(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021434
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】静電成膜装置
(51)【国際特許分類】
B41F 15/40 20060101AFI20250205BHJP
B41F 15/08 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
B41F15/40 B
B41F15/08 303A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024112190
(22)【出願日】2024-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2023124121
(32)【優先日】2023-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】596159153
【氏名又は名称】ベルク工業有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】安藤 今朝男
【テーマコード(参考)】
2C035
【Fターム(参考)】
2C035AA05
2C035AA09
2C035FD31
(57)【要約】
【課題】ホッパから落下した粉体の塊を粉砕し、粉体を均一に対象物に付着させることができる静電成膜装置を提供する。
【解決手段】静電成膜装置は、スクリーン10と、粉体をスクリーン10に擦り込むための粉体擦り込み面12aを有する擦り込み部材12と、スクリーン10と対象物1との間に電圧を印加するための電源DCと、粉体を供給するホッパ14と、ホッパ14の下方に配置された振動ふるい装置30を備える。振動ふるい装置30は、ホッパ14から供給された粉体を受け、粉体が通過可能な複数の開口35を有する粉体受け部33と、粉体受け部33を振動させる振動発生器34を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を静電力により対象物上に付着させる静電成膜装置であって、
スクリーンと、
粉体を前記スクリーンに擦り込むための粉体擦り込み面を有する擦り込み部材と、
前記スクリーンと前記対象物との間に電圧を印加するための電源と、
前記粉体を供給するホッパと、
前記ホッパの下方に配置された振動ふるい装置を備え、
前記振動ふるい装置は、
前記ホッパから供給された前記粉体を受け、前記粉体が通過可能な複数の開口を有する粉体受け部と、
前記粉体受け部を振動させる振動発生器を備えている、静電成膜装置。
【請求項2】
前記ホッパは、前記粉体を通過させるための粉体出口を有しており、
前記粉体受け部の前記複数の開口の総面積は、前記粉体出口の総面積よりも大きい、請求項1に記載の静電成膜装置。
【請求項3】
前記振動ふるい装置は、前記擦り込み部材の上方に配置されている、請求項1に記載の静電成膜装置。
【請求項4】
前記振動ふるい装置は、防振材を介して前記ホッパに連結されている、請求項1に記載の静電成膜装置。
【請求項5】
前記ホッパと前記振動ふるい装置を一体に前記スクリーンと平行に移動させるホッパ移動装置をさらに備えている、請求項4に記載の静電成膜装置。
【請求項6】
前記振動ふるい装置の底に補助電圧を印加する補助電源をさらに備え、
前記補助電源から前記振動ふるい装置の底に印加される前記補助電圧の極性は、前記電源から前記スクリーンに印加される前記電圧の極性とは反対である、請求項1に記載の静電成膜装置。
【請求項7】
粉体を静電力により対象物上に付着させる静電成膜装置であって、
スクリーンと、
粉体を前記スクリーンに擦り込むための粉体擦り込み面を有する擦り込み部材と、
前記粉体擦り込み面を前記スクリーンに対して相対的に移動させる粉体擦り込み面移動装置と、
前記スクリーンと前記対象物との間に電圧を印加するための電源と、
前記粉体を前記擦り込み部材の前記粉体擦り込み面に供給するホッパと、
前記粉体擦り込み面に接触する接触部材を備え、
前記接触部材は、前記粉体の通過を許容しない構造体である、静電成膜装置。
【請求項8】
前記接触部材は、前記粉体擦り込み面に接触する複数の突起を有する、請求項7に記載の静電成膜装置。
【請求項9】
前記接触部材は、金属製であり、接地されている、請求項7に記載の静電成膜装置。
【請求項10】
前記接触部材は、前記スクリーンよりも上方であって、かつ前記ホッパよりも下方に位置している、請求項7に記載の静電成膜装置。
【請求項11】
前記粉体擦り込み面移動装置は、前記粉体擦り込み面を前記接触部材および前記スクリーンの順に接触させる方向に前記擦り込み部材を移動させるように構成されている、請求項7に記載の静電成膜装置。
【請求項12】
前記擦り込み部材を前記接触部材から離間させ、前記擦り込み部材を前記スクリーン上で移動させる擦り込み部材移動装置をさらに備えている、請求項7に記載の静電成膜装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可食性粉体や機能性粉体などの粉体を、静電力を利用して対象物に付着させる静電成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
静電スクリーン印刷装置は、食品の印刷や工業製品の製造などの様々な用途に使用されている。この静電印刷の原理について、
図27を参照して説明する。
図27に示すように、静電スクリーン印刷装置は、対象物200が載置されるコンベヤ201と、メッシュを有するスクリーン202と、スクリーン202上のロールブラシ203と、ロールブラシ203に粉体を供給するホッパ204を備える。対象物200はコンベヤ201によってスクリーン202下方の印刷位置に移動される。
【0003】
スクリーン202は電源DCの負極に接続され、コンベヤ201は電源DCの正極に接続されるとともに接地される。電源DCによってスクリーン202とコンベヤ201との間には高電圧が印加され、これによりスクリーン202とコンベヤ201上の対象物200との間には静電界が形成される。
【0004】
粉体はホッパ204から回転するロールブラシ203上に供給され、スクリーン202上に落下する。スクリーン202上の粉体は、回転するロールブラシ203によってスクリーン202のメッシュに摺り込まれ、メッシュを通ってスクリーン202の下側に押し出される。このとき、粉体は、回転するロールブラシ203との摩擦によって負に帯電する。したがって、粉体は、接地されている対象物200に引き付けられて対象物200の表面に付着し、均一な厚さの膜を対象物200上に形成する。
【0005】
このような静電印刷技術は、粉体からなる膜を均一に形成することが可能であるため、最近では、燃料電池、全固体電池、二次電池、化粧品など、さまざまな工業製品の製造にも使用されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ホッパ204は、粉体を貯留するホッパ箱205と、ホッパ箱205内に配置されたホッパブラシ206を備えている。ホッパ箱205の底部には、粉体を通過させる複数の通孔207が形成されている。ホッパブラシ206が回転すると、ホッパ箱205内の粉体は、複数の通孔207に押し込まれる。粉体は、通孔207からすぐには落下せず、粉体自身の静電力、ファンデルワールス力、または液架橋力により粉体同士が引き付け合い、塊を形成する。塊がある程度大きくなると、自身の重量により粉体の塊はホッパ204からロールブラシ203上に落下する。
【0008】
しかしながら、自重により落下した粉体の塊は、ある程度大きなサイズを有しているため、対象物200に形成される粉体の膜の厚さを不均一としてしまう。結果として、製品の歩留まりを低下させ、あるいは製品の欠陥を引き起こす原因ともなる。
【0009】
そこで、本発明は、ホッパから落下した粉体の塊を粉砕し、粉体を均一に対象物に付着させることができる静電成膜装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、粉体を静電力により対象物上に付着させる静電成膜装置であって、スクリーンと、粉体を前記スクリーンに擦り込むための粉体擦り込み面を有する擦り込み部材と、前記スクリーンと前記対象物との間に電圧を印加するための電源と、前記粉体を供給するホッパと、前記ホッパの下方に配置された振動ふるい装置を備え、前記振動ふるい装置は、前記ホッパから供給された前記粉体を受け、前記粉体が通過可能な複数の開口を有する粉体受け部と、前記粉体受け部を振動させる振動発生器を備えている、静電成膜装置が提供される。
【0011】
一態様では、前記ホッパは、前記粉体を通過させるための粉体出口を有しており、前記粉体受け部の前記複数の開口の総面積は、前記粉体出口の総面積よりも大きい。
一態様では、前記振動ふるい装置は、前記擦り込み部材の上方に配置されている。
一態様では、前記振動ふるい装置は、防振材を介して前記ホッパに連結されている。
一態様では、前記静電成膜装置は、前記ホッパと前記振動ふるい装置を一体に前記スクリーンと平行に移動させるホッパ移動装置をさらに備えている。
一態様では、前記静電成膜装置は、前記振動ふるい装置の底に補助電圧を印加する補助電源をさらに備え、前記補助電源から前記振動ふるい装置の底に印加される前記補助電圧の極性は、前記電源から前記スクリーンに印加される前記電圧の極性とは反対である。
【0012】
一態様では、粉体を静電力により対象物上に付着させる静電成膜装置であって、スクリーンと、粉体を前記スクリーンに擦り込むための粉体擦り込み面を有する擦り込み部材と、前記粉体擦り込み面を前記スクリーンに対して相対的に移動させる粉体擦り込み面移動装置と、前記スクリーンと前記対象物との間に電圧を印加するための電源と、前記粉体を前記擦り込み部材の前記粉体擦り込み面に供給するホッパと、前記粉体擦り込み面に接触する接触部材を備え、前記接触部材は、前記粉体の通過を許容しない構造体である、静電成膜装置が提供される。
【0013】
一態様では、前記接触部材は、前記粉体擦り込み面に接触する複数の突起を有する。
一態様では、前記接触部材は、金属製であり、接地されている。
一態様では、前記接触部材は、前記スクリーンよりも上方であって、かつ前記ホッパよりも下方に位置している。
一態様では、前記粉体擦り込み面移動装置は、前記粉体擦り込み面を前記接触部材および前記スクリーンの順に接触させる方向に前記擦り込み部材を移動させるように構成されている。
一態様では、前記静電成膜装置は、前記擦り込み部材を前記接触部材から離間させ、前記擦り込み部材を前記スクリーン上で移動させる擦り込み部材移動装置をさらに備えている。
【発明の効果】
【0014】
振動ふるい装置は、ホッパから落下した粉体の塊に振動を与えることで、粉体の塊を粉砕することができる。粉砕された粉体は、振動ふるい装置から擦り込み部材またはスクリーンに供給される。擦り込み部材は、粉体をスクリーンに擦り込み、粉体を均一に対象物に付着させることができる。
【0015】
接触部材は、ホッパから落下した粉体の塊を擦り込み部材に押し付けることで、粉体の塊を粉砕することができる。接触部材の複数の突起は、粉砕された粉体を確実に粉砕し、さらに擦り込み部材の粉体擦り込み面に分散させることができる。したがって、擦り込み部材は、粉体をスクリーンに擦り込み、粉体を均一に対象物に付着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】静電成膜装置の一実施形態を示す正面図である。
【
図4】振動ふるい装置の一実施形態の上面図である。
【
図6】振動ふるい装置の他の実施形態を示す側面断面図である。
【
図7】ホッパ移動装置を備えた静電成膜装置の一実施形態を示す図である。
【
図8】ホッパおよび振動ふるい装置がスクリーンの上方を移動されながら、スクリーン上に粉体を供給する様子を示す図である。
【
図9】擦り込み部材がスクリーン上の粉体をスクリーンのメッシュに擦り込む様子を示す図である。
【
図10】ホッパ、振動ふるい装置、および擦り込み部材を一体に移動させるホッパ移動装置を備えた静電成膜装置の一実施形態を示す図である。
【
図11】静電成膜装置の他の実施形態を示す図である。
【
図12】静電成膜装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【
図13】静電成膜装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【
図15】接触部材の接触面の一実施形態を示す図である。
【
図16】接触部材の複数の突起の一例を示す図である。
【
図17】接触部材の複数の突起の他の例を示す図である。
【
図18】接触部材の複数の突起のさらに他の例を示す図である。
【
図19】接触部材の複数の突起のさらに他の例を示す図である。
【
図20】接触部材の他の実施形態を示す側面図である。
【
図21】静電成膜装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【
図22】アクチュエータが接触部材の第2分割体を移動させる様子を説明する図である。
【
図23】擦り込み部材移動装置が擦り込み部材をスクリーン上で移動させる様子を説明する図である。
【
図24】振動ふるい装置と接触部材を備えた静電成膜装置の一実施形態を示す図である。
【
図25】振動ふるい装置と接触部材を備えた静電成膜装置の一実施形態を示す図である。
【
図26】振動ふるい装置と接触部材を備えた静電成膜装置の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は静電成膜装置の一実施形態を示す正面図であり、
図2は
図1に示す静電成膜装置の側面図である。静電成膜装置は、スクリーン10と、粉体をスクリーン10に擦り込むための擦り込み部材12と、スクリーン10と対象物1との間に電圧を印加するための電源DCと、粉体を供給するホッパ14と、ホッパ14の下方に配置された振動ふるい装置30を備えている。スクリーン10は、対象物1の上方に配置される。粉体の例としては、可食性粉体や機能性粉体などが挙げられる。対象物1は特に限定されず、食品、または燃料電池、全固体電池、二次電池、化粧品など工業製品などである。
【0018】
ホッパ14は、振動ふるい装置30、擦り込み部材12、スクリーン10の上方に位置している。振動ふるい装置30は、スクリーン10および擦り込み部材12の上方に配置されている。
図2に示すように、粉体受け部33の底33aは、粉体が通過可能な複数の開口35を有するメッシュから構成されている。
【0019】
擦り込み部材12は、スクリーン10に接触している。擦り込み部材12は、粉体をスクリーン10に擦り込むための粉体擦り込み面12aを有する。本実施形態では、擦り込み部材12は、円筒形状の擦り込みローラーであるが、粉体をスクリーン10に擦り込むことができるのであれば、円筒形状の擦り込みローラーに限定されない。擦り込み部材12の材料の例としては、スクリーン10への粉体の擦込性の良さから軟質のウレタンスポンジが採用されている。特に、粉体保持性のよい連泡ウレタンスポンジが好ましく採用される。
【0020】
スクリーン10の下方には複数の対象物1を水平に搬送するコンベヤ2が配置されている。コンベヤ2は、スクリーン10の下方位置に対象物1を順次移動させる。コンベヤ2としては、工場に既に設置されているベルト式コンベヤを使用することができる。スクリーン10は電源(電圧印加装置)DCの負極に接続され、コンベヤ2は電源DCの正極に接続されている。電源DCの正極およびコンベヤ2は接地される。電源DCによってスクリーン10とコンベヤ2との間には高電圧が印加され、これによりスクリーン10とコンベヤ2上の対象物1との間には静電界が形成される。
【0021】
図2に示すように、擦り込み部材12は、粉体擦り込み面移動装置としての擦り込みローラー回転機構19に連結されている。擦り込み部材12は、スクリーン10と平行に延びるその軸心を中心として擦り込みローラー回転機構19により回転され、擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aはスクリーン10のメッシュ11に摺接される。擦り込みローラー回転機構19は、モータおよびトルク伝達機構(例えば、スプロケット、チェーンなど)から構成される。あるいは、擦り込みローラー回転機構19は、擦り込み部材12に直結されたモータを備えてもよい。本実施形態においては、擦り込みローラー回転機構19は、粉体擦り込み面12aをスクリーン10に対して相対的に移動させる粉体擦り込み面移動装置を構成する。
【0022】
ホッパ14はスクリーン10の上方に配置されている。ホッパ14は、粉体を内部に収容するホッパ箱20と、ホッパ箱20の内部に配置されたホッパローラー22と、ホッパローラー22を回転させるホッパローラー回転機構24を備えている。ホッパローラー22の材料の例としては、ウレタンスポンジが挙げられる。ホッパローラー回転機構24は、モータおよびトルク伝達機構(例えば、スプロケット、チェーンなど)から構成される。ホッパローラー回転機構24は、ホッパローラー22に直結されたモータから構成されてもよい。
【0023】
図1に示すように、ホッパ箱20の底部14Aには粉体出口25が形成されている。粉体出口25は、複数の通孔またはスリットである。
図3は、粉体出口25の一例を示す図である。
図3に示す例では、粉体出口25は、粉体を通過させるための複数の通孔25aから構成されている。他の例では、粉体出口25は、複数の通孔25aに代えて、1つまたは複数のスリットであってもよい。
【0024】
ホッパローラー回転機構24がホッパローラー22を回転させると、ホッパ箱20内の粉体はホッパローラー22によって撹拌されながらホッパ箱20の底部14Aの粉体出口25に押し込まれ、振動ふるい装置30上に落下する。さらに、粉体は、振動ふるい装置30から擦り込み部材12に落下する。擦り込み部材12への粉体の供給量は、ホッパローラー22の回転速度によって調整することができる。
【0025】
振動ふるい装置30は、ホッパ14から供給された粉体を受ける粉体受け部33と、粉体受け部33を振動させる振動発生器34を備えている。粉体受け部33は、その底部33aに、粉体が通過可能な複数の開口35を有する。振動発生器34は粉体受け部33の側壁に固定されている。振動発生器34は、自身が振動するように構成されており、振動発生器34が振動することで、粉体受け部33を振動させる。振動の方向は、
図2に示すように、粉体受け部33の底部33aおよびスクリーン10に平行な方向である。振動発生器34の具体的構成は、振動を発生できるものであれば特に限定されないが、例えば、圧縮気体の圧力で動作する気体圧式振動発生器、または電動機の回転で振動を発生させるモータ型振動発生器が使用される。
【0026】
図2に示すように、粉体受け部33は、防振材39を介してブラケット31に支持されている。防振材39は、シリコーンなどの柔軟な材料から構成されている。防振材39は、粉体受け部33が振動することを許容しつつ、粉体受け部33を支持することができるように構成されている。
【0027】
ホッパ14から供給された粉体は、振動ふるい装置30によって受け止められ、さらに振動ふるい装置30から擦り込み部材12上に落下する。粉体は、回転する擦り込み部材12によってスクリーン10に運ばれる。粉体は、回転する擦り込み部材12によってスクリーン10のメッシュ11に摺り込まれ、スクリーン10の反対側に押し出される。このとき、粉体は、回転する擦り込み部材12との摩擦によって負に帯電する。したがって、粉体は、接地されている対象物1に引き付けられて対象物1の表面に付着し、対象物1上に均一な厚さの膜を形成する。粉体をスクリーン10に擦り込みながら、図示しない揺動機構により擦り込み部材12をその軸方向に揺動させることが好ましい。粉体の種類によっては、擦り込み部材12によってスクリーン10のメッシュ11に摺り込まれたときに正に帯電するものがある。このような粉体を使用するときは、スクリーン10は電源DCの正極に接続され、電源DCの負極およびコンベヤ2は接地される。
【0028】
次に、振動ふるい装置30について詳細に説明する。
図4は、振動ふるい装置30の一実施形態の上面図であり、
図5は、
図4のA-A線断面図である。本実施形態では、粉体受け部33の底33aは、粉体が通過可能な複数の開口35を有するメッシュから構成されている。他の例では、粉体受け部33の底33aは、粉体が通過可能な複数の開口35を有するパンチングメタルから構成されてもよい。粉体受け部33は、上方に開口する窪み37を有しており、窪み37は底33aの上に形成されている。ホッパ14から落下した粉体(粉体の塊を含む)は、底33aに受け止められ、窪み37内に一旦溜められる。
【0029】
振動ふるい装置30は、粉体の塊に振動を与えることにより、塊を粉砕する。より具体的には、振動発生器34は、粉体受け部33に振動を与えることにより、粉体受け部33上の粉体の塊は粉砕される。細かくなった粉体は複数の開口35を通過して擦り込み部材12上に落下する。擦り込み部材12は、粉体をスクリーン10に擦り込み、粉体を均一に対象物に付着させることができる。
【0030】
ホッパ14から供給された粉体が粉体受け部33上に累積的に溜まると、粉体の性質上、振動発生器34の振動は、粉体受け部33上の粉体の上層には伝達されにくい。結果として、粉体の上層に存在する塊は粉砕されず、塊が粉体受け部33上の粉体内に残留してしまう。そこで、本実施形態では、粉体受け部33の複数の開口35の総面積は、ホッパ14の粉体出口25の総面積よりも大きくされている。このように構成することで、粉体受け部33は、ホッパ14から擦り込み部材12への粉体の供給の律速因子とならず、粉体受け部33上の粉体の量が累積的に増加することがない。
【0031】
図6は、振動ふるい装置30の他の実施形態を示す側面断面図である。
図6に示すように、振動ふるい装置30は、複数の防振材39を介してホッパ14に連結されている。より具体的には、粉体受け部33の側壁は、複数の防振材39を介してホッパ箱20の側壁に保持されている。防振材39は、粉体受け部33の側壁とホッパ箱20の側壁との間に挟まれている。防振材39は、シリコーンなどの柔軟な材料から構成されており、振動ふるい装置30の振動がホッパ14に伝達されることを防止する。
【0032】
振動ふるい装置30の振動がホッパ14に伝達されると、ホッパ箱20内の粉体が振動により互いに凝集することがある。防振材39は、そのような粉体の凝集を防止することができる。振動ふるい装置30は、防振材39によってホッパ14に保持されているので、ホッパ14と一体に移動可能である。
【0033】
図7は、ホッパ移動装置41を備えた静電成膜装置の一実施形態を示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、
図1乃至
図6を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図7に示すように、静電成膜装置は、ホッパ14と振動ふるい装置30を一体にスクリーン10と平行に移動させるホッパ移動装置41を備えている。ホッパ移動装置41の具体的構成は特に限定されないが、例えば、プーリとベルトを備えたリニアアクチュエータがホッパ移動装置41に使用できる。本実施形態では、振動ふるい装置30は、防振材39を介してホッパ14に保持されている(
図6参照)。したがって、ホッパ移動装置41は、ホッパ14と振動ふるい装置30を一体に移動させることができる。
【0034】
本実施形態の静電成膜装置は、擦り込み部材12をスクリーン10上で移動させる擦り込み部材移動装置44をさらに備えている。擦り込み部材移動装置44の具体的構成は特に限定されないが、例えば、プーリとベルトを備えたリニアアクチュエータが擦り込み部材移動装置44に使用できる。ホッパ移動装置41と擦り込み部材移動装置44は、互いに独立に動作可能である。
【0035】
本実施形態では、まず、ホッパ14および振動ふるい装置30によって粉体がスクリーン10上に散布される。次いで、擦り込み部材12によりスクリーン10上の粉体がスクリーン10のメッシュ11に擦り込まれる。すなわち、
図8に示すように、ホッパ14および振動ふるい装置30は、ホッパ移動装置41によってスクリーン10の上方を移動されながら、スクリーン10上に粉体を供給する。擦り込み部材12は、スクリーン10のメッシュ11から離れた退避位置にある。その後、
図9に示すように、ホッパ14および振動ふるい装置30は、ホッパ移動装置41によって、スクリーン10のメッシュ11から離れた退避位置に移動される。さらに、擦り込み部材12は、回転しながら、擦り込み部材移動装置44によってスクリーン10上を移動し、スクリーン10上の粉体をスクリーン10のメッシュ11に擦り込む。
【0036】
本実施形態でも、振動ふるい装置30は、粉体の塊に振動を与えることにより、塊を粉砕することができる。細かくなった粉体は振動ふるい装置30からスクリーン10上に落下する。擦り込み部材12は、粉体をスクリーン10に擦り込み、粉体を均一に対象物に付着させることができる。
【0037】
さらに、一実施形態では、
図10に示すように、ホッパ移動装置41は、擦り込み部材12にも連結され、ホッパ移動装置41は、ホッパ14、振動ふるい装置30、および擦り込み部材12を一体に移動させるように構成されてもよい。
図10に示す実施形態では、擦り込み部材12は、図示しない連結部材(例えばフレーム)によりホッパ移動装置41に連結されている。この実施形態では、
図7乃至
図9に示す擦り込み部材移動装置44は、設けられない。
【0038】
図10に示す実施形態では、ホッパ14、振動ふるい装置30、および擦り込み部材12は、ホッパ移動装置41によってスクリーン10の上方を移動されながら、ホッパ14および振動ふるい装置30は擦り込み部材12上に粉体を供給する。さらに、擦り込み部材12は、回転しながら、擦り込み部材12に供給された粉体をスクリーン10のメッシュ11に擦り込む。
【0039】
上述したように、振動ふるい装置30は、ホッパ14から供給された粉体の塊を細かい粉体に粉砕することができる。しかしながら、振動ふるい装置30から落下する粉体が細かすぎると、粉体は空間を漂う浮遊粒子となり、その自重で落下しにくくなる。そこで、
図11に示す一実施形態では、静電成膜装置は、振動ふるい装置30の底33aに補助電圧を印加する補助電源45を有する。擦り込み部材12は、負の電圧が印加されたスクリーン10に接触しているので、擦り込み部材12は負に帯電する。したがって、振動ふるい装置30の底33aと擦り込み部材12との間には静電界が形成される。
図11に示す実施形態の特に説明しない他の構成は、
図1乃至
図5に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0040】
振動ふるい装置30の底33aは、導電性ステンレス鋼などの金属から構成されている。振動ふるい装置30の底33aに印加される補助電圧の極性は、スクリーン10に印加される電圧の極性とは反対である。
図11に示す実施形態では、スクリーン10に印加される電圧の極性は負であるので、振動ふるい装置30の底33aに印加される補助電圧の極性は正である。スクリーン10に印加される電圧の極性が正である場合は、粉体受け部33の底33aに印加される補助電圧の極性は負である。補助電源45の一方の電極は振動ふるい装置30の底33aに電気的に接続され、補助電源45の他方の電極は接地されている。
【0041】
振動ふるい装置30の底33a上の粉体は、補助電源45によって印加された補助電圧によって正に帯電する。そして、正に帯電した粉体は、粉体受け部33の底33aと擦り込み部材12との間に形成された静電界により擦り込み部材12に運ばれる。本実施形態によれば、粉体受け部33の底33aと擦り込み部材12との間に形成された静電界は、振動ふるい装置30により粉砕された細かい粉体が空気中に浮遊することを防止することができる。
【0042】
図12に示す一実施形態は、
図11に示す補助電源45を、
図7乃至
図9を参照して説明した実施形態に適用した例である。
図12に示す実施形態では、静電成膜装置は、振動ふるい装置30の底33aに補助電圧を印加する補助電源45を有し、振動ふるい装置30の底33aとスクリーン10との間に静電界を形成する。補助電源45の一方の電極は振動ふるい装置30の底33aに電気的に接続され、補助電源45の他方の電極は接地されている。
【0043】
振動ふるい装置30の底33a上の粉体は、補助電源45によって印加された補助電圧によって正に帯電する。そして、正に帯電した粉体は、粉体受け部33の底33aとスクリーン10との間に形成された静電界によりスクリーン10に運ばれる。本実施形態によれば、粉体受け部33の底33aとスクリーン10との間に形成された静電界は、振動ふるい装置30により粉砕された細かい粉体が空気中に浮遊することを防止することができる。
【0044】
図示しないが、補助電源45は、
図10を参照して説明した実施形態にも適用することができる。
【0045】
次に、静電成膜装置のさらに他の実施形態について
図13乃至
図20を参照して説明する。特に説明しない本実施形態の構成は、
図1乃至
図3を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態の静電成膜装置は、振動ふるい装置30は備えていなく、代わりに、粉体の塊を粉砕するための接触部材50を備えている。本実施形態の接触部材50は、接触プレートである。接触部材50は、保持部材51に保持されており、接触部材50の擦り込み部材12に対する相対的な位置は固定されている。接触部材50は、ホッパ14とスクリーン10との間に配置されている。接触部材50は、スクリーン10よりも上方であって、かつホッパ14よりも下方に位置している。
【0046】
本実施形態の接触部材50は、平坦な接触面50aを有している。接触部材50の接触面50aは、擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aに接触している。
図13に示す実施形態では、粉体擦り込み面12aは、擦り込み部材12の円筒状の外周面である。擦り込み部材12は、ウレタンスポンジなどの弾性材料から構成されているので、接触部材50に接触している擦り込み部材12の部分は、わずかに内側に変形している。接触部材50は、ホッパ14から落下した粉体の塊を粉砕する機能のみならず、粉砕した粉体を擦り込み部材12内に押し込む(粉体を粉体擦り込み面12aに保持させる)機能も有する。
【0047】
図14は、
図13に示す静電成膜装置の側面図である。接触部材50の幅Wは、擦り込み部材12の軸方向の長さLと同じである。一実施形態では、接触部材50の幅Wは、擦り込み部材12の軸方向の長さLよりも長くてもよい。このような寸法を有する接触部材50は、ホッパ14から供給された粉体を擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aに押し付けることができる。
【0048】
図15は、接触部材50の接触面50aの一実施形態を示す図である。この実施形態では、接触部材50の複数の突起52は、格子状の線条突起である。格子状の線条突起を構成する複数の突起52は、粉体擦り込み面12aの移動方向Sに対して垂直に延びる線条突起を含む。
【0049】
擦り込みローラー回転機構19は、粉体擦り込み面12aをスクリーン10に対して相対的に移動させる粉体擦り込み面移動装置である。この擦り込みローラー回転機構19は、粉体擦り込み面12aが接触部材50およびスクリーン10の順に接触する方向に粉体擦り込み面12aを移動させるように構成されている。本実施形態では、擦り込みローラー回転機構19は、擦り込み部材12を反時計回りに回転させる(
図13参照)。したがって、ホッパ14から擦り込み部材12の粉体擦り込み面12a上に落下した粉体の塊は、擦り込み部材12の回転に伴って接触部材50に到達する。接触部材50は、粉体の塊を擦り込み部材12に押し付けて、粉体の塊を粉砕する。さらに、接触部材50の複数の突起52(
図15参照)は、粉体の塊を粉砕しつつ、粉砕された粉体を粉体擦り込み面12a上に分散させることができる。粉砕された粉体は、擦り込み部材12の回転に伴ってスクリーン10に移動され、擦り込み部材12によってスクリーン10に擦り込まれる。
【0050】
接触部材50は、粉体の通過を許容しない構造を有している。より具体的には、接触部材50は、粉体の通過を許容する開口を有しない。したがって、接触部材50は、ホッパ14から供給された粉体を擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aに押し付け、粉体を擦り込み部材12に保持させることができる。
【0051】
接触部材50は、金属から構成されており、
図13および
図14に示すように、接触部材50は接地されている。したがって、接触部材50は、粉体を除電する除電装置としても機能する。粉体の種類によっては、接触部材50は、樹脂などの非金属から構成されてもよい。
【0052】
図13に示す実施形態では、接触部材50は擦り込み部材12の一方側にのみ配置されているが、複数の接触部材50を擦り込み部材12の両側に配置してもよい。
【0053】
接触部材50の複数の突起52の形状は、粉体の塊を粉砕でき、さらに粉砕された粉体を粉体擦り込み面12a上に分散させることができる限りにおいて、
図15に示す例に限定されない。例えば、
図16に示すように、複数の突起52は、粉体擦り込み面12aの移動方向Sに沿って延びる波状の線条突起であってもよい。あるいは、
図17に示すように、複数の突起52は、粉体擦り込み面12aの移動方向Sに対して垂直に延びる直線状の線条突起であってもよい。あるいは、
図18および
図19に示すように、複数の突起52は、接触面50aの全体に分布する丸形または多角形状の複数の突起であってもよい。
【0054】
図20は、接触部材50の他の実施形態を示す側面図である。
図20では、接触部材50の接触面50aは、擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aに沿って湾曲している。
図20に示す実施形態によれば、接触部材50の粉体擦り込み面12aとの接触面積が大きくなるので、粉体の塊をより確実に粉砕することができる。
【0055】
図21は、静電成膜装置のさらに他の実施形態を示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、
図13乃至
図20を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。静電成膜装置は、擦り込み部材12を接触部材50から離間させ、擦り込み部材12をスクリーン10上で移動させる擦り込み部材移動装置44をさらに備えている。擦り込み部材移動装置44の具体的構成は特に限定されないが、例えば、プーリとベルトを備えたリニアアクチュエータが擦り込み部材移動装置44に使用できる。
【0056】
ホッパ14および接触部材50は、スクリーン10の外側に配置されており、スクリーン10に対するホッパ14および接触部材50の相対的な位置は固定されている。すなわち、擦り込み部材移動装置44は擦り込み部材12を移動させるが、その一方でホッパ14および接触部材50は移動しない。接触部材50の接触面50aは、擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aの両側部および底部に接触する湾曲形状を有している。すなわち、接触部材50の接触面50aは、粉体擦り込み面12aの少なくとも下側半分に接触している。
【0057】
接触部材50は、第1分割体53Aおよび第2分割体53Bから構成されている。第1分割体53Aは、保持部材51に保持されており、第2分割体53Bは、接触部材50の底部に配置されたヒンジ54によって第1分割体53Aに回転可能に連結されている。接触部材50を擦り込み部材12の軸方向から見たとき、第1分割体53Aは接触部材50の左側半分を構成し、第2分割体53Bは接触部材50の右側半分を構成している。第1分割体53Aと第2分割体53Bは、接触部材50の底部において互いに連結されており、粉体が接触部材50の底部から落下しないようになっている。
【0058】
第2分割体53Bには、アクチュエータ55が連結されている。このアクチュエータ55は、第2分割体53Bを第1分割体53Aに対して相対的に移動させるように構成されている。より具体的には、
図22に示すように、アクチュエータ55が第2分割体53Bを第1分割体53Aから離れる方向に移動させると、第2分割体53Bはヒンジ54を中心に回転し、第2分割体53Bの内面は擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aから離間する。さらに、アクチュエータ55が第2分割体53Bを第1分割体53Aに向かって移動させると、第2分割体53Bはヒンジ54を中心に反対方向に回転し、
図21に示すように、第2分割体53Bの内面は擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aに接触する。
【0059】
次に、本実施形態の静電成膜装置の動作について説明する。まず、
図21に示すように、接触部材50の第1分割体53Aおよび第2分割体53Bの両方が擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aに接触している状態で、擦り込み部材12を回転させながら、ホッパ14から粉体(粉体の塊を含む)を擦り込み部材12上に供給する。接触部材50は、粉体の塊を擦り込み部材12に押し付けて、粉体の塊を粉砕する。さらに、接触部材50は、粉砕された粉体を、回転する擦り込み部材12の粉体擦り込み面12aに押し付けて、粉体を擦り込み部材12に保持させる。擦り込み部材12の回転方向および回転速度は、特に限定されない。このような粉体を擦り込み部材12に保持させる動作は、予め定められた時間行われる。擦り込み部材12を正逆回転させると、粉体を擦り込み部材12に均一に保持させることができる。
【0060】
その後、ホッパ14からの粉体の供給を停止する。さらに、
図22に示すように、アクチュエータ55は第2分割体53Bを第1分割体53Aから離間させる方向に移動させ、第2分割体53Bを擦り込み部材12から離間させる。そして、
図23に示すように、擦り込み部材移動装置44は、擦り込み部材12を接触部材50の第1分割体53Aから離間させ、擦り込み部材12をスクリーン10上で移動させる。粉体を保持した擦り込み部材12は、回転しながら粉体をスクリーン10のメッシュ11に擦り込むことができる。
【0061】
粉体のスクリーン10への擦り込みが終わると、擦り込み部材移動装置44は、擦り込み部材12を
図22に示す位置まで戻し、さらに、アクチュエータ55は、第2分割体53Bを
図21に示す位置まで戻す。
【0062】
本実施形態によれば、擦り込み部材移動装置44は、擦り込み部材12のみを移動させ、ホッパ14および接触部材50を移動させないので、擦り込み部材移動装置44を小型化することができる。さらに、ホッパ14を移動させるためのホッパ移動装置も不要である。結果として、成膜装置の全体を小型化することができる。
【0063】
図1乃至
図12を参照して説明した実施形態は、
図13乃至
図23を参照して説明した実施形態と適宜組み合わせてもよい。例えば、
図24乃至
図26に示すように、振動ふるい装置30の下方に接触部材50を配置してもよい。
【0064】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0065】
1 対象物
2 コンベヤ
10 スクリーン
11 メッシュ
12 擦り込み部材
12a 粉体擦り込み面
DC 電源
14 ホッパ
14A 底部
19 擦り込みローラー回転機構(粉体擦り込み面移動装置)
20 ホッパ箱
22 ホッパローラー
24 ホッパローラー回転機構
25 粉体出口
25a 複数の通孔
30 振動ふるい装置
31 ブラケット
33 粉体受け部
33a 底
34 振動発生器
35 開口
37 窪み
39 防振材
41 ホッパ移動装置
44 擦り込み部材移動装置
45 補助電源
50 接触部材
50a 接触面
51 保持部材
52 突起
53A 第1分割体
53B 第2分割体
54 ヒンジ
55 アクチュエータ