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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020625
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H10H 20/85 20250101AFI20250205BHJP
【FI】
H01L33/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124117
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤星 結衣子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 喜子
(72)【発明者】
【氏名】羽生田 有美
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA22
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB13
5F142CB15
5F142CB23
5F142CD02
5F142GA21
(57)【要約】
【課題】特注色の要求に合わせた発光装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、第1発光素子群と、第2発光素子群とを備える。第1発光素子群は、赤色の発光素子である第1素子と第1素子とは異なる色の発光素子である第2素子とを含む。第2発光素子群は、第1素子と、第2素子と、第1素子及び第2素子とは異なる色の発光素子である第3素子とを含む。第1発光素子群の第1素子と第2素子とは直列に接続される。第2発光素子群の第1素子と第2素子と第3素子とは直列に接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色の発光素子である第1素子と前記第1素子とは異なる色の発光素子である第2素子とを含む第1発光素子群と;
前記第1素子と、前記第2素子と、前記第1素子及び前記第2素子とは異なる色の発光素子である第3素子とを含む第2発光素子群と;
を具備し、
前記第1発光素子群の前記第1素子と前記第2素子とは直列に接続され、
前記第2発光素子群の前記第1素子と前記第2素子と前記第3素子とは直列に接続される、
発光装置。
【請求項2】
前記第2素子は、ライム色の発光素子である請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第3素子は、白色の発光素子である請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1素子と前記第2素子との発光光束比は、1:2.3-2.6である請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1素子と前記第3素子との発光光束比は、1:1.5-2.3である請求項1又は3に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具の光源として発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を含む発光装置が用いられている。特に、高出力でムラのない配光が求められる照明器具では、COB(Chip on Board)タイプや、SMD(Surface Mount Device)を用いたタイプ、CSP(Chip Scale Package)を用いたタイプの発光装置が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-057201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
演出空間用の照明器具等では、使われる頻度が低い特定の光色の照明器具が求められることがある。このような特定の光色の要求に対して、その都度、その特定の光色を発するLEDやSMDを製造するとコストや手間がかかってしまうため、特注色の光を発するLEDやSMDを製造することなく対応できることが望ましい。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、特注色の要求に合わせた発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の発光装置は、第1発光素子群と、第2発光素子群とを備える。第1発光素子群は、赤色の発光素子である第1素子と第1素子とは異なる色の発光素子である第2素子とを含む。第2発光素子群は、第1素子と、第2素子と、第1素子及び第2素子とは異なる色の発光素子である第3素子とを含む。第1発光素子群の第1素子と第2素子とは直列に接続される。第2発光素子群の第1素子と第2素子と第3素子とは直列に接続される。
【発明の効果】
【0007】
実施形態によれば、特注色の要求に合わせた発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る発光装置の一例を示す概略図である。
図2図2は、光源モジュールの構成の一例を示す概略図である。
図3図3は、光源装置の要求条件として例えば色温度が3000K、色偏差duvが0、平均演色評価数Raが90以上、光束が10000lmという条件が与えられたときの、この要求条件を満たす発光素子群4a及び発光素子群4bの各発光素子の構成例を示す図である。
図4図4は、図3の発光素子の構成例で得られる、色温度、偏差、平均演色評価数及び光束の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の発光装置(1)は、第1発光素子群(4a)と、第2発光素子群(4b)とを備える。第1発光素子群(4a)は、赤色の発光素子である第1素子(41a)と第1素子(41a)とは異なる色の発光素子である第2素子(42a)とを含む。第2発光素子群(4b)は、第1素子(41b)と、第2素子(42b)と、第1素子及び第2素子とは異なる色の発光素子である第3素子(43b)とを含む。第1発光素子群(4a)の第1素子(41a)と第2素子(42a)とは直列に接続される。第2発光素子群(4b)の第1素子(41b)と第2素子(42b)と第3素子(43b)とは直列に接続される。
【0010】
また、実施形態において、第2素子(42a,42b)は、ライム色の発光素子である。
【0011】
また、実施形態において、第3素子(43b)は、白色の発光素子である。
【0012】
また、実施形態において、第1素子(41a,41b)と第2素子(42a,42b)との発光光束比は、1:2.3-2.6である。
【0013】
また、実施形態において、第1素子(41a,41b)と第3素子(43b)との発光光束比は、1:1.5-2.3である。
【0014】
以上の構成によれば、要求に合わせた特注色の波長変換部を必要とすることなく、要求に合わせた発光装置を提供することが可能となる。
【0015】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係る発光装置の一例を示す概略図である。発光装置1は、照明器具の光源となる装置である。実施形態における発光装置1は、例えば室内用のダウンライトやスポットライトといった器具の光源として用いられ得る。
【0016】
図1に示すように、発光装置1は、光源モジュール2、複数の電源3a及び3b並びに制御部5を備える。
【0017】
光源モジュール2は、複数、図1では2系統の発光素子群4a及び4bを備える。発光素子群4aは、発光素子群4bと比較して、発光する光の色温度が低色温度側の発光素子群である。発光素子群4bは、発光素子群4aと比較して、発光する光の色温度が高色温度側の発光素子群である。発光素子群4a及び4bのそれぞれは、後で詳しく説明するように、直列接続された複数の発光素子を備える。発光素子は、例えば発光ダイオード(LED)のベアチップであったり、SMDタイプの発光素子であったり、CSPタイプの発光素子であったりする。発光素子群4aのそれぞれの発光素子は、電源3aに接続され、電源3aから供給された電力に基づいて発光する。発光素子群4bは、電源3bに接続され、電源3bから供給された電力に基づいて発光する。
【0018】
電源3aは、発光素子群4aに接続され、制御部5からの制御指令に基づき、発光素子群4aの各発光素子を発光させるための電力を発光素子群4aに対して供給する。電源3bは、発光素子群4bに接続され、制御部5からの制御指令に基づき、発光素子群4bの各発光素子を発光させるための電力を発光素子群4bに対して供給する。
【0019】
制御部5は、電源3a及び電源3bに接続され、電源3a及び3bを独立して制御し得る。例えば、制御部5は、光源モジュール2の消灯時において、電源3aによる発光素子群4aの消灯のタイミングを電源3bによる発光素子群4bの消灯のタイミングよりも遅らせるように制御する。高色温度側の発光素子群4bを先に消灯させることで、発光装置1は、電球のように、赤みを帯びた光を発しながら消灯する。制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を含むプロセッサ又は集積回路及びメモリ等の記憶媒体を備える。制御部5は、プロセッサ又は集積回路等を1つのみ備えてもよく、複数備えてもよい。
【0020】
図2は、光源モジュール2の構成の一例を示す概略図である。光源モジュール2は、基板21を有する。基板21には、発光素子群4aを構成する発光素子と、発光素子群4bを構成する発光素子とが配置されている。
【0021】
発光素子群4aは、第1素子41a及び第2素子42aを含む。第1素子41aは、ピーク波長610-650nmの赤色の発光素子である。第2素子42aは、ピーク波長530-600nmの緑(ライム)色の発光素子である。図2の例では、第1素子41aの素子数は33個であり、第2素子42aの素子数は11個である。発光素子群4aは、低色温度側の発光素子群であるため、低色温度、すなわち赤色の発光素子を多く含んでいて、白色の発光素子を含んでいない。
【0022】
発光素子群4aは、それぞれが図2の斜め方向で見て直線状に配置された複数の発光素子からなる、第1発光素子群と、第2発光素子群と、第3発光素子群と、第4発光素子群と、第5発光素子群と、第6発光素子群と、第7発光素子群とが間隔を空けて並べられた構成を有している。第1発光素子群は、直列に接続された3個の第1素子41aと2個の第2素子42aとを含み、配線L11を介してプラス側電極22aとマイナス側電極23bとに接続されている。第2発光素子群は、直列に接続された5個の第1素子41aと2個の第2素子42aとを含み、配線L12を介してプラス側電極22aとマイナス側電極23bとに接続されている。第3発光素子群は、直列に接続された8個の第1素子41aを含み、配線L13を介してプラス側電極22aとマイナス側電極23bとに接続されている。第4発光素子群は、直列に接続された5個の第1素子41aと3個の第2素子42aとを含み、配線L14を介してプラス側電極22aとマイナス側電極23bとに接続されている。第5発光素子群は、直列に接続された6個の第1素子41aと1個の第2素子42aとを含み、配線L15を介してプラス側電極22aとマイナス側電極23bとに接続されている。第6発光素子群は、直列に接続された5個の第1素子41aと2個の第2素子42aとを含み、配線L16を介してプラス側電極22aとマイナス側電極23bとに接続されている。第7発光素子群は、直列に接続された1個の第1素子41aと1個の第2素子42aとを含み、配線L17を介してプラス側電極22aとマイナス側電極23bとに接続されている。そして、図2に示すように、第1発光素子群~第7発光素子群は、それぞれ直列接続されるように、配線L11~配線L17が接続される。プラス側電極22aとマイナス側電極23bは、電源3aに接続される。
【0023】
発光素子群4bは、第1素子41b、第2素子42b及び第3素子43bを含む。第1素子41aは、ピーク波長610-650nmの赤色の発光素子である。第1素子41bは、第1素子41aと同じピーク波長を有する発光素子(つまり、第1素子41aと同じ素子)であってもよいし、異なるピーク波長を有する発光素子であってもよい。第2素子42bは、ピーク波長530-600nmのライム色の発光素子である。第2素子42bは、第2素子42aと同じピーク波長を有する発光素子(つまり、第2素子42aと同じ素子)であってもよいし、異なるピーク波長を有する発光素子であってもよい。第3素子43bは、色温度が5000K以上の白色の発光素子である。白色の発光素子は、例えば蛍光体を含有した封止樹脂に蛍光体の励起波長の光を発する発光素子を封止することによって構成される。封止樹脂の蛍光と発光素子の光とが混合されることによって、第3素子43bは白色光を発する。図2の例では、第1素子41bの素子数は3個であり、第2素子42bの素子数は15個であり、第3素子43bの素子数は26個である。発光素子群4bは、高色温度側の発光素子群であるため、高色温度、すなわち白色の発光素子を多く含んでいる。
【0024】
発光素子群4bは、それぞれが図2の斜め方向で見て直線状に配置された複数の発光素子からなる、第1発光素子群と、第2発光素子群と、第3発光素子群と、第4発光素子群と、第5発光素子群と、第6発光素子群と、第7発光素子群とが発光素子群4aのそれぞれの発光素子群の間に並べられた構成を有している。第1発光素子群は、直列に接続された1個の第2素子41bと1個の第3素子42bとを含み、配線L21を介してプラス側電極22bとマイナス側電極23aとに接続されている。第2発光素子群は、直列に接続された1個の第1素子41bと6個の第3素子43bとを含み、配線L22を介してプラス側電極22bとマイナス側電極23aとに接続されている。第3発光素子群は、直列に接続された1個の第1素子41bと、4個の第2素子42bと、2個の第3素子43bとを含み、配線L23を介してプラス側電極22bとマイナス側電極23aとに接続されている。第4発光素子群は、直列に接続された3個の第2素子42bと、5個の第3素子43bとを含み、配線L24を介してプラス側電極22bとマイナス側電極23aとに接続されている。第5発光素子群は、直列に接続された3個の第2素子42bと5個の第3素子43bとを含み、配線L25を介してプラス側電極22bとマイナス側電極23aとに接続されている。第6発光素子群は、直列に接続された1個の第1素子41bと、2個の第2素子42bと、4個の第3素子43bとを含み、配線L26を介してプラス側電極22bとマイナス側電極23aとに接続されている。第7発光素子群は、直列に接続された2個の第2素子42bと3個の第3素子43bとを含み、配線L27を介してプラス側電極22bとマイナス側電極23aとに接続されている。そして、図2に示すように、第1発光素子群~第7発光素子群は、それぞれ直列接続されるように、配線L21~配線L27が接続される。プラス側電極22bとマイナス側電極23aは、電源3bに接続される。
【0025】
以上のようにして第1素子41a、第2素子42a、第1素子41b、第2素子42b及び第3素子43bが配置されることにより、発光素子群4a及び発光素子群4bのそれぞれの発光素子は、全体として略円形に配置され得る。ここで、発光素子群4aの第1素子41a及び第2素子42aの配置並びに発光素子群4bの第1素子41b、第2素子42b及び第3素子43bの配置は、図2で示したものに限るものではない。ただし、それぞれの色の発光素子は均等に分散して配置されることが望ましい。特に、略円形をなす発光素子群の外周部においては周方向に隣接する発光素子の色は異なっていることが望ましい。外周部とは、例えば略円形をなす発光素子群の最も外側に位置する発光素子及びその1つ内側に位置する発光素子である。
【0026】
また、発光装置1がスポットライト用の光源として用いられる場合、バンドアの向きに応じて光源モジュール2の向きが決められることが望ましい。具体的には、バンドアの向きと平行な方向には同じ色の発光素子が連続して配置されないように光源モジュール2の向きが決められることが望ましい。例えば、図2の光源モジュールの上部、下部、左部、及び右部にバンドアが取り付けられる場合、それぞれのバンドアの面と直交する方向、具体的には図2の水平及び垂直方向には可能な限り、同じ色の発光素子が連続して配置されないことが望ましい。
【0027】
また、図2では、発光素子群4aを構成する第1発光素子群と、第2発光素子群と、第3発光素子群と、第4発光素子群と、第5発光素子群と、第6発光素子群と、第7発光素子群とは直列接続されている。同様に、発光素子群4bを構成する第1発光素子群と、第2発光素子群と、第3発光素子群と、第4発光素子群と、第5発光素子群と、第6発光素子群と、第7発光素子群とは直列接続されている。これに対し、発光素子群4aを構成する第1発光素子群と、第2発光素子群と、第3発光素子群と、第4発光素子群と、第5発光素子群と、第6発光素子群と、第7発光素子群とは並列接続されてもよい。同様に、発光素子群4bを構成する第1発光素子群と、第2発光素子群と、第3発光素子群と、第4発光素子群と、第5発光素子群と、第6発光素子群と、第7発光素子群とは並列接続されてもよい。
【0028】
また、図2では、発光素子群4aと発光素子群4bとで別々に電極が設けられている。これに対し、マイナス側電極は、発光素子群4aと発光素子群4bとで共用されてもよい。この場合、マイナス側電極は、1つだけ設けられればよい。
【0029】
さらに、実施形態においては、赤色、ライム色及び白色の発光素子の光束比の調整により、発光装置1は、種々の要求に応じた照明光を照射し得る。発光素子の光束比の調整は、例えば赤色、ライム色及び白色の発光素子の素子数比を変えたり、発光素子の種類を変えたりすることにより行われ得る。
【0030】
図3は、光源装置の要求条件として例えば色温度が3000K、色偏差duvが0、平均演色評価数Raが90以上、光束が10000lmという条件が与えられたときの、この要求条件を最も少ない数量の発光素子で満たす発光素子群4a及び発光素子群4bの各発光素子の構成例を示す図である。また、図4は、図3の発光素子の構成例で得られる、色温度、偏差、平均演色評価数及び光束の例を示す図である。
【0031】
ここで、図3及び図4では、第1素子41a及び第2素子41bは同じピーク波長の赤色の発光素子であり、第2素子42a及び第2素子42bは同じピーク波長のライム色の発光素子であるとされている。したがって、図3で示す赤色の発光素子数は、第1素子41a及び第2素子41bの発光素子数の合計値である。同様に、図3で示すライム色の発光素子数は、第2素子42a及び第2素子42bの発光素子数の合計値である。また、図3の光束は、それぞれの発光素子の光束である。一方、図4の光束は、発光装置1としての全光束である。
【0032】
さらに、図3において、色温度が5000Kの第3素子43bの平均演色評価数Raは50であり、色温度が5700Kの第3素子43bの平均演色評価数Raは80であり、色温度が6500Kの第3素子43bの平均演色評価数Raは50であるとされている。
【0033】
赤色の発光素子、ライム色の発光素子及び白色の発光素子の合計の素子数、すなわち第1素子41a、第2素子42a、第1素子41b、第2素子42b及び第3素子43bの合計の素子数は、図2と同様の88個である。したがって、以下で示す第1の構成例、第2の構成例及び第3の構成例は、それぞれ、図2において、図2との差分に相当する発光素子が置き換えられた構成に相当する。
【0034】
第1の構成例では、図3に示すように、赤色の発光素子が33個であり、ライム色の発光素子が34個であり、色温度が5000K及びRaが50の白色の発光素子が34個である。第1の構成例の場合、赤色の発光素子の光束は1980lmであり、ライム色の発光素子の光束は4725lmであり、白色の発光素子の光束は4950lmである。これらの光束を発光光束比で表すと、赤:ライム:白は約1:2.4:2.3である。
【0035】
第1の構成例では、図4に示すように、発光装置1の色温度は2986Kであり、色偏差duvは0.00081であり、平均演色評価数Raは95.5であり、赤色の特殊演色評価数R9は91.8であり、光束は10074lmである。すなわち、第1の構成例により、要求条件は満足される。なお、第1の構成例では、特殊演色評価数R9が91.8である。したがって、仮に要求条件に特殊演色評価数R9が90以上の条件が加えられたとしても、第1の構成例によって要求条件が満足されることになる。
【0036】
第2の構成例では、図3に示すように、赤色の発光素子が34個であり、ライム色の発光素子が22個であり、色温度が5700K及びRaが80の白色の発光素子が32個である。第2の構成例の場合、赤色の発光素子の光束は2040lmであり、ライム色の発光素子の光束は4950lmであり、白色の発光素子の光束は5400lmである。これらの光束を発光光束比で表すと、赤:ライム:白は約1:2.4:2.1である。
【0037】
第2の構成例では、図4に示すように、発光装置1の色温度は3014Kであり、色偏差duvは-0.00141であり、特殊演色評価数Raは95であり、特殊演色評価数R9は97.9であり、光束は10079である。すなわち、第2の構成例によっても、要求条件は満足される。なお、第2の構成例では、特殊演色評価数R9が97.9である。したがって、仮に要求条件にR9が90以上の条件が加えられたとしても、第2の構成例によって要求条件が満足されることになる。
【0038】
第3の構成例では、図3に示すように、赤色の発光素子が36個であり、ライム色の発光素子が24個であり、色温度が6500K及びRaが50の白色の発光素子が28個である。第3の構成例の場合、赤色の発光素子の光束は2160lmであり、ライム色の発光素子の光束は5400lmであり、白色の発光素子の光束は3780lmである。これらの光束を発光光束比で表すと、赤:ライム:白は約1:2.5:1.8である。
【0039】
第3の構成例では、発光装置1の色温度は3014Kであり、色偏差duvは-0.00142であり、平均演色評価数Raは95であり、特殊演色評価数R9は93.1であり、光束は10088である。すなわち、第3の構成例によっても、要求条件は満足される。なお、第3の構成例では、特殊演色評価数R9が97.9である。したがって、仮に要求条件にR9が90以上の条件が加えられたとしても、第3の構成例によって要求条件が満足されることになる。
【0040】
以上のように、同一の要求条件に対して種々の構成例が採用され得る。したがって、例えば、光源装置の要求条件として前述した色温度が3000K、色偏差duvが0、平均演色評価数Raが90以上、光束が10000lmという条件が与えられたときには、発光光束比で赤:ライム:白が約1:2.3-2.6:1.5-2.3となるように第1素子41a、第2素子42a、第1素子41b、第2素子42b及び第3素子43bが配置されればよい。
【0041】
なお、第1の構成例のように、白色の発光素子として色温度が5000K及び平均演色評価数Raが50の素子が選択された場合、色偏差の絶対値が他の構成例に比べて小さくなるというメリットがある。また、第2の構成例のように、白色の発光素子として色温度が5700K及び平均演色評価数Raが80の素子が選択された場合、特殊演色評価数Raが他の構成例に比べて大きくなるというメリットがある。さらに、第3の構成例のように、白色の発光素子として色温度が6500K及び平均演色評価数Raが50の素子が選択された場合、光束が大きくなる、すなわち効率が大きくなるというメリットがある。
【0042】
以上説明したように実施形態によれば、発光装置は、赤色、ライム色及び白色の3色の発光素子を有している。この3色の発光素子の光束比を調整するだけで、必要最低限の発光素子数量で、要求に合わせた特注色の波長変換部を必要とせずに種々の光色の発光装置が得られる。
【0043】
また、実施形態によれば、赤色、ライム色及び白色の3色の発光素子は、赤色の発光素子を多く含む低色温度側の発光素子群と白色の発光素子を多く含む高色温度側の発光素子群とに分けられている。そして、低色温度側の発光素子群と高色温度側の発光素子群とは、独立して制御され得る。これにより、発光装置1を含む照明器具は、電球照明と同様の光色で点灯及び消灯し得る。また、それぞれの発光素子群は、直列接続された発光素子を含む。この直列に接続された発光素子は、同じ電流値で発光させることができる。
【0044】
(変形例)
図2の例では、低色温度側の発光素子群と高色温度側の発光素子群とでは、発光素子の総数が同じである。一方で、低色温度側の発光素子群と高色温度側の発光素子群とでは、発光素子の総数は必ずしも同じである必要はない。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1 発光装置、2 光源モジュール、3a,3b 電源、4a,4b 発光素子群、5 制御部、21 基板、22a,22b プラス側電極、23a,23b マイナス側電極、41a,42a 第1素子、41b,42b 第2素子、43b 第3素子。
図1
図2
図3
図4