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2025-20557債権管理装置、債権管理方法、及び債権管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020557
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】債権管理装置、債権管理方法、及び債権管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20250205BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124021
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 万莉
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB52
5L055BB52
(57)【要約】
【課題】取引更新処理を行った複数債権に関連するデータを分類し管理することによって一括で全ての対象債権に関連するデータについて自動で取引取消処理が可能となり業務の効率化、処理漏れによるリスクを軽減することができる債権管理装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態では、債権取引履歴データを参照して、所定の債権データを抽出し、取引種別マスタを参照して、所定の債権データに紐づく一括処理の対象であるか否かを区分する一括処理対象区分を取得し、一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、債権取引履歴データを参照して、所定の債権データに紐づく債権データを抽出し、抽出した債権データに紐づくデータおよび所定の債権データに紐づくデータを更新する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
債権の取引履歴を管理する第一データを参照して、所定の債権データを抽出する債権抽出部と、
債権の取引種別および前記取引種別が一括処理の対象であるか否かを管理する第二マスタを参照して、前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づく一括処理の対象であるか否かを区分する一括処理対象区分を取得する一括処理対象区分取得部と、
前記一括処理対象区分取得部が取得した前記一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、前記第一データを参照して、前記所定の前記債権データに紐づく債権データを抽出する一括処理債権抽出部と、
前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づくデータおよび前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づくデータを更新するデータ更新部と、
を備えることを特徴とする債権管理装置。
【請求項2】
前記債権抽出部は、前記第一データを参照して、前記所定の前記債権データの債権を識別する債権識別情報、債権の処理履歴を管理する処理履歴識別情報、債権の取引履歴を管理する取引履歴連番管理識別情報、債権の履歴を管理する債権履歴連番管理識別情報、取引種別を識別する取引種別識別情報および債権処理を識別する処理連番管理識別情報を抽出し、
前記一括処理対象区分取得部は、前記取引種別識別情報を基に、前記第二マスタを参照して、前記所定の前記債権データに紐づく一括処理対象区分を取得し、
前記一括処理債権抽出部は、前記債権データに紐づく前記一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、前記第一データを参照して、前記債権抽出部が抽出した前記処理連番管理識別情報を含む債権データに紐づく前記債権識別情報、前記処理履歴識別情報および前記債権履歴連番管理識別情報を抽出し、
前記データ更新部は、
債権処理情報が格納されている第三データを参照して、前記債権データに対して、債権処理識別情報を付与して、前記債権データに紐づく前記処理履歴識別情報および前記債権データの債権計上額の値に対して値がプラスであるならばマイナスの符号を付して、値がマイナスであるならばプラスの値を格納して、前記第三データを生成して更新する第三データ更新部と、
前記債権データの前記債権識別情報を含む関連データを参照して、前記債権識別情報で特定した前記関連データ、前記債権識別情報で特定できない場合は、前記債権識別情報と前記取引履歴連番管理識別情報または前記債権履歴連番管理識別情報のいずれかを含む前記関連データを特定して、特定された前記関連データを前記関連データから削除し更新するデータ削除更新部と、
データ削除更新部による削除更新後の債権履歴情報が格納されている第四データを参照して、前記データ削除更新部による削除更新処理を実施した前記債権データの前記債権識別情報が格納されているか確認し、格納されていた場合は、前記第四データを参照して、前記債権識別情報に紐づく債権履歴識別情報の値が最大値の債権データの債権履歴連番管理識別情報を取得し、最新の債権情報を格納する第五データに前記債権識別情報および取得した前記債権履歴連番管理識別情報を格納し、前記第五データを生成し更新するデータ追加更新部と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の債権管理装置。
【請求項3】
前記関連データには、前記第一データ、前記第四データおよび前記第五データを含み、
前記データ削除更新部は、
前記第一データを参照して、前記債権データに対応する前記債権識別情報および前記取引履歴連番管理識別情報を含む前記第一データを削除し更新し、
前記第四データを参照して、前記債権データに対応する前記債権識別情報および前記債権履歴連番管理識別情報を含む第四データを削除し更新し、
前記第五データを参照して、前記債権データに対応する前記債権識別情報を含む前記第五データを削除し更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載の債権管理装置。
【請求項4】
前記データ更新部は、
前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づく前記処理履歴識別情報および前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づく前記処理履歴識別情報を比較して、前記処理履歴識別情報の値が最大である債権データを選択して、前記選択した債権データから前記第三データ更新部の処理を開始し、
さらに、前記データ追加更新部の更新処理の終了後に、前記債権抽出部が抽出した前記債権データおよび前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データを確認して、前記債権データの全ての処理が終了していない場合は、前記更新処理を終了した前記債権データを除いて、再度前記債権抽出部が抽出した前記債権データの前記処理履歴識別情報および前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データの前記処理履歴識別情報を比較して、前記処理履歴識別情報の値が最大である債権データを選択して、前記選択した債権データから前記第三データ更新部の処理を開始する、
ことを特徴とする請求項2に記載の債権管理装置。
【請求項5】
前記データ更新部は、
前記第三データ更新部の処理前に、
前記第一データを参照して、当該選択した前記債権データの前記債権識別情報に紐づく処理履歴識別情報の値の最大値を取得して、選択した前記債権データの前記処理履歴識別情報の値と一致するか確認し、
前記確認の終了後に、前記一括処理債権抽出部によって前記債権データの一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、前記債権抽出部が抽出した前記処理連番管理識別情報を含む全債権データの前記債権識別情報、前記処理履歴識別情報および前記債権履歴連番管理識別情報が抽出されているか確認する、
ことを特徴とする請求項4に記載の債権管理装置。
【請求項6】
前記債権抽出部は、
前記第一データを参照して、取引の取消処理を実行するための取引取消画面に指定された顧客に紐づく債権データを抽出して、抽出した前記債権データを前記取引取消画面に表示し選択可能に出力させる第一出力制御部
を備え、
前記一括処理債権抽出部は、
前記第一データを参照して、前記債権抽出部が抽出した前記処理連番管理識別情報を含む債権データを前記取引取消画面に選択済みの態様で表示させる第二出力制御部
を備えることを特徴とする請求項2に記載の債権管理装置。
【請求項7】
前記債権データの債権は、金銭債権であること、
を特徴とする請求項1に記載の債権管理装置。
【請求項8】
債権抽出部が、債権の取引履歴を管理する第一データを参照して、所定の債権データを抽出する債権抽出ステップと、
一括処理対象区分取得部が、債権の取引種別および前記取引種別が一括処理の対象であるか否かを管理する第二マスタを参照して、前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づく一括処理の対象であるか否かを区分する一括処理対象区分を取得する一括処理対象区分取得ステップと、
一括処理債権抽出部が、前記一括処理対象区分取得部が取得した前記一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、前記第一データを参照して、前記所定の前記債権データに紐づく債権データを抽出する一括処理債権抽出ステップと、
データ更新部が、前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づくデータおよび前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づくデータを更新するデータ更新ステップと、
を含むことを特徴とする債権管理方法。
【請求項9】
情報処理装置を、
債権の取引履歴を管理する第一データを参照して、所定の債権データを抽出する債権抽出手段、
債権の取引種別および前記取引種別が一括処理の対象であるか否かを管理する第二マスタを参照して、前記債権抽出手段が抽出した前記債権データに紐づく一括処理の対象であるか否かを区分する一括処理対象区分を取得する一括処理対象区分取得手段、
前記一括処理対象区分取得手段が取得した前記一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、前記第一データを参照して、前記所定の前記債権データに紐づく債権データを抽出する一括処理債権抽出手段、
前記債権抽出手段が抽出した前記債権データに紐づくデータおよび前記一括処理債権抽出手段が抽出した前記債権データに紐づくデータを更新するデータ更新手段、
として機能させるための債権管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、債権管理装置、債権管理方法、及び債権管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、債権の取消等に伴う債権価格修正等の処理も含めて、一連の流動化事務を迅速かつ高い精度で完結させる債権流動化システム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-309697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、債権管理業務においては、債権者(債権を保有する個人や企業等)と債務者の取引等に伴い、債務者である顧客または特定の契約に紐づく全債権に関連するデータの更新(取引更新)がされることがある。例えば、債権者と債務者である顧客と取引等を行い、当該顧客の全債権に対して和解が成立し、それに伴い債権管理業務では対象債権に関連するデータの和解処理を行い更新する。また、債権者は、債務者に対し特定の契約の全債権に対して貸倒・期限の利益喪失を行うことがあり、それに伴い債権管理業務では対象債権に関連するデータについて貸倒処理・期限の利益喪失処理を行い更新する。上記のような複数債権に対する取引等に伴い、対象債権に関連する債権のデータの更新を自動で一括処理を行うことは可能である。一方で、当該取引等が和解条項違反等の理由で取引更新処理(例えば和解等)が取消された場合に、債権管理業務においては、債権管理上、最新取引から順番に取消を行うことが必須であるため、担当者によって、当該取引更新処理(例えば和解等)を行った全ての債権に関連するデータの選択、選択された債権に関連するデータの取消処理(取引取消)を行い、取引更新処理前(例えば和解前等)のデータに戻す必要があり、対象の債権が多い場合に、担当者の業務負荷が増大し、処理漏れによる誤った情報のまま会計連携、外信報告等が行われるリスクが発生していた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、取引種別によって債権を分類し管理することによって一括で全ての対象債権に紐づくデータについて自動でデータの更新処理が可能となり業務の効率化、処理漏れによるリスクを軽減することができる債権管理装置、債権管理方法、及び債権管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る債権管理装置は、債権の取引履歴を管理する第一データを参照して、所定の債権データを抽出する債権抽出部と、債権の取引種別および前記取引種別が一括処理の対象であるか否かを管理する第二マスタを参照して、前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づく一括処理の対象であるか否かを区分する一括処理対象区分を取得する一括処理対象区分取得部と、前記一括処理対象区分取得部が取得した前記一括処理対象区分が一括処理の対象であった場合に、前記第一データを参照して、前記所定の前記債権データに紐づく債権データを抽出する一括処理債権抽出部と、前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づくデータおよび前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づくデータを更新するデータ更新部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
なお、本発明に係る債権管理装置において、前記債権抽出部は、前記第一データを参照して、前記所定の前記債権データの債権を識別する債権識別情報、債権の処理履歴を管理する処理履歴識別情報 、債権の取引履歴を管理する取引履歴連番管理識別情報、債権の履歴を管理する債権履歴連番管理識別情報、取引種別を識別する取引種別識別情報および債権処理を識別する処理連番管理識別情報を抽出し、前記一括処理対象区分取得部は、前記取引種別識別情報を基に、前記第二マスタを参照して、前記所定の前記債権データに紐づく一括処理対象区分を取得し、前記一括処理債権抽出部は、前記債権データに紐づく前記一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、前記第一データを参照して、前記債権抽出部が抽出した前記処理連番管理識別情報を含む債権データに紐づく前記債権識別情報、前記処理履歴識別情報および前記債権履歴連番管理識別情報を抽出し、前記データ更新部は、債権処理情報が格納されている第三データを参照して、前記債権データに対して、債権処理識別情報を付与して、前記債権データに紐づく前記処理履歴識別情報および前記債権データの債権計上額の値に対して値がプラスであるならばマイナスの符号を付して、値がマイナスであるならばプラスの値を格納して、前記第三データを生成して更新する第三データ更新部と、前記債権データの前記債権識別情報を含む関連データを参照して、前記債権識別情報で特定した前記関連データ、前記債権識別情報で特定できない場合は、前記債権識別情報と前記取引履歴連番管理識別情報または前記債権履歴連番管理識別情報のいずれかを含む前記関連データを特定して、特定された前記関連データを前記関連データから削除し更新するデータ削除更新部と、データ削除更新部による削除更新後の債権履歴情報が格納されている第四データを参照して、前記データ削除更新部による削除更新処理を実施した前記債権データの前記債権識別情報が格納されているか確認し、格納されていた場合は、前記第四データを参照して、前記債権識別情報に紐づく債権履歴識別情報の値が最大値の債権データの債権履歴連番管理識別情報を取得し、最新の債権情報を格納する第五データに前記債権識別情報および取得した前記債権履歴連番管理識別情報を格納し、前記第五データを生成し更新するデータ追加更新部と、を備える、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記関連データには、前記第一データ、前記第四データおよび前記第五データを含み、前記データ削除更新部は、前記第一データを参照して、前記債権データに対応する前記債権識別情報および前記取引履歴連番管理識別情報を含む前記第一データを削除し更新し、前記第四データを参照して、前記債権データに対応する前記債権識別情報および前記債権履歴連番管理識別情報を含む第四データを削除し更新し、前記第五データを参照して、前記債権データに対応する前記債権識別情報を含む前記第五データを削除し更新する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記データ更新部は、前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づく前記処理履歴識別情報および前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づく前記処理履歴識別情報を比較して、前記処理履歴識別情報の値が最大である債権データを選択して、前記選択した債権データから前記第三データ更新部の処理を開始し、さらに、前記データ追加更新部の更新処理の終了後に、前記債権抽出部が抽出した前記債権データおよび前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データを確認して、前記債権データの全ての処理が終了していない場合は、前記更新処理を終了した前記債権データを除いて、再度前記債権抽出部が抽出した前記債権データの前記処理履歴識別情報および前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データの前記処理履歴識別情報を比較して、前記処理履歴識別情報の値が最大である債権データを選択して、前記選択した債権データから前記第三データ更新部の処理を開始する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記データ更新部は、前記第三データ更新部の処理前に、前記第一データを参照して、当該選択した前記債権データの前記債権識別情報に紐づく処理履歴識別情報の値の最大値を取得して、選択した前記債権データの前記処理履歴識別情報の値と一致するか確認し、前記確認の終了後に、前記一括処理債権抽出部によって前記債権データの一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、前記債権抽出部が抽出した前記処理連番管理識別情報を含む全債権データの前記債権識別情報、前記処理履歴識別情報および前記債権履歴連番管理識別情報が抽出されているか確認する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記債権抽出部は、前記第一データを参照して、取引の取消処理を実行するための取引取消画面に指定された顧客に紐づく債権データを抽出して、抽出した前記債権データを前記取引取消画面に表示し選択可能に出力させる第一出力制御部を備え、前記一括処理債権抽出部は、前記第一データを参照して、前記債権抽出部が抽出した前記処理連番管理識別情報を含む債権データを前記取引取消画面に選択済みの態様で表示させる第二出力制御部を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記債権データの債権は、金銭債権であること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る債権管理方法は、債権抽出部が、債権の取引履歴を管理する第一データを参照して、所定の債権データを抽出する債権抽出ステップと、一括処理対象区分取得部が、債権の取引種別および前記取引種別が一括処理の対象であるか否かを管理する第二マスタを参照して、前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づく一括処理の対象であるか否かを区分する一括処理対象区分を取得する一括処理対象区分取得ステップと、一括処理債権抽出部が、前記一括処理対象区分取得部が取得した前記一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、前記第一データを参照して、前記所定の前記債権データに紐づく債権データを抽出する一括処理債権抽出ステップと、データ更新部が、前記債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づくデータおよび前記一括処理債権抽出部が抽出した前記債権データに紐づくデータを更新するデータ更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る債権管理プログラムは、債権の取引履歴を管理する第一データを参照して、所定の債権データを抽出する債権抽出手段、債権の取引種別および前記取引種別が一括処理の対象であるか否かを管理する第二マスタを参照して、前記債権抽出手段が抽出した前記債権データに紐づく一括処理の対象であるか否かを区分する一括処理対象区分を取得する一括処理対象区分取得手段、前記一括処理対象区分取得手段が取得した前記一括処理区分が一括処理の対象であった場合に、前記第一データを参照して、前記所定の前記債権データに紐づく債権データを抽出する一括処理債権抽出手段、前記債権抽出手段が抽出した前記債権データに紐づくデータおよび前記一括処理債権抽出手段が抽出した前記債権データに紐づくデータを更新するデータ更新手段、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、取引種別によって債権を分類し管理することによって一括で全ての対象債権に紐づくデータについて自動でデータの更新処理が可能となり業務の効率化、処理漏れによるリスクを軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態に係る業務支援装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る債権取引履歴データの一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る最新債権データの一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る債権履歴データの一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る債権ログデータの一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態に係る契約データの一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態に係る顧客データの一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態に係る取引種別マスタの一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態に係る取引内容マスタの一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における処理の具体例を説明するための処理実施前のデータの一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態における処理の具体例を説明するための、画面例を示す図である。
図12図12は、本実施形態における処理の具体例を説明するための、画面例を示す図である。
図13図13は、本実施形態における処理の具体例を説明するための、画面例およびマスタ例を示す図である。
図14図14は、本実施形態における処理の具体例を説明するための、データ例を示す図である。
図15図15は、本実施形態における処理の具体例を説明するための、データ例を示す図である。
図16図16は、本実施形態における処理の具体例を説明するための、データ例を示す図である。
図17図17は、本実施形態における処理の具体例を説明するための、処理実施後のデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る債権管理装置、債権管理方法、および債権管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.構成]
本実施形態に係る業務支援装置100(本発明の債権管理装置を含む)の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0020】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106は、債権取引履歴データ106a(本発明の第一データに相当)、最新債権データ106b(本発明の第五データに相当)、債権履歴データ106c(本発明の第四データに相当)、債権ログデータ106d(本発明の第三データに相当)、契約データ106e、顧客データ106f取引種別マスタ106g(本発明の第二マスタに相当)および取引内容マスタ106h等を格納する。
【0025】
債権取引履歴データ106aは、図2で示すように、債権を識別するための債権識別情報(債権ID)ごとのの取引履歴を管理する取引履歴連番管理識別情報(取引履歴SEQ)時点の債権取引に関する情報のスナップショットを保持するものである。債権取引履歴データ106aは、債権識別情報(例えば、債権ID等)、債権の取引履歴を管理する取引履歴連番管理識別情報(例えば、取引履歴SEQ等)、債権の履歴を管理する債権履歴連番管理識別情報(例えば、債権履歴SEQ等)、取引種別を識別する取引種別識別情報(例えば、取引種別コード)、取引内容識別情報(例えば、取引内容コード)、取引日、取引金額、顧客識別情報(例えば、顧客ID等)、契約識別情報(例えば、契約ID等)、債権処理を識別する処理連番管理識別情報(例えば、処理SEQ等)および債権の処理履歴識別情報(例えば、債権ログID等)等を格納する。
【0026】
最新債権データ106bは、図3で示すように、債権識別情報(債権ID)ごとの最新データを保持するものである。最新債権データ106bは、債権識別情報、債権履歴連番管理識別情報、債権計上日、債権計上額、和解であるか否かを区別する和解区分(例えば和解フラグ等)および債権に新たに付与した新債権識別情報(例えば、新債権ID等)等を格納する。
【0027】
債権履歴データ106cは、図4で示すように、債権識別情報(債権ID)ごとの債権履歴連番管理識別情報(債権履歴SEQ)時点の債権情報に関するスナップショットを保持するものである。債権履歴データ106cは、債権識別情報、債権履歴連番管理識別情報、債権計上日、債権計上額、和解区分および新債権識別情報等を格納する。
【0028】
債権ログデータ106dは、図5で示すように、債権の処理(取消処理も含め)を逐次的に記録しデータを追加し管理するためのものである。債権ログデータ106dは、処理履歴識別情報、取引取消処理であるか否かを区別する取引取消区分(例えば、取引取消フラグ等)、取引取消処理の元となった処理履歴識別情報(例えば、取引取消元債権ログID等)、債権識別情報、取引履歴連番管理識別情報、債権履歴連番管理識別情報、取引種別識別情報、取引内容識別情報、取引日、取引金額、債権計上額、入金額、充当額および放棄額等を格納する。
【0029】
契約データ106eは、図6に示すように、契約を管理するためのものである。契約データ106eは、契約識別情報および顧客識別情報等を格納する。
【0030】
顧客データ106fは、図7に示すように、顧客を管理するためのものである。顧客データ106fは、顧客識別情報および顧客名を格納する。
【0031】
取引種別マスタ106gは、図8に示すように、取引種別を管理するためのものである。取引種別マスタ106gは、取引種別識別情報、取引種別名および処理連番管理識別情報の単位で取消処理を実行するか否かを区分する取消単位区分(例えば、処理SEQ単位取消フラグ)等を格納する。
【0032】
取引内容マスタ106hは、図9に示すように、取引内容を管理するためのものである。取引内容マスタ106hは、取引内容識別情報および取引種別名等を格納する。
【0033】
図1に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0034】
制御部102は、機能概念的に、履歴出力部102a(本発明の第一出力制御部を含む)および取引取消処理部102b(本発明の債権抽出部、一括処理対象区分取得部、一括処理債権抽出部、データ更新部、第三データ更新部、データ削除更新部、データ追加更新部および第二出力制御部を含む)等を備える。
【0035】
履歴出力部102aは、取引取消画面MAの領域MA1に顧客IDを指定させ、表示ボタンMA2を押下させる(図11参照)。すると、履歴出力部102aは、債権取引履歴データ106aを参照し、指定された顧客IDに紐づくレコードを抽出し、上から債権ログIDの小さい順に取引取消画面MAの領域MA3に選択可能に表示させ、取引取消処理部102bを起動させる(図12参照)。
【0036】
取引取消処理部102bは、一括処理対象債権抽出処理として以下の(11)から(16)の処理を実施する。
(11)履歴出力部102aによって、モニタ114に取引取消画面MAの領域MA3に指定された顧客IDのレコードが表示された状態で、取消処理の対象債権のカラム名「取引対象」にチェックを入れさせ、債権を指定させる。
(12)債権取引履歴データ106aを参照し、指定された債権に対応するレコードを取得する。
(13)(12)で取得した債権レコードの取引種別コードを基に、取引種別マスタ106gを参照し、当該取引種別コードに対応する処理SEQ単位取消フラグ「TRUE」または「FALSE」を取得する。
(14)(13)で取得した処理SEQ単位取消フラグが「TRUE」である場合、(12)で取得した債権のレコードから処理SEQを取得し、債権取引履歴データ106aを参照し、同一の処理SEQを含むレコード全てを取得し、取得したレコードに対応するレコードの取引取消画面MAのカラム名「取引対象」にチェックを入れ表示させる。なお、取得した処理SEQ単位取消フラグが「FALSE」だった場合は、当該(14)の処理は実行しないで(15)の処理に移行する。
(15)(11)または(14)の取引取消画面MAのカラム名「取引対象」にチェックが入った状態で実行ボタンMA4を押下させる。
(16)債権取引履歴データ106aを参照し、取引取消画面MAのカラム名「取引対象」にチェックが入った債権のレコードを取得し、エラーチェックを実施する。
【0037】
取引取消処理部102bは、上記(12)または(14)で取得したレコードから1レコードを債権選択処理として(21)を実施し(複数の債権がチェックされている場合は、債権ログIDの値が大きい順に処理するため)、続いてエラーチェックとして(22)~(25)を実施する。
(21)上記(12)または(14)で取得したレコードのうち債権ログIDの値が最大値であるレコードを選択する。
(22)債権取引履歴データ106aを参照し、(21)で選択したレコードの債権IDに対応する債権ログIDが最大値のレコードを取得し、(21)で選択したレコードと一致するか確認する。なお、債権ログIDの値が大きいほど新しいことを示す。
(23)(13)で取得した、処理SEQ単位取消フラグを「TRUE」の場合、債権取引履歴データ106aを参照し、(14)で取得した債権の処理SEQを含むレコード全てについて取引取消画面MAのカラム名「取引対象」にチェックがセットされているか確認する。なお、処理SEQ単位取消フラグを「FALSE」の場合は、当該(23)のチェックは実施しない。
(24)(22)および(23)について不一致等で確認ができなかった場合、取引取消画面MAにエラーメッセージを表示する。
(25)(22)および(23)の全てについて確認された場合、取消処理に移行する。
【0038】
取引取消処理部102bは、エラーチェックが終了したレコード(1レコードずつ)について取消処理として(31)~(36)を実施する。
(31)債権ログデータ106dを参照し、エラーチェックが終了した債権レコードの債権ログIDを含むレコードを取得し、新たな債権ログIDを採番しカラム名「債権ログID」に格納し、取引取消処理によって更新されるデータなのでカラム名「取引取消フラグ」に「TRUE」を、取得した債権ログデータ106dのレコードの債権計上額に相対する値(プラスの値であるならば相対するマイナスの符号を付した値、マイナスの値であるならばプラスを意味する値)を格納する。その他の債権ログデータ106dのカラムについては、取得した債権ログデータ106dのレコードの値を対応するカラムにそのまま格納し、債権ログデータ106dにいわゆる取消振替データ(赤伝票)のレコードを格納し更新する。
(32)債権取引履歴データ106aを参照し、エラーチェックが終了した債権レコードの債権ID・取引履歴SEQを含むレコードを抽出し、抽出したレコードを削除し、債権取引履歴データ106aを更新する。
(33)債権履歴データ106cを参照し、エラーチェックが終了した債権レコードの債権ID・債権履歴SEQを含むレコードを抽出し、抽出したレコードを削除し、債権履歴データ106cを更新する。
(34)最新債権データ106bを参照し、エラーチェックが終了した債権レコードの債権IDを含むレコードを抽出し、抽出したレコードを削除し、最新債権データ106bを更新する。
(35)(33)の処理後の債権履歴データ106cを参照し、エラーチェックが終了した債権レコードの債権IDを含むレコードが存在するか確認し、存在した場合は、当該債権IDであって債権履歴SEQが最大値のレコードを抽出する。抽出したレコードの値を対応する最新債権データ106bのカラムに格納し、最新債権データ106bを生成し、最新債権データ106bに追加更新し、取消処理を終了する。なお、(33)の処理後の債権履歴データ106cを参照し、エラーチェックが終了した債権レコードの債権ログIDを含むレコードが存在しない場合は、取消処理を終了する。
(36)上記(12)または(14)で取得したレコードが、複数のレコードであった場合は、取消処理の終了した後の時点で、取消処理が終了した債権のレコードを除いて、(21)の処理に戻り、エラーチェックから取消処理までの一連の処理を実施する。上記(12)または(14)で取得したレコードの全てについて取消処理が完了するまで繰り返し処理を行う。
【0039】
[2.処理の具体例]
上述のように構成された業務支援装置100が実行する処理の具体例を、図11から図17等を参照して詳細に説明する。なお、取引取消画面MAは、取引取消画面の一部を示したものである。
【0040】
前提として、債権ログID「1103」取引種別「9:和解」が取消されることになり担当者等が処理を実施する。なお、本実施例で取消される債権ログID「1103」取引種別「9:和解」は、債権ID「1001」の債権ログID「201」の残高「800,000円」および債権ID「1002」の債権ログID「202」の残高「400,000円」の合計「1,200,000円」を和解が成立したことにより合意額(残額)「990,000円」にするために債権ログID「1103」とともに、債権ID「1001」の債権ログID「1101」と債権ID「1002」の債権ログID「1102」に関するレコードが各データに格納されている(図10参照)。
【0041】
担当者等は、予めモニタ114に表示されている取引取消画面MAの領域MA1に顧客ID「12345」指定し、表示ボタンMA2を押下する(図11参照)。
【0042】
すると、履歴出力部102aは、図10の債権取引履歴データ106aを参照し、顧客ID「12345」を含むレコードを抽出し、上から債権ログIDの小さい順に領域MA3に選択可能に表示させ、取引取消処理部102bを起動させる(図12参照)。
【0043】
次に担当者は取消処理を行う債権の債権ID「1003」が含まれている領域MA3に表示されたレコードのカラム名「取引対象」にチェックを入れる(図13参照)。
【0044】
取引取消処理部102bは、債権取引履歴データ106aを参照し、指定された債権ID「1003」が含まれているレコードを取得し、取得したレコードから取引種別コード「9」を取得し、取引種別マスタ106gを参照し、処理SEQ単位取消フラグ「TRUE」を取得する(図13参照)。
【0045】
取引取消処理部102bは、処理SEQ単位取消フラグ「TRUE」であるため、取得した債権ID「1003」が含まれているレコードから処理SEQ「5」を取得し、債権取引履歴データ106aを参照し、処理SEQ「5」を含む債権ログID「1101」および債権ログID「1102」のレコードを取得し、債権ログID「1101」および債権ログID「1102」のレコードに対応する取引取消画面MAのカラム名「取引対象」にチェックを入れ表示させる(図13参照)。
【0046】
次に担当者は取引取消画面MAの領域MA3のカラム名「取引対象」にチェックがセットされた債権を確認し、実行ボタンMA4を押下する。
【0047】
すると、取引取消処理部102bは、債権取引履歴データ106aを参照し、債権ログID「1101」、債権ログID「1102」および債権ログID「1103」のレコードを取得する。
【0048】
取引取消処理部102bは、取得した債権ログID「1101」、債権ログID「1102」および債権ログID「1103」のレコードのうち債権ログIDの一番大きい債権ログID「1103」のレコードを選択し、エラーチェックを開始する。
【0049】
(1)エラーチェック
取引取消処理部102bは、取得した債権ログID「1103」のレコードの債権ID「1003」を取得し、債権取引履歴データ106aを参照し、債権ID「1003」を含むレコードの債権ログIDの最大値「1103」を取得する。当該取得した債権ログIDの最大値「1103」と選択した処理対象債権の債権ログID「1103」が一致するので最新取引であることが確認される。
【0050】
次に、取引取消処理部102bは、処理SEQ単位取消フラグ「TRUE」であるため、債権取引履歴データ106aを参照し、取得した取引種別コード「9」に対応する処理SEQ「5」を含むレコード債権ログID「1101」、債権ログID「1102」および債権ログID「1103」を取得し、取引取消画面MAの領域MA3のカラム名「取引対象」にチェックが入っている債権と比較し、全てにチェックが入っていることが確認され、エラーチェックを終了し、取消処理を開始する。
【0051】
(2)取消処理
(2-1)取引取消処理部102bは、債権ログデータ106dを参照し、エラーチェックの終了した債権ログID「1103」を含むレコードを取得する。取引取消処理部102bは、取消用の債権ログデータ106dのレコードを作成するために、債権ログIDを採番し「3001」をカラム名「債権ログID」に格納し、取引取消処理によって更新されるデータなのでカラム名「取引取消フラグ」に「TRUE」を格納し、取得した債権ログデータ106dのレコードの債権計上額「990,000」に相対する「-990,000」を格納し、その他のカラムについては債権ログデータ106dの債権ログID「1103」を含むレコードの値をそのまま格納し取消用の債権ログデータ106dのレコードを作成し、債権ログデータ106dに格納し更新する(図14の2-1参照)。
【0052】
(2-2)取引取消処理部102bは、債権取引履歴データ106aを参照し、債権ID「1003」および取引履歴SEQ「1」を含むレコードを抽出し、抽出したレコードを削除し、債権取引履歴データ106aを更新する(図14の2-2参照)。
【0053】
(2-3)取引取消処理部102bは、債権履歴データ106cを参照し、債権ID「1003」および債権履歴SEQ「1」を含むレコードを抽出し、抽出したレコードを削除し、債権履歴データ106cを更新する(図14の2-3参照)。
【0054】
(2-4)取引取消処理部102bは、最新債権データ106bを参照し、債権ID「1003」を含むレコードを抽出し、抽出したレコードを削除し、最新債権データ106bを更新する(図14の2-4参照)。
【0055】
(2-5)取引取消処理部102bは、上記(2-3)の処理後(債権ID「1003」および債権履歴SEQ「1」を含むレコードの削除後)の債権履歴データ106cを参照し、債権ID「1003」を含むレコードが存在するか確認し、存在しないので、取消処理を終了する(図14の2-5参照)。
【0056】
取引取消処理部102bは、取消処理が終了した債権ログID「1103」のレコードを除き、取得した債権ログID「1101」および債権ログID「1102」のレコードのうち債権ログIDの一番大きい債権ログID「1102」のレコードを選択する。
【0057】
取引取消処理部102bは、債権取引履歴データ106aを参照し、債権ログID「1102」のレコードに含まれる債権ID「1002」を取得し、上記(1)エラーチェックと同様の処理を実施する。
【0058】
取引取消処理部102bは、債権ログデータ106dを参照し、債権ログID「1102」に紐づく取引履歴SEQ「4」および債権履歴SEQ「2」を取得し、上記(2-1)から(2-4)までの処理を実施する(図15の2-1から2-4参照)。
【0059】
(2-6)取引取消処理部102bは、上記(2-3)の処理終了後(債権ID「1002」および債権履歴SEQ「2」を含むレコードの削除後)の債権履歴データ106cを参照し、債権ID「1002」を含むレコードが存在するか確認する。取引取消処理部102bは、債権ID「1002」を含むレコードが存在するので、上記(2-3)の処理終了後の債権履歴データ106cを参照し、債権ID「1002」を含み最新である(債権履歴SEQが最大値である)債権履歴SEQ「1」を含むレコードを取得し、最新債権データ106bの対応するカラムに取得したレコードの値を格納し、新しい最新債権データ106bのレコードを生成し、最新債権データ106bに追加更新し、取消処理を終了する(図15の2-5参照)。
【0060】
取引取消処理部102bは、取消処理が終了した債権ログID「1103」および債権ログID「1102」を除き、取消処理が実施されていない債権ログID「1101」を選択する。
【0061】
取引取消処理部102bは、債権取引履歴データ106aを参照し、債権ログID「1101」のレコードに含まれる債権ID「1001」を取得し、上記債権ログID「1102」の(1)エラーチェックおよび(2)取消処理と同様の処理を実施し、処理を終了する(図16の2-1から2-5参照)。
【0062】
上記取消処理の結果、図17に示すように処理完了後の各データのテーブル状態となる。図10に示す処理前のテーブル状態と図17のテーブル状態を対比する。
【0063】
債権取引履歴データ106aについて、自動選択された債権ID「1003」取引履歴SEQ「1」、債権ID「1002」取引履歴SEQ「4」および債権ID「1001」取引履歴SEQ「4」が削除され、今回の取消対象の債権ログID「1103」取引種別「9:和解」に分類(グルーピング)される全ての取引についてデータが削除され、データが更新された。これにより、債権取引履歴データ106aは、債権ログID「1103」取引種別「9:和解」の処理前のデータに戻ったことになる。
【0064】
最新債権データ106bについては、取消対象の債権ログID「1103」取引種別「9:和解」に分類(グルーピング)される全ての取引に紐づく債権履歴SEQのデータ(債権ID「1003」について債権履歴SEQ「1」のデータ、債権ID「1002」について債権履歴SEQ「2」のデータおよび債権ID「1001」について債権履歴SEQ「2」のデータ)が削除され、債権ログID「1103」取引種別「9:和解」の処理によって削除されたデータ(債権ID「1002」について債権履歴SEQ「1」のデータおよび債権ID「1001」について債権履歴SEQ「1」のデータ)を追加し、債権ログID「1103」取引種別「9:和解」処理前の時点の最新の債権履歴SEQのデータに更新された。これにより、最新債権データ106bについて、債権ログID「1103」取引種別「9:和解」の処理前のデータに戻ったことになる。
【0065】
債権履歴データ106cについては、取消対象の債権ログID「1103」取引種別「9:和解」に分類(グルーピング)される全ての取引に紐づく債権履歴SEQのデータ(債権ID「1003」について債権履歴SEQ「1」のデータ、債権ID「1002」について債権履歴SEQ「2」のデータおよび債権ID「1001」について債権履歴SEQ「2」のデータ)が削除され、データが更新された。これにより、債権履歴データ106cについて、債権ログID「1103」取引種別「9:和解」の処理前のデータに戻ったことになる。
【0066】
債権ログデータ106dについては、取消対象の債権ログID「1103」取引種別「9:和解」に分類(グルーピング)される全ての取引に実施した取引処理(取消処理2-1)において追加で作成された取消用のログデータ(債権ログID「3001」、「3002」および「3003」のデータ)が追加され、更新された。これにより、債権ログデータ106dについて、債権ログID「1103」取引種別「9:和解」に分類(グルーピング)された全ての取引に紐づくデータについて取消処理を実施したことが記録される。なお、債権ログデータ106dの債権ログID「3001」の債権計上額には「-990,000円」が格納され和解金額が取消され、債権ログID「3002」の放棄金額には「-400,000円」が格納され和解によって放棄された金額が取消され、債権ログID「3003」の放棄金額には「-800,000円」が格納され和解によって放棄された金額が取消され、債権ログID「1103」取引種別「9:和解」の処理前のデータに戻ったことになる。
【0067】
以上、本実施形態によれば、債権における和解等の処理を分類し管理することによって、和解等の処理を実施した全ての債権についてシステム上で管理可能となり、債権における和解等の処理の取消処理という性質上、和解等の処理を実施した全ての債権に対し取消処理を実施しなければデータの整合性がとれなくなってしまう当該取消処理が自動で実施可能となり業務の効率化、処理漏れによるリスクの軽減を図ることができる。
【0068】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0071】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0072】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0073】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0074】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0075】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0076】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0077】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0078】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0079】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0080】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0081】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、債権回収業(サービサー)、金融機関等の債権管理業務を行う業界において有用である。
【符号の説明】
【0083】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 履歴出力部
102b 取引取消処理部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 債権取引履歴データ
106b 最新債権データ
106c 債権履歴データ
106d 債権ログデータ
106e 契約データ
106f 顧客データ
106g 取引種別マスタ
106h 取引内容マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17