる場合に、UCIが複数のCCを用いて送信されてもよい。言い換えると、上述した所定条件は、複数のCCが1つのBWPに含まれることを含んでもよい。
【0096】
実施形態では、UCIについて主として説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。UCIは、HARQ-ACKと読み替えられてもよく、SRと読み替えられてもよく、CSIと読み替えられてもよい。複数のCCを用いて送信可能なUCIは、HARQ-ACK、SR及びCSIの中から選択されたいずれかのパラメータであってもよい。
【0097】
上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(図4)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0098】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼ばれる。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0099】
さらに、上述したUE200(当該装置)は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図11は、当該装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図11に示すように、当該装置は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0100】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0101】
当該装置の各機能ブロック(図4参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、又は当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0102】
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0103】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0104】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0105】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0106】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0107】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0108】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0109】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0110】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0111】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0112】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0113】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0114】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0115】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0116】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0117】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0118】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0119】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0120】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0121】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0122】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0123】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0124】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0125】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0126】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0127】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0128】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0129】
「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0130】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0131】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0132】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0133】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0134】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0135】
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。
【0136】
サブフレームはさらに時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0137】
ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0138】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0139】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0140】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0141】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0142】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0143】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0144】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0145】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0146】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0147】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0148】
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0149】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:REG)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0150】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0151】
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0152】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0153】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0154】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0155】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。

参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0156】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0157】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0158】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0159】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0160】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0161】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0162】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0163】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0164】
10 無線通信システム
20 NG-RAN
100 gNB
200 UE
210 無線信号送受信部
220 アンプ部
230 変復調部
240 制御信号・参照信号処理部
250 符号化/復号部
260 データ送受信部
270 制御部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス
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