IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 横河電機株式会社の特許一覧 ▶ 横河メータ&インスツルメンツ株式会社の特許一覧

特開2025-2126情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002126
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20241226BHJP
【FI】
G06F16/907
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102067
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】小川 平
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB02
5B175FB03
(57)【要約】
【課題】データ通信に起因する負荷を軽減することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、測定器20と通信可能に接続され、制御部13を備える。制御部13は、測定器20において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを測定器20から取得し、測定器20に記憶されている所定の測定データファイルの検索に用いられるデータベースにメタデータを格納する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定器と通信可能に接続されている情報処理装置であって、
制御部を備え、前記制御部は、
前記測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを前記測定器から取得し、
前記測定器に記憶されている所定の前記測定データファイルの検索に用いられるデータベースに前記メタデータを格納する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、ユーザが端末装置を用いて入力した検索キーワードに基づいて前記データベース上の前記メタデータを検索する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記メタデータに含まれる識別情報を検索結果として前記端末装置に表示させる、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報は、前記測定器の識別子及び前記測定器における前記測定データファイルのファイルパスを含む、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の情報処理装置であって、
前記メタデータは、前記識別情報に加えて、測定対象に対する前記測定器による測定処理に関連した測定情報をさらに含む、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
測定対象に対して測定処理を実行することで前記測定データファイルを生成する前記測定器と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項7】
測定器と通信可能に接続されている情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを前記測定器から取得することと、
前記測定器に記憶されている所定の前記測定データファイルの検索に用いられるデータベースに前記メタデータを格納することと、
を含む、
情報処理方法。
【請求項8】
測定器と通信可能に接続されている情報処理装置に、
前記測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを前記測定器から取得することと、
前記測定器に記憶されている所定の前記測定データファイルの検索に用いられるデータベースに前記メタデータを格納することと、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【請求項9】
情報処理装置と通信可能に接続されている測定器であって、
制御部を備え、前記制御部は、
測定対象に対して測定処理を実行することで測定データファイルを生成し、
前記測定データファイルに関連付けられるメタデータを生成し、
前記メタデータを前記情報処理装置に提供する、
測定器。
【請求項10】
請求項9に記載の測定器であって、
記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記測定データファイルを前記記憶部に格納する、
測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定器が測定対象に対して測定処理を実行することで生成した測定データファイルの検索に関連する技術が知られている。例えば、特許文献1には、測定結果データ及び各種情報データの検索を容易、かつ効率的に行う測定データ処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-267499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、測定器とサーバとを互いに通信可能に接続した情報処理システムにおいて、測定データファイルは、測定器からサーバに送信され、サーバで一元管理されていた。このとき、測定データファイルのファイルサイズが大きいと、ネットワーク及びサーバへの負荷が大きくなる。
【0005】
本開示は、データ通信に起因する負荷を軽減することが可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係る情報処理装置は、測定器と通信可能に接続されている情報処理装置であって、制御部を備え、前記制御部は、前記測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを前記測定器から取得し、前記測定器に記憶されている所定の前記測定データファイルの検索に用いられるデータベースに前記メタデータを格納する。
【0007】
これにより、データ通信に起因する負荷を軽減することが可能である。例えば、情報処理装置は、測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを測定器から取得し、所定の測定データファイルの検索に用いられるデータベースにメタデータを格納する。これにより、情報処理装置は、測定データファイルを直接管理することなく、測定データファイルのメタデータのみを処理することが可能である。したがって、測定器は、測定データファイルそのものを情報処理装置に送信する必要がない。結果として、仮に測定データファイルのファイルサイズが大きい場合であっても、測定データファイルと比較してデータ容量が小さいメタデータのみが送信されることで、情報処理システムにおいて、情報処理装置及びネットワークへの負荷が軽減される。
【0008】
一実施形態における情報処理装置では、前記制御部は、ユーザが端末装置を用いて入力した検索キーワードに基づいて前記データベース上の前記メタデータを検索してもよい。
【0009】
これにより、ユーザは、端末装置を用いて情報処理装置にアクセスし、メタデータを介して目的の測定データファイルを効率的に検索することができる。情報処理システムでは、測定器がメタデータを生成して情報処理装置に送信し、端末装置がバイナリファイルとしての測定データファイルに対する検索キーワードを情報処理装置に提供する。これにより、情報処理システムは、ネットワーク及び情報処理装置に大きな負荷をかけることなく、測定データファイルを効率的に検索することを可能にする。
【0010】
一実施形態における情報処理装置では、前記制御部は、前記メタデータに含まれる識別情報を検索結果として前記端末装置に表示させてもよい。これにより、ユーザは、検索結果として端末装置により表示された識別情報を確認して、当該識別情報に基づき測定データファイルに容易にアクセス可能となる。
【0011】
一実施形態における情報処理装置では、前記識別情報は、前記測定器の識別子及び前記測定器における前記測定データファイルのファイルパスを含んでもよい。これにより、ユーザは、検索結果として端末装置により表示された識別情報を確認して、測定器の識別子及び測定器における測定データファイルのファイルパスに基づき測定データファイルに容易にアクセス可能となる。
【0012】
一実施形態における情報処理装置では、前記メタデータは、前記識別情報に加えて、測定対象に対する前記測定器による測定処理に関連した測定情報をさらに含んでもよい。これにより、ユーザは、測定情報を検索キーワードとして端末装置に入力することで、当該検索キーワードに関連付けられている識別情報を情報処理装置におけるデータベースから容易に抽出可能である。したがって、ユーザは、測定器に記憶されている所定の測定データファイルを、情報処理装置に記憶されているメタデータを介して当該検索キーワードから容易に検索可能である。
【0013】
幾つかの実施形態に係る情報処理システムは、上記のいずれかに記載の情報処理装置と、測定対象に対して測定処理を実行することで前記測定データファイルを生成する前記測定器と、を備える。
【0014】
これにより、データ通信に起因する負荷を軽減することが可能である。例えば、情報処理装置は、測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを測定器から取得し、所定の測定データファイルの検索に用いられるデータベースにメタデータを格納する。これにより、情報処理装置は、測定データファイルを直接管理することなく、測定データファイルのメタデータのみを処理することが可能である。したがって、測定器は、測定データファイルそのものを情報処理装置に送信する必要がない。結果として、仮に測定データファイルのファイルサイズが大きい場合であっても、測定データファイルと比較してデータ容量が小さいメタデータのみが送信されることで、情報処理システムにおいて、情報処理装置及びネットワークへの負荷が軽減される。
【0015】
幾つかの実施形態に係る情報処理方法は、測定器と通信可能に接続されている情報処理装置により実行される情報処理方法であって、前記測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを前記測定器から取得することと、前記測定器に記憶されている所定の前記測定データファイルの検索に用いられるデータベースに前記メタデータを格納することと、を含む。
【0016】
これにより、データ通信に起因する負荷を軽減することが可能である。例えば、情報処理装置は、測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを測定器から取得し、所定の測定データファイルの検索に用いられるデータベースにメタデータを格納する。これにより、情報処理装置は、測定データファイルを直接管理することなく、測定データファイルのメタデータのみを処理することが可能である。したがって、測定器は、測定データファイルそのものを情報処理装置に送信する必要がない。結果として、仮に測定データファイルのファイルサイズが大きい場合であっても、測定データファイルと比較してデータ容量が小さいメタデータのみが送信されることで、情報処理システムにおいて、情報処理装置及びネットワークへの負荷が軽減される。
【0017】
幾つかの実施形態に係るプログラムは、測定器と通信可能に接続されている情報処理装置に、前記測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを前記測定器から取得することと、前記測定器に記憶されている所定の前記測定データファイルの検索に用いられるデータベースに前記メタデータを格納することと、を含む動作を実行させる。
【0018】
これにより、データ通信に起因する負荷を軽減することが可能である。例えば、情報処理装置は、測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを測定器から取得し、所定の測定データファイルの検索に用いられるデータベースにメタデータを格納する。これにより、情報処理装置は、測定データファイルを直接管理することなく、測定データファイルのメタデータのみを処理することが可能である。したがって、測定器は、測定データファイルそのものを情報処理装置に送信する必要がない。結果として、仮に測定データファイルのファイルサイズが大きい場合であっても、測定データファイルと比較してデータ容量が小さいメタデータのみが送信されることで、情報処理システムにおいて、情報処理装置及びネットワークへの負荷が軽減される。
【0019】
幾つかの実施形態に係る測定器は、情報処理装置と通信可能に接続されている測定器であって、制御部を備え、前記制御部は、測定対象に対して測定処理を実行することで測定データファイルを生成し、前記測定データファイルに関連付けられるメタデータを生成し、前記メタデータを前記情報処理装置に提供する。
【0020】
これにより、データ通信に起因する負荷を軽減することが可能である。例えば、情報処理装置は、測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを測定器から取得し、所定の測定データファイルの検索に用いられるデータベースにメタデータを格納する。これにより、情報処理装置は、測定データファイルを直接管理することなく、測定データファイルのメタデータのみを処理することが可能である。したがって、測定器は、測定データファイルそのものを情報処理装置に送信する必要がない。結果として、仮に測定データファイルのファイルサイズが大きい場合であっても、測定データファイルと比較してデータ容量が小さいメタデータのみが送信されることで、情報処理システムにおいて、情報処理装置及びネットワークへの負荷が軽減される。
【0021】
一実施形態における測定器は、記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記測定データファイルを前記記憶部に格納してもよい。これにより、測定データファイルは、情報処理装置ではなく、測定器で管理される。したがって、測定器は、測定データファイルそのものを情報処理装置に送信する必要がない。結果として、仮に測定データファイルのファイルサイズが大きい場合であっても、情報処理システムにおいて、情報処理装置及びネットワークへの負荷が軽減される。
【発明の効果】
【0022】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器によれば、データ通信に起因する負荷を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図1の情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図3図1の測定器の概略構成を示すブロック図である。
図4図1の端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図5図1の情報処理システムにより実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
図6図1の情報処理装置による処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
従来技術の背景及び問題点についてより詳細に説明する。
【0025】
従来技術では、測定器とサーバとを互いに通信可能に接続した情報処理システムにおいて、測定データファイルは、測定器からサーバに送信され、サーバで一元管理されていた。ユーザは、自身が使用する端末装置を用いてサーバにアクセスし、サーバ内に格納された複数の測定データファイルの中から目的の測定データファイルを検索していた。
【0026】
従来技術では、サーバが測定データファイルを一元管理するため、測定器は、測定データファイルをサーバへ送信する必要があった。近年、測定データファイルのファイルサイズは大きくなる傾向にあり、測定器がそのような測定データファイルをサーバへ送信することでネットワーク及びサーバへの負荷が大きくなっていた。
【0027】
加えて、測定データファイルは、バイナリファイルであることが多く、測定データファイルを検索するための検索キーワードを有さない。したがって、ユーザは、ファイル名及び保存日時などで検索する以外に方法がなく、測定データファイルを効率的に検索することが困難であった。
【0028】
特許文献1に記載の従来技術では、ファイル名に付加情報を与えて検索する手段が用いられている。しかしながら、一般的に使用されているOS(Operating System)において、ファイル名の長さに上限が設定されているため、ファイル名に付加する付加情報の情報量にも上限が生じる。したがって、特許文献1に記載の上記の手段では、ロット番号などの限られた情報のみが検索キーワードとして用いられており、多様な検索キーワードを用いることが困難であった。
【0029】
本開示は、以上のような問題点を解決するために、データ通信に起因する負荷を軽減することが可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器を提供することを目的とする。例えば、本開示は、ネットワーク及びサーバなどに大きな負荷をかけることなく、目的の測定データファイルをユーザが効率的に検索可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び測定器を提供することを目的とする。
【0030】
以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。以下の説明は、本開示を適用した、情報処理装置10を有する情報処理システム1、情報処理装置10が実行する情報処理方法及びプログラム、並びに測定器20にも当てはまる。
【0031】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概略構成を示すブロック図である。図1を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概要について主に説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10に加えて、測定器20及び端末装置30を有する。
【0032】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置10について1つのみ図示しているが、情報処理システム1が有する情報処理装置10の数は2つ以上であってもよい。図1では、測定器20及び端末装置30の各々について複数図示しているが、情報処理システム1が有する測定器20及び端末装置30の各々の数は1つであってもよい。情報処理装置10、測定器20、及び端末装置30の各々は、移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワーク40と通信可能に接続されている。
【0033】
一実施形態の概要として、情報処理装置10と測定器20とは、互いに通信可能に接続されている。情報処理装置10は、測定器20において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを測定器20から取得する。情報処理装置10は、測定器20に記憶されている所定の測定データファイルの検索に用いられるデータベースに、取得されたメタデータを格納する。
【0034】
本開示において、「測定データファイル」は、例えば、測定対象に対して測定器20により実行された測定処理に基づき測定器20において生成される測定データのファイルを含む。「メタデータ」は、測定器20の識別子及び測定器20における測定データファイルのファイルパスを含む識別情報、並びに測定対象に対する測定器20による測定処理に関連した測定情報などを含む。
【0035】
本開示において、「識別子」は、測定器20を一意に識別可能な任意の情報を含む。識別子は、測定器20のシリアル番号及びローカルネットワーク内での測定器20のホスト名などを含む。「ファイルパス」は、測定器20において測定データファイルが格納されている場所を含む。「測定情報」は、測定データファイルに付随する任意の情報を含む。測定情報は、測定者の氏名、測定チャネルの情報、測定器20の型番、及び測定条件などを含む。「測定条件」は、測定開始時刻、測定終了時刻、測定時間、測定パラメータの種類、並びに測定にあたり設定するその他の設定パラメータの種類及び値などを含む。
【0036】
情報処理システム1は、測定データファイルを検索するシステムに関する。例えば、情報処理システム1は、測定器20に記憶されている測定データファイルに付随する情報を測定情報として生成し、それを情報処理装置10で管理することで、測定データファイルの効率的な検索を可能にするシステムに関する。
【0037】
情報処理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置である。情報処理装置10は、これらに限定されず、PC(Personal Computer)又はスマートフォンなどの任意の汎用の電子機器であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0038】
測定器20は、測定対象となる物理量に対する測定処理を実行して測定値を取得する任意の機器を含む。測定器20は、例えば、波形測定器及び光測定器などを含む。測定器20は、測定対象に対して測定処理を実行することで測定データファイルを生成する。
【0039】
本開示において、「物理量」は、例えば波形測定器及び光測定器などを含む測定器20が配置されているネットワークにおいて測定器20により測定される、電気信号に関連するパラメータ、温度、加速度、及び光信号に関連するパラメータなどを含む。
【0040】
端末装置30は、PC、タブレットPC、スマートフォン、又はスマートウォッチを含むウェアラブルデバイスなどの汎用の電子機器である。端末装置30は、測定器20に格納されている測定データファイルを検索するために情報処理システム1を用いるユーザが使用する電子機器である。端末装置30は、これらに限定されず、当該ユーザが使用する1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0041】
図2は、図1の情報処理装置10の概略構成を示すブロック図である。図2を参照しながら、情報処理システム1に含まれる情報処理装置10の構成の一例について主に説明する。情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、及び制御部13を有する。
【0042】
通信部11は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などの移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。例えば、当該通信インタフェースは、近距離無線通信規格にも対応してもよい。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク40に通信可能に接続されている。通信部11は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0043】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などの記憶モジュールを含む。記憶部12は、情報処理装置10の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部12は、情報処理装置10の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0044】
記憶部12は、主記憶モジュール、補助記憶モジュール、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10に内蔵されているものに限定されず、USB(Universal Serial Bus)などのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶モジュールを含んでもよい。
【0045】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。本開示において、「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部13は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0046】
図3は、図1の測定器20の概略構成を示すブロック図である。図3を参照しながら、情報処理システム1に含まれる測定器20の構成の一例について主に説明する。測定器20は、通信部21、記憶部22、入力部23、出力部24、及び制御部25を有する。
【0047】
通信部21は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G及び5Gなどの移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。例えば、当該通信インタフェースは、近距離無線通信規格にも対応してもよい。一実施形態において、測定器20は、通信部21を介してネットワーク40に通信可能に接続されている。通信部21は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0048】
記憶部22は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMなどの記憶モジュールを含む。記憶部22は、測定器20の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部22は、測定器20の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。記憶部22は、測定対象に対して測定処理を実行することで制御部25により生成された測定データファイルを記憶する。
【0049】
記憶部22は、主記憶モジュール、補助記憶モジュール、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、測定器20に内蔵されているものに限定されず、USBなどのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶モジュールを含んでもよい。
【0050】
入力部23は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。当該入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、出力部24のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラなどの撮像モジュール、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0051】
出力部24は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。当該出力インタフェースは、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音で出力するスピーカ、及び情報を振動で出力するバイブレータなどを含む。
【0052】
制御部25は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部25は、測定器20を構成する各構成部と通信可能に接続され、測定器20全体の動作を制御する。制御部25は、測定対象に対して測定処理を実行することで測定データファイルを生成する。制御部25は、生成された測定データファイルを記憶部22に格納する。制御部25は、測定データファイルに関連付けられるメタデータを生成する。制御部25は、生成されたメタデータを情報処理装置10に提供する。
【0053】
図4は、図1の端末装置30の概略構成を示すブロック図である。図4を参照しながら、情報処理システム1に含まれる端末装置30の構成の一例について主に説明する。端末装置30は、通信部31、記憶部32、入力部33、出力部34、及び制御部35を有する。
【0054】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G及び5Gなどの移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。例えば、当該通信インタフェースは、近距離無線通信規格にも対応してもよい。一実施形態において、端末装置30は、通信部31を介してネットワーク40に通信可能に接続されている。通信部31は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0055】
記憶部32は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMなどの記憶モジュールを含む。記憶部32は、端末装置30の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部32は、端末装置30の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0056】
記憶部32は、主記憶モジュール、補助記憶モジュール、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、端末装置30に内蔵されているものに限定されず、USBなどのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶モジュールを含んでもよい。
【0057】
入力部33は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。当該入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、出力部34のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラなどの撮像モジュール、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0058】
出力部34は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。当該出力インタフェースは、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音で出力するスピーカ、及び情報を振動で出力するバイブレータなどを含む。
【0059】
制御部35は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部35は、端末装置30を構成する各構成部と通信可能に接続され、端末装置30全体の動作を制御する。
【0060】
図5は、図1の情報処理システム1により実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。図5を参照しながら、図1の情報処理システム1が実行する情報処理方法の一例について主に説明する。
【0061】
ステップS101では、測定器20の制御部25は、測定対象に対して測定処理を実行することで測定データファイルを生成する。
【0062】
ステップS102では、測定器20の制御部25は、ステップS101において生成された測定データファイルを測定器20の記憶部22に格納する。
【0063】
ステップS103では、測定器20の制御部25は、ステップS101において生成された測定データファイルに関連付けられるメタデータを生成する。このとき、制御部25は、生成されたメタデータを、測定データファイルに関連付けた状態で測定データファイルと共に記憶部22に格納してもよい。
【0064】
例えば、制御部25は、測定器20の製造時に情報として予め記憶部22に格納された測定器20のシリアル番号を、記憶部22を参照することで取得する。例えば、制御部25は、測定器20をローカルネットワークに最初に接続したときに設定され、情報として予め記憶部22に格納された測定器20のホスト名を、記憶部22を参照することで取得する。
【0065】
例えば、制御部25は、測定器20において測定データファイルが生成されるたびに、測定データファイルに関連付けて記憶部22に同様に格納された測定データファイルのファイルパスを、記憶部22を参照することで取得する。例えば、制御部25は、測定器20のユーザにより入力部23を用いて入力され、測定データファイルに関連付けて記憶部22に同様に格納された測定情報を、記憶部22を参照することで取得する。
【0066】
制御部25は、上述したとおり、記憶部22及び入力部23に基づいて必要な情報を取得することで、ステップS101において生成された測定データファイルに関連付けられるメタデータを生成する。
【0067】
ステップS104では、測定器20の制御部25は、ステップS103において生成されたメタデータを情報処理装置10に提供する。例えば、制御部25は、ステップS103において生成されたメタデータを、測定器20の通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、ステップS103において測定器20により生成されたメタデータを、ネットワーク40及び通信部11を介して測定器20から受信する。
【0068】
ステップS104におけるメタデータの提供処理は、ステップS101において測定データファイルが1つ生成されるたびに実行されてもよいし、複数の測定データファイルに対して定期的に又は非定期的にまとめて実行されてもよい。以上により、情報処理装置10の制御部13は、測定器20において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを測定器20から取得する。
【0069】
ステップS105では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104において取得されたメタデータを、測定器20に記憶されている所定の測定データファイルの検索に用いられるデータベースに格納する。例えば、制御部13は、ステップS104において取得されたメタデータを、記憶部12に格納する。
【0070】
ステップS106では、情報処理装置10の制御部13は、端末装置30の入力部33を用いたユーザの入力操作に基づいて、メタデータの検索要求を取得する。例えば、ユーザは、端末装置30の入力部33を操作しながら情報処理装置10にアクセスし、メタデータに含まれる情報に関連する検索キーワードを入力する。
【0071】
ステップS107では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS106において取得された検索要求に従って、記憶部12に記憶されているメタデータを検索する。例えば、制御部13は、ユーザが端末装置30を用いて入力した検索キーワードに基づいてデータベース上のメタデータを検索する。
【0072】
ステップS108では、情報処理装置10の制御部13は、メタデータに含まれる識別情報を、ステップS107における検索処理の検索結果として端末装置30に表示させる。このとき、情報処理装置10の制御部13は、識別情報に関連付けられている測定情報も、ステップS107における検索処理の検索結果として識別情報に加えて端末装置30に表示させてもよい。端末装置30の制御部35は、情報処理装置10による検索処理の検索結果として、メタデータに含まれる識別情報などを出力部34のディスプレイなどに表示させる。
【0073】
以上のとおり、情報処理システム1では、測定器20は、それ自体で生成した測定データファイルを測定器20の記憶部22に格納する。一方で、測定器20と通信可能に接続されている情報処理装置10は、測定器20から送信されたメタデータを管理する。情報処理装置10は、測定器20を識別する一意な識別子と測定データファイルを保存した測定器20におけるファイルパスとに基づいて、測定データファイルを一意に識別する。情報処理装置10は、当該測定データファイルに付随する情報として測定情報を合わせて管理することで、測定情報を検索キーワードとして使用可能にする。
【0074】
ユーザは、自身が使用する端末装置30を用いて情報処理装置10にアクセスし、端末装置30の入力部33により検索キーワードを入力して、メタデータを介し目的の測定データファイルを検索する。情報処理装置10は、ユーザにより入力された検索条件に一致する測定器20の識別情報を、端末装置30の出力部34に検索結果として表示させる。ユーザは、端末装置30の出力部34に表示された識別情報に基づいて、所定の測定器20に所定のファイルパスで記憶されている測定データファイルにアクセス可能となる。
【0075】
図6は、図1の情報処理装置10による処理の一例を説明するための図である。図6は、図5のステップS105において情報処理装置10の記憶部12に格納されたデータベース上のメタデータの一例を示す。
【0076】
図6に示されるように、メタデータでは、測定器20において生成された測定データファイルごとに情報が関連付けられている。図6に記載の「測定データファイル」は、メタデータが関連付けられている測定データファイルを概念的に単に示しているだけであり、測定データファイルのデータ内容自体がメタデータに含まれることを意味するものではない。メタデータは、あくまでも識別子及びファイルパスを含む識別情報、並びに測定情報に基づいて構成される。
【0077】
例えば、メタデータでは、測定データファイルの各々に対して、対応する測定器20の識別子が情報として関連付けられている。メタデータでは、測定データファイルの各々に対して、測定器20における測定データファイルの対応するファイルパスが情報として関連付けられている。以上のように、メタデータでは、測定データファイルの各々に対して、対応する識別情報が関連付けられている。加えて、メタデータでは、測定データファイルの各々に対して、対応する測定情報が関連付けられている。
【0078】
以上のような一実施形態によれば、データ通信に起因する負荷を軽減することが可能である。例えば、情報処理装置10は、測定器20において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを測定器20から取得し、所定の測定データファイルの検索に用いられるデータベースにメタデータを格納する。これにより、情報処理装置10は、測定データファイルを直接管理することなく、測定データファイルのメタデータのみを処理することが可能である。したがって、測定器20は、測定データファイルそのものを情報処理装置10に送信する必要がない。結果として、仮に測定データファイルのファイルサイズが大きい場合であっても、測定データファイルと比較してデータ容量が小さいメタデータのみが送信されることで、情報処理システム1において、情報処理装置10及びネットワーク40への負荷が軽減される。
【0079】
情報処理装置10は、ユーザが端末装置30を用いて入力した検索キーワードに基づいてデータベース上のメタデータを検索する。これにより、ユーザは、端末装置30を用いて情報処理装置10にアクセスし、メタデータを介して目的の測定データファイルを効率的に検索することができる。情報処理システム1では、測定器20がメタデータを生成して情報処理装置10に送信し、端末装置30がバイナリファイルとしての測定データファイルに対する検索キーワードを情報処理装置10に提供する。これにより、情報処理システム1は、ネットワーク40及び情報処理装置10に大きな負荷をかけることなく、測定データファイルを効率的に検索することを可能にする。
【0080】
情報処理装置10は、メタデータに含まれる識別情報を検索結果として端末装置30に表示させる。これにより、ユーザは、検索結果として端末装置30により表示された識別情報を確認して、当該識別情報に基づき測定データファイルに容易にアクセス可能となる。
【0081】
識別情報は、測定器20の識別子及び測定器20における測定データファイルのファイルパスを含む。これにより、ユーザは、検索結果として端末装置30により表示された識別情報を確認して、測定器20の識別子及び測定器20における測定データファイルのファイルパスに基づき測定データファイルに容易にアクセス可能となる。
【0082】
メタデータは、識別情報に加えて、測定対象に対する測定器20による測定処理に関連した測定情報をさらに含む。これにより、ユーザは、測定情報を検索キーワードとして端末装置30に入力することで、当該検索キーワードに関連付けられている識別情報を情報処理装置10におけるデータベースから容易に抽出可能である。したがって、ユーザは、測定器20に記憶されている所定の測定データファイルを、情報処理装置10に記憶されているメタデータを介して当該検索キーワードから容易に検索可能である。
【0083】
測定器20は、測定データファイルを記憶部22に格納する。これにより、測定データファイルは、情報処理装置10ではなく、測定器20で管理される。したがって、測定器20は、測定データファイルそのものを情報処理装置10に送信する必要がない。結果として、仮に測定データファイルのファイルサイズが大きい場合であっても、情報処理システム1において、情報処理装置10及びネットワーク40への負荷が軽減される。
【0084】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0085】
例えば、スマートフォン又はコンピュータなどの汎用の電子機器を、上述した一実施形態に係る情報処理装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、一実施形態に係る情報処理装置10などの各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサにより当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0086】
又は、本開示は、一実施形態に係る情報処理装置10などに各機能を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能なプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0087】
例えば、上述した一実施形態で情報処理装置10において実行される少なくとも一部の処理動作が測定器20又は端末装置30において実行されてもよい。測定器20又は端末装置30において実行される少なくとも一部の処理動作が情報処理装置10において実行されてもよい。
【0088】
上記実施形態では、情報処理装置10は、ユーザが端末装置30を用いて入力した検索キーワードに基づいてデータベース上のメタデータを検索すると説明したが、これに限定されない。情報処理システム1において用いられる検索方法は、任意の他の方法を含んでもよい。
【0089】
上記実施形態では、測定情報が検索キーワードとして使用されると説明したが、これに限定されない。図5のステップS107におけるメタデータの検索にあたり、測定器20の識別子及び測定器20における測定データファイルのファイルパスの少なくとも一方が検索キーワードとして使用されてもよい。
【0090】
上記実施形態では、情報処理装置10は、メタデータに含まれる識別情報を検索結果として端末装置30に表示させると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、任意の他の表示方法で検索結果を端末装置30に表示させてもよい。例えば、情報処理装置10は、識別情報に加えて、測定情報も検索結果として端末装置30に表示させてもよい。
【0091】
上記実施形態では、情報処理装置10は、端末装置30の出力部34を用いた視覚的な方法で検索結果を出力させると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、視覚的な方法以外の任意の他の方法で検索結果を端末装置30の出力部34から出力させてもよい。例えば、情報処理装置10は、端末装置30の出力部34を用いた聴覚的な方法で検索結果を出力させてもよい。
【0092】
上記実施形態では、識別情報は、測定器20の識別子及び測定器20における測定データファイルのファイルパスを含むと説明したが、これに限定されない。識別情報は、測定器20に記憶されている測定データファイルを特定可能な任意の他の情報を含んでもよい。
【0093】
上記実施形態では、メタデータは、識別情報に加えて、測定対象に対する測定器20による測定処理に関連した測定情報をさらに含むと説明したが、これに限定されない。メタデータは、検索キーワードとして使用可能な任意の他の情報を含んでもよい。
【0094】
上記実施形態では、情報処理システム1は、情報処理装置10、測定器20、及び端末装置30を含むと説明したが、これに限定されない。情報処理システム1は、端末装置30を含まずに、情報処理装置10と、測定対象に対して測定処理を実行することで測定データファイルを生成する測定器20とのみを有してもよい。
【0095】
上記実施形態では、測定器20は、測定データファイルを測定器20の記憶部22に格納すると説明したが、これに限定されない。測定器20は、測定器20の記憶部22に加えて、又は代えて測定器20とは異なる任意の他のストレージに測定データファイルを格納してもよい。
【0096】
上記実施形態では、情報処理システム1における検索対象として測定データファイルが例示されているが、検索対象はこれに限定されない。情報処理システム1は、任意の他のバイナリファイルに対しても同様にファイル検索を効率化することが可能である。
【0097】
情報処理システム1は、ネットワーク構成に依存しない。したがって、情報処理システム1において、例えば、情報処理装置10が提供するサーバ機能をクラウド上に実装することも可能である。これにより、遠隔地に設置された測定器20内の測定データファイルをユーザが使用する端末装置30から検索することも可能となる。
【0098】
上記実施形態では、測定器20は、例えば、波形測定器及び光測定器などを含むと説明したが、これに限定されない。測定器20は、フィールド機器を含んでもよい。このとき、測定器20が配置されているネットワークは、プラント設備を含んでもよい。
【0099】
本開示において、「プラント設備」は、例えば化学などの工業プラントの他、ガス田及び油田などを含む井戸元、並びにその周辺を管理制御するプラントを含む。その他にも、プラント設備は、水力、火力、及び原子力などの発電を管理制御するプラント、太陽光及び風力などの環境発電を管理制御するプラント、並びに上下水及びダムなどを管理制御するプラントなどを含んでもよい。
【0100】
このとき、物理量は、フィールド機器としての測定器20が配置されているプラント設備において発生した気体及び液体などを含む流体の温度、圧力、流量、及びPH、並びにプラント設備の腐食度及び振動量などを含んでもよい。これに限定されず、物理量は、バルブ、モータ、及びリレーなどを含むアクチュエータに関連する、温度及び圧力などを含む状態パラメータを含んでもよい。
【0101】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
測定器と通信可能に接続されている情報処理装置であって、
制御部を備え、前記制御部は、
前記測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを前記測定器から取得し、
前記測定器に記憶されている所定の前記測定データファイルの検索に用いられるデータベースに前記メタデータを格納する、
情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、ユーザが端末装置を用いて入力した検索キーワードに基づいて前記データベース上の前記メタデータを検索する、
情報処理装置。
[付記3]
付記2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記メタデータに含まれる識別情報を検索結果として前記端末装置に表示させる、
情報処理装置。
[付記4]
付記3に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報は、前記測定器の識別子及び前記測定器における前記測定データファイルのファイルパスを含む、
情報処理装置。
[付記5]
付記3又は4に記載の情報処理装置であって、
前記メタデータは、前記識別情報に加えて、測定対象に対する前記測定器による測定処理に関連した測定情報をさらに含む、
情報処理装置。
[付記6]
付記1乃至5のいずれか1つに記載の情報処理装置と、
測定対象に対して測定処理を実行することで前記測定データファイルを生成する前記測定器と、
を備える、
情報処理システム。
[付記7]
測定器と通信可能に接続されている情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを前記測定器から取得することと、
前記測定器に記憶されている所定の前記測定データファイルの検索に用いられるデータベースに前記メタデータを格納することと、
を含む、
情報処理方法。
[付記8]
測定器と通信可能に接続されている情報処理装置に、
前記測定器において取得された測定データファイルに関連付けられるメタデータを前記測定器から取得することと、
前記測定器に記憶されている所定の前記測定データファイルの検索に用いられるデータベースに前記メタデータを格納することと、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
[付記9]
情報処理装置と通信可能に接続されている測定器であって、
制御部を備え、前記制御部は、
測定対象に対して測定処理を実行することで測定データファイルを生成し、
前記測定データファイルに関連付けられるメタデータを生成し、
前記メタデータを前記情報処理装置に提供する、
測定器。
[付記10]
付記9に記載の測定器であって、
記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記測定データファイルを前記記憶部に格納する、
測定器。
【符号の説明】
【0102】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 測定器
21 通信部
22 記憶部
23 入力部
24 出力部
25 制御部
30 端末装置
31 通信部
32 記憶部
33 入力部
34 出力部
35 制御部
40 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6