(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002116
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】アウトドア用のソケットとプラグ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
H01R13/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102052
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】510215374
【氏名又は名称】中治 一秀
(71)【出願人】
【識別番号】513122576
【氏名又は名称】原川 健一
(72)【発明者】
【氏名】中治 一秀
(72)【発明者】
【氏名】原川 健一
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087FF07
5E087FF12
5E087HH05
5E087JJ01
5E087KK01
5E087LL03
5E087LL14
5E087LL17
5E087LL27
5E087MM05
5E087PP07
5E087QQ03
5E087RR12
5E087RR18
5E087RR32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】雨の中や水の中で安全に装着や脱着ができるソケットとプラグを提供する。
【解決手段】導電性バネ1の後端にリ-ド線2を接続し、先端に電極となる導電性強磁性体3を接続したバネ電極を絶縁性筒状容器4の中に挿入し、開口部は導電性非磁性体金属で蓋5をしたのが密封容器式バネ電極101である。電極3は蓋5から数ミリ離れた構造なので、外部から磁石で吸引しない限り水中でも短絡することはない。受電する時は、導電性磁石6にリード線7を繋いだ筒状磁石電極102を接触させて受電するが、選択
図3の状態で受電するのが屋内用であり、筒状磁石電極102に雨除けのキャップをつけて受電するのがアウトドア用のソケットとプラグであり、ホ-スジョイントのメス側に密封容器式バネ電極101を挿入し、オス側に筒状磁石電極102を挿入してホ-スジョイントを結合して受電する構造としたのが水中用のソケットとプラグである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性引きバネ1の後端部にリード線2を接続し、前記導電性引きバネ1の先端部には導電性強磁性体3を接続し、これをプラスチック等の絶縁材料でできた底のある筒状容器4に挿入して、引きバネの後端部を前記筒状容器の底6に固定し、リ-ド線2だけが筒状容器の底から外に出る様にする。筒状容器4の開口部は、アルミや銅やステンレス等の導電性非磁性体金属の蓋5で塞ぎ筒状容器4の中は水が入らない防水構造とする。 前記導電性強磁性体3は引きバネ1が縮んだ状態では導電性非磁性体金属の蓋5とは数ミリ程度離れて接触しない構造とした密封容器式バネ電極(101)。(
図1参照)
【請求項2】
ニッケル等でメッキした導電性磁石6の上部にリード線7を接続したものを筒状容器8に挿入し、前記筒状容器8の底部から導電性磁石6の一部を外に出し、前記筒状容器8の上部からリード線7が外に出るようにして筒状容器8の内部は絶縁性接着材を充填して固定した筒状磁石電極(102)。
前記筒状磁石電極(102)の導電性磁石6を請求項1記載の密封容器式バネ電極(101)の導電性非磁性体金属の蓋5に接触させると密封容器式バネ電極の導電性強磁性体3が吸引されバネ1が伸びて導電性強磁性体3が導電性非磁性体金属の蓋5に接触して密封容器式バネ電極(101)のリ-ド線2と筒状磁石電極(102)のリード線7が導通する。(
図2及び
図3参照)
【請求項3】
請求項1記載の密封容器式バネ電極(101)の側面に防水リング11を巻いて、導電性非磁性体金属の蓋5を上にして柱状の姿勢を維持して倒れないようにプラスチック等の固定台12で固定した固定台つき密封容器式バネ電極(103)。 前記固定台つき密封容器式バネ電極(103)を2個用意し、第一の固定台つき密封容器式バネ電極(103)から出ているリード線2を電源13の陽極に接続し、第二の固定台つき密封容器式バネ電極(103)から出ているリード線2を電源13の陰極に接続し、2つの固定台つき密封容器式バネ電極(103)をセットで電力を送電する構造としたアウトドア・ソケット(200)。 (
図4及び
図6参照)
【請求項4】
請求項3記載の固定台付き密封容器式バネ電極(103)に被せることのできるキャップ状の容器9の上部に穴を空け、請求項2記載の筒状磁石電極(102)を磁石が中でリード線が外になる様に挿入し、挿入部分は絶縁性接着材で塞いで固定し、キャップ状の容器9の口の部分には防水リング10を取り付けたキャップ付き筒状磁石電極(104)。 前記キャップ付き筒状磁石電極(104)の磁石の外面がN極のものとS極のものを用意し、それぞれのリ-ド線を負荷14に接続したものをひとつのセットにして電力を受電する構造としたアウトドア・プラグ(201)。 (
図5、
図7及び
図8参照)
【請求項5】
メス型ホ-スジョイント(300)のホースを挿入する穴15に、請求項1記載の密封容器式バネ電極(101)を挿入しリード線2を外に引き出し、穴15と密封容器式バネ電極(101)の間隙を接着材等で塞いでメス型ホースジョイント(300)と密封容器式バネ電極(101)を一体化したメス型ホ-スジョイント電極(302)。 前記メス型ホ-スジョイント電極(302)を2個セットにして、第一のメス型ホ-スジョイント電極(302)から出ているリ-ド線を電源13の陽極に接続し、第二のメス型ホ-スジョイント電極(302)から出ているリ-ド線を電源13の陰極に接続して電力を送電する構造としたメス型ホースジョイント式水中ソケット(304)。
【請求項6】
オス型ホースジョイント(301)のホースを挿入する穴16に請求項2記載の筒状磁石電極(102)を挿入し、リード線7を外に引き出し、穴16と筒状磁石電極(102)の間隙を接着材等で塞いでオス型ホースジョイント(301)と筒状磁石電極(102)を一体化したオス型ホ-スジョイント電極(303)。
前記オス型ホ-スジョイント電極(303)を二個セットにして、それぞれのリード線を負荷14に接続して受電する構造としたオス型ホースジョイント式水中プラグ(305)。 (
図9、
図10及び
図11参照)
【請求項7】
請求項1記載の密封容器式バネ電極(101)の引きバネ1を弾力性の強いバネと導電性の高いバネを組み合わせた多重バネ構造24にした密封容器式多重バネ電極(105)。 (
図12参照)
【請求項8】
磁石の代わりに、アルミや銅やステンレス等の導電性非磁性体金属の箱の中に磁石を入れた磁石内蔵型金属箱25を使用した請求項1記載の密封容器式バネ電極(106)。(
図13参照) 磁石内蔵型金属箱の代わりに導電性網線で磁石を包む磁石内蔵型網線も有効である。
【請求項9】
請求項1記載の密封容器式バネ電極(101)の引きバネ1を、板バネ27に置き換えて板バネ27の中央部又は先端に強磁性体3を取り付けた構造の密封容器式板バネ電極(107)。 (
図14参照)
【請求項10】
請求項1記載の密封容器式バネ電極(101)のバネとリ-ド線の接続部分をプラスチックなどの台座30で固定し、固定した台座30の側面からリード線2を引き出し、台座30の下部にはオスネジ28を取り付け、筒状容器4の底を厚めにして、メスネジ29を切った穴をあけ、メスネジ29にオスネジ28を挿入して水が入らない防水構造とし、オスネジ28を回すことで、前記密封容器式バネ電極の蓋5とバネの先の強磁性体3との距離を自由に調整できる構造とした密封容器式距離調整バネ電極(108)。(
図15参照)
【請求項11】
市販のソケットに使用されている2枚の弾性金属で挟む方式の刃受け穴電極32に防水式モーメンタルプッシュスイッチ33を接続し、刃受け穴電極32と防水式モーメンタルプッシュスイッチ33のボタン34が上向きになる様にして、筒状容器4の底に固定し、防水式モーメンタルプッシュスイッチ33に接続しているリード線2だけを外に引き出し、筒状容器4には蓋をつけず開口状態にした構造の防水スイッチ式刃受け穴電極(109)。 (
図16参照)
防水スイッチ33のボタン34を人が誤って押すことが無いように、指の入らない程度の小さな穴の開いた円柱状の指防護カバ-35をボタン34に被せて取り付けると更に良い。
【請求項12】
市販のプラグに使用されている細長い金属の刃がついた刃電極36とその横に、請求項11記載の防水式モーメンタルプッシュスイッチ33のボタン34を押すための指より細い押し棒37をつけて筒状容器8に挿入し、前記筒状容器8の底部から刃電極36と押し棒37を外に出し、前記筒状容器8の上部から刃電極36に接続したリード線7が外に出るようにして筒状容器8の内部は絶縁性接着材を充填して固定した押し棒付き筒状刃電極(110)。 (
図17参照)
【請求項13】
請求項11記載の防水スイッチ式刃受け穴電極(109)の側面に防水リング11を巻いて、防水スイッチ式刃受け穴電極(109)が上を向く姿勢を維持して倒れない様に固定台12で固定した固定台付き防水スイッチ式刃受け穴電極(111)。 前記固定台付き防水スイッチ式刃受け穴電極(111)を2個セットにして、それぞれのリード線2を電源13の陽極と陰極に接続して送電する構造とした防水スイッチ式アウトドア・ソケット(400)。 (
図16及び
図18参照)
【請求項14】
請求項4記載のキャップ状の容器9の上部に穴を空け、請求項12記載の押し棒付き筒状刃電極(110)をリ-ド線2が外になる様にして挿入し、挿入部分を接着剤等で固定したキャップ付き筒状刃電極(112)。前記キャップ付き筒状刃電極(112)を2個セットにして、それぞれのリード線7を負荷14に接続して受電する方式の防水スイッチ式アウトドア・プラグ(401)。 (
図17及び
図18参照)
【請求項15】
メス型ホースジョイント(300)のホースを挿入する穴15に請求項11記載の防水スイッチ式刃受け穴電極(109)を挿入し、リード線2を外に引き出し、穴15と防水スイッチ式刃受け穴電極(109)の間隙を接着剤等で塞いでメス型ホースジョイント(300)と防水スイッチ式刃受け穴電極(109)を一体化した防水スイッチ式メス型ホースジョイント電極。 前記防水スイッチ式メス型ホースジョイント電極を2個セットにして、それぞれのリード線2を電源13の陽極と陰極に接続して送電する方式の防水スイッチ式水中ソケット(500)。 (
図16、
図17及び
図19参照)
【請求項16】
オス型ホースジョイント(301)のホースを挿入する穴16に請求項12記載の押し棒付き筒状刃電極(110)を挿入し、リード線7を外に引き出し、穴16と押し棒付き筒状刃電極(110)の間隙を接着剤等で塞いでオス型ホースジョイント(301)と押し棒付き筒状刃電極(110)を一体化した押し棒付きオス型ホースジョイント電極。前記押し棒付オス型ホースジョイント電極を2個セットにして、それぞれのリード線7を負荷14に接続して受電する方式の防水スイッチ式水中プラグ(501)。 (
図17及び
図19参照)
【請求項17】
平面が平らなプラスチック等の絶縁性ケース38の上面に横一列に等間隔(但し密封容器式バネ電極の蓋の径より広い間隔)に穴を空け、請求項1記載の密封容器式バネ電極がN極(蓋側の面の磁極)のものと、S極(蓋側の面の磁極)のものを複数個用意し、前記絶縁性ケース38の上面の穴に交互に磁極が異なるように挿入する。 この時、密封容器式バネ電極のリード線は絶縁性ケース38の側面又は下面から取り出し、密封容器式バネ電極がN極の複数のリード線をまとめて1本のリード線39にし同様に密封容器式バネ電極がS極の複数のリード線もまとめて1本のリード線40にする。 この様にまとめた2本のリード線を、それぞれ電源13の陽極と陰極に接続した線状配置型密封容器式ソケット(600)。 (
図20参照)
前記線状配置型密封容器式ソケット(600)は、用途に応じて密封容器式バネ電極(101)を絶縁性ケ-ス38に挿入する深さを変えることでフラット型、凹型、凸型の3形態ができる。
【請求項18】
請求項17記載の線状配置型密封容器式ソケット(600)の概念を拡大して、平面が平らなプラスチック等の絶縁性ケース41の上面に縦横とも等間隔に穴を空け、S極とN極の密封容器式バネ電極(101)を縦横とも交互に磁極が異なるように挿入し、密封容器式バネ電極(101)のリード線は絶縁性ケースの側面又は下面から取り出し、密封容器式バネ電極がN極の複数のリード線をまとめて1本のリード線43にし、同様に密封容器式バネ電極がS極の複数のリード線もまとめて1本のリード線42にする。 この様にまとめた2本のリード線を、それぞれ電源13の陽極と陰極に接続した面状配置型密封容器式ソケット(601)。 (
図21参照)
前記面状配置型密封容器式ソケット(601)も、用途に応じて密封容器式バネ磁石電極(101)を絶縁性ケ-ス41に挿入する深さを変えることでフラット型、凹型、凸型の3形態ができる。
【請求項19】
磁石内蔵型金属箱(25)を2個用意し、2個の間隔は請求項17記載の線状配置型密封容器式ソケットの2個の電極の間隔と同じにして、絶縁性ケース(44)に埋め込みリード線は絶縁性ケース(44)の外に出して負荷14に接続する。 磁石内蔵型金属箱(25)を絶縁性ケース(44)に挿入する深さはフラット型か凸型にすることで、請求項17記載の線状配置型密封容器式ソケット(600)の上を移動するごとにONとOFFを繰り返しながら受電することを特徴とする1対1対応型移動式プラグ(602)。 (
図22参照)
【請求項20】
請求項19記載の移動式プラグ電極である磁石内臓型金属箱と中の磁石を大きくして、移動式プラグの電極1に対して、請求項17記載の面状配置型密封容器式ソケットの電極である密封容器式バネ電極がn個接触するようにすることで、移動するごとに連続して受電することを特徴とする1対n対応型移動式プラグ(603)。 (
図23参照)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨の中や水の中で安全に接続や切断ができるソケットとプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のソケットは二枚の弾性金属で挟む方式の刃受け穴電極で、プラグは一枚の刃電極をソケットの刃受け穴電極に挿入する方式で、陽極と陰極が近傍に並んで設置された構造であり一般的には屋内専用である。
防水コンセントと称する製品や特許も存在するが、従来の防水コンセントは特開2016-81559のように屋内用のソケットとプラグにゴムカバ-をつけてプラグをソケットに接続した時の密着性を高めて、ある程度の水の侵入を防ぐ方式のものと、特開2015-079611のように家屋の外壁などにひさしのついた防雨カバ-を設置し、防雨カバ-の中に屋内ソケットを取り付けて雨の侵入を防ぐ方式のものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】(特開2016-081559)防水コンセント
【特許文献2】(特開2015-079611)防水コンセント
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社タカチ電気工業著 防水コネクタ・ケ-ブルグランドPDFカタログ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の防水ソケットは、屋内用のソケットに防水カバ-等を取り付けて雨などの水の侵入を防ぐ工夫をしたものであるが、屋内用のソケットの構造をそのまま活用しているため、陰極と陽極を絶縁壁のない同一空間で、しかも近傍に設置する構造であり、水に対する致命的な弱点を有している。
従って屋内用のソケットの構造を維持したままで、防水機能を持たせるには限界があり、防水カバ-で水が入らない様に工夫したとしても、ソケットとプラグを接続した状態ではある程度の防水効果が得られても、ソケットとプラグを外した状態やソケットとプラグを接続する状態、あるいはソケットからプラグを引き抜く状態では、ソケットの電極もプラグの電極も裸で距離が近いため、水に対して無防備であり、埃や水の侵入を防ぐことはできず、ソケットに水が浸入するとその時点ですぐに陽極と陰極が短絡するという問題点があった。
本発明は、雨の中や水の中で接続や切断をしても短絡や感電をしないアウトドア・ソケットとアウトドア・プラグを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のアウトドア・ソケットは陽極と陰極を分離して、別々の絶縁性密封容器の中に封入し、外から磁石で吸引しない限り電極が外部と接触しない構造とし、アウトドア・プラグは、アウトドア・ソケットの電極を外部から吸引するために磁石式電極とし、水の侵入を防ぐための絶縁性ケ-スの中で前記ソケットと前記プラグを接続や切断する構造としたものである。
【0007】
本発明のアウトドア・ソケットは、密封容器式バネ電極(101)2個とそれを支える2個の保持ケースで構成される。密封容器式バネ電極は、リード線の先に導電性のバネをつけ、導電性バネの先に導電性の強磁性体(軟磁性体でも硬磁性体でも良い)をつけて、それぞれを片方がオ-プンで他方が閉じられた筒状容器の中に挿入して導電性バネを筒状容器の閉じられた底の部分に固定しリード線だけを外に出し電源の陽極と陰極に接続し、オ-プン部分を銅やアルミやステンレス等の導電性非磁性体金属で蓋をして電極を密封容器の中に封入したものである。この時バネ電極と筒状容器の蓋は数ミリ程度離れて接触しない様に調整しておく、以上の様にすることでむき出しの電極を無くし、雨の中や水の中でも短絡や感電をしない密封容器式バネ電極ができる。保持ケースは、陰極と陽極の密封容器式バネ電極を一定の距離離して柱状に立てるためのものであるが、用途に応じて陰極と陽極の密封容器式バネ電極の間隔や高さは自由に変えることができる。
密封容器式バネ電極は、製造の容易さや導電性を考慮して、上記構造以外にバネの先に直接強磁性体を接続するのではなく、強磁性体を入れた銅やステンレス等の箱にバネを接続し、それを電極にしたものや、バネの導電性を向上するためにステンレスのバネと銅のバネを組み合わせて多重バネ構造にしたものも考案した。製品化する場合は用途に応じて磁石内蔵型金属箱や導電性網線で磁石を包んだものや2重バネ構造を採用することが望ましい。
【0008】
アウトドア・プラグは、筒状磁石電極(102)を2個とそれに被せるキャップ状の保持ケース2個で構成される。筒状磁石電極(102)は、ニッケル等でメッキした導電性のN極とS極の磁石にリード線を接続し、それをプラスチック等で筒状に固めたもので筒の先端部からは磁石の一部が外に顔を出し、筒の後端部からはリード線が外に出ていて使用する装置の負荷に繋がっている、この筒状磁石電極(102)にキャップ状の筒状容器を被せて一体化したのがアウトドア・プラグである。アウトドア・プラグはアウトドア・ソケットに接続するまでは電源に繋がっていないので雨の中でも水の中でも短絡することはない。
受電する時は、アウトドア・ソケットの2個の密封容器式バネ電極に、それぞれアウトドア・プラグのキャップ式磁石電極を被せた状態で受電するが、キャップがソケットとプラグの接点を覆うので屋根のある2つの部屋の中で陽極と陰極を別々に接続するのと同じ効果がある。又この方法はソケットの陽極と陰極の間隔を用途に応じて自由に変えることが出来るために、雨が流れる可能性がある場合は陽極と陰極の経路を長くし、且つ陽極と陰極の経路に雨の侵入を防ぐ防水リング等の障害物を設けることで、雨の中でも短絡や感電をせずに自由に抜き差しできるアウトドア・ソケットとアウトドア・プラグを提供することができる。
【0009】
ソケットの密封容器式バネ電極の電極が鉄等の軟磁性体の場合はプラグの磁石電極のS極とN極の組み合わせを考慮する必要はないが、密封容器式バネ電極の強磁性体電極が磁石の場合にはソケット側の電極の磁極とプラグ側の電極の磁極が異なる組み合わせになる様にして接触させる必要がある。
ソケットとプラグの磁石電極の磁極をNとSの様に異なる組み合わせにして接触させると相互の磁石電極に吸引力が働き密封容器式バネ電極のバネが伸びて蓋に接触し、金属の蓋を介してソケットからプラグへ電流が流れる。一方ソケットとプラグの磁石電極の磁極をNとNの様に同じ組み合わせにして接触させると、相互の磁石電極が反発し、密封容器式バネ電極のバネは伸びずソケットからプラグへ電流は流れない。
【0010】
このことは、陽極と陰極の極性を逆に接続すると危険な直流電源などに使うソケットやプラグとしては便利で、例えばソケットの陽極をN極に陰極をS極にし、プラグの陽極をS極に陰極をN極の様に電極と磁極の組み合わせを設定することで、ソケットとプラグの電極の極性を誤って接続するのを防止することができる。
【0011】
アウトドア・ソケットの電極は密封容器の中に入っているので水の中でも安全であるが、アウトドア・プラグの電極であるキャップ式磁石電極を接触させると密封容器の中のバネが伸びて電極が金属の蓋に接触し、金属の蓋を介してアウトドア・プラグへ電流が流れるので、金属の蓋の部分まで水位が上がってくると陽極と陰極が短絡する危険がある。
【0012】
水位に左右されず水中でも安全に抜き差しできるソケットとプラグにするためには、ソケット側の陽極電極とプラグ側の陽極電極を同じ密封空間の中に閉じ込めて、その中で抜き差しできるようにし、同様にソケット側の陰極電極とプラグ側の陰極電極も別の密封空間の中に閉じ込めて、その中で抜き差しすることで解決することができる。具体的には、密封容器式バネ電極(101)を絶縁性材料でできたメス型ホ-スジョイントのホ-スを挿入する穴にリード線を外にして挿入し、挿入部分を接着剤等で固定して水が入らない様にして取りつけ、リード線を電源の陽極に接続する。
同様の物を、もう一つ作成し、今度はリード線を電源の陰極に接続する、前記2個のメス型ホ-スジョイント電極の対を水中ソケットとする。
次に、筒状磁石電極(102)を絶縁性材料でできたオス型ホ-スジョイントのホ-スを挿入する穴にリード線を外にして挿入し、挿入部分を接着剤等で固定して水が入らない様にして取りつけ、リード線を負荷に接続する。同様の物を、もう一つ作成し今度はリード線を負荷の反対側の端子に接続する。
前記2個のオス型ホ-スジョイント電極の対を水中プラグとする。
前記2組のホ-スジョイントのメスとオスをロ-タリ-ジョイント部を回して結合させるとホ-スジョイントの内側は外と隔絶された密封空間となり、電気的にも絶縁された空間となる。この電気的絶縁空間の中で密封容器式バネ電極(101)の蓋5と筒状磁石電極(102)が接触することで密封容器式バネ電極(101)の中のバネ1が伸びて蓋5に接触し、蓋5を介してソケットからプラグへ電力が供給される。
【0013】
水中ソケットと水中プラグを製造する時に注意すべき点は、ソケットの密封容器式バネ電極の蓋にプラグの筒状磁石電極が接触して電流が流れるタイミングと、ホ-スジョイントを回すことで結合力が次第に強くなり、水中等の外部環境と電極のある内部環境が完全に遮断されて密封機能と絶縁機能が完成するタイミングである。 ソケットとプラグの電極が短絡しない為には、電流の流れるタイミングは密封機能と絶縁機能が完成した後でなければならない。
同様の理由から、ホ-スジョイントのロ-タリ-ジョイント部を逆回転して、ソケットとプラグの電極を切断するタイミングは、密封機能と絶縁機能が消失する前でなければならない。
【0014】
この問題を解決するため、ホ-スジョイントのメスの底に固定した密封容器式バネ電極の周りに厚めの弾力性ゴムリング22を張り付け、ホースジョイントのオスの開口部の淵に厚めの弾力性ゴムリング23を張り付ける。
ホ-スジョイントのメスとオスには相互に勘合するネジ溝が切ってあり、ロータリ-ジョイント部のネジを回すことでメスとオスが結合し、内部と外部の密室性が高まり、メスの底の弾力性ゴムリング22にオスの開口部の弾力性ゴムリング23が接触し密封機能が完成するが、この時点では双方の電極はまだ接触しておらずロ-タリ-ジョイント部の溝穴にはまだ遊びがあり、ロ-タリ-ジョイント部のネジを更に回すとオス側の防水用ゴムリング23とメス側の防水用ゴムリング22が更に押し付けられてソケット電極とプラグ電極が密封空間の中で接続する構造とすることで、水中でも安全に接続や切断をすることができる。
【0015】
ソケットの陽極と陰極を分離して、別々の密封容器の中でプラグの電極と接続することで水の中でも抜き差しできる上記の方法は、密封容器式バネ電極(101)の代わりに、市販の防水スイッチを使っても実現することができる。 もっとも簡単なのは2個のホ-スジョイントのメスの内側に2枚の金属で挟む方式の刃受け穴電極を取り付けリード線を外に出し、外側に出ているリード線にそれぞれ防水スイッチをつけて防水スチッチを電源に接続し、防水スイッチをOFFにした状態でホ-スジョイントのオス側に付けた刃電極をメス側の刃受け穴電極に挿入し、ホ-スジョイントのオスとメスを結合し、密室空間が完成した段階で防水スイッチをONにして受電し、分離する時は防水スイッチをOFFにしてからホ-スジョイントを緩めてオスとメスを分離する方法である。 この方法は磁石を使用しないので精密電気機器の近くで使用するのに適している。
【0016】
しかしこの方法は、人間のうっかりミスで、水中で防水スイッチをONのままの状態でオスとメスを分離した場合は短絡や感電する危険がある。この危険を回避するためには防水SWを押した時だけONになるモーメンタルスイッチにして、モーメンタルスイッチをONにするタイミングをジョイントカップリングの回転数と防水ゴムの弾力性による遊びの関係を利用する等の工夫が必要である。
【0017】
これまでは、密封容器式バネ電極が1組の場合のソケットについて説明してきたが、次は
N極とS極の密封容器式バネ電極を一定の間隔で交互に直線状に並べた線状配置型密封容器式ソケットと、同じく交互に平面上に並べた面状配置型密封容器式ソケットについて説明する。 面状配置型密封容器式ソケットはプラスチックなどの絶縁性材料でできた厚みのある平面の保持ケースに、左右とも一定の間隔でn行m列(n×m個)の穴を空け、その穴の中に縦列と横列がともに異なる磁極になる様にN極とS極の密封容器式バネ電極を交互に埋めて固定したものである。 線状配置型密封容器式ソケットは面状配置型密封容器式ソケットの1形態であるn行1列と同じであるので説明を割愛する。
面状配置型密封容器式ソケットや線状配置型密封容器式ソケットは、工場やオフィスビルの床等に敷設しても人は感電しないので、二足歩行ロボットやAGVなどの移動体への電力供給システムとして有効である。
【0018】
前記面状配置型密封容器式ソケットは、密封容器式バネ電極の蓋が、保持ケ-スの上面より高いか、低いか、同じかで、凸型、凹型、フラット型の3形態が存在し、それぞれの用途に合わせて使用する。。
【0019】
上記の様な面状配置型密封容器式ソケットの上を二足歩行ロボットが移動しながら足裏につけたプラグで受電するためには、送電側の面状配置型密封容器式ソケットは凹型ではだめで凸型かフラット型で無ければならない。また受電側のプラグ電極も請求項18記載の1対1対応型移動式プラグの様にソケットとプラグの電極が1対1に対応する方式では、ソケットのN極にプラグのN極が接触する場合とS極が接触する場合が生起するため、送電電極と受電電極が吸引して受電できる場合と反発して受電できない場合が1/2の確率で発生する。 この問題を解決するために考案したのが請求項20記載の1対n対応型移動式プラグである。
【0020】
1対n対応型移動式プラグは、プラグの電極である導電性磁石又は(磁石内臓型金属箱)と密封容器式バネ電極の蓋が1対1に接触するのではなく、1対2以上で接触するようにプラグの電極である導電性磁石又は(磁石内蔵型金属箱)の底面の面積を大きくして、大きなプラグ電極1つに面状配置型密封容器式ソケットの複数個の電極が接触するようにしたものである。 1対n対応型移動式プラグを、請求項18記載の面状配置型密封容器式ソケットの上に接触させると、1対n対応型移動式プラグのN極には、面状配置型密封容器式ソケットのn/2個のS極の密封容器式バネ電極が吸引されて接続し、n/2個のN極の密封容器式バネ磁石は排斥されて接続されない。同様に1対n対応型移動式プラグのS極には、面状配置型密封容器式ソケットのn/2個のN極の密封容器式バネ電極が吸引されて接続し、n/2個のS極の密封容器式バネ電極は排斥されて接続されない。 この様にすることで、前述の課題であった二足歩行ロボットが移動するたびに受電できない状態が生起することはなくなり、且つ陰極と陽極を誤らずに接続することができる。 但し、1対n対応型移動式プラグのN極とS極の間隔は、短絡するのを防ぐために前記密封容器式バネ電極の蓋の径の長さ以上に離すことが必要である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、人が触れても感電せず、水洗いしてもショ-トせず、埃や油や雨に強いアウトドア・ソケットとアウトドア・プラグを提供できる。 更に水中で接続や切断できる水中ソケットと水中プラグを提供することができるため、粉塵の舞う工場や、雨の降る道路や河川等の工事現場や災害の現場、あるいは水の飛沫がかかる漁船やプレジャ-ボート等、これまで危険と考えらえていた場所や不可能と思われていた環境で、安全にソケットとプラグを繋ぐことができるようになるため、これまで困難だった環境での作業が効率よく行えるようになる他、これまでなかった水や油や粉塵の飛び交う環境や水中などで使う新たな装置の開発に繋がる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】密封容器式バネ電極に筒状磁石電極を接触させて導通した実施例を示す縦断面図である。
【
図4】固定台付き密封容器式バネ電極の縦断面図である。
【
図5】キャップ付き筒状磁石電極の縦断面図である。
【
図6】固定台付き密封容器式バネ電極の対で構成するアウトドア・ソケットの縦断面図である
【
図7】キャップ付き筒状磁石電極の対で構成するアウトドア・プラグの縦断面図である。
【
図8】アウトドア・ソケットにアウトドア・プラグを被せて受電した実施例を示す縦断面図である。
【
図9】メス型ホースジョイントとオス型ホースジョイントを分離した状態の縦断面図である。
【
図10】メス型ホースジョイント電極とオス型ホ-スジョイント電極の縦断面図である。
【
図11】メス型ホースジョイント電極の対で構成した水中ソケットとオス型ホースジョイント電極の対で構成した水中プラグを結合して受電する実勢例を示す縦断面図である。
【
図12】密封容器式バネ電極のバネを多重バネにした密封容器式多重バネ電極の縦断面図である。
【
図13】磁石電極を非磁性体金属箱に入れた構造の密封容器式バネ箱電極の縦断面図である。
【
図14】密封容器内の引きバネを板バネに変えた密封容器式板バネ電極の縦断面図である。
【
図15】電極と蓋の距離を調整する機構付きの密封容器式距離調整バネ電極の縦断面図である。
【
図16】防水スイッチ式刃受け穴電極の構造を示す縦断面図である。
【
図17】押し棒つき筒状刃電極の構造を示す縦断面図である。
【
図18】防水スイッチ式アウトドア・ソケットと防水スイッチ式アウトドア・プラグの受電方法の実施例を示す縦断面図である。
【
図19】防水スイッチ式水中ソケットと防水スイッチ式水中プラグの受電方法の実施例を示す縦断面図である。
【
図20】線状配置型密封容器式ソケットの構成を示す縦断面図である。
【
図21】面状配置型密封容器式ソケットの構成を示す縦断面図である。
【
図22】線状配置型密封容器式ソケットから1対1対応型移動式プラグで受電している実施例を示す縦断面図である。
【
図23】面状配置型密封容器式ソケットから1対n対応型移動式プラグで受電している実施例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1はアウトドア・ソケットの電極である密封容器式バネ電極(101)の実施例である。導電性バネ(引きバネ)1の後端部にリ-ド線2を接続し、バネ1の先端部に導電性強磁性体3(鉄などの軟磁性体または磁石などの硬磁性体)を取り付け、これをバネ電極とする。 このバネ電極を底のある絶縁性筒状容器4の中に挿入し、バネ電極の後端部を絶縁性筒状容器4の底に固定し、底又は横に開けた小さな穴からリ-ド線2だけが絶縁性筒状容器4の外に出るようにし、穴は接着剤等で防ぎ、絶縁性筒状容器4の開口部はアルミや銅等の導電性非磁性金属で蓋5をする。 以上の様に構成したものを密封容器式バネ電極(101)と呼称する。
絶縁性筒状容器4に挿入したバネ電極は、バネ1が縮んだ状態では前記導電性非磁性金属の蓋5に接触せず常に数ミリの間隙ができるように設定する。 前記リ-ド線2には電源が接続されるが、
図1から分かるように、前記バネ電極は通常はバネが縮んでいるので蓋5に接触していない、従って、人が蓋5に触っても安全であり、且つバネ電極は絶縁性筒状容器4の中に封入されているので埃や油や水から守られる効果がある。 前記バネ電極の先端が磁石の場合は磁極の異なる磁石を外から蓋5に接触させると、前記バネ磁石電極の磁石が吸引されてバネが伸び、蓋5に接触し、蓋5はバネ電極と同電位になる。磁極が同じ磁石を外から蓋5に接触させても反発してバネは伸びず電極は蓋5に接触しない。 前記バネ電極が磁石でなく鉄の場合は吸引する磁石の極性に関わらず鉄が吸引されるのでバネが伸びてバネ電極が蓋5に接触し導通する。交流電源の場合はバネの先に磁石をつけるより、バネの先に鉄をつけた方が使い易い場合もある。 蓋5はバネの先の強磁性体電極が外からの磁石に引かれて接触し内部と外部が導通する仲介をするだけでなく、前記筒状容器4から飛び出すのを防ぐストッパ-の役割も果たしている。
【0024】
図2はアウトドア・プラグの電極である筒状磁石電極(102)の実施例である。 筒状磁石電極(102)はニッケル等でメッキした導電性磁石6にリード線7を接続し、筒状容器8の中に挿入し、筒状容器8の下部から導電性磁石6の一部を外に出し、筒状容器8の上部からリード線7を外に出して筒状容器8の内部は絶縁性接着剤等を充填して固定したものである。
【0025】
図3は密封容器式バネ電極(101)に筒状磁石電極(102)を接触させて、筒状磁石電極(102)の磁石6の磁力で密封容器式バネ電極(101)の強磁性体3が吸引され、強磁性体3が導電性非磁性体金属の蓋5に接触してリード線2とリード線7が導通した実施例を示している。
【0026】
図4は密封容器式バネ電極(101)の側面にゴムの防水リング11をつけて、支持台12で密封容器式バネ電極(101)を固定した固定台付き密封容器式バネ電極(103)である。
【0027】
図5はキャップ状の容器9の開口部に防水リング10をつけて、キャップ状の容器9の上部に穴を空け、その穴に筒状磁石電極(102)を挿入して接着剤等で固定した構造のキャップ付き筒状磁石電極(104)である。キャップ付き筒状磁石電極(104)を固定台付き密封容器式バネ電極(103)に被せるとキャップが傘の役目をして雨が浸入し難い構造になっている。更にキャップの開口部に付けられたゴムリング10が固定台付き密封容器式バネ電極(103)のゴムリング11と密着して二重の防水効果を発揮する。
【0028】
図6は
図4で説明した固定台付き密封容器式バネ電極(103)を対にして、それぞれのリード線を電源13の陽極と陰極に接続して送電する構造としたアウトドア・ソケットの実施例である。
【0029】
図7は
図5で説明したキャップ付き筒状磁石電極(104)を対にして、それぞれのリード線を負荷14に接続して受電する構造としたアウトドア・プラグの実施例である。
【0030】
図8は
図6のアウトドア・ソケットの陽極と陰極の送電電極に
図7のアウトドア・プラグの受電電極を接触させて、アウトドア・プラグの磁石がアウトドア・ソケットの導電性強磁性体電極を吸引して導電性非磁性体金属の蓋に接触して電力が供給されている形態を示す実施例である。この時アウトドア・プラグのキャップがアウトドア・プラグとアウトドア・ソケットをの電極が接触する部分を覆い雨を避ける傘の役目をするとともに、防水リングの10と11が勘合して雨の侵入を防ぐ効果も期待できる。
【0031】
図9は一般に市販されているロータリ-式メス型ホースジョイント(300)とオス型ホースジョイント(301)を分離した状態を示す実施例である。
【0032】
図10はメス型ホースジョイント(300)のホース挿入口15に請求項1記載の密封容器式バネ電極(101)を挿入してリード線2を外に出し、挿入口を接着剤等で固定して防水処置をしたメス型ホースジョイント式電極(302)の実施例と、オス型ホースジョイント(301)のホース挿入口16に請求項2記載の筒状磁石電極(102)を挿入してリード線7を外に出し、挿入口を接着剤等で固定して防水処置をしたオス型ホースジョイント式電極(303)の実施例である。
【0033】
図11はメス型ホースジョイント式電極(302)を対にして、それぞれのリード線2を電源13の陽極と陰極に接続して送電する方式の水中ソケット(304)と、オス型ホースジョイント式電極(303)を対にして、それぞれのリード線7を負荷14に接続して受電する方式の水中プラグ(305)である。
さらに前記水中ソケット(304)に前記水中プラグ(305)をドッキングしてロ-タリ-部21を回転してオスネジ19とメスネジ18を勘合させて防水用ゴムリング22と23が接触してホースジョイント内部が密封状態になった段階でオス型ホースジョイント式電極(303)の磁石電極がメス型ホースジョイント式電極(302)の導電性非磁性体金属の蓋に接触し、磁石が強磁性体を吸引しバネが伸びて電極が導電性非磁性体金属の蓋と接触することで、メス型ホースジョイント式水中ソケット(304)からオス型ホースジョイント式水中プラグ(305)に電力が供給される状態を示す実施例である。
【0034】
図12は、バネ磁石電極のバネを多重バネ24にした密封容器式多重バネ電極(105)の実施例である。 バネ1の役割は、バネの先に取り付けられた導電性強磁性体3を引き寄せる張力の役割と、導電性磁石に電力を供給する電線としての2つの役割を担っている。 張力の役割を担うバネ1は機械的構造上、材料にステンレスを使ったものが多く、銅に比べると抵抗が大きい、このため機械的バネ力は殆どないが電気的抵抗が少ない銅で作られたバネをステンレスのバネ1の内側あるいは外側に挿入して、多重バネ構造24にして導電性を向上したもので少し大きな電力を送る時に使用する。
【0035】
図13は
図1で説明した密封容器式バネ電極の磁石を磁石内蔵型金属箱25に置き換えた密封容器式バネ箱電極(106)の実施例である。
バネ磁石電極はバネ1に磁石3をハンダなどで接着させる必要があるが、ネオジュ-ム磁石は熱に弱く熱を加えると磁力が弱くなる。 従って、予め銅等の導電性非磁性体金属箱にバネ3を溶接しておき、バネ3のついた導電性非磁性体金属箱に磁石を入れて蓋をし、ネジなどで締め付けることで磁石に熱を加えずに組み立てる構造にした密封容器式バネ箱電極(106)の実施例である。
密封容器式バネ箱電極の代わりに、導電性網線で磁石を包んだ、密封容器式網線電極も有効である。これらの方式は送電側の密封容器式バネ電極だけでなく、受電側の筒状磁石電極にも応用することができる。
【0036】
図14は請求項1記載の密封容器式バネ電極の引きバネの代わりに板バネを使用した密封容器式板バネ電極(107)の実施例である。 板バネ27は引きバネ1と比較して、バネの面識が大きく電気抵抗が低いこと及びプラグと接触する方向のサイズを小さくできる等のメリットがあり用途によっては有効である。
【0037】
図15は請求項1記載の密封容器式バネ電極(101)のバネ1とリード線2の接続部分をプラスチック等の台座30で固定し、台座30の側面からリード線2を引き出し、台座30の下にオスネジ28を取り付け筒状容器4の底を厚めにしてメスネジ29を切った穴を空け、そのメスネジ29にオスネジ28を挿入して、オスネジ28を密封容器4の外に出し、水が浸入しない様に調整し、密封容器の外からオスネジを回すことで密封容器の蓋5とバネの先の強磁性体との距離dを調整できる構造にした密封容器式距離調整バネ電極(108)の実施例である。
図15ではリード線2を密封容器4の側面から外に出す構造になっているが、オスネジ28の中を空洞にして、リード線はネジの中を通して外に出す構造にした方がリード線がネジに絡まず調整距離を大きくとることができる。 密封容器の蓋5とバネの先の強磁性体との距離dを調整することはソケットのバネ電極とそれを吸引するプラグ側の磁石電極の動作を確実にすること及び子供が遊ぶおもちゃ用の磁石等で安易に電流が流れる危険を防止するためにも必要である。
【0038】
図16は、リード線のついた防水用のモ-メンタルプッシュスイッチ33と刃受け穴電極32(2枚の弾性金属で挟む方式の電極)を接続し、それを絶縁材料でできた底のある筒状容器4に挿入して、筒状容器4の側面にはゴムリング11を取り付け接着剤等で固定し、リード線2だけが外にでる様にした防水スイッチ式刃受け穴電極(109)である。
モ-メンタルプッシュスイッチ33には人が誤って押して感電しない様にモ-メンタルプッシュスイッチ33のボタン34に指が入らない様に指防止カバ-35をつける。
【0039】
図17は、刃電極36と前記モ-メンタルプッシュスイッチ33を押してONにするための押し棒37を筒状の絶縁体8に取り付け刃電極36に接続し、リード線7だけを絶縁体8の後方あるいは側方から引き出す構造とした押し棒付き刃電極(110)である。
【0040】
図18の下側は、
図16の防水スイッチ式刃受け穴電極(109)を2個用意し、開放面を上に向けて固定台12で固定し、それぞれのリード線を電源13に接続して送電する構造とした防水スイッチ付きアウトドア・ソケット(400)であり、
図18の上側は、
図17の押し棒付き刃電極(110)を2個用意し、押し棒を下にしてキャップ状容器9の上部に穴を空けて挿入し挿入部を接着剤等で固定しそれぞれのリード線を負荷14に接続して受電する構造とした押し棒付きアウトドア・プラグ(401)である。
【0041】
図19の左側の図は、メス型ホースジョイント(300)のホースを入れる穴15に、
図16の防水スイッチ式刃受け穴電極(109)をリード線を外にして挿入し接着剤で固めて一体化したものを2個用意し、それぞれのリード線を電源13の陽極と陰極に接続し、これら2個を対にして送電する構造の防水スイッチ付き水中ソケット(500)である。
図19の右側の図は、オス型ホースジョイント(301)のホースを入れる穴16に、
図17の押し棒付き刃電極(110)をリード線を外にして挿入し接着剤で固めて一体化したものを2個用意し、それぞれのリード線を負荷14に接続し、これら2個を対にして電力を受電する構造の防水スイッチ付き水中プラグ(501)である。 更に防水スイッチ付き水中ソケット(500)と防水スイッチ付き水中プラグ(501)をドッキングしてロ-タリ-部を回して密封空間を作り、密封空間の中で送電電極と受電電極を接続したり切断したりすることができることを示す実施例である。
【0042】
図20は、プラスチック等の絶縁性保持ケ-ス38に直線状に一定間隔で穴を空け、その穴に密封容器式バネ電極(101)をN極とS極が互い違いになるように配列し接着剤等で固定し、N極の密封容器式バネ電極のリード線をまとめて1本のリード線40にし、S極の密封容器式バネ電極のリード線もまとめて1本のリード線39にし、それぞれのリード線を電源13に接続した線状配置型密封容器式ソケット(600)の実施例である。
【0043】
図21は、プラスチック等の絶縁性保持ケ-ス41の平面状に一定間隔で穴を空け、その穴に密封容器式バネ電極101をN極とS極が前後左右とも互い違いに来るように配列し接着剤等で固定し、N極の密封容器式バネ電極のリード線をまとめて1本のリード線42にし、S極の密封容器式バネ電極のリード線もまとめて1本のリード線43にし、それぞれのリード線を電源13に接続した面状配置型密封容器式ソケット(601)の実施例である。
【0044】
図22は、線状配置型密封容器式ソケット(600)の電極に2個の1対1対応型移動式プラグ(602)を接触させた状態の実施例である。 右側の移動式プラグの磁石電極はソケットの磁石電極と反発して受電できない状態であり、左側の移動式プラグの磁石電極はソケットの磁石電極と引き合って受電している状態の実施例である。1対1対応型移動式プラグ(602)は線状配置型密封容器式ソケット(600)の電極の上を移動するたびにONとOFFを周期的に繰り返す。
【0045】
図23は、面状配置型密封容器式ソケット(601)の複数の電極の内の4個に接触する1対4対応型移動式プラグ(603)を接触させた状態の実施例である。 1対4対応型移動式プラグ(603)は1つのプラグ電極に4個の線状配置型ソケットの電極が接触するため、4個の中の2個の電極は必ず吸引する。従って、1対4対応型移動式プラグ(603)は移動しても連続して受電することができる。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のソケットとプラグは雨の中や水の中で安全に電源の接続や切断ができるため、水や油を使う工場やキャンプなどの野外活動や波を被る船の甲板や潜水作業等の現場で利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 導電性引きバネ(リード線と強磁性体を繋ぎ伸縮運動をする導電性のバネ)
2 リード線(導電性バネと電源を繋ぐソケット用電線)
3 導電性強磁性体(軟磁性体または硬磁性体で磁石に反応するソケット用電極)
4 絶縁性筒状容器(底があり片方はオープンで蓋をする構造の容器)
5 蓋(銅やアルミ等の導電性非磁性体金属の蓋)
6 導電性磁石(永久磁石をニッケル等でメッキした導電性磁石でプラグ用電極)
7 リ-ド線 (導電性磁石6と負荷を繋ぐプラグ用電線)
8 筒状絶縁体(導電性磁石6とリード線7をプラスチック等の絶縁材で固めたもの)
9 キャップ状容器(プラグ用電極に取り付け傘の役目をする雨除け用のキャップ)
1 0防水リング(キャップ状の容器9の開口部に防水のために付けるゴムリング)
11 防水リング(絶縁性筒状容器4の側面に防水のために付けるゴムリング)
12 固定台(密封容器式バネ電極(101)を上向きに固定するための固定台)
13 電源(ソケットにリ-ド線2を介して繋がる電源)
14 負荷(プラグに繋がる負荷)
15 ホ-ス挿入口(メス型ホースジョイントのホースを挿入する口)
16 ホ-ス挿入口(オス型ホースジョイントのホースを挿入する口)
17 ホースジョイントの内部空間
18 メスネジ(メス型ホースジョイントの回転式継手部の内側に切ったメスネジ)
19 オスネジ(オス型ホースジョイントの側面の外側に切ったオスネジ)
20 ストッパ-(回転式継手部が抜けない様に本体側に付けたストッパ-)
21 回転式継手部(メス型とオス型のホースジョイントを繋ぐ回転式継手部)
22 防水リング(ホースジョイントのメスの継手部に付けた防水ゴムリング)
23 防水リング(ホースジョイントのオスの継手部に付けた防水ゴムリング)
24 多重バネ(弾性力の強いバネと導電性の高いバネを組み合わせた多重バネ)
25 磁石内蔵型非磁性体金属箱(リード線をつけた銅箱に磁石を入れたもの)
27 板バネ(引きバネ1の代わりに使う板バネ)
28 磁力調整オスネジ(密封容器の蓋と強磁性体の距離を調整するためのオスネジ)
29 磁力調整メスネジ(密封容器の底に切ったメスネジ)
30 固定用筒状絶縁体(密封容器の中のバネ電極とリ-ド線を固定する固定台)
31 距離d(密封容器の蓋と密封容器の中の強磁性体との距離)
32 刃受け穴電極(弾性のある金属で挟む方式の最も一般的なソケットの電極)
33 モーメンタルプッシュ式防水スイッチ(押している時だけONになるスイッチ)
34 プッシュボタン(モーメンタルプッシュスイッチをON-OFFする為のボタン)
35 指防護カバ-(誤って防水スイッチを押さないためにボタンに被せるカバ-)
36 刃電極(ソケットの刃受け穴電極に刺し込んで受電するプラグの電極)
37 押し棒(モーメンタルプッシュスイッチのボタンを押すための棒)
38 線状固定台(線状に並んだ複数のソケット電極を固定するための台)
39 線状N電線(線状に並んだN極の電極からでたリード線を1本に纏めた電線)
40 線状S電線(線状に並んだS極の電極からでたリード線を1本に纏めた電線)
41 面状固定台(面状に並んだ複数のソケット電極を固定するための台)
42 面状S電線(面状に並んだS極の電極からでたリード線を1本に纏めた電線)
43 面状N電線(面状に並んだN極の電極からでたリード線を1本に纏めた電線)
44 1対1対応型電極(プラグ電極1個にソケット電極1個が対応する電極)
45 1対n対応型電極(プラグ電極1個にソケット電極n個が対応する電極)
46 プラグ電極固定台(1対n対応型プラグ電極2個を一定間隔で固定する台)
101 密封容器式バネ電極(バネの先に付けた強磁性体電極を容器で密封したもの)
102 筒状磁石電極(磁石とリード線7をプラスチック等の絶縁材で固めたもの)
103 固定台付き密封容器式バネ電極(密封容器式バネ電極を垂直に固定したもの)
104 キャップ付き筒状磁石電極(傘の役目をするキャップをつけた筒状磁石電極)
105 密封容器式多重バネ電極(強磁性体電極に繋ぐバネを複数個にしたもの)
106 密封容器式バネ箱電極(銅の箱の中に磁石を内蔵した電極)
107 密封容器式板バネ電極(板バネの先に強磁性体を付けた電極)
108 密封容器式距離調整電極(電極と蓋の距離を調整する機構をつけたもの)
109 防水スイッチ式刃受け穴電極(防水スイッチと刃受け穴電極を組み合わせた電極)
110 押し棒式筒状刃電極(押し棒付きのプラグ電極)
111 固定台付き防水スイッチ式刃受け穴電極(垂直に固定する固定台をつけたもの)
112 キャップ付き押し棒式筒状刃電極(押し棒式筒状刃電極にキャップをつけたもの)
200 アウトドア・ソケット(雨の中で使えるソケット)
201 アウトドア・プラグ(雨の中で使えるプラグ)
300 メス型ホースジョイント(水道のホースを繋ぐ市販のメス型ホ-スジョイント)
301 オス型ホースジョイント(水道のホースを繋ぐ市販のオス型ホ-スジョイント)
302 メス型ホースジョイント電極(ホース挿入口に密封容器式バネ電極を挿入したもの)
303 オス型ホースジョイント電極(ホース挿入口に筒状磁石電極を挿入したもの)
304 水中ソケット(メス型ホースジョイント電極を対にした送電システム)
305 水中プラグ (オス型ホースジョイント電極を対にした受電システム)
400防水スイッチ式アウトドア・ソケット(雨の中で使えるソケット)
401防水スイッチ式アウトドア・プラグ(雨の中で使えるプラグ)
500 防水スイッチ式水中ソケット(防水スイッチ式電極を対にした送電システム)
501 防水スイッチ式水中プラグ(押し棒式筒状磁石電極を対にした受電システム)
600 線状配置型密封容器式ソケット(密封容器式バネ電極を線状に並べたもの)
601 面状配置型密封容器式ソケット(密封容器式バネ電極を面状に並べたもの)
602 1対1対応型移動式プラグ(プラグとソケットの電極が1対1で接触するもの)
603 1対n対応型移動式プラグ(プラグとソケット電極が1対nで接触するもの)