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  • 特開-認証システム及び認証方法 図1
  • 特開-認証システム及び認証方法 図2
  • 特開-認証システム及び認証方法 図3
  • 特開-認証システム及び認証方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002098
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】認証システム及び認証方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20241226BHJP
【FI】
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102026
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大槻 将久
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英男
(72)【発明者】
【氏名】木田 祐介
(72)【発明者】
【氏名】山下 大地
(72)【発明者】
【氏名】武島 健太
(57)【要約】
【課題】今後の同意に対するユーザの不信感又は不公平感を軽減できるようにする。
【解決手段】認証システムは、特定エリアへの進入又は特定エリアで提供される特定サービスの利用に関してユーザの認証を行うものであり、特定エリア内において又は特定サービスの利用の際に必要とされる同意事項に対するユーザの同意状況を格納する1又は複数の記憶装置と、1又は複数のプロセッサと、通信端末とを備える。1又は複数のプロセッサは、通信端末を介してユーザから同意を受け付ける同意確認処理と、同意の有無に応じて同意状況を更新する更新処理と、同意があることを条件として特定エリアへの進入又は特定サービスの利用を許可する認証処理と、を実行するように構成されている。同意確認処理は、特定エリアからのユーザの退出を検知する検知処理と、退出に際して同意の取り下げをユーザから通信端末を介して受け付ける取下確認処理と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定エリアへの進入又は前記特定エリアで提供される特定サービスの利用に関してユーザの認証を行う認証システムであって、
前記特定エリア内において又は前記特定サービスの利用の際に必要とされる同意事項に対する前記ユーザの同意状況を格納する1又は複数の記憶装置と、
1又は複数のプロセッサと、
前記ユーザによって操作される通信端末と、
を備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
前記通信端末を介して前記ユーザから前記同意を受け付ける同意確認処理と、
前記同意の有無に応じて前記同意状況を更新する更新処理と、
前記同意があることを条件として前記特定エリアへの進入又は前記特定サービスの利用を許可する認証処理と、
を実行するように構成され、
前記同意確認処理は、
前記特定エリアからの前記ユーザの退出を検知する検知処理と、
前記退出に際して、前記同意の取り下げを前記ユーザから前記通信端末を介して受け付ける取下確認処理と、
を含む
ことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記取下確認処理において前記取り下げを受け付けた場合、前記1又は複数のプロセッサは、前記退出に連動して前記同意を無効とする処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記取下確認処理において前記取り下げを受け付けた場合、前記1又は複数のプロセッサは、前記退出から所定期間経過後に前記同意を無効とする処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項4】
特定エリアへの進入又は前記特定エリアで提供される特定サービスの利用に関してユーザの認証をコンピュータにより行う認証方法であって、
前記コンピュータは、前記特定エリア内において又は前記特定サービスの利用の際に必要とされる同意事項に対する前記ユーザの同意状況を格納する1又は複数の記憶装置にアクセス可能に構成され、
前記認証方法は、
前記ユーザによって操作される通信端末を介して前記ユーザから前記同意を受け付ける同意確認処理と、
前記同意の有無に応じて前記同意状況を更新する更新処理と、
前記同意があることを条件として前記特定エリアへの進入又は前記特定サービスの利用を許可する認証処理と、
を前記コンピュータにより実行することを含み、
前記同意確認処理は、
前記特定エリアからの前記ユーザの退出を検知する検知処理と、
前記退出に際して、前記同意の取り下げを前記ユーザから前記通信端末を介して受け付ける取下確認処理と、
を含む
ことを特徴とする認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定エリアへの進入又は特定エリアで提供されるサービスの利用に関してユーザの認証を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、情報処理装置を開示している。情報処理装置は、複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報を取得する。そして、情報処理装置は、連携サービスの実行前に、取得した許諾情報を用いて各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示する処理を行う。より詳細には、1回実行した連携サービスを2回目以降に実行する場合、情報処理装置は、上記の画面を提示せずに、1回目の連携サービス実行時の設定に沿って各サービスによる情報取得を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-124775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定エリアへの進入又は特定エリアで提供されるサービスの利用に際し、ユーザは、特定エリア内において又は特定サービスの利用の際に必要とされる同意事項への同意を認証システムから求められる場面がある。ただし、同意事項の内容は、常に同じであると限らず、ユーザが特定エリアから離れた後に変化し得る。その結果、ユーザによって認識されている同意事項に対して実際の同意事項が異なってしまうことが起こり得る。自身の認識と異なる同意が知らぬ間に行われていたことにユーザが後日気づいた場合、ユーザは今後の同意に対する不信感又は不公平感を抱くおそれがある。
【0005】
本開示は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、今後の同意に対するユーザの不信感又は不公平感を軽減できるようにした認証システム及び認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る認証システムは、特定エリアへの進入又は特定エリアで提供される特定サービスの利用に関してユーザの認証を行うように構成されている。認証システムは、1又は複数の記憶装置と、1又は複数のプロセッサと、通信端末とを備える。1又は複数の記憶装置は、特定エリア内において又は特定サービスの利用の際に必要とされる同意事項に対するユーザの同意状況を格納する。通信端末は、ユーザによって操作される。1又は複数のプロセッサは、通信端末を介してユーザから同意を受け付ける同意確認処理と、同意の有無に応じて同意状況を更新する更新処理と、同意があることを条件として特定エリアへの進入又は特定サービスの利用を許可する認証処理と、を実行するように構成されている。同意確認処理は、特定エリアからのユーザの退出を検知する検知処理と、退出に際して同意の取り下げをユーザから通信端末を介して受け付ける取下確認処理と、を含む。
【0007】
本開示に係る認証方法は、特定エリアへの進入又は特定エリアで提供される特定サービスの利用に関してユーザの認証をコンピュータにより行う。コンピュータは、特定エリア内において又は特定サービスの利用の際に必要とされる同意事項に対するユーザの同意状況を格納する1又は複数の記憶装置にアクセス可能に構成されている。認証方法は、ユーザによって操作される通信端末を介してユーザから同意を受け付ける同意確認処理と、同意の有無に応じて同意状況を更新する更新処理と、同意があることを条件として特定エリアへの進入又は特定サービスの利用を許可する認証処理と、をコンピュータにより実行することを含む。同意確認処理は、特定エリアからのユーザの退出を検知する検知処理と、退出に際して同意の取り下げをユーザから通信端末を介して受け付ける取下確認処理と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、特定エリアからのユーザの退出に際して、同意が継続することへの確認をユーザに求めることができる。これにより、今後の同意に対するユーザの不信感又は不公平感を軽減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る認証システムの構成の一例を概略的に示す図である。
図2図1に示す認証システムによるユーザ認証が行われる特定エリアを説明するための図である。
図3】実施の形態に係るユーザ認証に関する基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】特定エリアからの退出時に実行される同意確認処理PR1の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面とともに本開示の実施の形態に係る認証システム1及び認証方法を説明する。
【0011】
1.認証システムの構成
図1は、実施の形態に係る認証システム1の構成の一例を概略的に示す図である。図2は、図1に示す認証システム1によるユーザ認証が行われる特定エリア100を説明するための図である。
【0012】
認証システム1は、特定エリア100への進入又は特定エリア100で提供される特定サービスSの利用に関してユーザ認証を行うように構成されている。特定エリア100は、例えば、イベント会場、美術館、博物館、特定の地域、又は街である。街は、例えばスマートシティである。特定サービスSは、例えば、展示物の作動、アクティビティ、又は試着である。
【0013】
認証システム1は、例えば、サーバ10と、通信端末20と、ユーザ位置検出装置30と、認証装置40と、を備えている。
【0014】
サーバ10は、1又は複数のプロセッサ12(以下、単にプロセッサ12と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置14(以下、単に記憶装置14と呼ぶ)とを含むコンピュータであり、例えばインターネット上に構築されている。サーバ10は、通信ネットワーク3を介して通信端末20、ユーザ位置検出装置30、及び認証装置40のそれぞれと接続されている。このため、サーバ10は、ユーザ位置検出装置30、及び認証装置40のそれぞれと互いに情報を伝達することができる。
【0015】
プロセッサ12は、ユーザ認証に関する後述の各種処理を実行する。記憶装置14は、当該各種処理に関する各種情報を格納している。各種情報は、プロセッサ12により実行されるコンピュータプログラムを含む。プロセッサ12がコンピュータプログラムを実行することにより、プロセッサ12による各種処理が実現される。また、各種情報は、各ユーザ(例えば、ユーザ2)の認証に関する情報のデータベースを含む。当該データベースの情報は、特定エリア100を利用する各ユーザを特定する個人情報と、各ユーザの「同意状況CS」とを含む。同意状況CSは、特定エリア100内において又は特定サービスSの利用の際に必要とされる後述の「同意事項CM」に対するユーザの同意の状況(同意の有無)を示す情報である。より詳細には、同意状況CSは、各ユーザを特定する個人情報と関連付けてユーザ毎に格納されている。
【0016】
通信端末20は、ユーザ2によって操作される。通信端末20は、例えば、ユーザ2によって所持されたスマートフォン等の携帯端末である。通信端末20には、本実施形態に係るユーザ認証に関する所定のアプリケーションがインストールされている。あるいは、通信端末20は、例えば、特定エリア100の出入口102又は特定サービスSの提供場所(例えば、提供場所104及び106)に設置された固定端末であってもよい。
【0017】
より具体的には、通信端末20は、ユーザ2の操作を受け付ける入力部と、ユーザ2に対して情報を表示する出力部(表示部)とを含む。入力部が受け付けるユーザ2の操作は、同意事項CMに対する同意の有無を示すためのユーザ2の操作を含む。
【0018】
ユーザ位置検出装置30は、ユーザ2の位置を検出する装置であり、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を含んでいる。ユーザ位置検出装置30によれば、少なくとも特定エリア100に対するユーザ2の位置を検出できる。
【0019】
認証装置40は、後述の「認証処理PR3」を実行するサーバ10(プロセッサ12)からの指令によって動作し、認証の対象となるユーザ2を特定するユーザ情報Iuを取得する。認証装置40は、所定の認証方式での認証に必要な機器を含む。所定の認証方式の例は、ユーザ2の指紋若しくは顔の認証、又はユーザ2によって所持されたIC(Integrated Circuit)カードの認証である。図2に示すように、認証装置40は、特定エリア100の出入口102に設置されている。また、認証装置40は、特定エリア100内の特定サービスSの提供場所104及び106のそれぞれに設置されている。
【0020】
上述された通信端末20、ユーザ位置検出装置30、及び認証装置40は、例えば次のように構成されていてもよい。すなわち、ユーザ位置検出装置30は通信端末20と一体的に構成されていてもよく、したがって、サーバ10は通信端末20からユーザ2の位置情報を取得してもよい。また、通信端末20が固定端末である例では、通信端末20は認証装置40と一体的に構成されていてもよい。さらに、認証装置40は、特定エリア100へのユーザ2の進入の可否に応じて作動する装置(例えば、出入口102に設置されたバー102a)と一体的に構成されていてもよい。同様に、認証装置40は、ユーザ2による特定サービスSの利用の可否に応じて作動する装置(例えば、サービス提供装置のオンオフを実行する装置)と一体的に構成されていてもよい。
【0021】
2.ユーザ認証に関する各種処理
ユーザ2は、特定エリア100内において又は特定サービスSの利用の際に所定の「同意事項CM」への同意を求められる。同意事項CMは、例えば、データの収集、収集したデータの利用、撮影禁止、展示物に触れることの禁止、規則(例えば、食品衛生法)の順守、及びポリシー(例えば、イベントの趣旨)への理解に関する。
【0022】
認証システム1においてプロセッサ12によって実行される各種処理は、「同意確認処理PR1」、「更新処理PR2」、及び「認証処理PR3」を含んでいる。
【0023】
同意確認処理PR1において、プロセッサ12は、同意事項CMへの同意をユーザ2から通信端末20を介して受け付ける。更新処理PR2において、プロセッサ12は、ユーザ2の同意の有無に応じて同意状況CSを更新する。認証処理PR3において、プロセッサ12は、同意があることを条件として、特定エリア100へのユーザ2の進入又はユーザによる特定サービスSの利用を許可する。
【0024】
同意事項CMの内容は、常に同じであると限らず、ユーザ2が特定エリア100から離れた後に変化し得る。その結果、ユーザ2によって認識されている同意事項CMに対して実際の同意事項CMが異なってしまうことが起こり得る。例えば、特定エリア100が街等の常時居住する空間である場合、ユーザ2の認識に対して実際の同意事項CMが徐々に異なっていくことが想定される。自身の認識と異なる同意が知らぬ間に行われていたことにユーザが後日気づいた場合、ユーザは今後の同意に対する不信感又は不公平感を抱くおそれがある。
【0025】
上述の課題に鑑み、本実施形態の同意確認処理PR1は、次の「検知処理PR11」及び「取下確認処理PR12」を含んでいる。検知処理PR11において、プロセッサ12は、特定エリア100からのユーザ2の退出を検知する。取下確認処理PR12において、プロセッサ12は、当該退出に際して、同意の取り下げをユーザ2から通信端末20を介して受け付ける。
【0026】
図3は、実施の形態に係るユーザ認証に関する基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、ユーザ2が特定エリア100の出入口102又は特定エリア100内の特定サービスSの提供場所にいることがユーザ位置検出装置30によって検出された場合に、プロセッサ12は、このフローチャートの処理を実行する。あるいは、当該フローチャートの処理は、例えばサーバ10が特定エリア100への進入又は特定サービスSの利用についてのユーザ2からの要求を通信端末20又は認証装置40を介して受け取った際に実行されてもよい。
【0027】
ステップS100(同意確認処理PR1)において、プロセッサ12は、特定エリア100への進入又は特定サービスSの利用に際して同意事項CMへの同意が必要であることを通信端末20に通知する。そして、プロセッサ12は、同意をユーザ2から通信端末20を介して受け付ける。また、プロセッサ12は、認証装置40を用いて、認証の対象となるユーザ2を特定する。
【0028】
通信端末20は、サーバ10から受け取った通知を出力部に表示する。同意の有無に関してユーザ2による通信端末20の操作が行われると、通信端末20は、同意の有無を示す情報Icをサーバ10に送信する。サーバ10が通信端末20から情報Icを受信し、且つ認証装置40からユーザ2を特定するユーザ情報Iuを受信すると、処理はステップS102に進む。
【0029】
ステップS102では、プロセッサ12は、上記の情報Ic及びユーザ情報Iuに基づき、特定されたユーザ2が同意したか否かを判定する。その結果、同意ありの場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS104に進む。一方、同意なしの場合(ステップS102;No)、処理はステップS108に進む。
【0030】
ステップS104(更新処理PR2)では、プロセッサ12は、「同意あり」の状態を示すように同意状況CSを更新する。更新された同意状況CSは、記憶装置14に格納される。なお、ここでいう更新は、過去の更新に基づく「同意あり」の状態を維持することを含む。次いで、ステップS106において、プロセッサ12は、今回の同意の対象となる、特定エリア100へのユーザ2の進入又はユーザ2による特定サービスSの利用を許可する(認証処理PR3)。その結果、例えば、特定エリア100の出入口102が開かれる。
【0031】
ステップS108(更新処理PR2)では、プロセッサ12は、「同意なし」の状態を示すように同意状況CSを更新する。更新された同意状況CSは、記憶装置14に格納される。なお、ここでいう更新は、過去の更新に基づく「同意なし」の状態を維持することを含む。次いで、ステップS110において、プロセッサ12は、今回の同意の対象となる、特定エリア100へのユーザ2の進入又はユーザ2による特定サービスSの利用を許可しない(認証処理PR3)。その結果、例えば、出入口102は開かれない。
【0032】
なお、同じユーザ2を対象として過去に行われた同意確認処理PR1における同意が有効である場合(すなわち、過去にユーザ2が特定エリア100から退出する際に同意の取り下げ(図4参照)を行っていない場合)であれば、ステップS100の処理は次のように簡略化されてもよい。すなわち、認証装置40を利用してユーザ2を特定する処理のみが実行されてもよい。
【0033】
図4は、特定エリア100からの退出時に実行される同意確認処理PR1の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、図3に示す処理と並行して実行される。
【0034】
ステップS200(検知処理PR11)において、プロセッサ12は、図3に示す処理の対象となるユーザ2の特定エリア100からの退出の有無を判定する。具体的には、検知処理PR11では、プロセッサ12は、例えば、ユーザ位置検出装置30からの情報に基づいてユーザ2が特定エリア100の外に移動したことを確認することにより、ユーザ2が特定エリア100から退出したことを検知する。ただし、検知処理PR11では、ユーザ2が特定エリア100から退出したことに代え、プロセッサ12は、ユーザ2が特定エリア100内にいる時に特定エリア100から退出しようとしていることを検知してもよい。例えば、プロセッサ12は、ユーザ位置検出装置30からの情報又は出入口102に設置された認証装置40からの情報に基づいてユーザ2が出入口102付近にいることを確認し、且つ通信端末20又は認証装置40を介してユーザ2から退出の要求を受け取ったことを受けて退出を検知してもよい。
【0035】
特定エリア100からの退出がない場合(ステップS200;No)、処理はエンドに進む。一方、特定エリア100からの退出時(ステップS200;Yes)には、処理はステップS202(取下確認処理PR12)に進む。その結果、ユーザ2の退出に際して、プロセッサ12は、同意の取り下げの有無を確認する通知を通信端末20に送信する。そして、プロセッサ12は、同意の取り下げをユーザ2から通信端末20を介して受け付ける。また、プロセッサ12は、認証装置40を用いて、退出時の認証の対象となるユーザ2を特定する。付け加えると、特定エリア100への進入及び特定サービスSの利用に介してユーザ2が複数の同意を行っていた場合には、同意の取り下げに関するステップS202以降の処理は、個々の同意毎に行われてもよいし、あるいはすべての同意を対象として一括で行われてもよい。
【0036】
同意の取り下げの有無に関してユーザ2による通信端末20の操作が行われると、通信端末20は、取り下げの有無を示す情報Iwをサーバ10に送信する。サーバ10が通信端末20から情報Iwを受信し、且つ認証装置40からユーザ2を特定するユーザ情報Iuを受信すると、処理はステップS204に進む。
【0037】
ステップS204では、プロセッサ12は、上記の情報Iw及びユーザ情報Iuに基づき、特定されたユーザ2が同意を取り下げたか否かを判定する。その結果、取り下げなしの場合(ステップS204;No)、処理はエンドに進む。一方、取り上げありの場合(ステップS204;Yes)、処理はステップS206に進む。
【0038】
ステップS206(更新処理PR2)では、プロセッサ12は、ユーザ2からの取り下げ要求に応じて、取り下げの対象となる同意に関する同意状況CSを「同意なし」の状態を示すように更新する。更新された同意状況CSは、記憶装置14に格納される。
【0039】
次いで、ステップS208では、プロセッサ12は、取り下げの対象となる同意を取り下げる処理を実行する。具体的には、プロセッサ12は、例えば、退出に連動して(換言すると、退出を受けて即座に)同意を無効とする処理を実行する。
【0040】
あるいは、ステップS208において、プロセッサ12は、退出から所定期間Tの経過後に同意を無効とする処理を実行してもよい。ここでいう所定期間Tは、特に限定されないが、例えば、日、週、又は月単位で設定されてもよい。また、同意の無効化のための所定期間Tを設定するか否か、及び所定期間Tの長さは、取り下げを希望するユーザ2によって選択可能であってもよい。プロセッサ12は、当該選択をユーザ2に求める通知を通信端末20に送信してもよい。なお、同意の無効化が完了すると、サーバ10は、無効化の完了を伝える通知を通信端末20に送信してもよい。
【0041】
3.効果
以上説明したように、本実施形態によれば、特定エリア100からのユーザ2の退出に際して、同意の取り下げをユーザ2から通信端末20を介して受け付ける取下確認処理PR12が実行される。つまり、退出に際して、同意が継続することへの確認をユーザ2に求めることができる。これにより、今後の同意に対するユーザ2の不信感又は不公平感を軽減できるようになる。
【0042】
付け加えると、同意の取り下げを受け付けた場合に退出に連動して速やかに同意を無効とする処理が実行される例は、自身の認識と異なる同意が知らぬ間になされ得ることについて不安を抱くユーザにとって有用である。
【0043】
また、特定エリア100自体又は特定サービスSの利用の頻度は、ユーザによって異なり得る。このため、近い将来に再び特定エリア100に来る予定のあるユーザにとっては、利用の際に毎回同意を求められることを面倒と考える可能性がある。この点に関し、退出から所定期間Tの経過後に同意を無効とする処理が実行される例では、ユーザの利便性に配慮しつつ、今後の同意に対するユーザ2の不信感又は不公平感を軽減できる。
【符号の説明】
【0044】
1 認証システム、 2 ユーザ、 3 通信ネットワーク、 10 サーバ、 12 プロセッサ、 14 記憶装置、 20 通信端末、 30 ユーザ位置検出装置、 40 認証装置、 100 特定エリア、 104、106 特定サービスの提供場所
図1
図2
図3
図4