IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧 ▶ ソフトバンクモバイル株式会社の特許一覧

特開2025-20607リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム
<>
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図1
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図2
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図3
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図4
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図5
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図6A
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図6B
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図7
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図8
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図9
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図10
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図11
  • 特開-リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020607
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20250205BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20250205BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
G08G1/00 J
G08G1/13
G01C21/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124093
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 守哉
(72)【発明者】
【氏名】呉橋 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】坂川 祐太
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 弘一
(72)【発明者】
【氏名】榎本 光洋
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC35
2F129DD53
2F129EE95
2F129FF72
2F129GG17
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181MC12
5H181MC15
5H181MC27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】処理負荷を軽減し車両における安全性を向上する。
【解決手段】車両によって検出された、前記車両の走行上のリスクとなり得るリスクエリアの位置情報を受信する受信部と、前記リスクエリアの位置情報を、地図情報において前記リスクエリアの位置に対応するリンク情報に対応づけて記憶する記憶部と、他の車両が走行するリンクに対応づけて前記記憶部が記憶している前記リスクエリアの位置情報を、前記他の車両に送信する送信部とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両によって検出された、前記車両の走行においてリスクとなり得るリスクエリアの位置情報を受信する受信部と、
前記リスクエリアの位置情報を、地図情報において前記リスクエリアの位置に対応するリンク情報に対応づけて記憶する記憶部と、
他の車両が走行するリンクに対応するリンク情報に対応づけて前記記憶部が記憶している前記リスクエリアの位置情報を、前記他の車両に送信する送信部と
を備えるリスクエリア情報記憶装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記車両が前記リスクエリアを検出したときに前記車両が走行していたリンクを示すリンク情報に対応づけて、前記リスクエリアの位置情報を記憶する
請求項1に記載のリスクエリア情報記憶装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記リスクエリアの位置を定める予め定められた点から前記車両が前記リスクエリアを検出したときに前記車両が走行していたリンクへの垂線と前記リンクとの交点の座標情報にさらに対応づけて、前記リスクエリアの位置情報を記憶する
請求項1又は2に記載のリスクエリア情報記憶装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記リスクエリアの位置を定める予め定められた点から前記車両が前記リスクエリアを検出したときに前記車両が走行していたリンクの延長線上への垂線と前記延長線との交点の座標情報にさらに対応づけて、前記リスクエリアの位置情報を記憶する
請求項1又は2に記載のリスクエリア情報記憶装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記他の車両から、リスクエリアの位置情報を要求する要求情報をさらに受信し、
前記送信部は、前記他の車両から前記要求情報を受信した場合に、前記他の車両が走行するリンクのリンク情報に対応づけて前記記憶部に記憶されている前記リスクエリアの位置情報を、前記他の車両に送信する
請求項1又は2に記載のリスクエリア情報記憶装置。
【請求項6】
前記記憶部に位置情報が記憶されているリスクエリアのうち、前記他の車両の位置から予め定められた距離内にある1つ以上のリスクエリアを選択する選択部
をさらに備え、
前記送信部は、前記選択部によって選択された前記1つ以上のリスクエリアの位置情報を、前記他の車両に送信する
請求項1又は2に記載のリスクエリア情報記憶装置。
【請求項7】
前記選択部は、前記記憶部に位置情報が記憶されているリスクエリアの数が前記送信部から一度に送信することが許容される予め定められた閾値を超える場合に、前記記憶部に位置情報が記憶されているリスクエリアのうち、前記予め定められた数を上限として、リスクエリアを選択する
請求項6に記載のリスクエリア情報記憶装置。
【請求項8】
前記受信部は、前記他の車両から、リスクエリアに移動物体が存在するか否かの問い合わせ情報をさらに受信し、
前記問い合わせ情報には、前記リスクエリアを指定する指定情報を含み、
前記リスクエリア情報記憶装置は、
前記記憶部に位置情報が記憶されているリスクエリアのうち、前記指定情報によって指定されるリスクエリアの位置情報から定まるエリア内に予め定められた対象物が存在するか否かを判断する存在判断部
をさらに備え、
前記送信部はさらに、前記存在判断部が前記指定情報から特定されるリスクエリアの位置情報から定まるエリア内に予め定められた対象物が存在すると判断した場合に、警告情報を送信する
請求項1又は2に記載のリスクエリア情報記憶装置。
【請求項9】
前記リスクエリア情報記憶装置は、モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)サーバである
請求項1又は2に記載のリスクエリア情報記憶装置。
【請求項10】
車両によって検出された、前記車両の走行上のリスクとなり得るリスクエリアの位置情報を受信する段階と、
前記リスクエリアの位置情報を、地図情報において前記リスクエリアの位置に対応するリンク情報に対応づけて記憶する段階と、
他の車両が走行するリンクに対応するリンク情報に対応づけて前記記憶する段階において記憶された前記リスクエリアの位置情報を、前記他の車両に送信する段階と
を備えるリスクエリア情報記憶方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1又は2に記載のリスクエリア情報記憶装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リスクエリア情報記憶装置、リスクエリア情報記憶方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、MECサーバでリスクエリアを管理し、MECサーバがリスクエリアの情報を各車両に提供するシステムが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
特許文献1 特開2021-140470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、安全性の向上のために実行される処理負荷を軽減することが課題である。本願は上記課題の解決のため、車両における安全性向上の向上を目的としたものである。そして、延いては交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、リスクエリア情報記憶装置が提供される。リスクエリア情報記憶装置は、車両によって検出された、前記車両の走行においてリスクとなり得るリスクエリアの位置情報を受信する受信部を備える。リスクエリア情報記憶装置は、前記リスクエリアの位置情報を、地図情報において前記リスクエリアの位置に対応するリンク情報に対応づけて記憶する記憶部を備える。リスクエリア情報記憶装置は、他の車両が走行するリンクに対応するリンク情報に対応づけて前記記憶部が記憶している前記リスクエリアの位置情報を、前記他の車両に送信する送信部を備える。
【0005】
上記エリア情報記憶装置において、前記記憶部は、前記車両が前記リスクエリアを検出したときに前記車両が走行していたリンクを示すリンク情報に対応づけて、前記リスクエリアの位置情報を記憶してよい。
【0006】
上記いずれかのエリア情報記憶装置において、前記記憶部は、前記リスクエリアの位置を定める予め定められた点から前記車両が前記リスクエリアを検出したときに前記車両が走行していたリンクへの垂線と前記リンクとの交点の座標情報にさらに対応づけて、前記リスクエリアの位置情報を記憶してよい。
【0007】
上記いずれかのエリア情報記憶装置において、前記記憶部は、前記リスクエリアの位置を定める予め定められた点から前記車両が前記リスクエリアを検出したときに前記車両が走行していたリンクの延長線上への垂線と前記延長線との交点の座標情報にさらに対応づけて、前記リスクエリアの位置情報を記憶してよい。
【0008】
上記いずれかのエリア情報記憶装置において、前記受信部は、前記他の車両から、リスクエリアの位置情報を要求する要求情報をさらに受信してよい。前記送信部は、前記他の車両から前記要求情報を受信した場合に、前記他の車両が走行するリンクのリンク情報に対応づけて前記記憶部に記憶されている前記リスクエリアの位置情報を、前記他の車両に送信してよい。
【0009】
上記いずれかのエリア情報記憶装置において、前記記憶部に位置情報が記憶されているリスクエリアのうち、前記他の車両の位置から予め定められた距離内にある1つ以上のリスクエリアを選択する選択部をさらに備えてよい。前記送信部は、前記選択部によって選択された前記1つ以上のリスクエリアの位置情報を、前記他の車両に送信してよい。
【0010】
上記いずれかのエリア情報記憶装置において、前記選択部は、前記記憶部に位置情報が記憶されているリスクエリアの数が前記送信部から一度に送信することが許容される予め定められた閾値を超える場合に、前記記憶部に位置情報が記憶されているリスクエリアのうち、前記予め定められた数を上限として、リスクエリアを選択してよい。
【0011】
上記いずれかのエリア情報記憶装置において、前記受信部は、前記他の車両から、リスクエリアに移動物体が存在するか否かの問い合わせ情報をさらに受信してよい。前記問い合わせ情報には、前記リスクエリアを指定する指定情報を含んでよい。前記リスクエリア情報記憶装置は、前記記憶部に位置情報が記憶されているリスクエリアのうち、前記指定情報によって指定されるリスクエリアの位置情報から定まるエリア内に予め定められた対象物が存在するか否かを判断する存在判断部をさらに備えてよい。前記送信部はさらに、前記存在判断部が前記指定情報から特定されるリスクエリアの位置情報から定まるエリア内に予め定められた対象物が存在すると判断した場合に、警告情報を送信してよい。
【0012】
上記いずれかのエリア情報記憶装置において、前記リスクエリア情報記憶装置は、モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)サーバであってよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、リスクエリア情報記憶方法が提供される。リスクエリア情報記憶方法は、車両によって検出された、前記車両の走行上のリスクとなり得るリスクエリアの位置情報を受信する段階を備える。リスクエリア情報記憶方法は、前記リスクエリアの位置情報を、地図情報において前記リスクエリアの位置に対応するリンク情報に対応づけて記憶する段階を備える。リスクエリア情報記憶方法は、他の車両が走行するリンクに対応するリンク情報に対応づけて前記記憶する段階において記憶された前記リスクエリアの位置情報を、前記他の車両に送信する段階を備える。
【0014】
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。前記プログラムは、コンピュータを、上記いずれかのリスクエリア情報記憶装置として機能させる。
【0015】
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】システム10の利用場面を模式的に示す。
図2】車両60が備える情報処理装置64がリスクエリアの位置情報を要求する状況を示す。
図3】情報処理装置64がリスクエリアに関する問い合わせを行う状況を示す。
図4】車両20のシステム構成を示す。
図5】サーバ52のシステム構成を示す。
図6A】車両20におけるリスクエリア特定部220が特定するリスクエリアを概略的に示す。
図6B図6Aにおいてエリア620及びエリア630が、エリア110が属するリンク600とは異なるリンクに存在する場合のサーバ52の処理を説明するための図である。
図7】サーバ52の記憶部380が記憶するリスクエリア情報のデータ構造を示す。
図8】情報処理装置64からの要求情報への応答情報として情報処理装置64に送信されるリスクエリア情報のデータ構造を示す。
図9】サーバ52が1つの送信データで送信されるリスクエリアの範囲を説明するための図である。
図10】車両20及びサーバ52が実行する情報処理方法に関する処理の流れを概略的に示す。
図11】サーバ52、車両60、及び端末82が実行する情報処理方法に関する処理の流れを概略的に示す。
図12】コンピュータ2000の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、システム10の利用場面を模式的に示す。システム10は、車両20と、車両60と、端末82と、基地局50と、サーバ52とを備える。
【0019】
車両20及び車両60は、道路70上を走行する車両である。車両20は情報処理装置24及びセンサ29を備える。センサ29は、カメラを含んで構成される。情報処理装置24は、センサ29が取得した情報を処理する機能と、車両60の外部のサーバ52との通信機能とを備える。車両20は、例えば先進運転支援システム(ADAS)機能を備える車両である。車両60は、情報処理装置64を備える。情報処理装置64はサーバ52との通信機能を備える。車両60は、例えばADAS機能を備えない車両である。
【0020】
端末82は、人物80が所持する端末である。端末82は、例えばスマートフォン等の携帯端末である。基地局50は、移動通信の基地局である。サーバ52は基地局50に接続されたサーバである。サーバ52は、例えばモバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)サーバなどのエッジコンピューティングサーバを含んでよい。サーバ52は端末82の位置情報を継続的に管理する。例えば、サーバ52は、端末82から送信される最新の位置情報を管理する。なお、図1には1つのサーバ52が図示されているが、サーバ52は複数の基地局にそれぞれ1つずつ接続された複数のサーバによってサーバ52が構成されてよい。情報処理装置24は、サーバ52を構成する複数のサーバのうち車両20の近傍のサーバと通信してよく、情報処理装置64は、サーバ52を構成する複数のサーバのうち車両60の近傍のサーバと通信してよい。
【0021】
図1において、車両20及び車両60は、道路70に沿って走行している車両である。車両90は道路70上に駐車している車両である。車両60は、車両20の後方を、車両20と同じ進行方向に走行している。
【0022】
車両20にとって、駐車中の車両90より車両20の進行方向側のエリア110は、車両20の位置からは視認しにくいエリアである。情報処理装置24は、センサ29で取得された進行方向の画像等の情報から、車両20から見通せないエリア110を、リスクエリアとして特定する。
【0023】
例えば、情報処理装置24は、センサ29で取得された画像の認識情報に基づいて、車両90の位置を含む四角形のエリア110の4つの頂点111、頂点112、頂点113及び頂点114を決定する。頂点113は、画像の認識情報に基づいて決定した頂点111から距離L1だけ車両20の進行方向に離れた点である。頂点114は、画像の認識情報に基づいて決定した頂点112から距離L1だけ車両20の進行方向に離れた点である。L1は車両20の車速に応じて決定された距離である。
【0024】
情報処理装置24は、エリア110内に端末82が存在するか否かをサーバ52に問い合わせるために、4つの頂点111、頂点112、頂点113及び頂点114を含むリスクエリア情報をサーバ52に送信する。図1の例では、4つの頂点111、頂点112、頂点113及び頂点114で画定されるエリア110内に端末82が存在していないため、サーバ52は問い合わせ情報を破棄するか、端末82が存在しない旨の応答情報を車両20に送信する。
【0025】
サーバ52は、情報処理装置24から受信したリスクエリア情報に含まれる4つの頂点111、頂点112、頂点113及び頂点114のうち、車両20に近い側に位置する2つの頂点111及び頂点112の座標情報を記憶して、車両20の後続の車両60を含む他の車両に提供する。
【0026】
図2は、車両60が備える情報処理装置64がリスクエリアの位置情報を要求する状況を示す。情報処理装置64は、サーバ52と通信可能なエリアに存在しているときに、リスクエリアの要求情報をサーバ52に送信する。サーバ52は、記憶しているエリア110の頂点111及び頂点112の座標情報と、リスクエリアの識別情報とを含むリスクエリア情報を、情報処理装置64に送信する。情報処理装置64は、サーバ52から受信した情報を記憶する。
【0027】
図3は、情報処理装置64がリスクエリアに関する問い合わせを行う状況を示す。情報処理装置64は、車両20が頂点111及び頂点112の少なくとも一方の座標情報が示す位置までの距離が予め定められた距離未満になった場合に、問い合わせ情報をサーバ52に送信する。問い合わせ情報には、サーバ52から受信したリスクエリアの識別情報を含む。
【0028】
サーバ52は、情報処理装置64から受信した問い合わせ情報に含まれるリスクエリアの識別情報で識別されるリスクエリアの2つの頂点111及び頂点112から車両60の進行方向に距離L2だけ延ばした頂点113'及び頂点114'を定める。距離L2は車両60の車速に応じて設定されてよい。サーバ52は、頂点111、頂点112、頂点113'及び頂点114'で画定されるエリア110'内に、サーバ52が管理している端末82の位置情報が含まれる場合に、情報処理装置64及び端末82に警告情報を送信する。情報処理装置64は、サーバ52からの警告情報を受信すると、車両60の搭乗者に対する警告を出力する。例えば、情報処理装置64は、車両20が有するHMI(Human Machine Interface)機能を通じて、搭乗者に対する警告を出力する。これにより、情報処理装置64は、カメラ等のセンシング手段によって情報処理装置64自身がリスクエリアを認識する機能を有しなくても、無線通信機能によってサーバ52から受信したリスクエリアを用いて、警告を出力することができる。また、端末82は、サーバ52からの警告情報を受信すると、人物80に対する警告を出力する。例えば、端末82は、端末82が有するHMI機能を通じて、人物80に対する警告を出力する。
【0029】
図4は、車両20のシステム構成を示す。車両20は、センサ29と、情報処理装置24と、通信装置48と、情報出力装置40とを備える。
【0030】
センサ29は、レーダー21と、カメラ22と、GNSS受信部25と、車速センサ26とを備える。レーダー21は、LiDARやミリ波レーダー等であってよい。GNSS受信部25は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星から発信された電波を受信する。GNSS受信部25は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両20の現在位置を示す情報を生成する。カメラ22は、車両20に搭載される撮像装置の一例である。カメラ22は、車両20の周辺を撮像して画像情報を生成する。例えば、カメラ22は、車両20の進行方向の画像を撮像して画像情報を生成する。カメラ22は単眼カメラであってよい。カメラ22は複眼カメラであり、物体までの距離情報を取得できるカメラであってよい。カメラ22は、撮像機能によって取得した画像に基づいて物体の認識を行い、認識した物体の位置情報を出力する。車速センサ26は、車両20の車速を検出する。なお、センサ29は、オドメータ等の位置センサや、加速度センサや姿勢センサ等のIMU(慣性計測ユニット)を備えてよい。
【0031】
車両20は、センサ29で検出された情報を用いて車両20の運転支援を行う運転支援制御装置を備えてよい。運転支援制御装置は、ADAS機能を提供するECUにより実現されてよい。
【0032】
通信装置48は、サーバ52との間の通信を担う。通信装置48は移動通信によってサーバ52と通信してよい。通信装置48は、例えば車々間通信用の携帯基地局経由通信(Uu)インタフェースを通じて通信可能であってよい。
【0033】
情報出力装置40は、警告情報を出力する装置である。情報出力装置40は、HMI機能を有してよい。情報出力装置40は、ヘッドアップディスプレイやナビゲーションシステムを含んでよい。情報出力装置40は、車両20の乗員が所持する携帯端末であってもよい。情報出力装置40は、音声により警告情報を出力する音声出力装置を含んでよい。
【0034】
情報処理装置24は、制御部200と、記憶部280とを備える。制御部200は、例えばプロセッサを含む演算処理装置等の回路により実現される。記憶部280は、不揮発性の記憶媒体を備えて実現される。制御部200は、記憶部280に格納された情報を用いて処理を行う。制御部200は、CPU、ROM、RAM、I/O及びバス等を備えたマイクロコンピュータを備えるECU(Electronic Control Unit)によって実現されてよい。
【0035】
制御部200は、座標情報取得部210と、リスクエリア特定部220と、制御部208とを備える。図4に示す機能ブロックのうちの一部の機能を制御部200が有しない形態を採用してよい。例えば、制御部200には一部の機能のみが実装され、他の機能はセンサ29等の他の回路の機能として実装される形態を採用してよい。
【0036】
リスクエリア特定部220は、車両20の外部のリスクエリアを特定する。通信装置48は、リスクエリア特定部220が特定したリスクエリアを示すリスクエリア情報を、リスクエリアに関する情報を保持するサーバに送信する。リスクエリア特定部220は、複数の点で画定されるエリアをリスクエリアとして特定し、通信装置48は、複数の点の座標情報をリスクエリア情報としてサーバ52に送信してよい。リスクエリアを画定する複数の点は、リスクエリアとして特定されるエリアを画定する複数の頂点であってよい。リスクエリアを画定する複数の点は、リスクエリアとして特定される多角形のエリアを画定する複数の頂点であってよい。
【0037】
リスクエリアは、車両20の走行にとってリスクとなる、車両20の外部のエリアであってよい。リスクエリアは、車両20の位置から車両20の外部の物体によって見通外となるエリアであってよい。見通外となるエリアは、例えば、車両20の位置から見た場合に、他の車両、建物、街路樹等の立体物によって遮蔽されることによってオクルージョンが生じたエリアの位置情報である。
【0038】
座標情報取得部210は、車両20に搭載されたカメラ22によって撮像された車両20の外部の画像から認識された物体の座標情報を取得する。リスクエリア特定部220は、カメラ22によって撮像された車両20の外部の画像から認識された物体の座標情報に基づいてリスクエリアを特定してよい。
【0039】
制御部208は、車両20の運転支援又は車両20の乗員に対する警告の実行を制御してよい。例えば、情報出力装置40がヘッドアップディスプレイを備える場合、制御部208は、リスクエリアに歩行者が存在することを示す警告情報としてのマークを形成するための光を、車両20のヘッドアップディプレイに出力させてよい。また、制御部208は、歩行者が存在するリスクエリアの位置に対応する表示領域にマークを形成するための光を、ヘッドアップディプレイに出力させる。制御部208は、車両20のウインドシールドに設けられた反射部材に向けて、マークを形成するための光を投影してよい。制御部208は、音声や文字によって警告情報を出力してもよい。また、制御部208は、車両20が備える運転支援制御装置を通じて車両20の走行を制御してよい。
【0040】
図5は、サーバ52のシステム構成を示す。サーバ52は、通信装置390と、制御部300と、記憶部380とを備える。
【0041】
制御部300は、通信装置390の制御を行う。通信装置390は、端末82及び情報処理装置24との間の通信を担う。通信装置390は、受信部392と、送信部394とを備える。制御部200は、例えばプロセッサを含む演算処理装置等の回路により実現される。記憶部380は、不揮発性の記憶媒体を備えて実現される。制御部300は、記憶部380に格納された情報を用いて処理を行う。制御部300は、CPU、ROM、RAM、I/O及びバス等を備えたマイクロコンピュータによって実現されてよい。
【0042】
制御部300は、選択部310と、存在判断部320と、並べ替え部330とを備える。図5に示す機能ブロックのうちの一部の機能を制御部300が有しない形態を採用してよい。
【0043】
受信部392は、車両20によって検出された、車両20の走行においてリスクとなり得るリスクエリアの位置情報を受信する。記憶部380は、リスクエリアの位置情報を、地図情報においてリスクエリアの位置に対応するリンク情報に対応づけて記憶する。送信部394は、他の車両60が走行するリンクに対応するリンク情報に対応づけて記憶部380が記憶しているリスクエリアの位置情報を、他の車両60に送信する。例えば、選択部310は、他の車両60が走行するリンクに対応するリンク情報に対応づけて記憶部380が記憶しているリスクエリアを選択し、送信部394は、選択部310によって選択されたリスクエリアの位置情報を、他の車両60に送信してよい。
【0044】
記憶部380は、車両20がリスクエリアを検出したときに車両20が走行していたリンクを示すリンク情報に対応づけて、リスクエリアの位置情報を記憶する。
【0045】
記憶部380は、リスクエリアの位置を定める予め定められた点から車両20がリスクエリアを検出したときに車両20が走行していたリンクへの垂線とリンクとの交点の座標情報にさらに対応づけて、リスクエリアの位置情報を記憶してよい。記憶部380は、リスクエリアの位置を定める予め定められた点から車両20がリスクエリアを検出したときに車両20が走行していたリンクの延長線上への垂線と延長線との交点の座標情報にさらに対応づけて、リスクエリアの位置情報を記憶してよい。
【0046】
受信部392は、他の車両60から、リスクエリアの位置情報を要求する要求情報を受信する。送信部394は、他の車両60から要求情報を受信した場合に、他の車両60が走行するリンクのリンク情報に対応づけて記憶部380に記憶されているリスクエリアの位置情報を、他の車両60に送信する。
【0047】
並べ替え部330は、複数のリスクエリアの位置情報を他の車両60に送信する場合、送信される複数のリスクエリアを他の車両60に近い順に並べ替える。送信部394は、並べ替え部330により並べ替えられた複数のリスクエリアの位置情報を他の車両60に送信する。並べ替え部330は、複数のリスクエリアを送信先の車両に近い順に並べ替えて、複数のリスクエリアの位置情報を含む送信データを生成する。送信部394は、並べ替え部330により生成された送信データを送信先の車両に送信する。
【0048】
並べ替え部330は、複数のリスクエリアを、他の車両60の走行方向に沿って送信先の車両に近い順に並べ替えてよい。並べ替え部330は、上述した垂線とリンクとの交点の座標情報に基づいて、複数のリスクエリアを、他の車両60の走行方向に沿って車両60に近い順に並べ替えてよい。並べ替え部330は、上述した垂線の延長線とリンクとの交点の座標情報に基づいて、複数のリスクエリアを、他の車両60の走行方向に沿って車両60に近い順に並べ替えてよい。
【0049】
選択部310は、記憶部380に位置情報が記憶されているリスクエリアのうち、他の車両60の位置から予め定められた距離内にある1つ以上のリスクエリアを選択する。送信部394は、選択部310によって選択された1つ以上のリスクエリアの位置情報を、他の車両60に送信する。
【0050】
選択部310は、記憶部380に位置情報が記憶されているリスクエリアの数が送信部394から一度に送信することが許容される予め定められた閾値を超える場合に、記憶部380に位置情報が記憶されているリスクエリアのうち、予め定められた数を上限として、リスクエリアを選択してよい。
【0051】
受信部392は、他の車両60から、リスクエリアに移動物体が存在するか否かの問い合わせ情報を受信してよい。問い合わせ情報には、リスクエリアを指定する指定情報が含まれる。指定情報は、リスクエリアの識別情報であってよく、リスクエリアの位置情報であってよい。存在判断部320は、記憶部380に位置情報が記憶されているリスクエリアのうち、指定情報によって指定されるリスクエリアの位置情報から定まるエリア内に予め定められた対象物が存在するか否かを判断する。予め定められた対象物は、例えば歩行者、又は、歩行者が所持する端末82である。存在判断部320は、サーバ52が管理している複数の端末の位置情報に基づいて、問い合わせ情報に含まれる指定情報によって指定されるリスクエリア内にいずれかの端末が存在するか否かを判断してよい。
【0052】
存在判断部320がリスクエリア指定情報から特定されるリスクエリアの位置情報から定まるエリア内に予め定められた対象物が存在すると判断した場合に、送信部394は警告情報を送信する。送信部394は、車両60に警告情報を送信してよく、リスクエリア内に存在する端末82に警告情報を送信してよい。
【0053】
図6Aは、リスクエリア特定部220が特定するリスクエリアを概略的に示す。図6A例は、リスクエリアとして矩形のエリアを特定する例を示す。
【0054】
図6Aに示す例において、リスクエリア特定部220は、センサ29が検出した情報から座標情報取得部210が認識した車両90の存在範囲を示す座標情報に基づいて、車両90が存在する位置を囲うエリア110を設定し、エリア110を第1のリスクエリアとして特定する。エリア110は、頂点111、頂点112、頂点114及び頂点113を結ぶことによって画定される矩形のエリアである。各頂点は、頂点111と頂点112とを結ぶ線分並びに頂点113と頂点114とを結ぶ線分が、車両20の走行方向に直交し、かつ、頂点111と頂点113とを結ぶ線分及び頂点112と頂点114とを結ぶ線分が、車両20の走行方向に平行になるように設定される。頂点113は、頂点111から車両20の進行方向に距離L1だけ離れた位置に決定され、頂点114は、頂点112から車両20の進行方向に距離L1だけ離れた位置に決定される。L1は、車両20の車速に応じて決定されてよい。L1は車両20の車速が高いほど長く決定されてよい。
【0055】
同様に、リスクエリア特定部220は、センサ29が検出した情報から座標情報取得部210が認識した車両92の存在範囲を示す座標情報に基づいて、車両92が存在する位置を囲うエリア620を設定し、エリア620を第2のリスクエリアとして特定する。エリア620は、頂点621、頂点622、頂点624及び頂点623を結ぶことによって画定される矩形のエリアである。各頂点は、頂点621と頂点622とを結ぶ線分並びに頂点623と頂点624とを結ぶ線分が、車両20の走行方向に直交し、かつ、頂点621と頂点623とを結ぶ線分及び頂点622と頂点624とを結ぶ線分が、車両20の走行方向に平行になるように設定される。頂点623は、頂点621から車両20の進行方向に距離L1だけ離れた位置に決定され、頂点624は、頂点112から車両20の進行方向に距離L1だけ離れた位置に決定される。
【0056】
同様に、リスクエリア特定部220は、センサ29が検出した情報から座標情報取得部210が認識した車両93の存在範囲を示す座標情報に基づいて、車両93が存在する位置を囲うエリア630を設定し、エリア630を第3のリスクエリアとして特定する。エリア630は、頂点631、頂点632、頂点634及び頂点633を結ぶことによって画定される矩形のエリアである。各頂点は、頂点631と頂点632とを結ぶ線分並びに頂点633と頂点634とを結ぶ線分が、車両20の走行方向に直交し、かつ、頂点631と頂点633とを結ぶ線分及び頂点632と頂点634とを結ぶ線分が、車両20の走行方向に平行になるように設定される。頂点633は、頂点631から車両20の進行方向に距離L1だけ離れた位置に決定され、頂点634は、頂点632から車両20の進行方向に距離L1だけ離れた位置に決定される。
【0057】
本実施形態において、車両20の情報処理装置24は、車両90、車両92、及び車両93をこの順番で予め定められた対象物体として認識したとする。これにより、リスクエリア特定部220は、エリア110、エリア620及びエリア630をこの順番でそれぞれリスクエリアとして特定し、それぞれのリスクエリアに関するリスクエリア情報をサーバ52に送信したとする。本実施形態において、エリア110のリスクエリア情報は、エリア110の頂点のうち、車両20により近い2つの頂点111及び頂点112の座標と、車両20がエリア110を検出した時刻と、リスク要因を示す情報と、車両20の現在位置情報と、車両20の進行方向とを含む。リスク要因は、例えば車両20から見て見通し外となるエリアであることを示す「見通し外」等を示す情報である。
【0058】
サーバ52は、エリア110のリスクエリア情報を受信すると、車両20の進行方向に直交する方向において道路70の中央に近い頂点111からリンク600への垂線とリンク600との交点601を特定し、特定した交点601の座標をエリア110の頂点の座標とともに記憶部380に記憶する。同様に、サーバ52は、エリア620のリスクエリア情報を受信すると、車両20の進行方向に直交する方向において道路70の中央に近い頂点622からリンク600への垂線とリンク600との交点602を特定し、特定した交点602の座標をエリア620の頂点の座標とともに記憶部380に記憶する。同様に、サーバ52は、エリア630のリスクエリア情報を受信すると、車両20の進行方向に直交する方向において道路70の中央に近い頂点631からリンク600への垂線とリンク600との交点603を特定し、特定した交点603の座標をエリア630の頂点の座標とともに記憶部380に記憶する。
【0059】
図6Bは、図6Aにおいてエリア620及びエリア630が、エリア110が属するリンク600とは異なるリンクに存在する場合のサーバ52の処理を説明するための図である。車両20の情報処理装置24における処理は、図6Aに関連して説明した処理と同一であるため、説明を省略する。
【0060】
図6Bにおいて、リンク600はノード609を端点とするリンクであるとする。サーバ52は、図6Aの場合と同様に、エリア110のリスクエリア情報を受信すると、頂点111から、車両20が走行中のリンク600への垂線とリンク600との交点601を特定し、特定した交点601の座標を、エリア110の2つの頂点111及び頂点112の座標とともに記憶部380に記憶する。
【0061】
サーバ52は、リンク600に属しないエリア620のリスクエリア情報を受信すると、リンク600の延長線650を設定する。延長線650は、例えば、リンク600の端点であるノード609における接線を延伸した直性である。サーバ52は、頂点622から延長線650への垂線とリンク600との交点652を特定し、特定した交点652の座標をエリア620の2つの頂点621及び頂点622の座標とともに記憶部380に記憶する。サーバ52は、リンク600に属しないエリア630のリスクエリア情報を受信すると、頂点631から延長線650への垂線とリンク600との交点653を特定し、特定した交点653の座標をエリア630の2つの頂点631及び頂点632の座標とともに記憶部380に記憶する。
【0062】
図7は、サーバ52の記憶部380が記憶するリスクエリア情報のデータ構造を示す。記憶部380にリスクエリア情報として記憶されるデータは、データ項目として、リスクエリアID、検出時刻、記憶時刻、リスク要因、リスクエリア座標、リンクID、リンク交点、及び方位を含む。記憶部380は、リスクエリア毎に、これらのデータ項目を持つ1つのデータを記憶する。
【0063】
リスクエリアIDは、記憶部380にリスクエリア情報として記憶される複数のリスクエリアの識別情報である。リスクエリアIDは、サーバ52がリスクエリアの1つのデータを登録する場合にサーバ52において付与される識別情報である。
【0064】
検出時刻は、車両20においてリスクエリアが検出された時刻である。検出時刻は、情報処理装置24から送信されるリスクエリア情報に含まれる。
【0065】
記憶時刻は、サーバ52においてリスクエリアのレコードが記憶部380に記憶された時刻である。
【0066】
リスク要因は、リスクの要因を識別する情報である。リスクの要因は、情報処理装置24から送信されるリスクエリア情報に含まれる。
【0067】
リスクエリア座標は、リスクエリアを特定するための2点の地理上の座標を示す。リスクエリア座標は、情報処理装置24から送信されるリスクエリア情報に含まれる2つの頂点の座標である。
【0068】
リンクIDは、リスクエリアに対応づけられるリンクの識別情報である。リスクエリアに対応づけられるリンクは、例えば、車両20の現在位置及びサーバ52が記憶する地図情報からマップマッチングによって特定される車両20が走行しているリンクであってよい。他の実施形態において、リスクエリアに対応づけられるリンクは、例えば、リスクエリア情報に含まれる2つの頂点の座標及び地図情報からマップマッチングによって特定される、2つの頂点の位置に対応するリンクであってよい。サーバ52は、車両が走行する道路上の点を示すノードの位置と、複数のノード間を接続するリンクとを含む地図情報を予め記憶してよい。
【0069】
リンク交点は、リスクエリア情報に含まれる2つの頂点からリンクIDで識別されるリンクへの垂線とリンクとの交点の座標である。例えば、リンク交点には、エリア110の頂点111からリンク600への垂線とリンク600との交点の座標が記憶される。
【0070】
方位は、リスクエリアに関連づけられる方位情報である。方位情報は、車両20が走行する方位に基づく情報であってよい。サーバ52は、リスクエリア情報に含まれる車両20の走行方向から車両20が走行する方位を特定してよい。サーバ52は、車両20が走行しているリンクに対応づけられた方位を方位情報として設定してよい。サーバ52は、車両20が走行しているリンクに対応づけられた方位に対して上り方向であるか下り方向であるかを示す情報を方位情報として設定してよい。
【0071】
図7に示されるように、車両20の情報処理装置24においてエリア110、エリア620及びエリア630がこの順番で検出された場合、記憶部380にもこの順番でリスクエリアのデータが追記される。すなわち、リスクエリアID「1110001」は、エリア110の識別情報であり、リスクエリアID「1210002」は、エリア620の識別情報であり、リスクエリアID「1310003」は、エリア630の識別情報となる。
【0072】
図6A図6B、及び図7等に関連して説明したように、サーバ52は、車両20がリスクエリアを検出したときに車両20が走行中していたリンク600に対応する情報を記憶部380に記憶する。具体的には、サーバ52は、リンク600に基づいて算出されたリンク交点及びリンクIDに対応づけて、リスクエリア座標を記憶部380に記憶する。これにより、サーバ52の選択部310は、車両60がリンク600を走行中に車両60から送信された要求情報を受信した場合に、車両60が走行中のリンク600に対応づけられたリスクエリアを少ない演算量で選択することができる。さらに、記憶部380に記憶されているリンク交点の座標から、リンク600に沿う方向において車両60に近い位置情報を少ない演算量で取得することができる。
【0073】
図8は、情報処理装置64からの要求情報への応答情報として情報処理装置64に送信されるリスクエリア情報のデータ構造を示す。図8に示すデータ構造は特に、情報処理装置64に送信されるリスクエリア情報に含まれるリスクエリアデータのデータ部分のデータ構造である。図8の例では、エリア110、エリア620及びエリア630の3件のリスクエリアの情報をリスクエリアデータに含める場合を示す。図8に示すデータ構造のデータは、記憶部380に記憶されているデータを車両60の位置に近い順に並べ替え部330が並べ替えることによって生成される。
【0074】
リスクエリアデータは、データ件数部801、第1リスクエリアID部802、第1座標データ部803、第2リスクエリアID部804、第2座標データ部805、第3リスクエリアID部806、第3座標データ部807を順番に含む。データ件数部801には、リスクエリアの件数を示す値が格納される。図6A又は図6Bに示される3件のリスクエリアの情報をリスクエリアデータに含めて送信する場合、データ件数部801には「3」が格納される。
【0075】
第1リスクエリアID部802には、車両60に最も近いリスクエリアのリスクエリアIDが格納される。第1座標データ部803には、車両60に最も近いリスクエリアの2点の頂点の座標情報が格納される。本実施形態では、第1リスクエリアID部802及び第1座標データ部803にはエリア110の情報が格納される。
【0076】
第2リスクエリアID部804には、車両60に2番目に近いリスクエリアのリスクエリアIDが格納される。第2座標データ部805には、車両60に2番目に近いリスクエリアの2点の頂点の座標情報が格納される。本実施形態では、第2リスクエリアID部804及び第2座標データ部805にはエリア630の情報が格納される。
【0077】
第3リスクエリアID部806には、車両60に3番目に近いリスクエリアのリスクエリアIDが格納される。第3座標データ部807には、車両60に3番目に近いリスクエリアの2点の頂点の座標情報が格納される。本実施形態では、第3リスクエリアID部806及び第3座標データ部807には、エリア620の情報が格納される。
【0078】
並べ替え部330は、記憶部380に記憶されているリスクエリアのデータを、要求情報に含まれる車両60の現在位置と、記憶部380に記憶されているリスクエリア情報に含まれるリンク交点の座標とに基づいて、車両60の現在位置に近い順に並べ替えることによって、リスクエリアデータを生成する。このように、データを車両60の現在位置からリンク交点が近い順に並べ替えてリスクエリアデータを生成するので、車両60の進行方向に沿って車両60に近い順にリスクエリアを並べ替えることができる。これにより、情報処理装置64は、リスクエリアデータの先頭から順に読み出すことで、車両60の走行方向に沿って車両60に近い順にリスクエリアID及び座標データの組を取得することができる。そのため、情報処理装置64は座標データに基づいてリンクに沿って順番に並べ替えを行う必要がない。また、サーバ52がリンク交点の座標に基づいてリンクに沿う方向に順番に並べ替えを行うので、情報処理装置64は、車両60が走行するリンクに沿った正しい順番のデータを少ない演算量で取得することができる。
【0079】
図9は、サーバ52が1つの送信データで送信されるリスクエリアの範囲を説明するための図である。選択部310は、情報処理装置64からの要求情報を受信した場合、車両60の現在位置からの車両60の進行方向に沿う方向の距離が予め定められた距離閾値以下であり、かつ、予め定められた件数閾値以下のリスクエリアを選択する。距離閾値は、例えば、百メートルオーダーであってよく、kmオーダーであってよい。件数閾値は、情報処理装置64に送信されるリスクエリアデータのデータフォーマットから定まるデータ長によって上限が定められる。件数閾値は10程度の値であってよい。距離閾値及び件数閾値の少なくとも一方は、情報処理装置64によって指定されてよい。
【0080】
図9は、リスクエリア901、リスクエリア902、リスクエリア903、リスクエリア904、リスクエリア905、リスクエリア906、リスクエリア907、リスクエリア908、リスクエリア909、リスクエリア910及びリスクエリア911の11個のリスクエリアがリスクエリア情報として記憶部380に記憶されている場合において、リスクエリア情報の送信対象が距離閾値によって制限される場合を示す。
【0081】
選択部310は、車両60の現在位置からリスクエリアのリンク交点までの距離が予め定められた距離閾値以下である8つのリスクエリア901、リスクエリア902、リスクエリア903、リスクエリア904、リスクエリア905、リスクエリア906、リスクエリア907、及びリスクエリア908を選択する。このとき、選択部310は、車両60が現在走行しているリンクと同じリンクに対応づけられているか否かに関係なく、リスクエリアを選択してよい。ただし、車両60が走行中のリンクの先に複数のリンクが接続され、かつ、車両60の将来の走行経路が不明である場合は、選択部310は、車両60が走行することが予測されるリンクに対応づけられたリスクエリアのみを選択してよい。
【0082】
並べ替え部330は、選択部310によって選択されたリスクエリアを、リスクエリア901、リスクエリア902、リスクエリア907、リスクエリア903、リスクエリア904、リスクエリア908、リスクエリア905及びリスクエリア906の順に並べ替えて、データ件数、リスクエリアID及び座標データを含むリスクエリアデータを生成する。送信部394は、並べ替え部330が生成した送信データを含むリスクエリア情報を情報処理装置64に送信する。
【0083】
車両60の現在位置からリスクエリアのリンク交点までの距離が距離閾値以下のリスクエリアの数が予め定められた件数閾値を超える場合、選択部310は、件数閾値を上限としてリスクエリアを選択する。
【0084】
図10は、車両20及びサーバ52が実行する情報処理方法に関する処理の流れを概略的に示す。S1002において、車両20のリスクエリア特定部220は、センサ29によって認識される情報に基づいてリスクエリアを特定する。例えば、リスクエリア特定部220は、座標情報取得部210によって取得されたセンサ29が出力する停車中の車両90の座標情報に基づいて、リスクエリア110を画定する4つの頂点を決定する。
【0085】
S1004において、通信装置48は、リスクエリア内に予め定められた対象が存在するか否かの問い合わせるリスクエリア情報をサーバ52へ送信する。サーバ52が車両20から送信されたリスクエリア情報を受信すると、S1006において、記憶部380は、情報処理装置24から受信したリスクエリア情報に含まれる頂点の座標のうち、車両20により近い2つの頂点の座標情報をリスクエリア座標として登録する。
【0086】
S1008において、存在判断部320は、車両20から受信したリスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在するか否かを判断する。例えば図1に示す状況では、存在判断部320は、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア110内に端末82が存在しないと判断する。この場合、送信部394はリスクエリア情報に対する応答情報を車両20へ送信しない。リスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在しない場合、送信部394は、リスクエリア内に対象が存在しない旨の応答情報を車両20へ送信してもよい。
【0087】
S1012において、車両20のリスクエリア特定部220は、センサ29によって認識される情報に基づいてリスクエリアを特定する。例えば、リスクエリア特定部220は、座標情報取得部210によって取得されたセンサ29が出力する停車中の車両92の座標情報に基づいて、リスクエリア620を画定する4つの頂点を決定する。
【0088】
S1014において、通信装置48は、リスクエリア内に予め定められた対象が存在するか否かの問い合わせるリスクエリア情報をサーバ52へ送信する。サーバ52が車両20から送信されたリスクエリア情報を受信すると、S1016において、記憶部380は、情報処理装置24から受信したリスクエリア情報に含まれる頂点の座標のうち、車両20により近い2つの頂点の座標情報をリスクエリア座標として登録する。
【0089】
S1018において、存在判断部320は、車両20から受信したリスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在するか否かを判断する。本フローチャートでは、存在判断部320は、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在しないと判断されるものとする。よって、本フローチャートでは、送信部394はリスクエリア情報に対する応答情報を車両20へ送信しない。
【0090】
S1022において、車両20のリスクエリア特定部220は、センサ29によって認識される情報に基づいてリスクエリアを特定する。例えば、リスクエリア特定部220は、座標情報取得部210によって取得されたセンサ29が出力する停車中の車両93の座標情報に基づいて、リスクエリア630を画定する4つの頂点を決定する。
【0091】
S1024において、通信装置48は、リスクエリア内に予め定められた対象が存在するか否かの問い合わせるリスクエリア情報をサーバ52へ送信する。サーバ52が車両20から送信されたリスクエリア情報を受信すると、S1026において、記憶部380は、情報処理装置24から受信したリスクエリア情報に含まれる頂点の座標のうち、車両20により近い2つの頂点の座標情報をリスクエリア座標として登録する。
【0092】
S1028において、存在判断部320は、車両20から受信したリスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在するか否かを判断する。上述したように、本フローチャートでは、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在しないと判断されるものとし、リスクエリア情報に対する応答情報は車両20へは送信されない。
【0093】
本フローチャートでは、サーバ52は車両20が検出したリスクエリアの位置情報を登録する場合を例示したが、サーバ52は、複数の車両が検出したリスクエリアを登録することができる。
【0094】
図11は、サーバ52、車両60、及び端末82が実行する情報処理方法に関する処理の流れを概略的に示す。図11の処理は、図10の後に行われる処理である。
【0095】
S1122において、車両60の情報処理装置64は、リスクエリアの位置情報を要求する要求情報をサーバ52に送信する。当該要求情報には、車両60の位置及び車両60の進行方向を示す情報が含まれてよい。サーバ52が要求情報を受信すると、S1112において、選択部310による送信対象のリスクエリアの選択と、並べ替え部330によるリスクエリアの情報の並べ替えが行われる。S1114において、通信装置390は、要求情報に対する応答情報としてのリスクエリア情報を車両60に送信する。S1114において車両60に送信されるリスクエリアには、並べ替え部330によって並べ替えられたリスクエリアの2つの頂点の座標情報及びリスクエリアIDが送信データとして含まれる。
【0096】
S1124において、情報処理装置64は、車両60の現在位置とサーバ52から受信した頂点の座標情報とに基づいて、頂点の座標情報が示す位置に車両60が近づいたと判断した場合に、問い合わせ情報をサーバ52に送信する。問い合わせ情報には、車両60の進行方向にあるリスクエリアのうち車両60に最も近いリスクエリアのリスクエリアIDが含まれる。問い合わせ情報には、車両60の現在位置、走行方向及び車速を示す情報が含まれてよい。
【0097】
サーバ52が車両60から送信された問い合わせ情報を受信すると、S1116において、存在判断部320は、車両60から受信した問い合わせ情報に含まれるリスクエリアIDに対応づけられているリスクエリア座標の2つの頂点から設定されるエリア内に端末82が存在するか否かを判断する。例えば図3に示す状況では、存在判断部320は、問い合わせ情報に含まれるリスクエリアIDに対応づけられている2つの頂点111及び頂点112から頂点113'及び頂点114'を特定し、当該4つの頂点で画定されるエリア110内に端末82が存在すると判断する。この場合、S1118において、送信部394は、問い合わせ情報に対する応答情報として、エリア内に端末82が存在する旨の警告情報を車両60に送信する。また、送信部394は、車両が接近している旨の警告情報を端末82に送信する。
【0098】
情報処理装置64は、サーバ52から警告情報を受信すると、S1128において、情報出力装置40が有するHMI機能によって、車両60の搭乗者に対する警告を出力する。また、端末82は、サーバ52から警告情報を受信すると、S1138において、端末82のHMI機能によって人物80に対する警告を出力する。
【0099】
情報処理装置24及び情報処理装置64とサーバ52との間の通信はCellular-V2Xに準拠する通信方式で行われてよい。Cellular-V2Xとしては、LTE-V2X PC5や、5G-V2X PC5等の通信方式が含まれる。他の実施形態において、情報処理装置24及び情報処理装置64とサーバ52との間の通信は、Wi-Fi(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)を用いる形態を採用してもよい。情報処理装置24及び情報処理装置64とサーバ52との間の通信は、Cellular-V2XやDSRC(登録商標)等以外に、Bluetooth(登録商標)等の任意の通信方式を採用してもよい。情報処理装置24及び情報処理装置64は、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)が備える通信インフラを用いて、サーバ52との間で通信をしてもよい。
【0100】
車両20及び車両60は、輸送機器の一例であり得る。輸送機器は、乗用車やバス等の自動車、鞍乗型車両、自転車等を含み得る。また、上述した本実施形態では、システム10は、リスクエリア内に端末82が存在する場合に警告を行うためのシステムとして機能するが、端末82以外に、サーバ52が位置情報を管理可能な任意の通信装置が存在する場合に警告を行うためのシステムとして機能し得る。係る通信装置は、自動車に鞍乗型車両、自転車等の任意の車両に備えられてよい。
【0101】
以上に説明したシステム10によれば、サーバ52が記憶している複数のリスクエリアの情報を、車両60からの距離に応じて並べ替えて車両60に送信することができる。そのため、車両60は、サーバ52から受信したリスクエリアの並べ替えを行う必要がないため、車両60における処理の負担を軽減することができる。また、サーバ52は、リスクエリアを車両20が走行するリンクに対応づけて記憶するので、当該リンクを走行している車両60からの要求に応じて、車両60が走行しているリンクに応じた適切なリスクエリアに関する情報を速やかに選択することができる。
【0102】
図12は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000に、実施形態に係る情報処理装置24等の装置又は当該装置の各部として、もしくは、実施形態に係るサーバ52等のサーバ又は当該サーバの各部として機能させる、当該装置、当該装置の各部、当該サーバ又は当該サーバの各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
【0103】
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
【0104】
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0105】
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
【0106】
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読記憶媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0107】
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0108】
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
【0109】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0110】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
【0111】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000をサーバ52として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、サーバ52の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段であるサーバ52の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有のサーバ52が構築される。
【0112】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を情報処理装置24として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、情報処理装置24の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である情報処理装置24の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の情報処理装置24が構築される。
【0113】
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
【0114】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0115】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0116】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0117】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0118】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の序順で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0119】
10 システム
20 車両
21 レーダー
22 カメラ
24 情報処理装置
25 GNSS受信部
26 車速センサ
29 センサ
40 情報出力装置
48 通信装置
50 基地局
52 サーバ
60 車両
64 情報処理装置
70 道路
80 人物
82 端末
90 車両
92 車両
93 車両
110 エリア
111 頂点
112 頂点
113 頂点
114 頂点
200 制御部
208 制御部
210 座標情報取得部
220 リスクエリア特定部
280 記憶部
300 制御部
310 選択部
320 存在判断部
330 並べ替え部
380 記憶部
390 通信装置
392 受信部
394 送信部
600 リンク
601 交点
602 交点
603 交点
609 ノード
620 エリア
621 頂点
622 頂点
623 頂点
624 頂点
630 エリア
631 頂点
632 頂点
633 頂点
634 頂点
650 延長線
652 交点
653 交点
801 データ件数部
802 第1リスクエリアID部
803 第1座標データ部
804 第2リスクエリアID部
805 第2座標データ部
806 第3リスクエリアID部
807 第3座標データ部
901 リスクエリア
902 リスクエリア
903 リスクエリア
904 リスクエリア
905 リスクエリア
906 リスクエリア
907 リスクエリア
908 リスクエリア
909 リスクエリア
910 リスクエリア
911 リスクエリア
2000 コンピュータ
2010 ホストコントローラ
2012 CPU
2014 RAM
2020 入力/出力コントローラ
2022 通信インタフェース
2024 フラッシュメモリ
2026 ROM
2040 入力/出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12