(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021126
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/18 20060101AFI20250205BHJP
【FI】
H02K3/18 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124858
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柴 敦誉
(72)【発明者】
【氏名】杉本 幸彦
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603BB01
5H603BB07
5H603BB12
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB02
5H603CC11
5H603CD21
5H603CE01
(57)【要約】
【課題】モータの性能の低下を抑制すること。
【解決手段】モータは、ステータコアと、ステータコアのスロットに配置されるコイルと、ステータコアに対向するロータと、を備える。ロータの極数をP、ステータコアのスロット数をS、正の整数をnとしたとき、P=2n、S=3n、の条件を満足するように、コイルがステータコアの周方向に1スロットピッチでステータコアのティースに集中巻きによって巻かれている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアと、
前記ステータコアのスロットに配置されるコイルと、
前記ステータコアに対向するロータと、を備え、
前記ロータの極数をP、前記ステータコアのスロット数をS、正の整数をnとしたとき、
P=2n、
S=3n、
の条件を満足するように、前記コイルが前記ステータコアの周方向に1スロットピッチで前記ステータコアのティースに集中巻きによって巻かれている、
モータ。
【請求項2】
自然数をmとしたとき、
S=9×(m+1)、
P=2/3×S、又は、P=4/3×S、
の条件を満足する、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記コイルは、前記ステータコアの周方向に1スロットピッチで配置され、
前記コイルは、第1相コイルと第2相コイルと第3相コイルとを含み、
前記第1相コイル、前記第2相コイル、及び前記第3相コイルのそれぞれは、3並列接続され、
前記ステータコアの周方向におけるコイルの位置をスロット番号Nxとし、自然数をnとし、スロット番号Nxを周方向に昇順で付与した場合、
前記第1相コイルは、N9n-8、N9n-5、N9n-2のスロット番号に配置され、
前記第2相コイルは、N9n-7、N9n-4、N9n-1のスロット番号に配置され、
前記第3相コイルは、N9n-6、N9n-3、N9n-0のスロット番号に配置される、
請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
モータに係る技術分野において、特許文献1に開示されているような電動機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータは、複数のコイルを有する。例えばコイルを形成するワイヤの長さの違いに起因して、複数のコイルに抵抗値の差が生じると、モータの性能が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、モータの性能の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、ステータコアと、ステータコアのスロットに配置されるコイルと、ステータコアに対向するロータと、を備え、ロータの極数をP、ステータコアのスロット数をS、正の整数をnとしたとき、P=2n、S=3n、の条件を満足するように、コイルがステータコアの周方向に1スロットピッチでステータコアのティースに集中巻きによって巻かれている、モータが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、モータの性能の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るステータを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る12極(24極)18スロットの場合における、コイルの相順を説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る18極(36極)27スロットの場合における、コイルの相順を説明するための図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る24極(48極)36スロットの場合における、コイルの相順を説明するための図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る12極(24極)18スロットの場合における、コイルの結線図を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る18極(36極)27スロットの場合における、コイルの結線図を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る24極(48極)36スロットの場合における、コイルの結線図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、ステータ1の中心軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称する。ステータ1の中心軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。ステータ1の中心軸AXを周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称する。
【0011】
軸方向の一方側の位置又は一方側の方向を適宜、上側又は上方向、と称し、軸方向の他方側の位置又は他方側の方向を適宜、下側又は下方向、と称する。径方向において、ステータ1の中心軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側又は内方向、と称し、ステータ1の中心軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側又は外方向、と称する。周方向の一方側の位置又は一方側の方向を適宜、正転側又は正転方向、と称し、周方向の他方側の位置又は他方側の方向を適宜、逆転側又は逆転方向、と称する。
【0012】
[ステータ]
図1は、実施形態に係るステータ1を示す斜視図である。ステータ1は、インナロータ型のモータに使用される。ステータ1は、不図示のロータの周囲に配置される。ロータは、中心軸AXを中心に回転する。モータは、例えば建設機械の一種である電動式油圧ショベルの油圧ポンプを駆動させるための回転力を発生する。
【0013】
ステータ1は、ステータコア2と、ステータコア2に固定されるインシュレータ3と、インシュレータ3を介してステータコア2に装着されるコイル4とを備える。
【0014】
ステータコア2は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア2は、円環状のヨークと、ヨークの内周面から径方向内側に突出する複数のティース22とを有する。ヨークは、中心軸AXを囲むように配置される。ティース22は、周方向に複数配置される。複数のティース22は、周方向に等間隔で配置される。隣り合う一対のティース22の間には、スロット23が設けられる。
【0015】
インシュレータ3は、ステータコア2の表面の少なくとも一部を覆うように配置される。インシュレータ3は、合成樹脂製の電気絶縁部材である。インシュレータ3は、ステータコア2に固定される。ステータコア2とコイル4とは、インシュレータ3により電気的に絶縁される。実施形態において、インシュレータ3は、例えば射出成形法のような任意の成形法により成形された後、ステータコア2に装着される。
【0016】
実施形態において、インシュレータ3は、軸方向及び周方向のそれぞれに分割される。インシュレータ3は、上端インシュレータ5と、中間インシュレータ6と、下端インシュレータ7とを含む。上端インシュレータ5と中間インシュレータ6と下端インシュレータ7とは、軸方向に配置される。上端インシュレータ5の少なくとも一部は、中間インシュレータ6よりも上側に配置される。下端インシュレータ7の少なくとも一部は、中間インシュレータ6よりも下側に配置される。
【0017】
上端インシュレータ5は、ステータコア2の上端部に固定される。下端インシュレータ7は、ステータコア2の下端部に固定される。中間インシュレータ6は、軸方向において上端インシュレータ5よりもステータコア2の中心側に配置される。すなわち、中間インシュレータ6は、軸方向において上端インシュレータ5よりも下側に配置される。中間インシュレータ6は、軸方向において下端インシュレータ7よりもステータコア2の中心側に配置される。すなわち、中間インシュレータ6は、軸方向において下端インシュレータ7よりも上側に配置される。上端インシュレータ5は、中間インシュレータ6の上端部に接続される。下端インシュレータ7は、中間インシュレータ6の下端部に接続される。
【0018】
コイル4は、インシュレータ3を介してティース22に巻かれる。実施形態において、コイル15は、ステータコア2の周方向に1スロットピッチでティース24に集中巻によって巻かれている。コイル4の一部は、スロット23の内側に配置される。コイル4の一部は、ステータコア2の上端面から上方向に突出する。コイル4の一部は、ステータコア2の下端面から下方向に突出する。実施形態において、コイル4は、1つのティース22に1つずつ巻かれる。すなわち、1つのティース22に1つのコイル4が巻かれる。コイル4は、ステータコア2の周方向に1スロットピッチで配置される。コイル4の一部が第1のスロット23に配置される場合、コイル4の別の一部は、周方向において第1のスロット23から1つ隣の第2のスロット23に配置される。
【0019】
複数のコイル4のそれぞれは、U相コイル、V相コイル、及びW相コイルのいずれか一つに割り当てられる。
図1に示す例において、12個のコイル4がU相コイルに割り当てられる。12個のコイル4がV相コイルに割り当てられる。12個のコイル4がW相コイルに割り当てられる。
【0020】
接続端子8を介してコイル4に駆動電流が供給される。接続端子8は、U相駆動電流が供給されるU相接続端子8Uと、V相駆動電流が供給されるV相接続端子8Vと、W相駆動電流が供給されるW相接続端子8Wとを含む。コイル4に駆動電流が供給されることにより、コイル4とロータとの間で回転磁界が生成され、ロータが回転する。
【0021】
複数のコイル4は、渡り線9を介して接続される。渡り線9は、複数設けられる。
図1に示す例において、渡り線9は、渡り線9Uと、渡り線9Vと、渡り線9Wとを含む。
【0022】
上述のように、ステータ1は、インナロータ型のモータに使用される。不図示のロータがステータ1の内側に配置される。ロータは、ステータコア2に対向する。ロータは、ロータは、ロータコアと、ロータコアに支持されるマグネットとを有する。ロータコアは、積層された複数の鋼板を含む。マグネットは、永久磁石である。マグネットは、ロータコアの内部に配置される。マグネットは、中心軸AXの周囲に複数配置される。ロータコアは、周方向に間隔をあけて設けられた複数の磁石孔を有する。マグネットは、磁石孔に配置される。モータは、永久磁石がロータコアの内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)モータである。なお、モータは、永久磁石がロータコアの表面に貼り付けられたSPMモータ(Surface Permanent Magnet)でもよい。マグネットは、周方向に等間隔に複数配置される。
【0023】
以下の説明において、コイル4の数を適宜、スロット数S、と称し、マグネットの数を適宜、極数P、と称する。
【0024】
実施形態において、極数Pは、2の整数倍である。スロット数Sは、3の整数倍である。すなわち、正の整数をnとしたとき、モータは、P=2n、且つ、S=3n、の条件を満足するように、コイル4がステータコア2の周方向に1スロットピッチでステータコア2のティース24に集中巻きによって巻かれている。
【0025】
実施形態において、ロータの極数をP、ステータコア2のスロット数をS、自然数をmとしたとき、モータは、以下の条件を満足する。
S=9×(m+1) …(1)
P=2/3×S …(2A)
【0026】
なお、モータは、以下の条件を満足してもよい。
S=9×(m+1) …(1)
P=4/3×S …(2B)
【0027】
例えば、自然数mが1で、スロット数Sが18である場合、(2A)式によれば極数Pは12であり、(2B)式によれば極数Pは24である。自然数mが2で、スロット数Sが27である場合、(2A)式によれば極数Pは18であり、(2B)式によれば極数Pは36である。自然数mが3で、スロット数Sが36である場合、(2A)式によれば極数Pは24であり、(2B)式によれば極数Pは48である。
【0028】
以下の説明においては、(2A)式を満たす極数の後に括弧書きで(2B)式を満たす極数を記載する。すなわち、自然数mが1で、スロット数Sが18である場合、極数Pは12極(24極)である。自然数mが2で、スロット数Sが27である場合、極数Pは18極(36極)である。自然数mが3で、スロット数Sが36である場合、極数Pは24極(48極)である。
【0029】
図2は、実施形態に係る12極(24極)18スロットの場合における、コイル4の相順を説明するための図である。
図3は、実施形態に係る18極(36極)27スロットの場合における、コイル4の相順を説明するための図である。
図4は、実施形態に係る24極(48極)36スロットの場合における、コイル4の相順を説明するための図である。
図5は、実施形態に係る12極(24極)18スロットの場合における、コイル4の結線図を示す図である。
図6は、実施形態に係る18極(36極)27スロットの場合における、コイル4の結線図を示す図である。
図7は、実施形態に係る24極(48極)36スロットの場合における、コイル4の結線図を示す図である。
【0030】
上述のように、コイル4は、ステータコア2の周方向に1スロットピッチで配置される。すなわち、1つのティース22に1つのコイル4が巻かれる。コイル4は、U相コイルとV相コイルとW相コイルとを含む。
【0031】
U相コイル4Uは、3並列接続される。V相コイル4Vは、3並列接続される。W相コイル4Wは、3並列接続される。すなわち、直列接続される複数のコイル4を1つの群コイルとした場合、ステータ1は、相互に並列接続される第1群のU相コイル4Uと、第2群のU相コイル4Uと、第3群のU相コイル4Uとを有する。ステータ1は、相互に並列接続される第1群のV相コイル4Vと、第2群のV相コイル4Vと、第3群のV相コイル4Vとを有する。ステータ1は、相互に並列接続される第1群のW相コイル4Wと、第2群のW相コイル4Wと、第3群のW相コイル4Wとを有する。
【0032】
実施形態において、ステータコア2の周方向におけるコイル4の位置を適宜、スロット番号Nx、と称する。スロット番号Nxは、周方向の正転方向に昇順で付与される。
【0033】
自然数をnとした場合、U相コイル4Uは、N9n-8、N9n-5、N9n-2のスロット番号に配置される。すなわち、第1群のU相コイル4Uのスロット番号は、N9n-8である。第2群のU相コイル4Uのスロット番号は、N9n-5である。第3群のU相コイル4Uのスロット番号は、N9n-2である。
【0034】
自然数をnとした場合、V相コイル4Vは、N9n-7、N9n-4、N9n-1のスロット番号に配置される。すなわち、第1群のV相コイル4Vのスロット番号は、N9n-7である。第2群のV相コイル4Vのスロット番号は、N9n-4である。第3群のV相コイル4Vのスロット番号は、N9n-1である。
【0035】
自然数をnとした場合、W相コイル4Wは、N9n-6、N9n-3、N9n-0のスロット番号に配置される。すなわち、第1群のW相コイル4Wのスロット番号は、N9n-6である。第2群のW相コイル4Wのスロット番号は、N9n-3である。第3群のW相コイル4Wのスロット番号は、N9n-0である。
【0036】
モータが12極(24極)18スロットである場合、自然数nを1及び2とすることができる。モータが18極(36極)27スロットである場合、自然数nを1、2、及び3とすることができる。モータが24極(48極)36スロットである場合、自然数nを1、2、3、及び4とすることができる。
【0037】
モータが12極(24極)18スロットである場合、第1群のU相コイル4Uのスロット番号は、N1及びN10である。第2群のU相コイル4Uのスロット番号は、N4及びN13である。第3群のU相コイル4Uのスロット番号は、N7及びN16である。
【0038】
モータが12極(24極)18スロットである場合、第1群のV相コイル4Vのスロット番号は、N2及びN11である。第2群のV相コイル4Vのスロット番号は、N5及びN14である。第3群のV相コイル4Vのスロット番号は、N8及びN17である。
【0039】
モータが12極(24極)18スロットである場合、第1群のW相コイル4Wのスロット番号は、N3及びN12である。第2群のW相コイル4Wのスロット番号は、N6及びN15である。第3群のW相コイル4Wのスロット番号は、N9及びN18である。
【0040】
モータが18極(36極)27スロットである場合、第1群のU相コイル4Uのスロット番号は、N1、N10、及びN19である。第2群のU相コイル4Uのスロット番号は、N4、N13、及びN22である。第3群のU相コイル4Uのスロット番号は、N7、N16、及びN25である。
【0041】
モータが18極(36極)27スロットである場合、第1群のV相コイル4Vのスロット番号は、N2、N11、及びN20である。第2群のV相コイル4Vのスロット番号は、N5、N14、及びN23である。第3群のV相コイル4Vのスロット番号は、N8、N17、及びN26である。
【0042】
モータが18極(36極)27スロットである場合、第1群のW相コイル4Wのスロット番号は、N3、N12、及びN21である。第2群のW相コイル4Wのスロット番号は、N6、N15、及びN24である。第3群のW相コイル4Wのスロット番号は、N9、N18、及びN27である。
【0043】
モータが24極(48極)36スロットである場合、第1群のU相コイル4Uのスロット番号は、N1、N10、N19、及びN28である。第2群のU相コイル4Uのスロット番号は、N4、N13、N22、及びN31である。第3群のU相コイル4Uのスロット番号は、N7、N16、N25、及びN34である。
【0044】
モータが24極(48極)36スロットである場合、第1群のV相コイル4Vのスロット番号は、N2、N11、N20、及びN29である。第2群のV相コイル4Vのスロット番号は、N5、N14、N23、及びN32である。第3群のV相コイル4Vのスロット番号は、N8、N17、N26、及びN35である。
【0045】
モータが24極(48極)36スロットである場合、第1群のW相コイル4Wのスロット番号は、N3、N12、N21、及びN30である。第2群のW相コイル4Wのスロット番号は、N6、N15、N24、及びN33である。第3群のW相コイル4Wのスロット番号は、N9、N18、N27、及びN36である。
【0046】
図5、
図6、及び
図7において、第1群のU相コイル4Uに駆動電流を入力するための入力点を入力点U1とし、第2群のU相コイル4Uに駆動電流を入力するための入力点を入力点U2とし、第3群のU相コイル4Uに駆動電流を入力するための入力点を入力点U3とする。第1群のV相コイル4Vに駆動電流を入力するための入力点を入力点V1とし、第2群のV相コイル4Vに駆動電流を入力するための入力点を入力点V2とし、第3群のV相コイル4Vに駆動電流を入力するための入力点を入力点V3とする。第1群のW相コイル4Wに駆動電流を入力するための入力点を入力点W1とし、第2群のW相コイル4Wに駆動電流を入力するための入力点を入力点W2とし、第3群のW相コイル4Wに駆動電流を入力するための入力点を入力点W3とする。
【0047】
入力点U1、入力点U2、及び入力点U3は、接続端子8Uに接続される。入力点V1、入力点V2、及び入力点V3は、接続端子8Vに接続される。入力点W1、入力点W2、及び入力点W3は、接続端子8Wに接続される。
【0048】
図5、
図6、及び
図7に示すように、モータが12極(24極)18スロットである場合、モータが18極(36極)27スロットである場合、及びモータが24極(48極)36スロットである場合のそれぞれにおいて、入力点U1と入力点V1と入力点W1と入力点U2と入力点V2と入力点W2と入力点U3と入力点V3と入力点W3との相互の距離を短くすることができる。
図5、
図6、及び
図7において、入力点U1の周方向正転側の隣に入力点V1が配置され、入力点V1の周方向正転側の隣に入力点W1が配置され、入力点W1の周方向正転側の隣に入力点U2が配置され、入力点U2の周方向正転側の隣に入力点V2が配置され、入力点V2の周方向正転側の隣に入力点W2が配置され、入力点W2の周方向正転側の隣に入力点U3が配置され、入力点U3の周方向正転側の隣に入力点V3が配置され、入力点V3の周方向正転側の隣に入力点W3が配置される。
【0049】
周方向における入力点U1と入力点V1との距離は、実質的に周方向における1つのコイル4の寸法と等しい。他の相互の隣り合う一対の入力点の距離も、実質的に1つのコイル4の寸法に等しい。
【0050】
相互の隣り合う一対の入力点の距離が短いので、1つの群のコイル4を1本のワイヤで形成する場合、複数の群のそれぞれのワイヤの長さに差異が生じることが抑制される。
【0051】
すなわち、異相のコイル4を形成するワイヤの長さに差異が生じることが抑制される。例えば、第1群のU相コイル4Uを形成するためのワイヤの長さと、第1群のV相コイル4Vを形成するためのワイヤの長さと、第1群のW相コイル4Wを形成するためのワイヤの長さとに、差異が生じることが抑制される。
【0052】
また、同相のコイル4を形成するワイヤの長さに差異が生じることが抑制される。例えば、第1群のU相コイル4Uを形成するためのワイヤの長さと、第2群のU相コイル4Uを形成するためのワイヤの長さと、第3群のU相コイル4Uを形成するためのワイヤの長さとに、差異が生じることが抑制される。
【0053】
コイル4を形成するワイヤの長さの違いに起因して、複数のコイル4に抵抗値の差が生じると、モータの性能が低下する可能性がある。実施形態によれば、異相のコイル4を形成するワイヤの長さに差異が生じることが抑制される。同相のコイル4を形成するワイヤの長さに差異が生じることが抑制される。そのため、モータが3相モータであり、U相コイル4U、V相コイル4V、及びW相コイル4Wのそれぞれが、3並列接続される場合において、異相のコイル4の間に抵抗値の差が生じたり、同相のコイル4の間に抵抗値の差が生じたりすることが抑制される。
【0054】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、コイル4を形成するときのワイヤの引き回しを工夫することで、異相のコイル4の間に抵抗値の差が生じたり、同相のコイル4の間に抵抗値の差が生じたりすることが抑制される。同相のコイル4の間に抵抗値の差が生じることが抑制されるので、同相のコイル4における循環電流が防止される。これにより、モータの性能の低下が抑制される。
【符号の説明】
【0055】
1…ステータ、2…ステータコア、3…インシュレータ、4…コイル、5…上端インシュレータ、6…中間インシュレータ、7…下端インシュレータ、8…接続端子、8U…U相接続端子、8V…V相接続端子、8W…W相接続端子、9…渡り線、9U…渡り線、9V…渡り線、9W…渡り線、22…ティース、23…スロット。