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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020912
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20250205BHJP
【FI】
A63F7/02 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124547
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 安隆
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA01
2C088CA05
2C088CA07
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】スマート遊技機と払出式遊技機とが混在して設置される遊技場において、払出式遊技機における上皿の収容量を考慮した上で、遊技場が希望する最低遊技料金を適切に徴収する。
【解決手段】スマート遊技機1と払出式遊技機5とが混在して設置される遊技場の遊技場用システムであって、管理装置10において、貸単位や再プレイ単位における遊技価値の付与単位を、払出式遊技機5用の付与単位と、スマート遊技機1用の付与単位とで区分して設定可能とした。払出式遊技機5における上皿46の収容量を考慮した上で、遊技場が希望する例えば1000円といった最低遊技料金を適切に徴収することが可能となる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に応じて遊技価値を払出すことで付与する払出式遊技機と、遊技に応じて遊技価値を払出さずに仮想上の遊技価値を増加させることで付与するスマート遊技機とを含む遊技機を管理対象とした遊技場用システムであって、
前記遊技機に対応して設けられ、所定の付与操作を受付けた場合に、対価に応じた遊技価値を当該対応する遊技機へ付与する対価付与処理を行う対価付与手段と、
前記対価付与処理における1回の前記付与操作に応じた付与単位を、前記払出式遊技機用の第1付与単位と、前記スマート遊技機用の第2付与単位とで区分して設定可能な付与単位設定手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項2】
前記第2付与単位の設定内容が所定の設定条件を満たさない場合に、前記第1付与単位を前記スマート遊技機に適用する適用手段を備える請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記第2付与単位における初期設定値は前記設定条件を満たさない値に設定する一方、前記第1付与単位における初期設定値は前記設定条件を満たす値に設定する初期設定手段を備える請求項2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記付与単位設定手段により設定される前記第2付与単位が前記設定条件を満たさない場合に、第1報知を行う第1報知手段を備える請求項2又は3に記載した遊技場用システム。
【請求項5】
前記付与単位設定手段により設定される同一の遊技レートを対象とした第1付与単位と第2付与単位とに整合性がない場合に、第2報知を行う第2報知手段を備える請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項6】
前記対価付与手段は、前記付与操作である所定の再プレイ操作を受付けた場合に遊技者が獲得した遊技価値を対価として遊技価値を付与する再プレイ処理を前記対価付与処理として可能とする一方、当該再プレイ処理により付与した遊技価値が予め設定される付与上限値に達した場合に当該再プレイ処理を抑制し、
前記付与単位設定手段は、前記再プレイ処理における前記付与単位を、前記第1付与単位と前記第2付与単位とで区別して設定可能である一方、前記付与上限値を設定可能であり、前記第1付与単位と前記第2付与単位との公倍数に対応しない値を前記付与上限値として設定する操作を抑制する請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では遊技者が遊技するために遊技価値を付与しているが、例えば特許文献1の[図3]の「払出数」のように4円レートであれば125玉、即ち、500円分を1回の基準価値、即ち、付与単位として設定するといったようにレート別に付与単位を設定している。このような付与単位は、従来の遊技価値を払出す払出式遊技機の場合、遊技機の上皿に遊技価値である玉を払出すことから、この上皿に払出せる玉の収容量を考慮する必要があった。即ち、多くの遊技機の場合、上皿の玉の収容量は200玉程度なので、仮に1000円分の250玉を付与単位にすると、払出された玉の取扱いに遊技者が追われて遊技に集中できないため、125玉、或いは貸出レートが1円の場合には200玉を目安に付与単位が設定されており、当該「図3」の2円レートのように400玉を設定することは極めて稀であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-202805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、近年、遊技価値を払出さずに遊技機や遊技装置にて管理される仮想上の遊技価値を遊技に応じて増減させるスマート遊技機が市場に導入されつつある。このようなスマート遊技機の場合、遊技価値を払出す必要がないため、上記の払出式遊技機のように上皿の収容量を考慮する必要性が低減する。
【0005】
一方で、遊技場の中には遊技する際の最低遊技料金として一定料金を少なくとも徴収したいと考える遊技場も見受けられ、例えば上記の付与単位を4円であれば250玉とし、1000円を最低遊技料金にしたいと考える遊技場もある。しかしながら、公知例のようにレート単位で付与単位を設定すると、上記の通り払出式遊技機については上皿の収容量を考慮する必要があり、全てをスマート遊技機とするには未だ時間を要する見込みで、暫くはスマート遊技機と払出式遊技機とが同一レートであっても混在することが想定される。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、スマート遊技機と払出式遊技機とが混在して設置される遊技場において、払出式遊技機における上皿の収容量を考慮した上で、遊技場が希望する最低遊技料金を適切に徴収することが可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技に応じて遊技価値(例えば玉等)を払出すことで付与する払出式遊技機(例えば払出式遊技機5等)と、遊技に応じて遊技価値を払出さずに仮想上の遊技価値(例えばデータ等)を増加させることで付与するスマート遊技機(例えばスマート遊技機1等)とを含む遊技機を管理対象とした遊技場用システムであって、前記遊技機に対応して設けられ、所定の付与操作(例えば遊技装置2の払出釦32の操作、払出式遊技機5の貸出釦54の操作等)を受付けた場合に、対価に応じた遊技価値を当該対応する遊技機へ付与する対価付与処理を行う対価付与手段(例えば遊技装置2,6等)と、前記対価付与処理における1回の前記付与操作に応じた付与単位を、前記払出式遊技機用の第1付与単位(例えば払出式遊技機5に対応して設定される貸単位)と、前記スマート遊技機用の第2付与単位(例えばスマート遊技機1に対応して設定される貸単位)とで区分して設定可能な付与単位設定手段(例えば管理装置10等)と、を備える。
【0008】
上記した構成によれば、対価付与処理における1回の付与操作に応じた付与単位を、払出式遊技機用の第1付与単位と、スマート遊技機用の第2付与単位とで区分して設定可能としたので、払出式遊技機における上皿の収容量を考慮した上で、遊技場が希望する最低遊技料金を適切に徴収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
図2】スマート遊技機の正面図
図3】モード別スペック値を示す図
図4】スマート遊技機に対応する遊技装置の正面図
図5】払出式遊技機の正面図
図6】払出式遊技機に対応する遊技装置の正面図
図7】機種設定を示す図
図8】貸出設定の設定画面の一部を示す図
図9】再プレイ設定の設定画面の一部を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機としてスマート遊技機1と払出式遊技機5とが設置されている。スマート遊技機1と1対1で対応して遊技装置2(対価付与手段に相当する)及び情報表示装置3が設置されており、遊技装置2及び情報表示装置3は2台ずつ中継装置4と接続されている。中継装置4はLAN9を介して管理装置10(付与単位設定手段、適用手段、初期設定手段、第1報知手段、第2報知手段に相当する)と接続されている。払出式遊技機5と1対1で対応して遊技装置6及び情報表示装置7が設置されており、遊技装置6(対価付与手段に相当する)及び情報表示装置7は2台ずつ中継装置8と接続されている。中継装置8はLAN9を介して管理装置10と接続されている。
【0011】
管理装置10は、スマート遊技機1及び払出式遊技機5における遊技状況を示す遊技情報を受信し、スマート遊技機1及び払出式遊技機5の単位で遊技情報を管理する。この場合、スマート遊技機1における遊技情報は、遊技装置2及び中継装置4を経由して管理装置10にて受信され、払出式遊技機5における遊技情報は、中継装置8を経由して管理装置10にて受信される。一方、管理装置10において設定される遊技装置2の各種設定情報は、当該管理装置10側から中継装置4を経由して遊技装置2にて受信され、管理装置10において設定される遊技装置6の各種設定情報は、当該管理装置10側から中継装置8を経由して遊技装置6にて受信される。
【0012】
遊技場には、景品交換端末(以下、POSと称する)11や図示しない精算機も設置されており、POS11や精算機もLAN9を介して管理装置10と接続されている。POS11は、タッチパネル式の液晶表示部と、会員カードや一般カードといったICカードが挿入されるカード挿入口と、認証処理用のテンキー等を有する。POS11は、ICカードがカード挿入口に挿入されると、その挿入されたICカードにより特定される持玉や貯玉等の遊技価値に基づいて景品交換処理を実行する。POS11は、景品交換処理を実行する場合、例えば一般遊技者が獲得した持玉や持メダルを一般カードから読取ることや、会員カードから会員遊技者を特定して当該会員遊技者が遊技場へ預入れた貯玉や貯メダルを管理装置10からオンラインで取得することで景品交換可能な獲得価値を特定する。
【0013】
精算機は、ICカードが挿入されるカード挿入口と、紙幣が投入される紙幣投入口と、紙幣や硬貨を返却する返却口等を有する。精算機は、ICカードがカード挿入口に挿入されると、その挿入されたICカードにより特定される入金残高(貨幣価値、以下、残高と称する場合がある)に対応する紙幣や硬貨を返却口から返却する。又、精算機は、紙幣が紙幣投入口に投入されると、ICカードに記録されている残高に投入金額を加算する。
【0014】
遊技場で使用される記録媒体としてのICカードは、ICチップが内蔵され、遊技価値と残高とを特定可能なICカードである。会員カードは、予め会員登録された会員遊技者用の会員記録媒体であり、当該会員遊技者の当該カードを特定可能な会員ID(会員識別情報)を記録している。一般カードは、不特定多数の一般遊技者用の一般記録媒体であり、個々の当該カードを特定可能な一般ID(一般識別情報)を記録している。
【0015】
管理装置10は、遊技場内の例えば事務室等に設置されている。詳しい図示は省略するが、管理装置10は、CPUと、ROMやRAMといった記憶部とを有するマイクロコンピュータを主体とする制御部を備えており、当該制御部には、遊技場の管理者が操作するキーボード12、モニタ13、図示しないプリンタ等が接続されている。管理装置10は、遊技機側(スマート遊技機1、払出式遊技機5、遊技装置2,6等)から出力されるデータ項目や遊技信号を入力し、スマート遊技機1や払出式遊技機5毎の遊技情報、会員遊技者毎の個人データ、スマート遊技機1や払出式遊技機5や遊技装置2,6等の稼動状態を管理する。又、管理装置10は、上記したPOS11や精算機を含む遊技場内の各機器の稼動状況等を管理する。
【0016】
スマート遊技機1について説明する。スマート遊技機1は、遊技者が所有する残高、持玉、貯玉を換算した遊技玉を記憶及び管理している管理遊技機であり、その記憶している遊技玉が残っていることを条件として内部のパチンコ玉を発射装置に供給して盤面に発射し、入賞して遊技者が遊技玉を獲得すると、遊技玉を払出すことなくデータ(仮想上の遊技価値に相当する)上の獲得玉(獲得点)として加算するといったように、その増減につき主となって管理する。
【0017】
スマート遊技機1において、遊技者が遊技により獲得した遊技価値であって、スマート遊技機1側で主として管理される遊技玉(遊技点)を遊技機価値(遊技機獲得価値)とも称し、遊技装置2側で主として管理される持玉(持点)を装置価値(装置獲得価値)とも称する。又、それら遊技機価値及び装置価値を合わせた(遊技玉と持玉とを合計した)保有玉(保有点)を含めた遊技者が獲得した遊技価値を獲得価値とも称する。
【0018】
図2に示すように、スマート遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面14、発射装置を構成する操作ハンドル15、残高を表示する残高表示部16、遊技玉を持玉に換算するための計数釦17、遊技玉数を表示する遊技玉表示部18を有する。盤面14には、普図表示部19、普図保留表示部20、特図表示部21、普図入賞口22、一般入賞口23,24、第1保留数表示部25、第2保留数表示部26、第1始動口27、第2始動口28、大入賞口29を有する。又、計数釦17及び遊技玉表示部18の下方に、装飾用パネル30を有する。
【0019】
スマート遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口27は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口28は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口27,28への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部21にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0020】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0021】
(3)遊技機設定値(モード)が6段階で設けられ、このモードにより、図3に示す通り、大当り抽選の当選確率(大当り確率)を通常遊技状態(通常状態、通常)と確率変動状態(確変状態、確変)とを対象として調整可能である。又、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められる。大当り確率をモードにより不変とする一方、確変率を調整可能とするように、通常と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であれば良い。
【0022】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口29を開放する。1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放期間の何れか満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は、第1始動口27に入賞した場合は、2Rが10%、8Rが50%、15Rが40%であるが、第2始動口28に入賞した場合は、8Rが10%、15Rが90%であり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口27よりも第2始動口28の方が高く設定される。
【0023】
(5)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口28の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。又、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
【0024】
(6)第2始動口28は普図入賞口22への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に通常の状態よりも入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動期間は通常状態では30秒であり、時短状態では3秒である。又、開放期間は通常状態では0.3秒であり、時短では5秒である。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間が長くなることで開放状態になり易くなり、第2始動口28の入賞率が高くなる。
【0025】
(7)大入賞口29や第2始動口28が盤面14の右側にあることから時短中や大当り中には盤面14の右側を狙って玉を打出す、所謂右打ちが行われる。以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
【0026】
スマート遊技機1は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口27,28への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示すデータ項目を出力する。
「アウト」=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1点単位で示すデータ項目。
「セーフ」=前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1点単位で示すデータ項目。
【0027】
「S入賞(回数)」=前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示すデータ項目。
「スタート(回数)」=前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(特図表示部21)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示すデータ項目。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数しても良い。
「作動中(状態)」=データ送信時に図柄変動中等の役物が作動中であればオン、非作動中であればオフを示すデータ項目。オンとなってからオフとなるまでの期間が役物作動中として特定される。
【0028】
「大当り(回数)」=前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示すデータ項目。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
「大当り(状態)」=データ送信時に大当り状態の発生中であればオン、大当り状態の発生中でなければオフを示すデータ項目。オンとなってからオフとなるまでの期間が大当り中として特定される。
【0029】
「甘中(状態)」=データ送信時に、特別状態中(甘中)或いは大当り状態の発生中であればオン、それ以外であればオフを示すデータ項目。オンとなってからオフとなるまでの期間が甘中或いは大当り中として特定される。例えば甘中(状態)がオンの場合、大当り(状態)がオンであれば大当り中、大当り(状態)がオフであれば甘中と特定される。又、甘中は、上記した時短や確変といった特別状態に対応する。大当り中では、甘中が必ずしもオンにならなくても良い。尚、大当り(状態)と甘中(状態)の何れもオフであれば通常状態と特定される。甘中或いは大当り中である状態を特賞中とする。
【0030】
上記したデータ項目は、これを特定可能な電文のようなデータ信号として、前回送信時からの累計データ(更新データ)がスマート遊技機1から遊技装置2に対して一定間隔(例えば200ミリ秒毎)で送信され、上記したデータ項目以外の不正情報等も出力対象となる。
【0031】
遊技装置2について説明する。図4に示すように、遊技装置2は、スマート遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態LED31、紙幣が投入される紙幣投入口32、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ33(図3では保護カバーのみ図示)、遊技者からの操作入力を受付けると共に後述する各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部34、払出操作(付与操作)を受付ける払出釦(付与釦)35、貸出操作を受付けるための貸出釦36、遊技場の従業員の呼出操作を受付ける呼出釦37、携帯IDの読取りが可能な非接触式の携帯端末用リーダ38、従業員が携帯して操作する従業員リモコン39(図1参照)からの信号を受信するリモコン受光部40、返却操作を受付けるための返却釦41、ICカードが挿入されるカード挿入口42、USBケーブルを着脱可能なUSBコネクタ43等を有する。
【0032】
携帯端末用リーダ38に読取れられる携帯IDとは、例えば図示しないフェリカ(登録商標)携帯(以下「携帯端末」と称する)に内蔵されたICチップに付与されているIDであり、携帯端末を識別するための固有のIDである。即ち、携帯IDは、会員遊技者の所有する携帯端末(会員記録媒体)を特定可能な会員識別情報に相当する。尚、携帯端末用リーダ38は遊技装置2に組み込まれているだけでなく、POS11にも組み込まれている。
【0033】
遊技装置2は以下のように動作する。
(1)紙幣を受付けると(紙幣受付処理)、スマート遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態での貸出釦36の操作(貸出操作、付与操作)が行われると、貸出1単位(例えば125玉)分を貸出玉(貸出点)として遊技玉(対価付与価値)に変換して、当該変換分にてスマート遊技機1にて管理される遊技玉を増加させることで貸出玉を付与し(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レートと称する)に応じた対価分を残高から引落とす。紙幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0034】
(2)持玉を管理しており、持玉は直接的には遊技に使用できないが、払出釦32の操作(再プレイ操作、付与操作、払出操作)に応じて払出1単位分の持玉を遊技玉(変換玉、変換点)に変換する変換処理(対価付与処理、再プレイ処理)を行う。この場合、変換率を別途設けても良いが、本実施形態では1:1としている(以下の計数処理についても同様)。
【0035】
(3)遊技に応じてスマート遊技機1の遊技玉が増加した場合、スマート遊技機1の計数釦17の操作(計数操作)に応じて遊技玉を持玉へ変換する計数処理を行う。この場合、1回の操作に応じて1玉を換算対象とするが、操作した状態を継続させると連続的、且つ加速的に換算可能となる。このようにして遊技玉と持玉とを更新し、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で返却釦41を操作するといった返却操作(発行操作)を行うと、残高や持玉を一般カードに対応付けて発行する(発行処理)。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行処理も可能とする。
【0036】
(4)発行処理はスマート遊技機1における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数「0」以下となることで発行条件が成立し発行処理が可能となる。よって、スマート遊技機1と一定間隔(例えば300ms毎に)で通信(アウトやセーフ等の情報も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が「0」になるとその旨が遊技装置2に通知され、発行条件が成立すると発行処理が許容される。スマート遊技機1から送信されるデータ項目に遊技玉を特定可能な遊技玉情報を含めることで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すれば良いが、遊技玉が「0」になった旨を示すデータ項目を別途設ける、或いは別途信号出力するような他の特定方法を採用しても良い。
【0037】
(5)発行された一般カードにより特定可能な持玉はPOS11にて景品の対価として交換が許容され、残高は精算機にて貨幣に精算可能とする。尚、遊技装置2が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金が例示できるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としても良い。又、持玉や残高を一般カードに対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カードや遊技者の携帯端末等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論良い。
【0038】
(6)中継装置4とのシリアル通信により管理装置10にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉、変換玉、入金額、計数玉(計数点)や貸出玉、貸出玉の対価となる売上額、及び記録媒体の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、スマート遊技機1と遊技装置2とが直接通信する構成を例示しているが、スマート遊技機1と遊技装置2とが中継装置4を介して通信しても良い。
【0039】
(7)従業員リモコン39からの指令をリモコン受光部40にて受信し、指令内容に応じた各種処理を実行する。
【0040】
払出式遊技機5について説明する。払出式遊技機5は、遊技媒体(遊技価値)を玉とするCR(カードリーダ)パチンコ機であり、上記したスマート遊技機1とは異なり、入賞したことで遊技者が獲得した遊技玉を払出したり、遊技装置6から払出された遊技玉を上皿により受けたりする。図5に示すように、払出式遊技機5は、パチンコ玉が発射される盤面44、発射装置を構成する操作ハンドル45、上皿46、下皿47を有する。盤面44には、液晶表示部48、普図入賞口49、第1始動口50、第2始動口51、大入賞口52を有する。又、上皿46の上面には残高表示部53、貸出釦54、返却釦55を有する。上皿46の玉の収容量は例えば200玉程度である。
【0041】
払出式遊技機5は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口50,51への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下の遊技信号をパルス信号により出力する。
「アウト信号」=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、払出式遊技機5から出力される信号でも良い。
【0042】
「セーフ信号」=払出式遊技機5から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。又、玉を実際に払い出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払い出しが予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0043】
「スタート信号」=払出式遊技機5から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部48(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので、信号入力に応じてスタート処理を特定する。尚、各始動口50,51へ入賞したことを示すS入賞信号により代用しても良い。
【0044】
「大当り信号」=払出式遊技機5から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
「特別状態信号」=払出式遊技機5から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口51の入賞率が向上する特別状態中(時短中(複合時短を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。又、大当り信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0045】
遊技装置6について説明する。図6に示すように、遊技装置6は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、払出式遊技機5の遊技状態や遊技装置6の状態を示す状態表示灯56、貨幣が投入される貨幣投入口57、タッチパネル式の液晶表示部58、持玉を払出すための払出釦59、払出された玉が通過する払出ノズル60、ICカードが挿入されるカード挿入口61、払出式遊技機5の下皿47の下方に位置する計数受皿62を有する。
【0046】
遊技装置6は以下のように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)と、払出式遊技機5と遊技装置6との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で払出式遊技機5の貸出釦54の操作(貸出操作、付与操作)が行われると、貸出1単位(例えば125玉)分を貸出玉(対価付与価値)として払出式遊技機5から払出すことで付与し(貸出処理、対価付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引落とす。貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0047】
(2)計数玉を受付けた場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出釦59の操作に応じて払戻す払戻処理を可能とし、払戻した場合にはその対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。残高や持玉が残存する状態で払出式遊技機5の返却釦55の操作(発行操作)が行われると、遊技装置6にストックされていた残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可とするが、可能としても良い。
【0048】
(3)中継装置8とのシリアル通信により管理装置10にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉、変換玉、入金額、計数玉や貸出玉、貸出玉の対価となる売上額、及び記録媒体の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。
【0049】
管理装置10は、図7に示すように、遊技機の機種名や種類等を設定する機種設定を設定可能であり、設定した機種設定を遊技装置2,6へ送信する。機種設定における各項目は以下の通りである。
「売種別」:レートにより区分される遊技機のグループを示す。
「P/G」:パチンコは「P」、スロットマシンは「G」といった遊技機の種類を示す。
「機種名」:機種名を示す。
「台番範囲」:対応する台番の範囲を示す。
「遊技機種類」:払出式遊技機5、又はスマート遊技機1の区分を示す。
【0050】
図8は、遊技装置2,6のレートや単位付与数を設定するための貸出設定における設定画面を示す。設定欄における各項目は以下の通りである。
「売種別」:図7に示した機種設定と同等であり、レートにより区分される遊技機のグループを示す。
「P/G」:図7に示した機種設定と同等であり、パチンコは「P」、スロットマシンは「G」といった遊技機の種類を示す。
「入金時自動払出」:入金(残高加算)した場合にそのまま遊技価値を付与する場合は「有」、別途貸出操作を要する場合は「無」となる。
「貸金額」:払出式遊技機5とスマート遊技機1とでそれぞれ設定可能であり、後述する「貸単位」の対価を示す。
「貸単位」:払出式遊技機5とスマート遊技機1とでそれぞれ設定可能であり、1回の貸出操作を行った場合における最大の遊技価値の付与数(単位付与数)を示す(1回の付与単位に応じた付与単位)。つまり、貸出操作を行った場合に当該「貸単位」分の対価があれば当該「貸単位」分の遊技価値を付与し、「貸単位」分の対価がなければ残存する対価分の遊技価値を付与する。払出式遊技機5に対応して設定される貸単位は第1付与単位に相当し、スマート遊技機1に対応して設定される貸単位は第2付与単位に相当する。
【0051】
「売単価」:直接的には設定不能であり、「貸単価」÷「貸単位」の演算式にて演算されるような両者の設定値に応じた1遊技価値当りの対価を示す。ここで、払出式遊技機5とスマート遊技機1とを同値に設定したい場合はスマート遊技機1における貸金額と貸単位とをそれぞれ「0」に設定すれば良く、スマート遊技機1に関してはデフォルト値を「0」としており(第2付与単位における初期設定値は設定条件を満たさない値に設定する)、「0」である場合、払出式遊技機5と同値である旨を示すように例えば灰色にて「売単価」を識別表示(第2付与単位が設定条件を満たさない場合に、第1報知を行う。図8では識別表示をドットを付して示す)し、その旨を設定値入力箇所の右側にて例えば『スマート遊技機は「貸金額」「貸単位」が0以外の場合、本設定で動作します。0の場合は、払出式遊技機の設定値で動作します。』の説明文により説明している。
【0052】
「表示金額」:遊技装置2,5にて売単価の表示有無を設定する。尚、払出式遊技機5に関してはデフォルトで例えば「500円125玉」のような設定条件を満たす値をデフォルト値とする(第1付与単位における初期設定値は設定条件を満たす値に設定する)ことが望ましい。
尚、図8に関する設定は権限を設け、店長やオーナー、或いはシステムメーカー担当者等、設定可能な操作者を限定する方が望ましい。
【0053】
貸金額や貸単価の設定値には上限(例えば2000円や2000玉)が設けられ、スマート遊技機1において上限を満たさない値が設定された場合にも、「0」の場合と同様に払出式遊技機5と同値として取扱う。この場合、上限を満たさない旨を別途表示する(第2付与単位が設定条件を満たさない場合に、第1報知を行う)。このようにスマート遊技機1について、「0」や上限を満たさないといった設定条件を満たさない場合は払出式遊技機5の設定値をスマート遊技機1に適用する(第2付与単位の設定内容が所定の設定条件を満たさない場合に、第1付与単位をスマート遊技機に適用する)。
【0054】
同一売種別でレートが異なる場合を避けるため、同一売種別の払出式遊技機5とスマート遊技機1とで売単価が異なる場合はエラー表示して設定を抑制する(同一の遊技レートを対象とした第1付与単位と第2付与単位とに整合性がない場合に、第2報知を行う)。当該エラー表示を確認した操作者は、同一レートとなるように設定値を変更する。この場合、上記の設定条件を満たさないとして払出式遊技機5の設定値をスマート遊技機1に適用しても良い。又、売単価の比較ではなく以下のようにして両者が整合しているか否かを判定しても良い。即ち、貸金額は同じだが貸単位が異なる場合、貸金額は異なるが貸単位が同じである場合等に、両者が整合していないと判定しても良い。又、設定された貸金額又は貸単価のうち何れか一方を正として、売単価が払出式遊技機5と一致する他方の値を選択可能に提示しても良い。
【0055】
図9は、前日貯玉(前日までに遊技者が遊技場へ預入れた遊技価値)を対象とした再プレイ(前日再プレイ)における単位付与数を含む再プレイに関する設定を行うための設定画面を示す。図8と同様に売種別単位で設定するが、「再プレイ単位玉数(単位付与数)」は払出式遊技機5とスマート遊技機1とを区分して設定可能とし、スマート遊技機1については「0」を設定した場合、払出式遊技機5の設定を採用すると共にスマート遊技機における設定値を例えば灰色にて識別表示(図8では識別表示をドットを付して示す)する。図9では、例えば1円や5円Sが該当する。尚、上記した旨を設定値入力箇所の下側にて例えば『再プレイ単位玉数(スマート遊技機)は「貸金額」、「貸単位」が0以外の場合、本設定で動作します。0の場合は、再プレイ単位玉数(払出遊技機)の設定値で動作します。』の説明文により説明している。
【0056】
「再プレイ単位玉数」は1回の再プレイ操作により付与される再プレイ価値を示すが、「1日の付与上限値」、「1暗証上限」は、それぞれ1営業日における再プレイ玉数(メダルや得点も含む)と、再プレイ時に入力する暗証番号のような認証処理後に付与する再プレイ玉数との上限を示す。尚、「1暗証上限」に到達後は再度認証処理を求め、認証処理を行えば再度当該設定値分の再プレイを許容するが、「1日の付与上限値」に達すればそれ以上の再プレイは翌営業日となるまで許容しない。この場合、上記した通り許容しないようにするだけでなく、例えば別途手数料を徴収する、或いは遊技場従業員の認証等により条件付きで許容するといったように禁止するだけでなく一定の制限を加えることで抑制しても良い。又、「当日再プレイのみ」をチェックした場合、前日貯玉を対象とした再プレイを許容しない。
【0057】
ここで、「1日の付与上限値」及び「1暗証上限」は何れも「再プレイ単位玉数(スマート遊技機)」及び「再プレイ単位玉数(払出式遊技機)」に共通して設定され、その公倍数を設定しないと、その旨を示すエラー報知を行い、公倍数以外の設定を抑制する(第1付与単位と第2付与単位との公倍数に対応しない値を付与上限値として設定する操作を抑制する)。例えば「4パチ」であれば、「500」や「2500」といった「再プレイ単位玉数(スマート遊技機)=250」と「再プレイ単位玉数(払出式遊技機)=125」との公倍数以外の設定を抑制する。ここで、エラー報知することで抑制することを例示したが、当該公倍数に対応しない値を設定不能とすることで抑制しても良いし、特別な認証処理を要した上で設定可能とすることで抑制する等、どのように抑制しても良い。尚、上記した旨を設定値入力箇所の下側にて例えば『1日の付与上限値及び1暗証上限は、再プレイ単位玉数(スマート遊技機)及び再プレイ単位玉数(払出式遊技機)の公倍数を設定してください。』の説明文により説明している。又、公倍数以外を設定した場合、選択候補(例えば当該設定値よりも大きい公倍数と小さい公倍数や、設定値に近似する公倍数を1つ)を選択可能に提示し、操作者に選択させることで設定させても良いし、このような選択候補を提示した上で操作者に選択させることで、これら上限値を設定するようにしても良い。
【0058】
これは、前日再プレイは再プレイ単位玉数以外での付与を許容しておらず(例えば100玉分を付与可能であっても再プレイ単位玉数が「125」であれば再プレイを許容しない)、再プレイ処理回数単位で上限管理することが多いためであるが、上記した「再プレイ単位玉数」を「貸単位」同様に1回の再プレイ操作を行った場合における最大の遊技価値の付与数としても良く、このように上記した前提がなくとも単純に上限値の管理が容易となる、或いは上限値到達直前の付与にて必ず端数の付与となる虞を軽減できるといった効果も見込まれる。尚、払出式遊技機5とスマート遊技機1とで共通化しているのは、何れの上限値も両者に差を設けるべきではないためであるが、それぞれ区分して設けても良い。尚、図示は省略するが、当日の貯玉(営業日当日に遊技者が遊技場へ預入れた遊技価値)や持玉を対価として当日再プレイも上記同様に払出式遊技機5とスマート遊技機1とで区分して単位付与数を設定可能としても良い。
【0059】
以上に説明したように本実施形態によれば、次のような作用効果を得るこができる。遊技場用システムにおいて、貸単位や再プレイ単位における遊技価値の付与単位を、払出式遊技機5用の付与単位と、スマート遊技機1用の付与単位とで区分して設定可能としたので、払出式遊技機5における上皿46の収容量を考慮した上で、遊技場が希望する例えば1000円といった最低遊技料金を適切に徴収することが可能となる。
【0060】
スマート遊技機1の付与単位が「0」や上限を超えるといった設定条件を満たさない場合、払出式遊技機5の貸単価をスマート遊技機1に適用するようにしたので、払出式遊技機5とスマート遊技機1とで付与単位を異ならせる必要がない場合には設定条件を満たさないように設定すれば良く、設定操作を簡易化することが可能となる。又、仮に設定条件を満たさないような情報を設定した場合でも、払出式遊技機5と同様の条件にて付与するだけなので、遊技場の営業に支障が出る虞を軽減することが可能となる。
【0061】
スマート遊技機1の付与単位における初期設定値は設定条件を満たさない値とする一方、払出式遊技機5の付与単位における初期設定値は設定条件を満たす値とするようにしたので、仮にデフォルト値のままであっても設定不良により付与処理が行われなくなる虞を低減することが可能となる。又、スマート遊技機1と払出式遊技機5とで付与単位が区分されていることを把握していなくとも同様に設定不良による付与処理が行われなくなる虞を低減することが可能となる。
【0062】
スマート遊技機1の付与単位を設定する場合、設定条件を満たさなければ、その旨を報知するようにしたので、設定操作を行う場合にスマート遊技機1と払出式遊技機5とで異なる付与単位を設定しているか否かを容易に把握することが可能となる。
【0063】
同一レートにてスマート遊技機1の付与単位と払出式遊技機5の付与単位とで整合性がない場合に、その旨を報知するようにしたので、設定操作の誤入力防止や、遊技場にとって意図しないレートになることで生ずる損失の低減等を期待することが可能となる。
【0064】
再プレイについても、払出式遊技機5用の付与単位と、スマート遊技機1用の付与単位とで区分して設定可能とするが、再プレイ上限値を両者の公倍数に対応する値とし、両者の公倍数に対応しない値を付与上限値として設定する操作を抑制するようにしたので、付与上限値を容易に管理することが可能となる。
【0065】
本発明は、上記した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張するようにしても良い。又、例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成としても良い。
【0066】
払出式遊技機5の対象として上皿46の収容量が機種単位で異なることから、機種単位で貸単位や再プレイ単位玉数等を設定可能としても良い。この場合、スマート遊技機1については機種単位で上記を設定可能とする必要性が低いので、設定内容を簡略化すべく機種単位で設定できないようにしても良いが、設定できるようにしても良い。
【0067】
図8の貸出設定において、スマート遊技機1にて「0」を設定した場合、払出式遊技機5の設定値を適用することを例示したが、例えば「9999」のように特定の設定値であれば「0」以外の数値を適用しても良い。デフォルト値についても同様である。
【0068】
管理装置10における各設定情報は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置10のメーカーにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。又、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0069】
例示した遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。又、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0070】
以上と超過についてはどちらを採用しても良く「達した」等の表現は以上となった或いは超過したの何れにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
対象となる遊技機として、スマート遊技機1として遊技価値をデータのみで管理する所謂封入式を例示したが、同じく例示した通りメダルを払出さずにクレジットのようなデータで管理するクレジット式のスロットマシンを採用しても良い。払出式遊技機5としてもパチンコ遊技機だけでなくスロットマシン他も採用できる。尚、遊技価値のように「価値」と表現しているのは本実施形態のようなデータで管理される獲得価値や払出される遊技媒体の何れも包含させるためである。
【0071】
管理装置10が行う処理の一部を中継装置4,8、或いは遊技装置2,6等にて行っても良く、どのように構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【符号の説明】
【0072】
図面中、1はスマート遊技機、5は払出式遊技機、2,6は遊技装置(対価付与手段)、10は管理装置(付与単位設定手段、適用手段、初期設定手段、第1報知手段、第2報知手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9