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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020478
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】熱風発生装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 15/12 20060101AFI20250205BHJP
   F26B 21/04 20060101ALI20250205BHJP
   B05C 9/14 20060101ALI20250205BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20250205BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
F26B15/12 B
F26B21/04 B
B05C9/14
B05C11/00
B05C11/10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119272
(22)【出願日】2023-07-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000149790
【氏名又は名称】株式会社大気社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 浩三
(72)【発明者】
【氏名】小池 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 洋顕
【テーマコード(参考)】
3L113
4F042
【Fターム(参考)】
3L113AA02
3L113AB02
3L113AC08
3L113AC35
3L113AC45
3L113AC46
3L113AC51
3L113AC67
3L113BA32
3L113CA05
3L113CB04
3L113CB24
3L113DA26
4F042AA09
4F042BA06
4F042BA13
4F042BA19
4F042BA21
4F042DB02
4F042DB10
4F042DB12
4F042DB18
4F042DB27
4F042DB29
4F042DB30
4F042DB31
4F042DB33
4F042DB34
4F042DB36
4F042DB37
4F042DB40
4F042DF05
4F042DF15
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素排出量を削減可能な熱風発生装置を提供すること。
【解決手段】塗装乾燥炉の乾燥ガスに関する加熱処理を行う熱風発生装置であって、前記乾燥ガスが供給される加熱室と、前記加熱室の壁部に取り付けられた電気式フローヒータと、を備え、前記電気式フローヒータは、発熱体が設けられた加熱部と、前記加熱室の外部に設けられ、前記加熱部を通過させるガスが導入される導入部と、前記加熱室の内部に設けられ、前記加熱部を通過したガスが排出される排出部と、前記加熱室の外部に設けられ、前記発熱体に電力を供給するための電気接続端子と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装乾燥炉の乾燥ガスに関する加熱処理を行う熱風発生装置であって、
前記乾燥ガスが供給される加熱室と、
前記加熱室の壁部に取り付けられた電気式フローヒータと、を備え、
前記電気式フローヒータは、
発熱体が設けられた加熱部と、
前記加熱室の外部に設けられ、前記加熱部を通過させるガスが導入される導入部と、
前記加熱室の内部に設けられ、前記加熱部を通過したガスが排出される排出部と、
前記加熱室の外部に設けられ、前記発熱体に電力を供給するための電気接続端子と、
を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記加熱部は、貫通孔が形成されたセラミック製の支持体を備え、
前記発熱体は前記貫通孔の中に設けられ、前記貫通孔にガスを通過させる、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータは、
前記加熱室の内部に設けられ、前記加熱部の周囲に設けられた断熱材と、
前記加熱室の内部に設けられ、前記断熱材を覆う金属製のカバー部と、を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の熱風発生装置であって、
前記カバー部は、
外筒部と、
前記外筒部の端部を覆う端板部と、
前記端板部に形成され、前記排出部を構成する筒状のノズル部と、を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータは、
前記カバー部と一体的に形成され、前記電気式フローヒータを前記壁部に固定するフランジ部を有する、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項6】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記熱風発生装置は、前記加熱室で加熱された乾燥ガスを前記塗装乾燥炉に戻す循環部を備えた熱風循環装置である、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項7】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記導入部には前記乾燥ガスが導入される、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項8】
請求項7に記載の熱風発生装置であって、
前記熱風発生装置は、前記乾燥ガスの有害物質を燃焼無害化して排気する熱処理装置である、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項9】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータの通過するガスの圧力損失を検知する検知手段を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項10】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータを通過したガスの温度を検知する検知手段を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項11】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータを通過するガスの風量を検知する検知手段を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項12】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記導入部にガスを供給するファンと、
前記ファンと、前記発熱体に供給する電力とを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
第一の制御状態から前記第一の制御状態よりも前記ファンの風量と前記電力と低下させた第二の制御状態に制御状態を移行する処理を実行する、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項13】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記壁部に、独立して駆動される複数の前記電気式フローヒータが設けられている、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項14】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記加熱部は、前記発熱体と、該発熱体を支持するセラミック製の支持体とを複数組備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱風発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の塗装を乾燥する塗装乾燥炉では、塗装乾燥炉に循環される乾燥ガスを加熱するための熱風循環装置や、乾燥ガスを大気に排気する際にヤニを除去するための熱処理装置といった熱風発生装置が設けられている(例えば特許文献1)。こうした熱風発生装置の熱源としてはガスバーナが広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3251157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地球温暖化の防止のため、産業界は二酸化炭素排出量の削減が求められている。ガスバーナに代わる二酸化炭素排出量の少ない熱源に使用が望ましい。
【0005】
本発明の目的は、二酸化炭素排出量を削減可能な熱風発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
塗装乾燥炉の乾燥ガスに関する加熱処理を行う熱風発生装置であって、
前記乾燥ガスが供給される加熱室と、
前記加熱室の壁部に取り付けられた電気式フローヒータと、を備え、
前記電気式フローヒータは、
発熱体が設けられた加熱部と、
前記加熱室の外部に設けられ、前記加熱部を通過させるガスが導入される導入部と、
前記加熱室の内部に設けられ、前記加熱部を通過したガスが排出される排出部と、
前記加熱室の外部に設けられ、前記発熱体に電力を供給するための電気接続端子と、
を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、二酸化炭素排出量を削減可能な熱風発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】塗装乾燥システムの概略図。
図2】電気式フローヒータの近傍の構成を示す図。
図3】(A)は電気式フローヒータの断面図、(B)は図3(A)のA-A線断面図及び部分拡大図。
図4】(A)は別の電気式フローヒータの近傍の構成を示す図、(B)は別の電気式フローヒータの断面図。
図5】(A)及び(B)は制御装置の処理例を示すフローチャート。
図6】(A)及び(B)は制御装置の処理例を示すフローチャート。
図7】別の塗装乾燥システムの概略図。
図8】支持体の別の例を示す図。
図9】熱処理装置の別の例を示す図。
図10】ガスバーナを用いた塗装乾燥システムの概略図。
図11】ガスバーナと電気式フローヒータとの交換例を示す説明図。
図12】ガスバーナと電気式フローヒータとの交換例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<第一実施形態>
<塗装乾燥システム>
図1は塗装乾燥システム1の概略図である。塗装乾燥システム1は、ワークWの塗膜の焼き付け乾燥処理を行うシステムである。ワークWはここでは自動車のボディが想定されている。塗装乾燥システム1は、塗装乾燥炉2と、複数の熱風循環装置3と、熱処理装置5と、制御装置6とを備える。塗装乾燥炉2は、ワークWの入口20aと出口20bとを有し、これらの間に乾燥空間を形成する筒型の壁体20を有する。ワークWは搬送装置23によって入口20aから出口20bを通過するように搬送され、その間にワークWの塗膜が乾燥される。熱風循環装置3と熱処理装置5とは、ともに熱風を発生させる熱風発生装置の一例である。
【0011】
熱風循環装置3は塗装乾燥炉2に高温の乾燥ガスを供給する供給装置であり、本実施形態では2台の熱風循環装置3が設けられている。本実施形態の場合、乾燥ガスは加熱した空気である。熱風循環装置3は3台以上設けられてもよい。熱風循環装置3は、加熱室30と、加熱室30と塗装乾燥炉2との間で乾燥ガスを循環する循環部RCとを備える。
【0012】
循環部RCは、塗装乾燥炉2に連通した風路31aを介して塗装乾燥炉2内の乾燥ガスを加熱室30に供給する。加熱室30には、熱源として電気式フローヒータ33が設けられている。電気式フローヒータ33は、ファン34によって送風される新鮮外気FSを加熱し、加熱された新鮮外気は加熱室30内に吹き付けられる。ファン34は風路34aを介して新鮮外気FSを取り込んで電気式フローヒータ33に送風する。風路34aの途中にはフィルタ35が設けられており、フィルタ35は新鮮外気FS中のごみ等の異物を除去する。
【0013】
加熱室30内はフィルタ36で上流側の空間と下流側の空間とに仕切られている。上流側の空間には、塗装乾燥炉2から乾燥ガスが送風されると共に電気式フローヒータ33から加熱された新鮮外気FSが導入される。乾燥ガスと新鮮外気FSとが混合されて高温の乾燥ガスが生成される。
【0014】
循環部RCはファン32を備え、フィルタ36で異物が除去された乾燥ガスは、ファン32によって、塗装乾燥炉2に連通した風路32aを介して塗装乾燥炉2に戻される。戻された乾燥ガスは、塗装乾燥炉2に設けられた複数のノズルから塗装乾燥炉2内に吹き出されてワークWの塗膜を乾燥する。こうして乾燥ガスを塗装乾燥炉2と熱風循環装置3との間で循環しつつ、熱風循環装置3で加熱することで、塗装乾燥炉2内の乾燥ガスを所定の温度に維持することができる。
【0015】
熱処理装置5は、乾燥ガス中の有害物質を燃焼無害化して排気する蓄熱式脱臭装置である。有害物質としては、例えば、VOC(揮発性有機化合物)、ヤニが挙げられる。熱処理装置5は有害物質を加熱して酸化することで無害化する。
【0016】
熱処理装置5は、加熱室50を備える。加熱室50には風路51aを介してファン51によって乾燥ガスが供給される。乾燥ガスは、風路41、ファン42及び43と風路44とを介してファン51に導入される。ファン42は入口20aに設けられたフード部21から乾燥ガスを取り込み、風路44を介してファン51へ送風する。ファン43は出口20bに設けられたフード部22から乾燥ガスを取り込み、風路44を介してファン51へ送風する。
【0017】
加熱室50には、熱源として電気式フローヒータ53が設けられている。電気式フローヒータ53は、ファン54によって送風される気体を加熱し、加熱された気体は乾燥室50内に吹き付けられる。ファン54によって送風される気体は、新鮮外気でもよいが、本実施形態では乾燥ガスを用いる。具体的には、風路51aから分岐した風路51bを介してファン51からファン54へ乾燥ガスを供給し、ファン54から電気式フローヒータ53に乾燥ガスを送風する。電気式フローヒータ53に供給する気体として乾燥ガスを用いることで、乾燥ガス中の有害物質の燃焼無害化を促進でき、かつ、既に加熱されている乾燥ガスを用いることで、より少ないエネルギで加熱室50内の高温化を図れる。
【0018】
加熱室50内は触媒55で下方の空間と上方の空間とに仕切られている。下方の空間には、ファン51から乾燥ガスの一部が送風される。上方の空間には、電気式フローヒータ53から加熱された乾燥ガスが導入される。ファン51から送風される乾燥ガスの一部は電気式フローヒータ53で加熱された乾燥ガスで加熱され、触媒55を通過して無害化される。無害化された乾燥ガスはファン52によって大気に放出される。
【0019】
制御装置6は、塗装乾燥システム1全体の制御を司る電子回路である。制御装置6は、例えば、CPU等のプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部のデバイスとの信号の入出力を行う入出力インタフェース、上位装置との通信を行う通信インタフェース、オペレータの操作を受け付ける入力装置、オペレータに情報を表示する表示装置を含み、プロセッサが記憶デバイスに格納されたプログラムを実行して、塗装乾燥システム1を構成する各アクチュエータの制御を行う。上位装置は、例えば、塗装乾燥システム1を含む塗装設備全体を統括するコンピュータである。
【0020】
<電気式フローヒータ>
電気式フローヒータ33について、図2図3(B)を参照して説明する。図2は電気式フローヒータ33近傍の構成を示す図である。図3(A)は電気式フローヒータ33の断面図であり、図3(B)のA’-A’線断面図に相当する。図3(B)は図3(A)のA-A線断面図及びその部分拡大図である。
【0021】
電気式フローヒータ33は、全体としてD1方向に延設された軸状或いは円柱状の外観を有しており、D1方向の一端部にガス(新鮮外気FS)の導入部331を、他端部に加熱後のガスを排出する排出部332を備える。導入部331は加熱室30の外部に位置し、導入部331には風路34bを介してファン34が接続される。導入部331が加熱室30の外部に位置しているので、ファン34や風路34bの設置・配管作業が容易である。
【0022】
電気式フローヒータ33は、その外壁を構成する金属製のケース部材330を備える。ケース部材330は全体として中空円筒形状を有しており、D1方向の途中の部位にはケース部材330から径方向に突出した円盤形状のフランジ部333が一体的に形成されている。電気式フローヒータ33は、フランジ部333によって加熱室30の外壁を構成する壁部300に固定される。より具体的には、壁部300には円筒形状の取付部301が形成されており、取付部301にはフランジ部333と同形のフランジ部301aが設けられている。フランジ部333には周方向に複数の取付孔333aが形成されており、ボルト-ナットによる締結によってフランジ部333とフランジ部301aとが固定される。電気式フローヒータ33が壁部300に固定された状態において、排出部332は加熱室30の内部空間302に位置している。
【0023】
ケース部材330の一端部は端板330dにより閉鎖されている。端板330dには上述した導入部331が形成されている。導入部331はケース部材330の内部に連通した円筒形状を有している。
【0024】
ケース部材330の内部には、加熱部HP1が内蔵されている。加熱部HP1は加熱室30の内部空間302に位置している。加熱部HP1は、複数の発熱体338と、発熱体338を支持する支持体337とを備える。発熱体338は、電力の通電により発熱する線材であり、例えば、ニクロム線やカンタル線である。図示の例では3本の発熱体338が用いられている。支持体337は、D1方向に貫通する多数の孔337aが形成された円柱形状の部材である。支持体337は例えばセラミック材である。
【0025】
孔337aは空気の通り道を形成すると共に、発熱体338の支持孔として機能する。各発熱体338は、一の孔337aを通過した後、折り返して、別の孔337aを通過し、再び折り返して更に別の孔337aを通過している。このようにして発熱体338はD1方向に支持体337を往復するようにして複数の孔337aを通過している。発熱体338を発熱することで、孔337aを通過するガスを加熱することができる。支持体337がセラミック材の場合、遠赤外線の放出によってガスをより高温に加熱することができ、例えば、摂氏1000度以上の加熱も可能である。
【0026】
ケース部材33の周壁には、各発熱体338に対応した電気接続端子334と、GND電位とされる電気接続端子335とが設けられている。電気接続端子334及び335は端板330dとフランジ部333との間に配置されている。発熱体338の一端は対応する電気接続端子334に接続され、他端は電気接続端子335に接続される。電気接続端子334及び335には駆動回路の配線が接続され、通電は制御装置6により制御される。電気接続端子334及び電気接続端子335は加熱室30の外部に位置し、かつ、ケース部材の外部に露出している。配線作業や電気系のメンテナンス作業の作業性を向上する。
【0027】
加熱部HP1の周囲には断熱材339が設けられている。断熱材339は、例えば、帯状の断熱素材を加熱部HP1に巻くようにして形成されている、又は、加熱部HP1を被覆する円筒形状を有している。断熱材339は例えば、セラミックファイバーである。加熱部HP1の周囲に断熱材339を設けることで、加熱室30の内部空間302から加熱部HP1を断熱でき、内部空間302の温度が加熱部HP1に与える影響を低減できる。
【0028】
使用による断熱材339の劣化によって、断熱材339が塵の発生源となる場合がある。熱風循環装置3で加熱された乾燥ガスは塗装乾燥炉2に戻されるため、乾燥ガスが塵を含有することは望ましくない。本実施形態では、ケース部材33が、断熱材339を覆うカバー部CPを有している。
【0029】
カバー部CPはフランジ部333から加熱室30の側に形成されており、フランジ部333と一体に形成されている。カバー部CPは、外筒部330a、端板部330b及びノズル部332を有する。外筒部330aは円筒形状を有しており、断熱材339の周面を覆う。端板部330bは外筒部330aの端部(ケース部材33の端部)を閉鎖すると共に断熱材339の端部を覆う。ノズル部332は端板部330bに形成され、排出部332を構成する円筒状の部材であり、加熱部HP1の端部に対向している。加熱部HP1の端部よりもノズル部332の開口面積は僅かに小さい。断熱材339がカバー部CPで覆われるため、塵が発生しても、外部に流出することを抑制することができる。
【0030】
以上の構成により、図3(A)に破線矢印で示すように、ファン34によって導入部331からケース部材33の内部に導入された新鮮外気FSは、加熱部HP1を通過することにより加熱され、排出部332から加熱室30の内部空間302に吹き出される。加熱された新鮮外気FSの温度は、ファン34の風量と発熱体338に対する電力とで制御できる。
【0031】
熱風循環装置3の制御に用いるセンサの例について説明する。加熱室30内には温度センサ38と、圧力センサ39Aとが設けられている。風路34bには風量センサ37と圧力センサ39Bとが設けられている。電気式フローヒータ33には温度センサ336が設けられている。
【0032】
温度センサ38により、電気式フローヒータ33を通過したガスの温度を検知することができ、この検知結果に基づいてファン34の風量や発熱体338への供給電力を制御することで加熱室30内の温度調整(乾燥ガスの温度調整)を行うことができる。圧力センサ39A及び39Bの検知結果により、電気式フローヒータ33を通過するガスの圧力損失を検知することができる。圧力損失が大きい場合、加熱部HP1におけるガスの通過の抵抗が高くなっていること、すなわち、使用による劣化によって目詰まり等が生じていると判断でき、支持体338の交換やメンテナンスの目安にすることができる。
【0033】
風量センサ37によりファン34の風量を検知でき、その検知結果によりファン34の制御を行うことができる。また、風量センサ37の検知結果により、支持体338の交換やメンテナンスの目安にすることもできる。すなわち、ファン34の出力に対して風量センサ37の検知結果が著しく低い風量を示す場合、加熱部HP1におけるガスの通過の抵抗が高くなっていること、すなわち、使用による劣化によって目詰まり等が生じていると判断できる。温度センサ336は、加熱部HP1の温度を検知するセンサであり、温度検知部336aは支持体337内に配置されている。温度センサ336の検知結果により、加熱部HP1の温度制御や、発熱体338の断線推定(通電量に対して温度が低い)等を行うことができる。
【0034】
次に、電気式フローヒータ53について図4(A)及び図4(B)を参照して説明する。電気式フローヒータ53の基本的構成は電気式フローヒータ33と同じであり、以下の説明では異なる点を中心に説明する。図4(A)は電気式フローヒータ53近傍の構成を示す図である。図4(B)は電気式フローヒータ33の断面図であり、電気式フローヒータ33の説明に用いた図3(A)の断面図に相当する。
【0035】
電気式フローヒータ53は、全体としてD11方向に延設された軸状或いは円柱状の外観を有しており、D11方向の一端部に乾燥ガスの導入部531を、他端部に加熱後のガスを排出する排出部532を備える。導入部531は加熱室50の外部に位置し、導入部531には風路54aを介してファン54が接続される。
【0036】
電気式フローヒータ53は、その外壁を構成する金属製のケース部材530を備える。ケース部材530は全体として中空円筒形状を有しており、D11方向の途中の部位にはケース部材530から径方向に突出した円盤形状のフランジ部533が一体的に形成されている。電気式フローヒータ53は、フランジ部533によって加熱室50の外壁を構成する壁部500に固定される。より具体的には、壁部500には円筒形状の取付部501が形成されており、取付部501にはフランジ部533と同形のフランジ部501aが設けられている。フランジ部533には周方向に複数の取付孔533aが形成されており、ボルト-ナットによる締結によってフランジ部533とフランジ部501aとが固定される。電気式フローヒータ53が壁部500に固定された状態において、排出部532は加熱室50の内部空間502に位置している。
【0037】
ケース部材530の一端部は端板530bにより閉鎖されている。端板530bには上述した導入部531が形成されている。導入部531はケース部材530の内部に連通した円筒形状を有している。
【0038】
ケース部材330の内部には、加熱部HP2が内蔵されている。加熱部HP2の構造は加熱部HP1と同様であり、複数の発熱体538と、発熱体538を支持する支持体537とを備える。発熱体538及び支持体537は、電気式フローヒータ33の発熱体338及び支持体337と同様である。ケース部材53の周壁には、各発熱体538に対応した電気接続端子534と、GND電位とされる電気接続端子535とが設けられている。
【0039】
ケース部材530は、加熱部HP2を支持する筒部537を有している。筒部537はフランジ部533から加熱室50の側へD11方向に延設された円筒形状の部材であり、その端部は排出部532を形成している。
【0040】
加熱部HP2の周囲には断熱材539が設けられている。断熱材539は電気式フローヒータ33の断熱材339と同様の部材であり、例えば、帯状の断熱素材を筒部537に巻くようにして形成されている、又は、筒部537を囲む円筒形状を有している。
【0041】
使用による断熱材539の劣化によって、断熱材539が塵の発生源となる場合があるが、熱処理装置5で加熱された乾燥ガスは塗装乾燥炉2に戻されることなく、排気される。このため、電気式フローヒータ53では電気式フローヒータ33とは異なり、断熱材539を覆う部材は有していない。尤も、電気式フローヒータ53として、カバー部CPを有する電気式フローヒータ33と同じ構造のものを用いてもよいことはいうまでもない。
【0042】
以上の構成により、図4(B)に破線矢印で示すように、ファン54によって導入部531からケース部材53の内部に導入された乾燥ガスは、加熱部HP2を通過することにより加熱され、排出部532から加熱室50の内部空間502に吹き出される。加熱された乾燥ガスの温度は、ファン54の風量と発熱体538に対する電力とで制御できる。
【0043】
熱処理装置5の制御に用いるセンサの例について説明する。本実施形態の場合、熱処理装置5には、熱風循環装置3と同様のセンサが設けられており、加熱室50内には温度センサ58と、圧力センサ59Aとが設けられ、風路54aには風量センサ57と圧力センサ59Bとが設けられ、電気式フローヒータ53には、温度検知部536aが支持体537に設けられた温度センサ536が設けられている。
【0044】
温度センサ58、圧力センサ59A及び59B、風量センサ57、温度センサ536の各検知結果の利用方法については、熱風循環装置3の温度センサ38、圧力センサ39A及び39B、風量センサ37、温度センサ336と同様である。
【0045】
本実施形態では、このように、熱風循環装置3及び熱処理装置5の各熱源として電気式フローヒータ33及び53を用いている。電気式フローヒータ33及び53を使用することで二酸化炭素排出量を削減することができ、地球温暖化の防止に寄与することができる。熱源として電気式フローヒータ33及び53を用いることで、例えばダクト電気ヒータ等と比べて小規模かつ簡易な設備導入とすることができ、更に、ガスバーナを熱源とした既存の塗装乾燥システムと同様の設備を用いることができるので、コストメリットも高い。加熱部HP1及びHP2を高温環境下にある加熱室30、50の内部に配置したので、発熱に必要な電力を削減できる。また、電気接続端子334、335、534及び535や導入部331及び531を加熱室30、50の外部に配置したので、電気配線の作業性や風路の配管作業性を向上することもできる。
【0046】
<制御装置の処理例>
制御装置6による電気式フローヒータ33等の制御例について説明する。以下に例示する各制御は周期的に実行される。図5(A)はその一例を示すフローチャートであり、電気式フローヒータ33から吹き出すガスの温度(加熱室30内の温度)を目標温度範囲に維持する制御の例を示している。
【0047】
ステップS1では、温度センサ38の検知結果を取得する。ステップS2ではステップS1で取得した温度検知結果が所定の上限値を超えているか否かを判定し、超えている場合はステップS3へ進み、超えていない場合はステップS4へ進む。
【0048】
ステップS3では発熱体338へ供給する電力を低下する。ステップS4ではステップS1で取得した温度検知結果が所定の下限値を下回っているか否かを判定し、下回っている場合はステップS5へ進み、下回っていない場合は処理を終了する。ステップS5では発熱体338へ供給する電力を上昇する。以上の処理により、電気式フローヒータ33から吹き出すガスの温度(加熱室30内の温度)を目標温度範囲に維持することができる。
【0049】
図5(B)は加熱部HP1の異常判定に関する制御の例を示している。ステップS11では、温度センサ336の検知結果を取得する。ステップS12ではステップS11で取得した温度検知結果が所定の上限値を超えているか否かを判定し、超えている場合はステップS14へ進み、超えていない場合はステップS13へ進む。温度検知結果が上限値を超えている場合、加熱部HP1が異常発熱していると推定し、ステップS14でエラー処理を行う。
【0050】
ステップS13ではステップS11で取得した温度検知結果が所定の下限値を下回っているか否かを判定し、下回っている場合はステップS14へ進み、下回っていない場合は処理を終了する。温度検知結果が上限値を超えている場合、電流値の制御ができていないと推定し、ステップS14でエラー処理を行う。温度検知結果が下限値を下回っている場合、発熱体が断線していると推定し、ステップS14でエラー処理を行う。ステップS14のエラー処理は、例えば、オペレータに対する異常発生の報知、上位装置に対する異常発生の通知、熱風循環装置3の運転停止等を挙げることができる。
【0051】
次に図6(A)は、システムの稼働状況に対応して熱風循環装置3の消費電力を変化させる処理例を示している。単位時間当たりのワークWの数量が少ない場合、塗装乾燥炉2に対する乾燥ガスの供給量は少なくてもよい。その一方で、乾燥ガスの温度は下がらないようにする必要がある。そこで、本実施形態では、ファン31、32及び34の風量を低下させると共に発熱体338の発熱量も同様に低下させる。風量の低下により、乾燥ガスの温度は高くなるので、その分だけ発熱体338の発熱量を低下させることで、乾燥ガスの加熱温度は同じでありながら、風量を低下させることができる。例えば、通常時に摂氏1000度で、風量が100CHMの場合、稼働率を50%とするときは、風量を50CHMにする一方、発熱体338に対する供給電力も半減させる(発熱量が供給電力に比例すると仮定する)。これにより乾燥ガスの温度を摂氏1000度に維持しつつ、風量を半減することができる。
【0052】
図6(A)の処理について説明する。ステップS21では、塗装乾燥システム1の稼働率を示す情報(稼働情報)を取得する。稼働情報は例えば上位装置から取得する。ステップS22ではステップS21で取得した稼働率が閾値を下回っているか否かを判定し、下回っていると判定した場合はステップS24へ進み、下回っていないと判定した場合はステップS23へ進む。
【0053】
ステップS23では通常運転を継続する。ステップS24では省エネ運転に制御を切り替える。省エネ運転では、通常運転に比較してファン31、32及び34の風量と、発熱体338に対する供給電力とを低減し、乾燥ガスの温度を通常運転時と同様に維持しながら、循環量を下げる。以上により処理が終了する。このような制御によって、システムの稼働率に応じて消費電力を調整することができる。
【0054】
次に図6(B)は加熱部HP1の交換やメンテナンスの判定に関する処理の例を示している。ステップS31では圧力センサ39A、39Bの各検知結果を取得する。ステップS32ではステップS31で取得した各検知結果から、加熱部HP1の前後の圧力損失を演算する。ステップS33ではステップS32で演算した圧力損失が閾値を超えているか否かを判定し、超えている場合はステップS34へ進み、超えていない場合は処理を終了する。圧力損失が閾値を超えている場合、支持体337の目詰まり等が生じており、加熱部HP1の交換或いはメンテナンス時期が近いと推定される。ステップS34ではオペレータに対して加熱部HP1のメンテナンスを行うように報知する。以上により処理が終了する。
【0055】
このように、本実施形態では温度センサ38、圧力センサ39A及び39B、温度センサ336の各検知結果を利用して熱風循環装置3の制御が可能である。なお、熱処理装置5の制御についても、温度センサ58、圧力センサ59A及び59B、温度センサ536の各検知結果を利用することによって、図5(A)~図6(B)の各処理を行うことが可能である。
【0056】
<第二実施形態>
第一実施形態では、ファン34から電気式フローヒータ33に新鮮外気FSを供給するようにしたが、乾燥ガスを供給してもよい。図7はその一例を示す。図示の例では、ファン31から送風される乾燥ガスが風路31b及びフィルタ35を介してファン34に供給され、ファン34から電気式フローヒータ33に乾燥ガスが供給されている。乾燥ガスは新鮮外気FSよりも温度が高いので、電気式フローヒータ33の発熱体338に対する電力の供給量を削減することができ、熱風循環装置3の消費電力を削減できる。
【0057】
<第三実施形態>
加熱部HP1を複数組の支持体337及び発熱体338から構成してもよい。加熱部HP1の一部に目詰まりや断線が生じた場合、部分的な交換で対応できる。図8はその一例を示す。図示の支持体337は周方向に4等分されており、支持体337A~337Dで構成されている。各支持体337A~337Dは、断面が扇形で軸方向(D1方向)に延設された柱部材である。発熱体338A~338Dは、支持体337A~337Dに対応しており、また、発熱体338A~338Dに対応して4つの電気接続端子334A~334Dが設けられる。GND電位とされる電気接続端子335は共用して一つとしているが、これも発熱体338A~338Dに対応して4つ設けてもよい。
【0058】
本実施形態によれば、例えば、支持体337A又は発熱体338Aにトラブルが生じても、他の支持体337B~337D及び発熱体338B~338Dでガスの加熱を継続でき、また、支持体337A及び発熱体338Aの組を新しいものに交換することで、他の支持体337B~337D及び発熱体338B~338Dを継続して使用することができ、コストメリットを向上できる。なお、ここでは加熱部HP1について説明したが、加熱部HP2についても同様である。
【0059】
<第四実施形態>
一つの加熱室30に対して独立して駆動される複数の電気式フローヒータ33を取り付けてもよい。図9はその一例を示す。図示の例では一つの加熱室30に対して3つの電気式フローヒータ33が固定されている。加熱室30の壁部300には取付部301が3つ設けられており、各取付部301に電気式フローヒータ33が固定されている。
【0060】
このように加熱室30に複数の電気式フローヒータ33を設けて独立して駆動することで、例えば、3つの電気式フローヒータ33の全てを駆動したり、一つを休止して残りの2つの電気式フローヒータ33を駆動したり、一つの電気式フローヒータ33のみを駆動するといった制御が可能となる。これは、例えば、乾燥ガスの循環量を調整したり、一部の電気式フローヒータ33が故障してもシステムの運転を継続することができる。
【0061】
図示の例では各電気式フローヒータ33に個別にファン34を割り当てているが、一つのファン34を共用することも可能である。また、加熱室50に対して独立して駆動される複数の電気式フローヒータ53を設けることも可能である。
【0062】
<第五実施形態>
ガスバーナを熱源とした既設の塗装乾燥システムにおいて、熱源を電気式フローヒータに交換して電化したシステムに置換することも可能である。図10はガスバーナ100を熱源とした既設の塗装乾燥システム1’を示しており、熱源がガスバーナ100で或ること以外は図1の塗装乾燥システム1と同様の構成を有している。ガスバーナ100には供給設備7によって燃料ガスFGが供給される。
【0063】
図11は熱源の交換方法を示しており、特に熱風循環装置3の熱源の交換例を模式的に示している。ガスバーナ100は、加熱室30の取付部301に取り付けるフランジ部104を有しており、また、燃料ガスFGの導入部103と新鮮外気FSの導入部110を有している。ガスバーナ100を取付部301から取り外し、電気式フローヒータ33を取付部301に取り付ける。熱処理装置5の熱源の交換方法も同様である。燃料ガスFGの供給設備7を撤去し、発熱体338に対する電力の供給設備を追加すれば、ガスバーナ100を熱源としていた既設の熱風循環装置3及び熱処理装置5を、電化した熱処理装置として置換できる。その結果、図1に示した塗装乾燥システム1と同様のシステムが得られる。すなわち、ガスバーナ100を熱源とした既設の塗装乾燥システム1’を、比較的形態が似ている電気式フローヒータ33、53に交換することで、比較的簡単に電化することができる。
【0064】
ガスバーナ100が取り付けられていた加熱室30の取付部301に、電気式フローヒータ33の取り付けが寸法的に困難な場合、アダプタを介在させて取り付けてもよい。図12はその一例を示す。アダプタ310は円筒形状を有しており、その一端部にフランジ部311を、他端部にフランジ部312を有している。フランジ部311は取付部301に適合した寸法を有しており、フランジ部312は電気式フローヒータ33のフランジ部333に適合した寸法を有している。フランジ部311と取付部301とを締結し、フランジ部312とフランジ部333とを締結することで、電気式フローヒータ33を加熱室30に固定することができる。電気式フローヒータ53についても同様にアダプタを介して加熱室50に取り付けることができる。
【0065】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
3 熱風循環装置(熱風発生装置)、5 熱処理装置(熱風発生装置)、33 電気式フローヒータ、53 電気式フローヒータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
加熱室50には、熱源として電気式フローヒータ53が設けられている。電気式フローヒータ53は、ファン54によって送風される気体を加熱し、加熱された気体は加熱室50内に吹き付けられる。ファン54によって送風される気体は、新鮮外気でもよいが、本実施形態では乾燥ガスを用いる。具体的には、風路51aから分岐した風路51bを介してファン51からファン54へ乾燥ガスを供給し、ファン54から電気式フローヒータ53に乾燥ガスを送風する。電気式フローヒータ53に供給する気体として乾燥ガスを用いることで、乾燥ガス中の有害物質の燃焼無害化を促進でき、かつ、既に加熱されている乾燥ガスを用いることで、より少ないエネルギで加熱室50内の高温化を図れる。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装乾燥炉の乾燥ガスに関する加熱処理を行う熱風発生装置であって、
前記乾燥ガスが供給される加熱室と、
前記加熱室の壁部に取り付けられた電気式フローヒータと、を備え、
前記電気式フローヒータは、
発熱体が設けられた加熱部と、
前記加熱室の外部に設けられ、前記加熱部を通過させるガスが導入される導入部と、
前記加熱室の内部に設けられ、前記加熱部を通過したガスが排出される排出部と、
前記加熱室の内部に設けられ、前記加熱部の周囲に設けられた断熱材と、
前記加熱室の内部に設けられ、前記断熱材を覆う金属製のカバー部と、を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータは、
前記加熱室の外部に設けられ、前記発熱体に電力を供給するための電気接続端子をさらに備える、
ことを特徴とする熱風発生装置
【請求項3】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記加熱部は、貫通孔が形成されたセラミック製の支持体を備え、
前記発熱体は前記貫通孔の中に設けられ、前記貫通孔にガスを通過させる、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項4】
請求項に記載の熱風発生装置であって、
前記カバー部は、
外筒部と、
前記外筒部の端部を覆う端板部と、
前記端板部に形成され、前記排出部を構成する筒状のノズル部と、を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項5】
請求項又は請求項4に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータは、
前記カバー部と一体的に形成され、前記電気式フローヒータを前記壁部に固定するフランジ部を有する、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項6】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記熱風発生装置は、前記加熱室で加熱された乾燥ガスを前記塗装乾燥炉に戻す循環部を備えた熱風循環装置である、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項7】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記導入部には前記乾燥ガスが導入される、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項8】
請求項7に記載の熱風発生装置であって、
前記熱風発生装置は、前記乾燥ガスの有害物質を燃焼無害化して排気する熱処理装置である、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項9】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータ通過するガスの圧力損失を検知する検知手段を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項10】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータを通過したガスの温度を検知する検知手段を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項11】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記電気式フローヒータを通過するガスの風量を検知する検知手段を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項12】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記導入部にガスを供給するファンと、
前記ファンと、前記発熱体に供給する電力とを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
第一の制御状態から前記第一の制御状態よりも前記ファンの風量と前記電力と低下させた第二の制御状態に制御状態を移行する処理を実行する、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項13】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記壁部に、独立して駆動される複数の前記電気式フローヒータが設けられている、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項14】
請求項1に記載の熱風発生装置であって、
前記加熱部は、前記発熱体と、該発熱体を支持するセラミック製の支持体とを複数組備える、
ことを特徴とする熱風発生装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明によれば、
塗装乾燥炉の乾燥ガスに関する加熱処理を行う熱風発生装置であって、
前記乾燥ガスが供給される加熱室と、
前記加熱室の壁部に取り付けられた電気式フローヒータと、を備え、
前記電気式フローヒータは、
発熱体が設けられた加熱部と、
前記加熱室の外部に設けられ、前記加熱部を通過させるガスが導入される導入部と、
前記加熱室の内部に設けられ、前記加熱部を通過したガスが排出される排出部と、
前記加熱室の内部に設けられ、前記加熱部の周囲に設けられた断熱材と、
前記加熱室の内部に設けられ、前記断熱材を覆う金属製のカバー部と、を備える、
ことを特徴とする熱風発生装置が提供される。