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特開2025-20643サーバ、システム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020643
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】サーバ、システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20250205BHJP
【FI】
G08G1/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124145
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 守哉
(72)【発明者】
【氏名】呉橋 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】坂川 祐太
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 弘一
(72)【発明者】
【氏名】榎本 光洋
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL15
(57)【要約】
【解決手段】システムは、移動体の外部のリスクエリアを特定するリスクエリア特定部と、前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う保持制御部と、前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部の制御によって既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する判断部と、を備え、前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致すると判断された場合に、前記既に保持されている前記2つの点の位置情報を、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報で更新するための制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の外部のリスクエリアを特定するリスクエリア特定部と、
前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う保持制御部と、
前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部の制御によって既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する判断部と、
を備え、
前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致すると判断された場合に、前記既に保持されている前記2つの点の位置情報を、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報で更新するための制御を行う
システム。
【請求項2】
移動体の外部のリスクエリアを特定するリスクエリア特定部と、
前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う保持制御部と、
前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部の制御によって既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する判断部と、
を備え、
前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行う
システム。
【請求項3】
前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行う
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、
前記保持制御部は、前記既に保持されている前記2つの点の位置情報に基づいて、前記第1のエリアを画定する第1の複数の点の位置情報を決定し、前記新たなリスクエリア情報が示すリスクエリアの2つの点の位置情報に基づいて、前記第2のエリアを画定する第2の複数の点の位置情報を決定し、
前記判断部は、前記第1の複数の点によって画定される前記第1のエリアと、前記第2の複数の点によって画定される前記第2のエリアとの重なり度合いに基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致するか否かを判断する
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記判断部は、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが重なる面積に基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致するか否かを判断する
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記判断部は、前記第1のエリア及び前記第2のエリアの少なくとも一方と、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが重なる部分エリアとの面積比に基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しているか否かを判断する
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記判断部は、前記第1のエリアの重心位置と前記第2のエリアの重心位置との間のずれ量に基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しているか否かを判断する
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記判断部は、前記第1のエリアを画定する複数の点と前記第2のエリアを画定する複数の点との間のずれ量に基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しているか否かを判断する
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記判断部は、前記第1のエリアを画定する複数の点と前記第2のエリアを画定する複数の点との間のずれ量の平均値、最大値及び最小値のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しているか否かを判断する
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記保持制御部によって保持された2つの点の位置情報を他の移動体に送信するための制御を行う送信制御部
をさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、前記移動体と前記移動体の外部のサーバとを含み、
前記サーバは、前記保持制御部を備え、
前記移動体は、前記リスクエリア特定部と、前記保持制御部によって保持された前記位置情報を前記サーバから受信する位置情報受信部と、前記判断部と、を有する
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、前記移動体と前記移動体の外部のサーバとを含み、
前記移動体は、前記リスクエリア特定部を備え、
前記サーバは、前記保持制御部と、前記移動体によって特定された前記移動体の外部のリスクエリアを示すリスクエリア情報を受信するための制御を行う受信制御部と、前記判断部と、を有する
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記サーバは、モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)サーバである
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記移動体は車両である
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
移動体の外部のリスクエリアを特定する段階と、
前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う段階と、
新たなリスクエリア情報を特定する段階と、
既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリア情報が示すリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する段階と、
前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致すると判断された場合に、前記既に保持されている前記2つの点の位置情報を、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報で更新するための制御を行う段階と
を備える方法。
【請求項16】
移動体の外部のリスクエリアを特定する段階と、
前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う段階と、
新たなリスクエリア情報を特定する段階と、
既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリア情報が示すリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する段階と、
前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行う段階と
を備える方法。
【請求項17】
プログラムであって、コンピュータを、
移動体の外部のリスクエリアを特定するリスクエリア特定部、
前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う保持制御部、及び
前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部の制御によって既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する判断部
として機能させ、
前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致すると判断された場合に、前記既に保持されている前記2つの点の位置情報を、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報で更新するための制御を行う
プログラム。
【請求項18】
プログラムであって、コンピュータを、
移動体の外部のリスクエリアを特定するリスクエリア特定部、
前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う保持制御部、及び
前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部の制御によって既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する判断部
として機能させ、
前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行う
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、MECサーバでリスクエリアを管理し、MECサーバがリスクエリアの情報を各車両に提供するシステムが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2021-140470号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、システムが提供される。システムは、移動体の外部のリスクエリアを特定するリスクエリア特定部を備える。システムは、前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う保持制御部を備える。システムは、前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部の制御によって既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する判断部を備える。前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致すると判断された場合に、前記既に保持されている前記2つの点の位置情報を、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報で更新するための制御を行う。
【0004】
本発明の第2の態様においては、システムが提供される。システムは、移動体の外部のリスクエリアを特定するリスクエリア特定部を備える。システムは、前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う保持制御部を備える。システムは、前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部の制御によって既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する判断部とを備える。前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行う。
【0005】
上記いずれかのシステムにおいて、前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行ってよい。
【0006】
上記いずれかのシステムにおいて、前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部は、前記既に保持されている前記2つの点の位置情報に基づいて、前記第1のエリアを画定する第1の複数の点の位置情報を決定し、前記新たなリスクエリア情報が示すリスクエリアの2つの点の位置情報に基づいて、前記第2のエリアを画定する第2の複数の点の位置情報を決定し、前記判断部は、前記第1の複数の点によって画定される前記第1のエリアと、前記第2の複数の点によって画定される前記第2のエリアとの重なり度合いに基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致するか否かを判断してよい。
【0007】
上記いずれかのシステムにおいて、前記判断部は、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが重なる面積に基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致するか否かを判断してよい。
【0008】
上記いずれかのシステムにおいて、前記判断部は、前記第1のエリア及び前記第2のエリアの少なくとも一方と、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが重なる部分エリアとの面積比に基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しているか否かを判断してよい。
【0009】
上記いずれかのシステムにおいて、前記判断部は、前記第1のエリアの重心位置と前記第2のエリアの重心位置との間のずれ量に基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しているか否かを判断してよい。
【0010】
上記いずれかのシステムにおいて、前記判断部は、前記第1のエリアを画定する複数の点と前記第2のエリアを画定する複数の点との間のずれ量に基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しているか否かを判断してよい。
【0011】
上記いずれかのシステムにおいて、前記判断部は、前記第1のエリアを画定する複数の点と前記第2のエリアを画定する複数の点との間のずれ量の平均値、最大値及び最小値のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しているか否かを判断してよい。
【0012】
上記いずれかのシステムにおいて、前記保持制御部によって保持された2つの点の位置情報を他の移動体に送信するための制御を行う送信制御部をさらに備えてよい。
【0013】
上記いずれかのシステムは、前記移動体と前記移動体の外部のサーバとを含んでよい。前記サーバは、前記保持制御部を備えてよい。前記移動体は、前記リスクエリア特定部と、前記保持制御部によって保持された前記位置情報を前記サーバから受信する位置情報受信部と、前記判断部と、を有してよい。
【0014】
上記いずれかのシステムは、前記移動体と前記移動体の外部のサーバとを含んでよい。前記移動体は、前記リスクエリア特定部を備えてよい。前記サーバは、前記保持制御部と、前記移動体によって特定された前記移動体の外部のリスクエリアを示すリスクエリア情報を受信するための制御を行う受信制御部と、前記判断部と、を有してよい。
【0015】
上記いずれかのシステムにおいて、前記サーバは、モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)サーバであってよい。
【0016】
上記いずれかのシステムにおいて、前記移動体は車両であってよい。
【0017】
本発明の第3の態様においては、方法が提供される。方法は、移動体の外部のリスクエリアを特定する段階を備える。方法は、前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う段階を備える。方法は、新たなリスクエリア情報を特定する段階を備える。方法は、既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリア情報が示すリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する段階を備える。方法は、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致すると判断された場合に、前記既に保持されている前記2つの点の位置情報を、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報で更新するための制御を行う段階を備える。
【0018】
本発明の第4の態様においては、方法が提供される。方法は、移動体の外部のリスクエリアを特定する段階を備える。方法は、前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う段階を備える。方法は、新たなリスクエリア情報を特定する段階を備える。方法は、既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリア情報が示すリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する段階を備える。方法は、前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行う段階を備える。
【0019】
本発明の第5の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、移動体の外部のリスクエリアを特定するリスクエリア特定部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う保持制御部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部の制御によって既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する判断部として機能させる。前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致すると判断された場合に、前記既に保持されている前記2つの点の位置情報を、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報で更新するための制御を行う。
【0020】
本発明の第6の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、移動体の外部のリスクエリアを特定するリスクエリア特定部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、前記リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う保持制御部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、前記リスクエリア特定部によって新たなリスクエリアが特定された場合に、前記保持制御部の制御によって既に保持されている前記2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する判断部として機能させる。前記保持制御部は、前記判断部により前記第1のエリアと前記第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、前記新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行う。
【0021】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】システム10の利用場面を模式的に示す。
図2】車両20bが備える情報処理装置24bがリスクエリア情報を送信する状況を示す。
図3】車両60が備える情報処理装置64がリスクエリアの位置情報を要求する状況を示す。
図4】情報処理装置64がリスクエリアに関する問い合わせを行う状況を示す。
図5】車両20a及び車両20bのシステム構成を示す。
図6】サーバ52のシステム構成を示す。
図7】車両20aにおけるリスクエリア特定部220aが特定するリスクエリアを概略的に示す。
図8】リスクエリア特定部220aが特定するリスクエリアの他の例を概略的に示す。
図9】第1のエリア810と第2のエリア820とが同じエリアを示すか否かを判断する処理を説明するための図である。
図10】第1のエリア810と第2のエリア820とが同じエリアを示すか否かを判断する他の処理を説明するための図である。
図11】第1のエリア810と第2のエリア820とが同じエリアを示すか否かを判断する他の処理を説明するための図である。
図12】車両20a、車両20b、及びサーバ52が実行する情報処理方法に関する処理の流れを概略的に示す。
図13】サーバ52、車両60、及び端末82が実行する情報処理方法に関する処理の流れを概略的に示す。
図14】コンピュータ2000の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
図1は、システム10の利用場面を模式的に示す。システム10は、車両20aと、車両20bと、車両60と、端末82と、基地局50と、サーバ52とを備える。
【0025】
車両20a、車両20b及び車両60は、道路70上を走行する車両である。車両20a、車両20b及び車両60は、移動体の一例である。車両20aは情報処理装置24a及びセンサ29aを備える。センサ29aは、カメラを含んで構成される。情報処理装置24aは、センサ29aが取得した情報を処理する機能と、車両60の外部のサーバ52との通信機能とを備える。センサ29bは、カメラを含んで構成される。情報処理装置24bは、センサ29bが取得した情報を処理する機能と、サーバ52との通信機能とを備える。車両20a及び車両20bは、例えば先進運転支援システム(ADAS)機能を備える車両である。車両20bは情報処理装置24b及びセンサ29bを備える。本実施形態において、車両20a及び車両20bを「車両20」と総称する場合がある。車両60は、情報処理装置64を備える。情報処理装置64はサーバ52との通信機能を備える。車両60は、例えばADAS機能を備えない車両である。
【0026】
端末82は、人物80が所持する端末である。端末82は、例えばスマートフォン等の携帯端末である。基地局50は、移動体通信の基地局である。サーバ52は基地局50に接続されたサーバである。サーバ52は、例えばモバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)サーバなどのエッジコンピューティングサーバを含んでよい。サーバ52は端末82の位置情報を継続的に管理する。なお、図1には1つのサーバ52が図示されているが、サーバ52は複数の基地局にそれぞれ1つずつ接続された複数のサーバによってサーバ52が構成されてよい。情報処理装置24aは、サーバ52を構成する複数のサーバのうち車両20aの近傍のサーバと通信してよく、情報処理装置24bは、サーバ52を構成する複数のサーバのうち車両20bの近傍のサーバと通信してよく、情報処理装置64は、サーバ52を構成する複数のサーバのうち車両60の近傍のサーバと通信してよい。
【0027】
図1において、車両20a、車両20b、及び車両60は、道路70に沿って走行している車両である。車両90は道路70上に駐車している車両である。車両20bは、車両20aの後方を、車両20aと同じ進行方向に走行している。車両60は、車両20bの後方を、車両20bと同じ進行方向に走行している。
【0028】
車両20aにとって、駐車中の車両90より車両20aの進行方向側のエリア110は、車両20aの位置からは視認しにくいエリアである。情報処理装置24aは、センサ29aで取得された進行方向の画像等の情報から、車両20aから見通せないエリア110を、リスクエリアとして特定する。
【0029】
例えば、情報処理装置24aは、センサ29aで取得された画像の認識情報に基づいて、車両90の位置を含む四角形のエリア110の4つの頂点111、頂点112、頂点113及び頂点114を決定する。頂点113は、画像の認識情報に基づいて決定した頂点111から距離L1だけ車両20aの進行方向に離れた点である。頂点114は、画像の認識情報に基づいて決定した頂点112から距離L1だけ車両20aの進行方向に離れた点である。L1は車両20aの車速に応じて決定された距離である。
【0030】
情報処理装置24aは、エリア110内に端末82が存在するか否かをサーバ52に問い合わせるために、4つの頂点111、頂点112、頂点113及び頂点114を含むリスクエリア情報をサーバ52に送信する。図1の例では、4つの頂点111、頂点112、頂点113及び頂点114で画定されるエリア110内に端末82が存在していないため、サーバ52は問い合わせ情報を破棄するか、端末82が存在しない旨の応答情報を車両20aに送信する。
【0031】
サーバ52は、情報処理装置24aから受信したリスクエリア情報に含まれる4つの頂点111、頂点112、頂点113及び頂点114のうち、車両20aに近い側に位置する頂点111及び頂点112の座標情報を記憶して、車両20aの後続の車両20b又は車両60を含む他の車両に提供する。
【0032】
図2は、車両20bが備える情報処理装置24bがリスクエリア情報を送信する状況を示す。車両20bは、車両20aと同様に、センサ29bによって車両90が認識された場合にリスクエリア110'を特定し、特定したリスクエリアの4つの頂点111'、頂点112'、頂点113'及び頂点114'を含むリスクエリア情報をサーバ52に送信する。サーバ52は、既に記憶済みの頂点111及び頂点112の座標情報と、車両20bから受信したリスクエリア情報に含まれる2つの頂点111'及び頂点112'の座標情報とに基づいて、車両20bが特定したリスクエリアが、過去に車両20aが特定したリスクエリアと同一のエリアであるか否かを判断する。サーバ52は、車両20bが特定したリスクエリアが、過去に車両20aが特定したリスクエリアと同一のエリアであると判断すると、車両20aが特定した頂点111及び頂点112の座標情報を、車両20bが特定した頂点111'及び頂点112'の座標情報で更新する。なお、車両20bが特定したリスクエリアが、過去に車両20aが特定したリスクエリアと同一のエリアではないと判断した場合に、車両20bが特定したリスクエリア110'の情報に基づいて、リスクエリア110'の車両20b側の2つの頂点の座標情報を追加する。
【0033】
一般に、車両20aと車両20bとの間にリスクエリアを認識する車両の装備性能の差がある場合や、車両20aの走行環境と車両20bの走行環境の違いなどによって、同一のリスクエリアを認識した場合でも、リスクエリアとして認識した座標情報に差異が生じる場合がある。本実施形態のシステム10によれば、車両20a及び車両20bから送信されたリスクエリアが同一であるか否かを適切に判定して、リスクエリアの座標情報を更新又は追加することができる。
【0034】
図3は、車両60が備える情報処理装置64がリスクエリアの位置情報を要求する状況を示す。情報処理装置64は、サーバ52と通信可能なエリアに存在しているときに、リスクエリア要求をサーバ52に送信する。サーバ52は、記憶しているエリア110の頂点111'及び頂点112'の座標情報を情報処理装置64に送信する。情報処理装置64は、サーバ52から受信した頂点111'及び頂点112'の座標情報を記憶する。
【0035】
図4は、情報処理装置64がリスクエリアに関する問い合わせを行う状況を示す。情報処理装置64は、車両20が頂点111'及び頂点112'の少なくとも一方の座標情報が示す位置までの距離が予め定められた距離未満になった場合に、頂点111'、頂点112'、頂点123及び頂点124で画定されるエリア120を、車両60にとってのリスクエリアとして設定する。例えば情報処理装置64は、頂点111'から車両60の車速に応じて決定された距離L2だけ車両60の進行方向に離れた点を頂点123とし、頂点112'から距離L2だけ車両60の進行方向に離れた点を頂点124として決定する。
【0036】
情報処理装置64は、リスクエリアとして設定したエリア120の頂点111'、頂点112'、頂点123及び頂点124の座標情報を含むリスクエリア情報をサーバ52に送信する。サーバ52は、リスクエリア情報に含まれる頂点で囲まれるエリア120内に、サーバ52が管理している端末82の位置情報が含まれる場合に、情報処理装置64及び端末82に警告情報を送信する。情報処理装置64は、サーバ52からの警告情報を受信すると、車両60の搭乗者に対する警告を出力する。例えば、情報処理装置64は、車両20が有するHMI(Human Machine Interface)機能を通じて、搭乗者に対する警告を出力する。これにより、情報処理装置64は、カメラ等のセンシング手段によって情報処理装置64自身がリスクエリアを認識する機能を有しなくても、無線通信機能によってサーバ52から受信したリスクエリアを用いて、警告を出力することができる。また、端末82は、サーバ52からの警告情報を受信すると、人物80に対する警告を出力する。例えば、端末82は、端末82が有するHMI機能を通じて、人物80に対する警告を出力する。
【0037】
図5は、車両20a及び車両20bのシステム構成を示す。ここでは、車両20a及び車両20bを「車両20」として総称して示す。車両20は、センサ29と、情報処理装置24と、通信装置48と、情報出力装置40とを備える。なお、図6以降の図において、車両20aが備える情報処理装置24aの構成要素の末尾に「a」を付し、車両20bが備える情報処理装置24bの構成要素の末尾に「b」を付して区別するものとする。
【0038】
センサ29は、レーダー21と、カメラ22と、GNSS受信部25と、車速センサ26とを備える。レーダー21は、LiDARやミリ波レーダー等であってよい。GNSS受信部25は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星から発信された電波を受信する。GNSS受信部25は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両20の現在位置を示す情報を生成する。カメラ22は、車両20に搭載される撮像装置の一例である。カメラ22は、車両20の周辺を撮像して画像情報を生成する。例えば、カメラ22は、車両20の進行方向の画像を撮像して画像情報を生成する。カメラ22は単眼カメラであってよい。カメラ22は複眼カメラであり、物体までの距離情報を取得できるカメラであってよい。カメラ22は、撮像機能によって取得した画像に基づいて物体の認識を行い、認識した物体の位置情報を出力する。車速センサ26は、車両20の車速を検出する。なお、センサ29は、オドメータ等の位置センサや、加速度センサや姿勢センサ等のIMU(慣性計測ユニット)を備えてよい。
【0039】
なお、車両20は、センサ29で検出された情報を用いて車両20の運転支援を行う運転支援制御装置を備えてよい。運転支援制御装置は、ADAS機能を提供するECUにより実現されてよい。
【0040】
通信装置48は、サーバ52との間の通信を担う。通信装置48は移動体通信によってサーバ52と通信してよい。通信装置48は、例えば車車間通信用の携帯基地局経由通信(Uu)インタフェースを通じて通信可能であってよい。
【0041】
情報出力装置40は、警報情報を出力する装置である。情報出力装置40は、HMI機能を有してよい。情報出力装置40は、ヘッドアップディスプレイやナビゲーションシステムを含んでよい。情報出力装置40は、車両20の乗員が所持する携帯端末であってもよい。情報出力装置40は、音声により警報情報を出力する音声出力装置を含んでよい。
【0042】
情報処理装置24は、制御部200と、記憶部280とを備える。制御部200は、例えばプロセッサを含む演算処理装置等の回路により実現される。記憶部280は、不揮発性の記憶媒体を備えて実現される。制御部200は、記憶部280に格納された情報を用いて処理を行う。制御部200は、CPU、ROM、RAM、I/O及びバス等を備えたマイクロコンピュータを備えるECU(Electronic Control Unit)によって実現されてよい。
【0043】
制御部200は、座標情報取得部210と、リスクエリア特定部220と、制御部208と、送信制御部250と、受信制御部260とを備える。なお、図5に示す機能ブロックのうちの一部の機能を制御部200が有しない形態を採用してよい。例えば、制御部200には一部の機能のみが実装され、他の機能はセンサ29等の他の回路の機能として実装される形態を採用してよい。
【0044】
リスクエリア特定部220は、車両20の外部のリスクエリアを特定する。送信制御部250は、リスクエリア特定部220が特定したリスクエリアを示すリスクエリア情報を、リスクエリアに関する情報を保持するサーバに送信するための制御を行う。リスクエリア特定部220は、複数の点で画定されるエリアをリスクエリアとして特定し、送信制御部250は、複数の点の座標情報をリスクエリア情報としてサーバ52に送信するための制御を行ってよい。リスクエリアを画定する複数の点は、リスクエリアとして特定されるエリアを画定する複数の頂点であってよい。リスクエリアを画定する複数の点は、リスクエリアとして特定される多角形のエリアを画定する複数の頂点であってよい。
【0045】
なお、リスクエリアは、車両20の移動にとってリスクとなる、車両20の外部のエリアであってよい。リスクエリアは、車両20の位置から車両20の外部の物体によって見通外となるエリアであってよい。見通外となるエリアは、例えば、車両20の位置から見た場合に、他の車両、建物、街路樹等の立体物によって遮蔽されることによってオクルージョンが生じたエリアの位置情報である。
【0046】
座標情報取得部210は、車両20に搭載されたカメラ22によって撮像された車両20の外部の画像から認識された物体の座標情報を取得する。リスクエリア特定部220は、カメラ22によって撮像された車両20の外部の画像から認識された物体の座標情報に基づいてリスクエリアを特定してよい。
【0047】
座標情報は、物体の位置を画定する複数の点のそれぞれの座標として、車両20の進行方向に沿う第1の方向における第1の相対座標と第1の方向と交差する第2の方向における第2の相対座標とを含んでよい。第2の方向は、第1の方向に直交する方向であってよい。上記複数の点の数は3つ以上であってよい。リスクエリア特定部220は、車両20の外部の画像から認識された物体の座標情報に基づいて、当該座標情報に含まれる3つ以上の点で画定されるエリアをリスクエリアとして特定してよい。
【0048】
制御部208は、車両20の運転支援又は車両20の乗員に対する警告の実行を制御してよい。例えば、情報出力装置40がヘッドアップディスプレイを備える場合、制御部208は、リスクエリアに歩行者が存在することを示す警報情報としてのマークを形成するための光を、車両20のヘッドアップディプレイに出力させてよい。また、制御部208は、歩行者が存在するリスクエリアの位置に対応する表示領域にマークを形成するための光を、ヘッドアップディプレイに出力させる。制御部208は、車両20のウインドシールドに設けられた反射部材に向けて、マークを形成するための光を投影してよい。なお、制御部208は、音声や文字によって警報情報を出力してもよい。また、制御部208は、車両20が備える運転支援制御装置を通じて車両20の走行を制御してよい。
【0049】
図6は、サーバ52のシステム構成を示す。サーバ52は、通信装置348と、制御部300と、記憶部380とを備える。
【0050】
制御部300は、通信装置348の制御を行う。通信装置348は、端末82及び情報処理装置24との間の通信を担う。制御部200は、例えばプロセッサを含む演算処理装置等の回路により実現される。記憶部380は、不揮発性の記憶媒体を備えて実現される。制御部300は、記憶部380に格納された情報を用いて処理を行う。制御部300は、CPU、ROM、RAM、I/O及びバス等を備えたマイクロコンピュータによって実現されてよい。
【0051】
制御部300は、保持制御部310と、存在判断部320と、判断部330と、送信制御部350と、受信制御部360とを備える。なお、図6に示す機能ブロックのうちの一部の機能を制御部300が有しない形態を採用してよい。
【0052】
受信制御部360は、車両20によって特定された車両20の外部のリスクエリアを示すリスクエリア情報を受信するための制御を行う。保持制御部310は、リスクエリアの2つの点の位置情報を保持するための制御を行う。例えば、保持制御部310は、リスクエリア情報が示すリスクエリアの2つの点の位置情報を記憶部380に記憶させる。リスクエリア情報は、リスクエリアを画定する複数の点を含んでよい。保持制御部310は、リスクエリア情報が示すリスクエリアの複数の点のうちの2つの点の位置情報を記憶部380に記憶させる。
【0053】
判断部330は、リスクエリア特定部220によって新たなリスクエリアが特定された場合に、保持制御部310の制御によって既に保持されている2つの点の位置情報から特定される第1のエリアと新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断する。保持制御部310は、判断部330により第1のエリアと第2のエリアとが一致すると判断された場合に、既に保持されている2つの点の位置情報を、新たなリスクエリアの2つの点の位置情報で更新するための制御を行う。
【0054】
保持制御部310は、判断部330により第1のエリアと第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行う。保持制御部310は、判断部330により第1のエリアと第2のエリアとが一致しないと判断された場合に、保持制御部310の制御によって保持された2つの点の位置情報を更新せずに、新たなリスクエリア情報が示すリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行ってよい。
【0055】
リスクエリア特定部220によって新たなリスクエリアが特定された場合に、保持制御部310は、既に保持されている2つの点の位置情報に基づいて、第1のエリアを画定する第1の複数の点の位置情報を決定し、新たなリスクエリア情報が示すリスクエリアの2つの点の位置情報に基づいて、第2のエリアを画定する第2の複数の点の位置情報を決定する。判断部330は、第1の複数の点によって画定される第1のエリアと、第2の複数の点によって画定される第2のエリアとの重なり度合いに基づいて、第1のエリアと第2のエリアとが一致するか否かを判断する。
【0056】
判断部330は、第1のエリアと第2のエリアとが重なる面積に基づいて、第1のエリアと第2のエリアとが一致するか否かを判断してよい。判断部330は、第1のエリア及び第2のエリアの少なくとも一方と、第1のエリアと第2のエリアとが重なる部分エリアとの面積比に基づいて、第1のエリアと第2のエリアとが一致しているか否かを判断してよい。判断部330は、第1のエリアの重心位置と第2のエリアの重心位置との間のずれ量に基づいて、第1のエリアと第2のエリアとが一致しているか否かを判断してよい。
【0057】
判断部330は、第1のエリアを画定する複数の点と第2のエリアを画定する複数の点との間のずれ量に基づいて、第1のエリアと第2のエリアとが一致しているか否かを判断してよい。例えば、判断部330は、第1のエリアを画定する複数の点と第2のエリアを画定する複数の点との間のずれ量の平均値、最大値及び最小値のうちの少なくとも1つに基づいて、第1のエリアと第2のエリアとが一致しているか否かを判断してよい。
【0058】
送信制御部350は、保持制御部310によって保持された2つの点の位置情報を他の車両20に送信するための制御を行う。
【0059】
なお、受信制御部360は、端末82を含む複数の端末の位置情報を定期的に受信するための制御を行う。サーバ52は、受信制御部360の制御によって受信した複数の端末の位置情報を記憶部380に記憶することによって、複数の端末のそれぞれの位置情報を管理する。
【0060】
受信制御部360は、リスクエリア情報を車両20又は車両60から受信する。リスクエリア情報は、車両20又は車両60から送信される情報であり、リスクエリア内にサーバ52が位置情報を管理している端末のいずれかが存在するか否かを問い合わせるための情報である。リスクエリア情報は、リスクエリアを画定する複数の頂点の全ての座標を含んでよい。存在判断部320は、サーバ52が管理している位置情報に基づいて、リスクエリア情報に含まれる複数の頂点から画定されるリスクエリア内に端末のいずれかが存在するか否かを判断する。送信制御部250は、リスクエリア内に端末のいずれかが存在すると判断された場合に、端末が存在する旨の応答情報を、リスクエリア情報の送信元の車両20又は車両60に送信するための制御を行う。
【0061】
図7は、車両20aにおけるリスクエリア特定部220aが特定するリスクエリアを概略的に示す。図7は、リスクエリアとして矩形のエリアを特定する例を示す。
【0062】
センサ29aは、センサ29aが認識した物体が存在する位置を示す座標情報を出力する。例えば、センサ29aは、例えば車両20aの進行方向をx軸プラス方向とし、車両20aが走行する路面に平行な面に平行かつx軸に直交する方向をy軸方向とする座標系において物体が存在する位置の座標情報を出力する。座標系の原点Oは、車両20aにおいて予め設定された位置に設定される。例えば、図7に示す例において、センサ29aは、位置601の座標、位置602の座標及び位置603の座標を含む座標情報を出力する。位置601は、センサ29aが物体を認識した最もy方向マイナス側の位置であり、位置602はセンサ29aが物体を認識した最もy軸プラス側の位置であり、位置603はセンサ29aが物体を認識した最もx方向マイナス側の位置である。つまり、位置603は、センサ29aが物体を認識した最も車両20側の位置である。
【0063】
リスクエリア特定部220aは、座標情報取得部210aが取得した座標情報に基づいて、リスクエリアとしてエリア110を特定する。エリア110は頂点111、頂点112、頂点114及び頂点113を結ぶことによって画定される矩形のエリアである。エリア110の車両20a側の一辺は、位置603を含みかつy軸に平行な辺である。エリア110の車両20a側の一辺は、頂点111及び頂点112で画定される。頂点111は、y軸マイナス方向において位置601と等しい又は位置601を予め定められた量だけ超えた位置に決定される。頂点112は、y軸プラス方向において位置602と等しい又は位置602を予め定められた量だけ超えた位置に決定される。図7の例では、頂点111はy軸マイナス方向において位置601を予め定められた量だけ超えた位置に決定され、頂点112はy軸プラス方向において位置602を予め定められた量だけ超えた位置に決定されている。頂点113は、頂点111からx軸プラス方向に距離L1だけ離れた位置に決定される。頂点114は、頂点112からx軸プラス方向に距離L1だけ離れた位置に決定される。L1は、車両20の車速に応じて決定される。L1は車両20の車速が高いほど長く決定される。
【0064】
図8は、リスクエリア特定部220aが特定するリスクエリアの他の例を概略的に示す。図8は、リスクエリアとして特定される矩形のエリアの他の例を示す。
【0065】
図8に示す例において、センサ29aは、位置701の座標、位置702の座標及び位置703の座標を含む座標情報を出力する。位置701は、センサ29aが物体を認識した最もy方向マイナス側の位置であり、位置702はセンサ29aが物体を認識した最もy軸プラス側の位置であり、位置703はセンサ29aが物体を認識した最もx方向マイナス側の位置である。位置703は、センサ29が物体を認識した最も車両20側の位置である。
【0066】
リスクエリア特定部220aは、座標情報取得部210aが取得した座標情報に基づいて、リスクエリアとしてエリア710を特定する。エリア710は頂点711、頂点712、頂点714及び頂点713を結ぶことによって画定される矩形のエリアである。エリア710の車両20a側の一辺は、位置703を含みかつy軸に平行な辺である。エリア710の車両20a側の一辺は、頂点711及び頂点712で画定される。頂点711は、y軸マイナス方向において少なくとも位置701と等しい又は位置701を予め定められた量だけ超えた位置に決定される。頂点711は、y軸プラス方向において少なくとも位置702と等しい又は位置702を予め定められた量だけ超えた位置に決定される。図8の例では、頂点711はy軸マイナス方向において位置701と同じ位置に決定され、頂点712はy軸プラス方向において位置702と同じ位置に決定されている。頂点713は、頂点711からx軸プラス方向に距離L1だけ離れた位置に決定される。頂点714は、頂点712からx軸プラス方向に距離L1だけ離れた位置に決定される。
【0067】
図7及び図8に示されるように、リスクエリア特定部220aは、センサ29aによって認識された車両90の位置を少なくとも含むエリアをリスクエリアとして特定する。図7及び図8には、リスクエリア特定部220aが矩形のエリアをリスクエリアとして特定する場合を例示した。しかし、リスクエリア特定部220aがリスクエリアとして設定するエリアは、平行四辺形等を含む四角形のエリアであってよい。リスクエリア特定部220がリスクエリアとして設定するエリアは、多角形のエリアであってよい。
【0068】
図9は、第1のエリア810と第2のエリア820とが同じエリアを示すか否かを判断する処理を説明するための図である。第1のエリア810は、頂点811、頂点812、頂点814、頂点813及び頂点811を順に結んで画定されるエリアである。第2のエリア820は、頂点821、頂点822、頂点824、頂点823及び頂点821を順に結んで画定されるエリアである。第1のエリア810の頂点811及び頂点812は、車両20aから送信されたリスクエリアに含まれる座標情報であり、第2のエリア820の頂点821及び頂点822は、車両20bから送信されたリスクエリアに含まれる座標情報であるとする。
【0069】
判断部330は、頂点813及び頂点814を決定する。保持制御部310は、頂点811の位置から道路70に沿う方向に予め設定された距離Lだけ離れた点を頂点813に設定する。判断部330は、頂点812の位置から道路70に沿う方向に予め設定された距離Lだけ離れた点を頂点814に設定する。これにより、第1のエリア810と第2のエリア820とが画定される。
【0070】
判断部330は、第1のエリア810の面積と、第1のエリア810と第2のエリア820とが重なるエリアの面積S3とを算出する。判断部330は、第1のエリア810の面積S1と、第1のエリア810と第2のエリア820とが重なるエリア830の面積S3との比に基づいて、第1のエリア810と第2のエリア830との重なり度合いを算出し、算出した重なり度合いに基づいて、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアであるか否かを判断する。例えば、判断部330は、面積S1に対する面積S3との比を算出し、面積S1に対する面積S3との比が予め定められた閾値以上の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアであると判断する。一方、判断部330は、面積S1に対する面積S3との比が予め定められた閾値未満の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアではないと判断する。
【0071】
なお、判断部330は、第2のエリア820の面積S2を算出し、第2のエリア820の面積S2と、エリア830の面積S3との比に基づいて、第1のエリア810と第2のエリア820との重なり度合いを算出し、算出した重なり度合いに基づいて、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアであるか否かを判断する。例えば、判断部330は、面積S2に対する面積S3との比を算出し、面積S2に対する面積S3との比が予め定められた閾値以上の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアであると判断する。一方、判断部330は、面積S2に対する面積S3との比が予め定められた閾値未満の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアではないと判断する。
【0072】
図10は、第1のエリア810と第2のエリア820とが同じエリアを示すか否かを判断する他の処理を説明するための図である。判断部330は、頂点813、頂点814、頂点823、及び頂点824を、図9に関連して説明した方法と同じ方法により設定する。
【0073】
判断部330は、第1のエリア810の頂点811、頂点812、頂点813及び頂点814の座標情報に基づいて重心位置815を算出し、第2のエリア820の頂点821、頂点822、頂点823及び頂点824の座標情報に基づいて重心位置825を算出する。判断部330は、第1のエリア810の重心位置815と第2のエリア820の重心位置825との間の位置のずれ量を算出する。判断部330は、算出した重心位置のずれ量が予め定められた閾値未満の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアであると判断する。一方、判断部330は、重心位置のずれ量が予め定められた閾値以上の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアではないと判断する。
【0074】
図11は、第1のエリア810と第2のエリア820とが同じエリアを示すか否かを判断する他の処理を説明するための図である。判断部330は、頂点813、頂点814、頂点823、及び頂点824を、図9に関連して説明した方法と同じ方法により設定する。
【0075】
判断部330は、第1のエリア810の頂点811と、第2のエリア820の頂点821との間のずれ量1001と、第1のエリア810の頂点812と、第2のエリア820の頂点822との間のずれ量1002と、第1のエリア810の頂点813と、第2のエリア820の頂点823との間のずれ量1003と、第1のエリア810の頂点814と、第2のエリア820の頂点824との間のずれ量1004とを算出する。判断部330は、ずれ量1001、ずれ量1002、ずれ量1003及びずれ量1004の平均値が予め定められた閾値未満の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアであると判断する。一方、判断部330は、ずれ量1001、ずれ量1002、ずれ量1003及びずれ量1004の平均値が予め定められた閾値以上の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアではないと判断する。
【0076】
なお、判断部330は、ずれ量1001、ずれ量1002、ずれ量1003及びずれ量1004のうちの最大値が予め定められた閾値以上の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアではないと判断してよい。判断部330は、ずれ量1001、ずれ量1002、ずれ量1003及びずれ量1004の最小値が予め定められた閾値未満の場合に、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアであると判断してよい。図11に関連して説明したように、判断部330は、第1のエリア810と第2のエリア820との間の1つ以上の対応点の位置のずれ量に基づいて、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアであるか否かを判断してよい。
【0077】
図9から図11に関連して、第1のエリア810と第2のエリア820とが同一のエリアであるかを判断する方法として、第1のエリア810及び第2のエリア820のそれぞれの4つの頂点を用いて第1のエリア810及び第2のエリア820の重なり度合いを算出することによって第1のエリア810及び第2のエリア820が同一のエリアを示すか否かを判断する方法の一例を説明した。なお、判断部330は、第1のエリア810及び第2のエリア820のそれぞれの4つの頂点を算出せずに、記憶部380に記憶されている2つの頂点811及び頂点812と、新たに受信したリスクエリア情報に含まれる2つの頂点821及び頂点822とに基づいて、第1のエリア810及び第2のエリア820が同一のエリアであるか否かを判断してもよい。判断部330は、頂点811及び頂点812の重心位置と、2つの頂点821及び頂点822との重心位置との間のずれ量に基づいて、第1のエリア810及び第2のエリア820とが同一のエリアであるか否かを判断してよい。判断部330は、頂点811と頂点821との間の位置のずれ量、及び、頂点812と頂点822との間の位置のずれ量の平均値、最大値、及び最小値の少なくともいずれかに基づいて、第1のエリア810及び第2のエリア820とが同一のエリアであるか否かを判断してよい。
【0078】
図12は、車両20a、車両20b、及びサーバ52が実行する情報処理方法に関する処理の流れを概略的に示す。S1202において、車両20aのリスクエリア特定部220aは、センサ29aによって認識される情報に基づいてリスクエリアを特定する。例えば、リスクエリア特定部220aは、座標情報取得部210aによって取得されたセンサ29aが出力する座標情報に基づいて、リスクエリア110を画定する4つの頂点を決定する。例えば、リスクエリア特定部220aは、図7及び図8等に関連して説明した方法で4つの頂点を決定することによって、リスクエリアを特定する。
【0079】
S1208において、送信制御部250aは、リスクエリア内に予め定められた対象が存在するか否かの問い合わせるリスクエリア情報をサーバ52へ送信させる。リスクエリア情報は、S1202で特定したリスクエリアを画定する4つの頂点の座標情報を含む。リスクエリア情報は、リスクエリアを画定する4つの頂点の緯度及び経度によって表される地理的な座標情報を含んでよい。リスクエリア情報には車両20aの現在位置または車両20aの進行方向を示す情報が含まれてよい。
【0080】
サーバ52が車両20aから送信されたリスクエリア情報を受信すると、S1210において、保持制御部310は、受信制御部360の制御によって受信したリスクエリア情報に基づいて、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点のうち予め定められた条件を満たす2つの頂点を選択する。例えば、保持制御部310は、4つの頂点のうち、車両20aに最も近い側の2つの頂点を選択する。具体的には、保持制御部310は、4つの頂点のうち、図7に示す頂点111及び頂点112を選択してよく、図8に示す頂点711及び頂点712を選択してよい。
【0081】
S1212において、保持制御部310は、S1210で選択した2つの頂点の座標情報をリスクエリアの頂点情報として登録する。例えば、保持制御部310は、S1210で選択した2つの頂点の座標情報をリスクエリアの頂点情報として記憶部380に記憶させる。
【0082】
また、S1214において、存在判断部320は、車両20aから受信したリスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在するか否かを判断する。例えば図1に示す状況では、存在判断部320は、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア110内に端末82が存在しないと判断する。この場合、送信制御部350はリスクエリア情報に対する応答情報を車両20aへ送信させなくてよい。なお、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在しない場合、送信制御部350は、リスクエリア内に対象が存在しない旨の応答情報を車両20aへ送信させてもよい。
【0083】
その後、S1222において、車両20bのリスクエリア特定部220bは、センサ29bによって認識される情報に基づいてリスクエリアを特定する。例えば、リスクエリア特定部220bは、座標情報取得部210bによって取得されたセンサ29bが出力する座標情報に基づいて、リスクエリア110'を画定する4つの頂点を決定する。リスクエリアの頂点を決定する方法は、図7及び図8等に関連して説明した方法と同じ方法を採用できる。
【0084】
S1228において、送信制御部250bは、リスクエリア内に予め定められた対象が存在するか否かの問い合わせるリスクエリア情報をサーバ52へ送信させる。リスクエリア情報は、S1222で特定したリスクエリアを画定する4つの頂点の座標情報を含む。リスクエリア情報は、リスクエリアを画定する4つの頂点の緯度及び経度によって表される地理的な座標情報を含んでよい。リスクエリア情報には車両20bの現在位置または車両20bの進行方向を示す情報が含まれてよい。
【0085】
サーバ52が車両20bから送信された新たなリスクエリア情報を受信すると、S1230において、判断部330は、受信制御部360の制御によって受信したリスクエリア情報に基づいて、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点のうち予め定められた条件を満たす2つの頂点を選択する。例えば、判断部330は、4つの頂点のうち、車両20bに最も近い側の2つの頂点を選択する。
【0086】
S1231において、判断部330は、既に記憶部380に記憶されている頂点情報のうち、S1230で選択した2つの頂点の位置に最も近い頂点情報を選択する。例えば、判断部330は、既に記憶部380に記憶されている頂点情報の2つの頂点を結ぶ線分と、S1230で選択した2つの頂点を結ぶ線分との間の距離が最も近い頂点情報を選択する。
【0087】
S1232において、判断部330は、S1231で選択した頂点情報の2つの頂点の座標情報に基づく第1のエリアと、S1230で選択した2つの頂点の座標情報に基づく第2のエリアとの重なり度合いを算出する。例えば、判断部330は、図9から図11に関連して説明した方法により、重なり度合いを算出してよい。保持制御部310は、S1233において、判断部330により算出された重なり度合いに応じて、S1230で選択した2つの頂点の頂点情報で既に記憶済みの頂点情報を更新する、又は、S1230で選択した2つの頂点の頂点情報を新たに追加する。
【0088】
S1234において、存在判断部320は、車両20bから受信したリスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在するか否かを判断する。例えば図2に示す状況では、存在判断部320は、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア120内に端末82が存在しないと判断する。この場合、送信制御部350はリスクエリア情報に対する応答情報を車両20bへ送信させなくてよい。なお、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在しない場合、送信制御部350は、リスクエリア内に対象が存在しない旨の応答情報を車両20bへ送信させてもよい。
【0089】
図13は、サーバ52、車両60、及び端末82が実行する情報処理方法に関する処理の流れを概略的に示す。図13の処理は、図12に続いて行われる処理である。
【0090】
S1322において、車両60の情報処理装置64は、リスクエリアの位置情報を要求するリスクエリア要求をサーバ52に送信する。当該リスクエリア要求には、車両60の位置及び車両60の進行方向を示す情報が含まれてよい。S1314において、送信制御部350は、リスクエリア要求に基づいて、記憶部380に記憶されているリスクエリアの頂点情報のうち、車両60の進行方向の先に存在するリスクエリアの頂点情報を車両60へ送信させる。
【0091】
S1324において、情報処理装置64は、車両60の現在位置とサーバ52から受信した頂点情報とに基づいて、車両60が頂点情報が示す位置に近づいたと判断した場合に、頂点情報が示す2つの頂点と車両60の車速とに基づいて、リスクエリアを設定する。例えば、情報処理装置64は、図4に関連して説明したように、2つの頂点111'及び頂点112'の座標と距離L2とに基づいて頂点123及び頂点124を決定して、頂点111'、頂点112'、頂点123及び頂点124で画定されるエリア120をリスクエリアとして設定する。S1325において、情報処理装置64は、S1324で設定したリスクエリアの4つの頂点を含むリスクエリア情報をサーバ52に送信する。
【0092】
サーバ52が車両60から送信されリスクエリア情報を受信すると、S1315において、存在判断部320は、車両60から受信したリスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア内に端末82が存在するか否かを判断する。例えば図4に示す状況では、存在判断部320は、リスクエリア情報に含まれる4つの頂点で画定されるエリア120内に端末82が存在すると判断する。この場合、S1318において、送信制御部350は、通信装置348を介して、問い合わせ情報に対する応答情報として、エリア内に端末82が存在する旨の警告情報を車両60へ送信させる。また、送信制御部350は、通信装置348を介して、車両が接近している旨の警告情報を端末82へ送信させる。
【0093】
情報処理装置64は、サーバ52から警告情報を受信すると、S1328において、情報出力装置40が有するHMI機能によって、車両60の搭乗者に対する警告を出力する。また、端末82は、サーバ52から警告情報を受信すると、S1338において、端末82のHMI機能によって人物80に対する警告を出力する。
【0094】
なお、情報処理装置24とサーバ52との間の通信はCellular-V2Xに準拠する通信方式で行われてよい。Cellular-V2Xとしては、LTE-V2X PC5や、5G-V2X PC5等の通信方式が含まれる。他の実施形態において、情報処理装置24とサーバ52との間の通信は、Wi-Fi(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)を用いる形態を採用してもよい。情報処理装置24とサーバ52との間の通信は、Cellular-V2XやDSRC(登録商標)等以外に、Bluetooth(登録商標)等の任意の通信方式を採用してもよい。情報処理装置24は、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)が備える通信インフラを用いて、サーバ52との間で通信をしてもよい。
【0095】
なお、車両20及び車両60は、輸送機器の一例であり得る。輸送機器は、乗用車やバス等の自動車、鞍乗型車両、自転車等を含み得る。また、上述した本実施形態では、システム10は、リスクエリア内に端末82が存在する場合に警告を行うためのシステムとして機能するが、端末82以外に、サーバ52が位置情報を管理可能な任意の通信装置が存在する場合に警告を行うためのシステムとして機能し得る。係る通信装置は、自動車に鞍乗型車両、自転車等の任意の移動体に備えられてよい。
【0096】
上述したシステム10の変形例として、サーバ52が備える判断部330の機能を、車両20が備える情報処理装置24が備える形態を採用してよい。例えば、サーバ52の送信制御部350は、通信装置348を制御することによって、保持制御部310により記憶部380に保持されているリスクエリアの2つの点の位置情報を、車両20へ送信させる。車両20の情報処理装置24において、通信装置48はサーバ52から送信された位置情報を受信し、通信装置48が受信した位置情報から特定される1つ以上のエリアのうち、リスクエリア特定部220が特定した新たなリスクエリアに最も近い第1のエリアと、当該新たなリスクエリアの2つの点の位置情報から特定される第2のエリアとが一致するか否かを判断してよい。
【0097】
情報処理装置24において第1のエリアと第2のエリアとが一致すると判断された場合、情報処理装置24の送信制御部250は、第1のエリアの2つの点の位置情報と、リスクエリア特定部220が特定した新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を含むリスクエリア更新情報を、サーバ52に送信してよい。サーバ52の通信装置348がリスクエリア更新情報を受信した場合、サーバ52の保持制御部310は、記憶部380に記憶されている位置情報のうち、リスクエリア更新情報に含まれる第1のエリアの2つの点の位置情報を、リスクエリア更新情報に含まれる新たなリスクエリアの2つの点の位置情報で更新するための制御を行ってよい。
【0098】
情報処理装置24において第1のエリアと第2のエリアとが一致しないと判断された場合、情報処理装置24の送信制御部250は、リスクエリア特定部220が特定した新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を含むリスクエリア追加情報を、サーバ52に送信させてよい。サーバ52の通信装置348がリスクエリア追加情報を受信した場合、サーバ52の保持制御部310は、リスクエリア追加情報に含まれる新たなリスクエリアの2つの点の位置情報を新たに保持するための制御を行ってよい。
【0099】
上述したように、車両20aと車両20bとの間にリスクエリアを認識する車両の装備性能の差がある場合や、車両20aの走行環境と車両20bの走行環境の違いなどによって、同一のリスクエリアを認識した場合でも、リスクエリアとして認識した座標情報に差異が生じるという事情がある。本実施形態は係る事情に鑑みて構築されたものであり、本実施形態の目的は、交通の安全性を向上させながら、交通の円滑性の低下を抑制することにある。具体的には、本実施形態のシステム10によれば、車両20a及び車両20bから送信されたリスクエリアが同一であるか否かを適切に判定して、リスクエリアの座標情報を更新又は追加することができるので、交通の安全性を向上させながら、交通の円滑性の低下を抑制することができる。
【0100】
図14は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000に、実施形態に係る情報処理装置24及びサーバ52等の装置又は当該装置の各部として、もしくは、実施形態に係るシステム10等のシステム又は当該システムの各部として機能させる、当該装置、当該装置の各部、当該システム又は当該システムの各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
【0101】
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
【0102】
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0103】
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
【0104】
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0105】
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0106】
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
【0107】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0108】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能である。コンピュータ可読媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
【0109】
コンピュータ2000を制御部200として機能させる場合、コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を制御部200として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、制御部200の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である制御部200の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御部200が構築される。
【0110】
コンピュータ2000を制御部300として機能させる場合、コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を制御部300として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、制御部300の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である制御部300の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御部300が構築される。
【0111】
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
【0112】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0113】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0114】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0115】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0116】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0117】
10 システム
20、60、90 車両
21 レーダー
22 カメラ
24 情報処理装置
25 GNSS受信部
26 車速センサ
29 センサ
40 情報出力装置
48 通信装置
50 基地局
52 サーバ
64 情報処理装置
70 道路
80 人物
82 端末
110、120 エリア
111、112、113、114、123、124 頂点
200 制御部
208 制御部
210 座標情報取得部
220 リスクエリア特定部
250 送信制御部
260 受信制御部
280 記憶部
300 制御部
310 保持制御部
320 存在判断部
330 判断部
348 通信装置
350 送信制御部
360 受信制御部
380 記憶部
601、602、603、701、702、703 位置
710 エリア
711、712、713、714 頂点
810 第1のエリア
820 第2のエリア
830 エリア
811、812、813、814 頂点
821、822、823、824 頂点
815、825 重心位置
1001、1002、1003、1004 ずれ量
2000 コンピュータ
2010 ホストコントローラ
2012 CPU
2014 RAM
2020 入力/出力コントローラ
2022 通信インタフェース
2024 フラッシュメモリ
2026 ROM
2040 入力/出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14