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特開2025-20750セルフテスト制御プログラム,セルフテスト制御方法およびセルフテスト制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020750
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】セルフテスト制御プログラム,セルフテスト制御方法およびセルフテスト制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/22 20060101AFI20250205BHJP
   G06F 11/36 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
G06F11/22 675L
G06F11/36 196
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124321
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】エフサステクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100189201
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 功
(72)【発明者】
【氏名】青木 勝志
(72)【発明者】
【氏名】姫野 公洋
(72)【発明者】
【氏名】伊東 健治
【テーマコード(参考)】
5B042
5B048
【Fターム(参考)】
5B042HH19
5B042JJ29
5B048CC14
(57)【要約】
【課題】ファンのセルフテストの実施が計画される情報処理装置における消費電力の増加を抑制する。
【解決手段】セルフテスト制御プログラムは、情報処理装置が備えるファンのセルフテストの実施予定時刻よりも前の所定時刻における前記ファンの回転数に関する情報を取得し、取得された前記回転数に関する情報が前記セルフテストの合格基準に応じた条件を満たす場合に、前記実施予定時刻を、第1時刻から前記第1時刻よりも後の第2時刻に設定する、処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が備えるファンのセルフテストの実施予定時刻よりも前の所定時刻における前記ファンの回転数に関する情報を取得し、
取得された前記回転数に関する情報が前記セルフテストの合格基準に応じた条件を満たす場合に、前記実施予定時刻を、第1時刻から前記第1時刻よりも後の第2時刻に設定する、
処理をコンピュータに実行させる、セルフテスト制御プログラム。
【請求項2】
前記回転数に関する情報は、前記ファンの回転数と前記ファンに固有の最大回転数とに基づく回転率であり、
前記条件は、取得された前記回転率が、前記合格基準である基準回転率以下に設定された閾値以上であることを含む、
請求項1に記載のセルフテスト制御プログラム。
【請求項3】
前記設定する処理は、前記セルフテストの実施計画における実施間隔を現在時刻に加算することで前記第2時刻を算出する処理を含む、
請求項1又は請求項2に記載のセルフテスト制御プログラム。
【請求項4】
前記取得する処理、及び、前記設定する処理を、複数の前記ファンの各々について一定時間ごとに実行する、
処理を前記コンピュータに実行させる、
請求項1又は請求項2に記載のセルフテスト制御プログラム。
【請求項5】
前記設定する処理は、前記第2時刻を算出する際に、前記第2時刻が同一の時刻帯となるファンの数が所定数以上である場合、前記第2時刻が同一の時刻帯となるファンのうち、前記所定数を超えるファンについての前記第2時刻を、前記時刻帯とは異なる時刻帯に設定する処理を含む、
請求項4に記載のセルフテスト制御プログラム。
【請求項6】
情報処理装置が備えるファンのセルフテストの実施予定時刻よりも前の所定時刻における前記ファンの回転数に関する情報を取得し、
取得された前記回転数に関する情報が前記セルフテストの合格基準に応じた条件を満たす場合に、前記実施予定時刻を、第1時刻から前記第1時刻よりも後の第2時刻に設定する、
処理をコンピュータが実行する、セルフテスト制御方法。
【請求項7】
情報処理装置が備えるファンのセルフテストの実施予定時刻よりも前の所定時刻における前記ファンの回転数に関する情報を取得し、
取得された前記回転数に関する情報が前記セルフテストの合格基準に応じた条件を満たす場合に、前記実施予定時刻を、第1時刻から前記第1時刻よりも後の第2時刻に設定する、
制御部を備える、セルフテスト制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフテスト制御プログラム,セルフテスト制御方法およびセルフテスト制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ等のコンピュータ(情報処理装置)の故障検知のために、コンピュータに備えられるファンのセルフテストが実施されることがある。セルフテストは、例えばファンに供給可能な最大電力を所定時間に亘ってファンに供給し、計測されたファンの出力(ファン出力)が合格基準以上となることを確認するためのテストである。
【0003】
例えばCPU(Central Processing Unit)を主に冷却するためのCPUファンは、CPUが最大負荷の際に所定のファン出力となるように調整されることがある。ファン出力は、例えばゴミの侵入,部品の劣化等の要因により低下し得る。このため、セルフテストでは、このように調整されたファンが冷却対象の最大負荷時に所定のファン出力となることを保証するために実施される。なお、ファンは、CPUファンの他に、CPU以外の他の冷却対象を冷却するための種々のファンであってもよい。
【0004】
コンピュータでは、故障の発生を未然に検知するために、ファンのセルフテストの定期的な実施計画(スケジュール)が設定される。セルフテストにおいて合格基準を満たさないファンが検出された場合、当該ファンの修理又は交換が行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-25010号公報
【特許文献2】特開2020-140390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、セルフテストでは、ファンに供給可能な最大電力が所定時間に亘ってファンに供給される。また、セルフテストは定期的に実施される。このため、ファンのセルフテストの実施が計画されるコンピュータでは、消費電力の定期的な増加が発生する。
【0007】
1つの側面では、本発明は、ファンのセルフテストの実施が計画される情報処理装置における消費電力の増加を抑制することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの側面では、セルフテスト制御プログラムは、コンピュータに以下の処理を実行させてよい。前記処理は、情報処理装置が備えるファンのセルフテストの実施予定時刻よりも前の所定時刻における前記ファンの回転数に関する情報を取得してよい。また、前記処理は、取得された前記回転数に関する情報が前記セルフテストの合格基準に応じた条件を満たす場合に、前記実施予定時刻を、第1時刻から前記第1時刻よりも後の第2時刻に設定してよい。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面では、本発明は、ファンのセルフテストの実施が計画される情報処理装置における消費電力の増加を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るシステムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る管理装置の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係るシステムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
図4】サーバに格納されたスケジュール情報の一例を示す図である。
図5】テストログ情報の一例を示す図である。
図6】稼働ログ情報の一例を示す図である。
図7】制御定義情報の一例を示す図である。
図8】管理装置に格納されたスケジュール情報の一例を示す図である。
図9】スケジュール設定処理の一例を説明するための図である。
図10】スケジュール設定処理の他の例を説明するための図である。
図11】一実施形態に係るシステムにおける管理装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
図12】一実施形態に係る第1変形例におけるセルフテストの次回実行時刻の分散設定処理を説明するための図である。
図13】一実施形態に係る第2変形例におけるサーバのソフトウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形又は技術の適用を排除する意図はない。例えば、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、以下の説明で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
【0012】
〔A〕ハードウェア構成例
図1は、一実施形態に係るシステム1のハードウェア構成例を示すブロック図である。図1に例示するように、システム1は、N台(Nは1以上の整数)のサーバ2,及び管理装置3を備えてよい。以下の説明では、システム1が複数台(N≧2)のサーバ2を備えるものするが、システム1が備えるサーバ2は1台(N=1)であってもよい。以下、特定のサーバ2を示す場合にはサーバ#1~#Nと表記する場合がある。
【0013】
サーバ2は、コンピュータ又は情報処理装置の一例である。サーバ2は、例えば、1以上(図1の例では複数)のプロセッサ2aと、1以上(図1の例では複数)のファン2bとを備えてよい。
【0014】
プロセッサ2aは、種々の制御や演算を行なう演算処理装置の一例であり、ファン2bの冷却対象の一例である。ファン2bは、プロセッサ2a等の冷却対象を冷却する冷却装置であり、セルフテストの実行対象の一例である。図1に示すプロセッサ2aは例えばCPUであり、ファン2bは例えばCPUファン等のファンである。
【0015】
以下の説明では、サーバ2が複数のプロセッサ2a及び複数のファン2bを備えるものするが、サーバ2が備えるプロセッサ2a及びファン2bはそれぞれ1つであってもよい。各サーバ2においてプロセッサ2aの数とファン2bの数とは同数であってもよいし、異なってもよい。また、プロセッサ2aの数及びファン2bの数の一方又は双方は、サーバ2間で同数であってもよいし、異なってもよい。また、サーバ2は、プロセッサ2aとは異なる種々のハードウェアと、これらのハードウェアを冷却対象とする種々のファン2bとを備えてもよい。
【0016】
管理装置3は、コンピュータ,情報処理装置又はセルフテスト制御装置の一例である。管理装置3は、例えば、制御対象のファン2bの実働状況を収集し、ファン2bごとにセルフテストの実施の計画の管理を行なう。例えば、管理装置3は、サーバ2においてセルフテストを実行するアプリケーションの実行スケジュールを制御(スケジューリング)してよい。
【0017】
なお、管理装置3によるスケジューリングの実施単位(例えばスケジュールの設定単位)は、サーバ2単位であってもよいし、ファン2b単位であってもよい。以下の説明では、管理装置3は、ファン2b単位でスケジューリングを行なうものとする。
【0018】
複数のサーバ2の各々と管理装置3との間は、イーサネット(登録商標)等のネットワーク1aを介して相互に通信可能に接続されてよい。
【0019】
一実施形態に係る管理装置3は、仮想サーバ(VM:Virtual Machine)であってもよいし、物理サーバであってもよい。また、管理装置3の機能は、1台のコンピュータにより実現されてもよいし、2台以上のコンピュータにより実現されてもよい。さらに、管理装置3の機能のうちの少なくとも一部は、クラウド環境により提供されるハードウェアリソース及びネットワークリソースを用いて実現されてもよい。
【0020】
図2は、一実施形態に係る管理装置3の機能を実現するコンピュータ10のハードウェア(HW)構成例を示すブロック図である。管理装置3の機能を実現するHWリソースとして、複数のコンピュータが用いられる場合は、各コンピュータが図2に例示するHW構成を備えてよい。
【0021】
図2に示すように、コンピュータ10は、HW構成として、例示的に、プロセッサ10a、グラフィック処理装置10b、メモリ10c、記憶装置10d、IF(Interface)装置10e、IO(Input / Output)装置10f、及び読取装置10gを備えてよい。
【0022】
プロセッサ10aは、種々の制御や演算を行なう演算処理装置の一例である。プロセッサ10aは、コンピュータ10内の各ブロックとバス10jで相互に通信可能に接続されてよい。なお、プロセッサ10aは、複数のプロセッサを含むマルチプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサコアを有するマルチコアプロセッサであってもよく、或いは、マルチコアプロセッサを複数有する構成であってもよい。
【0023】
プロセッサ10aとしては、例えば、CPU、MPU、APU、DSP、ASIC、FPGA等の集積回路(IC:integrated circuit)が挙げられる。なお、プロセッサ10aとして、これらの集積回路の2以上の組み合わせが用いられてもよい。MPUはMicro Processing Unitの略称である。APUはAccelerated Processing Unitの略称である。DSPはDigital Signal Processorの略称であり、ASICはApplication Specific ICの略称であり、FPGAはField-Programmable Gate Arrayの略称である。
【0024】
グラフィック処理装置10bは、IO装置10fのうちのモニタ等の出力装置に対する画面表示制御を行なう。グラフィック処理装置10bとしては、種々の演算処理装置、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、APU、DSP、ASIC又はFPGA等の集積回路(IC)が挙げられる。
【0025】
メモリ10cは、種々のデータやプログラム等の情報を格納するHWの一例である。メモリ10cとしては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ、及び、PM(Persistent Memory)等の不揮発性メモリ、の一方又は双方が挙げられる。
【0026】
記憶装置10dは、種々のデータやプログラム等の情報を格納するHWの一例である。記憶装置10dとしては、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)等の半導体ドライブ装置、不揮発性メモリ等の各種記憶装置が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えば、フラッシュメモリ、SCM(Storage Class Memory)、ROM(Read Only Memory)等が挙げられる。
【0027】
記憶装置10dは、コンピュータ10の各種機能の全部若しくは一部を実現するプログラム10h(例えばセルフテスト制御プログラム)を格納してよい。
【0028】
例えば、管理装置3のプロセッサ10aは、記憶装置10dに格納されたプログラム10hをメモリ10cに展開して実行することにより、後述する管理装置3(例えば図3に示す制御部30)としての機能を実現できる。
【0029】
IF装置10eは、管理装置3とサーバ2との間の接続及び通信の制御等を行なう通信IFの一例である。例えば、IF装置10eは、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)、或いは、FC(Fibre Channel)等の光通信等に準拠したアダプタを含んでよい。当該アダプタは、無線及び有線の一方又は双方の通信方式に対応してよい。
【0030】
例えば、管理装置3は、IF装置10e及びネットワーク1aを介して、図1に例示するサーバ2と相互に通信可能に接続されてよい。なお、プログラム10hは、当該通信IFを介して、ネットワーク(例えば外部ネットワーク)からコンピュータ10にダウンロードされ、記憶装置10dに格納されてもよい。
【0031】
IO装置10fは、入力装置、及び、出力装置、の一方又は双方を含んでよい。入力装置としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等が挙げられる。出力装置としては、例えば、モニタ、プロジェクタ、プリンタ等が挙げられる。また、IO装置10fは、入力装置及び出力装置が一体となったタッチパネル等の表示装置を含んでもよい。出力装置は、グラフィック処理装置10bに接続されてよい。
【0032】
読取装置10gは、記録媒体10iに記録されたデータやプログラムの情報を読み出すリーダの一例である。読取装置10gは、記録媒体10iを接続可能又は挿入可能な接続端子又は装置を含んでよい。読取装置10gとしては、例えば、USB(Universal Serial Bus)等に準拠したアダプタ、記録ディスクへのアクセスを行なうドライブ装置、SDカード等のフラッシュメモリへのアクセスを行なうカードリーダ等が挙げられる。なお、記録媒体10iにはプログラム10hが格納されてもよく、読取装置10gが記録媒体10iからプログラム10hを読み出して記憶装置10dに格納してもよい。
【0033】
記録媒体10iとしては、例示的に、磁気/光ディスクやフラッシュメモリ等の非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体が挙げられる。磁気/光ディスクとしては、例示的に、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク、HVD(Holographic Versatile Disc)等が挙げられる。フラッシュメモリとしては、例示的に、USBメモリやSDカード等の半導体メモリが挙げられる。
【0034】
上述したコンピュータ10のHW構成は例示である。従って、コンピュータ10内でのHWの増減(例えば任意のブロックの追加や削除)、分割、任意の組み合わせでの統合、又は、バスの追加若しくは削除等は適宜行なわれてもよい。
【0035】
なお、サーバ2の機能を実現するコンピュータは、図2に例示するコンピュータ10と同様のHW構成を備えてもよい。例えば、サーバ2のプロセッサ10a(図1に示すプロセッサ2a)は、記憶装置10dに格納されたプログラム10hをメモリ10cに展開して実行することにより、後述するサーバ2(例えば図3に示す制御部20)としての機能を実現できる。
【0036】
〔B〕ソフトウェア構成例
図3は、一実施形態に係るシステム1のソフトウェア構成例を示すブロック図である。以下、サーバ2及び管理装置3のそれぞれのソフトウェア構成例を説明する。
【0037】
〔B-1〕サーバのソフトウェア構成例
図3に示すように、サーバ2は、例示的に、メモリ部21,OS22,及びセルフテスト実行部23を備えてよい。OS22及びセルフテスト実行部23は、制御部20の一例である。
【0038】
メモリ部21は、記憶領域の一例であり、サーバ2が利用する種々のデータを記憶する。メモリ部21は、例えば、サーバ2のメモリ10c及び記憶部10d(図2参照)のうちの一方又は双方が有する記憶領域により実現されてもよい。
【0039】
図3に示すように、メモリ部21は、例示的に、スケジュール情報21a及びテストログ情報21bを記憶可能であってよい。以下、スケジュール情報21a及びテストログ情報21bの各々をテーブル形式で表記するが、これに限定されるものではなく、スケジュール情報21a及びテストログ情報21bの各々は、DB(Database),配列等の種々の形式のデータであってもよい。
【0040】
図4は、サーバ2に格納されたスケジュール情報21aの一例を示す図である。スケジュール情報21aは、ファン2bのセルフテストの実施計画を示す情報の一例である。図4に例示するように、スケジュール情報21aは、ファンID,次回実行時刻,実施時間(分)の項目を含んでよい。
【0041】
ファンIDは、サーバ2に備えられるファン2bのうちの、セルフテストの実施対象となるファン2bの識別情報の一例である。
【0042】
次回実行時刻は、実施対象のファン2bに対するセルフテストの次回の実施予定時刻である。実施時間(分)は、セルフテストを実施する時間(期間)であり、所定時間の一例である。図4には、例えばファンID:1について、2023/07/10 20:40:00から10分間におけるセルフテストの実施計画が設定されている。
【0043】
OS22は、サーバ2の管理及び制御を行なう基本ソフトウェアの一例であり、種々のアプリケーションに対して、サーバ2のハードウェア資源及び/又はソフトウェア資源を利用可能とするソフトウェアである。
【0044】
セルフテスト実行部23は、スケジュール情報21aに基づくスケジュールでファン2bのセルフテストを実行する。セルフテスト実行部23は、OS22上で実行されるアプリケーション(ソフトウェア)であり、例えば、サーバ2の電源オン(例えばOS22の起動)後に起動されてよい。
【0045】
セルフテスト実行部23は、例えば、現在時刻がスケジュール情報21aの次回実行時刻になったエントリ(実施対象)のファン2bに対して、当該ファン2bに供給可能な最大電力を当該エントリの実施時間に亘って供給する。
【0046】
セルフテスト実行部23は、セルフテストの実施中にファン2bの回転数を計測し、回転数からファン2bの回転率を算出してよい。回転率又は回転率は、ファン2bの回転数に関する情報の一例である。回転率は、ファン出力の一例であり、ファン2bの最大回転数(rpm:revolutions per minute)に対する、ファン2bの計測された回転数の割合である。ファン2bの最大回転数は、ファン2bの理論上(例えばカタログ上)で最大の回転数であり、ファン2bのモデル(製品)ごとに固有の値である。最大回転数の情報は、例えばサーバ2又は管理装置3の管理者等により予めメモリ部21に格納されてよい。
【0047】
セルフテスト実行部23は、回転率がセルフテストの合格基準以上であるか否かに応じた合否の結果をテストログ情報21bに設定する。
【0048】
図5は、テストログ情報21bの一例を示す図である。テストログ情報21bは、セルフテストのテストログ(エントリ)を蓄積した情報である。図5の例では、テストログ情報21bには、セルフテストが実施された順に、実施対象ごとの複数のテストログが蓄積されてよい。
【0049】
図5に例示するように、テストログ情報21bは、ファンID,テスト開始時刻,テスト終了時刻,テスト結果の項目を含んでよい。ファンIDは、セルフテストが実行されたファン2bの識別情報の一例である。テスト開始時刻及びテスト終了時刻は、それぞれ、セルフテストの実行の開始時刻及び終了時刻である。
【0050】
テスト結果は、セルフテスト実行部23によるセルフテストの合否の判定結果である。例えばセルフテスト実行部23は、回転率が合格基準以上である場合にテスト結果に合格を示す値(例えば0)を設定し、回転率が合格基準未満である場合にテスト結果に不合格を示す値(例えば1)を設定してよい。
【0051】
なお、セルフテスト実行部23は、テストログ情報21bに基づきアラートを出力してもよい。セルフテスト実行部23は、例えば不合格を示す値を設定されたエントリがテストログ情報21bに含まれる場合に、当該エントリのファンIDを示す情報を含むアラートを出力してよい。アラートの出力には、例えばサーバ2のIO装置10f(出力装置)への表示,IF装置10eを介した管理者へのメッセージ送信等の種々の態様により行なわれてよい。
【0052】
また、セルフテスト実行部23は、例えば起動後に、現在時刻に所定期間を加算した時刻をスケジュール情報21aの次回実行時刻に設定してよい。なお、サーバ2におけるセルフテストのスケジュールは、管理装置3により管理される。このため、セルフテスト実行部23は、セルフテスト実行部23及び管理装置3の起動後に、管理装置3から次回実行時刻の情報を受信し、受信した情報をスケジュール情報21aに設定してもよい。
【0053】
〔B-2〕管理装置のソフトウェア構成例
図3に示すように、管理装置3は、例示的に、メモリ部31,稼働ログ情報収集部32,延伸判定部33,及びスケジュール設定部34を備えてよい。稼働ログ情報収集部32,延伸判定部33,及びスケジュール設定部34は、制御部30の一例である。なお、稼働ログ情報収集部32,延伸判定部33,及びスケジュール設定部34は、例えば管理装置3の電源オン(例えば管理装置3のOSの起動)後に起動されてよい。
【0054】
メモリ部31は、記憶領域の一例であり、管理装置3が利用する種々のデータを記憶する。メモリ部31は、例えば、管理装置3のメモリ10c及び記憶部10d(図2参照)のうちの一方又は双方が有する記憶領域により実現されてもよい。
【0055】
図3に示すように、メモリ部31は、例示的に、稼働ログ情報31a,制御定義情報31b,及びスケジュール情報31cを記憶可能であってよい。以下、これらの情報31a~31cの各々をテーブル形式で表記するが、これに限定されるものではなく、これらの情報31a~31cの各々は、DB,配列等の種々の形式のデータであってもよい。
【0056】
稼働ログ情報収集部32は、ファン2bのセルフテストの実施予定時刻よりも前の所定時刻におけるファン2bの回転数に関する情報を取得する。稼働ログ情報収集部32は、例えば、セルフテストのスケジュールの制御対象のサーバ2から、所定の時間(一定時間)周期でセルフテストの実施対象のファン2bの稼働ログを収集し、取得した稼働ログを稼働ログ情報31aに格納する。稼働ログには、ファンの回転数に関する情報、例えばファン2bの回転数又は回転率が含まれてよい。所定の時間は、例えばセルフテストの実施時間以上の時間であってもよい。
【0057】
稼働ログ情報収集部32は、例えば制御対象のサーバ2(例えばセルフテスト実行部23又は他のアプリケーション)の各々に、稼働ログを管理装置3に送信させるための指示を送信してよい。或いは、各サーバ2のセルフテスト実行部23又は他のアプリケーションに、所定の時間周期で管理装置3に稼働ログを送信する機能を持たせてもよい。
【0058】
サーバ2は、例えば、稼働ログとしてファン2bの回転数を計測してよい。ファン2bの回転数は、例えば稼働ログを送信する時点の計測値であってもよいし、所定の時間における回転数の統計値等であってもよい。統計値としては、例えば最大値,平均値,重み付き平均値等が挙げられる。なお、サーバ2は、計測した回転数から回転率を算出し、算出した回転率を稼働ログとして管理装置3に送信してもよい。
【0059】
図6は、稼働ログ情報31aの一例を示す図である。稼働ログ情報31aは、稼働ログ(エントリ)を蓄積した情報である。図6の例では、稼働ログ情報31aには、稼働ログ情報収集部32により収集された順に、実施対象ごとの複数の稼働ログが蓄積されてよい。
【0060】
図6に例示するように、稼働ログ情報31aは、サーバID,ファンID,計測時刻,ファン回転率(%)の項目を含んでよい。
【0061】
サーバIDは、稼働ログの送信元(計測元)のサーバ2の識別情報の一例である。ファンIDは、稼働ログの計測対象であるファン2bの識別情報の一例である。以下、稼働ログの計測対象である特定のファン2bを示す場合、サーバID:n(1≦n≦N),ファンID:m(mは1以上の整数)を用いて、SnFmと表記する場合がある。例えばサーバID:2,ファンID:1のファン2bをS2F1と表記する。
【0062】
計測時刻は、稼働ログが計測された時刻である。なお、計測時刻は、稼働ログ情報収集部32が稼働ログを受信した時刻であってもよい。ファン回転率(%)は、ファン2bのファン出力の一例である。
【0063】
稼働ログ情報収集部32は、例えば、サーバ2からファン2bの回転率を受信した場合には受信した当該回転率をファン回転率に設定してもよい。或いは、稼働ログ情報収集部32は、サーバ2からファン2bの回転数を受信した場合には、当該回転数と当該ファン2bの最大回転数とを用いて回転率を算出し、算出した回転率をファン回転率に設定してもよい。この場合、管理装置3のメモリ部31には、例えば管理者等により、各サーバ2が備える各ファン2bの最大回転数の情報が予め格納されてよい。
【0064】
なお、管理装置3は、制御対象となるサーバ2の各々のアドレス(例えばIP(Internet Protocol)アドレス)のリストを例えばメモリ部31に保持してよく、当該サーバ2のアドレスに向けて各種要求(指示)等を送信してよい。
【0065】
延伸判定部33は、稼働ログ情報31a及び制御定義情報31bに基づき、取得された回転数に関する情報がセルフテストの合格基準に応じた条件を満たすか否かに応じて、ファン2bのセルフテストの実施予定時刻が延伸可能か否かを判定する。
【0066】
図7は、制御定義情報31bの一例を示す図である。制御定義情報31bは、各サーバ2におけるセルフテスト実行部23による動作(セルフテストの実行)を制御するための定義情報である。図7に例示するように、制御定義情報31bは、サーバID,ファンID,テスト間隔(時間),延伸可能回転率(%)の項目を含んでよい。
【0067】
サーバID,ファンIDは、それぞれ、制御対象のサーバ2,ファン2bの識別情報の一例である。テスト間隔(時間)は、サーバIDのセルフテスト実行部23がファンIDのセルフテストを実行する時間間隔であり、セルフテストの実施間隔の一例である。
【0068】
延伸可能回転率(%)は、セルフテストの合格基準に応じた条件を定義する基準の一例であり、セルフテストの合格基準である基準回転率以下に設定された閾値の一例である。
【0069】
上述したように、ファン2bは、例えば冷却対象が最大負荷の際に所定のファン出力となるように調整される。ファン2bのセルフテストでは、例えば冷却対象の最大負荷時に当該所定のファン出力となることを保証するために、既定の入力電力の100%(例えば最大電力)の負荷が所定時間に亘ってファン2bに供給される。
【0070】
しかし、サーバ2の運用(実働)の際に、セルフテストと同等の負荷が発生しているファン2bも存在し得る。このようなファン2bについては、冷却対象の最大負荷時に、所定のファン出力が得られることが保証、或いは、所定のファン出力が得られるであろうことが推定される。
【0071】
従って、一実施形態では、冷却対象の負荷が上昇しファン出力が閾値以上になった、換言すれば稼働ログ情報31aにおいてファン出力が延伸可能回転率以上になった、という実績を確認できた場合、当該ファン2bのセルフテストは実行されたものとして扱う。
【0072】
この場合、定期的なセルフテストは、ファン出力が延伸可能回転率以上になったタイミングで前倒しで実施されたものと見做すことができ、当該タイミングからテスト間隔で次回以降のセルフテストの実施が計画されてよい。換言すれば、当該ファン2bについての次回のセルフテストの実施を延伸(実施予定時刻を延期)することができる。
【0073】
延伸判定部33は、稼働ログ情報31aを参照し、稼働ログ情報収集部32により取得された回転数に関する情報が延伸可能回転率以上である場合に、当該ファン2bのセルフテストの実施計画を延伸する(スケジュールを先延ばしにする)と判定してよい。
【0074】
延伸判定部33は、或るファン2bのセルフテストの実施計画を延伸すると判定した場合、延伸可能であることを示す制御情報、例えば設定フラグを、当該ファン2bと対応付けて有効化(例えばON)してよい。
【0075】
また、延伸判定部33は、管理装置3(例えばOS)の起動後、又は、制御対象のサーバ2(例えばセルフテスト実行部23)の起動の検出後に、初回の実施計画を設定してよい。一例として、延伸判定部33は、管理装置3の制御対象である複数のファン2bのうちの初回設定が未実施のファン2bの各々について、設定フラグを有効化してもよい。
【0076】
なお、延伸可能回転率は、セルフテストの合格基準である基準回転率と等しくてもよいし、基準回転率よりも小さくてもよい。延伸可能回転率が基準回転率よりも小さい場合、計測された回転率が延伸可能回転率以上、且つ、基準回転率未満となる場合がある。
【0077】
基準回転率は、冷却対象の負荷が最大の場合において期待されるファン出力である。一方、サーバ2のハードウェア性能が高いほど、又は、サーバ2で実行されるアプリケーションの処理負荷が小さいほど、冷却対象の負荷が最大になる状況の発生頻度は低くなる。冷却対象の負荷が最大になり難い環境においても、セルフテストの実施計画を延伸できるようにするために、基準回転率よりも小さい延伸可能回転率が設定されてもよい。延伸可能回転率は、例えば、ファン2bごとに、冷却対象の負荷の傾向,冷却対象の負荷とファン出力との相関関係等に基づき設定されてもよい。
【0078】
スケジュール設定部34は、ファン2bのセルフテストの実施予定時刻を第1時刻としたセルフテストの実施計画について、実施予定時刻を、第1時刻よりも後の第2時刻に設定する。例えば、スケジュール設定部34は、取得された回転数に関する情報がセルフテストの合格基準に応じた条件を満たすと延伸判定部33により判定された場合に、制御対象のファン2bのセルフテストの実施計画を変更(延伸)してよい。
【0079】
スケジュール設定部34は、例えばスケジュール情報21aの更新のために、制御対象のサーバ2の各々からスケジュール情報21aを収集し、収集したスケジュール情報21aをスケジュール情報31cとしてメモリ部31に格納してもよい。
【0080】
図8は、管理装置3に格納されたスケジュール情報31cの一例を示す図である。図8に例示するように、スケジュール情報31cは、サーバID,ファンID,次回実行時刻,実施時間(分)の項目を含んでよい。
【0081】
サーバIDは、スケジュール情報21aの送信元のサーバ2の識別情報の一例である。ファンID,次回実行時刻,実施時間(分)は、送信元のサーバ2から取得したスケジュール情報21aの内容である。
【0082】
スケジュール設定部34は、例えば、延伸判定部33により有効化された設定フラグと対応付けられたファン2bの各々について、制御定義情報31bからテスト間隔を取得する。スケジュール設定部34は、取得したテスト間隔を現在時刻(或いは稼働ログの計測時刻)に加算した時刻を、延伸対象のファン2bの変更後の次回実行時刻(第2時刻)として算出する。そして、スケジュール設定部34は、延伸対象のファン2bを備えるサーバ2に、算出した次回実行時刻を送信する。
【0083】
これにより、ファン回転率が延伸可能回転率以上となったことをセルフテストの実行と見做して、次回のセルフテストのスケジュールを、予定されていたセルフテストの実施時刻よりも後に設定することができる。従って、セルフテストの実行を先延ばしでき、消費電力の増加を抑制できる。
【0084】
また、スケジュール設定部34は、管理装置3(例えばOS)の起動後、又は、制御対象のサーバ2(例えばセルフテスト実行部23)の起動の検出後に、初回の実施計画を設定してよい。一例として、スケジュール設定部34は、管理装置3の制御対象である複数のファン2bのうちの初回設定が未実施のファン2bの各々について、現在時刻に制御定義情報31bのファン2bごとのテスト間隔を加算した次回実行時刻を算出し、当該ファン2bを備えるサーバ2に送信してもよい。
【0085】
例えば、スケジュール設定部34は、延伸判定部33により複数のファン2bのそれぞれについてONにセットされた設定フラグに基づき、初回の実施計画として、複数のファン2bのそれぞれを備えるサーバ2に次回実行時刻を送信してよい。
【0086】
サーバ2は、スケジュール設定部34から受信した次回実行時刻を、スケジュール情報21aの該当するファン2bのエントリに設定する。
【0087】
スケジュール設定部34は、スケジュール情報31cに次回実行時刻を設定すると、当該ファン2bについての設定フラグを無効化(例えばOFF)してよい。
【0088】
図9は、スケジュール設定処理の一例を説明するための図である。図9では、管理装置3による制御対象の1つであるサーバID:1,ファンID:1のファン2b(S1F1)に着目する。稼働ログ情報収集部32は、例えば10分間隔でファン2bの稼働ログを収集する。
【0089】
延伸判定部33は、稼働ログが収集される都度(例えば10分間隔で)、収集されたファン回転率と、制御定義情報31bの延伸可能回転率:70%とを比較し、ファン回転率が延伸可能回転率以上となった場合に設定フラグをONにセットする。図9の例では、延伸判定部33は、9:10,21:00のそれぞれのタイミングで、ファン回転率:80%が延伸可能回転率:70%以上となったため、設定フラグをONにセットする。
【0090】
スケジュール設定部34は、S1F1の設定フラグがONになったことを検出すると、スケジュール情報31cにおける当該S1F1の次回実行時刻に、現在時刻と制御定義情報31bのテスト間隔とを加算した時刻を設定する。図9の例では、スケジュール設定部34は、9:10に次回実行時刻として21:10を設定し(矢印A1参照)、21:00に次回実行時刻として(翌日の)9:00を設定する(矢印A2参照)。
【0091】
これにより、図9に表示されている時間範囲において、S1F1のセルフテストを矢印A1及びA2の2回に亘って延伸することができ、セルフテストの2回分の消費電力を削減できる。
【0092】
図10は、スケジュール設定処理の他の例を説明するための図である。図10では、管理装置3による制御対象の少なくとも一部のファン2bとして、以下の3つのファン2bに着目する。稼働ログ情報収集部32は、例えば10分間隔でそれぞれのファン2bの稼働ログを収集する。なお、S1F1については図9と同様である。
サーバID:1,ファンID:1のファン2b(S1F1)
サーバID:1,ファンID:2のファン2b(S1F2)
サーバID:2,ファンID:1のファン2b(S2F1)
【0093】
S1F2について、延伸判定部33は、稼働ログが収集される都度、収集されたファン回転率と、制御定義情報31bの延伸可能回転率:70%とを比較し、ファン回転率が延伸可能回転率以上となった場合に設定フラグをONにセットする。図10の例では、延伸判定部33は、9:20にファン回転率:70%が延伸可能回転率:70%以上となり、21:20にファン回転率:100%が延伸可能回転率:70%以上となったため、それぞれのタイミングで設定フラグをONにセットする。
【0094】
スケジュール設定部34は、S1F2の設定フラグがONになったことを検出すると、スケジュール情報31cにおける当該S1F2の次回実行時刻に、現在時刻と制御定義情報31bのテスト間隔とを加算した時刻を設定する。図10の例では、スケジュール設定部34は、9:20にスケジュール情報31cに次回実行時刻として21:20を設定し(矢印B1参照)、21:20にスケジュール情報31cに次回実行時刻として翌日の9:20を設定する(矢印B2参照)。
【0095】
なお、図10に矢印B3で示すように、サーバID:1では、スケジュール情報31c(21a)に設定されているように21:20にS1F2のセルフテストが実行されている。当該時刻では、S1F2に供給可能な最大電力が供給されるため、ファン回転率が100%になり、延伸判定部33により設定フラグがONにセットされる。
【0096】
このように、一実施形態に係る管理装置3によれば、スケジュール情報21aに従ってファン2bのセルフテストが実行された場合にも、テスト間隔に応じた次回実行時刻を適切に設定することができる。
【0097】
また、図10に表示されている時間範囲において、S1F2のセルフテストを矢印B1の1回分延伸することができ、セルフテストの1回分の消費電力を削減できる。
【0098】
S2F1について、延伸判定部33は、稼働ログが収集される都度、収集されたファン回転率と、制御定義情報31bの延伸可能回転率:80%とを比較し、ファン回転率が延伸可能回転率以上となった場合に設定フラグをONにセットする。図10の例では、延伸判定部33は、20:50にファン回転率:80%が延伸可能回転率:80%以上となったため、当該タイミングで設定フラグをONにセットする。
【0099】
スケジュール設定部34は、S2F1の設定フラグがONになったことを検出すると、スケジュール情報31cにおける当該S2F1の次回実行時刻に、現在時刻と制御定義情報31bのテスト間隔とを加算した時刻を設定する。図10の例では、スケジュール設定部34は、20:50にスケジュール情報31cに次回実行時刻として翌日の8:50を設定する(矢印C1参照)。
【0100】
これにより、図10に表示されている時間範囲において、S2F1のセルフテストを矢印C1の1回分延伸することができ、セルフテストの1回分の消費電力を削減できる。
【0101】
以上のように、一実施形態に係る管理装置3によれば、稼働ログ情報収集部32は、ファン2bのセルフテストの実施予定時刻を第1時刻としたセルフテストの実施計画が設定されたサーバ2から、実施予定時刻よりも前の所定時刻におけるファン2bの回転数に関する情報を取得する。また、延伸判定部33及びスケジュール設定部34は、取得された回転数に関する情報がセルフテストの合格基準に応じた条件を満たす場合に、実施計画における実施予定時刻を、第1時刻よりも後の第2時刻に設定する。
【0102】
これにより、サーバ2におけるファン2bのセルフテストの実施頻度を最低限の頻度に抑えることができ、セルフテストの実施に伴うサーバ2又はシステム1全体の消費電力の増加を抑制することができる。
【0103】
また、セルフテストの実施によりファン2bの部品が劣化するが、セルフテストの実施頻度を低減させることで、ファン2bの部品の劣化を軽減させることができ、ファン2bの製品寿命を延ばすことが可能となる。
【0104】
〔C〕動作例
次に、一実施形態に係るシステム1の動作例を説明する。図11は、一実施形態に係るシステム1における管理装置3の動作例を説明するためのフローチャートである。なお、図11に示すフローチャートは、例えば管理装置3の制御対象の複数のファン2b(サーバID,ファンIDの組み合わせ)の各々について、及び、セルフテスト実行部23の起動が検出されたサーバ2に備えられる複数のファン2bの各々について、順次又は並行して実行されてよい。以下の説明では、制御対象の複数のファン2bのうちの1つのファン2b(以下、「制御対象ファン2b」と表記する)に着目する。
【0105】
図11に例示するように、延伸判定部33は、制御定義情報31bから制御対象ファン2bのテスト間隔,延伸可能回転率を取得する(ステップS1)。
【0106】
延伸判定部33は、制御対象ファン2bに対応する設定フラグをONにする(ステップS2)。
【0107】
スケジュール設定部34は、制御対象ファン2bに対応する設定フラグがONか否かを判定する(ステップS3)。
【0108】
設定フラグがONである場合(ステップS3でYES)、スケジュール設定部34は、現在時刻にステップS1で取得したテスト間隔を加算した時刻を、スケジュール情報31cにおける制御対象ファン2bの次回実行時刻に設定する(ステップS4)。
【0109】
スケジュール設定部34は、例えば設定した次回実行時刻を、制御対象ファン2bを備えるサーバ2に送信することで、当該サーバ2のスケジュール情報21aに次回実行時刻を設定させてよい。スケジュール設定部34は、制御対象ファン2bの制御フラグをOFFにし(ステップS5)、処理がステップS3に移行する。
【0110】
なお、ステップS1からS5までの一連のフロー(ステップS1及びS2,ステップS3のYES,ステップS4及びS5のフロー)は、管理装置3の起動後における、ファン2bのスケジュール情報31cの初回設定処理の一例である。
【0111】
ステップS3において、設定フラグがOFFである場合(ステップS3でNO)、稼働ログ情報収集部32は、一定時間待機し(ステップS6)、制御対象ファン2bの稼働ログを収集し、ファン回転率を取得する(ステップS7)。稼働ログ情報収集部32は、例えば取得した稼働ログに含まれるファン回転率、又は、稼働ログに含まれる回転数から算出したファン回転率を稼働ログ情報31aに格納してよい。
【0112】
延伸判定部33は、稼働ログ情報収集部32が取得したファン回転率が、ステップS1で取得した延伸可能回転率以上であるか否かを判定する(ステップS8)。
【0113】
ファン回転率が延伸可能回転率未満である場合(ステップS8でNO)、処理がステップS3に移行する。
【0114】
ステップS8において、ファン回転率が延伸可能回転率以上である場合(ステップS8でYES)、延伸判定部33は、制御対象ファン2bに対応する設定フラグをONにし(ステップS9)、処理がステップS3に移行する。
【0115】
なお、ステップS5,ステップS8のNO又はステップS9からステップS3に処理が移行した後の、ステップS3からS9までのフローは、初回設定処理後に所定の時間ごとに行なわれるスケジュール変更処理の一例である。
【0116】
以上のように、管理装置3は、制御対象の複数のファン2bの各々について、所定の時間ごとに稼働ログを収集し、稼働ログから得られるファン回転率が延伸可能回転率以上の場合にスケジュール情報21aを更新(延伸)する。
【0117】
〔D〕変形例
次に、一実施形態に係るシステム1の変形例について説明する。
【0118】
〔D-1〕第1変形例
一実施形態に係るスケジュール設定部34は、制御フラグがONの場合に、現在時刻にテスト間隔を加算することで次回実行時刻を算出するものとしたが、これに限定されるものではない。
【0119】
セルフテストの実施対象であるファン2bの数が増加するにつれて、セルフテストの実施に伴うシステム1の消費電力が増加する。ファン2bの数が増加する場合としては、例えばサーバ2に複数のファン2bが備えられる場合、並びに、システム1が複数(例えば多数)のサーバ2を備える場合の一方又は双方の場合が挙げられる。例えば、システム1が複数(一例として、数十~数百台)のサーバ2を備えるデータセンタ等の施設である場合を想定する。
【0120】
上述したように、セルフテストの実施計画は、例えば管理装置3の起動後、又は、サーバ2の起動の検出後に、テスト間隔の経過ごとに定期的に実施するように設定される。このため、管理装置3が起動してからの経過時間が短いほど、制御対象のサーバ2の台数が多いほど、又は、同時に起動したサーバ2の台数が多いほど、同時刻帯におけるセルフテストの実行数が多くなる。これにより、当該時刻帯におけるシステム1の消費電力が急峻に増加する可能性がある。
【0121】
そこで、第1変形例に係るスケジュール設定部34は、システム1全体における電力消費量を分散させるように、複数のファン2bの各々の次回実行時刻を算出してよい。例えば、スケジュール設定部34は、設定フラグがONであるファン2bの数が所定数を超える場合、同時刻帯の次回実行時刻が設定されるファン2bの数を所定数以内に制限するように、次回実行時刻を算出してよい。
【0122】
図12は、一実施形態に係る第1変形例におけるセルフテストの次回実行時刻の分散設定処理を説明するための図である。図12では、簡単のために、設定フラグがONであるファン2bの数(セルフテスト実行数の最大数)が9であり、閾値である所定数が3である場合を例に挙げて説明する。
【0123】
図12の符号D1には、次回実行時刻を同時刻帯に設定する場合におけるセルフテストの次回実行時刻と実行数との関係を示す。符号D1では、例えば4:00(テスト間隔が12時間の場合)に管理装置3が起動し、初回設定処理により、9つのファン2bについて設定フラグがONになり、これらのファン2bの次回実行時刻が16:00に設定された例を示す。
【0124】
図12の符号D2には、次回実行時刻を分散して設定する場合におけるセルフテストの次回実行時刻と実行数との関係を示す。符号D2においても、例えば4:00(テスト間隔が12時間の場合)に管理装置3が起動し、初回設定処理により、9つのファン2bについて設定フラグがONになった例を示す。
【0125】
スケジュール設定部34は、設定フラグがONであるファン2bの数と、所定数とを比較する。スケジュール設定部34は、ファン2bの数が所定数を超える場合、所定数を超える数のファン2bについて、次回実行時刻が同一の時刻帯に設定されるファン2bの数が所定数以下となるように(時刻帯が重ならないように)次回実行時刻を調整し、スケジュール情報31cに設定する。
【0126】
なお、時刻帯とは、例えば稼働ログが収集される時間間隔(≧セルフテストの実行時間)である一定時間の範囲であってよい。所定数は、例えば、システム1において同時刻帯にセルフテストが実行されても消費電力が許容範囲となる上限の同時実行数であり、例えば管理者等により予め設定されてよい。
【0127】
スケジュール設定部34は、例えば、同時刻帯にセルフテストが実行されるファン2bの数が所定数以下となるように、現在時刻+テスト間隔により得られる次回実行時刻と近似する時刻を、次回実行時刻の前方検索及び後方検索によって探索してよい。
【0128】
一例として、符号D2に示すように、スケジュール設定部34は、所定数である3つのファン2b(濃い網掛けの四角枠参照)については、一実施形態と同様に、現在時刻+テスト間隔の次回実行時刻(16:00)を算出する。
【0129】
また、スケジュール設定部34は、所定数を超える6つのファン2bのうち、所定数である3つ以下のファン2b(斜線の四角枠参照)については、現在時刻+テスト間隔-一定時間(例えば10分)の次回実行時刻(15:50)を算出する。
【0130】
さらに、スケジュール設定部34は、残りの3つのファン2b(薄い網掛けの四角枠参照)については、現在時刻+テスト間隔+一定時間(例えば10分)の次回実行時刻(16:10)を算出する。
【0131】
図12に示す例では、次回実行時刻を16:00の前後1つずつの時刻帯(15:50,16:10)に設定することで、9つのファン2bの次回実行時刻を分散して設定可能である。なお、分散させるための次回実行時刻は、例えば一般化した下記式(1)により算出されてよい。下記式(1)において、iは1からjまで増加する変数である。jは、設定フラグがONであるファン2bの数をX、所定数をYとすると、下記式(2)により算出されてよい。
現在時刻+テスト間隔±一定時間×i (|i|≦|j|) (1)
j=(X-Y)/(2×Y) (2)
【0132】
上記式(1)及び(2)は例示であり、分散させるための次回実行時刻は、種々の手法により算出されてよい。
【0133】
以上のように、第1変形例によれば、各時刻帯において、セルフテストの実行数を所定数以下に抑えることができ、システム1の消費電力の急峻な増加を抑制することができる。従って、消費電力の増加によりシステム1又はサーバ2が停止する可能性を低減できる。また、このような停止を回避するために過剰な電源設備を導入せずに済むため、費用の増加を抑制できる。
【0134】
〔D-2〕第2変形例
一実施形態及び第1変形例では、管理装置3が制御対象のサーバ2の各々におけるファン2bのセルフテストのスケジュールを制御するものとして説明したが、これに限定されるものではない。管理装置3の機能は、例えばサーバ2に備えられてもよい。
【0135】
図13は、一実施形態に係る第2変形例におけるサーバ2Aのソフトウェア構成を示すブロック図である。サーバ2Aは、セルフテスト制御装置の一例である。図13に例示するように、サーバ2Aは、図3に示すメモリ部21に代えて、メモリ部21Aを備えるとともに、図3に示すOS22及びセルフテスト実行部23に加えて、稼働ログ情報収集部32,延伸判定部33及びスケジュール設定部34の機能を備えてよい。OS22及びセルフテスト実行部23は、一実施形態と同様である。
【0136】
メモリ部21Aは、メモリ部21が記憶するスケジュール情報21a及びテストログ情報21bに加えて、稼働ログ情報31a及び制御定義情報31bを記憶可能であってよい。なお、稼働ログ情報31a及び制御定義情報31bには、当該制御部20Aが備えるファン2bについての情報が格納されればよい。
【0137】
稼働ログ情報収集部32,延伸判定部33及びスケジュール設定部34は、一実施形態と同様の手法により、サーバ2Aが備えるファン2bを対象として、稼働ログの収集(稼働ログ情報31aの生成),延伸判定,及びスケジュール設定を行なってよい。スケジュール設定部34は、例えばスケジュール情報21aに次回設定時刻を設定してよい。
【0138】
なお、サーバ2Aを備えるシステム1に第1変形例に係る手法を適用する場合、システム1が備える複数のサーバ2Aのうちの所定のサーバ2Aが、次回実行時刻の分散設定を制御してもよい。例えば、所定のサーバ2A(スケジュール設定部34)は、他のサーバ2Aの各々からスケジュール情報21a,制御定義情報31b及び設定フラグを取得し、取得した情報に基づき算出した次回実行時刻を、各サーバ2Aに送信してもよい。
【0139】
また、システム1は、第2変形例に係るサーバ2Aと、一実施形態又は第1変形例に係るサーバ2及び管理装置3とを備えてもよい。この場合、管理装置3は、管理装置3の制御対象となるサーバ2について、セルフテストのスケジュールを制御すればよい。また、このようなシステム1に第1変形例に係る手法を適用する場合、サーバ2Aは、管理装置3にスケジュール情報21a,制御定義情報31b及び設定フラグを送信してもよい。この場合、管理装置3は、管理装置3の制御対象となるサーバ2と、サーバ2Aとについて、次回実行時刻の分散設定を行なってもよい。
【0140】
〔E〕その他
上述した実施形態及び変形例に係る技術は、以下のように変形、変更して実施することができる。
【0141】
例えば、図3に示すサーバ2が備える機能ブロック22及び23,管理装置3が備える機能ブロック32~34は、任意の組み合わせで併合してもよく、それぞれ分割してもよい。また、図13に示すサーバ2Aが備える機能ブロック22,23及び32~34は、任意の組み合わせで併合してもよく、それぞれ分割してもよい。
【0142】
また、例えば、図3に示すメモリ部21が格納する情報21a及び21b,メモリ部31が格納する情報31a~31cは、任意の組み合わせで併合してもよく、それぞれ分割してもよい。また、例えば、図13に示すメモリ部21Aが格納する情報21a,21b,31a及び31bは、任意の組み合わせで併合してもよく、それぞれ分割してもよい。
【0143】
さらに、図3に示す管理装置3は、複数の装置がネットワークを介して互いに連携することにより、各処理機能を実現してもよい。一例として、メモリ部31はDBサーバ、稼働ログ情報収集部32,延伸判定部33及びスケジュール設定部34はアプリケーションサーバ又はWebサーバ等であってもよい。この場合、DBサーバ、アプリケーションサーバ及びwebサーバが、ネットワークを介して互いに連携することにより、管理装置3としての各処理機能を実現してもよい。この場合においても、管理装置3としての各処理機能の少なくとも一部をサーバ2が備えてもよい。
【0144】
また、一実施形態では、セルフテストの実施単位(実施計画の設定単位)がファン2b単位であるものとしたが、これに限定されるものではない。セルフテストの実施対象は、ファン2b単位ではなくサーバ2単位であってもよい。この場合、サーバ2のセルフテスト実行部23は、サーバ2に対応付けられた単一の次回実行時刻に従い、サーバ2が備える複数のファン2bのセルフテストを並行して実行してよい。
【0145】
この場合、管理装置3のスケジュール設定部34は、サーバ2が備える全てのファン2bの設定フラグが、同時刻帯(又は所定範囲の時刻帯)でONになった場合、換言すれば、AND条件を満たす場合に、次回実行時刻を算出してもよい。所定範囲の時刻帯とは、2つ以上の時刻帯であってよく、例えば管理者等により予め設定されてよい。
【0146】
一実施形態に係る手法によれば、延伸判定部33及びスケジュール設定部34による次回実行時刻の延伸により、セルフテストが長期間に亘って実行されないファン2bが現われる場合がある。このようなファン2bについては、テストログ情報21bが出力されないため、管理者等による当該ファン2bの状況の把握が困難になる可能性がある。
【0147】
そこで、スケジュール設定部34は、例えば、次回実行時刻を算出する際に、延伸の累積時間が、延伸を可能とする時間の上限(延伸可能上限時間)を超える場合には、次回実行時刻の算出を抑制してもよい。延伸可能上限時間は、セルフテストの未実施の許容時間であり、例えば管理者等により予め設定されてよい。
【0148】
なお、上記に代えて又は加えて、スケジュール設定部34は、次回実行時刻を算出する際に、延伸の累積回数が、延伸を可能とする回数の上限(延伸可能上限回数)を超える場合に、次回実行時刻の算出を抑制してもよい。延伸可能上限回数は、例えば管理者等により予め設定されてよい。
【0149】
これにより、サーバ2では、前回の延伸によって設定された次回実行時刻に当該ファン2bのセルフテストが実施されることになり、当該ファン2bのテストログ情報21bを蓄積することができる。
【0150】
また、上述した説明における、スケジュール情報21a及び31cの実施時間,制御定義情報31bのテスト間隔及び延伸可能回転率,稼働ログの収拾周期である一定時間等の各々の値は例示に過ぎず、種々の値が用いられてよい。
【0151】
〔F〕付記
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0152】
(付記1)
情報処理装置が備えるファンのセルフテストの実施予定時刻よりも前の所定時刻における前記ファンの回転数に関する情報を取得し、
取得された前記回転数に関する情報が前記セルフテストの合格基準に応じた条件を満たす場合に、前記実施予定時刻を、第1時刻から前記第1時刻よりも後の第2時刻に設定する、
処理をコンピュータに実行させる、セルフテスト制御プログラム。
【0153】
(付記2)
前記回転数に関する情報は、前記ファンの回転数と前記ファンに固有の最大回転数とに基づく回転率であり、
前記条件は、取得された前記回転率が、前記合格基準である基準回転率以下に設定された閾値以上であることを含む、
付記1に記載のセルフテスト制御プログラム。
【0154】
(付記3)
前記設定する処理は、前記セルフテストの実施計画における実施間隔を現在時刻に加算することで前記第2時刻を算出する処理を含む、
付記1又は付記2に記載のセルフテスト制御プログラム。
【0155】
(付記4)
前記取得する処理、及び、前記設定する処理を、複数の前記ファンの各々について一定時間ごとに実行する、
処理を前記コンピュータに実行させる、
付記1~付記3のいずれか1項に記載のセルフテスト制御プログラム。
【0156】
(付記5)
前記設定する処理は、前記第2時刻を算出する際に、前記第2時刻が同一の時刻帯となるファンの数が所定数以上である場合、前記第2時刻が同一の時刻帯となるファンのうち、前記所定数を超えるファンについての前記第2時刻を、前記時刻帯とは異なる時刻帯に設定する処理を含む、
付記4に記載のセルフテスト制御プログラム。
【0157】
(付記6)
情報処理装置が備えるファンのセルフテストの実施予定時刻よりも前の所定時刻における前記ファンの回転数に関する情報を取得し、
取得された前記回転数に関する情報が前記セルフテストの合格基準に応じた条件を満たす場合に、前記実施予定時刻を、第1時刻から前記第1時刻よりも後の第2時刻に設定する、
処理をコンピュータが実行する、セルフテスト制御方法。
【0158】
(付記7)
前記回転数に関する情報は、前記ファンの回転数と前記ファンに固有の最大回転数とに基づく回転率であり、
前記条件は、取得された前記回転率が、前記合格基準である基準回転率以下に設定された閾値以上であることを含む、
付記6に記載のセルフテスト制御方法。
【0159】
(付記8)
前記設定する処理は、前記セルフテストの実施計画における実施間隔を現在時刻に加算することで前記第2時刻を算出する処理を含む、
付記6又は付記7に記載のセルフテスト制御方法。
【0160】
(付記9)
前記取得する処理、及び、前記設定する処理を、複数の前記ファンの各々について一定時間ごとに実行する、
処理を前記コンピュータが実行する、
付記6~付記8のいずれか1項に記載のセルフテスト制御方法。
【0161】
(付記10)
前記設定する処理は、前記第2時刻を算出する際に、前記第2時刻が同一の時刻帯となるファンの数が所定数以上である場合、前記第2時刻が同一の時刻帯となるファンのうち、前記所定数を超えるファンについての前記第2時刻を、前記時刻帯とは異なる時刻帯に設定する処理を含む、
付記9に記載のセルフテスト制御方法。
【0162】
(付記11)
情報処理装置が備えるファンのセルフテストの実施予定時刻よりも前の所定時刻における前記ファンの回転数に関する情報を取得し、
取得された前記回転数に関する情報が前記セルフテストの合格基準に応じた条件を満たす場合に、前記実施予定時刻を、第1時刻から前記第1時刻よりも後の第2時刻に設定する、
制御部を備える、セルフテスト制御装置。
【0163】
(付記12)
前記回転数に関する情報は、前記ファンの回転数と前記ファンに固有の最大回転数とに基づく回転率であり、
前記条件は、取得された前記回転率が、前記合格基準である基準回転率以下に設定された閾値以上であることを含む、
付記11に記載のセルフテスト制御装置。
【0164】
(付記13)
前記制御部は、前記設定する処理において、前記セルフテストの実施計画における実施間隔を現在時刻に加算することで前記第2時刻を算出する、
付記11又は付記12に記載のセルフテスト制御装置。
【0165】
(付記14)
前記制御部は、前記取得する処理、及び、前記設定する処理を、複数の前記ファンの各々について一定時間ごとに実行する、
付記11~付記13のいずれか1項に記載のセルフテスト制御装置。
【0166】
(付記15)
前記制御部は、前記設定する処理において、前記第2時刻を算出する際に、前記第2時刻が同一の時刻帯となるファンの数が所定数以上である場合、前記第2時刻が同一の時刻帯となるファンのうち、前記所定数を超えるファンについての前記第2時刻を、前記時刻帯とは異なる時刻帯に設定する、
付記14に記載のセルフテスト制御装置。
【符号の説明】
【0167】
1 システム
1a ネットワーク
10 コンピュータ
10a プロセッサ
10b グラフィック処理装置
10c メモリ
10d 記憶装置
10e IF装置
10f IO装置
10g 読取装置
10h プログラム
10i 記録媒体
10j バス
2,2A サーバ
2a,10a プロセッサ
2b ファン
20,20A,30 制御部
21,21A,31 メモリ部
21a,31c スケジュール情報
21b テストログ情報
22 OS
23 セルフテスト実行部
3 管理装置
31a 稼働ログ情報
31b 制御定義情報
32 稼働ログ情報収集部
33 延伸判定部
34 スケジュール設定部
図1
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図13