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  • 特開-充電制御装置および充電制御方法 図1
  • 特開-充電制御装置および充電制御方法 図2
  • 特開-充電制御装置および充電制御方法 図3
  • 特開-充電制御装置および充電制御方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020985
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】充電制御装置および充電制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20250205BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
H02J7/04 A
H02J7/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124649
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩間 一樹
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA01
5G503CA08
5G503CA11
5G503CB06
5G503CB11
5G503CC02
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】充電時間が長くならないようにすること。
【解決手段】ECUは、バッテリの充電を制御する。ECUは、CPUと、充電器と通信するための通信部とを備える。CPUは、所定期間後の充電電力の制限値Winを特定し(ステップS113)、充電器への現在の充電指令値に対応する電力が制限値Winを超えるか判定し(ステップS114)、充電指令値に対応する電力が制限値Winを超えると判定した場合、充電指令値に対応する電力が所定期間が経過するまでの間に制限値Winを超えないように充電指令値を制限し(ステップS115)、制限した充電指令値を充電器に送信するよう通信部を制御する(ステップS117)。これにより、必要時のみ充電指令値を制限し、必要時以外は充電指令値を制限しないようにできる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置の充電を制御する充電制御装置であって、
プロセッサと、
充電器と通信するための通信部とを備え、
前記プロセッサは、
所定期間後の充電電力の制限値を特定し、
前記充電器への現在の充電指令値に対応する電力が前記制限値を超えるか判定し、
前記充電指令値に対応する電力が前記制限値を超えると判定した場合、前記充電指令値に対応する電力が前記所定期間が経過するまでの間に前記制限値を超えないように前記充電指令値を制限し、
制限した前記充電指令値を前記充電器に送信するよう前記通信部を制御する、充電制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記充電指令値を、所定態様で下げることで制限する、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記充電指令値に対応する電力が前記制限値を超えないと判定した場合、前記充電指令値を維持し、
維持した前記充電指令値を前記充電器に送信するよう前記通信部を制御する、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記所定期間で増加する前記蓄電装置の充電量を算出し、
算出した前記充電量を用いて前記制限値を特定する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の充電制御装置。
【請求項5】
蓄電装置の充電を制御する充電制御装置による充電制御方法あって、
前記充電制御装置は、
プロセッサと、
充電器と通信するための通信部とを備え、
前記充電制御方法は、前記プロセッサが、
所定期間の後の充電電力の制限値を特定するステップと、
前記充電器への現在の充電指令値に対応する電力が前記制限値を超えるか判定するステップと、
前記充電指令値に対応する電力が前記制限値を超えると判定した場合、充電指令値に対応する電力が前記所定期間が経過するまでの間に前記制限値を超えないように前記充電指令値を制限するステップと、
制限した前記充電指令値を前記充電器に送信するよう前記通信部を制御するステップとを含む、充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、充電制御装置および充電制御方法に関し、特に、蓄電装置の充電を制御する充電制御装置、および、その充電制御装置による充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電装置の充電時に充電電力制限値を超えないようにするために、充電電力の予測値に対してマージンを設けるものがあった(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-182262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
充電時には、様々な充電器が使用される可能性がある。様々な充電器に対応できるようにマージンを設けると、充電時間が長くなってしまうといった課題があった。
【0005】
この開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、充電時間が長くならないようにすることが可能な充電制御装置および充電制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示に係る充電制御装置は、蓄電装置の充電を制御する。充電制御装置は、プロセッサと、充電器と通信するための通信部とを備える。プロセッサは、所定期間後の充電電力の制限値を特定し、充電器への現在の充電指令値に対応する電力が制限値を超えるか判定し、充電指令値に対応する電力が制限値を超えると判定した場合、充電指令値に対応する電力が所定期間が経過するまでの間に制限値を超えないように充電指令値を制限し、制限した充電指令値を充電器に送信するよう通信部を制御する。
【0007】
このような構成によれば、充電器への現在の充電指令値に対応する電力が、所定期間後の充電電力の制限値を超えると判定された場合、充電指令値に対応する電力が所定期間が経過するまでの間に制限値を超えないように制限された充電指令値が充電器に送信される。このため、必要時のみ充電指令値を制限し、必要時以外は充電指令値を制限しないようにできる。その結果、充電時間が長くならないようにすることが可能な充電制御装置を提供することができる。
【0008】
プロセッサは、充電指令値を、所定態様で下げることで制限するようにしてもよい。このような構成によれば、必要時に充電指令値を適切に制限することができる。
【0009】
プロセッサは、充電指令値に対応する電力が制限値を超えないと判定した場合、充電指令値を維持し、維持した充電指令値を充電器に送信するよう通信部を制御するようにしてもよい。このような構成によれば、必要時以外は充電指令値を制限しないようにできる。
【0010】
プロセッサは、所定期間で増加する蓄電装置の充電量を算出し、算出した充電量を用いて制限値を特定するようにしてもよい。このような構成によれば、所定期間後の充電電力の制限値を適切に特定することができる。
【0011】
この開示に他の局面によれば、充電制御方法は、蓄電装置の充電を制御する充電制御装置による充電制御方法ある。充電制御装置は、プロセッサと、充電器と通信するための通信部とを備える。充電制御方法は、プロセッサが、所定期間の後の充電電力の制限値を特定するステップと、充電器への現在の充電指令値に対応する電力が制限値を超えるか判定するステップと、充電指令値に対応する電力が制限値を超えると判定した場合、充電指令値に対応する電力が所定期間が経過するまでの間に制限値を超えないように充電指令値を制限するステップと、制限した充電指令値を充電器に送信するよう通信部を制御するステップとを含む。
【0012】
このような構成によれば、充電時間が長くならないようにすることが可能な充電制御方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
この開示によれば、充電時間が長くならないようにすることが可能な充電制御装置および充電制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この実施の形態に係る充電システムの全体構成を概略的に示す図である。
図2】充電システムの構成をより詳細に示す図である。
図3】この実施の形態における充電制御処理の流れを示すフローチャートである。
図4】マージンを設ける場合の充電制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0016】
<充電システムの構成>
図1は、この実施の形態に係る充電システム9の全体構成を概略的に示す図である。図1を参照して、充電システム9は、あるユーザの車両1と、充電器3と、充電器3から延びる充電ケーブル4とを含む。
【0017】
車両1は、たとえば、バッテリ11(後述の図2参照)が搭載された電気自動車である。車両1は、車両1と充電器3とが充電ケーブル4により電気的に接続された状態において、充電器3から供給される電力によりバッテリ11を充電する「外部充電」が可能に構成されている。なお、車両1は、外部充電が可能に構成されていればよく、プラグインハイブリッド車または燃料電池自動車であってもよい。
【0018】
充電器3は、たとえば公共の充電スタンド(充電スポットまたは充電ステーションとも呼ばれる)に設置されている。充電器3は、商用電源から供給される交流電源(たとえば3相200Vの電源)を直流電力に変換し、その直流電力を車両1に供給する。
【0019】
この実施の形態において、充電器3は、急速充電対応の充電器である。さらに、この実施の形態の充電器3については、出力可能な名目上の最低電流に対応する名目上の最低電力が予め定められており、この名目上の最低電力が記憶されていることとする。充電器3は、車両1のバッテリ11への充電の開始時に、この最低電力を車両1に伝達する。
【0020】
図2は、充電システム9の構成をより詳細に示す図である。図1および図2を参照して、車両1は、バッテリ11と、監視ユニット111と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)121と、パワーコントロールユニット(PCU:Power Control Unit)122と、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)123と、動力伝達ギア124と、駆動輪125と、ECU(Electronic Control Unit)10とを備える。
【0021】
バッテリ11は、再充電可能な蓄電装置であり、リチウムイオン二次電池またはニッケル水素電池などの二次電池を含んで構成されている。バッテリ11は、車両1の走行駆動力を生成するための電力をPCU122へ供給する。また、バッテリ11は、モータジェネレータ123の回生制動により発電された電力により充電されたり、充電器3からの供給電力により充電されたりする。なお、バッテリ11に代えて、電気二重層キャパシタ等のキャパシタを採用してもよい。
【0022】
監視ユニット111は、バッテリ11の状態を監視する。いずれも図示しないが、監視ユニット111は、電圧センサと、電流センサと、温度センサとを含む。電圧センサは、バッテリ11の電圧Vbを検出する。電流センサは、バッテリ11に入出力される電流Ibを検出する。温度センサは、バッテリ11の温度を検出する。各センサは、その検出結果をECU10に出力する。ECU10は、各センサによる検出結果に基づいて、バッテリ11のSOC(State Of Charge)を算出することができる。
【0023】
SMR121は、バッテリ11とPCU122との間に電気的に接続されている。SMR121の閉成/開放は、ECU10からの指令に応じて制御される。
【0024】
PCU122は、ECU10からの指令に従って、バッテリ11とモータジェネレータ123との間で電力変換を行なう電力変換装置である。PCU122は、バッテリ11から電力を受けてモータジェネレータ123を駆動するインバータと、インバータに供給される直流電圧のレベルを調整するコンバータ(いずれも図示せず)等とを含んで構成されている。
【0025】
モータジェネレータ123は、交流電動機である。モータジェネレータ123は、PCU122に含まれるインバータによって駆動され、駆動軸を回転させる。モータジェネレータ123が出力するトルクが動力伝達ギア124を介して駆動輪125に伝達され、それにより車両1が走行する。また、モータジェネレータ123は、車両の制動時には駆動輪125の回転力を受けて発電する。モータジェネレータ123によって発電された電力は、PCU122を通じてバッテリ11に充電される。
【0026】
車両1は、急速充電のための構成として、充電リレー131と、電力線PL,GLと、インレット135とをさらに備える。
【0027】
充電器3は、制御装置30と電力供給部31とを含む。充電ケーブル4は、電力線42と、通信線43と、コネクタ41とを含む。
【0028】
バッテリ11の急速充電時には、充電ケーブル4のコネクタ41がインレット135に連結される。そして、充電器3からの電力が充電ケーブル4内の電力線42を通じて車両1に供給され、電力線PL,GLを通じて充電リレー131へと伝送される。
【0029】
充電リレー131およびSMR121は、バッテリ11とインレット135との間に電気的に接続されている。充電リレー131が閉成され、かつ、SMR121が閉成されると、インレット135とバッテリ11との間での電力伝送が可能な状態となる。
【0030】
また、車両1と充電器3とが充電ケーブル4により接続された状態において、ECU10は、充電ケーブル4内の通信線43および車載ネットワーク16を介して充電器3の制御装置30とも双方向通信が可能に構成される。
【0031】
ECU10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、通信部103と、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)と等を含んで構成されている。ECU10は、車両1が所望の状態となるように車両1内の各機器(SMR121、PCU122、および充電リレー131など)を制御する。
【0032】
バッテリ11は、高い電力で充電すると、バッテリ11が故障したり寿命が短くなったりする。このため、バッテリ11ごとに、バッテリ11のSOC、温度、電圧、電流に応じた充電電力の制限値Winが予め定められている。
【0033】
上述した車両1のバッテリ11の充電時に充電電力の制限値Winを超えないようにするために、充電電力の予測値に対してマージンを設けることが考えられる。図4は、マージンを設ける場合の充電制御処理の流れを示すフローチャートである。図4を参照して、具体的には、次のようにすることが考えられる。ECU10のCPU101は、充電中であるか否かを判断する(ステップS911)。充電中である(ステップS911でYES)と判断した場合、バッテリ11のSOC(State Of Charge)、温度および電圧から現在の制限値Winを特定し(ステップS913)、制限値Winにマージンを乗せ(ステップS915)、マージンを乗せたWinに対応する充電指令値を算出し(ステップS916)、算出した充電指令値を充電器3に送信するようECU10の通信部103を制御する(ステップS917)。
【0034】
充電時には、様々な充電器3が使用される可能性がある。様々な充電器3に対応できるように、ステップS915のマージンを設けると、必要の無いときでも充電指令値を下げてしまうことになり、充電時間が長くなってしまうといった課題があった。
【0035】
そこで、ECU10のCPU101は、所定期間後の充電電力の制限値Winを特定し、充電器3への現在の充電指令値に対応する電力が制限値Winを超えるか判定し、充電指令値に対応する電力が制限値Winを超えると判定した場合、充電指令値に対応する電力が所定期間が経過するまでの間に制限値Winを超えないように充電指令値を制限し、制限した充電指令値を充電器3に送信するようECU10の通信部103を制御する。
【0036】
これにより、充電器3への現在の充電指令値に対応する電力が、所定期間後の充電電力の制限値Winを超えると判定された場合、充電指令値に対応する電力が所定期間が経過するまでの間に制限値Winを超えないように制限された充電指令値が充電器3に送信される。このため、必要時のみ充電指令値を制限し、必要時以外は充電指令値を制限しないようにできる。その結果、充電時間が長くならないようにすることができる。
【0037】
図3は、この実施の形態における充電制御処理の流れを示すフローチャートである。図3を参照して、この充電制御処理は、ECU10のCPU101によって上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。
【0038】
ECU10のCPU101は、充電中であるか否かを判断する(ステップS111)。充電中でない(ステップS111でNO)と判断した場合、CPU101は、実行する処理をこの充電制御処理の呼出元の上位の処理に戻す。
【0039】
一方、充電中である(ステップS111でYES)と判断した場合、CPU101は、所定期間(たとえば、T秒間)で上昇するΔSOCを算出する(ステップS112)。ΔSOCは、充電器3が出力可能な最大電流、または、充電電力の制限時は、制限電流にTを掛けたものをSOC換算することで算出できる。
【0040】
なお、実際の充電指令値の電流値は、最大電流または制限電流と等しいとは限らない。たとえば、実際の充電指令値の電流値は、充電方法によって異なる。CC(Constant Current)充電では、終止条件(通常電圧、充電電力量)に達するまで一定の電流値で充電を行う。CCCV(Constant Current,Constant Voltage)充電では、所定電圧に達するまではCC充電で充電し、所定電圧に達したら充電電流を絞って所定電圧を保って充電を行う。実際の充電指令値の電流値は、このように、充電方法および充電条件によって異なる値となる。充電方法に応じた電流値を算出し、算出した電流値に対応する電力と現在の充電電力の制限値Winとを比較し、制限値Winを超えない場合、算出した電流値を充電指令値とし、超える場合、超えないように制限した電流値を充電指令値とする。
【0041】
次に、CPU101は、ステップS112で算出したΔSOCを考慮した所定期間(たとえば、T秒)後の充電電力の制限値Winを特定する(ステップS113)。たとえば、所定期間で増加するバッテリ11の充電量(たとえば、SOC)を算出し、算出した充電量を用いて充電電力の制限値Winを特定する。そして、CPU101は、現在の充電指令値に対応する電力が所定期間(たとえば、T秒)後の充電電力の制限値Winを超える否かを判断する(ステップS114)。
【0042】
現在の充電指令値に対応する電力が所定期間後の充電電力の制限値Winを超える(ステップS114でYES)と判断した場合、CPU101は、所定期間(たとえば、T秒)後までの間に充電指令値が充電電力の制限値Winを超えないように、充電指令値を制限する(ステップS115)。充電指令値は、所定態様で下げることにより制限する。所定態様は、たとえば、所定割合、下げる態様であってもよいし、所定値下げる態様であってもよいし、比例的に下げる態様であってもよいし、指数関数的に下げる態様であってもよい。
【0043】
一方、現在の充電指令値に対応する電力が所定期間後の充電電力の制限値Winを超えない(ステップS114でNO)と判断した場合、CPU101は、充電指令値をそのままとする(ステップS116)。
【0044】
そして、CPU101は、ステップS115またはステップS116で定められた充電指令値を充電器3に送信する(ステップS117)。その後、CPU101は、実行する処理をこの充電制御処理の呼出元の上位の処理に戻す。
【0045】
充電器3の制御装置30は、充電指令値を受信すると、充電指令値の電流値が充電器3の最大電流を超えない場合、充電指令値の電流値の電力、超える場合、最大電流に対応する電力を、車両1に供給するよう電力供給部31を制御する。
【0046】
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、充電器3への充電指令値が電流値であることとした。しかし、これに限定されず、充電器3への充電指令値が電力値であってもよい。
【0047】
(2) 前述した開示を、バッテリ11の充電を制御するECU10のような充電制御装置の開示と捉えることができるし、充電制御装置による充電制御方法または図3で示した処理を実行する充電制御プログラムの開示と捉えることができる。
【0048】
[まとめ]
(1) 図1および図2で示したように、ECU10は、バッテリ11の充電を制御する。図2で示したように、ECU10は、CPU101と、充電器3と通信するための通信部103とを備える。図3で示したように、CPU101は、所定期間(たとえば、T秒)後の充電電力の制限値Winを特定し(たとえば、ステップS113)、充電器3への現在の充電指令値に対応する電力が制限値Winを超えるか判定し(たとえば、ステップS114)、充電指令値に対応する電力が制限値Winを超えると判定した場合、充電指令値に対応する電力が所定期間が経過するまでの間に制限値Winを超えないように充電指令値を制限し(たとえば、ステップS115)、制限した充電指令値を充電器3に送信するよう通信部103を制御する(たとえば、ステップS117)。
【0049】
これにより、充電器3への現在の充電指令値に対応する電力が、所定期間後の充電電力の制限値Winを超えると判定された場合、充電指令値に対応する電力が所定期間が経過するまでの間に制限値Winを超えないように制限された充電指令値が充電器3に送信される。このため、必要時のみ充電指令値を制限し、必要時以外は充電指令値を制限しないようにできる。その結果、充電時間が長くならないようにすることができる。
【0050】
(2) 図3で示したように、CPU101は、充電指令値を、所定態様で下げることで制限する(たとえば、ステップS115)ようにしてもよい。これにより、必要時に充電指令値を適切に制限することができる。
【0051】
(3) 図3で示したように、CPU101は、充電指令値に対応する電力が制限値Winを超えないと判定した場合、充電指令値を維持し(たとえば、ステップS116)、維持した充電指令値を充電器3に送信するよう通信部103を制御する(たとえば、ステップS117)ようにしてもよい。これにより、必要時以外は充電指令値を制限しないようにできる。
【0052】
(4) 図3で示したように、CPU101は、所定期間で増加するバッテリ11の充電量(たとえば、SOC)を算出し(たとえば、ステップS112)、算出した充電量を用いて制限値Winを特定する(たとえば、ステップS113)ようにしてもよい。これにより、所定期間後の充電電力の制限値Winを適切に特定することができる。
【0053】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0054】
1 車両、3 充電器、4 充電ケーブル、9 充電システム、10 ECU、11 バッテリ、16 車載ネットワーク、30 制御装置、31 電力供給部、41 コネクタ、42,GL,PL 電力線、43 通信線、101 CPU、102 メモリ、103 通信部、111 監視ユニット、121 SMR、122 PCU、123 モータジェネレータ、124 動力伝達ギア、125 駆動輪、131 充電リレー、135 インレット。
図1
図2
図3
図4