(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021125
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】ステータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/34 20060101AFI20250205BHJP
【FI】
H02K3/34 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124857
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柴 敦誉
(72)【発明者】
【氏名】杉本 幸彦
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB01
5H604BB08
5H604BB12
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC14
5H604DB01
5H604DB15
5H604PB03
5H604QB01
5H604QB17
(57)【要約】
【課題】ステータの生産性の低下を抑制すること。
【解決手段】ステータは、ヨーク及びヨークから突出する複数のティースを有するステータコアと、ステータコアに固定されるインシュレータと、インシュレータを介してティースに巻かれるコイルと、を備える。インシュレータは、軸方向においてステータコアの端部に固定される端部インシュレータと、軸方向において端部インシュレータよりもステータコアの中心側に配置される中間インシュレータと、を有する。端部インシュレータ及び中間インシュレータの一方は、凸部を有する。端部インシュレータ及び中間インシュレータの他方は、凸部が嵌る凹部を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨーク及び前記ヨークから突出する複数のティースを有するステータコアと、
前記ステータコアに固定されるインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記ティースに巻かれるコイルと、を備え、
前記インシュレータは、軸方向において前記ステータコアの端部に固定される端部インシュレータと、軸方向において前記端部インシュレータよりも前記ステータコアの中心側に配置される中間インシュレータと、を有し、
前記端部インシュレータ及び前記中間インシュレータの一方は、凸部を有し、
前記端部インシュレータ及び前記中間インシュレータの他方は、前記凸部が嵌る凹部を有する、
ステータ。
【請求項2】
前記中間インシュレータは、前記ヨークに対向する中間ヨーク対向部と、前記ティースに対向する中間ティース対向部と、を有し、
前記凸部又は前記凹部は、前記中間ヨーク対向部に設けられる、
請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記中間インシュレータは、前記中間ヨーク対向部から軸方向に突出する一対のロッド部を有し、
前記凹部は、一対の前記ロッド部の間に規定される、
請求項2に記載のステータ。
【請求項4】
前記端部インシュレータは、前記ヨークに対向する端部ヨーク対向部を有し、
前記ロッド部は、前記端部ヨーク対向部に接触する、
請求項3に記載のステータ。
【請求項5】
前記端部インシュレータは、前記凹部に嵌る前記凸部を有し、
前記凸部に、前記凹部に繋がる第1絶縁紙保持溝が設けられ、
前記凹部及び前記第1絶縁紙保持溝に絶縁紙が挿入される、
請求項4に記載のステータ。
【請求項6】
前記端部インシュレータは、前記ヨークに対向する端部ヨーク対向部と、前記ティースに対向する端部ティース対向部と、を有し、
前記端部ティース対向部に、前記絶縁紙が挿入される第2絶縁紙保持溝が設けられる、
請求項5に記載のステータ。
【請求項7】
前記第1絶縁紙保持溝の幅は、前記凹部の幅よりも小さい、
請求項5に記載のステータ。
【請求項8】
前記端部インシュレータは、前記ヨークに対向する端部ヨーク対向部と、前記ティースに対向する端部ティース対向部と、を有し、
前記中間インシュレータは、前記ヨークに対向する中間ヨーク対向部と、前記ティースに対向する中間ティース対向部と、を有し、
前記端部ティース対向部及び前記中間ティース対向部の一方は、前記凸部を有し、
前記端部ティース対向部及び前記中間ティース対向部の他方は、前記凹部を有する、
請求項1に記載のステータ。
【請求項9】
複数の前記コイルを繋ぐ渡り線を備え、
前記端部インシュレータは、複数の前記渡り線のそれぞれを保持する複数の渡り線保持溝を有し、
複数の前記渡り線保持溝は、軸方向に配置される、
請求項1に記載のステータ。
【請求項10】
複数の前記渡り線保持溝のそれぞれの深さは、相互に異なる、
請求項9に記載のステータ。
【請求項11】
前記端部インシュレータは、前記コイルよりも径方向外側に配置され、前記コイルを支持する外側コイル止部と、前記コイルよりも径方向内側に配置され、前記コイルを支持する内側コイル止部と、を有する、
請求項9に記載のステータ。
【請求項12】
前記渡り線保持溝は、前記外側コイル止部の外周面に設けられ、
前記端部インシュレータは、前記渡り線保持溝よりも径方向内側に設けられ、前記渡り線を支持する渡り線支持溝を有する、
請求項11に記載のステータ。
【請求項13】
前記端部インシュレータ及び前記中間インシュレータのそれぞれは、周方向に分割された複数の分割インシュレータを含む、
請求項1に記載のステータ。
【請求項14】
前記端部インシュレータは、軸方向において前記ステータコアの一端部に固定され、前記中間インシュレータの一端部に接続される第1端部インシュレータと、軸方向において前記ステータコアの他端部に固定され、前記中間インシュレータの他端部に接続される第2端部インシュレータと、を含み、
周方向において、前記第1端部インシュレータの分割インシュレータの寸法と前記第2端部インシュレータの分割インシュレータの寸法とは、等しく、
前記第1端部インシュレータ及び前記第2端部インシュレータのそれぞれは、前記ヨークに対向する端部ヨーク対向部と、前記ティースに対向する端部ティース対向部と、を有し、
前記第1端部インシュレータの分割インシュレータと前記第2端部インシュレータの分割インシュレータとが周方向にずれた状態で、前記コイルが前記第1端部インシュレータの端部ティース対向部と前記第2端部インシュレータの端部ティース対向部とに巻かれる、
請求項13に記載のステータ。
【請求項15】
前記端部インシュレータは、軸方向において前記ステータコアの一端部に固定され、前記中間インシュレータの一端部に接続される第1端部インシュレータと、軸方向において前記ステータコアの他端部に固定され、前記中間インシュレータの他端部に接続される第2端部インシュレータと、を含む、
請求項1に記載のステータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ステータに関する。
【背景技術】
【0002】
ステータに係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、分割インシュレータを備える電機子が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステータは、インシュレータをステータコアに装着する工程と、インシュレータを介してステータコアにコイルを巻く工程とを経て生産される。コイルが巻かれる前においては、インシュレータがステータコアから脱落する可能性がある。ステータの生産工程において、インシュレータがステータコアから脱落すると、ステータの生産性が低下する。
【0005】
本開示は、ステータの生産性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、ヨーク及びヨークから突出する複数のティースを有するステータコアと、ステータコアに固定されるインシュレータと、インシュレータを介してティースに巻かれるコイルと、を備えるステータが提供される。インシュレータは、軸方向においてステータコアの端部に固定される端部インシュレータと、軸方向において端部インシュレータよりもステータコアの中心側に配置される中間インシュレータと、を有する。端部インシュレータ及び中間インシュレータの一方は、凸部を有する。端部インシュレータ及び中間インシュレータの他方は、凸部が嵌る凹部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ステータの生産性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るステータを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るステータコア及びインシュレータを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るステータコア及びインシュレータを示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るステータの一部を拡大した図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る上端インシュレータの分割インシュレータを示す上側からの斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る上端インシュレータの分割インシュレータを示す下側からの斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る上端インシュレータの分割インシュレータを上側から見た図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る上端インシュレータの分割インシュレータを径方向内側から見た図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る中間インシュレータの分割インシュレータを示す上側からの斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る中間インシュレータの分割インシュレータを示す下側からの斜視図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る中間インシュレータの分割インシュレータを上側から見た図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る中間インシュレータの分割インシュレータを径方向内側から見た図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る下端インシュレータの分割インシュレータを示す上側からの斜視図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る下端インシュレータの分割インシュレータを示す下側からの斜視図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る下端インシュレータの分割インシュレータを下側から見た図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る下端インシュレータの分割インシュレータを径方向内側から見た図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る上端インシュレータと中間インシュレータとの接続構造を径方向内側から見た図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る下端インシュレータと中間インシュレータとの接続構造を径方向内側から見た図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る上端インシュレータと中間インシュレータとの接続構造を上側から見た図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係るステータの一部を上側から見た図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る上端インシュレータの一部を示す断面斜視図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る上端インシュレータと中間インシュレータと下端インシュレータとの関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、ステータ1の中心軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称する。ステータ1の中心軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。ステータ1の中心軸AXを周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称する。
【0011】
軸方向の一方側の位置又は一方側の方向を適宜、上側又は上方向、と称し、軸方向の他方側の位置又は他方側の方向を適宜、下側又は下方向、と称する。径方向において、ステータ1の中心軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側又は内方向、と称し、ステータ1の中心軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側又は外方向、と称する。周方向の一方側の位置又は一方側の方向を適宜、正転側又は正転方向、と称し、周方向の他方側の位置又は他方側の方向を適宜、逆転側又は逆転方向、と称する。
【0012】
[ステータ]
図1は、実施形態に係るステータ1を示す斜視図である。ステータ1は、インナロータ型のモータに使用される。ステータ1は、不図示のロータの周囲に配置される。ロータは、中心軸AXを中心に回転する。モータは、例えば建設機械の一種である電動式油圧ショベルの油圧ポンプを駆動させるための回転力を発生する。
【0013】
ステータ1は、ステータコア2と、ステータコア2に固定されるインシュレータ3と、インシュレータ3を介してステータコア2に装着されるコイル4とを備える。
【0014】
図2は、実施形態に係るステータコア2及びインシュレータ3を示す斜視図である。
図3は、実施形態に係るステータコア2及びインシュレータ3を示す分解斜視図である。
【0015】
ステータコア2は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア2は、円環状のヨーク21と、ヨーク21の内周面から径方向内側に突出する複数のティース22とを有する。ヨーク21は、中心軸AXを囲むように配置される。ティース22は、周方向に複数配置される。複数のティース22は、周方向に等間隔で配置される。隣り合う一対のティース22の間には、スロット23が設けられる。
【0016】
インシュレータ3は、ステータコア2の表面の少なくとも一部を覆うように配置される。インシュレータ3は、合成樹脂製の電気絶縁部材である。インシュレータ3は、ステータコア2に固定される。ステータコア2とコイル4とは、インシュレータ3により電気的に絶縁される。実施形態において、インシュレータ3は、例えば射出成形法のような任意の成形法により成形された後、ステータコア2に装着される。
【0017】
実施形態において、インシュレータ3は、軸方向及び周方向のそれぞれに分割される。インシュレータ3は、上端インシュレータ5と、中間インシュレータ6と、下端インシュレータ7とを含む。上端インシュレータ5と中間インシュレータ6と下端インシュレータ7とは、軸方向に配置される。上端インシュレータ5の少なくとも一部は、中間インシュレータ6よりも上側に配置される。下端インシュレータ7の少なくとも一部は、中間インシュレータ6よりも下側に配置される。
【0018】
上端インシュレータ5は、ステータコア2の上端部に固定される。下端インシュレータ7は、ステータコア2の下端部に固定される。中間インシュレータ6は、軸方向において上端インシュレータ5よりもステータコア2の中心側に配置される。すなわち、中間インシュレータ6は、軸方向において上端インシュレータ5よりも下側に配置される。中間インシュレータ6は、軸方向において下端インシュレータ7よりもステータコア2の中心側に配置される。すなわち、中間インシュレータ6は、軸方向において下端インシュレータ7よりも上側に配置される。上端インシュレータ5は、中間インシュレータ6の上端部に接続される。下端インシュレータ7は、中間インシュレータ6の下端部に接続される。
【0019】
コイル4は、インシュレータ3を介してティース22に巻かれる。実施形態において、コイル15は、ティース22に集中巻によって巻かれている。コイル4の一部は、スロット23の内側に配置される。コイル4の一部は、ステータコア2の上端面から上方向に突出する。コイル4の一部は、ステータコア2の下端面から下方向に突出する。実施形態において、コイル4は、1つのティース22に1つずつ巻かれる。すなわち、1つのティース22に1つのコイル4が巻かれる。
【0020】
複数のコイル4のそれぞれは、U相コイル、V相コイル、及びW相コイルのいずれか一つに割り当てられる。12個のコイル4がU相コイルに割り当てられる。12個のコイル4がV相コイルに割り当てられる。12個のコイル4がW相コイルに割り当てられる。
【0021】
接続端子8を介してコイル4に駆動電流が供給される。接続端子8は、U相駆動電流が供給されるU相接続端子8Uと、V相駆動電流が供給されるV相接続端子8Vと、W相駆動電流が供給されるW相接続端子8Wとを含む。コイル4に駆動電流が供給されることにより、コイル4とロータとの間で回転磁界が生成され、ロータが回転する。
【0022】
複数のコイル4は、渡り線9を介して接続される。渡り線9は、複数設けられる。
図1に示す例において、渡り線9は、渡り線9Uと、渡り線9Vと、渡り線9Wとを含む。
【0023】
図4は、実施形態に係るステータ1の一部を拡大した図である。
図3及び
図4に示すように、上端インシュレータ5は、ヨーク21に対向するヨーク対向部50と、ティース22に対向するティース対向部51、ティース対向部52、及びティース対向部53とを有する。ヨーク対向部50は、径方向内側を向くヨーク21の内周面を覆う。ティース対向部51は、周方向正転側を向くティース22の側面を覆う。ティース対向部52は、周方向逆転側を向くティース22の側面を覆う。ティース対向部53は、上側を向くティース22の上面を覆う。ティース対向部53は、ティース対向部51の上端部とティース対向部52の上端部とをつなぐように配置される。ティース対向部53の周方向正転側の端部に接続されるティース対向部51は、スロット23に配置される。ティース対向部53の周方向逆転側の端部に接続されるティース対向部52は、ティース対向部51が配置されるスロット23の隣のスロット23に配置される。ティース対向部51、ティース対向部52、及びティース対向部53のそれぞれは、ティース22とコイル4との間に配置される。
【0024】
また、上端インシュレータ5は、コイル4よりも径方向外側に配置される外側コイル止部54と、コイル4よりも径方向内側に配置される内側コイル止部55とを有する。外側コイル止部54は、ティース対向部53の径方向外側の端部から上方向に突出する。内側コイル止部55は、ティース対向部53の径方向内側の端部から上方向に突出する。外側コイル止部54の上端部の位置は、内側コイル止部55の上端部の位置よりも上側に配置される。外側コイル止部54は、コイル4を径方向外側から支持する。内側コイル止部55は、コイル4を径方向内側から支持する。
【0025】
また、上端インシュレータ5は、複数の渡り線9のそれぞれを保持する複数の渡り線保持溝56を有する。渡り線保持溝56は、径方向外側を向く外側コイル止部54の外周面に設けられる。渡り線保持溝56は、周方向に延びるように形成される。複数の渡り線保持溝56は、軸方向に配置される。実施形態において、3つの渡り線保持溝56が軸方向に配置される。渡り線9は、渡り線保持溝56の内側に配置される。1つの渡り線保持溝56に渡り線9が配置される。
【0026】
中間インシュレータ6は、スロット23に配置される。中間インシュレータ6は、ヨーク21に対向するヨーク対向部60と、ティース22に対向するティース対向部61及びティース対向部62とを有する。ヨーク対向部60は、径方向内側を向くヨーク21の内周面を覆う。ティース対向部61は、周方向逆転側を向くティース22の側面を覆う。ティース対向部62は、周方向正転側を向くティース22の側面を覆う。ティース対向部61及びティース対向部62のそれぞれは、ティース22とコイル4との間に配置される。
【0027】
下端インシュレータ7は、ヨーク21に対向するヨーク対向部70と、ティース22に対向するティース対向部71、ティース対向部72、及びティース対向部73とを有する。ヨーク対向部70は、径方向内側を向くヨーク21の内周面を覆う。ティース対向部71は、周方向正転側を向くティース22の側面を覆う。ティース対向部72は、周方向逆転側を向くティース22の側面を覆う。ティース対向部73は、下側を向くティース22の下面を覆う。ティース対向部73は、ティース対向部71の下端部とティース対向部72の下端部とをつなぐように配置される。ティース対向部73の周方向正転側の端部に接続されるティース対向部71は、スロット23に配置される。ティース対向部73の周方向逆転側の端部に接続されるティース対向部72は、ティース対向部71が配置されるスロット23の隣のスロット23に配置される。ティース対向部71、ティース対向部72、及びティース対向部73のそれぞれは、ティース22とコイル4との間に配置される。
【0028】
また、下端インシュレータ7は、コイル4よりも径方向外側に配置される外側コイル止部74と、コイル4よりも径方向内側に配置される内側コイル止部75とを有する。外側コイル止部74は、ティース対向部73の径方向外側の端部から下方向に突出する。内側コイル止部75は、ティース対向部73の径方向内側の端部から下方向に突出する。外側コイル止部74の下端部の位置は、内側コイル止部75の下端部の位置よりも下側に配置される。外側コイル止部74は、コイル4を径方向外側から支持する。内側コイル止部75は、コイル4を径方向内側から支持する。
【0029】
ヨーク対向部50の下端部とヨーク対向部60の上端部とが接続する。ティース対向部51の下端部とティース対向部62の上端部とが接続される。ティース対向部52の下端部とティース対向部61の上端部とが接続される。ヨーク対向部50の上端部とヨーク対向部60の下端部とが接続する。ティース対向部71の上端部とティース対向部62の下端部とが接続される。ティース対向部72の上端部とティース対向部61の下端部とが接続される。
【0030】
上端インシュレータ5、中間インシュレータ6、及び下端インシュレータ7のそれぞれは、周方向に分割された複数の分割インシュレータを含む。
【0031】
図5は、実施形態に係る上端インシュレータ5の分割インシュレータを示す上側からの斜視図である。
図6は、実施形態に係る上端インシュレータ5の分割インシュレータを示す下側からの斜視図である。
図7は、実施形態に係る上端インシュレータ5の分割インシュレータを上側から見た図である。
図8は、実施形態に係る上端インシュレータ5の分割インシュレータを径方向内側から見た図である。
【0032】
上述のように、上端インシュレータ5は、ヨーク対向部50と、ティース対向部51と、ティース対向部52と、ティース対向部53と、外側コイル止部54と、内側コイル止部55と、渡り線保持溝56とを有する。ティース対向部51は、周方向正転側を向くティース22の側面を覆う周方向対向部51Aと、径方向内側を向くティース22の内面を覆う径方向対向部51Bとを含む。ティース対向部52は、周方向逆転側を向くティース22の側面を覆う周方向対向部52Aと、径方向内側を向くティース22の内面を覆う径方向対向部52Bとを含む。径方向対向部51Bは、周方向対向部51Aの径方向内側の端部から周方向逆転側に延びる。径方向対向部52Bは、周方向対向部52Aの径方向内側の端部から周方向正転側に延びる。
【0033】
また、上端インシュレータ5は、凸部57と、凸部58とを有する。凸部57は、ヨーク対向部50の下端部、ティース対向部51の下端部、及びティース対向部52の下端部のそれぞれから下方向に突出する。凸部57の厚みは、ヨーク対向部50、ティース対向部51、及びティース対向部52のそれぞれの厚みよりも薄い。凸部57は、外面57Aを有する。外面57Aは、支持面57Bに直交する。
【0034】
凸部58は、ヨーク対向部50に設けられる。凸部58は、径方向内側を向くヨーク対向部50の内面において、軸方向に延びるように設けられる。凸部58は、ヨーク対向部50の内面から径方向内側に突出する。凸部58の上端部は、上端インシュレータ5(外側コイル止部54)の上端部まで延びる。軸方向において、凸部58の上端部の位置と外側コイル止部54の上端部の位置とは、実質的に一致する。凸部58の下端部は、上端インシュレータ5(ヨーク対向部50)の下端部まで延びる。軸方向において、凸部58の下端部の位置とヨーク対向部50の下端部の位置とは、実質的に一致する。
【0035】
凸部58に絶縁紙保持溝59が設けられる。絶縁紙保持溝59は、凸部58の径方向内側の端面から径方向外側に窪むように設けられる。絶縁紙保持溝59は、軸方向に延びるように設けられる。凸部58の上端部の位置と絶縁紙保持溝59の上端部の位置とは、一致する。凸部58の下端部の位置と絶縁紙保持溝59の下端部の位置とは、一致する。
【0036】
また、ティース対向部51及びティース対向部52のそれぞれに絶縁紙保持溝85が設けられる。絶縁紙保持溝85は、ティース対向部51の径方向内側の端部に配置される径方向対向部51B、及びティース対向部52の径方向内側の端部に配置される径方向対向部52Bのそれぞれに設けられる。絶縁紙保持溝85は、径方向対向部51B及び径方向対向部52Bのそれぞれにおいて軸方向に延びるように設けられる。
【0037】
図9は、実施形態に係る中間インシュレータ6の分割インシュレータを示す上側からの斜視図である。
図10は、実施形態に係る中間インシュレータ6の分割インシュレータを示す下側からの斜視図である。
図11は、実施形態に係る中間インシュレータ6の分割インシュレータを上側から見た図である。
図12は、実施形態に係る中間インシュレータ6の分割インシュレータを径方向内側から見た図である。
【0038】
上述のように、中間インシュレータ6は、ヨーク対向部60と、ティース対向部61と、ティース対向部62とを有する。ティース対向部61は、周方向逆転側を向くティース22の側面を覆う周方向対向部61Aと、周方向対向部61Aの径方向内側の端部から周方向逆転側に延びる径方向対向部61Bとを含む。ティース対向部62は、周方向正転側を向くティース22の側面を覆う周方向対向部62Aと、周方向対向部62Aの径方向内側の端部から周方向正転側に延びる径方向対向部62Bとを含む。
【0039】
また、中間インシュレータ6は、一対のロッド部63を有する。ロッド部63は、ヨーク対向部60に設けられる。ロッド部63は、径方向内側を向くヨーク対向部60の内面において、軸方向に延びるように設けられる。一対のロッド部63は、周方向に相互に離れて配置される。一対のロッド部63は、相互に平行に設けられる。ロッド部63は、ヨーク対向部60の内面に固定される。ロッド部63の上端部は、ヨーク対向部60の上端部から上側に突出する。ロッド部63の下端部は、ヨーク対向部60の下端部から下側に突出する。
【0040】
ヨーク対向部60の上端部から上側に突出する一対のロッド部63の間に凹部64が設けられる。凹部64は、ヨーク対向部60から上側に突出する一対のロッド部63の間に規定される。ヨーク対向部60の下端部から下側に突出する一対のロッド部63の間に凹部65が設けられる。凹部65は、ヨーク対向部60から下側に突出する一対のロッド部63の間に規定される。
【0041】
また、中間インシュレータ6は、凹部66を有する。凹部66は、ヨーク対向部60の上端部、ティース対向部61の上端部、及びティース対向部62の上端部のそれぞれから下方向に窪む。凹部66は、内面66Aを有する。内面66Aは、支持面66Bに直交する。
【0042】
また、中間インシュレータ6は、凸部67を有する。凸部67は、ヨーク対向部60の下端部、ティース対向部61の下端部、及びティース対向部62の下端部のそれぞれから下方向に突出する。凸部67の厚みは、ヨーク対向部60、ティース対向部61、及びティース対向部62のそれぞれの厚みよりも薄い。凸部67は、外面67Aを有する。外面67Aは、支持面67Bに直交する。
【0043】
一対のロッド部63の間に絶縁紙保持溝69が設けられる。絶縁紙保持溝69は、一対のロッド部63とヨーク対向部60の内面とにより規定される。絶縁紙保持溝69は、軸方向に延びるように設けられる。絶縁紙保持溝69の上側に凹部64が設けられる。絶縁紙保持溝69の下側に凹部65が設けられる。
【0044】
また、ティース対向部51及びティース対向部52のそれぞれに絶縁紙保持溝86が設けられる。絶縁紙保持溝86は、ティース対向部61の径方向内側の端部に配置される径方向対向部61B、及びティース対向部62の径方向内側の端部に配置される径方向対向部62Bのそれぞれに設けられる。絶縁紙保持溝86は、径方向対向部61B及び径方向対向部62Bのそれぞれにおいて軸方向に延びるように設けられる。
【0045】
図13は、実施形態に係る下端インシュレータ7の分割インシュレータを示す上側からの斜視図である。
図14は、実施形態に係る下端インシュレータ7の分割インシュレータを示す下側からの斜視図である。
図15は、実施形態に係る下端インシュレータ7の分割インシュレータを下側から見た図である。
図16は、実施形態に係る下端インシュレータ7の分割インシュレータを径方向内側から見た図である。
【0046】
上述のように、下端インシュレータ7は、ヨーク対向部70と、ティース対向部71と、ティース対向部72と、ティース対向部73と、外側コイル止部74と、内側コイル止部75とを有する。ティース対向部71は、周方向正転側を向くティース22の側面を覆う周方向対向部71Aと、径方向内側を向くティース22の内面を覆う径方向対向部71Bとを含む。ティース対向部72は、周方向逆転側を向くティース22の側面を覆う周方向対向部72Aと、径方向内側を向くティース22の内面を覆う径方向対向部72Bとを含む。径方向対向部71Bは、周方向対向部71Aの径方向内側の端部から周方向逆転側に延びる。径方向対向部72Bは、周方向対向部72Aの径方向内側の端部から周方向正転側に延びる。
【0047】
また、下端インシュレータ7は、凹部77と、凸部78とを有する。凹部77は、ヨーク対向部70の上端部、ティース対向部71の上端部、及びティース対向部72の上端部のそれぞれから下方向に窪む。凹部77は、内面77Aを有する。内面77Aは、支持面77Bに直交する。
【0048】
凸部78は、ヨーク対向部70に設けられる。凸部78は、径方向内側を向くヨーク対向部70の内面において、軸方向に延びるように設けられる。凸部78は、ヨーク対向部70の内面から径方向内側に突出する。凸部78の上端部は、下端インシュレータ7(ヨーク対向部70)の上端部まで延びる。軸方向において、凸部78の上端部の位置とヨーク対向部70の上端部の位置とは、実質的に一致する。凸部78の下端部は、下端インシュレータ7(外側コイル止部74)の下端部まで延びる。軸方向において、凸部78の下端部の位置とヨーク対向部70の下端部の位置とは、実質的に一致する。
【0049】
凸部78に絶縁紙保持溝79が設けられる。絶縁紙保持溝79は、凸部78の径方向内側の端面から径方向外側に窪むように設けられる。絶縁紙保持溝79は、軸方向に延びるように設けられる。凸部78の上端部の位置と絶縁紙保持溝79の上端部の位置とは、一致する。凸部78の下端部の位置と絶縁紙保持溝79の下端部の位置とは、一致する。
【0050】
また、ティース対向部71及びティース対向部72のそれぞれに絶縁紙保持溝87が設けられる。絶縁紙保持溝87は、ティース対向部71の径方向内側の端部に配置される径方向対向部71B、及びティース対向部72の径方向内側の端部に配置される径方向対向部72Bのそれぞれに設けられる。絶縁紙保持溝87は、径方向対向部71B及び径方向対向部72Bのそれぞれにおいて軸方向に延びるように設けられる。
【0051】
図17は、実施形態に係る上端インシュレータ5と中間インシュレータ6との接続構造を径方向内側から見た図である。
図18は、実施形態に係る下端インシュレータ7と中間インシュレータ6との接続構造を径方向内側から見た図である。
図17及び
図18のそれぞれは、
図4の一部を拡大した図に相当する。
図19は、実施形態に係る上端インシュレータ5と中間インシュレータ6との接続構造を上側から見た図である。
【0052】
上端インシュレータ5は、凸部58を有する。中間インシュレータ6は、凸部58が嵌る凹部64を有する。凸部58は、ヨーク対向部50に設けられる。凹部64は、中間インシュレータ6に設けられる。凸部58の下端部が、中間インシュレータ6の上端部に設けられた凹部64に挿入される。凸部58が凹部64に嵌ることにより、上端インシュレータ5と中間インシュレータ6との分離が抑制される。
【0053】
また、上端インシュレータ5は、凸部57を有する。中間インシュレータ6は、凸部57が嵌る凹部66を有する。凸部57は、少なくともティース対向部51及びティース対向部52に設けられる。凹部66は、少なくともティース対向部61及びティース対向部52に設けられる。上端インシュレータ5の下端部に設けられた凸部57の下端部が、中間インシュレータ6の上端部に設けられた凹部66に挿入される。凸部57の下端部は、凹部66の支持面66Bに接触する。外面57Aと内面66Aとが接触する。凸部57が凹部66に嵌ることにより、上端インシュレータ5と中間インシュレータ6との分離が抑制される。
【0054】
図19に示すように、凸部58は、一対のロッド部63により挟み付けられる。また、ロッド部63の上端部は、径方向内側を向くヨーク対向部50の内面に接触する。ロッド部63による凸部58の挟み付け力と、ロッド部63とヨーク対向部50との接触力とにより、上端インシュレータ5と中間インシュレータ6との分離が抑制される。
【0055】
下端インシュレータ7は、凸部78を有する。中間インシュレータ6は、凸部78が嵌る凹部65を有する。凸部78は、ヨーク対向部70に設けられる。凹部65は、中間インシュレータ6に設けられる。凸部78の上端部が、中間インシュレータ6の下端部に設けられた凹部65に挿入される。凸部78が凹部65に嵌ることにより、下端インシュレータ7と中間インシュレータ6との分離が抑制される。
【0056】
凸部78は、一対のロッド部63により挟み付けられる。また、ロッド部63の下端部は、径方向内側を向くヨーク対向部70の内面に接触する。ロッド部63による凸部78の挟み付け力と、ロッド部63とヨーク対向部70との接触力とにより、下端インシュレータ7と中間インシュレータ6との分離が抑制される。
【0057】
また、下端インシュレータ7は、凹部77を有する。中間インシュレータ6は、凹部77に嵌る凸部67を有する。凹部77は、少なくともティース対向部71及びティース対向部72に設けられる。凸部67は、少なくともティース対向部61及びティース対向部62に設けられる。中間インシュレータ6の下端部に設けられた凸部67の下端部が、下端インシュレータ7の上端部に設けられた凹部77に挿入される。凸部67の下端部は、凹部77の支持面77Bに接触する。外面67Aと内面77Aとが接触する。凸部67が凹部77に嵌ることにより、下端インシュレータ7と中間インシュレータ6との分離が抑制される。
【0058】
図17に示すように、絶縁紙保持溝59の幅Gaは、凹部64(絶縁紙保持溝69)の幅Gbよりも小さい。
図18に示すように、絶縁紙保持溝79の幅Gcは、凹部64(絶縁紙保持溝69)の幅Gbよりも小さい。
【0059】
図20は、実施形態に係るステータ1の一部を上側から見た図である。
図20に示すように、相互に隣り合うコイル4の間に絶縁紙80が配置される。絶縁紙80の径方向外側の端部は、絶縁紙保持溝59、凹部64、絶縁紙保持溝69、凹部65、及び絶縁紙保持溝79に挿入される。絶縁紙80の径方向内側の端部は、絶縁紙保持溝85、絶縁紙保持溝86、及び絶縁紙保持溝87に挿入される。
【0060】
図21は、実施形態に係る上端インシュレータ5の一部を示す断面斜視図である。上述のように、外側コイル止部54の外周面に3つの渡り線保持溝56が設けられる。渡り線保持溝56により、渡り線9が保持される。渡り線保持溝56は、渡り線保持溝56Aと、渡り線保持溝56Bと、渡り線保持溝56Cとを含む。渡り線保持溝56Aは、渡り線保持溝56Bの上側に設けられる。渡り線保持溝56Cは、渡り線保持溝56Cの上側に設けられる。3つの渡り線保持溝56のそれぞれの深さは、相互に異なる。渡り線保持溝56の深さとは、径方向における渡り線保持溝56の深さをいう。
図21に示す例において、渡り線保持溝56Bの深さが最も浅く、渡り線保持溝56Bに次いで渡り線保持溝56Cの深さが浅く、渡り線保持溝56Aの深さが最も深い。例えば渡り線保持溝56Aの奥にU相駆動電流が流れる渡り線9Uが配置され、渡り線保持溝56Bの奥にV相駆動電流が流れる渡り線9Vが配置され、渡り線保持溝56Cの奥にW相駆動電流が流れる渡り線9Wが配置されることにより、巻きこぼれが生じた場合でも3組の渡り線9(9U,9V,9W)の相互の絶縁距離を確保することができる。
【0061】
また、
図20に示すように、上端インシュレータ5は、渡り線保持溝56よりも径方向内側に設けられ、渡り線9を支持する渡り線支持溝90を有する。渡り線支持溝90により、コイル4と渡り線保持溝56との間において渡り線9が支持される。
【0062】
図22は、実施形態に係る上端インシュレータ5と中間インシュレータ6と下端インシュレータ7との関係を説明するための図である。周方向において、上端インシュレータ5の分割インシュレータの寸法と下端インシュレータ7の分割インシュレータの寸法とは、等しい。上端インシュレータ5及び下端インシュレータ7のそれぞれは、ヨーク21に対向するヨーク対向部50,70と、ティース22に対向するティース対向部51,52,53,71,72,73と、を有する。上端インシュレータ5の分割インシュレータと下端インシュレータ7の分割インシュレータとが周方向にずれた状態で、コイル4が上端インシュレータ5のティース対向部51,52,53と下端インシュレータ7のティース対向部71,72,73とに巻かれる。すなわち、上端インシュレータ5の分割インシュレータと下端インシュレータ7の分割インシュレータとの周方向の位置(位相)をずらした状態で、上端インシュレータ5の分割インシュレータと下端インシュレータ7の分割インシュレータとがコイル4により固定される。なお、ずらした状態とは、上端インシュレータ5の凸部57(572)が中間インシュレータ6の凹部66に結合され、下端インシュレータ7の凹部77(771)が中間インシュレータ6の凸部67に結合されている。
【0063】
[製造方法]
次に、ステータ1の製造方法について説明する。ステータコア2のスロット23に中間インシュレータ6が配置された後、ステータコア2の上端部に上端インシュレータ5が装着され、ステータコア2の下端部に下端インシュレータ7が装着される。上端インシュレータ5の凸部58が中間インシュレータ6の凹部64に嵌められ、上端インシュレータ5の凸部57が中間インシュレータ6の凹部66に嵌められる。下端インシュレータ7の凸部78が中間インシュレータ6の凹部65に嵌められ、下端インシュレータ7の凹部77に中間インシュレータ6の凸部67が嵌められる。これにより、コイル4が巻かれる前において、上端インシュレータ5、中間インシュレータ6、及び下端インシュレータ7の少なくとも一つがステータコア2から脱落することが抑制される。ステータコア2にインシュレータ3が装着された後、インシュレータ3を介してティース22にコイル4が巻かれる。コイル4により、上端インシュレータ5と中間インシュレータ6と下端インシュレータ7とが固定される。
【0064】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、上端インシュレータ5は、凸部58を有し、中間インシュレータ6は、凸部58が嵌る凹部64を有する。また、上端インシュレータ5は、凸部57を有し、中間インシュレータ6は、凸部57が嵌る凹部66を有する。下端インシュレータ7は、凸部78を有し、中間インシュレータ6は、凸部78が嵌る凹部65を有する。また、下端インシュレータ7は、凹部77を有し、中間インシュレータ6は、凹部77に嵌る凸部67を有する。これにより、コイル4が巻かれる前において、上端インシュレータ5、中間インシュレータ6、及び下端インシュレータ7の少なくとも一つがステータコア2から脱落することが抑制される。したがって、ステータ1の生産性の低下が抑制される。
【0065】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、上端インシュレータ5のヨーク対向部50に凹部が設けられ、中間インシュレータ6のヨーク対向部60に凸部が設けられてもよい。下端インシュレータ7のヨーク対向部70に凹部が設けられ、中間インシュレータ6のヨーク対向部60に凸部が設けられてもよい。
【0066】
上述の実施形態において、インシュレータ3は、軸方向に分割された3つのインシュレータ(5,6,7)を連結することにより製造されることとした。インシュレータ3は、軸方向に分割された少なくとも4つのインシュレータを連結することにより製造されてもよい。例えば中間インシュレータが軸方向に複数配置されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…ステータ、2…ステータコア、3…インシュレータ、4…コイル、5…上端インシュレータ(第1端部インシュレータ)、6…中間インシュレータ、7…下端インシュレータ(第2端部インシュレータ)、8…接続端子、8U…U相接続端子、8V…V相接続端子、8W…W相接続端子、9…渡り線、9U…渡り線、9V…渡り線、9W…渡り線、21…ヨーク、22…ティース、23…スロット、50…ヨーク対向部(端部ヨーク対向部)、51…ティース対向部(端部ティース対向部)、51A…周方向対向部、51B…径方向対向部、52…ティース対向部(端部ティース対向部)、52A…周方向対向部、52B…径方向対向部、53…ティース対向部(端部ティース対向部)、54…外側コイル止部、55…内側コイル止部、56…渡り線保持溝、56A…渡り線保持溝、56B…渡り線保持溝、56C…渡り線保持溝、57…凸部、57A…外面、57B…支持面、58…凸部、59…絶縁紙保持溝(第1絶縁紙保持溝)、60…ヨーク対向部(中間ヨーク対向部)、61…ティース対向部(中間ティース対向部)、61A…周方向対向部、61B…径方向対向部、62…ティース対向部(中間ティース対向部)、62A…周方向対向部、62B…径方向対向部、63…ロッド部、64…凹部、65…凹部、66…凹部、66A…内面、66B…支持面、67…凸部、67A…外面、67B…支持面、69…絶縁紙保持溝、70…ヨーク対向部(端部ヨーク対向部)、71…ティース対向部(端部ティース対向部)、71A…周方向対向部、71B…径方向対向部、72…ティース対向部(端部ティース対向部)、72A…周方向対向部、72B…径方向対向部、73…ティース対向部(端部ティース対向部)、74…外側コイル止部、75…内側コイル止部、77…凹部、77A…内面、77B…支持面、78…凸部、79…絶縁紙保持溝(第1絶縁紙保持溝)、80…絶縁紙、85…絶縁紙保持溝(第2絶縁紙保持溝)、86…絶縁紙保持溝、87…絶縁紙保持溝(第2絶縁紙保持溝)、90…渡り線支持溝。