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特開2025-2067画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002067
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/40 20060101AFI20241226BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H04N1/40
H04N1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101985
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】和田 智晃
【テーマコード(参考)】
5C062
5C077
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB23
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC58
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF15
5C077LL16
5C077PP51
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性を向上させることが可能な画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を設定する設定部と、利用者から、複数の設定項目のうち、設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付ける受付部と、入力画像を取得する取得部と、利用者から指定された設定項目毎に、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部と、設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部と、を有する
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を設定する設定部と、
利用者から、前記複数の設定項目のうち、前記設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付ける受付部と、
前記入力画像を取得する取得部と、
利用者から指定された設定項目毎に、前記設定値が前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部と、
前記設定値が前記入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記複数の設定項目毎に、前記判定を実行するか否かの指定を受け付ける、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記設定部は、特定の設定項目について、利用者により指定された複数の設定値を設定し、
前記制御部は、前記判定を実行する設定項目として前記特定の設定項目が指定された場合、前記複数の設定値の何れも前記入力画像の特徴に適合しないと判定されたときに、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、所定数の設定項目毎の設定値をそれぞれ含む複数のセットを設定し、
前記制御部は、前記判定を実行する設定項目として前記複数のセットに含まれる前記所定数の設定項目が指定された場合、前記複数のセットの何れについても前記所定数の設定項目毎の設定値が前記入力画像の特徴に適合しないと判定されたときに、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、利用者から、画像の特徴の指定をさらに受け付け、
前記判定部は、前記入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かをさらに判定し、
前記制御部は、前記入力画像が利用者から指定された特徴を有さないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像の生成を停止させる、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記受付部は、利用者から、前記画像処理装置で予め規定されていない画像の特徴の指定を受け付ける、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像読取装置及び情報処理装置を有する画像処理システムであって、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を設定する設定部を有し、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、利用者から、前記複数の設定項目のうち、前記設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付ける受付部を有し、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、前記入力画像を取得する取得部を有し、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、利用者から指定された設定項目毎に、前記設定値が前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部を有し、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、前記設定値が前記入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部を有する、
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を設定し、
利用者から、前記複数の設定項目のうち、前記設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付け、
前記入力画像を取得し、
利用者から指定された設定項目毎に、前記設定値が前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、
前記設定値が前記入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータの制御プログラムであって、
撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を設定し、
利用者から、前記複数の設定項目のうち、前記設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付け、
前記入力画像を取得し、
利用者から指定された設定項目毎に、前記設定値が前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、
前記設定値が前記入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる、
ことを前記コンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の媒体を順次搬送しながら撮像して画像を生成するスキャナ等の画像処理装置が、様々な用途において、様々な種類の媒体を撮像するために利用されている。画像処理装置に求められる画像の品質は、その用途又は読取対象の媒体の種類等に応じて異なる。一般に、画像処理装置は、用途又は媒体の種類等に応じた適切な画像を生成するために、サイズ又は色のように、媒体の撮像処理又は画像処理に関する多様な項目を設定できるように設けられている。しかしながら、処理対象の媒体に、利用者が想定していない媒体が誤って混入されている場合、その媒体に適していない設定に従って画像が生成される可能性がある。
【0003】
原稿読取部で読み取らせる原稿の画像種別を入力するための画像種別入力手段と、原稿読取部で読み取った原稿の画像種別を判定する画像種別判定手段と、を含む原稿読取装置が開示されている(特許文献1を参照)。この原稿読取装置は、画像種別入力手段により入力された原稿の画像種別と、画像種別判定手段により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、その旨の報知を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-12700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像処理装置では、利用者の利便性を向上させることが求められている。
【0006】
本発明の目的は、利用者の利便性を向上させることが可能な画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る画像処理装置は、撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を設定する設定部と、利用者から、複数の設定項目のうち、設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付ける受付部と、入力画像を取得する取得部と、利用者から指定された設定項目毎に、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部と、設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部と、を有する。
【0008】
本発明の一側面に係る画像処理システムは、画像読取装置及び情報処理装置を有する画像処理システムであって、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を設定する設定部を有し、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、利用者から、複数の設定項目のうち、設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付ける受付部を有し、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、入力画像を取得する取得部を有し、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、利用者から指定された設定項目毎に、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部を有し、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部を有する。
【0009】
本発明の一側面に係る画像処理方法は、撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を設定し、利用者から、複数の設定項目のうち、設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付け、入力画像を取得し、利用者から指定された設定項目毎に、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる。
【0010】
本発明の一側面に係る制御プログラムは、コンピュータの制御プログラムであって、
撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を設定し、利用者から、複数の設定項目のうち、設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付け、入力画像を取得し、利用者から指定された設定項目毎に、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させることをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムは、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に従った画像処理システム1の概略構成を示す図である。
図2】画像読取装置100を示す斜視図である。
図3】画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図4】画像読取装置100の概略構成を示すブロック図である。
図5】設定情報テーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
図6】第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
図7】情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
図8】画像読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図9】画像読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図10】受付画面1000の一例を示す模式図である。
図11】他の受付画面1100の一例を示す模式図である。
図12】他の受付画面1200の一例を示す模式図である。
図13】通知データ1300の一例を示す模式図である。
図14】他の通知データ1400の一例を示す模式図である。
図15】他の第1処理回路340の概略構成を示すブロック図である。
図16】第2記憶装置410及び第2処理回路420の概略構成を示す図である。
図17】他の第2処理回路520の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一側面に係る画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、実施形態に従った画像処理システム1の概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、画像処理システム1は、一又は複数の画像読取装置100と、一又は複数の情報処理装置200とを有する。画像読取装置100及び情報処理装置200は、ネットワークNを介して、相互に通信接続されている。ネットワークNは、インターネット、イントラネット等である。画像読取装置100及び情報処理装置200は、画像処理装置の一例である。
【0016】
画像読取装置100は、例えば原稿である媒体を搬送しながら撮像するADF(Auto Document Feeder)タイプのスキャナ装置である。媒体は、用紙、薄紙、厚紙又はカード等である。媒体は、レシート、名刺、請求書、納品書等、様々な種類の媒体を含む。なお、画像読取装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
【0017】
情報処理装置200は、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等である。情報処理装置200は、クラウドネットワークに設けられたサーバでもよい。
【0018】
図2は、画像読取装置100を示す斜視図である。
【0019】
画像読取装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、第1入力装置105及び第1表示装置106等を備える。
【0020】
上側筐体102は、画像読取装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、画像読取装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0021】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出口から排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
【0022】
第1入力装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。第1表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0023】
図2において矢印A1は媒体搬送方向を示し、矢印A2は媒体搬送方向と直交する幅方向を示し、矢印A3は媒体搬送方向及び幅方向と直交する高さ方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0024】
図3は、画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0025】
画像読取装置100内部の搬送経路は、第1媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第2媒体センサ116、撮像装置117、第3搬送ローラ118、第4搬送ローラ119等を有している。各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。その場合、各ローラは、それぞれ幅方向A2に間隔を空けて並べて配置される。
【0026】
画像読取装置100は、いわゆるストレートパスを有する。下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド107aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド107bを形成する。
【0027】
第1媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。第1媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。なお、第1媒体センサ111は接触検出センサに限定されず、第1媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0028】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112に対向して配置される。
【0029】
第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115は、給送ローラ112及び分離ローラ113より下流側に、相互に対向して配置され、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像装置117に搬送する。
【0030】
第2媒体センサ116は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115より下流側且つ撮像装置117より上流側に配置され、その位置に搬送された媒体を検出する。第2媒体センサ116は、媒体搬送路に対して一方の側(例えば下側筐体101)に設けられた発光器及び受光器と、媒体搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置(例えば上側筐体102)に設けられた導光管とを含む。発光器は、LED(Light Emitting Diode)等であり、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射され、導光管により導かれた光を受光する。第2媒体センサ116と対向する位置に媒体が存在するときは、発光器から照射された光は媒体により遮られるため、受光器は発光器から照射された光を検出しない。受光器は、受光する光の強度に基づいて、第2媒体センサ116の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2媒体信号を生成して出力する。
【0031】
なお、導光管の代わりに、ミラー等の反射部材が使用されてもよい。また、発光器及び受光器は、媒体搬送路を挟んで対向して設けられてもよい。また、第2媒体センサ116は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサ等により、媒体の存在を検出してもよい。
【0032】
撮像装置117は、撮像部の一例である。撮像装置117は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115より下流側且つ第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119より上流側に配置される。撮像装置117は、第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bを含む。第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。
【0033】
第1撮像装置117aは、光源、及び、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置117aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置117aは、搬送部により順次搬送された媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0034】
同様に、第2撮像装置117bは、光源、及び、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置117bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置117bは、搬送部により順次搬送された媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0035】
画像読取装置100は、第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0036】
第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119は、撮像装置117より下流側に、相互に対向して配置され、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115によって搬送された媒体を排出台104上に排出する。
【0037】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図3の矢印A4の方向に回転することによって、下側ガイド107aと上側ガイド107bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体搬送時、図3の矢印A5の方向に回転又は停止する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0038】
媒体は、下側ガイド107aと上側ガイド107bによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115がそれぞれ図3の矢印A6及びA7の方向に回転することによって、第1撮像装置117aと第2撮像装置117bの間に送り込まれる。撮像装置117により読み取られた媒体は、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119がそれぞれ図3の矢印A8及びA9の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0039】
図4は、画像読取装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0040】
画像読取装置100は、前述した構成に加えて、モータ121、第1通信装置122、第1記憶装置130及び第1処理回路140等をさらに有する。
【0041】
モータ121は、一又は複数のモータを含む。モータ121は、第1処理回路140からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119を回転させて媒体の搬送動作を行う。なお、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115のうちの一方のローラは他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。また、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119のうちの一方のローラは、他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。
【0042】
第1通信装置122は、無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN(Local Area Network)等の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する。第1通信装置122は、情報処理装置200と通信可能であり、第1処理回路140からの指示に従って、情報処理装置200と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。なお、第1通信装置122は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有し、ネットワークを介して情報処理装置200と接続されてもよい。また、第1通信装置122は、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、USBケーブル等の有線ケーブルを介して情報処理装置200と接続されてもよい。
【0043】
第1記憶装置130は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第1記憶装置130には、画像読取装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶装置130にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。また、コンピュータプログラムは、サーバ等から配信されて第1記憶装置130にインストールされてもよい。
【0044】
また、第1記憶装置130には、データとして、設定情報テーブル等が予め記憶される。設定情報は、複数の設定項目毎に設定値を含む。なお、設定情報は、単一の設定項目についての設定値のみを含んでもよい。設定情報テーブルの詳細については後述する。
【0045】
第1処理回路140は、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第1処理回路140は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。第1処理回路140として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0046】
第1処理回路140は、第1入力装置105、第1表示装置106、第1媒体センサ111、第2媒体センサ116、撮像装置117、モータ121、第1通信装置122及び第1記憶装置130等と接続され、これらの各部を制御する。第1処理回路140は、第1入力装置105又は第1通信装置122を介して、複数の設定項目毎に利用者により指定された設定値に従って、モータ121の駆動制御、撮像装置117の撮像制御等を行い、入力画像を取得する。また、第1処理回路140は、利用者により指定された設定項目毎に、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、適合しないと判定した場合、利用者への通知、又は、画像生成処理の停止を実行する。
【0047】
図5は、設定情報テーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
【0048】
図5に示すように、設定情報テーブルには、設定情報で規定される、撮像処理又は画像処理に関する複数の設定項目毎に、各設定項目の設定可能な設定値が記憶される。設定情報は、画像読取装置100における撮像処理又は画像処理に関する情報であり、画像読取装置100が、媒体を撮像する際の動作又は撮像した画像に対して実行する画像処理の内容等を規定するための情報である。設定情報で規定される設定項目には、解像度、媒体サイズ、色等が含まれる。
【0049】
解像度、媒体サイズ、色等は、撮像処理に関する設定である。また、解像度、媒体サイズ、色等は、画像処理に関する設定である。
【0050】
解像度は、生成される画像の解像度の設定であり、解像度の設定値として、150dpi(Dots Per Inch)、200dpi、300dpi、600dpi、1200dpi等が設定される。画像読取装置100は、撮像処理において媒体の搬送速度、撮像装置117の撮像タイミング(時間間隔)、ラインセンサ内でどの位置に配置された撮像素子に撮像させるか等を設定することにより、設定された解像度を有する画像を生成することができる。また、画像読取装置100は、画像処理において、撮像処理で生成された画像の間引き又は補間を実行することにより、設定された解像度を有する画像を生成することができる。
【0051】
媒体サイズは、生成される画像に含まれる媒体のサイズの設定であり、媒体サイズの設定値として名刺サイズ、レターサイズ、A4サイズ、A3サイズ、自動等が設定される。自動が設定された場合、画像読取装置100は、第2媒体センサ116による媒体の検出結果、又は、撮像装置117により生成された入力画像に基づいて、入力画像に含まれる媒体のサイズを自動的に検出し、検出したサイズの媒体を含む画像を生成する。画像読取装置100は、撮像処理において撮像装置117の撮像終了タイミング、ラインセンサ内でどの位置に配置された撮像素子に撮像させるか等を設定することにより、指定された媒体サイズの媒体を含む画像を生成することができる。また、画像読取装置100は、画像処理において、撮像処理で生成された画像のクロッピングを実行することにより、設定された媒体サイズの媒体を含む画像を生成することができる。
【0052】
色は、生成される画像の色の設定であり、色の設定値として、二値、グレースケール、カラー、自動等が設定される。自動が設定された場合、画像読取装置100は、撮像装置117により生成された入力画像に基づいて、入力画像に含まれる媒体の色(二値であるかグレースケールであるかカラーであるか)を自動的に検出し、検出した色に従った画像を生成する。画像読取装置100は、撮像処理において撮像装置117の光源に照射させる光の色、A/D変換器で変換する階調範囲等を設定することにより、生成される画像の色を変更することができる。また、画像読取装置100は、画像処理において、撮像処理で生成されたカラー画像のグレースケール変換又は二値化等を実行することにより、生成される画像の色を変更することができる。
【0053】
図6は、第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
【0054】
図6に示すように、第1記憶装置130には、制御プログラム131、設定プログラム132、受付プログラム133、取得プログラム134及び判定プログラム135等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第1処理回路140は、第1記憶装置130に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部141、設定部142、受付部143、取得部144及び判定部145として機能する。
【0055】
図7は、情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0056】
情報処理装置200は、第2入力装置201と、第2表示装置202と、第2通信装置203と、第2記憶装置210と、第2処理回路220とを有する。
【0057】
第2入力装置201は、キーボード、マウス等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者の操作に応じた信号を第2処理回路220に出力する。
【0058】
第2表示装置202は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、第2処理回路220からの指示に従って、各種の情報をディスプレイに表示する。
【0059】
第2通信装置203は、無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の所定の通信プロトコルに従って無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する。第2通信装置203は、画像読取装置100と通信可能であり、第2処理回路220からの指示に従って、画像読取装置100と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。なお、第2通信装置203は、TCP/IP等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有し、ネットワークを介して画像読取装置100と接続されてもよい。また、第1通信装置122は、USB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、USBケーブル等の有線ケーブルを介して画像読取装置100と接続されてもよい。
【0060】
第2記憶装置210は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。第2記憶装置210には、情報処理装置200の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶装置210にインストールされてもよい。また、コンピュータプログラムは、サーバ等から配信されて第2記憶装置210にインストールされてもよい。
【0061】
第2処理回路220は、予め第2記憶装置210に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第2処理回路220は、例えばCPUである。なお、第2処理回路220として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0062】
第2処理回路220は、第2入力装置201、第2表示装置202、第2通信装置203及び第2記憶装置210等と接続され、これらの各部を制御する。第2処理回路220は、第2通信装置203を介した画像読取装置100とのデータ送受信制御、第2入力装置201の入力制御、第2表示装置202の表示制御等を行う。
【0063】
図8及び図9は、画像読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0064】
以下、図8及び図9に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置100の画像読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づき主に第1処理回路140により画像読取装置100の各要素と協働して実行される。
【0065】
最初に、制御部141は、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信するまで待機する(ステップS101)。操作信号には、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて、読み取りの指示とともに指定された設定情報が含まれる。また、操作信号には、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて、読み取りの指示とともに指定された、複数の設定項目のうち、設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目が含まれる。以下では、設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を画像判定と称する場合がある。
【0066】
図10は、利用者による設定情報の指定及び画像判定を実行する設定項目の指定を受け付けるための受付画面1000の一例を示す模式図である。
【0067】
図10に示すように、受付画面1000には、複数の設定オブジェクト1001、設定ボタン1002、終了ボタン1003等が含まれる。設定オブジェクト1001は、設定情報で規定される設定項目毎に表示される。各設定オブジェクト1001には、各設定項目の設定値を指定するための設定値指定ボタン1004、及び、各設定項目について画像判定を実行するか否かを指定するための設定項目指定ボタン1005が含まれる。利用者は、複数の設定項目毎に、設定値を指定しつつ、その設定値に対する画像判定を実行するか否かを指定できる。そのため、利用者は、処理対象の媒体と、誤って混入される可能性が高い媒体とで、適切な設定値が異なる可能性が高い設定項目について画像判定の実行を容易に指定できる。なお、受付画面1000において、設定項目毎に画像判定を実行するか否かを指定するためのボタンが表示されるのではなく、画像判定を実行する設定項目を指定するためのボックス等が表示されてもよい。
【0068】
設定ボタン1002は、各設定オブジェクト1001で指定された項目値、及び、画像判定を実行する設定項目を設定する(確定させる)ためのボタンである。終了ボタン1003は、受付画面1000の表示を終了させるためのボタンである。
【0069】
図11は、他の受付画面1100の一例を示す模式図である。
【0070】
図11に示すように、受付画面1100には、通知指定ボタン1101、一又は複数の条件設定オブジェクト1102、設定ボタン1103、終了ボタン1104等が含まれる。通知指定ボタン1101は、一又は複数の条件設定オブジェクト1102のうち、何れの条件設定オブジェクト1102で指定された条件も満たされない場合に利用者に通知するか否かを指定するためのボタンである。
【0071】
各条件設定オブジェクト1102は、撮像される媒体の特徴、即ち媒体が撮像された画像の特徴に適合する、一又は複数の設定項目毎の設定値の組合せを設定するためのオブジェクトである。各条件設定オブジェクト1102で指定される、媒体が撮像された画像の特徴に適合する組合せは、撮像される媒体に対して許容される設定項目毎の設定値の組合せの条件である。利用者は、例えば特定の設定項目について「自動」が設定されている場合等に、その設定項目について許容可能な項目値を指定することができる。画像読取装置100は、何れの条件設定オブジェクト1102で指定された条件も満たされない場合に利用者に警告を通知する。利用者は、A4サイズの帳票とA5サイズの帳票のみが含まれる媒体群又はA4サイズの帳票と写真のみが含まれる媒体群のように、複数の種類の媒体を含む媒体群をまとめて処理する場合に、その媒体群に他の種類の媒体が含まれていないことを確認できる。
【0072】
利用者は、各条件設定オブジェクト1102のうち、一つの条件設定オブジェクト1102のみを指定してもよい。即ち、利用者により指定される設定項目毎の設定値の組合せは、一つだけでもよい。また、利用者は、各条件設定オブジェクト1102において相互に異なる設定項目について、設定値を指定してもよい。即ち、利用者により許容可能な設定値が指定される設定項目の種類は、組合せ毎に異なっていてもよい。また、利用者は、各条件設定オブジェクト1102において単一の設定項目についてのみ、設定値を指定してもよい。即ち、利用者により許容可能な設定値が指定される設定項目は、一つだけでもよい。
【0073】
設定ボタン1103は、通知指定ボタン1101で指定された項目、及び、各条件設定オブジェクト1102で指定された組合せを設定する(確定させる)ためのボタンである。終了ボタン1104は、受付画面1100の表示を終了させるためのボタンである。
【0074】
また、操作信号には、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて、読み取りの指示とともに指定された、撮像される媒体の特徴、即ち媒体が撮像された画像の特徴がさらに含まれてもよい。
【0075】
図12は、利用者による画像の特徴の指定を受け付けるための受付画面1200の一例を示す模式図である。
【0076】
図12に示すように、受付画面1200には、通知指定ボタン1201、特徴設定オブジェクト1202、設定ボタン1203、終了ボタン1204等が含まれる。通知指定ボタン1201は、媒体が撮像された入力画像が、特徴設定オブジェクト1202で指定された特徴を有さない場合に利用者に通知するか否かを指定するためのボタンである。
【0077】
特徴設定オブジェクト1202には、撮像される媒体が有する特徴、即ち媒体が撮像された画像の特徴を指定するための特徴指定ボタン1205及び特徴指定ボックス1206等が含まれる。特徴指定ボタン1205は、画像読取装置100で予め規定された複数の特徴の中から、画像の特徴を選択するためのボタンである。画像の特徴は、例えば顔写真の有無、地模様の有無、破損の有無等である。特徴指定ボックス1206は、画像読取装置100で予め規定されていない画像の特徴を指定するためのボックスである。利用者は、予め定められたフォーマットを有するテキスト(例えば、媒体における顔写真、破損等の位置、媒体内の背景、文字の色等)又はその特徴を有する画像(又は画像が格納されたアドレスへのパス)等を特徴指定ボックス1206に入力する。また、利用者は、入力された画像に特定の特徴が含まれるか否かを判定するためのプログラムモジュール(又は画像が格納されたアドレスへのパス)を特徴指定ボックス1206に入力してもよい。プログラムモジュールは、画像が入力された場合に、その画像にその特定の特徴が含まれるか否かの判定結果を出力するように作成される。これにより、画像読取装置100は、媒体が撮像された画像の特徴の指定の自由度を高めることができる。
【0078】
設定ボタン1203は、通知指定ボタン1201で指定された項目、及び、特徴設定オブジェクト1202で指定された特徴を設定する(確定させる)ためのボタンである。終了ボタン1104は、受付画面1200の表示を終了させるためのボタンである。
【0079】
次に、設定部142は、操作信号に含まれる設定情報を取得し、取得した設定情報を第1記憶装置130に設定するとともに、取得した設定情報に応じた入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する(ステップS102)。
【0080】
設定部142は、例えば図10に示した各設定値指定ボタン1004を用いて、複数の設定項目毎に、利用者により指定された設定値を取得する。設定部142は、取得した設定項目毎の設定値に応じた入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。設定部142は、設定項目毎の各設定値に従った画像以上の品質を有する入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。例えば、設定部142は、解像度が、画像読取装置100がサポートする最大解像度であり、媒体サイズが、画像読取装置100がサポートする最大媒体サイズであり且つ色がカラーである入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。これにより、画像読取装置100は、後述する処理において、入力画像に基づいて、設定された設定情報が入力画像の特徴に適合するか否かを適切に判定しつつ、利用者により指定された設定情報に従った画像を生成することができる。
【0081】
また、設定部142は、図11に示した複数の条件設定オブジェクト1102を用いて、特定の設定項目について、利用者により指定された複数の設定値を取得し、画像読取装置100に設定してもよい。その場合、設定部142は、指定された複数の設定値のそれぞれに従った各画像以上の品質を有する入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。例えば、設定部142は、解像度が、画像読取装置100がサポートする最大解像度であり、媒体サイズが、画像読取装置100がサポートする最大媒体サイズであり且つ色がカラーである入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。これにより、画像読取装置100は、後述する処理において、入力画像から、利用者により指定された複数の設定値のうち、入力画像の特徴に応じた設定値に従った画像を生成することができる。
【0082】
また、設定部142は、図11に示した複数の条件設定オブジェクト1102を用いて、所定数の設定項目毎の設定値をそれぞれ含む複数のセットを取得し、画像読取装置100に設定してもよい。その場合も、設定部142は、指定された複数の設定値のそれぞれに従った各画像以上の品質を有する入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。
【0083】
また、設定情報は、読み取りの指示とともに指定されるのでなく、読み取りの指示が入力される前に利用者により指定され、第1記憶装置130に記憶されていてもよい。その場合、設定部142は、第1記憶装置130から設定情報を読み出すことにより取得する。また、制御部141は、搬送される媒体の媒体番号を1に設定(初期化)する。
【0084】
次に、受付部143は、操作信号に含まれる画像判定を実行する設定項目を取得し、第1記憶装置130に記憶する(ステップS103)。これにより、受付部143は、利用者から、複数の設定項目のうち、設定値が、媒体が撮像された入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付ける。
【0085】
受付部143は、例えば図10に示した各設定項目指定ボタン1005を用いて、複数の設定項目毎に、画像判定を実行するか否かの指定を受け付ける。この場合、利用者は、複数の設定項目毎に、指定した設定値に対する画像判定を実行するか否かを指定できるため、画像判定を実行すべき設定項目を適切に選択することができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0086】
また、受付部143は、図11に示した各条件設定オブジェクト1102を用いて、画像判定を実行する設定項目の指定を受け付けてもよい。この場合、利用者は、撮像対象の媒体群に複数種類の媒体が含まれ得る場合に、画像判定を実行すべき設定項目を適切に選択することができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0087】
なお、画像判定を実行する設定項目は、読み取りの指示とともに指定されるのでなく、読み取りの指示が入力される前に利用者により指定され、第1記憶装置130に記憶されていてもよい。その場合、設定部142は、第1記憶装置130から画像判定を実行する設定項目を読み出すことにより取得する。
【0088】
次に、受付部143は、操作信号に含まれる、利用者により指定された画像の特徴を取得し、第1記憶装置130に記憶する(ステップS104)。これにより、受付部143は、利用者から、画像の特徴の指定を受け付ける。
【0089】
受付部143は、例えば図12に示した各特徴指定ボタン1205を用いて、利用者から、画像読取装置100で予め規定された複数の特徴の中から選択された画像の特徴を受け付ける。また、受付部143は、図12に示した各特徴指定ボックス1206を用いて、利用者から、画像読取装置100で予め規定されていない複数の特徴の中から選択された画像の特徴を受け付けてもよい。特徴指定ボックス1206を用いることにより、画像読取装置100は、媒体が撮像された画像の特徴の指定の自由度を高めることができる。
【0090】
なお、利用者により指定された画像の特徴は、読み取りの指示とともに指定されるのでなく、読み取りの指示が入力される前に利用者により指定され、第1記憶装置130に記憶されていてもよい。その場合、設定部142は、第1記憶装置130から利用者により指定された画像の特徴を実行する設定項目を読み出すことにより取得する。
【0091】
次に、制御部141は、載置台103に媒体が載置されるまで待機する(ステップS105)。制御部141は、第1媒体センサ111から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する。
【0092】
次に、制御部141は、モータ121を駆動し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び/又は第4搬送ローラ119を回転させる(ステップS106)。これにより、制御部141は、載置台103に載置された媒体を給送及び搬送させる。制御部141は、ステップS102で取得された設定情報に従って入力画像が生成されるように、特に設定情報で指定された解像度の画像が生成可能な速度で回転するように、モータ121を制御する。
【0093】
次に、取得部144は、撮像装置117から、搬送される媒体が撮像された入力画像を取得し、媒体番号と関連付けて第1記憶装置130に記憶する(ステップS107)。
【0094】
取得部144は、例えば、第2媒体センサ116から受信する第2媒体信号に基づいて媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したか否かを判定する。取得部144は、第2媒体センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したと判定する。取得部144は、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過した時に、撮像装置117に撮像を開始させる。制御部141は、ステップS102で取得された設定情報に従って入力画像が生成されるように撮像装置117を制御する。
【0095】
その後、取得部144は、ステップS102で取得された設定情報に示される媒体サイズにマージンを加えた分だけ媒体が搬送された時に、撮像装置117に撮像を終了させる。なお、取得部144は、媒体の後端が撮像装置117の撮像位置を通過した時に、撮像装置117に撮像を終了させてもよい。例えば、取得部144は、第2媒体センサ116から受信する第2媒体信号に基づいて媒体の後端が第2媒体センサ116の位置を通過したか否かを判定する。取得部144は、第2媒体センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したと判定する。取得部144は、媒体の後端が第2媒体センサ116の位置を通過してから第1所定時間が経過した時に媒体の後端が撮像装置117の撮像位置を通過したと判定する。第1所定時間は、媒体が第2媒体センサ116の位置から撮像位置まで移動するのに要する時間に設定される。
【0096】
取得部144は、撮像装置117が所定ライン分の入力画像を生成するたびに撮像装置117から入力画像を取得し、撮像装置117に撮像を終了させた時に、入力画像を合成する。制御部141は、撮像装置117に撮像を終了させた時に、全ライン分の入力画像をまとめて取得してもよい。
【0097】
次に、判定部145は、利用者から指定された設定項目毎に、入力画像における各設定項目に対応する特徴情報を特定する(ステップS108)。
【0098】
特徴情報は、撮像処理又は画像処理に関する入力画像の特徴、特に入力画像に含まれる媒体の特徴を示す。特徴情報は、設定情報で規定される一又は複数の設定項目のそれぞれに関連する項目を含む。特徴情報で規定される項目には、写真の有無、サイズ、色成分等が含まれる。
【0099】
写真の有無は、入力画像に写真が含まれるか否かを示し、設定情報で規定される設定項目のうちの解像度又は色等に対応する。例えば、判定部145は、画像が入力された場合に、画像に写真が含まれるか否かを出力するように事前学習された識別器により、画像に写真が含まれるか否かを判定する。この識別器は、例えばディープラーニング等により、様々な写真を含む複数の画像を用いて事前学習され、予め第1記憶装置130に記憶される。判定部145は、入力画像を識別器に入力し、識別器から出力された情報に基づいて、入力画像に写真が含まれるか否かを判定する。
【0100】
判定部145は、入力画像の空間周波数に基づいて、入力画像に写真が含まれるか否かを推定してもよい。その場合、判定部145は、入力画像内に対してフーリエ変換等の周波数変換を実行し、入力画像における空間周波数の分布を特定する。判定部145は、入力画像における空間周波数の最大値が、予め定められた周波数閾値以上である場合、入力画像に写真が含まれると判定し、入力画像における空間周波数の最大値が周波数閾値未満である場合、入力画像に写真が含まれないと判定する。また、判定部145は、入力画像内の各画素の階調値(輝度値又は色値等)の分布に基づいて、入力画像に写真が含まれるか否かを推定してもよい。その場合、判定部145は、入力画像内の各画素の階調値の分散値を算出する。判定部145は、算出した分散値が、予め定められた分散閾値以上である場合、入力画像に写真が含まれると判定し、分散値が分散閾値未満である場合、入力画像に写真が含まれないと判定する。
【0101】
サイズは、入力画像に含まれる媒体のサイズを示し、設定情報で規定される設定項目のうちの媒体サイズ等に対応する。例えば、判定部145は、入力画像内で、隣接する画素との階調値(輝度値又は色値等)の差が予め定められた階調閾値以上であるエッジ画素を抽出し、相互に隣接するエッジ画素で囲まれた領域のうちの最大領域を媒体領域として検出する。判定部145は、検出した媒体領域の画素数と、入力画像を生成する際に設定されていた解像度とから、入力画像に含まれる媒体のサイズを特定する。
【0102】
色成分は、入力画像に含まれる色の成分(カラー又は白黒)を示し、設定情報で規定される設定項目のうちの色等に対応する。例えば、判定部145は、入力画像内の各画素の色値(R値、G値、B値等)の分布に基づいて、入力画像に含まれる色の成分がカラーであるか白黒であるかを判定する。判定部145は、入力画像内の各画素の色値の分散値を算出する。判定部145は、算出した分散値の平均値が、予め定められた分散閾値以上である場合、入力画像に含まれる色の成分がカラーであると判定し、分散値が分散閾値未満である場合、入力画像に含まれる色の成分が白黒であると判定する。
【0103】
次に、判定部145は、利用者から指定された設定項目毎に、利用者により指定された設定値が、入力画像の特徴、即ち入力画像における各設定項目に対応する特徴情報に適合するか否かを判定する(ステップS109)。
【0104】
解像度について、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれることが特定されている場合、設定値が解像度閾値以上であるときは設定値が特徴情報に適合すると判定し、設定値が解像度閾値未満であるときは設定値が特徴情報に適合しないと判定する。解像度閾値は、写真が含まれる画像を良好に表示可能な解像度と写真が含まれる画像を良好に表示できない解像度との間の値(例えば200dpi等)に設定される。解像度閾値は、任意の値(例えば300dpi)に設定されてもよい。一方、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれないことが特定されている場合、設定値が解像度閾値未満であるときは設定値が特徴情報に適合すると判定し、設定値が解像度閾値以上であるときは設定値が特徴情報に適合しないと判定する。
【0105】
媒体サイズについて、判定部145は、特徴情報として特定されたサイズと、設定値との差がサイズ閾値以下であるときは設定値が特徴情報に適合すると判定し、その差がサイズ閾値より大きいときは設定値が特徴情報に適合しないと判定する。サイズ閾値は、予め任意の値(例えばA3サイズとA4サイズの差)に設定される。なお、サイズ閾値は0に設定されてもよい。即ち、判定部145は、特徴情報として特定されたサイズと設定値とが一致するときは設定値が特徴情報に適合すると判定し、特徴情報として特定されたサイズと設定値とが一致しないときは設定値が特徴情報に適合しないと判定してもよい。
【0106】
色について、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれることが特定されている場合、設定値がカラーであるときは設定値が特徴情報に適合すると判定し、設定値がグレースケール又は二値であるときは設定値が特徴情報に適合しないと判定する。一方、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれないことが特定されている場合、設定値がグレースケール又は二値であるときは設定値が特徴情報に適合すると判定し、設定値がカラーであるときは設定値が特徴情報に適合しないと判定する。
【0107】
また、色について、判定部145は、特徴情報として色成分がカラーであることが特定されている場合、設定値がカラーであるときは設定値が特徴情報に適合すると判定し、設定値がグレースケール又は二値であるときは設定値が特徴情報に適合しないと判定する。一方、判定部145は、特徴情報として色成分が白黒であることが特定されている場合、設定値がグレースケール又は二値であるときは設定値が特徴情報に適合すると判定し、設定値がカラーであるときは設定値が特徴情報に適合しないと判定する。
【0108】
判定部145は、利用者から指定された設定項目のうちの何れか一つの設定項目において設定値が特徴情報に適合しないと判定した場合、利用者により指定された設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定する。一方、判定部145は、利用者から指定された設定項目のうちの全ての設定項目において設定値が特徴情報に適合すると判定した場合、利用者により指定された設定値が入力画像の特徴に適合すると判定する。
【0109】
画像判定を実行する設定項目として、複数の設定値が設定された設定項目が指定されている場合、判定部145は、その設定項目について、複数の設定値の何れも入力画像の特徴に適合しないと判定したときに、設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定する。一方、その場合、判定部145は、その設定項目について、複数の設定値の何れかが入力画像の特徴に適合すると判定したときは、設定値が入力画像の特徴に適合すると判定する。
【0110】
画像判定を実行する設定項目として、所定数の設定項目毎の設定値をそれぞれ含む複数のセットが設定されている場合、判定部145は、複数のセットの何れについても所定数の設定項目毎の設定値の何れかが入力画像の特徴に適合しないと判定したときに、設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定する。一方、その場合、判定部145は、複数のセットの何れかについて所定数の設定項目毎の設定値の全てが入力画像の特徴に適合すると判定したときは、設定値が入力画像の特徴に適合すると判定する。
【0111】
なお、判定部145は、設定値が「自動」である場合も、特徴情報が所定の条件を満たす場合(例えば、サイズが名刺サイズである場合、色成分が二値である場合等)に、設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定してもよい。
【0112】
設定情報が入力画像の特徴に適合すると判定された場合、判定部145は、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かをさらに判定する(ステップS110)。
【0113】
指定された画像の特徴が、顔写真、地模様、破損等の対象物の有無、又は、媒体における対象物の位置である場合、判定部145は、例えば識別器により、画像にその対象物が含まれるか否かを判定するとともに、その対象物の位置を特定する。この識別器は、画像が入力された場合に、画像にその対象物が含まれるか否かと、媒体内の対象物の位置とを出力するように事前学習される。この識別器は、例えばディープラーニング等により、様々な位置に様々な対象物が含まれる複数の画像を用いて事前学習され、予め第1記憶装置130に記憶される。判定部145は、入力画像を識別器に入力し、識別器から出力された情報に基づいて、入力画像にその対象物が含まれるか否かを判定するとともに、媒体内のその対象物の位置を特定する。判定部145は、入力画像にその対象物が含まれるか否かの判定結果、又は、その対象物の位置が、利用者から指定された特徴と一致するか否かにより、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かを判定する。
【0114】
指定された画像の特徴が、媒体内の背景の色である場合、判定部145は、例えば、特徴情報を特定する場合と同様にして、媒体領域を検出する。判定部145は、媒体領域内の各画素の色値(R値、G値、B値等)が予め定められた複数の色範囲(白色範囲、黒色範囲、赤色範囲、緑色範囲及び青色範囲)のうちの何れに属するかを判定する。判定部145は、色値が属する画素の数が最も多い色範囲に対応する色を、媒体内の背景の色として特定する。判定部145は、特定した色が、利用者から指定された色と一致するか否かにより、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かを判定する。
【0115】
指定された画像の特徴が、媒体内の文字の色である場合、判定部145は、例えば、特徴情報を特定する場合と同様にして、媒体領域を検出する。判定部145は、媒体領域に対してOCR(Optical Character Recognition)処理を実行し、入力画像内で文字が検出された文字領域を特定する。判定部145は、文字領域内の各画素の色値(R値、G値、B値等)が予め定められた複数の色範囲(白色範囲、黒色範囲、赤色範囲、緑色範囲及び青色範囲)のうちの何れに属するかを判定する。判定部145は、背景の色として特定した色範囲を除いて、色値が属する画素の数が最も多い色範囲に対応する色を、媒体内の文字の色として特定する。判定部145は、特定した色が、利用者から指定された色と一致するか否かにより、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かを判定する。
【0116】
また、図12に示した特徴指定ボックス1206において、媒体が撮像された画像の特徴を有する画像が指定された場合、判定部145は、指定された画像と入力画像の類似度合いに基づいて、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かを判定する。類似度合いは、例えば正規化相互相関値等である。判定部145は、指定された画像と入力画像の類似度合いを算出し、算出した類似度合いが、予め定められた類似度合い閾値以上であるか否かにより、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かを判定する。
【0117】
また、特徴指定ボックス1206においてプログラムモジュールが指定された場合、判定部145は、そのプログラムモジュールを用いて、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かを判定する。判定部145は、そのプログラムモジュールに入力画像を入力し、そのプログラムモジュールから出力された判定結果に基づいて、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かを判定する。
【0118】
入力画像が、利用者から指定された特徴を有すると判定した場合、判定部145は、ステップS119へ処理を移行する。
【0119】
一方、ステップS109で設定情報が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、又は、ステップS110で入力画像が利用者から指定された特徴を有さないと判定された場合、制御部141は、モータ121を停止させる。これにより、制御部141は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び/又は第4搬送ローラ119を停止させ、以降の媒体の搬送を一旦停止させる(ステップS111)。
【0120】
このように、制御部141は、利用者により指定された設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、入力画像を生成した画像読取装置100による画像生成処理を停止させる。画像読取装置100は、設定値が、撮像された媒体に適合しない場合、以降の媒体の搬送及び撮像を一旦停止させるため、利用者は、その時点でその媒体を抜き出しておく等の対処を行うことができる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0121】
また、制御部141は、画像判定を実行する設定項目として利用者により複数の設定値が設定された設定項目が指定された場合、複数の設定値の何れも入力画像の特徴に適合しないと判定されたときに、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる。これにより、利用者は、複数の種類の媒体を含む媒体群に、想定していない媒体が含まれている場合等に、その時点でその媒体を抜き出しておく等の対処を行うことができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0122】
また、制御部141は、画像判定を実行する設定項目として、所定数の設定項目毎の設定値をそれぞれ含む複数のセットに含まれる所定数の設定項目が指定された場合、複数のセットの何れについても所定数の設定項目毎の設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定されたときに、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる。これにより、利用者は、複数の種類の媒体を含む媒体群に、想定していない媒体が含まれている場合等に、その時点でその媒体を抜き出しておく等の対処を行うことができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0123】
また、制御部141は、入力画像が利用者から指定された特徴を有さないと判定された場合、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる。これにより、利用者は、処理対象の媒体に、想定していない媒体が含まれていた場合等に、その時点でその媒体を抜き出しておく等の対処を行うことができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0124】
次に、制御部141は、入力画像の特徴に適合しないと判定された設定項目毎に、入力画像の特徴に適合する設定値を特定し、媒体番号と関連付けて第1記憶装置130に記憶する(ステップS112)。制御部141は、ステップS108において、利用者により指定された設定値が、入力画像の特徴、即ち入力画像における各設定項目に対応する特徴情報に適合しないと判定された設定項目毎に、その特徴情報に適合する設定値を特定する。
【0125】
解像度について設定値が特徴情報に適合しないと判定されている場合、制御部141は、特徴情報として入力画像に写真が含まれることが特定されているときは、解像度閾値以上である設定値のうち最小の設定値を特徴情報に適合する設定値として特定する。その場合、制御部141は、最大の設定値を特徴情報に適合する設定値として特定してもよい。一方、制御部141は、特徴情報として入力画像に写真が含まれないことが特定されているときは、解像度閾値未満である設定値のうち最大の設定値を特徴情報に適合する設定値として特定する。その場合、制御部141は、最小の設定値を特徴情報に適合する設定値として特定してもよい。
【0126】
媒体サイズについて設定値が特徴情報に適合しないと判定されている場合、制御部141は、特徴情報として特定されたサイズを、特徴情報に適合する設定値として特定する。
【0127】
色について設定値が特徴情報に適合しないと判定されている場合、制御部141は、特徴情報として入力画像に写真が含まれることが特定されているときは、カラーを、特徴情報に適合する設定値として特定する。一方、制御部141は、特徴情報として入力画像に写真が含まれないことが特定されているときは、グレースケール又は二値を、特徴情報に適合する設定値として特定する。または、制御部141は、特徴情報として色成分がカラーであることが特定されているときは、カラーを、特徴情報に適合する設定値として特定してもよい。その場合、制御部141は、特徴情報として色成分が白黒であることが特定されているときは、グレースケール又は二値を、特徴情報に適合する設定値として特定する。
【0128】
このように、制御部141は、設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、入力画像の特徴に適合する設定情報を特定する。
【0129】
次に、制御部141は、入力画像の特徴に適合する設定値として特定した設定値が画像読取装置100によりサポートされているか否かを判定する(ステップS113)。特定した設定値が画像読取装置100によりサポートされている場合、制御部141は、特に処理を実行せずにステップS115へ処理を移行させる。
【0130】
一方、特定した設定値が画像読取装置100によりサポートされていない場合、制御部141は、特定した設定値をサポートする他の画像読取装置又は他のソフトウェアを特定する(ステップS114)。他の画像読取装置は、画像処理システム1が有する、画像読取装置100以外の画像読取装置であり、他のソフトウェアは、画像処理システム1が有する、画像読取装置100にインストールされたソフトウェア以外のソフトウェアである。ソフトウェアは、画像読取装置100に各処理を実行させるドライバソフトウェア等である。
【0131】
次に、制御部141は、利用者から指定された設定値が入力画像の特徴に適合しないこと、又は、入力画像が、利用者から指定された特徴を有さないことを利用者に通知するための通知データを生成する。制御部141は、生成した通知データを、第1表示装置106に表示し、又は、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力し、利用者に通知する(ステップS115)。情報処理装置200は、第2通信装置203を介して画像読取装置100から通知データを受信した場合、受信した通知データを第2表示装置202に表示させる。通知データは、判定部145による判定結果に関する情報の一例である。
【0132】
このように、制御部141は、利用者により指定された設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する。画像読取装置100は、設定値が、撮像された媒体に適合しない場合、その旨を利用者に通知するため、利用者は、その媒体を適切な設定で再搬送及び再撮像させることができる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0133】
また、制御部141は、画像判定を実行する設定項目として利用者により複数の設定値が設定された設定項目が指定された場合、複数の設定値の何れも入力画像の特徴に適合しないと判定されたときに、利用者に判定結果に関する情報を通知する。これにより、利用者は、複数の種類の媒体を含む媒体群に、想定していない媒体が含まれていた場合等に、その媒体を適切な設定で再搬送及び再撮像させることができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0134】
また、制御部141は、画像判定を実行する設定項目として、所定数の設定項目毎の設定値をそれぞれ含む複数のセットに含まれる所定数の設定項目が指定された場合、複数のセットの何れについても所定数の設定項目毎の設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定されたときに、利用者に判定結果に関する情報を通知する。これにより、利用者は、複数の種類の媒体を含む媒体群に、想定していない媒体が含まれていた場合等に、その媒体を適切な設定で再搬送及び再撮像させることができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0135】
また、制御部141は、入力画像が利用者から指定された特徴を有さないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知する。これにより、利用者は、処理対象の媒体に、想定していない媒体が含まれていた場合等に、その媒体を適切な設定で再搬送及び再撮像させることができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0136】
図13は、利用者により指定された設定値が入力画像の特徴に適合しないと判定された場合に出力される通知データ1300の一例を示す模式図である。
【0137】
図13に示すように、通知データ1300には、概要情報1301、詳細情報1302、入力画像1303、削除ボタン1304、再開ボタン1305及び終了ボタン1306等が含まれる。概要情報1301は、判定部145による判定結果、即ち利用者により指定された設定値が入力画像の特徴に適合しない旨を示す。詳細情報1302は、入力画像の特徴に適合しないと判定された設定項目と設定値の組合せ、及び、入力画像の特徴に適合する推奨設定をサポートする推奨装置又は推奨ソフトウェア等を示す。推奨設定は、ステップS112で特定された、入力画像の特徴に適合する設定値である。推奨装置又は推奨ソフトウェアは、ステップS114で特定された、入力画像の特徴に適合する設定値をサポートする画像読取装置又はソフトウェアである。
【0138】
このように、制御部141は、入力画像の特徴に適合しないと判定された設定項目について、入力画像の特徴に適合する設定値を利用者に通知する。これにより、利用者は、その入力画像に含まれる媒体に対する適切な設定を認識でき、その設定に従って媒体を再搬送及び再撮像することができる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0139】
また、制御部141は、入力画像の特徴に適合する設定をサポートする他の画像読取装置又は他のソフトウェアに関する情報を通知する。これにより、利用者は、入力画像に含まれる媒体に適した画像を生成できる画像読取装置又はソフトウェアを認識でき、その画像読取装置又はソフトウェアを用いて所望の画像を取得できる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0140】
入力画像1303は、利用者により指定された設定値が適合しないと判定された入力画像である。利用者は、入力画像1303を閲覧することにより、指定した設定値の妥当性を確認できる。削除ボタン1304は、入力画像1303に対応する画像を削除することを指定するためのボタンである。利用者は、削除ボタン1304を用いて入力画像1303及び/又は入力画像1303に基づいて生成される処理画像を削除することができる。再開ボタン1305は、媒体の搬送を再開させるためのボタンである。利用者は、搬送された媒体を取り出してから再開ボタン1305を押下することにより、現在設定されている設定情報に従って残りの媒体の搬送及び撮像を再開させることができる。終了ボタン1306は、媒体読取処理を終了させるためのボタンである。利用者は、終了ボタン1306を押下することにより、現在設定されている設定情報に従った残りの媒体の搬送及び撮像を中止することができる。
【0141】
図14は、入力画像が利用者から指定された特徴を有さないと判定された場合に出力される通知データ1400の一例を示す模式図である。
【0142】
図14に示すように、通知データ1400には、概要情報1401、詳細情報1402、入力画像1403、削除ボタン1404、再開ボタン1405、及び、終了ボタン1406等が含まれる。概要情報1401は、判定部145による判定結果、即ち入力画像が利用者から指定された特徴を有さない旨を示す。詳細情報1402は、入力画像が有さないと判定された画像の特徴等を示す。
【0143】
このように、制御部141は、入力画像が有さないと判定された画像の特徴を利用者に通知する。これにより、利用者は、撮像された媒体が処理対象の媒体であるかを確認することができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0144】
入力画像1403は、利用者から指定された特徴を有さないと判定された入力画像である。利用者は、入力画像1403を閲覧することにより、撮像された媒体が処理対象の媒体であるかを確認することができる。削除ボタン1404は、入力画像1403に対応する画像を削除することを指定するためのボタンである。利用者は、削除ボタン1404を用いて入力画像1403及び/又は入力画像1403に基づいて生成される処理画像を削除することができる。再開ボタン1405は、媒体の搬送を再開させるためのボタンである。利用者は、再開ボタン1405を押下することにより、残りの媒体の搬送及び撮像を再開させることができる。終了ボタン1406は、媒体読取処理を終了させるためのボタンである。利用者は、終了ボタン1406を押下することにより、残りの媒体の搬送及び撮像を中止することができる。
【0145】
次に、制御部141は、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて媒体の搬送及び撮像の再開指示又は終了指示が入力されて、指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信するまで待機する(ステップS116)。利用者により再開ボタン1305又は1405が押下された場合、制御部141は、媒体の搬送及び撮像の再開を指示する指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信する。一方、利用者により終了ボタン1306又は1406が押下された場合、制御部141は、媒体の搬送及び撮像の終了を指示する第1指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信する。また、利用者により削除ボタン1304又は1404を用いて画像を削除することが指定されている場合、各指示信号には画像の削除指示が含まれる。
【0146】
制御部141は、指示信号を受信した場合、指示信号に画像の削除指示が含まれるか否かを判定する(ステップS117)。指示信号に画像の削除指示が含まれない場合、制御部141は、特に処理を実行せずに、ステップS119へ処理を移行する。
【0147】
一方、指示信号に画像の削除指示が含まれる場合、制御部141は、第1記憶装置130から、今回搬送された媒体が撮像された入力画像を削除する(ステップS118)。
【0148】
次に、制御部141は、指示信号において媒体の搬送及び撮像の再開が指示されているか媒体の搬送及び撮像の終了が指示されているかを判定する(ステップS119)。媒体の搬送及び撮像の終了が指示されている場合、制御部141は、残りの媒体を搬送することなく媒体読取処理を終了する。
【0149】
一方、媒体の搬送及び撮像の再開が指示されている場合、制御部141は、モータ121を再駆動し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び/又は第4搬送ローラ119を再回転させる。これにより、制御部141は、媒体を再給送及び再搬送させる(ステップS120)。
【0150】
次に、制御部141は、利用者により指定された設定情報に従って入力画像を処理した処理画像を生成し、媒体番号と関連付けて第1記憶装置130に記憶する。制御部141は、生成した処理画像を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力する(ステップS121)。情報処理装置200は、第2通信装置203を介して画像読取装置100から処理画像を受信した場合、受信した処理画像を第2表示装置202に表示する。なお、ステップS117において、指示信号に画像の削除指示が含まれていた場合、制御部141は、処理画像を生成しない。
【0151】
なお、制御部141は、設定値が「自動」に設定されている設定項目については、各設定項目に対応する特徴情報に適合する設定値に従って処理画像を生成する。例えば、媒体サイズについて、制御部141は、特徴情報として特定されたサイズを有し且つ媒体を含む領域を入力画像から切り出して処理画像を生成する。また、色について、制御部141は、特徴情報として特定された色成分がカラーである場合、処理画像としてカラー画像を生成し、特徴情報として特定された色成分が白黒である場合、処理画像としてグレースケール画像又は二値画像を生成する。また、制御部141は、複数の項目値が設定された設定項目については、設定された複数の設定値のうち、各設定項目に対応する特徴情報に適合する設定値に従って処理画像を生成する。
【0152】
次に、制御部141は、第1媒体センサ111から受信する第1媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS122)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部141は、搬送される媒体の媒体番号をインクリメント(+1)し、次に搬送される媒体の媒体番号をセットする。そして、制御部141は、ステップS107へ処理を戻し、ステップS107~S122の処理を繰り返す。
【0153】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部141は、モータ121を停止し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119を停止させる(ステップS123)。これにより、制御部141は、媒体の搬送を停止させる。以上により、制御部141は、画像読取処理を終了する。
【0154】
なお、ステップS103及びS109の処理、ステップS104及びS110の処理、ステップS112の処理、ステップS113~S114の処理、並びに/又は、ステップS115の処理は省略されてもよい。
【0155】
また、ステップS111の処理は省略され、制御部141は、ステップS115で媒体の搬送を停止させてから、通知データを出力してもよい。その場合、制御部141は、利用者により指定された設定値が適合しないと判定された入力画像及び/又は利用者から指定された特徴を有さないと判定された入力画像を、対応する媒体番号及び詳細情報とともに一覧表示するように通知データを生成する。
【0156】
また、ステップS121の処理は、ステップS115で通知データを出力する前に実行されてもよい。その場合、ステップS117で指示信号に画像の削除指示が含まれていた場合、制御部141は、ステップS118で入力画像とともに処理画像を削除する。また、制御部141は、処理画像を削除することを要求する要求信号を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信する。情報処理装置200の第2処理回路220は、第2通信装置203を介して画像読取装置100から要求信号を受信した場合、対応する処理画像を第2記憶装置210から削除する。
【0157】
以上詳述したように、画像読取装置100は、利用者から、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かの判定を実行する設定項目の指定を受け付ける。画像読取装置100は、指定された設定項目について、設定値が入力画像の特徴に適合しない場合、利用者に通知を行う。これにより、画像読取装置100は、利用者が指定した設定項目の設定値が適切でない場合に、画像生成処理の停止又は利用者への通知を実行することができ、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0158】
また、画像読取装置100は、全ての設定項目でなく、利用者により指定された設定項目についてのみ、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。そのため、画像読取装置100は、設定値が問題ないにもかかわらず、誤って画像生成処理の停止又は利用者への通知を実行してしまうことを抑制でき、利用者に手間を取らせることを抑制できる。また、画像読取装置100は、全ての設定項目でなく、利用者により指定された設定項目についてのみ、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを判定するため、画像判定の処理負荷及び処理時間の増大を抑制することができる。
【0159】
また、画像読取装置100は、入力画像が生成されるたびに、設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、適合しない場合は即時に画像生成処理の停止又は利用者への通知を実行する。そのため、利用者は、処理対象の媒体に想定していない媒体が誤って混入されている場合に即時に適切な対応を行うことができる。画像読取装置100は、利用者の作業における手戻りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0160】
例えば帳票の束の中に写真が含まれるような、複数の種類の媒体が混在する媒体群がまとめて搬送される場合に、特定の媒体に適した設定(例えば帳票に適した二値)で他の媒体(例えば写真)を撮像した画像が生成される可能性がある。その場合、利用者は、媒体群の中から、適切でない設定で撮像された媒体を抜き出して再搬送及び再撮像させ、適切でない設定で生成された画像を、新たに生成された画像に差し替える必要があった。また、利用者が、適切でない設定で撮像された媒体が存在することに気づかずに、適切でない設定で生成された画像が存在し続ける可能性もあった。画像読取装置100は、設定情報が入力画像の特徴に適合しない場合、以降の媒体の搬送を一旦停止させるため、利用者は、その時点でその媒体を抜き出しておく等の対処を行うことができる。また、画像読取装置100は、設定値が入力画像の特徴に適合しない場合、その旨を利用者に通知するため、利用者は、その媒体を適切な設定で再搬送及び再撮像させることができる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0161】
また、利用者は、画像読取処理に関する知識又はスキルが低い場合であっても、所望の画像を生成可能な設定値を適切に選択できる。これにより、画像読取装置100は、不適切な設定が使用されることによる画像読取処理の手戻りの発生を抑制でき、利用者の作業効率又は作業品質の低減を抑制できる。
【0162】
図15は、他の実施形態に係る画像読取装置における第1処理回路340の概略構成を示すブロック図である。
【0163】
第1処理回路340は、第1処理回路140の代わりに用いられ、画像読取処理等を実行する。第1処理回路340は、制御回路341、設定回路342、受付回路343、取得回路344及び判定回路345等を有する。
【0164】
制御回路341は、制御部の一例であり、制御部141と同様の機能を有する。制御回路341は、第1入力装置105又は第1通信装置122から操作信号を、第1媒体センサ111から第1媒体信号を、第2媒体センサ116から第2媒体信号を受信する。また、制御回路341は、第1記憶装置130から、利用者により指定された設定値が入力画像の特徴に適合するか否かの判定結果と、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かの判定結果とを読み出す。制御回路341は、受信した又は読み出した各情報に基づいて、モータ121を制御する。また、制御回路341は、第1記憶装置130から入力画像等を読み出して通知データを生成し、第1表示装置106又は第1通信装置122に出力する。また、制御回路341は、入力画像に基づいて処理画像を生成し、第1通信装置122に出力する。
【0165】
設定回路342は、設定部の一例であり、設定部142と同様の機能を有する。設定回路342は、第1入力装置105又は第1通信装置122から利用者により指定された設定情報を受信し、受信した設定情報を第1記憶装置130に設定するとともに、撮像装置117又はモータ121を設定する。
【0166】
受付回路343は、受付部の一例であり、受付部143と同様の機能を有する。受付回路343は、第1入力装置105又は第1通信装置122から利用者により指定された画像判定を実行する設定項目及び画像の特徴を受け付け、受け付けた設定項目及び画像の特徴を第1記憶装置130に設定する。
【0167】
取得回路344は、取得部の一例であり、取得部144と同様の機能を有する。取得回路344は、撮像装置117から入力画像を取得し、第1記憶装置130に記憶する。
【0168】
判定回路345は、判定部の一例であり、判定部145と同様の機能を有する。判定回路345は、第1記憶装置130から入力画像、利用者により指定された画像判定を実行する設定項目、その設定項目の設定値、及び、画像の特徴を読み出す。判定回路345は、読み出した各情報に基づいて利用者により指定された項目について設定値が入力画像の特徴に適合するか否かと、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かと、を判定し、判定結果を第1記憶装置130に記憶する。
【0169】
以上詳述したように、画像読取装置は、第1処理回路340を用いる場合も、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0170】
図16は、さらに他の実施形態に係る情報処理装置における第2記憶装置410及び第2処理回路420の概略構成を示す図である。
【0171】
図16に示すように、第2記憶装置410には、制御プログラム411、設定プログラム412、受付プログラム413、取得プログラム414及び判定プログラム415が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第2処理回路420は、第1記憶装置130に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部421、設定部422、受付部423、取得部424及び判定部425として機能する。
【0172】
制御部421、設定部422、受付部423、取得部424及び判定部425は、それぞれ画像読取装置100の制御部141、設定部142、受付部143、取得部144及び判定部145と同様の機能を有する。第2記憶装置410は、第1記憶装置130が記憶する各データを記憶する。画像読取処理のステップS101~S104、S106~S120、S123の処理は、設定部422、受付部423、取得部424及び判定部425により実行される。
【0173】
ステップS101において、制御部421は、利用者により第2入力装置201を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて操作信号を第2入力装置201から受信するまで待機する。制御部421は、受付画面を第2表示装置202に表示し、第2入力装置201から利用者による各指示を受け付ける。制御部421は、受信した操作信号を、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。
【0174】
ステップS106、S120において、制御部421は、モータ121を駆動させることを要求する要求信号を、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。画像読取装置100の制御部141は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から要求信号を受信し、受信した要求信号に従ってモータ121を駆動させる。これにより、制御部421は、媒体を給送及び搬送させる。
【0175】
ステップS107において、取得部144は、入力画像を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信する。取得部424は、第2通信装置203を介して画像読取装置100から入力画像を受信することにより取得する。
【0176】
ステップS111、S123において、制御部421は、モータ121を停止させることを要求する要求信号を、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。画像読取装置100の制御部141は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から要求信号を受信し、受信した要求信号に従ってモータ121を停止させる。これにより、制御部421は、媒体の給送及び搬送を停止させ、入力画像を生成した画像読取装置100による画像生成処理を停止させる。
【0177】
ステップS115において、制御部421は、通知データを、第2表示装置202に表示し、又は、第2通信装置203を介して他の情報処理装置200に送信することにより出力する。ステップS116において、制御部421は、指示信号を第2入力装置201又は第2通信装置203を介して他の情報処理装置200から受信する。ステップS121において、制御部421は、処理画像を第2表示装置202に表示することにより出力する。
【0178】
なお、上記において情報処理装置の各部により実行される各処理のうちの一部は、画像読取装置の対応する各部により実行されてもよい。
【0179】
以上詳述したように、画像処理システムは、情報処理装置が画像読取処理の一部を実行する場合も、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0180】
図17は、さらに他の実施形態に係る情報処理装置における第2処理回路520の概略構成を示すブロック図である。
【0181】
第2処理回路520は、第2処理回路420の代わりに用いられ、画像読取処理等を実行する。第2処理回路520は、制御回路521、設定回路522、受付回路523、取得回路524及び判定回路525等を有する。
【0182】
制御回路521は、制御部の一例であり、制御部421と同様の機能を有する。制御回路521は、第2入力装置201から操作信号を受信し、受信した操作信号を第2通信装置203に出力する。また、制御回路521は、第2記憶装置210から入力画像、利用者により指定された設定値が入力画像の特徴に適合するか否かの判定結果、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かの判定結果等を読み出す。制御回路521は、読み出した各情報に基づいて通知データを生成し、生成した通知データを第2表示装置202又は第2通信装置203に出力する。また、制御回路341は、入力画像に基づいて処理画像を生成し、第2表示装置202に出力する。
【0183】
設定回路522は、設定部の一例であり、設定部422と同様の機能を有する。設定回路522は、第2入力装置201から利用者により指定された設定情報を受信し、第2記憶装置210に設定するとともに、第2通信装置203に出力する。
【0184】
受付回路523は、受付部の一例であり、受付部423と同様の機能を有する。受付回路523は、第2入力装置201又は第2通信装置203から利用者により指定された画像判定を実行する設定項目及び画像の特徴を受け付け、受け付けた設定項目及び画像の特徴を第2記憶装置210に設定する。
【0185】
取得回路524は、取得部の一例であり、取得部424と同様の機能を有する。取得回路524は、第2通信装置203から入力画像を受信し、第2記憶装置210に記憶する。
【0186】
判定回路525は、判定部の一例であり、判定部425と同様の機能を有する。判定回路525は、入力画像、利用者により指定された画像判定を実行する設定項目、その設定項目の設定値、及び、画像の特徴を読み出す。判定回路345は、読み出した各情報に基づいて利用者により指定された項目について設定値が入力画像の特徴に適合するか否かと、入力画像が、利用者から指定された特徴を有するか否かと、を判定し、判定結果を第2記憶装置210に記憶する。
【0187】
以上詳述したように、情報処理装置は、第2処理回路520を用いる場合も、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0188】
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、制御部141は、ステップS116において、利用者から、媒体の搬送及び撮像の再開又は終了以外の指示を受け付けてもよい。例えば、制御部141は、利用者から、設定値の変更指示を受け付ける。設定値の変更指示を受け付けた場合、制御部141は、入力画像の特徴に適合しない設定項目の設定値を、入力画像の特徴に適合する設定値又は利用者から新たに指定された設定値に変更する。制御部141は、変更した設定値に基づいて、今回生成した入力画像から処理画像を生成し、且つ/又は、以降に搬送される媒体が撮像された入力画像及び処理画像を生成する。これにより、画像読取装置100は、設定値を変更して媒体の再搬送及び再撮像を実行する際の利用者の手間を軽減させ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0189】
また、制御部141は、利用者から、画像の削除指示を受け付けてもよい。画像の削除指示を受け付けた場合、制御部141は、今回生成した入力画像(及び処理画像)を削除する。
【0190】
また、判定部145は、利用者により指定された設定値が入力画像の特徴に適合するか否かを、入力画像以外の情報に基づいて判定してもよい。例えば、判定部145は、媒体の先端及び後端が第2媒体センサ116の位置を通過した時刻の差に基づいて、媒体のサイズを特定してもよい。また、画像読取装置100は、撮像装置117とは別の撮像装置を有し、判定部145は、その撮像装置を用いて媒体を撮像することにより生成された画像に基づいて、画像の特徴情報を特定してもよい。
【0191】
また、画像読取装置は、いわゆるUターンパスを有し、載置台に載置された媒体を上側から順に給送及び搬送し、排出台に排出してもよい。
【符号の説明】
【0192】
1 画像処理システム、100 画像読取装置、141、421 制御部、142、422 設定部、143、423 受付部、144、424 取得部、145、425 判定部、200 情報処理装置
図1
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図16
図17