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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020839
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】表示装置および表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20250205BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/30 308Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124447
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】523290528
【氏名又は名称】JDI Design and Development 合同会社
(71)【出願人】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】関 毅裕
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA47
5C094DA06
5G435AA06
5G435EE04
5G435EE13
5G435FF05
(57)【要約】
【課題】フレキシブルディスプレイと背面補強材との密着性が低下することを抑制できる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置10は、フレキシブルディスプレイ25と、フレキシブルディスプレイ25の背面に接着された板状の背面補強材40と、を備える。背面補強材40は、フレキシブルディスプレイ25の背面に向き合う表面40aおよび表面40aに背向する裏面40bを有し、かつ、表面40aに沿う第1方向d1において互いに隣り合う第1領域部T1および第2領域部T2を有する。表面40aに沿う方向でかつ第1方向d1に垂直な方向である第2方向d2から背面補強材40を断面視した場合に、第1領域部T1には、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な第3方向d3に背面補強材40を貫通する貫通穴41が設けられ、第2領域部T2には、表面40aから裏面40b側に向かって窪む凹部46が設けられている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルディスプレイと、
フレキシブルディスプレイの背面に接着された板状の背面補強材と、
を備え、
前記背面補強材は、前記フレキシブルディスプレイの背面に向き合う表面および前記表面に背向する裏面を有し、かつ、前記表面に沿う第1方向において互いに隣り合う第1領域部および第2領域部を有し、
前記表面に沿う方向でかつ前記第1方向に垂直な方向である第2方向から前記背面補強材を断面視した場合に、
前記第1領域部には、前記第1方向および前記第2方向の両方に垂直な第3方向に前記背面補強材を貫通する貫通穴が設けられ、
前記第2領域部には、前記表面から前記裏面側に向かって窪む凹部が設けられている
表示装置。
【請求項2】
前記第2方向から前記背面補強材を断面視した場合に、
前記貫通穴および前記凹部のそれぞれは、前記第1方向に沿って複数設けられ、
前記第1方向に隣り合う2つの前記貫通穴の距離、2つの前記凹部の距離、および、前記貫通穴と前記凹部との距離は同じである
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第3方向から前記背面補強材を見た場合に、
複数の前記貫通穴は、前記第1領域部において千鳥状に配置され、
複数の前記凹部は、前記第2領域部において千鳥状に配置されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記貫通穴および前記凹部は、前記第1方向を幅とし前記第2方向を長さとする同じ長穴状の形状を有している
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1領域部には、前記裏面から前記表面側に向かって窪む裏面溝部が設けられ、
前記裏面溝部は、前記第2方向に沿って形成され、
前記貫通穴は、前記第1領域部における前記表面と前記裏面溝部の底面とを貫通するように形成されている
請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記裏面溝部の底面の前記第1方向の長さは、前記貫通穴の前記第1方向の長さよりも長い
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記貫通穴は、前記第1領域部における前記表面と前記裏面とを貫通するように形成されている
請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1領域部および前記第2領域部は、前記背面補強材に複数設けられ、前記第1方向に沿って交互に配置されている
請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
前記背面補強材は、1つの前記第1領域部および2つの前記第2領域部を有し、
前記第1方向において、1つの前記第1領域部は2つの前記第2領域部の間に設けられている
請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項10】
さらに、
前記フレキシブルディスプレイの前記背面に背向する表面に接着された円偏光板と、
前記背面補強材の前記裏面に接着された背面カバー材と、
を備える
請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項11】
フレキシブルディスプレイと、フレキシブルディスプレイの背面に接着された板状の背面補強材と、を備える表示装置の製造方法であって、
金属板をエッチングすることで、前記金属板の表面に沿う第1方向において互いに隣り合う第1領域部および第2領域部を有する前記背面補強材を形成する工程と、
前記フレキシブルディスプレイと前記背面補強材とを接着する工程と、
を含み、
前記背面補強材を形成する工程では、
前記第1領域部において、前記金属板の表面および裏面のそれぞれをハーフエッチングすることで複数の貫通穴を形成するとともに、
前記第2領域部において、前記金属板の表面をハーフエッチングすることで複数の凹部を形成する
表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フレキシブル性を有する表示装置、および、表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブル性を有する表示装置が知られている。この種の表示装置の一例として、特許文献1には、フレキシブルディスプレイと、フレキシブルディスプレイに接着された背面補強材と、を備える表示装置が開示されている。この表示装置では、背面補強材の全面に複数の貫通穴(またはスリット)を形成することで背面補強材を湾曲可能とし、表示装置を巻き取ることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10798831号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたフレキシブルディスプレイでは、背面補強材の全面に貫通穴を形成しているため、フレキシブルディスプレイと背面補強材との密着性が低下するという問題がある。
【0005】
本開示は、フレキシブルディスプレイと背面補強材との密着性が低下することを抑制できる表示装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、フレキシブルディスプレイと、フレキシブルディスプレイの背面に接着された板状の背面補強材と、を備え、前記背面補強材は、前記フレキシブルディスプレイの背面に向き合う表面および前記表面に背向する裏面を有し、かつ、前記表面に沿う第1方向において互いに隣り合う第1領域部および第2領域部を有し、前記表面に沿う方向でかつ前記第1方向に垂直な方向である第2方向から前記背面補強材を断面視した場合に、前記第1領域部には、前記第1方向および前記第2方向の両方に垂直な第3方向に前記背面補強材を貫通する貫通穴が設けられ、前記第2領域部には、前記表面から前記裏面側に向かって窪む凹部が設けられている。
【0007】
本開示の一態様に係る表示装置の製造方法は、フレキシブルディスプレイと、フレキシブルディスプレイの背面に接着された板状の背面補強材と、を備える表示装置の製造方法であって、金属板をエッチングすることで、前記金属板の表面に沿う第1方向において互いに隣り合う第1領域部および第2領域部を有する前記背面補強材を形成する工程と、前記フレキシブルディスプレイと前記背面補強材とを接着する工程と、を含み、前記背面補強材を形成する工程では、前記第1領域部において、前記金属板の表面および裏面のそれぞれをハーフエッチングすることで複数の貫通穴を形成するとともに、前記第2領域部において、前記金属板の表面をハーフエッチングすることで複数の凹部を形成する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の表示装置等によれば、フレキシブルディスプレイと背面補強材との密着性が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】表示装置を備える表示機器を側面から見た概略図である。
図2】表示装置の平面図である。
図3】比較例1および比較例2の表示装置の断面図である。
図4】比較例1の表示装置の一部を構成する背面補強材の平面図である。
図5】比較例2の表示装置の一部を構成する背面補強材の平面図である。
図6】比較例1および比較例2の表示装置の外観を模式的に示した図である。
図7】実施の形態1に係る表示装置の平面図である。
図8】実施の形態1に係る表示装置の断面図である。
図9】実施の形態1に係る表示装置の一部を構成する背面補強材の平面図である。
図10】実施の形態1の背面補強材を側面から見た拡大断面図である。
図11】実施の形態1の背面補強材の背面図である。
図12】実施の形態1に係る表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
図13】実施の形態1の背面補強材の製造工程を示す図である。
図14】実施の形態2に係る表示装置の一部を構成する背面補強材の平面図である。
図15】実施の形態2の背面補強材を側面から見た拡大断面図である。
図16】実施の形態2の背面補強材の背面図である。
図17】実施の形態3に係る表示装置を備える表示機器を示す概略図である。
図18】実施の形態3に係る表示装置の断面図である。
図19】実施の形態3に係る表示装置の平面図である。
図20】実施の形態3に係る表示装置の一部を構成する背面補強材の平面図である。
図21】実施の形態3の背面補強材を側面から見た拡大断面図である。
図22】実施の形態3の背面補強材の背面図である。
図23】実施の形態4に係る表示装置の一部を構成する背面補強材の平面図である。
図24】実施の形態4の背面補強材を側面から見た拡大断面図である。
図25】実施の形態4の背面補強材の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至る経緯)
本開示に至る経緯について、図1図6を参照しながら説明する。
【0011】
まず、一般的な表示装置、および、この表示装置を備える表示機器について説明する。
【0012】
図1は、表示装置110を備える表示機器1を側面から見た概略図である。図2は、表示装置110の平面図である。図1の(a)には、フレキシブル性を有する表示装置110を平面状に展開した状態が示され、図1の(b)には、表示装置110を巻き取って収納した状態が示されている。
【0013】
図1に示す表示機器1は、画像等を表示する機器である。表示機器1は、フレキシブル性を有する表示装置110と、伸縮駆動可能なパンタグラフ81と、を備えている。
【0014】
図2に示す表示装置110は、円偏光板123およびフレキシブルディスプレイ125を有する表示パネル120と、表示パネル120に接着された背面補強材140と、背面補強材140に接着された背面カバー材(図示省略)と、を備えている。また、表示装置110は、フレキシブル基板であるCOF(Chip On Film)83と、駆動基板であるPCB(Printed Circuit Board)84と、を備えている。
【0015】
表示機器1は、パンタグラフ81を伸縮駆動させ、パンタグラフ81に接続された表示装置110を引き出しおよび巻き取りするローラブルな表示機器である。
【0016】
表示装置110は湾曲可能であり、ローラー85に巻くことでコンパクトに収納できる(図1の(b)参照)。また、表示装置110は、ローラー85に巻かれた表示装置110を引き出して平面状に展開することでディスプレイとして使用される(図1の(a)参照)。表示装置110の強度を確保するため、フレキシブルディスプレイ125の背面には背面補強材140が接着される。背面補強材140を容易に湾曲できるように、背面補強材140には複数の貫通穴(またはスリット)が形成される。
【0017】
ここで、比較例1の表示装置110Aおよび比較例2の表示装置110Bについて説明する。
【0018】
図3は、比較例1および比較例2の表示装置の断面図である。
【0019】
図3に示すように、比較例1の表示装置110Aは、円偏光板123と、フレキシブルディスプレイ125と、背面補強材140Aと、背面カバー材160と、を備える。円偏光板123とフレキシブルディスプレイ125とは、光学粘着剤124によって接着されている。フレキシブルディスプレイ125と背面補強材140Aとは、光学粘着剤130によって接着されている。背面補強材140Aの裏面には背面カバー材160が接着されている。比較例2の表示装置110Bも同様である。
【0020】
図4は、比較例1の表示装置110Aの一部を構成する背面補強材140Aの平面図である。なお以下に示す平面図では、貫通穴を見やすくするため、貫通穴と異なる領域にハッチングを施している。
【0021】
比較例1の背面補強材140Aは、図4に示すように、背面補強材140Aの全面(フレキシブルディスプレイ125が配置される領域の全面)に貫通穴141が形成されている。そのため、フレキシブルディスプレイ125と背面補強材140Aとの接着面積が減り、両者の密着性が低下するという問題がある。例えば、繰り返し曲げおよび延ばしを行うローラブルな表示機器1では、フレキシブルディスプレイ125と背面補強材140Aとの界面が剥がれ易くなるという問題がある。
【0022】
図5は、比較例2の表示装置110Bの一部を構成する背面補強材140Bの平面図である。
【0023】
比較例2の背面補強材140Bでは、背面補強材140Bの全面に貫通穴141が形成されるのでなく、貫通穴141が形成された領域T101および貫通穴141が形成されていない領域T102が設けられている。これらの領域T101および領域T102は、表示装置110Bの引き出し方向または巻回方向(図1参照)に沿って交互に配置されている。
【0024】
比較例2のように、貫通穴141が形成されていない領域T102を設けることで、フレキシブルディスプレイ125と背面補強材140Bとの密着性が低下することを抑制できる。しかしながら、比較例2の構成では、表示装置110Bの外観が悪化するという別の問題がある。
【0025】
図6は、比較例1および比較例2の表示装置の外観を模式的に示した図である。図6の(a)には比較例1の表示装置110Aの外観が示され、図6の(b)には、比較例2の表示装置110Bの外観が示されている。これらの図には、表示装置が駆動していない状態、つまり、フレキシブルディスプレイ125に画像が表示されていない状態が示されている。
【0026】
図6の(a)に示す比較例1の表示装置110Aでは、背面補強材140Aの全面に複数の貫通穴141が規則的に形成されているので、表示装置110Aが湾曲しても外観上の問題は発生しない。一方、図6の(b)に示す比較例2の表示装置110Bでは、上記のように貫通穴141が形成された領域T101と貫通穴141が形成されていない領域T102とが存在するため、表示装置110Bが湾曲すると背面補強材140Bの曲がり具合が領域T101と領域T102とで微妙に異なってくる。そのため、表示装置110Bの外観が悪化するという問題がある。
【0027】
それに対し、本開示の表示装置は、フレキシブルディスプレイと背面補強材との密着性が低下することを抑制するため、また、外観が悪化することを抑制するため以下に示す構成を有している。
【0028】
以下、本開示に係る表示装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0029】
各図において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を付している。また、各図は、模式図であり、各部の大きさの比等を必ずしも厳密に表したものではない。
【0030】
(実施の形態1)
[表示装置の構成]
実施の形態1に係る表示装置の構成について図7図11を参照しながら説明する。
【0031】
図7は、実施の形態1に係る表示装置10の平面図である。図8は、表示装置10の断面図である。
【0032】
図7に示す表示装置10は、画像を表示するためのシート状のデバイスである。表示装置10は、例えば、タブレット端末、デジタルテレビ、デジタルサイネージ、スマートフォン、またはウェアラブル端末等に用いられる。
【0033】
図8に示すように、表示装置10は、フレキシブル性を有する表示パネル20と、背面補強材40と、背面カバー材60と、を備えている。
【0034】
表示パネル20は、フレキシブル基板であるCOF83を介して駆動基板であるPCB84に接続されており(図7参照)、PCB84によって駆動されて画像を表示する。
【0035】
表示パネル20は、円偏光板23と、円偏光板23の背面に接着されたフレキシブルディスプレイ25と、によって構成されている。円偏光板23とフレキシブルディスプレイ25とは、光学粘着剤(OCA:Optical Clear Adhesive)24によって接着されている。フレキシブルディスプレイ25は、TFT(薄膜トランジスタ)と、有機EL素子を有するOLED(Organic Light Emitting Diode)パネルと、TFE(Thin Film Encapsulation:薄膜封止)とが積層されることで形成されている。図8では円偏光板23が最上面に位置しているが、それに限られず、円偏光板23の上にカバーウィンドウが設けられ、カバーウィンドウと円偏光板23とが光学粘着剤によって接着されていてもよい。
【0036】
背面補強材40は、表示パネル20の強度を補強するための板状の部材である。背面補強材40は、表示パネル20の背面、すなわちフレキシブルディスプレイ25の背面に接着されている。フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40とは、光学粘着剤30によって接着されている。背面補強材40は、可撓性および弾性を有し、外力が付与されることで曲げ変形可能である。背面補強材40の材質としては、例えば、ステンレス鋼またはインバー材(鉄に36%のニッケルを含んだ低膨張の金属)が用いられる。背面補強材40の厚みは、例えば、0.1mm以上0.3mm以下の範囲から適宜選択される。
【0037】
背面カバー材60は、背面補強材40の背面を覆う部材であり、背面補強材40の背面に接着されている。背面カバー材60は、表面に形成された粘着層によって背面補強材40に接着されている。背面カバー材60は、柔軟性を有し、外力が付与されることで曲げ変形可能である。
【0038】
表示装置10は、表示機器1のローラー85に巻き取られ、また、巻き取られた状態から引き出されて平面状に展開できるように構成されている。
【0039】
ここで、図7に示すように表示装置10が平面状に展開された状態において、表示装置10の表示面に沿う方向であってかつ表示機器1から引き出される方向を第1方向d1と呼び、表示装置10の表示面に沿う方向であってかつ第1方向d1に垂直な方向を第2方向d2と呼び、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な方向を第3方向d3と呼ぶ。第3方向d3は、表示装置10の厚み方向と同じ方向である。
【0040】
例えば、表示装置10は、平面状に展開された状態において第3方向d3から見た場合に、長方形状の形状を有している。表示装置10は、第3方向d3の一方側(Z軸方向のプラス側)に向けて画像を表示する。また、表示装置10は、表示機器1のローラー85が第2方向d2に延びる軸を中心に回転することで、ローラー85に巻き取られる。表示装置10は、表示パネル20の外側に背面補強材40および背面カバー材60が位置するように巻き取られる。
【0041】
図7に示す背面補強材40は、パンタグラフ81の先端に接続される先端部51と、フレキシブルディスプレイ25が配置されるディスプレイ配置部52と、COF83が配置されるCOF配置部53と、PCB84が配置されるPCB配置部54とを有している。先端部51、ディスプレイ配置部52、COF配置部53およびPCB配置部54のうち、フレキシブルディスプレイ25との密着性、および、表示装置10の外観に特に関係する部位は、ディスプレイ配置部52である。以下では、ディスプレイ配置部52における背面補強材40の構成を中心に説明する。
【0042】
図9は、表示装置10の一部を構成する背面補強材40の平面図である。図10は、背面補強材40を側面から見た拡大断面図である。図11は、背面補強材40の背面図である。図10には、図9に示すX-X線における断面が示されている。
【0043】
背面補強材40は、フレキシブルディスプレイ25の背面に向き合う表面40aおよび表面40aに背向する裏面40bを有している。また、背面補強材40は、表面40aに沿う第1方向d1において互いに隣り合う第1領域部T1および第2領域部T2を有している。
【0044】
第1領域部T1および第2領域部T2は、背面補強材40に複数設けられ、第1方向d1に沿って交互に配置されている。図9および図11に示す例では、ディスプレイ配置部52において10個の第1領域部T1および9個の第2領域部T2が設けられている。
【0045】
また、第1領域部T1および第2領域部T2のそれぞれは、第2方向d2に沿って設けられている。第2方向d2における第1領域部T1および第2領域部T2のそれぞれの長さは、背面補強材40の第2方向d2の長さと同じである。
【0046】
図10に示すように、第1領域部T1には、1つの裏面溝部42および複数の貫通穴41が形成されている。
【0047】
裏面溝部42は、裏面40bから表面40a側に向かって窪むように形成されている。裏面溝部42は、第2方向d2に沿って延びるように背面補強材40の裏面40bに形成されている(図11参照)。裏面溝部42の第2方向d2の長さは、背面補強材40の第2方向d2の長さと同じである。
【0048】
裏面溝部42は、裏面40bから表面40a側に延びる側面42a、および、裏面40bよりも表面40a側に位置して側面42aに繋がる底面42bを有している。裏面40bから底面42bまでの深さは、背面補強材40の厚みの約半分である。裏面溝部42は、例えば、背面補強材40の素材となる金属板を裏面側からハーフエッチングすることで形成される。
【0049】
複数の貫通穴41のそれぞれは、第1領域部T1における表面40aと裏面溝部42の底面42bとを貫通するように形成されている。
【0050】
図9および図11に示すように、複数の貫通穴41のそれぞれは、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする長穴形状を有している。貫通穴41の第2方向d2の長さは、背面補強材40の第2方向d2の長さよりも短く、例えば背面補強材40の第2方向d2の長さの1/20以上1/5以下である。貫通穴41の形状は、長方形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。貫通穴41は、背面補強材40の素材となる金属板を表面および裏面の両側からハーフエッチングすることで形成される。
【0051】
背面補強材40を表面40aに垂直な第3方向d3から見た場合、複数の貫通穴41は、第1領域部T1において千鳥状に配置されている。言い換えると、複数の貫通穴41は、第1方向d1から見た場合に、第1方向d1に隣り合う2つの貫通穴41の一部が互いに重なるように形成されている。複数の貫通穴41が千鳥状に配置されていることで、第1方向d1に連続する厚肉の金属部位の距離が短くなり、第1領域部T1に柔軟性を持たせることができる。
【0052】
図10に示すように、複数の貫通穴41は、背面補強材40の表面40aに沿う方向であってかつ第1方向d1に垂直な方向である第2方向d2から背面補強材40を断面視した場合に、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な第3方向d3に背面補強材40を貫通している。この例では3つの貫通穴41が、第1領域部T1において第1方向d1に沿って形成されている。
【0053】
同図に示すように、裏面溝部42の底面42bの第1方向d1の長さL1は、貫通穴41の第1方向d1の長さ(穴幅)L41よりも長い(L1>L41)。また、上記の長さL1は、第1方向d1にて隣り合う2つ貫通穴41の距離p41よりも長くなっている(L1>p41)。
【0054】
図10に示すように、第2領域部T2には、複数の凹部46が設けられている。複数の凹部46のそれぞれは、背面補強材40の表面40aに形成されている。
【0055】
凹部46は、表面40aから裏面40b側に延びる側面46a、および、表面40aよりも裏面40b側に位置して側面46aに繋がる底面46bを有している。表面40aから底面46bまでの深さは、背面補強材40の厚みの約半分である。凹部46は、例えば、背面補強材40の素材となる金属板を表面側からハーフエッチングすることで形成される。
【0056】
図9に示すように、複数の凹部46のそれぞれは、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする長穴形状を有している。図9では、凹部46の一部の領域がハッチングドットで示されている。凹部46の第2方向d2の長さは、背面補強材40の第2方向d2の長さよりも短く、例えば背面補強材40の第2方向d2の長さの1/20以上1/5以下である。凹部46の形状は、長方形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。なお、本実施の形態では、凹部46および貫通穴41は、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする同じ長穴状の形状を有している。凹部46および貫通穴41の第1方向d1の幅は、例えば、背面補強材40の厚みと同じである。
【0057】
背面補強材40を第3方向d3から見た場合、複数の凹部46は、第2領域部T2において千鳥状に配置されている。言い換えると、複数の凹部46は、第1方向d1から見た場合に、第1方向d1に隣り合う2つの凹部46の一部が互いに重なるように形成されている。複数の凹部46が千鳥状に配置されていることで、第1方向d1に連続する厚肉の金属部位の距離が短くなり、第2領域部T2に柔軟性を持たせることができる。
【0058】
図10に示すように、複数の凹部46は、第2方向d2から背面補強材40を断面視した場合に、背面補強材40の表面40aから裏面40b側に向かって窪むように形成されている。この例では3つの凹部46が、第2領域部T2において第1方向d1に沿って形成されている。
【0059】
同図に示すように、裏面40bのうちの1つの第2領域部T2における裏面の第1方向d1の長さL2は、凹部46の第1方向d1の長さ(穴幅)L46よりも長い(L2>L46)。また、上記の長さL2は、第1方向d1にて隣り合う2つの凹部46の距離p46よりも長くなっている(L2>p46)。
【0060】
また本実施の形態において、第1方向d1に隣り合う2つの貫通穴41の距離p41、2つの凹部46の距離p46、および、貫通穴41と凹部46との距離p416は、同じ距離である。なお、ここでいう距離p41、p46およびp416は、中心間距離のことである。
【0061】
上記のように本実施の形態に係る表示装置10は、フレキシブルディスプレイ25と、フレキシブルディスプレイ25の背面に接着された板状の背面補強材40と、を備える。背面補強材40は、フレキシブルディスプレイ25の背面に向き合う表面40aおよび表面40aに背向する裏面40bを有し、かつ、表面40aに沿う第1方向d1において互いに隣り合う第1領域部T1および第2領域部T2を有している。第2方向d2から背面補強材40を断面視した場合に、第1領域部T1には、第3方向d3に背面補強材40を貫通する貫通穴41が設けられている。第2領域部T2には、表面40aから裏面40b側に向かって窪む凹部46が設けられている。
【0062】
このように、背面補強材40の第2領域部T2に凹部46を設けることで、背面補強材40をフレキシブルディスプレイ25に接着する際に、光学粘着剤30の一部を凹部46の内部表面に接触させることができる(図8参照)。これにより、フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40との密着性が低下することを抑制できる。また、第2領域部T2に凹部46を設けることで、第2領域部T2における曲がり具合を第1領域部T1における曲がり具合に近づけることができ、表示装置10の外観が悪化することを抑制できる。
【0063】
また、本実施の形態において、第1領域部T1には、裏面40bから表面40a側に向かって窪む裏面溝部42が設けられ、裏面溝部42の底面42bの第1方向d1の長さL1は、貫通穴41の第1方向d1の長さL41よりも長くなっている。
【0064】
これによれば、例えば背面補強材40の素材となる金属板を表面および裏面の両側からハーフエッチングする際に、例えば貫通穴41および裏面溝部42の位置が第1方向d1において少しずれた場合であっても、貫通穴41と裏面溝部42とを繋ぐことができる。これにより、第1領域部T1において貫通させるべき穴が非貫通となることを抑制し、背面補強材40の第1領域部T1における柔軟性を確保することができる。
【0065】
[表示装置の製造方法」
実施の形態1に係る表示装置の製造方法について、図12および図13を参照しながら説明する。
【0066】
図12は、実施の形態1に係る表示装置10の製造方法を示すフローチャートである。
【0067】
まず、表示装置10を作製するための各部材を準備する。具体的には、円偏光板23、フレキシブルディスプレイ25、背面補強材40および背面カバー材60を準備する(ステップS10)。次に、円偏光板23、フレキシブルディスプレイ25、背面補強材40および背面カバー材60を上からこの順で並ぶように積層する(ステップS20)。これらのステップS10およびS20により、表示装置10が作製される。
【0068】
なお、背面補強材40は、次に示す製造工程により作製される。
【0069】
図13は、実施の形態1の背面補強材40の製造工程を示す図である。
【0070】
まず、被加工材料である金属板90を準備する(ステップS11)。金属板90としては、例えば、ステンレス鋼またはインバー材が用いられる。このステップS11にて、金属板90は、洗浄されたうえで準備される。
【0071】
次に、金属板90の表面90aおよび裏面90bのそれぞれにレジスト91を形成する(ステップS12)。レジスト91は、表面90aおよび裏面90bの全面に均一なレジスト膜として形成される。
【0072】
次に、レジスト91の形成された金属板90の両面に所定パターン形状を有するフォトマスクを形成し、金属板90の両面を露光する(ステップS13)。なお、金属板90の表面90a側のフォトマスク92aは、貫通穴41および凹部46に対応する位置に開口が設けられ、貫通穴41および凹部46と異なる他の位置に遮光膜が設けられるように形成される。また、金属板90の裏面90b側のフォトマスク92bは、裏面溝部42に対応する位置に開口が設けられ、裏面溝部42と異なる他の位置に遮光膜が設けられるように形成される。レジスト91のうちの露光された領域には、レジストの変質層が形成される。
【0073】
次に、露光されたレジスト91付きの金属板90を現像する(ステップS14)。この現像により、レジストの変質層が除去され、金属板90の両面に所定パターン形状を有するレジストパターン層91aが形成される。
【0074】
次に、レジストパターン層91a付きの金属板90をエッチング液でエッチングする(ステップS15)。このとき、金属板90の表面90aおよび裏面90bの両側から、金属板90をハーフエッチングする。このハーフエッチングにより、裏面溝部42、貫通穴41および凹部46が形成される。なお、貫通穴41の一部は、裏面溝部42と重なっており、裏面溝部42と同時に形成される。
【0075】
次に、エッチングされた金属板90からレジストパターン層91aを剥離する(ステップS16)。裏面溝部42が形成された領域が第1領域部T1となり、裏面溝部42が形成されていない領域が第2領域部T2となる。
【0076】
これらのステップS11~S16が実行されることで背面補強材40が作製される。具体的には、裏面溝部42および貫通穴41を有する第1領域部T1と、凹部46を有する第2領域部T2と、を備える背面補強材40が作製される。
【0077】
上記の製造方法によれば、フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40との密着性が低下することを抑制できる表示装置10を製造することができる。また、外観が悪化することを抑制できる表示装置10を製造することができる。
【0078】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る表示装置10Aの構成について、図14図16を参照しながら説明する。実施の形態2に係る表示装置10Aは、第1領域部T1に貫通穴41が設けられ、裏面溝部42が設けられていない例について説明する。
【0079】
実施の形態2の表示装置10Aは、フレキシブル性を有する表示パネル20と、背面補強材40Aと、背面カバー材60と、を備えている。
【0080】
表示パネル20は、フレキシブル基板であるCOF83を介して駆動基板であるPCB84に接続されており、PCB84によって駆動されて画像を表示する。
【0081】
表示パネル20は、円偏光板23と、円偏光板23の背面に接着されたフレキシブルディスプレイ25と、によって構成されている。円偏光板23とフレキシブルディスプレイ25とは、光学粘着剤24によって接着されている。
【0082】
背面補強材40Aは、表示パネル20の背面、すなわちフレキシブルディスプレイ25の背面に接着されている。フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40Aとは、光学粘着剤30によって接着されている。背面補強材40Aは、可撓性および弾性を有し、外力が付与されることで曲げ変形可能である。背面補強材40Aの材質としては、例えば、ステンレス鋼またはインバー材が用いられる。背面補強材40Aの厚みは、例えば、0.1mm以上0.3mm以下の範囲から適宜選択される。
【0083】
背面カバー材60は、背面補強材40Aの背面を覆う部材であり、背面補強材40Aの背面に接着されている。背面カバー材60は、表面に形成された粘着層によって背面補強材40Aに接着されている。背面カバー材60は、柔軟性を有し、外力が付与されることで曲げ変形可能である。
【0084】
背面補強材40Aは、パンタグラフ81の先端部に接続される先端部51と、フレキシブルディスプレイ25が配置されるディスプレイ配置部52と、COF83が配置されるCOF配置部53と、PCB84が配置されるPCB配置部54とを有している。以下では、ディスプレイ配置部52における背面補強材40Aの構成を例に挙げて説明する。
【0085】
図14は、実施の形態2に係る表示装置10Aの一部を構成する背面補強材40Aの平面図である。図15は、背面補強材40Aを側面から見た拡大断面図である。図16は、背面補強材40Aの背面図である。図15には、図14に示すXV-XV線における断面が示されている。
【0086】
背面補強材40Aは、フレキシブルディスプレイ25の背面に向き合う表面40aおよび表面40aに背向する裏面40bを有している。また、背面補強材40Aは、表面40aに沿う第1方向d1において互いに隣り合う第1領域部T1および第2領域部T2を有している。
【0087】
第1領域部T1および第2領域部T2は、背面補強材40Aに複数設けられ、第1方向d1に沿って交互に配置されている。図14および図16に示す例では、ディスプレイ配置部52において10個の第1領域部T1および9個の第2領域部T2が設けられている。
【0088】
また、第1領域部T1および第2領域部T2のそれぞれは、第2方向d2に沿って設けられている。第2方向d2における第1領域部T1および第2領域部T2のそれぞれの長さは、背面補強材40Aの第2方向d2の長さと同じである。
【0089】
図15に示すように、第1領域部T1には、複数の貫通穴41が形成されている。
【0090】
複数の貫通穴41のそれぞれは、第1領域部T1における表面40aと裏面40bとを貫通するように形成されている。
【0091】
図14および図16に示すように、複数の貫通穴41のそれぞれは、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする長穴形状を有している。貫通穴41の第2方向d2の長さは、背面補強材40Aの第2方向d2の長さよりも短い。貫通穴41の形状は、長方形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。貫通穴41は、背面補強材40Aの素材となる金属板を表面および裏面の両側からハーフエッチングすることで形成される。
【0092】
背面補強材40Aを表面40aに垂直な第3方向d3から見た場合、複数の貫通穴41は、第1領域部T1において千鳥状に配置されている。言い換えると、複数の貫通穴41は、第1方向d1から見た場合に、第1方向d1に隣り合う2つの貫通穴41の一部が互いに重なるように形成されている。複数の貫通穴41が千鳥状に配置されていることで、第1方向d1に連続する厚肉の金属部位の距離が短くなり、第1領域部T1に柔軟性を持たせることができる。
【0093】
図15に示すように、複数の貫通穴41は、第2方向d2から背面補強材40Aを断面視した場合に、第3方向d3に背面補強材40Aを貫通している。この例では、3つの貫通穴41が、第1領域部T1において第1方向d1に沿って形成されている。
【0094】
図15に示すように、第2領域部T2には、複数の凹部46が設けられている。複数の凹部46のそれぞれは、背面補強材40Aの表面40aに形成されている。
【0095】
凹部46は、表面40aから裏面40b側に延びる側面46a、および、表面40aよりも裏面40b側に位置して側面46aに繋がる底面46bを有している。表面40aから底面46bまでの深さは、背面補強材40Aの厚みの約半分である。凹部46は、例えば、背面補強材40Aの素材となる金属板を表面側からハーフエッチングすることで形成される。
【0096】
図14に示すように、複数の凹部46のそれぞれは、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする長穴形状を有している。図14では、凹部46の一部の領域がハッチングドットで示されている。凹部46の第2方向d2の長さは、背面補強材40Aの第2方向d2の長さよりも短い。凹部46の形状は、長方形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。なお、本実施の形態では、凹部46および貫通穴41は、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする同じ長穴状の形状を有している。
【0097】
背面補強材40Aを第3方向d3から見た場合、複数の凹部46は、第2領域部T2において千鳥状に配置されている。言い換えると、複数の凹部46は、第1方向d1から見た場合に、第1方向d1に隣り合う2つの凹部46の一部が互いに重なるように形成されている。複数の凹部46が千鳥状に配置されていることで、第1方向d1に連続する厚肉の金属部位の距離が短くなり、第2領域部T2に柔軟性を持たせることができる。
【0098】
図15に示すように、複数の凹部46は、第2方向d2から背面補強材40Aを断面視した場合に、背面補強材40Aの表面40aから裏面40b側に向かって窪むように形成されている。この例では3つの凹部46が、第2領域部T2において第1方向d1に沿って形成されている。第1方向d1に隣り合う2つの貫通穴41の距離p41、2つの凹部46の距離p46、および、貫通穴41と凹部46との距離p416は、同じ距離である。
【0099】
本実施の形態のように、背面補強材40Aの第2領域部T2に凹部46を設けることで、背面補強材40Aをフレキシブルディスプレイ25に接着する際に、光学粘着剤30の一部を凹部46の内部表面に接触させることができる。これにより、フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40Aとの密着性が低下することを抑制できる。また、第2領域部T2に凹部46を設けることで、第2領域部T2における曲がり具合を第1領域部T1における曲がり具合に近づけることができ、表示装置10Aの外観が悪化することを抑制できる。
【0100】
また、実施の形態2では、第1領域部T1に裏面溝部42が形成されていないので、第1領域部T1のうち貫通穴41を除く領域の肉厚を厚くすることができる。これにより、実施の形態1に比べて、第1領域部T1における背面補強材40Aの強度を高くすることができる。
【0101】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る表示装置10Bについて、図17図22を参照しながら説明する。実施の形態3では、表示装置10Bを備える表示機器1Bが、フォルダブル装置である例について説明する。
【0102】
図17は、実施の形態3に係る表示装置10Bを備える表示機器1Bの斜視図である。
【0103】
表示機器1Bは、画像等を表示する装置であり、折り畳み可能である。表示機器1Bは、折り畳み可能なタブレット端末である。表示機器1Bは、デジタルテレビ、デジタルサイネージ、スマートフォン、またはウェアラブル端末等であってもよい。
【0104】
図17の(a)に示すように、表示装置10Bは、第1方向d1の中央に位置する屈曲部15Bにおいて折り畳み可能な構造を有している。表示装置10Bを屈曲部15Bで折り畳むことによって、図17の(b)に示すように、表示装置10Bを半分に折り畳むことができる。
【0105】
図18は、表示装置10Bの断面図である。図19は、表示装置10Bの平面図である。
【0106】
図18に示すように、表示装置10Bは、表示パネル20と、背面補強材40Bと、筐体70とを備えている。表示パネル20は、フレキシブル基板であるCOF83を介して駆動基板であるPCB84に接続されており(図19参照)、PCB84によって駆動されて画像を表示する。
【0107】
図18に示すように、表示パネル20は、円偏光板23と、円偏光板23の背面に接着されたフレキシブルディスプレイ25と、によって構成されている。円偏光板23とフレキシブルディスプレイ25とは、光学粘着剤24によって接着されている。
【0108】
背面補強材40Bは、表示パネル20の背面、すなわちフレキシブルディスプレイ25の背面に接着されている。フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40Bとは、光学粘着剤30によって接着されている。背面補強材40Bは、可撓性および弾性を有し、外力が付与されることで曲げ変形可能である。背面補強材40Bの材質としては、例えば、ステンレス鋼またはインバー材が用いられる。背面補強材40Bの厚みは、例えば、0.1mm以上0.3mm以下の範囲から適宜選択される。
【0109】
筐体70は、粘着剤75によって背面補強材40Bに接着されている。筐体70は、第1筐体部71と、第2筐体部72と、ヒンジ73とを有している。第1筐体部71は、背面補強材40Bの一部に接着され、第2筐体部72は、背面補強材40Bの他の一部に接着されている。
【0110】
第1筐体部71と第2筐体部72とは、表示装置10Bが折り畳まれていない状態において、第3方向d3から見たとき、第1方向d1に沿って並んでいる。第1筐体部71と第2筐体部72とは、ヒンジ73によって回動可能に連結されている。第1筐体部71および第2筐体部72の一方を他方に対して回動させることによって、筐体70を屈曲させて折り畳むことができる(図17の(b)参照)。筐体70を折り畳むことによって、表示パネル20および背面補強材40B等も折り畳まれる。
【0111】
図20は、表示装置10Bの一部を構成する背面補強材40Bの平面図である。図21は、背面補強材40Bを側面から見た拡大断面図である。図22は、背面補強材40Bの背面図である。図21には、図20に示すXXI-XXI線における断面が示されている。
【0112】
背面補強材40Bは、フレキシブルディスプレイ25の背面に向き合う表面40aおよび表面40aに背向する裏面40bを有している。また、背面補強材40Bは、表面40aに沿う第1方向d1において互いに隣り合う第1領域部T1および第2領域部T2を有している。
【0113】
実施の形態3では、第1領域部T1が表示装置10Bの屈曲部15Bに位置するように配置される。背面補強材40Bは、1つの第1領域部T1および2つの第2領域部T2を有している。第1方向d1において、1つの第1領域部T1は2つの第2領域部T2の間に設けられている。言い換えると、第1方向d1において、2つの第2領域部T2は、1つの第1領域部T1の両外側に設けられている。第1方向d1における1つの第1領域部T1の長さは、1つの第2領域部T2の長さよりも短くなっている。
【0114】
なお、第1領域部T1および第2領域部T2のそれぞれは、第2方向d2に沿って設けられている。第2方向d2における第1領域部T1および第2領域部T2のそれぞれの長さは、背面補強材40Bの第2方向d2の長さと同じである。
【0115】
図21に示すように、第1領域部T1には、1つの裏面溝部42および複数の貫通穴41が形成されている。
【0116】
裏面溝部42は、裏面40bから表面40a側に向かって窪むように形成されている。裏面溝部42は、第2方向d2に沿って延びるように背面補強材40Bに形成されている(図22参照)。裏面溝部42の第2方向d2の長さは、背面補強材40Bの第2方向d2の長さと同じである。
【0117】
裏面溝部42は、裏面40bから表面40a側に延びる側面42a、および、裏面40bよりも表面40a側に位置して側面42aに繋がる底面42bを有している。裏面40bから底面42bまでの深さは、背面補強材40Bの厚みの約半分である。裏面溝部42は、例えば、背面補強材40Bの素材となる金属板を裏面側からハーフエッチングすることで形成される。
【0118】
複数の貫通穴41のそれぞれは、第1領域部T1における表面40aと裏面溝部42の底面42bとを貫通するように形成されている。
【0119】
図20および図22に示すように、複数の貫通穴41のそれぞれは、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする長穴形状を有している。貫通穴41の第2方向d2の長さは、背面補強材40Bの第2方向d2の長さよりも短い。貫通穴41の形状は、長方形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。貫通穴41は、背面補強材40Bの素材となる金属板を表面および裏面の両側からハーフエッチングすることで形成される。
【0120】
背面補強材40Bを表面40aに垂直な第3方向d3から見た場合、複数の貫通穴41は、第1領域部T1において千鳥状に配置されている。言い換えると、複数の貫通穴41は、第1方向d1から見た場合に、第1方向d1に隣り合う2つの貫通穴41の一部が互いに重なるように形成されている。複数の貫通穴41が千鳥状に配置されていることで、第1方向d1に連続する厚肉の金属部位の距離が短くなり、第1領域部T1に柔軟性を持たせることができる。
【0121】
図21に示すように、複数の貫通穴41は、第2方向d2から背面補強材40Bを断面視した場合に、第3方向d3に背面補強材40Bを貫通している。この例では、5つの貫通穴41が、第1領域部T1において第1方向d1に沿って形成されている。
【0122】
同図に示すように、裏面溝部42の底面42bの第1方向d1の長さL1は、貫通穴41の第1方向d1の長さ(穴幅)L41よりも長い(L1>L41)。また、上記の長さL1は、第1方向d1にて隣り合う2つ貫通穴41の距離p41よりも長くなっている(L1>p41)。
【0123】
図21に示すように、第2領域部T2には、複数の凹部46が設けられている。複数の凹部46のそれぞれは、背面補強材40Bの表面40aに形成されている。
【0124】
凹部46は、表面40aから裏面40b側に延びる側面46a、および、表面40aよりも裏面40b側に位置して側面46aに繋がる底面46bを有している。表面40aから底面46bまでの深さは、背面補強材40Bの厚みの約半分である。凹部46は、例えば、背面補強材40Bの素材となる金属板を表面側からハーフエッチングすることで形成される。
【0125】
図20に示すように、複数の凹部46のそれぞれは、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする長穴形状を有している。図20では、凹部46の一部の領域がハッチングドットで示されている。凹部46の第2方向d2の長さは、背面補強材40Bの第2方向d2の長さよりも短い。凹部46の形状は、長方形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。なお、本実施の形態では、凹部46および貫通穴41は、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする同じ長穴状の形状を有している。
【0126】
背面補強材40Bを第3方向d3から見た場合、複数の凹部46は、第2領域部T2において千鳥状に配置されている。言い換えると、複数の凹部46は、第1方向d1から見た場合に、第1方向d1に隣り合う2つの凹部46の一部が互いに重なるように形成されている。
【0127】
図21に示すように、複数の凹部46は、第2方向d2から背面補強材40Bを断面視した場合に、背面補強材40Bの表面40aから裏面40b側に向かって窪むように形成されている。この例では26個の凹部46が、第2領域部T2において第1方向d1に沿って形成されている。第1方向d1に隣り合う2つの貫通穴41の距離p41、2つの凹部46の距離p46、および、貫通穴41と凹部46との距離p416は、同じ距離である。
【0128】
本実施の形態のように、背面補強材40Bの第2領域部T2に凹部46を設けることで、フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40Bとの密着性が低下することを抑制できる。また、第2領域部T2に凹部46を設けることで、表示装置10Bの外観が悪化することを抑制できる。
【0129】
また、本実施の形態において、第1領域部T1には、裏面40bから表面40a側に向かって窪む裏面溝部42が設けられ、裏面溝部42の底面42bの第1方向d1の長さL1は、貫通穴41の第1方向d1の長さL41よりも長くなっている。
【0130】
これによれば、例えば背面補強材40Bの素材となる金属板を表面および裏面の両側からハーフエッチングする際に、例えば貫通穴41および裏面溝部42の位置が第1方向d1において少しずれた場合であっても、貫通穴41と裏面溝部42とを繋ぐことができる。これにより、背面補強材40Bの第1領域部T1における柔軟性を確保することができる。
【0131】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る表示装置10Cの構成について、図23図25を参照しながら説明する。実施の形態4では、実施の形態3の装置構成において、第1領域部T1に貫通穴41が設けられ、裏面溝部42が設けられていない例について説明する。
【0132】
表示装置10Cは、表示パネル20と、背面補強材40Cと、筐体70とを備えている。
【0133】
表示パネル20は、フレキシブル基板であるCOF83を介して駆動基板であるPCB84に接続されており、PCB84によって駆動されて画像を表示する。
【0134】
表示パネル20は、円偏光板23と、円偏光板23の背面に接着されたフレキシブルディスプレイ25と、によって構成されている。円偏光板23とフレキシブルディスプレイ25とは、光学粘着剤24によって接着されている。
【0135】
背面補強材40Cは、表示パネル20の背面、すなわちフレキシブルディスプレイ25の背面に接着されている。フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40Cとは、光学粘着剤30によって接着されている。背面補強材40Cは、可撓性および弾性を有し、外力が付与されることで曲げ変形可能である。背面補強材40Cの材質としては、例えば、ステンレス鋼またはインバー材が用いられる。背面補強材40Cの厚みは、例えば、0.1mm以上0.3mm以下の範囲から適宜選択される。
【0136】
筐体70は、粘着剤75によって背面補強材40Cに接着されている。筐体70は、第1筐体部71と、第2筐体部72と、ヒンジ73とを有している。第1筐体部71は、背面補強材40Cの一部に接着され、第2筐体部72は、背面補強材40Cの他の一部に接着されている。
【0137】
図23は、表示装置10Cの一部を構成する背面補強材40Cの平面図である。図24は、背面補強材40Cを側面から見た拡大断面図である。図25は、背面補強材40Cの背面図である。図24には、図23に示すXXIV-XXIV線における断面が示されている。
【0138】
背面補強材40Cは、フレキシブルディスプレイ25の背面に向き合う表面40aおよび表面40aに背向する裏面40bを有している。また、背面補強材40Cは、表面40aに沿う第1方向d1において互いに隣り合う第1領域部T1および第2領域部T2を有している。
【0139】
実施の形態4では、第1領域部T1が表示装置10Cの屈曲部15C(図17参照)に位置するように配置される。背面補強材40Cは、1つの第1領域部T1および2つの第2領域部T2を有している。第1方向d1において、1つの第1領域部T1は2つの第2領域部T2の間に設けられている。言い換えると、第1方向d1において、2つの第2領域部T2は、1つの第1領域部T1の両外側に設けられている。第1方向d1における1つの第1領域部T1の長さは、1つの第2領域部T2の長さよりも短くなっている。
【0140】
なお、第1領域部T1および第2領域部T2のそれぞれは、第2方向d2に沿って設けられている。第2方向d2における第1領域部T1および第2領域部T2のそれぞれの長さは、背面補強材40Cの第2方向d2の長さと同じである。
【0141】
図24に示すように、第1領域部T1には、複数の貫通穴41が形成されている。
【0142】
複数の貫通穴41のそれぞれは、第1領域部T1における表面40aと裏面40bとを貫通するように形成されている。
【0143】
図23および図25に示すように、複数の貫通穴41のそれぞれは、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする長穴形状を有している。貫通穴41の第2方向d2の長さは、背面補強材40Cの第2方向d2の長さよりも短い。貫通穴41の形状は、長方形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。貫通穴41は、背面補強材40Cの素材となる金属板を表面および裏面の両側からハーフエッチングすることで形成される。
【0144】
背面補強材40Cを表面40aに垂直な第3方向d3から見た場合、複数の貫通穴41は、第1領域部T1において千鳥状に配置されている。言い換えると、複数の貫通穴41は、第1方向d1から見た場合に、第1方向d1に隣り合う2つの貫通穴41の一部が互いに重なるように形成されている。複数の貫通穴41が千鳥状に配置されていることで、第1方向d1に連続する厚肉の金属部位の距離が短くなり、第1領域部T1に柔軟性を持たせることができる。
【0145】
図24に示すように、複数の貫通穴41は、第2方向d2から背面補強材40Cを断面視した場合に、第3方向d3に背面補強材40Cを貫通している。この例では、5つの貫通穴41が、第1領域部T1において第1方向d1に沿って形成されている。
【0146】
図24に示すように、第2領域部T2には、複数の凹部46が設けられている。複数の凹部46のそれぞれは、背面補強材40Cの表面40aに形成されている。
【0147】
凹部46は、表面40aから裏面40b側に延びる側面46a、および、表面40aよりも裏面40b側に位置して側面46aに繋がる底面46bを有している。表面40aから底面46bまでの深さは、背面補強材40Cの厚みの約半分である。凹部46は、例えば、背面補強材40Cの素材となる金属板を表面側からハーフエッチングすることで形成される。
【0148】
図23に示すように、複数の凹部46のそれぞれは、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする長穴形状を有している。図23では、凹部46の一部の領域がハッチングドットで示されている。凹部46の第2方向d2の長さは、背面補強材40Cの第2方向d2の長さよりも短い。凹部46の形状は、長方形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。なお、本実施の形態では、凹部46および貫通穴41は、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする同じ長穴状の形状を有している。
【0149】
背面補強材40Cを第3方向d3から見た場合、複数の凹部46は、第2領域部T2において千鳥状に配置されている。言い換えると、複数の凹部46は、第1方向d1から見た場合に、第1方向d1に隣り合う2つの凹部46の一部が互いに重なるように形成されている。
【0150】
図24に示すように、複数の凹部46は、第2方向d2から背面補強材40Cを断面視した場合に、背面補強材40Cの表面40aから裏面40b側に向かって窪むように形成されている。この例では26個の凹部46が、第2領域部T2において第1方向d1に沿って形成されている。第1方向d1に隣り合う2つの貫通穴41の距離p41、2つの凹部46の距離p46、および、貫通穴41と凹部46との距離p416は、同じ距離である。
【0151】
本実施の形態のように、背面補強材40Cの第2領域部T2に凹部46を設けることで、フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40Cとの密着性が低下することを抑制できる。また、第2領域部T2に凹部46を設けることで、表示装置10Cの外観が悪化することを抑制できる。
【0152】
また、実施の形態4では、裏面溝部42が形成されていないので、実施の形態3に比べて第1領域部T1における背面補強材40Cの強度を高くすることができる。
【0153】
(まとめ)
本開示の一態様に係る表示装置等の構成を以下に例示する。
【0154】
[例1]本開示の一態様に係る表示装置10(または10A、10B、10C。以下において同じ)は、フレキシブルディスプレイ25と、フレキシブルディスプレイ25の背面に接着された板状の背面補強材40(または40A、40Bまたは40C。以下において同じ)と、を備える。背面補強材40は、フレキシブルディスプレイ25の背面に向き合う表面40aおよび表面40aに背向する裏面40bを有し、かつ、表面40aに沿う第1方向d1において互いに隣り合う第1領域部T1および第2領域部T2を有する。表面40aに沿う方向でかつ第1方向d1に垂直な方向である第2方向d2から背面補強材40を断面視した場合に、第1領域部T1には、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な第3方向d3に背面補強材40を貫通する貫通穴41が設けられ、第2領域部T2には、表面40aから裏面40b側に向かって窪む凹部46が設けられている。
【0155】
このように、背面補強材40の第2領域部T2に凹部46を設けることで、背面補強材40をフレキシブルディスプレイ25に光学粘着剤で接着する際に、光学粘着剤の一部を凹部46の内部表面に接触させることができる。これにより、フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40との密着性が低下することを抑制できる。また、第2領域部T2に凹部46を設けることで、第2領域部T2における曲がり具合を第1領域部T1における曲がり具合に近づけることができ、表示装置10の外観が悪化することを抑制できる。
【0156】
[例2]第2方向d2から背面補強材40を断面視した場合に、貫通穴41および凹部46のそれぞれは、第1方向d1に沿って複数設けられている。第1方向d1に隣り合う2つの貫通穴41の距離p41、2つの凹部46の距離p46、および、貫通穴41と凹部46との距離p416は、同じ距離である。
【0157】
このように、上記の距離p41、p46およびp416を同じにすることで、貫通穴41および凹部46を規則的に配置することができる。これにより、表示装置10の外観が悪化することを抑制できる。例2の構成は、例1に適用可能である。
【0158】
[例3]第3方向d3から背面補強材40を見た場合に、複数の貫通穴41は、第1領域部T1において千鳥状に配置され、複数の凹部46は、第2領域部T2において千鳥状に配置されている。
【0159】
このように、複数の貫通穴41および複数の凹部46のそれぞれを千鳥状に配置することで、背面補強材40に柔軟性を持たせることができる。これにより、表示装置10の外観が悪化することを抑制できる。例3の構成は、例1または例2に適用可能である。
【0160】
[例4]貫通穴41および凹部46は、第1方向d1を幅とし第2方向d2を長さとする同じ長穴状の形状を有している。
【0161】
このように、貫通穴41および凹部46の形状を同じ長穴形状にすることで、貫通穴41および凹部46を規則的に配置することができる。これにより、表示装置10の外観が悪化することを抑制できる。例4の構成は、例1~例3のいずれかに適用可能である。
【0162】
[例5]第1領域部T1には、裏面40bから表面40a側に向かって窪む裏面溝部42が設けられている。裏面溝部42は、第2方向d2に沿って形成されている。貫通穴41は、第1領域部T1における表面40aと裏面溝部42の底面42bとを貫通するように形成されている。
【0163】
このように、第1領域部T1に裏面溝部42を設けることで、第1領域部T1における背面補強材40の柔軟性を高めることができる。例5の構成は、例1~例4のいずれかに適用可能である。
【0164】
[例6]裏面溝部42の底面42bの第1方向d1の長さL1は、貫通穴41の第1方向d1の長さL41よりも長い。
【0165】
これによれば、背面補強材40の素材となる金属板を表面および裏面の両側からハーフエッチングする際に、例えば貫通穴41および裏面溝部42の位置が第1方向d1において少しずれた場合であっても、貫通穴41と裏面溝部42とを繋ぐことができる。これにより、第1領域部T1において貫通させるべき穴が非貫通となることを抑制し、背面補強材40の第1領域部T1における柔軟性を確保することができる。例6の構成は、例5に適用可能である。
【0166】
[例7]貫通穴41は、第1領域部T1における表面40aと裏面40bとを貫通するように形成されている。
【0167】
これによれば、第1領域部T1のうち貫通穴41を除く領域における肉厚を厚くすることができる。これにより、第1領域部T1における背面補強材40Aの強度を高くすることができる。例7の構成は、例1~例4のいずれかに適用可能である。
【0168】
[例8]第1領域部T1および第2領域部T2は、背面補強材40に複数設けられ、第1方向d1に沿って交互に配置されている。
【0169】
これによれば、第1領域部T1および第2領域部T2を規則的に配置することができる。これにより、表示装置10の外観が悪化することを抑制できる。例8の構成は、例1~例7のいずれかに適用可能である。
【0170】
[例9]背面補強材40B(または40C)は、1つの第1領域部T1および2つの第2領域部T2を有する。第1方向d1において、1つの第1領域部T1は2つの第2領域部T2の間に設けられている。
【0171】
これによれば、1つの第1領域部T1を屈曲部15B(または15C)として2つの第2領域部T2を開閉することが可能となり、折り畳み可能なフォルダブル装置を実現することができる。例9の構成は、例1~例7のいずれかに適用可能である。
【0172】
[例10]表示装置は、さらに、フレキシブルディスプレイ25の背面に背向する表面40aに接着された円偏光板23と、背面補強材40の裏面に接着された背面カバー材60と、を備える。
【0173】
これによれば、円偏光板23およびフレキシブルディスプレイを有する表示パネル20、背面補強材40ならびに背面カバー材60を備える表示装置を提供することができる。例10の構成は、例1~例9のいずれかに適用可能である。
【0174】
[例11]本開示の一態様に係る表示装置の製造方法は、フレキシブルディスプレイ25と、フレキシブルディスプレイ25の背面に接着された板状の背面補強材40と、を備える表示装置の製造方法である。この製造方法は、金属板90をエッチングすることで、金属板90の表面90aに沿う第1方向d1において互いに隣り合う第1領域部T1および第2領域部T2を有する背面補強材40を形成する工程と、フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40とを接着する工程と、を含む。背面補強材40を形成する工程では、第1領域部T1において、金属板90の表面90aおよび裏面90bのそれぞれをハーフエッチングすることで複数の貫通穴41を形成するとともに、第2領域部T2において、金属板90の表面90aをハーフエッチングすることで複数の凹部46を形成する。
【0175】
この製造方法によれば、フレキシブルディスプレイ25と背面補強材40との密着性が低下することを抑制できる表示装置10を製造することができる。また、外観が悪化することを抑制できる表示装置10を製造することができる。
【0176】
(その他の実施の形態等)
以上、本開示に係る表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施の形態に限定されるものではない。上述した実施の形態に対して本開示の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示に係る表示パネルを内蔵した各種機器も本開示に含まれる。
【0177】
上記の[例1]では、第2方向d2から背面補強材40を断面視した場合の第1領域部T1および第2領域部T2の構成について説明したが、第1領域部T1および第2領域部T2の構成は、第2方向d2から背面補強材40を断面視した場合に限っての構成でなくてもよい。つまり、表示装置10は、フレキシブルディスプレイ25と、フレキシブルディスプレイ25の背面に接着された板状の背面補強材40と、を備え、背面補強材40は、フレキシブルディスプレイ25の背面に向き合う表面40aおよび表面40aに背向する裏面40bを有し、かつ、表面40aに沿う第1方向d1において互いに隣り合う第1領域部T1および第2領域部T2を有し、第1領域部T1には、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な第3方向d3に背面補強材40を貫通する貫通穴41が設けられ、第2領域部T2には、表面40aから裏面40b側に向かって窪む凹部46が設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0178】
本開示に係る表示装置は、デジタルテレビ、デジタルサイネージ、スマートフォン、タブレット端末またはウェアラブル端末等に利用可能である。
【符号の説明】
【0179】
1、1B 表示機器
10、10A、10B、10C 表示装置
15B、15C 屈曲部
20 表示パネル
23 円偏光板
24 光学粘着剤
25 フレキシブルディスプレイ
30 光学粘着剤
40、40A、40B、40C 背面補強材
40a 表面
40b 裏面
41 貫通穴
42 裏面溝部
42a 側面
42b 底面
46 凹部
46a 側面
46b 底面
51 先端部
52 ディスプレイ配置部
53 COF配置部
54 PCB配置部
60 背面カバー材
70 筐体
71 第1筐体部
72 第2筐体部
73 ヒンジ
75 粘着剤
81 パンタグラフ
83 COF
84 PCB
85 ローラー
90 金属板
90a 表面
90b 裏面
91 レジスト
91a レジストパターン層
92a、92b フォトマスク
d1 第1方向
d2 第2方向
d3 第3方向
T1 第1領域部
T2 第2領域部
L1、L2、L41、L46 長さ
p41、p46、p416 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25