(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020925
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】水洗大便器装置
(51)【国際特許分類】
E03D 1/26 20060101AFI20250205BHJP
E03D 1/28 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
E03D1/26
E03D1/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124564
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡部 凌平
(72)【発明者】
【氏名】畑間 健司
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 謙治
(72)【発明者】
【氏名】橋本 博
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AC04
2D039AD01
2D039AD06
2D039BA01
2D039DB00
(57)【要約】
【課題】洗浄水タンクを水洗大便器本体の後部に配置しながら、ローシルエット化することができる水洗大便器装置を提供する。
【解決手段】本発明は、水洗大便器装置(1)であって、水洗大便器本体(2)と、この水洗大便器本体の後部に少なくとも2つの固定点(44c, 44d)を介して固定され、洗浄水を水洗大便器本体の流入口(2b)へ流入させる洗浄水タンク(26)と、を有し、流入口は、水洗大便器本体の幅方向の中心線に対して一方の側に偏心した位置に設けられ、固定点のうちの2つの固定点は、排水口に対して前後方向両側に夫々配置されると共に、2つの固定点を結ぶ直線が、上面視において排水口を通るように配置され、2つの固定点のうちの後ろ側の固定点は、排水口の中心点よりも、水洗大便器本体の幅方向の中心側に位置していることを特徴としている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水タンクに貯留された洗浄水により洗浄を行う水洗大便器装置であって、
ボウル部及びこのボウル部から延びる排水トラップ管路を備えた水洗大便器本体と、
この水洗大便器本体の後部に少なくとも2つの固定点を介して固定されると共に、貯留している洗浄水を排水口から排出して、上記水洗大便器本体の流入口へ流入させる洗浄水タンクと、を有し、
上記水洗大便器本体の流入口は、上記水洗大便器本体の幅方向の中心線に対して一方の側に偏心した位置に設けられ、
上記固定点のうちの2つの固定点は、上記排水口に対して前後方向両側に夫々配置されると共に、上記2つの固定点を結ぶ直線が、上面視において上記排水口を通るように配置され、
上記2つの固定点のうちの後ろ側の固定点は、上記排水口の中心点よりも、上記水洗大便器本体の幅方向の中心側に位置していることを特徴とする水洗大便器装置。
【請求項2】
上記水洗大便器本体と上記洗浄水タンクの間には、上記水洗大便器本体と上記洗浄水タンクの間の水密性を確保するためのパッキンが配置され、このパッキンは、上記2つの固定点において、上記洗浄水タンクを上記水洗大便器本体に固定することにより圧縮される請求項1記載の水洗大便器装置。
【請求項3】
上記水洗大便器本体の流入口は、上記水洗大便器本体のリム上面よりも低く、上記水洗大便器本体のボウル部内の溜水水位よりも高い位置に設けられている請求項1記載の水洗大便器装置。
【請求項4】
さらに、上記洗浄水タンクを上記水洗大便器本体に固定する補助固定点が、上記水洗大便器本体の幅方向の中心線に対して、上記水洗大便器本体の流入口の反対側に設けられている請求項1記載の水洗大便器装置。
【請求項5】
上記補助固定点は少なくとも2つ設けられ、これら補助固定点のうちの少なくとも1つは、上記流入口よりも高い位置に設けられている請求項4記載の水洗大便器装置。
【請求項6】
上記洗浄水タンクは、洗浄水タンク本体とベースプレートから構成され、このベースプレートが、上記複数の固定点及び補助固定点を介して上記水洗大便器本体に固定される請求項4記載の水洗大便器装置。
【請求項7】
上記洗浄水タンク本体と上記ベースプレートの間にはラジアルシール部材が配置され、このラジアルシール部材により、上記洗浄水タンク本体と上記ベースプレートの間の水密性が確保される請求項6記載の水洗大便器装置。
【請求項8】
上記排水トラップ管路は、上記ボウル部から上記洗浄水タンクの下方へ延び、上記補助固定点は、上記排水トラップ管路を挟んで上記水洗大便器本体の流入口の反対側に位置する請求項4記載の水洗大便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗大便器装置に関し、特に、洗浄水タンクに貯留された洗浄水により洗浄を行う水洗大便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2010-7451号公報(特許文献1)には、貯水タンク及びそれを備えた水洗大便器が記載されている。この水洗大便器においては、水洗大便器本体の後部に貯水タンクが配置され、貯水タンクから排出された洗浄水により、水洗大便器本体のボウル部が洗浄される。また、貯水タンクには、その幅方向中央にタンク排水口が設けられ、貯水タンク内の洗浄水は、タンク排水口の真下に位置する、水洗大便器本体の幅方向中央に設けられたタンク連結穴から水洗大便器本体内に流入して、ボウル部が洗浄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水洗大便器本体後部の幅方向中央には、ボウル部から後方に延びる排水トラップ管路が延びている。このため、貯水タンク内の洗浄水が流入する、水洗大便器本体のタンク連結穴から延びる洗浄水の流路と、排水トラップ管路の位置が重なり、タンク連結穴から延びる流路は、排水トラップ管路の上側に設ける必要がある。このため、タンク連結穴から延びる流路を高い位置に設けることが必要となり、水洗大便器装置のローシルエット化が困難になるという問題がある。
【0005】
従って、本発明は、洗浄水タンクを水洗大便器本体の後部に配置しながら、ローシルエット化することができる水洗大便器装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水タンクに貯留された洗浄水により洗浄を行う水洗大便器装置であって、ボウル部及びこのボウル部から延びる排水トラップ管路を備えた水洗大便器本体と、この水洗大便器本体の後部に少なくとも2つの固定点を介して固定されると共に、貯留している洗浄水を排水口から排出して、水洗大便器本体の流入口へ流入させる洗浄水タンクと、を有し、水洗大便器本体の流入口は、水洗大便器本体の幅方向の中心線に対して一方の側に偏心した位置に設けられ、固定点のうちの2つの固定点は、排水口に対して前後方向両側に夫々配置されると共に、2つの固定点を結ぶ直線が、上面視において排水口を通るように配置され、2つの固定点のうちの後ろ側の固定点は、排水口の中心点よりも、水洗大便器本体の幅方向の中心側に位置していることを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明によれば、水洗大便器本体の流入口が、水洗大便器本体の幅方向の中心線に対して一方の側に偏心した位置に設けられているので、ボウル部から延びる排水トラップ管路を避けて、水洗大便器本体に流入口を設けることができる。この結果、流入口を低い位置に形成することができ、水洗大便器装置をローシルエット化することができる。また、2つの固定点を結ぶ直線が上面視において排水口を通るので、排水口近傍における洗浄水タンクの位置を強固に規定することができる。このため、洗浄水タンクの排水口と水洗大便器本体の流入口の間の漏水を防止することができる。さらに、2つの固定点が排水口に対して前後方向両側に夫々配置されると共に、後ろ側の固定点は、排水口の中心点よりも、水洗大便器本体の幅方向の中心側に位置している。このため、洗浄水タンクを水洗大便器本体に強固に固定することができると共に、洗浄水タンクを前後方向に倒そうとする力に十分に抵抗することができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、水洗大便器本体と洗浄水タンクの間には、水洗大便器本体と洗浄水タンクの間の水密性を確保するためのパッキンが配置され、このパッキンは、2つの固定点において、洗浄水タンクを水洗大便器本体に固定することにより圧縮される。
【0009】
このように構成された本発明によれば、水洗大便器本体と洗浄水タンクの間にパッキンが配置され、このパッキンが洗浄水タンクを固定することにより圧縮される。このため、2つの固定点を結ぶ直線が排水口を通るように固定点を配置することにより、パッキンを均一に圧縮させることができ、水洗大便器本体と洗浄水タンクの間の水密性を高くすることができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、水洗大便器本体の流入口は、水洗大便器本体のリム上面よりも低く、水洗大便器本体のボウル部内の溜水水位よりも高い位置に設けられている。
【0011】
このように構成された本発明によれば、水洗大便器本体の流入口が、水洗大便器本体のリム上面よりも低いので、水洗大便器装置をローシルエット化することができる。また、水洗大便器本体の流入口が、水洗大便器本体のボウル部内の溜水水位よりも高いので、水洗大便器装置の非洗浄時において、水洗大便器本体の流入口が水没することがなく、パッキンの劣化を抑制することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、さらに、洗浄水タンクを水洗大便器本体に固定する補助固定点が、水洗大便器本体の幅方向の中心線に対して、水洗大便器本体の流入口の反対側に設けられている。
【0013】
このように構成された本発明によれば、水洗大便器本体の幅方向の中心線に対して、水洗大便器本体の流入口の反対側に、補助固定点が設けられているので、洗浄水タンクを幅方向に倒そうとする力に十分に抵抗することができ、洗浄水タンクを強固に固定することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、補助固定点は少なくとも2つ設けられ、これら補助固定点のうちの少なくとも1つは、流入口よりも高い位置に設けられている。
【0015】
このように構成された本発明によれば、補助固定点のうちの少なくとも1つが流入口よりも高い位置に設けられているので、洗浄水タンクを高い位置で固定することができ、洗浄水タンクの上部に洗浄水タンクを倒そうとする力が作用したとき、より強力に抵抗することができ、洗浄水タンクを強固に固定することができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、洗浄水タンクは、洗浄水タンク本体とベースプレートから構成され、このベースプレートが、複数の固定点及び補助固定点を介して水洗大便器本体に固定される。
【0017】
このように構成された本発明によれば、洗浄水タンクの一部を構成するベースプレートが、複数の固定点及び補助固定点を介して水洗大便器本体に固定されるので、水洗大便器本体に形成された固定点の位置的な誤差をベースプレートにより吸収することができ、適正な位置に洗浄水タンク本体を取り付けることができる。
【0018】
本発明において、好ましくは、洗浄水タンク本体とベースプレートの間にはラジアルシール部材が配置され、このラジアルシール部材により、洗浄水タンク本体とベースプレートの間の水密性が確保される。
【0019】
このように構成された本発明によれば、洗浄水タンク本体とベースプレートの間にラジアルシール部材が配置されているので、洗浄水タンク本体とベースプレートの間の水密性を確保することができる。また、ラジアルシール部材により水密性を確保しているため、洗浄水タンク本体とベースプレートの間に面シールを配置した場合よりもシール部分を設けるのに厚さを要さず、水洗大便器装置をローシルエット化することができる。
【0020】
本発明において、好ましくは、排水トラップ管路は、ボウル部から洗浄水タンクの下方へ延び、補助固定点は、排水トラップ管路を挟んで水洗大便器本体の流入口の反対側に位置する。
【0021】
このように構成された本発明によれば、排水トラップ管路に対し、水洗大便器本体の流入口の側に設けられた固定点と、流入口の反対側に設けられた補助固定点により洗浄水タンクが固定されるので、洗浄水タンクをバランス良く強固に固定することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の水洗大便器装置によれば、洗浄水タンクを水洗大便器本体の後部に配置しながら、ローシルエット化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態による水洗大便器装置を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施形態による水洗大便器装置において、
図1のII-II線に沿う側面断面図である。
【
図3】本発明の実施形態の水洗大便器装置における洗浄水の供給系統を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態の水洗大便器装置に備えられている水洗大便器本体及び洗浄水タンクを分解して示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態の水洗大便器装置に備えられている洗浄水タンクの一部を構成するベースプレートを示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態の水洗大便器装置における水洗大便器本体及び洗浄水タンクの接続部分を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態による水洗大便器装置を示す平面図である。
図2は、
図1のII-II線に沿う側面断面図である。
【0025】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施形態による水洗大便器装置1は、サイホンジェット式の水洗便器であり、陶器製の水洗大便器本体2と、この水洗大便器本体2の上面に配置された樹脂製の便座及び便蓋(図示せず)と、水洗大便器本体2の後方上部に配置され、樹脂製のカバー(図示せず)に覆われた洗浄水供給装置4と、を備えている。
【0026】
水洗大便器本体2には、汚物を受けるボウル部6と、ボウル部6の底部に設けられサイホン作用により汚物を排出するための排水トラップ管路8と、リム吐水を行うリム吐水口10と、リム吐水口に洗浄水を導くためのリム導水路12と、ジェット吐水を行うジェット吐水口14と、ジェット吐水口14に洗浄水を導くためのジェット導水路16と、が形成されている。
【0027】
ボウル部6は、ボウル状の汚物受け面18と、ボウル部6の上縁部に沿って形成されたリム部20と、これらの汚物受け面18とリム部20との間に形成された棚部21と、を備えている。また、ボウル部6は、汚物受け面18の下方の領域に形成されて排水トラップ管路8に接続されるツボ部22を備えている。このツボ部22の内部には、封水面Wが形成されている。
【0028】
排水トラップ管路8は、入口部8aと、入口部8aから上方へ延びる上昇管路8bと、この上昇管路8bから下方へ延びる下降管路8cと、この下降管路8cと上昇管路8bとの間に位置して封水水位を規定する頂部8dと、を備えている。
ここで、排水トラップ管路8の下降管路8cの下端は、排水ソケット(図示せず)を介して排水管(図示せず)に接続されている。
【0029】
リム吐水口10は、水洗大便器本体2を前方から見て、リム部20の左側後方に形成されている。リム吐水口10は、洗浄水を前方に向かって吐水し、この洗浄水が汚物受け面18へ流下しながらリム部20の内周面及び棚部21の棚面上を旋回するようになっている。
【0030】
リム導水路12は、リム吐水口10に向かって流路断面が徐々に小さくなる先細り形状に形成されている。リム導水路12には、水道から洗浄水供給装置4を介して洗浄水が供給され、水道の給水圧力によりリム吐水口10から洗浄水が吐水されるようになっている。
【0031】
ジェット吐水口14は、ボウル部6の底部に形成されている。ジェット吐水口14は、排水トラップ管路8の入口部8aに対向して配置され、排水トラップ管路8の入口部8aに向けられている。ジェット吐水口14は、洗浄水を排水トラップ管路8の入口部8aに向かって吐水し、この洗浄水が排水トラップ管路8内に流入してサイホン作用を起動するようになっている。
【0032】
ジェット導水路16は、洗浄水供給装置4から前方へ延びる上流側流路16aと、この上流側流路から屈曲する屈曲流路16bと、この屈曲流路から後方へ延びてジェット吐水口14と接続する下流側流路16cと、を備えている。ジェット導水路16には、洗浄水供給装置4の洗浄水タンク26(
図3)から洗浄水が供給され、洗浄水のヘッド圧によりジェット吐水口14から洗浄水が吐水されるようになっている。
【0033】
次に、
図3乃至
図6を新たに参照して、本発明の実施形態の水洗大便器装置1に備えられている洗浄水の供給系統を説明する。
図3は、本発明の実施形態の水洗大便器装置1における洗浄水の供給系統を示すブロック図である。
図4は、本実施形態の水洗大便器装置1に備えられている水洗大便器本体及び洗浄水タンクを分解して示す分解斜視図である。
図5は、本実施形態の水洗大便器装置1に備えられている洗浄水タンクの一部を構成するベースプレートを示す斜視図である。
図6は、本実施形態の水洗大便器装置1における水洗大便器本体及び洗浄水タンクの接続部分を拡大して示す断面図である。
【0034】
図3に示すように、洗浄水供給装置4は、水道からの洗浄水の供給、停止を行うバルブユニット24、及びバルブユニット24を介して供給された洗浄水を貯留する樹脂製の洗浄水タンク26から構成されている。
【0035】
バルブユニット24には、定流量弁30と、タンク給水用電磁弁32と、リム吐水用電磁弁34と、と、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34を制御するコントローラ35が内蔵されている。また、洗浄水タンク26には、排水弁36と、フロートスイッチ38と、バキュームブレーカ40が備えられている。
【0036】
本実施形態において、洗浄水タンク26は、約2リットルの容積を有する小型の樹脂製のタンクである。洗浄水タンク26の下部は、水洗大便器本体2のリム部20の上面よりも下方、且つ、排水トラップ管路8の頂部8dよりも上方に配置されている。これにより、水洗大便器装置1は、ローシルエットタイプの便器になっている。また、本実施形態においては、洗浄水タンク26内の洗浄水は、重力によりジェット吐水口14から吐出される。
【0037】
止水栓28は、メンテナンス時等に、水道の配管28aから供給される水を止水させるように構成されており、止水栓28を通過した水道水が、洗浄水としてバルブユニット24に流入する。従って、通常使用時において、止水栓28は「開」状態で使用される。
定流量弁30は、止水栓28の下流側に設けられ、水道から供給された水を所定流量に調整して流出させるように構成されている。この定流量弁30から流出した水は分岐され、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34に夫々流入する。
【0038】
タンク給水用電磁弁32は、使用者の洗浄操作に基づいて開閉され、タンク給水用電磁弁32から流出した洗浄水は、洗浄水タンク26内に流入し、貯留される。
リム吐水用電磁弁34は、使用者の洗浄操作に基づいて開閉され、リム吐水用電磁弁34から流出した洗浄水は、リム導水路12を介して水洗大便器本体2のリム吐水口10から吐出される。
このように、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34を備えたバルブユニット24は、洗浄水タンク26への洗浄水の給水、停止、及び水洗大便器本体2への洗浄水の給水、停止を行うように構成されている。
【0039】
コントローラ35は、使用者によって操作されたリモコン35aからの制御信号を受信して、タンク給水用電磁弁32及びリム吐水用電磁弁34を開閉制御するように構成されている。また、コントローラ35は、フロートスイッチ38による検出信号に基づいて、タンク給水用電磁弁32を制御するように構成されている。
【0040】
排水弁36は、洗浄水タンク26の底面に設けられており、使用者の洗浄操作に基づいて開弁され、洗浄水タンク26内に貯留された洗浄水を、ジェット導水路16を介してリム吐水口10から吐出される。また、排水弁36は、洗浄水タンク26の上部に設けられた便器洗浄用モータ36aによって排水口26aから引き上げられ、排水口26aを開弁させるように構成されている。便器洗浄用モータ36aは、便器洗浄時において、コントローラ35からの制御信号に基づいて、所定のタイミングで排水弁36を引き上げるように構成されている。
【0041】
フロートスイッチ38は、洗浄水タンク26内の水位を検出するように構成され、洗浄水タンク26内の水位が所定の貯水水位に到達したことを検出し、検出信号をコントローラ35に送るように構成されている。
【0042】
バキュームブレーカ40は、洗浄水タンク26内の、所定の貯水水位よりも上方に配置され、リム吐水用電磁弁34の下流側、且つリム導水路12の上流側に設けられている。これにより、リム吐水用電磁弁34の側が負圧になった場合には、バキュームブレーカ40から大気が吸入され、リム吐水口10の側からリム吐水用電磁弁34の側への洗浄水の逆流が防止される。また、リム吐水口10の側から洗浄水が逆流した場合には、逆流した洗浄水はバキュームブレーカ40から流出して、洗浄水タンク26の中に流入する。
【0043】
次に、
図4乃至
図6を参照して、洗浄水タンクの取り付け構造を説明する。
図4に示すように、洗浄水タンク26は、水洗大便器本体2の後部上面に配置されている。また、洗浄水タンク26は、洗浄水タンク本体42と、この洗浄水タンク本体42を水洗大便器本体2に固定するためのベースプレート44から構成されている。
【0044】
ベースプレート44は、洗浄水タンク本体42の下部を取り囲むように、洗浄水タンク本体42に取り付けられている。一方、水洗大便器本体2の後部上面には、4つのボルト穴2aが設けられている。ベースプレート44は、これらのボルト穴2aを通してボルト50(
図6)を締め付けることにより、水洗大便器本体2に固定される。さらに、水洗大便器本体2に固定されたベースプレート44に洗浄水タンク本体42を固定することにより、洗浄水タンク26が水洗大便器本体2に固定される。即ち、ベースプレート44には、タンク固定部44j、44kが設けられており、洗浄水タンク26の洗浄水タンク本体42は、タンク固定部44j、44kを介してベースプレート44に固定される。これらのタンク固定部44k、44jは、上面視において固定穴44c、44dの近傍に、排水開口44aの両側に設けられている。このように、洗浄水タンク26は、ベースプレート44を介して水洗大便器本体2に固定される。
【0045】
さらに、水洗大便器本体2の後部上面には、流入口2bが形成されている。この流入口2bは、水洗大便器本体2の内部に形成されたジェット導水路16に連通されており、流入口2bから流入した洗浄水は、ジェット導水路16を通ってジェット吐水口から吐出される。また、流入口2bは、水洗大便器本体2の幅方向の中心線Cに対して一方の側に偏心した位置に、本実施形態においては中心線Cに対して右側に偏心した位置に設けられている。なお、水洗大便器本体2の幅方向の中心線C上には排水トラップ管路8が設けられており、その上部が、水洗大便器本体2の後部上面から隆起している。即ち、排水トラップ管路8は、ボウル部6から洗浄水タンク26の下方へ延びており、流入口2bは、この排水トラップ管路8を避けるように、水洗大便器本体2の幅方向右側に偏心して設けられている。
【0046】
また、流入口2bは、水洗大便器本体2に洗浄水タンク26が固定された状態では、洗浄水タンク26の排水口26a(
図3)の真下に位置し、排水口26aから排出された洗浄水は、直接、流入口2bを通ってジェット導水路16に流入する。即ち、洗浄水タンク26は、貯留している洗浄水を排水口26aから排出して、水洗大便器本体2の流入口2bへ流入させる。さらに、流入口2bは、水洗大便器本体2の後部上面において、リム上面(リム部20の上端面の高さH(
図2))よりも低く、ボウル部6内の留水水位(封水面Wの高さ)よりも高い位置に設けられている。このため、水洗大便器装置1において便器洗浄が行われていない状態では、流入口2bは洗浄水に浸かっていない。
【0047】
次に、
図4及び
図5に示すように、ベースプレート44は、全体として箱形の樹脂製の部材であり、上方から洗浄水タンク本体42の下部を受け入れるように構成されている。ベースプレート44の底面には、洗浄水タンク26の排水口26aと整合する位置に設けられた円形の排水開口44aと、水洗大便器本体2後部上面に隆起している排水トラップ管路8を避けるために設けられた切欠44bが設けられている。
【0048】
さらに、ベースプレート44の底面には、固定点である固定穴44c、44dと、補助固定点である補助固定穴44e、44fが設けられている。これら固定穴44c、44d及び補助固定穴44e、44fは、水洗大便器本体2に設けられた4つのボルト穴2aの位置と整合している。即ち、これらの固定穴44c、44d及び補助固定穴44e、44fにボルト50(
図6)を通して、水洗大便器本体2の各ボルト穴2aにボルト50を夫々固定することにより、ベースプレート44を水洗大便器本体2に取り付けることができる。
【0049】
そして、ベースプレート44の固定穴44c、44d及びこれらに対応したボルト穴2aの位置が固定点となり、補助固定穴44e、44f及びこれらに対応したボルト穴2aの位置が補助固定点となる。即ち、本実施形態において、ベースプレート44は、2つの固定点(固定穴44c、44dの位置)、及び2つの補助固定点(補助固定穴44e、44fの位置)で、水洗大便器本体2の後部上面に取り付けられる。
【0050】
ここで、固定点である固定穴44c、44dは、水洗大便器本体2の幅方向の右側に設けられると共に、排水口26a(排水開口44a)に対して、水洗大便器本体2の前後方向両側に夫々配置されている。また、2つの固定穴44c、44dは、上面視において、それらの中心点を結ぶ直線が排水口26a(排水開口44a)を通るように配置されている。さらに、2つの固定穴44c、44dのうちの後ろ側の固定穴44dは、排水口26a(排水開口44a)の中心点Oよりも、水洗大便器本体2の幅方向の中心側に位置している。
【0051】
一方、補助固定点である補助固定穴44e、44fは、水洗大便器本体2の幅方向の中心線Cに対して、水洗大便器本体2の流入口2bの反対側(本実施形態においては中心線Cに対して左側)に夫々設けられている。即ち、補助固定穴44e、44f(補助固定点)は、排水トラップ管路8を挟んで水洗大便器本体2の流入口2bの反対側に位置している。また、ベースプレート44の底面は、その左側前方の部分が高くなるように構成され、このベースプレート44の底面の高くなった部分に設けられた補助固定穴44eは、水洗大便器本体2の流入口2bよりも高い位置に設けられている。
【0052】
即ち、
図4に示すように、水洗大便器本体2の4つのボルト穴2aのうち、水洗大便器本体2の右側に設けられた2つのボルト穴2a、及び左側後方に設けられたボルト穴2aは、水洗大便器本体2の流入口2bと、ほぼ同じ高さに設けられている。これに対して、水洗大便器本体2の左側前方に設けられたボルト穴2aは、他の3つのボルト穴2aよりも高い位置に設けられている。このため、ベースプレート44に設けられた2つの補助固定穴44e、44fのうち、前側の補助固定穴44eは、水洗大便器本体2の流入口2bよりも高い位置に設けられている。
【0053】
次に、
図6を参照して、洗浄水タンク26の、水洗大便器本体2への取り付け構造を説明する。
図6に示すように、洗浄水タンク26を構成する洗浄水タンク本体42の底面には、下方に向けて突出する円環状の突出部42aが設けられており、この円環状の突出部42aの内側が、洗浄水タンク26の排水口26aを構成している。排水口26aの直径は、ベースプレート44に形成された排水開口44aの直径と略同一に形成され、排水口26aと排水開口44aは滑らかに連なっている。そして、突出部42aの外周面には溝42bが形成されており、この溝42bにラジアルシール部材である円環状のOリング46が嵌め込まれている。
【0054】
一方、ベースプレート44の底面には、排水開口44aを取り囲むように、下方に向けて突出する円筒部44gが設けられている。また、ベースプレート44底面の上側の面には、排水開口44aを取り囲むように、円環状の上面凹部44hが形成されている。一方、ベースプレート44底面の下側の面には、円筒部44gを取り囲むように、円環状の下面凹部44iが形成されている。
【0055】
さらに、ベースプレート44の上面に形成された上面凹部44hの中には、洗浄水タンク本体42の底面から突出する突出部42aが受け入れられている。このこのように、ベースプレート44の上面凹部44hに、洗浄水タンク本体42の突出部42aを嵌め込むことにより、突出部42aの外周に配置されたOリング46が、排水口26aの半径方向に押し潰され、洗浄水タンク本体42とベースプレート44の間がシールされる。本明細書においては、半径方向に押し潰されることによりシールを行うシール部材を、「ラジアルシール部材」と呼んでいる。
【0056】
一方、ベースプレート44の下面に形成された円環状の下面凹部44iの中には、パッキン48が配置されている。パッキン48は、全体として円環状に構成されており、下面凹部44iの内周に形成された円筒部44gの周囲に嵌め込まれ、下面凹部44iの中に受け入れられている。ベースプレート44に設けられた固定穴44c、44d(
図5)を通して、水洗大便器本体2のボルト穴2a(
図4)にボルト50(
図6)を固定することにより、ベースプレート44は水洗大便器本体2の後部上面に固定される。この際、ベースプレート44の下面の下面凹部44iに配置されたパッキン48が、ベースプレート44と水洗大便器本体2の間で圧縮される。即ち、洗浄水タンク26が水洗大便器本体2に固定された状態においては、パッキン48は、ベースプレート44の下面凹部44iと、水洗大便器本体2の流入口2bの周縁部の間に挟まれて、押し潰されている。なお、本実施形態において、パッキン48は、洗浄水タンク26の排水口26aの中心軸線の方向に押し潰されてシールを行う面シールである。
【0057】
ここで、パッキン48は、2つの固定点(固定穴44c、44d)において、洗浄水タンク26を水洗大便器本体2に固定することにより圧縮される。また、固定穴44c、44dは、排水口26aに対して前後方向両側に夫々配置され、それらを結ぶ直線が上面視において排水口26aを通るように配置されている。このため、排水口26aの部分に配置されたパッキン48を確実に圧縮することができ、水密性を確実に担保することができる。このように、パッキン48は、水洗大便器本体2と洗浄水タンク26の間に、これらの間の水密性を確保するように配置される。
【0058】
次に、
図1及び
図3を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器装置1の作用を説明する。
まず、使用者がリモコン35aに設けられた便器洗浄スイッチ(図示せず)を操作すると、コントローラ35に洗浄指示信号が送信される。洗浄指示信号を受信するとコントローラ35は、バルブユニット24のリム吐水用電磁弁34に制御信号を送り、リム吐水用電磁弁34を開弁させる。これにより、水道から供給された洗浄水は、リム吐水用電磁弁34、バキュームブレーカ40、リム導水路12を通ってリム吐水口10から吐出される。リム吐水口10から吐出された洗浄水は、ボウル部6の汚物受け面18上に旋回流を形成し、汚物受け面18を洗浄する。
【0059】
リム吐水用電磁弁34を開弁させた後、所定時間経過すると、コントローラ35は便器洗浄用モータ36aに制御信号を送り、便器洗浄用モータ36aにより排水弁36を引き上げる。これにより、排水弁36が開弁され、洗浄水タンク26内に貯留されていた洗浄水が、洗浄水タンク26の排水口26aから水洗大便器本体2の流入口2bに流入し、ジェット導水路16を通ってジェット吐水口14から吐出される。ジェット吐水口14からの吐水により、排水トラップ管路8内でサイホン現象が誘発され、ボウル部6内の洗浄水及び汚物が、排水トラップ管路8を通って排出される。
【0060】
また、コントローラ35はバルブユニット24のタンク給水用電磁弁32に制御信号を送り、これを開弁させる。これにより、水道から供給された洗浄水は、タンク給水用電磁弁32を通って、洗浄水タンク26の中に給水される。
【0061】
さらに、洗浄水タンク26内の水位が所定の水位まで低下すると、排水弁36により排水口26aが閉弁され、ジェット吐水口14からの吐水が停止される。排水口26aが閉弁された後も、リム吐水用電磁弁34は開弁されたままにされ、水道から供給された洗浄水はリム吐水口10から吐出される。リム吐水口10からの吐水により、ボウル部6内の水位が所定の水位まで上昇し、リフィルが完了すると、コントローラ35はバルブユニット24のリム吐水用電磁弁34に制御信号を送り、これを閉弁させる。
【0062】
一方、排水弁36が閉弁された後も、タンク給水用電磁弁32は開弁されているため、洗浄水タンク26の中に流入した洗浄水により、洗浄水タンク26内の水位は上昇する。洗浄水タンク26内の水位が所定の貯水水位まで上昇すると、フロートスイッチ38がこれを検知し、コントローラ35に検知信号が送られる。フロートスイッチ38からの検知信号を受信すると、コントローラ35はタンク給水用電磁弁32に制御信号を送り、これを閉弁させる。これにより、洗浄水タンク26への給水が完了し、一回の便器洗浄が完了する。
【0063】
本発明の実施形態の水洗大便器装置1によれば、水洗大便器本体2の流入口2bが、水洗大便器本体2の幅方向の中心線Cに対して一方の側に偏心した位置に設けられている(
図4)ので、ボウル部6から延びる排水トラップ管路8を避けて、水洗大便器本体2に流入口2bを設けることができる。この結果、流入口2bを低い位置に形成することができ、水洗大便器装置1をローシルエット化することができる。
【0064】
また、2つの固定点である固定穴44c、44d(
図5)を結ぶ直線が上面視において排水口26a(排水開口44a)を通るので、排水口26a近傍における洗浄水タンク26の位置を強固に規定することができる。このため、洗浄水タンク26の排水口26a(排水開口44a)と水洗大便器本体2の流入口2bの間の漏水を防止することができる。さらに、2つの固定穴44c、44dが排水口26a(排水開口44a)に対して前後方向両側に夫々配置されると共に、後ろ側の固定穴44dは、排水口26aの中心点よりも、水洗大便器本体2の幅方向の中心側に位置している。このため、洗浄水タンク26を水洗大便器本体2に強固に固定することができると共に、洗浄水タンク26を前後方向に倒そうとする力に十分に抵抗することができる。
【0065】
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、水洗大便器本体2と洗浄水タンク26の間にパッキン48が配置され、このパッキン48が洗浄水タンク26を固定することにより圧縮される(
図6)。このため、2つの固定点である固定穴44c、44d(
図5)を結ぶ直線が排水口26aを通るように固定点を配置することにより、パッキン48を均一に圧縮させることができ、水洗大便器本体2と洗浄水タンク26の間の水密性を高くすることができる。
【0066】
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、水洗大便器本体2の流入口2bが、水洗大便器本体2のリム部20の上面(リム上面)よりも低い(
図4)ので、水洗大便器装置1をローシルエット化することができる。また、水洗大便器本体2の流入口2bが、水洗大便器本体2のボウル部6内の溜水Wの水位よりも高いので、水洗大便器装置1の非洗浄時において、水洗大便器本体2の流入口2bが水没することがなく、パッキン48の劣化を抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、水洗大便器本体2の幅方向の中心線Cに対して、水洗大便器本体2の流入口2bの反対側に、補助固定点である補助固定穴44e、44f(
図5)が設けられているので、洗浄水タンク26を幅方向に倒そうとする力に十分に抵抗することができ、洗浄水タンク26を強固に固定することができる。
【0068】
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、補助固定穴44e、44fのうちの補助固定穴44eが流入口2bよりも高い位置に設けられている(
図5)ので、洗浄水タンク26を高い位置で固定することができ、洗浄水タンク26の上部に洗浄水タンク26を倒そうとする力が作用したとき、より強力に抵抗することができ、洗浄水タンク26を強固に固定することができる。
【0069】
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、洗浄水タンク26の一部を構成するベースプレート44が、複数の固定穴44c、44d及び補助固定穴44e、44fを介して水洗大便器本体2に固定されるので、水洗大便器本体2に形成された固定点であるボルト穴2aの位置的な誤差をベースプレート44により吸収することができ、適正な位置に洗浄水タンク本体42を取り付けることができる。
【0070】
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、洗浄水タンク本体42とベースプレート44の間にラジアルシール部材であるがOリング46配置されている(
図6)ので、洗浄水タンク本体42とベースプレート44の間の水密性を確保することができる。また、Oリング46により水密性を確保しているため、洗浄水タンク本体42とベースプレート44の間に面シールを配置した場合よりもシール部分を設けるのに厚さを要さず、水洗大便器装置1をローシルエット化することができる。
【0071】
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、排水トラップ管路8に対し、水洗大便器本体2の流入口2bの側に設けられたベースプレート44の固定穴44c、44dと、流入口2bの反対側に設けられた補助固定穴44e、44fにより洗浄水タンク26が固定されるので、洗浄水タンク26をバランス良く強固に固定することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、洗浄水タンク26が洗浄水タンク本体42とベースプレート44から構成されていたが、洗浄水タンク26を単一の部材で構成することもできる。
【符号の説明】
【0073】
1 水洗大便器装置
2 水洗大便器本体
2a ボルト穴
2b 流入口
4 洗浄水供給装置
6 ボウル部
8 排水トラップ管路
8a 入口部
8b 上昇管路
8c 下降管路
8d 頂部
10 リム吐水口
12 リム導水路
14 ジェット吐水口
16 ジェット導水路
16a 上流側流路
16b 屈曲流路
16c 下流側流路
18 汚物受け面
20 リム部
21 棚部
22 ツボ部
24 バルブユニット
26 洗浄水タンク
26a 排水口
26b ホース接続部
28 止水栓
28a 水道の配管
30 定流量弁
32 タンク給水用電磁弁
34 リム吐水用電磁弁
35 コントローラ
35a リモコン
36 排水弁
36a 便器洗浄用モータ
38 フロートスイッチ
40 バキュームブレーカ
42 洗浄水タンク本体
44 ベースプレート
44a 排水開口
44b 切欠
44c、44d 固定穴(固定点)
44e、44f 補助固定穴(補助固定点)
44g 円筒部
44h 上面凹部
44i 下面凹部
44j タンク固定部
44k タンク固定部
46 Oリング(ラジアルシール部材)
48 パッキン
50 ボルト