(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020976
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250205BHJP
【FI】
H04N1/00 567Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124633
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】手塚 智彦
(72)【発明者】
【氏名】張 曄
(72)【発明者】
【氏名】吉田 武志
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AB49
5C062AD06
(57)【要約】
【課題】人感検知センサによる装置近傍で作業するユーザの誤検知を防止し、省電力化する。
【解決手段】シートを載置する給紙トレイ1を装置の上面部に有する画像読取装置において、給紙トレイ1に載置されたシートを取り込む給紙口と、ユーザの体の一部の接近を検知する人感検知センサ301とを備え、人感検知センサ301の検知領域は、給紙口の下流端を通る装置100の設置面の法線と給紙トレイ1における載置面とで囲まれた領域を含むことを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを載置する給紙トレイを装置の上面部に有する画像読取装置において、前記給紙トレイに載置されたシートを取り込む給紙口と、
ユーザの体の一部の接近を検知する人感検知センサと
を備え、
前記人感検知センサの検知領域は、前記給紙口の下流端を通る前記装置の設置面の法線と前記給紙トレイにおける載置面とで囲まれた領域を含むことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
下部ユニットと、前記下部ユニットに対し回動可能に取り付けられ、前記下部ユニットとの間に前記給紙口から取り込まれたシートを搬送する搬送路を形成する上部ユニットとを有し、
前記人感検知センサは、前記上部ユニットに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記人感検知センサは、前記搬送路を搬送されるシートの幅方向に対し、前記給紙口の端部よりも内側に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記人感検知センサにて接近を検知すると、画像読取処理のキャリブレーションを実行することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
給紙口から給紙されたシートが、前記給紙口の上部に設けられた排紙トレイに向けて、U字状の搬送路を搬送される画像読取装置において、
前記給紙口の側方に設けられた操作部と、
ユーザの体の一部の接近を検知する人感検知センサと
を備え、
前記人感検知センサは、その検知領域が前記給紙口を向くように、前記搬送路を搬送されるシートの幅方向に向けて前記操作部に配置されたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
画像読取制御を行うための制御部と、
人が周囲に近づいたことを検知する人感検知部と、
電力の供給と停止をおこなうための電力供給部と、
交流電圧を直流電圧に変換した第1電源を出力する電源部と、
外部機器とのデータの通信および前記外部機器から供給される第2電源を受給するための通信部と
を備え、
前記電力供給部は、前記制御部に対し前記第1電源による電力供給と停止を行い、
前記人感検知部は、前記第2電源により駆動し、周囲に人が近づいたことを検知した場合、前記電力供給部に対して前記制御部へ前記第1電源の供給を行うように指示することを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人検知装置を備えた画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機やMFP(Multi Function Peripherals)と称される多機能デジタル複合機等の装置には、ユーザが近づいたことを検知するための人検知装置が備えられているものがある。
【0003】
特許文献2では、人検知装置が装置正面に検知領域を持つ場合が例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-103423号公報
【特許文献2】特許第5942724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
主に机上で使用される画像読取装置においても、消費電力を低減するために、人検知手段を用いた電力制御が望まれている。
【0006】
しかしながら、先行技術文献では以下の課題がある。特許文献2にあるように、人検知装置が装置正面側に検知領域を持つ場合、画像形成装置の近傍で常にユーザが存在していると、常に人を検知してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記を鑑み、本発明に係る画像読取装置は、
シートを載置する給紙トレイを装置の上面部に有する画像読取装置において、前記給紙トレイに載置されたシートを取り込む給紙口と、
ユーザの体の一部の接近を検知する人感検知センサと
を備え、
前記人感検知センサの検知領域は、前記給紙口の下流端を通る前記装置の設置面の法線と前記給紙トレイにおける載置面とで囲まれた領域を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像読取装置の給紙口部にシートをセットする際のユーザの手や腕を人感検知センサで読み取ることができ、ユーザが画像読取装置を操作する時のみ電源が入る構成にすることで、画像読取装置の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図14】第2の実施形態に係る画像読取装置の斜視図
【
図15】第2の実施形態に係る画像読取装置の上面図
【
図16】第2の実施形態に係る画像読取装置の正面図
【
図17】第2の実施形態に係る画像読取装置の回路ブロック図
【
図18】第2の実施形態に係る画像読取装置の他の上面図
【
図19】第2の実施形態に係る画像読取装置の他の正面図
【
図20】第2の実施形態に係る画像読取装置の他の斜視図
【
図21】第3の実施形態に係る周辺装置のブロック図
【
図22】第3の実施形態に係る周辺装置の電力状態の遷移を示す図
【
図23】第4の実施形態に係る周辺装置のブロック図
【
図24】第4の実施形態に係る周辺装置の電力状態の遷移を示す図
【
図25】第4の実施形態に係る周辺装置内の制御部による電源オフ制御の処理手順を示すフローチャート
【
図26】第5の実施形態に係る周辺装置のブロック図
【
図27】第5の実施形態に周辺装置の電力状態の遷移を示す図
【
図28】第5の実施形態に係る周辺装置内の制御部による電源オフ制御の処理手順を示すフローチャート
【
図29】第6の実施形態に係る周辺装置のブロック図
【
図30】第7の実施形態に係る周辺装置のブロック図の一例
【
図31】第7の実施形態に係る周辺装置のブロック図の一例
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態はシート材を1枚ずつ分離して画像を読取る画像読取装置を例として説明する。しかしながら、以下の実施形態に記載されている構成はあくまで実施例に過ぎず、本発明の範囲は実施形態に記載されている構成によって限定されることはない。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置の正面側から見た図である。
【0012】
より正確には、画像読取装置100の正面側に傾斜して設けられた正面パネル90に対して垂直な方向から見た図であり、装置を載置した状態における正面よりもやや上方から見た状態の図である。
【0013】
上部ユニット103は画像読取装置の搬送路を形成する上部側のユニットである。上部ユニット103には正面パネル90が設けられている。下部ユニットに対し回動可能に取り付けられている。
【0014】
正面パネル90には表示パネル93が設けられ、その内部には操作部83が設けられている。
【0015】
操作部83には、画像読取装置100の動作を開始するためのスタートキー、ストップキーなどが設けられ、操作部83に隣接するようにして表示部94が設けられている。
【0016】
また、上部ユニット103には正面天面部95が設けられている。上部ユニット103の正面天面部95(上面部)より奥側に複数のシートSが積載される載置台1(給紙トレイ)が設けられている。載置台1にはシートSの位置を規制するシート規制板96が設けられている。
【0017】
上部ユニット103の正面底部には排紙トレイ2が設けられている。上部ユニット103の正面天面部95には人を検知するための人感検知センサ301が設けられている。
【0018】
上部ユニット103の下部パネル91には排出開口92が設けられており、載置台1に積載されたシートSは排出開口92より排紙トレイ2に排出される構成となっている。
【0019】
<画像読取装置の内部構成説明>
図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置の内部構成を側面から見た断面図である。
【0020】
画像読取装置100は、載置台1に積載された一又は複数のシートSを1つずつ装置内に経路RTにて搬送して、その画像を読み取り、排出トレイ2に排出する装置である。
【0021】
シートSは、例えば、OA紙、チェック、小切手、名刺、カード類等のシートであり、厚手のシートであっても、薄手のシートであってもよい。カード類は、例えば、保険証、クレジットカード等を挙げることができる。また、パスポート等の冊子も含まれる。なお、冊子を対象とする場合は透明なホルダに見開き状態の冊子を収容して載置台1に載置することで、冊子がホルダと共に搬送され、その画像を読み取ることができる。
【0022】
<給紙>
経路RTに沿ってシートSを給送する給送機構としての第1搬送部10が設けられている。第1搬送部10は、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12とを備え、載置台1上のシートSを搬送方向D1に一つずつ順次搬送する。
【0023】
送りローラ11には、給紙駆動部3から伝達部5を介して駆動力が伝達され、図中矢印方向(経路RTに沿ってシートSを搬送させる正方向)に回転駆動される。なお、給紙駆動部3は例えばモータであり、伝達部5は例えば電磁クラッチであり、駆動部3からの送りローラ11への駆動力を断続する。
【0024】
<駆動部>
給紙駆動部3と送りローラ11とを接続する伝達部5は、通常時において駆動力が伝達される状態とし、シートSの逆送または停止する場合には駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部5により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。
【0025】
なお、このような伝達部5は、送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。
【0026】
<分離構造>
送りローラ11に対向配置される分離ローラ12は、シートSを1枚ずつ分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けると共に送りローラ11へ付勢されるように構成される。
【0027】
分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して給紙駆動部3から駆動力が伝達され、実線矢印方向(送りローラ11の正方向とは逆方向))に回転駆動される。
【0028】
分離ローラ12と送りローラ11と当接している際はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。これにより、複数のシートSが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、一つを残して2つ以上のシートSが下流に搬送されないようにせき止められる。
【0029】
なお、このような分離機構は必ずしも設けなくてもよく、経路RTにシートSを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離ローラ12のような構成の代わりに、シートSに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ11に圧接させて、同様の分離作用を持たせるようにしてもよい。
【0030】
<搬送構造>
第2搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを備える。また、第1搬送部10の搬送方向下流側にあり、第1搬送部10から搬送されてきたシートSをその下流方向へ搬送する。
【0031】
駆動ローラ21にはモータ等の搬送駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ22は駆動ローラ21に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ21に連れ回る。この従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢された構成としてもよい。
【0032】
第3搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に従動する従動ローラ32とを備える。また、第2搬送部20よりも搬送方向下流側にあり、第2搬送部20から搬送されてきたシートSを排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第3搬送部30は排出機構として機能する。
【0033】
駆動ローラ31にはモータ等の搬送駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ31に連れ回る。この従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ31に対して付勢された構成としてもよい。
【0034】
排出トレイ2は、画像読取装置100に対して摺動可能なように、画像読取装置100の下方に支持されている。また、第1の排出トレイ151及び第2の排出トレイ152とその先端側に接続された第1の延長トレイ153、第2の延長トレイ154とから構成されている。第1の延長トレイ153は第2の排出トレイ152に対して摺動可能に支持されており、第2の延長トレイ154は第1の延長トレイ153に対して摺動可能に支持されている。
【0035】
<重送検知構造>
第1搬送部10と第2搬送部20との間には重送検知センサ40が配置される。重送検知センサ40は、第1搬送部10を通過してきたシートSが重送状態(静電気等で紙等のシートS同士が密着してきた状態)の場合を検知するセンサである。
【0036】
重送検知センサ40としては、種々のものが利用可能である。本実施形態では超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備えている。紙等のシートSが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、シートSを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。なお、重送手段として超音波の他に光学センサを使った光学式、レバーを使った機械式などがある。
【0037】
<シート積載検知構造>
第1搬送部10の近傍かつ搬送方向上流側には、シート積載検知センサ311が配置される。シート積載検知センサ311は、シートSが積載台1上に積載されているかを検知する。詳細には、シート積載検知センサ311は第1搬送部10の近傍にシートSの端部が到達しているか否かを検知する。
【0038】
シート積載検知センサ311としては、種々のものが利用可能である。本実施形態の場合には光学センサであり、発光部と受光部とを備え、シートSが積載されることによる受光強度(受光量)が変化することを原理としてシートSを検出する。
【0039】
なお、このシート積載検知センサ311は、上記の光学センサに限定されず、例えば、シートSの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
【0040】
<画像読取位置検知構造>
重送検知センサ40の近傍かつ搬送方向下流側には、画像読取位置検知センサ50が配置される。画像読取位置検知センサ50は、第1搬送部10により搬送されるシートSの位置、詳細には、画像読取位置検知センサ50の検知位置にシートSの端部が到達又は通過したか否かを検知する。
【0041】
画像読取位置検知センサ50としては、種々のものが利用可能である。本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、シートSの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理としてシートSを検出する。
【0042】
なお、この画像読取位置検知センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、シートSの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
【0043】
なお、本実施形態では、第2搬送部20の搬送方向上流側に画像読取位置検知センサ50を配置したが、搬送方向下流側に画像読取位置検知センサ60を配置してもよい。画像読取位置検知センサ50、60を両方配置してもよい。
【0044】
<画像読取構造>
第2搬送部20と第3搬送部30との間には、画像読取センサ70が経路RTの両側に一つずつ配置される。画像読取センサ70は、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。
【0045】
なお、本実施形態ではシートSの表裏面を読み取るために、画像読取センサ70を経路RTの両側に一つずつ配置したが、経路RTの片側にのみ一つ配置して、シートSの片面のみを読み取る構成としてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、画像読取センサ70を経路RTの両側に対向配置した構造としているが、例えば、経路RTの方向に間隔をあけて配置してもよい。
【0047】
<人感検知構造>
上部ユニット103の正面天面部95には人を検知するための人感検知センサ301が設けられている。
【0048】
人感検知センサ301は、画像読取装置100にユーザの体の一部が接近したことを検知する。より詳細には、画像読取装置100にユーザの手が近づいたことを検知する。
【0049】
人感検知センサ301としては、種々のものが利用可能である。本実施形態の場合には焦電型赤外センサであり、人体などから発する熱(赤外線)の変化を検知する。
【0050】
図3は画像読取装置100を側面から見た図であり、人感検知センサ301の検知範囲を示す図である。
図3において矢印で示す装置の前後方向をX方向とする。人感検知センサ301の検知範囲は、鉛直方向を中心方向として
図3における左右対称に予め定められた角度(
図3では角度α1として表示)範囲となる。また検知距離をL1としている。この検知範囲としては、
図3に示す側面視において、給紙口の搬送方向下流端の位置を通る画像読取装置100の設置面の法線と載置台1の載置面とで囲まれる概略三角形状の領域内を含む。これにより、載置台1にシートSを載置するユーザの手が近づいたことを効率的に検知することが可能となる。また、より好ましくは、人感検知センサ301の検知範囲として、
図3に示す側面視において、給紙口の搬送方向下流端の位置を通る画像読取装置100の設置面の法線と載置台1の載置面と載置台1の上流端を通る画像読取装置100の設置面と平行な直線とで囲まれる三角形状の領域を含む。これにより、より効率的かつ確実に載置台1にシートSを載置するユーザの手が近づいたことを検知することが可能となる。
【0051】
図4は画像読取装置100を正面から見た図であり、人感検知センサ301の検知範囲を示す図である。
図4において矢印で示す装置の幅方向をY方向とする。人感検知センサ301の検知範囲は、鉛直方向を中心方向として
図4における左右対称に予め定められた角度(
図3では角度β1として表示)範囲となる。
【0052】
人感検知センサ301は上部ユニット103の正面天面部95に設けられており、
図4に示す画像読取装置100を正面から見て、給紙口のY方向における端部に対してやや内側(例えば、端部から前腕一本分の幅だけ内側)に配置されている。これはユーザが手でシートSを給紙口にもって来ることに対して、より感度を向上させることを目的にしている。
【0053】
<画像読取装置のブロック図>
図5は、本発明の第1の実施形態に係る電気的接続を示すブロック図である。
【0054】
画像読取装置100は、前述した給紙駆動部3、搬送駆動部4、伝達部5、重送検知センサ40、人感検知センサ301、画像読取センサ70、画像読取位置センサ50、シート積載検知センサ311、操作部83が搭載されている。
【0055】
また、上記以外にもUSB端子108、DC電源109、電圧変換回路281、電源SW回路282が搭載されている。
【0056】
制御部200は、CPU、マイコン等で構成され、装置全体の制御、演算、情報転送を司る。制御部200が行う制御として、画像読取制御(画像読取センサ70)、モータ駆動制御(給紙駆動部3、搬送駆動部4)、オン/オフ制御(伝達部5)等がある。また、制御部200内には通信部202とI/O部207を備えている。
【0057】
通信部202は、外部機器285と有線接続して情報通信を行う。通信規格としてはUSBやLAN、SCSI等を挙げることができる。
【0058】
I/O部207は、信号の入力検知と前述の各部への出力制御を行う。入力検知される信号は、操作部83のボタン入力、画像読取センサ70の出力電圧、重送検知センサの出力電圧、画像読取位置検知センサ50の出力電圧、シート積載検知センサ311の出力電圧、人感検知センサ301の出力電圧等がある。
【0059】
DC電源機器283は、画像読取装置100を駆動するために必要な直流電圧を機器に供給する。DC電源機器283には、商用電源を直流電圧に変換するACアダプタや外部電池、モバイルバッテリー等がある。
【0060】
なお、本実施形態では外部から画像読取装置100に接続されるDC電源機器283としたが、商用電源を画像読取装置まで供給し、装置内部で直流電圧に変換するAC/DC変換電源部を画像読取装置100に内蔵させても良い。
【0061】
DC電源端子109は、DC電源機器283から画像読取装置100に電力を供給するための電源線を接続するための接続端子である。
【0062】
電源SW回路282は、DC電源機器283から供給された直流電圧を機器内に供給する/しないを切り替えるためのオン/オフスイッチである。電源SW回路282がオンになることにより、電圧変換回路281、給紙動作部3、搬送駆動部4、伝達部5、重送検知センサ40に電源が供給される。
【0063】
電源SW回路282のオン/オフは人感検知センサ301の出力により制御される。人感検知センサ301が人を検知した場合には電源SW回路282をオンにし、検知しない場合は電源SW回路282をオフにする。
【0064】
電圧変換回路281は、電源SW回路282がオンになることにより、供給された電源を画像読取センサ70、画像読取位置検知センサ50、シート積載検知センサ311、操作部83、制御部200を駆動するために必要な電圧に変換するものである。
【0065】
人感検知センサ301の出力は制御部200のIO部207にも接続される。また、制御部200のIO部207からの出力が電源SW回路282にも接続される。人感検知センサ301で人を検知しない状態となっても、シート積載検知センサ311、あるいは画像読取位置検知センサ50がシートSを検知している間は電源SW回路282をオフにせず、画像読取を行い、所定の処理が終了後、電源SW回路282をオフにする。人感検知センサ301にはDC電源端子109からDC電源(Va1)が供給される。
【0066】
USB端子108は、外部機器285と画像読取装置100内の通信部202との間で画像情報などのデータの送受信を行うためのインターフェース用の接続端子である。画像読取装置100と外部機器285の接続はUSBケーブル284を介して接続される。
【0067】
USBケーブル284は機器同士を接続するケーブルであり、本実施形態では、画像読取装置100と外部機器285が持つUSB端子それぞれにUSBケーブル284を挿入することで機器同士の接続が行われる。
【0068】
外部機器285は、数値計算、情報処理、データ処理等、複雑な計算を高速、かつ大量に行う機器であり、パソコン、タブレット等の端末である。
【0069】
<画像読取の基本動作>
画像読取装置100の基本的な動作について説明する。制御部200は、外部機器からから画像読み取りの開始指示を受信すると、第1搬送部10から第3搬送部30の駆動を開始する。載置台1に積載されたシートSはその最も下に位置するシートSから1つずつ搬送される。
【0070】
また、画像読取センサ70による画像の読み取りを行うため、第2搬送部20及び第3搬送部30はシートSを定速で搬送する。加えて、先行シートSに後続シートSが追いついてしまう事態を確実に回避するため、搬送速度は常に第1搬送部10の搬送速度以上となるよう制御する。
【0071】
なお、第2搬送部20及び第3搬送部30によるシートSの搬送速度と、第1搬送部10によるシートSの搬送速度とを同一条件とした場合でも、駆動部3を制御して後続シートSの給送開始タイミングを間欠的にずらすことにより先行シートSと後続シートSとの間に最低限の間隔を形成することも可能である。
【0072】
シートSの先端が画像読取位置検知センサ50または60に到達すると、画像読取位置検知センサ50または60より検知信号が出力され、制御部200は読み取りのタイミングを計って画像読取センサ70による画像の読み取りが開始される。
【0073】
画像読取センサ70によって読み取られた画像データは、制御部200により、例えば、画像の読み取り指示を出した外部機器285へ送信される。
【0074】
<電力状態の遷移>
図6は本発明の第1の実施形態における画像読取装置100の状態遷移図である。
【0075】
画像読取装置100の電力状態としては、電源オフ状態(S101)、スタンバイ状態1(S102)、スタンバイ状態2(S103)、画像読取状態(S104)、キャリブレーション開始(S105)がある。
【0076】
電源オフ状態(S101)は、電源SW回路282がオフにされ、人感検知センサ301を除く画像読取装置100の全てのデバイスのDC電源機器283からの通電が遮断された状態である。人感検知センサ301は有効な状態であり、人感検知センサ301が人を検知した場合、キャリブレーション開始(S105)に遷移する。
【0077】
電源オフ状態(S101)へは、スタンバイ状態1(S102)からのみ遷移し得る。遷移条件としては、人感検知センサ301が人を検知しない場合である。
【0078】
キャリブレーション開始(S105)は、人感検知センサ301が動作すると、キャリブレーションを開始する。キャリブレーションが開始されると、スタンバイ状態1(S102)に遷移する。
【0079】
スタンバイ状態1(S102)は、画像読取装置100の制御部200が動作し、シート積載検知センサ311が有効な状態である。シート積載検知センサ311がシートを検知した場合、スタンバイ状態1(S102)からスタンバイ状態2(S103)に遷移する。
【0080】
スタンバイ状態2(S103)は画像読取を直ちに開始できる待機中の状態である。また、制御部200が動作している状態であり、基本的に画像読取装置100の全てのデバイスに電源が供給されている。ただし、復帰に時間がかからないデバイスに関してはデバイスの電力供給を停止しても良い。
【0081】
制御部200からの画像読取開始指示が有ると、スタンバイ状態2(S103)から画像読取状態(S104)に遷移する。
【0082】
画像読取状態(S104)は、画像読取装置100が画像読取状態を行っている状態である。シート積載検知センサ311でシート無しとなり画像読取処理が終了すると、画像読取状態(S104)からスタンバイ状態1(S102)へ遷移する。
【0083】
<動作フロー>
図7を用いて画像読取装置100の動作フローを説明する。DC電源機器283をDC電源端子109に接続することで画像読取装置100に電圧が印加される(S201)。
【0084】
電源オフ状態では電源SW回路282はオフ状態となっているが、人感検知センサ301には電圧が印可されており、人感検知センサ301は機能的に有効な状態となる(S202)。
【0085】
DC電源機器283がDC電源端子109から取り外されない状態(S203のNO)で、人感検知センサが人を検知した場合(S204のYES)スタンバイ状態1に遷移する(S205)。人感検知センサが人を検知しない場合(S204のNO)電源オフ状態(S202)を継続する。
【0086】
人感検知センサ301が動作すると、キャリブレーションを開始する(S212)。
【0087】
本実施形態のキャリブレーションは、シェーディング補正、光量調整、白補正、黒補正等の処理が一例として挙げられるが、処理を限定するものではない。
【0088】
スタンバイ状態1では電源SW回路282はオン状態となり、電圧変換回路281が動作することでシート積載検知センサ311に電圧が印可され、シート積載検知センサ311が有効な状態となる。
【0089】
シート積載検知センサ311が有効な状態でシート積載検知センサ311がシート有りを検知した場合(S206のYES)、スタンバイ状態2(S208)に遷移する。
【0090】
シート積載検知センサ311が有効な状態でシート積載検知センサ311がシート有りを検知しない場合で(S206のNO)、所定の時間経過しない場合(S207のNO)、スタンバイ状態1(S205)を継続する。所定の時間経過した場合(S207のYES)、電源オフ状態(S202)となる。
【0091】
スタンバイ状態2(S208)でシート読取開始指示が有る場合(S209のYES)、画像読取状態(S210)に遷移する。シート読取開始指示が無い場合(S209のNO)、スタンバイ状態2(S208)を継続する。
【0092】
画像読取状態(S210)で全てのシートの画像読取処理が終了した場合(S211のYES)、スタンバイ状態1(S205)に遷移する。全てのシートの画像読取処理が終了していない場合(S211のNO)、画像読取状態(S210)を継続する。
【0093】
スタンバイ状態1(S205)から電源オフ状態(S202)に遷移した後、DC電源機器283がDC電源端子109から取り外された場合(S203のYES)、終了となる。説明上このステップを設けているが、実際にはDC電源機器283が外されたことを検出する必要はなく、そのまま電源が遮断されてもよい。
【0094】
なお、スタンバイ状態1の最中に、カバーが開けられた場合には、キャリブレーションを停止する。カバーが閉じられたら、直前の処理を再開する。または、前回のキャリブレーションのデータを使う。
【0095】
<その他の人感検知センサ配置例>
本実施形態では人感検知センサ301を上部ユニット103の正面天面部95に設けている。しかし、人感検知センサ301を上部ユニット103の正面天面部95以外に配置してもよく、その他の配置例に関して図を用いて説明する。
【0096】
図8は画像読取装置100を側面から見た図であり、人感検知センサ301を、より載置台1に近い給紙面部97に配置した例である。人感検知センサ301の検知範囲は、載置台1の載置面と平行な方向を中心方向として前後それぞれに予め定められた角度(
図8では角度α1とγ1として表示)範囲となる。このように配置することで、載置台1に近づく人の手や腕の動作を検知できるようになる。
【0097】
本実施形態では上部ユニット103に正面天面部95を有する場合に関して説明した。しかし、正面天面部95が存在しない場合も有る。そのような場合における人感検知センサ301の配置例に関して、図を用いて説明する。
【0098】
図9は画像読取装置100を側面から見た図であり、正面天面部95が無い態様の例である。上部ユニット401には正面天面部が無く、正面パネル402と給紙面部403は略直角に交わるようにデザインされている。人感検知センサ301は上部ユニット401の正面パネル402と給紙面部403の交わる部分に配置されている。人感検知センサ301の検知範囲は、鉛直方向を中心方向として予め定められた角度(
図9では角度α2として表示)範囲となる。検知距離はL3としている。このように配置することで、載置台1に近づく人の手や腕の動作を検知できるようになる。
【0099】
図10は他の態様に係る画像読取装置100を側面から見た図であり、上部ユニット401には正面天面部が無く、正面パネル402と給紙面部403は略直角に交わるようにデザインされている。人感検知センサ301は上部ユニット401の給紙面部403に配置されている。人感検知センサ301の検知範囲は、載置台1の載置面と平行な方向を中心方向として前後それぞれに予め定められた角度(
図10では角度α2とβ2として表示)範囲となる。このように配置することで、載置台1に近づく人の手や腕の動作を、検知できるようになる。
【0100】
図11は他の態様に係る画像読取装置100を側面から見た図であり、正面天面部95が無いデザインの例である。上部ユニット411には正面天面部が無く、正面パネル412は曲面であり、給紙面部413とは略直角に交わるようにデザインされている。人感検知センサ301は上部ユニット411の正面パネル412と給紙面部413の交わる部分に配置されている。人感検知センサ301の検知範囲は、中心方向に対して予め定められた角度(
図11では角度α3として表示)範囲となる。検知距離はL5としている。このように配置することで、載置台1に近づく人の手や腕の動作を検知できるようになる。
【0101】
図12は他の態様に係る画像読取装置100を側面から見た図であり、正面天面部95が無い態様の例である。上部ユニット411には正面天面部が無く、正面パネル412は曲面であり、給紙面部413が載置台1の載置面とは略直角に交わるようにデザインされている。人感検知センサ301は上部ユニット411の給紙面部413に配置されている。人感検知センサ301の検知範囲は、載置台1の載置面と平行な方向を中心方向として予め定められた角度(
図12では角度α3とβ3として表示)範囲となる。このように配置することで、載置台1に近づく人の手や腕の動作を検知できるようになる。
【0102】
ここで、人感検知センサ301に用いる焦電型赤外センサにはエレメントの数による種類がある。例えば、焦電型赤外センサのエレメントが2個のタイプと4個のタイプがある。エレメントが2個の場合、2個のエレメントの並んでいる方向に移動する人を検知できる。エレメントが4個の場合、4個のエレメントの並んでいる方向に移動する人を検知できる。つまり、4個のエレメントの焦電型赤外センサの方が複雑な動きを検知できる。しかし、エレメントの数が増えるほど一般的にコストは高くなる。そこで、エレメントの数の少ない2個のタイプでも使えるようにするのが望ましい。
【0103】
図13は2個のエレメントで構成された人感検知センサ301を用いた場合の検知範囲を示している。2個のエレメントは画像読取装置100の正面から見て前後に配置されるように構成することで、画像読取装置100の正面から人がシートSを持って載置台1へセットする動作を検知できる。
【0104】
この場合、
図4においてY方向の検知範囲として示した角度β1に比べ、
図13ではY方向の検知範囲は角度ε1で示された範囲となっており、狭くなることがある。この場合でもX方向の検知範囲はα1で示された範囲となっており、変わりはない。2個のエレメントが画像読取装置100の正面から見て前後に配置されるように構成すれば、人感検知センサ301を用いた画像読取装置100を安価に構成することが出来る。
【0105】
人感検知センサ301の検知距離と範囲に関しては、画像読取装置100の大きさやデザイン、ユーザの要望に応じて適時設定すればよく、上述した検知距離や範囲は画像読取装置100の大きさに対する人感検知センサ301の検知距離を限定するものではない。
【0106】
本実施形態では人感検知センサ301として焦電型赤外センサを用いた例をしたが、センサの種類を限定するものではない。例えば超音波センサを用いた人感検知センサを用いてもよい。
【0107】
本実施形態では人感検知センサ301として1つの焦電型赤外センサを用いた例をしたが、画像読取装置1つに対してのセンサの個数を限定するものではない。例えば、
図3と
図8で図示したセンサの配置を1つの画像読取装置に実施してもよい。
【0108】
本実施形態では電源SWを設けない例として説明している。しかし、電源SWを設けるようにしてもよい。電源SWを設ける場合、電源SWをユーザが最初に押下するまでは人感検知センサが動作しない構成とし、ユーザが電源SWを押下し、所定の時間経過後、人感検知センサにのみ通電して待機するような構成とすることが出来る。
【0109】
本実施形態ではキャリブレーションは、シェーディング補正、光量調整、白補正、黒補正等と例としたが、画像読取用のセンサのみに限定するものではない。例えば、給紙駆動部のオフセット調整に用いてもよい。
【0110】
以上説明したように、人感検知センサ301を上部ユニット103に設け、本実施形態に示すように検知領域を設けることで、画像読取装置100の載置台1にシートSをセットするユーザの手の動作、あるいは、載置台1のシート規制板96を操作する際のユーザの手の動作を人感検知センサ301で検知することができる。
【0111】
ユーザの手の動作を検知することで、ユーザが画像読取装置100を操作する時のみ電源が入る構成にすることができる。これにより、画像読取装置100の消費電力をより低減することができる。
【0112】
また、人感検知センサ301を上部ユニット103に設け、本実施形態に示すように検知領域を設けることで、画像読取装置100の近傍の席などに常にユーザが存在していたとしても、画像読取装置100を使用しない場合は画像読取装置100の電源が入らないので、より電力消費を低減できる。
【0113】
より確実に電力消費を低減するために、人感検知センサ301の検知距離と範囲に関しては、画像読取装置100の大きさやデザイン、ユーザの要望に応じて適時設定すればよく、図示した検知距離は画像読取装置100の大きさに対する人感検知センサ301の検知距離を限定するものではない。
【0114】
さらに、従来はシート積載センサ311で赤外光を受発光することで原稿を検知することで原稿を検知することもできた。しかし、本実施形態によれば、赤外光の受発光から焦電型センサにすることで、赤外の発光が不要となり、省電力化を達成できる。
【0115】
シート積載センサ311がシートを検知している場合には、人感検知センサ301をオフすることで、より消費電力を削減できる。
【0116】
画像読取装置100は上部ユニット103を開閉できる。人感検知センサ301は上部ユニット103に設けられているため、上部ユニット103が開けられると人の検知範囲が変わり、近傍の人を検知しやすくなってしまう。そのため、上部ユニット103を開けているときは人の検知を停止するように制御してもよい。
【0117】
人の検知を停止することで、キャリブレーションを停止することや、シート積載センサ311の検出を停止することができる。これにより、より消費電力を低減できる。
【0118】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態とその基本的な思想を共通としており、基本的な構成は同様である。以下の説明においては、第1の実施形態と共通の部分については同じ符号を用いるともにその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0119】
図14に、本実施形態に係る画像読取装置500の斜視図を示す。本実施形態においては、U字状の搬送路を設けている、いわゆるUターンパスの搬送路を有する画像読取装置である。本実施形態においては、人感検知センサ301を、給紙部の側面に配置している。
図14に示すように人感検知センサ301はシート規制板551に遮蔽されない位置に配置するのが望ましい。さらには原稿台501が最も上昇してもシート規制板551、あるいは原稿束Fに遮蔽されない位置に配置するのが望ましい。
【0120】
図15は画像読取装置500の上面図である。
図15においても、装置の前後方向をX方向として矢印で示している。
図15では人感検知センサ301の検知範囲扇形の図形で示している。
図15の人感検知センサ301の検知範囲は、図中左右方向を中心方向としてX方向の前後にそれぞれ予め定められた角度(
図15では角度α1とγ1として表示)範囲となる。
【0121】
また、
図16は画像読取装置500の正面図である。
図16は検知センサ301の検知範囲を示している。
図16においても、装置の幅方向をY方向として矢印で示している。
図16の人感検知センサ301の検知範囲は、Y方向を中心方向として上下に向けて予め定められた角度(
図16では角度α1とγ2として表示)範囲となる。このように配置することで、原稿台501への人の動作を、検知できるようになる。
【0122】
<画像読取装置500のブロック図>
図17は、本実施形態に係る電気的接続を示すブロック図である。画像読取装置500は、原稿台駆動モータ502、ピックアップ駆動モータ505、給送モータ508、分離モータ509、搬送モータ510、ニップ隙間調整モータ511、レジストクラッチ519で構成されている。
【0123】
また、上記以外にもUSB端子108、DC電源端子109、電圧変換回路281、電源SW回路282が搭載されている。
【0124】
制御部200は、CPU、マイコン等で構成され、装置全体の制御、演算、情報転送を司る。制御部200が行う制御として、画像読取制御(画像読取センサ43)、モータ駆動制御(原稿台駆動モータ502、ピックアップ駆動モータ505、給送モータ508、分離モータ509、搬送モータ510、ニップ隙間調整モータ511)、オン/オフ制御(レジストクラッチ519)等がある。また、制御部200内には通信部202とI/O部207を備えている。
【0125】
通信部202は、外部機器285と有線接続して情報通信を行う。通信規格としてはUSBやLAN、SCSI等を挙げることができる。
【0126】
I/O部207は、信号の入力検知と出力制御を行う。入力検知される信号は、操作部83のボタン入力、画像読取センサ43の出力電圧、各種センサ(原稿台原稿検知センサ501A、ホームポジションセンサ501B、給紙位置原稿検知センサ503、給送前センサS1、給送後センサS2、レジスト前センサS3、レジスト後センサS4、原稿排出センサ516等)の出力電圧がある。
【0127】
DC電源機器283は、画像読取装置500を駆動するために必要な直流電圧を機器に供給する。DC電源機器283には、商用電源を直流電圧に変換するACアダプタや外部電池、モバイルバッテリー等がある。
【0128】
なお、本実施形態では外部から画像読取装置500に接続されるDC電源機器283としたが、商用電源を画像読取装置まで供給し、装置内部で直流電圧に変換するAC/DC変換電源部を画像読取装置500に内蔵させても良い。
【0129】
DC電源端子109は、DC電源機器283から画像読取装置500に電力を供給するための電源線を接続するための接続端子である。
【0130】
電源SW回路282は、DC電源機器283から供給された直流電圧を機器内に供給する/しないを切り替えるためのオン/オフスイッチである。電源SW回路282がオンになることにより、電圧変換回路281や上述した各種モータとクラッチに電源が供給される。
【0131】
電源SW回路282のオン/オフは人感検知センサ301の出力により制御される。人感検知センサ301が人を検知した場合には電源SW回路282をオンにし、検知しない場合は電源SW回路282をオフにする。
【0132】
電圧変換回路281は、電源SW回路282がオンになることにより、供給された電源を、上述した各センサ、画像読取センサ43、操作部83、制御部200を駆動するために必要な電圧に変換するものである。
【0133】
人感検知センサ301の出力は制御部200のIO部207にも接続される。また、制御部200のIO部207からの出力が電源SW回路282にも接続される。人感検知センサ301で人を検知しない状態となっても、原稿台原稿検知センサ1A、給紙位置原稿検知センサ3、あるいは給送前センサS1、給送後センサS2、レジスト前センサS3、レジスト後センサS4、原稿排出センサ16がシートSを検知している間は電源SW回路282をオフにせず、画像読取を行い、所定の処理が終了後、電源SW回路282をオフにする。人感検知センサ301にはDC電源端子109からDC電源(Va1)が供給される。
【0134】
USB端子108は、外部機器285と画像読取装置500内の通信部202との間で画像情報などのデータの送受信を行うためのインターフェース用の接続端子である。画像読取装置500と外部機器285の接続はUSBケーブル284を介して接続される。
【0135】
USBケーブル284は機器同士を接続するケーブルであり、本実施例では、画像読取装置500と外部機器285が持つUSB端子それぞれにUSBケーブル284を挿入することで機器同士の接続が行われる。
【0136】
外部機器285は、数値計算、情報処理、データ処理等、複雑な計算を高速、かつ大量に行う機器であり、パソコン、タブレット等の端末である。
【0137】
図18は画像読取装置500の上面図である。
図18では人感検知センサ301に追加して人感検知センサ302を追加している。人感検知センサ302は人感検知センサ301と対向する給紙口の側面に設けている。追加された人感検知センサ302の検知範囲は、中心方向に対して予め定められた角度(
図18では角度α1とγ1として表示)範囲となる。また検知距離をL2としている。
【0138】
図19は
図18の場合の画像読取装置100の正面図である。追加された人感検知センサ302の検知範囲は、中心方向に対して予め定められた角度(
図19では角度α1とγ2として表示)範囲となる。
【0139】
このように配置することで、人感検知センサ301と人感検知センサ302の検知範囲に重なる領域を設けることができるので、原稿台501への人の動作を、より検知できるようになる。例えば最初は人感検知センサ301だけ人を検知し、その後人感検知センサ301と人感検知センサ302が同時に人を検知することで人の動作をより正確に検知することができるようになる。
【0140】
図20は画像読取装置の別の形態を示す斜視図である。画像読取装置の操作部83の位置や給紙部の形状が異なっている。
図20に示すデザインの場合、人感検知センサ301を、給紙部の側面に配置するのが望ましい。また、人感検知センサ301はシート規制板551に遮蔽されない位置に配置するのが望ましい。さらには原稿台1が最も上昇してもシート規制板551、あるいは原稿束Fに遮蔽されない位置に配置するのが望ましい。
図20では人感検知センサ301を1つ設けた例を示しているが、複数設けるようにしてもよい。
【0141】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、上記実施形態とその基本的な思想を共通としており、基本的な構成は同様である。以下の説明においては、上記実施形態と共通の部分については同じ符号を用いるともにその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0142】
本実施形態に係る画像読取装置600は、自機の電力モード(後述の電源オフ状態S401、スタンバイ状態S402、画像読取状態S403など)に関わらず、ユーザが装置を未使用の場合に人感センサの電力消費を低減するものである。
【0143】
<周辺装置のブロック図>
図21は、本発明の第1の実施形態に係る電気的接続を示すブロック図である。 USB端子108は、外部機器285と周辺装置100内の通信部202との間で画像情報などのデータの送受信を行うためのインターフェース用の接続端子である。また、外部機器285からUSB電源Vuも供給される。周辺装置と外部機器285の接続はUSBケーブル284を介して接続される。
【0144】
<電力状態の遷移>
図22は、本発明の第1の実施形態における画像読取装置600の電力状態の遷移を示す図である。なお、電力状態の遷移を矢印で示している。
【0145】
画像読取装置600の電力状態としては、電源オフ状態S401、スタンバイ状態S402、画像読取状態S403がある。
【0146】
電源オフ状態S401は、電源SW回路282がオフにされ、人感検知センサ301を除く画像読取装置600の全てのデバイスのDC電源機器283からの通電が遮断された状態である。なお、DC電源機器283などデバイスにより、消費電力が異なるので、消費電力を一様に表すことができないが、便宜上、消費電力を0.5W未満としている。
【0147】
電源オフ状態S401へは、スタンバイ状態S402、画像読取状態S403から遷移し得る。遷移条件としては、人感検知センサ301による人の検知がない場合である。
【0148】
ここで、人感検知センサ301は外部機器から供給されるUSB電源Vuを使用している。そのため、外部機器とUSBケーブル284を介して接続していない場合や外部機器が動作していない場合などは、USB電源Vuが画像読取装置600に供給されていないため、人感検知センサ301は人を検知した出力は行えない。これにより電源オフ状態S401へ遷移するため、外部機器と連動して電源がOFFされた状態となる。
【0149】
スタンバイ状態S402は、画像読取装置600の制御部200が動作し、画像読取を直ちに開始できる待機中の状態である。また、制御部200が動作している状態であり、基本的に周辺装置100の全てのデバイスに電源が供給される。ただし、復帰に時間がかからないデバイスに関してはデバイスの電力供給を停止してもよい。なお、制御部200などデバイスにより消費電力が異なるので、消費電力を一様に表すことができないが、便宜上、消費電力を3W未満としている。
【0150】
スタンバイ状態S402へは、画像読取状態S403、電源オフ状態S401から遷移し得る。画像読取状態S403からの遷移条件は画像読取処理が終了することであり、電源オフ状態S401からの遷移条件は人感検知センサ301による人の検知がある場合である。
【0151】
ここで、人感検知センサ301は外部機器から供給されるUSB電源Vuを使用しているため、外部機器との画像読取装置600が接続されていない場合は、仮に画像読取装置600の付近に人が存在しても検知出力はされない。そのため、厳密な遷移条件としてはUSB電源Vuが人感検知センサ301へ供給され、かつ人感検知センサ301による人の検知がある場合となる。
【0152】
画像読取状態S403は、画像読取装置600が画像読取状態を行っている状態である。なお、画像を読み取るサイズ・幅などデバイスにより消費電力が異なるので、消費電力を一様に表すことができないが、便宜上、消費電力を50W未満としている。
【0153】
画像読取状態S403へはスタンバイ状態S402のみから遷移し得る。遷移条件は、外部機器から画像読み取りの開始指示がされた場合である。
【0154】
以上のように、本実施形態では、人感検知センサ301で画像読取装置600の電源のオン・オフを行い、かつ使用される電源を外部機器から供給されるUSB電源Vuとしている。これにより画像読取装置600の電源は、人が装置近辺にいるときでかつ外部装置が接続されているときのみという、実際にユーザが画像読取装置600を使用するときのみ電源が入る構成になっている。これにより、画像読取装置600の電力を低減することができる。
【0155】
加えて、画像読取装置のような、実際の動作を行うまでの時間が少ない装置において電力を極力低減することができる。
【0156】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態は、第3の実施形態とその基本的な思想を共通としており、基本的な構成は同様である。以下の説明においては、上記実施形態と共通の部分については同じ符号を用いるともにその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。本実施形態に係る画像読取装置700は、電源オフ状態の遷移に制御部200からの判断を加えたものである。
【0157】
<周辺装置のブロック図>
本実施形態での電気的接続を示すブロック図について
図23に基づき説明する。本実施形態の画像読取装置700の構成は
図22のブロック図に対し、OR接続回路701を追加し、電源SW回路218のオン・オフの制御を人感検知センサ301または制御部200で行えるようにしたものである。
【0158】
さらに、人感検知センサ301の出力を制御部200にも入力するよう変更したものである。
【0159】
OR接続回路501は2個以上の入力端子と1個の出力端子をもち、1個以上の入力端子に信号が加えられると、出力端子に出力信号が現れる。これにより、人感検知センサ301の出力または制御部200の出力がある場合に、電源SW回路282はSWがオンされ、DC電源機器283から供給されている直流電圧Va1が電源SW回路282を介して装置内部に供給される。
【0160】
なお、制御部200は電源オフ状態の遷移するための判断条件を満たすと、制御部200はOR接続回路501へ出力停止する。
【0161】
ここで、制御部200が電源オフ状態への遷移するための判断条件は、内部デバイスからの信号出力、外部機器285からの通信がそれぞれ一定時間なかった場合などで判断する。
【0162】
また、内部デバイスとは、操作部83、人感検知センサ301、原稿検知センサ311、原稿読取位置センサ50、画像読取センサ70、重送検知センサ70など、制御部200へ信号出力を行っているデバイスである。
【0163】
<電力状態の遷移>
本実施形態での画像読取装置の電力状態の遷移について
図24に基づき説明する。画像読取装置700の電力状態としては、電源オフ状態S601、スタンバイ状態S602、画像読取状態S603がある。また、各電力の状態(動作の状態・消費電力など)は第3の実施形態と同様となる。
【0164】
電源オフ状態S601へは、スタンバイ状態S602のみから遷移し得る。遷移条件としては、人感検知センサ301による人の検知がない場合、かつ、制御部200からの電源オンの出力がない場合である。
【0165】
なお、第3の実施形態では画像読取状態S603から電源オフ状態S601の遷移が可能であったが、本実施形態では制御部200から電源オンの信号を出力することで電源オフ状態S601への遷移を行わないようにしている。
【0166】
スタンバイ状態S602へは、画像読取状態S603、電源オフ状態S601から遷移し得る。画像読取状態S603からの遷移条件は画像読取処理が終了すること、電源オフ状態S601からの遷移条件は人感検知センサ301による人の検知がある場合である。
【0167】
画像読取状態S603へはスタンバイ状態S602のみから遷移し得る。遷移条件は、外部機器からから画像読み取りの開始指示がされた場合である。
【0168】
<電源オフの処理手順>
図25は本実施形態に係る画像読取装置700の制御部による電源オフ制御の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態では一定時間taに亘って、制御部200に外部からの操作やセンサなどの入力がない場合に電源をオフし、それに対応したフローチャートになっている。
【0169】
ユーザが外部機器と接続された状態の画像読取装置700に近づくと、人感検知センサ301が検知信号を出力し、それにより電源SW回路208のスイッチがオンすることで、各デバイスに電源が供給される。また、各デバイスに電源が供給される際に制御部200も起動する(スタート)。
【0170】
電源が供給されたことで制御部200が起動すると、制御部200は制御部200内にあるIO部207より電源オンを維持するための信号をOR接続回路501へ出力する。(ステップ701)これにより、人感検知センサ301による人感検知出力がなくても電源SW回路282がオンの状態を維持する。
【0171】
ステップ701にて制御部200は電源オンの信号を出力すると、一定時間taが経過したかをカウントするためのタイマAの残り時間を一旦クリアし、電源をオフするまでの設定時間からカウントを開始する(ステップ702)。
【0172】
ステップ702の次に制御部200は、現在の電源の遷移状態が画像読取状態S603であるか判定する(ステップ703)。
【0173】
ステップ703で制御部200が画像読取状態S603である場合(ステップ703でYes)、ステップ702にてタイマAのカウントをクリアし、電源をオフするまでの設定時間からカウントを開始する。
【0174】
ステップ703で制御部200が画像読取状態S603でない場合(ステップ703でNo)、制御部200は、人感検知センサ301の出力があるかを判定する(ステップ704)。
【0175】
ステップ704で制御部200は、人感検知センサ301からの出力があると判定した場合(ステップ704でYes)、電源オフするための残り時間を一旦クリアし、電源をオフするまでの設定時間からカウントを開始する。
【0176】
ステップ704で制御部200は、人感検知センサ301からの出力がないと判定した場合(ステップ704でNo)、制御部200は、画像読取装置700内部のデバイス (画像読取位置検知センサ50、原稿積載検知センサ311、操作部83) からの入力があるかを判定する(ステップ705)。
【0177】
ステップ705で制御部200は、画像読取装置700内部のデバイスからの入力があったと判定した場合(ステップ705でYes)、ステップ702にて電源オフするための残り時間を一旦クリアし、電源をオフするまでの設定時間からカウントを開始する。
【0178】
ステップ705で画像読取装置700内部のデバイスからの入力がないと判定した場合(ステップ705でNo)、制御部200は、電源オフするまでの一定時間が経過しているかを判定する(ステップ706)。
【0179】
ステップ706で制御部200は、電源オフするまでの一定時間taが経過していないと判定した場合(ステップ706でNo)、制御部200は、現在の電源の遷移状態が画像読取状態S603であるか判定する(ステップ703)。
【0180】
ステップ706で制御部200は、電源オフするまでの一定時間taが経過していると判定した場合(ステップ706でYes)、制御部200は制御部200内にあるIO部207からの電源オンの信号を停止する(ステップ707)。
【0181】
ステップ707にて制御部200は電源オンの信号を停止し、人感検知センサ301による人感検知出力が無い場合は、電源SW回路282がオフ状態となる。これにより、機器の電源が遮断される(エンド)。
【0182】
なお、本実施形態では制御部200はOR接続回路501への電源オンの信号を停止するまでの時間を画像読取装置700内部のデバイス (画像読取位置検知センサ50、原稿積載検知センサ311、操作部83)のどの入力信号があっても一律一定とした。しかし、各デバイスで時間を変更しても良い。
【0183】
また、本実施形態では制御部200は画像読取装置700内部のデバイス (画像読取位置検知センサ50、原稿積載検知センサ311、操作部83)どの入力信号があっても、ステップ702に戻りタイマカウントをクリアするようになっているが、デバイスによってはタイマカウントをクリアしないように変更しても良い。
【0184】
以上のように、本実施形態では、電源オフ状態の遷移に制御部200からの判断を加えたものである。これにより、ユーザが画像読取装置から少しの時間、離れる場合でも電源を維持することができる。これにより、画像読取装置700の電力を低減しつつ、必要に応じて画像読取装置700の電源オン・オフを行うことができる。
【0185】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態は、第3の実施形態とその基本的な思想を共通としており、基本的な構成は同様である。以下の説明においては、上記実施形態と共通の部分については同じ符号を用いるともにその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。本実施形態に係る画像読取装置は、外部機器との接続がない状態でも、ユーザの操作による電源オンが行え、かつ、人感検知センサによる電源オフが行える構成を加えたものである。
【0186】
<周辺装置のブロック図>
次に本実施形態での電気的接続を示すブロック図について
図26に基づき説明する。
【0187】
本実施形態の画像読取装置800の構成は
図23のブロック図に対し、ダイオードアレイ回路801を追加し、人感検知センサ301を動作させるためのセンサ電源VdにUSB電源Vuまたは、DC電源電圧Vcを供給できるようにしたものである。
【0188】
また、電源ボタン802、レベル変換回路803を追加し、電源ボタンの出力はOR接続回路501または、レベル変換回路803を介して制御部200内のIO部207に入力される。
【0189】
ダイオードアレイ回路801は電流を一方向のみに流すための整流部を複数個備えた回路である。この回路により電流の向きはUSB電源Vuからセンサ電源Vdの向き、DC電源電圧Vcからセンサ電源Vdの向きのみに制限される。
【0190】
また、本実施形態ではDC電源電圧Vcより、USB電源Vuが高い構成になっており、双方から電源が供給される場合は電圧が高いUSB電源Vuが供給された状態となっている。
【0191】
以上の構成により電源SW回路282がオンされれば、DC電源電圧Vcから人感検知センサ301へ電源が投入されるため、外部機器との接続がなくても画像読取装置800単体でも機器の電源が入ったままにすることができる。
【0192】
電源ボタン802はユーザが機器の電源をオン・オフ操作するためのボタンである。なお、本実施形態では操作部83の上部に設けられている。
【0193】
レベル変換回路803は、電源ボタン802から出力される信号の電圧を制御部200で使用しているDC電源電圧Vcに変換する回路である。
<電力状態の遷移>
【0194】
本実施形態での周辺装置の電力状態の遷移について
図27に基づき説明する。画像読取装置800の電力状態としては、電源オフ状態S901、スタンバイ状態S902、画像読取状態S903がある。また、各電力の状態(動作の状態・消費電力など)は第3および第4の実施形態と同様となる。
【0195】
電源オフ状態S901へは、スタンバイ状態S902のみから遷移し得る。遷移条件としては、人感検知センサ301による人の検知がない場合、かつ、制御部200からの電源オンの制御指示がない場合である。
【0196】
スタンバイ状態S902へは、画像読取状態S903、電源オフ状態S901から遷移し得る。遷移条件は、画像読取状態S903については画像読取処理が終了すること、電源オフ状態S901については電源ボタン802がユーザにより押下された場合、または人感検知センサ301による人の検知がある場合である。なお、人感検知センサ301による人の検知には、外部機器と画像読取装置800がUSBケーブル284で接続され、USB電源Vuが供給されていることが必要となる。
【0197】
画像読取状態S903へはスタンバイ状態S902のみから遷移し得る。遷移条件は、外部機器285からから画像読み取りの開始指示がされた場合である。
【0198】
<電源オフの処理手順>
図28は本発明の一実施形態に係る画像読取装置の制御部による電源オフ制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0199】
なお、本実施形態は第4の実施形態にユーザが電源ボタン802を押下した際の処理を加えたものである。そのため、電源ボタン802を押下した際の電源オフ制御の処理手順の追加部分のみを説明する。
【0200】
ステップ703で制御部200が画像読取状態S903でない場合(ステップ703でNo)、制御部200は、電源ボタン802が押下されているかを判定する。(ステップ731)
【0201】
ステップ731で制御部200は、電源ボタン802が押下されていると判定した場合(ステップ731でYes)、電源ボタン802が押下されている時間を計測するためのタイマBのカウントを開始する(ステップ732)。
【0202】
ステップ731で制御部200は、電源ボタン802が押下されていないと判定した場合(ステップ731でNo)、タイマBのカウント値をクリアして、タイマBを停止する(ステップ733)。
【0203】
ステップ732で制御部200がタイマBのカウントを開始させ、タイマBによるカウント値が一定時間tb以上経過したかを判定する(ステップ734)。
【0204】
ステップ734で制御部200は、タイマBによるカウント値が一定時間tb以上経過していないと判定した場合(ステップ734でNo)、制御部200は、電源ボタン802が押下されているかを判定する。
【0205】
ステップ734で制御部200は、タイマBによるカウント値が一定時間tb以上経過していると判定した場合(ステップ734でYes)、制御部200は制御部200内にあるIO部207からの電源オンの信号を停止する(ステップ707)。
【0206】
以上のように、本実施形態では、外部機器との接続がなくても画像読取装置800の電源オンがユーザの操作により行え、かつ、人感検知センサによる電源オフが行える。これにより、機器のメンテナンスを実施する際など、外部機器なしで単独で動作をさせることができ、かつ必要に応じて周辺装置の電源オン・オフが行うことができる。
【0207】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態は、第5の実施形態とその基本的な思想を共通としており、基本的な構成は同様である。以下の説明においては、上記実施形態と共通の部分については同じ符号を用いるともにその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。本実施形態に係る画像読取装置は、外部機器に連動した電源オン・オフを行うことについてユーザが連動する・しないを切り替えられる構成にしたものである。
【0208】
<周辺装置のブロック図>
次に本実施形態での電気的接続を示すブロック図について
図29に基づき説明する。
【0209】
本実施形態の周辺装置の構成は
図26のブロック図に対し、ダイオードアレイ回路801を電源切替回路901に変更し、人感検知センサ301を動作させるためのセンサ電源VdにUSB電源Vuまたは、DC電源電圧Vcどちらかがを供給できるようにしたものである。
【0210】
電源切替回路901は人感検知センサ301を動作させるためのセンサ電源VdにUSB電源Vuまたは、DC電源電圧Vcどちらかを供給させるための回路であり、レバーを横にスライドさせることで回路の接続を切り替えるスライドスイッチなどで構成される。
【0211】
電源切替レバー902はユーザが周辺装置100上で操作できるレバーである。このレバーの動きに連動して、電源切替回路901上のスライドスイッチが動作し、センサ電源Vdに供給する電圧がUSB電源Vuまたは、DC電源電圧Vcに決まる。
【0212】
以上のように、本実施形態では、外部機器に連動して電源オン・オフを行うか否かをユーザが選択することができる。これにより、ユーザは使用用途や状況により、機器の電力を低減することができる。
【0213】
(第7の実施形態)
以下、本発明の第7の実施形態について説明する。本実施形態は、第5の実施形態とその基本的な思想を共通としており、基本的な構成は同様である。以下の説明においては、上記実施形態と共通の部分については同じ符号を用いるともにその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。本実施形態に係る画像読取装置は、画像読取装置1000を駆動するために必要な直流電圧(電圧Va2)を生成する電源部を装置内に内蔵したものである。
【0214】
<周辺装置のブロック図>
本実施形態での電気的接続を示すブロック図について
図30、31に基づき説明する。
【0215】
本実施形態の画像読取装置の構成の一例として
図30のブロック図を用いて説明する。
【0216】
図30の構成は
図23のブロック図に対し、DC機器電源機器283、DC電源端子109を商用電源910、AC/DC変換電源部911に変更することにより、画像読取装置1000を駆動するために必要な直流電圧を生成する機能を機器内部に取り込んだ構成となっている。
【0217】
また、OR接続回路501よりAC/DC変換電源部911へのオン・オフの制御を行うことにより、電源SW回路282を削除したものである。
【0218】
商用電源910は一般的な家庭やオフィスに供給される交流の電源である。
【0219】
AC/DC変換電源部911は、商用電源910から供給された交流電圧を直流電圧に変換するものである。 また、本実施形態では外部(OR接続回路501)から制御端子へ信号を入力することにより、AC/DC変換電源部911がオン・オフすることできるような構成となっている。
【0220】
本実施形態の画像読取装置の構成の他の一例として
図31のブロック図で説明する。
【0221】
図31の構成は
図30のブロック図に対し、商用電源からの電力供給のオン・オフを行う構成を追加したものである。
【0222】
電源SW912は、商用電源910から供給される交流電圧を画像読取装置1000内に供給する・供給しないを切り替えるためのものである。
【0223】
メカニカルリレー913は、コイルに電流を流すことで磁力が発生し、その力で電源SW912をオン・オフさせるものである。また、メカニカルリレー913の制御はOR接続回路501の出力信号により行われる。
【0224】
以上のように、本実施形態では、装置を駆動するために必要な直流電圧を生成する電源部を機器内部に取り込んだ構成とし、電源部をオン・オフすることでスイッチ回路を削除したことにより、スイッチ回路の損失がなくなり機器の電力をさらに低減することができる。
【0225】
また、別例として、交流電圧をオン・オフする電源スイッチとリレーにより、機器のオフ時にも電源部への電力を停止した構成としている。これにより、電源オフ時でも電源部への電力の供給を停止するため、機器の電力をさらに低減することができる。
【符号の説明】
【0226】
1 載置台
2 排出トレイ
3 給紙駆動部
5 伝達部
10 第1搬送部
11 送りローラ
12 分離ローラ
12a トルクリミッタ
20 第2搬送部
21 駆動ローラ
22 従動ローラ
30 第3搬送部
31 駆動ローラ
32 従動ローラ
40 重送検知センサ
41 発信部
42 受信部
50 画像読取位置検知センサ
51 発光部
52 受光部
60 画像読取位置検知センサ
70 画像読取センサ
83 操作部
90 正面パネル
91 下部パネル
92 排出開口
93 表示パネル
94 表示部
100 画像読取装置
103 上部ユニット
301 人感検知センサ
311 シート積載検知センサ