(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021467
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】回路基板モジュールとこの回路基板モジュールを適用する電子装置
(51)【国際特許分類】
H01G 4/38 20060101AFI20250205BHJP
H01G 2/02 20060101ALI20250205BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
H01G4/38 A
H01G2/02 101E
H01G2/06 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024124585
(22)【出願日】2024-07-31
(31)【優先権主張番号】202310949907.1
(32)【優先日】2023-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュエー フン-ウェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン チア-ユ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヤン-ル
【テーマコード(参考)】
5E082
【Fターム(参考)】
5E082AB03
5E082BC40
5E082CC05
5E082CC07
5E082GG04
5E082LL13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンデンサモジュールのノイズを低下させるを提供する。
【解決手段】回路基板モジュール100は、メインボードに接続される複数のピン150を有する回路基板110と、回路基板の対向する第1表面112及び第2表面114に対称に配置される複数のコンデンサ121~123、131~133と、を含む。回路基板には、対向するコンデンサの間に中空部140が形成される。回路基板の第1表面における複数のコンデンサは、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される第1コンデンサ群120を構成し、第2表面における複数のコンデンサは、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される第2コンデンサ群130を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインボードに接続される複数のピンを有する回路基板と、
前記回路基板の対向する第1表面及び第2表面に対称して配置される複数のコンデンサと、
を含む回路基板モジュール。
【請求項2】
前記回路基板は、対向する前記コンデンサの間に中空部がある請求項1に記載の回路基板モジュール。
【請求項3】
前記回路基板の前記第1表面における前記コンデンサは、
前記ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される第1コンデンサ群を含む請求項1に記載の回路基板モジュール。
【請求項4】
前記回路基板の前記第2表面における前記コンデンサは、
前記ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される第2コンデンサ群を含む請求項3に記載の回路基板モジュール。
【請求項5】
前記第1コンデンサ群及び前記第2コンデンサ群の容量値の何れも同一である請求項4に記載の回路基板モジュール。
【請求項6】
前記第1コンデンサ群のそれぞれの容量値は同一ではなく、前記第2コンデンサ群のそれぞれの容量値も同一ではない請求項4に記載の回路基板モジュール。
【請求項7】
前記第1コンデンサ群と前記第2コンデンサ群は、前記ピンに隣接する一端から離れた他端まで、容量値の大きさの順に配列され、且つ対称して設けられる請求項6に記載の回路基板モジュール。
【請求項8】
前記第1コンデンサ群と前記第2コンデンサ群のうち、前記ピンに最も近いコンデンサの容量値は、前記ピンから最も離れたコンデンサの容量値よりも大きい請求項7に記載の回路基板モジュール。
【請求項9】
前記第1コンデンサ群と前記第2コンデンサ群の各コンデンサの容量値は、前記ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に逓減する請求項8に記載の回路基板モジュール。
【請求項10】
前記回路基板の両側には、対称の凹部がある請求項1に記載の回路基板モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板モジュールとこの回路基板モジュールを有する電子装置に関する。特に、ノイズ防止用プリント回路基板モジュールとこのノイズ防止用プリント回路基板モジュールを有する電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
社会が日々進歩するにつれて、様々な電子製品は登場する。電子設備には、例えば、セラミックコンデンサ、タンタル電解コンデンサ、アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサのようなコンデンサがよく使用される。ただし、セラミックコンデンサは、殆ど、複数の電極対を積層した構造となる積層セラミックコンデンサから構成される。
【0003】
セラミックコンデンサは、高誘電率の誘電体を有するため、小型化が可能であり、且つ老化に伴う容量の変化が小さいので、現代の電子設備に広く使用されている。セラミックコンデンサに使用されるセラミック材料が電気ひずみの特性を示すので、コンデンサの両端に電圧が印加されると、セラミック材料に機械的変形が発生する。
【0004】
また、アダプタ(adapter)の製品を設計する場合、ハイブリッドフライバック(hybrid flyback)回路がよく使用されるが、積層セラミックコンデンサ(multilayer ceramic capacitor;MLCC)がハイブリッドフライバック共振コンデンサに適用される場合、回路特性により積層セラミックコンデンサの両端に交番電圧が発生し、圧電効果が生じるため、積層セラミックコンデンサ本体が振動し、更に積層セラミックコンデンサの両端のパッド(pad)や回路基板と共に共振して、ノイズが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンデンサモジュールのノイズを低下させた回路設計を如何に提供できるかは、電子製品の品質と使用寿命の向上に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要は、本開示内容についての簡単な要約を提供して、読者に本開示内容を基本的に理解させることを図っている。この発明の概要は、本開示内容についての完璧な記述ではなく、且つ本発明の実施例の重要/肝心な素子を指摘し又は本発明の範囲を定めることを意図するものではない。
【0007】
本発明の概要は、コンデンサのノイズを効果的に低下させ、電子製品の品質と寿命を向上させることのできる回路基板モジュールを提供することを一つの目的とする。
【0008】
上記目的を達成させるために、本発明の概要の一つの技術態様は、メインボードに接続される複数のピンを有する回路基板と、回路基板の対向する第1表面及び第2表面に対称して配置される複数のコンデンサと、を含む回路基板モジュールに関する。
【0009】
いくつかの実施例において、回路基板は、コンデンサの間に中空部が形成される。
【0010】
いくつかの実施例において、回路基板の第1表面におけるコンデンサは、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される第1コンデンサ群を含む。
【0011】
いくつかの実施例において、回路基板の第2表面におけるコンデンサは、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される第2コンデンサ群を含む。
【0012】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群及び第2コンデンサ群の容量値の何れも同一である。
【0013】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群の容量値は同一ではなく、第2コンデンサ群の容量値も同一ではない。
【0014】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群と第2コンデンサ群は、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、容量値の大きい順に配列され、且つ対称して設けられる。
【0015】
いくつかの実施例において、ピンに最も近い一端の第1コンデンサ群の容量値と第2コンデンサ群の容量値は、ピンから最も離れた一端の第1コンデンサ群の容量値と第2コンデンサ群の容量値よりも大きい。
【0016】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群の容量値と第2コンデンサ群の容量値は、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に逓減する。
【0017】
いくつかの実施例において、回路基板の両側には、対称の凹部がある。
【0018】
本発明の別の態様にとると、ケースと、メインボードと、回路基板と、複数のコンデンサと、を備える電子装置を開示する。メインボードと回路基板は、何れもケースの中に取り付けられるが、回路基板は、複数のピンを有し、メインボードに接続される。また、コンデンサは、それぞれ回路基板の対向する第1表面及び第2表面に対称して配置される。ただし、回路基板は、コンデンサの間に中空部が形成され、且つ回路基板の第1表面におけるコンデンサは、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される第1コンデンサ群を含むが、回路基板の第2表面におけるコンデンサは、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される第2コンデンサ群を含む。
【0019】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群及び第2コンデンサ群の容量値の何れも同一である。
【0020】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群のそれぞれの容量値は同一ではなく、第2コンデンサ群のそれぞれの容量値も同一ではない。
【0021】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群と第2コンデンサ群は、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、容量値の大きさの順に配列され、且つ対称して設けられる。
【0022】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群と第2コンデンサ群のうち、ピンに最も近い一端の第1コンデンサ群の容量値と第2コンデンサ群の容量値は、ピンから最も離れた一端の第1コンデンサ群の容量値と第2コンデンサ群の容量値よりも大きい。
【0023】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群と第2コンデンサ群の各コンデンサの容量値は、ピンに隣接する一端から離れた他端まで、順次に逓減する。
【0024】
いくつかの実施例において、回路基板の両側には、更に、対称の凹部が対応して形成される。
【0025】
本発明のまた別の態様によれば、メインボードと、第1コンデンサ群と、第2コンデンサ群と、を備える電子装置を開示する。第1コンデンサ群と第2コンデンサ群は、それぞれメインボードの対向する2つの表面に対称して配置され、メインボードに、第1コンデンサ群と第2コンデンサ群との間に位置する中空部が形成される。
【0026】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群及び第2コンデンサ群の容量値の何れも同一である。
【0027】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群の容量値と第2コンデンサ群の容量値は、対称して設けられ、且つ容量値の大きさの順に配列される。
【発明の効果】
【0028】
そのため、本発明に開示する回路基板モジュール及び電子装置は、対称して設けられたコンデンサによって作業中に発生した振動を効果的に相殺することができ、更に、回路基板の中間の中空部によって、コンデンサと回路基板との接触面積を大幅に低下させ、また空気でノイズを隔離して、回路基板等の固体によって伝導されるノイズを低下させることができる。また、回路のピンに近いほど大きいコンデンサを配置するが、回路のピンから離れるほど小さいコンデンサを配置するという設計によれば、回路基板モジュールの作業効率及び品質を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
下記添付図面についての説明は、本開示の上記及び他の目的、特徴、メリットと実施例をより分かりやすくするためのものである。
【
図1】本発明の一実施例による回路基板モジュールを示す分解模式図である。
【
図2】
図1の回路基板モジュールの正面模式図である。
【
図3】
図1の回路基板モジュールの側面模式図である。
【
図4】回路基板モジュールが配置された電子装置の一実施例の模式図である。
【
図5】回路基板モジュールが配置された電子装置の別の実施例の模式図である。
【
図6】積層セラミックコンデンサの電圧減衰率の模式図である。
【
図7】本発明の回路基板モジュールの多種の回路への適用の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、実施例を挙げて添付図面に合わせて詳しく説明するが、提供される実施例は、本開示に含まれる範囲を制限するものではないが、構造動作の叙述はその実行の順序を制限するものではなく、素子から改めて組み合わせられた如何なる構造や、それによる等価な装置も、本開示に含まれる範囲にある。また、図面は、単に説明するためのものであり、原サイズに基づいて描かれたものではない。容易に理解させるために、下記説明において、同一の素子又は類似な素子には、同一の符号を付けて説明する。
【0031】
また、明細書全体と特許請求の範囲で使用される用語(terms)については、特に明記される以外、一般的に、各用語がこの分野に使用される、ここで開示される内容と特殊な内容における普通の意味を有する。本開示を叙述するためのある用語については、本開示に係る叙述について当業者を別に引導するように、以下又はこの明細書の別所で検討される。
【0032】
実施形態と特許請求の範囲において、本文では冠詞について特に限定しない限り、「一」と「前記」は、単一又は複数のものを一般に指してもよい。工程で使用される番号は、工程をマークして容易に説明するためのものであり、前後順序及び実施形態を制限するものではない。
【0033】
次に、本文中で使用される「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」等の用語は、何れも開放的な術語であり、つまり、それを含むがそれに限定されないことを意図する。
【0034】
図1は、本発明の一実施例による回路基板モジュールを示す分解模式図であり、
図2は、その正面模式図であり、
図3は、その側面模式図である。また、
図4と
図5は、回路基板モジュールが配置された電子装置の実施例の模式図である。また、
図6は、積層セラミックコンデンサの電圧減衰率の模式図であり、
図7は、回路基板モジュールの多種の回路への適用の模式図である。
【0035】
図1を参照すると、図に示すように、回路基板モジュール100は、回路基板110と、例えば、第1表面112に位置する第1コンデンサ群120及び第2表面114に位置する第2コンデンサ群130のような複数のコンデンサと、を含む。第1コンデンサ群120と第2コンデンサ群130は、それぞれ回路基板110の対向して設けられる第1表面112及び第2表面114に対称して配置される。そのため、第1コンデンサ群120と第2コンデンサ群130との対称的な設置によって、作業中に発生した振動を効果的に相殺することができる。
【0036】
いくつかの実施例において、
図4におけるメインボード210又は
図5におけるメインボード310を参照すると、回路基板110は、例えば、メインボードに立つように、メインボードに接続されるための複数のピン150を有する。しかしながら、本発明はこれに限定されなく、複数のコンデンサは、メインボードに直接固定されてもよく、
図5におけるメインボード310にも、対称して設けられた複数のコンデンサが形成されることを参照すると、それも本発明の精神や保護範囲から逸脱しない。
【0037】
いくつかの実施例において、回路基板110には、第1コンデンサ群120と第2コンデンサ群130との間に位置する中空部140が更に形成される。回路基板110の中間の中空部140によって、第1コンデンサ群120と第2コンデンサ群130と回路基板110との接触面積を大幅に低下させ、更に中空部140の中の空気でノイズを隔離して、回路基板110等の固体により伝導されるノイズを効果的に低下させることができる。
【0038】
いくつかの実施例において、回路基板110の第1表面112における第1コンデンサ群120、例えば、一番目の第1コンデンサ121、二番目の第1コンデンサ122及び三番目の第1コンデンサ123は、ピン150に隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される。
【0039】
いくつかの実施例において、回路基板110の第2表面114における第2コンデンサ群130、例えば、一番目の第2コンデンサ131、二番目の第2コンデンサ132及び三番目の第2コンデンサ133は、ピン150に隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列される。
【0040】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群120及び第2コンデンサ群130の容量値の何れも同一であり、つまり、一番目の第1コンデンサ121、二番目の第1コンデンサ122、三番目の第1コンデンサ123、一番目の第2コンデンサ131、二番目の第2コンデンサ132及び三番目の第2コンデンサ133の容量値の何れも同等である。
【0041】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群120の容量値は同一ではなく、第2コンデンサ群130の容量値も同一ではない。つまり、一番目の第1コンデンサ121、二番目の第1コンデンサ122と三番目の第1コンデンサ123の容量値が異なるが、一番目の第2コンデンサ131、二番目の第2コンデンサ132及び三番目の第2コンデンサ133の容量値が異なる。
【0042】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群120の容量値と第2コンデンサ群130の容量値は、ピン150に隣接する一端から離れた他端まで、順次に配列され、且つ対称して設けられる。つまり、一番目の第1コンデンサ121の容量値と一番目の第2コンデンサ131の容量値が同一であり、二番目の第1コンデンサ122の容量値と二番目の第2コンデンサ132の容量値が同一であり、また、三番目の第1コンデンサ123の容量値と三番目の第2コンデンサ133の容量値が同一である。
【0043】
いくつかの実施例において、ピン150に最も近い一端の一番目の第1コンデンサ121と一番目の第2コンデンサ131の容量値は、ピン150から最も離れた一端の三番目の第1コンデンサ123の容量値と三番目の第2コンデンサ133の容量値よりも大きい。
【0044】
いくつかの実施例において、二番目の第1コンデンサ122と二番目の第2コンデンサ132の容量値が一番目の第1コンデンサ121と一番目の第2コンデンサ131の容量値及び三番目の第1コンデンサ123の容量値と三番目の第2コンデンサ133の容量値の間にあるため、第1コンデンサ群120の容量値と第2コンデンサ群130の容量値は、ピン150に隣接する一端から離れた他端まで、順次に逓減する。そのため、本発明の回路基板モジュール100は、ピン150に隣接するコンデンサの容量値からピン150から離れたコンデンサの容量値まで、順次に逓減することで、回路基板モジュール100の作業効率及び品質を効果的に向上させることができる。
【0045】
いくつかの実施例において、使用者が容易に回路基板モジュール100をメインボードに取り付けたり、メインボードから除去したりするように、回路基板110の両側には、対称の凹部160があるが、それも本発明の精神や保護範囲から逸脱しない。
【0046】
更に
図4を参照すると、図に示すように、ケース220と、メインボード210と、
図1~
図3に記載の回路基板モジュール100と、を備える電子装置200である。回路基板モジュール100はメインボード210に固定され、メインボード210及び回路基板モジュール100の何れもケース220の中に取り付けられる。
【0047】
また、
図5を参照すると、図に示すように、ケース350と、メインボード310と、第1コンデンサ群320と、第2コンデンサ群330と、を備える電子装置300である。第1コンデンサ群320及び第2コンデンサ群330は、それぞれメインボード310の対向する2つの表面に対称して配置される。ただし、メインボード310に、更に、第1コンデンサ群320と第2コンデンサ群330との間に位置する中空部340が形成される。
【0048】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群320及び第2コンデンサ群330の容量値の何れも同一である。
【0049】
いくつかの実施例において、第1コンデンサ群320の容量値と第2コンデンサ群330の容量値は、対称して設けられ、且つ例えば、
図5における右側から左側へ逓減し或いは逓増するように、容量値の大きさの順に配列されるが、それも本発明の精神や保護範囲から逸脱しない。
【0050】
いくつかの実施例において、電子装置300は、メインボード310に取り付けられる
図1~
図3に記載の回路基板モジュール100を更に含むが、それも本発明の精神や保護範囲から逸脱しない。
【0051】
また、通常の共振回路アーキテクチャの共振コンデンサとしてはフィルムコンデンサ(film capacitor)が用いられるが、本発明に開示するアダプタ製品では、
図6を参照すると、ハイブリッドフライバック(hybrid flyback)回路アーキテクチャを使用し、広い出力電圧範囲(5V~48V)に適用されることができるため、共振コンデンサとして積層セラミックコンデンサを使用し、その電圧減衰率を利用し、出力電圧が高いほどコンデンサの跨ぐ電圧は高くなり、容量が減衰につれて小さくなるという特性によって、タンク回路の共振周波数を更に変調して、広い出力電圧範囲での高効率を達成させる。
【0052】
従来の技術では、ハイブリッドフライバック回路アーキテクチャの共振コンデンサに必要な高容量設計に満足できないため、本発明では、複数の積層セラミックコンデンサを小型の回路基板に並列し、且つ積層セラミックコンデンサの小型回路基板を主要な回路基板に立たせるようにして、小型化アダプタ製品に必要な水平空間を節約し、更に空間全体の利用率を上げる。
【0053】
また、
図7を参照すると、本発明に開示する積層セラミックコンデンサの小型回路基板の設計概念は、ノイズを低下させるように、例えば、変圧器補助巻線の供給する集積回路のVCCコンデンサ、Vbus電圧と出力電圧に接続されるフィルタコンデンサ、一次側主スイッチと二次側同期整流スイッチのスナバ回路(snubber circuit)等の、交番電圧の跨がれた如何なるコンデンサ回路に如何に適用してもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0054】
これに鑑みて、本発明に開示する回路基板モジュール及び電子装置は、対称して設けられたコンデンサによって作業中に発生した振動を効果的に相殺することができ、更に、回路基板の中間の中空部によって、コンデンサと回路基板との接触面積を大幅に低下させ、また空気でノイズを隔離して、回路基板等の固体によって伝導されるノイズを低下させることができる。また、回路のピンに近いほど大きいコンデンサを配置するが、回路のピンから離れるほど小さいコンデンサを配置するという設計によれば、回路基板モジュールの作業効率及び品質を更に向上させることができる。
【0055】
そのため、本発明に開示する回路基板モジュールは、共振コンデンサだけではなく、例えば、集積回路のVCCコンデンサ、バルクコンデンサ(Bulk capacitor)、出力コンデンサ及びスナバ回路コンデンサ等のような、如何なる交番電圧を発生させるように適用される関連の回路にも使用されることができる。また、共振回路の共振コンデンサとして積層セラミックコンデンサを使用すると、更に、筒状のアダプタに必要な水平空間を節約し、空間全体の利用率を上げると共に、積層セラミックコンデンサの電圧減衰率によって広い出力電圧範囲を達成させることができる。
【0056】
ただし、上記は、単に本発明の好ましい実施例であるが、これにより本発明の実施の範囲が限定されず、つまり、本発明の特許請求の範囲及び発明の説明する内容に基づいた簡単な等效変化と修飾であれば、何れも本発明の特許に含まれる範囲内にある。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲も、必ず本発明に開示する全ての目的又はメリット又は特点を達成させるものではない。また、要約の部分及び標題は、単に特許文書の捜しを補助することに用いられ、本発明の権利範囲を制限するためのものではない。また、本明細書又は特許請求の範囲で言及した「第1」、「第2」等の術語は、素子(element)の名称を命名し、又は異なる実施例又は範囲を区別することに用いられ、素子数での上限又は下限を制限するものではない。
【0057】
本開示内容は実施形態を前述の通りに開示したが、当該実施形態は本開示内容を限定するものではなく、当業者であれば、本開示内容の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができる。従って、本開示内容の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0058】
100:回路基板モジュール
110:回路基板
112:第1表面
114:第2表面
120:第1コンデンサ群
121:一番目の第1コンデンサ
122:二番目の第1コンデンサ
123:三番目の第1コンデンサ
130:第2コンデンサ群
131:一番目の第2コンデンサ
132:二番目の第2コンデンサ
133:三番目の第2コンデンサ
140:中空部
150:ピン
160:凹部
200:電子装置
210:メインボード
220:ケース
300:電子装置
310:メインボード
320:第1コンデンサ群
330:第2コンデンサ群
340:中空部
350:ケース