(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021375
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】逆水性ガスシフト反応触媒の調製方法およびその用途
(51)【国際特許分類】
B01J 23/63 20060101AFI20250205BHJP
B01J 37/34 20060101ALI20250205BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20250205BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20250205BHJP
B01J 37/04 20060101ALI20250205BHJP
C01B 32/40 20170101ALI20250205BHJP
C01B 5/00 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
B01J23/63 M
B01J37/34
B01J37/08
B01J37/02 101D
B01J37/04 102
C01B32/40
C01B5/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023146593
(22)【出願日】2023-09-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】202310947783.3
(32)【優先日】2023-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515190906
【氏名又は名称】南京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】付▲へ▼雲
(72)【発明者】
【氏名】楊嵐清
(72)【発明者】
【氏名】鄭寿栄
(72)【発明者】
【氏名】鮑世東
(72)【発明者】
【氏名】唐佳情
【テーマコード(参考)】
4G146
4G169
【Fターム(参考)】
4G146JA01
4G146JB04
4G146JB10
4G146JC02
4G146JC18
4G146JC20
4G146JC22
4G146JC26
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA02A
4G169BA02B
4G169BA02C
4G169BB02B
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BB08C
4G169BB12C
4G169BC42A
4G169BC42B
4G169BC42C
4G169BC70A
4G169BC70B
4G169BC70C
4G169BD12C
4G169CB81
4G169DA06
4G169FA01
4G169FA02
4G169FB06
4G169FB14
4G169FB19
4G169FB30
4G169FB57
4G169FB58
4G169FC02
4G169FC06
4G169FC07
4G169FC08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高いCO
2変換率、選択性および安定性などの要件を同時に達成する逆水ガスシフト反応触媒を提供する。
【解決手段】La(NO
3)
3・6H
2Oを脱イオン水に溶解した後、SBA-15を加え、脱イオン水とSBA-15の質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液Aを得て密閉し、攪拌および乾燥処理して乾燥後の材料Aを得て、乾燥後の材料Aをマッフル炉で550℃で6h焙焼し、La
y/SBA-15を得、1mg/gのRuCl
3・3H
2O溶液を脱イオン水に分散させた後、La
y/SBA-15を加え、超音波分散して混合溶液Bを得て密閉し、攪拌および乾燥処理して、乾燥後の材料Bを得て、乾燥後の材料Bをマッフル炉で550℃で6h焙焼した後、H
2雰囲気下で600℃で2h還元し、逆水ガスシフト反応触媒Ru
2La
y/SBA-15(y=5、10、15)を得ること、を含む逆水ガスシフト反応触媒の調製方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1、La(NO3)3・6H2Oを脱イオン水に溶解した後、SBA-15を加え、脱イ
オン水とSBA-15の質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液Aを得るステ
ップと、
S2、混合溶液Aを密閉し、攪拌および乾燥処理して乾燥後の材料Aを得るステップと、
S3、乾燥後の材料Aをマッフル炉で550℃で6h焙焼し、Lay/SBA-15を得
、ここで、yの値は5、10、15であり、y=5のとき、La(NO3)3・6H2Oと
SBA-15の質量比は0.124:1であり、y=10のとき、La(NO3)3・6H
2OとSBA-15の質量比は0.246:1であり、y=15のとき、La(NO3)3
・6H2OとSBA-15の質量比は0.372:1であるステップと、
S4、1mg/gのRuCl3・3H2O溶液を脱イオン水に分散させた後、Lay/S
BA-15を加え、超音波分散して混合溶液Bを得、ここで、RuCl3・3H2O溶液
とLay/SBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比
は50:1であるステップと、
S5、混合溶液Bを密閉し、攪拌および乾燥処理して、乾燥後の材料Bを得るステップと
、
S6、乾燥後の材料Bをマッフル炉で550℃で6h焙焼した後、H2雰囲気下で600
℃で2h還元し、逆水ガスシフト反応触媒Ru2Lay/SBA-15を得、ここで、y
の値は5、10、15であるステップと、を含むことを特徴とする逆水ガスシフト反応触
媒の調製方法。
【請求項2】
前記ステップS3およびステップS6において、前記マッフル炉内の温度を、5℃/mi
nの昇温速度で25℃から500℃まで昇温させる、ことを特徴とする請求項1に記載の
調製方法。
【請求項3】
前記密閉攪拌および乾燥処理の方法は、混合溶液Aまたは混合溶液Bを3h密閉攪拌し、
密閉を解除し、80℃水浴の条件下で脱イオン水が全て揮発するまで連続的に攪拌し、乾
燥後の材料を得た後、乾燥後の材料をオーブンに入れて80℃で12h乾燥し、乾燥後の
材料Aまたは材料Bを得ることである、ことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項4】
前記SBA-15は磁性SBA-15であり、混合溶液Aまたは混合溶液Bを密閉環境に
置き、密閉攪拌期間で、混合溶液Aまたは混合溶液Bに磁場強度0.5~1.5Tの磁場
を印可する、ことを特徴とする請求項3に記載の調製方法。
【請求項5】
請求項1に記載の調製方法により調製された逆水ガスシフト反応触媒の用途であって、前
記逆水ガスシフト反応触媒を用いてCO2水素化反応を熱触媒してCOを製造し、反応前
に逆水ガスシフト反応触媒をH2雰囲気下で1h還元し、ここで、H2の流量は30mL
/minであり、温度は600℃である、ことを特徴とする用途。
【請求項6】
前記逆水ガスシフト反応触媒を用いてCO2水素化反応を熱触媒してCOを製造する方法
は、固定床反応器に50mgの前記逆水ガスシフト反応触媒を加えた後、CO2、H2と
N2を流量比1:4:1で混合し、固定床反応器に通気して連続的に反応させ、ここで、
混合ガスの空気流速は43200mL h-1 g-1であり、反応温度は300℃~60
0℃であり、5℃/minの昇温速度で25℃から300℃~600℃まで昇温させるこ
とである、ことを特徴とする請求項5に記載の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒の技術分野に関し、具体的に逆水ガスシフト反応触媒の調製方法およびそ
の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
CO2触媒水素化反応に用いられる活性貴金属としてはPt、Pd、Rh、Ruなどが挙
げられ、Ruは最も経済的な貴金属であり、RuはPtに近い触媒活性を有する。しかし
、Ru粒子の大きさは、二酸化炭素触媒水素化生成物の選択性に影響し、大きなRuナノ
粒子はCH4の生成に有利で、Ru単原子またはナノクラスターはCOの生成に有利であ
る。したがって、Ru粒子のサイズを調整することにより二酸化炭素触媒水素化反応によ
るCOの選択性を向上させることができる。さらに、正の原子価を持つRuは反応中のC
O脱離を促進し、CH4を生成する水素化の連続反応を抑制し、COの選択性の向上に寄
与する。
しかし、単一のRu系触媒で高いCO2変換率、選択性および安定性などの要件を同時に
達成することは実用上困難な場合が多い。Ruと相乗的に作用する別の金属を導入してバ
イメタル触媒を構築することは、上記の要件を達成するための有効な方法である。
【発明の概要】
【0003】
上記の技術的解決策を解決するために、本発明は、逆水ガスシフト反応触媒の調製方法お
よびその用途を提供する。
本発明の技術的解決策として、逆水ガスシフト反応触媒の調製方法は、
S1、La(NO3)3・6H2Oを脱イオン水に溶解した後、SBA-15を加え、脱イ
オン水とSBA-15の質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液Aを得るステ
ップと、
S2、混合溶液Aを密閉し、攪拌および乾燥処理して乾燥後の材料Aを得るステップと、
S3、乾燥後の材料Aをマッフル炉で550℃で6h焙焼し、Lay/SBA-15を得
、ここで、yの値は5、10、15であり、y=5のとき、La(NO3)3・6H2Oと
SBA-15の質量比は0.124:1であり、y=10のとき、La(NO3)3・6H
2OとSBA-15の質量比は0.246:1であり、y=15のとき、La(NO3)3
・6H2OとSBA-15の質量比は0.372:1であるステップと、
S4、1mg/gのRuCl3・3H2O溶液を脱イオン水に分散させた後、Lay/S
BA-15を加え、超音波分散して混合溶液Bを得、ここで、RuCl3・3H2O溶液
とLay/SBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比
は50:1であるステップと、
S5、混合溶液Bを密閉し、攪拌および乾燥処理して、乾燥後の材料Bを得るステップと
、
S6、乾燥後の材料Bをマッフル炉で550℃で6h焙焼した後、H2雰囲気下で600
℃で2h還元し、逆水ガスシフト反応触媒Ru2Lay/SBA-15を得、ここで、y
の値は5、10、15であるステップと、を含む。
説明:Laを担持した後にRuを担持する段階含浸法を採用して逆水ガスシフト反応触媒
を調製することにより、Ruを担持した後にLaを担持する段階含浸法に比べて、本調製
方法は、RuとLaを効果的かつ十分に相互作用させ、触媒の触媒活性を向上させること
ができる。
本発明の一側面によれば、前記ステップS3およびステップS6において、前記マッフル
炉内の温度を、5℃/minの昇温速度で25℃から500℃まで昇温させる。
説明:上記条件下での十分な焙焼により、金属前駆体が空気と十分に反応して金属酸化物
を生成することが保証される。
本発明の一側面によれば、前記密閉攪拌および乾燥処理の方法は、混合溶液Aまたは混合
溶液Bを3h密閉攪拌し、密閉を解除し、80℃水浴の条件下で脱イオン水が全て揮発す
るまで連続的に攪拌し、乾燥後の材料を得た後、乾燥後の材料をオーブンに入れて80℃
で12h乾燥し、乾燥後の材料Aまたは材料Bを得ることである。
説明:上記条件下で混合溶液Aまたは混合溶液Bを密閉攪拌および乾燥処理することによ
り、RuまたはLaをSBA-15に効果的に担持させ、Ruを担持した後にRuを担持
する段階的含浸により、逆水ガスシフト反応触媒の触媒活性を効果的に向上させることが
できる。
本発明の一側面によれば、前記SBA-15は磁性SBA-15であり、混合溶液Aまた
は混合溶液Bを密閉環境に置き、密閉攪拌期間で、混合溶液Aまたは混合溶液Bに磁場強
度0.5~1.5Tの磁場を印可し、
前記磁場は、40~60°の円弧長を有し、密閉攪拌ビンの円の中心を中心対称に分布す
る円弧状電磁石を使用して20~40s/回の発振周波数を通じて印可される磁場であり
、前記円弧状電磁石の磁場強度は0.5~1.5Tである。
説明:上記条件下で磁性SBA-15を担体として使用し、磁場の作用と併用することに
より、RuまたはLaをSBA-15により均一に担持させ、RuとLaが効果的かつ十
分に相互作用し、逆水ガスシフト反応触媒の触媒活性を効果的に向上させることができる
。
本発明の別の側面によれば、本発明は、逆水ガスシフト反応触媒の用途をさらに提供し、
前記逆水ガスシフト反応触媒を用いてCO2水素化反応を熱触媒してCOを製造し、反応
前に逆水ガスシフト反応触媒をH2雰囲気下で1h還元し、ここで、H2の流量は30m
L/minであり、温度は600℃である。
説明:上記条件を採用し、反応前に逆水ガスシフト反応触媒をH2雰囲気下で還元するこ
とにより、逆水ガスシフト反応触媒を効果的に活性化することができる。
本発明の別の側面によれば、前記逆水ガスシフト反応触媒を用いてCO2水素化反応を熱
触媒してCOを製造する方法は、固定床反応器に50mgの前記逆水ガスシフト反応触媒
を加えた後、CO2、H2とN2を流量比1:4:1で混合し、固定床反応器に通気して
連続的に反応させ、ここで、混合ガスの空気流速は43200mL h-1 g-1であり
、反応温度は300℃~600℃であり、5℃/minの昇温速度で25℃から300℃
~600℃まで昇温させることである。
説明:上記条件を採用し、CO2水素化反応を熱触媒してCOを製造することにより、調
製した逆水ガスシフト反応触媒を用いてCO2をCOに効果的に変換でき、CO2変換率
の向上、コストの削減が可能であり、経済的利益の向上に寄与する。
本発明は以下の有益な効果を有する。
(1)本発明は、ルテニウム-ランタンバイメタル触媒の逆水ガスシフト反応触媒調製方
法を提供し、段階含浸法によりLaとRuをSBA-15の表面に効果的に導入し、高温
焼成および段階昇温還元のステップにより担持型ルテニウム-ランタンバイメタル触媒を
調製し、Laは希土類元素であり、金属担体間の相互作用を調整するための触媒補助剤と
して使用され、活性金属の分散および価数に影響を与え、高温下での活性金属のシンタリ
ングを抑制することができ、本発明の担持型ルテニウム-ランタンバイメタル触媒は、R
uとLaの相乗効果によりRuの深刻な凝集現象を抑制することができる。
(2)本発明は、逆水ガスシフト反応触媒の用途を提供し、本発明で調製したルテニウム
-ランタンバイメタル触媒を用いたCO2水素化反応の熱触媒により、高い反応活性およ
び100%のCO選択性を両立でき、安定性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15とLa
10/SBA-15、および段階含浸法によって調製されたRu
2La
5/SBA-15、Ru
2La
10/SBA-15、Ru
2La
15/SBA-15およびseq-Ru
2La
10/SBA-15のXRD図である。
【
図2】含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15(a)、および段階含浸法によって調製されたRu
2La
10/SBA-15(b)のTEM図である。
【
図3】含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15、および段階含浸法によって調製されたRu
2La
5/SBA-15、Ru
2La
10/SBA-15、Ru
2La
15/SBA-15のXPS図である。
【
図4】含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15とLa
10/SBA-15、および段階含浸法によって調製されたRu
2La
10/SBA-15およびseq-Ru
2La
10/SBA-15の活性比較図(a)および選択性比較図(b)である。
【
図5】段階含浸法によって調製されたRu
2La
10/SBA-15触媒の安定性測定図である。
【
図6】段階含浸法によって調製されたRu
2La
5/SBA-15、Ru
2La
1
0/SBA-15、Ru
2La
15/SBA-15の活性比較図(a)および選択性比較図(b)である。
【
図7】本発明の密閉攪拌ビンの外部構造を示す概略図である。
【
図8】本発明の密閉攪拌ビンの内部構造を示す概略図である。
【
図9】本発明の環状フレームの概略構造を示す上面図である。
【
図10】本発明の環状フレームの概略構造を示す底面図である。
【
図11】本発明の円弧状電磁石の構造を示す概略図である。
【
図12】本発明のネジロッド、第1エアバッグロッド、攪拌ブレードの組立構造を示す概略図である。
【
図13】本発明の注水ビンの構造を示す概略図である。
【0005】
[符号の説明]
1 密閉攪拌ビン
11 密閉カバー
2 円弧状電磁石
21 傾斜ガイド溝
3 モータ
4 攪拌ロッド
5 環状フレーム
51 ガイドブロック
52 支持板
6 伸縮ロッド
7 第1エアバッグロッド
8 ネジロッド
81 攪拌ブレード
9 第2エアバッグロッド
10 注水ビン
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の利点をよりよく反映するために、具体的な実施形態を参照して本発明をよ
り詳細に説明する。
実施例1
逆水ガスシフト反応触媒は、Ru
2La
10/SBA-15であり、
上記逆水ガスシフト反応触媒Ru
2La
10/SBA-15の調製方法は、
S1、La(NO
3)
3・6H
2Oを脱イオン水に溶解した後、SBA-15を加え、超音
波分散して混合溶液Aを得、ここで、La(NO
3)
3・6H
2OとSBA-15の質量比
は0.246:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比は50:1であるステップ
と、
S2、混合溶液Aを3h密閉攪拌し、密閉を解除して80℃の水浴条件下で、脱イオン水
がすべて揮発するまで連続的に攪拌し、乾燥後の材料を得た後、乾燥後の材料をオーブン
に入れて80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料Aを得るステップと、
S3、乾燥後の材料Aをマッフル炉で550℃で6h焙焼し、La
10/SBA-15を
得、ここで、マッフル炉内の温度を5℃/minの昇温速度で25℃から550℃に昇温
させるステップと、
S4、1mg/gのRuCl
3・3H
2O溶液を脱イオン水に分散させた後、La
10/
SBA-15を加え、超音波分散して混合溶液Bを得、ここで、RuCl
3・3H
2O溶
液とLa
10/SBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の質
量比は50:1であるステップと、
S5、混合溶液Bを3h密閉攪拌し、密閉を解除して80℃の水浴条件下で、脱イオンが
水がすべて揮発するまで連続的に攪拌し、乾燥後の材料を得た後、乾燥後の材料をオーブ
ンに入れ80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料Bを得るステップと、
S6、乾燥後の材料Bをマッフル炉で550℃で6h焙焼した後、30℃に冷却し、H
2
雰囲気下で、マッフル炉内の温度を5℃/minの昇温速度で30℃から600℃まで加
熱し、600℃で2h還元して、逆水ガスシフト反応触媒Ru
2La
10/SBA-15
を得るステップと、を含む。
上記実施例1の段階含浸法によって調製されたRu
2La
10/SBA-15に対して関
連実験測定を実施し、以下の比較例を実施し:
1)比較例1:本比較例は、含浸法によってRu
2/SBA-15を調製する過程を記載
し、
1mg/gのRuCl
3・3H
2O溶液とSBA-15を脱イオン水に加え、RuCl
3
・3H
2O溶液とSBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の
質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液を得、混合溶液を3h密閉攪拌した後
、密閉を解除して80℃の水浴条件下で、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪
拌し、オーブンに入れ80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料を得、乾燥後の材料をマッフ
ル炉に移し、550℃で6h焙焼し、最後に、H
2雰囲気下で、マッフル炉内の温度を5
℃/minの昇温速度で30℃から600℃まで加熱し、600℃で2h還元し、ここで
、マッフル炉内の温度を5℃/minの昇温速度で25℃から550℃まで昇温させる。
2)比較例2:本比較例は、含浸法によってLa
10/SBA-15を調製する過程を記
載し、
La(NO
3)
3・6H
2OとSBA-15を脱イオン水に加え、La(NO
3)
3・6H
2
OとSBA-15の質量比は0.246:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比
は50:1であり、超音波分散して混合溶液を得、混合溶液を3h密閉攪拌した後、密閉
を解除し80℃の水浴条件下で、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪拌し、オ
ーブンに入れ80℃で12h乾燥して、乾燥後の材料を得、乾燥後の材料をマッフル炉で
550℃で6h焙焼し、最後に、H
2雰囲気下で、マッフル炉内の温度を5℃/minの
昇温速度で30℃から600℃まで加熱し、600℃で2h還元し、ここで、マッフル炉
内の温度を5℃/minの昇温速度で25℃から550℃まで昇温させる。
3)比較例3:本比較例は、段階含浸法によってseq-Ru
2La
10/SBA-15
を調製する過程を記載し、
1mg/gのRuCl
3・3H
2O溶液とSBA-15を脱イオン水に加え、RuCl
3
・3H
2O溶液とSBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の
質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液を得、混合溶液を3h密閉攪拌した後
、密閉を解除し80℃の水浴条件下で、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪拌
し、オーブンに入れ80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料を得、乾燥後の材料をマッフル
炉に移し、550℃で6h焙焼し、Ru
2/SBA-15を得、
La(NO
3)
3・6H
2OとRu
2/SBA-15を脱イオン水に加え、La(NO
3)
3
・6H
2OとSBA-15の質量比は0.246:1であり、脱イオン水とSBA-15
の質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液を得、混合溶液を3h密閉攪拌した
後、密閉を解除し80℃の水浴条件下で、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪
拌し、オーブンに入れ80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料を得、乾燥後の材料をマッフ
ル炉で550℃で6h焙焼し、最後に、H
2雰囲気下で、マッフル炉内の温度を5℃/m
inの昇温速度で30℃から600℃まで加熱し、600℃で2h還元し、ここで、マッ
フル炉内の温度を5℃/minの昇温速度で25℃から550℃まで昇温させることによ
り、逆水ガスシフト反応触媒seq-Ru
2La
10/SBA-15を得ることができる
。
含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15、La
10/SBA-15、段階含浸法
によって調製されたRu
2La
10/SBA-15およびseq-Ru
2La
10/SB
A-15のXRD図は
図1に示される。23°付近に現れたブロードピークはアモルファ
スシリカに由来する。Ru
2/SBA-15およびRu
2La
10/SBA-15につい
て、38.4、42.2、44.0および58.3°に現れた特徴ピークはRuに由来し
、Ru
2/SBA-15の信号が強く、これは、逆水ガスシフト反応触媒中のRuが高い
結晶性を有し、ナノ粒子が大きいことを示し、後者のピーク強度が顕著に弱くなり、これ
は、Laの添加によりRuを分散させ凝集を抑制することに寄与する。seq-Ru
2L
a
10/SBA-15、Ruの回折信号がさらに弱くなり、段階含浸ときの「Ru」、「
La」の順序に関連し、後に含浸したLaがRuのほとんどを覆う。La
10/SBA-
15について、Laに関連するピークの存在は明確に観察されず、これは、LaがSBA
-15に高度に分散していることを示す。
含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15、および段階含浸法によって調製された
Ru
2La
10/SBA-15のTEM図は
図2に示される。Ru
2/SBA-15の表
面に、多数のRuナノ粒子が堆積して形成された100nmを超える凝集構造が見られ、
これは、高温処理後、RuがSBA-15の表面に深刻な移動および凝集を起こしている
ことを示す。Ru
2La
10/SBA-15では、同様の構造は明瞭に観察されず、形成
されたナノ粒子はSBA-15の表面に比較的均一なサイズで分散しており、これは、L
aの添加によりRuの凝集を適切に抑制する作用があることを示す。
含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15、および段階含浸法によって調製された
Ru
2La
10/SBA-15のRu 3p領域のXPS図およびRu価数の相対的含有
量の表はそれぞれ
図3および以下の表1に示される。
図3中の461および483Vのピ
ークはゼロ原子価のRuに属し、463および485eVのピークは正電荷のRu(n+
、0<n<2)に属し、ピークの面積は異なる価数Ruの相対的含有量を象徴している。
図3から分かるように、Ru
2/SBA-15に比べて、Ru
2La
10/SBA-15
はより多くのRu
n+種があり、これは、ルテニウム-ランタンバイメタル間でRuから
Laへの電子移動があることを示唆している。Ru
2/SBA-15中のRu
n+種のピ
ークは、一部のRuが空気で酸化されたことに起因する。
表1 Ru価数の相対的含有量の結果
【0007】
実施例2
実施例1で調製した逆水ガスシフト反応触媒の用途により、逆水ガスシフト反応触媒をC
O
2水素化反応を熱触媒してCOを製造することに使用し、反応前に逆水ガスシフト反応
触媒をH
2雰囲気下で1h還元し、ここで、H
2の流量は30mL/minであり、温度
は600℃であり、
ここで、逆水ガスシフト反応触媒によりCO
2水素化反応を熱触媒してCOを製造する方
法は、固定床反応器に50mgの前記逆水ガスシフト反応触媒を加えた後、CO
2、H
2
とN
2を流量比1:4:1で混合し、固定床反応器に通気して連続的に反応させ、ここで
、混合ガスの空気流速は43200mL h
-1 g
-1であり、反応温度は600℃であ
り、5℃/minの昇温速度で25℃から600℃まで昇温させることである。
実施例1および比較例1~3で調製した逆水ガスシフト反応触媒を使用して、実施例2の
CO
2水素化反応を熱触媒してCOを製造し、触媒用量はすべて50mgであり、反応温
度が300℃に達した後、50℃の間隔毎に1h安定化させてデータを記録し、触媒反応
の結果は
図4および以下の表2にしめされ:
表2 各触媒の600℃時のCO
2水素化反応の熱触媒結果
実施例1および比較例2~3を比較すると、Ru
2La
10/SBA-15、La
10/
SBA-15とseq-Ru
2La
10/SBA-15はすべて100%CO選択性を有
する。Laの存在により、COの脱離を促進し、高い選択性をもたらす。Ru
2La
10
/SBA-15は最も高いCO
2変換率を有する。
実施例および比較例1を比較すると、Ru
2/SBA-15の触媒反応活性が高いものの
、COに対する選択性が低く、副生成物の発生を伴うため、需要を満たすことができない
。要約すると、Ru
2La
10/SBA-15は高いCO
2変換率と100%のCO選択
性という2つの大きな要求を同時に満たすことができ、逆水ガスシフト反応により理想的
な触媒であることが検証された。これは、Laの存在により、Ru凝集を抑制して粒子径
の大きなRuナノ粒子を形成することに寄与し、適切な粒子径により露出したRu活性サ
イトはCO
2の活性化にある程度寄与し、高いCO
2変換率の前提下で、100% CO
選択性を達成した。
同時に、実施例1のRu
2La
10/SBA-15触媒の安定性をさらに測定するために
、Ru
2La
10/SBA-15触媒を用いて実施例2のCO
2水素化反応安定性を測定
する。触媒用量は50mgであり、反応温度は600℃であり、反応条件を固定して32
h連続的に反応させ、1hごとにデータを記録した。安定性測定の結果は
図5および以下
の表3に示され:
表3 触媒600℃時のCO
2水素化反応の熱触媒安定性測定の結果
表3の結果から分かるように、Ru
2La
10/SBA-15触媒を32h連続的に反応
させた後、CO
2変換率は約52%で安定しており、CO選択性は100%から98.8
5%にわずかに低下した。Ru
2La
10/SBA-15は高温条件下で良好な安定性を
示し、RuとLa間に相互作用および電子移動があり、活性成分を効果的に安定化させ、
Ruのシンタリングや凝集を抑制することができる。
実施例3
本実施例は以下の点で実施例1と異なり、逆水ガスシフト反応触媒はRu
2La
5/SB
A-15であり、ここで、La(NO
3)
3・6H
2OとSBA-15の質量比は0.12
4:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比は50:1である。
実施例4
本実施例は以下の点で実施例1と異なり、逆水ガスシフト反応触媒はRu
2La
15/S
BA-15であり、ここで、La(NO
3)
3・6H
2OとSBA-15の質量比は0.3
72:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比は50:1である。
上記実施例3、4で調製した逆水ガスシフト反応触媒と実施例1で調製した逆水ガスシフ
ト反応触媒を、実施例2のCO
2水素化を熱触媒してCOを製造する反応に使用し、逆水
ガスシフト反応触媒用量はすべて50mgである。触媒反応の結果は
図6および以下の表
4に示され:
表4 各触媒600℃時のCO
2水素化反応熱触媒結果
以上の表4の結果から分かるように、SBA-15に担持された異なる割合のRu、La
はCO
2水素化反応の変換率にある程度影響を与える。La担持量が増加すると、逆水ガ
スシフト反応触媒によるCO
2変換率が最初に増加し、次に減少するという変化傾向を示
した。実施例1、3および4では、Ru
2La
10/SBA-15は最も高いCO
2触媒
活性を示し、100%CO選択性を有する。
Ru
2La
5/SBA-15、Ru
2La
10/SBA-15およびRu
2La
15/S
BA-15については、
図1のXRD測定結果から分かるように、Laの含有量の増加に
つれて、Ruに関連する回折ピーク強度が徐々に低下し、Laの含有量が高いほど、Ru
の回折ピーク強度が小さくなり、Ruナノ粒子がより分散している。
Ru
2La
5/SBA-15、Ru
2La
10/SBA-15およびRu
2La
15/S
BA-15については、
図1のXRD測定結果および以下の表5から分かるように、La
の添加によりRuの価数の相対的含有量に影響を与え、2つの元素間に電子移動があり、
Laの含有量の増加につれて、Ru
n+の相対的含有量が増加するため、COの脱離を促
進する。
表5 Ru価数の相対的含有量の結果
実施例5
本実施例は以下の点で実施例1と異なり、SBA-15は磁性SBA-15であり、磁性
SBA-15の調製方法は、2gの塩化第一鉄を遮光条件下で48℃の50mL水に攪拌
しながら溶解し、2.7gのP123を加え均一に混合して混合液を得、5.5gのTE
OSと35℃の30mL水を均一に混合して混合液に素早く添加し、次に16h攪拌し、
その後反応生成物をポリテトラフルオロエチレン反応釜に移し、100℃の水で48h加
熱し、その後冷却、濾過および乾燥した後、マッフル炉に入れ550℃で6h焙焼して、
磁性SBA-15を得ることであり、
混合溶液Aまたは混合溶液Bを密閉環境に置き、密閉攪拌期間、混合溶液Aまたは混合溶
液Bに磁場強度1.2Tの磁場を印可する。
実施例6
本実施例は以下の点で実施例4と異なり、混合溶液Aまたは混合溶液Bを密閉攪拌ビン1
に入れ、密閉攪拌期間、密閉攪拌ビン1により混合溶液Aまたは混合溶液Bに磁場を印可
し、2つの円弧長50°で密閉攪拌ビン1の円の中心を中心対称に分布している円弧状電
磁石2を用いて磁場を生成し、円弧状電磁石2を用いて30s/回の発振周波数で磁場を
印可し、円弧状電磁石2の磁場強度は1.2Tであり、発振は具体的には、円弧長50°
を例にすると、2つの円弧状電磁石2の振幅は130°であり、すなわち、2つの円弧状
電磁石2の発振の軌跡と2つの円弧状電磁石2の円弧長は360°に等しい。
上記実施例5、6で調製した逆水ガスシフト反応触媒と実施例1で調製した逆水ガスシフ
ト反応触媒を、実施例2のCO
2水素化を熱触媒してCOを製造する反応に使用し、以下
の比較例を設定し、
1)比較例5:本比較例は、実施例6で調製した磁性SBA-15を用いる点を除いて、
他のステップは実施例1と同じである。
2)比較例6:本比較例は、実施例6で調製した磁性SBA-15を用いて、混合溶液A
または混合溶液Bを密閉攪拌ビン1に入れ、密閉攪拌期間、密閉攪拌ビン1により混合溶
液Aまたは混合溶液Bに環状磁場を印可し、密閉攪拌ビン1の内壁に全周に設けられた環
状電磁石を使用して環状磁場を生成し、環状電磁石の磁場強度は1.2Tである。
3)比較例7:本比較例は、磁性SBA-15を用い、磁性SBA-15の調製方法は、
2gの塩化第一鉄を遮光条件下で48℃の50mL水に攪拌しながら溶解し、2.7gの
P123を加え、均一に混合して混合液を得、5.5gのTEOSと48℃の30mL水
を均一に混合した後、混合液に素早く添加し、その後16h攪拌し、次に反応生成物をポ
リテトラフルオロエチレン反応釜に移し、100℃の水で48h加熱し、その後冷却、濾
過および乾燥後、マッフル炉に入れ550℃で6h焙焼し、磁性SBA-15を得、その
他のステップはすべて実施例6と同じである。
逆水ガスシフト反応触媒用量はすべて50mgである。触媒反応の結果は以下の表6に示
され:
表6 各触媒600℃時のCO
2水素化反応熱触媒結果
以上の表6の結果から分かるように、磁性SBA-15とRu、Laを密閉攪拌および乾
燥処理して調製した逆水ガスシフト反応触媒はCO
2水素化反応の変換率にある程度影響
を与える。そして、実施例1、5、6の比較から分かるように、磁場印可後、CO
2変換
率がある程度上昇し、異なる磁場方式で調製した逆水ガスシフト反応触媒の使用効果が異
なり、磁性SBA-15および実施例6の磁場を使用した場合、逆水ガスシフト反応触媒
によるCO
2変換率が増加するという変化傾向がある。実施例6の磁場を環状磁場に変え
ると、逆水ガスシフト反応触媒によるCO
2変換率が増加するという変化傾向がある。S
BA-15のみを置き換えると、逆水ガスシフト反応触媒によるCO
2変換率が低下する
という変化傾向がある。磁性SBA-15の調製パラメータを変更すると、逆水ガスシフ
ト反応触媒によるCO
2変換率が低下するという変化傾向がある。したがって、実施例6
の逆水ガスシフト反応触媒は最も高いCO
2触媒活性を示し、100% CO選択性を有
する。
【0008】
実施例7
本実施例は、実施例6の密閉攪拌ビン1について説明し、具体的に、
図7~13に示すよ
うに、円弧状電磁石2は密閉攪拌ビン1の内壁に摺動可能に貼り付けられ、2つの円弧状
電磁石2は接続ロッドによって接続され、密閉攪拌ビン1の頂部に密閉カバー11が設け
られ、密閉カバー11にモータ3が埋め込まれ、密閉攪拌ビン1の底部に攪拌ロッド4が
設けられ、モータ3の出力軸は接続ロッド、攪拌ロッド4に固定的に接続され、
密閉攪拌ビン1内に環状フレーム5がさらに設けられ、環状フレーム5の底面は密閉攪拌
ビン1の内底面と複数の伸縮ロッド6および第1エアバッグロッド7を介して接続され、
円弧状電磁石2の側面に傾斜ガイド溝21が設けられ、環状フレーム5の外環面に、傾斜
ガイド溝21に摺動可能に接続されたガイドブロック51が設けられ、
環状フレーム5の内環面に9つの支持板52が設けられ、密閉攪拌ビン1の内底面に9つ
のネジロッド8が設けられ、ネジロッド8は支持板52に設けられたネジ穴にねじ込まれ
、ネジロッド8の上端に第2エアバッグロッド9を介して接続された攪拌ブレード81が
設けられ、第2エアバッグロッド9はパイプを介してネジロッド8を貫通し、第1エアバ
ッグロッド7と連通し、
密閉攪拌ビン1に、混合溶液Aまたは混合溶液Bを水浴加熱するための注水ビン10が設
けられ、密閉攪拌ビン1の上端外壁に、注水ビン10の上端内壁の環状槽に係合された係
合リングが設けられ、注水ビン10内に水温度を制御するための市販の加熱板および市販
の温度センサーが設けられ、密閉攪拌ビン1は熱伝導性材料、具体的には市販の多結晶ダ
イヤモンド(PCD)セラミックからなり、円弧状電磁石2は密閉攪拌ビン1の内壁に適
合する市販品を選択する。
上記攪拌密閉ビン1の使用方法は次のとおりであり:
密閉カバー11を開き、混合溶液Aまたは混合溶液Bを密閉攪拌ビン1に注いだ後密閉カ
バー11を閉じ、モータ3を起動し、モータ3は予め設定された30s/回の発振周波数
、振幅130°で2つの円弧状電磁石2を発振させるように制御し、円弧状電磁石2を起
動して円弧状電磁石2の磁場強度を1.2Tに制御し、モータ3により攪拌ロッド4を一
段攪拌作用を発揮させるように駆動し、
円弧状電磁石2の発振過程中、傾斜ガイド溝21と環状フレーム5上のガイドブロック5
1の相乗作用により、環状フレーム5を上下に往復運動させ、環状フレーム5の上下往復
運動過程中、第1エアバッグロッド7を連続的に圧縮させてガスが第2エアバッグロッド
9に周期的に入り込み、攪拌ブレード81を上下に往復させ、この間、支持板52のネジ
穴を介してネジロッド8を回転させ、環状フレーム5が2つの円弧状電磁石2を用いて二
段攪拌作用を発揮させ、混合溶液Aまたは混合溶液Bの攪拌効果を向上させ、
密閉攪拌が完了した後、密閉カバー11を開き、注水ビン10に80℃の水を注ぎ、加熱
板を起動し、水温度を80℃に制御し、この間、攪拌ロッド4の一段攪拌、環状フレーム
5の二段攪拌により、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪拌し、その後密閉攪
拌ビン1から乾燥後の材料を取り出す。
【0009】
実施例8
本実施例は、以下の点で実施例6と異なり、2つの円弧長50°で密閉攪拌ビン1の円の
中心を中心対称に分布している円弧状電磁石2を使用して磁場を生成し、円弧状電磁石2
を用いて20s/回の発振周波数で磁場を印可し、円弧状電磁石2の磁場強度は0.5T
である。
実施例9
本実施例は以下の点で実施例6と異なり、2つの円弧長50°で密閉攪拌ビン1の円の中
心を中心対称に分布している円弧状電磁石2を使用して磁場を生成し、円弧状電磁石2を
用いて40s/回の発振周波数で磁場を印可し、円弧状電磁石2の磁場強度は1.5Tで
ある。
実施例10
本実施例は以下の点で実施例6と異なり、2つの円弧長40°で密閉攪拌ビン1の円の中
心を中心対称に分布している円弧状電磁石2を使用して磁場を生成し、円弧状電磁石2を
用いて30s/回の発振周波数で磁場を印可し、すなわち、2つの円弧状電磁石2の振幅
は140°である。
実施例11
本実施例は以下の点で実施例6と異なり、2つの円弧長60°で密閉攪拌ビン1の円の中
心を中心対称に分布している円弧状電磁石2を使用して磁場を生成し、円弧状電磁石2を
用いて30s/回の発振周波数で磁場を印可し、すなわち、2つの円弧状電磁石2の振幅
は120°である。
上記実施例8、9、10、11で調製した逆水ガスシフト反応触媒と実施例6で調製した
逆水ガスシフト反応触媒を、実施例2のCO
2水素化を熱触媒してCOを製造する反応に
使用し、逆水ガスシフト反応触媒用量はすべて50mgである。触媒反応の結果は以下の
表7に示され:
表7 各触媒600℃時の熱触媒CO
2水素化反応結果
以上の表7の結果から分かるように、磁性SBA-15とRu、Laを密閉攪拌および乾
燥処理して調製した逆水ガスシフト反応触媒は、CO
2水素化反応の変換率にある程度影
響を与える。円弧状電磁石の発振周波数および磁場強度または円弧状電磁石の円弧長を変
更すると、逆水ガスシフト反応触媒によるCO
2変換率が低下するという変化傾向がある
。実施例6、8、9、10および11では、実施例6の逆水ガスシフト反応触媒は最も高
いCO
2触媒活性を示し、100% CO選択性を有する。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒の技術分野に関し、具体的に逆水性ガスシフト反応触媒の調製方法および
その用途に関する。
【背景技術】
【0002】
CO2触媒水素化反応に用いられる活性貴金属としてはPt、Pd、Rh、Ruなどが挙
げられ、Ruは最も経済的な貴金属であり、RuはPtに近い触媒活性を有する。しかし
、Ru粒子の大きさは、二酸化炭素触媒水素化生成物の選択性に影響し、大きなRuナノ
粒子はCH4の生成に有利で、Ru単原子またはナノクラスターはCOの生成に有利であ
る。したがって、Ru粒子のサイズを調整することにより二酸化炭素触媒水素化反応によ
るCOの選択性を向上させることができる。さらに、正の原子価を持つRuは反応中のC
O脱離を促進し、CH4を生成する水素化の連続反応を抑制し、COの選択性の向上に寄
与する。
しかし、単一のRu系触媒で高いCO2変換率、選択性および安定性などの要件を同時に
達成することは実用上困難な場合が多い。Ruと相乗的に作用する別の金属を導入してバ
イメタル触媒を構築することは、上記の要件を達成するための有効な方法である。
【発明の概要】
【0003】
上記の技術的解決策を解決するために、本発明は、逆水性ガスシフト反応触媒の調製方法
およびその用途を提供する。
本発明の技術的解決策として、逆水性ガスシフト反応触媒の調製方法は、
S1、La(NO3)3・6H2Oを脱イオン水に溶解した後、SBA-15を加え、脱イ
オン水とSBA-15の質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液Aを得るステ
ップと、
S2、混合溶液Aを密閉し、攪拌および乾燥処理して乾燥後の材料Aを得るステップと、
S3、乾燥後の材料Aをマッフル炉で550℃で6h焙焼し、Lay/SBA-15を得
、ここで、yの値は5、10、15であり、y=5のとき、La(NO3)3・6H2Oと
SBA-15の質量比は0.124:1であり、y=10のとき、La(NO3)3・6H
2OとSBA-15の質量比は0.246:1であり、y=15のとき、La(NO3)3
・6H2OとSBA-15の質量比は0.372:1であるステップと、
S4、1mg/gのRuCl3・3H2O溶液を脱イオン水に分散させた後、Lay/S
BA-15を加え、超音波分散して混合溶液Bを得、ここで、RuCl3・3H2O溶液
とLay/SBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比
は50:1であるステップと、
S5、混合溶液Bを密閉し、攪拌および乾燥処理して、乾燥後の材料Bを得るステップと
、
S6、乾燥後の材料Bをマッフル炉で550℃で6h焙焼した後、H2雰囲気下で600
℃で2h還元し、逆水性ガスシフト反応触媒Ru2Lay/SBA-15を得、ここで、
yの値は5、10、15であるステップと、を含む。
説明:Laを担持した後にRuを担持する段階含浸法を採用して逆水性ガスシフト反応触
媒を調製することにより、Ruを担持した後にLaを担持する段階含浸法に比べて、本調
製方法は、RuとLaを効果的かつ十分に相互作用させ、触媒の触媒活性を向上させるこ
とができる。
本発明の一側面によれば、前記ステップS3およびステップS6において、前記マッフル
炉内の温度を、5℃/minの昇温速度で25℃から500℃まで昇温させる。
説明:上記条件下での十分な焙焼により、金属前駆体が空気と十分に反応して金属酸化物
を生成することが保証される。
本発明の一側面によれば、前記密閉攪拌および乾燥処理の方法は、混合溶液Aまたは混合
溶液Bを3h密閉攪拌し、密閉を解除し、80℃水浴の条件下で脱イオン水が全て揮発す
るまで連続的に攪拌し、乾燥後の材料を得た後、乾燥後の材料をオーブンに入れて80℃
で12h乾燥し、乾燥後の材料Aまたは材料Bを得ることである。
説明:上記条件下で混合溶液Aまたは混合溶液Bを密閉攪拌および乾燥処理することによ
り、RuまたはLaをSBA-15に効果的に担持させ、Ruを担持した後にRuを担持
する段階的含浸により、逆水性ガスシフト反応触媒の触媒活性を効果的に向上させること
ができる。
本発明の一側面によれば、前記SBA-15は磁性SBA-15であり、混合溶液Aまた
は混合溶液Bを密閉環境に置き、密閉攪拌期間で、混合溶液Aまたは混合溶液Bに磁場強
度0.5~1.5Tの磁場を印可し、
前記磁場は、40~60°の円弧長を有し、密閉攪拌ビンの円の中心を中心対称に分布す
る円弧状電磁石を使用して20~40s/回の発振周波数を通じて印可される磁場であり
、前記円弧状電磁石の磁場強度は0.5~1.5Tである。
説明:上記条件下で磁性SBA-15を担体として使用し、磁場の作用と併用することに
より、RuまたはLaをSBA-15により均一に担持させ、RuとLaが効果的かつ十
分に相互作用し、逆水性ガスシフト反応触媒の触媒活性を効果的に向上させることができ
る。
本発明の別の側面によれば、本発明は、逆水性ガスシフト反応触媒の用途をさらに提供し
、前記逆水性ガスシフト反応触媒を用いてCO2水素化反応を熱触媒してCOを製造し、
反応前に逆水性ガスシフト反応触媒をH2雰囲気下で1h還元し、ここで、H2の流量は
30mL/minであり、温度は600℃である。
説明:上記条件を採用し、反応前に逆水性ガスシフト反応触媒をH2雰囲気下で還元する
ことにより、逆水性ガスシフト反応触媒を効果的に活性化することができる。
本発明の別の側面によれば、前記逆水性ガスシフト反応触媒を用いてCO2水素化反応を
熱触媒してCOを製造する方法は、固定床反応器に50mgの前記逆水性ガスシフト反応
触媒を加えた後、CO2、H2とN2を流量比1:4:1で混合し、固定床反応器に通気
して連続的に反応させ、ここで、混合ガスの空気流速は43200mL h-1 g-1で
あり、反応温度は300℃~600℃であり、5℃/minの昇温速度で25℃から30
0℃~600℃まで昇温させることである。
説明:上記条件を採用し、CO2水素化反応を熱触媒してCOを製造することにより、調
製した逆水性ガスシフト反応触媒を用いてCO2をCOに効果的に変換でき、CO2変換
率の向上、コストの削減が可能であり、経済的利益の向上に寄与する。
本発明は以下の有益な効果を有する。
(1)本発明は、ルテニウム-ランタンバイメタル触媒の逆水性ガスシフト反応触媒調製
方法を提供し、段階含浸法によりLaとRuをSBA-15の表面に効果的に導入し、高
温焼成および段階昇温還元のステップにより担持型ルテニウム-ランタンバイメタル触媒
を調製し、Laは希土類元素であり、金属担体間の相互作用を調整するための触媒補助剤
として使用され、活性金属の分散および価数に影響を与え、高温下での活性金属のシンタ
リングを抑制することができ、本発明の担持型ルテニウム-ランタンバイメタル触媒は、
RuとLaの相乗効果によりRuの深刻な凝集現象を抑制することができる。
(2)本発明は、逆水性ガスシフト反応触媒の用途を提供し、本発明で調製したルテニウ
ム-ランタンバイメタル触媒を用いたCO2水素化反応の熱触媒により、高い反応活性お
よび100%のCO選択性を両立でき、安定性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15とLa
10/SBA-15、および段階含浸法によって調製されたRu
2La
5/SBA-15、Ru
2La
10/SBA-15、Ru
2La
15/SBA-15およびseq-Ru
2La
10/SBA-15のXRD図である。
【
図2】含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15(a)、および段階含浸法によって調製されたRu
2La
10/SBA-15(b)のTEM図である。
【
図3】含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15、および段階含浸法によって調製されたRu
2La
5/SBA-15、Ru
2La
10/SBA-15、Ru
2La
15/SBA-15のXPS図である。
【
図4】含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15とLa
10/SBA-15、および段階含浸法によって調製されたRu
2La
10/SBA-15およびseq-Ru
2La
10/SBA-15の活性比較図(a)および選択性比較図(b)である。
【
図5】段階含浸法によって調製されたRu
2La
10/SBA-15触媒の安定性測定図である。
【
図6】段階含浸法によって調製されたRu
2La
5/SBA-15、Ru
2La
1
0/SBA-15、Ru
2La
15/SBA-15の活性比較図(a)および選択性比較図(b)である。
【
図7】本発明の密閉攪拌ビンの外部構造を示す概略図である。
【
図8】本発明の密閉攪拌ビンの内部構造を示す概略図である。
【
図9】本発明の環状フレームの概略構造を示す上面図である。
【
図10】本発明の環状フレームの概略構造を示す底面図である。
【
図11】本発明の円弧状電磁石の構造を示す概略図である。
【
図12】本発明のネジロッド、第1エアバッグロッド、攪拌ブレードの組立構造を示す概略図である。
【
図13】本発明の注水ビンの構造を示す概略図である。
【0005】
[符号の説明]
1 密閉攪拌ビン
11 密閉カバー
2 円弧状電磁石
21 傾斜ガイド溝
3 モータ
4 攪拌ロッド
5 環状フレーム
51 ガイドブロック
52 支持板
6 伸縮ロッド
7 第1エアバッグロッド
8 ネジロッド
81 攪拌ブレード
9 第2エアバッグロッド
10 注水ビン
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の利点をよりよく反映するために、具体的な実施形態を参照して本発明をよ
り詳細に説明する。
実施例1
逆水
性ガスシフト反応触媒は、Ru
2La
10/SBA-15であり、
上記逆水
性ガスシフト反応触媒Ru
2La
10/SBA-15の調製方法は、
S1、La(NO
3)
3・6H
2Oを脱イオン水に溶解した後、SBA-15を加え、超音
波分散して混合溶液Aを得、ここで、La(NO
3)
3・6H
2OとSBA-15の質量比
は0.246:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比は50:1であるステップ
と、
S2、混合溶液Aを3h密閉攪拌し、密閉を解除して80℃の水浴条件下で、脱イオン水
がすべて揮発するまで連続的に攪拌し、乾燥後の材料を得た後、乾燥後の材料をオーブン
に入れて80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料Aを得るステップと、
S3、乾燥後の材料Aをマッフル炉で550℃で6h焙焼し、La
10/SBA-15を
得、ここで、マッフル炉内の温度を5℃/minの昇温速度で25℃から550℃に昇温
させるステップと、
S4、1mg/gのRuCl
3・3H
2O溶液を脱イオン水に分散させた後、La
10/
SBA-15を加え、超音波分散して混合溶液Bを得、ここで、RuCl
3・3H
2O溶
液とLa
10/SBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の質
量比は50:1であるステップと、
S5、混合溶液Bを3h密閉攪拌し、密閉を解除して80℃の水浴条件下で、脱イオンが
水がすべて揮発するまで連続的に攪拌し、乾燥後の材料を得た後、乾燥後の材料をオーブ
ンに入れ80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料Bを得るステップと、
S6、乾燥後の材料Bをマッフル炉で550℃で6h焙焼した後、30℃に冷却し、H
2
雰囲気下で、マッフル炉内の温度を5℃/minの昇温速度で30℃から600℃まで加
熱し、600℃で2h還元して、逆水
性ガスシフト反応触媒Ru
2La
10/SBA-1
5を得るステップと、を含む。
上記実施例1の段階含浸法によって調製されたRu
2La
10/SBA-15に対して関
連実験測定を実施し、以下の比較例を実施し:
1)比較例1:本比較例は、含浸法によってRu
2/SBA-15を調製する過程を記載
し、
1mg/gのRuCl
3・3H
2O溶液とSBA-15を脱イオン水に加え、RuCl
3
・3H
2O溶液とSBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の
質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液を得、混合溶液を3h密閉攪拌した後
、密閉を解除して80℃の水浴条件下で、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪
拌し、オーブンに入れ80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料を得、乾燥後の材料をマッフ
ル炉に移し、550℃で6h焙焼し、最後に、H
2雰囲気下で、マッフル炉内の温度を5
℃/minの昇温速度で30℃から600℃まで加熱し、600℃で2h還元し、ここで
、マッフル炉内の温度を5℃/minの昇温速度で25℃から550℃まで昇温させる。
2)比較例2:本比較例は、含浸法によってLa
10/SBA-15を調製する過程を記
載し、
La(NO
3)
3・6H
2OとSBA-15を脱イオン水に加え、La(NO
3)
3・6H
2
OとSBA-15の質量比は0.246:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比
は50:1であり、超音波分散して混合溶液を得、混合溶液を3h密閉攪拌した後、密閉
を解除し80℃の水浴条件下で、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪拌し、オ
ーブンに入れ80℃で12h乾燥して、乾燥後の材料を得、乾燥後の材料をマッフル炉で
550℃で6h焙焼し、最後に、H
2雰囲気下で、マッフル炉内の温度を5℃/minの
昇温速度で30℃から600℃まで加熱し、600℃で2h還元し、ここで、マッフル炉
内の温度を5℃/minの昇温速度で25℃から550℃まで昇温させる。
3)比較例3:本比較例は、段階含浸法によってseq-Ru
2La
10/SBA-15
を調製する過程を記載し、
1mg/gのRuCl
3・3H
2O溶液とSBA-15を脱イオン水に加え、RuCl
3
・3H
2O溶液とSBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の
質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液を得、混合溶液を3h密閉攪拌した後
、密閉を解除し80℃の水浴条件下で、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪拌
し、オーブンに入れ80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料を得、乾燥後の材料をマッフル
炉に移し、550℃で6h焙焼し、Ru
2/SBA-15を得、
La(NO
3)
3・6H
2OとRu
2/SBA-15を脱イオン水に加え、La(NO
3)
3
・6H
2OとSBA-15の質量比は0.246:1であり、脱イオン水とSBA-15
の質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液を得、混合溶液を3h密閉攪拌した
後、密閉を解除し80℃の水浴条件下で、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪
拌し、オーブンに入れ80℃で12h乾燥し、乾燥後の材料を得、乾燥後の材料をマッフ
ル炉で550℃で6h焙焼し、最後に、H
2雰囲気下で、マッフル炉内の温度を5℃/m
inの昇温速度で30℃から600℃まで加熱し、600℃で2h還元し、ここで、マッ
フル炉内の温度を5℃/minの昇温速度で25℃から550℃まで昇温させることによ
り、逆水
性ガスシフト反応触媒seq-Ru
2La
10/SBA-15を得ることができ
る。
含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15、La
10/SBA-15、段階含浸法
によって調製されたRu
2La
10/SBA-15およびseq-Ru
2La
10/SB
A-15のXRD図は
図1に示される。23°付近に現れたブロードピークはアモルファ
スシリカに由来する。Ru
2/SBA-15およびRu
2La
10/SBA-15につい
て、38.4、42.2、44.0および58.3°に現れた特徴ピークはRuに由来し
、Ru
2/SBA-15の信号が強く、これは、逆水
性ガスシフト反応触媒中のRuが高
い結晶性を有し、ナノ粒子が大きいことを示し、後者のピーク強度が顕著に弱くなり、こ
れは、Laの添加によりRuを分散させ凝集を抑制することに寄与する。seq-Ru
2
La
10/SBA-15、Ruの回折信号がさらに弱くなり、段階含浸
時の「Ru」、「
La」の順序に関連し、後に含浸したLaがRuのほとんどを覆う。La
10/SBA-
15について、Laに関連するピークの存在は明確に観察されず、これは、LaがSBA
-15に高度に分散していることを示す。
含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15、および段階含浸法によって調製された
Ru
2La
10/SBA-15のTEM図は
図2に示される。Ru
2/SBA-15の表
面に、多数のRuナノ粒子が堆積して形成された100nmを超える凝集構造が見られ、
これは、高温処理後、RuがSBA-15の表面に深刻な移動および凝集を起こしている
ことを示す。Ru
2La
10/SBA-15では、同様の構造は明瞭に観察されず、形成
されたナノ粒子はSBA-15の表面に比較的均一なサイズで分散しており、これは、L
aの添加によりRuの凝集を適切に抑制する作用があることを示す。
含浸法によって調製されたRu
2/SBA-15、および段階含浸法によって調製された
Ru
2La
10/SBA-15のRu 3p領域のXPS図およびRu価数の相対的含有
量の表はそれぞれ
図3および以下の表1に示される。
図3中の461および483Vのピ
ークはゼロ原子価のRuに属し、463および485eVのピークは正電荷のRu(n+
、0<n<2)に属し、ピークの面積は異なる価数Ruの相対的含有量を象徴している。
図3から分かるように、Ru
2/SBA-15に比べて、Ru
2La
10/SBA-15
はより多くのRu
n+種があり、これは、ルテニウム-ランタンバイメタル間でRuから
Laへの電子移動があることを示唆している。Ru
2/SBA-15中のRu
n+種のピ
ークは、一部のRuが空気で酸化されたことに起因する。
表1 Ru価数の相対的含有量の結果
【0007】
実施例2
実施例1で調製した逆水
性ガスシフト反応触媒の用途により、逆水
性ガスシフト反応触媒
をCO
2水素化反応を熱触媒してCOを製造することに使用し、反応前に逆水
性ガスシフ
ト反応触媒をH
2雰囲気下で1h還元し、ここで、H
2の流量は30mL/minであり
、温度は600℃であり、
ここで、逆水
性ガスシフト反応触媒によりCO
2水素化反応を熱触媒してCOを製造する
方法は、固定床反応器に50mgの前記逆水
性ガスシフト反応触媒を加えた後、CO
2、
H
2とN
2を流量比1:4:1で混合し、固定床反応器に通気して連続的に反応させ、こ
こで、混合ガスの空気流速は43200mL h
-1 g
-1であり、反応温度は600℃
であり、5℃/minの昇温速度で25℃から600℃まで昇温させることである。
実施例1および比較例1~3で調製した逆水
性ガスシフト反応触媒を使用して、実施例2
のCO
2水素化反応を熱触媒してCOを製造し、触媒用量はすべて50mgであり、反応
温度が300℃に達した後、50℃の間隔毎に1h安定化させてデータを記録し、触媒反
応の結果は
図4および以下の表2にしめされ:
表2 各触媒の600℃時のCO
2水素化反応の熱触媒結果
実施例1および比較例2~3を比較すると、Ru
2La
10/SBA-15、La
10/
SBA-15とseq-Ru
2La
10/SBA-15はすべて100%CO選択性を有
する。Laの存在により、COの脱離を促進し、高い選択性をもたらす。Ru
2La
10
/SBA-15は最も高いCO
2変換率を有する。
実施例および比較例1を比較すると、Ru
2/SBA-15の触媒反応活性が高いものの
、COに対する選択性が低く、副生成物の発生を伴うため、需要を満たすことができない
。要約すると、Ru
2La
10/SBA-15は高いCO
2変換率と100%のCO選択
性という2つの大きな要求を同時に満たすことができ、逆水ガスシフト反応により理想的
な触媒であることが検証された。これは、Laの存在により、Ru凝集を抑制して粒子径
の大きなRuナノ粒子を形成することに寄与し、適切な粒子径により露出したRu活性サ
イトはCO
2の活性化にある程度寄与し、高いCO
2変換率の前提下で、100% CO
選択性を達成した。
同時に、実施例1のRu
2La
10/SBA-15触媒の安定性をさらに測定するために
、Ru
2La
10/SBA-15触媒を用いて実施例2のCO
2水素化反応安定性を測定
する。触媒用量は50mgであり、反応温度は600℃であり、反応条件を固定して32
h連続的に反応させ、1hごとにデータを記録した。安定性測定の結果は
図5および以下
の表3に示され:
表3 触媒600℃時のCO
2水素化反応の熱触媒安定性測定の結果
表3の結果から分かるように、Ru
2La
10/SBA-15触媒を32h連続的に反応
させた後、CO
2変換率は約52%で安定しており、CO選択性は100%から98.8
5%にわずかに低下した。Ru
2La
10/SBA-15は高温条件下で良好な安定性を
示し、RuとLa間に相互作用および電子移動があり、活性成分を効果的に安定化させ、
Ruのシンタリングや凝集を抑制することができる。
実施例3
本実施例は以下の点で実施例1と異なり、逆水
性ガスシフト反応触媒はRu
2La
5/S
BA-15であり、ここで、La(NO
3)
3・6H
2OとSBA-15の質量比は0.1
24:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比は50:1である。
実施例4
本実施例は以下の点で実施例1と異なり、逆水
性ガスシフト反応触媒はRu
2La
15/
SBA-15であり、ここで、La(NO
3)
3・6H
2OとSBA-15の質量比は0.
372:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比は50:1である。
上記実施例3、4で調製した逆水
性ガスシフト反応触媒と実施例1で調製した逆水
性ガス
シフト反応触媒を、実施例2のCO
2水素化を熱触媒してCOを製造する反応に使用し、
逆水
性ガスシフト反応触媒用量はすべて50mgである。触媒反応の結果は
図6および以
下の表4に示され:
表4 各触媒600℃時のCO
2水素化反応熱触媒結果
以上の表4の結果から分かるように、SBA-15に担持された異なる割合のRu、La
はCO
2水素化反応の変換率にある程度影響を与える。La担持量が増加すると、逆水
性
ガスシフト反応触媒によるCO
2変換率が最初に増加し、次に減少するという変化傾向を
示した。実施例1、3および4では、Ru
2La
10/SBA-15は最も高いCO
2触
媒活性を示し、100%CO選択性を有する。
Ru
2La
5/SBA-15、Ru
2La
10/SBA-15およびRu
2La
15
/S
BA-15については、
図1のXRD測定結果から分かるように、Laの含有量の増加に
つれて、Ruに関連する回折ピーク強度が徐々に低下し、Laの含有量が高いほど、Ru
の回折ピーク強度が小さくなり、Ruナノ粒子がより分散している。
Ru
2La
5/SBA-15、Ru
2La
10/SBA-15およびRu
2La
15/S
BA-15については、
図1のXRD測定結果および以下の表5から分かるように、La
の添加によりRuの価数の相対的含有量に影響を与え、2つの元素間に電子移動があり、
Laの含有量の増加につれて、Ru
n+の相対的含有量が増加するため、COの脱離を促
進する。
表5 Ru価数の相対的含有量の結果
実施例5
本実施例は以下の点で実施例1と異なり、SBA-15は磁性SBA-15であり、磁性
SBA-15の調製方法は、2gの塩化第一鉄を遮光条件下で48℃の50mL水に攪拌
しながら溶解し、2.7gのP123を加え均一に混合して混合液を得、5.5gのTE
OSと35℃の30mL水を均一に混合して混合液に素早く添加し、次に16h攪拌し、
その後反応生成物をポリテトラフルオロエチレン反応釜に移し、100℃の水で48h加
熱し、その後冷却、濾過および乾燥した後、マッフル炉に入れ550℃で6h焙焼して、
磁性SBA-15を得ることであり、
混合溶液Aまたは混合溶液Bを密閉環境に置き、密閉攪拌期間、混合溶液Aまたは混合溶
液Bに磁場強度1.2Tの磁場を印可する
。
【0008】
実施例7
本実施例は、実施例6の密閉攪拌ビン1について説明し、具体的に、
図7~13に示すよ
うに、円弧状電磁石2は密閉攪拌ビン1の内壁に摺動可能に貼り付けられ、2つの円弧状
電磁石2は接続ロッドによって接続され、密閉攪拌ビン1の頂部に密閉カバー11が設け
られ、密閉カバー11にモータ3が埋め込まれ、密閉攪拌ビン1の底部に攪拌ロッド4が
設けられ、モータ3の出力軸は接続ロッド、攪拌ロッド4に固定的に接続され、
密閉攪拌ビン1内に環状フレーム5がさらに設けられ、環状フレーム5の底面は密閉攪拌
ビン1の内底面と複数の伸縮ロッド6および第1エアバッグロッド7を介して接続され、
円弧状電磁石2の側面に傾斜ガイド溝21が設けられ、環状フレーム5の外環面に、傾斜
ガイド溝21に摺動可能に接続されたガイドブロック51が設けられ、
環状フレーム5の内環面に9つの支持板52が設けられ、密閉攪拌ビン1の内底面に9つ
のネジロッド8が設けられ、ネジロッド8は支持板52に設けられたネジ穴にねじ込まれ
、ネジロッド8の上端に第2エアバッグロッド9を介して接続された攪拌ブレード81が
設けられ、第2エアバッグロッド9はパイプを介してネジロッド8を貫通し、第1エアバ
ッグロッド7と連通し、
密閉攪拌ビン1に、混合溶液Aまたは混合溶液Bを水浴加熱するための注水ビン10が設
けられ、密閉攪拌ビン1の上端外壁に、注水ビン10の上端内壁の環状槽に係合された係
合リングが設けられ、注水ビン10内に水温度を制御するための市販の加熱板および市販
の温度センサーが設けられ、密閉攪拌ビン1は熱伝導性材料、具体的には市販の多結晶ダ
イヤモンド(PCD)セラミックからなり、円弧状電磁石2は密閉攪拌ビン1の内壁に適
合する市販品を選択する。
上記攪拌密閉ビン1の使用方法は次のとおりであり:
密閉カバー11を開き、混合溶液Aまたは混合溶液Bを密閉攪拌ビン1に注いだ後密閉カ
バー11を閉じ、モータ3を起動し、モータ3は予め設定された30s/回の発振周波数
、振幅130°で2つの円弧状電磁石2を発振させるように制御し、円弧状電磁石2を起
動して円弧状電磁石2の磁場強度を1.2Tに制御し、モータ3により攪拌ロッド4を一
段攪拌作用を発揮させるように駆動し、
円弧状電磁石2の発振過程中、傾斜ガイド溝21と環状フレーム5上のガイドブロック5
1の相乗作用により、環状フレーム5を上下に往復運動させ、環状フレーム5の上下往復
運動過程中、第1エアバッグロッド7を連続的に圧縮させてガスが第2エアバッグロッド
9に周期的に入り込み、攪拌ブレード81を上下に往復させ、この間、支持板52のネジ
穴を介してネジロッド8を回転させ、環状フレーム5が2つの円弧状電磁石2を用いて二
段攪拌作用を発揮させ、混合溶液Aまたは混合溶液Bの攪拌効果を向上させ、
密閉攪拌が完了した後、密閉カバー11を開き、注水ビン10に80℃の水を注ぎ、加熱
板を起動し、水温度を80℃に制御し、この間、攪拌ロッド4の一段攪拌、環状フレーム
5の二段攪拌により、脱イオンが水がすべて揮発するまで連続的に攪拌し、その後密閉攪
拌ビン1から乾燥後の材料を取り出す。
【0009】
実施例8
本実施例は、以下の点で実施例6と異なり、2つの円弧長50°で密閉攪拌ビン1の円の
中心を中心対称に分布している円弧状電磁石2を使用して磁場を生成し、円弧状電磁石2
を用いて20s/回の発振周波数で磁場を印可し、円弧状電磁石2の磁場強度は0.5T
である。
実施例9
本実施例は以下の点で実施例6と異なり、2つの円弧長50°で密閉攪拌ビン1の円の中
心を中心対称に分布している円弧状電磁石2を使用して磁場を生成し、円弧状電磁石2を
用いて40s/回の発振周波数で磁場を印可し、円弧状電磁石2の磁場強度は1.5Tで
ある。
実施例10
本実施例は以下の点で実施例6と異なり、2つの円弧長40°で密閉攪拌ビン1の円の中
心を中心対称に分布している円弧状電磁石2を使用して磁場を生成し、円弧状電磁石2を
用いて30s/回の発振周波数で磁場を印可し、すなわち、2つの円弧状電磁石2の振幅
は140°である。
実施例11
本実施例は以下の点で実施例6と異なり、2つの円弧長60°で密閉攪拌ビン1の円の中
心を中心対称に分布している円弧状電磁石2を使用して磁場を生成し、円弧状電磁石2を
用いて30s/回の発振周波数で磁場を印可し、すなわち、2つの円弧状電磁石2の振幅
は120°である。
上記実施例8、9、10、11で調製した逆水
性ガスシフト反応触媒と実施例6で調製し
た逆水
性ガスシフト反応触媒を、実施例2のCO
2水素化を熱触媒してCOを製造する反
応に使用し、逆水
性ガスシフト反応触媒用量はすべて50mgである。触媒反応の結果は
以下の表7に示され:
表7 各触媒600℃時の熱触媒CO
2水素化反応結果
以上の表7の結果から分かるように、磁性SBA-15とRu、Laを密閉攪拌および乾
燥処理して調製した逆水
性ガスシフト反応触媒は、CO
2水素化反応の変換率にある程度
影響を与える。円弧状電磁石の発振周波数および磁場強度または円弧状電磁石の円弧長を
変更すると、逆水
性ガスシフト反応触媒によるCO
2変換率が低下するという変化傾向が
ある。実施例6、8、9、10および11では、実施例6の逆水
性ガスシフト反応触媒は
最も高いCO
2触媒活性を示し、100% CO選択性を有する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1、La(NO3)3・6H2Oを脱イオン水に溶解した後、SBA-15を加え、脱イ
オン水とSBA-15の質量比は50:1であり、超音波分散して混合溶液Aを得るステ
ップと、
S2、混合溶液Aを密閉し、攪拌および乾燥処理して乾燥後の材料Aを得るステップと、
S3、乾燥後の材料Aをマッフル炉で550℃で6h焙焼し、Lay/SBA-15を得
、ここで、yの値は5、10、15であり、y=5のとき、La(NO3)3・6H2Oと
SBA-15の質量比は0.124:1であり、y=10のとき、La(NO3)3・6H
2OとSBA-15の質量比は0.246:1であり、y=15のとき、La(NO3)3
・6H2OとSBA-15の質量比は0.372:1であるステップと、
S4、1mg/gのRuCl3・3H2O溶液を脱イオン水に分散させた後、Lay/S
BA-15を加え、超音波分散して混合溶液Bを得、ここで、RuCl3・3H2O溶液
とLay/SBA-15の質量比は20:1であり、脱イオン水とSBA-15の質量比
は50:1であるステップと、
S5、混合溶液Bを密閉し、攪拌および乾燥処理して、乾燥後の材料Bを得るステップと
、
S6、乾燥後の材料Bをマッフル炉で550℃で6h焙焼した後、H2雰囲気下で600
℃で2h還元し、逆水性ガスシフト反応触媒Ru2Lay/SBA-15を得、ここで、
yの値は5、10、15であるステップと、を含むことを特徴とする逆水性ガスシフト反
応触媒の調製方法。
【請求項2】
前記ステップS3およびステップS6において、前記マッフル炉内の温度を、5℃/mi
nの昇温速度で25℃から500℃まで昇温させる、ことを特徴とする請求項1に記載の
調製方法。
【請求項3】
前記密閉攪拌および乾燥処理の方法は、混合溶液Aまたは混合溶液Bを3h密閉攪拌し、
密閉を解除し、80℃水浴の条件下で脱イオン水が全て揮発するまで連続的に攪拌し、乾
燥後の材料を得た後、乾燥後の材料をオーブンに入れて80℃で12h乾燥し、乾燥後の
材料Aまたは材料Bを得ることである、ことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項4】
前記SBA-15は磁性SBA-15であり、混合溶液Aまたは混合溶液Bを密閉環境に
置き、密閉攪拌期間で、混合溶液Aまたは混合溶液Bに磁場強度0.5~1.5Tの磁場
を印可する、ことを特徴とする請求項3に記載の調製方法。