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特開2025-20435腐食抑制機構を含むマイクロ電子デバイス並びに関連する電子システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020435
(43)【公開日】2025-02-12
(54)【発明の名称】腐食抑制機構を含むマイクロ電子デバイス並びに関連する電子システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20250204BHJP
   H10D 30/68 20250101ALI20250204BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20250204BHJP
   H10D 30/69 20250101ALI20250204BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H10B41/27
H10D30/68
H10D30/69
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024200249
(22)【出願日】2024-11-18
(62)【分割の表示】P 2022543035の分割
【原出願日】2020-12-15
(31)【優先権主張番号】16/743,342
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ルオ シュアンチャン
(72)【発明者】
【氏名】シャリー インドラ ヴィー.
(57)【要約】
【課題】マイクロ電子デバイスにおける腐食の影響を低減又は排除する。
【解決手段】マイクロ電子デバイスは、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域を含むスタック構造体を含む。非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々は、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含む。1つ以上のピラーが非階段領域内及びアレイ領域内にあり、1つ以上の支柱が階段領域内にある。ソースが、スタック構造体に隣接する導電性部分を含む。腐食抑制機構が、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々内におけるソースの導電性部分に横方向に隣接する。誘電体の充填されたスリットが、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々内にあり、ソース内の導電性部分中に垂直方向に拡張し、腐食抑制機構に横方向に隣接する。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非階段領域、アレイ領域、及び、前記非階段領域と前記アレイ領域との間に横方向に挟まれた階段領域、を含むスタック構造体であって、前記非階段領域、前記階段領域、及び前記アレイ領域の各々は、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含む、前記スタック構造体と、
前記非階段領域内及び前記アレイ領域内の1つ以上のピラーと、
前記階段領域内の1つ以上の支柱と、
前記スタック構造体に隣接する導電性部分を含むソースと、
前記非階段領域、前記階段領域、及び前記アレイ領域の各々内における前記ソースの前記導電性部分に横方向に隣接する腐食抑制機構と、
前記非階段領域、前記階段領域、及び前記アレイ領域の各々内にあり、前記ソースの前記導電性部分中に垂直方向に拡張する、誘電体の充填されたスリットであって、前記腐食抑制機構に横方向に隣接する前記誘電体の充填されたスリットと、
を含むマイクロ電子デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
この出願は、2020年1月15日に出願された米国特許出願シリアル番号16/743,342に対する特許協力条約第8条に基づく利益を主張する、2020年12月15日に出願され、日本を指定して2021年7月22日に国際特許公開WO2021/146014A1として英語で公開された、国際特許出願PCT/US2020/065132の国内段階のエントリである。
【0002】
[技術分野]
開示は、様々な実施形態において、一般的に、マイクロ電子デバイスの設計及び製造の分野に関する。より具体的には、開示は、腐食を抑制するための機構を含むマイクロ電子デバイス構造体に関し、関連するマイクロ電子デバイス、電子システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ電子業界の継続的な目標は、不揮発性メモリデバイス(例えば、NANDフラッシュメモリデバイス)等のメモリデバイスのメモリ密度(例えば、メモリダイあたりのメモリセルの数)を増やすことである。不揮発性メモリデバイスにおけるメモリ密度を高める1つの方法は、垂直メモリアレイ(“3次元(3D)メモリアレイ”とも称される)アーキテクチャを利用することである。従来の垂直メモリアレイは、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含む1つ以上のデッキ(例えば、スタック構造体)を通って拡張するトランジスタ/メモリセルピラーを含む。ティアの垂直方向に配向された導電性材料は、例えば、ワード線又は制御ゲートとして構成され、誘電体材料は、メモリセルピラーと導電性材料との各接合部にある。この構成は、トランジスタの従来の平面(例えば、2次元)配列を有する構造体と比較して、ダイ上にアレイを上向きに(例えば、縦方向に、垂直方向に)構築することによって、より多数のトランジスタをダイ面積の単位で配置することを可能にする。そうした構成は、トランジスタの従来の平面(例えば、2次元)配列を有する構造体と比較して、ダイ上にアレイを上向きに(例えば、垂直方向に)構築することによって、ダイ面積(すなわち、消費される活性表面の長さ及び幅)の単位で、より多数のスイッチングデバイス(例えば、トランジスタ)を配置することを可能にする。
【0004】
3D NANDフラッシュメモリデバイスを形成するために、いわゆる”置換ゲート”プロセスが使用され得、このプロセスでは、交互の誘電体材料及び窒化物材料を含むティアが、交互の誘電体材料及び導電性材料を含むティアになる。ティアの窒化物材料は導電性材料と置換され、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを生成する。置換ゲートプロセス中に、ティア内にいわゆる”スリット”を形成するために材料除去プロセス(例えば、エッチングプロセス)が行われ、スリットは、最上部のティアの上面から最下部のティアの下面まで拡張する。ティアの窒化物材料は、スリットを通じてその後除去され、導電性材料と置換される。スリットは、階段領域、アレイ領域、又は階段領域の外部の領域内等、3D NANDフラッシュメモリデバイスの異なる部分内に存在し得る。スリットの形成中に、ティア材料のオーバーエッチングが発生し得、スリットを、コンタクト材料を通って、アレイ領域内のティアの下にあるソース材料中に、及び非階段領域の下にあるソース材料中に拡張する。それ故、スリットは、アレイ領域及び非階段領域内のソース材料中に拡張する。同様に、階段領域内にスリットを形成する際に、スリットが充填材料を通って階段領域内のソース材料中に拡張するように、充填材料はオーバーエッチングされ得る。エッチングプロセスの条件(例えば、エッチング化学、エッチング時間)に晒された場合、ソース材料及びコンタクト材料の腐食が、階段領域、アレイ領域、又は非階段領域内で発生し得る。腐食は、アレイ領域内のティアと階段領域内の階段とを浮き上げ得、腐食を含む3D NANDフラッシュメモリデバイスにおいてアーク放電及びその他の性能の問題を導く。
【発明の概要】
【0005】
マイクロ電子デバイスが開示され、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域を含むスタック構造体を含む。非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々は、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含む。1つ以上のピラーが非階段領域内及びアレイ領域内にあり、1つ以上の支柱が階段領域内にある。導電性材料は、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々内にあり、ティアに隣接するソース中に垂直方向に拡張する。ソースは、ソース内の導電性材料に隣接して、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々内に腐食抑制機構を含む。
【0006】
マイクロ電子デバイスも開示され、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域を含むスタック構造体を含む。非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々は、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含む。ソースは、スタック構造体に隣接し、ソース内の腐食抑制機構により分離された部分を含む。ソースは、アレイ領域内のソースの隣接する部分の間にブリッジを含む。別の導電性材料は、ティアの上面からソース中に垂直方向に拡張する。
【0007】
マイクロ電子デバイスを形成する方法が更に開示される。方法は、その中に腐食抑制機構を含むソースを形成することを含む。交互の窒化物材料及び誘電体材料のティアが、ソースに隣接して形成される。1つ以上のスリットが形成され、ティアの内の最上部のティアからソース中に拡張する。腐食抑制機構は、ソース内の1つ以上のスリットに隣接する。ティアの窒化物材料は、ティアの隣接する誘電体材料の間にボイドを形成するために、1つ以上のスリットを通じて除去される。ボイド内及びスリット内に導電性材料が形成される。
【0008】
また、入力デバイスと、出力デバイスと、入力デバイス及び出力デバイスに動作可能に結合されたプロセッサデバイスと、プロセッサデバイスに動作可能に結合されたメモリデバイスとを含む電子システムも開示される。メモリデバイスは、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域内に交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含むスタック構造体を含む少なくとも1つのマイクロ電子デバイスを含む。ソースは、スタック構造体に隣接し、腐食抑制機構により分離された部分を含む。ソースの及び腐食抑制機構の上面は、相互に実質的に同一平面にある。別の導電性材料は、ティアの上面からソース中に垂直方向に拡張する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体の、該マイクロ電子デバイス構造体を処理する初期段階における非階段領域の簡略化された部分上面図である。
図1B図1Aのマイクロ電子デバイス構造体の簡略化された部分断面図である。
図2A】開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体の、該マイクロ電子デバイス構造体を処理する初期段階におけるアレイ領域の簡略化された部分上面図である。
図2B図2Aのマイクロ電子デバイス構造体の線A-Aに沿った簡略化された部分断面図である。
図2C図2Aのマイクロ電子デバイス構造体の線B-Bに沿った簡略化された部分断面図である。
図3A】開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体の、該マイクロ電子デバイス構造体を処理する初期段階における階段領域の簡略化された部分上面図である。
図3B図3Aのマイクロ電子デバイス構造体の簡略化された部分断面図である。
図4】開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体を形成するプロセスを説明する。
図5】開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体を形成するプロセスを説明する。
図6】開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体を形成するプロセスを説明する。
図7】開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体を形成するプロセスを説明する。
図8】開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体を含むマイクロ電子デバイスの部分断面斜視図である。
図9】開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体を含む電子システムを説明する概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
マイクロ電子デバイスにおける腐食の影響を低減又は実質的に排除するための機構(例えば、腐食抑制機構)が開示される。マイクロ電子デバイスは、マイクロ電子デバイスの形成中に行われる材料除去作用中に腐食(例えば、酸化)しやすい1つ以上の材料(例えば、ソース材料、コンタクト材料)を含むマイクロ電子デバイス構造体を含む。腐食抑制機構及び腐食しやすい材料は、階段領域内、アレイ領域内、又は階段領域の近位(例えば、外部)(例えば、非階段領域)を含む、マイクロ電子デバイス構造体の1つ以上の領域に存在する。腐食抑制機構は、マイクロ電子デバイスにおける腐食の影響を低減又は実質的に排除する。マイクロ電子デバイス構造体のソース内に腐食抑制機構を形成することによって、腐食しやすい材料の腐食は、マイクロ電子デバイス構造体の小さな領域に抑制され、腐食の影響は、マイクロ電子デバイス構造体の他の領域に影響を与えない。腐食抑制機構は、腐食の影響を受けた領域をマイクロ電子デバイス構造体の他の領域から絶縁する(例えば、電気的に絶縁する)。ソースの材料のブリッジは、マイクロ電子デバイス構造体のアレイ領域内のソースの隣接する部分を結合(例えば、接続)する。腐食抑制機構及びブリッジを含むマイクロ電子デバイス構造体を形成する方法も、腐食抑制機構及びブリッジを含むマイクロ電子デバイス及び電子システムと同様に開示される。
【0011】
以下の説明は、開示の実施形態の完全な説明を提供するために、材料組成、形状、及びサイズ等の具体的詳細を提供する。しかしながら、開示の実施形態がこれらの具体的詳細を用いることなく実践され得ることを当業者は理解するであろう。実際、開示の実施形態は、業界で用いられる従来のマイクロ電子デバイス製造技術と併せて実践され得る。また、以下に提供する説明は、マイクロ電子デバイス(例えば、3D NANDフラッシュメモリデバイス等のメモリデバイス)を製造するための完全なプロセスフローを形成しない。以下に説明する構造体は、完全なマイクロ電子デバイスを形成しない。開示の実施形態を理解するために必要なそれらのプロセス作用及び構造体のみが、以下に詳細に説明される。構造体から完全なマイクロ電子デバイスを形成するための追加の作用は、従来の製造技術によって実施され得る。
【0012】
本明細書に提示する図面は、例証のみを目的とし、任意の特定の材料、コンポーネント、構造体、デバイス、又はシステムの実際の図を意味しない。例えば、製造技術及び/又は公差の結果として、図面に描写する形状からの変化が想定される。したがって、本明細書に説明する実施形態は、説明するような特定の形状又は領域に限定されると解釈すべきではなく、例えば、製造にからもたらされる形状の逸脱を含む。例えば、ボックス形状として例証又は説明される領域は、粗い及び/又は非線形の機構を有し得、円形として例証又は説明される領域は、幾つかの粗い及び/又は線形の機構を含み得る。更に、説明する鋭角は丸みを帯び得、その逆も然りである。したがって、図に説明する領域は、本質的に概略的であり、それらの形状は、領域の正確な形状を説明することを意図せず、本特許請求の範囲を限定しない。図面は必ずしも縮尺どおりではない。また、図間で共通の要素は、同じ数値指定を保ち得る。
【0013】
本明細書で使用するとき、“メモリデバイス”は、メモリ機能を示すがこれに限定されないマイクロ電子デバイスを意味し、含む。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語“垂直”、“縦”、“水平”、及び“横”は、構造体の主要な平面に言及し、必ずしも地球の重力場によって定義されない。“水平”又は“横”方向は、構造体の主平面に実質的に平行な方向である一方、“垂直”又は“縦”方向は、構造体の主平面に実質的に垂直な方向である。構造体の主平面は、構造体の他の表面と比較して相対的に大きな面積を有する構造体の表面によって定義される。
【0015】
本明細書で使用するとき、“垂直方向に隣接する”又は“縦方向に隣接する”機構(例えば、領域、構造体、デバイス)は、相互に最も垂直方向に近接する(例えば、垂直方向に最も近い)位置にある機構を意味し、含む。また、本明細書で使用するとき、“水平に隣接する”又は“横方向に隣接する”機構(例えば、領域、構造体、デバイス)は、相互に最も水平方向に近接する(例えば、水平方向に最も近い)位置にある機構を意味し、含む。
【0016】
本明細書で使用するとき、“下にある”、“下方の”、“下部の”、“底の”、“上方の”、“上部の”、“最上部の”、“前の”、“後の”、“左の”、及び“右の”等の空間的に相対的な用語は、図に説明するようなある要素又は機構の別の要素又は機構との関係を説明するための説明を容易にするために使用され得る。特に明記されていない限り、空間的に相対的な用語は、図に描写する向きに加えて、材料の異なる向きを包含することを意図する。例えば、図の材料を反転した場合、他の要素又は機構の“下方の”又は“下にある”又は“下の”又は“の底にある”として説明した要素は、他の要素又は機構の“上方の”又は“の最上部の”に向けられるであろう。したがって、用語“下方の”は、該用語が使用される文脈に依存して、上方及び下方の両方の向きを包含し得、このことは当業者に明らかであろう。材料は、他の方法で向けられ(例えば、90度回転され、反転され、逆にされ)得、本明細書で使用する空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈され得る。
【0017】
本明細書で使用するとき、単数形“a”、“an”、及び“the”は、文脈が明らかに他のことを指し示さない限り、複数形をも含むことを意図する。
【0018】
本明細書で使用するとき、“及び/又は”は、関連する列挙された項目の内の1つ以上のあらゆる組み合わせを含む。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語“構成された”は、所定の方法における構造体及び装置の内の1つ以上の動作を容易にする少なくとも1つの構造体及び少なくとも1つの装置の内の1つ以上のサイズ、形状、材料組成、向き、及び配列を指す。
【0020】
本明細書で使用するとき、句“に結合された”は、直接的オーミック接続を通じて、又は(例えば、別の構造体を介した)間接的接続を通じて電気的に接続される等、相互に動作可能に接続された構造体を指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、所与のパラメータ、特性、又は条件に関する用語“実質的に”は、所与のパラメータ、特性、又は条件が許容可能な公差内等のある程度の変動を満たすことを当業者が理解するであろう程度を意味し、含む。例として、実質的に満たす特定のパラメータ、特性、又は条件に依存して、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90.0パーセント満たし得、少なくとも95.0パーセント満たし得、少なくとも99.0パーセント満たし得、少なくとも99.9%満たし得、又は100.0パーセントさえも満たし得る。
【0022】
本明細書で使用するとき、特定のパラメータに対する数値に関する“約”又は“凡そ”は、該数値を含み、当業者が理解するであろう該数値からの分散の程度は、特定のパラメータに対する許容可能な公差内にある。例えば、数値に関する“約”又は“凡そ”は、数値の95.0パーセント~105.0パーセントの範囲内、数値の97.5パーセント~102.5パーセントの範囲内、数値の99.0パーセント~101.0パーセントの範囲内、数値の99.5パーセント~100.5パーセントの範囲内、又は数値の99.9パーセント~100.1パーセントの範囲内等、数値の90.0パーセント~110.0パーセントの範囲内の追加の数値を含み得る。
【0023】
図1A及び図1Bは、夫々、マイクロ電子デバイス(例えば、半導体デバイス、3D NANDフラッシュメモリデバイス等メモリデバイス)の、該マイクロ電子デバイスを形成する初期処理段階におけるマイクロ電子デバイス構造体100の非階段領域105の簡略化された上面図及び簡略化された部分断面図である。非階段領域105は、開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体100のアレイ領域110(図2A図2C)及び階段領域115(図3A及び図3B)の外部にある。非階段領域105は、階段領域115の縁部の近位に、及び階段領域115の階段構造体の遠位に位置付けられ得る。マイクロ電子デバイス構造体100は、例えば、メモリデバイス(例えば、デュアルデッキ3D NANDフラッシュメモリデバイス等のマルチデッキ3D NANDフラッシュメモリデバイス)の一部分を含み得る。
【0024】
マイクロ電子デバイス構造体100の非階段領域105は、交互の誘電体材料125及び窒化物材料130のティア120、スリット135、ソース140、ピラー145、セル材料150、プラグ材料155、及び腐食抑制機構160を含む。ティア120はスタック構造体165を形成する。非階段領域105内のソース140の1つ以上の材料は、垂直方向に交互の誘電体材料125及び導電性材料170のティア120´を形成する(図7を参照)、後続のプロセス作用(例えば、材料除去作用、置換ゲートプロセス作用)中の窒化物材料130の導電性材料170との置換中に腐食しやすいことがある。ソース140は、ベース材料(図示せず)に隣接し(例えば、上にあり、垂直方向に隣接し)、交互の誘電体材料125及び窒化物材料130のティア120は、ソース140に隣接する(例えば、上にある、垂直方向に隣接する)。ソース140及びティア120は、x方向に拡張する。スリット135及びピラー145はz方向に拡張し、セル材料150はピラー145を取り囲み、プラグ材料155はピラー145に隣接する(例えば、上にある)。ティア120及びソース140は、スリット135及びピラー145に垂直に配向される。
【0025】
ソース140及びスリット135は、図1Aの上面図に組み合わせて説明され、スリット135は、ソース140の上方に置かれる。腐食抑制機構160は、図1Aの視点では部分的に視覚化される。図1Aに説明する非階段領域105において、ソース140の隣接する部分は、スリット135によって相互に絶縁される(例えば、電気的に絶縁される)。スリット135は、x方向及びy方向においていわゆる“T形状”を形成し、ソース140の隣接する部分は、スリット135によって相互に分離される。図1Aの視点において、スリット135は、スリット135がソース140に接触(例えば、接続)するように見えないという点で、いわゆる”フローティング”であるように見える。しかしながら、ソース140のブリッジ180(図2A)は、以下で論じるように、ソース140の隣接する部分を相互に接続する。
【0026】
スリット135(例えば、トレンチ、開口部)は、ティア120を通って垂直方向に(例えば、Z方向に)拡張し、ソース140中に拡張し得る。スリット135は、ティア120の誘電体材料125及び窒化物材料130の水平方向の連続性を中断し得る。スリット135は、約10:1~約200:1の範囲内のアスペクト比を有する等、高アスペクト比の開口部であり得る。スリット135のアスペクト比は、マイクロ電子デバイス構造体100内のティア120の数に依存し得る。ほんの一例として、マイクロ電子デバイス構造体100は、10個以上のティア120、25個以上のティア120、50個以上のティア120、100個以上のティア120、150個以上のティア120、又は200個以上のティア120を有し得る。スリット135の上部の限界寸法(CD)(例えば、直径)は、スリット135の下部のCDよりも大きくてもよい。図1Bに説明するように、第1のスリット135Aは、ティア120を通ってソース140中に拡張し、第2のスリット135Bは、ティア120を通ってソース140の上面まで拡張する。スリット135Aは、後続の処理作用中に腐食(例えば、酸化)されやすいソース140の1つ以上の材料を露出し得る。図1Bは、非階段領域105内の2つのスリット135を説明するが、2つを超えるスリット135が存在し得る。
【0027】
ソース140は、ベース材料上に形成された1つ以上の導電性材料を含む。導電性材料は、マイクロ電子デバイス構造体100の形成中に行われる置換ゲートプロセス作用中に腐食(例えば、酸化)しやすい。導電性材料は、ポリシリコン、ケイ化タングステン、ケイ化コバルト、ケイ化ニッケル、タングステン、その他の導電性材料、それらの組み合わせ、又は腐食しやすいその他の導電性材料を含み得るが、これらに限定されない。図1Bは、ソース140を2つの垂直方向に隣接する材料140A、140Bを含むものとして説明するが、単一の材料又は2つを超える材料がソース140として使用され得る。開示の実施形態は、ソース140を、ケイ化タングステン140Aの上方にポリシリコン140Bを含むものとして説明するが、ソース140は、置換ゲートプロセス作用が行われる場合に腐食しやすいその他の導電性材料を含み得る。幾つかの実施形態では、ソース140は、ケイ化タングステン140A上にポリシリコン140Bを含む。ソース140の厚さは、マイクロ電子デバイス構造体100を含むマイクロ電子デバイスの電流及び電圧要件に依存して変化し得る。
【0028】
ティア120の誘電体材料125は、誘電体酸化物材料(例えば、酸化ケイ素(SiO)、ホスホシリケートガラス、ボロシリケートガラス、ボロホスホシリケートガラス、フルオロシリケートガラス、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(TaO)、及び酸化マグネシウム(MgO)の内の1つ以上)、少なくとも1つの誘電体窒化物材料(例えば、窒化ケイ素(SiN))、少なくとも1つの誘電体酸窒化物材料(例えば、酸窒化ケイ素(SiO))、及び少なくとも1つの誘電体カルボキシナイトライド材料(例えば、シリコンカルボキシナイトライド(SiO))の内の1つ以上等、少なくとも1つの電気的絶縁材料で形成され得、少なくとも1つの電気的絶縁材料を含み得る。本明細書で“x”、“y”、及び“z”の内の1つ以上を含む式(例えば、SiO、AlO、HfO、NbO、TiO、SiN、SiO、SiO)は、別の元素(例えば、Si、Al、Hf、Nb、Ti)のあらゆる原子に対する、ある元素の原子“x”、別の元素の“y”原子、及び追加の元素(存在する場合)の“z”原子の平均比を含む材料を表す。式は相対的な原子比を表し、厳密な化学的構造ではないので、誘電体材料125は、1つ以上の化学量論的化合物及び/又は1つ以上の非化学量論的化合物を含み得、“x”、“y”、及び“z”(存在する場合)の値は、整数であり得、又は非整数であり得る。本明細書で使用するとき、用語“非化学量論的化合物”は、明確に定義された自然数の比で表すことができず、定比例の法則に反する元素組成を有する化合物を意味し、含む。幾つかの実施形態では、誘電体材料125は、酸化ケイ素(例えば、SiO)で形成され、酸化ケイ素(例えば、SiO)を含む。スタック構造体165のティア120の各々の誘電体材料125は、各々実質的に平面であり得、各々個々に所望の厚さを示し得る。
【0029】
ティア120の窒化物材料130は、SiN(例えば、Si)等の誘電体窒化物材料で形成され、誘電体窒化物材料を含み得る。ティア120の窒化物材料130は、ティア120の誘電体材料125に対して選択的にエッチング可能である。本明細書で使用するとき、約10倍大きい、約20倍大きい、又は約40倍大きい等、材料が別の材料のエッチング速度よりも少なくとも約5倍の大きいエッチング速度を示す場合、材料は別の材料に対して“選択的にエッチング可能”である。スタック構造体165のティア120の各々の窒化物材料130は、各々実質的に平面であり得、各々個々に所望の厚さを示し得る。選択された誘電体材料が誘電体材料125に対して所望のエッチング選択性を示す限り、誘電体窒化物材料以外の材料が使用され得る。
【0030】
ピラー145、セル材料150、及びプラグ材料155は、異なる材料で形成され得、異なる材料を含み得る。ピラー145は、非階段領域105のティア120を通って、ソース140の上面まで拡張する。ピラー145は、ピラー145を形成するために使用される材料に依存して、マイクロ電子デバイス構造体100内の機械的支持(例えば、構造体的支持)又は電気的結合(例えば、電気的接続)の内の1つ以上を提供し得る。幾つかの実施形態では、ピラー145は導電性材料で形成される。他の実施形態では、ピラー145は誘電体材料で形成される。更に他の実施形態では、ピラー145はチャネル材料で形成される。ピラー145は、ソース140の上面に接触する(例えば、物理的に接触する、電気的に接続する)。ピラー145の導電性材料は、金属(例えば、W、Ti、Mo、Nb、V、Hf、Ta、Cr、Zr、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pa、Pt、Cu、Ag、Au、Al)、合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、Mg基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、ステンレス鋼)、導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属ケイ化物、導電性金属炭化物、導電性金属酸化物)、導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたSi、導電的にドープされたGe、導電的にドープされたSiGe)の内の1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。
【0031】
セル材料150は、ピラー145とティア120との間のピラー145の側壁上に存在し、誘電体材料、導電性材料等であり得る。セル材料150は、当技術分野で周知の酸化物材料、蓄積材料、トンネル誘電体材料、又はチャネル材料の内の1つ以上を含み得る。セル材料150は、ピラー145の各々の側壁を実質的に取り囲む(例えば、実質的に水平方向及び垂直方向に覆う)。プラグ材料155は、ピラー145の上部(例えば、ピラー145の上方)に存在し、導電性材料で形成され得る。プラグ材料155は、マイクロ電子デバイス構造体100の他の導電性材料に電気的に接続され得る。
【0032】
腐食抑制機構160は、ソース140内に(例えば、内部に)存在し、マイクロ電子デバイス構造体100の非階段領域105内のスリット135Aの内の1つ以上に隣接する。図1Bに示すように、腐食抑制機構160は、ソース140中に拡張するスリット135Aに隣接する(例えば、横方向に隣接する)が、ソース140中に拡張しないスリット135Bに隣接しない。腐食抑制機構160は、スリット135Aの下部(例えば、ソース140内のスリット135Aの部分)を実質的に取り囲み得、ソース140の厚さに実質的に対応する高さHを示し得る。腐食抑制機構160の上面及び下面は、それ故、ソース140の上面及び下面と実質的に同一平面にあり得る。腐食抑制機構160は、スリット135Aの下部等、腐食が発生するスリット135Aの部分に隣接して(例えば、横方向に隣接して)配置される。腐食抑制機構160は、ソース140の上面からソース140の下面まで拡張し得る。いかなる理論にも拘束されることなく、腐食抑制機構160は、腐食抑制機構160が存在しない場合に発生するであろうよりも小さい領域に、ソース140内の材料の腐食175を制限する(例えば、抑制する)と考えられる。腐食抑制機構160は、誘電体酸化物材料等の誘電体材料で形成され、それは、ティア120の窒化物材料130を除去するために使用される置換ゲートプロセス作用中に実質的に除去されない。言い換えれば、ティア120の窒化物材料130は、腐食抑制機構160の材料及びティア120の誘電体材料125に対して選択的にエッチング可能である。幾つかの実施形態では、腐食抑制機構160は、二酸化ケイ素等の酸化ケイ素で形成される。しかしながら、その他の選択的にエッチング可能な誘電体材料もまた使用され得る。
【0033】
腐食抑制機構160の寸法は、マイクロ電子デバイス構造体100を含むマイクロ電子デバイスの電界及び電圧要件に基づいて選択され得る。腐食抑制機構160の高さHは、ソース140の厚さに対応し得、腐食抑制機構160の幅Wは、約20nm~約100nmであり得る。ほんの一例として、マイクロ電子デバイスの所望のブレークダウン電圧は、腐食抑制機構160の寸法に影響を与え得る。非階段領域105、階段領域115、及びアレイ領域110の内の1つ以上内の腐食抑制機構160の各々は、同じサイズ又は異なるサイズを示し得る。
【0034】
図2Aは、初期処理段階におけるマイクロ電子デバイス構造体100のアレイ領域110の簡略化された上面図であり、ソース140の上方に重ねられたスリット135を含む。図2B及び2Cは、図2Aの、夫々、A-A及びB-Bの線に沿った初期処理段階におけるアレイ領域110の簡略化された部分断面図である。アレイ領域110において、交互の誘電体材料125及び窒化物材料130のティア120、スリット135、ソース140、ピラー145、セル材料150、プラグ材料155、及び腐食抑制機構160は、図1A及び図1Bを参照して上で論じた通りである。マイクロ電子デバイス構造体100のアレイ領域110は、図2Aの視点に示すように、ソース140のいわゆる“ブリッジ”180がソース140の隣接する部分を相互に接続するという点で、非階段領域105及び階段領域115とは異なる。ソース140の隣接する部分は、腐食抑制機構160によってマイクロ電子デバイス構造体100の非階段領域105(図1A)において相互に絶縁されているが、アレイ領域110内のソース140の部分は、ブリッジ180によって相互に接続される(例えば、電気的に接続される)。ブリッジ180は、アレイ領域110内のソース140に電圧を印加することを可能にする。非階段領域105及び階段領域115には電圧が印加されず、したがって、マイクロ電子デバイスのこれらの領域内のソース140の部分は、腐食抑制機構160等によって相互に絶縁され得る。アレイ領域110内のブリッジ180がなければ、ソース140の部分は、相互に及びマイクロ電子デバイスの他のコンポーネントから実質的に絶縁されるであろう。ソース140内の腐食抑制機構160は、ソース140の幾つかの部分を相互に絶縁するが、ソース140の他の部分は、アレイ領域110内のブリッジ180によって相互に接続される。ブリッジ180は、それ故、腐食抑制機構160により絶縁されるソース140の部分をバイパスするように機能する。隣接するブリッジ180間の所望の間隔は、ソース140の抵抗及びマイクロ電子デバイスのストリング電流要件によって決定され得る。
【0035】
図2Bに示すように、腐食抑制機構160は、ソース140中に拡張する2つのスリット135Aに隣接して、マイクロ電子デバイス構造体100のアレイ領域110内に存在する。腐食抑制機構160は、スリット135Aの下部(例えば、ソース140内のスリット135Aの部分)を実質的に取り囲み、高さHを示す。2つのスリット135Aが図2Bに示されているが、追加のスリット135Aが存在し得、腐食抑制機構160はスリット135Aに隣接する(例えば、スリット135Aを取り囲む)。図2Bは、スリット135Aを同じ量だけソース140中に拡張するものとして説明しているが、スリット135Aの内の1つ以上は、ソース140中に異なる距離だけ拡張し得る。簡単にするために図2Bには説明されていないが、アレイ領域110はまた、ピラー145の下部に及びソース140の近位にコンタクト構造体(図示せず)を含み、ソース140への電気的結合(例えば、電気的接続)を提供する。
【0036】
図2Cの視点に示すように、ソース140は、図2AのB-B線に沿って見た場合には腐食抑制機構160を含まない。むしろ、ソース140は、実質的に連続的であり、腐食抑制機構160によってセグメントに分離されない。
【0037】
図3A及び3Bは、初期処理段階におけるマイクロ電子デバイス構造体100の階段領域115の、夫々、簡略化された上面図及び簡略化された部分断面図である。階段領域115において、交互の誘電体材料125及び窒化物材料130のティア120、スリット135、ソース140、及び腐食抑制機構160は、図1A及び図1Bを参照して上で論じた通りである。階段領域115はまた、マイクロ電子デバイス構造体100の階段領域115内の階段構造体(図示せず)への機械的支持又は電気的接続の内の1つ以上を提供し得る支柱185を含む。階段構造体は、階段領域115の中央に位置付けられ得、階段領域115の説明する縁部に近位しない。支柱185は、ソース140と物理的に接触し得、又は電気的に接触し得る。階段領域115は、ティア120の縁部により画定される(図3A及び3Bの視点に示されない)ステップ(例えば、コンタクト領域)を含む。コンタクト(図示せず)は、マイクロ電子デバイス構造体100のソース140への電気的アクセスを提供するために、階段領域115内のステップに物理的及び電気的に接触し得る。
【0038】
マイクロ電子デバイス構造体100の階段領域115は、階段領域115のスリット135が、ソース140の上方に重ねられたスリット135を含む図3Aに示すように、T字形を形成しないという点で、非階段領域105とは異なる。代わりに、階段領域115のスリット135は、相互に実質的に平行に走る。マイクロ電子デバイス構造体100の階段領域115はまた、ソース140の隣接する部分を接続するためのブリッジ180が存在しないという点でアレイ領域110とは異なる。上で論じたように、ソース140のブリッジ180は、アレイ領域110内にのみ存在する。
【0039】
図3Bに示すように、腐食抑制機構160は、ソース140中に拡張する4つのスリット135Aに隣接して、マイクロ電子デバイス構造体100の階段領域115内に存在する。腐食抑制機構160は、スリット135Aの下部を実質的に取り囲み、高さHを示す。4つのスリット135Aが図3Bに示されているが、より少ない数のスリット135A又はより多くの数のスリット135Aが存在し得、腐食抑制機構160はスリット135Aに隣接する。図3Bは、スリット135Aを同じ量だけソース140中に拡張するものとして説明しているが、スリット135Aの内の1つ以上は、ソース140中に異なる距離だけ拡張し得る。
【0040】
図1A図3Bに示すマイクロ電子デバイス構造体100を形成するために、ソース140は、ベース材料(図示せず)に隣接して(例えば、上に)形成され、腐食抑制機構160が最終的に形成される位置に開口部(図示せず)を形成するようにパターニングされる。開口部は、ソース140中に少なくとも部分的に拡張する。ソース140は、ベース材料に隣接して(例えば、上に)形成された1つ以上の導電性材料を含み得る。ソース140は、従来の技術によって形成及びパターニングされる。腐食抑制機構160の誘電体材料(例えば、酸化物材料)は、図4に示すように、従来の技術によって開口部内に形成され得る。腐食抑制機構160の上面及び下面は、ソース140の上面及び下面と実質的に同一平面にある。腐食抑制機構160は、最終的に形成されるスリット135(例えば、135A)の位置に近接するソース140の位置に形成される。
【0041】
交互の誘電体材料125及び窒化物材料130は、従来の技術によってソース140に隣接して(例えば、上に)その後形成され、ピラー145、セル材料150、及びプラグ材料155が非階段領域105及びアレイ領域110内に形成され、支柱185が階段領域115内に形成される追加の開口部(図示せず)を形成するようにパターニングされる。階段領域115はまた、隣接する支柱185の間に充填材料190を含み得る。簡単にするために、図4は、単一の図面に組み合わされた非階段領域105、階段領域115、及びアレイ領域110を含み、個々の領域は垂直方向の破線で区切られている。ティア120のパターニング、充填材料190の形成、並びにピラー145、セル材料150、プラグ材料155、及び支柱185の形成は、従来のプロセス(例えば、従来の材料堆積プロセス、従来のフォトリソグラフィプロセス、従来の材料除去プロセス)及び従来の処理装置により行われ得、それらは本明細書では詳細に説明されない。
【0042】
図5に示すように、スリット135(例えば、135A、135B)は、非階段領域105及びアレイ領域110内の交互の誘電体材料125及び窒化物材料130の部分、並びに階段領域115内の充填材料190の部分を除去する材料除去プロセス(例えば、エッチングプロセス)にティア120及び充填材料190を晒すことによって、階段領域115、アレイ領域110、及び非階段領域105内に形成される。スリットを形成するために従来のエッチング化学が使用され得る。材料除去プロセスのエッチング条件(例えば、エッチング化学、エッチング時間)は、他の露出した材料を実質的に除去することなく、ティア120及び充填材料190の所望の部分を除去するように選択され得る。ソース140の幾らかは、しかしながら、使用されるエッチング条件に依存して除去され得、スリット135の内の1つ以上をソース140の内の少なくとも一部分中に拡張し、1つ以上のスリット135Aを形成する。上で論じたように、腐食抑制機構160は、スリット135Aに隣接するソース140内に配置される。材料除去プロセスは、最上部のティア120からソース140の上面まで拡張するスリット135を形成し得、随意に、ソース140中へのオーバーエッチングが発生し、スリット135Aを形成する。ソース140の1つ以上の材料中へのオーバーエッチングは、エッチング条件に晒されるマイクロ電子デバイス構造体100の材料間のエッチング選択性の違いに起因して発生し得る。
【0043】
スリット135、135Aを形成した後、図6に示すように、ティア120の窒化物材料130は除去され得、ボイド195を形成し、図7に示すように、導電性材料170と置換され、垂直方向に交互の誘電体材料125及び導電性材料170のティア120´を形成する。スタック構造体165のティア120´の導電性材料170は、金属(例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pa)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al))、合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、マグネシウム(Mg)基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、ステンレス鋼)、導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたポリシリコン、導電的にドープされたゲルマニウム(Ge)、導電的にドープされたシリコンゲルマニウム(SiGe))、導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属ケイ化物、導電性金属炭化物、導電性金属酸化物)、又はそれらの組み合わせ等の少なくとも1つの導電性材料で形成され得、それらを含み得る。幾つかの実施形態では、導電性材料170は、タングステンで形成され、タングステンを含む。スリット135、135Aはまた、ティア120´の上面からソース140の上面まで又はソース140中に拡張する導電性材料170を含み得る。導電性材料170は、最終的にスリット135、135Aから除去され得、誘電体と置換され得る。
【0044】
窒化物材料130の除去及び隣接する誘電体材料125間のボイド195内の導電性材料170の形成は、窒化物材料130に対して選択的な材料除去プロセス(例えば、置換ゲートプロセス)を使用して、スリット135、135Aを通じて行われ得る。置換ゲートプロセス作用は、窒化物材料130を除去し、ボイド195を形成する一方、誘電体材料125、ピラー145、セル材料150、プラグ材料155、支柱185、又は充填材料190等のその他の露出材料は、置換ゲートプロセス作用のエッチング条件の影響を実質的に受けない。置換ゲートプロセス作用中に、支柱185は、階段領域115内のスタック構造体165に機械的強度を提供し得る一方、ピラー145は、非階段領域105及びアレイ領域110内のスタック構造体165に機械的強度を提供し得る。
【0045】
ソース140として使用される材料、及び窒化物材料130を除去するために使用されるエッチング条件(例えば、エッチング化学、エッチング時間)に依存して、階段領域115、アレイ領域110、又は非階段領域105の内の1つ以上内のソース140は、腐食175しやすいことがある。幾つかの実施形態では、ソース140及び支柱185の腐食は、階段領域115、アレイ領域110、及び非階段領域105内で発生し得る。ソース140内の腐食175の程度は、ソース140中への材料のオーバーエッチングの程度に依存して異なり得る。ほんの一例として、ソース140がポリシリコン140B及びケイ化タングステン140Aを含む場合、置換ゲートプロセス作用は、窒化物材料130がリンベースのウェットエッチング化学に曝されるウェットエッチングプロセス作用を含み得る。リンベースのウェットエッチング化学は、ソース140のそうした材料を腐食(例えば、酸化)し得、スリット135をソース140A、140Bの1つ以上の材料中に拡張する。スリット135Aの下部に隣接する腐食抑制機構160を有すると、置換ゲートプロセス作用中に発生する任意の腐食175は、腐食抑制機構160の側壁により画定されるソース140の小さな領域内に抑制(例えば、限定)され得る。スリット135Aは腐食抑制機構160に囲まれているので、ソース140の材料の腐食175はソース140全体に伝播(例えば、拡散)しない。マイクロ電子デバイスの使用及び動作中の腐食175の望ましくない影響は、それ故、腐食抑制機構160により画定されるソース140の領域に限定される。それ故、開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体100を含むマイクロ電子デバイスの性能特性は維持され得る。導電性材料170は、スリット135、135A内、及び窒化物材料130により以前に占められていた位置内にその後形成され得、ボイド195を導電性材料170で充填することに加えて、ティア120´の導電性材料170を形成する。ボイド195内の導電性材料170は、例えば、ソース140及びそれに接続された追加のコンポーネント(例えば、導電性相互接続部、導電性ルーティング構造体)を、マイクロ電子デバイス構造体100を含むマイクロ電子デバイスの他のコンポーネント(例えば、スタック構造体165の垂直方向に上方の追加のコンポーネント)に電気的に結合する(例えば、電気的に接続する)相互接続部として機能し得る。
【0046】
マイクロ電子デバイス構造体100を含むマイクロ電子デバイスを形成するために、従来の技術によって追加の処理作用がその後行われ得る。ほんの一例として、アクセス線構造体(例えば、ワード線構造体)、選択線、及びデータ線(例えば、ビット線)等の導電性構造体が、スタック構造体165の上方に形成され得、ソース140に電気的に結合され(例えば、電気的に接続され)得る。デュアルデッキ3D NANDフラッシュメモリデバイス等のマルチデッキメモリデバイスを形成するために、マイクロ電子デバイス構造体100と同様の1つ以上の追加のマイクロ電子デバイス構造体(図示せず)がマイクロ電子デバイス構造体100の上方にその後形成される。
【0047】
開示の実施形態に従った腐食抑制機構160は、時間を消費し費用のかかるプロセス作用を追加することなく、及びマイクロ電子デバイスの完全性に影響を与えることなく形成され得る。腐食抑制機構160は、マイクロ電子デバイス構造体100の形成中にソース140内に容易に形成されるので、開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体100は、大規模なプロセス変更なしに形成され得る。例えば、マイクロ電子デバイス構造体100の形成において既に利用されているフォトレジスト材料(図示せず)は、腐食抑制機構160が最終的に形成される開口部を形成するために、ソース140をパターニングするために使用され得る。それ故、開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体100を生成するための追加費用は殆どない。
【0048】
更に、マイクロ電子デバイス構造体100を含むマイクロ電子デバイスに対する腐食175の影響(例えば、浮き上がり、アーク放電)を低減することによって、開示の実施形態に従って形成されるマイクロ電子デバイスの歩留まりは、腐食抑制機構160が存在しない従来のマイクロ電子デバイスの歩留まりと比較して向上し得る。実例として、ティア120´の浮き上がりの程度を低減することによって、開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体100を含むマイクロ電子デバイスにおけるアーク放電は低減され得る。ティア120´の浮き上がりの低減は、その後に行われるプロセスと共に置換ゲートプロセスに使用されるエッチング化学における何れの交叉汚染をも減少させる。
【0049】
したがって、マイクロ電子デバイスの実施形態が開示され、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域を含むスタック構造体を含む。非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々は、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含む。1つ以上のピラーが非階段領域内及びアレイ領域内にあり、1つ以上の支柱が階段領域内にある。導電性材料は、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々内にあり、ティアに隣接するソース中に垂直方向に拡張する。ソースは、ソース内の導電性材料に隣接して、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々内に腐食抑制機構を含む。
【0050】
したがって、他の実施形態では、マイクロ電子デバイスが開示され、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域を含むスタック構造体を含む。非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々は、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含む。ソースは、スタック構造体に隣接し、ソース内の腐食抑制機構により分離された部分を含む。ソースは、アレイ領域内のソースの隣接する部分の間にブリッジを含む。別の導電性材料は、ティアの上面からソース中に垂直方向に拡張する。
【0051】
したがって、マイクロ電子デバイスを形成する方法の実施形態が開示される。方法は、その中に腐食抑制機構を含むソースを形成することを含む。交互の窒化物材料及び誘電体材料のティアがソースに隣接して形成される。1つ以上のスリットが形成され、ティアの内の最上部のティアからソース中に拡張する。腐食抑制機構は、ソース内の1つ以上のスリットに隣接する。ティアの窒化物材料は、ティアの隣接する誘電体材料の間にボイドを形成するために、1つ以上のスリットを通じて除去される。ボイド内及びスリット内に導電性材料が形成される。
【0052】
図8は、開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体100を含むマイクロ電子デバイス800(例えば、デュアルデッキ3D NANDフラッシュメモリデバイス等のメモリデバイス)の一部分の部分断面斜視図を説明する。マイクロ電子デバイス構造体100は、図1図7を参照して以前に説明したマイクロ電子デバイス構造体100と実質的に同様であり得る。例えば、図8に示すように、マイクロ電子デバイス構造体100は、導電性材料170及び誘電体材料125のティア808を含むスタック構造体802と、ティア808の縁部により画定されるステップ812を有する階段構造体810と、階段構造体810のステップ812に電気的に接続された導電性コンタクト構造体814と、スタック構造体802の垂直方向に下にあるソース140と、スタック構造体802を通ってソース140まで垂直方向に拡張する導電性ピラー構造体824とを含み得る。スタック構造体802、ティア808、及びソース140は、夫々、図1A図7を参照して以前に説明したスタック構造体165、ティア120、及びソース140と実質的に同様であり得る。階段構造体802、ステップ812、及び導電性コンタクト構造体814は、従来の技術によって形成され得る。
【0053】
図8に示すように、マイクロ電子デバイス800は、直列に相互に垂直方向に結合されたメモリセル832のストリング830、データ線834(例えば、ビット線)、アクセス線836、及び選択線838を更に含み得る。メモリセル832のストリング830は、マイクロ電子デバイス800の導電線及びティア(例えば、データ線834、ソース140、スタック構造体802のティア808、アクセス線836、選択線838)に直交して垂直方向に拡張し、導電性コンタクト構造体814は、示されるように、コンポーネントを相互に(例えば、アクセス線836及び選択線838を、マイクロ電子デバイス800のスタック構造体802のティア808に)電気的に結合し得る。
【0054】
図8を引き続き参照すると、マイクロ電子デバイス800はまた、メモリセル832のストリング830の下に垂直方向に位置付けられた制御ユニット840(例えば、制御デバイス)を含み得、それは、ストリングドライバ回路、パスゲート、ゲートを選択するための回路、導電線(例えば、データ線834、アクセス線836、選択線838、追加のデータ線、追加のアクセス線、追加の選択線)を選択するための回路、信号を増幅するための回路、及び信号をセンシングするための回路の内の1つ以上を含み得る。幾つかの実施形態では、制御ユニット840は、メモリセル832のストリング830により占められる水平領域の(例えば、X方向及びY方向の)水平境界内に少なくとも部分的に(例えば、実質的に)位置付けられる。制御ユニット840は、例えば、データ線834、ソース140、アクセス線836、及び選択線838に電気的に結合され得る。幾つかの実施形態では、制御ユニット840は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)回路を含む。そうした実施形態では、制御ユニット840は、“CMOSアンダーアレイ”(“CuA”)構成を有するものとして特徴付けられ得る。
【0055】
開示の実施形態に従ったマイクロ電子デバイス構造体(例えば、図1図7を参照して説明したマイクロ電子デバイス構造体100)及びマイクロ電子デバイス(例えば、図8を参照して以前に説明したマイクロ電子デバイス800)は、開示の実施形態に従った電子システム内で使用され得る。図9は、開示の実施形態に従った例示的な電子システム900のブロック図である。電子システム900は、例えば、コンピュータ又はコンピュータハードウェアコンポーネント、サーバ又はその他のネットワーキングハードウェアコンポーネント、携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、ポータブルメディア(例えば、音楽)プレーヤー、例えば、iPad(登録商標)又はSURFACE(登録商標)タブレット等のWi-Fi又はセルラー対応タブレット、電子ブック、ナビゲーションデバイス等を含み得る。電子システム900は、少なくとも1つのメモリデバイス902を含む。メモリデバイス902は、例えば、本明細書に以前に説明したマイクロ電子デバイス構造体(例えば、図1図7を参照して説明したマイクロ電子デバイス構造体100)及びマイクロ電子デバイス(例えば、図8を参照して説明したマイクロ電子デバイス800)の内の1つ以上の実施形態を含み得る。電子システム900は、少なくとも1つの電子信号プロセッサデバイス904(“マイクロプロセッサ”としばしば称される)を更に含み得る。電子信号プロセッサデバイス904は、随意に、マイクロ電子デバイス構造体(例えば、図1図7を参照して説明したマイクロ電子デバイス構造体100)及びマイクロ電子デバイス(例えば、図8を参照して説明したマイクロ電子デバイス800)の内の1つ以上の実施形態を含み得る。メモリデバイス902及び電子信号プロセッサデバイス904は、図9には2つ(2つ)の別個のデバイスとして描写されているが、追加の実施形態では、メモリデバイス902及び電子信号プロセッサデバイス904の機能を有する単一の(例えば、唯一の)メモリ/プロセッサデバイスが電子システム900内に含まれる。そうした実施形態では、メモリ/プロセッサデバイスは、本明細書に以前に説明したマイクロ電子デバイス構造体(例えば、図1図7を参照して説明したマイクロ電子デバイス構造体100)及びマイクロ電子デバイス(例えば、図8を参照して説明したマイクロ電子デバイス800)の内の1つ以上を含み得る。電子システム900は、例えば、マウス若しくはその他のポインティングデバイス、キーボード、タッチパッド、ボタン、又は制御パネル等の、ユーザにより電子システム900に情報を入力するための1つ以上の入力デバイス906を更に含み得る。電子システム900は、例えば、モニタ、ディスプレイ、プリンタ、オーディオ出力ジャック、及びスピーカー等の、情報(例えば、視覚又は音声出力)をユーザに出力するための1つ以上の出力デバイス908を更に含み得る。幾つかの実施形態では、入力デバイス906及び出力デバイス908は、電子システム900に情報を入力することと、ユーザに視覚情報を出力することの両方に使用され得る単一のタッチスクリーンデバイスを含み得る。入力デバイス906及び出力デバイス908は、メモリデバイス902及び電子信号プロセッサデバイス904の内の1つ以上と電気的に通信し得る。
【0056】
したがって、電子システムの実施形態が開示され、入力デバイスと、出力デバイスと、入力デバイス及び出力デバイスに動作可能に結合されたプロセッサデバイスと、プロセッサデバイスに動作可能に結合されたメモリデバイスとを含む。メモリデバイスは、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域内に交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含むスタック構造体を含む少なくとも1つのマイクロ電子デバイスを含む。ソースは、スタック構造体に隣接し、腐食抑制機構により分離された部分を含む。ソース及び腐食抑制機構の上面は、相互に実質的に同一平面にある。別の導電性材料は、ティアの上面からソース中に垂直方向に拡張する。
【0057】
開示の追加の非限定的な例示的な実施形態を以下に記載する。
【0058】
実施形態1.非階段領域、階段領域、及びアレイ領域を含むスタック構造体であって、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々は、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含む、スタック構造体と、非階段領域内及びアレイ領域内の1つ以上のピラーと、階段領域内の1つ以上の支柱と、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々内にあり、ティアに隣接するソース中に垂直方向に拡張する導電性材料であって、ソースは、非階段領域、階段領域、アレイ領域の各々内に、ソース内の導電性材料に隣接して腐食抑制機構を含む、導電性材料とを含む、マイクロ電子デバイス。
【0059】
実施形態2.ソースは、ベース材料に隣接するケイ化タングステンと、ケイ化タングステンに隣接するポリシリコンとを含む、実施形態1に記載のマイクロ電子デバイス。
【0060】
実施形態3.導電性材料は、ティアの上面からソースの上部中に垂直方向に拡張する、実施形態1又は実施形態2に記載のマイクロ電子デバイス。
【0061】
実施形態4.導電性材料は、ティアの上面からソースの下部中に垂直方向に拡張する、実施形態1又は実施形態2に記載のマイクロ電子デバイス。
【0062】
実施形態5.腐食抑制機構は誘電体材料を含む、実施形態1~4の何れか1つに記載のマイクロ電子デバイス。
【0063】
実施形態6.腐食抑制機構は酸化ケイ素材料を含む、実施形態1~5の何れか1つに記載のマイクロ電子デバイス。
【0064】
実施形態7.腐食抑制機構は、ソース内の導電性材料を横方向に取り囲む、実施形態1~6の何れか1つに記載のマイクロ電子デバイス。
【0065】
実施形態8.腐食抑制機構の高さは、ソースの厚さと実質的に同じである、実施形態1~7の何れか1つに記載のマイクロ電子デバイス。
【0066】
実施形態9.ソース及びピラーは、階段領域内及び非階段領域内で電気的に接続される、実施形態1~8の何れか1つに記載のマイクロ電子デバイス。
【0067】
実施形態10.アレイ領域内のソースの隣接する部分は、ブリッジによって電気的に接続される、実施形態1~9の何れか1つに記載のマイクロ電子デバイス。
【0068】
実施形態11.非階段領域内のソースの隣接する部分は相互に電気的に絶縁される、実施形態1~10の何れか1つに記載のマイクロ電子デバイス。
【0069】
実施形態12.非階段領域、階段領域、及びアレイ領域を含むスタック構造体であって、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域の各々は、交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含む、スタック構造体と、スタック構造体に隣接し、ソース内の腐食抑制機構により分離された部分を含むソースであって、アレイ領域内のソースの隣接する部分の間にブリッジを含む、ソースと、ティアの上面からソース中に垂直方向に拡張する別の導電性材料とを含む、マイクロ電子デバイス。
【0070】
実施形態13.アレイ領域のみが、ソースの隣接する部分の間にブリッジを含む、実施形態12に記載のマイクロ電子デバイス。
【0071】
実施形態14.腐食抑制機構は、ソース内の別の導電性材料に横方向に隣接する、実施形態12又は実施形態13に記載のマイクロ電子デバイス。
【0072】
実施形態15.腐食抑制機構は、ソースの部分を非階段領域及び階段領域から電気的に絶縁するように構成される、実施形態12~14の何れか1つに記載のマイクロ電子デバイス。
【0073】
実施形態16.入力デバイスと、出力デバイスと、入力デバイス及び出力デバイスに動作可能に結合されたプロセッサデバイスと、プロセッサデバイスに動作可能に結合され、非階段領域、階段領域、及びアレイ領域内に交互の導電性材料及び誘電体材料のティアを含むスタック構造体と、スタック構造体に隣接し、腐食抑制機構により分離された部分を含むソースであって、ソース及び腐食抑制機構の上面は、相互に実質的に同一平面にある、ソースと、ティアの上面からソース中に垂直方向に拡張する別の導電性材料とを含む少なくとも1つのマイクロ電子デバイスを含むメモリデバイスとを含む、電子システム。
【0074】
実施形態17.その中に腐食抑制機構を含むソースを形成することと、ソースに隣接する交互の窒化物材料及び誘電体材料のティアを形成することと、ティアの内の最上部のティアからソース中に拡張する1つ以上のスリットを形成することであって、腐食抑制機構は、ソース内の1つ以上のスリットに隣接することと、ティアの隣接する誘電体材料の間にボイドを形成するために、1つ以上のスリットを通じてティアの窒化物材料を除去することと、ボイド内及びスリット内に導電性材料を形成することを含む、マイクロ電子デバイスを形成する方法。
【0075】
実施形態18.その中に腐食抑制機構を含むソースを形成することは、ソースをパターニングすることと、ソースの部分の間の開口部内に誘電体材料を形成することを含む、実施形態17に記載の方法。
【0076】
実施形態19.ティアの内の最上部のティアからソース中に拡張する1つ以上のスリットを形成することは、ソースの下部中に拡張する1つ以上のスリットを形成することを含む、実施形態17又は実施形態18に記載の方法。
【0077】
実施形態20.ティアの内の最上部のティアからソース中に拡張する1つ以上のスリットを形成することは、ソースの上部中に拡張する1つ以上のスリットを形成することを含む、実施形態17又は実施形態18に記載の方法。
【0078】
実施形態21.ティアの内の最上部のティアからソース中に拡張する1つ以上のスリットを形成することは、マイクロ電子デバイスの非階段領域、階段領域、又はアレイ領域の内の1つ以上内に1つ以上のスリットを形成することを含む、実施形態1~20の何れか1つに記載の方法。
【0079】
実施形態22.ティアの内の最上部のティアからソース中に拡張する1つ以上のスリットを形成することは、1つ以上のスリットの上部におけるより広い直径と、1つ以上のスリットの下部におけるより狭い直径とを含む1つ以上のスリットを形成することを含む、実施形態1~21の何れか1つに記載の方法。
【0080】
実施形態23.ティアの内の最上部のティアからソース中に拡張する1つ以上のスリットを形成することは、ソース内の腐食抑制機構に横方向に隣接する1つ以上のスリットの一部分を形成することを含む、実施形態1~22の何れか1つに記載の方法。
【0081】
実施形態24.1つ以上のスリットを通じてティアの窒化物材料を除去することは、1つ以上のスリットを更にソース中に拡張することを含む、実施形態1~23の何れか1つに記載の方法。
【0082】
実施形態25.ボイド内及びスリット内に導電性材料を形成することは、ソース内の腐食抑制機構により囲まれた導電性材料を形成することを含む、実施形態1~24の何れか1つに記載の方法。
【0083】
開示は、様々な修正及び代替の形態の影響を受けやすいが、具体的な実施形態は、例として図面に示され、本明細書に詳細に説明されている。しかしながら、開示は、開示した特定の形態に限定されない。むしろ、開示は、以下の添付の特許請求の範囲及びそれらの法的均等物の範囲内にある全ての修正物、均等物、及び代替物を網羅すべきである。

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9