(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002048
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ブラインド取付用ブラケット及びブラインドの取付方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20241226BHJP
E06B 9/17 20060101ALI20241226BHJP
A47H 5/08 20060101ALI20241226BHJP
E06B 9/323 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
E06B9/42 A
E06B9/17 W
A47H5/08
E06B9/323
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101957
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 潤
【テーマコード(参考)】
2E043
2E182
【Fターム(参考)】
2E043DA01
2E043DA07
2E182DD11
2E182DF02
2E182DF43
(57)【要約】
【課題】安定した取付状態を維持できるブラインド取付用ブラケットを提供する。
【解決手段】ブラケット100は、ロールスクリーン10のセットフレーム14を固定面に固定するものであって、第1ブラケット部120と、第1ブラケット部と構成の異なる第2ブラケット部140とを備え、第1ブラケット部は、固定面に固定されるブラケット本体160と、セットフレームの短手方向一端部に係止される第1固定側係止部121と、セットフレームの短手方向他端部に係止される摺動側係止部122を有し、ブラケット本体にスライド可能に保持されるスライドブロック123と、第1固定側係止部及び摺動側係止部によって、セットフレームの短手方向両端部が支持されるようにスライドブロックを付勢するバネ125と、を備え、第2ブラケット部は少なくともセットフレームの短手方向他端部を支持可能なネジ142を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラインド用支持部材を固定面に固定することにより、ブラインドを取り付けるためのブラインド取付用ブラケットであって、
第1ブラケット部と、前記第1ブラケット部と構成の異なる第2ブラケット部とを備え、
前記第1ブラケット部は、
固定面に固定される第1ブラケット本体と、
前記ブラインド用支持部材の短手方向一端部に係止される第1係止部と、
前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部に係止される第2係止部を有し、前記第1ブラケット本体にスライド可能に保持されるスライドブロックと、
前記第1係止部及び前記第2係止部によって、前記ブラインド用支持部材の短手方向両端部が支持されるように前記スライドブロックを付勢する付勢手段と、
を備え、
前記第2ブラケット部は、少なくとも前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部を支持可能な支持部を備えることを特徴とする、ブラインド取付用ブラケット。
【請求項2】
前記第2ブラケット部は、固定面に固定される第2ブラケット本体を備え、
前記支持部は、前記第2ブラケット本体に操作可能に設けられ、該操作により前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部が支持されるように、前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部を支持可能な位置まで少なくとも一部が位置調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載のブラインド取付用ブラケット。
【請求項3】
前記第2ブラケット本体は、前記ブラインド用支持部材の短手方向の一端部を支持可能であり、前記支持部との間で、前記ブラインド用支持部材の短手方向両端部を支持可能であることを特徴とする、請求項2に記載のブラインド取付用ブラケット。
【請求項4】
前記支持部は、
前記第1ブラケット本体又は前記第2ブラケット本体に設けられた螺合孔と、
前記螺合孔に前記第1ブラケット本体又は前記第2ブラケット本体の外側から挿通され、螺合操作により前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部に係止可能な位置まで位置調整可能な螺合部材と、
を有することを特徴とする、請求項2に記載のブラインド取付用ブラケット。
【請求項5】
前記支持部は、
回転により一部が前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部に係止可能な位置まで移動可能な回転係止部と、
前記回転係止部に連結され、前記第2ブラケット本体の外側から前記回転係止部を回転操作可能な回転操作部と、
を有することを特徴とする、請求項2に記載のブラインド取付用ブラケット。
【請求項6】
前記第1ブラケット部と前記第2ブラケット部は、隣り合って一体に構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のブラインド取付用ブラケット。
【請求項7】
前記第2ブラケット部は、前記第1ブラケット部に組み込まれており、
前記支持部は、前記第1ブラケット部の前記スライドブロックと隣り合って配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のブラインド取付用ブラケット。
【請求項8】
前記第1ブラケット部と前記第2ブラケット部は、別体であり、隣り合って配置されて構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のブラインド取付用ブラケット。
【請求項9】
ブラインド用支持部材を固定面に取り付けるためのブラインド取付用ブラケットであって、
固定面に固定され、ブラインド用支持部材の短手方向一端部を支持可能なブラケット本体を備え、
前記ブラケット本体は、前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部を支持可能な支持部を備え、
前記ブラケット本体に設けられた螺合孔と、
前記螺合孔に前記ブラケット本体の外側から挿通され、螺合操作により前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部に係止可能な位置まで位置調整可能な螺合部材と、
を有することを特徴とする、ブラインド取付用ブラケット。
【請求項10】
請求項2に記載のブラインド取付用ブラケットを用いてブラインドを固定面に取り付けるブラインド取付方法であって、
前記第1ブラケット部で前記ブラインド用支持部材の短手方向両端部を支持する第1ステップと、
前記第2ブラケット部で前記ブラインド用支持部材の短手方向両端部を支持する第2ステップと、
を順に行うことを特徴とする、ブラインド取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインド取付用ブラケット及びブラインドの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブラインド取付用ブラケットとして、実用新案登録第3150555号公報(特許文献1)に示されるものが知られている。同文献に示されるブラインド取付用ブラケットは、ブラケット本体と、ブラケット本体にスライド可能に保持されるスライドブロックと、スライドブロックを付勢する付勢手段とを備え、ブラケット本体及びスライドブロックの各々に設けられた係止部によりブラインドのヘッドボックス(ブラインド用支持部材)を支持可能に構成されている。
【0003】
このような構成によれば、ブラインド取付用ブラケットに取り付けられたヘッドボックスを取り外す際には、係止部による係止状態を解除する方向にスライドブロックを移動させるように押圧操作するだけの簡単な操作で取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この種のブラインド取付用ブラケットでは、スライドブロックは樹脂で形成されるのが一般的であるため、取付強度に限界があった。そのため、ブラインド取付用ブラケットの取付強度を向上させて、安定した取付状態を維持したいという要望に応じることができないという課題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、安定した取付状態を維持できるブラインド取付用ブラケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、ブラインド用支持部材を固定面に固定することにより、ブラインドを取り付けるためのブラインド取付用ブラケットであって、第1ブラケット部と、前記第1ブラケット部と構成の異なる第2ブラケット部とを備え、前記第1ブラケット部は、固定面に固定される第1ブラケット本体と、前記ブラインド用支持部材の短手方向一端部に係止される第1係止部と、前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部に係止される第2係止部を有し、前記第1ブラケット本体にスライド可能に保持されるスライドブロックと、前記第1係止部及び前記第2係止部によって、前記ブラインド用支持部材の短手方向両端部が支持されるように前記スライドブロックを付勢する付勢手段と、を備え、前記第2ブラケット部は、少なくとも前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部を支持可能な支持部を備えることを特徴とする、ブラインド取付用ブラケットが提供される。
【0008】
かかる構成によれば、第1ブラケット部の第1係止部及びスライドブロックの第2係止部でブラインド用支持部材を支持するとともに、第2ブラケット部が備える支持部でもブラインド用支持部材を支持するため、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラインド取付用ブラケットを実現できる。より具体的には、ブラインド用支持部材の取付後にスライドブロックの第2係止部による係止状態に不具合が生じたとしても、支持部が係止を補完しているためにブラインド用支持部材を支持し続けることができるようになる。
【0009】
本発明の応用例として様々なものが考えられる。例えば、前記第2ブラケット部は、固定面に固定される第2ブラケット本体を備え、前記支持部は、前記第2ブラケット本体に操作可能に設けられ、該操作により前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部が支持されるように、前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部を支持可能な位置まで少なくとも一部が位置調整可能であってもよい。かかる構成によれば、支持部の位置調整によってより安定した取付状態を維持可能である。
【0010】
また、前記第2ブラケット本体は、前記ブラインド用支持部材の短手方向の一端部を支持可能であり、前記支持部との間で、前記ブラインド用支持部材の短手方向両端部を支持可能としてもよい。かかる構成によれば、第2ブラケット部のみでブラインド用支持部材の短手方向両端部を支持できるため、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラインド取付用ブラケットを実現できる。
【0011】
また、前記支持部は、前記第1ブラケット本体又は前記第2ブラケット本体に設けられた螺合孔と、前記螺合孔に前記第1ブラケット本体又は前記第2ブラケット本体の外側から挿通され、螺合操作により前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部に係止可能な位置まで位置調整可能な螺合部材と、を有するようにしてもよい。かかる構成によれば、ブラケット本体に設けられた螺合孔に対して螺合部材(ネジ)を螺合操作するだけの簡単な操作で、さらに取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラインド取付用ブラケットを実現できる。
【0012】
また、前記支持部は、回転により一部が前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部に係止可能な位置まで移動可能な回転係止部と、前記回転係止部に連結され、前記第2ブラケット本体の外側から前記回転係止部を回転操作可能な回転操作部と、を有するようにしてもよい。かかる構成によれば、ブラケット本体に設けられた回転操作部を操作して回転係止部を回転させるだけの簡易な操作で、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラインド取付用ブラケットを実現できる。また、回転操作部を視認しやすいブラケット本体の下方に設けることもできるため操作性においても有利である。
【0013】
また、前記第1ブラケット部と前記第2ブラケット部は、隣り合って一体に構成されていてもよい。かかる構成によれば、第1ブラケット部を従来のブラインド取付用ブラケットの着脱構造とし、第2ブラケット部に支持部を備えることで、従来の着脱構造を流用しながらもより取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラインド取付用ブラケットを実現できる。
【0014】
また、前記第2ブラケット部は、前記第1ブラケット部に組み込まれており、前記支持部は、前記第1ブラケット部の前記スライドブロックと隣り合って配置されるようにしてもよい。かかる構成によれば、従来のブラインド取付用ブラケットの着脱構造の第1ブラケット部に、第2ブラケット部を組み込む構成であるため、従来のブラインド取付用ブラケットのサイズを変更することなく、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラインド取付用ブラケットを実現できる。
【0015】
また、前記第1ブラケット部と前記第2ブラケット部は、別体であり、隣り合って配置されて構成されていてもよい。かかる構成によれば、第1ブラケット部を従来のブラインド取付用ブラケットの着脱構造とし、第2ブラケット部に支持部を備えることで、従来の着脱構造を流用しながらもより取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラインド取付用ブラケットを実現できる。
【0016】
また、本発明の第2の観点によれば、ブラインド用支持部材を固定面に取り付けるためのブラインド取付用ブラケットであって、固定面に固定され、ブラインド用支持部材の短手方向一端部を支持可能なブラケット本体を備え、前記ブラケット本体は、前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部を支持可能な支持部を備え、前記支持部は、前記ブラケット本体に設けられた螺合孔と、前記螺合孔に前記ブラケット本体の外側から挿通され、螺合操作により前記ブラインド用支持部材の短手方向他端部に係止可能な位置まで位置調整可能な螺合部材と、を有することを特徴とする、ブラインド取付用ブラケットが提供される。
【0017】
かかる構成によれば、螺合穴と螺合穴に螺合する螺合部材を有する支持部とすることで、螺合操作により位置調整しながら螺合部材によってブラインド用支持部材の短手方向他端部を支持することができる。このようにブラインド用支持部材の短手方向両端部を支持するため、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラインド取付用ブラケットを実現できる。
【0018】
また、本発明の第3の観点によれば、ブラインド取付用ブラケットを用いてブラインドを固定面に取り付けるブラインド取付方法であって、前記第1ブラケット部で前記ブラインド用支持部材の短手方向両端部を支持する第1ステップと、前記第2ブラケット部で前記ブラインド用支持部材の短手方向両端部を支持する第2ステップと、を順に行うことを特徴とする、ブラインド取付方法が提供される。
【0019】
かかる構成によれば、従来のブラインド取付用ブラケットの着脱構造の第1ブラケット部に加えて支持部を備える第2ブラケット部を併用することで、従来の第1ブラケット部を使用しながらも、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持することができるようになる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、安定した取付状態を維持できるブラインド取付用ブラケット及びブラインド取付方法が提供される。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施形態のブラケット100を搭載したロールスクリーン10の正面図である。
【
図2】ブラケット100を説明するための図であり、(a)は底面の斜視図であり、(b)は平面の斜視図である。
【
図3】ブラケット100を説明するための図であり、(a)は底面図であり、(b)は(a)のA-A断面図であり、(c)は(a)のB-B断面図である。
【
図4】第1ブラケット部120にセットフレーム14を固定する手順であり、(a)はセットフレーム14の取付前の状態を示し、(b)は第1固定側係止部121及び第2固定側係止部141にセットフレーム14を係止した状態を示し、(c)は摺動側係止部122にセットフレーム14を係止する途中の状態を示し、(d)は第1ブラケット部120にセットフレーム14を固定した状態を示し、(e)はネジ142でセットフレーム14を係止する途中の状態を示す。
【
図5】第2ブラケット部140にセットフレーム14を固定する手順であり、(a)はセットフレーム14の取付前の状態を示し、(b)は第1固定側係止部121及び第2固定側係止部141にセットフレーム14を係止した状態を示し、(c)は摺動側係止部122にセットフレーム14を係止する途中の状態を示し、(d)はネジ142でセットフレーム14を係止する途中の状態を示し、(e)はネジ142でセットフレーム14を係止した状態を示す。
【
図6】第2の実施形態のブラケット200の斜視図である。
【
図7】ブラケット200を説明するための図であり、(a)は底面図であり、(b)は(a)のC-C断面図であり、(c)は(a)のD-D断面図である。
【
図8】第3の実施形態のブラケット300の斜視図である。
【
図9】ブラケット300を説明するための図であり、(a)は底面図であり、(b)は(a)のE-E断面図であり、(c)は(a)のF-F断面図である。
【
図10】第4の実施形態のブラケット400の斜視図である。
【
図11】カム445によるセットフレーム14の係止が解除された状態を示す図であり、(a)は底面図であり、(b)は(a)のG-G断面図である。
【
図12】カム445によりセットフレーム14が係止された状態を示す図であり、(a)は底面図であり、(b)は(a)のH-H断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
本実施形態に係るブラケット100を搭載したロールスクリーン10の全体の構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のブラケット100を搭載したロールスクリーン10の正面図である。本実施形態では、ブラインドは、ロールスクリーン10を例に挙げて説明するが、これに限ることなく、横型ブラインド、ローマンシェード等、任意のブラインドに適用することができる。
【0024】
ロールスクリーン10は、
図1に示したように、回転可能な巻取パイプ11にスクリーン12の一端部が巻取り及び巻解き可能に連結され、スクリーン12の他端部が巻取パイプ11から垂下してウエイトバー13に連結されている。巻取パイプ11の回転によって、スクリーン12はウエイトバー13とともに昇降するように構成されている。なお、本実施形態においては、長手方向と短手方向は、それぞれ後述するセットフレーム14の長手方向と短手方向である。
【0025】
巻取パイプ11は、
図1に示したように、図示していない窓枠や天井等にブラケット100を介して固定されるセットフレーム14(ブラインド用支持部材)の両端に設けられるサイドプレート15に両端が回転可能に支持されている。巻取パイプ11の回転操作は、巻取パイプ11の一端に設けられた操作ユニット16から垂下する操作チェーン17を操作することにより行われる。また、操作チェーン17の操作を停止すれば、公知のストッパにより巻取パイプ11はその停止位置を維持可能となる。
【0026】
以上、ロールスクリーン10の全体の構成について説明した。以下、本発明の特徴的な構成であるブラケット100について、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図2は、ブラケット100を説明するための図であり、(a)は底面の斜視図であり、(b)は平面の斜視図である。
図3は、ブラケット100を説明するための図であり、(a)は底面図であり、(b)は(a)のA-A断面図であり、(c)は(a)のB-B断面図である。
【0027】
ブラケット100は、
図2及び
図3に示したように、セットフレーム14を2種類のブラケット部120、140で固定面に固定するものである。ブラケット100は、第1ブラケット部120と、第1ブラケット部120と構成の異なる第2ブラケット部140の2種類のブラケット部で構成されている。第1ブラケット部120と第2ブラケット部140とは、固定面に固定されるブラケット本体160の長手方向に隣り合う領域で構成されている。ブラケット本体160は、長手方向の両側壁部160a、160bと、短手方向の室外側壁部160cとを備えている。
【0028】
(第1ブラケット部120)
第1ブラケット部120は、従来のブラインド取付用ブラケットの着脱構造を備えたものとすることができる。第1ブラケット部120は、
図2及び
図3に示したように、セットフレーム14の短手方向一端部14a(後述する
図4及び
図5参照)に係止される第1固定側係止部121(第1係止部)と、セットフレーム14の短手方向他端部14b(後述する
図4及び
図5参照)に係止される摺動側係止部122(第2係止部)を有する。第1固定側係止部121は、ブラケット本体160の一方の側壁部160aの室内側端部近傍に形成されている。摺動側係止部122は、ブラケット本体160にスライド可能に保持されるスライドブロック123の室外側端部に形成されている。
【0029】
スライドブロック123は、
図2(a)及び
図3(a)に示したように、ブラケット本体160の一方の側壁部160aとブラケット本体160の長手方向略中央部に形成されている中央壁部160dに形成される一対の保持部124によって摺動可能に保持されている。スライドブロック123の室外側端部とブラケット本体160の室外側壁部160cとの間にバネ125(付勢手段)が設けられている。バネ125は、第1固定側係止部121及び摺動側係止部122によって、セットフレーム14の短手方向両端部が支持されるようにスライドブロック123を付勢する。
【0030】
(第2ブラケット部140)
2種類のブラケット部のうちの他方の第2ブラケット部140は、
図2及び
図3に示したように、セットフレーム14の短手方向一端部14a(後述する
図4及び
図5参照)に係止される第2固定側係止部141と、セットフレーム14の短手方向他端部14b(後述する
図4及び
図5参照)に係止されるネジ142(螺合部材)を有する。第2固定側係止部141は、ブラケット本体160の他方の側壁部160bの室内側端部近傍に形成されている。なお、第2固定側係止部は、第1ブラケット部120側となるブラケット本体160の長手方向略中央部に形成されている中央壁部160dの室内側端部近傍に形成してもよい。
【0031】
ネジ142は、
図2(a)及び
図3(c)に示したように、ブラケット本体160の室外側壁部160cに形成されたネジ穴143(螺合孔)に螺合している。ネジ142をブラケット本体160の室外側から回転操作することによって、セットフレーム14の短手方向他端部14bを支持可能な位置まで先端の位置を位置調整可能である。なお、ネジ142の回転操作はL型のレンチ等で行うようにしてもよい。ネジ142とねじ穴143によってセットフレーム14の短手方向他端部14bを支持可能な支持部を構成する。
【0032】
以上、ブラケット100の構成について説明した。以下、ブラケット100にセットフレーム14を固定する手順について、
図4及び
図5を参照しながら説明する。
図4は、第1ブラケット部120にセットフレーム14を固定する手順である。
図5は、第2ブラケット部140にセットフレーム14を固定する手順である。
【0033】
まず、第1ブラケット部120にセットフレーム14を固定する手順を、
図4を参照しながら説明する。ブラケット100にセットフレーム14を取り付ける前は、
図4(a)に示したように、バネ125に押圧されてスライドブロック123が室内側寄りに配置されている。
【0034】
まず、
図4(b)に示したように、第1固定側係止部121及び第2固定側係止部141にセットフレーム14の短手方向一端部14aを係止する。第1固定側係止部121及び第2固定側係止部141には、セットフレーム14の短手方向一端部14aを同時に係止する(
図5(b)も参照)。その後、セットフレーム14の短手方向他端部14bを、矢印aに示したように上昇させる。
【0035】
セットフレーム14の短手方向他端部14bがスライドブロック123の摺動側係止部122に当接すると、
図4(c)に示したように、セットフレーム14の短手方向他端部14bを上昇させるにつれてスライドブロック123を室外側に押圧していく。すると、スライドブロック123は、矢印bに示したように、バネ125の付勢力に抗して室外側に摺動していく。
【0036】
セットフレーム14の短手方向他端部14bがスライドブロック123の摺動側係止部122を乗り越えると、
図4(d)の矢印cに示したように、スライドブロック123が室内側に摺動してセットフレーム14の短手方向他端部14bが摺動側係止部122に係止される。
【0037】
その後、
図4(e)に示したように、ネジ142にセットフレーム14の短手方向他端部14bを係止させるために、第2ブラケット部140のネジ142を矢印dに示したように回転操作する。
【0038】
次に、第2ブラケット部140にセットフレーム14を固定する手順を、
図5を参照しながら説明する。ブラケット100にセットフレーム14を取り付ける前は、
図5(a)に示したように、ネジ142は、室外側に突出させた状態である。
【0039】
セットフレーム14の短手方向一端部14aを、
図5(b)に示したように、第1固定側係止部121及び第2固定側係止部141に係止させ、セットフレーム14の短手方向他端部14bをスライドブロック123の摺動側係止部122に係止させる手順は、
図5(c)及び(d)に示したように、前述の第1ブラケット部120における説明と同様である。
【0040】
次に、ネジ142を室内側に進めるように矢印d方向に回転させて、ネジ142の先端をセットフレーム14の短手方向他端部14bに係止させる。このようにして、セットフレーム14がブラケット100に係止される。
【0041】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1ブラケット部120の第1固定側係止部121及びスライドブロック123の摺動側係止部122でセットフレーム14を支持するとともに、第2ブラケット部140が備えるネジ142でもセットフレーム14を支持するため、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラケット100を実現できる。より具体的には、セットフレーム14の取付後にスライドブロック123の摺動側係止部122による係止状態に不具合が生じたとしても、ネジ142が係止を補完しているためにセットフレーム14を支持し続けることができるようになる。
【0042】
また、セットフレーム14の短手方向両端部14a、14bが支持されるように、ネジ142の操作により短手方向他端部14bを支持可能な位置まで位置調整可能であるため、ネジ142の位置調整によってより安定した取付状態を維持可能である。
【0043】
また、ブラケット本体160に設けられたネジ穴143に対してネジ142を螺合操作するだけの簡単な操作で、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラケット100を実現できる。
【0044】
また、第1ブラケット部120と第2ブラケット部140は、隣り合って一体に構成されているため、第1ブラケット部120に従来のブラインド取付用ブラケットの着脱構造を構成し、第2ブラケット部140にネジ142を構成することで、従来の着脱構造を流用しながらもより取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラケット100を実現できる。
【0045】
また、従来のブラインド取付用ブラケットの着脱構造の第1ブラケット部120に加えてネジ142を備える第2ブラケット部140を併用することで、従来の第1ブラケット部120を使用しながらも、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持することができるようになる。
【0046】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るブラケット200の構成について、
図6及び
図7を参照しながら説明する。
図6は、第2の実施形態のブラケット200の斜視図である。
図7は、ブラケット200を説明するための図である。本実施形態では、第2ブラケット部240が第1ブラケット部220に組み込まれている構成が第1の実施形態と相違し、その他の点は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0047】
ブラケット200は、
図6及び
図7に示したように、ブラケット本体260の幅が2つの保持部224の間隔で構成されている。側壁部260aには、第1の実施形態の側壁部160aと同様に第1固定側係止部221と保持部224が形成されている。一方、側壁部260bには、第1の実施形態の側壁部160bと同様に第2固定側係止部241が形成されているのに加えて保持部224も形成されている。
【0048】
ネジ242は、スライドブロック223の摺動側係止部222(第2係止部)に隣り合って配置されている。よって、ネジ242は、
図7(a)に示したように、短手方向において保持部224と並び、高さ方向においてはスライドブロック223の一部と重なって配置される。室外側壁部260cにネジ穴243が形成されている。その他、第1固定側係止部221(第1係止部)、バネ225(付勢手段)の構成は、第1の実施形態と同様に構成することができる。
【0049】
ブラケット200にセットフレーム14を取り付ける手順について説明する。ブラケット200にセットフレーム14を取り付ける手順は、第1の実施形態と同様である。すなわち、まず、第1固定側係止部221と第2固定側係止部241に、セットフレーム14の短手方向一端部14aを係止させる。その後、
図7(b)に示したように、第1の実施形態と同様に、摺動側係止部222にセットフレーム14の短手方向他端部14bを係止させた後、
図7(c)に示したように、ネジ242の位置を調整して短手方向他端部14bに係止させる。なお、頭部の大きいネジ242を用いれば、ネジ242の回転操作を指で行うようにすることもできる。
【0050】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、従来のブラインド取付用ブラケットの着脱構造の第1ブラケット部220に第2ブラケット部240を組み込んで構成されるため、従来のブラインド取付用ブラケットのサイズを変更することなく、取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラケット200を実現できる。
【0051】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るブラケット300の構成について、
図8及び
図9を参照しながら説明する。
図8は、第3の実施形態のブラケット300の斜視図である。
図9は、ブラケット300を説明するための図である。本実施形態では、第1ブラケット部320と第2ブラケット部340が別体に構成されている点が第1の実施形態と相違し、その他の点は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0052】
ブラケット300は、
図8及び
図9に示したように、第1ブラケット部320と第2ブラケット部340が別体に構成されている。第1ブラケット部320は、第1ブラケット本体326の幅が2つの保持部324a、324bの間隔で構成されている。第1ブラケット本体326の両側壁部326a、326bには、第1固定側係止部321a、321b(第1係止部)が形成されている。その他、摺動側係止部322、スライドブロック323、バネ325、室外側壁部326cの構成は、第1の実施形態と同様に構成することができる。
【0053】
第2ブラケット部340は、
図8及び
図9に示したように、第2ブラケット本体344の両側壁部344a、344bに第2固定側係止部341a、341bがそれぞれ形成されている。その他、室外側壁部344cにネジ穴343が設けられ、ネジ342が螺合している構成は、第1の実施形態と同様に構成することができる。
【0054】
第1ブラケット部320と第2ブラケット部340は、
図9(a)に示したように、隣り合って配置される。第1ブラケット部320と第2ブラケット部340は、接触させて配置してもよく、間隔を開けて配置してもよい。
【0055】
ブラケット300にセットフレーム14を取り付ける手順について説明する。ブラケット300にセットフレーム14を取り付ける際には、まず、第1ブラケット部320と第2ブラケット部340を隣り合って配置する。次に、第1ブラケット部320の第1固定側係止部321a、321bと第2ブラケット部340の第2固定側係止部341a、341bに、セットフレーム14の短手方向一端部14aを係止させる。その後、
図9(b)に示したように、第1の実施形態と同様に、摺動側係止部322にセットフレーム14の短手方向他端部14bを係止させた後、
図9(c)に示したように、ネジ342の位置を調整して短手方向他端部14bに係止させる。
【0056】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1ブラケット部320に従来のブラインド取付用ブラケットの着脱構造を構成し、第2ブラケット部340にネジ342を構成することで、従来の着脱構造を流用しながらもより取付強度を向上させて安定した取付状態を維持可能なブラケット300を実現できる。
【0057】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るブラケット400の構成について、
図10~
図12を参照しながら説明する。
図10は、本実施形態のブラケット400の斜視図である。
図11は、カム445によるセットフレーム14の係止が解除された状態を示す図である。
図12は、カム445によりセットフレーム14が係止された状態を示す図である。本実施形態では、第2ブラケット部440の構成が第1の実施形態と相違するものであり、その他の点は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0058】
本実施形態のブラケット400は、
図10に示したように、第1ブラケット部420は第1の実施形態と同様に構成することができる。第2ブラケット部440は、回転により一部がセットフレーム14の短手方向他端部14bに係止可能な位置まで移動可能なカム445(回転係止部)と、カム445に連結され、ブラケット本体460の外側からカム445を回転操作可能な操作ネジ446(回転操作部)と、操作ネジ446が螺合する操作ネジ穴448と、を有する支持部を備える。以下、第1の実施形態とは相違する第2ブラケット部440の構成を説明する。
【0059】
第2ブラケット部440は、
図10に示したように、室外側壁部460cの先端から略L字を構成するように、カム取付部447が形成されている。カム取付部447の上方にはカム445が配置される。カム445は、これの回転を操作する操作ネジ446に一体回転可能に連結されている。操作ネジ446は、カム取付部447に形成された操作ネジ穴448に螺合しており、カム取付部447の下方で回転操作される。操作ネジ446を回転操作することにより、カム445は、
図11に示したように、カム445によるセットフレーム14の係止が解除された状態と、
図12に示したように、カム445によりセットフレーム14が係止された状態と、に切り替えられる。
【0060】
以上、第2ブラケット部440の構成について説明した。以下、第2ブラケット部440の作用について、
図11及び
図12を参照しながら説明する。カム445によるセットフレーム14の係止が解除された状態では、
図11に示したように、カム445がセットフレーム14の長手方向を向いている。この状態において、カム445は、セットフレーム14を係止できる位置であるセットフレーム14の被係止位置Aより離間した状態である。
【0061】
一方、カム445によりセットフレーム14が係止された状態では、
図12に示したように、カム445はセットフレーム14の短手方向を向いている。この状態において、カム445は、セットフレーム14の被係止位置Aに届いた状態である。
【0062】
ブラケット400にセットフレーム14を取り付ける手順について説明する。ブラケット400にセットフレーム14を取り付ける際には、まず、
図11に示したように、カム445がセットフレーム14の長手方向を向くようにし、カム445によるセットフレーム14の係止が解除された状態にする。そして、第1ブラケット部420の第1固定側係止部421と第2ブラケット部440の第2固定側係止部441に、セットフレーム14の短手方向一端部14aを係止させる。その後、
図11(b)に示したように、第1の実施形態と同様に、摺動側係止部422にセットフレーム14の短手方向他端部14bを係止させる。
【0063】
そして、ブラケット本体460の下方から操作ネジ446を回転操作して、
図12に示したように、カム445がセットフレーム14の短手方向を向くように回転させる。すると、カム445がセットフレーム14の被係止位置Aに届いた状態となり、カム445によってセットフレーム14の短手方向他端部14bが係止される。
【0064】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、カム445を回転操作する操作ネジ446を視認しやすいブラケット本体460の下方に設けるため操作性においても有利である。
【0065】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0066】
例えば、上記第1の実施形態では、ネジ142及びネジ穴143で構成される支持部は、セットフレーム14の短手方向他端部14bを支持する構成としたが、本発明はこの例に限定されない。安定した取付状態を維持できれば、任意に設計することができる。例えば、ブラインド用支持部材の下方を支持する構成としてもよい。他の実施形態も同様に構成することができる。
【符号の説明】
【0067】
10 ロールスクリーン(ブラインド)
11 巻取パイプ
12 スクリーン
13 ウエイトバー
14 セットフレーム(ブラインド用支持部材)
14a 短手方向一端部
14b 短手方向他端部
15 サイドプレート
16 操作ユニット
17 操作チェーン
100、200、300、400 ブラケット
120、220、320、420 第1ブラケット部
121、221、321a、321b、421 第1固定側係止部(第1係止部)
122、222、322、422 摺動側係止部(第2係止部)
123、223、323、423 スライドブロック
124、224、324a、324b 保持部
125、225、325 バネ(付勢手段)
140、240、340、440 第2ブラケット部
141、241、341a、341b、441 第2固定側係止部
142、242、342 ネジ(螺合部材)
143、243、343 ネジ穴(螺合孔)
160、260、460 ブラケット本体
160a、160b、260b、326a、326b、344a、344b 側壁部
160c、260c、326c、344c、460c 室外側壁部
160d 中央壁部
326 第1ブラケット本体
344 第2ブラケット本体
445 カム(回転係止部)
446 操作ネジ(回転操作部)
447 カム取付部
448 操作ネジ穴