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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021155
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】脈波計測装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0255 20060101AFI20250205BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
A61B5/0255 Z
A61B5/02 310M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124908
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】原田 高志
(72)【発明者】
【氏名】岡 博之
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AB03
4C017AC03
4C017AC28
4C017CC02
4C017CC06
(57)【要約】
【課題】脈波を捉えられたことを脈波計測装置の使用者に通知することが可能な脈波計測装置を実現する。
【解決手段】本脈波計測装置は、手指に装着可能な筐体と、前記筐体の、前記手指の腹側に位置する部分に固定された脈波センサと、前記脈波センサの出力信号を受信して前記出力信号を増幅した増幅信号を出力する増幅器と、前記増幅信号を受信して当該増幅信号に応じて動作する出力装置と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手指に装着可能な筐体と、
前記筐体の、前記手指の腹側に位置する部分に固定された脈波センサと、
前記脈波センサの出力信号を受信して前記出力信号を増幅した増幅信号を出力する増幅器と、
前記増幅信号を受信して当該増幅信号に応じて動作する出力装置と、を有する、脈波計測装置。
【請求項2】
前記出力装置は、前記増幅信号の出力の有無、出力の大きさ、出力の振幅、及び出力波形のうち少なくとも1つ以上と連動した態様で動作する、請求項1に記載の脈波計測装置。
【請求項3】
前記出力装置は振動デバイスである、請求項1又は2に記載の脈波計測装置。
【請求項4】
前記振動デバイスは前記筐体の、前記手指の腹側に位置する部分に固定されており、
前記脈波センサは、前記振動デバイスを介して前記筐体に固定されている、請求項3に記載の脈波計測装置。
【請求項5】
前記振動デバイスは前記筐体の、前記手指の爪側に位置する部分に固定されている、請求項3に記載の脈波計測装置。
【請求項6】
複数の手指各々に装着可能な複数の前記筐体を備え、
前記脈波センサ及び前記出力装置は、複数の前記筐体の各々に対して1つずつ設けられており、
前記増幅器は、
各々の脈波センサから入力された出力信号を別個に増幅し、
各々の増幅信号を、増幅前の出力信号を出力した脈波センサと同じ筐体に設けられている出力装置に出力する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の脈波計測装置。
【請求項7】
前記脈波センサは、複数のひずみゲージを有し、
前記出力信号は、複数の前記ひずみゲージの出力に基づいて生成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の脈波計測装置。
【請求項8】
前記脈波センサは、起歪体を有し、
複数の前記ひずみゲージは、
前記起歪体に設けられ、前記起歪体の圧縮ひずみを検出する一対のひずみゲージと、
前記起歪体に設けられ、前記起歪体の引張ひずみを検出する他の一対のひずみゲージと、
を含み、
一対の前記ひずみゲージ及び他の一対の前記ひずみゲージは、1つのブリッジ回路の各辺を構成するように接続され、
前記出力信号は、前記ブリッジ回路により生成される、請求項7に記載の脈波計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈波計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被験者の首筋又は手首等の皮膚に脈波センサを接触させることで、動脈から伝播する脈波を計測することができる脈波計測装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-137269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような脈波計測装置では、脈波センサを人体の適切な位置(例えば、橈骨動脈又は尺骨動脈の真上の皮膚)に当てることが望ましい。例えば、特許文献1では、複数の圧電素子を備えた脈波計測パッドにおいて、各圧電素子からの脈波計測値を比較し、最大の脈波計測値を示す圧電素子に対応する位置のアクチュエータを振動させる技術が開示されている。これにより、特許文献1では、脈波計測パッドの中心を頸動脈の直上にセットできるよう利用者を誘導することができる。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、使用者に、脈波センサで脈波を捉えられたことを通知可能な脈波計測装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る脈波計測装置は、手指に装着可能な筐体と、前記筐体の、前記手指の腹側に位置する部分に固定された脈波センサと、前記脈波センサの出力信号を受信して前記出力信号を増幅した増幅信号を出力する増幅器と、前記増幅信号を受信して当該増幅信号に応じて動作する出力装置と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、使用者に、脈波センサで脈波を捉えられたことを通知可能な脈波計測装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る脈波計測装置を例示する模式図である。
図2】第1実施形態に係る脈波計測装置を図1の矢印P側から視た図である。
図3】第1実施形態に係る脈波計測装置を図1の矢印Q側から視た図である。
図4】第1実施形態に係る脈波センサを例示する平面図である。
図5】第1実施形態に係る脈波センサを例示する断面図である。
図6】ブリッジ回路の一例である。
図7】第1実施形態に係る脈波センサにカバー部材を装着した状態を示す図である。
図8】第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図である。
図9】第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図(その1)である。
図10】第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図(その2)である。
図11】第1実施形態の変形例1に係る脈波センサにカバー部材を装着した状態を示す図である。
図12】第1実施形態の変形例2に係る脈波計測装置を図1の矢印P側から視た図である。
図13】第1実施形態の変形例2に係る脈波計測装置を図1の矢印Q側から視た図である。
図14】第1実施形態の変形例3に係る脈波計測装置を図1の矢印P側から視た図である。
図15】第1実施形態の変形例3に係る脈波計測装置を図1の矢印Q側から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
〈第1実施形態〉
[脈波計測装置]
図1は、第1実施形態に係る脈波計測装置を例示する模式図である。図1を参照すると、脈波計測装置1は、筐体10と、脈波センサ20と、増幅器30と、出力装置40と、情報処理装置50とを有している。また、図1では、被験者(すなわち、脈波の測定対象となる人物)の手指200も合わせて示している。
【0011】
図2は、第1実施形態に係る脈波計測装置を図1の矢印P側から視た図である。図3は、第1実施形態に係る脈波計測装置を図1の矢印Q側から視た図である。図2及び図3では、見易さのため、増幅器30、出力装置40、及び情報処理装置50は図示していない。
【0012】
図1図3に示すように、筐体10は、脈波計測装置1の使用者(以降、単に「使用者」と称する)の手指200に装着可能である。なお、当該使用者は、被験者と同一人物であってもよいし、異なる人物であってもよい。図1図3の例では、筐体10は、一端側が開口し、他端側が閉鎖された手指挿入部10xを有する指サック型である。筐体10は、例えば、ゴム、布、樹脂等から形成することができる。
【0013】
筐体10を図示のような指サック型とすることで、使用者の手指への筐体の着脱が容易となる。また、指サック型の筐体10は、使用者の手指との接触面積が大きいため、脈波計測の際に脈波センサ20を被験者の肌の上で滑らせても筐体10が手指から外れにくい。すなわち、指サック型の筐体10には、安定して脈波センサ20を支持可能という利点がある。
【0014】
なお、図1図3に示す筐体10の形状は一例であり、使用者の手指200に装着可能であれば図示の形状には限定されない。例えば、筐体10は、両端側が開口したベルト型であってもよい。
【0015】
脈波センサ20は、筐体10に固定されている。脈波センサ20は、直接筐体10に固定されてもよいし、他の部材を介して筐体10に固定されてもよい。図1図3の例では、脈波センサ20は、出力装置40を介して、筐体10の手指の腹側に位置する部分に固定されている。脈波センサ20は、第1面22mが被験者の橈骨動脈に接触すると、被験者の脈波を検出して出力信号S1を出力する。出力信号S1は、例えば、1Hz~15Hz程度の周期的なアナログの電圧信号である。
【0016】
増幅器30は、脈波センサ20の出力信号S1を増幅して増幅信号S2を出力する。増幅器30は、脈波センサ20の出力信号S1を、出力装置40を動作可能な電圧レベルまで増幅することができる。脈波センサ20の出力信号S1は振幅が小さく、例えば、数mV程度である。増幅信号S2の振幅は、例えば、数V程度である。増幅器30は、電圧を増幅する機能に加えて、電流を増幅する機能を有してもよい。なお、増幅器30は物理的に独立した装置ではなく、脈波センサ20、筐体10、又は情報処理装置50に内蔵された回路であってもよい。
【0017】
本実施形態における増幅器30は、出力信号S1の増幅以外の処理を行ってもよいし、出力信号S1の増幅以外の処理は行わなくてもよい。増幅以外の処理とは、例えば、出力信号S1のアナログ/デジタル変換、出力信号S1の信号波形に対するノイズ除去、平滑化、規格化等の波形の加工処理、及び/又は、出力信号S1の信号波形を分析する処理等である。増幅器30は、出力信号S1に対し、当該出力信号S1の増幅処理と、前述した増幅以外の処理とを順不同で施すことで、最終的に増幅信号S2を作成して出力する。
【0018】
増幅器30に含まれるハードウェア及びソフトウェアは、増幅器30が実行する処理に応じて適宜選択されてよい。例えば、増幅器30において出力装置S1の増幅のみを行う場合は、増幅器30は増幅回路であってよい。また、増幅器30において出力信号S1に対し増幅とともにノイズ除去やフィルタリングを行う場合は、増幅器30は、それらの処理が可能な回路、並びに制御装置及びプログラムを含む構成であってよい。
【0019】
なお、増幅器30が出力信号S1の増幅以外の処理を行わない場合、増幅器30は、出力信号S1を一定の比率で増幅した増幅信号S2を作成して、出力する。そのため、増幅器30が出力可能な電圧範囲では、出力信号S1の振幅と増幅信号S2の振幅とは比例する。また、増幅器30の周波数特性が理想的であれば、出力信号S1に含まれる周波数成分と増幅信号S2に含まれる周波数成分とは一致する。
【0020】
増幅器30は、トランジスタや抵抗等を組み合わせて形成されたディスクリート回路であってもよいし、集積化された回路であってもよい。増幅器30は、例えば、フレキシブル基板等に実装されて、筐体10の内外の任意の空きスペースに配置することができる。又は、増幅器30は、脈波センサ20又は出力装置40と一体に構成されていてもよい。
【0021】
出力装置40は、増幅器30が出力する増幅信号S2に応じて動作する。ここで、「増幅信号S2に応じて動作する」とは、例えば、増幅信号S2の出力の有無、出力の大きさ、出力の振幅、及び出力波形のうち少なくとも1つ以上と連動した態様で動作することを示す。出力装置40は、例えば、振動、光、及び/又は音等を出力することができる。振動を出力する場合、出力装置40は、例えば、線形共振アクチュエータ、圧電アクチュエータ、偏心回転モーター等の振動デバイスである。光を出力する場合、出力装置40は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)、有機EL(Organic Electro Luminescence)等である。音を出力する場合、出力装置40は、例えば、スピーカ、イヤホン、ヘッドホン等である。スピーカとしては、例えば、MEMSスピーカが挙げられる。
【0022】
線形共振アクチュエータを用いると、様々な振動波形を発生させることができるという利点がある。具体的には、線形共振アクチュエータを用いた場合、増幅信号S2に対応した振動を発生させることができる。例えば、脈波センサ20を当てた位置での脈波の波打ちに近い振動を、線形共振アクチュエータで再現することができる。また、線形共振アクチュエータは、供給される電圧に対する反応が速いという利点、及び消費電力が低いという利点も有している。
【0023】
一方、出力装置40が光又は音を出力する装置である場合、増幅信号S2の出力の有無に応じて出力のオンオフを切り替えたり、増幅信号S2の強弱と光又は音の強弱を同調させたりすることができる。このように、出力装置40の具体的な構造は、適宜定められてよい。
【0024】
増幅器30が、出力信号S1の電圧(および電流)の増幅以外の処理を実行しない場合、脈波計測装置1は、出力装置40の動作のために複雑な処理制御を行う必要が無い。例えば、出力装置40の動作のためにCPU又はDSP(Digital Signal Processor)等の制御装置を動作させ、複雑な処理を実行させる必要がない。したがって、簡単な経路及び装置構成で、脈波センサ20の出力に応じた出力装置40の駆動が可能になる。これにより、例えば、脈波センサ20の信号出力から、当該出力に対する出力装置40の応答動作までのタイムラグを減少させ得る。
【0025】
更に言えば、増幅器30が、出力信号S1の増幅以外の処理を実行しない場合、脈波センサ20の出力信号S1は、他のデバイスを経由せずに増幅器30に入力されてもよい。また、増幅器30の増幅信号S2は、他のデバイスを経由せずに出力装置40に入力されてもよい。
【0026】
その一方で、増幅器30が、出力信号S1の増幅以外の処理を実行するかしないかに関わらず、脈波センサ20と増幅器30との間、又は増幅器30と出力装置40との間に、他のデバイスを挿入してもよい。ここで言う他のデバイスとは、例えば、振幅変調や周波数変調を行う変調器等である。例えば出力装置40が音を出力する装置である場合、変調器を用いることにより、脈波センサ20の出力信号S1の周波数が人間の可聴帯域外である場合に、可聴帯域の周波数に変換してから出力装置40を動作させることができる。
【0027】
なお、出力装置40が振動を出力する装置である場合、筐体10を介して振動を手指200に伝達するため、出力装置40は筐体10に固定される。図1図3の例では、出力装置40は筐体10の脈波センサ20と同じ側に固定されているが、出力装置40の配置はこれには限定されない。出力装置40は、例えば、筐体10の脈波センサ20とは反対側(図1において、筐体10の、手指200の爪側に位置する部分等)に固定されてもよい。また、出力装置40が振動を出力する場合、筐体10の外側ではなく、内側(すなわち、手指挿入部10xの壁面)に出力装置40が固定されていてもよい。
【0028】
出力装置40が光又は音を出力する場合、出力装置40は筐体10に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。例えば、出力装置40がイヤホンであれば、増幅器30に接続されたケーブルの先端に出力装置40が接続される。
【0029】
情報処理装置50は、受信した増幅信号S2を脈波としてモニタリング及び/又は分析が可能な程度まで調整するための装置である。情報処理装置50の一例としては、パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等の制御装置が挙げられる。情報処理装置50はCPU又はDSP等で構成される制御部を備えている。制御部は、増幅器30から増幅信号S2を受信する。
【0030】
制御部は、増幅信号S2を受信すると、増幅信号S2に対して種々の加工処理を施す。ここで言う「種々の加工処理」の内容は、増幅信号S2に応じて適宜定められてよい。例えば、情報処理装置50は、増幅信号S2に対し、デジタル化、ノイズ除去、平滑化、規格化等の波形の加工処理、及び/又は、信号波形の微分等の演算処理のうち1つ以上の処理を実行してもよい。これにより、増幅信号S2から、脈波の状態を分析したり、モニタしたりすることが可能な整調された波形が得られる。なお、増幅信号S2がそのままモニタリング可能な程度に整調された信号である場合、情報処理装置50は増幅信号S2を無加工でモニタリングに使用してもよい。
【0031】
情報処理装置50には、ディスプレイ、及び/又は記憶装置のうち1つ以上が内蔵、又は外付けされていてよい。そして、情報処理装置50は、ディスプレイに脈波波形等、出力信号S1から得られる情報を表示したり、記憶装置に当該情報を記録したりすることができる。なお、この表示及び/又は記録はリアルタイムで行われてもよい。また、情報処理装置50には、スピーカ等の音声出力装置が内蔵、又は外付けされていてよい。
【0032】
脈波計測装置1において、脈波センサ20から出力された出力信号S1の分析及び/又はモニタリングのための経路(以下、第1経路)と、出力装置40の動作のための経路(以下、第2経路)とは、分けて構成されていてもよいし、一部又は全部が同じ経路であってもよい。
【0033】
第1経路と第2経路とを分けて構成する一例としては、前述の通り、増幅器30が作成した増幅信号S2を出力装置40と、情報処理装置50との両方に送信する例が挙げられる。この場合、出力装置40は増幅信号S2に応じた光、音、及び/又は振動の出力を行う一方、情報処理装置50は増幅信号S2をモニタリング可能な程度に整調する。
【0034】
また、第1経路と第2経路とを分けて構成する他の一例としては、脈波センサ20が、出力信号S1を増幅器30と情報処理装置50との両方に送信する例が挙げられる。この場合、情報処理装置50は増幅信号S2ではなく出力信号S1を受信するので、出力信号S2を自身で増幅するとともに、整調のための種々の加工処理を施す。そして、増幅器30は情報処理装置50とは別個に、出力信号S1からの増幅信号S2の作成と、増幅信号S2の出力装置40への送信とを行う。
【0035】
いずれの場合においても、第1経路と第2経路とを分けて構成することで、増幅器30は、出力装置40を動作させるために必要な処理のみを行うことができる。そのため、増幅器30の装置構成を簡単にすることができる。
【0036】
これに対し、第1経路と第2経路との一部又は全部が同じである構成の一例としては、増幅器30が情報処理装置50の一部材である例が挙げられる。この場合、情報処理装置50が出力信号S1を受信し、増幅信号S2を作成し、増幅信号S2を出力装置40に送信する。これにより、増幅器30を別個に設ける必要が無いという利点がある。
【0037】
また、第1経路と第2経路との一部又は全部が同じである構成の他の一例としては、情報処理装置50が単にディスプレイ及び/又は音声出力装置としての構成のみ有している例が挙げられる。この場合、増幅器30は、モニタリング可能な整調済みの増幅信号S2を作成して情報処理装置50に送信する、又は、作成した増幅信号S2を整調した整調信号S3を情報処理装置50に送信する。情報処理装置50は受信した増幅信号S2又は整調信号S3を表示及び/又は音声出力する。これにより、情報処理装置50として特別な装置を準備する必要が無くなる。例えば、増幅器30に市販のディスプレイを接続して、当該ディスプレイで脈波をモニタリングすることが可能となる。
【0038】
本実施形態に係る脈波計測装置1の動作を以下にまとめる。脈波計測装置1では、手指に装着可能な筐体10に脈波センサ20が固定されている。そのため、手指を直接肌に接触させて橈骨動脈を探す場合と同様の動作により、手指に装着した筐体10を肌の上で移動させ、橈骨動脈を探すことができる。また、手指に装着した筐体10により、手指を直接肌に接触させて脈波を計測する場合と同様に、橈骨動脈に対する押圧力を調整することができる。
【0039】
また、脈波センサ20が橈骨動脈を捉えると、脈波センサ20の出力信号S1を増幅した増幅信号S2に応じて出力装置40が動作する。例えば、脈波と同じタイミングで間欠的に出力装置40が振動することにより、その振動が筐体10を介して手指200に伝達される。また例えば、脈波の強弱に応じた強弱で出力装置40が振動することにより、その振動が筐体10を介して手指200に伝達される。これにより、使用者は、手指を直接肌に接触させて脈波を感じる場合と同様の感覚を得られる。そのため、使用者は、脈波センサ20が橈骨動脈又は尺骨動脈を捉えたことを容易に認識することができる。出力装置40が、振動の代わりに光や音を出力する場合も同様の効果が得られる。
【0040】
すなわち、脈波計測装置1を用いることにより、容易かつ短時間で被検者の動脈の位置を捉えることができ、かつ適正な押圧力によって脈波センサ20を被験者の肌に当てることができる。これにより、脈波計測装置1を用いて、正確に脈波を計測することができる。また、脈波計測装置1は、特許文献1に示されるような複雑な動作をする計測処理装置や、橈骨動脈の位置検出機構や加圧機構などの複雑な機械構造を用いる必要がなく、簡易な構成で脈波を光、振動、及び/又は音として使用者にフィードバックすることが可能である。
【0041】
[脈波センサ]
ここでは、脈波センサ20の一例として、複数のひずみゲージを有する脈波センサの例を示す。
【0042】
図4は、第1実施形態に係る脈波センサを例示する平面図である。図5は、第1実施形態に係る脈波センサを例示する断面図であり、図4のA-A線に沿う断面を示している。なお、
図4及び図5を参照すると、脈波センサ20は、筐体21と、起歪体22と、線材23と、複数のひずみゲージ(ひずみゲージ100、100、100、100)とを有している。なお、特に区別する必要がない場合は、ひずみゲージ100、100、100、100を、ひずみゲージ100と総称する場合がある。
【0043】
起歪体22は、基部22aと、梁部22bと、負荷部22cと、延伸部22dとを有している。起歪体22は平板状である。起歪体22は、第1面22m、及び第1面22mとは反対側に位置する第2面22nを備えている。
【0044】
起歪体22の材料としては、例えば、金属、セラミック、ガラス等を用いることができる。起歪体22の材料として用いる金属としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)、銅、アルミニウム等が挙げられる。起歪体22は、例えば、エッチング又はプレス加工法等により一体に形成することができる。負荷部22cを除く起歪体22の厚さtは一定である。厚さtは、起歪体22の材料に応じて適宜定められる。例えば、起歪体22が金属製である場合、その厚さは0.03mm以上0.3mm以下とすることができる。
【0045】
起歪体22がガラス製である場合、起歪体22の厚さは、起歪体22の破壊強度が静圧で20Nより大きくなるように決定されることが望ましい。またこの場合、起歪体22のガラスに対して化学強化を施すことで、起歪体22の表面圧縮応力を高めてもよい。
【0046】
なお、図4及び図5の説明では、便宜上、脈波センサ20において、起歪体22の負荷部22cが設けられている側を「上側」と称し、起歪体22の負荷部22cが設けられていない側を「下側」と称する。又、各部位の上側に位置する面を「上面」と称し、各部位の下側に位置する面を「下面」と称する。ただし、脈波センサ20は天地逆の状態で用いることもできる。又、脈波センサ20は任意の角度で配置することもできる。又、平面視とは、起歪体22の第1面22mに対する上側から下側への法線方向で対象物を視ることを指すものとする。そして、平面形状とは、前記法線方向で対象物を視たときの、対象物の形状を指すものとする。
【0047】
脈波センサ20において、筐体21は起歪体22を保持する部分である。筐体21は中空円柱状であって、下面側が塞がれ上面側が開口されている。筐体21は、例えば、金属や樹脂等から形成できる。筐体21の上面側の開口を塞ぐように、略円板状の起歪体22が接着剤等により固定されている。
【0048】
起歪体22において、基部22aは、図4で示す円形の破線よりも外側の円形枠状(リング状)の領域である。なお、円形の破線よりも内側の領域を円形開口部と称する場合がある。つまり、起歪体22の基部22aは、円形開口部を備えている。基部22aの幅wは、例えば、1mm以上5mm以下である。基部22aの内径d(すなわち、円形開口部の直径)は、例えば、10mm以上15mm以下である。
【0049】
梁部22bは、基部22aの内側を橋渡しするように設けられている。梁部22bは、例えば、平面視で十字状に交差する2本の梁を有し、2本の梁の交差する領域は円形開口部の中心を含む。図4の例では、十字を構成する1本の梁がX方向を長手方向とし、十字を構成する他の1本の梁がY方向を長手方向とし、両者は直交している。直交する2本の梁の各々は、基部22aの内径d(円形開口部の直径)より内側にあり、かつ可能な限り長いことが好ましい。つまり、各々の梁の長さは、円形開口部の直径と略等しいことが好ましい。梁部22bを構成する各々の梁において、交差する領域以外の幅wは一定であり、例えば、1mm以上5mm以下である。幅wが一定であることは必須ではないが、幅wを一定とすることで、ひずみをリニアに検出するできる点で好ましい。
【0050】
負荷部22cは、梁部22bに設けられている。負荷部22cは、例えば、梁部22bを構成する2本の梁の交差する領域に設けられる。負荷部22cは、梁部22bの上面から突起している。梁部22bの上面を基準とする負荷部22cの突起量は、例えば、0.1mm程度である。梁部22bは可撓性を有しており、負荷部22cに負荷が加わると弾性変形する。なお、梁部22bの上面は、起歪体22の第1面22mの一部である。なお、負荷部22cは必須の構成ではない。
【0051】
4つの延伸部22dは、平面視で基部22aの内側から梁部22bの方向に延伸する扇形の部分である。各々の延伸部22dと梁部22bとの間には、1mm程度の隙間が設けられている。延伸部22dは、脈波センサ20のセンシングには寄与しないため、設けなくてもよい。
【0052】
なお、起歪体22は円形開口部にスリットを設けない形状であってもよい。すなわち、基部22aの円形開口部は梁部22bと延伸部22dが一体であってもよい。起歪体22は更に負荷部22cも設けず、面一であってもよい。
【0053】
線材23は、脈波センサ20と外部との電気信号の入出力を行うケーブルである。増幅器30が脈波センサ20と別個の装置である場合、線材23は増幅器30と接続されている。また、増幅器30が、例えば筐体21に内蔵されている場合は、脈波センサ20内でひずみゲージの回路(後述するブリッジ回路等)が増幅器30と接続されており、線材23は情報処理装置50と接続されていてもよい。線材23は、シールドケーブルやフレキシブル基板等であってもよい。なお、線材23は、脈波センサ20の必須の構成要素ではない。脈波センサ20は、線材23を用いずに、無線等の方法で外部と通信する形態であってもよい。
【0054】
脈波センサ20の出力信号S1は、複数のひずみゲージの出力に基づいて生成される。図示の例では、脈波センサ20は、起歪体22の第2面22nにおいて、Y方向に延びる梁に、平面視で負荷部22cを挟んで対向して配置された一対のひずみゲージ100及び100を有している。また、一対のひずみゲージ100及び100が配置された梁と交差するX方向に延びる梁に、平面視で負荷部22cを挟んで対向して配置された他の一対のひずみゲージ100及び100を有している。
【0055】
ひずみゲージ100及び100は、Y方向に延びる梁において、負荷部22cの押圧に伴って生じる起歪体22の圧縮ひずみを検出する。また、ひずみゲージ100及び100は、X方向に延びる梁において、負荷部22cの押圧に伴って生じる起歪体22の引張ひずみを検出する。圧縮ひずみを検出するひずみゲージ100とひずみゲージ100との間隔は、引張ひずみを検出するひずみゲージ100とひずみゲージ100との間隔よりも広い。各ひずみゲージ100をこのように配置することにより、圧縮ひずみと引張ひずみを有効に検出してフルブリッジを構成するブリッジ回路により大きな出力を得ることができる。
【0056】
ひずみゲージ100~100は、1つのブリッジ回路の各辺を構成するように接続され、脈波センサ20の出力信号S1は、ブリッジ回路により生成することができる。図6は、ブリッジ回路の一例である。図6に示すブリッジ回路では、ひずみゲージ100は、左上の一辺を構成している。また、ひずみゲージ100は、右下の一辺を構成している。また、ひずみゲージ100は、右上の一辺を構成している。また、ひずみゲージ100は、左下の一辺を構成している。
【0057】
図6において、左上の辺と左下の辺の接続部と、右上の辺と右下の辺の接続部との間には、直流電圧Eが供給される。これにより、左上の辺と右上の辺の接続部と、左下の辺と右下の辺の接続部との間から、アナログ電圧の出力信号S1を得ることができる。ブリッジ回路は、例えば、筐体21の内側面に貼り付けた配線基板に設けることができる。
【0058】
脈波センサ20において、負荷部22cが被験者の橈骨動脈に当たると、被験者の脈波に応じて負荷部22cに負荷が加わって梁部22bが弾性変形し、ひずみゲージ100の抵抗体の抵抗値が変化する。脈波センサ20は、梁部22bの変形に伴なうひずみゲージ100の抵抗体の抵抗値の変化に基づいて脈波を検出できる。脈波は、ブリッジ回路から、周期的な電圧の変化として出力信号S1として検出される。
【0059】
なお、以上では、脈波センサ20が4つのひずみゲージを有し、4つのひずみゲージをフルブリッジ接続することにより出力信号S1を生成する例を示した。しかし、脈波センサ20が2つのひずみゲージを有し、2つのひずみゲージをハーフブリッジ接続することにより出力信号S1を生成してもよい。
【0060】
なお、脈波センサ20の起歪体22の全体を覆うように、カバー部材を設けてもよい。例えば、起歪体22にシリコーン等の材料で別途作製したカバー部材をキャップのように装着してもよいし、シリコーン等の材料を、インサート成形等の方法で、起歪体22と接合するように一体成形してもよい。また、当該カバー部材は、起歪体22との間に間隙を有していることが望ましい。なお、カバー部材の脈波センサ20への装着方法は特に限定されない。
【0061】
図7は、脈波センサ20にカバー部材300を装着した状態を示す断面図である。なお、図7では一例として、起歪体22の梁部22bと延伸部22dが一体であり、当該一体構成の中央部に負荷部22cを設けた場合について示している。図7に示す通り、カバー部材300は、起歪体22との間に間隙320を有しており、表面(被験者の肌に当たる側)が略半球状の形状をしている。また、カバー部材300の中央部には凸部310が設けられており、凸部310と負荷部22cとが対向するように設けられている。なお、本実施形態では、負荷部22cは円柱状であるが、例えば基部22aから突起する曲面を設けてこれを負荷部22cとしてもよい。
【0062】
なお、凸部310と起歪体22(図7の場合は、負荷部22c)との間は、カバー部材300に圧力がかかっていないときに接するように設計されていても良いし、図7のように隙間を有するように設計されていてもよい。すなわち、凸部310と起歪体22又は負荷部22cとは、圧力がかかっていない状態において離隔していてもよい。隙間の有無に関わらず、凸部310は、カバー部材300を測定対象の身体に当てたときの押圧によって、凸部310が起歪体22(図7の場合は、負荷部22c)と接し圧力を伝達するように設計される。このような設計とすることにより、カバー部材300にかかる圧力を、起歪体22の、凸部310が接する部分に集中させることができる。したがって、起歪体22の特定の範囲に応力を集中させることができる。
【0063】
また、起歪体22をカバー部材300で覆うことで、起歪体22の円形開口部にごみ及びホコリ等が混入することを防止できる。また、起歪体22が金属製であっても、被験者の金属アレルギーを防止できる。
【0064】
カバー部材300の形状は特に限定されないが、例えば、起歪体22の第1面22mに対して垂直以外の角度で測定対象の肌が押し当てられた場合に、負荷部22cに圧力が比較的均等にかかるような形状に設計されることが好ましい。さらに言えば、カバー部材300に対する測定対象の当たり方(すなわち、カバー部材300を測定対象に押し当てる押圧力の大きさ、カバー部材300のどの部分が測定対象に接しているか、及び、カバー部材300を測定対象に押し当てるときの角度)が変化しても、測定対象から伝播する圧力が、カバー部材300に比較的均等にかかるように設計されることが望ましい。
【0065】
前述の「圧力が比較的均等にかかるような形状」の好ましい一例として、図7に示すような半球状のカバー部材300が挙げられる。このように、カバー部材300の上面は、起歪体22の第1面22mを基準として、起歪体22の第1面22mの中央部上が最も高く、起歪体22の第1面22mの周辺部に行くほど低くなる曲面とすることができる。
【0066】
カバー部材300の形状の他の例としては、例えば、(A)回転楕円体(半楕円体)、(B)回転スーパー楕円体(回転オーバル楕円体)、(C)卵形体、及び(D)回転放物面を有する形状、などに代表されるような回転円錐曲線を含む面を有しているような形状が挙げられる。例えば、カバー部材300の測定対象側の面がこのような回転円錐曲線を含む面であってもよい。
【0067】
なお、カバー部材300は、上記(A)~(D)に限定されず、回転円錐曲線に近似されたスプライン曲線を含む面(すなわち、スプライン曲面)を有する形状であってもよいし、回転円錐曲線を含む面を直線と曲線で近似した面を有する形状であってもよい。より広義に定義するならば、カバー部材300は、カバー部材300の測定対象側の面の任意点における垂直線が、起歪体22の第1面22mの中心を通る第1面22mの垂直線と交わるような形状であってよい。
【0068】
[ひずみゲージ100]
図8は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図である。図9は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図(その1)であり、図8のB-B線に沿う断面を示している。
【0069】
図8及び図9を参照すると、ひずみゲージ100は、基材110と、抵抗体130と、配線140と、電極150と、カバー層160とを有している。すなわち、ひずみゲージ100は、検出素子として抵抗体130を有している。カバー層160は、必要に応じて設けることができる。なお、図8及び図9では、便宜上、カバー層160の外縁のみを破線で示している。まずは、ひずみゲージ100を構成する各部について詳細に説明する。
【0070】
なお、図8図10を用いて行うひずみゲージの説明は、上面と下面の定義が他の図の場合とは異なる。具体的には、図8図10では、便宜上、ひずみゲージ100において、基材110の抵抗体130が設けられている側を「上側」と称し、抵抗体130が設けられていない側を「下側」と称する。又、各部位の上側に位置する面を「上面」と称し、各部位の下側に位置する面を「下面」と称する。ただし、ひずみゲージ100は天地逆の状態で用いることもできる。又、ひずみゲージ100は任意の角度で配置することもできる。又、平面視とは、基材110の上面110aに対する上側から下側への法線方向で対象物を視ることを指すものとする。そして、平面形状とは、前記法線方向で対象物を視たときの、対象物の形状を指すものとする。ひずみゲージ100は、基材110が起歪体22の第2面22n側を向くように、起歪体22の第2面22nに貼り付けられる。
【0071】
基材110は、抵抗体130等を形成するためのベース層となる部材である。基材110は可撓性を有する。基材110の厚さは特に限定されず、ひずみゲージ100の使用目的等に応じて適宜決定されてよい。例えば、基材110の厚さは5μm~500μm程度であってよい。なお、起歪体22の第2面22nから受感部へのひずみの伝達性、及び、環境変化に対する寸法安定性の観点から考えると、基材110の厚さは5μm~200μmの範囲内であることが好ましい。また、絶縁性の観点から考えると、基材110の厚さは10μm以上であることが好ましい。
【0072】
基材110は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂、エポキシ樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、LCP(液晶ポリマー)樹脂、ポリオレフィン樹脂等の絶縁樹脂フィルムから形成される。なお、フィルムとは、厚さが500μm以下程度であり、かつ可撓性を有する部材を指す。
【0073】
基材110が絶縁樹脂フィルムから形成される場合、当該絶縁樹脂フィルムには、フィラーや不純物等が含まれていてもよい。例えば、基材110は、シリカやアルミナ等のフィラーを含有する絶縁樹脂フィルムから形成されてもよい。
【0074】
基材110の樹脂以外の材料としては、例えば、SiO、ZrO(YSZも含む)、Si、Si、Al(サファイヤも含む)、ZnO、ペロブスカイト系セラミックス(CaTiO、BaTiO)等の結晶性材料が挙げられる。又、前述の結晶性材料以外に非晶質のガラス等を基材110の材料としてもよい。又、基材110の材料として、アルミニウム、アルミニウム合金(ジュラルミン)、チタン等の金属を用いてもよい。金属製の基材110を用いる場合、上面110aを被覆するように絶縁膜が設けられる。
【0075】
抵抗体130は、基材110の上側に所定のパターンで形成された薄膜である。ひずみゲージ100において、抵抗体130は、ひずみを受けて抵抗変化を生じる受感部である。抵抗体130は、基材110の上面110aに直接形成されてもよいし、基材110の上面110aに他の層を介して形成されてもよい。なお、図8では、便宜上、抵抗体130を密度の高い梨地模様で示している。
【0076】
抵抗体130は、複数の細長状部が長手方向を同一方向(図8の例ではB-B線の方向)に向けて所定間隔で配置され、隣接する細長状部の端部が互い違いに連結されて、全体としてジグザグに折り返す構造である。複数の細長状部の長手方向がグリッド方向となり、グリッド方向と垂直な方向がグリッド幅方向(図8の例ではB-B線と垂直な方向)となる。
【0077】
グリッド幅方向の最も外側に位置する2つの細長状部の長手方向の一端部は、グリッド幅方向に屈曲し、抵抗体130のグリッド幅方向の各々の終端130e及び130eを形成する。抵抗体130のグリッド幅方向の各々の終端130e及び130eは、配線140を介して、電極150と電気的に接続されている。言い換えれば、配線140は、抵抗体130のグリッド幅方向の各々の終端130e及び130eと各々の電極150とを電気的に接続している。
【0078】
抵抗体130は、例えば、Cr(クロム)を含む材料、Ni(ニッケル)を含む材料、又はCrとNiの両方を含む材料から形成することができる。すなわち、抵抗体130は、CrとNiの少なくとも一方を含む材料から形成することができる。Crを含む材料としては、例えば、Cr混相膜が挙げられる。Niを含む材料としては、例えば、Cu-Ni(銅ニッケル)が挙げられる。CrとNiの両方を含む材料としては、例えば、Ni-Cr(ニッケルクロム)が挙げられる。
【0079】
ここで、Cr混相膜とは、Cr、CrN、及びCrN等が混相した膜である。Cr混相膜は、酸化クロム等の不可避不純物を含んでいてもよい。
【0080】
抵抗体130の厚さは特に限定されず、ひずみゲージ100の使用目的等に応じて適宜決定されてよい。例えば、抵抗体130の厚さは0.05μm~2μm程度であってよい。特に、抵抗体130の厚さが0.1μm以上である場合、抵抗体130を構成する結晶の結晶性(例えば、α-Crの結晶性)が向上する。また、抵抗体130の厚さが1μm以下である場合、抵抗体130を構成する膜の内部応力に起因する、(i)膜のクラック及び(ii)膜の基材110からの反りが、低減される。
【0081】
横感度を生じ難くすることと、断線対策とを考慮すると、抵抗体130の幅は10μm以上100μm以下であることが好ましい。更に言えば、抵抗体130の幅は10μm以上70μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であるとより好ましい。
【0082】
例えば、抵抗体130がCr混相膜である場合、安定な結晶相であるα-Cr(アルファクロム)を主成分とすることで、ゲージ特性の安定性を向上させることができる。又例えば、抵抗体130がCr混相膜である場合、抵抗体130がα-Crを主成分とすることで、ひずみゲージ100のゲージ率を10以上、かつゲージ率温度係数TCS及び抵抗温度係数TCRを-1000ppm/℃~+1000ppm/℃の範囲内とすることができる。ここで、「主成分」とは、抵抗体を構成する全物質の50重量%以上を占める成分のことを意味する。ゲージ特性を向上させるという観点から考えると、抵抗体130はα-Crを80重量%以上含むことが好ましい。更に言えば、同観点から考えると、抵抗体130はα-Crを90重量%以上含むことがより好ましい。なお、α-Crは、bcc構造(体心立方格子構造)のCrである。
【0083】
又、抵抗体130がCr混相膜である場合、Cr混相膜に含まれるCrN及びCrNは20重量%以下であることが好ましい。Cr混相膜に含まれるCrN及びCrNが20重量%以下であることで、ひずみゲージ100のゲージ率の低下を抑制することができる。
【0084】
又、Cr混相膜におけるCrNとCrNとの比率は、CrNとCrNの重量の合計に対し、CrNの割合が80重量%以上90重量%未満となるようにすることが好ましい。更に言えば、同比率は、CrNとCrNの重量の合計に対し、CrNの割合が90重量%以上95重量%未満となるようにすることがより好ましい。CrNは半導体的な性質を有する。そのため、前述のCrNの割合を90重量%以上95重量%未満とすることで、TCRの低下(負のTCR)が一層顕著となる。更に、前述のCrNの割合を90重量%以上95重量%未満とすることで抵抗体130のセラミックス化を低減し、抵抗体130の脆性破壊が起こりにくくすることができる。
【0085】
一方で、CrNは化学的に安定であるという利点を有する。Cr混相膜にCrNをより多く含むことで、不安定なNが発生する可能性を低減することができるため、安定なひずみゲージを得ることができる。ここで「不安定なN」とは、Cr混相膜の膜中に存在し得る、微量のNもしくは原子状のNのことを意味する。これらの不安定なNは、外的環境(例えば高温環境)によっては膜外へ抜け出ることがある。不安定なNが膜外へ抜け出るときに、Cr混相膜の膜応力が変化し得る。
【0086】
ひずみゲージ100において、抵抗体130の材料としてCr混相膜を用いた場合、高感度化かつ、小型化を実現することができる。例えば、従来のひずみゲージの出力が0.04mV/2V程度であったのに対して、抵抗体130の材料としてCr混相膜を用いた場合は0.3mV/2V以上の出力を得ることができる。また、従来のひずみゲージの大きさ(ゲージ長×ゲージ幅)が3mm×3mm程度であったのに対して、抵抗体130の材料としてCr混相膜を用いた場合の大きさ(ゲージ長×ゲージ幅)は0.3mm×0.3mm程度に小型化することができる。
【0087】
配線140は、基材110上に設けられている。配線140は、抵抗体130及び電極150と電気的に接続されている。配線140は、直線状には限定されず、任意のパターンとすることができる。また、配線140は、任意の幅及び任意の長さとすることができる。なお、図8では、便宜上、配線140を抵抗体130よりも密度の低い梨地模様で示している。
【0088】
電極150は、基材110上に設けられている。電極150は、配線140を介して抵抗体130と電気的に接続されている。電極150は、平面視において、配線140よりも拡幅して略矩形状に形成されている。電極150は、ひずみにより生じる抵抗体130の抵抗値の変化を外部に出力するための一対の電極である。電極150には、例えば外部接続用のリード線等が接合される。電極150の上面に、銅等の抵抗の低い金属層、又は、金等のはんだ付け性が良好な金属層を積層してもよい。抵抗体130と配線140と電極150とは便宜上別符号としているが、両者は同一工程において同一材料により一体に形成することができる。なお、図8では、便宜上、電極150を配線140と同じ密度の梨地模様で示している。
【0089】
カバー層160(保護層)は、必要に応じ、基材110の上面110aに、抵抗体130及び配線140を被覆し電極150を露出するように設けられる。カバー層160の材料としては、例えば、PI樹脂、エポキシ樹脂、PEEK樹脂、PEN樹脂、PET樹脂、PPS樹脂、複合樹脂(例えば、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂)等の絶縁樹脂が挙げられる。なお、カバー層160は、フィラーや顔料を含有しても構わない。カバー層160の厚さは、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、カバー層160の厚さは2μm~30μm程度とすることができる。カバー層160を設けることで、抵抗体130に機械的な損傷等が生じることを抑制することができる。又、カバー層160を設けることで、抵抗体130を湿気等から保護することができる。
【0090】
[ひずみゲージ100の製造方法]
本実施形態に係るひずみゲージ100では、基材110上に、抵抗体130と、配線140と、電極150と、カバー層160とが形成される。なお、基材110とこれらの部材の層の間に別の層(後述する機能層等)が形成されてもよい。
【0091】
以下、ひずみゲージ100の製造方法について説明する。ひずみゲージ100を製造するためには、まず、基材110を準備し、基材110の上面110aに金属層(便宜上、金属層Aとする)を形成する。金属層Aは、最終的にパターニングされて抵抗体130、配線140、及び電極150となる層である。従って、金属層Aの材料や厚さは、前述の抵抗体130、配線140、及び電極150の材料や厚さと同様である。
【0092】
金属層Aは、例えば、金属層Aを形成可能な原料をターゲットとしたマグネトロンスパッタ法により成膜することができる。金属層Aは、マグネトロンスパッタ法に代えて、反応性スパッタ法、蒸着法、アークイオンプレーティング法、又はパルスレーザー堆積法等を用いて成膜されてもよい。基材110の上面110aに金属層Aを成膜後、周知のフォトリソグラフィ法により、金属層Aを図8の抵抗体130、配線140、及び電極150と同様の平面形状にパターニングする。
【0093】
なお、基材110の上面110aに下地層を形成してから金属層Aを形成してもよい。例えば、基材110の上面110aに、所定の膜厚の機能層をコンベンショナルスパッタ法により真空成膜してもよい。このように下地層を設けることによって、ひずみゲージ100のゲージ特性を安定化させることができる。
【0094】
本願において、機能層とは、少なくとも上層である金属層A(抵抗体130)の結晶成長を促進する機能を有する層を指す。機能層は、更に、基材110に含まれる酸素又は水分による金属層Aの酸化を防止する機能、および/又は、基材110と金属層Aとの密着性を向上する機能を備えていることが好ましい。機能層は、更に、他の機能を備えていてもよい。
【0095】
基材110を構成する絶縁樹脂フィルムは酸素や水分を含むことがあり、また、Crは自己酸化膜を形成することがある。そのため、特に金属層AがCrを含む場合、金属層Aの酸化を防止する機能を有する機能層を成膜することが好ましい。
【0096】
このように、金属層Aの下層に機能層を設けることにより、金属層Aの結晶成長を促進可能となり、安定な結晶相からなる金属層Aを作製することができる。その結果、ひずみゲージ100において、ゲージ特性の安定性が向上する。又、機能層を構成する材料が金属層Aに拡散することにより、ひずみゲージ100において、ゲージ特性が向上する。
【0097】
機能層の材料としては、例えば、Cr(クロム)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Ni(ニッケル)、Y(イットリウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Si(シリコン)、C(炭素)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)、Bi(ビスマス)、Fe(鉄)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Au(金)、Co(コバルト)、Mn(マンガン)、Al(アルミニウム)からなる群から選択される1種又は複数種の金属、この群の何れかの金属の合金、又は、この群の何れかの金属の化合物が挙げられる。
【0098】
図10は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図(その2)である。図10は、抵抗体130、配線140、及び電極150の下地層として機能層120を設けた場合のひずみゲージ100の断面形状を示している。
【0099】
機能層120の平面形状は、例えば抵抗体130、配線140、及び電極150の平面形状と略同一にパターニングされてよい。しかしながら、機能層120と抵抗体130、配線140、及び電極150との平面形状は略同一でなくてもよい。例えば、機能層120が絶縁材料から形成される場合には、機能層120を抵抗体130、配線140、及び電極150の平面形状と異なる形状にパターニングしてもよい。この場合、機能層120は例えば抵抗体130、配線140、及び電極150が形成されている領域にベタ状に形成されてもよい。或いは、機能層120は、基材110の上面全体にベタ状に形成されてもよい。
【0100】
抵抗体130、配線140、及び電極150を形成した後、必要に応じ、基材110の上面110aにカバー層160を形成する。カバー層160は抵抗体130及び配線140を被覆するが、電極150はカバー層160から露出していてよい。例えば、基材110の上面110aに、抵抗体130及び配線140を被覆し電極150を露出するように、半硬化状態の熱硬化性の絶縁樹脂フィルムをラミネートして、その後に当該絶縁樹脂フィルムを加熱して硬化させることにより、カバー層160を形成することができる。以上の工程により、ひずみゲージ100が完成する。
【0101】
なお、第1実施形態では、ひずみゲージを有する脈波センサ20を用いる例について説明した。しかし、脈波センサ20は、ひずみゲージのような圧力素子を有する構成には限定されず、例えば、光学式であってもよい。光学式の脈波センサは、光源から所定波長の光を生体に向けて照射し、生体を透過する光又は生体で反射する光を受光素子で受光し、受光した光の量に基づいて脈波を計測するセンサである。光学式の脈波センサでは、受光素子の出力を電圧信号に変換したものが出力信号S1となる。脈波計測装置1に光学式の脈波センサを用いた場合も、ひずみゲージを有する脈波センサ20を用いた場合と同様の効果を奏する。
【0102】
〈第1実施形態の変形例1〉
第1実施形態の変形例1では、第1実施形態とはカバー部材の形状が異なる脈波計測装置の例を示す。なお、本変形例を含め、以降説明する各種変形例では、既に説明した実施形態と同一の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0103】
図11は、本変形例に係る脈波センサ20を示す図である。図11に示すカバー部材330は、起歪体22と対向する側の面において凸部310のような明確に突出した部位が存在しない点で、第1実施形態のカバー部材300と異なる。なお、カバー部材330のその他の点については、カバー部材300と同様の構成であってよいし、カバー部材300と同様の改変を施してもよい。本変形例に係るカバー部材330は、起歪体22と対向する側の面の少なくとも一部が、起歪体22の側に湾曲した曲面から成る。本変形例に係る脈波センサ20では、カバー部材330のこの曲面全体が凸部としてはたらく。図11の例では、カバー部材330は起歪体22と対向する側の面の中央部が起歪体22に向かってなだらかに傾斜した曲面である。このような設計とすることで、カバー部材330にかかる圧力を、カバー部材330と起歪体22が接する部分(例えば、起歪体22のロードポイント)に集中させることができる。したがって、カバー部材330により、脈波センサ20は起歪体22の特定の範囲に応力を集中させることができる。また、カバー部材300と同様に、カバー部材330を用いた場合でも、起歪体22の円形開口部からのごみ及びホコリ等の混入を防止できる。また、起歪体22が金属製であっても、被験者の金属アレルギーを防止できる。
【0104】
カバー部材300と同様に、カバー部材330の形状も、半球状には限定されない。例えば、カバー部材330は、カバー部材300の説明で述べたように、回転円錐曲線を含む面を有する形状であってもよいし、スプライン曲面を有する形状であってもよいし、回転円錐曲線を含む面を直線と曲線で近似した面を有する形状であってもよい。
【0105】
〈第1実施形態の変形例2〉
第1実施形態の変形例2では、第1実施形態とは筐体の形状が異なる脈波計測装置の例を示す。図12は、第1実施形態の変形例2に係る脈波計測装置を図1の矢印P側から視た図である。図13は、第1実施形態の変形例2に係る脈波計測装置を図1の矢印Q側から視た図である。図12及び図13では、増幅器30及び情報処理装置50の図示は省略されている。
【0106】
図12及び図13に示すように、筐体10及び手指挿入部10xは、複数の手指に装着可能な大きさ及び構造としてもよい。図12及び図13の例では、筐体10の手指挿入部10xは、2本の手指に装着可能な大きさとしているが、3本以上の手指に装着可能な大きさとしてもよい。この場合も第1実施形態と同様の効果を奏する。第1実施形態の変形例2は、比較的大きな脈波センサ20でも筐体10に取り付け可能であるという利点を有する。
【0107】
〈第1実施形態の変形例3〉
図14は、第1実施形態の変形例3に係る脈波計測装置を図1の矢印P側から視た図である。図15は、第1実施形態の変形例3に係る脈波計測装置を図1の矢印Q側から視た図である。図14及び図15では、増幅器30及び情報処理装置50の図示は省略されている。
【0108】
図14及び図15に示すように、本変形例に係る脈波計測装置は、手指挿入部10xが設けられた筐体を複数個備えていてもよい。図14及び図15の例では、脈波計測装置は、2本の手指にそれぞれ装着可能なように、2個の筐体(筐体10Aおよび10B)を有しており、各筐体にはそれぞれ手指挿入部10xが設けられている。なお、本変形例に係る脈波計測装置は、3個以上の筐体を有していてもよい。例えば、脈波計測装置は、人差し指、中指、及び薬指にそれぞれ装着可能なように、手指挿入部10xを設けた筐体を3個、有していてもよい。
【0109】
脈波センサ20は、各筐体に対して1つずつ設けられている。一方、出力装置40は、各筐体に対して1つずつ設けられてもよいし、複数の筐体に対してまとめて1つ(又は数個)設けられてもよい。具体的には、出力装置40がイヤホンやヘッドホンである場合、出力装置40は全筐体に対してまとめて(すなわち、脈波計測装置1全体で)所定の個数だけ設けられていてもよい。また、出力装置40が振動デバイスである場合、出力装置40は、各筐体に(すなわち、各手指に)対応して1つずつ設けられていてもよい。
【0110】
各筐体に、脈波センサ20と出力装置40とが1つずつ設けられている場合、増幅器30は、各々の脈波センサ20から入力された複数の出力信号S1を合成してから増幅してもよいし、複数の出力信号S1を合成せずに、それぞれ別個に増幅してもよい。複数の出力信号S1を別個に増幅する場合、増幅器30は、各々の増幅信号S2を、増幅前の出力信号S1を出力した脈波センサ20と同じ筐体に設けられている出力装置40に出力してもよい。このような構成とすることにより、使用者が、各指に対応する脈波センサ20で、被験者の脈波をどの程度捉えられているかを認識できるという利点がある。
【0111】
以上、好ましい実施形態等について詳説した。しかしながら、本開示に係る脈波計測装置は、上述した実施形態および変形例等に限定されない。例えば、上述した実施形態等に係る脈波計測装置について、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0112】
1 脈波計測装置、10,10A 筐体、10x 手指挿入部、20 脈波センサ、30 増幅器、40 出力装置、50 情報処理装置、22 起歪体、22m 第1面、22n 第2面、22a 基部、22b 梁部、22c 負荷部、22d 延伸部、23 線材、100,100,100,100 ひずみゲージ、110 基材、110a 上面、130 抵抗体、140 配線、150 電極、160 カバー層、130e、130e 終端、300,330 カバー部材、310 凸部、320 間隙
図1
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