(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020924
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】水洗大便器装置
(51)【国際特許分類】
E03D 1/28 20060101AFI20250205BHJP
E03D 1/00 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
E03D1/28
E03D1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124563
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】近藤 悠太
(72)【発明者】
【氏名】橋本 博
(72)【発明者】
【氏名】畑間 健司
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AC04
2D039AD06
2D039BA01
2D039BA06
2D039BA08
(57)【要約】
【課題】洗浄水タンク内に貯留された洗浄水を重力により排出しながら、ローシルエットタイプとすることができる水洗大便器装置を提供する。
【解決手段】本発明は、洗浄水タンク内に貯留された洗浄水を重力により排出して便器洗浄を行う水洗大便器装置(1)であって、水洗大便器本体(2)と、この水洗大便器本体の後方に配置され、洗浄水を貯留する洗浄水タンク(26)と、この洗浄水タンクへの洗浄水の給水、停止、及び/又は水洗大便器本体への洗浄水の給水、停止を行うためのバルブユニット(24)と、を有し、バルブユニットは洗浄水タンクの側方に配置されていると共に、バルブユニットに内蔵された主弁体(44)は、洗浄水タンクの通常使用時における最高の貯水水位(WL)よりも下側に配置されていることを特徴としている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水タンク内に貯留された洗浄水を重力により排出して便器洗浄を行う水洗大便器装置であって、
水洗大便器本体と、
この水洗大便器本体の後方に配置され、洗浄水を貯留する洗浄水タンクと、
この洗浄水タンクへの洗浄水の給水、停止、及び/又は上記水洗大便器本体への洗浄水の給水、停止を行うためのバルブユニットと、を有し、
上記バルブユニットは上記洗浄水タンクの側方に配置されていると共に、上記バルブユニットに内蔵された主弁体は、上記洗浄水タンクの通常使用時における最高の貯水水位よりも下側に配置されていることを特徴とする水洗大便器装置。
【請求項2】
上記主弁体はダイヤフラム弁であり、このダイヤフラム弁が着座するシート面の下端は、上記最高の貯水水位よりも下側に配置されている請求項1記載の水洗大便器装置。
【請求項3】
上記ダイヤフラム弁が着座するシート面の上端は、上記洗浄水タンクの通常使用時における最低の貯水水位よりも上側に配置されている請求項2記載の水洗大便器装置。
【請求項4】
上記バルブユニットを介して上記洗浄水タンクに供給された洗浄水は、上記最高の貯水水位よりも上方から、上記洗浄水タンク内へ吐出される請求項1記載の水洗大便器装置。
【請求項5】
上記バルブユニットは、上面視において、上記水洗大便器本体の幅方向両端よりも内側に配置されている請求項1記載の水洗大便器装置。
【請求項6】
上記バルブユニットは、上記洗浄水タンクへの洗浄水の給水、停止を行うために開閉される主弁体、及び上記水洗大便器本体に設けられたリム吐水口への洗浄水の給水、停止を行うために開閉される主弁体を内蔵している請求項1記載の水洗大便器装置。
【請求項7】
さらに、上記バルブユニットの下流側に接続されたバキュームブレーカを有し、このバキュームブレーカは、上記バルブユニットよりも上方、且つ、上面視において上記洗浄水タンクの内側に配置されている請求項6記載の水洗大便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗大便器装置に関し、特に、洗浄水タンク内に貯留された洗浄水を重力により排出して便器洗浄を行う水洗大便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002-327479号公報(特許文献1)には、水洗便器が記載されている。この水洗便器においては、水洗便器本体の後方側に洗浄水タンクが設けられており、洗浄水タンクへの給水、停止は、洗浄水タンク内に配置されたボールタップにより行われている。即ち、ボールタップには、洗浄水タンクへの給水、停止を切り替えるバルブが備えられており、洗浄水タンク内の水位に応じてボールタップのフロートが上下に移動され、バルブが開閉される。
【0003】
洗浄水タンク内の水位が所定の貯水水位未満である場合には、バルブが開弁され、洗浄水タンク内の水面よりも上方から洗浄水が吐出され、洗浄水タンクへの給水が行われる。洗浄水タンク内の水位が所定の貯水水位に到達すると、バルブが閉弁され、洗浄水タンクへの給水が停止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の発明のように、洗浄水タンク内の洗浄水により洗浄を行うタイプの水洗大便器装置では、ローシルエット化が難しいという問題がある。まず、洗浄水タンク内の洗浄水を、重力により水洗大便器本体に排出するには、洗浄水タンクを所定の高さ以上に配置しておく必要がある。また、特許文献1記載の発明のように、ボールタップを使用して、洗浄水タンクへの給水、停止を行うと、水洗大便器装置のローシルエット化が更に困難になる。
【0006】
即ち、ボールタップに備えられているバルブは、水没して配置すると不具合を生じやすいため、バルブは洗浄水タンク内の貯水水位よりも上方に配置する必要がある。加えて、バルブから流出する洗浄水は、所定のエアギャップをもって洗浄水タンク内に吐出させる必要があるため、洗浄水タンク内の最高の貯水水位よりも上方から洗浄水を吐出させる必要がある。このため、洗浄水タンクの中には、最高の貯水水位よりも上方に大きな空間を確保しておく必要があり、水洗大便器装置のローシルエット化を困難にしている。
【0007】
従って、本発明は、洗浄水タンク内に貯留された洗浄水を重力により排出しながら、ローシルエットタイプとすることができる水洗大便器装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水タンク内に貯留された洗浄水を重力により排出して便器洗浄を行う水洗大便器装置であって、水洗大便器本体と、この水洗大便器本体の後方に配置され、洗浄水を貯留する洗浄水タンクと、この洗浄水タンクへの洗浄水の給水、停止、及び/又は水洗大便器本体への洗浄水の給水、停止を行うためのバルブユニットと、を有し、バルブユニットは洗浄水タンクの側方に配置されていると共に、バルブユニットに内蔵された主弁体は、洗浄水タンクの通常使用時における最高の貯水水位よりも下側に配置されていることを特徴としている。
【0009】
洗浄水タンク又は水洗大便器本体への洗浄水を供給するバルブユニットは、水没させると不具合を生じやすく、水没して配置することはできない。このため、上面視において、バルブユニットを洗浄水タンクの内側に配置した場合、洗浄水タンクの貯水水位よりも上方にバルブユニットが配置され、水洗大便器装置のローシルエット化が困難になる。上記のように構成された本発明によれば、バルブユニットが洗浄水タンクの側方に配置されているので、バルブユニットを低い位置に配置することが可能になると共に、バルブユニットの主弁体が洗浄水タンクの最高の貯水水位よりも下側に配置されているので、水洗大便器装置のローシルエット化が可能になる。
【0010】
本発明において、好ましくは、主弁体はダイヤフラム弁であり、このダイヤフラム弁が着座するシート面の下端は、最高の貯水水位よりも下側に配置されている。
【0011】
このように構成された本発明によれば、ダイヤフラム弁が着座するシート面の下端が最高の貯水水位よりも下側に配置されているので、水洗大便器装置のローシルエット化が可能になる。
【0012】
本発明において、好ましくは、ダイヤフラム弁が着座するシート面の上端は、洗浄水タンクの通常使用時における最低の貯水水位よりも上側に配置されている。
【0013】
水洗大便器装置を寒冷地に設置した場合、バルブユニット内に残留している洗浄水の凍結が問題となり、洗浄水が凍結した場合には漏水等のトラブルの原因となる。ここで、洗浄水タンク内の洗浄水の貯水水位は、水洗大便器装置の使用毎に、最低の貯水水位と最高の貯水水位の間で変動するので、これらの水位の間の洗浄水は頻繁に入れ替わり、この範囲では比較的温度が高く維持される。上記のように構成された本発明によれば、ダイヤフラム弁が着座するシート面の下端が最高の貯水水位よりも下側、且つシート面の上端が最低の貯水水位よりも上側に配置されるので、シート面は、洗浄水タンクの比較的温度が高い部分の近傍に位置し、比較的高い温度に維持される。これにより、ダイヤフラム弁の温度が低下して、凍結するのを防止することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、バルブユニットを介して洗浄水タンクに供給された洗浄水は、最高の貯水水位よりも上方から、洗浄水タンク内へ吐出される。
【0015】
このように構成された本発明によれば、バルブユニットを介して洗浄水タンクに供給された洗浄水が、最高の貯水水位よりも上方から、洗浄水タンク内へ吐出されるので、バルブユニットの上流側が負圧になった場合でも、洗浄水タンク内の洗浄水が上流側へ逆流するのを防止することができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、バルブユニットは、上面視において、水洗大便器本体の幅方向両端よりも内側に配置されている。
【0017】
このように構成された本発明によれば、バルブユニットが、上面視において、水洗大便器本体の幅方向両端よりも内側に配置されているので、バルブユニットを洗浄水タンクの側方に配置した場合でも、水洗大便器本体の側方へバルブユニットが突出することがなく、美観に優れたローシルエット形の水洗大便器装置を提供することができる。
【0018】
本発明において、好ましくは、バルブユニットは、洗浄水タンクへの洗浄水の給水、停止を行うために開閉される主弁体、及び水洗大便器本体に設けられたリム吐水口への洗浄水の給水、停止を行うために開閉される主弁体を内蔵している。
【0019】
このように構成された本発明によれば、バルブユニットを介して水洗大便器本体のリム吐水口へ洗浄水が給水されるので、便器洗浄に使用する洗浄水の全量を洗浄水タンクに貯留しておく必要がなく、洗浄水タンクを小型化することが可能になり、ローシルエット形の水洗大便器装置を実現することができる。
【0020】
本発明において、好ましくは、さらに、バルブユニットの下流側に接続されたバキュームブレーカを有し、このバキュームブレーカは、バルブユニットよりも上方、且つ、上面視において洗浄水タンクの内側に配置されている。
【0021】
このように構成された本発明によれば、バキュームブレーカが、バルブユニットよりも上方、且つ、上面視において洗浄水タンクの内側に配置されているので、バキュームブレーカから流出した洗浄水は、自然に洗浄水タンク内へ落下する。このため、特別な構成を設けることなく、バキュームブレーカから流出した洗浄水を処理することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の水洗大便器装置によれば、洗浄水タンク内に貯留された洗浄水を重力により排出しながら、ローシルエットタイプとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態による水洗大便器装置を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施形態による水洗大便器装置において、
図1のII-II線に沿う側面断面図である。
【
図3】本発明の実施形態の水洗大便器装置における洗浄水の供給系統を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態の水洗大便器装置に備えられている洗浄水供給装置の部分を拡大して示す側面図である。
【
図5】本発明の実施形態の水洗大便器装置に備えられている洗浄水供給装置を拡大して示す正面図である。
【
図6】本発明の実施形態の水洗大便器装置に備えられている洗浄水供給装置を示す正面断面図である。
【
図7】本発明の実施形態の水洗大便器装置に備えられている洗浄水供給装置に内蔵された電磁弁を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態による水洗大便器装置を示す平面図である。
図2は、
図1のII-II線に沿う側面断面図である。
【0025】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施形態による水洗大便器装置1は、サイホンジェット式の水洗便器であり、陶器製の水洗大便器本体2と、この水洗大便器本体2の上面に配置された樹脂製の便座及び便蓋(図示せず)と、水洗大便器本体2の後方上部に配置され、樹脂製のカバー(図示せず)に覆われた洗浄水供給装置4と、を備えている。
【0026】
水洗大便器本体2には、汚物を受けるボウル部6と、ボウル部6の底部に設けられサイホン作用により汚物を排出するための排水トラップ管路8と、リム吐水を行うリム吐水口10と、リム吐水口に洗浄水を導くためのリム導水路12と、ジェット吐水を行うジェット吐水口14と、ジェット吐水口14に洗浄水を導くためのジェット導水路16と、が形成されている。
【0027】
ボウル部6は、ボウル状の汚物受け面18と、ボウル部6の上縁部に沿って形成されたリム部20と、これらの汚物受け面18とリム部20との間に形成された棚部21と、を備えている。また、ボウル部6は、汚物受け面18の下方の領域に形成されて排水トラップ管路8に接続されるツボ部22を備えている。このツボ部22の内部には、封水面Wが形成されている。
【0028】
排水トラップ管路8は、入口部8aと、入口部8aから上方へ延びる上昇管路8bと、この上昇管路8bから下方へ延びる下降管路8cと、この下降管路8cと上昇管路8bとの間に位置して封水水位を規定する頂部8dと、を備えている。
ここで、排水トラップ管路8の下降管路8cの下端は、排水ソケット(図示せず)を介して排水管(図示せず)に接続されている。
【0029】
リム吐水口10は、水洗大便器本体2を前方から見て、リム部20の左側後方に形成されている。リム吐水口10は、洗浄水を前方に向かって吐水し、この洗浄水が汚物受け面18へ流下しながらリム部20の内周面及び棚部21の棚面上を旋回するようになっている。
【0030】
リム導水路12は、リム吐水口10に向かって流路断面が徐々に小さくなる先細り形状に形成されている。リム導水路12には、水道から洗浄水供給装置4を介して洗浄水が供給され、水道の給水圧力によりリム吐水口10から洗浄水が吐水されるようになっている。
【0031】
ジェット吐水口14は、ボウル部6の底部に形成されている。ジェット吐水口14は、排水トラップ管路8の入口部8aに対向して配置され、排水トラップ管路8の入口部8aに向けられている。ジェット吐水口14は、洗浄水を排水トラップ管路8の入口部8aに向かって吐水し、この洗浄水が排水トラップ管路8内に流入してサイホン作用を起動するようになっている。
【0032】
ジェット導水路16は、洗浄水供給装置4から前方へ延びる上流側流路16aと、この上流側流路から屈曲する屈曲流路16bと、この屈曲流路から後方へ延びてジェット吐水口14と接続する下流側流路16cと、を備えている。ジェット導水路16には、洗浄水供給装置4の洗浄水タンク26(
図3)から洗浄水が供給され、洗浄水のヘッド圧によりジェット吐水口14から洗浄水が吐水されるようになっている。
【0033】
次に、
図3乃至
図7を新たに参照して、本発明の実施形態の水洗大便器装置1に備えられている洗浄水供給装置4を説明する。
図3は、本発明の実施形態の水洗大便器装置1における洗浄水の供給系統を示すブロック図である。
図4は、本実施形態の水洗大便器装置1に備えられている洗浄水供給装置の部分を拡大して示す側面図である。
図5は、本実施形態の水洗大便器装置1に備えられている洗浄水供給装置を拡大して示す正面図である。
図6は、本実施形態の水洗大便器装置1に備えられている洗浄水供給装置を示す正面断面図である。
図7は、本実施形態の水洗大便器装置1に備えられている洗浄水供給装置4に内蔵された電磁弁を拡大して示す断面図である。
【0034】
図3に示すように、洗浄水供給装置4は、水道からの洗浄水の供給、停止を行うバルブユニット24、及びバルブユニット24を介して供給された洗浄水を貯留する樹脂製の洗浄水タンク26から構成されている。
【0035】
バルブユニット24には、定流量弁30と、タンク給水用電磁弁32と、リム吐水用電磁弁34と、と、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34を制御するコントローラ35が内蔵されている。また、洗浄水タンク26には、排水弁36と、フロートスイッチ38と、バキュームブレーカ40が備えられている。
【0036】
本実施形態において、洗浄水タンク26は、約2リットルの容積を有する小型の樹脂製のタンクである。洗浄水タンク26の下部は、水洗大便器本体2のリム部20の上面よりも下方、且つ、排水トラップ管路8の頂部8dよりも上方に配置されている。これにより、水洗大便器装置1は、ローシルエットタイプの便器になっている。また、本実施形態においては、洗浄水タンク26内の洗浄水は、重力によりジェット吐水口14から吐出される。
【0037】
止水栓28は、メンテナンス時等に、水道の配管28aから供給される水を止水させるように構成されており、止水栓28を通過した水道水が、洗浄水としてバルブユニット24に流入する。従って、通常使用時において、止水栓28は「開」状態で使用される。
定流量弁30は、止水栓28の下流側に設けられ、水道から供給された水を所定流量に調整して流出させるように構成されている。この定流量弁30から流出した水は分岐され、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34に夫々流入する。
【0038】
タンク給水用電磁弁32は、使用者の洗浄操作に基づいて開閉され、タンク給水用電磁弁32から流出した洗浄水は、洗浄水タンク26内に流入し、貯留される。
リム吐水用電磁弁34は、使用者の洗浄操作に基づいて開閉され、リム吐水用電磁弁34から流出した洗浄水は、リム導水路12を介して水洗大便器本体2のリム吐水口10から吐出される。
このように、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34を備えたバルブユニット24は、洗浄水タンク26への洗浄水の給水、停止、及び水洗大便器本体2への洗浄水の給水、停止を行うように構成されている。
【0039】
コントローラ35は、使用者によって操作されたリモコン35aからの制御信号を受信して、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34を開閉制御するように構成されている。また、コントローラ35は、フロートスイッチ38による検出信号に基づいて、タンク給水用電磁弁32を制御するように構成されている。
【0040】
排水弁36は、洗浄水タンク26の底面に設けられており、使用者の洗浄操作に基づいて開弁され、洗浄水タンク26内に貯留された洗浄水を、ジェット導水路16を介してリム吐水口10から吐出される。また、排水弁36は、洗浄水タンク26の上部に設けられた便器洗浄用モータ36aによって排水口26aから引き上げられ、排水口26aを開弁させるように構成されている。便器洗浄用モータ36aは、便器洗浄時において、コントローラ35からの制御信号に基づいて、所定のタイミングで排水弁36を引き上げるように構成されている。
【0041】
フロートスイッチ38は、洗浄水タンク26内の水位を検出するように構成され、洗浄水タンク26内の水位が所定の貯水水位に到達したことを検出し、検出信号をコントローラ35に送るように構成されている。
【0042】
バキュームブレーカ40は、洗浄水タンク26内の、所定の貯水水位よりも上方に配置され、リム吐水用電磁弁34の下流側、且つリム導水路12の上流側に設けられている。これにより、リム吐水用電磁弁34の側が負圧になった場合には、バキュームブレーカ40から大気が吸入され、リム吐水口10の側からリム吐水用電磁弁34の側への洗浄水の逆流が防止される。また、リム吐水口10の側から洗浄水が逆流した場合には、逆流した洗浄水はバキュームブレーカ40から流出して、洗浄水タンク26の中に流入する。
【0043】
次に、
図4乃至
図7を参照して、洗浄水供給装置の構造を説明する。
図4及び
図5に示すように、洗浄水供給装置4は、バルブユニット24及び洗浄水タンク26から構成されており、バルブユニット24は、洗浄水タンク26の外側で、洗浄水タンク26の側方に配置されている。また、バルブユニット24は、水洗大便器本体2の幅方向両端よりも内側に配置されている(
図1)。このように、洗浄水供給装置4は、全体として、水洗大便器本体2よりも幅が狭く構成されており、水洗大便器本体2の後部にスッキリと納まるように構成されている。なお、本明細書において、「洗浄水タンクの外側に配置」とは、洗浄水タンク内に所定の貯水水位まで洗浄水を貯留した状態において、洗浄水の水面を鉛直方向に投影したとき、その投影線で囲まれた領域の外側に配置されていることを意味する。
【0044】
さらに、
図4に示すように、バルブユニット24には、水道の配管28aが下面から接続される。上述したように、水道の配管28aから流入した洗浄水は、バルブユニット24の内部で定流量弁30を通った後、分岐され、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34に流入する。タンク給水用電磁弁32を通過した洗浄水は、バルブユニット24から上方に向けて延びるタンク給水配管32aを通って洗浄水タンク26の上方へ向かい、洗浄水タンク26内に流入する。
【0045】
一方、リム吐水用電磁弁34を通過した洗浄水は、バルブユニット24から上方に向けて延びるリム給水配管34aを通って洗浄水タンク26の上方へ向かい、バキュームブレーカ40に流入する。バキュームブレーカ40は、
図4及び
図5に示すように、洗浄水タンク26上部、前側の、バルブユニット24が配置されている方の端部に、バルブユニット24よりも上方に設けられている。即ち、バキュームブレーカ40は、水洗大便器本体2のリム部20上端面よりも上方、且つ洗浄水タンク26の貯水水位よりも上方に、上面視において、洗浄水タンク26の内側に配置されている。このため、リム給水配管34aを通って洗浄水タンク26の上方へ流れた洗浄水は、洗浄水タンク26の上方で、バキュームブレーカ40に側面から流入する。
【0046】
バキュームブレーカ40に流入した洗浄水は、バキュームブレーカ40の真下に設けられ、バキュームブレーカ40の下側に直結された、洗浄水供給装置4のホース接続部26b(
図4)から流出する。この洗浄水供給装置4のホース接続部26bは、洗浄水タンク26と一体に形成されており、鉛直下方に向けて突出した接続部である。このホース接続部26bには、水洗大便器本体2へ洗浄水を供給するための給水ホース42が接続される(
図4)。
【0047】
次に、
図6を参照して、タンク給水用電磁弁の配置を説明する。
図6に示すように、バルブユニット24に内蔵されたタンク給水用電磁弁32は、洗浄水タンク26の側方に配置されている。このタンク給水用電磁弁32には、下方に配置された定流量弁30から流出した洗浄水が分岐され(
図3)、その一方の洗浄水が流入する。分岐された洗浄水のもう一方は、上述したように、リム吐水用電磁弁34に流入する。また、本実施形態において、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34(
図6には図示せず)は、同一の高さに、水洗大便器装置1の前後方向に並べて配置されている。
【0048】
タンク給水用電磁弁32の下流側にはタンク給水配管32aが接続されている。このタンク給水配管32aは、タンク給水用電磁弁32から上方に延びた後、90度折れ曲がり、洗浄水タンク26の上方へ延びる。そして、タンク給水配管32aの先端には、洗浄水タンク26の上方で下方に向けて開口したタンク給水口32bが設けられている。従って、バルブユニット24のタンク給水用電磁弁32を介して洗浄水タンク26に供給された洗浄水は、タンク給水口32bを通って上方から洗浄水タンク26内へ吐出される。
【0049】
一方、洗浄水タンク26内には、通常使用時において、最高で、所定の貯水水位WLまで洗浄水が貯留される。即ち、便器洗浄を行うために洗浄水タンク26内の洗浄水が排水された後、タンク給水用電磁弁32を介してタンク給水口32bから洗浄水が洗浄水タンク26内に供給される。洗浄水の供給により洗浄水タンク26内の水位が上昇し、水位が所定の貯水水位WLまで上昇すると、洗浄水タンク26内に配置されたフロートスイッチ38が、これを検知する。フロートスイッチ38が貯水水位WLを検知すると、コントローラ35(
図3)はタンク給水用電磁弁32に制御信号を送り、これを閉弁させて給水を停止する。
【0050】
なお、この貯水水位WLは、タンク給水口32bが設けられた高さよりも下方に設定されている。従って、バルブユニット24を介して洗浄水タンク26に供給された洗浄水は、最高の貯水水位WLよりも上方から、洗浄水タンク26内へ吐出される。これにより、タンク給水口32bと貯水水位WLの間には所定のエアギャップが確保され、洗浄水タンク26内の洗浄水の、タンク給水用電磁弁32側への逆流が防止される。これに対して、タンク給水用電磁弁32に内蔵されている主弁体であるダイヤフラム弁44(
図7)は、洗浄水タンク26の側方で、貯水水位WLよりも下側に配置されているため、洗浄水タンク26の上方に大きな空間を設ける必要がなく、水洗大便器装置1をローシルエット化することが可能になる。また、ダイヤフラム弁44は、タンク給水配管32aに対して平行に配置されており、タンク給水配管32aに対して直交するように設けるよりも上面視において洗浄水タンク26の内側に配置しやすく、洗浄水タンク26の容積の確保や他部材の配置が行いやすい。
【0051】
一方、便器洗浄時において、排水弁36が引き上げられ、洗浄水タンク26内の洗浄水が水洗大便器本体2へ排出されると、洗浄水タンク26内の水位が低下する。そして、洗浄水タンク26内の水位が所定の死水水位DWLまで低下すると排水弁36が閉弁され、その後はタンク給水口32bからの洗浄水の供給により、洗浄水タンク26内の水位は上昇する。従って、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位は、通常使用時において、最低水位の死水水位DWLと、最高水位の貯水水位WLとの間で変化する。
【0052】
ここで、
図6に示すように、タンク給水用電磁弁32は、死水水位DWLよりも高く、貯水水位WLよりも低い位置に配置されている。また、本実施形態において、リム吐水用電磁弁34は、タンク給水用電磁弁32と同じ高さに配置されているため、リム吐水用電磁弁34も死水水位DWLよりも高く、貯水水位WLよりも低い位置に配置されている。
【0053】
次に、
図7を参照して、タンク給水用電磁弁32の構造を説明する。
図7に示すように、タンク給水用電磁弁32は、主弁体であるダイヤフラム弁44と、このダイヤフラム弁44と対向するように設けられ、ダイヤフラム弁44によって開閉される主弁口46と、を有する。なお、タンク給水配管32aには、タンク給水用電磁弁32の他に停電時などに使用される手動操作弁を設けてもよい。
【0054】
ダイヤフラム弁44は、全体として円板状の弁体であり、可撓性のある周縁部がバルブユニット24の本体部に水密的に支持されている。この周縁部が変形することにより、ダイヤフラム弁44は、
図7に示す開弁位置と、主弁口46に着座する閉弁位置の間で水平方向に移動することができる。
【0055】
また、ダイヤフラム弁44の背面側(主弁口46の反対側)には圧力室44aが設けられている。この圧力室44a内に洗浄水が充満し、圧力室44a内の圧力が高まると、その圧力によりダイヤフラム弁44が主弁口46に向けて押圧され、ダイヤフラム弁44が閉弁される。また、ダイヤフラム弁44には、これを貫通するように小孔44bが設けられており、タンク給水用電磁弁32に供給された洗浄水の一部は、この小孔44bを通って圧力室44aに流入する。さらに、小孔44bには、ダイヤフラム弁44の動きをガイドするようにクリーニングピン44cが挿入されている。
【0056】
さらに、この圧力室44aに連通するように、パイロット弁口(図示せず)が設けられており、このパイロット弁口がソレノイド48により開閉される。即ち、ソレノイド48は、コントローラ35からの制御信号に基づいて、パイロット弁(図示せず)を駆動するように構成されており、パイロット弁を移動させることにより、圧力室44aのパイロット弁口(図示せず)が開閉される。パイロット弁によりパイロット弁口が閉弁された状態では、小孔44bから圧力室44aに流入した洗浄水により圧力室44a内の圧力が高くなり、ダイヤフラム弁44が閉弁される。また、パイロット弁口が開弁された状態では、圧力室44a内の洗浄水がパイロット弁口から流出し、圧力室44a内の圧力が低下し、ダイヤフラム弁44が開弁される。このように、ダイヤフラム弁44は、コントローラ35の制御信号により制御されるソレノイド48によって開閉される。
【0057】
一方、主弁口46は、ダイヤフラム弁44に対向するように設けられた円筒状の部分であり、その中心軸線は水平方向に向けられている。そして、側方に向けて開口した主弁口46の先端の円形の領域が、ダイヤフラム弁44が着座するシート面となっている。ここで、バルブユニット24の内部でタンク給水用電磁弁32に供給された洗浄水は、主弁口46の周囲の空間に流入する。圧力室44a内の圧力が高い状態では、ダイヤフラム弁44が主弁口46に向けて押圧され、ダイヤフラム弁44は主弁口46の先端のシート面に着座する。この状態では、主弁口46の周囲の洗浄水は、主弁口46の中に流入せず、タンク給水用電磁弁は閉弁状態となる。また、圧力室44a内の圧力が低下すると、
図7に示すように、ダイヤフラム弁44が主弁口46の先端のシート面から離れて開弁状態となる。開弁状態では、主弁口46の周囲の空間に流入した洗浄水が、ダイヤフラム弁44と主弁口46の先端のシート面の間の隙間を通って、主弁口46の中に流入する。
【0058】
ここで、
図7に示すように、本実施形態において、ダイヤフラム弁44が着座するシート面の下端46aは、最高の水位である貯水水位WLよりも下側に位置する。さらに、ダイヤフラム弁44が着座するシート面の上端46bは、最低の貯水水位である死水水位DWLよりも上側に位置する。また、タンク給水用電磁弁32の側方に配置された洗浄水タンク26内の水位は、便器洗浄を行う毎に最高の貯水水位WLと最低の死水水位DWLの間で変化する。このため、洗浄水タンク26の、タンク給水用電磁弁32の側方の部分に貯留されている洗浄水は、便器洗浄を行う毎に入れ代わるので、その近傍に配置されたタンク給水用電磁弁32の温度は比較的高く維持される。
【0059】
以上、タンク給水用電磁弁32の構造を説明したが、リム吐水用電磁弁34に備えられているダイヤフラム弁及び主弁口(図示せず)の構造も、タンク給水用電磁弁32のダイヤフラム弁44及び主弁口46の構造と同一である。従って、バルブユニット24には、洗浄水タンク26への洗浄水の給水、停止を行うために開閉されるダイヤフラム弁44、及び水洗大便器本体2に設けられたリム吐水口10への洗浄水の給水、停止を行うために開閉されるダイヤフラム弁(図示せず)が内蔵されている。
【0060】
また、上述したように、リム吐水用電磁弁34は、タンク給水用電磁弁32と同一の高さに配置されているため、リム吐水用電磁弁34のダイヤフラム弁(図示せず)が着座するシート面(図示せず)の下端は、最高の貯水水位WLよりも下側に位置する。さらに、リム吐水用電磁弁34のダイヤフラム弁が着座するシート面の上端は、最低の貯水水位である死水水位DWLよりも上側に位置する。そして、洗浄水タンク26の、リム吐水用電磁弁34の側方の部分に貯留されている洗浄水は、便器洗浄を行う毎に入れ代わり、その近傍に配置されたリム吐水用電磁弁34の温度も比較的高く維持される。
【0061】
次に、
図1及び
図3を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器装置1の作用を説明する。
まず、水洗大便器装置1の待機状態においては、洗浄水タンク26内には、所定の貯水水位WLまで洗浄水が貯留されている。使用者がリモコン35aに設けられた便器洗浄スイッチ(図示せず)を操作すると、コントローラ35に洗浄指示信号が送信される。洗浄指示信号を受信するとコントローラ35は、バルブユニット24のリム吐水用電磁弁34に備えられているソレノイド(図示せず)に制御信号を送り、リム吐水用電磁弁34のダイヤフラム弁(図示せず)を開弁させる。これにより、水道から供給された洗浄水は、リム吐水用電磁弁34、バキュームブレーカ40、リム導水路12を通ってリム吐水口10から吐出される。リム吐水口10から吐出された洗浄水は、ボウル部6の汚物受け面18上に旋回流を形成し、汚物受け面18を洗浄する。
【0062】
リム吐水用電磁弁34を開弁させた後、所定時間経過すると、コントローラ35は便器洗浄用モータ36aに制御信号を送り、便器洗浄用モータ36aにより排水弁36を引き上げる。これにより、排水弁36が開弁され、洗浄水タンク26内に貯留されていた洗浄水が、ジェット導水路16を通ってジェット吐水口14から吐出される。これにより、洗浄水タンク26内の水位は、貯水水位WLから低下する。ジェット吐水口14からの吐水により、排水トラップ管路8内でサイホン現象が誘発され、ボウル部6内の洗浄水及び汚物が、排水トラップ管路8を通って排出される。
【0063】
また、コントローラ35はバルブユニット24のタンク給水用電磁弁32に備えられているソレノイド48(
図7)に制御信号を送り、ダイヤフラム弁44を開弁させる。これにより、水道から供給された洗浄水は、タンク給水用電磁弁32を通ってタンク給水口32bから吐出され、洗浄水タンク26の中に給水される。
【0064】
さらに、洗浄水タンク26内の水位が所定の死水水位DWLまで低下すると、排水弁36により排水口26aが閉弁され、ジェット吐水口14からの吐水が停止される。排水口26aが閉弁された後も、リム吐水用電磁弁34は開弁されたままにされ、水道から供給された洗浄水はリム吐水口10から吐出される。リム吐水口10からの吐水により、ボウル部6内の水位が所定の水位まで上昇し、リフィルが完了すると、コントローラ35はバルブユニット24のリム吐水用電磁弁34に制御信号を送り、これを閉弁させる。
【0065】
一方、排水弁36が閉弁された後も、タンク給水用電磁弁32は開弁されているため、洗浄水タンク26の中に流入した洗浄水により、洗浄水タンク26内の水位は死水水位DWLから上昇する。洗浄水タンク26内の水位が所定の貯水水位WLまで上昇すると、フロートスイッチ38がこれを検知し、コントローラ35に検知信号が送られる。フロートスイッチ38からの検知信号を受信すると、コントローラ35はタンク給水用電磁弁32のソレノイド48に制御信号を送り、ダイヤフラム弁44を閉弁させる。これにより、洗浄水タンク26への給水が完了し、一回の便器洗浄が完了する。
【0066】
本発明の実施形態の水洗大便器装置1によれば、バルブユニット24が洗浄水タンク26の側方に配置されている(
図5)ので、バルブユニット24を低い位置に配置することが可能になると共に、バルブユニット24に内蔵されている主弁体であるダイヤフラム弁44(
図7)が洗浄水タンク26の最高の貯水水位WLよりも下側に配置されているので、水洗大便器装置1をローシルエット化することができる。
【0067】
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、ダイヤフラム弁44が着座するシート面の下端46aが最高の貯水水位WLよりも下側に配置されている(
図7)ので、水洗大便器装置1をローシルエット化することができる。
【0068】
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、ダイヤフラム弁44が着座するシート面の下端46aが最高の貯水水位WLよりも下側、且つシート面の上端46bが最低の貯水水位である死水水位DWLよりも上側に配置される(
図7)ので、シート面は、洗浄水タンク26の比較的温度が高い部分の近傍に位置し、比較的高い温度に維持される。これにより、ダイヤフラム弁44の温度が低下して、凍結するのを防止することができる。
【0069】
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、バルブユニット24を介して洗浄水タンク26に供給された洗浄水が、最高の貯水水位WLよりも上方から、洗浄水タンク26内へ吐出される(
図6)ので、バルブユニット24の上流側が負圧になった場合でも、洗浄水タンク26内の洗浄水が上流側へ逆流するのを防止することができる。
【0070】
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、バルブユニット24が、上面視において、水洗大便器本体2の幅方向両端よりも内側に配置されている(
図1)ので、バルブユニット24を洗浄水タンク26の側方に配置した場合でも、水洗大便器本体2の側方へバルブユニット24が突出することがなく、美観に優れたローシルエット形の水洗大便器装置1を提供することができる。
【0071】
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、バルブユニット24を介して水洗大便器本体2のリム吐水口10へ洗浄水が給水される(
図3)ので、便器洗浄に使用する洗浄水の全量を洗浄水タンク26に貯留しておく必要がなく、洗浄水タンク26を小型化することが可能になり、ローシルエット形の水洗大便器装置1を実現することができる。
【0072】
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、バキュームブレーカ40が、バルブユニット24よりも上方(
図4)、且つ、上面視において洗浄水タンクの内側に配置されている(
図1)ので、バキュームブレーカ40から流出した洗浄水は、自然に洗浄水タンク26内へ落下する。このため、特別な構成を設けることなく、バキュームブレーカ40から流出した洗浄水を処理することができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 水洗大便器装置
2 水洗大便器本体
4 洗浄水供給装置
6 ボウル部
8 排水トラップ管路
8a 入口部
8b 上昇管路
8c 下降管路
8d 頂部
10 リム吐水口
12 リム導水路
14 ジェット吐水口
16 ジェット導水路
16a 上流側流路
16b 屈曲流路
16c 下流側流路
18 汚物受け面
20 リム部
21 棚部
22 ツボ部
24 バルブユニット
26 洗浄水タンク
26a 排水口
26b ホース接続部
28 止水栓
28a 水道の配管
30 定流量弁
32 タンク給水用電磁弁
32a タンク給水配管
32b タンク給水口
34 リム吐水用電磁弁
34a リム給水配管
35 コントローラ
35a リモコン
36 排水弁
36a 便器洗浄用モータ
38 フロートスイッチ
40 バキュームブレーカ
42 給水ホース
44 ダイヤフラム弁(主弁体)
44a 圧力室
44b 小孔
44c クリーニングピン
46 主弁口
46a シート面の下端
46b シート面の上端
48 ソレノイド