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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020475
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】配線体、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20250205BHJP
   H01B 5/14 20060101ALI20250205BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H01B5/14 B
G09F9/30 330
G09F9/30 348A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002984
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】手塚 謙一
【テーマコード(参考)】
5C094
5E338
【Fターム(参考)】
5C094BA14
5C094EA10
5C094FA01
5E338AA01
5E338AA13
5E338AA16
5E338AA18
5E338BB19
5E338BB23
5E338BB25
5E338BB63
5E338CC01
5E338CC04
5E338CD15
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】端子と外部の接続端子との導通性を向上できる配線体、及び表示装置を提供する。
【解決手段】端子22は、複数の矩形状の開口61、及び開口61の開口面積以上の面積を有する平面導体部62を含む導体パターン56を有している。複数の開口61は、行方向及び列方向に規則的に配置されており、行方向又は列方向に隣り合う複数の開口61は、千鳥状をなすように配置される。端子22は、開口61内に配置される樹脂層を有する。このような構成により、複数の開口61の間には、平面状に広がる平面導体部62が規則的に配置される。従って、端子22は、平面状に広がる平面導体部62を介して、外部の接続端子に接続される。この構成は、メッシュ状の領域のみを有する導体パターン50と外部の接続端子とを接続する場合より、端子22と外部の接続端子との導通性を向上できる。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極と、
端子と、を備え、
前記端子は、複数の矩形状の開口、及び前記開口の開口面積以上の面積を有する平面導体部を含む導体パターンを有し、
複数の前記開口は、前記開口の一辺に沿う第1方向及び前記一辺と直交する他の一辺に沿う第2方向に規則的に配置されており、
前記第1方向又は前記第2方向に隣り合う複数の前記開口は、千鳥状をなすように配置され、
前記端子は、前記開口内に配置される樹脂層を有する、配線体。
【請求項2】
電極と、
端子と、を備え、
前記端子は、一部を導電線により構成されるメッシュ部、及び前記メッシュ部の開口面積以上の面積を有する平面導体部を含む導体パターンを有し、
前記端子は、前記メッシュ部の開口内に配置される樹脂層を有する、配線体。
【請求項3】
前記平面導体部のうち、一つ分の前記開口に相当する箇所を単位領域とした場合、
前記平面導体部は、複数の前記単位領域が連結されている連結領域を有する、請求項2に記載の配線体。
【請求項4】
複数の前記平面導体部は、前記メッシュ部の開口の一辺に沿う第1方向において、前記単位領域の二つ分の長さ以上の周期にて配置されている、請求項3に記載の配線体。
【請求項5】
前記第1方向に隣り合う複数の前記開口、及び前記第2方向に隣り合う複数の前記開口は、千鳥状をなすように配置される、請求項1に記載の配線体。
【請求項6】
前記メッシュ部の開口の一辺に沿う第1方向に隣り合う複数の前記平面導体部、及び前記一辺と直交する他の一辺に沿う第2方向に隣り合う複数の前記平面導体部は、千鳥状をなすように配置される、請求項2~4の何れか一項に記載の配線体。
【請求項7】
前記平面導体部は、前記第1方向及び前記第2方向に隣り合う他の前記平面導体部の角部と連結する、請求項5又は6に記載の配線体。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の配線体を備える、表示装置。
【請求項9】
前記平面導体部の大きさは、前記端子と前記表示装置の接続端子とを接続する異方導電性粒子含有材の導電粒子の粒子径より大きい、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記平面導体部は、平面視において、複数の前記導電粒子が収まる大きさである、請求項9記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線体、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、網目状の電極と、電極と電気的に接続される網目状の引出配線と、引出配線に電気的に接続される網目状の第1の端子を備える配線体が知られている(例えば、特許文献1)。この配線体では、アンカー効果により第1の端子に接続される接続端子との密着性が向上し、接続信頼性の向上が図られている。この配線体はタッチセンサやアンテナとして用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/187266号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のような配線体においては、第1の端子が網目状である。そのため、端子と外部の接続端子との導通を取りにくいという問題が生じる。
【0005】
そこで、本開示は、端子と外部の接続端子との導通性を向上できる配線体、及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る配線体は、電極と、端子と、を備え、端子は、複数の矩形状の開口、及び開口の開口面積以上の面積を有する平面導体部を含む導体パターンを有し、複数の開口は、開口の一辺に沿う第1方向及び一辺と直交する他の一辺に沿う第2方向に規則的に配置されており、第1方向又は第2方向に隣り合う複数の開口は、千鳥状をなすように配置され、端子は、開口内に配置される樹脂層を有する。
【0007】
本開示の一側面に係る配線体は、電極と、端子と、を備え、端子は、一部を導電線により構成されるメッシュ部、及びメッシュ部の開口面積以上の面積を有する平面導体部を含む導体パターンを有し、端子は、メッシュ部の開口内に配置される樹脂層を有する。
【0008】
本開示の一側面に係る表示装置は、上述の配線体を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一側面によれば、端子と外部の接続端子との導通性を向上できる配線体、及び表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】配線体を備える導電性フィルムの一実施形態を示す平面図である。
図2図1のII-II線に沿う断面図である。
図3】変形例に係る導電性フィルムを示す断面図である。
図4】表示装置の一実施形態を示す断面図である。
図5】配線体の平面図である。
図6】導体パターンの平面図である。
図7】導体パターンの拡大平面図である。
図8図7(b)のVIII-VIII線に沿う拡大断面図である。
図9】導体パターンの平面図である。
図10】導体パターンの平面図である。
図11】導体パターンの拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は本発明の一実施形態に係る配線体を備える導電性フィルムを示す平面図であり、図2図1のII-II線に沿う断面図である。図1及び図2に示される導電性フィルム20は、フィルム状の光透過性基材1(基材)と、光透過性基材1の一方の主面1S上に設けられた導電性層5と、光透過性基材1の一方の主面1S上に設けられた光透過性樹脂層7Bとを備える。導電性層5は、光透過性基材1の主面1Sに沿った方向に延在し複数の開口3aを含むパターンを有する部分を含む導体部3と、導体部3の開口3a内を埋める絶縁樹脂部7Aとを有する。図2では、導電性層5がデフォルメされた状態で示されており、導体部3の幅が強調された状態で示されている。また、各層の厚みもデフォルメされた状態で示されている。各層の厚みの詳細については後述する。また、図1に示す例では、導電性フィルム20の一方の短辺付近に導電性層5が形成されているが、導電性層5が形成される位置は特に限定されず、長辺付近に導電性層5が形成されてもよい。
【0013】
光透過性基材1は、導電性フィルム20が表示装置に組み込まれたときに必要とされる程度の光透過性を有する。具体的には、光透過性基材1の全光線透過率が90~100%であってもよい。光透過性基材1のヘイズが0~5%であってもよい。
【0014】
光透過性基材1は、例えば透明樹脂フィルムであってもよく、その例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー(COP)、又はポリイミド(PI)のフィルムが挙げられる。あるいは、光透過性基材1がガラス基板であってもよい。
【0015】
例えば図3に示すように、光透過性基材1は、光透過性の支持フィルム11と、支持フィルム11上に順に設けられた中間樹脂層12及び下地層13とを有する積層体であってもよい。支持フィルム11は上記透明樹脂フィルムであることができる。下地層13は無電解めっき等によって導体部3を形成するために設けられる層である。他の方法によって導体部3を形成する場合、下地層13は必ずしも設けられなくてもよい。支持フィルム11と下地層13との間に中間樹脂層12が設けられていなくてもよい。
【0016】
光透過性基材1又はこれを構成する支持フィルム11の厚みは、10μm以上、20μm以上、又は35μm以上であってよく、500μm以下、200μm以下、又は100μm以下であってよい。
【0017】
中間樹脂層12が設けられることにより、支持フィルム11と下地層13との間の密着性が向上し得る。下地層13が設けられない場合、中間樹脂層12が支持フィルム11と光透過性樹脂層7Bとの間に設けられることにより、支持フィルム11と光透過性樹脂層7Bとの間の密着性が向上し得る。
【0018】
中間樹脂層12は、樹脂及び無機フィラーを含有する層であってもよい。中間樹脂層12を構成する樹脂の例としては、アクリル樹脂が挙げられる。無機フィラーの例としては、シリカが挙げられる。
【0019】
中間樹脂層12の厚みは、例えば5nm以上、100nm以上、又は200nm以上であってもよく、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であってもよい。
【0020】
下地層13は、触媒及び樹脂を含有する層であってもよい。樹脂は、硬化性樹脂組成物の硬化物であってもよい。硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂の例としては、アミノ樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエステル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フラン樹脂、COPNA樹脂、ケイ素樹脂、ジクロペンタジエン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、エピスルフィド樹脂、エン-チオール樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物、アセナフチレン、並びに、不飽和二重結合、環状エーテル、及びビニルエーテル等の紫外線で重合反応を起こす官能基を含む紫外線硬化樹脂が挙げられる。
【0021】
下地層13に含まれる触媒は、無電解めっき触媒であってもよい。無電解めっき触媒は、Pd、Cu、Ni、Co、Au、Ag、Pd、Rh、Pt、In、及びSnから選ばれる金属であってもよく、Pdであってもよい。触媒は、1種類単独若しくは2種類以上の組合せであってもよい。通常、触媒は触媒粒子として樹脂中に分散している。
【0022】
下地層13における触媒の含有量は、下地層13全量を基準として、3質量%以上、4質量%以上、又は5質量%以上であってもよく、50質量%以下、40質量%以下、又は25質量%以下であってもよい。
【0023】
下地層13の厚みは、10nm以上、20nm以上、又は30nm以上であってもよく、500nm以下、300nm以下、又は150nm以下であってもよい。
【0024】
光透過性基材1は、支持フィルム11の光透過性樹脂層7B及び導体部3とは反対側の主面上に設けられた保護層を更に有していてもよい。保護層が設けられることにより、支持フィルム11の傷付きが抑制される。保護層は、中間樹脂層12と同様の層であることができる。保護層の厚みは、5nm以上、50nm以上、又は500nm以上であってもよく、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であってもよい。
【0025】
導電性層5を構成する導体部3は、開口3aを含むパターンを有する部分を含む。開口3aを含むパターンは、互いに交差する複数の線状部によって形成された、規則的に配置された複数の開口3aを含むメッシュ状のパターンである。メッシュ状のパターンを有する導体部3は、例えばアンテナの放射素子、給電部、グラウンド部として良好に機能することができる。また、導体部3は、グランド端子、給電端子等の導電部材に相当する部分を有していてもよい。なお、導電性層5における導体部3のパターンの構成の詳細については後述する。
【0026】
導体部3は、金属を含んでいてもよい。導体部3は、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、銀、金、白金及びスズから選ばれる少なくとも1種の金属を含んでいてもよく、銅を含んでいてもよい。導体部3は、めっき法によって形成された金属めっきであってもよい。導体部3は、適切な導電性が維持される範囲で、リン等の非金属元素を更に含んでいてもよい。
【0027】
導体部3は、複数の層から構成される積層体であってもよい。また、導体部3は、光透過性基材1とは反対側の表層部として、黒化層を有していてもよい。黒化層は、導電性フィルムが組み込まれた表示装置の視認性向上に寄与し得る。
【0028】
絶縁樹脂部7Aは、光透過性を有する樹脂によって形成されており、導体部3の開口3aを埋めるように設けられており、通常、絶縁樹脂部7Aと導体部3とで平坦な表面が形成されている。
【0029】
光透過性樹脂層7Bは、光透過性を有する樹脂によって形成されている。光透過性樹脂層7Bの全光線透過率が90~100%であってもよい。光透過性樹脂層7Bのヘイズが0~5%であってもよい。
【0030】
光透過性基材1(又は光透過性基材1を構成する支持フィルムの屈折率)と、光透過性樹脂層7Bの屈折率との差が0.1以下であってもよい。これにより、表示画像の良好な視認性がより一層確保され易い。光透過性樹脂層7Bの屈折率(nd25)は、例えば、1.0以上であってもよく、1.7以下、1.6以下、又は1.5以下であってよい。屈折率は、反射分光膜厚計により測定することができる。光路長の均一性の観点から、導体部3、絶縁樹脂部7A、及び光透過性樹脂層7Bが実質的に同じ厚みを有していてもよい。
【0031】
絶縁樹脂部7A及び光透過性樹脂層7Bを形成する樹脂は、硬化性樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物)の硬化物であってもよい。絶縁樹脂部7A及び/又は光透過性樹脂層7Bを形成する硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含み、その例としては、アクリル樹脂、アミノ樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエステル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フラン樹脂、COPNA樹脂、ケイ素樹脂、ジクロペンタジエン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、エピスルフィド樹脂、エン-チオール樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物、アセナフチレン、及び不飽和二重結合、並びに、環状エーテル、ビニルエーテル等の紫外線で重合反応を起こす官能基を含む紫外線硬化樹脂が挙げられる。
【0032】
絶縁樹脂部7Aを形成する樹脂と光透過性樹脂層7Bを形成する樹脂とが同じであってもよい。同じ樹脂によって形成された絶縁樹脂部7A及び光透過性樹脂層7Bは屈折率が等しいことから、導電性フィルム20を透過する光路長の均一性がより一層向上することができる。絶縁樹脂部7Aを形成する樹脂と光透過性樹脂層7Bを形成する樹脂とが同じである場合、例えば1層の硬化性樹脂層からインプリント法等によってパターン形成することによって、絶縁樹脂部7A及び光透過性樹脂層7Bを容易に一括して形成することができる。
【0033】
導電性フィルム20は、例えばインプリント法によるパターン形成を含む方法によって製造することができる。導電性フィルム20を製造する方法の一例は、支持フィルムと支持フィルムの一方の主面上に設けられた、中間樹脂層及び触媒を含有する下地層とを有する光透過性基材1を準備することと、光透過性基材1の下地層側の主面1S上に、硬化性樹脂層を形成させることと、凸部を有するモールドを用いたインプリント法により、下地層が露出するトレンチを形成させることと、トレンチを充填する導体部3を、下地層から金属めっきを成長させる無電解めっき法により形成することとを含む。硬化性樹脂層にモールドが押し込まれた状態で硬化性樹脂層を硬化させることにより、モールドの凸部の反転形状を有する開口を含むパターンを有する絶縁樹脂部7Aと光透過性樹脂層7Bとが一括して形成される。開口を含むパターンを有する絶縁樹脂部7Aを形成する方法は、インプリント法に限られず、フォトリソグラフィー等の任意の方法を適用できる。
【0034】
以上例示的に説明された導電性フィルムを、例えば平面状の透明アンテナとして表示装置に組み込むことができる。表示装置は、例えば、液晶表示装置、又は有機EL表示装置であってもよい。図4は、導電性フィルムが組み込まれた表示装置の一実施形態を示す断面図である。図4に示される表示装置100は、画像表示領域10Sを有する画像表示部10と、導電性フィルム20と、偏光板30と、カバーガラス40とを備える。ここでは、画像表示部10は、導電性フィルム20の透明アンテナに対するグラウンド導体として機能する。これにより、平面状の透明アンテナは、パッチアンテナの構成となる。導電性フィルム20、偏光板30、及びカバーガラス40は、画像表示部10の画像表示領域10S側において、画像表示部10側からこの順に積層されている。表示装置の構成は図4の形態に限られず、必要により適宜変更が可能である。例えば、偏光板30が画像表示部10と導電性フィルム20との間に設けられてもよい。画像表示部10は、例えば液晶表示部であってもよい。偏光板30及びカバーガラス40として、表示装置において通常用いられているものを用いることができる。偏光板30及びカバーガラス40は、必ずしも設けられなくてもよい。画像表示部10の画像表示領域10Sから出射される画像表示のための光が、導電性フィルム20を含む均一性の高い光路長の経路を通過する。これにより、モワレが抑制された均一性の高い良好な画像表示が可能である。
【0035】
次に、図5を参照して、本発明の実施形態に係る配線体200の構成について詳細に説明する。配線体200は、前述の導電性層5を含んで構成される。図5は、配線体200の平面図である。図5は、配線体の一部を拡大して示している。なお、以降の説明においては、主面1Sと平行な平面に対してXY座標を設定して、説明を行うものとする。Y軸方向は、主面1Sに沿った方向であり、図1に示す例においては、導電性フィルム20の辺部と直交する方向に対応する。導電性フィルム20の中央側をY軸方向の正側とし、導電性フィルム20の外周側をY軸方向の負側とする。X軸方向は、主面1Sに沿ってY軸方向と直交する方向であり、図1に示す例においては、導電性フィルム20の辺部が延びる方向に対応する。導電性フィルム20の辺部が延びる一方側をX軸方向の正側とし、他方側をX軸方向の負側とする。
【0036】
図5に示すように、配線体200は、導体部3として、メッシュ状の導体パターン50を有する。メッシュ状の導体パターン50は、第1の導電線51、及び複数の第2の導電線52を含む。第1の導電線51は、Y軸方向に平行に延びる直線状の導体部3である。複数の第1の導電線51は、X軸方向に互いに離間するように配置される。複数の第1の導電線51は、等ピッチで離間するように配置される。第2の導電線52は、X軸方向に平行に延びる直線状の導体部3である。複数の第2の導電線52は、Y軸方向に互いに離間するように配置される。複数の第2の導電線52は、等ピッチで離間するように配置される。導電線51,52の太さは特に限定されないが、例えば1~3μmに設定されてよい。また、導電線51,52のピッチも特に限定されないが、例えば100~300μmに設定されてよい。なお、第1の導電線51は、Y軸方向に延びていれば、Y軸方向と平行でなくても構わず、第2の導電線52は、X軸方向に延びていれば、X軸方向と平行でなくても構わない。
【0037】
配線体200は、電極21と、端子22と、グラウンド部23と、を有する。電極21、及びグラウンド部23は、前述のメッシュ状の導体パターン50を有する。なお、電極21、及びグラウンド部23における導体パターン50は、複数の開口を含む導体パターンであれば、メッシュ状の導体パターンに限られない。
【0038】
電極21は、放射素子部24と、給電部25と、を有する。放射素子部24は、アンテナとして信号を放射する領域である。放射素子部24は、Y軸方向に平行な二辺、及びX軸方向に平行な二辺を有する矩形状を有する。なお、図においては長方形状の放射素子部24が示されているが、放射素子部24の形状は特に限定されず、正方形状であってもよい。給電部25は、放射素子部24へ給電を行う領域である。給電部25は、Y軸方向に平行に延びる帯状の形状を有している。給電部25は、放射素子部24のY軸方向の負側の辺部に接続される。なお、放射素子部24及び給電部25は、導電線51,52が外周縁とならない場合は、外周縁を構成する端部導電線を備えていてもよい。
【0039】
端子22は、電極21に接続される。端子22は、外部機器の接続端子と接続される。端子22は、Y軸方向に平行な二辺、及びX軸方向に平行な二辺を有する矩形状を有する。端子22は、Y軸方向の正側の辺部において、給電部25に接続される。なお、図においては長方形状の端子22が示されているが、端子22の形状は特に限定されず、正方形状であってもよい。
【0040】
グラウンド部23は、電気的にグラウンド状態となる領域である。グラウンド部23は、図示されないグラウンド端子と接続される。グラウンド部23は、放射素子部24、給電部25、及び端子22の周囲を取り囲むように形成される。グラウンド部23と放射素子部24の各辺との間、グラウンド部23と給電部25の各辺との間、及びグラウンド部23と端子22の各辺との間には、メッシュが形成されていないスリット部6が形成される。スリット部6には絶縁樹脂部7Aが形成される。これにより、グラウンド部23と、放射素子部24、給電部25、及び端子22とは電気的に絶縁された状態となる。
【0041】
端子22は、メッシュ状の導体パターン50とは異なる導体パターン56を有する。後述のように、導体パターン56は開口と平面導体部の組み合わせによる様々なパターンを取り得る。従って、図5においては、導体パターン56をハッチングで示し、具体的な構成の例は後述する。導体パターン56は、図5に示すように、端子22の全域に形成されることが好ましい。導体パターン56の面積は特に限定されないが、例えば、端子22全体の面積に対する95%以上の面積であると好ましい。
【0042】
次に、図6図8を参照して、端子22の導体パターン56の一例について説明する。図6は、導体パターン56の一部を示す平面図である。図6には、「6行×6列」の行列のパターンが示されている。Y軸方向に並ぶ行を「行R1~行R6」とし、X軸方向に並ぶ列を「列C1~列C6」とする。また、行が並ぶ方向(ここではY軸方向)を「行方向」とし、列が並ぶ方向(ここではX軸方向)を「列方向」と称する場合がある。また、図においては、導体部3に該当する箇所にグレースケールが付されている。
【0043】
導体パターン56は、複数の矩形状の開口61と、複数の平面導体部62と、を含む。本実施形態では、開口61は、メッシュ状の導体パターン50の開口3aと同じ形状を有しており(図7(a)参照)、正方形の形状を有する。導体パターン56は、開口61以外の領域に導体部3を含む。平面導体部62は、導電性材料をべた塗りすることによって形成される導体部であり、XY方向に広がるような平面を形成する。一つあたりの平面導体部62は、一つあたりの開口61の開口面積以上の面積を有する。ここで、開口61の一辺に沿う方向は行方向(Y軸方向)となり、当該一辺と直交する他の一辺に沿う方向は列方向(X軸方向)となる。つまり、行方向は請求項における「第1方向」の一例であり、列方向は請求項における「第2方向」の一例である。
【0044】
本実施形態では、平面導体部62は、略正方形の形状を有する。平面導体部62の大きさは、端子22と表示装置100(図4)の接続端子とを接続する異方導電性粒子含有材の導電粒子の粒子径より大きい。ここで、平面導体部62の大きさは、平面導体部62の四角形の辺のうち、最小の辺の長さのことを意味し、平面導体部62の四角形の最小の辺の長さが異方導電性粒子含有材の導電粒子の粒子径より大きければよい。平面導体部62は、平面視において、複数の導電粒子が収まる大きさである。平面導体部62の四角形の一辺の長さは、接着剤(例えばACFボンディング)の対応最小スペースである50μm以上に設定されてよい。平面導体部62の面積は、接着剤(例えばACFボンディング)の対応最小接触面積である60000μm以上に設定されてよい。
【0045】
複数の開口61は、行方向及び列方向に規則的に配置されている。行方向に隣り合う複数の開口61、及び列方向に隣り合う複数の開口61は、千鳥状をなすように配置される。例えば、行R1の開口61は、列C2,C4,C6(偶数の列)に配置される。行R1の開口61と開口61との間には平面導体部62が配置される。従って、行R1の平面導体部62は、列C1,C3,C5(奇数の列)に配置される。行R1の開口61と行方向に隣り合う開口61は、行R2の開口61である。行R2の開口61は、列C1,C3,C5(奇数の列)に配置される。行R2の平面導体部62は、列C2,C4,C6(偶数の列)に配置される。このように、行R2の開口61は、行R1の開口61を一列分だけオフセットした位置に配置される。行R2の平面導体部62は、行R1の平面導体部62を一列分だけオフセットした位置に配置される。奇数の行である行R3,R5の複数の開口61及び平面導体部62は、行R1の複数の開口61及び平面導体部62と同様な位置に配置される。偶数の行である行R4,R6の複数の開口61及び平面導体部62は、行R2の複数の開口61及び平面導体部62と同様な位置に配置される。
【0046】
列C1の開口61は、行R2,R4,R6(偶数の行)に配置される。列C1の開口61と開口61との間には平面導体部62が配置される。従って、列C1の平面導体部62は、行R1,R3,R5(奇数の行)に配置される。列C1の開口61と列方向に隣り合う開口61は、列C2の開口61である。列C2の開口61は、行R1,R3,R5(奇数の行)に配置される。列C2の平面導体部62は、行R2,R4,R6(偶数の行)に配置される。このように、列C2の開口61は、列C1の開口61を一行分だけオフセットした位置に配置される。列C2の平面導体部62は、列C1の平面導体部62を一行分だけオフセットした位置に配置される。奇数の列である列C3,C5の複数の開口61及び平面導体部62は、列C1の複数の開口61及び平面導体部62と同様な位置に配置される。偶数の列である列C4,C6の複数の開口61及び平面導体部62は、列C2の複数の開口61及び平面導体部62と同様な位置に配置される。
【0047】
開口61の四方の角部は、行方向及び列方向に隣り合う他の開口61の角部と離間して配置される。当該開口61の角部と開口61の角部との間の隙間には、導体部3が配置される。当該隙間の導体部3は、平面導体部62を連結する連結部として機能する。そのため、平面導体部62は、行方向及び列方向に隣り合う他の平面導体部62の角部と連結する。平面導体部62の四方の角部は、行方向及び列方向に隣り合う他の平面導体部62と連結する。例えば、「行R2×列C2」の平面導体部62の角部は、「行R1×列C1」の平面導体部62の角部と連結する。「行R2×列C2」の平面導体部62の角部は、「行R1×列C3」の平面導体部62の角部と連結する。「行R2×列C2」の平面導体部62の角部は、「行R3×列C1」の平面導体部62の角部と連結する。「行R2×列C2」の平面導体部62の角部は、「行R3×列C3」の平面導体部62の角部と連結する。
【0048】
次に、図7を参照して、開口61及び平面導体部62の構成について更に詳細に説明する。図7(a)は、メッシュ状の導体パターン50を示す拡大図である。導体パターン50の開口3aは、一対の第1の導電線51と、一対の第2の導電線52で囲まれるように配置される。開口3aは、「行R1,R2,R3×列C1,C2,C3」のそれぞれに形成される。
【0049】
図7(b)は、導体パターン56を示す拡大図である。導体パターン56は、メッシュ状の導体パターン50の一部の開口3aを導電材料でベタ塗りすることによって構成される。導体パターン56の開口61は、メッシュ状の導体パターン50と同様な形状を有している。平面導体部62は、一つ分の開口61(開口3a)に相当する箇所を単位領域UEとして有する。本実施形態では、一つあたりの平面導体部62は、一つの単位領域UEを有する。さらに、一つあたりの平面導体部62は、単位領域UEのY軸方向の両側に一対の第1の導電線51に相当する導電線領域LE1を有し、単位領域UEのX軸方向の両側に一対の第2の導電線52に相当する導電線領域LE2を有する。
【0050】
次に、導体パターン56の断面形状について説明する。図8は、図7(b)に示すVIII-VIII線に沿った断面図である。図8に示すように、配線体200は、前述の光透過性基材1と、光透過性基材1上に設けられる絶縁樹脂部7A(樹脂層)と、を更に備える。すなわち、端子22は、開口61内に配置される絶縁樹脂部7Aを有する。絶縁樹脂部7Aは、光透過性基材1のうち、導体部3と導体部3との間の領域に形成される。
【0051】
次に、図9を参照して、別のパターンに係る導体パターン56について説明する。図9に示すように、端子22は、一部を導電線51,52により構成されるメッシュ部65、及びメッシュ部65の開口面積以上の面積を有する平面導体部62を含む導体パターン56を有する。端子22は、メッシュ部65の開口61内に配置される絶縁樹脂部7A(樹脂層)を有する(図8参照)。
【0052】
図9に示す導体パターン56において、任意の列の複数の開口61及び平面導体部62が交互に配置される。任意の列と列方向に隣り合う列では、開口61が連続して配置される。任意の列と列方向に二番目に隣り合う列では、任意の列の複数の開口61及び平面導体部62に対して千鳥状をなすように、複数の開口61及び平面導体部62が交互に配置される。具体的に、列C1の開口61は、行R2,R4,R6(偶数の行)に配置される。列C1の平面導体部62は、行R1,R3,R5(奇数の行)に配置される。列C2の開口61は、行R1,R2,R3,R4,R5,R6に配置される。列C3の開口61は、行R1,R3,R5(奇数の行)に配置される。列C3の平面導体部62は、行R2,R4,R6(偶数の行)に配置される。列C4の開口61は、行R1,R2,R3,R4,R5,R6に配置される。列C5の開口61は、行R2,R4,R6(偶数の行)に配置される。列C5の平面導体部62は、行R1,R3,R5(奇数の行)に配置される。列C6の開口61は、行R1,R2,R3,R4,R5,R6に配置される。
【0053】
上述の導体パターン56では、二つの開口61が行方向に隣り合う箇所に、第1の導電線51が配置される。二つの開口61が列方向に隣り合う箇所に、第2の導電線52が配置される。このように、複数の開口61が行方向または列方向に隣り合う箇所が、メッシュ部65として構成される。
【0054】
次に、図10及び図11を参照して、別のパターンに係る導体パターン56について説明する。図10に示すように、端子22は、一部を導電線51,52により構成されるメッシュ部65、及びメッシュ部65の開口面積以上の面積を有する平面導体部62を含む導体パターン56を有する。平面導体部62のうち、一つ分の開口61に相当する箇所を単位領域UEとした場合、平面導体部62は、複数の単位領域UEが連結されている連結領域CEを有する(図11参照)。端子22は、メッシュ部65の開口61内に配置される絶縁樹脂部7A(樹脂層)を有する(図8参照)。
【0055】
図10に示す導体パターン56において、行方向に二つ、及び列方向に二つの開口61が集まることで一単位のメッシュ部65が形成される。図11に示すように、行方向に二つ、及び列方向に二つの単位領域UEが集まることで一つの平面導体部62が形成される。隣り合う単位領域UEの間には、導電線領域LE1,LE2が配置される。また、単位領域UEと開口61との間には、導電線領域LE1,LE2が配置される。
【0056】
図10に示すように、複数の平面導体部62は、行方向において、単位領域UEの二つ分の長さ以上の周期にて配置されている。複数の平面導体部62は、列方向においても、単位領域UEの二つ分の長さ以上の周期にて配置されている。本実施形態では、複数の平面導体部62は、行方向及び列方向において、「単位領域UEの二つ分の長さ+導電線51,52の一本分の長さ」の周期にて配置されている。具体的に、行R1,R2においては、列C1,C2に平面導体部62が配置され、列C3,C4に四つの開口61によるメッシュ部65が配置され、列C5,C6に平面導体部62が配置される。行R3,R4においては、列C1,C2に四つの開口61によるメッシュ部65が配置され、列C3,C4に平面導体部62が配置され、列C5,C6に四つの開口61によるメッシュ部65が配置される。行R5,R6においては、列C1,C2に平面導体部62が配置され、列C3,C4に四つの開口61によるメッシュ部65が配置され、列C5,C6に平面導体部62が配置される。
【0057】
上述のような構成により、平面導体部62は、行方向及び列方向に隣り合う他の平面導体部62の角部と連結する。例えば、「行R3,R4×列C3,C4」の平面導体部62の角部は、「行R1,R2×列C1,C2」の平面導体部62の角部と連結する。「行R3,R4×列C3,C4」の平面導体部62の角部は、「行R1,R2×列C5,C6」の平面導体部62の角部と連結する。「行R3,R4×列C3,C4」の平面導体部62の角部は、「行R5,R6×列C1,C2」の平面導体部62の角部と連結する。「行R3,R4×列C3,C4」の平面導体部62の角部は、「行R5,R6×列C5,C6」の平面導体部62の角部と連結する。また、このような構成により、行方向に隣り合う複数の平面導体部62、及び列方向に隣り合う複数の平面導体部62は、千鳥状をなすように配置される。
【0058】
次に、本実施形態に係る配線体200、及び表示装置100の作用・効果について説明する。
【0059】
本実施形態に係る配線体200によれば、図6に示すように、端子22は、複数の矩形状の開口61、及び開口61の開口面積以上の面積を有する平面導体部62を含む導体パターン56を有している。複数の開口61は、行方向及び列方向に規則的に配置されており、行方向又は列方向に隣り合う複数の開口61は、千鳥状をなすように配置される。端子22は、開口61内に配置される樹脂層を有する。このような構成により、複数の開口61の間には、平面状に広がる平面導体部62が規則的に配置される。従って、端子22は、平面状に広がる平面導体部62を介して、外部の接続端子に接続される。この構成は、メッシュ状の領域のみを有する導体パターン50と外部の接続端子とを接続する場合より、端子22と外部の接続端子との導通性を向上できる。また、開口61内に配置される樹脂層を有するため、端子22の表面の平坦性が確保され、端子22と外部の接続端子との安定した接続を実現できる。
【0060】
本実施形態に係る配線体200によれば、図9及び図10に示すように、端子22は、一部を導電線51,52により構成されるメッシュ部65、及びメッシュ部65の開口面積以上の面積を有する平面導体部62を含む導体パターン56を有する。端子22は、開口61内に配置される樹脂層を有する。このような構成により、端子22は、メッシュ部65のみならず、平面状に広がる平面導体部62を介して、外部の接続端子に接続される。この構成は、メッシュ状の領域のみを有する導体パターン50と外部の接続端子とを接続する場合より、端子22と外部の接続端子との導通性を向上できる。また、開口61内に配置される樹脂層を有するため、端子22の表面の平坦性が確保され、端子22と外部の接続端子との安定した接続を実現できる。
【0061】
また、例えば、メッシュ状の導体パターン50の上に導電材料をべた塗りすることで平面導体部を形成する場合、導体パターン50のメッシュ部とは異なるプロセスにて平面導体部を形成する必要がある。一方、図6図9及び図10に示す導体パターン56は、メッシュ部と同じプロセスにて平面導体部62を形成することができる。
【0062】
図10に示すように、平面導体部62のうち、一つ分の開口61に相当する箇所を単位領域UEとした場合、平面導体部62は、複数の単位領域UEが連結されている連結領域CEを有してよい。この場合、平面導体部62の面積を広くすることで、端子22と外部の接続端子との導通性を向上できる。
【0063】
図10に示すように、複数の平面導体部62は、行方向において、単位領域UEの二つ分の長さ以上の周期にて配置されていてよい。複数の平面導体部62を近付けすぎると、平面導体部62の一辺の長さが大きいことと同じこととなり、平面導体部62を良好に形成できない場合がある。これに対し、複数の平面導体部62を単位領域の二つ分の長さ以上の間隔をあけて配置することで、平面導体部62を良好に形成することができる。
【0064】
図6に示すように、行方向に隣り合う複数の開口61、及び列方向に隣り合う複数の開口61は、千鳥状をなすように配置されてよい。これにより、平面状に広がる平面導体部62を行方向及び列方向に均等に分散させて配置させることができるため、端子22と外部の接続端子との導通性を向上できる。
【0065】
平面導体部62は、行方向及び列方向に隣り合う他の平面導体部62の角部と連結してよい。この場合、複数の平面導体部62を分散させながら、互いに近い位置に配置できるため、端子22と外部の接続端子との導通性を向上できる。また、複数の平面導体部62が独立せずに、1つの端子として形成されることから、端子22と外部の接続端子との安定した接続を実現できる。
【0066】
本実施形態に係る表示装置100は、上述の配線体200を備える。
【0067】
上述の表示装置100によれば、上述の配線体200と同様な作用・効果を得ることができる。
【0068】
平面導体部62の大きさは、端子22と表示装置100の接続端子とを接続する異方導電性粒子含有材の導電粒子の粒子径より大きくてよい。これにより、平面導体部62と表示装置100の接続端子との接続性を向上できる。
【0069】
平面導体部62は、平面視において、複数の導電粒子が収まる大きさであってよい。これにより、平面導体部62と表示装置100の接続端子との接続性を向上できる。
【0070】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0071】
例えば、図5に示す構成は導電性層5の構成の一例に過ぎず、電極21、及び端子22及びグラウンド部23の形状を適宜変更してもよい。
【0072】
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、導体パターン56のパターンを適宜変更してよい。
【0073】
図1は導電性フィルムの全体構成の一例に過ぎず、導電性フィルムの中で導電性層をどのような範囲、形状で形成してもよい。
【0074】
導電性フィルムの適用装置として表示装置を例示したが、他の装置に導電性フィルムを適用してもよい。例えば、建物や自動車等のガラスなどに導電性フィルムを適用してもよい。
【0075】
上述の実施形態では、電極21に接続される端子22が導体パターン56を有していた。これに加えて、グラウンド部23のうち、外部のグラウンド端子と接続される端子(配線体200におけるグラウンド端子)に該当する領域は、端子22と同趣旨の導体パターン56を有してよい。このようなグラウンド部23の端子は、例えば、グラウンド部23のうち、端子22とX軸方向に隣り合う領域に形成されてよい。これにより、グラウンド部23の端子についても上述の実施形態における作用・効果と同様の作用・効果を得ることができる。配線体において、端子22のみが導体パターン56を有してもよく、グラウンド部23の端子のみが導体パターン56を有してもよく、あるいは、端子22及びグラウンド部23の端子の両方が導体パターン56を有してもよい。
【0076】
上述の実施形態ではアンテナとして用いられる配線体を例示したが、配線体の構造の用途は限定されず、例えばタッチセンサなどに適用されてもよい。
【0077】
本開示に係る技術には、以下の構成例が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0078】
本開示の一側面に係る配線体は、電極と、端子と、を備え、端子は、複数の矩形状の開口、及び開口の開口面積以上の面積を有する平面導体部を含む導体パターンを有し、複数の開口は、開口の一辺に沿う第1方向及び一辺と直交する他の一辺に沿う第2方向に規則的に配置されており、第1方向又は第2方向に隣り合う複数の開口は、千鳥状をなすように配置され、端子は、開口内に配置される樹脂層を有する。
【0079】
上述の配線体によれば、端子は、複数の矩形状の開口を含む導体パターンを有している。複数の開口は、開口の一辺に沿う第1方向及び一辺と直交する他の一辺に沿う第2方向に規則的に配置されており、第1方向又は第2方向に隣り合う複数の開口は、千鳥状をなすように配置される。端子は、開口内に配置される樹脂層を有する。このような構成により、複数の開口の間には、平面状に広がる導体部が規則的に配置される。従って、端子は、平面状に広がる導体部を介して、外部の接続端子に接続される。この構成は、メッシュ状の領域のみを有する導体パターンと外部の接続端子とを接続する場合より、端子と外部の接続端子との導通性を向上できる。また、開口内に配置される樹脂層を有するため、端子の表面の平坦性が確保され、端子と外部の接続端子との安定した接続を実現できる。
【0080】
本開示の一側面に係る配線体は、電極と、端子と、を備え、端子は、一部を導電線により構成されるメッシュ部、及びメッシュ部の開口面積以上の面積を有する平面導体部を含む導体パターンを有し、端子は、メッシュ部の開口内に配置される樹脂層を有する。
【0081】
上述の配線体によれば、端子は、一部を導電線により構成されるメッシュ部、及びメッシュ部の開口面積以上の面積を有する平面導体部を含む導体パターンを有する。端子は、開口内に配置される樹脂層を有する。このような構成により、端子は、メッシュ部のみならず、平面状に広がる平面導体部を介して、外部の接続端子に接続される。この構成は、メッシュ状の領域のみを有する導体パターンと外部の接続端子とを接続する場合より、端子と外部の接続端子との導通性を向上できる。また、開口内に配置される樹脂層を有するため、端子の表面の平坦性が確保され、端子と外部の接続端子との安定した接続を実現できる。
【0082】
平面導体部のうち、一つ分の開口に相当する箇所を単位領域とした場合、平面導体部は、複数の単位領域が連結されている連結領域を有してよい。この場合、平面導体部の面積を広くすることで、端子と外部の接続端子との導通性を向上できる。
【0083】
複数の平面導体部は、メッシュ部の開口の一辺に沿う第1方向において、単位領域の二つ分の長さ以上の周期にて配置されていてよい。複数の平面導体部を近付けすぎると、平面導体部の一辺の長さが大きいことと同じこととなり、平面導体部を良好に形成できない場合がある。これに対し、複数の平面導体部を単位領域の二つ分の長さ以上の間隔をあけて配置することで、平面導体部を良好に形成することができる。
【0084】
第1方向に隣り合う複数の開口、及び第2方向に隣り合う複数の開口は、千鳥状をなすように配置されてよい。これにより、平面状に広がる導体部を第1方向及び第2方向に均等に分散させて配置させることができるため、端子と外部の接続端子との導通性を向上できる。
【0085】
メッシュ部の開口の一辺に沿う第1方向に隣り合う複数の平面導体部、及び一辺と直交する他の一辺に沿う第2方向に隣り合う複数の平面導体部は、千鳥状をなすように配置されてよい。これにより、平面状に広がる導体部を第1方向及び第2方向に均等に分散させて配置させることができるため、端子と外部の接続端子との導通性を向上できる。
【0086】
平面導体部は、第1方向及び第2方向に隣り合う他の平面導体部の角部と連結してよい。この場合、複数の平面導体部を分散させながら、互いに近い位置に配置できるため、端子と外部の接続端子との導通性を向上できる。また、複数の平面導体部が独立せずに、1つの端子として形成されることから、端子と外部の接続端子との安定した接続を実現できる。
【0087】
本開示の一側面に係る表示装置は、上述の配線体を備える。
【0088】
上述の表示装置によれば、上述の配線体と同様な作用・効果を得ることができる。
【0089】
平面導体部の大きさは、端子と表示装置の接続端子とを接続する異方導電性粒子含有材の導電粒子の粒子径より大きくてよい。これにより、平面導体部と表示装置の接続端子との接続性を向上できる。
【0090】
平面導体部は、平面視において、複数の導電粒子が収まる大きさであってよい。これにより、平面導体部と表示装置の接続端子との接続性を向上できる。
【符号の説明】
【0091】
7A…絶縁樹脂部(樹脂層)、21…電極、22…端子、56…導体パターン、61…開口、62…平面導体部、65…メッシュ部、100…表示装置、200…配線体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11