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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020873
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】ノズル及び薬液容器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20250205BHJP
   B05B 1/02 20060101ALI20250205BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20250205BHJP
   B65D 47/08 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
B65D47/06 400
B05B1/02
B05C5/00 101
B65D47/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124498
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】399101201
【氏名又は名称】健栄製薬株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000190068
【氏名又は名称】伸晃化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 雅宣
(72)【発明者】
【氏名】桐村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】平田 陸
【テーマコード(参考)】
3E084
4F033
4F041
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA06
3E084AA25
3E084AA26
3E084AA32
3E084AA39
3E084AB01
3E084AB10
3E084BA02
3E084CB02
3E084CB03
3E084DB09
3E084DB12
3E084FA02
3E084FB01
3E084GA06
3E084GB06
3E084GB17
3E084HB02
3E084HD04
3E084JA20
3E084KA20
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
4F033BA03
4F033DA01
4F033EA01
4F033NA01
4F041AB01
4F041BA12
4F041BA32
(57)【要約】
【課題】薬液が斜めに飛び出すことを抑制できるノズルを提供する。
【解決手段】ノズル10は、長手方向に沿って延びる、ノズル本体1aであって、ノズル本体1aの先端側から長手方向に沿ってノズル本体1aの基端側に向けて延びるノズル通路2を有する、ノズル本体1aと、ノズル本体1aの先端から長手方向に沿ってノズル本体1aの基端側に向けて延びて、径方向内側へ傾斜している、先端テーパー部4と、先端テーパー部4とノズル通路2の先端側開口部2aとの間に配置されており、ノズル通路2を通過する薬液が先端側開口部2aから先端テーパー部4に沿って飛び出ることを妨げる、斜め飛び抑制部5と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って延びる、ノズル本体であって、前記ノズル本体の先端側から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて延びるノズル通路を有する、前記ノズル本体と、
前記ノズル本体の先端から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて延びて、径方向内側へ傾斜している、先端テーパー部と、
前記先端テーパー部と前記ノズル通路の先端側開口部との間に配置されており、前記ノズル通路を通過する薬液が前記先端側開口部から前記先端テーパー部に沿って飛び出ることを妨げる、斜め飛び抑制部と、
を備える、ノズル。
【請求項2】
前記ノズル通路は、内周面において、前記長手方向に沿って延びて、径方向内側に突出している、少なくとも1つのリブを有する、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
長手方向に沿って延びる、ノズル本体であって、前記ノズル本体の先端側から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて延びるノズル通路を有する、前記ノズル本体と、
前記ノズル本体の先端から前記長手方向に沿って前記ノズル通路の先端側開口部に向けて延びて、径方向内側へ傾斜している、先端テーパー部と、
前記ノズル通路の内周面において、前記長手方向に沿って延びて、径方向内側に突出している、少なくとも1つのリブと、
を備える、ノズル。
【請求項4】
前記斜め飛び抑制部は、前記先端側開口部の周縁から前記ノズル本体の軸に対して直交する方向に沿って前記先端テーパー部の基端側の端部に向けて延びる、径方向延長面を有している、請求項1又は2に記載のノズル。
【請求項5】
前記斜め飛び抑制部は、径方向外側の端部において、前記ノズル本体の先端側から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて窪む、凹部を有する、請求項1又は2に記載のノズル。
【請求項6】
前記リブは、前記長手方向に沿って見る断面において、径方向外側へ湾曲している半円形状を有する、請求項2又は3に記載のノズル。
【請求項7】
前記ノズルは、前記ノズル通路に連通するように、前記ノズル本体の基端から前記長手方向に沿って前記ノズル通路の基端に向けて延びて、前記ノズル通路より小さな孔径を有する、ノズル奥孔を備えており、
前記ノズル通路は、複数の前記リブを有しており、
周方向に隣り合う前記リブの間の間隔は、前記ノズル奥孔の孔径より小さい、請求項2又は3に記載のノズル。
【請求項8】
前記ノズルは、前記ノズル通路に連通するように、前記ノズル本体の基端から前記長手方向に沿って前記ノズル通路の基端に向けて延びて、前記ノズル通路より小さな孔径を有する、ノズル奥孔を備えており、
前記ノズル奥孔の周縁と前記リブとの間の径方向の距離は、0.05mm以上0.3mm以下である、請求項2又は3に記載のノズル。
【請求項9】
請求項1又は5に記載の前記ノズルと、
薬液が収容可能であり、前記ノズルに取り付けられる、薬液容器と、
前記ノズルに被せることができるキャップと、
を備える、薬液容器アセンブリ。
【請求項10】
前記キャップは、前記ノズルに対して、着脱自在に結合されている、請求項9に記載の薬液容器アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル及び薬液容器アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ノズルが開示されている。ノズルは、薬液が通過するように、ノズルの先端側から長手方向に沿ってノズルの基端側に向けて窪む、円筒状のノズル通路と、ノズル通路の先端側開口部の周縁から長手方向に沿ってノズル本体の先端に向けて延びて、径方向外側へ傾斜している、先端テーパー部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-6475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11は、特許文献1において開示されているノズルと同様の構成を有する、従来のノズル710の構造を示す断面図である。ノズル710が薬液容器720に取り付けられて、薬液容器720とノズル710が倒立状態で薬液容器720内の薬液をノズル710から注出する場合、薬液の滴は、滴下される前に、表面張力により先端テーパー部704に張り付きながら、破線で示す球状に成長する。
薬液容器内の薬液がノズルを介して強い勢いで注出された場合、薬液が、破線の矢印で示すように、ノズル通路の先端側開口部から先端テーパー部704に沿って斜めに飛び出すことがある。薬液が斜めに飛び出すことにより、薬液が意図しない場所に飛散するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できるノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、長手方向に沿って延びる、ノズル本体であって、前記ノズル本体の先端側から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて延びるノズル通路を有する、前記ノズル本体と、
前記ノズル本体の先端から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて延びて、径方向内側へ傾斜している、先端テーパー部と、
前記先端テーパー部と前記ノズル通路の先端側開口部との間に配置されており、前記ノズル通路を通過する薬液が前記先端側開口部から前記先端テーパー部に沿って飛び出ることを妨げる、斜め飛び抑制部と、
を備える、ノズルを提供する。
【0007】
本発明に係るノズルは、斜め飛び抑制部を備えることにより、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
従来のノズルは、先端テーパー部がノズル通路の先端側開口部の周縁から延びている。従来のノズルは、薬液容器に取り付けられて、該薬液容器内の薬液がノズルを介して強い勢いで注出されるとき、該薬液が、妨げられることなく、ノズル通路の先端側開口部から先端テーパー部に沿って斜めに飛び出し易い。
一方、本発明に係るノズルは、ノズル通路の先端側開口部から先端テーパー部に沿って飛び出ようとする薬液が斜め飛び抑制部によって妨げられ易くなるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0008】
前記ノズル通路は、内周面において、前記長手方向に沿って延びて、径方向内側に突出している、少なくとも1つのリブを有してもよい。
【0009】
本構成によれば、ノズルが薬液容器に取り付けられて、該薬液容器内の薬液がノズルを介して強い勢いで注出されたとしても、該薬液がリブに当たってリブの表面を伝うため、該薬液の流れがノズル通路の中心軸に沿い易くなると共に、該薬液の注出の勢いが弱まる。したがって、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0010】
また、本発明は、長手方向に沿って延びる、ノズル本体であって、前記ノズル本体の先端側から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて延びるノズル通路を有する、前記ノズル本体と、
前記ノズル本体の先端から前記長手方向に沿って前記ノズル通路の先端側開口部に向けて延びて、径方向内側へ傾斜している、先端テーパー部と、
前記ノズル通路の内周面において、前記長手方向に沿って延びて、径方向内側に突出している、少なくとも1つのリブと、
を備える、ノズルを提供する。
【0011】
本発明に係るノズルは、少なくとも1つのリブを備えることにより、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
従来のノズルは、先端テーパー部がノズル通路の先端側開口部の周縁から延びている。従来のノズルは、薬液容器に取り付けられて、該薬液容器内の薬液がノズルを介して強い勢いで注出されるとき、該薬液が、妨げられることなく、ノズル通路の先端側開口部から先端テーパー部に沿って斜めに飛び出し易い。
一方、本発明に係るノズルは、ノズル通路を通過する薬液がリブに当たってリブの表面を伝うため、薬液の流れがノズル通路の中心軸に沿い易くなると共に、薬液の注出の勢いが弱まる。したがって、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0012】
前記斜め飛び抑制部は、前記先端側開口部の周縁から前記ノズル本体の軸に対して直交する方向に沿って前記先端テーパー部の基端側の端部に向けて延びる、径方向延長面を有してもよい。
【0013】
本構成によれば、ノズルが薬液容器に取り付けられて、該薬液容器内の薬液がノズルを介して強い勢いで注出されたとしても、斜め飛び抑制部の径方向延長面が先端側開口部の周縁からノズル本体の軸に対して直交する方向に沿って先端テーパー部の基端側の端部に向けて延びることによって、ノズル通路の先端側開口部から飛び出る薬液が先端テーパー部に沿って飛び出難くなるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0014】
前記斜め飛び抑制部は、径方向外側の端部において、前記ノズル本体の先端側から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて窪む、凹部を有してもよい。
【0015】
本構成によれば、ノズルが薬液容器に取り付けられて、該薬液容器とノズルが倒立状態にされて、該薬液容器内の薬液がノズルを介して注出されるとき、該薬液の滴が、滴下される前に、表面張力により凹部に入り込みながら張り付くため、該滴が意図せずに滴下することを抑制できる。
【0016】
前記リブは、前記長手方向に沿って見る断面において、径方向外側へ湾曲している半円形状を有してもよい。
【0017】
本構成によれば、ノズルが薬液容器に取り付けられて、該薬液容器内の薬液がノズルを介して強い勢いで注出されたとしても、リブが半円形状を有することにより、該薬液がリブに当たり易くなる。
【0018】
前記ノズルは、前記ノズル通路に連通するように、前記ノズル本体の基端から前記長手方向に沿って前記ノズル通路の基端に向けて延びて、前記ノズル通路より小さな孔径を有する、ノズル奥孔を備えており、
前記ノズル通路は、複数の前記リブを有しており、
周方向に隣り合う前記リブの間の間隔は、前記ノズル奥孔の孔径より小さくてもよい。
【0019】
本構成によれば、ノズルが薬液容器に取り付けられて、該薬液容器内の薬液がノズルを介して強い勢いで注出されたとしても、該薬液がノズル奥孔の孔径より小さい周方向に隣り合うリブの間の間隔に入り難くなるため、該薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0020】
前記ノズルは、前記ノズル通路に連通するように、前記ノズル本体の基端から前記長手方向に沿って前記ノズル通路の基端に向けて延びて、前記ノズル通路より小さな孔径を有する、ノズル奥孔を備えており、
前記ノズル奥孔の周縁と前記リブとの間の径方向の距離は、0.05mm以上0.3mm以下であってもよい。
【0021】
本構成によれば、ノズルが薬液容器に取り付けられて、該薬液容器内の薬液がノズルを介して強い勢いで注出されたとしても、ノズル奥孔の周縁とリブとの間の径方向の距離が十分に小さいため、該薬液がリブに当たり易くなり、該薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
ノズル奥孔の周縁とリブとの間の径方向の距離が0.05mmより小さい場合、ノズル奥孔の周縁とリブとの間の径方向の距離が小さすぎるため、薬液がリブに過度に接触しやすくなり、薬液の注出の勢いが過度に弱まる可能性がある。
ノズル奥孔の周縁とリブとの間の径方向の距離が0.3mmより大きい場合、ノズル奥孔の周縁とリブとの間の径方向の距離が大きすぎるため、薬液がリブに当たり難くなり、薬液が斜めに飛び出すことを抑制し難くなる可能性がある。
したがって、ノズル奥孔の周縁とリブとの間の径方向の距離は、0.05mm以上0.3mm以下であることが好ましい。
【0022】
本発明は、前記ノズルと、
薬液が収容可能であり、前記ノズルに取り付けられる、薬液容器と、
前記ノズルに対して被せることができるキャップと、
を備える、薬液容器アセンブリを提供する。
【0023】
本発明に係る薬液容器アセンブリによって、薬液容器内の薬液がノズルを介して強い勢いで注出されたとしても、ノズルの斜め飛び抑制部又はリブにより、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0024】
前記キャップは、前記ノズルに対して、着脱自在に結合されてもよい。
【0025】
本構成によれば、キャップがノズルに結合されていることにより、キャップの紛失が抑えられる。
【発明の効果】
【0026】
したがって、本発明に係るノズルは、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1の実施形態に係るノズルを備える薬液容器アセンブリの断面図。
図2図1のノズルの断面図。
図3図2のノズル本体の断面図。
図4図3の断面IVに沿ったノズル本体の横断面図。
図5】本発明の第2の実施形態に係るノズル本体の断面図。
図6】本発明の第3の実施形態に係るノズル本体の断面図。
図7】本発明の第4の実施形態に係るノズル本体の断面図。
図8】本発明の第5の実施形態に係るノズル本体の断面図。
図9】本発明の第6の実施形態に係るノズル本体の断面図。
図10】本発明の第7の実施形態に係る薬液容器アセンブリの断面図。
図11】従来のノズルの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0029】
[薬液容器]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るノズル10を備える薬液容器アセンブリ100の断面図であって、キャップ30を閉じた状態を示す。第1の実施形態において、図1の上下方向を長手方向と呼称する。特に、図1の上方向を先端側と呼称して、図1の下方向を基端側と呼称する。
【0030】
キャップ30は、後述するノズル10のヒンジ部1fにより、後述するノズル10のキャップ取付壁部1eに対して開閉自在に結合される。
【0031】
キャップ30は、ヒンジ部1fを介して閉じられることにより、先端側からノズル10に対して被さるキャップ形状を有する。キャップ30は、ノズル10から薬液を注出しないとき、ノズル10を保護するため、ノズル10に対して被さる形状を有する。
【0032】
キャップ30は、ヒンジ部1fを介して閉じられることにより、後述するノズル10のノズル通路2に嵌入されるノズル通路閉塞部30aを有する。ノズル通路閉塞部30aは、ノズル10から薬液を注出しないとき、薬液が意図せずにノズル10から垂れることを抑制できるように、ノズル通路2に嵌入される断面形状を有する。
【0033】
薬液容器アセンブリ100は、薬液が収容可能であり、ノズル10に取り付けられる、薬液容器20を有する。
【0034】
薬液容器20は、先端が開口している容器本体20aと、容器本体20aの先端から長手方向に沿って先端側へ延びる円筒状の口部20bとを有する。ここで、薬液容器20の形状は、円筒、扁平、楕円、四角等、内部に薬液を収納できる形状であればよく、特にその形状が限定されるものではない。また、薬液容器20の材質はポリエチレン製、ポリプロピレン製、ポリエチレンテレフタレート製、ガラス製等、容器を形成可能な材質であればよく、特にその材質が限定されるものでもない。
【0035】
口部20bは、外周面において、後述するノズル10の取付ねじ部1gに対して締結される容器ねじ部20cを有する。容器ねじ部20cが取付ねじ部1gに対して締結されるとき、後述するノズル10のスカート部1dが口部20bの内側に嵌合される。
【0036】
第1の実施形態において、薬液容器20には、薬液として、水溶性アズレン又はその薬剤学的に許容される塩もしくはその水和物、クロルヘキシジン塩酸塩又はクロルヘキシジングルコン酸塩、ポビドンヨード、4級アンモニウム塩又はその水和物、ミルラチンキ、セチルピリジニウム塩化物、塩化ナトリウム及びグリチルリチン酸又はその誘導体から選ばれる1種類以上を含有することを特徴とする液体組成物や、例えば希釈若しくは原液のまま使用する洗口液、うがい薬、消毒液、濃縮石鹸液、洗浄剤等の薬液等が収容されているが、液体であればよく、水、その他種々の液体組成物が収容されていてもよい。つまり、薬液容器アセンブリ100は、液体が注出される用途に使用されるものであり、特にその用途が限定されるものではない。
【0037】
[ノズル]
図2は、図1のノズルの断面図である。ノズル10は、長手方向に沿って延びる円筒状のノズル本体1aと、ノズル本体1aの基端から径方向外側へ延びるフランジ1bと、フランジ1bの径方向外側の周縁から基端側へ延びる円筒状のノズル取付壁部1cと、ノズル取付壁部1cより径方向内側において、フランジ1bの底面から基端側へ延びる円筒状のスカート部1dと、を備える。
【0038】
第1の実施形態において、フランジ1bは、径方向外側の周縁の一端において、先端側へ延びるキャップ取付壁部1eを有する。キャップ取付壁部1eは、先端において、キャップ30が開閉自在に結合されるヒンジ部1fを有する。
【0039】
第1の実施形態において、ノズル取付壁部1cは、内周面において、薬液容器20の口部20bの外周面の容器ねじ部20cに対して締結される取付ねじ部1gを有する。取付ねじ部1gが口部20bの外周面の容器ねじ部20cに対して締結されるとき、スカート部1dは薬液容器20の口部20bの内側に嵌合される。
【0040】
ノズル本体1aは、ノズル本体1aの先端側から長手方向に沿ってノズル本体1aの基端側に向けて窪む円筒状のノズル通路2を有する。ノズル通路2は、先端において、先端側開口部2aを有しており、基端において、底部2bを有している。
【0041】
ノズル通路2の孔径D1は1.5mm以上2.5mm以下であることが好ましい。第1の実施形態では、ノズル通路2の孔径D1は1.5mmに設定されている。
【0042】
ノズル10は、ノズル通路2に連通するようにノズル本体1aの基端から長手方向に沿ってノズル通路2の底部2bに向けて延びる円筒状のノズル奥孔3を備える。ノズル奥孔3は、薬液容器20とノズル10が倒立状態にされて、薬液容器20内の薬液がノズル10から注出されるとき、該薬液が意図せずにノズル10から垂れることを抑制できるように、ノズル通路2より小さな孔径D2を有する。
【0043】
ノズル奥孔3の孔径D2は0.6mm以上1.0mm以下であることが好ましい。ノズル奥孔3の孔径D2が0.6mmより小さい場合、孔径D2が小さすぎるため、ノズル10を成型する金型の強度が低下して、生産性が低下するおそれがある。ノズル奥孔3の孔径D2が1.0mmより大きい場合、孔径D2が大きすぎるため、薬液がノズル奥孔3からボタ落ちしやすくなる。したがって、ノズル奥孔3の孔径D2は0.6mm以上1.0mm以下であることが好ましい。第1の実施形態では、ノズル奥孔3の孔径D2は0.6mmに設定されている。また、ノズル奥孔3の孔径D2は、ボタ落ちの防止と注出との両立を考慮して、ノズル通路2の孔径D1の0.2~0.7倍が好ましい。第1の実施形態では、0.4倍である。
【0044】
図3は、図2のノズル本体1aの中心軸に沿った断面図である。
【0045】
上述のように、ノズル奥孔3の孔径D2が0.6mmに設定されている場合、ノズル通路2の底部2bから先端側開口部2aまでの長さL1は、4.8mm以上10.0mm以下であることが好ましい。ノズル通路2の長さL1が4.8mmより小さい場合、ノズル通路2の長さL1が十分でないため、薬液は、ノズル通路2に沿って真直ぐに注出され難くなり、斜めに飛び出し易くなる。ノズル通路2の長さL1が10.0mmより大きい場合、ノズル通路2の長さL1が長すぎるため、ノズル通路2に薬液が残留しやすくなり、次の使用時に薬液のボタ落ちの原因となるおそれがある。さらに、ノズル通路2の長さに合わせてノズル通路閉塞部30aを長くすると、キャップ30がヒンジ部1fを介して閉じられるとき、ノズル通路2の開口部がキャップ30のノズル通路閉塞部30aと干渉して、キャップ30が正しく閉じられないおそれがある。したがって、ノズル通路2の長さL1は、ノズル奥孔3の孔径D2が0.6mmに設定されている場合、4.8mm以上10.0mm以下であることが好ましい。第1の実施形態では、ノズル通路2の長さL1は、5.4mmに設定されている。
【0046】
ノズル10は、ノズル本体1aの先端から長手方向に沿ってノズル本体1aの基端側に向けて延びて、径方向内側へ傾斜している、先端テーパー部4を備える。先端テーパー部4は、薬液容器20とノズル10が倒立状態にされて、薬液容器20内の薬液がノズル10から注出されるとき、薬液の滴が、滴下される前に、表面張力により先端テーパー部4に張り付きながら、球状に成長するように構成されている。先端テーパー部4は、薬液の滴が成長するように、長手方向に垂直な短手方向に対する角度θ1が90度より鋭角である。
【0047】
先端テーパー部4の角度θ1は、30度から80度であることが好ましいが、薬液の滴が、滴下される前に、表面張力により先端テーパー部4に張り付きながら、球状に成長するような値であれば、この値の範囲に限定されるものではなく、種々の値の範囲に限定されてもよい。
【0048】
ノズル10は、先端テーパー部4とノズル通路2の先端側開口部2aとの間に配置されており、ノズル通路2を通過する薬液が先端側開口部2aから先端テーパー部4に沿って飛び出ることを妨げる、斜め飛び抑制部5を備える。斜め飛び抑制部5は、先端側開口部2aの周縁からノズル本体1aの中心軸に対して直交する方向に沿って先端テーパー部4の基端側の端部に向けて延びる、径方向延長面5aを有している。なお、径方向延長面5aは、傾斜していてもよい。また、径方向延長面5aの断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、直線状であっても、曲線状であってもよい。
【0049】
第1の実施形態において、斜め飛び抑制部5は、径方向延長面5aの径方向外側の端部において、ノズル本体1aの先端側から長手方向に沿ってノズル本体1aの基端側に向けて窪んでいる、凹部6を有する。凹部6は、薬液容器20とノズル10が倒立状態にされて、薬液容器20内の薬液がノズル10から注出されるとき、薬液の滴が、滴下される前に、表面張力により凹部6に入り込みながら張り付くように、窪んでいる。したがって、斜め飛び抑制部5が凹部6を有することにより、薬液の液滴を所望の大きさに成長させ易い。凹部6の位置は、上記に限定されるものではなく、例えば、径方向延長面5aにおける先端テーパー部4の基端側端部と先端側開口部2aとの間に設けられていてもよい。
【0050】
図4は、長手方向に沿って見る、図3の断面IVに沿ったノズル本体1aの横断面図である。
【0051】
ノズル通路2は、内周面において、長手方向に沿って延びて、径方向内側に突出している、4つのリブ8を備える。4つのリブ8は、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、薬液がそれぞれのリブ8に当たってリブ8の表面を伝うことによって、薬液の流れがノズル通路2の中心軸に沿い易くなると共に、薬液の注出の勢いが弱まるように、径方向内側に突出している。したがって、4つのリブ8により、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0052】
第1の実施形態において、ノズル10は4つのリブ8を備えるが、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる配置と構造であれば、4つのリブ8に限定されるものではなく、種々の数のリブ、例えば1つのリブ、2つのリブ、6つのリブ、又は8つのリブなどを備えてもよい。ノズル10が複数のリブを備える場合、リブは、それぞれ、周方向に等間隔に並んでいることが好ましい。これにより、薬液が飛ぶ方向によらず、より薬液がリブ8に当たりやすくするなるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0053】
図4に示すように、リブ8は、長手方向に沿って見る断面において、径方向外側へ湾曲している半円形状を有している。リブ8の半円形状は、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、薬液がリブ8に当たり易くなるように構成されている。
【0054】
第1の実施形態において、リブ8は、それぞれ、径方向外側へ湾曲している半円状の断面を有するが、薬液がリブ8に当たり易い形状の断面であれば、この形状の断面に限定されるものではなく、種々の形状の断面を有してもよい。また、リブ8は、製造容易性の理由から、ノズル通路2の底部2bから、先端側に延びることが好ましい。
【0055】
図3に示すリブ8の長さL2は、ノズル通路2の長さL1の2/5以上3/5以下であることが好ましい。リブ8の長さL2がノズル通路2の長さL1の2/5より小さい場合、リブ8の長さL2がノズル通路2の長さL1に比して短すぎるため、薬液の流れをノズル通路2の中心軸に沿い易くすると共に、薬液の注出の勢いを弱めるリブ8の効果が低下する可能性がある。リブ8の長さL2がノズル通路2の長さL1の3/5より大きい場合、リブ8の長さL2がノズル通路2の長さL1に比して長すぎるため、薬液がリブ8に過度に接触しやすくなり、薬液の注出の勢いが過度に弱まる可能性がある。したがって、リブ8の長さL2は、ノズル通路2の長さL1の2/5以上3/5以下であることが好ましい。第1の実施形態では、リブ8の長さL2は3.24mmに設定される。
【0056】
第1の実施形態において、周方向に隣り合うリブ8の間の間隔は、ノズル奥孔3の孔径D2より小さいことが好ましい。これにより、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、リブ8間に薬液が入り難くなるため、薬液の流れがノズル通路2の中心軸に沿い易くなり、薬液が先端テーパー部4に沿って飛び出すことを抑制することができる。
【0057】
ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3は、0.05mm以上0.3mm以下であることが好ましい。ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が0.05mmより小さい場合、ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が小さすぎるため、薬液がノズル通路2を通過し難くなることがある。ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が0.3mmより大きい場合、ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が大きすぎるため、薬液がリブ8に当たり難くなり、薬液が斜めに飛び出すことを抑制し難い。したがって、ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3は、0.05mm以上0.3mm以下であることが好ましい。ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が0.05mm以上0.3mm以下であることにより、薬液がノズル通路2を通過できることを重視しながら、薬液が斜めに飛び出すことを抑制し易い。第1の実施形態では、ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3は、0.05mmに設定される。
また、リブ8の先端側の端部は、キャップ30を正しく閉じられるように、先端側開口部2aから基端側に間隔を空けて、ノズル通路閉塞部30aと干渉しない位置であることが好ましい。
【0058】
[作用効果]
このように構成したノズル10及び薬液容器アセンブリ100は、以下の特徴を有する。
【0059】
第1の実施形態のノズル10は、斜め飛び抑制部5を備えることにより、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。より詳しくは、第1の実施形態のノズル10は、ノズル通路2の先端側開口部2aから先端テーパー部4に沿って飛び出ようとする薬液が斜め飛び抑制部5によって妨げられ易くなるため、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0060】
第1の実施形態のノズル10が薬液容器20に取り付けられて、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、薬液がリブ8に当たってリブ8の表面を伝うため、薬液の流れがノズル通路2の中心軸に沿い易くなると共に、薬液の注出の勢いが弱まる。したがって、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0061】
第1の実施形態のノズル10が薬液容器20に取り付けられて、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、斜め飛び抑制部5の径方向延長面5aが先端側開口部2aの周縁からノズル本体1aの軸に対して直交する方向に沿って先端テーパー部4の基端側の端部に向けて延びることによって、ノズル通路2の先端側開口部2aから飛び出る薬液が先端テーパー部4に沿って飛び出難くなるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0062】
第1の実施形態のノズル10が薬液容器20に取り付けられて、薬液容器20とノズル10が倒立状態にされて、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して注出されるとき、薬液の滴が、滴下される前に、表面張力により凹部6に入り込みながら張り付くため、滴が意図せずに滴下することを抑制できる。
【0063】
第1の実施形態のノズル10が薬液容器20に取り付けられて、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、リブ8が半円形状を有することにより、薬液がリブ8に当たり易くなる。
【0064】
第1の実施形態のノズル10が薬液容器20に取り付けられて、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、薬液がノズル奥孔3の孔径D2より小さい周方向に隣り合うリブ8の間の間隔に入り難くなるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0065】
第1の実施形態のノズル10が薬液容器20に取り付けられて、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が十分に小さいため、薬液がリブ8に当たり易くなり、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が0.05mmより小さい場合、ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が小さすぎるため、薬液がリブ8に過度に接触しやすくなり、薬液の注出の勢いが過度に弱まる可能性がある。
ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が0.3mmより大きい場合、ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3が大きすぎるため、薬液がリブ8に当たり難くなり、薬液が斜めに飛び出すことを抑制し難くなる可能性がある。
したがって、ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3は、0.05mm以上0.3mm以下であることが好ましい。
【0066】
第1の実施形態の薬液容器アセンブリ100によって、薬液容器20内の薬液がノズル10を介して強い勢いで注出されたとしても、ノズル10の斜め飛び抑制部5又はリブ8により、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0067】
第1の実施形態のキャップ30がノズル10に結合されていることにより、キャップ30の紛失が抑えられる。
【0068】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。第1の実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
【0069】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るノズル本体101aの断面図である。ノズル110は、第1の実施形態のノズル10が備える斜め飛び抑制部5に換えて、先端テーパー部104とノズル通路102の先端側開口部102aとの間に配置されており、ノズル通路102を通過する薬液が先端側開口部102aから先端テーパー部104に沿って飛び出ることを妨げる、斜め飛び抑制部105を備える。斜め飛び抑制部105は、先端側開口部102aの周縁から径方向外側へ延びて、ノズル本体101aの基端側へ傾斜している、傾斜面105aを有している。なお、傾斜面105aの断面形状は特に限定されず、例えば、直線状であっても、曲線状であってもよい。
【0070】
第2の実施形態のノズル110が薬液容器に取り付けられて、薬液容器内の薬液がノズル110を介して強い勢いで注出されたとしても、斜め飛び抑制部105の傾斜面105aが、先端側開口部102aの周縁から径方向外側へ延びて、ノズル本体101aの基端側へ傾斜している、より詳しくは、傾斜面105aとノズル通路102の内周面との間の角度が90°以下であることによって、ノズル通路102の先端側開口部102aから飛び出る薬液が先端テーパー部104に沿って飛び出難くなるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0071】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について図6を参照しながら説明する。第1の実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
【0072】
図6は、本発明の第3の実施形態に係るノズル本体201aの断面図である。ノズル210は、第1の実施形態のノズル10が備える斜め飛び抑制部5に換えて、先端テーパー部204とノズル通路202の先端側開口部202aとの間に配置されており、ノズル通路202を通過する薬液が先端側開口部202aから先端テーパー部204に沿って飛び出ることを妨げる、斜め飛び抑制部205を備える。斜め飛び抑制部205は、先端側開口部202aの周縁からノズル本体201aの中心軸に対して直交する方向に沿って径方向外側へ延びる、先端面205aと、先端面205aの径方向外側の周縁から長手方向に沿ってノズル本体201aの基端側に向けて延びる、筒状面205bと、を有している。なお、前記先端面205aの断面形状は特に限定されず、例えば、直線状であっても、曲線状であってもよい。また、筒状面205bは、上記に限定されず、例えば、傾斜していてもよい。
【0073】
第3の実施形態のノズル210が薬液容器に取り付けられて、薬液容器内の薬液がノズル210を介して強い勢いで注出されたとしても、斜め飛び抑制部205の先端面205aが先端側開口部202aの周縁からノズル本体201aの中心軸に対して直交する方向に沿って径方向外側へ延びて、斜め飛び抑制部205の筒状面205bが先端面205aの径方向外側の周縁から長手方向に沿ってノズル本体201aの基端側に向けて延びることによって、ノズル通路202の先端側開口部202aから飛び出る薬液が先端テーパー部204に沿って飛び出難くなるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0074】
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態について図7を参照しながら説明する。第1の実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
【0075】
図7は、本発明の第4の実施形態に係るノズル本体301aの断面図である。ノズル310は、第1の実施形態のノズル10が備える斜め飛び抑制部5に換えて、先端テーパー部304とノズル通路302の先端側開口部302aとの間に配置されており、ノズル通路302を通過する薬液が先端側開口部302aから先端テーパー部304に沿って飛び出ることを妨げる、斜め飛び抑制部305を備える。斜め飛び抑制部305は、先端側開口部302aの周縁からノズル本体301aの先端側へ延びて、径方向内側へ傾斜している、第1面305aと、第1面305aの径方向内側の周縁からノズル本体301aの先端側へ延びて、径方向外側へ傾斜している、第2面305bと、第2面305bの径方向外側の周縁からノズル本体301aの基端側へ延びて、径方向外側へ傾斜している、第3面305cと、を有している。なお、第1面305aは上記に限定されず、傾斜していなくてもよい。また、第2面305bは、上記に限定されず、傾斜していなくてもよい。さらに、第1面305aおよび第2面305bの傾斜角度は問わない。
【0076】
第4の実施形態のノズル310が薬液容器に取り付けられて、薬液容器内の薬液がノズル310を介して強い勢いで注出されたとしても、斜め飛び抑制部305の第1面305aが、先端側開口部302aの周縁からノズル本体301aの先端側へ延びて、径方向内側へ傾斜して、斜め飛び抑制部305の第2面305bが、第1面305aの径方向内側の周縁からノズル本体301aの先端側へ延びて、径方向外側へ傾斜して、斜め飛び抑制部305の第3面305cが、第2面305bの径方向外側の周縁からノズル本体301aの基端側へ延びて、径方向外側へ傾斜していることによって、ノズル通路302の先端側開口部302aから飛び出る薬液が先端テーパー部304に沿って飛び出難くなるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0077】
[第5の実施形態]
以下、本発明の第5の実施形態について図8を参照しながら説明する。第1の実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
【0078】
図8は、本発明の第5の実施形態に係るノズル本体401aの断面図である。第5の実施形態のノズル410は、第1の実施形態のノズル10と異なり、斜め飛び抑制部を備えていないが、第1の実施形態のノズル10と同様に、ノズル通路402の内周面において、長手方向に沿って延びて、径方向内側に突出している、4つのリブ408を備える。
【0079】
第5の実施形態のノズル410は、4つのリブ408を備えることにより、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。より詳しくは、第5の実施形態のノズル410は、薬液がリブ408に当たってリブ408の表面を伝うため、薬液の流れがノズル通路402の中心軸に沿い易くなると共に、薬液の注出の勢いが弱まる。したがって、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0080】
[第6の実施形態]
以下、本発明の第6の実施形態について図9を参照しながら説明する。第1の実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
【0081】
図9は、本発明の第6の実施形態に係るノズル本体501aの断面図である。第6の実施形態のノズル510は、第1の実施形態のノズル10と異なり、リブを備えていないが、第1の実施形態のノズル10と同様に、先端テーパー部504とノズル通路502の先端側開口部502aとの間に配置されており、ノズル通路502を通過する薬液が先端側開口部502aから先端テーパー部504に沿って飛び出ることを妨げる、斜め飛び抑制部505を備える。斜め飛び抑制部505は、先端側開口部502aの周縁からノズル本体501aの中心軸に対して直交する方向に沿って先端テーパー部504の基端側の端部に向けて延びる、径方向延長面505aを有している。斜め飛び抑制部505は、径方向延長面505aの径方向外側の端部において、ノズル本体501aの先端側から長手方向に沿ってノズル本体501aの基端側に向けて窪んでいる、凹部506を有する。
【0082】
第6の実施形態のノズル510が薬液容器に取り付けられて、薬液容器内の薬液がノズル510を介して強い勢いで注出されたとしても、斜め飛び抑制部505の径方向延長面505aが先端側開口部502aの周縁からノズル本体501aの軸に対して直交する方向に沿って先端テーパー部504の基端側の端部に向けて延びることによって、ノズル通路502の先端側開口部502aから飛び出る薬液が先端テーパー部504に沿って飛び出難くなるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制できる。
【0083】
[第7の実施形態]
以下、本発明の第7の実施形態について図10を参照しながら説明する。第1の実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
【0084】
図10は、本発明の第7の実施形態に係る薬液容器アセンブリ600の断面図であって、ノズル610に対して自在に着脱できるキャップ630を示す。ノズル610は、上記第1~第6の実施形態における、ノズル本体と同様の構造を備える、いわゆる中栓タイプのノズルである。第7の実施形態のキャップ630は、第1の実施形態のキャップ30と異なり、ノズル610に対して結合されていない。薬液容器620の口部620bは、外周面において、口部ねじ部620dを有する。キャップ630は、内周面において、口部ねじ部620dに対して締結されるキャップねじ部630bを有する。キャップねじ部630bが口部ねじ部620dに対して締結されることにより、キャップ630はノズル610に対して被さる。
【0085】
[他の実施形態]
なお、本発明は、上述の実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0086】
上述の第1の実施形態では、ノズル奥孔3の周縁とリブ8との間の径方向の距離D3は、0.05mm以上0.3mm以下であって、リブ8はノズル奥孔3に対して径方向にオーバーラップしていないが、リブがノズル奥孔に対して径方向にオーバーラップしていてもよい。より詳しくは、長手方向に沿って見る断面において、リブがノズル奥孔に対して占有する比率が、10%以上30%以下であってもよい。
【0087】
上記の構成によれば、リブがノズル奥孔に対してオーバーラップしていることにより、ノズルが薬液容器に取り付けられて、薬液容器内の薬液がノズルから強い勢いで注出されたとしても、薬液がリブに当たり易くなり、薬液が斜めに飛び出すことをより抑制できる。長手方向に沿って見る断面において、リブがノズル奥孔に対して占有する比率が10%より小さい場合、リブがノズル奥孔に対して径方向にオーバーラップする長さが小さすぎるため、薬液が斜めに飛び出すことを抑制する効果が低い場合がある。長手方向に沿って見る断面において、リブがノズル奥孔に対して占有する比率が30%より大きい場合、リブがノズル奥孔に対して径方向にオーバーラップする長さが大きすぎるため、薬液がノズル通路を通過し難くなる。したがって、長手方向に沿って見る断面において、リブがノズル奥孔に対して占有する比率は、10%以上30%以下であってもよい。リブがノズル奥孔に対して占有する比率が10%以上30%以下であることにより、薬液が斜めに飛び出すことを抑制することを重視しながら、薬液がノズル通路2を通過し易くすることができる。
【0088】
本発明の第1の態様は、
長手方向に沿って延びる、ノズル本体であって、前記ノズル本体の先端側から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて延びるノズル通路を有する、前記ノズル本体と、
前記ノズル本体の先端から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて延びて、径方向内側へ傾斜している、先端テーパー部と、
前記先端テーパー部と前記ノズル通路の先端側開口部との間に配置されており、前記ノズル通路を通過する薬液が前記先端側開口部から前記先端テーパー部に沿って飛び出ることを妨げる、斜め飛び抑制部と、
を備える、ノズルを提供する。
【0089】
本発明の第2の態様は、
前記ノズル通路は、内周面において、前記長手方向に沿って延びて、径方向内側に突出している、少なくとも1つのリブを有する、第1の態様に記載のノズルを提供する。
【0090】
本発明の第3の態様は、
長手方向に沿って延びる、ノズル本体であって、前記ノズル本体の先端側から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて延びるノズル通路を有する、前記ノズル本体と、
前記ノズル本体の先端から前記長手方向に沿って前記ノズル通路の先端側開口部に向けて延びて、径方向内側へ傾斜している、先端テーパー部と、
前記ノズル通路の内周面において、前記長手方向に沿って延びて、径方向内側に突出している、少なくとも1つのリブと、
を備える、ノズルを提供する。
【0091】
本発明の第4の態様は、
前記斜め飛び抑制部は、前記先端側開口部の周縁から前記ノズル本体の軸に対して直交する方向に沿って前記先端テーパー部の基端側の端部に向けて延びる、径方向延長面を有している、第1の態様又は第2の態様に記載のノズルを提供する。
【0092】
本発明の第5の態様は、
前記斜め飛び抑制部は、径方向外側の端部において、前記ノズル本体の先端側から前記長手方向に沿って前記ノズル本体の基端側に向けて窪む、凹部を有する、第1の態様、第2の態様、又は第4の態様に記載のノズルを提供する。
【0093】
本発明の第6の態様は、
前記リブは、前記長手方向に沿って見る断面において、径方向外側へ湾曲している半円形状を有する、第2の態様又は第3の態様に記載のノズルを提供する。
【0094】
本発明の第7の態様は、
前記ノズルは、前記ノズル通路に連通するように、前記ノズル本体の基端から前記長手方向に沿って前記ノズル通路の基端に向けて延びて、前記ノズル通路より小さな孔径を有する、ノズル奥孔を備えており、
前記ノズル通路は、複数の前記リブを有しており、
周方向に隣り合う前記リブの間の間隔は、前記ノズル奥孔の孔径より小さい、第2の態様、第3の態様、又は第6の態様に記載のノズルを提供する。
【0095】
本発明の第8の態様は、
前記ノズルは、前記ノズル通路に連通するように、前記ノズル本体の基端から前記長手方向に沿って前記ノズル通路の基端に向けて延びて、前記ノズル通路より小さな孔径を有する、ノズル奥孔を備えており、
前記ノズル奥孔の周縁と前記リブとの間の径方向の距離は、0.05mm以上0.3mm以下である、第2の態様、第3の態様、第6の態様、又は第7の態様に記載のノズルを提供する。
【0096】
本発明の第9の態様は、
第1の態様から第8の態様のいずれか又は第2の態様に記載の前記ノズルと、
薬液が収容可能であり、前記ノズルに取り付けられる、薬液容器と、
前記ノズルに被せることができるキャップと、
を備える、薬液容器アセンブリを提供する。
【0097】
本発明の第10の態様は、
前記キャップは、前記ノズルに対して、着脱自在に結合されている、第9の態様に記載の薬液容器アセンブリを提供する。
【符号の説明】
【0098】
1a ノズル本体
2 ノズル通路
2a 先端側開口部
4 先端テーパー部
5 斜め飛び抑制部
8 リブ
10 ノズル
20 薬液容器
30 キャップ
100 薬液容器アセンブリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11