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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020733
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】バスバー及び配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/503 20210101AFI20250205BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20250205BHJP
   H01M 50/519 20210101ALI20250205BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20250205BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20250205BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20250205BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20250205BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20250205BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/569
H01M50/519
H01M50/298
H01G2/02 101E
H01G4/228 J
H01G11/76
H01M50/507
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124283
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 悠平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
【テーマコード(参考)】
5E078
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA14
5E078AB01
5E078JA02
5E078JA06
5E078JA10
5H040AA20
5H040AS04
5H040AS07
5H040DD04
5H040DD15
5H043AA01
5H043AA13
5H043BA11
5H043FA04
5H043FA32
5H043JA04F
5H043JA07F
5H043JA13F
5H043JA21F
5H043KA01F
5H043LA22F
(57)【要約】
【課題】幅方向に変形可能なバスバーを提供する。
【解決手段】バスバー10は、2つの接続部11と、2つの接続部11の並び方向に直交する幅方向における接続部11の少なくとも一方の端部から立ち上がる側壁部12と、並び方向に2つの側壁部12を連結する連結部13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの接続部と、
前記2つの接続部の並び方向に直交する幅方向における前記接続部の少なくとも一方の端部から立ち上がる側壁部と、
前記並び方向に2つの前記側壁部を連結する連結部と、を備える、バスバー。
【請求項2】
前記側壁部は、前記接続部の前記幅方向における両端部から立ち上がる、請求項1に記載のバスバー。
【請求項3】
前記連結部には切り込みが形成されている、請求項1または請求項2に記載のバスバー。
【請求項4】
前記連結部は前記側壁部から前記幅方向に突出するように屈曲されている、請求項1または請求項2に記載のバスバー。
【請求項5】
前記連結部は、2枚の金属板材が積層されて構成されている、請求項1または請求項2に記載のバスバー。
【請求項6】
前記2つの接続部を前記並び方向に連結する導通部をさらに備える、請求項1または請求項2に記載のバスバー。
【請求項7】
それぞれ電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、
前記接続部が前記電極端子に接続される請求項1または請求項2に記載のバスバーと、
前記バスバーに電気的に接続される電圧検知線と、
前記バスバー及び前記電圧検知線を保持するプロテクタと、を備える、配線モジュール。
【請求項8】
導電性を有し前記側壁部の外面に沿って配置される接続片をさらに備え、
前記接続片は、前記側壁部に接続される第1接続部と、前記電圧検知線が接続される第2接続部とを備える、請求項7に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バスバー及び配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車等の蓄電モジュールは、積層された多数の蓄電素子を備え、複数の蓄電素子はバスバーによって直列あるいは並列に電気的に接続されている。このようなバスバーとして、従来、特開2019-207825号公報(下記特許文献1)に記載の接続バスバーが知られている。接続バスバーには複数の貫通孔が左右方向(接続バスバーの長辺方向)に並んで形成されている。接続バスバーにおける複数の貫通孔の間には、電極端子から離間する方向(上方)に突出する屈曲部が形成されている。屈曲部は、前後方向(接続バスバーの短辺方向)から見て、下方に開口する略U字形状をなしている。屈曲部は、接続バスバーの長辺方向に撓み変形可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-207825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の構成では、接続バスバーの短辺方向について、接続バスバーが変形しにくい。よって、蓄電素子が接続バスバーの短辺方向について位置ずれすると、接続バスバーと電極端子との接続部分に応力がかかることが懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のバスバーは、2つの接続部と、前記2つの接続部の並び方向に直交する幅方向における前記接続部の少なくとも一方の端部から立ち上がる側壁部と、前記並び方向に2つの前記側壁部を連結する連結部と、を備える、バスバーである。
【0006】
また、本開示の配線モジュールは、それぞれ電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、前記接続部が前記電極端子に接続される上記のバスバーと、前記バスバーに電気的に接続される電圧検知線と、前記バスバー及び前記電圧検知線を保持するプロテクタと、を備える、配線モジュールである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、幅方向に変形可能なバスバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1にかかるバスバーの斜視図である。
図2図2は、実施形態1にかかるバスバーを厚さ方向から見た図である。
図3図3は、実施形態1にかかるバスバーを並び方向から見た図である。
図4図4は、実施形態1にかかる蓄電モジュールの正面図である。
図5図5は、実施形態1にかかる蓄電素子の側面図である。
図6図6は、実施形態2にかかるバスバーの斜視図である。
図7図7は、実施形態2にかかるバスバーを厚さ方向から見た図である。
図8図8は、図7のA-A断面図である。
図9図9は、実施形態2にかかるバスバーを幅方向から見た図である。
図10図10は、実施形態3にかかるバスバーの斜視図である。
図11図11は、実施形態4にかかるバスバーの斜視図である。
図12図12は、実施形態5にかかるバスバーの斜視図である。
図13図13は、実施形態5にかかるバスバーを厚さ方向から見た図である。
図14図14は、図13のB-B断面図である。
図15図15は、実施形態6にかかるバスバーの斜視図である。
図16図16は、実施形態7にかかる蓄電モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
[1]本開示のバスバーは、2つの接続部と、前記2つの接続部の並び方向に直交する幅方向における前記接続部の少なくとも一方の端部から立ち上がる側壁部と、前記並び方向に2つの前記側壁部を連結する連結部と、を備える。
【0010】
このような構成によると、側壁部を連結する連結部が変形することにより、バスバーが幅方向に変形しやすくなる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記側壁部は、前記接続部の前記幅方向における両端部から立ち上がることが好ましい。
【0012】
このような構成によると、側壁部が接続部の幅方向における両端部から立ち上がるため、連結部が2つ設けられる。よって、連結部が1つしか設けられない場合と比較して、2つの接続部の間の導電経路の断面積を増大させることができる。この結果、バスバーの発熱を抑制することができる。
【0013】
[3]上記[1]または[2]において、前記連結部には切り込みが形成されていることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、切り込みが形成されることにより、連結部が変形しやすくなる。
【0015】
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、前記連結部は前記側壁部から前記幅方向に突出するように屈曲されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、連結部が弾性変形しやすくなる。
【0017】
[5]上記[1]から[4]のいずれかにおいて、前記連結部は、2枚の金属板材が積層されて構成されていることが好ましい。
【0018】
このような構成によると、連結部の厚さ(幅方向の寸法)が同一であれば、連結部が1枚の金属板材から構成されている場合と比較して、2枚の金属板材が積層されて連結部が構成されている場合の方が、連結部の柔軟性を高めることができる。
【0019】
[6]上記[1]から[5]のいずれかのバスバーは、前記2つの接続部を前記並び方向に連結する導通部をさらに備えることが好ましい。
【0020】
このような構成によると、導通部によって2つの接続部の間の導電経路の断面積を増大させることができる。したがって、バスバーの発熱を抑制することができる。
【0021】
[7]本開示の配線モジュールは、それぞれ電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、前記接続部が前記電極端子に接続される上記[1]から[6]のいずれかのバスバーと、前記バスバーに電気的に接続される電圧検知線と、前記バスバー及び前記電圧検知線を保持するプロテクタと、を備える。
【0022】
このような構成によると、バスバーによって蓄電素子の幅方向における公差や変動を吸収することができる。
【0023】
[8]上記[7]の配線モジュールは、導電性を有し前記側壁部の外面に沿って配置される接続片をさらに備え、前記接続片は、前記側壁部に接続される第1接続部と、前記電圧検知線が接続される第2接続部とを備えることが好ましい。
【0024】
このような構成によると、バスバーと電圧検知線とを電気的に接続する接続片における、バスバーから突出したりはみ出したりして配置される部分を小さくできる。したがって、配線モジュールにおけるバスバーおよび接続片の配設スペースを小さくすることができる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「直交」は、厳密に直交の場合のみでなく、本実施形態における作用ならびに効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。
【0026】
また、本明細書における「対向」とは、面同士又は部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方を含む。
【0027】
各図面では、互いに垂直な3方向を示し、当該3方向をそれぞれ第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3として示している。すなわち、第1方向D1と第2方向D2とは互いに垂直であり、第1方向D1と第3方向D3とは互いに垂直であり、第2方向D2と第3方向D3とは互いに垂直である。各方向を示す実線の両側に矢印を記載していることにより、符号が記載された側の矢印の方向のみならず、符号が記載されていない側の矢印の方向も当該方向を示すものとする。
【0028】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、図1から図5を参照しつつ説明する。以下の説明においては、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0029】
(バスバー10)
バスバー10は導電性の金属板材を加工することで形成されている。バスバー10を構成する金属は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等である。図1及び図2に示すように、バスバー10は、第1方向D1(並び方向の一例)に並ぶ2つの接続部11と、各接続部11の第2方向D2(幅方向の一例)における両端部から立ち上がる側壁部12と、側壁部12同士を第1方向D1に連結する連結部13と、を備える。
【0030】
図3に示すように、接続部11は第3方向D3に薄い板状をなしている。すなわち、第3方向D3は接続部11の厚さ方向と一致している。図2に示すように、接続部11は第3方向D3から見て例えば矩形状をなしている。2つの接続部11は第1方向D1に間隔を空けて並んで配置されている。接続部11の中央部には貫通孔11Aが形成されている。貫通孔11Aは接続部11を第3方向D3に貫通している。後述するように、接続部11は、例えば溶接等により蓄電素子2の電極端子2Aに接続される(図4参照)。貫通孔11Aは接続部11に対向して配される電極端子2Aの第3方向D3における位置を確認するために用いられる。なお、本実施形態と異なり、例えば接続部はボルト形状をなす電極端子に挿通される挿通孔を有してもよい。そして、挿通孔に挿通された電極端子にナットを締結することによって、接続部と電極端子とが電気的に接続されてもよい。
【0031】
図3に示すように、側壁部12は接続部11の第2方向D2における両端部から第3方向D3における一方側(図3の図示右方)に延びている。図1及び図2に示すように、1つの接続部11につき2つの側壁部12が設けられることにより、1つのバスバー10につき4つの側壁部12が設けられている。図1から図3に示すように、側壁部12は、接続部11の第2方向D2における一方側(図2及び図3における図示上側)の端部から第3方向D3に立ち上がる第1側壁部12Aと、接続部11の第2方向D2における他方側(図2及び図3における図示下側)の端部から第3方向D3に立ち上がる第2側壁部12Bと、を含む。
【0032】
図1及び図2に示すように、連結部13は、第1方向D1に隣り合う2つの側壁部12を連結している。詳細には、連結部13は、2つの第1側壁部12Aを第1方向D1に連結する第1連結部13Aと、2つの第2側壁部12Bを第1方向D1に連結する第2連結部13Bと、を含む。連結部13は、側壁部12から第2方向D2に突出している。例えば、連結部13は、第2方向に薄い板状をなしており、第2方向D2に突出するように側壁部12に対して屈曲されている。また、連結部13は側壁部12に対して山形状をなして形成されている。連結部13が側壁部12に対して突出して形成されることにより、連結部13は弾性変形しやすくなっている。
【0033】
連結部13が弾性変形することにより、2つの接続部11が相対的に変位することがある程度許容されるようになっている。連結部13は、2つの接続部11の幅方向(第2方向D2)における相対変位を許容することができる。また、連結部13は、2つの接続部11の並び方向(第1方向D1)における相対変位を許容することができる。
【0034】
本実施形態では、第1連結部13Aは、第1側壁部12Aから第2方向D2における他方側に突出している。第2連結部13Bは、第2側壁部12Bから第2方向D2における一方側に突出している。すなわち、第1連結部13Aと第2連結部13Bとは互いに第2方向D2に近づくように突出している。このような構成によれば、本実施形態と異なり、第1連結部と第2連結部とが互いに第2方向D2に離間するように突出している場合と比較して、バスバー10を第2方向D2に小型化することができる。
【0035】
図4に示すように、本実施形態のバスバー10は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載される蓄電モジュール1に含まれる。蓄電モジュール1は、それぞれ電極端子2Aを有する複数の蓄電素子2と、複数の蓄電素子2に取り付けられる配線モジュール3と、を備える。配線モジュール3は、バスバー10と、バスバー10に電気的に接続されるフレキシブルプリント基板20(電圧検知線の一例)と、バスバー10及びフレキシブルプリント基板20を保持するプロテクタ30と、を備える。簡単のため、以下、図4及び図5の図示上下方向を上下方向、図4の図示左右方向を左右方向、図5の図示左右方向を前後方向として、蓄電モジュール1(蓄電素子2及び配線モジュール3)の構成について説明する。
【0036】
蓄電素子2は直方体形状をなしている。蓄電素子2は、左右方向に薄く(図4参照)、前後方向に長い(図5参照)。図5に示すように、蓄電素子2の前面と背面には、それぞれ電極端子2Aが設けられている。蓄電素子2の2つの電極端子2Aの一方は正極であり、他方は負極である。蓄電素子2は特に限定されず、二次電池でもよく、またキャパシタでもよい。本実施形態にかかる蓄電素子2は二次電池とされる。図4に示すように、蓄電素子2は左右方向に複数個積層されている。隣り合う蓄電素子2の間には、図示しないスペーサが配されている。
【0037】
配線モジュール3は、複数の蓄電素子2の前面及び背面に取り付けられる。図4には複数の蓄電素子2の前面に取り付けられる配線モジュール3が図示されている。複数の蓄電素子2の背面に取り付けられる配線モジュール3は図示されないが、図4に示す配線モジュール3と同様に構成されている。
【0038】
プロテクタ30は絶縁性の合成樹脂から構成されている。プロテクタ30は、バスバー10が収容されるバスバー収容部31と、フレキシブルプリント基板20が収容される基板収容部32と、を備える。バスバー収容部31は枠状をなし、左右方向に並んで配置されている。バスバー収容部31の底壁には図示しない接続孔が設けられている。この接続孔を介してバスバー10の接続部11と電極端子2Aとが接続されている。基板収容部32は左右方向に延びる溝状をなしている。基板収容部32はバスバー収容部31の上方に配されている。バスバー収容部31の基板収容部32寄りに配される壁部には切り欠き部31Aが形成されている。切り欠き部31Aにはバスバー10とフレキシブルプリント基板20とを電気的に接続する金属小片40が配されている。金属小片40とバスバー10とは例えば溶接により接続されている。金属小片40とフレキシブルプリント基板20とは例えば半田付けにより接続されている。配線モジュール3は、バスバー10及びフレキシブルプリント基板20を保持するプロテクタ30を覆うカバー(図示せず)を備えてもよい。
【0039】
フレキシブルプリント基板20は、絶縁性の合成樹脂から構成されるシート状部材と、シート状部材に保護される複数の導電路と、を備える。導電路の一端は金属小片40を介してバスバー10に電気的に接続されている。導電路の他端は、図示しないコネクタを介して、外部のECU(Electronic Control Unit)等に接続されるようになっている。ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、各蓄電素子2の電圧、電流、温度等の検知や、各蓄電素子2の充放電制御コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0040】
配線モジュール3において、バスバー10の接続部11は電極端子2Aと対向するように配され、接続部11と電極端子2Aとは溶接により接続されている。また、側壁部12は接続部11の厚さ方向(第3方向D3)について蓄電素子2から離間する方向に延びている。バスバー10は隣り合う蓄電素子2の電極端子2A間を接続している。バスバー10において2つの接続部11は側壁部12を介して連結部13によって接続されている。すなわち、連結部13は2つの接続部11間に設けられる導電経路となっている。このため、車両の使用時には、連結部13に大電流が流れる。本実施形態では、側壁部12が接続部11の幅方向における両端部から立ち上がっており、バスバー10には2つの連結部13が形成されている。したがって、本実施形態とは異なり、バスバーに連結部が1つしか設けられない場合と比較して、2つの接続部11の間の導電経路の断面積を増大させることができる。この結果、バスバー10の発熱を抑制することができる。
【0041】
本実施形態のバスバー10は、連結部13が弾性変形することにより、接続部11が幅方向にずれることを許容することができる。よって、図4のような配置によれば、連結部13により、接続部11が上下方向にずれることが許容される。したがって、蓄電素子2の上下方向における製造公差や組付公差を吸収することができる。また、車両の振動等により、隣接する蓄電素子2が上下方向に動的にずれた場合でも、連結部13が弾性変形することにより、接続部11と電極端子2Aとの間の接続部分が損傷しにくくなっている。同様に、連結部13は、接続部11が並び方向にずれることも許容できるから、図4に示す配置では、蓄電素子2の左右方向における公差や変動も許容できるようになっている。
【0042】
(実施形態1の作用効果)
(1-1)実施形態1にかかるバスバー10は、2つの接続部11と、2つの接続部11の並び方向に直交する幅方向における接続部11の少なくとも一方の端部から立ち上がる側壁部12と、並び方向に2つの側壁部12を連結する連結部13と、を備える。
【0043】
このような構成によると、側壁部12を連結する連結部13が変形することにより、バスバー10が幅方向に変形しやすくなる。
【0044】
(1-2)実施形態1では、側壁部12は、接続部11の幅方向における両端部から立ち上がる。
【0045】
このような構成によると、側壁部12が接続部11の幅方向における両端部から立ち上がるため、連結部13が2つ設けられる。よって、連結部が1つしか設けられない場合と比較して、2つの接続部11の間の導電経路の断面積を増大させることができる。この結果、バスバー10の発熱を抑制することができる。
【0046】
(1-3)実施形態1では、連結部13は側壁部12から幅方向に突出するように屈曲されている。
【0047】
このような構成によると、連結部13が弾性変形しやすくなる。
【0048】
(1-4)実施形態1にかかる配線モジュール3は、それぞれ電極端子2Aを有する複数の蓄電素子2に取り付けられる配線モジュール3であって、接続部11が電極端子2Aに接続されるバスバー10と、バスバー10に電気的に接続される電圧検知線(フレキシブルプリント基板20)と、バスバー10及び電圧検知線を保持するプロテクタ30と、を備える。
【0049】
このような構成によると、バスバー10によって蓄電素子2の幅方向における公差や変動を吸収することができる。
【0050】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、図6から図9を参照しつつ説明する。実施形態2にかかるバスバー110は、側壁部112及び連結部113の構成を除いて、実施形態1と略同様であるため、実施形態1と同一の部材については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0051】
実施形態1の連結部13と異なり、図6及び図7に示すように、本実施形態の連結部113は側壁部112から突出する形状を有していない。連結部113は側壁部112と略面一に形成されている。
【0052】
図6及び図8に示すように、側壁部112及び連結部113は、2枚の金属板材が積層されて構成されている。2枚の金属板材は、接続部11の幅方向(第2方向D2)に積層されている。詳細には、側壁部112及び連結部113を構成する2枚の金属板材は、1枚の金属板材が密着曲げにより折り畳まれたものである。連結部113の厚さ(幅方向の寸法)が一定であるならば、1枚の金属板材から連結部を構成するよりも、本実施形態のように薄い金属板材を2枚積層して連結部113を構成する方が、連結部113の柔軟性を向上させることができる。
【0053】
本実施形態では、図9に示すように、連結部113に切り込み114が形成されている。切り込み114は、連結部113における側壁部112寄りの位置に配されている。切り込み114は接続部11の厚さ方向(第3方向D3)に延びている。切り込み114の第3方向D3の寸法は、例えば、連結部113の第3方向D3の寸法の半分程度である。切り込み114は、接続部11側の端部に開口を有している。連結部113に切り込み114を形成することで、連結部113が変形しやすくなる。なお、切り込み114は、第3方向D3における連結部113の両端のうち、いずれの端に開口を有していてもよい。また、連結部113に設けられる切り込み114の数は、2つに限らず、1つもしくは3つ以上であってもよい。
【0054】
(実施形態2の作用効果)
(2-1)実施形態2にかかるバスバー210において、連結部113には切り込み114が形成されている。
【0055】
このような構成によると、切り込み114が形成されることにより、連結部113が変形しやすくなる。
(2-2)実施形態2にかかるバスバー210において、連結部113は、2枚の金属板材が積層されて構成されている。
【0056】
このような構成によると、連結部113の厚さ(幅方向の寸法)が同一であれば、連結部が1枚の金属板材から構成されている場合と比較して、2枚の金属板材が積層されて連結部113が構成されている場合の方が、連結部113の柔軟性を高めることができる。また、接続部11の厚さを厚くすることなく、2つの接続部11間の導電経路となる連結部113の断面積を増大させることができる。
【0057】
<実施形態3>
本開示の実施形態3について、図10を参照しつつ説明する。実施形態3にかかるバスバー210は、連結部213の構成を除いて、実施形態2と略同様であるため、実施形態2と同一の部材については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0058】
連結部213は、実施形態2の連結部113と同様に2枚の金属板材が積層されて構成されている。一方で、連結部213は、連結部113と異なり、側壁部112から幅方向に突出している。
【0059】
<実施形態4>
本開示の実施形態4について、図11を参照しつつ説明する。実施形態4にかかるバスバー310は、連結部313の構成を除いて、実施形態1と略同様であるため、実施形態1と同一の部材については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0060】
連結部313は、実施形態1とは異なり、側壁部12から突出した形状を有していない。連結部313は、実施形態2と同様に、側壁部12と面一に配置されている。連結部313は、側壁部12寄りの部分に切り込み114を有する。
【0061】
<実施形態5>
本開示の実施形態5について、図12から図14を参照しつつ説明する。実施形態5にかかるバスバー410は、導通部415の構成および切り込み114を有する点を除いて、実施形態1と略同様であるため、実施形態1と同一の部材については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0062】
図12及び図13に示すように、バスバー410は、2つの接続部11を並び方向(第1方向D1)に連結する導通部415を備える。導通部415は、第3方向D3から見て、2つの連結部13の間に位置する。導通部415は、連結部13と同様に、2つの接続部11の間の導電経路を構成する。すなわち、導通部415を設けることにより、2つの接続部11の間の導電経路の断面積を増大させることができる。したがって、バスバー410の発熱を抑制することができる。
【0063】
図14に示すように、導通部415は接続部11から第3方向D3に突出している。例えば、導通部415は、第3方向D3に薄い板状をなしており、第3方向D3に突出するように複数個所が屈曲されている。導通部415の接続部11からの突出方向は、側壁部12が接続部11から立ち上がる方向と一致している。導通部415は接続部11に対して山形状をなして形成されている。
【0064】
バスバー410を幅方向に変形容易にする観点では、図13に示すように、導通部415の幅方向(第2方向D2)の寸法は、接続部11の幅方向の寸法より小さいことが好ましい。
【0065】
(実施形態5の作用効果)
【0066】
(5-1)実施形態5にかかるバスバー410は、2つの接続部11を並び方向に連結する導通部415をさらに備える。
【0067】
このような構成によると、導通部415によって2つの接続部11の間の導電経路の断面積を増大させることができる。したがって、バスバー410の発熱を抑制することができる。
【0068】
<実施形態6>
本開示の実施形態6について、図15を参照しつつ説明する。実施形態6にかかるバスバー510は、導通部515の数及び配置を除いて、実施形態5と略同様であるため、実施形態5と同一の部材については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0069】
バスバー510は2つの導通部515を備える。2つの導通部515は幅方向に離間して配置されている。
【0070】
<実施形態7>
本開示の実施形態7について、図16を参照しつつ説明する。図16は実施形態7にかかる蓄電モジュール601を一部拡大して示す斜視図であって、見易さのためプロテクタは図示省略している。実施形態7のプロテクタは実施形態1と同様に構成されている。
【0071】
蓄電モジュール601は、複数の蓄電素子2と、複数の蓄電素子2に取り付けられる配線モジュール603と、を備える。配線モジュール603は、実施形態1の配線モジュール3と略同様に構成されており、バスバー510と、フレキシブルプリント基板620(電圧検知線の一例)と、図示しないプロテクタと、を備える。バスバー510とフレキシブルプリント基板620とは金属小片640(接続片の一例)により電気的に接続されている。
【0072】
実施形態7では、金属小片640、バスバー510、及びフレキシブルプリント基板620の接続にかかる構成や相対配置等に関して、好ましい態様を説明する。なお、実施形態7の配線モジュール603は実施形態6のバスバー510を備えるが、バスバー510以外の本開示にかかるバスバーを備えてもよい。
【0073】
金属小片640は板状をなしている。金属小片640は、バスバー510の側壁部12に接続される第1接続部641と、フレキシブルプリント基板620に接続される第2接続部642と、を備える。第1接続部641と側壁部12とは例えば溶接により接続されている。第2接続部642とフレキシブルプリント基板620とは例えば半田付けにより接続されている。金属小片640は、側壁部12の外面に沿って配置されている。言い換えると、金属小片640の厚さ方向が、側壁部12の厚さ方向(接続部11の幅方向、第3方向D3)と対応するように、第1接続部641が側壁部12に接している。このような配置によれば、バスバー510とフレキシブルプリント基板620とを電気的に接続する金属小片640における、バスバー510から突出したりはみ出したりして配置される部分を小さくできる。したがって、配線モジュール603におけるバスバー510および金属小片640の配設スペースを小さくすることができる。
【0074】
フレキシブルプリント基板620は、第1方向D1に細長い形状を有する本体部621と、第2接続部642に接続される接続片622と、本体部621と接続片622とを連結するリンク部623と、を備える。リンク部623は弾性変形可能に構成されている。リンク部623は例えば細長い帯状をなしている。リンク部623は例えば接続片622の寸法よりも小さい幅寸法を有する。接続片622は、例えば第2接続部642と側壁部12の間に挟まれるように配置されている。
【0075】
(他の実施形態)
上記実施形態1~7は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態1~7及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0076】
・上記実施形態1では、バスバー10は貫通孔11Aを有していたが、貫通孔は省略してもよい。
【0077】
・上記実施形態1では、接続部11の幅方向における両端部から側壁部12が立ち上がる構成であったが、接続部の幅方向における一方の端部のみから側壁部が立ち上がる構成であってもよい。この場合、バスバーは2つの側壁部と1つの連結部とを備える。
【0078】
・上記実施形態1では、第1連結部13Aと第2連結部13Bとは互いに第2方向D2に近づくように突出していたが、第1連結部と第2連結部とは互いに第2方向に離間するように突出していてもよい。また、第1連結部と第2連結部とは第2方向について同じ方向に突出していてもよい。なお、連結部13が、接続部11の幅方向の内側に向かって突出する場合には、第2方向D2におけるバスバー10の幅が広くなることを抑制しつつ、連結部13を突出させることができる。
【0079】
・上記実施形態1では、電圧検知線としてフレキシブルプリント基板20を例示したが、電圧検知線は電線やフレキシブルフラットケーブル等であってもよい。
【0080】
・上記実施形態1では、バスバー10とフレキシブルプリント基板20とは金属小片40を介して間接的に接続されていたが、バスバーとフレキシブルプリント基板とは直接的に接続されていてもよい。
【0081】
・上記実施形態1では、バスバー10の幅方向(第2方向D2)が蓄電モジュール1における上下方向と一致していたが、蓄電モジュールにおけるバスバーの配置は上記実施形態1と異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1:蓄電モジュール
2:蓄電素子
2A:電極端子
3:配線モジュール
10:バスバー
11:接続部
11A:貫通孔
12:側壁部
12A:第1側壁部
12B:第2側壁部
13:連結部
13A:第1連結部
13B:第2連結部
20:フレキシブルプリント基板(電圧検知線の一例)
30:プロテクタ
31:バスバー収容部
31A:切り欠き部
32:基板収容部
40:金属小片
110:バスバー
112:側壁部
113:連結部
114:切り込み
210:バスバー
213:連結部
310:バスバー
313:連結部
410:バスバー
415:導通部
510:バスバー
515:導通部
601:蓄電モジュール
603:配線モジュール
620:フレキシブルプリント基板
621:本体部
622:接続片
623:リンク部
640:金属小片(接続片の一例)
641:第1接続部
642:第2接続部
D1:第1方向
D2:第2方向
D3:第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16