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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021132
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】空中結像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/56 20200101AFI20250205BHJP
   G02B 27/00 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
G02B30/56
G02B27/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124870
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 桂
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199BA32
2H199BA61
2H199BB07
2H199BB17
2H199BB65
(57)【要約】
【課題】空中画像の視認性を向上できる空中結像装置を提供する。
【解決手段】空中結像装置は、入射面に入射する入射光における結像対象光を、空中における結像面に実像として結像する結像部と、入射光における結像対象光以外の光が、結像部を通って空中に漏洩することを抑制する光調整部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射面に入射する入射光における結像対象光を、空中における結像面に実像として結像する結像部と、
前記入射光における前記結像対象光以外の光が、前記結像部を通って前記空中に漏洩することを抑制する光調整部と、を備える、
空中結像装置。
【請求項2】
前記光調整部は、前記結像対象光を通し、前記入射光のうち使用状態のユーザに向かう光を遮断する、
請求項1に記載の空中結像装置。
【請求項3】
前記光調整部は、
前記結像部の前記空中側の面、又は、
前記結像部の前記表示部側の面、に設けられている
請求項1に記載の空中結像装置。
【請求項4】
前記光調整部は、ルーバーフィルムであって、
前記ルーバーフィルムは、
左右方向に延在し、前記ルーバーフィルムの入射光を透過する光透過部と、
前記左右方向に延在し且つ厚さ方向に対して傾斜し、前記ルーバーフィルムの入射光を遮断する光遮断部と、を有する、
請求項1に記載の空中結像装置。
【請求項5】
前記ルーバーフィルムは、前記厚さ方向に対する傾斜角度が異なる前記光遮断部を含む、
請求項4に記載の空中結像装置。
【請求項6】
前記ルーバーフィルムにおいて、前記結像対象光の光路上に配置された部分の前記光遮断部の前記傾斜角度は、前記結像対象光の光路上以外に配置された部分の前記光遮断部の前記傾斜角度と異なる、
請求項5に記載の空中結像装置。
【請求項7】
前記結像対象光の光路上に、前記結像部の入射面に入射する光の入射角を規制することにより、前記実像の周囲にゴーストが生じることを抑制する入射光規制部を、更に備える、
請求項1に記載の空中結像装置。
【請求項8】
前記光調整部は、
前記空中側の面に模様を有し、
前記結像部の前記空中側の面に設けられている、
請求項1に記載の空中結像装置。
【請求項9】
前記結像部は、
複数の光反射面を有し、
入射した前記結像対象光を、前記光反射面により複数回反射させて出射して、前記結像面に前記実像を結像する、
請求項1に記載の空中結像装置。
【請求項10】
画像の光を出射する表示部を、更に備え、
前記入射光は、前記画像の光である、
請求項1に記載の空中結像装置。
【請求項11】
展示物に光を照射する光源部を、更に備え、
前記入射光は、前記展示物の反射光である、
請求項1に記載の空中結像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中結像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されたように、画像表示装置の表示部に表示された画像を空中における結像面に結像して、当該結像面に画像(以下、空中画像と称する。)を表示する空中結像装置が知られている。このような空中結像装置は、表示部に表示された画像を、空中画像として結像する、透明な結像部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-67071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような空中結像装置の場合、表示部の画像が、空中結像装置の前方に立つユーザから直接見えてしまう可能性がある。表示部の画像がユーザに直接見えてしまうと、空中画像の視認性が低下してしまう可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、空中画像の視認性を向上できる空中結像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る空中結像装置の一態様は、
入射面に入射する入射光における結像対象光を、空中における結像面に実像として結像する結像部と、
入射光における結像対象光以外の光が、結像部を通って空中に漏洩することを抑制する光調整部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、空中画像の視認性を向上できる空中結像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態1に係る非接触入力装置の構成を示す模式断面図である。
図2図2は、ルーバーフィルムの構成及び機能を説明するための模式図である。
図3図3は、本発明の作用・効果を説明するための図であって、本発明の実施形態に係る非接触入力装置のユーザから見える景色を示す模式図である。
図4図4は、本発明の作用・効果を説明するための図であって、比較例に係る非接触入力装置のユーザから見える景色を示す模式図である。
図5図5は、非接触入力装置の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図6図6は、本発明の実施形態2に係る非接触入力装置の構成を示す模式断面図である。
図7図7は、本発明の実施形態3に係る非接触入力装置の構成を示す模式断面図である。
図8図8は、本発明の実施形態4に係る展示装置の構成を示す模式断面図である。
図9図9は、展示装置に組み込まれる光源部の平面図である。
図10図10は、光調整部の構成及び機能を説明するための模式図である。
図11図11は、実施形態4に係る展示装置から得られる作用・効果を説明するための図であって、実施形態4に係る展示装置のユーザから見える景色を示す模式図である。
図12図12は、実施形態4に係る展示装置から得られる作用・効果を説明するための図であって、比較例に係る展示装置のユーザから見える景色を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る空中結像装置の一例について、図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下で説明する空中結像装置は、本発明に係る空中結像装置の一例であり、本発明は後述の実施形態により限定されない。
【0010】
[実施形態1]
図1図4を参照して、本発明の実施形態1に係る非接触入力装置1について説明する。非接触入力装置1は、空中結像装置の一例に該当する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る非接触入力装置1の構成を示す模式断面図である。非接触入力装置1は、所謂空中ディスプレイを備えた装置である。空中ディスプレイは、空中に情報や映像を投影することができる。
【0012】
このような非接触入力装置1は、種々の場所(店舗、公共施設、医療現場、及び工場等)において、ユーザUが情報を入力するための端末、又は、ユーザUが情報を取得するための端末として使用される。
【0013】
具体的には、非接触入力装置1は、会計端末又は受付端末として使用されてよい。又、非接触入力装置1は、種々の装置への操作入力を入力するための操作入力端末として使用されてもよい。
【0014】
以下の説明において、非接触入力装置1及び非接触入力装置1を構成する各部材の構造を説明するにあたり、図1に示す直交座標系(X、Y、Z)を使用することもある。X方向は、非接触入力装置1の前後方向に一致する。X方向+側は、非接触入力装置1の前側に一致する。X方向-側は、非接触入力装置1の後側に一致する。
【0015】
又、Y方向は、非接触入力装置1の左右方向及び非接触入力装置1の幅方向に一致する。Y方向+側は、非接触入力装置1の前方から非接触入力装置1を見た場合の左側に一致する。Y方向-側は、非接触入力装置1の前方から非接触入力装置1を見た場合の右側に一致する。
【0016】
Z方向は、非接触入力装置1の上下方向に一致する。Z方向+側は、非接触入力装置1の上側に一致する。Z方向-側は、非接触入力装置1の下側に一致する。
【0017】
非接触入力装置1は、筐体2、表示部3、結像部4、光調整部5、入力検出部6(図2参照)、及び制御部7を有する。
【0018】
本実施形態に係る非接触入力装置1は、所謂横置き式の非接触入力装置である。横置き式の非接触入力装置の場合、空中画像G1は、図1に示すように、非接触入力装置1の上方に表示される。尚、非接触入力装置は、横置き式の非接触入力装置に限定されない。
【0019】
非接触入力装置は、所謂縦置き式の非接触入力装置であってもよい。縦置き式の非接触入力装置は、図1に示す非接触入力装置1を図1における時計回りの方向に90°回転させた如き構成を有する。縦置き式の非接触入力装置の場合、空中画像G1は、非接触入力装置1の上方に表示される。
【0020】
筐体2は、箱状であって、非接触入力装置1を構成する各エレメント3~7を収容又は支持するための部材である。本実施形態の場合、筐体2は、前後方向に長い直方体状である。
【0021】
但し、筐体の形状は、本実施形態の筐体2の形状に限定されない。筐体の形状は、非接触入力装置1が設置される環境に応じて適宜決定されてよい。筐体2の形状は、箱状に限定されない。筐体2の形状は、非接触入力装置1を構成する各エレメント3~7を収容又は支持することができる種々の形状であってよい。
【0022】
表示部3は、例えば、画像を表示する種々のディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)であってよい。表示部3は、支持部21を介して、筐体2に支持されている。表示部3は、後述の結像部4に向かって、後側斜め上方を向いている。
【0023】
具体的には、表示部3は、水平方向に平行な仮想線αに対して、表示部3の前端が後述の結像部4に近づく方向に所定角度θ傾いた状態で、支持部21に支持されている。本実施形態の場合、所定角度θは、45°である。
【0024】
表示部3は、画像の光を出射する表示面30、及び、表示面30を支持する本体部31を有する。
【0025】
表示面30が表示する表示画像の光は、後述の結像部4により、結像面Sに空中画像G1として結像される。空中画像G1は、実像の一例に該当する。結像面Sは、筐体2の外部の空中に存在する仮想領域である。
【0026】
表示面30が表示する表示画像の光のうち、結像部4により結像面S空中画像G1として結像される光を、結像対象光と称することもある。表示面30が表示する表示画像の光には、結像部4により結像面S空中画像G1として結像される光以外の光(以下、非結像対象光と称することもある。)も含まれる。
【0027】
結像面Sは、少なくとも空中画像G1を結像可能な大きさを有する仮想領域と捉えてよい。尚、結像面Sにおいて、空中画像G1が結像される領域を、空中画像領域と称することもある。
【0028】
又、結像面Sは、結像部4(換言すれば、仮想線α)に関して、表示部3と面対称となる位置に存在する仮想領域である。仮想線αは、結像部4を通り、水平方向に平行な仮想線である。仮想線αは、結像部4を通り、且つ、結像部4に平行な面を示す線でもある。
【0029】
具体的には、結像面Sは、水平方向に平行な仮想線αに対して、結像面Sの前端が結像部4に近づく方向に所定角度θ傾いた仮想領域である。本実施形態の場合、所定角度θは、45°である。
【0030】
表示部3の表示動作は、後述の制御部7により制御される。制御部7による表示部3の制御処理については、後述する。
【0031】
結像部4は、図1に示すように、プレート状の部材である。結像部4は、前後方向及び左右方向に平行な状態で配置されている。結像部4は、表示部3の表示画像を、結像面Sにおける空中画像領域に空中画像G1として結像する。
【0032】
本実施形態の場合、結像部4は、複数の光反射面(不図示)を有する。図1に示すように、結像部4には、矢印Aが示す方向から、表示部3における表示画像の光が入射する。以下、結像部4に入射する表示画像の光を、「表示画像に関する入射光」と称することもある。
【0033】
表示画像に関する入射光は、結像部4により結像面Sに空中画像G1として結像される光(つまり、結像対象光)を含む。又、表示画像に関する入射光は、結像対象光以外の光(つまり、非結像対象光)も含む。
【0034】
表示画像に関する入射光のうちの結像対象光は、複数の光反射面により、規定数回(例えば、2回)反射して、結像部4から図1の矢印Aが示す方向に出射される。そして、表示画像に関する出射光は、結像面Sに空中画像G1として結像される。
【0035】
このように、結像部4に入射した光のうち、複数の光反射面で規定数回反射した光(結像対象光)のみが、結像部4により結像面Sに空中画像G1として結像される。この理由は、結像対象光は、結像部4への入射角が、複数の光反射面で規定数回反射できる角度だからである。
【0036】
一方、結像部4に入射した光のうち、複数の光反射面で規定数回反射しない光(非結像対象光)は、結像部4により結像面Sに空中画像G1として結像されない。この理由は、非結像対象光は、結像部4への入射角が、複数の光反射面で規定数回反射できる角度ではないからである。
【0037】
又、結像部4から出射された表示画像の光を、「表示画像に関する出射光」と称することもある。
【0038】
表示画像に関する出射光は、結像部4により結像面Sに空中画像G1として結像される光(つまり、結像対象光)を含む。又、表示画像に関する出射光は、結像対象光以外の光(つまり、非結像対象光)も含む。
【0039】
尚、表示画像に関する入射光における結像対象光の入射角は、表示部3の仮想線αに対する傾斜角度θと等しい。本実施形態の場合、表示画像に関する入射光の入射角は、45°である。又、表示画像に関する出射光における結像対象光の出射角は、表示画像に関する入射光における結像対象光の入射角と等しい。本実施形態の場合、表示画像に関する出射光における結像対象光の出射角は、45°である。
【0040】
光調整部5は、表示画像に関する出射光における結像対象光以外の光が、結像部4を通って空中に漏洩することを抑制する。尚、光調整部5は、表示画像に関する出射光における結像対象光以外の光の総ての漏洩を抑制する必要はない。
【0041】
又、光調整部5は、表示画像に関する出射光における結像対象光を通す。又、光調整部5は、表示部3(具体的には、表示面30)から使用状態のユーザU(つまり、図1におけるユーザU)に向かう光を遮断する。
【0042】
光調整部5は、結像部4の空中側の面(第一面と称することもある。)に設けられている。具体的には、光調整部5は、ルーバーフィルムにより構成されている。尚、光調整部5は、ルーバーフィルムに限定されない。光調整部は、ルーバーフィルムと同様の機能を実現できる種々の部材であってよい。
【0043】
以下、図1及び図2を参照して、光調整部5の具体的な構成について説明する。光調整部5は、前後方向(X方向)及び左右方向(Y方向)に平行なフィルム状である。よって、光調整部5の厚さ方向は、Z方向に一致する。
【0044】
光調整部5は、複数の光透過部50、及び、複数の光遮断部51を有する。
【0045】
光透過部50はそれぞれ、左右方向(つまり、Y方向)に延在している。光透過部50はそれぞれ、空間であってよい。或いは、光透過部50は、透過率の高い透明の部材(例えば、透明なシリコーンゴム)により構成されてもよい。
【0046】
光遮断部51は、接触した光を吸収する。光遮断部51は、透過率の低い部材(例えば、黒色のシリコーンゴム)により構成されてもよい。光遮断部51は、長手方向が左右方向に一致する板状である。
【0047】
光遮断部51は、上下方向(Z方向)に対して所定角度θ51傾斜している。光遮断部51の上下方向における高さは、H51である。光遮断部51の前後方向における間隔(つまり、ピッチ)は、P51である。光遮断部51の高さH51は、光透過部50の高さと等しい。
【0048】
光透過部50と光遮断部51とは、前後方向において交互に配置されている。換言すれば、前後方向に隣り合う光遮断部51同士の間に、1個の光透過部50が配置されている。
【0049】
図2に示すように、結像部4から出射されて、光調整部5に入射した光のうち光遮断部51に接触せずに光透過部50を通過した光Lのみが、光調整部5から出射される。光Lは、結像対象光である。よって、光Lは、結像面Sに空中画像G1として結像される光である。
【0050】
一方、図2に示すように、結像部4から出射されて、光調整部5に入射した光のうち光遮断部51に接触した光L及びLは、光遮断部51により吸収されて、光調整部5から出射しない。
【0051】
光L及び光Lは、結像部4に入射した光のうち、複数の光反射面で規定数回反射しない光と捉えてよい。光Lは、結像部4において、結像対象光である光Lが入射する領域と同じ領域に入射する光である。
【0052】
又、光Lは、表示部3(具体的には、表示面30)から使用状態のユーザU(つまり、図1におけるユーザU)に向かう光と捉えてよい。本実施形態の場合、使用状態のユーザU(つまり、図1におけるユーザU)に向かう光は、表示部3から前方且つ上方に進む光と捉えてもよい。
【0053】
光調整部5により光Lが遮断されることにより、使用状態のユーザUから表示部3(具体的には、表示面30)が見えないようにできる。
【0054】
図3は、本実施形態に係る非接触入力装置1を使用中のユーザUから見える景色を示す模式図である。図3において、ユーザUは省略されている。ユーザUは、図1に示すように、非接触入力装置1の前方且つ上方から、非接触入力装置1(具体的には、空中画像G1)を見ている。
【0055】
本実施形態の場合、図3に示すように、ユーザUは、使用状態において、空中画像G1を見ることができる。
【0056】
又、本実施形態の場合、表示部3(具体的には、表示面30)から使用状態のユーザUに向かう光Lが遮断されるため、ユーザUには、表示部3(具体的には、表示面30)が見えない。
【0057】
一方、図4は、比較例に係る非接触入力装置1Sを使用中のユーザ(不図示)から見える景色を示す模式図である。非接触入力装置1Sは、本実施形態に係る非接触入力装置1が備える光調整部5を備えていない。
【0058】
このため、図2における光L及び光Lは、結像部4から空中に出射される。比較例の非接触入力装置1Sの場合も、図4に示すように、ユーザは、使用状態において、空中画像G1を見ることができる。
【0059】
又、比較例の非接触入力装置1Sの場合、表示部3(具体的には、表示面30)から使用状態のユーザに向かう光Lが遮断されないため、使用状態におけるユーザには、空中画像G1の前方に、表示部3(具体的には、表示面30)が見えてしまう。尚、ユーザに向かう光Lは、図1における矢印Aに平行な方向の光と捉えてよい。図1における矢印Aは、表示部3とユーザUの顔とを結ぶ直線上に存在する。
【0060】
このように、空中画像G1とともに表示部3(具体的には、表示面30)が見えてしまうと、空中画像G1の視認性が著しく低下してしまう。一方、上述のように、本実施形態の場合、使用状態におけるユーザUには、表示部3(具体的には、表示面30)が見えない。この結果、本実施形態の場合、空中画像G1の視認性を向上できる。
【0061】
又、本実施形態の場合、光調整部5が、結像部4の空中側の面に設けられているため、表示部3の本体部31の表面により反射する光を、光調整部5により遮断できる。このため、使用状態のユーザUから表示部3の本体部31が見えないようにできる。
【0062】
更に、本実施形態の場合、筐体2に収容された部材の表面により反射する光、或いは、筐体2に収容された部材(表示部3以外の部材)が照射する光も遮断できる。このため、使用状態のユーザUから筐体2に収容された部材が見えないようにできる。このような観点からも、本実施形態の場合、空中画像G1の視認性を向上できる。
【0063】
又、本実施形態の場合、光調整部5は、上面(つまり、空中側の面)に模様(つまり、意匠性)を有する。このような構成は、非接触入力装置1のデザイン性を向上できる。又、光調整部5の上面の模様を、非接触入力装置1が設定される環境に合わせた模様にすることで、非接触入力装置1の設置環境に、非接触入力装置1を馴染ませることができる。この結果、非接触入力装置1の設置環境全体のデザイン性を向上できる。
【0064】
尚、光遮断部51の傾斜角度は、光調整部5の領域毎に異なってもよい。例えば、光調整部5は、光遮断部51の傾斜角度が第一傾斜角度である第一領域を有してよい。又、光調整部5は、光遮断部51の傾斜角度が第二傾斜角度である第二領域を有してよい。第一傾斜角度と第二傾斜角度とは、異なる角度であってよい。このような構成は、光調整部5の領域毎に、遮断する光を設定できる。
【0065】
具体的には、光調整部5の第一領域は、光調整部5において、結像対象光の光路上に配置された領域であってよい。光調整部5の第二領域は、光調整部5において、結像対象光の光路上以外に配置された領域であってよい。
【0066】
光調整部5の第一領域における光遮断部51の傾斜角度は、結像対象光を通すのに望ましい傾斜角度であってよい。光調整部5の第二領域における光遮断部51の傾斜角度は、空中に漏洩させたくない光を遮断するのに望ましい傾斜角度であってよい。
【0067】
入力検出部6(図5参照)は、ユーザU(図1参照)からの、空中画像G1に対する操作入力に関する情報(以下、操作入力情報と称する。)を検出する。入力検出部6は、図5に示すように、検出した操作入力情報を、制御部7に送る。このような入力検出部6は、筐体2に支持されている。
【0068】
入力検出部6は、複数のセンサ(不図示)により構成されている。入力検出部6は、例えば、ユーザUが操作した空中画像G1における位置に関する情報(位置情報とも称する。)を、操作入力情報として検出する。
【0069】
位置情報は、例えば、空中画像G1における座標に関する情報(座標情報とも称する。)であってよい。座標情報は、X方向の座標、Y方向の座標、及びZ方向の座標からなる三次元座標であってよい。
【0070】
又、入力検出部6は、ユーザUが空中画像G1を操作した際の、指先の入力深さに関する情報(入力深さ情報とも称する。)を検出してもよい。入力深さ情報は、ユーザUが空中画像G1を操作した際に、ユーザUの指先が空中画像G1を通過した距離を含んでよい。入力検出部6は、検出した入力深さ情報を、制御部7に送る。
【0071】
上述の操作入力情報、位置情報、座標情報、及び入力深さ情報を、まとめて第一情報と称することもある。
【0072】
尚、入力検出部6の構成は、特に限定されない。入力検出部6の構成は、上述の機能を実現できる種々の構成であってよい。又、入力検出部6が設けられる位置も、特に限定されない。入力検出部6は、上述の機能を実現できる種々の位置に設けられてよい。
【0073】
制御部7は、図5に示すように、表示部3の動作を制御する。制御部7は、筐体2に支持されている。制御部7は、実体的には、CPU、ROM、RAM、及びHDD等がバスで接続される構成、又は、ワンチップのLSI等からなる構成であってよい。以下、制御部7が実行する制御について説明する。
【0074】
制御部7は、空中画像の表示制御を実行する。つまり、制御部7は、表示部3の表示動作を制御する。具体的には、制御部7は、非接触入力装置1のユーザUの空中画像G1に対する操作入力に関する情報に基づいて、空中画像の表示制御を実行する。
【0075】
制御部7は、非接触入力装置1のユーザUの空中画像G1に対する操作入力に関する情報を、入力検出部6から取得する。非接触入力装置1のユーザUの空中画像G1に対する操作入力に関する情報は、入力検出部6により検出される第一情報(具体的には、操作入力情報、位置情報、座標情報、及び入力深さ情報)である。
【0076】
(非接触入力装置の動作、及び、作用・効果)
以下、非接触入力装置1の動作を簡単に説明しつつ、本実施形態に係る非接触入力装置1の作用・効果について説明する。
【0077】
非接触入力装置1の電源が入ると、制御部7は、表示部3の表示動作を制御する。そして、表示部3に所定の画像が表示される。表示部3(具体的には、表示面30)に表示された画像の光は、表示面30から様々な方向に出射される。
【0078】
具体的には、表示部3(具体的には、表示面30)に表示された画像の光のうち結像対象光(図2の光L)は、所定の光路(第一光路とも称する。)を通り、結像部4に入射する。その後、結像対象光(図2の光L)は、結像部4から出射される。
【0079】
そして、結像部4から出射された結像対象光(図2の光L)は、光調整部5に入射する。本実施形態の場合、光調整部5は、結像対象光(図2の光L)を通す機能を有している。このため、結像対象光(図2の光L)は、光調整部5から出射される。そして、
結像対象光(図2の光L)は、結像面Sに空中画像G1として結像される。
【0080】
一方、表示部3(具体的には、表示面30)に表示された画像の光のうち結像対象光(図2の光L)以外の光である非結像対象光(図2の光L、光L)は、第二光路及び第三光路を通り、結像部4に入射する。第二光路及び第三光路は、結像対象光(図2の光L)の光路(第一光路)とは異なる光路である。その後、非結像対象光(図2の光L、光L)は、結像部4から出射される。
【0081】
そして、結像部4から出射された非結像対象光(図2の光L、光L)は、光調整部5に入射する。本実施形態の場合、光調整部5は、非結像対象光(図2の光L、光L)を遮断する機能を有している。このため、非結像対象光(図2の光L、光L)は、光調整部5から出射されない。
【0082】
非結像対象光L、光Lのうち非結像対象光Lが空中に漏洩すると、非接触入力装置1を使用中のユーザUに、表示部3(具体的には、表示面30)が見えてしまう。本実施形態の場合、非結像対象光Lを光調整部5により遮断できるため、使用状態におけるユーザUから、表示部3(具体的には、表示面30)が見えないようにできる。この結果、空中画像G1の視認性が向上する。
【0083】
以上のように、本実施形態に係る非接触入力装置1によれば、空中画像G1の視認性を著しく向上できる。本実施形態に係る非接触入力装置1から得られる、その他の作用・効果については、上述の通りである。
【0084】
[実施形態2]
図6は、本発明の実施形態2に係る非接触入力装置1Bについて説明する。非接触入力装置1Bは、光調整部5Bの位置が、上述の実施形態1における光調整部5の位置と異なる。
【0085】
その他の非接触入力装置1Bの構成は、上述の実施形態1に係る非接触入力装置1の構成とほぼ同様である。このため、以下、光調整部5Bの構成について説明する。尚、非接触入力装置1Bの構成のうち、実施形態1に係る非接触入力装置1の構成と同様の構成については、実施形態1に係る非接触入力装置1の構成と同様の参照符号を付している。
【0086】
光調整部5Bは、表示画像に関する出射光における結像対象光以外の光が、結像部4を通って空中に漏洩することを抑制する。光調整部5Bは、表示画像に関する出射光における結像対象光を通す。又、光調整部5は、表示部3(具体的には、表示面30)から使用状態のユーザU(つまり、図1におけるユーザU)に向かう光を遮断する。
【0087】
本実施形態の場合、光調整部5Bは、結像部4の表示部3側の面(第二面と称することもある。)に設けられている。具体的には、光調整部5Bは、ルーバーフィルムにより構成されている。
【0088】
このような非接触入力装置1Bも、実施形態1に係る非接触入力装置1と同様に、空中画像G1の周囲にゴーストが生じることを抑制しつつ、使用状態におけるユーザUに、表示部3(具体的には、表示面30)が見えることを抑制できる。この結果、空中画像G1の視認性を向上できる。
【0089】
尚、本実施形態の非接触入力装置1Bの場合、光調整部5Bが結像部4の表示部3側の面(第二面と称することもある。)に設けられている。このため、光調整部5Bの上面(つまり、空中側の面)に模様を設けたとしても、非接触入力装置1のデザイン性を向上することはできない。
【0090】
つまり、本実施形態の非接触入力装置1Bの場合、光調整部5Bにより非接触入力装置1のデザイン性を向上することはできない。但し、光調整部5Bとは別に、結像部4の上面(つまり、空中側の面)に、模様を設けることにより、非接触入力装置1のデザイン性の向上を図ることはできる。
【0091】
本実施形態の非接触入力装置1Bに関するその他の構成及び作用・効果は、実施形態1に係る非接触入力装置1に関する構成及び作用・効果と同様である。
【0092】
[実施形態3]
図7は、本発明の実施形態3に係る非接触入力装置1Cについて説明する。非接触入力装置1Cは、光調整部5Cの位置が、上述の実施形態1における光調整部5の位置と異なる。
【0093】
その他の非接触入力装置1Cの構成は、上述の実施形態1に係る非接触入力装置1の構成とほぼ同様である。このため、以下、光調整部5Cの構成について説明する。尚、非接触入力装置1Cの構成のうち、実施形態1に係る非接触入力装置1の構成と同様の構成については、実施形態1に係る非接触入力装置1の構成と同様の参照符号を付している。
【0094】
光調整部5Cも、表示画像に関する出射光における結像対象光以外の光が、結像部4を通って空中に漏洩することを抑制する。光調整部5Cは、表示部3から出力される光における結像対象光を通す。又、光調整部5は、表示部3(具体的には、表示面30)から使用状態のユーザU(つまり、図1におけるユーザU)に向かう光を遮断する。
【0095】
本実施形態の場合、光調整部5Cは、表示部3の表示面30に設けられている。具体的には、光調整部5Cは、ルーバーフィルムにより構成されている。
【0096】
このような非接触入力装置1Cも、実施形態1に係る非接触入力装置1と同様に、使用状態におけるユーザUに、表示部3(具体的には、表示面30)が見えることを抑制できる。この結果、空中画像G1の視認性を向上できる。
【0097】
尚、本実施形態の非接触入力装置1Cの場合、光調整部5Cが表示部3の表示面30に設けられている。このため、光調整部5Cにより非接触入力装置1のデザイン性を向上することはできない。但し、光調整部5Cとは別に、結像部4の上面(つまり、空中側の面)に、模様を設けることにより、非接触入力装置1のデザイン性の向上を図ることはできる。
【0098】
又、本実施形態の非接触入力装置1Cの場合、光調整部5Cが表示部3の表示面30に設けられている。このため、光調整部5Cにより、表示部3の本体部31の表面により反射する光を遮断することはできない。
【0099】
又、本実施形態の非接触入力装置1Cの場合、筐体2に収容された部材の表面により反射する光、或いは、筐体2に収容された部材(表示部3以外の部材)が照射する光を遮断することもできない。
【0100】
本実施形態の非接触入力装置1Cに関するその他の構成及び作用・効果は、実施形態1に係る非接触入力装置1に関する構成及び作用・効果と同様である。
【0101】
[付記]
尚、非接触入力装置1~1Cは、結像対象光の光路上に、結像部4の入射面に入射する光の入射角を規制することにより、実像の周囲にゴーストが生じることを抑制する入射光規制部(不図示)を備えてもよい。入射光規制部は、例えば、表示部の表示面に設けられてよい。具体的には、入射光規制部は、上述の光調整部5~5Cと同様に、ルーバーフィルムにより構成されてよい。この場合、入射光規制部を構成するルーバーフィルムは、光透過部及び光遮断部がそれぞれ、前後方向(つまり、X方向)延在してよい。換言すれば、入射光規制部を構成する光透過部及び光遮断部の延在方向は、光調整部を構成する光透過部及び光遮断部の延在方向に対して90°回転した方向であってよい。
【0102】
[実施形態4]
図8図12を参照して、本発明の実施形態4に係る展示装置1Dについて説明する。本実施形態に係る展示装置1Dは、上述の実施形態1~3に係る非接触入力装置1~1Sのようなユーザからの入力を受け付ける機能を有していない。このような展示装置1Dも、本発明に係る空中結像装置の一例に該当する。以下、本実施形態に係る展示装置1Dの構成について説明する。
【0103】
尚、本実施形態に係る展示装置1Dが備える構成のうち、いくつかの構成は、上述の実施形態1~3に係る非接触入力装置1~1Sが備える構成と同様の構成(共通構成とも称する。)である。このような共通構成については、詳しい説明は省略する。共通構成については、上述の実施形態1~3における共通構成の説明を適宜援用してよい。
【0104】
図8は、本実施形態に係る展示装置1Dの構成を示す模式断面図である。展示装置1Dは、所謂空中ディスプレイを備えた装置である。空中ディスプレイは、空中に画像等の情報を投影することができる。
【0105】
このような展示装置1Dは、種々の場所(例えば、博物館、店舗、又は公共施設)において、空中に展示物の画像(以下、「空中画像」と称する。)を提示するための端末として使用される。
【0106】
以下の説明において、展示装置1D及び展示装置1Dを構成する各部材の構造を説明するにあたり、図8に示す直交座標系(X、Y、Z)を使用することもある。X方向は、展示装置1Dの前後方向に一致する。X方向+側は、展示装置1Dの前側に一致する。X方向-側は、展示装置1Dの後側に一致する。尚、図8に示す直交座標系(X、Y、Z)は、図1等に示す直交座標系(X、Y、Z)と共通の直交座標系である。
【0107】
又、Y方向は、展示装置1Dの左右方向及び展示装置1Dの幅方向に一致する。Y方向+側は、展示装置1Dの前方から展示装置1Dを見た場合の左側に一致する。Y方向-側は、展示装置1Dの前方から展示装置1Dを見た場合の右側に一致する。
【0108】
Z方向は、展示装置1Dの上下方向に一致する。Z方向+側は、展示装置1Dの上側に一致する。Z方向-側は、展示装置1Dの下側に一致する。
【0109】
展示装置1Dは、筐体2D、載置台3D、光源部4D、結像部5D、操作入力部6D、制御部7D、及び光調整部9Dを有する。
【0110】
本実施形態に係る展示装置1Dは、所謂横置き式の展示装置である。横置き式の展示装置の場合、図8に示すように、展示装置1Dの上方に表示される。尚、展示装置は、横置き式の展示装置に限定されない。
【0111】
本実施形態の場合、空中画像G2は、展示物8Dの画像である。具体的には、空中画像G2は、図8における光源部4Dから展示物8Dを見た場合の、展示物8Dの形状を示す画像である。
【0112】
尚、展示装置は、所謂縦置き式の展示装置であってもよい。縦置き式の展示装置は、図8に示す展示装置1Dを図8における時計回りの方向に90°回転させた如き構成を有する。縦置き式の展示装置の場合、空中画像G2は、展示装置1Dの前方に表示される。
【0113】
筐体2Dは、箱状であって、収容空間20Dを有する。収容空間20Dは、展示装置1Dを構成する各エレメント3D~7Dを収容している。本実施形態の場合、筐体2Dは、前後方向に長い直方体状である。但し、筐体の形状は、本実施形態の筐体2Dの形状に限定されない。筐体の形状は、展示装置1Dが設置される環境に応じて適宜決定されてよい。
【0114】
筐体2Dの内面において、図8における二点鎖線で示した領域R2aは、空中画像G2における展示物8Dの画像の視認性を高めることができる色だと好ましい。領域R2aは、空中画像G2において、展示物8Dの背景となる領域である。展示物8Dの画像の視認性を高めることができる色とは、例えば、白である。
【0115】
又、展示物8Dの画像の視認性を高めることができる色とは、色相環において、展示物8Dの色と反対側の半部に配置された色であってよい。尚、展示物8Dの画像の視認性を高めることができる色とは、展示物8Dの色との関係で適宜決定されてよい。
【0116】
又、筐体2Dの内面において、図8における二点鎖線で示した領域R2aは、角がない形状であると好ましい。このような構成は、空中画像G2の背景に余計な線が表示されることを抑制できる。
【0117】
又、収容空間20Dにおいて、展示物8Dを中心に後述の光源部4Dと反対側の位置(具体的には、図8において太い二点鎖線P2bで示された位置)に、例えば、平面状のスクリーン(不図示)が設けられてもよい。
【0118】
このようなスクリーンは、空中画像G2において展示物8Dの画像の背景を構成する。スクリーンの色は、展示物8Dの色に応じて変更可能であってよい。このようなスクリーンは、空中画像G2における展示物8Dの画像の視認性を高めることができる。
【0119】
載置台3Dは、展示物8Dを載置するための台である。載置台3Dは、筐体2Dの収容空間20Dに配置されている。又、載置台3Dは、筐体2Dに支持されている。本実施形態の場合、載置台3Dは、後述の結像部5Dに対して傾斜している。尚、結像部5Dは、水平方向に平行な状態で配置されている。
【0120】
載置台3Dは、前後方向に平行な仮想線α1Dに対して、所定角度θ1D傾いた状態で、展示物8Dを支持している。本実施形態の場合、所定角度θ1Dは、45°である。
【0121】
載置台3Dは、前後方向に対して角度θ1D傾いた回転中心軸Oを中心に回転可能である。載置台3Dが回転すると、載置台3Dに支持された展示物8Dも、回転中心軸Oを中心に回転する。よって、回転中心軸Oは、展示物8Dの回転中心でもある。載置台3Dの回転動作は、後述の制御部7Dにより制御される。
【0122】
尚、展示物は、例えば、宝飾品、玩具、時計、サングラス、及び置物等、所謂ショーケースで展示されているような種々の物品であってよい。又、展示物は、花等の植物、及び、絵画等であってもよい。
【0123】
展示物は、自身で発光しない非発光体であると好ましい。又、展示物は、反射率が高い表面を有する物品であると好ましい。但し、展示物は、反射率が低い表面を有する物品であってもよい。図8において、展示物8Dは、模式的に示されている。展示物の形状は、図8における展示物8Dの形状に限定されない。展示物は、例えば、博物館又は店舗等で一般的に展示される種々の展示物であってよい。
【0124】
光源部4Dは、筐体2Dの収容空間20Dに配置されている。又、光源部4Dは、筐体2Dに支持されている。光源部4Dは、展示物8Dに光を照射する。光源部4Dは、全体的に見ると、枠状である。
【0125】
光源部4Dは、収容空間20Dにおいて、展示物8Dよりも後述の結像部5Dに近い位置に配置されている。換言すれば、光源部4Dは、収容空間20Dにおいて、展示物8Dと結像部5Dとの間に配置されている。
【0126】
光源部4Dは、前後方向に平行な仮想線α1Dに対して、所定角度θ2D傾いた状態で、配置されている。本実施形態の場合、所定角度θ2Dは、45°である。つまり、光源部4Dの仮想線α1Dに対する傾斜角度θ2Dは、載置台3D及び展示物8Dの仮想線α1Dに対する傾斜角度θ1Dと等しい。
【0127】
上述のように、光源部4Dと展示物8Dとは、光源部4Dの法線方向において対面している。光源部4Dの法線方向は、図8における矢印A3Dが示す方向に平行な方向である。本実施形態の場合、光源部4Dは、展示物8Dの後方且つ斜め上方から、展示物8Dに光を照射する。
【0128】
具体的には、光源部4Dは、図9に示すように、支持部材40D、及び、複数の光源41Dを有する。
【0129】
支持部材40Dは、矩形枠状の板状部材である。支持部材40Dは、中央部を含む部分に、開口部400Dを有する。開口部400Dは、矩形状である。開口部400Dは、支持部材40Dを厚さ方向に貫通している。
【0130】
開口部400Dは、図9に示す平面視において、展示物8Dよりも大きい面積を有する。つまり、展示物8Dは、開口部400Dを通過可能である。又、展示物8Dの反射光は、開口部400Dを通過できる。展示物8Dの反射光とは、光源部4Dから照射された光が展示物8Dにより反射された光である。
【0131】
複数の光源41Dは、例えば、LEDライトであって、支持部材40Dの第一面に、矩形状に並べて配置されている。支持部材40Dの第一面は、展示物8Dと対向する面である。
【0132】
複数の光源41Dはそれぞれ、光の照射量を調整可能に構成されてよい。複数の光源41Dそれぞれの光の照射量は、後述の制御部7Dにより制御される。又、複数の光源41Dはそれぞれ、光の照射方向を調整可能に構成されてよい。光源41Dの光の照射方向は、後述の制御部7Dにより制御される。制御部7Dにより実行される制御については、後述する。
【0133】
尚、後述の結像部5Dが透明な場合、ユーザ(つまり、観覧者)Uは、結像部5Dを介して光源部4Dを視認できてしまう可能性がある。光源部4DがユーザUに見えると、光源部4Dが邪魔になり、空中画像G2が見えにくくなる可能性がある。このため、光源部4Dは、ユーザUに見えないことが好ましい。
【0134】
結像部5Dは、図8に示すように、プレート状の部材である。又、結像部5Dは、展示物8Dの反射光を、空中における結像面Sに空中画像G2として結像する。空中画像G2は、実像である。このような結像部5Dは、上述の実施形態1における結像部4と同様である。
【0135】
本実施形態の場合、結像部5Dは、複数の光反射面(不図示)を有する。図8に示すように、結像部5Dには、矢印A3Dが示す方向から、展示物8Dの反射光が入射する。以下、結像部5Dに入射する展示物8Dの反射光を、「展示物8Dに関する入射光」と称することもある。
【0136】
展示物8Dに関する入射光は、複数の光反射面により、複数回(例えば、2回)反射して、結像部5Dから図1の矢印A4Dが示す方向に出射される。そして、結像部5Dから出射された光は、結像面Sに空中画像G2として結像される。結像部5Dから出射された光を、「展示物8Dに関する出射光」と称することもある。
【0137】
尚、展示物8Dに関する入射光の入射角は、図8に示す所定角度θ1D、θ2Dと等しい。本実施形態の場合、展示物8Dに関する入射光の入射角は、45°である。又、展示物8Dに関する出射光の出射角は、展示物8Dに関する入射光の入射角と等しい。本実施形態の場合、展示物8Dに関する出射光の出射角は、45°である。
【0138】
操作入力部6Dは、入力部の一例に該当する。操作入力部6Dは、ユーザU(図8参照)が展示物8Dの移動方向に関する指示情報を入力するための装置である。換言すれば、操作入力部6Dは、ユーザUから、展示物8Dの移動方向に関する指示情報の入力を受け付ける。操作入力部6Dは、受け付けた移動指示情報を、後述の制御部7Dに送る。
【0139】
操作入力部6Dは、例えば、筐体2Dの上面における前端部に設けられている。操作入力部6Dの位置は、ユーザUが操作可能な位置であればよい。例えば、操作入力部6Dは、筐体2Dの前面に設けられてもよい。
【0140】
操作入力部6Dは、例えば、レバー又は押しボタンにより構成されてよい。尚、操作入力部6Dは、筐体2Dとは別の部材に設けられてよい。具体的には、操作入力部6Dは、筐体2Dとは別に設けられたリモコンに設けられてよい。
【0141】
例えば、展示物8Dの移動方向に関する指示情報(以下、「移動指示情報」と称する。)は、展示物8Dの回転方向及び回転量に関する指示情報であってよい。換言すれば、移動指示情報は、載置台3Dの回転方向及び回転量に関する指示情報であってよい。
【0142】
ユーザUは、操作入力部6Dを介して移動指示情報を入力することにより、展示物8Dを所望の方向に回転させることができる。展示物8Dの回転に応じて、空中画像G2における展示物8Dの画像が変わる。よって、ユーザUは、空中画像G2を介して、所望の角度から見た展示物8Dの形状を視認できる。
【0143】
制御部7Dは、主に、光源部4D及び載置台3Dの動作を制御する。制御部7Dは、筐体2Dの所定位置に支持されている。制御部7Dは、実体的には、CPU、ROM、RAM、及びHDD等がバスで接続される構成、又は、ワンチップのLSI等からなる構成であってよい。以下、制御部7Dが実行する制御について説明する。
【0144】
先ず、制御部7Dは、光源部4D(具体的には、光源41D)の動作を制御する。具体的には、制御部7Dは、光源部4D(具体的には、光源41D)のON状態(点灯状態)とOFF状態(消灯状態)とを切り換える。
【0145】
又、制御部7Dは、光源部4D(具体的には、光源41D)の照射量を調整する。制御部7Dは、部分的に、光源部4Dの照射量を調整する。例えば、制御部7Dは、光源部4Dにおける所定部分(第一部分とも称する。)の照射量を多くし、光源部4Dにおける所定部分(第二部分とも称する。)の照射量を少なくする。
【0146】
換言すれば、制御部7Dは、複数の光源41Dのうち、支持部材40Dの所定部分(第一部分)に配置された光源41Dの照射量を多くし、支持部材40Dの所定部分(第一部分)以外の部分(第二部分)に配置された光源41Dの照射量を少なくする。
【0147】
本実施形態の場合、複数の光源41Dのうち、図9の二点鎖線で示す領域Rに配置された光源41Dの照射量を、複数の光源41Dのうち、領域R以外の領域に配置された光源41Dの照射量よりも少なくする。
【0148】
領域Rに配置された光源41Dは、図8に示す使用状態において、載置台3Dに近い光源である。領域Rに配置された光源41Dの照射量を少なくすることにより、載置台3Dの反射光を少なくできる。この結果、載置台3Dの画像が、空中画像G1に表示されることを抑制できる。
【0149】
尚、制御部7Dは、領域Rに配置された光源41Dの照射量をゼロにしてもよい。つまり、制御部7Dは、領域Rに配置された光源41Dを消灯してもよい。又、載置台3Dの画像を、空中画像G2に明確に表示したい場合もある。この場合には、制御部7Dは、領域Rに配置された光源41Dの照射量を、領域R以外の領域に配置された光源41Dの照射量と同じにしてもよい。
【0150】
制御部7Dは、展示物8Dの形状に応じて、光源部4D(具体的には、光源41D)の照射量を調整してよい。又、制御部7Dは、載置台3Dの構造(例えば、形状)に応じて、光源部4D(具体的には、光源41D)の照射量を調整してよい。
【0151】
又、制御部7Dは、載置台3Dの動作を制御する。具体的には、制御部7Dは、載置台3Dの回転動作を制御する。
【0152】
制御部7Dは、使用状態において、載置台3Dを、常時所定方向に回転させてよい。この場合、制御部7Dは、載置台3Dを、一定速度で回転させてよい。載置台3Dの回転速度は、展示物8Dの種類に応じて調整されてよい。
【0153】
又、制御部7Dは、操作入力部6Dから取得した移動指示情報に基づいて、載置台3Dの回転動作を制御してもよい。移動指示情報には、載置台3Dの回転方向に関する指示情報(以下、「回転方向指示情報」と称する。)及び回転量に関する指示情報(以下、「回転量指示情報」と称する。)が含まれる。
【0154】
具体的には、制御部7Dは、載置台3Dの回転方向指示情報に基づいて、載置台3Dを回転方向指示情報により指定された方向に回転させる。制御部7Dは、載置台3Dの回転量指示情報に基づいて、載置台3Dを回転量指示情報により指定された量だけ回転させる。
【0155】
光調整部9Dは、展示物8Dの反射光において結像部5Dにより空中画像G2として結像される光(以下、「結像対象光」と称する。)以外の光が、結像部5Dを通って空中に漏洩することを抑制する。尚、光調整部9Dは、展示物8Dの反射光における結像対象光以外の光の総ての漏洩を抑制する必要はない。
【0156】
又、光調整部9Dは、展示物8Dの反射光における結像対象光を通す。又、光調整部9Dは、展示物8Dの反射光において展示物8Dから使用状態のユーザU(つまり、図8におけるユーザU)に向かう光を遮断する。
【0157】
光調整部9Dは、結像部5Dの空中側の面(第一面と称することもある。)に設けられている。具体的には、光調整部9Dは、ルーバーフィルムにより構成されている。尚、光調整部9Dは、ルーバーフィルムに限定されない。光調整部は、ルーバーフィルムと同様の機能を実現できる種々の部材であってよい。
【0158】
以下、図8及び図10を参照して、光調整部9Dの具体的な構成について説明する。光調整部9Dは、前後方向(X方向)及び左右方向(Y方向)に平行なフィルム状である。よって、光調整部9Dの厚さ方向は、Z方向に一致する。
【0159】
光調整部9Dは、複数の光透過部90D、及び、複数の光遮断部91Dを有する。光調整部9D、光透過部90D、及び光遮断部91Dの構成は、上述の実施形態1の光調整部5、光透過部50、及び光遮断部51と同様である。
【0160】
光透過部90Dはそれぞれ、左右方向(つまり、Y方向)に延在している。光透過部90Dはそれぞれ、空間であってよい。或いは、光透過部90Dは、透過率の高い透明の部材(例えば、透明なシリコーンゴム)により構成されてもよい。
【0161】
光遮断部91Dは、接触した光を吸収する。光遮断部91Dは、透過率の低い部材(例えば、黒色のシリコーンゴム)により構成されてもよい。光遮断部91Dは、長手方向が左右方向に一致する板状である。
【0162】
光遮断部91Dは、上下方向(Z方向)に対して所定角度θ91D傾斜している。光遮断部91Dの上下方向における高さは、H91Dである。光遮断部91Dの前後方向における間隔(つまり、ピッチ)は、P91Dである。光遮断部91Dの高さH91Dは、光透過部90Dの高さと等しい。
【0163】
光透過部90Dと光遮断部91Dとは、前後方向において交互に配置されている。換言すれば、前後方向に隣り合う光遮断部91D同士の間に、1個の光透過部90Dが配置されている。
【0164】
図10に示すように、結像部5Dから出射されて、光調整部9Dに入射した光のうち光遮断部91Dに接触せずに光透過部90Dを通過した光Lのみが、光調整部9Dから出射される。光Lは、結像対象光である。よって、光Lは、結像面S(図8参照)に空中画像G2として結像される光である。
【0165】
一方、図10に示すように、結像部5Dから出射されて、光調整部9Dに入射した光のうち光遮断部91Dに接触した光L及びLは、光遮断部91Dにより吸収されて、光調整部9Dから出射しない。
【0166】
光L及び光Lは、結像部5Dに入射した光のうち、複数の光反射面で規定数回反射しない光と捉えてよい。光Lは、結像部5Dにおいて、結像対象光である光Lが入射する領域と同じ領域に入射する光である。
【0167】
又、光Lは、展示物8Dから使用状態のユーザU(つまり、図8におけるユーザU)に向かう光と捉えてよい。本実施形態の場合、使用状態のユーザU(つまり、図8におけるユーザU)に向かう光は、展示物8Dから前方且つ上方に進む光と捉えてもよい。
【0168】
光調整部9Dにより光Lが遮断されることにより、使用状態のユーザUから展示物8Dが見えないようにできる。
【0169】
図11は、本実施形態に係る展示装置1Dを使用中のユーザUから見える景色を示す模式図である。図11において、ユーザUは省略されている。ユーザUは、図8に示すように、展示装置1Dの前方且つ上方から、展示装置1D(具体的には、空中画像G2)を見ている。
【0170】
本実施形態の場合、図11に示すように、ユーザUは、使用状態において、空中画像Uを見ることができる。
【0171】
又、本実施形態の場合、展示物8Dから使用状態のユーザUに向かう光Lが遮断されるため、ユーザUには、展示物8Dが見えない。
【0172】
一方、図12は、比較例に係る展示装置1Tを使用中のユーザ(不図示)から見える景色を示す模式図である。展示装置1Tは、本実施形態に係る展示装置1Dが備える光調整部9Dを備えていない。
【0173】
このため、図10における光L及び光Lは、結像部5Dから空中に出射される。比較例の展示装置1Tの場合も、図12に示すように、ユーザは、使用状態において、空中画像G2を見ることができる。
【0174】
又、比較例の展示装置1Tの場合、展示物8Dから使用状態のユーザに向かう光Lが遮断されないため、使用状態におけるユーザには、空中画像G2の前方に、展示物8Dが見えてしまう。尚、ユーザに向かう光Lは、図9における矢印Aに平行な方向の光と捉えてよい。図9における矢印Aは、展示物8DとユーザUの顔とを結ぶ直線上に存在する。
【0175】
このように、空中画像G2とともに展示物8Dが見えてしまうと、空中画像G2の視認性が著しく低下してしまう。一方、上述のように、本実施形態の場合、使用状態におけるユーザUには、展示物8Dが見えない。この結果、本実施形態の場合、空中画像G2の視認性を向上できる。
【0176】
又、本実施形態の場合、光調整部9Dは、結像部5Dの空中側の面に設けられているため、展示物8Dの反射光以外の光も遮断できる。展示物8Dの反射光以外の光は、例えば、光源部4Dから照射される光のうち、使用状態のユーザに向かう光であってよい。又、展示物8Dの反射光以外の光は、例えば、光源部4Dから照射される光が収容空間20Dにおける展示物8D以外の物体により反射された光であってよい。
【0177】
又、本実施形態の場合、光調整部9Dは、上面(つまり、空中側の面)に模様(つまり、意匠性)を有する。このような構成は、展示装置1Dのデザイン性を向上できる。又、光調整部9Dの上面の模様を、展示装置1Dが設定される環境に合わせた模様にすることで、展示装置1Dの設置環境に、展示装置1Dを馴染ませることができる。この結果、展示装置1Dの設置環境全体のデザイン性を向上できる。
【0178】
尚、光遮断部91Dの傾斜角度は、光調整部9Dの領域毎に異なってもよい。例えば、光調整部9Dは、光遮断部91Dの傾斜角度が第一傾斜角度である第一領域を有してよい。又、光調整部9Dは、光遮断部91Dの傾斜角度が第二傾斜角度である第二領域を有してよい。第一傾斜角度と第二傾斜角度とは、異なる角度であってよい。このような構成は、光調整部9Dの領域毎に、遮断する光を設定できる。
【0179】
具体的には、光調整部9Dの第一領域は、光調整部9Dにおいて、結像対象光の光路上に配置された領域であってよい。光調整部9Dの第二領域は、光調整部9Dにおいて、結像対象光の光路上以外に配置された領域であってよい。
【0180】
光調整部9Dの第一領域における光遮断部91Dの傾斜角度は、結像対象光を通すのに望ましい傾斜角度であってよい。光調整部9Dの第二領域における光遮断部91Dの傾斜角度は、空中に漏洩させたくない光を遮断するのに望ましい傾斜角度であってよい。
【0181】
以上が、本実施形態に係る展示装置1Dの構成である。以下、展示装置1Dが、空中画像G2を表示する際の、展示装置1Dの動作について説明する。
【0182】
先ず、作業者は、筐体2Dを開けて、載置台3Dに展示物8Dを載置する。そして、展示装置1Dの電源を入れる。すると、展示装置1DがON状態(展示状態及び使用状態)になる。
【0183】
展示装置1DのON状態(展示状態)において、光源部4D(具体的には、複数の光源41D)は、展示物8Dに向けて光を照射する。光源部4Dから照射された光は、展示物8Dに向かって、図8における矢印A11D、A12Dが示す方向に進む。
【0184】
本実施形態の場合、複数の光源41Dのうち、図9の二点鎖線で示す領域Rに配置された光源41Dの照射量が、複数の光源41Dのうち、領域R以外の領域に配置された光源41Dの照射量よりも少ない。
【0185】
換言すれば、複数の光源41Dのうちの載置台3Dに近い光源41Dの照射量が、複数の光源41Dのうちの載置台3Dから遠い光源41Dの照射量よりも少ない。つまり、図8における矢印A11Dが示す光の照射量は、図8における矢印A12Dが示す光の照射量よりも少ない。
【0186】
光源部4Dから照射された光は、展示物8Dの側面に当たり反射する。展示物8Dの反射光は、図8における矢印A2Dが示すように、光源部4Dの開口部400Dに向かう。そして、展示物8Dの反射光は、光源部4Dの開口部400Dを通過して、図8における矢印A3Dが示すように、結像部5Dに入射する。
【0187】
結像部5Dに入射した入射光(つまり、展示物8Dに関する入射光)は、結像部5Dの光反射面(不図示)により、複数回(例えば、2回)反射して、結像部5Dから図8における矢印A4Dが示す方向に出射される。
【0188】
そして、結像部5Dから出射した出射光(つまり、展示物8Dに関する出射光)は、結像面Sに空中画像G2として結像される。ユーザUは、空中画像G2を見ることで、展示物8Dの形状を視認できる。
【0189】
ユーザUは、展示物8Dを別の角度から見たい場合には、操作入力部6Dを操作して、展示物8Dの移動指示情報を入力する。展示物8Dの移動指示情報は、操作入力部6Dから制御部7Dに送られる。
【0190】
制御部7Dは、操作入力部6Dから取得した展示物8Dの移動指示情報に基づいて、載置台3D(つまり、展示物8D)を回転させる。この結果、展示物8Dの回転に応じて、空中画像G2における展示物8Dの画像が変わる。ユーザUは、空中画像G2を見ることで、所望の角度から見た展示物8Dの形状を見ることができる。
【0191】
以上のように本実施形態に係る展示装置1Dの場合も、展示装置1Dが光調整部9Dを備えているため、空中画像G2の視認性を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0192】
本発明は、種々の用途で使用される非接触入力装置に適用できる。
【符号の説明】
【0193】
1、1B、1C、1S、 非接触入力装置
1D、1T 展示装置
2、2D 筐体
20D 収容空間
21 支持部
3 表示部
3D 載置台
30 表示面
31 本体部
4、5D 結像部
4D 光源部
40D 支持部材
41D 光源
400D 開口部
5、5B、5C、9D 光調整部
50 光透過部
51 光遮断部
6 入力検出部
6D 操作入力部
7、7D 制御部
8D 展示物
G1、G2 空中画像
U ユーザ
S 結像面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12