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  • 特開-印刷装置、プログラム及び制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021619
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】印刷装置、プログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/32 20060101AFI20250206BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20250206BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20250206BHJP
   B41J 11/04 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
B41J2/32 Z
B41J3/36 T
B41J29/13 103
B41J11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125446
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】半田 雄士
【テーマコード(参考)】
2C055
2C058
2C061
2C065
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC03
2C055CC05
2C058AB06
2C058AC06
2C058AD01
2C058AE04
2C058AE15
2C058AF31
2C058DA10
2C061AP01
2C061AP05
2C061AQ04
2C061AS06
2C061CD07
2C061CD15
2C061CD21
2C065AA01
2C065AB03
2C065CZ16
2C065CZ17
(57)【要約】
【課題】印刷装置の状態に基づいて、ユーザの指示に対する適切なプラテンローラの動作を行う。
【解決手段】印刷装置は、操作部と、被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、サーマルヘッドとの間に被印刷媒体を挟持した状態で回転することで、被印刷媒体を搬送可能なプラテンローラと、印刷前の被印刷媒体(テープカートリッジ)を収容するカートリッジ収容部と、カートリッジ収容部に被印刷媒体を収容する際に開閉されるカバーと、制御部と、を備える。制御部は、操作部からプラテンローラの回転動作を指示する回転指示を取得した際(ステップS11;YES)、カバーが開いており(ステップS2;YES)、かつ、カートリッジ収容部に被印刷媒体が収容されていない場合(ステップS12;NO)、プラテンローラを回転させる(ステップS14)。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、
被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドとの間に前記被印刷媒体を挟持した状態で回転することで、前記被印刷媒体を搬送可能なローラと、
前記サーマルヘッドによる印刷前の前記被印刷媒体を収容する収容部と、
前記収容部に前記被印刷媒体を収容する際に開閉されるカバーと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記操作部から前記ローラの回転動作を指示する回転指示を取得した際、前記カバーが開いており、かつ、前記収容部に前記被印刷媒体が収容されていない場合、前記ローラを回転させる、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記操作部から前記回転指示を取得した際、前記カバーが開いており、かつ、前記収容部に前記被印刷媒体が収容されている場合、前記ローラを回転させない、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記ローラと前記サーマルヘッドとが押圧された押圧状態と、前記ローラと前記サーマルヘッドとが離間した離間状態と、を変更可能な状態変更部を更に備え、
前記制御部は、前記カバーが開けられた場合、前記状態変更部を制御して、前記ローラと前記サーマルヘッドとを離間状態とする、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記操作部から前記回転指示を取得した際、前記カバーが開いており、かつ、前記収容部に前記被印刷媒体が収容されていない場合、前記ローラと前記サーマルヘッドとの離間状態を維持しつつ、前記ローラを回転させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記操作部から前記回転指示を取得した際、前記カバーが開いており、かつ、前記収容部に前記被印刷媒体が収容されていない場合、前記ローラを所定時間回転させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記操作部から前記回転指示を取得した際、前記カバーが開いており、かつ、前記収容部に前記被印刷媒体が収容されている場合、所定のエラーメッセージを報知する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項7】
操作部と、被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドとの間に前記被印刷媒体を挟持した状態で回転することで、前記被印刷媒体を搬送可能なローラと、前記サーマルヘッドによる印刷前の前記被印刷媒体を収容する収容部と、前記収容部に前記被印刷媒体を収容する際に開閉されるカバーと、を備える印刷装置のコンピュータに、
前記操作部から前記ローラの回転動作を指示する回転指示を取得した際、前記カバーが開いており、かつ、前記収容部に前記被印刷媒体が収容されていない場合、前記ローラを回転させる処理を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
操作部と、被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドとの間に前記被印刷媒体を挟持した状態で回転することで、前記被印刷媒体を搬送可能なローラと、前記サーマルヘッドによる印刷前の前記被印刷媒体を収容する収容部と、前記収容部に前記被印刷媒体を収容する際に開閉されるカバーと、を備える印刷装置の制御方法であって、
前記操作部から前記ローラの回転動作を指示する回転指示を取得した際、前記カバーが開いており、かつ、前記収容部に前記被印刷媒体が収容されていない場合、前記ローラを回転させる工程を含む、
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、プログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーマルヘッドにより被印刷媒体に印刷を行う印刷装置が利用されている。例えば、サーマルヘッドをプラテンローラに圧接する位置で、サーマルヘッドによりプラテンローラとの間に挟んだ記録紙に印刷を行う技術があった(特許文献1参照)。
【0003】
このようなサーマルプリンタでは、サーマルヘッドやプラテンローラに、ホコリやゴミ等が付着することは避けられず、定期的なクリーニングが必要である。そのため、例えば、アルコールを含ませた綿棒で、サーマルヘッドやプラテンローラを拭き取るクリーニング方法が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-291385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プラテンローラのクリーニングにおいては、プラテンローラのサーマルヘッド側に露出した部分だけでなく、プラテンローラの全周にわたるクリーニングが必要である。そのため、プラテンローラのクリーニング時に、プラテンローラを回転できること望ましい。
【0006】
また、プラテンローラに綿棒等の清掃部材を当てるには、プラテンローラに達するまでの空間が確保されている必要がある。印刷装置では、カバー(蓋部分)が開いているか否か、被印刷媒体がセットされているか否かによって、清掃部材がプラテンローラに接触できるか否かが変わる。プラテンローラまでの空間が確保されていない状態で、プラテンローラを回転させても、クリーニングを行うことはできない。現状、印刷装置の状態に基づいて、ユーザの指示(プラテンローラの回転指示)に対する適切なプラテンローラの動作を行うことはできなかった。
【0007】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、印刷装置の状態に基づいて、ユーザの指示に対する適切なプラテンローラの動作を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、
操作部と、
被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドとの間に前記被印刷媒体を挟持した状態で回転することで、前記被印刷媒体を搬送可能なローラと、
前記サーマルヘッドによる印刷前の前記被印刷媒体を収容する収容部と、
前記収容部に前記被印刷媒体を収容する際に開閉されるカバーと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記操作部から前記ローラの回転動作を指示する回転指示を取得した際、前記カバーが開いており、かつ、前記収容部に前記被印刷媒体が収容されていない場合、前記ローラを回転させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、印刷装置の状態に基づいて、ユーザの指示に対する適切なプラテンローラの動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態における印刷装置の外観を示す斜視図である。
図2】カバーが開放され、テープカートリッジが収容されていない状態の印刷装置を示す斜視図である。
図3】カバーが開放され、テープカートリッジが収容された状態の印刷装置を示す斜視図である。
図4A】サーマルヘッド、プラテンローラ及びカートリッジ収容部を模式的に示した平面図であり、プラテンローラがサーマルヘッドから離間した状態を示す図である。
図4B】サーマルヘッド、プラテンローラ及びカートリッジ収容部を模式的に示した平面図であり、プラテンローラがサーマルヘッドに押圧された状態を示す図である。
図5】印刷装置の機能的構成を示すブロック図である。
図6】印刷装置により実行されるプラテンローラ制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る印刷装置、プログラム及び制御方法の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
[印刷装置の構成]
まず、本実施形態に係る印刷装置1の構成について説明する。
図1は、印刷装置1の外観を示す斜視図である。図2は、カバー2が開放された状態であり、テープカートリッジ70が収容されていない状態の印刷装置1を示す斜視図である。図3は、カバー2が開放された状態であり、テープカートリッジ70が収容された状態の印刷装置1を示す斜視図である。
【0013】
テープカートリッジ70の内部において、被印刷媒体である長尺のテープが予めロール状に巻かれている。
本実施形態において、テープカートリッジ70から供給されるテープ(以下、印刷テープと称す)の搬送される方向を「搬送方向X」とし、この搬送方向Xに直交する印刷テープの幅方向を「幅方向Y」とし、印刷テープの厚み方向を「厚み方向Z」とする。これらX方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する。
【0014】
印刷装置1は、印刷テープを加熱して、文字、記号、マーク、図形等の画像を印刷するラベルプリンタである。印刷装置1は、印刷した印刷テープをカットする機能、外部機器と無線LAN(Local Area Network)通信する機能等を有する。
【0015】
印刷テープは、接着層を有するテープ本体部と、当該テープ本体部の接着層を覆うように剥離可能に貼付された剥離紙と、を有する。
【0016】
図1図3に示すように、印刷装置1には、箱状の筐体3の上面に、カバー2と、複数のボタン(電源ボタン31、無線LAN切替ボタン32、フィードボタン33、カットボタン34、オープンボタン35)が設けられている。
【0017】
電源ボタン31は、印刷装置1の電源オン/オフの操作指示を受け付けるボタンである。
【0018】
無線LAN切替ボタン32は、印刷装置1の無線LAN通信のモードとして、アクセスポイントモードと、クライアントモードと、を切り替える操作指示を受け付けるボタンである。アクセスポイントモードとは、印刷装置1が無線LANのアクセスポイントとして機能し、印刷装置1が外部機器と直接無線LAN通信を行うモードである。クライアントモードとは、印刷装置1が無線LANのアクセスポイントを介して外部機器と無線LAN通信を行うモードである。
【0019】
フィードボタン33は、テープカートリッジ70から供給される印刷テープのフィードの操作指示を受け付けるボタンである。フィードとは、印刷テープを送り出すことであり、印刷時における印刷テープの搬送と区別して、空送りを意味する。
【0020】
カットボタン34は、テープカートリッジ70から供給された印刷テープの切断の操作指示を受け付けるボタンである。
【0021】
オープンボタン35は、カバー2を開放させるボタンである。なお、カバー2を閉じる際にはユーザが手動にてカバー2を閉じる。
【0022】
カバー2は、筐体3の上面側に形成されている開口を覆うように開閉自在に配設されている。
図1図3に示すように、カバー2は、上面部21と、側面部22と、窓部23と、突起部24と、係止爪25と、を備えている。
【0023】
上面部21は、筐体3の上面側に形成されている開口を覆う部分であり、当該開口に対応する形状(略矩形)を有している。上面部21には、窓部23が配設されている。
側面部22は、上面部21の端部に連設され、筐体3の側面に形成されている開口を覆う部分である。
【0024】
窓部23は、カバー2が閉じられているときでも筐体3の内部(カートリッジ収容部60)にテープカートリッジ70が収容されているか否かを視認可能とするものである。
【0025】
突起部24は、カバー2が閉じられているときに、筐体3に設けられたカバー状態検出部36(図2図3参照)に係合するように設けられている。突起部24がカバー状態検出部36に係合することで、カバー状態検出部36が電気的にカバー2の閉状態を検出する。
【0026】
係止爪25は、カバー2が閉じられているときに、筐体3に設けられた係止凹部37(図2図3参照)に係止するように設けられている。係止爪25が係止凹部37に係止することで、誤ってカバー2が開放されない状態となる。
【0027】
筐体3は、図2及び図3に示すように、上述した複数のボタン、カバー状態検出部36、係止凹部37に加えて、カートリッジ収容部60を備えている。カートリッジ収容部60は、テープカートリッジ70(被印刷媒体)を着脱可能に収容する。テープカートリッジ70には、サーマルヘッド40による印刷前の印刷テープが巻かれた状態で格納されている。カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70を収容する際に、カバー2が開閉される。
【0028】
また、筐体3の側面であって、テープカートリッジ70から供給される印刷テープの「搬送方向X」の下流側に位置する部分には、排出口38が形成されている。印刷装置1内においてサーマルヘッド40による印刷が完了した印刷テープは、排出口38から装置外へと排出される。
【0029】
テープカートリッジ70から供給される印刷テープを挟んで、サーマルヘッド40と対向する位置に、プラテンローラ50が設けられている。
【0030】
図4A及び図4Bは、サーマルヘッド40、プラテンローラ50及びカートリッジ収容部60を模式的に示した平面図である。
【0031】
本実施形態のカートリッジ収容部60は、第1のテープカートリッジ70Aと第2のテープカートリッジ70Bのそれぞれを収容可能となっている。第1のテープカートリッジ70Aは、「搬送方向X」と「厚み方向Z」とによるXZ平面における外形寸法が比較的大きいテープカートリッジ70である。第2のテープカートリッジ70Bは、XZ平面における外形寸法が第1のテープカートリッジ70Aよりも小さい。
【0032】
なお、以下では、第1のテープカートリッジ70Aと第2のテープカートリッジ70Bとを区別して説明する必要がない場合には、これらを含むテープカートリッジ70として説明を行う。
【0033】
プラテンローラ50は、サーマルヘッド40から離間した状態(図4A参照)と、サーマルヘッド40に押圧された状態(図4B参照)と、を取り得る。
図4A及び図4Bでは、位置関係を分かりやすくするために、テープカートリッジ70を図示しているが、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が収容されていない場合もある。
【0034】
サーマルヘッド40は、テープカートリッジ70から供給される印刷テープ(被印刷媒体)に印刷を行う印刷ヘッドである。サーマルヘッド40は、プラテンローラ50との間に印刷テープが挟持された状態で、印刷テープに印刷を行う。サーマルヘッド40は、通電状態が独立に制御される複数の発熱素子(図示省略)を有する。
【0035】
プラテンローラ50は、サーマルヘッド40との間に印刷テープを挟持した状態で回転することで、当該印刷テープを搬送する搬送ローラである。プラテンローラ50は、印刷テープを排出口38に向けて「搬送方向X」に搬送する。
【0036】
また、カートリッジ収容部60には、カートリッジ検出部61(図5参照)が設けられている。カートリッジ検出部61は、複数の検出スイッチ61A~61E(図4A及び図4B参照)を有する。
【0037】
カートリッジ検出部61は、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が収容されているか否かを検出する。
カートリッジ検出部61は、カートリッジ収容部60に収容されたテープカートリッジ70の形状に基づいて、テープカートリッジ70の種類(サイズ・テープ幅)を検出する。種類が異なるテープカートリッジ70は、複数の検出スイッチ61A~61Eをそれぞれ異なる組み合わせで押下するように構成されている。カートリッジ検出部61は、押下された検出スイッチ61A~61Eの組み合わせから、テープカートリッジ70のサイズを特定し、印刷テープの幅(テープ幅)を検出する。
【0038】
本実施形態では、検出スイッチ61A~61Eによって、第1のテープカートリッジ70Aの場合、例えば、6mm、9mm、12mm、18mm、24mmの5種類のテープ幅を検出可能となっている。また、第2のテープカートリッジ70Bの場合、例えば、3.5mm、6mm、9mm、12mm、18mm、24mm、36mm、46mmの8種類のテープ幅を検出可能となっている。
【0039】
図2及び図3に示すように、カートリッジ収容部60には、インクリボン巻き取り軸62が設けられている。インクリボン巻き取り軸62は、テープカートリッジ70のインクリボン巻き取りコア71(図4A及び図4B参照)を係合させるための駆動軸である。カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が収容された状態で、インクリボン巻き取り軸62が回転することで、テープカートリッジ70におけるインクリボンのたるみをなくすことができる。
【0040】
また、図示はしないが、筐体3には、電源コード接続端子、外部機器接続端子、記憶媒体挿入口等が設けられている。なお、印刷装置1が電池等の内部電源で動作するものである場合には、電源コード接続端子はなくてもよい。
【0041】
図5は、印刷装置1の機能的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、印刷装置1は、制御部10と、入力部11と、表示部12と、記憶部13と、RAM(Random Access Memory)14と、通信部15と、電源回路16と、サーマルヘッド40と、ヘッド駆動回路41と、プラテンローラ50と、回転駆動モータ51と、押圧モータ52と、カッター80と、カッター駆動回路81と、カバー状態検出部36と、カートリッジ検出部61と、を備える。
【0042】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む。制御部10は、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出してRAM14に展開し、当該プログラムとの協働により、印刷装置1が印刷を行うための各種機能を実現する。
【0043】
入力部11(操作部)は、電源ボタン31、無線LAN切替ボタン32、フィードボタン33、カットボタン34、オープンボタン35等のボタンを備え、ユーザによる各種操作指示を受け付ける。入力部11は、各種操作指示に応じた操作信号を制御部10に出力する。
入力部11は、文字入力キー、変換キー、決定キー等の種々のキーを備え、ユーザによる印刷データの生成に関する各種操作指示を受け付ける。ユーザが入力部11からラベルの作成のために文字、記号、マーク、図形等を入力又は選択し、印刷指示を行うと、制御部10により、印刷データが生成される。なお、制御部10は、PC等の外部機器において生成された印刷データを、通信部15を介して取得してもよい。
入力部11は、表示部12の表面に一体的に設けられたタッチパネルを有していてもよい。この場合、入力部11は、タッチパネルに対するタッチ操作によって、各種の入力・設定等の操作を行うことができる。
【0044】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、制御部10の制御に従って、各種表示画面を表示する。
また、表示部12は、LED(Light Emitting Diode)等を備え、LEDの点灯により、印刷装置1の状態やエラー等を報知する。
【0045】
記憶部13は、制御部10により実行されるプログラムや各種設定データ等を記憶する。プログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を含む。
RAM14は、制御部10に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0046】
通信部15は、ネットワークインターフェース等により構成され、無線LAN、有線LAN、専用ケーブル等を介して接続された外部機器との間でデータ通信を行う。
【0047】
電源回路16は、印刷装置1の各部に電力を供給する。なお、電源は、内部のバッテリ等であってもよいし、ケーブル等を介して接続される外部電源であってもよい。
【0048】
ヘッド駆動回路41は、制御部10から供給された制御信号と印刷データに基づいて、サーマルヘッド40を駆動させる。
ヘッド駆動回路41が印刷データに応じて、サーマルヘッド40の複数の発熱素子に電流を選択的に流すことで、発熱素子が発熱してインクリボンを加熱する。これにより、サーマルヘッド40は、熱転写により印刷テープに対し印刷を行う。
なお、印刷テープのテープ本体部が、加熱により発色する発色層を有する感熱紙を使用した感熱方式の印刷装置1であってもよい。
【0049】
回転駆動モータ51は、プラテンローラ50を回転させる。
押圧モータ52は、プラテンローラ50のサーマルヘッド40に対する位置(距離)を変更させるためのモータである。押圧モータ52は、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とが押圧された押圧状態と、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とが離間した離間状態と、を変更可能な状態変更部である。押圧状態とは、プラテンローラ50とサーマルヘッド40のうち少なくとも一方が他方に対して押圧されることにより、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とが相互に押圧された状態となっていればよい。
【0050】
印刷装置1では、プラテンローラ50とサーマルヘッド40との押圧・離間を、回転駆動モータ51とは別の独立したモータ(押圧モータ52)で制御する構成になっている。これにより、プラテンローラ50がサーマルヘッド40と密着していない状態でも、プラテンローラ50の回転が可能となっている。
【0051】
カッター80は、印刷テープの「搬送方向X」において、サーマルヘッド40の下流側、かつ、排出口38の上流側に設けられている。カッター80は、印刷テープを「幅方向Y」に沿って切断する。
カッター駆動回路81は、カッター80を駆動する。
【0052】
カバー状態検出部36は、カバー2が開けられた状態であるか、閉じられた状態であるかを検出し、検出結果を制御部10に出力する。
カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70を収容する際、カートリッジ収容部60からテープカートリッジ70を取り出す際等に、カバー2は開閉される。
【0053】
カートリッジ検出部61は、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が収容されているか否かを検出し、検出結果を制御部10に出力する。
また、カートリッジ検出部61は、カートリッジ収容部60に収容されているテープカートリッジ70の種類(サイズ・テープ幅)を検出する。
【0054】
制御部10は、入力部11(操作部)からプラテンローラ50の回転動作を指示する回転指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、カートリッジ収容部60に印刷テープ(被印刷媒体)が収容されていない場合、プラテンローラ50を回転させる。本実施形態では、フィードボタン33の押下を、プラテンローラ50の回転動作を指示する回転指示とする。また、本実施形態では、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70を収容(装着)することが、カートリッジ収容部60に印刷テープを収容することに相当する。
【0055】
制御部10は、入力部11からプラテンローラ50の回転動作を指示する回転指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、カートリッジ収容部60に印刷テープが収容されていない場合、プラテンローラ50を所定時間回転させる。所定時間は、予め記憶部13に記憶されている。1回の印刷テープのフィード指示(プラテンローラ50の回転指示)に対して、プラテンローラ50を回転させる時間は、例えば、ユーザが設定可能としてもよい。
あるいは、制御部10は、フィードボタン33の押下に応じてプラテンローラ50を回転させ、再度フィードボタン33が押下されるまで、プラテンローラ50の回転を継続してもよい。
【0056】
制御部10は、入力部11からプラテンローラ50の回転動作を行う回転指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、カートリッジ収容部60に印刷テープが収容されている場合、プラテンローラ50を回転させない。
【0057】
制御部10は、カバー2が開けられた場合、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とを離間状態とする。具体的には、制御部10は、押圧モータ52を制御して、プラテンローラ50をサーマルヘッド40から離間させる。
【0058】
制御部10は、入力部11からプラテンローラ50の回転動作を行う回転指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、カートリッジ収容部60に印刷テープが収容されていない場合、プラテンローラ50とサーマルヘッド40との離間状態を維持しつつ、プラテンローラ50を回転させる。
【0059】
制御部10は、入力部11からプラテンローラ50の回転動作を行う回転指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、カートリッジ収容部60に印刷テープが収容されている場合、所定のエラーメッセージを報知する。所定のエラーメッセージは、例えば、カバー2が開いていることを報知するためのメッセージである。
【0060】
[印刷装置の動作]
次に、印刷装置1の動作について説明する。
図6は、印刷装置1により実行されるプラテンローラ制御処理を示すフローチャートである。プラテンローラ制御処理の開始時には、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とが離間状態(図4A参照)であることとする。
【0061】
まず、制御部10は、電源が入れられた状態であるか否かを判断する(ステップS1)。
電源が入れられた状態である場合には(ステップS1;YES)、制御部10は、カバー2が開いているか否かを判断する(ステップS2)。具体的には、制御部10は、カバー状態検出部36から検出結果を取得し、当該検出結果に基づいて、カバー2が開けられた状態であるか、閉じられた状態であるかを判断する。
【0062】
カバー2が開いていない場合には(ステップS2;NO)、制御部10は、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が装着されているか否かを判断する(ステップS3)。具体的には、制御部10は、カートリッジ検出部61から検出結果を取得し、当該検出結果に基づいて、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70(印刷テープ)が収容されているか否かを判断する。
【0063】
カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が装着されている場合には(ステップS3;YES)、制御部10は、押圧モータ52を制御して、プラテンローラ50をサーマルヘッド40に対して押圧させる(ステップS4)。すなわち、制御部10は、電源ON、かつ、カバー2が閉じられた状態、かつ、テープカートリッジ70が装着されている状態では、プラテンローラ50をサーマルヘッド40に密着した状態(図4B参照)とする。
なお、ステップS3においてYESと判断された場合に、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とが既に押圧状態であるときには、制御部10は、プラテンローラ50の位置を現状のまま維持させる。
【0064】
次に、制御部10は、入力部11からユーザによるフィード指示(プラテンローラ50の回転指示)があったか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、ユーザによりフィードボタン33が押下されたか否かを判断する。
【0065】
フィード指示があった場合には(ステップS5;YES)、制御部10は、回転駆動モータ51を制御して、プラテンローラ50を所定時間回転させることで、印刷テープを一定量搬送させる(ステップS6)。つまり、制御部10は、入力部11からフィード指示を取得した際、カバー2が閉じており、かつ、テープカートリッジ70が装着されている場合、印刷テープを一定量空送りさせる。
【0066】
ステップS6の後、又は、ステップS5において、フィード指示がない場合には(ステップS5;NO)、制御部10は、カバー2が開いているか否かを判断する(ステップS7)。具体的には、制御部10は、カバー状態検出部36から検出結果を取得し、当該検出結果に基づいて、カバー2が開けられた状態であるか、閉じられた状態であるかを判断する。
カバー2が閉じられた状態でオープンボタン35が押下された場合には、制御部10は、係止凹部37を係止爪25から外れるように動かす。この結果、カバー2は開き、カバー状態検出部36は、カバー2が開けられた状態であることを検出するようになる。
【0067】
なお、ステップS6とステップS7との間、又は、ステップS5においてNOと判断された場合とステップS7との間に、印刷動作等の処理が行われることもある。
【0068】
ステップS7において、カバー2が開いている場合(ステップS7;YES)、すなわち、カバー2が閉状態から開状態へと変化した場合には、制御部10は、押圧モータ52を制御して、プラテンローラ50をサーマルヘッド40から離間させる(ステップS8)。つまり、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とが離間状態(図4A参照)となる。
ステップS8の後、処理はステップS2に戻る。
【0069】
ステップS7において、カバー2が開いていない場合(ステップS7;NO)、すなわち、カバー2の閉状態が継続している場合には、処理はステップS1に戻る。
【0070】
ステップS3において、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が装着されていない場合には(ステップS3;NO)、制御部10は、入力部11からユーザによるフィード指示があったか否かを判断する(ステップS9)。具体的には、ユーザによりフィードボタン33が押下されたか否かを判断する。
【0071】
フィード指示があった場合には(ステップS9;YES)、制御部10は、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が装着されていないというエラーを報知する(ステップS10)。例えば、制御部10は、表示部12に設けられた所定のLEDを点灯させたり、テープカートリッジ70が装着されていないというメッセージを表示部12に表示させたりする。また、制御部10は、所定の音を発生させることで、エラーを報知してもよい。つまり、制御部10は、入力部11からフィード指示を取得した際、カバー2が閉じており、かつ、テープカートリッジ70が装着されていない場合、テープカートリッジ70の未装着を示すエラーを報知する。
ステップS10の後、又は、ステップS9において、フィード指示がない場合には(ステップS9;NO)、処理はステップS3に戻る。
【0072】
ステップS2において、カバー2が開いている場合には(ステップS2;YES)、制御部10は、入力部11からユーザによるフィード指示があったか否かを判断する(ステップS11)。具体的には、ユーザによりフィードボタン33が押下されたか否かを判断する。
【0073】
フィード指示があった場合には(ステップS11;YES)、制御部10は、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が装着されているか否かを判断する(ステップS12)。具体的には、制御部10は、カートリッジ検出部61から検出結果を取得し、当該検出結果に基づいて、テープカートリッジ70(印刷テープ)が収容されているか否かを判断する。
【0074】
カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が装着されている場合には(ステップS12;YES)、制御部10は、カバー2が開いているというエラーを報知する(ステップS13)。例えば、制御部10は、表示部12に設けられた所定のLEDを点灯させたり、カバー2が開いているというメッセージを表示部12に表示させたりする。また、制御部10は、所定の音を発生させることで、エラーを報知してもよい。つまり、制御部10は、入力部11からフィード指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、テープカートリッジ70が装着されている場合には、カバー2が開いているというエラーを報知する。また、このとき、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とは離間状態であり、制御部10は、プラテンローラ50を回転させない。
【0075】
ステップS12において、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が装着されていない場合には(ステップS12;NO)、制御部10は、回転駆動モータ51を制御して、クリーニング用にプラテンローラ50を所定時間空転させる(ステップS14)。つまり、制御部10は、入力部11からフィード指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、テープカートリッジ70が装着されていない場合には、プラテンローラ50とサーマルヘッド40との離間状態を維持しつつ、回転駆動モータ51によりプラテンローラ50を回転させる。所定時間としては、プラテンローラ50の全周をクリーニングするのに十分な時間が設定されている。
ユーザは、アルコールを浸した綿棒で、サーマルヘッド40とプラテンローラ50の表面を拭く。
【0076】
ステップS13の後、ステップS14の後、又は、ステップS11において、フィード指示がない場合には(ステップS11;NO)、処理はステップS2に戻る。
【0077】
ステップS1において、電源が入れられた状態でなくなった場合(ステップS1;NO)、すなわち、電源が入れられた状態で電源ボタン31が押下された場合には、処理はステップS15に移行する。ステップS15において、制御部10は、押圧モータ52を制御して、プラテンローラ50をサーマルヘッド40から離間させる。そして、制御部10は、印刷装置1の電源を切る。
以上で、プラテンローラ制御処理が終了する。
【0078】
なお、フィード指示に基づくプラテンローラ50の回転量(回転時間)については、通常のテープ搬送時(ステップS6)と、クリーニング時(ステップS14)とで、必ずしも同一である必要はない。すなわち、クリーニング時におけるプラテンローラ50の回転時間は、クリーニング用に設定された時間でもよいし、通常のテープ搬送時におけるフィード時間と同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば、制御部10が、クリーニング時に、通常のテープ搬送時よりも長くプラテンローラ50を回転させることで、ユーザがプラテンローラ50を綿棒で拭きやすくしてもよい。あるいは、制御部10が、クリーニング時に、プラテンローラ50の回転を開始してから、再度何らかの操作(例えば、フィードボタン33の再押下)があるまで、プラテンローラ50の回転を継続するようにしてもよい。
【0079】
以上説明したように、本実施形態における印刷装置1によれば、制御部10は、入力部11(操作部)からプラテンローラ50の回転動作を指示する回転指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70(印刷テープ)が収容されていない場合、プラテンローラ50を回転させる。制御部10は、カバー2の開閉状態、テープカートリッジ70の装着の有無等の印刷装置1の状態に基づいて、ユーザの指示(回転指示)に対する適切なプラテンローラ50の動作を行うことができる。
制御部10は、カバー2が開いた状態、かつ、テープカートリッジ70が未装着の状態で、プラテンローラ50を回転させるので、プラテンローラ50までの空間を確保することができ、プラテンローラ50のクリーニングが容易になる。ユーザは、アルコールを含ませた綿棒等を用いて、プラテンローラ50の全周をクリーニングできる。
本実施形態では、制御部10は、カバー2が開いており、かつ、テープカートリッジ70が装着されていないことを条件に、プラテンローラ50の空転を可能とした。
【0080】
また、制御部10は、上記の条件を満たした場合に、プラテンローラ50を所定時間回転させるので、ユーザは、プラテンローラ50の全周をクリーニングすることが容易になる。
【0081】
制御部10は、入力部11からプラテンローラ50の回転動作を行う回転指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が収容されている場合、プラテンローラ50を回転させない。この場合、ユーザによる回転指示があっても、サーマルヘッド40のクリーニングには適さないため、制御部10は、プラテンローラ50の回転を行わない。
【0082】
また、制御部10は、カバー2が開けられた場合、押圧モータ52を制御して、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とを離間状態とする。よって、制御部10は、カバー2が開けられている場合には、印刷テープへの印刷及び印刷テープの搬送を行わない。
【0083】
一方、カバー2が閉じた状態、かつ、テープカートリッジ70が装着されている状態では、制御部10は、押圧モータ52を制御して、プラテンローラ50とサーマルヘッド40とを押圧状態とする。このように、制御部10は、印刷装置1を、印刷テープへの印刷及び印刷テープの搬送を実行可能な状態にできる。
【0084】
制御部10は、入力部11からプラテンローラ50の回転動作を行う回転指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が収容されていない場合、プラテンローラ50とサーマルヘッド40との離間状態を維持しつつ、プラテンローラ50を回転させる。制御部10が、プラテンローラ50をサーマルヘッド40から離間させたまま、プラテンローラ50を回転させることにより、ユーザが綿棒等を挿し込む空間を確保できる。よって、プラテンローラ50の全周のクリーニングが容易となる。
制御部10は、プラテンローラ50を回転させる回転駆動モータ51と、プラテンローラ50のサーマルヘッド40に対する位置を変更させるための押圧モータ52と、を別々に制御できる。よって、制御部10は、プラテンローラ50をサーマルヘッド40から離間した状態のまま、プラテンローラ50を回転させることができる。
【0085】
制御部10は、入力部11からプラテンローラ50の回転動作を行う回転指示を取得した際、カバー2が開いており、かつ、カートリッジ収容部60にテープカートリッジ70が収容されている場合、所定のエラーメッセージを報知する。例えば、制御部10は、カバー2が開いているというエラーメッセージを報知することで、ユーザにカバー2を閉じることを促すことができる。
【0086】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る印刷装置、プログラム及び制御方法の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0087】
上記実施形態では、プラテンローラ50側がサーマルヘッド40に対する位置を変える構造の印刷装置1について説明したが、サーマルヘッド40側がプラテンローラ50に対する位置を変える構造の印刷装置においても、基本的に同様の説明が成り立つ。つまり、カバー2の開閉状態、テープカートリッジ70の装着の有無等の印刷装置の状態に応じて、サーマルヘッド40のプラテンローラ50に対する押圧状態/離間状態、及び、プラテンローラ50の回転を制御してもよい。
【0088】
上記実施形態では、プラテンローラ50の回転動作を指示するためのボタンを、印刷テープを搬送させる指示(フィード指示)と同じボタン(フィードボタン33)とした。これに代えて、プラテンローラ50のクリーニングのための回転指示ボタンが別途設けられていてもよい。あるいは、既存のボタンを兼用し、長押し等により指示内容を区別してもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 印刷装置
2 カバー
3 筐体
10 制御部
11 入力部
12 表示部
13 記憶部
31 電源ボタン
32 無線LAN切替ボタン
33 フィードボタン
34 カットボタン
35 オープンボタン
36 カバー状態検出部
38 排出口
40 サーマルヘッド
41 ヘッド駆動回路
50 プラテンローラ
51 回転駆動モータ
52 押圧モータ
60 カートリッジ収容部
61 カートリッジ検出部
70 テープカートリッジ
80 カッター
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6