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特開2025-21189情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021189
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20250205BHJP
   G06T 17/00 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06T17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124956
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】516285984
【氏名又は名称】株式会社アンドパッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】菊野 格
(72)【発明者】
【氏名】曽根勝 卓
(72)【発明者】
【氏名】今井 亮介
【テーマコード(参考)】
5B050
5B080
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050BA11
5B050BA13
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA08
5B050DA04
5B050DA05
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050GA08
5B080AA13
5B080BA00
5B080CA00
5B080FA02
5B080GA22
(57)【要約】
【課題】測定対象物の3次元スキャンデータ及び属性情報の処理の利便性を向上できる情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】第1情報処理装置10が実行する情報処理方法は、測定対象物の3次元スキャンデータを取得するステップと、測定対象物の属性情報を取得するステップと、3次元スキャンデータに属性情報を付加した属性付加データを生成するステップと、測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する第2情報処理装置20に属性付加データをダウンロードさせるように、属性付加データをアップロードするステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
測定対象物の3次元スキャンを実行することによって生成された、前記測定対象物の3次元形状を特定する3次元スキャンデータを取得するステップと、
前記測定対象物の属性情報を取得するステップと、
前記3次元スキャンデータに前記測定対象物の属性情報を付加した属性付加データを生成するステップと、
前記測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する第2情報処理装置に前記属性付加データをダウンロードさせるように、前記属性付加データをアップロードするステップと
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記3次元スキャンデータを前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換した変換済データを生成し、前記変換済データに前記属性情報を付加したデータを前記属性付加データとして生成する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記属性付加データを、前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に更に変換した変換済データを生成するステップを更に備え、
前記属性付加データをアップロードするステップにおいて、前記変換済データを前記属性付加データとしてアップロードする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記3次元スキャンデータの形式を前記3次元スキャンデータのサイズが小さくなる形式に変換したデータに前記測定対象物の属性情報を付加し、前記第2情報処理装置が前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換していないデータとして前記属性付加データを生成する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記3次元スキャンデータの形式を前記3次元スキャンデータのサイズが小さくなる形式に変換したデータに前記測定対象物の属性情報を付加し、前記第2情報処理装置に、前記属性付加データを前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換させるように、前記属性付加データを生成する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記属性付加データをサイズが小さくなる形式に変換し、前記第2情報処理装置が前記属性付加データを前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換していないデータとして前記属性付加データを生成する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記属性付加データをサイズが小さくなる形式に変換し、前記第2情報処理装置に、前記属性付加データを前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換させるように、前記属性付加データを生成する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記属性情報として、前記測定対象物が存在する場所で施工されている作業に関する情報を取得するステップを含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記作業に関する情報として、前記3次元スキャンデータの作成者を特定する情報、前記3次元スキャンデータの取得場所を特定する情報、前記作業の日付、前記作業の案件名若しくは工事種、前記作業の注意事項、前記作業の範囲に位置する境界杭、メーター位置若しくはバルブ位置、又は、前記作業の見積書の情報を、前記作業の施工管理データから取得するステップを含む、請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記作業に関する情報として、前記3次元スキャンデータ又は前記作業の施工管理データの少なくとも一方に基づいてメモ又は注釈を生成するステップを含む、請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報又は日時情報に基づいて、前記作業に関する情報を取得するステップを含む、請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記属性情報として、前記測定対象物の少なくとも一部の寸法を取得するステップを含む、請求項2から7までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
寸法を測定する対象を指定する入力を受け付け、指定された対象の寸法を前記測定対象物の少なくとも一部の寸法として取得するステップを含む、請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記測定対象物の少なくとも一部の寸法の数値の入力を受け付けるステップを含む、請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記測定対象物の少なくとも一部の寸法の数値を、前記3次元スキャンデータに基づいて算出するステップを含む、請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記測定対象物が作業場所で見えている管を含む場合、前記管の長さを前記測定対象物の少なくとも一部の寸法の数値として算出するステップを含む、請求項15に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報に基づいて前記測定対象物の寸法の数値を算出する対象とする部分を特定するステップを含む、請求項15に記載の情報処理方法。
【請求項18】
第1情報処理装置に実行させる情報処理プログラムであって、
測定対象物の3次元スキャンを実行することによって生成された、前記測定対象物の3次元形状を特定する3次元スキャンデータを取得するステップと、
前記測定対象物の属性情報を取得するステップと、
前記3次元スキャンデータに前記測定対象物の属性情報を付加した属性付加データを生成するステップと、
前記測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する第2情報処理装置に前記属性付加データをダウンロードさせるように、前記属性付加データをアップロードするステップと
を含む、情報処理プログラム。
【請求項19】
第1情報処理装置と第2情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記第1情報処理装置は、
測定対象物の3次元スキャンを実行することによって生成された、前記測定対象物の3次元形状を特定する3次元スキャンデータを取得し、
前記測定対象物の属性情報を取得し、
前記3次元スキャンデータに前記測定対象物の属性情報を付加した属性付加データを生成し、
前記測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する第2情報処理装置に前記属性付加データをダウンロードさせるように、前記属性付加データをアップロードし、
前記第2情報処理装置は、前記第1情報処理装置がアップロードした前記属性付加データに基づいて、測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する、
情報処理システム。
【請求項20】
前記第2情報処理装置は、前記属性付加データを、前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換する、請求項19に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、測定対象物の点群データを取得する3次元測量装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-43153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
測定対象物の3次元スキャンを実行することによって、点群データ又はテクスチャメッシュデータ等を含む3次元スキャンデータが生成される。測定対象物は、測定対象物の寸法データ、測定対象物に関する注釈若しくはメモ、又は、測定対象物に関する施工の情報等の、測定対象物自体の属性を有する。測定対象物自体の属性を表す属性情報は、3次元スキャンデータと別の情報であり、3次元スキャンデータに手動で付加されているが、3次元スキャンデータに手動で属性情報を付加する作業は煩雑である。
【0005】
本開示の目的は、測定対象物の3次元スキャンデータ及び属性情報の処理の利便性を向上できる情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、第1情報処理装置が実行する情報処理方法であって、測定対象物の3次元スキャンを実行することによって生成された、前記測定対象物の3次元形状を特定する3次元スキャンデータを取得するステップと、前記測定対象物の属性情報を取得するステップと、前記3次元スキャンデータに前記測定対象物の属性情報を付加した属性付加データを生成するステップと、前記測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する第2情報処理装置に前記属性付加データをダウンロードさせるように、前記属性付加データをアップロードするステップとを含む。
【0007】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法の前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記第1情報処理装置が、前記3次元スキャンデータを前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換した変換済データを生成し、前記変換済データに前記属性情報を付加したデータを前記属性付加データとして生成してよい。
【0008】
(3)上記(1)に記載の情報処理方法は、前記属性付加データを、前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に更に変換した変換済データを生成するステップを更に備えてよい。前記属性付加データをアップロードするステップにおいて、前記第1情報処理装置が、前記変換済データを前記属性付加データとしてアップロードしてよい。
【0009】
(4)上記(1)に記載の情報処理方法の前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記第1情報処理装置が、前記3次元スキャンデータの形式を前記3次元スキャンデータのサイズが小さくなる形式に変換したデータに前記測定対象物の属性情報を付加し、前記第2情報処理装置が前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換していないデータとして前記属性付加データを生成してよい。
【0010】
(5)上記(1)に記載の情報処理方法の前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記第1情報処理装置が、前記3次元スキャンデータの形式を前記3次元スキャンデータのサイズが小さくなる形式に変換したデータに前記測定対象物の属性情報を付加し、前記第2情報処理装置に、前記属性付加データを前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換させるように、前記属性付加データを生成してよい。
【0011】
(6)上記(1)に記載の情報処理方法の前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記第1情報処理装置が、前記属性付加データをサイズが小さくなる形式に変換し、前記第2情報処理装置が前記属性付加データを前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換していないデータとして前記属性付加データを生成してよい。
【0012】
(7)上記(1)に記載の情報処理方法の前記属性付加データを生成するステップにおいて、前記第1情報処理装置が、前記属性付加データをサイズが小さくなる形式に変換し、前記第2情報処理装置に、前記属性付加データを前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換させるように、前記属性付加データを生成してよい。
【0013】
(8)上記(1)から(7)までのいずれか1つに記載の情報処理方法は、前記属性情報として、前記測定対象物が存在する場所で施工されている作業に関する情報を取得するステップを含んでよい。
【0014】
(9)上記(8)に記載の情報処理方法は、前記作業に関する情報として、前記3次元スキャンデータの作成者を特定する情報、前記3次元スキャンデータの取得場所を特定する情報、前記作業の日付、前記作業の案件名若しくは工事種、前記作業の注意事項、前記作業の範囲に位置する境界杭、メーター位置若しくはバルブ位置、又は、前記作業の見積書の情報を、前記作業の施工管理データから取得するステップを含んでよい。
【0015】
(10)上記(8)又は(9)に記載の情報処理方法は、前記作業に関する情報として、前記3次元スキャンデータ又は前記作業の施工管理データの少なくとも一方に基づいてメモ又は注釈を生成するステップを含んでよい。
【0016】
(11)上記(8)から(10)までのいずれか1つに記載の情報処理方法は、前記測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報又は日時情報に基づいて、前記作業に関する情報を取得するステップを含んでよい。
【0017】
(12)上記(2)から(11)までのいずれか1つに記載の情報処理方法は、前記属性情報として、前記測定対象物の少なくとも一部の寸法を取得するステップを含んでよい。
【0018】
(13)上記(12)に記載の情報処理方法は、寸法を測定する対象を指定する入力を受け付け、指定された対象の寸法を前記測定対象物の少なくとも一部の寸法として取得するステップを含んでよい。
【0019】
(14)上記(12)又は(13)に記載の情報処理方法は、前記測定対象物の少なくとも一部の寸法の数値の入力を受け付けるステップを含んでよい。
【0020】
(15)上記(12)から(14)までのいずれか1つに記載の情報処理方法は、前記測定対象物の少なくとも一部の寸法の数値を、前記3次元スキャンデータに基づいて算出するステップを含んでよい。
【0021】
(16)上記(15)に記載の情報処理方法は、前記測定対象物が作業場所で見えている管を含む場合、前記管の長さを前記測定対象物の少なくとも一部の寸法の数値として算出するステップを含んでよい。
【0022】
(17)上記(15)又は(16)に記載の情報処理方法は、前記測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報に基づいて前記測定対象物の寸法の数値を算出する対象とする部分を特定するステップを含んでよい。
【0023】
(18)本開示の一実施形態に係る情報処理プログラムは、第1情報処理装置に実行させる情報処理プログラムであって、測定対象物の3次元スキャンを実行することによって生成された、前記測定対象物の3次元形状を特定する3次元スキャンデータを取得するステップと、前記測定対象物の属性情報を取得するステップと、前記3次元スキャンデータに前記測定対象物の属性情報を付加した属性付加データを生成するステップと、前記測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する第2情報処理装置に前記属性付加データをダウンロードさせるように、前記属性付加データをアップロードするステップとを含む。
【0024】
(19)本開示の一実施形態に係る情報処理システムは、第1情報処理装置と第2情報処理装置とを備える情報処理システムであって、前記第1情報処理装置は、測定対象物の3次元スキャンを実行することによって生成された、前記測定対象物の3次元形状を特定する3次元スキャンデータを取得し、前記測定対象物の属性情報を取得し、前記3次元スキャンデータに前記測定対象物の属性情報を付加した属性付加データを生成し、前記測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する第2情報処理装置に前記属性付加データをダウンロードさせるように、前記属性付加データをアップロードし、前記第2情報処理装置は、前記第1情報処理装置がアップロードした前記属性付加データに基づいて、測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する。
【0025】
(20)上記(19)に記載の情報処理システムにおいて、前記第2情報処理装置は、前記属性付加データを、前記測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換してよい。
【発明の効果】
【0026】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムによれば、測定対象物の3次元スキャンデータ及び属性情報の処理の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図2A】3次元スキャンの測定対象物の一例を示す図である。
図2B図2Aの測定対象物の3次元スキャンを実行する画面である。
図3】3次元スキャンデータのアップロード画面の一例を示す図である。
図4A】3次元スキャンデータの一覧画面の一例を示す図である。
図4B】3次元スキャンデータのビューワ画面の一例を示す図である。
図5】一実施形態に係る情報処理方法の手順例を示すフローチャートである。
図6A】3次元スキャンデータを変換した後で属性情報を付加する手順例を示すフローチャートである。
図6B】3次元スキャンデータに属性情報を付加した後で変換する手順例を示すフローチャートである。
図7A】3次元スキャンデータのサイズを縮小した後で属性情報を付加する手順例を示すフローチャートである。
図7B】3次元スキャンデータに属性情報を付加した後でサイズを縮小する手順例を示すフローチャートである。
図8】属性情報を取得する手順例を示すフローチャートである。
図9】他の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
建築工事、建設工事又は土木工事等の現場において、現場作業者は、構造物又は掘削部等の測定対象物の3次元スキャンを実行することによって、測定対象物の3次元スキャンデータを生成できる。測定対象物は、3次元スキャンの対象となる物体又は地形である。3次元スキャンデータは、例えば、点群データ又はテクスチャメッシュデータ等を含む。点群データは、測定対象物の形状を複数の点の集合として表すデータである。テクスチャメッシュデータは、測定対象物の形状をポリゴンとして表してポリゴンの各面に測定対象物の写真を貼り付けたデータである。3次元スキャンデータは、ベクトルデータを含んでよい。ベクトルデータは、点、線、又は面を特定する情報を含む。点を特定する情報は、点の座標を含んでよい。線を特定する情報は、線の始点及び終点の座標を含んでよいし、線の始点又は終点と線の方向と線の長さとを含んでもよい。面を特定する情報は、面の境界線の情報を含んでよい。
【0029】
一方で、現場作業者は、測定対象物の情報として、3次元スキャンデータと別の情報として、測定対象物の属性情報を取り扱う。測定対象物の属性情報は、測定対象物自体の属性に関する情報であり、例えば、測定対象物の寸法データ、測定対象物に関する注釈若しくはメモ、又は、測定対象物に関する施工の情報等を含む。測定対象物の属性情報は、測定対象物を識別するための情報を含んでもよい。測定対象物の属性情報は、3次元スキャンの対象となる物体又は地形の全体の属性に関する情報であってもよいし、3次元スキャンの対象となる物体又は地形の一部の属性に関する情報であってもよい。測定対象物の属性情報は、測定対象物の3次元スキャンデータに含まれる点、線若しくは面の位置、又は、測定対象物の3次元スキャンデータに含まれる一部の点、線若しくは面の位置に関連する情報であってもよい。点、線又は面の位置に関連する情報は、点、線又は面の位置を特定する情報だけではなく、点、線又は面の位置がどのような意味又は値を持つかを表す情報を含んでよい。
【0030】
現場作業者は、測定対象物の3次元スキャンデータと属性情報とを関連づけて処理することによって、測定対象物の測定結果を含む報告書等を作成することがある。
【0031】
比較例として、測定対象物の3次元スキャンデータと属性情報とが別々のアプリケーションソフトウェアで取り扱われることがある。比較例において、3次元スキャンデータと属性情報との関連づけは、現場作業者によって実行される必要がある。しかしながら、3次元スキャンデータと属性情報とを関連づける作業は煩雑であり、現場作業者の利便性を低下させる。
【0032】
以下、測定対象物の3次元スキャンデータ及び属性情報の処理の利便性を向上できる情報処理システム1(図1参照)、情報処理方法及び情報処理プログラムが説明される。
【0033】
(情報処理システム1の構成例)
図1に示されるように、一実施形態に係る情報処理システム1は、第1情報処理装置10と、第2情報処理装置20と、データベース30とを備える。第1情報処理装置10と第2情報処理装置20とデータベース30とは、ネットワーク40を介して通信可能に接続される。以下、情報処理システム1の具体的な構成例が説明される。
【0034】
<第1情報処理装置10>
第1情報処理装置10は、プロセッサ11と、インタフェース12と、測定部13とを備える。
【0035】
プロセッサ11は、第1情報処理装置10の各構成部を制御して第1情報処理装置10の機能を実現する。プロセッサ11は、プログラムを実行することによって、第1情報処理装置10の機能を実現してよい。プロセッサ11は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。プロセッサ11は、汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等を含んでよいがこれらに限られない。プロセッサ11は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んでよい。プロセッサ11は、専用回路に置き換えられてもよいし、プロセッサと専用回路とを併用する構成に置き換えられてもよい。
【0036】
プロセッサ11は、第1情報処理装置10の各構成部を制御して第1情報処理装置10の機能を実現するための各種情報又はプログラム等を格納する記憶部を備えてよい。記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、プロセッサ11のワークメモリとして機能してよい。記憶部は、プロセッサ11と一体に構成されてもよいし、プロセッサ11と別体で構成されてもよい。
【0037】
インタフェース12は、通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは、第2情報処理装置20又はデータベース30等の他の装置とネットワーク40を介して通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN(Local Area Network)等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。ネットワーク40は、有線であっても無線であってもよい。ネットワーク40は、インターネット又はイントラネット等の種々の態様で構成されてよい。通信インタフェースは、第2情報処理装置20又はデータベース30等の他の装置とネットワーク40を介さずに直接通信するように構成されてもよい。
【0038】
インタフェース12は、表示デバイスを含んでよい。表示デバイスは、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)若しくは無機ELディスプレイ、又はLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の種々のディスプレイを含んでよい。インタフェース12は、外部の表示デバイスに接続可能に構成されてもよい。
【0039】
インタフェース12は、入力デバイスを含んでよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサ又はマウス等のポインティングデバイスを含んでよい。入力デバイスは、表示デバイスと一体化したタッチディスプレイとして構成されてもよい。入力デバイスは、物理キーを含んでもよい。入力デバイスは、マイク等の音声入力デバイスを含んでもよい。インタフェース12は、外部の入力デバイスに接続可能に構成されてもよい。
【0040】
インタフェース12は、出力デバイスを含んでよい。出力デバイスは、例えば、スピーカ、ヘッドホン又はイヤホン等を含んでよい。インタフェース12は、外部の出力デバイスに接続可能に構成されてもよい。
【0041】
測定部13は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)又はデプスカメラ等を含んで構成されてよい。測定部13は、測定対象物を測定することによって、測定対象物の3次元スキャンデータを取得する。測定部13は、測定対象物を撮影するカメラを含んで構成されてもよい。
【0042】
第1情報処理装置10は、例えば、ノートPC(Personal Computer)若しくはタブレットPC等のコンピュータ、又は、スマートフォン若しくはタブレット等の携帯端末として実現されてもよい。第1情報処理装置10は、これらの例に限られず、種々の機器を含んでよい。
【0043】
<第2情報処理装置20>
第2情報処理装置20は、プロセッサ21と、インタフェース22とを備える。
【0044】
プロセッサ21は、第2情報処理装置20の各構成部を制御して第2情報処理装置20の機能を実現する。プロセッサ21は、プログラムを実行することによって、第2情報処理装置20の機能を実現してよい。プロセッサ21は、第1情報処理装置10のプロセッサ11と同様に構成されてよい。
【0045】
プロセッサ21は、第2情報処理装置20の各構成部を制御して第2情報処理装置20の機能を実現するための各種情報又はプログラム等を格納する記憶部を備えてよい。記憶部は、第1情報処理装置10の記憶部と同様に構成されてよい。
【0046】
インタフェース22は、通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは、第1情報処理装置10又はデータベース30等の他の装置とネットワーク40を介して通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。通信モジュールは、第1情報処理装置10の通信モジュールと同様に構成されてよい。通信インタフェースは、第1情報処理装置10又はデータベース30等の他の装置とネットワーク40を介さずに直接通信するように構成されてもよい。
【0047】
インタフェース22は、表示デバイスを含んでよい。表示デバイスは、第1情報処理装置10の表示デバイスと同様に構成されてよい。インタフェース22は、入力デバイスを含んでよい。入力デバイスは、第1情報処理装置10の入力デバイスと同様に構成されてよい。インタフェース22は、出力デバイスを含んでよい。出力デバイスは、第1情報処理装置10の出力デバイスと同様に構成されてよい。
【0048】
第2情報処理装置20は、少なくとも1台のサーバを含んで構成されてよい。第2情報処理装置20は、デスクトップPC、ノートPC又はタブレットPC等のコンピュータとして実現されてもよい。第2情報処理装置20は、スマートフォン又はタブレット等として実現されてもよい。第2情報処理装置20は、これらの例に限られず、種々の機器を含んでよい。
【0049】
<データベース30>
データベース30は、少なくとも1台のサーバを含んで構成されてよい。データベース30は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。データベース30は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。データベース30は、第1情報処理装置10又は第2情報処理装置20等の他の装置と通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。
【0050】
以上述べてきた情報処理システム1において、第2情報処理装置20又はデータベース30は、クラウドサービスを用いて実現されてよい。第1情報処理装置10は、クラウド上で実現されている第2情報処理装置20又はデータベース30と通信可能に構成されてよい。第2情報処理装置20又はデータベース30は、オンプレミス環境で実現されてもよい。
【0051】
(情報処理システム1の動作例)
情報処理システム1は、測定対象物の3次元スキャンデータと、測定対象物の属性情報とを取得し、3次元スキャンデータに属性情報を付加することによって、測定対象物の属性付加データを生成する。測定対象物の属性付加データは、測定対象物の3次元スキャンデータと測定対象物の属性情報とを関連づけたデータである。
【0052】
属性情報は、3次元スキャンデータの一部の点に付加されたり関連づけられたりしてよいし、3次元スキャンデータ全体に付加されたり関連づけられたりしてよい。属性情報は、3次元スキャンの対象である測定対象物の延長、長さ若しくは寸法に関する情報を含んでよい。属性情報は、3次元スキャンを実施したときの情報を含んでよい。属性情報は、測定対象物を含む工程の施工日の情報、3次元スキャンを実施した日時の情報、3次元スキャンを実施した場所の情報、3次元スキャンデータの作成者の情報、又は、3次元スキャンの対象である測定対象物に該当する案件を特定する情報(案件ID等)を含んでよい。3次元スキャンを実施した場所の情報は、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを用いて取得された情報を含んでよい。
【0053】
情報処理システム1は、属性付加データに基づいて測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する。測定対象物の3次元形状の閲覧は、測定対象物の3次元形状をユーザが閲覧できるように表示することを含む。測定対象物の3次元形状のモデル化は、測定対象物の3次元形状のデータを、BIM(Building Information Modeling)等で用いられる3次元モデルのデータに変換することを含む。
【0054】
測定対象物の3次元スキャンデータの生成は、測定対象物が存在する現場における測定対象物の3次元測定によって実行される。一方で、測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化は、測定対象物が存在する現場に限られず、例えば遠隔のオフィス等において実行されることがある。
【0055】
上述したように、測定対象物を把握するために必要とされる情報は、測定対象物の3次元スキャンデータだけでなく測定対象物の属性情報を含む。ここで、測定対象物の属性情報は、現場の作業者によって把握されていることが多い。したがって、測定対象物の3次元スキャンデータと属性情報との関係は、現場の作業者によって理解されやすい。仮に、測定対象物の3次元スキャンデータと属性情報とを別々に保存する場合、3次元スキャンデータと属性情報との関連づけの作業を後で実行する必要がある。3次元スキャンデータと属性情報との関連づけの作業を後で実行する場合、3次元スキャンデータと属性情報との関係を理解し直す必要がある。したがって、関連づけの作業が煩雑になる。また、間違った関連づけが実行されるおそれが生じる。
【0056】
本開示に係る情報処理システム1は、第1情報処理装置10において、3次元スキャンデータと属性情報とを関連づけたデータである属性付加データを生成する。このようにすることで、測定対象物の3次元スキャンデータと属性情報との関連づけの作業の効率が向上する。また、測定対象物の3次元スキャンデータと属性情報とが間違って関連づけられる確率が低減する。
【0057】
第1情報処理装置10は、現場において属性付加データを生成するために用いられる。現場の作業効率を高めたり維持したりするために、第1情報処理装置10の負荷の軽減が求められる。本開示に係る情報処理システム1は、第1情報処理装置10によって、属性付加データのアップロードまで実行し、第2情報処理装置20によって、属性付加データを用いた3次元データの閲覧又はモデル化を実行するように構成されるとする。つまり、第1情報処理装置10は、3次元データの閲覧又はモデル化を実行しないように構成されてよい。第1情報処理装置10が属性付加データを生成及びアップロードだけを実行するように構成されることによって、第1情報処理装置10の負荷が軽減される。その結果、現場の作業効率が高められたり維持されたりする。
【0058】
情報処理システム1において、属性付加データが第1情報処理装置10から第2情報処理装置20に引き渡されることによって、第1情報処理装置10と第2情報処理装置20とは、機能を分担できる。情報処理システム1は、データベース30を介して、第1情報処理装置10から第2情報処理装置20に属性付加データを引き渡してよい。具体的に、情報処理システム1は、第1情報処理装置10に属性付加データをデータベース30にアップロードさせ、第2情報処理装置20に属性付加データをデータベース30からダウンロードさせてよい。情報処理システム1は、データベース30を介さずに属性付加データを引き渡してもよい。例えば、第1情報処理装置10が第2情報処理装置20に属性付加データを直接アップロードしてもよい。第2情報処理装置20が第1情報処理装置10から属性付加データを直接ダウンロードしてもよい。
【0059】
以下、情報処理システム1の具体的な動作例が説明される。
【0060】
<3次元スキャンデータの取得>
第1情報処理装置10は、測定部13によって現場に存在する測定対象物の3次元スキャンを実行することによって、測定対象物の3次元スキャンデータを取得してよい。第1情報処理装置10のプロセッサ11は、例えば図2Aに示されるスキャン画面80をインタフェース12の表示デバイスに表示する。スキャン画面80は、測定部13のカメラによって撮影した測定対象物の画像を表示する。
【0061】
図2Aの例において、測定対象物として掘削部83が撮影されているとする。掘削部83は、地面から深くなる方向に並ぶ、層83A、層83B及び層83Cを含むとする。また、掘削部83において、地面に埋設されている配管82が露出しているとする。
【0062】
スキャン画面80は、録画ボタン81を表示する。プロセッサ11は、録画ボタン81に対するタッチ又はクリック等の操作の入力を受け付ける。プロセッサ11は、録画ボタン81に操作が入力されたときに、測定部13に測定対象物の3次元スキャンを実行させる。
【0063】
測定部13は、プロセッサ11から3次元スキャンを実行する指示を受けたとき、測定対象物の録画を開始し、録画によって取得した測定対象物の画像に基づいて測定対象物の3次元スキャンを実行して測定対象物の3次元スキャンデータを生成する。プロセッサ11は、例えば図2Bに示されるように、3次元スキャンの対象範囲として掘削部83を指定して測定部13に3次元スキャンを実行させてよい。3次元スキャンの対象として指定された掘削部83の範囲は、斜線のハッチングで示されている。
【0064】
測定部13は、掘削部83以外の範囲について3次元スキャンを実行しなくてもよい。掘削部83以外の範囲は、網掛けのハッチングで示されている範囲である。測定部13は、3次元スキャンの範囲を限定することによって、第1情報処理装置10の処理の負荷を低減できるとともに3次元スキャンデータのサイズを小さくできる。
【0065】
プロセッサ11は、スキャン画面80に終了ボタン84を表示する。プロセッサ11は、終了ボタン84に対するタッチ又はクリック等の操作の入力を受け付ける。プロセッサ11は、終了ボタン84に操作が入力されたときに、測定部13に測定対象物の3次元スキャンを終了させる。
【0066】
測定部13は、プロセッサ11から3次元スキャンを終了する指示を受けたときに3次元スキャンの実行を終了する。測定部13は、測定対象物の3次元スキャンを完了したときに測定部13自身で3次元スキャンの実行を終了してもよい。測定部13は、3次元スキャンの実行を終了した後、測定対象物の3次元スキャンデータをプロセッサ11に出力する。プロセッサ11は、測定部13から測定対象物の3次元スキャンデータを取得する。
【0067】
プロセッサ11は、後述するように、外部に接続される測定装置14(図9参照)から測定対象物の3次元スキャンデータを取得してもよい。
【0068】
測定部13は、3次元スキャンデータとしてテクスチャメッシュデータを生成する場合、第1情報処理装置10内でテクスチャメッシュデータを生成させるために、ジオメトリの処理とテクスチャメッシュの貼り付けの処理とを実行してよい。具体的に、測定部13は、デプスカメラによって測定対象物の点群データ又は深度データを取得するとともにカメラによって測定対象物の写真データを取得した後、かつ、属性情報を取得する前に、テクスチャメッシュデータを生成してよい。
【0069】
<属性付加データの生成及びアップロード>
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータに関連づける、測定対象物の属性情報を取得する。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータに属性情報を関連づけることによって、測定対象物の属性付加データを生成する。プロセッサ11は、第2情報処理装置20が属性付加データをダウンロードして利用できるように、属性付加データをアップロードする。測定対象物の属性付加データは、測定対象物の3次元スキャンデータに属性情報を付加したデータである。
【0070】
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータを取得した後でその測定対象物の属性情報を取得してもよいし、測定対象物の3次元スキャンデータを取得する前にその測定対象物の属性情報を取得してもよい。
【0071】
<<属性情報の例>>
測定対象物の属性情報は、例えば、測定対象物の少なくとも一部の寸法を含んでよい。測定対象物の少なくとも一部の寸法は、測定対象物のうち指定された対象の寸法を含んでよい。測定対象物の少なくとも一部の寸法は、現場の作業者によって入力された数値として取得されてよい。測定対象物の少なくとも一部の寸法は、測定対象物の3次元スキャンデータに基づいて算出された数値として取得されてもよい。
【0072】
測定対象物が掘削部83を含む場合、測定対象物の少なくとも一部の寸法は、掘削部83の横幅若しくは縦幅、又は、掘削部83の間口の距離等の情報を含んでよい。測定対象物が掘削部83に布設されている配管82を含む場合、測定対象物の少なくとも一部の寸法は、掘削部83において露出して見えている配管82の長さを含んでよい。
【0073】
測定対象物の属性情報は、配管82の延長に関する情報等を含んでもよい。
【0074】
測定対象物の属性情報は、測定対象物が存在する場所で施工されている作業に関する情報を含んでよい。作業に関する情報は、例えば、3次元スキャンデータの作成者又は取得場所を特定する情報を含んでよい。作業に関する情報は、例えば、作業の日付、作業の案件名若しくは工事種、又は、作業の注意事項を含んでよい。作業に関する情報は、例えば、作業の範囲に位置する境界杭、又は、メーター位置若しくはバルブ位置を含んでよい。作業に関する情報は、例えば、作業の見積書の情報を含んでよい。
【0075】
作業に関する情報は、測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報又は日時情報に基づいて取得されてよい。位置情報は、例えば、測定対象物の3次元スキャンを実行した第1情報処理装置10がGPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを用いて取得した情報を含んでよい。
【0076】
作業に関する情報は、作業の施工管理データから取得されてもよい。作業の施工管理データは、例えば、施工管理データベースに含まれてよい。作業に関する情報は、施工管理データベースにおいて、作業場所又は作業日時に関連づけられていてよい。作業に関する情報が作業場所又は作業日時に関連づけられている場合、作業に関する情報は、測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報又は日時情報に基づいて施工管理データベースから取得されてよい。
【0077】
作業に関する情報は、測定対象物の寸法を算出する対象とする部分を特定する情報を含んでよい。測定対象物の寸法を算出する対象とする部分は、測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報又は日時情報に基づいて特定されてよい。例えば、測定対象物が掘削部83及び掘削部83の中に位置する配管82である場合、布設されている配管82の図面と測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報とに基づいて、測定対象物の3次元スキャンデータの中で、測定対象物の寸法を算出する対象とする部分が特定されてよい。例えば、掘削部83を掘削する作業日程と測定対象物の3次元スキャンを実行した日時情報とに基づいて、測定対象物の3次元スキャンデータの中で、測定対象物の寸法を算出する対象とする部分が特定されてもよい。
【0078】
測定対象物の属性情報は、例えば、測定対象物に関するメモ又は注釈を含んでよい。測定対象物に関するメモ又は注釈は、配管82のひび割れ箇所、掘削部83に存在する他の埋設物、又は、境界食いの位置等の、測定対象物に関する注意事項を含んでよい。
【0079】
測定対象物に関するメモ又は注釈は、作業に関する情報に含まれてもよい。作業に関する情報としてのメモ又は注釈は、測定対象物の3次元スキャンデータ又は作業の施工管理データの少なくとも一方に基づいて生成されてよい。
【0080】
測定対象物の属性情報は、例えば、測定対象物に関するタグを含んでよい。測定対象物に関するタグは、測定対象物に含まれる配管82のプロパティ情報を含んでよい。配管82のプロパティ情報は、配管82の材種、製造元若しくは販売元、又は、配管82の布設日等を含んでよい。
【0081】
<<ユーザインタフェースの表示>>
プロセッサ11は、例えば図3に示されるアップロード画面70をインタフェース12の表示デバイスに表示してよい。図3の例において、アップロード画面70は、測定対象物として掘削部83の3次元スキャンデータの表示を含む。アップロード画面70は、属性付加データの表示を含んでもよい。アップロード画面70は、表示しているデータを生成又は編集した日時を表す日時情報75の表示を含んでよい。日時情報75は、測定対象物の3次元スキャンデータを生成した日時を表す情報であってもよいし、測定対象物の属性付加データを生成した日時を表す情報であってもよい。図3の例において、日時情報75の「2023-06-06」は、日付に関する情報として2023年6月6日を表す。日時情報75の「xxxxxx」は、時刻に関する情報を表す。アップロード画面70は、日時情報75の表示を含まなくてもよい。アップロード画面70は、表示しているデータを生成した場所に関する情報の表示を含んでもよい。
【0082】
アップロード画面70は、現場の作業者が属性付加データの生成及びアップロードを実行するためのユーザインタフェースの表示を含んでよい。アップロード画面70は、例えば、アップロードボタン71、データ品質設定ボタン72、編集ボタン73及び削除ボタン74の表示を含む。プロセッサ11は、アップロードボタン71、データ品質設定ボタン72、編集ボタン73及び削除ボタン74のそれぞれに対するタッチ又はクリック等の操作の入力を受け付ける。アップロード画面70は、アップロードボタン71、データ品質設定ボタン72、編集ボタン73及び削除ボタン74の全ての表示を含まなくてもよい。アップロード画面70は、アップロードボタン71、データ品質設定ボタン72、編集ボタン73及び削除ボタン74のうち少なくとも1つの表示を含まなくてもよい。
【0083】
プロセッサ11は、測定対象物の属性情報を現場の作業者が入力する情報として取得してよい。この場合、プロセッサ11は、編集ボタン73に操作が入力されたときに、現場の作業者が測定対象物の属性情報を入力するためのユーザインタフェースを表示してよい。また、プロセッサ11は、現場の作業者が入力する情報に基づいて、測定対象物の3次元スキャンデータに対して属性情報を付加してよい。この場合、プロセッサ11は、編集ボタン73に操作が入力されたときに、現場の作業者が測定対象物の3次元スキャンデータに属性情報を付加するためのユーザインタフェースを表示してよい。
【0084】
プロセッサ11は、測定対象物の属性情報を、測定対象物の3次元スキャンデータを解析して得られる情報として取得してもよい。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータを入力して測定対象物の属性情報を出力するモデルを用いてもよい。モデルは、機械学習によって生成された学習済みモデルであってもよいし、所定のアルゴリズムに基づくモデルであってもよい。プロセッサ11は、編集ボタン73に操作が入力されたときに、測定対象物の3次元スキャンデータを解析して属性情報を取得してよい。プロセッサ11は、現場の作業者の操作が入力されたかにかかわらず、測定対象物の3次元スキャンデータを取得したときに、自動的に測定対象物の3次元スキャンデータを解析して属性情報を取得してもよい。
【0085】
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データを、現場の作業者の操作に基づいてアップロードしてよい。この場合、プロセッサ11は、アップロードボタン71に操作が入力されたときに、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データをアップロードしてよい。
【0086】
プロセッサ11は、現場の作業者の操作が入力されたかにかかわらず、測定対象物の属性付加データを生成したときに自動的にアップロードしてもよい。
【0087】
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データのデータ品質又はデータ形式を、現場の作業者の操作に基づいて変換してよい。この場合、プロセッサ11は、データ品質設定ボタン72に操作が入力されたときに、現場の作業者が測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データのデータ品質又はデータ形式を設定するためのユーザインタフェースを表示してよい。
【0088】
プロセッサ11は、現場の作業者の操作が入力されたかにかかわらず、測定対象物の3次元スキャンデータを取得したときに3次元スキャンデータのデータ品質又はデータ形式を設定してもよい。プロセッサ11は、現場の作業者の操作が入力されたかにかかわらず、測定対象物の属性付加データを生成したときに属性付加データのデータ品質又はデータ形式を設定してもよい。
【0089】
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データを、現場の作業者の操作に基づいて削除してよい。この場合、プロセッサ11は、削除ボタン74に操作が入力されたときに、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データを削除してよい。
【0090】
<<属性付加データの生成>>
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータに対して属性情報を付加することによって属性付加データを生成する。
【0091】
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータに対して、属性情報として測定対象物の寸法情報を付加してよい。3次元スキャンデータに属性情報として測定対象物の寸法情報を付加したデータは、測量データとも称される。プロセッサ11は、測定対象物の寸法情報を、測定対象物の3次元スキャンデータの特定の部分に、その部分の寸法を表す情報として付加してよい。プロセッサ11は、測定対象物の寸法情報を、測定対象物の3次元スキャンデータの特定の部分を指定せずに付加してもよい。
【0092】
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータにおいて、測定対象物の寸法情報を付加する部分を、現場の作業者が入力する内容に基づいて特定してもよいし、測定対象物の3次元スキャンデータを解析することによって特定してもよい。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータを入力して測定対象物の寸法情報を付加する部分を出力するモデルを用いてもよい。
【0093】
プロセッサ11は、測定対象物に配管82が含まれる場合、測定対象物の3次元スキャンデータに、測定対象物の寸法情報として配管82の長さを付加してよい。プロセッサ11は、配管82のうち掘削部83において露出している部分の長さを、測定対象物の寸法情報として付加してよい。プロセッサ11は、配管82のうち掘削部83において露出している部分から地中に埋設されている部分を含めた長さを、測定対象物の寸法情報として付加してもよい。
【0094】
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータに対して、属性情報としてメモ若しくは注釈、又は、プロパティ情報を付加してよい。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータの特定の部分に、属性情報を付加するためのピンを配置してよい。プロセッサ11は、ピンを配置する位置を、現場の作業者が入力する内容に基づいて決定してもよいし、測定対象物の3次元スキャンデータを解析することによって決定してもよい。プロセッサ11は、3次元スキャンデータに配置したピンに属性情報を関連づけることによって、3次元スキャンデータに属性情報を付加してよい。
【0095】
プロパティセットは、オブジェクトに対して付加されている属性情報がBIMビューワ側でオブジェクトを選択すると確認できる画面である。例えば、配管の施工日又は施工者などの属性情報を確認したい場合に、配管オブジェクトを選択することによって配管オブジェクトのプロパティセット(属性情報)が表示される。プロセッサ11は、3次元スキャンデータに属性情報を付加できるように、出力側のプロパティセットと入力側のプロパティセットとを揃えてよい。
【0096】
<<データ形式の変換>>
プロセッサ11は、属性付加データを第2情報処理装置20に引き渡す前に、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データのデータ形式を変換してよい。プロセッサ11は、アップロード画面70のデータ品質設定ボタン72の操作に応じて、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データのデータ形式を設定してよい。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データのデータ形式を、設定したデータ形式に変換してよい。
【0097】
プロセッサ11は、3次元スキャンデータのデータ形式を変換した後で属性情報を付加して属性付加データを生成してよい。プロセッサ11は、3次元スキャンデータ及び属性情報のそれぞれのデータ形式を変換した後で、変換後の3次元スキャンデータに変換後の属性情報を付加して属性付加データを生成してもよい。
【0098】
プロセッサ11は、3次元スキャンデータに属性情報を付加して属性付加データを生成した後で属性付加データのデータ形式を変換してよい。プロセッサ11は、属性付加データのうち3次元スキャンデータの部分だけのデータ形式を変換してよい。プロセッサ11は、属性付加データのうち3次元スキャンデータ及び属性情報のそれぞれのデータ形式を変換してもよい。プロセッサ11は、属性付加データのデータ形式を変換する場合、3次元スキャンデータと属性情報との関連づけを維持したままでデータ形式を変換する。
【0099】
プロセッサ11は、3次元スキャンデータ又は属性付加データを、第2情報処理装置20が測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能なデータ形式に変換してよい。このようにすることで、第2情報処理装置20は、ダウンロードしたデータをそのまま用いて測定対象物の3次元形状及び属性情報の閲覧又はモデル化を実行できる。
【0100】
プロセッサ11は、3次元スキャンデータ又は属性付加データを、データサイズが小さくなるデータ形式に変換してよい。このようにすることで、第1情報処理装置10がデータをアップロードする通信量、及び、第2情報処理装置20がデータをダウンロードする通信量が削減される。
【0101】
プロセッサ11は、3次元スキャンデータ又は属性付加データを、データサイズが小さくなるデータ形式に変換する一方で、第2情報処理装置20が測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能なデータ形式に変換しなくてもよい。プロセッサ11は、3次元スキャンデータをデータサイズが小さくなる形式に変換したデータに属性情報を付加し、第2情報処理装置20が測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換していないデータとして属性付加データを生成してよい。言い換えれば、プロセッサ11は、3次元スキャンデータをデータサイズが小さくなる形式に変換したデータに属性情報を付加した属性付加データを、第2情報処理装置20において測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能な形式に変換させるように、属性付加データを生成してよい。このようにすることで、第1情報処理装置10におけるデータ形式の変換の負荷が低減される。
【0102】
3次元スキャンデータのデータ形式を変換したデータは、変換済データとも称される。プロセッサ11は、変換済データに属性情報を付加した属性付加データをアップロードしてよい。プロセッサ11は、3次元スキャンデータに属性情報を付加した後でデータ形式を変換した変換済データを、属性付加データとしてアップロードしてもよい。
【0103】
3次元スキャンデータのデータサイズを縮小したデータは、サイズ縮小データとも称される。プロセッサ11は、サイズ縮小データに属性情報を付加した属性付加データをアップロードしてよい。プロセッサ11は、3次元スキャンデータに属性情報を付加した後でデータサイズを縮小したサイズ縮小データを、属性付加データとしてアップロードしてもよい。
【0104】
プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データのデータ形式を、測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧可能又はモデル化可能なデータ形式として、例えばglTF(GL Transmission Format)形式、glb形式、obj形式又はfbx形式に変換してよい。プロセッサ11は、上述した例に限られず、測定対象物の3次元スキャンデータ又は属性付加データのデータ形式を他の種々のデータ形式に変換してよい。
【0105】
<<属性付加データのアップロード>>
上述したように、情報処理システム1は、第1情報処理装置10によって測定対象物の属性付加データを生成し、第2情報処理装置20によって測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行する。第1情報処理装置10は、第2情報処理装置20が属性付加データに基づいて測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行できるように、属性付加データを第2情報処理装置20に引き渡す。具体的に、第1情報処理装置10は、第2情報処理装置20に属性付加データをダウンロードさせるように、データベース30等に属性付加データをアップロードする。
【0106】
<<属性付加データの閲覧又はモデル化>>
第2情報処理装置20のプロセッサ21は、第1情報処理装置10によってアップロードされた測定対象物の属性付加データをダウンロードする。プロセッサ21は、測定対象物の属性付加データに基づいて、ユーザに測定対象物の3次元形状及び属性情報を閲覧させたり測定対象物の3次元形状及び属性情報のモデル化を実行したりする。BIMビューワ上では、BIMデータがパースペクティブ又はオルソ表示で描画される。また、BIMビューワ上において、オブジェクトを選択することもでき、選択したオブジェクトのプロパティ情報を確認することが可能となる。
【0107】
プロセッサ21は、ダウンロードした属性付加データのデータ形式が測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行できる形式に変換されている場合、ダウンロードした属性付加データをそのまま用いてよい。
【0108】
プロセッサ21は、ダウンロードした属性付加データのデータ形式が測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行できる形式に変換されていない場合、ダウンロードした属性付加データを、測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行できる形式に変換する。
【0109】
プロセッサ21は、例えば図4Aに示されるように、ダウンロードした属性付加データの一覧をインタフェース22の表示デバイスに表示し、閲覧又はモデル化を実行するデータをユーザに選択させてよい。プロセッサ21は、ダウンロードできるようにアップロードされた属性付加データの一覧を表示し、ダウンロードして閲覧又はモデル化を実行するデータをユーザに選択させてよい。図4Aの一覧において、左から1番目の列はファイル名を表す。左から2番目の列はファイル形式を表す。図4Aの例においてファイル形式はglTF形式である。左から3番目の列はファイルの登録日時を表す。登録日時として記載されている「2023-06-06」は、日付に関する情報として2023年6月6日を表す。
【0110】
プロセッサ21は、例えば図4Bに示されるように、ユーザが選択した属性付加データに基づいて、インタフェース22の表示デバイスにおいて、ビューワ画面60として測定対象物の3次元形状を表示してよい。ビューワ画面60において、掘削部83の属性情報を表示する属性情報表示枠62の一例が表示されている。図4Bの例において、掘削部83の属性情報として、掘削部83の深さがd[mm]であることが表示されている。属性情報の表示態様は、上述した表示枠に限られない。属性情報は、例えば、3次元スキャンデータに含まれる点、線又は面の表示態様を変更することによって表示されてもよい。点、線又は面の表示態様の変更として、例えば、点、線又は面の色が変更されてよい。また、点の形状又は大きさが変更されてよい。また、線の太さ又は線の種類(実線、破線若しくは一点鎖線等)が変更されてよい。属性情報は、例えば、3次元スキャンデータに含まれる点、線又は面の表示と非表示とを切り替えることによって表示されてもよい。
【0111】
<情報処理方法の手順例>
第1情報処理装置10のプロセッサ11は、属性付加データを生成してアップロードするために、図5に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してよい。情報処理方法は、プロセッサ11に実行させる情報処理プログラムとして実現されてもよい。情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0112】
プロセッサ11は、測定部13又は測定装置14から、測定対象物の3次元スキャンデータを取得する(ステップS1)。プロセッサ11は、測定対象物の属性情報を取得する(ステップS2)。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータに属性情報を付加する(ステップS3)。プロセッサ11は、属性付加データをアップロードする(ステップS4)。プロセッサ11は、ステップS4の手順の実行後、図5のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0113】
<小括>
以上述べてきたように、本実施形態に係る情報処理システム1、情報処理方法及び情報処理プログラムによれば、測定対象物の3次元スキャンデータに属性情報を付加した属性付加データが生成されてアップロードされる。3次元スキャンデータと属性情報とが関連づけられたデータが用いられることによって、3次元スキャンデータと属性情報との関連づけの作業を後で実行する必要が無くなる。煩雑な関連づけの作業が不要になることによって作業効率が向上する。また、間違った関連づけが実行される確率が低減する。その結果、測定対象物の3次元スキャンデータと属性情報とを別々に保存する場合と比較して、測定対象物の3次元スキャンデータ及び属性情報の処理の利便性が向上する。
【0114】
また、本実施形態に係る情報処理システム1は、第1情報処理装置10によって、属性付加データのアップロードまで実行し、3次元データの閲覧又はモデル化を実行しないように構成される。第1情報処理装置10が属性付加データを生成及びアップロードだけを実行するように構成されることによって、第1情報処理装置10の負荷が軽減される。その結果、第1情報処理装置10を用いる現場の作業効率が高められたり維持されたりする。
【0115】
(他の実施形態)
以下、情報処理システム1、情報処理方法及び情報処理プログラムの他の実施形態が説明される。
【0116】
<変換済データのアップロードの手順例>
プロセッサ11は、属性付加データを、第2情報処理装置20が測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行できる形式に変換してアップロードするために、図6A又は図6Bに例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してよい。情報処理方法は、プロセッサ11に実行させる情報処理プログラムとして実現されてもよい。情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0117】
図6Aに例示されるフローチャートの手順は、3次元スキャンデータのデータ形式を変換した後で属性情報を付加する手順である。プロセッサ11は、測定部13又は測定装置14から、測定対象物の3次元スキャンデータを取得する(ステップSA11)。プロセッサ11は、3次元スキャンデータのデータ形式を変換する(ステップSA12)。プロセッサ11は、測定対象物の属性情報を取得する(ステップSA13)。プロセッサ11は、測定対象物の変換済データに属性情報を付加する(ステップSA14)。プロセッサ11は、属性付加データをアップロードする(ステップSA15)。プロセッサ11は、ステップSA15の手順の実行後、図6Aのフローチャートの手順の実行を終了する。
【0118】
図6Bに例示されるフローチャートの手順は、3次元スキャンデータに属性情報を付加した後でデータ形式を変換する手順である。プロセッサ11は、測定部13又は測定装置14から、測定対象物の3次元スキャンデータを取得する(ステップSB11)。プロセッサ11は、測定対象物の属性情報を取得する(ステップSB12)。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータに属性情報を付加する(ステップSB13)。プロセッサ11は、属性付加データのデータ形式を変換する(ステップSB14)。プロセッサ11は、属性付加データとして変換済データをアップロードする(ステップSB15)。プロセッサ11は、ステップSB15の手順の実行後、図6Bのフローチャートの手順の実行を終了する。
【0119】
<サイズ縮小データのアップロードの手順例>
プロセッサ11は、属性付加データを、データサイズが小さくなる形式に変換し、第2情報処理装置20が測定対象物の3次元形状の閲覧又はモデル化を実行できる形式に変換せずにアップロードするために、図7A又は図7Bに例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してよい。情報処理方法は、プロセッサ11に実行させる情報処理プログラムとして実現されてもよい。情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0120】
図7Aに例示されるフローチャートの手順は、3次元スキャンデータのデータサイズを縮小した後で属性情報を付加する手順である。プロセッサ11は、測定部13又は測定装置14から、測定対象物の3次元スキャンデータを取得する(ステップSA21)。プロセッサ11は、3次元スキャンデータのデータサイズを縮小する(ステップSA22)。プロセッサ11は、測定対象物の属性情報を取得する(ステップSA23)。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータのデータサイズを縮小したデータに属性情報を付加する(ステップSA24)。プロセッサ11は、属性付加データをアップロードする(ステップSA25)。プロセッサ11は、ステップSA25の手順の実行後、図7Aのフローチャートの手順の実行を終了する。
【0121】
図7Bに例示されるフローチャートの手順は、3次元スキャンデータに属性情報を付加した後でデータサイズを縮小する手順である。プロセッサ11は、測定部13又は測定装置14から、測定対象物の3次元スキャンデータを取得する(ステップSB21)。プロセッサ11は、測定対象物の属性情報を取得する(ステップSB22)。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータに属性情報を付加する(ステップSB23)。プロセッサ11は、属性付加データのデータサイズを縮小する(ステップSB24)。プロセッサ11は、属性付加データとしてサイズ縮小データをアップロードする(ステップSB25)。プロセッサ11は、ステップSB25の手順の実行後、図7Bのフローチャートの手順の実行を終了する。
【0122】
<属性情報の取得手順例>
プロセッサ11は、属性情報を取得するために、図8に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してよい。情報処理方法は、プロセッサ11に実行させる情報処理プログラムとして実現されてもよい。情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0123】
プロセッサ11は、作業情報を施工管理データから取得する(ステップS31)。プロセッサ11は、作業情報に基づいてメモ又は注釈を作成する(ステップS32)。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンデータを解析して測定対象物の寸法を取得する(ステップS33)。プロセッサ11は、ステップS33の手順の実行後、図8のフローチャートの手順の実行を終了する。プロセッサ11は、ステップS31、S32又はS33の少なくとも1つのステップを実行しなくてもよい。
【0124】
プロセッサ11は、属性情報として、測定対象物が存在する場所で施工されている作業に関する情報を取得するステップを実行してもよい。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報又は日時情報に基づいて、作業に関する情報を取得するステップを実行してもよい。
【0125】
プロセッサ11は、作業に関する情報として、3次元スキャンデータの作成者を特定する情報、3次元スキャンデータの取得場所を特定する情報、作業の日付、作業の案件名若しくは工事種、作業の注意事項、作業の範囲に位置する境界杭、メーター位置若しくはバルブ位置、又は、作業の見積書の情報を、作業の施工管理データから取得するステップを実行してもよい。プロセッサ11は、作業に関する情報として、3次元スキャンデータ又は作業の施工管理データの少なくとも一方に基づいてメモ又は注釈を生成するステップを実行してもよい。
【0126】
プロセッサ11は、属性情報として、測定対象物の少なくとも一部の寸法を取得するステップを実行してもよい。プロセッサ11は、寸法を測定する対象を指定する入力を受け付け、指定された対象の寸法を測定対象物の少なくとも一部の寸法として取得するステップを実行してもよい。プロセッサ11は、測定対象物の少なくとも一部の寸法の数値の入力を受け付けるステップを実行してもよい。プロセッサ11は、測定対象物の少なくとも一部の寸法の数値を、3次元スキャンデータに基づいて算出するステップを実行してもよい。プロセッサ11は、測定対象物が作業場所で見えている配管82等の管を含む場合、管の長さを測定対象物の少なくとも一部の寸法の数値として算出するステップを実行してもよい。プロセッサ11は、測定対象物の3次元スキャンを実行した位置情報に基づいて測定対象物の寸法の数値を算出する対象とする部分を特定するステップを実行してもよい。
【0127】
<測定装置14>
図9に示されるように、第1情報処理装置10は、測定部13を備えなくてもよい。この場合、情報処理システム1は、測定部13の機能を実現する測定装置14を更に備えてよい。第1情報処理装置10は、測定装置14から測定対象物の3次元スキャンデータを取得してよい。
【0128】
測定装置14は、例えばLiDAR又はデプスカメラ等を含んで構成されてよい。測定装置14は、測定対象物を測定することによって、測定対象物の3次元スキャンデータを取得する。
【0129】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0130】
1 情報処理システム
10 第1情報処理装置(11:プロセッサ、12:インタフェース、13:測定部)
14 測定装置
20 第2情報処理装置(21:プロセッサ、22:インタフェース)
30 データベース
40 ネットワーク
60 ビューワ画面(62:属性情報表示枠)
70 アップロード画面(71:アップロードボタン、72:データ品質設定ボタン、73:編集ボタン、74:削除ボタン、75:日時情報)
80 スキャン画面(81:録画ボタン、82:配管、83、83A~83C:掘削部、84:終了ボタン)
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9