(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021200
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
A46B 7/04 20060101AFI20250205BHJP
A46B 5/00 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
A46B7/04
A46B5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124970
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】小賀坂 優太
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202BA13
3B202CB06
3B202DB07
(57)【要約】
【課題】ブラシ本体とハンドルとの着脱を可能にしつつ、使い勝手が良好な、歯ブラシを提供する。
【解決手段】歯ブラシ1は、ブラシ4を備えたブラシ本体2と、把持部1bを備えたハンドル3とを備え、ブラシ本体2とハンドル3とが互いに着脱可能である。ブラシ本体2の着脱側端部の周面に、ハンドル3の着脱側端3eからの突出部をキー5として、当該キー5が嵌め合わせられるキー溝6が形成されている。さらに、ブラシ本体2は、当該ブラシ本体2の着脱側端2eから延在するとともに、ハンドル3に接触する、延長部7を備える。延長部7は、軸線Oを挟んでキー溝6と対向する位置に配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシを備えたブラシ本体と、把持部を備えたハンドルとを備え、前記ブラシ本体と前記ハンドルとが互いに着脱可能な、歯ブラシであって、
前記ブラシ本体又は前記ハンドルのいずれか一方の着脱側端部の周面に、前記ブラシ本体又は前記ハンドルのいずれか他方の着脱側端からの突出部をキーとして、当該キーが嵌め合わせられるキー溝が形成されており、
さらに、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方は、当該ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端から延在するとともに、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方に接触する、延長部を備えており、前記延長部は、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の軸線を挟んで前記キー溝と対向する位置に配置されている、歯ブラシ。
【請求項2】
前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方は、前記延長部を収容する段差を備える、請求項1に記載された歯ブラシ。
【請求項3】
前記キーは、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方の着脱側端から軸線方向に延在するベースと、前記ベースの両側から突出する軸部とを備えており、
前記キーの前記軸部と前記キー溝のうちの前記軸部が収容される軸部収容部分との少なくともいずれか一方は、前記ブラシ本体が前記ハンドルに対して取り付けられた状態で、前記軸部が前記軸部収容部分の溝後面を押圧する位置に配置されている、請求項1に記載された歯ブラシ。
【請求項4】
前記軸部は、前記ベースの前側外方端の位置に配置されており、前記ベースの前端内方端は、前記軸部から前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方の着脱側端に向かうにしたがって内側に向かって傾斜している、請求項3に記載された歯ブラシ。
【請求項5】
前記キー溝のうちの、前記軸部が収容される軸部収容部分は、溝底に向かうにしたがって前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端に向かって傾斜している、請求項3に記載された歯ブラシ。
【請求項6】
前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端と、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方の着脱側端とのうちの、いずれか一方には、凸部が設けられており、
前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端と、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方の着脱側端とのうちの、いずれか他方には、前記凸部が合わさる凹部が設けられている、請求項3に記載された歯ブラシ。
【請求項7】
前記凸部又は前記凹部は、前記キー溝の溝底に連なっている、請求項6に記載された歯ブラシ。
【請求項8】
前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端は、後側に向かうにしたがって外側に向かって傾斜している、請求項1に記載された歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の歯ブラシとしては、例えば、ブラシの交換を目的に、ブラシが設けられたヘッド部(ブラシ本体)をハンドル部(ハンドル)に対して抜き差しできるように構成された、ヘッド交換式歯ブラシが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、ヘッドの着脱が可能な歯ブラシには、電動歯ブラシがある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/145159号
【特許文献2】特表2022-551626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の歯ブラシのように、ブラシ本体を軸線方向に抜き差しする場合、水等が付着すると、引き抜きづらくなることがある。また、歯ブラシがブラシ本体とハンドルとによって組み立てられる場合、その使い勝手についても、ブラシ本体とハンドルとに分離不可能な一体型の、いわゆる、通常の歯ブラシの使い勝手が損なわれないように留意する必要がある。
【0005】
本発明の目的は、ブラシ本体とハンドルとの着脱を可能にしつつ、使い勝手が良好な、歯ブラシを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る、歯ブラシは、ブラシを備えたブラシ本体と、把持部を備えたハンドルとを備え、前記ブラシ本体と前記ハンドルとが互いに着脱可能な、歯ブラシであって、
前記ブラシ本体又は前記ハンドルのいずれか一方の着脱側端部の周面に、前記ブラシ本体又は前記ハンドルのいずれか他方の着脱側端からの突出部をキーとして、当該キーが嵌め合わせられるキー溝が形成されており、さらに、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方は、当該ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端から延在するとともに、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方に接触する、延長部を備えており、前記延長部は、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の軸線を挟んで前記キー溝と対向する位置に配置されている。
【0007】
(2)上記(1)の歯ブラシにおいて、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方は、前記延長部を収容する段差を備えることが好ましい。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)の歯ブラシにおいて、前記キーは、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方の着脱側端から軸線方向に延在するベースと、前記ベースの両側から突出する軸部とを備えており、前記キーの前記軸部と前記キー溝のうちの前記軸部が収容される軸部収容部分との少なくともいずれか一方は、前記ブラシ本体が前記ハンドルに対して取り付けられた状態で、前記軸部が前記軸部収容部分の溝後面を押圧する位置に配置されているものとすることができる。
【0009】
(4)上記(3)の歯ブラシにおいて、前記軸部は、前記ベースの前側外方端の位置に配置されており、前記ベースの前端内方端は、前記軸部から前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方の着脱側端に向かうにしたがって内側に向かって傾斜しているものとすることができる。
【0010】
(5)上記(3)又は(4)の歯ブラシにおいて、前記キー溝のうちの、前記軸部が収容される軸部収容部分は、溝底に向かうにしたがって前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端に向かって傾斜しているものとすることができる。
【0011】
(6)上記(3)~(5)のいずれか1つの歯ブラシにおいて、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端と、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方の着脱側端とのうちの、いずれか一方には、凸部が設けられており、
前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端と、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか他方の着脱側端とのうちの、いずれか他方には、前記凸部が合わさる凹部が設けられているものとすることができる。
【0012】
(7)上記(6)の歯ブラシにおいて、前記凸部又は前記凹部は、前記キー溝の溝底に連なっているものとすることができる。
【0013】
(8)上記(1)~(7)のいずれか1つの歯ブラシにおいて、前記ブラシ本体又は前記ハンドルの前記いずれか一方の着脱側端は、後側に向かうにしたがって外側に向かって傾斜しているものとすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ブラシ本体とハンドルとの着脱を可能にしつつ、使い勝手が良好な、歯ブラシを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態である歯ブラシを、正面から概略的に示す正面図である。
【
図2】
図1の歯ブラシを、背面から示す背面図である。
【
図3】
図1の歯ブラシを、正面前側から示す斜視図である。
【
図4】
図1の歯ブラシの一構成部材であるハンドルを、正面前側から示す斜視図である。
【
図5】
図1の歯ブラシの一構成部材であるブラシ本体を、正面前側から示す斜視図である。
【
図6】
図1の歯ブラシをX-X断面で概略的に示す断面図である。
【
図7】
図6の歯ブラシから取り出したブラシ本体を概略的に示す断面図である。
【
図8】
図6の歯ブラシから取り出したハンドルを概略的に示す側面図である。
【
図9】
図1の歯ブラシをY-Y断面で概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である、歯ブラシについて説明をする。
【0017】
以下の説明において、用語の意味は、歯ブラシを基準として、次のように定義するものとする。
【0018】
本実施形態において、「軸線方向」とは、歯ブラシの軸線Oに対して平行に伸びる方向をいう。本実施形態において、歯ブラシは、軸線Oに沿って延在している。本実施形態において、「前側」とは、軸線方向において、ブラシが配置されている側をいう。また、本実施形態において、「後側」とは、軸線方向において、把持部が配置されている側をいう。
【0019】
次いで、本実施形態において、歯ブラシの厚さとは、歯ブラシの正面及び背面との間の寸法をいう。本実施形態において、「正面」とは、ブラシが植毛された面をいう。また、「背面」とは、正面に対して軸線Oを挟んで反対側の裏面をいう。さらに、本実施形態において、「内側」とは、厚さ方向において、正面が位置する側をいう。また、本実施形態において、「外側」とは、厚さ方向において、背面が位置する側をいう。
【0020】
さらに、本実施形態において、「幅方向」とは、軸線方向及び厚さ方向に対して直交する方向をいう。
【0021】
図1中、符号1は、本発明の一実施形態である、歯ブラシである。歯ブラシ1は、例えば、樹脂によって形成されている。
【0022】
図1に示すように、歯ブラシ1は、ブラシ4を備えたブラシ本体2と、把持部1bを備えたハンドル3とを備えている。歯ブラシ1は、ブラシ本体2とハンドル3とが互いに着脱可能な、歯ブラシである。
【0023】
詳細には、歯ブラシ1は、ブラシ4を備えるヘッド1aと、使用者が把持する把持部1bと、ヘッド1aと把持部1bとを繋ぐネック1cと、を備えている。本実施形態において、ブラシ本体2は、ヘッド1aと、ネック1cと、把持部1bの一部とを備えている。ブラシ4は、複数のブラシ毛を束にしてヘッド1aに植毛してなる。また、本実施形態において、ハンドル3は、把持部1bの残部を備えている。本実施形態において、ブラシ本体2は、ヘッド1aと、ネック1cと、把持部1bとを備えるが、ヘッド1aと、ネック1cと、を備えるものとすることができる。
【0024】
ブラシ本体2とハンドル3とは、ブラシ本体2又はハンドル3のいずれか一方の着脱側端部の周面に、ブラシ本体2又はハンドル3のいずれか他方の着脱側端からの突出部をキー5として、当該キー5が嵌め合わせられるキー溝6が形成されている。これによって、歯ブラシ1は、ブラシ本体2とハンドル3とを互いに着脱させることができる。
【0025】
ここで、「着脱側端部」とは、ブラシ本体2の着脱側端2eに隣接する当該ブラシ本体2の部分と、ハンドル3の着脱側端3eに隣接する当該ハンドル3の部分とのいずれか一方をいう。また、「周面」とは、軸線Oの周りを周方向に環状に延在する面をいう。
図1及び
図2を参照すれば、本実施形態において、歯ブラシ1の周面は、正面F1、背面F2及び2つの側面F3によって形成されている。本実施形態において、歯ブラシ1の周面は、軸線Oに対して直交する断面形状が矩形の形状を有している。本実施形態では、ブラシ本体2の周面及びハンドル3の周面もまた、正面F1、背面F2及び側面F3によって形成されているものとする。
【0026】
図3には、歯ブラシ1が正面前側から示されている。本実施形態において、キー5及びキー溝6は、歯ブラシ1の正面F1に配置されている。即ち、本実施形態において、キー5及びキー溝6は、ブラシ4の植毛側に配置されている。したがって、本実施形態において、ブラシ本体2とハンドル3とは、ブラシ本体2とハンドル3との少なくともいずれか一方をブラシ4の植毛側から、キー5又はキー溝6を起点として、折り曲げることによって、分離させることができる。また、本実施形態において、ブラシ本体2とハンドル3とは、キー5及びキー溝6をブラシ4の植毛側から嵌め込むことによって、互いに取り付けることができる。
【0027】
さらに、ブラシ本体2又はハンドル3のいずれか一方は、延長部7を備えている。延長部7は、ブラシ本体2又はハンドル3の前記いずれか一方の着脱側端から延在するとともに、ブラシ本体2又はハンドル3のいずれか他方に接触する。延長部7は、ブラシ本体2又はハンドル3の前記いずれか一方の軸線(O)を挟んでキー溝6と対向する位置に配置されている。
【0028】
本実施形態において、ブラシ本体2又はハンドル3の前記いずれか一方とは、ブラシ本体2である。また、本実施形態において、ブラシ本体2又はハンドル3の前記いずれか他方とは、ハンドル3である。即ち、本実施形態において、キー溝6及び延長部7は、ブラシ本体2に設けられており、また、本実施形態において、キー5は、ハンドル3に設けられている。また、本実施形態において、キー溝6は、歯ブラシ1の内側(正面側)に配置され、延長部7は、歯ブラシ1の外側(背面側)に配置されている。本実施形態において、延長部7は、ブラシ本体2又はハンドル3の前記いずれか他方の着脱側端部、即ち、ハンドル3の着脱側端部に接触している。
【0029】
図4には、ハンドル3が正面前側から示されている。
図4中、ハンドル3は、
図3の歯ブラシ1からブラシ本体2が取り除かれた状態で示されている。
【0030】
本実施形態において、キー5は、ハンドル3の着脱側端3eから軸線方向に延在するベース51と、ベース51の両側から幅方向に突出する軸部52とを備えている。
【0031】
本実施形態において、キー5は、ハンドル3の着脱側端3eから突出している、当該ハンドル3の突出部である。本実施形態において、キー5は、ハンドル3の着脱側端3eが2つの肩部を構成するように、当該ハンドル3の着脱側端3eから軸線方向に突出している。
【0032】
本実施形態において、ベース51は、幅方向両側に肩部(3e)を形成するようにハンドル3の着脱側端3eから前側に突出している。また、本実施形態において、キー5は、2つの軸部52を備えている。本実施形態において、軸部52は、ベース51の側面51fから幅方向に延在している。また、本実施形態において、軸部52は、ベース51に対して直交している。本実施形態において、キー5は、軸線方向に延在するベース51と、幅方向に延在する軸部52とからなる、T字形状のキーである。
【0033】
本実施形態において、ベース51は、板状の突出部である。
図4に示すように、本実施形態において、ベース51の、2つの側面51fは、それぞれ、軸線方向及び厚さ方向に延在する平面である。
【0034】
図4に示すように、本実施形態において、軸部52は、ベース51の前側外方端の位置に配置されている。本実施形態において、軸部52は、円柱形状を有している。また、本実施形態において、ベース51の前端内方端51eは、軸部52からハンドル3の着脱側端3eに向かうにしたがって内側に向かって傾斜している。
【0035】
さらに、本実施形態において、ハンドル3の着脱側端3eには、凸部11が設けられている。
【0036】
本実施形態において、ハンドル3は、当該ハンドル3の着脱側端3eに、凸部11を備えている。本実施形態において、凸部11は、ハンドル3の着脱側端3eから前側に突出している。詳細には、本実施形態において、凸部11は、ハンドル3の肩部(3e)のうちの前側外方端から前側に向かって突出している。本実施形態において、ハンドル3は、2つの凸部11を備えている。本実施形態において、凹部12は、2つの肩部(3e)にそれぞれ配置されている、
【0037】
加えて、本実施形態において、ハンドル3は、段差8を備えている。本実施形態において、段差8は、後述するように、ブラシ本体2の延長部7を収容する。
【0038】
本実施形態において、段差8は、ハンドル3の着脱側端3eのうちの前側外方端から軸線方向に沿って後側に向かって延在している。したがって、本実施形態において、ハンドル3の肩部(3e)のうちの前側外方端は、段差8によって区画されている。
【0039】
図5には、ブラシ本体2が正面前側から示されている。
図5中、ブラシ本体2は、
図3の歯ブラシ1からハンドル3が取り除かれた状態で示されている。
【0040】
本実施形態において、キー溝6は、ベース51が収容されるベース収容部分61と、軸部52が収容される軸部収容部分62とを備えている。本実施形態において、ベース収容部分61は、軸線方向に延在し、ブラシ本体2の着脱側端2eに開放されている。また、本実施形態において、軸部収容部分62は、幅方向に延在し、ベース収容部分61に対して直交している。本実施形態において、キー溝6は、軸線方向に延在するベース収容部分61と、幅方向に延在する軸部収容部分62とからなる、T字形状のキー溝である。
【0041】
また、本実施形態において、延長部7は、板状の延長部である。
図5に示すように、本実施形態において、延長部7は、厚さ方向内側に平面7fを備えている。本実施形態において、平面7fは、軸線方向及び幅方向に延在している。
【0042】
また、本実施形態において、ブラシ本体2の着脱側端2eには、凹部12が設けられている。
図3に示すように、凹部12には、ブラシ本体2の凸部11が合わせることができる。
【0043】
図3に示すように、本実施形態において、凹部12には、ブラシ本体2がハンドル3に取り付けられた状態で、ブラシ本体2の凸部11が合わさっている。
図5に示すように、本実施形態において、ブラシ本体2は、当該ブラシ本体2の着脱側端2eに、凹部12を備えている。本実施形態において、凹部12は、ブラシ本体2の着脱側端2eから前側に向かって凹んでいる。本実施形態において、凹部12は、ハンドル3の着脱側端3eのうちの、延長部7と隣接する位置に形成されている。また、本実施形態において、ブラシ本体2は、2つの凹部12を備えている。本実施形態において、2つの凹部12は、キー溝6を挟んで幅方向の対向する位置に配置されている、
【0044】
図6は、
図1の歯ブラシ1をX-X断面で概略的に示す断面図である。
【0045】
本実施形態において、ハンドル3は、厚さ方向外側に段差8を備えている。本実施形態において、ハンドル3の段差8もまた、延長部7に合わさる平面8fを有している。本実施形態において、平面8fもまた、軸線方向及び幅方向に延在している。
【0046】
本実施形態において、ブラシ本体2の延長部7は、ブラシ本体2がハンドル3に取り付けられた状態で、ハンドル3の段差8に収容される、これによって、ブラシ本体2の延長部7は、ブラシ本体2がハンドル3に取り付けられた状態で、ハンドル3の背面F2との間に段差を生じさせないようにすることができる。
図6を参照すれば、本実施形態において、歯ブラシ1の背面F2は、ブラシ本体2とハンドル3との間に段差を形成しない平面に形成されている。
【0047】
また、
図6に示すように、本実施形態において、延長部7の平面7fは、キー溝6の溝底63よりも外側に位置する。言い換えれば、本実施形態において、キー溝6の溝底63は、延長部7の平面7fの位置よりも浅い位置に形成されている。即ち、本実施形態において、キー溝の溝底63は、延長部7の平面7fに到達していない。
【0048】
また、本実施形態において、キー5の軸部52とキー溝6の軸部収容部分62との少なくともいずれか一方は、ブラシ本体2がハンドル3に対して取り付けられた状態で、軸部52が軸部収容部分62の溝後面62f1を押圧する位置に配置されている。
【0049】
具体的には、ハンドル3にブラシ本体2を取り付けるとき、キー5の軸部52がキー溝6の軸部収容部分62に圧入されるように、少なくとも、キー5の軸部52の位置と、キー溝6の軸部収容部分62の位置とを規定する。本実施形態において、ハンドル3にブラシ本体2を取り付ける場合、例えば、キー5の軸部52がキー溝6の軸部収容部分62に圧入されるように、キー5の軸部52の位置と、キー溝6の軸部収容部分62の位置と、延長部7の後端7eの位置(段差8の後面8f)とを規定する。
【0050】
図6を参照すれば、二点鎖線で示すキー5の軸部52は、キー5の軸部52がキー溝6の軸部収容部分62に圧入されない状態で示されている。キー5の軸部52がキー溝6の軸部収容部分62に圧入されない場合、見かけ上、キー5が軸線方向においてキー溝6を締める締め代は、二点鎖線で示すように、キー溝6の溝後面62f1と延長部7の後端7eとの間の寸法C0となる。
【0051】
これに対し、破線で示すキー5の軸部52は、キー5の軸部52がキー溝6の軸部収容部分62に圧入された状態で示されている。本実施形態では、キー5の軸部52は、キー溝6の軸部収容部分62に圧入される。このため、本実施形態において、実際に、ブラシ本体2がハンドル3に取り付けられた状態では、キー5が軸線方向においてキー溝6を締める締め代は、破線で示すように、キー5の軸部52と延長部7の後端7eとの間の寸法C1となる。これによって、本実施形態において、キー5は、キー溝6に対して強固に嵌合される。
【0052】
図7は、
図6の歯ブラシ1から取り出したブラシ本体2を概略的に示す断面図である。
【0053】
本実施形態において、キー溝6の軸部収容部分62は、キー溝6の溝底63に向かうにしたがってブラシ本体2の着脱側端2eに向かって傾斜している。
【0054】
本実施形態において、キー溝6の軸部収容部分62の傾斜角度は、キー溝6の溝底63に対して鋭角側が角度αである。本実施形態において、角度αは、前側の角度である。具体的には、軸部収容部分62の溝後面62fが溝底63に対して後側に向かって角度αで傾斜している。これによって、キー5の軸部52は、キー溝6の軸部収容部分62に対して引っ掛かるように嵌合される。したがって、本実施形態において、キー5は、キー溝6に対して、より強固に嵌合される。
【0055】
なお、本実施形態において、ベース収容部分61の溝底と、軸部収容部分62の溝底とは、同一レベルの溝底である。
図7を参照すれば、ベース収容部分61の溝底と、軸部収容部分62の溝底とは、キー溝6の溝底63として、同一の平面を形成している。
【0056】
また、本実施形態において、ブラシ本体2の着脱側端2eは、後側に向かうにしたがって外側に向かって傾斜している。
【0057】
図7に示すように、本実施形態において、ブラシ本体2の着脱側端2eは、側面視において、曲率半径rの曲線によって形成されている。これによって、例えば、
図6に示すように、ブラシ本体2の着脱側端2eと、ハンドル3の着脱側端3eとの間には、ブラシ本体2をハンドル3に取り付けた状態で、内側に開放された楔形状の隙間Dが形成される。これによって、キー5をキー溝6に対して軸部52から差し込むとき、あるいは、キー溝6に嵌ったキー5を、軸部52を起点に内側に引き起こしたとき、ブラシ本体2の着脱側端2eと、ハンドル3の着脱側端3eとを干渉し難くなるようにすることができる。
【0058】
図8は、
図6の歯ブラシ1から取り出したハンドル3を概略的に示す側面図である。
【0059】
図8に示すように、本実施形態において、ベース51の前端内方端51eは、軸部52からハンドル3の着脱側端3eに向かうにしたがって内側に傾斜している。
【0060】
本実施形態において、前端内方端51eの傾斜角度は、軸線Oに対して鋭角側が角度βである。本実施形態において、角度βは、後側の角度である。具体的には、前端内方端51eは、キー5の底面(ベース51の底面)51bに対して後側に向かって角度βで傾斜している。これによって、キー5をキー溝6に対して軸部52から差し込むとき、あるいは、キー溝6に嵌ったキー5を、軸部52を起点に内側に引き起こしたとき、ベース51の前端外方端51eがキー溝6に対して干渉し難くなるようにすることができる。なお。本実施形態において、キー5の底面51bは、キー溝6の溝底63と平行である。
【0061】
図9は、
図1の歯ブラシ1をY-Y断面で概略的に示す断面図である。
【0062】
図9を参照すれば、本実施形態において、キー5の軸部52は、キー溝6の軸部収容部分62に対して摺動可能に嵌合している。したがって、本実施形態において、キー5は、キー溝6に対して、より強固に嵌合される。例えば、本実施形態において、キー5の軸部52は、キー溝6の軸部収容部分62の溝側面62f2に対して摺動可能に嵌合している。したがって、本実施形態において、キー5は、キー溝6に対して摺動可能に保持されつつ、より強固に嵌合される。
【0063】
また、本実施形態において、キー5のベース51の側面51fと、キー溝6のベース収容部分61の溝側面61f2との間に隙間C2が形成されている。これによって、キー5は、キー溝6に対して強固に嵌合されつつ、軸部52を起点に容易に取り外すことができる。
【0064】
ここで、歯ブラシ1の使用方法の一例について説明をする。
【0065】
(歯ブラシ1の組み立て方法)
図3の歯ブラシ1を形成する場合、ハンドル3にブラシ本体2を取り付ける。本実施形態では、初めに、
図4のハンドル3と、
図5のブラシ本体2とを準備する。次いで、本実施形態では、例えば、
図5のブラシ本体2のキー溝6の軸部収容部分62に、
図4のハンドル3のキー5の軸部52を合わせる。このとき、ハンドル3は、ブラシ本体2に対して斜めになるように、軸部52を軸部収容部分62に合わせる。次いで、本実施形態では引き続いて、例えば、ハンドル3の軸部52を起点に、当該ハンドル3を外側に向かって回転させながら、キー5全体をキー溝6に押し込む。これによって、
図3に示すように、ハンドル3にブラシ本体2を取り付けることができる。
【0066】
(歯ブラシ1の使用方法)
歯ブラシ1を組み立て後は、当該歯ブラシ1を通常の歯ブラシと同様に使用することができる。
【0067】
歯ブラシ1において、ブラシ本体2は、ハンドル3に接触する延長部7を備えている。延長部7は、正面F1に形成されたキー溝6と軸線Oを挟んで対向する背面F2の位置に配置されている。この場合、歯磨き中のハンドル3に外側(背面側)から力が加わっても、ハンドル3に生じる曲げ(撓み)は、ブラシ本体2の延長部7の剛性によって抑えられる。これによって、ブラシ本体2とハンドル3とが分離させることなく、歯ブラシ1に対して一定の曲げ(撓み)を許容させることができる。したがって、歯ブラシ1は、ブラシ本体2とハンドル3との着脱を可能にしつつ、使い勝手が良好となる。
【0068】
また、本実施形態において、ハンドル3は、延長部7を収容する段差8を備えている。本実施形態では、
図6に示すように、ブラシ本体2の延長部7は、ハンドル3の段差8に収容されることによって、ブラシ本体2の背面F2とハンドル3の背面F2との間に段差を生じさせない。したがって、歯ブラシ1は、スリムな外観形状の歯ブラシとなる。これによって、歯ブラシ1の使い勝手は、より良好なものとなる。
【0069】
また、本実施形態において、キー5は、ハンドル3の着脱側端3eから軸線方向に延在するベース51と、前記ベース51の両側から突出する軸部52とを備えており、キー5の軸部52と軸部収容部分62との少なくともいずれか一方は、ブラシ本体2がハンドル3に対して取り付けられた状態で、軸部52が軸部収容部分62の溝後面62f1を押圧する位置に配置されている。この場合、ブラシ本体2を、ハンドル3に対して、より強固に取り付けられる。これによって、歯ブラシ1の使い勝手は、より良好なものとなる。
【0070】
また、
図7に示すように、本実施形態では、軸部収容部分62の溝後面62f1は、溝底63に対して後側に向かって角度αで傾斜している。これによって、
図6に示すように、キー5の軸部52は、キー溝6の軸部収容部分62に対して引っ掛かるように嵌合される。したがって、本実施形態において、ブラシ本体2を、ハンドル3に対して、より強固に取り付けられる。これによって、歯ブラシ1の使い勝手は、より良好なものとなる。
【0071】
さらに、
図3に示すように、本実施形態において、ハンドル3には、凸部11が設けられており、ブラシ本体2には、凸部11が合わさる凹部12が設けられている。この場合、ブラシ本体2を、ハンドル3に対して、より強固に取り付けられる。これによって、歯ブラシ1の使い勝手は、より良好なものとなる。
【0072】
さらに、本実施形態において、凸部11及び凹部12は、キー溝6の溝底63に連なる位置に配置されている。
図7に示すように、本実施形態において、キー溝6の後端は、ブラシ本体2の着脱側端2eに開放されている。この場合、ブラシ本体2をハンドル3に取り付けるときには、凸部11と凹部12との合わせをスムーズに行うことができる。また、この場合、ブラシ本体2をハンドル3から取り外すときにも、凸部11と凹部12との分離をスムーズに行うことができる。これによって、歯ブラシ1の使い勝手は、より良好なものとなる。
【0073】
(歯ブラシ1の分解方法)
ブラシ本体2又はハンドル3は、交換することができる。歯ブラシ1は、例えば、ハンドル3を、軸部52を起点に内側(正面側)に引き起こすことによって、ブラシ本体2とハンドル3とに分解することができる。したがって、歯ブラシ1によれば、ブラシ本体2又はハンドル3を交換することができる。
【0074】
また、
図8に示すように、本実施形態において、軸部52は、ベース51の前側外方端の位置に配置されており、ベース51の前端内方端51eは、軸部52からハンドル3の着脱側端3eに向かうにしたがって角度βで内側に傾斜している。この場合、キー5をキー溝6に対して軸部52から差し込むとき、あるいは、キー5をキー溝6から軸部52を起点に引き起こしたとき、ベース51の前端外方端51eがキー溝6に対して干渉し難くなるようにすることができる。これによって、歯ブラシ1の使い勝手は、より良好なものとなる。
【0075】
また、
図7に示すように、本実施形態において、ブラシ本体2の着脱側端2eは、後側に向かうにしたがって外側に向かって傾斜している。これによって、例えば、
図6に示すように、ブラシ本体2の着脱側端2eと、ハンドル3の着脱側端3eとの間には、ブラシ本体2をハンドル3に取り付けた状態で、内側に開放された楔形状の隙間Dが形成される。この場合、キー5をキー溝6に対して軸部52から差し込むとき、あるいは、キー溝6に嵌ったキー5を、軸部52を起点に内側に引き起こしたとき、ブラシ本体2の着脱側端2eと、ハンドル3の着脱側端3eとを干渉し難くなるようにすることができる。これによって、歯ブラシ1の使い勝手は、より良好なものとなる。
【0076】
本発明によれば、ブラシ本体2とハンドル3との着脱を可能にしつつ、使い勝手が良好な、歯ブラシ1を提供することができる。
【0077】
上述したところは、本発明の例示的な実施形態である。このため、本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で、様々に変更することができる。
【0078】
例えば、ブラシ本体2又はハンドル3の前記いずれか一方は、ハンドル3とすることができる。また、ブラシ本体2又はハンドル3の前記いずれか他方は、ブラシ本体2とすることができる。即ち、本実施形態において、キー溝6及び延長部7は、ハンドル3に設けられており、また、キー5は、ブラシ本体2に設けられているものとすることができる。また、この場合、延長部7は、ブラシ本体2の着脱側端部に接触することになる。即ち、上述の各構成は、ブラシ本体2とハンドル3との間で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0079】
1:歯ブラシ, 1a:ヘッド, 1b:把持部, 1c:ネック, 2:ブラシ本体, 2e:ブラシ本体の着脱側端, 3:ハンドル, 3e:ハンドルの着脱側端(肩部), 4:ブラシ, 5:キー, 51:キーのベース, 51e:ベースの前端内方端, 51f:ベースの側面, 52:キーの軸部, 6:キー溝, 61:キー溝のベース収容部分, 62:キー溝の軸部収容部分, 62f1:軸部収容部分の溝後面, 62f2:軸部収容部分の溝側面, 63:溝底, 7:延長部, 8:段差, 11:凸部, 12:凹部, D:ブラシ本体の着脱側端と、ハンドルの着脱側端との間に形成された隙間, F1:歯ブラシの正面(周面), F2:歯ブラシの背面(周面), F3:歯ブラシの側面(周面), O:歯ブラシの軸線