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特開2025-21111配送マッチング方法、プログラムおよび配送マッチングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021111
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】配送マッチング方法、プログラムおよび配送マッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0832 20230101AFI20250205BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
G06Q10/0832
B65G61/00 544
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124839
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000214272
【氏名又は名称】長瀬産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】仲吉 陽祐
(72)【発明者】
【氏名】宇木 則倫
(72)【発明者】
【氏名】成田 昇
(72)【発明者】
【氏名】山田 純平
(72)【発明者】
【氏名】奥原 瑞貴
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】危険物を含む荷物の配送を、荷主および配送会社双方の負担が少ない形で行うための情報を荷主に提示できるようにする。
【解決手段】配送マッチング方法は、危険物を含む荷物の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付ステップと、複数パターンの依頼情報のうち、対応する荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の依頼情報の組合せを選定する情報選定ステップと、選定された依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成ステップと、生成された軽減情報を提示する情報提示ステップと、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
危険物を含む荷物の配送を依頼する旨の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付ステップと、
複数パターンの前記依頼情報のうち、対応する前記荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の前記依頼情報の組合せを選定する情報選定ステップと、
選定された前記依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成ステップと、
生成された前記軽減情報を提示する情報提示ステップと、を有する、
ことを特徴とする配送マッチング方法。
【請求項2】
前記生成ステップは、
選定された二パターン以上の前記依頼情報にそれぞれ対応する各前記荷物の集荷および配達を、途中で前記配達エリアから前記集荷エリアへ戻ることなく完了できる配送ルートを決定する決定ステップと、
決定された前記配送ルートの道のりを算出する算出ステップと、
算出された前記道のりが、往復するのに所定の上限時間を要する上限距離を超える場合に、前記配送ルート上に複数点在する、前記荷物を積み下ろし可能な中継拠点のうち、前記配送ルートの起点から前記上限距離を超えない箇所に位置し、かつ前記危険物を保管することが可能な前記中継拠点を選定し、選定された前記中継拠点の位置を示す位置情報を、前記軽減情報として生成する拠点選定ステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の配送マッチング方法。
【請求項3】
前記拠点選定ステップにおいて、前記依頼情報に対応する等級の前記危険物を保管することが可能な前記中継拠点を選定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の配送マッチング方法。
【請求項4】
前記拠点選定ステップにおいて、前記危険物を冷蔵するための冷蔵設備を有する前記中継拠点を選定する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の配送マッチング方法。
【請求項5】
前記生成ステップにおいて、一以上の前記依頼情報の組合せに基づく配送の実績に基づいて、ミルクラン方式の共同配送ルートを、前記軽減情報として生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の配送マッチング方法。
【請求項6】
選定された前記依頼情報の組合せに対応する前記危険物を配送することが可能な配送会社に関する会社情報を提示する会社提示ステップを更に有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の配送マッチング方法。
【請求項7】
前記受付ステップにおいて、配送会社へ物流情報を提供するサーバから、当該サーバが蓄積している前記荷物の集荷地および配達地の情報を、前記依頼情報に相当する情報として受け付ける、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の配送マッチング方法。
【請求項8】
前記生成ステップは、
選定された二パターン以上の前記依頼情報にそれぞれ対応する各前記荷物の集荷および配達を、途中で前記配達エリアから前記集荷エリアへ戻ることなく完了できる配送ルートを決定する決定ステップと、
決定された前記配送ルートの道のりを算出する算出ステップと、
算出された前記道のりが、往復するのに所定の上限時間を要する上限距離を超える場合に、前記配送ルート上に複数点在する、前記荷台をけん引するトレーラーヘッドを交換するためのドッキングスペースのうち、前記配送ルートの起点から前記上限距離を超えない箇所に位置する前記ドッキングスペースを選定し、選定された前記ドッキングスペースの位置を示す位置情報を、前記軽減情報として生成する拠点選定ステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の配送マッチング方法。
【請求項9】
前記拠点選定ステップにおいて、前記配送ルートの渋滞状況、および前記配送ルートから前記ドッキングスペースの選定候補に至る通路の状態の少なくとも一方の情報を加味して、前記ドッキングスペースを選定する、
ことを特徴とする請求項8に記載の配送マッチング方法。
【請求項10】
前記算出ステップにおいて、前記荷台が前記配送ルートの起点から終点までけん引された場合に、前記荷台をけん引するトレーラーヘッドが排出する二酸化炭素の量を更に算出し、
前記情報提示ステップにおいて、算出された前記二酸化炭素の量を更に提示する、
請求項8または9に記載の配送マッチング方法。
【請求項11】
前記配送ルートが有料道路を含み、かつ選定された前記ドッキングスペースが前記有料道路を途中で降りたところに位置する場合、前記算出ステップにおいて、
前記有料道路の起点から前記ドッキングスペースの最寄りの料金所までの第一通行料金と、
前記料金所から前記有料道路の終点までの第二通行料金と、
前記有料道路の起点から終点まで途中で降りることなく走行した場合の通し通行料金と、を更に算出し、
前記情報提示ステップにおいて、算出された各通行料金を更に提示する、
請求項8または9に記載の配送マッチング方法。
【請求項12】
コンピュータに、
危険物を含む荷物の配送を依頼する旨の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付処理と、
複数パターンの前記依頼情報のうち、対応する前記荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の前記依頼情報の組合せを選定する情報選定処理と、
選定された前記依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成処理と、
生成された前記軽減情報を提示する情報提示処理と、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
危険物を含む荷物の配送を依頼する旨の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付部と、
複数パターンの前記依頼情報のうち、対応する前記荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の前記依頼情報の組合せを選定する情報選定部と、
選定された前記依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成部と、
生成された前記軽減情報を提示するための処理を行う情報提示処理部と、を有する、
ことを特徴とする配送マッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送マッチング方法、プログラムおよび配送マッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷台の空き状況を参照して、荷物の配送を依頼してきた荷主に対し、他の荷主から依頼された荷物とまとめて配送すること(マッチング)を提案するための技術が従来知られている。例えば特許文献1には、複数の輸送から、組み合わせの元となる複数の輸送のそれぞれについて、出発地及び到着地を示す情報を含む輸送情報を取得する取得手段と、取得された輸送情報に基づいて、組み合わせの候補となる輸送を新たに組み合わせに含めた場合の所定条件に係る上界又は下界を算出する算出手段と、算出された上界又は下界に基づいて、場合の組み合わせを、列挙する組み合わせの候補から除外する除外手段と、除外された候補以外から、所定条件を満たす輸送の組み合わせを列挙する列挙手段と、を備える輸送組み合わせ列挙システム、について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-061515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷物には危険物が含まれることがある。危険物はその性質に応じて複数の等級(第一類~第六類)の何れかに分類されるが、こうした危険物の中には、法規の関係上、混載(同一の荷台に一緒に積載すること)ができない等級の組合せが存在する。しかしながら、上述のような従来技術は、荷台の空き状況しか参照しないため、危険物を含む荷物の配送依頼を受け付けた場合に、当該危険物と混載できない危険物とまとめて配送することを提案してしまう可能性がある。このため、危険物を含む荷物を配送する際には、危険物を単独で配送する、他の荷物の配送とまとめることが可能か否かを人が確認する等、手間やコストをかける必要があった。一方、近年は、トラックのドライバーの不足や待遇改善が課題となっており、ドライバーの負担ができるだけ少ない方法で配送することが求められている。
【0005】
本発明の一態様は、危険物を含む荷物の配送を、荷主および配送会社双方の負担が少ない形で行うための情報を荷主に提示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る配送マッチング方法は、危険物を含む荷物の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付ステップと、前記複数パターンの依頼情報のうち、対応する荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の依頼情報の組合せを選定する情報選定ステップと、選定された前記依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成ステップと、生成された前記軽減情報を提示する情報提示ステップと、を有する。
【0007】
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、危険物を含む荷物の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付処理と、前記複数パターンの依頼情報のうち、対応する荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の依頼情報の組合せを選定する情報選定処理と、選定された前記依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成処理と、生成された前記軽減情報を提示する情報提示処理と、を実行させる。
【0008】
また、本発明の他の態様に係る配送マッチングシステムは、危険物を含む荷物の配送を依頼する旨の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付部と、複数パターンの前記依頼情報のうち、対応する前記荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の前記依頼情報の組合せを選定する情報選定部と、選定された前記依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成部と、生成された前記軽減情報を提示するための処理を行う情報提示処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、危険物を含む荷物の配送を、荷主および配送会社双方の負担が少ない形で行うための情報を荷主に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第一実施形態に係る配送マッチング方法で用いられる配送マッチングシステムの機能的構成を示すブロック図である。
図2】同システムが備える端末装置が表示する受付画面の一例を示す画像図である。
図3】同システムが備える配送マッチング装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】同装置による依頼情報の選定方法の一例を示す図である。
図5】端末装置が表示する会社提示画面の一例を示す画像図である。
図6】端末装置が表示する情報提示画面の一例を示す画像図である。
図7】本発明の第二(第三)実施形態に係る配送マッチング方法で用いられる配送マッチングシステムの機能的構成を示すブロック図である。
図8】第二実施形態に係る配送マッチングシステムが備える配送マッチング装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】同装置によって決定された配送ルートの一例を示す図である。
図10】第三実施形態に係る配送マッチングシステムが備える配送マッチング装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】端末装置が表示する情報提示画面の一例を示す画像図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一実施形態>
以下、本発明の一態様の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
本実施形態に係る配送マッチング方法は、例えば配送マッチングシステム100を用いて行われる。図1に示したように、配送マッチングシステム100は、配送マッチング装置1と、端末装置2と、を備える。
【0013】
[端末装置の構成]
端末装置2は、例えばタブレット端末、スマートフォン、PC、または専用の装置で構成されている。端末装置2は、専用のアプリケーション、またはブラウザがインストールされている。
【0014】
[配送マッチング装置の構成]
配送マッチング装置1は、例えばサーバコンピュータ、PC、または専用の装置で構成されている。図1に示したように、配送マッチング装置1は、通信部11と、記憶部12と、演算部13と、を備える。
【0015】
〔通信部〕
通信部11は、1または複数の端末装置2と有線または無線で通信する。本実施形態に係る通信部11は、例えば通信モジュールで構成されている。
【0016】
〔記憶部〕
図1に示したように、記憶部12は、プログラム121を記憶している。プログラム121は、配送マッチング装置1の演算部13の動作が記述されたものである。また、本実施形態に係る記憶部12には、データベース122が格納されている。データベース122は、過去の配送実績のデータを蓄積することが可能となっている。本実施形態に係る記憶部12は、半導体メモリ、ハードディスク等で構成されている。なお、記憶部は、プログラム121を記憶するものと、データベース122を格納するものとに分けられていてもよい。また、データベース122は、配送マッチング装置1とは別に設けられるとともに、配送マッチング装置1と通信する記憶装置に格納されていてもよい。
【0017】
〔演算部〕
演算部13は、受付部131と、情報選定部132と、会社提示処理部133と、生成部134と、情報提示処理部135と、を有する。本実施形態に係る配送マッチング装置1は、コンピュータで構成されている。このため、本実施形態に係る演算部13は、プロセッサで構成されている。このプロセッサが記憶部12に記憶されているプログラム121を図3に示したような流れで実行することにより、プログラム121は演算部13を上記各制御ブロック131~135として機能させることができる。
【0018】
(受付部)
受付部131は、初めの処理である受付処理S1を実行する。この受付処理S1において、受付部131は、複数パターンの依頼情報を受け付ける。依頼情報は、危険物を含む荷物の配送を依頼する旨の情報である。複数パターンの依頼情報は、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する。集荷エリアおよび配達エリアは、地方(関東地方、関西地方等)、都道府県等を指す。本実施形態に係る受付部131は、通信部11が受付画面の表示指示、または受付画面のウェブページのデータを端末装置2へ送信するよう通信部11を制御する。表示指示、またはウェブページのデータを受信した端末装置2は、例えば図2に示したような受付画面21を表示する。これにより、荷主は、端末装置2に依頼情報を入力することができる。依頼情報には、少なくとも、荷物に含まれる危険品の等級、集荷地、配達地が含まれる。なお、依頼情報には、車種、重量積載率、容積積載率、配送会社、および商品名の少なくともいずれかが含まれていてもよい。そして、受付部131は、通信部11が受信した、端末装置2の受付画面21に入力された依頼情報を受け付ける。このような受付処理S1を受付部131が実行することは、配送マッチング方法における受付ステップを行うことに相当する。
【0019】
なお、受付処理S1において、受付部131は、配送会社へ物流情報を提供するサーバから、当該サーバが蓄積している荷物の集荷地および配達地の情報を、依頼情報に相当する情報として受け付けてもよい。サーバは、公知の情報提供サービス(例えばMOVO、traevо等)を提供するためのものを用いることができる。このようにすれば、膨大な量の荷物の集荷地および配達地の情報を容易に収集することができる。また、受付処理S1において、受付部は、危険物を含まない荷物の配送を依頼する旨の依頼情報を受け付けてもよい。
【0020】
(情報選定部)
複数の依頼情報を受け付けた後、情報選定部132は、図3に示したように、情報選定処理S2を実行する。情報選定処理S2において、情報選定部132は、複数パターンの依頼情報のうち、対応する荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の依頼情報の組合せを選定する。例えば、図4左側に示したような、3パターンの依頼情報(第一類危険物を含む荷物Aの依頼情報、第四類危険物を含む荷物Bの依頼情報、第六類危険物を含む荷物Cの依頼情報)を受け付けたとする。このとき、危険物の混載可否を考慮しなければ、荷物Aと荷物Bの混載、荷物Aと荷物Cの混載、荷物Bと荷物Cの混載、荷物Aと荷物Bと荷物Cの混載が考えらえる。しかし、第一類危険物と混載可能な危険物は、第六類危険物のみ(第四類危険物は混載不可)である。また、第四類危険物は第六類危険物と混載することができない。このため、上記のような3パターンの依頼情報を受け付けた場合、情報選定部132は、図4右側に示したように、荷物Aの依頼情報と荷物Cの依頼情報の2パターンを選定する。このような情報選定処理S2を情報選定部132が実行することは、配送マッチング方法における情報選定ステップを行うことに相当する。
【0021】
(会社提示処理)
依頼情報の組合せを選定した後、会社提示処理部133は、図3に示したように、会社提示処理S3を実行する。この会社提示処理S3において、会社提示処理部133は、会社情報を提示するための処理を行う。会社情報は、選定された依頼情報の組合せに対応する危険物を配送することが可能な配送会社に関する情報である。会社情報には、少なくとも配送会社の社名が含まれる。本実施形態に係る会社提示処理部133は、通信部11が会社情報のデータ、または会社情報が記載された会社提示画面のウェブページのデータを端末装置2へ送信するよう通信部11を制御する。配送会社のデータ、またはウェブページのデータを受信した端末装置2は、例えば図5に示したような会社提示画面22を表示する。これにより、荷主は、会社提示画面22を参照して、どの配送会社に荷物を配送してもらうかを選択することができる。このような会社提示処理S3を会社提示処理部133が実行することは、配送マッチング方法における会社提示ステップを行うことに相当する。
【0022】
なお、会社情報には、各配送会社の過去の配送に対する荷主の評価、および各配送会社の危険物の取扱実績の少なくとも一方が含まれていてもよい。荷主の評価は、例えば数字、記号(星)の数、口コミ情報等の形で表示することができる。取扱実績は、例えば配送区間を示す地図上の線、配送区間の箇条書き等の形で表示することができる。このようにすれば、荷主はより信頼性の高い配送会社の選定を容易に行うことができる。また、利用することのできる配送会社が初めから1社に限られている場合や、配送マッチング装置1が配送会社を自動で選定するよう構成されている場合、演算部13は、会社提示処理S3を実行しなくてもよい。
【0023】
このような会社情報の提示を受けた荷主は、配送会社を選定し、その配送会社へ荷物の配送を依頼する。依頼を受けた配送会社が荷物を配送すると、配送実績のデータが生成される。配送実績のデータは、記憶部12のデータベースに蓄積される。
【0024】
(生成処理)
配送実績のデータが蓄積された後、生成部134は、図3に示したように、生成処理S4を実行する。この生成処理S4において、生成部134は、選定された依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する。本実施形態に係る生成処理S4において、生成部134は、一以上の依頼情報の組合せに基づく配送の実績に基づいて、ミルクラン方式の新たな共同配送ルートを、軽減情報として生成する。具体的には、生成部134は、まず、データベース122に蓄積されている、過去の配送実績のデータを例えば5,6社分集める。そして、生成部134は、過去の配送実績のデータが示す集荷地を全て通り、途中で集荷エリアへ戻ることなく配達エリアへ運び、配達地を全て通る配送ルートを決定する。そして、決定した配送ルートにトラックが通る日・曜日を設定し、それを共同配送ルートとする。このような生成処理S4を生成部134が実行することは、配送マッチング方法における生成ステップを行うことに相当する。
【0025】
(情報提示処理)
軽減情報を生成した後、情報提示処理部135は、情報提示処理S5を実行する。この情報提示処理S5において、情報提示処理部135は、生成された共同配送ルート(軽減情報)を提示するための処理を行う。本実施形態に係る情報提示処理部135は、通信部11が共同配送ルートのデータ、または共同配送ルートが記載された情報提示画面のウェブページのデータを端末装置2へ送信するよう通信部11を制御する。共同配送ルートのデータ、またはウェブページのデータを受信した端末装置2は、例えば図6に示したような情報提示画面23を表示する。共同配送ルートR1は、例えば配送区間を示す地図上の線、集荷地および配達地を示す目印等の形で表示することができる。これにより、荷主は、情報提示画面23を参照して、共同配送ルートを利用して荷物を決められた日(曜日)に定期的に配送してもらうようにするか否かを選択することができる。このような情報提示処理S5を情報提示処理部135が実行することは、配送マッチング方法における情報提示ステップを行うことに相当する。
【0026】
[作用効果]
以上説明してきた配送マッチング装置1(プログラム121、配送マッチング方法)が生成するミルクラン方式の共同配送ルートは、これまでに選定された依頼情報の組合せに基づく個々の不定期な配送を一つの定期便としてまとめた配送効率の高いものとなる。このため、共同配送ルートの提示を受けた荷主は、共同配送ルートでの配送を採用することにより、低い運賃で荷物を配送してもらうことが可能となる。一方、配送会社は、提示された共同配送ルートで配送を行うことにより、危険物を単独で運ぶためのトラックの手配や、人による混載の可否の確認といった手間が省かれる。また、共同配送ルートで荷物を配送することにより、稼働させるトラックの台数を少なくしたり、ドライバーの拘束時間を短くしたりすることもできる。すなわち、配送マッチング装置1(プログラム121、配送マッチング方法)によれば、危険物を含む荷物の配送を、荷主および配送会社双方の負担が少ない形で行うための情報(共同配送ルート)を荷主に提示することができる。
【0027】
また、このような配送効率の改善およびドライバーの拘束時間の低減等の効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標8「働きがいのある人間らしい雇用を促進」および目標9「強靭なインフラ開発を促進」等の達成にも貢献するものである。
【0028】
<第二実施形態>
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記第一実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。また、図7における括弧書きの符号は、後述する第三実施形態のものである。
【0029】
本実施形態に係る配送マッチング方法は、例えば配送マッチングシステム100Aを用いて行われる。図7に示したように、配送マッチングシステム100Aは、上記第一実施形態と同様の端末装置2の他、配送マッチング装置1Aを備える。
【0030】
[配送マッチング装置の構成]
本実施形態に係る配送マッチング装置1Aは、図7に示したように、上記第一実施形態と同様の通信部11の他、記憶部12Aと、演算部13Aと、を備える。
【0031】
〔記憶部〕
記憶部12Aは、プログラム121Aを記憶している。プログラム121Aは、配送マッチング装置1Aの演算部13Aの動作が記述されたものである。また、本実施形態に係る記憶部12Aには、データベースが格納されていない。
【0032】
〔演算部〕
演算部13Aは、上記第一実施形態と同様の受付部131、および情報選定部132の他、生成部134Aと、情報提示処理部135Aと、を備える。本実施形態に係る演算部13Aは、上記第一実施形態に係る演算部13と同様のプロセッサで構成されている。このプロセッサが上記記憶部12Aに記憶されているプログラム121Aを図8に示したような流れで実行することにより、プログラム121Aは演算部13Aを各制御ブロック131、132、134A、135Aとして機能させることができる。
【0033】
(生成部)
生成部134Aは、生成処理S4Aを実行する。この生成処理S4Aは、決定処理S41と、算出処理S42と、拠点選定処理S43と、を含む。
【0034】
・決定処理
情報選定処理S2において依頼情報の組合せを選定した後、生成部134Aは、決定処理S41を実行する。この決定処理S41において、生成部134Aは、例えば図9に示したような、選定された二パターン以上の依頼情報にそれぞれ対応する各荷物の集荷および配達を、途中で配達エリアから集荷エリアへ戻ることなく完了できる配送ルートR2(実線の矢印、破線は配送を纏めない場合を示している)を決定する。例えば、選定された依頼情報が、上記荷物Aの依頼情報と荷物Cの依頼情報の2パターンであった場合、演算部13は、図9左側に示したような配送ルートR2を決定する。この配送ルートの場合、配送会社は、まず、集荷エリア内の複数の集荷地で荷物を集めて回り、その後配達エリアへ移動し、配達エリア内の複数の配達地で荷物を降ろして回ることになる。この決定処理S41を生成部134Aが実行することは、配送マッチング方法における決定ステップを行うことに相当する。
【0035】
・算出処理
配送ルートを決定した後、生成部134Aは、図8に示したように、算出処理S42を実行する。この算出処理S42において、生成部134Aは、決定された配送ルートの道のりを算出する。また、本実施形態に係る算出処理S42において、生成部134Aは、荷台が配送ルートの起点から終点までけん引された場合に、荷台をけん引するトレーラーヘッドが排出する二酸化炭素の量を更に算出する。また、配送ルートが有料道路を含み、かつ選定されたドッキングスペースが有料道路を途中で降りたところに位置する場合、算出処理S42において、生成部134Aは、第一通行料金と、第二通行料金と、通し通行料金と、を更に算出する。第一通行料金は、有料道路の起点からドッキングスペースの最寄りの料金所までの通行料金である。第二通行料金は、料金所から有料道路の終点までの通行料金である。通し通行料金は、有料道路の起点から終点まで途中で降りることなく走行した場合の通行料金である。
【0036】
・拠点選定処理
算出された道のりが上限距離を超える場合、生成部134Aは、拠点選定処理S43を実行する。上限距離は、往復するのに所定の上限時間を要する距離である。上限時間は、例えば一日の労働時間等である。拠点選定処理S43において、生成部134Aは、配送ルート上に複数点在する、荷台をけん引するトレーラーヘッドを交換するためのドッキングスペースのうち、配送ルートの起点から上限距離を超えない箇所に位置するドッキングスペースを選定する。そして、生成部134Aは、選定されたドッキングスペースの位置情報を軽減情報として生成する。このような拠点選定処理S43を生成部134Aが実行することは、配送マッチング方法における拠点選定ステップを行うことに相当する。
【0037】
なお、拠点選定処理S43において、生成部134Aは、配送ルートの渋滞状況、および配送ルートからドッキングスペースの選定候補に至る通路の状態の少なくとも一方の情報を加味して、ドッキングスペースを選定してもよい。このようにすれば、渋滞によってドッキングスペースに到着する時間が遅れたり(残業時間が発生したり)、道路状態が悪くて目的のドッキングスペースに入ることができない、といった問題が生じるのを防ぐことができる。
【0038】
(情報提示処理部)
位置情報を生成した後、情報提示処理部135Aは、情報提示処理S5Aを実行する。情報提示処理S5Aにおいて、情報提示処理部135は、選定されたドッキングスペースの位置を提示するための処理を行う。本実施形態に係る情報提示処理S5Aにおいて、情報提示処理部135Aは、通信部11が位置情報のデータ、または位置情報が記載された情報提示画面のウェブページのデータを端末装置2へ送信するよう通信部11を制御する。位置情報のデータ、またはウェブページのデータを受信した端末装置2はドッキングスペースの位置を示す情報提示画面を表示する。これにより、ドライバーは、情報提示画面を参照して、ドッキングスペースを決めることができる。
【0039】
また、本実施形態に係る情報提示処理S5Aにおいて、情報提示処理部135Aは、算出された二酸化炭素の量を更に提示するための処理を行う。また、本実施形態に係る情報提示処理S5Aにおいて、情報提示処理部135Aは、算出された各通行料金を更に提示するための処理を行う。これにより、端末装置2は、情報提示画面に、ドッキングスペースの位置と共に、二酸化炭素の排出量および通行料金の少なくとも一方を表示する。通行料金は、例えば第一通行料金および第二通行料金と、通し通行料金と、を比較する形で表示することができる。
【0040】
[作用効果]
以上説明してきた配送マッチング装置1A(プログラム121A、配送マッチング方法)が生成する位置情報は、選定された依頼情報の組合せに基づく配送における配達地までの道のりが上限距離を超える旨を通知する情報である。また、位置情報は、そこで荷台を交換すれば上限時間内で出発地に戻ることができるドッキングスペースの位置を示す情報でもある。このため、情報の提示を受けた荷主は、提示された配送ルートでの配送を採用することにより、危険物を単独で配送する場合に比べ低い運賃で荷物を配送してもらうことが可能となる。一方、配送会社のドライバーは、提示された位置情報が示すドッキングスペースで荷台の交換を行うことにより、上限時間を超える前に出発地に戻ることができる。特に、上限時間を一日の労働時間とすれば、ドライバーは出発地に日帰りすることができる。すなわち、配送マッチング装置1A(プログラム121A、配送マッチング方法)によれば、危険物を含む荷物の配送を、荷主および配送会社双方の負担が少ない形で行うための情報(位置情報)を荷主に提示することができる。
【0041】
[変形例]
なお、第二実施形態における配送会社の選定方法は特に限定されていないが、演算部13は、上記第一実施形態と同様の会社提示処理部133を備えていてもよい。また、演算部13は、配送会社を自動で選定してもよい。
【0042】
<第三実施形態>
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記第一、第二実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0043】
本実施形態に係る配送マッチング方法は、例えば配送マッチングシステム100Bを用いて行われる。図7に示したように、配送マッチングシステム100Bは、上記第一実施形態と同様の端末装置2の他、配送マッチング装置1Bを備える。
【0044】
[配送マッチング装置の構成]
本実施形態に係る配送マッチング装置1Bは、図7に示したように、上記第一、第二実施形態と同様の通信部11の他、記憶部12Bと、演算部13Bと、を備える。
【0045】
〔記憶部〕
記憶部12Bは、プログラム121Bを記憶している。プログラム121Bは、配送マッチング装置1Bの演算部13Bの動作が記述されたものである。また、本実施形態に係る記憶部12Bには、データベースが格納されていない。
【0046】
〔演算部〕
演算部13Bは、上記第一、第二実施形態に係る受付部131、および情報選定部132の他、生成部134Bと、情報提示処理部135Bと、を備える。本実施形態に係る演算部13Bは、上記第一、第二実施形態に係る演算部13と同様のプロセッサで構成されている。このプロセッサが上記記憶部12Bに記憶されているプログラム121Bを図10に示したような流れで実行することにより、プログラム121Bは演算部13Bを各制御ブロック131、132、134B、135Bとして機能させることができる。
【0047】
(生成部)
生成部134Bは、生成処理S4Bを実行する。この生成処理S4Bは、上記第二実施形態に係る生成処理S4Aと同様の決定処理S41、および算出処理S42の他、拠点選定処理S43Aを含む。
【0048】
・拠点選定処理
算出された道のりが上限距離を超える場合に、生成部134Bは、拠点選定処理S43Aを実行する。この拠点選定処理S43Aにおいて、生成部134Bは、配送ルート上に複数点在する、荷物を積み下ろし可能な中継拠点のうち、配送ルートの起点から上限距離を超えない箇所に位置し、かつ危険物を保管することが可能な中継拠点を選定する。そして、生成部134Bは、選定された中継拠点の位置を示す位置情報を軽減情報として生成する。また、本実施形態に係る拠点選定処理S43Aにおいて、生成部134Bは、依頼情報に対応する等級の危険物を保管することが可能な中継拠点を選定する。このような拠点選定処理S43Aを生成部134Bが実行することは、配送マッチング方法における拠点選定ステップを行うことに相当する。なお、拠点選定処理S43Aにおいて、生成部134Bは、危険物を冷蔵するための冷蔵設備を有する中継拠点を選定してもよい。
【0049】
(情報提示処理部)
位置情報を生成した後、情報提示処理部135Bは、情報提示処理S5Bを実行する。情報提示処理S5Bにおいて、情報提示処理部135Bは、選定された中継拠点の位置を提示するための処理を、上記第二実施形態に係る情報提示処理部135Aがドッキングスペースの位置を提示するための処理を行うのと同様にして行う。これにより、端末装置2は、図11に示したような中継拠点の位置を示す情報提示画面24を表示する。また、本実施形態に係る情報提示処理S5Bにおいて、情報提示処理部135Bは、中継拠点の空き状況(危険物の保管スペースが空いているか否か)を提示するための処理を行う。これにより、端末装置2は、情報提示画面24において、中継拠点の位置と共に、中継拠点の空き状況を表示する。
【0050】
[作用効果]
以上説明してきた配送マッチング装置1B(プログラム121B、配送マッチング方法)が生成する位置情報は、選定された依頼情報の組合せに基づく配送における目的地までの道のりが上限距離を超える旨を通知する情報である。また、位置情報は、そこで荷物を降ろせば上限時間内で出発地に戻ることができる中継拠点の位置を示す情報でもある。このため、情報の提示を受けた荷主は、提示された配送ルートでの配送を採用することにより、危険物を単独で配送する場合に比べ低い運賃で荷物を配送してもらうことが可能となる。一方、配送会社のドライバーは、提示された位置情報が示す中継拠点で荷物を降ろすことにより、上限時間を超える前に出発地に戻ることができる。特に、上限時間を一日の労働時間とすれば、ドライバーは出発地に日帰りすることができる。すなわち、配送マッチング装置1B(プログラム121B、配送マッチング方法)によれば、危険物を含む荷物の配送を、荷主および配送会社双方の負担が少ない形で行うための情報(位置情報)を荷主に提示することができる。
【0051】
[変形例]
なお、第三実施形態においては、演算部13Bは、情報選定部132を備えていなくてもよい(情報選定処理S2を実行しなくてもよい)。この場合、受付部131は、受付処理S1において、危険物を含む荷物の配送を依頼する旨の依頼情報を少なくとも一パターン受け付ければよい。また、この場合、生成部134B、決定処理S41において、受け付けた一パターンの依頼情報に対応する荷物の配送ルートを決定すればよい。
【0052】
<第一~第三実施形態共通の変形例>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【0053】
例えば、上記各実施形態において、配送マッチング装置は、端末装置に入力された依頼情報を受け付け、軽減情報を端末装置に表示させるよう構成されていた。しかし、配送マッチング装置は、依頼情報を入力する入力部、および軽減情報を表示する表示部の少なくとも一方を備えていてもよい。すなわち、受付処理S1において、受付部131は、端末装置2を介さずに依頼情報を受け付けてもよいし、情報提示処理S5において、情報提示処理部135は、端末装置2を介さずに軽減情報を提示してもよい。
【0054】
また、上記各実施形態において、プログラムは、配送マッチング装置の記憶部に記憶されていた。しかし、プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0055】
また、上記各実施形態において、各制御ブロックの機能は、プロセッサがプログラムを実行することにより実現されていた。しかし、各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0056】
また、上記各実施形態で説明した各処理(特に生成処理)は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0057】
また、本発明について、三つの実施形態を説明してきたが、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0058】
<まとめ>
本発明の態様1に係る配送マッチング方法は、危険物を含む荷物の配送を依頼する旨の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付ステップと、複数パターンの前記依頼情報のうち、対応する前記荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の前記依頼情報の組合せを選定する情報選定ステップと、選定された前記依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成ステップと、生成された前記軽減情報を提示する情報提示ステップと、を有する、方法である。
【0059】
本発明の態様2に係る配送マッチング方法は、上記の態様1において、前記生成ステップは、選定された二パターン以上の前記依頼情報にそれぞれ対応する各前記荷物の集荷および配達を、途中で前記配達エリアから前記集荷エリアへ戻ることなく完了できる配送ルートを決定する決定ステップと、決定された前記配送ルートの道のりを算出する算出ステップと、算出された前記道のりが、往復するのに所定の上限時間を要する上限距離を超える場合に、前記配送ルート上に複数点在する、前記荷物を積み下ろし可能な中継拠点のうち、前記配送ルートの起点から前記上限距離を超えない箇所に位置し、かつ前記危険物を保管することが可能な前記中継拠点を選定し、選定された前記中継拠点の位置を示す位置情報を、前記軽減情報として生成する拠点選定ステップと、を含む、方法としてもよい。
【0060】
本発明の態様3に係る配送マッチング方法は、上記の態様1または2において、前記拠点選定ステップにおいて、前記依頼情報に対応する等級の前記危険物を保管することが可能な前記中継拠点を選定する、方法としてもよい。
【0061】
本発明の態様4に係る配送マッチング方法は、上記の態様1から3のいずれかにおいて、前記拠点選定ステップにおいて、前記危険物を冷蔵するための冷蔵設備を有する前記中継拠点を選定する、方法としてもよい。
【0062】
本発明の態様5に係る配送マッチング方法は、上記の態様1において、前記生成ステップにおいて、一以上の前記依頼情報の組合せに基づく配送の実績に基づいて、ミルクラン方式の共同配送ルートを、前記軽減情報として生成する、方法としてもよい。
【0063】
本発明の態様6に係る配送マッチング方法は、上記の態様1または5において、選定された前記依頼情報の組合せに対応する前記危険物を配送することが可能な配送会社に関する会社情報を提示する会社提示ステップを更に有する、方法としてもよい。
【0064】
本発明の態様7に係る配送マッチング方法は、上記の態様1、5および6のいずれかにおいて、前記受付ステップにおいて、配送会社へ物流情報を提供するサーバから、当該サーバが蓄積している前記荷物の集荷地および配達地の情報を、前記依頼情報に相当する情報として受け付ける、方法としてもよい。
【0065】
本発明の態様8に係る配送マッチング方法は、上記の態様1において、前記生成ステップは、選定された二パターン以上の前記依頼情報にそれぞれ対応する各前記荷物の集荷および配達を、途中で前記配達エリアから前記集荷エリアへ戻ることなく完了できる配送ルートを決定する決定ステップと、決定された前記配送ルートの道のりを算出する算出ステップと、算出された前記道のりが、往復するのに所定の上限時間を要する上限距離を超える場合に、前記配送ルート上に複数点在する、前記荷台をけん引するトレーラーヘッドを交換するためのドッキングスペースのうち、前記配送ルートの起点から前記上限距離を超えない箇所に位置する前記ドッキングスペースを選定し、選定された前記ドッキングスペースの位置を示す位置情報を、前記軽減情報として生成する拠点選定ステップと、を含む、方法としてもよい。
【0066】
本発明の態様9に係る配送マッチング方法は、上記の態様1または8において、前記拠点選定ステップにおいて、前記配送ルートの渋滞状況、および前記配送ルートから前記ドッキングスペースの選定候補に至る通路の状態の少なくとも一方の情報を加味して、前記ドッキングスペースを選定する、方法としてもよい。
【0067】
本発明の態様10に係る配送マッチング方法は、上記の態様1、8および9のいずれかにおいて、前記算出ステップにおいて、前記荷台が前記配送ルートの起点から終点までけん引された場合に、前記荷台をけん引するトレーラーヘッドが排出する二酸化炭素の量を更に算出し、前記情報提示ステップにおいて、算出された前記二酸化炭素の量を更に提示する、方法としてもよい。
【0068】
本発明の態様11に係る配送マッチング方法は、上記の態様8または9において、前記配送ルートが有料道路を含み、かつ選定された前記ドッキングスペースが前記有料道路を途中で降りたところに位置する場合、前記算出ステップにおいて、前記有料道路の起点から前記ドッキングスペースの最寄りの料金所までの第一通行料金と、前記料金所から前記有料道路の終点までの第二通行料金と、前記有料道路の起点から終点まで途中で降りることなく走行した場合の通し通行料金と、を更に算出し、前記情報提示ステップにおいて、算出された各通行料金を更に提示する、方法としてもよい。
【0069】
本発明の態様12に係るプログラムは、コンピュータに、危険物を含む荷物の配送を依頼する旨の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付処理と、複数パターンの前記依頼情報のうち、対応する前記荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の前記依頼情報の組合せを選定する情報選定処理と、選定された前記依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成処理と、生成された前記軽減情報を提示する情報提示処理と、を実行させる、構成である。
【0070】
本発明の態様13に係る配送マッチングシステムは、危険物を含む荷物の配送を依頼する旨の依頼情報であって、集荷地が存在する集荷エリアおよび配達地が存在する配達エリアがそれぞれ共通する複数パターンの依頼情報を受け付ける受付部と、複数パターンの前記依頼情報のうち、対応する前記荷物を一の荷台に混載して運ぶことが可能な二パターン以上の前記依頼情報の組合せを選定する情報選定部と、選定された前記依頼情報の組合せに基づいて、配送の負担を軽減するための軽減情報を生成する生成部と、生成された前記軽減情報を提示するための処理を行う情報提示処理部と、を有する、構成である。
【符号の説明】
【0071】
1、1A、1B 配送マッチング装置
11 通信部
12、12A、12B 記憶部
121、121A、121B プログラム
122 データベース
13、13A、13B 演算部
131 受付部
132 選定部
133 会社提示処理部
134、134A、134B 生成部
135、135A、135B 情報提示処理部
2 端末装置
21 受付画面
22 会社提示画面
23、24 情報提示画面
S1 受付処理
S2 情報選定処理
S3 会社提示処理
S4、S4A、S4B 生成処理
S41 決定処理
S42 算出処理
S43、S43A 拠点選定処理
S5、S5A、S5B 情報提示処理

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11