(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002057
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】洗濯機利用支援システム及び洗濯機利用支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241226BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101971
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 優衣
(72)【発明者】
【氏名】宮田 克也
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 英美
(72)【発明者】
【氏名】西川 和寿
(72)【発明者】
【氏名】小村 勝人
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】洗濯機の定格容量が分からずに洗濯機を利用している利用者に対して、あとどのくらい増やせるか、又は減らした方が良いかを可視化する。
【解決手段】衣類重量データ及びユーザの洗濯機利用状況を受信する情報受信部と、前記受信したデータを格納する記憶部と、前記受信した衣類重量データ及び洗濯機利用状況に基づいて、衣類の量が追加可能か又は減らすべきかを評価する容量評価部と、前記容量評価部による評価結果と前記記憶部に格納されたデータに基づいてユーザへの出力内容を生成する出力内容生成部と、前記生成された出力内容を送信する情報送信部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類重量データ及びユーザの洗濯機利用状況を受信する情報受信部と、
前記受信したデータを格納する記憶部と、
前記受信した衣類重量データ及び洗濯機利用状況に基づいて、衣類の量が追加可能か又は減らすべきかを評価する容量評価部と、
前記容量評価部による評価結果と前記記憶部に格納されたデータに基づいてユーザへの出力内容を生成する出力内容生成部と、
前記生成された出力内容を送信する情報送信部と、を有することを特徴とする洗濯機利用支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機利用支援システムにおいて、
前記出力内容生成部は、衣類の量に基づいて、洗濯の上限容量との差が所定の範囲内になる衣類の組み合わせを作成することを特徴とする洗濯機利用支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の洗濯機利用支援システムにおいて、
前記出力内容生成部は、ユーザが利用する衣類を示す衣類利用特性、生活パターン及びユーザが利用する洗濯機の曜日利用特性の少なくとも一つを考慮して、前記衣類の組み合わせを作成することを特徴とする、洗濯機利用支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の洗濯機利用支援システムにおいて、
前記容量評価部は、洗濯する衣類の汚れ具合に応じて、前記衣類の量の評価の基準となる洗濯の上限容量を変更することを特徴とする洗濯機利用支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の洗濯機利用支援システムにおいて、
前記出力内容生成部は、洗濯機が使用するエネルギー量を表す資源目安情報を参照して、前記衣類重量データに基づいて、前記洗濯機のエネルギー消費に関するデータを生成することを特徴とする、洗濯機利用支援システム。
【請求項6】
洗濯機利用支援システムが実行する洗濯機利用支援方法であって、
前記洗濯機利用支援システムは、所定の演算処理を実行する演算装置と、前記演算装置に接続された記憶装置とを有する計算機によって構成され、
前記洗濯機利用支援方法は、
前記演算装置が、衣類重量データ及びユーザの洗濯機利用状況を受信する情報受信手順と、
前記演算装置が、前記受信したデータを前記記憶装置に格納する記憶手順と、
前記演算装置が、前記受信した衣類重量データ及び洗濯機利用状況に基づいて、衣類の量が追加可能か又は減らすべきかを評価する容量評価手順と、
前記演算装置が、前記容量評価手順による評価結果と前記記憶装置に格納されたデータに基づいてユーザへの出力内容を生成する出力内容生成手順と、
前記演算装置が、前記生成された出力内容を送信する情報送信手順と、を有する洗濯機利用支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の利用を支援する洗濯機利用支援システム及び洗濯機利用支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に洗濯乾燥機は洗濯の定格衣類容量と乾燥の定格衣類容量が個別に設定されている。定格衣類容量を気にせずに、もしくは、適切な容量が分からずに洗濯機を利用している場合がある。そのように、洗濯乾燥機にその定格を超える容量の衣類を投入してしまうと、投入された衣類の量を判定する工程で容量超過により洗濯乾燥機の動作が停止してしまうことがある。また、その場合は、洗濯の洗浄性能や乾燥の乾燥性能が十分に得られなくなってしまう。そこで、特許文献1では、外槽と、洗濯物を投入する洗濯脱水槽と、外槽を保持する保持部に設けられ、洗濯脱水槽に投入された洗濯物の重量を検知する重量検知部と、重量検知部で検知された洗濯物の重量を表示する表示器と、を有し、洗濯脱水槽を回転する前に、表示器に重量検知部で検知された洗濯物の重量を表示する洗濯機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では洗濯できる定格を超える容量の衣類を投入した際の入れすぎを知らせるのみで、どのような衣類をどのくらい抜けばいいのか等具体的な対策が判然としない。また、特許文献1には、洗濯機の利用者に対してあとどのくらい衣類を投入できるかを報知することに関しては開示がない。本発明は、洗濯機の定格衣類容量を気にせずに、又は洗濯機の定格容量が分からずに洗濯機を利用している利用者に対して、あとどのくらい増やせるか、又は減らした方が良いかを可視化することで洗濯機利用を支援すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
衣類重量データ及びユーザの洗濯機利用状況を受信する情報受信部と、前記受信したデータを格納する記憶部と、前記受信した衣類重量データ及び洗濯機利用状況に基づいて、衣類の量が追加可能か又は減らすべきかを評価する容量評価部と、前記容量評価部による評価結果と前記記憶部に格納されたデータに基づいてユーザへの出力内容を生成する出力内容生成部と、前記生成された出力内容を送信する情報送信部と、を有することを特徴とする洗濯機利用支援システムとする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、洗濯機の定格衣類容量を気にせずに、又は適切な容量が分からずに洗濯機を利用している利用者に対して、あとどのくらい増やせるか、もしくは減らした方が良いかが視覚的に把握できる。上述した以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】洗濯機利用支援システムを含む洗濯機利用システム全体の構成例を示す図である。
【
図2】洗濯機利用支援システムのハードウェアの構成例を示す図である。
【
図4】衣類重量の目安情報を格納するテーブルの一例を示す図である。
【
図5】機器毎の利用資源の目安情報を格納するテーブルの一例を示す図である。
【
図6】機器毎の衣類投入容量の上限情報を格納するテーブルの一例を示す図である。
【
図7】ユーザ毎の登録情報を格納するテーブルの一例を示す図である。
【
図8】ユーザ毎の洗濯機利用履歴情報を格納するテーブルの一例を示す図である。
【
図9】ユーザ毎の衣類の利用特性情報を格納するテーブルの一例を示す図である。
【
図10】ユーザの曜日毎の利用特性情報を格納するテーブルの一例を示す図である。
【
図12】洗濯衣類容量の追加を提案内容のUIの一例を示す図である。
【
図13】洗濯衣類容量の削減を提案内容のUIの一例を示す図である。
【
図14】洗濯の運転状況に関するレポートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に洗濯機利用支援システムの実施例を、図を用いて説明する。
【実施例0009】
図1は、洗濯機利用支援システム101を含む洗濯機利用システム全体の構成例を示す図である。
図1において、洗濯機利用支援システム101は、洗濯機に適切な容量の衣類を投入することを支援するシステムである。ここでは便宜上、洗濯する対象に衣類という名称を用いているが、この衣類は、実施例の説明において、洗濯物一般をさしていると理解すべきものである。洗濯機利用支援システム101には、ユーザの衣類重量データを取得する衣類重量データ取得部108、洗濯機の運転を制御する洗濯機制御システム109及び洗濯機利用支援システム101からの出力内容を出力する出力部110が、情報をやり取りするインターネット等の通信回線107を介し接続されている。
【0010】
衣類重量データ取得部108は、例えば、洗濯機や洗濯籠に取り付けられている重量センサである。衣類重量データは、本洗濯機利用支援システム101を利用して洗濯しようとするユーザ(以降、本洗濯機利用支援システム101を利用して洗濯しようとするユーザを単にユーザと呼ぶ。)が、洗濯しようとする衣類の総重量であってよい。衣類重量データ取得部108は、洗濯機や洗濯籠に取り付けられているものでなくともよく、通信機能を有する秤であってもよい。さらに衣類重量データ取得部108は、通信機能を持たない秤であってもよく、この場合、その秤で測定した衣類の重量を洗濯機利用支援システム101にキーボードなどのインターフェースを介して入力するものでもよい。
【0011】
出力部110は、例えば、洗濯機のタッチパネル、タブレット型端末、スマートフォン、スマートウォッチ、ARグラス(Augmented Reality glasses)である。情報受信部102は、衣類重量データ及びユーザの洗濯機利用状況を受信する。具体的には、情報受信部102は、例えば、衣類重量データ取得部108で取得したデータやユーザの入力情報を受信する。ここでユーザは、洗濯機に利用を通じた洗濯機利用支援システム101のユーザである。ユーザの洗濯機利用状況は、ユーザが洗濯機を使用する際の洗濯機の利用コース、ユーザの水道や電気に関する契約情報、及びユーザが主に在宅で生活している、又は主に出社して生活しているなどのユーザの生活パターンに関する情報など洗濯機の利用に関係する様々なデータ及び情報であってよい。記憶部103は、情報受信部102で受信したデータを格納する。容量評価部104は、情報受信部102で受信した衣類重量データが適切な容量であるか否かを評価する。具体的には、容量評価部104は、前述の受信した衣類重量データ取得部108が取得した衣類容量データ及び洗濯機利用状況に基づいて、衣類の量が追加可能か又は減らすべきかを評価する。出力内容生成部105は、例えば、容量評価部104で適切な容量ではないと判断したときのユーザへの提案内容や一定期間の洗濯機の利用の推移に関するレポートの内容を生成する。情報送信部106は、出力内容生成部105で生成した情報を、例えば、ユーザの携帯端末上で表示するために出力部110へ送信する。洗濯機利用支援システム101、衣類重量データ取得部108、洗濯機制御システム109、及び出力部110それぞれの間の情報のやりとりなどの通信は、例えばインターネットを介してすることができる。
【0012】
図1に示す洗濯機利用システム全体の構成はあくまで一例であり、例えば、一台の洗濯機に、洗濯機利用支援システム101、衣類重量データ取得部108、洗濯機制御システム109、及び出力部110が組み込まれている場合、それぞれの間の通信は、インターネットを介することなく実現できる。
【0013】
図2は、
図1の洗濯機利用支援システム101を、CPU201を含むコンピュータを用いて構成したハードウェア構成例である。CPU201、メモリ202、HDD203、ネットワークIF204、及びIO205のそれぞれの間はバス206を介し接続されている。メモリ202は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリから構成できる。
【0014】
図1における情報受信部102は、通信回線107等に接続されるネットワークIF204、各種外部デバイスが接続されるIO205で構成できる。IO205にはマウス、キーボード、表示装置、及び光ディスクドライブ等の外部メディアを接続してもよい。
【0015】
図1における記憶部103は、メモリ202、HDD203で構成できる。
図1における容量評価部104及び出力内容生成部105は、メモリ202又はHDD203に格納され、CPU201で実行するプログラムで構成できる。
【0016】
図1における情報送信部106は、ネットワークIF204を介しインターネット等に接続されたユーザ端末やIO205に接続された表示装置、外部メディアに情報を出力することができる。
【0017】
本実施例に係る洗濯機利用支援システム101は、物理的に一つの計算機上で、または、論理的または物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。例えば、本発明に係る情報推薦システムの機能を実現する複数のプログラムは、各々が別個の物理的または論理的計算機上で動作するものでも、複数が組み合わされて一つの物理的または論理的計算機上で動作するものでもよい。
【0018】
図2に示す構成では、メモリ202に格納された各種プログラムをCPU201が実行して、各処理を実現している。しかし、洗濯機利用支援システム101の各処理部は、各処理を行う集積回路化した回路などのハードウェアで実現することもできる。
【0019】
CPU201が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)またはネットワークを介して本発明に係る洗濯機利用支援システム101に提供され、非一時的記憶媒体であるHDD203に格納されるものでよい。このため、本発明に係る洗濯機利用支援システム101は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。
【0020】
図3を用いて、記憶部103が備えるデータベースの例を説明する。記憶部103は、衣類重量目安テーブル301、機器別情報302である機器別資源目安テーブル302-1及び機器別容量上限テーブル302-2、並びにユーザ別情報303であるユーザ別登録情報テーブル303-1、ユーザ別利用履歴テーブル303-2、ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3及びユーザ別曜日利用特性テーブル303-4を備える。機器別情報302は、洗濯機である機器毎の情報であり、機器の種類や型式と同じ数だけ存在する。また、ユーザ別情報303は、ユーザ毎の情報であり、ユーザと同じ数だけ存在する。なお、機器別情報302やユーザ別情報303は機器毎やユーザ毎にテーブル分けずにそれぞれ1つのテーブルで管理してもよい。
【0021】
図4を用いて、衣類重量目安テーブル301の一例を説明する。衣類重量目安テーブル301は、衣類重量の目安となる情報をまとめたリストであり、衣類名401、衣類種別402及び重量の目安403を備える。重量の目安403は、例えば日本電機工業会の自主基準を利用することができる。なお、衣類名401や衣類種別402などの名称に関する情報は、衣類名としての名称ではなくIDのような記号で管理してもよい。これは、以降に出てくる名称に関しても同様である。また、衣類重量目安テーブル301に記載している衣類名401や衣類種別402の粒度はこれに限定せず、例えば年代や身長、服のサイズなどの情報を加えてさらに詳細化してもよい。
【0022】
図5を用いて、機器別資源目安テーブル302-1の一例を説明する。機器別資源目安テーブル302-1は、洗濯物の目安量と各コースに対してどのくらいの資源を利用するかの目安を機器毎にリスト化したものである。機器別資源目安テーブル302-1は、洗濯物の目安量501、コース名502、使用水量503、消費電力量504、及び洗剤量505を備えることができる。洗濯物の目安量501は、「~1」や「1~2」のような範囲で記載しているが、範囲の解像度はこれに限定しない。洗剤量505は、合成洗剤A506や柔軟剤A507など各種洗剤における目安量の情報が格納されている。
【0023】
図6を用いて、機器別容量上限テーブル302-2の一例を説明する。機器別容量上限テーブル302-2は、洗濯機等の機器について容量の上限、すなわち定格容量を管理する機器別のリストであり、コース名601、標準容量602、及び汚れ度合い別容量603などを有する。
【0024】
コース名601は、洗濯の仕方に関する名称である。標準容量602は、ユーザが利用する洗濯機の標準容量である。標準容量は定格容量とも呼ばれるものでその洗濯機が洗濯できる衣類の量である。洗濯機が洗濯できる衣類の量については、標準容量、定格容量又は定格衣類容量と呼ぶことがある。この標準容量は、洗濯機で洗濯をする際に用いる洗濯機のコースごとに異なる場合がある。標準容量は、その洗濯機のカタログ値や、洗濯機のメーカが公開している情報を基に設定できる。
【0025】
汚れ度合い別容量603は、洗濯する衣類の汚れレベル604に応じたその洗濯機で洗濯する推奨の衣類の量であって、標準容量602以下の容量で設定される。汚れ度合い別容量603は、例えば、洗濯機の機器毎に、汚れレベル毎の目安を設定してもよいし、洗濯前の衣類の汚れ度合いと洗濯後のその汚れの落ち具合をユーザに評価をしてもらい、各汚れのレベルにおける適当な洗濯容量の目安を定めることでもよい。ここで、ユーザに汚れ度合いの評価をしてもらう場合は、汚れ度合い別の実際の写真やイラストとともに、汚れ度合いの評価に関する説明文を提示することができる。このようにすることで、ユーザ間での汚れ度合いの認識のズレを小さくすることができ、また、洗濯機利用支援システム内での汚れ度合いに関する定義のズレを小さくすることができる。また、ユーザの評価情報は、機器別容量上限テーブル302-2をさらにユーザ毎に設けて管理してもよい。他にも、省エネに適する容量があれば機器別容量上限テーブル302-2に追加してもよい。
【0026】
図7を用いて、ユーザ別登録情報テーブル303-1の一例を説明する。ユーザ別登録情報テーブル303-1は、ユーザ毎の登録情報のリストであり、登録項目701と登録情報702を備えることができる。登録項目701とは、例えば、ユーザが所有している洗濯機の型番や、電気や水道の契約情報である。登録情報702とは、登録項目701に対する登録された内容である。ここでは、登録情報702が1つの情報のみを有する例を上げた。しかし、登録情報702については、例えば、洗濯機の登録情報が複数ある場合は1つの登録項目701に対して複数分の登録情報702が登録できるようにしていてもよい。また、登録項目701について、登録情報702を洗濯機の型番A、洗濯機の型番Bのように、同じ登録項目701について型番を区別して管理できるようにしてもよい。また、電気の契約情報であれば、夜間と昼間で料金が異なる契約にも対応できるように午前0時の時間帯は〇〇円/kWhというように時間帯毎の料金情報で管理してもよい。これらの情報は、ユーザが登録した内容であってもよい。あるいは、これらの情報については、例えば、電力や水道の契約情報であれば登録がない場合は登録なしとした状態で、全国家庭電気製品公正取引協議会や日本電機工業会などが公開している電気料金の単価の情報を基に設定した数値を用いるものでもよい。
【0027】
図8を用いてユーザ別利用履歴テーブル303-2の一例を説明する。ユーザ別利用履歴テーブル303-2は、洗濯機の利用履歴情報に関するユーザ別のリストである。ユーザ別利用履歴テーブル303-2は、例えば、利用日時801、曜日802、利用コース803、衣類容量804、及び汚れ度合い805を有する。利用日時801は、運転を開始した時刻もしくは終了した時刻のように洗濯機を利用した区切りとなる代表的な日時が格納されてもよいし、時系列データとして毎分単位で運転状況を管理してもよい。衣類容量804は、実際に洗濯を開始した時点での容量情報でよい。ここでは、衣類容量804は定格容量に対する割合で記載されているが実際の重量[kg]で管理されてもよい。汚れ度合いは、衣類の汚れ具合をカメラや各種センサを用いて、衣類の画像や洗濯水の汚れ具合などから数段階で評価するものでよい。ここでは一例として、数字が大きくなるにつれ汚れ度合いが大きくなる1~5までの5段階評価としているがこれに限定されるものではない。ユーザ別利用履歴テーブル303-2に、洗濯の際の使用水量、消費電力量、及び洗剤量の情報を保持することもできる。これらの情報を保持することで、利用コース803や衣類容量804のような条件ごとの平均的な使用水量や消費電力量、使用洗剤量を算出し、それらの量を機器別資源目安テーブル302-1と同様のユーザ毎のテーブルで管理してもよい。洗濯の際の消費電力量を取得する手段として、例えば、Home Energy Management System(HEMS)やワットチェッカーを用いることができる。前述のようにユーザ毎のテーブルを別途用意することで、さまざまな効果を奏する。それらの効果は、例えば、洗濯の際の使用水量や消費電力量においては後述する洗濯の運転状況に関するレポートの出力の際の節約や省エネ効果の算出で、同機種の機器における個体差を加味することが可能になる。それらの結果は、例えば、洗濯の際の洗剤量においては適切な洗剤量の投入となっているか否かを評価することが可能になる。
【0028】
図9を用いてユーザ別衣類利用特性テーブル303-3の一例を説明する。ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3は、1日当たりに利用する衣類を示す衣類利用特性に関するユーザ毎のリストである。ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3は、衣類名901及び1日当たりの利用量902を有することができる。1日当たりの利用量902はさらに、基本となるデフォルト903、在宅904及び出社905といった洗濯機の利用者の特定の生活パターン毎に分けることができる。在宅904は、利用者の生活パターンが主に在宅である場合に対応するものでよい。出社905は、利用者の生活パターンが主に会社などへの出社する場合に対応するものでよい。デフォルト903は、生活パターンが特定の傾向がない一般的な場合に対応するものでよい。ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3は、デフォルト903、在宅904及び出社905などの生活パターンに対応して衣類名901に示す衣類が一日当たり洗濯物として発生する程度を目安として示したものである。
【0029】
衣類の利用特性は、生活パターンのみでなく季節や気温、天候、性別、年代などにも依存する。そのため、ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3において1日当たりの利用量902の欄をさらに細かく季節や気温、天候、性別、年代毎に分けてもよく、さらに複数の条件で分けてもよい。
【0030】
また、1日当たりの利用量902の欄について、ユーザの生活パターンや季節性などを考慮した性別や年代ごとの衣類の利用量の代表値を用意して、ユーザ別登録情報テーブル303-1で年齢や性別情報を保持することで1人当たりの衣類利用内訳を設定できるものでもよい。例えば、ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3とは別に、ユーザ属性別衣類特性のテーブルを用意し、条件が生活パターン:出社・季節:夏・性別:男性・年代:20代であれば半袖ワイシャツ・靴下・ズボン・肌着等という代表値が格納されているのに対して、条件が生活パターン:出社・季節:冬・性別:男性・年代:20代であれば長袖ワイシャツ・靴下・ズボン・ジャケット・肌着等という代表値が格納されているというように、生活パターンや季節などに応じた性別や年代ごとの衣類特性の代表値を格納する。年齢や性別情報をユーザ別登録情報テーブル303-1に保存しておくことで、ユーザの衣類特性を条件ごとに設定する際に設定条件として参照することができる。なお、代表値は複数通り用意し、ユーザに各条件において最も近しい衣類の内訳を設定してもらうようにしてもよく、条件の粒度や個数、組み合わせ方においてもこれに限定しない。
【0031】
また、1日当たりの利用量902について、数パターンの代表的な衣類の組み合わせを出力部110における画面上で提示し、ユーザの条件に最も近い衣類の組み合わせをユーザに設定してもらうものでもよい。また、洗濯機に設置されたカメラで投入されている衣類を撮影した画像を出力部110における画面上で提示し、その画像からユーザがユーザの条件に最も近い衣類の組み合わせを判断し設定するようにしてもよい。
【0032】
また、1日当たりの利用量902について、衣類の利用特性の取得方法は前述のものに限定されない。衣類の利用特性については、複数人で生活しているユーザに関しては、1日当たりの利用量902をさらに同居人数分設定できるようにしてもよいし、同居人全員の合算値で設定してもよい。その場合、在宅904や出社905といった特定の生活パターンをさらに「同居人Aは在宅」、加えて「同居人Bは外出」のように詳細なものにしてもよい。
【0033】
また、
図9に示すユーザ別衣類利用特性テーブル303-3の例については、デフォルト903、在宅904や出社905といった生活パターン別で分けているが、曜日別に分けてもよい。
【0034】
前述のようにユーザ別衣類利用特性テーブル303-3を工夫することで次のような効果がある。すなわち、後述する
図11のステップS1103及びステップS1104において、洗濯機の定格容量と洗濯機に投入された衣類の量とを比較し、その比較結果に応じて洗濯対象の衣類の増減を提案する際に、ユーザの生活パターンに対応した提案を作成することができる。
【0035】
具体的には、例えば
図9に示すユーザ別衣類利用特性テーブル303-3の場合であれば、ステップS1104において、洗濯機に投入された衣類を追加する提案をする場合に、ユーザが出社905の生活パターンに該当する場合であれば、追加する衣類としてタオルを優先的に上げ、次いで靴下及びワイシャツを優先的に上げることができる。前述したユーザ別衣類利用特性テーブル303-3において、利用量902が細分化されて「同居人Aは在宅」及び「同居人はB外出」とされていた場合は、洗濯機に投入された衣類を追加する提案は次のようなものとすることができる。すなわち、同居人Aについては
図9における在宅904に示す衣類の量と同じであって、同居人Bについては、
図9におけるデフォルト903に示す衣類の量と同じとすることができる。すなわちこの場合のユーザ別衣類利用特性テーブル303-3の衣類名に対応する衣類の量は、両同居人に対応する衣類の量の和となるので、靴下が1、タオルが9、ワイシャツが0.2となる。このことから、この場合の洗濯機に投入された衣類を追加する提案は、タオルを優先的に上げ、次いで靴下となり、これに次いでワイシャツとなる。このようにユーザの生活パターンに対応した提案を作成することができる。なお、ここでワイシャツの量が小数点以下の数値で表されているのは、この量が統計的な量であるからである。
【0036】
図10を用いてユーザが利用する洗濯機の曜日利用特性である、ユーザ別曜日利用特性テーブル303-4の一例を説明する。ユーザ別曜日利用特性テーブル303-4は、曜日1001、主要利用コース1002、平均衣類容量1003、及び汚れ度合い1004を有している。
【0037】
主要利用コース1002、平均衣類容量1003及び汚れ度合い1004は、曜日1001にある日曜日から土曜日までの曜日ごとの特徴情報を保持する。この曜日ごとの特徴情報は、ユーザ別利用履歴テーブル303-2を基に作成できる。この作成は、具体的には、ユーザ別利用履歴テーブル303-2の内容から曜日ごとに、利用コース803、衣類容量804及び汚れ度合い805などに関する特徴を抽出して行うことができる。
【0038】
例えば、主要利用コース1002は、ユーザ別利用履歴テーブル303-2の利用コース803を曜日ごとに、例えば利用回数が最も多いコースや利用頻度が一定以上のコースを選択するものでよい。ここで、該当する利用コース803が複数ある場合は、主要利用コース1002に複数の利用コースを保持してもよい。
【0039】
平均衣類容量1003は、ユーザ別利用履歴テーブル303-2の衣類容量804を曜日ごとに、例えば平均値を求めることで算出できる。汚れ度合い1004は、ユーザ別利用履歴テーブル303-2の汚れ度合い805を曜日ごとに、例えば平均値を求めることで算出できる。ここで平均値などを計算する際に発生する小数点に関しては、切り捨てや切り上げ、四捨五入などをして整数にしてもよい。
【0040】
前述のようにユーザ別曜日利用特性テーブル303-4を用いることで、ユーザに洗濯機を利用する際の衣類の追加や削減などの情報を提供する際に、ユーザの曜日ごとの利用特性に適した情報を提供できるなどの利点がある。
【0041】
前述した、衣類重量目安テーブル301、機器別資源目安テーブル302-1、機器別容量上限テーブル302-2、ユーザ別登録情報テーブル303-1、ユーザ別利用履歴テーブル303-2、ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3、及びユーザ別曜日利用特性テーブル303-4の各テーブルに収めされたデータ類は、洗濯機利用状況を示すものであってよい。
【0042】
図11を用いて全体処理の一例を説明する。ステップS1101では、衣類重量データ取得部108から衣類重量データを、情報受信部102を介して受信し、取得する。衣類重量データは、例えば洗濯機の電源を入れたタイミングや、洗濯機のスタートボタンを押下するなど運転を受け付けたタイミングで取得するものでよい。ステップS1101では、前述の衣類重量データ取得部108から受信した衣類重量データを記憶部103に記憶するものでよい。ステップS1101は、情報受信部102で処理されてよい。次いで、ステップS1102では、記憶部103に記憶されている各種テーブル類の情報など洗濯機利用支援システム101の動作に必要な情報を取得する。ステップS1102の処理は、容量評価部104で行うものでもよいし、出力内容生成部105で行うものでもよい。
【0043】
ステップS1103では、ステップS1101で取得した衣類重量データと、機器別容量上限テーブル302-2の容量、すなわち標準容量602又は汚れ度合い別容量603とを比較し、両容量間の差を算出する。この機器別容量上限テーブル302-2の容量は、ステップS1102で取得したユーザ別登録情報テーブル303-1の登録項目701における容量上限の標準設定に該当するものである。その比較をした結果、両容量間の差が範囲外の時はステップS1104へ移行し、両容量間の差が範囲内に収まる時は処理を終了する。ここで、範囲内外における「範囲」は、例えば機器別容量上限テーブル302-2で選択された上限を基に、上限容量の8割から上限容量までの範囲と定めることができる。したがって、この「範囲」は、所定の範囲と呼ぶものであってよい。ステップS1103は、容量評価部104で処理されてよい。
【0044】
ステップS1103における処理を、例を用いて説明する。例えば、
図7に示すユーザ別登録情報テーブル303-1の登録項目701で容量上限の標準設定は、「標準容量」である。この「標準容量」に該当する機器別容量上限テーブル302-2の容量は、標準容量602に示されている。これは例えば、今ユーザが選択しているコース名601が「洗濯 標準」であった場合は、「標準容量」に該当する標準容量602は「5kg」となる。この「5kg」は上限容量とすることができる。上限容量の8割は、「5kg×0.8=4kg」となる。そこで、前述の「範囲」について上限容量の8割から上限容量までと定めた場合は、前述の「範囲」は、「5kgから4kgの1kg」となるものである。前述した「その差が範囲内」であるか、「その差が範囲外」であるかの判定については、例えば次のような三つの場合に分けられるものである。
【0045】
場合1:ステップS1101で取得した衣類重量データの値が前述の上限容量以下であって、前述の上限容量からステップS1101で取得した衣類重量データの値を引いた差が前述の範囲(前述の例では「5kgから4kgの1kg」)内である場合
【0046】
場合2:ステップS1101で取得した衣類重量データの値が前述の上限容量以上であって、前述の上限容量からステップS1101で取得した衣類重量データの値を引いた差が、負の値であって、前述の範囲(前述の例では「5kgから4kgの1kg」)外である場合
【0047】
場合3:ステップS1101で取得した衣類重量データの値が前述の上限容量以下であって、前述の上限容量からステップS1101で取得した衣類重量データの値を引いた差が前述の範囲(前述の例では「5kgから4kgの1kg」)を超えている、すなわち前述の範囲外である場合
【0048】
ここで、場合1は、前述の「その差が範囲内」と判定されてよい。場合2及び場合3は前述の、「その差が範囲外」と判定されてよい。
【0049】
また、機器別容量上限テーブル302-2の上限の指定は、例えば「定格容量に合わせた容量にしますか?」又は「日々の汚れ具合の特徴から設定した容量にしますか?」などのメッセージをユーザに通知をして一定時間内にユーザからの応答があれば、その応答に対応する設定をし、なければユーザ別登録情報テーブル303-1の登録項目701容量上限の標準設定を選択するとしてもよい。ここで「日々の汚れ具合の特徴から設定した容量にしますか?」との問合せに対して「はい」と回答があった場合は、ユーザ別利用履歴テーブル303-2やユーザ別曜日利用特性テーブル303-4を基に、機器別容量上限テーブル302-2における汚れ度合い別容量603にあるレベル1などの度合いに応じた機器別容量上限の値を用いるものでよい。
【0050】
さらに、ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3の在宅904や出社905のような特定の生活パターンと組み合わせて、例えば、学生がいる家庭で、体育が連日あるため体操着の洗濯が必要と判定した場合は容量が範囲より下回っていても急ぎの洗濯であると判断し処理を終了する、といった例外処理を入れてもよい。この例外処理は、ステップS1103にて行われるものでよい。また、逆に、洗濯すべきと考えられるものが投入されているか、確認するような処理を加えてもよい。この確認処理は、ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3の在宅904や出社905のような特定の生活パターンと組み合わせて、ユーザの生活パターンが出社905である場合に、例えば「靴下とワイシャツの洗濯は忘れていませんか?」という確認を行う処理とすることができる。
【0051】
ステップS1104は、ステップS1103において、前述の範囲の外となった場合、すなわち前述の場合2及び場合3における処理である。まずステップS1103の処理において場合3に該当して、ステップS1103でYesへ進んだ場合のステップS1104の処理を説明する。この場合は、前述の上限容量の値と現在洗濯機に投入されている衣類に追加して衣類を投入した結果の衣類重量データの値との差が、前述の範囲内になるような衣類の組み合わせを作成する。この作成する衣類の組み合わせは、必ずしも2点以上の衣類なるものでなくともよく、1点の衣類でもよく、該当する衣類が無い場合があってもよい。ステップS1103で、例えば前述の範囲内にする場合、洗濯機に投入する衣類を1.5kg~3kgほど追加できると判定されれば、衣類重量目安テーブル301から想定追加重量の範囲内になる組み合わせを探索するものでよい。想定追加重量は、現在洗濯機に投入されている衣類に加えさらに追加できると想定される衣類の重量である。前述の、洗濯機に投入することができる衣類の量は、前述の上限容量からステップS1101で取得した衣類重量データの値を減算することで求めることができる。また、この想定追加重量の範囲内になる衣類の組み合わせの求め方は、次のように行うことができる。すなわち、前述のように求めた洗濯機に投入することができる衣類の量の範囲内で、衣類重量目安テーブル301を用いて重量の目安403の組み合わせを導き、その組み合わせに対応する衣類名401を抽出するものでよい。ここで抽出されたその組み合わせに対応する衣類名401と共にその衣類名401に対応する数又は量を抽出するものでよい。この想定追加重量の範囲内になる組み合わせの探索の際は、ユーザ別衣類利用特性テーブル303-3を基に実施日と類似する生活パターンの設定があればその情報を、なければデフォルト情報を基に利用量が多い順から重み付けをして優先度を高くすることで、想定追加容量内の衣類を抽出してもよい。また、複数通り出てきた組み合わせの最も上限値に近い組み合わせから上位3位までを選択する、などの処理を加えることで、選択肢を絞ってもよい。ステップS1104は、出力内容生成部105で処理されてよい。
【0052】
ステップS1104の処理において、洗濯機に投入された衣類を追加する提案をする場合に、ユーザ別曜日利用特性テーブル303-4にある情報を利用することができる。すなわち、ユーザ別曜日利用特性テーブル303-4を参照して、曜日に応じた提案を行うことができる。これは、具体的には、削減する衣類の組み合わせ案を作成する際に、例えば洗濯機を使用している曜日が、日曜日であった場合は、ユーザ別曜日利用特性テーブル303-4を参照して日曜日は汚れ度合いが「5」であって汚れの度合いが大きい可能性がある。そのため、洗濯機に衣類を追加する提案をするに当っては、汚れが落ちやすいように、前述した衣類重量データと、機器別容量上限テーブル302-2の容量との差に関する所定の「範囲」をこの汚れ度合いの大きさに応じて小さくするものでよい。このように範囲を小さくすることで、追加する衣類の量を少なくし、汚れを落ちやすくすることができる。
【0053】
次に、まずステップS1103の処理において場合2に該当して、ステップS1103でYesへ進んだ場合のステップS1104の処理を説明する。これは、洗濯機に投入した衣類を削減の提案を作成する場合に該当する。この場合は、前述の上限容量と現在洗濯機に投入されている衣類を取り出して削減した結果の衣類重量データの値との差が、前述の範囲内になるような、削減する衣類の組み合わせを作成する。この作成する衣類の組み合わせは、必ずしも2点以上の衣類なるものでなくともよく、1点の衣類でもよい。この場合において、ステップS1104では処理を次のように行うことができる。すなわち、現在洗濯機に投入されている衣類の衣類重量データの値が前述の上限容量以下となるような取り出す衣類の組み合わせを、衣類重量目安テーブル301の重量の目安403を用いて導き出し、その組み合わせに対応する衣類名401を取り出す候補の衣類として抽出するものでよい。ここで抽出されたその組み合わせに対応する衣類名401と共にその衣類名401に対応する数又は量を抽出するものでよい。
【0054】
前述したように、ステップS1104においては、ユーザが利用する衣類を示す衣類利用特性、生活パターン及びユーザが利用する洗濯機の曜日利用特性の少なくとも一つを考慮して、洗濯の上限容量との差が所定の範囲内になる衣類の組み合わせを作成するものでよい。
【0055】
ステップS1105では、ステップS1104で作成した衣類の組み合わせをユーザへ通知する。この通知された内容は出力部110から、例えば出力部110が有する表示画面によりユーザに通知されるものでよい。この通知する際の画面の例を後述する。例えば、本処理が洗濯機の運転を受け付けたタイミングでなされる場合、通知結果を踏まえて、衣類容量を変更するかどうかのユーザの意思確認機能を加えて、変更意思があれば洗濯機の運転を一旦終了、一定期間内で応答がない、又は変更意思がないとの応答がある場合は洗濯機の運転を開始する、というように洗濯機制御システム109と連携した動作をしてもよい。ステップS1105は、情報送信部106で処理されてよい。
【0056】
図12を用いて、衣類容量を増やす提案内容のUI1201の一例を説明する。ここで、UIはユーザーインターフェースを意味する。容量パラメータ1202と容量パラメータに関するコメント1203は、ステップS1101で取得した衣類重量データと機器別容量上限テーブル302-2で取得した容量を基に作成できる。
図12における容量パラメータ1202は、棒グラフ状の表示であって、容量パラメータ1202全体の高さがその使用条件における洗濯機の定格容量を表し、現在洗濯機に投入されている衣類の量を棒グラフ状の表示の灰色表示で割合として表示している例である。このように容量パラメータ1202を視覚的に表現することで、容量パラメータ1202の内容を把握しやすくできる。
【0057】
コメント1203は、例えば機器別容量上限テーブル302-2で取得した容量の8割未満であれば衣類容量を増やす、つまりまとめ洗いを提案する文言とすることができる。利用容量評価1204は、前述の洗い方に関する提案の文言に加え、ユーザが利用する洗濯機の定格衣類容量に対する今洗濯しようとしている衣類の量の割合、すなわち利用容量評価を、その定格衣類容量に対する利用の程度をイラストで表した例である。このイラストは、
図12では人の顔を模したものである。この顔の表情を数段階に分けて評価することで、洗濯機を適切な容量で利用できているかを視覚的に分かりやすくできる。ここでは利用容量評価を3段階のイラストとして表現しているが、表現方法はこれに限定されるものではない。利用容量の評価方法は、例えば機器別容量上限テーブル302-2で取得した容量に対して、ステップS1101で取得した衣類重量データが5割未満もしくは2割以上超過していれば表示1204-1のように否定的な顔で表現し、5割以上8割未満もしくは2割までの超過であれば表示1204-2のように特別な感情を持たない普通の顔で表現し、8割以上容量上限以下であれば表示1204-3のような笑顔で表現することができる。
図12に示す利用容量評価1204は、表示1204-1がされた例を示している。
図12に示す利用容量評価1204は、表示1204-2及び表示1204-3を説明のためにグレーで表示しているが、実際にはこのグレーの表示はされないものでよい。また、利用容量評価1204は、まとめ洗いがどの程度節約につながるかといった、ユーザにとっての価値を提示してもよい。まとめ洗いが節約につながる程度は、例えば、経済産業省のまとめ洗いに関する公開情報やまとめ洗いに関する実測値を基に作成できる。まとめ洗いのための衣類追加例1205は、ステップS1104で作成した追加する衣類の組み合わせの内容である表示1205-1や、ユーザ自身が候補の中から衣類を選択するカスタム選択1205-2を備える。カスタム選択1205-2では、ユーザが候補選択の中から衣類を選択し追加してゆくものでよい。
図12に示す例では、「選択候補」の「▽」印をクリックすると、追加する衣類の候補が表示され、その表示についてクリックで選択し、「追加」をクリックすることで、選択した衣類が「追加済み」欄に表示されるものである。この候補選択で表示される衣類の候補については、洗濯機利用支援システム101は、追加した合計値が機器別容量上限テーブル302-2で取得した容量を超えないもののみを表示するものでよい。ここで、洗濯機利用支援システム101は、候補選択で表示される衣類の候補の視認性を上げるために衣類重量目安テーブル301の衣類種別402を用いて衣類種別毎に分けて候補を表示してもよい。
【0058】
洗濯機に投入した衣類容量を減らす提案内容の例を、
図13に示すUI1301を用いて説明する。なお、
図12と重複する部分の説明は省略する。例えば、乾燥を含まない洗濯に関連するコースの運転を受け付けた場合、洗濯機の定格容量に合わせて衣類を投入して洗濯を実行し、終了した時点で一部の衣類を洗濯槽から抜いて、引き続いて乾燥運転を実行することが考えられる。これは、例えば、洗濯乾燥機について、洗濯機としての定格容量よりも乾燥機としての定格容量が小さい場合が該当する。そのような場合、衣類重量データと機器別容量上限テーブル302-2からどのくらい削減する必要があるかを算出し、ステップS1104の処理を通して機器別容量との差が範囲内になるような衣類の組み合わせを少なくとも1つ以上作成する。ここで作成する組み合わせと表現したものは、複数の衣類からなる組み合わせに限らず一つの衣類からなる場合も含む概念である。またここで、ユーザ別曜日利用特性テーブル303-4と組み合わせて、曜日1001の主要利用コース1002に洗濯と乾燥の両方が含まれる場合にのみ、
図13のような通知を実施する、といった処理を加えてもよい。
【0059】
図14を用いて、洗濯の運転状況に関するレポートを提示する一例を示す。主にユーザ別利用履歴テーブル303-2を基に、日に対応する期間1402から、年に対応する期間1405の各固定期間での結果と、ユーザ側が指定する任意期間1406での結果を表示する。
図14に示す例では、平均洗濯容量に関する過去から現在までの推移1407として平均洗濯容量の変化を示すことでこの変化を可視化している。また、比較表1408で比較期間における平均洗濯容量の変化、節約効果及び省エネ効果を確認できる。また、ユーザ別利用履歴テーブル303-2に洗濯の際に投入した洗剤の量のデータを保持することで、洗濯対象の衣類の量における適切な洗剤量と、それに対する実際の投入量を可視化してもよい。この洗濯対象の衣類の量における適切な洗剤量と、それに対する実際の投入量に関するデータは、節約効果に関するものであって、広い意味で、洗濯機のエネルギー消費に関するデータと呼ぶことができる。
【0060】
前述の節約効果は、機器別資源目安テーブル302-1とユーザ別登録情報テーブル303-1、ユーザ別利用履歴テーブル303-2から推定することができる。ここで、節約効果は比較の対象とする期間あたりの効果でもよいし、衣類容量あたりの効果でもよい。この推定方法の一例は次の通りである。すなわち、推定の対象となる期間において、最も利用している洗濯コースについて、機器別容量上限テーブル302-2の標準容量602と実際に洗濯が行われた衣類容量804の平均値を基に各期間毎の平均した際の衣類容量を数値[kg]として取得する。それぞれの期間の数値に対応する、機器別資源目安テーブル302-1の洗濯物の目安量501を検出し、その洗濯物の目安量501に対応する各資源情報を取得する。さらに、対象の比較期間の内、現在から近い期間(第一期間)の洗濯回数と洗濯した平均衣類容量[kg]を基に洗濯総量を算出し、対象の比較期間の内、現在から遠い期間(第二期間)の平均衣類容量で同洗濯総量を洗濯した場合の回数を算出する。そこで、各期間において取得した各資源情報と前述した回数から全体の利用資源を計算し、その差から節約効果を求めることができる。したがって、第一期間において、第二期間の平均洗濯容量で洗濯していた場合との比較ができ、節約効果を算出することができる。
【0061】
具体的には、使用水量503であれば、ユーザ別登録情報テーブル303-1における契約情報(水道_料金)として262円/m3と機器別資源目安テーブル302-1における使用水量503の各期間の数値と現在に近い方の比較期間の洗濯総量から節約分に該当する金額を計算できる。電気や洗剤等も同様に計算できる。ここに述べた節約効果の例は、洗濯対象の衣類の容量について節約効果を算出したものである。この節約効果は、洗濯対象の衣類の容量[kg]あたりの金額を算出し、その額を節約効果として表示することもできる。なお、前述した節約効果を算出する例では、ユーザ別利用履歴テーブル303-2で取得できる資源情報に対応して、機器別資源目安テーブル302-1にあるデータを用いて算出した。しかしその算出においては、機器別資源目安テーブル302-1にあるデータを用いるのではなく、実データを利用してもよい。機器別資源目安テーブル302-1にあるデータ及びそれらのデータに対応する実データは、各種資源の目安となるデータであって、資源目安情報と呼ぶことができる。また、ここに述べた各種の節約に関するデータは、広い意味で、洗濯機のエネルギー消費に関するデータと呼ぶことができる。
【0062】
洗濯機利用支援システム101による省エネ効果も前述した資源類の節約効果と同様に算出できる。すなわち、比較の対象とする期間における平均的な洗濯対象の衣類の容量を数値[kg]にし、その数値に対応する、機器別資源目安テーブル302-1の洗濯物の目安量501を検出し、その洗濯物の目安量501に対応する各資源情報を取得するものでよい。比較の対象とする期間における各平均洗濯容量で同量の衣類容量を洗濯した際の水道や電気に関する使用量の差分値を省エネ効果とすることができる。ここで差分値は、例えば、洗濯対象の衣類の容量について、現在に近い方の期間で洗濯した衣類総量を現在から遠い方の期間の平均洗濯容量で洗濯した場合との差分とすることができる。他にも、定格容量に近い容量での洗濯の方が省エネ効果が高いとして、実際に洗濯した衣類の容量と洗濯機の定格容量との差分としてもよい。また、該当期間のユーザ別利用履歴テーブル303-2を基にコースごとにそれぞれ節約効果や省エネ効果を推定して、合算値や平均値で表示してもよい。洗濯の運転状況に関するレポート1401では、コース別に表示してもよいし、関連するコースでまとめた表示としてもよい。ここに述べた省エネ効果及び各種の節約に関するデータは、広い意味で、洗濯機のエネルギー消費に関するデータと呼ぶことができる。
【0063】
前述した
図12、
図13及び
図14に示したデータ及び情報は、ステップS1104で作成されて、ステップS1105の処理でユーザに通知されるものでよい。この通知された内容は出力部110から、例えば出力部110が有する表示画面によりユーザに通知されるものでよい。
【0064】
前述したように、実際の効果が可視化されることで、適切な容量を意識することを支援することが期待できる。
【0065】
前述したように、本発明により、衣類容量を気にせずに、もしくは、適切な容量が分からずに洗濯機を利用している利用者に対して、あとどのくらい増やせるか、もしくは減らした方が良いかを可視化することで適切な洗濯容量での洗濯機の利用を支援することができる。
【0066】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例および同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を有するものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。
【0067】
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0068】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。